JP2005524103A - 電気磁気泳動ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
Description
電気泳動ディスプレイ(EPDまたはEPID)は、溶媒中に懸濁された帯電した顔料粒子の電気泳動現象に基づいた非発光型デバイスである。このディスプレイは一般に、スペーサーによって間隔をおいて対向して配された電極を有する2つのプレートを有している。このディスプレイは、1969年に初めて提案された。このディスプレイは、典型的には、2枚のプレートを有しており、2枚のプレートは電極を有しており、2つの電極はスペーサーによって隔てられて互いに対向している。一方の電極は通常は透明である。2つのプレートの間には、着色された溶媒とその中に分散している帯電色素粒子からなる懸濁液が封入されている。2つの電極の間に電圧差がかけられた場合に、色素粒子は一方の側へ移動し、電圧差の極性に応じて色素の色か又は溶媒の色を観察することができる。
本発明は2つの要旨を有している。第1の要旨は、伝統的なアップ/ダウン・スイッチングモードを有する電気磁気泳動ディスプレイに関する。このディスプレイは、1つの頂部側ロウ電極層、1つの底部側カラム電極層、及びこれら2つの電極層にサンドイッチ状に挟まれたセルの配列(アレイ(array))から成っている。本発明のこの要旨の1つの態様において、1つの切り換え可能な(switchable)磁性層は、底部側電極層の下側に配置される。もう1つの態様では、2つの切り換え可能な磁性層があり、一方は頂部側ロウ電極層の頂部側に配置され、及び他方は底部側電極層の下側に配置される。3番目の態様では、一番上のロウ電極層の頂部側に1つの永久磁性層が配置され、底部側電極層の下側に1つの切り換え可能な磁性層が配置されている。4番目の態様では、一番上のロウ電極層の頂部側に1つの永久磁性層が配置され、底部側電極層の下側に1つの永久磁性層が配置されている。
本発明は、添付図面と組み合わせて、以下に記載する詳細な説明に基づいて容易に理解することができるであろうが、図面において同様の参照符号は同様の構成要素を示している。
以下、本発明の代表的な態様例についての詳細な説明を記載する。本発明の代表的な態様例に関して説明するが、本発明はこれらの態様例に限定されるものではないと理解されるべきである。特定のEMPDの特定の要件を満足するため、本発明の特徴の寸法及び形状は変更することができ、そのような変更の全ては本発明の範囲内のものである。以下の説明において、本発明について説明するために、特定の事項についての種々の詳細な事項を記載する。本発明は、これらの特定の詳細な事項の一部又は全体を伴わずに、特許請求の範囲の記載に基づいて実施することができる。明確にするため、本発明を不必要に不明瞭にしないように、本発明に関連してこの技術分野において知られている技術的事項についてはあまり詳細には説明していない。
本明細書において、全ての技術的用語は、特に断らない限り、それらが一般的に使用されており、また、この技術分野の当業者に理解されているように、それらの常套の定義に基づいて使用している。
「走査されていないロウ(non-scanned row)」は、更新もアドレス指定もされていないロウを意味する。
「走査されたロウ(scanned row)」は、更新又はアドレス指定されたロウを意味する。
Fm=M・▽|B|
[式中、Mは磁性粒子の磁化(magnetization)であり、▽|B|は磁界の勾配である。]
で表される場合、等しいバイアス電圧は、
Vm=Fm・d/q
[式中、qは粒子の電荷であり、dは頂部側電極と底部側電極との間の距離である。]
で表される。この変換の後、Vtmは磁気力TMの等価なバイアス電圧を表し、一方、Vbmは磁気力BMの等価なバイアス電圧を表す。
A.伝統的アップ/ダウン切り替えモードを有する電気磁気泳動ディスプレイ
1つの態様では、図2Aに示すように、このディスプレイは、頂部側電極層(21)及び底部側電極層(22)並びにこれら2つの層の間に配されるセル(20)を有してなり、2つの電極層の少なくとも1つ(例えば、頂部側電極層21)は透明である。頂部側電極層(21)は1つのロウ電極(23)を有しており、底部側電極層(22)は1つのカラム電極(24)を有している。底部側電極層の下側に、切り換え(スイッチング)可能な磁性層(25)が配されている。頂部側ロウ電極と底部側カラム電極は互いに(好ましくは垂直に)交差しており、磁性層は頂部側ロウ電極層(21/23)(図2B参照)と位置合わせされる。ディスプレイセル(20)、は誘電体の溶媒(27)中に分散した帯電した磁性粒子(26)を有している。1つの態様において、粒子(26)は正に帯電している。
1つの態様において、図4Aに示すように、ディスプレイは、頂部側電極層(41)及び底部側電極層(42)、及び2つの層の間に配されたセル(40)を有しており、ビューイングサイドの少なくとも1つの層(例えば、頂部側電極層41)は透明である。頂部側電極層(41)は1つのロウ電極層(43)を有している。底部側電極層(42)は1つの中央電極(44)と、その中央電極(44)の両側に配される2つの側方電極(45)を有している。ギャップ(46)が存在して、中央電極を側方電極から隔てている。底部側電極層(42)の下側に切り替え可能な磁性層(47)が配されている。頂部側ロウ電極層と底部側カラム電極層とは互いに垂直な関係にあり、磁性層(47)は頂部側ロウ電極層(41)に位置合わせされている(図4B参照)。ディスプレイ・セル(40)は、誘電性溶媒(49)の中の帯電した磁性粒子(48)を有している。1つの態様において、粒子(48)は正に帯電している。
(a)アップ/ダウン切り替えモード/1つの底部側磁性層
図7Aは、図2Aの電気磁気泳動ディスプレイの2×3のパッシブ・マトリックスを説明するための図であって、一般的な2×3パッシブ・マトリックスの平面図を示している。説明のために、このシナリオ(ケース)において、駆動電圧は30Vであり、磁性粒子は正に帯電していると仮定する。粒子は白色を有しており、着色されたクリア(透明)な溶媒の中に分散されている。従って、粒子が頂部側に存在する場合、頂部側のビューイングサイドを通して、磁性粒子の色(この場合は白色)が観察される。対照的に、粒子が底部側に存在する場合、ビューイングサイドから溶媒の色が観察される。この説明の目的は、2つのセルA及びDを白色の状態にし、セルB及びCを着色された状態にし、並びにセルE及びFをリセットされた状態、即ち、白色の状態へ駆動することである。
1)セルA内の粒子を頂部側(図7B−1参照)に留まらせるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
「しきい値電圧」≧5V
2)セルB(図7B−2)内で、粒子をセルの底部側に移動させるために、以下の条件が満たされることが必要である:
30V>「しきい値電圧」
3)セルC及びE内で粒子は25Vの負バイアス下にあり、セルD及びF内で粒子は0Vのバイアス下にあり、従って粒子はセルの頂部側に留まっている。
1)セルD内の粒子が頂部側(図7B−4参照)に留まるために、以下の条件が満たされることが必要である:
「しきい値電圧」≧5V
2)セルC(図7B−3)内で、粒子をセルの底部側に移動させるために、以下の条件が満たされることが必要である:
30V>「しきい値電圧」
R2が走査されると、セルA及びB内の粒子は走査フェーズの間は設定された位置に留まる必要がある。しかし、ロウR2が走査される際に、走査されたロウのセルA及びBについては、ロウ(R1)並びにカラム電極(C1及びC2)に印加される電圧は変化している。更に、このとき、ロウR1の下側の磁性層はターンオンされる。
「しきい値電圧」≧Vtm
4)セルBは25Vの逆バイアス下にあり(図7B−6)、従って、このセル内で粒子を底部側に留まらせるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
「しきい値電圧」+Vbm ≧ 25V
5)セルE内で粒子は0Vのバイアス下にあり、セルF内で粒子は25Vの負バイアスの下にあり、従って粒子はセルの頂部側に留まっている。
このセクションは図3Aの電気磁気泳動ディスプレイの2×3パッシブ・マトリックスを説明する。説明のために、このシナリオでは、駆動電圧が30Vであると仮定する。白い粒子は正に帯電しており、そして磁化されている。
1)セルA内には0Vのバイアスがかけられている。R1の磁性層はターンオフされている。従って、セルA内の粒子は、二安定性(bistability)を有するので、頂部側に留まる。
2)セルB内では、粒子をセルの底部側に移動させるために、以下の条件が満たされることが必要である:
30V>「しきい値電圧」
3)セルC及びEにおいて粒子は30Vの負バイアス下にあり、セルD及びFにおいて粒子は0Vのバイアス下にあり、従って、粒子はこれらのセルの頂部側に留まっている。
1)セルD内には0Vのバイアスが存在する。R2の磁性層はターンオフされている。セルD内の粒子は、粒子の二安定性(bistability)のために頂部側に留まる。
2)セルCにおいて、粒子をセルの底部側に移動させるために、以下の条件が満たされることが必要である:
30V>「しきい値電圧」
大部分の粒子がそれらの行き先の近くにあるか又はその行き先へ移動した場合、R2及びC2に印加される電圧は0Vに設定され、同時に、ロウR2の頂部側及び底部側の両方の磁性層はターンオンされる。従って、セルD内の頂部側に既にある粒子は粒子と頂部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれ、セルB内において既に底部側にある粒子は粒子と底部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれる。その結果、遮蔽効果は減少し、粒子はよりしっかりと充填され、それらの所望の位置に留まる。
「しきい値電圧」+ Vtm ≧ 15V
4)セルBも15Vの逆バイアス下にあり、従って、このセル内において粒子を底部側に留まらせるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
「しきい値電圧」+ Vbm ≧ 15V
5)セルEは0Vのバイアス下にあり、セルFは30Vの負バイアス下にある。これらのセル内の粒子はセルの頂部側に留まっている。
この構成において、粒子が5Vのしきい値電圧を有する場合、磁気力TM及び磁気力BMの両者は、10Vの電界強度と同じか又はそれ以上であることが必要であるということが結論付けられる。一般に、この構成におけるVtm及びVbmは、しきい値電圧よりも大きい必要があり、それらの正確な強度は、粒子/電極の特性及び印加される駆動電圧に依存することになる。
このセクションは、頂部側の1つの永久磁性層と底部側の1つの切り換え可能な磁性層を有する電気磁気泳動ディスプレイの2×3パッシブ・マトリックスについて説明する。説明のために、このシナリオでは、駆動電圧が30Vであり、磁性粒子は正に帯電していると仮定する。
1)セルD内には0Vのバイアスが存在する。R1の底部側磁性層はターンオフされている。従って、セルA内の粒子は、粒子の二安定性及び粒子と頂部側永久磁性層との間に形成される磁気力のために頂部側に留まる。
30V>「しきい値電圧」
3)セルC及びEにおいて粒子は30Vの負バイアス下にあり、セルD及びFにおいて粒子は0Vのバイアス下にあり、従って、粒子はこれらのセルの頂部側に留まっている。磁気力TMも、これら2つのセルにおいて、粒子を頂部側に留まらせることを支援する。セルA及びBにおいて、大部分の粒子がそれらの行き先の近くにあるか又はその行き先へ移動した場合、R1及びC1に印加される電圧は0Vに設定され、同時に、走査するロウR1の底部側磁性層はターンオンされる。従って、セルA内で頂部側に既に存在する粒子は、粒子と頂部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれ、セルB内で底部側に既に存在する粒子は、粒子と底部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれる。その結果、遮蔽効果は減少し、粒子はよりしっかりと充填され、それらの所望の位置に留まる。
1)セルD内には0Vのバイアスが存在する。底部側の磁性層R2はターンオフされている。セルD内の粒子は、粒子の二安定性及び粒子と頂部側永久磁性層との間の磁気力のために頂部側に留まる。
30V>「しきい値電圧」+Vtm
大部分の粒子がそれらの行き先の近くにあるか又はその行き先へ移動した場合、R2及びC2に印加される電圧は0Vに設定され、同時に、ロウR2の底部側磁性層はターンオンされる。セルD内で頂部側に既に存在する粒子は、粒子と頂部側永久磁性層との間に形成される磁界によって引かれ、セルC内で底部側に既に存在する粒子は、粒子と底部側の切り替え可能な磁性層との間に形成される磁界によって引かれる。その結果、遮蔽効果は減少し、粒子はよりしっかりと充填され、それらの所望の位置に留まる。
「しきい値電圧」+ Vtm ≧ 15V
4)セルBも15Vの逆バイアス下にあり、従って、このセル内において粒子を底部側に留まらせるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
「しきい値電圧」+ Vbm ≧ 15V
5)セルEは0Vのバイアス下にあり、セルFは30Vの負バイアス下にある。これら2つのセル内の粒子はセルの頂部側に留まっている。磁気力TMも粒子を頂部側に留まらせることを支援する。
このセクションは、2つの永久磁性層を有する電気磁気泳動ディスプレイの2×3パッシブ・マトリックスについて説明する。説明のために、このシナリオでは、駆動電圧が30Vであると仮定する。磁性粒子は正に帯電し及び磁化されていると仮定する。
ロウR1を走査するロウ(列)とし、R2及びR3を走査されていないロウとすると、ロウR1には30Vの駆動電圧が印加され、ロウR2及びR3には0Vが印加されて、同時に、カラムC1には30Vの電圧が印加され、カラムC2には0Vが印加される。
1)セルA内には0Vのバイアスが存在する。従って、セルA内の粒子は、粒子の二安定性及び粒子と頂部側永久磁性層との間に形成される磁気力のために、頂部側に留まる。
30V>「しきい値電圧」+Vtm
3)セルC及びEにおいて粒子は30Vの負バイアス下にあり、セルD及びFにおいて粒子は0Vのバイアス下にあり、従って、粒子はこれらのセルの頂部側に留まっている。磁気力TMも粒子を頂部側に保持することを支援する。
1)セルD内には0Vのバイアスが存在する。セルD内の粒子は、粒子の二安定性及び粒子と頂部側磁性層との間の磁気力のために頂部側に留まる。
30V>「しきい値電圧」+Vtm
大部分の粒子がそれらの行き先の近くにあるか又はその行き先へ移動した場合、R2及びC2に印加される電圧は0Vに設定される。セルD内で頂部側に既に存在する粒子は、粒子と頂部側永久磁性層との間に形成される磁界によって引かれ、セルC内で底部側に既に存在する粒子は、粒子と底部側の切り替え可能な磁性層との間に形成される磁界によって引かれる。その結果、遮蔽効果は減少し、粒子はよりしっかりと充填され、それらの所望の位置に留まる。
「しきい値電圧」+ Vtm ≧ 15V
4)セルBも15Vの逆バイアス下にあり、従って、このセル内において粒子を底部側に留まらせるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
「しきい値電圧」+ Vbm ≧ 15V
5)セルEは0Vのバイアス下にあり、セルFは30Vの負バイアス下にある。粒子はこれら2つのセル内の頂部側に留まっている。磁気力TMも粒子を頂部側に留まらせることを支援する。
(a)二重スイッチング・モード/1つの切り替え可能な底部側磁性層
このセクションでは、図4Aの二重モード(デュアルモード(dual mode))を有するマルチカラー・ディスプレイについて説明する。説明のために、粒子は白色であって、正に帯電し、磁化されていると仮定する。粒子はクリアで着色された溶媒の中に分散されており、セルのバックグラウンドは黒色である。従って、粒子が頂部側に存在する場合、頂部側のビューイングサイド(viewing side)を通して、白色が観察される。粒子が底部側に存在する場合には、ビューイングサイドから、溶媒の色が観察され、粒子が側方の電極へ移動する場合には黒色(即ち、セルのバックグラウンドの色)が観察される。
セルAの底部側中央電極及び2つの側方電極(図8A参照)に40Vの駆動電圧を印加すると、このセルの中には正のバイアス又は負のバイアスは存在しない。しかし、粒子二安定性のため、粒子は頂部側に留まり、ビューイングサイドを通して白色が見られる。
40V + 「しきい値電圧」 ≧ Vtm
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合、粒子が頂部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
10V + 「しきい値電圧」 ≧ Vtm
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子が頂部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
40V + 「しきい値電圧」 ≧ Vtm
2)図8BのセルBにおいて、頂部側ロウ電極に(40Vの代わりに)0Vが印加されており、カラム及び2つの側方電極は、走査するロウに印加される電圧に応じて、すべてが40Vの状態、すべてが10Vの状態、又はそれぞれ10V−40V−10Vの状態となり得る。
カラム及び側方電極がすべて40Vである場合、粒子が底部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 40V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合、粒子が底部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子が底部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 40V
カラム及び側方電極がすべて40Vである場合、粒子が側方電極に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 40V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合、粒子が側方電極に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子が側方電極に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
この態様例では、粒子材料しきい値効果及び磁界強度は、以下の条件を満たす必要がある:
Vbm +「しきい値電圧」 ≧ 40V
10V +「しきい値電圧」 ≧ Vtm
粒子しきい値効果が5Vの電界強度である場合、Vbmは35Vに等しいか又はそれより大きいことが必要であり、Vtmは15Vに等しいか又はそれより小さいことが必要である。従って、一般に、頂部側磁気力は底部側磁気力よりも小さいことが必要とされる。実際に、それらの正確な強度は固有の粒子しきい値効果及び駆動電圧の組合せによって決定され得る。
第2の形態では、電気磁気泳動ディスプレイは、頂部側ロウ電極の頂部側に1つの追加の切り替え可能な磁性層を有する点で、図4Aの構成とは異なっている。2つの切り替え可能な磁性層によって形成される磁界は、反対の向きである。従って、例えば、磁性粒子が頂部側に存在し、それらは頂部側磁性層によって頂部側へ引かれる(引き寄せられる)場合、粒子と底部側磁性層との間の磁気力は無視できない場合であっても、底部側磁性層はその粒子を押しやって、粒子が頂部側へ移動することを支援する。この構成において、最初に、すべての頂部側ロウ電極は0Vにリセットされ、すべての底部側電極は40Vにリセットされている。リセットの際、すべての頂部側磁性ロウはターンオンされ、すべての底部側磁性層はターンオフされる。その結果として、すべての粒子は頂部側へ移動し、ビューイングサイドから白色が観察される。
1つのロウを走査した後、そのロウは走査されたロウとなり、次のロウが走査される。走査されたロウについては、頂部側磁性層及び底部側電極層の両方がターンオンされる。走査されたロウの頂部側ロウ電極には20Vが印加される。
Vtm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子が頂部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vtm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
2)図8BのセルBにおいて、頂部側ロウ電極に(40Vの代わりに)20Vが印加されており、カラム及び2つの側方電極は、走査するロウに印加される電圧に応じて、すべてが40Vの状態、すべてが10Vの状態、又はそれぞれ10V−40V−10Vの状態となり得る。
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 20V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合、粒子は底部側に留まる。
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 30V
3)図8CのセルCにおいて、頂部側ロウ電極に(40Vの代わりに)20Vが印加されており、カラム及び2つの側方電極は、走査するロウに印加される電圧に応じて、すべてが40Vの状態、すべてが10Vの状態、又はそれぞれ10V−40V−10Vの状態となり得る。
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 20V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合には、粒子は側方電極に留まる。
上述したすべてのシナリオ(ケース)を考慮すると、粒子材料しきい値効果及び磁界強度は、以下の条件を満たす必要がある:
Vbm +「しきい値電圧」 ≧ 30V
Vtm +「しきい値電圧」 ≧ 10V
粒子しきい値効果が5Vの電界強度である場合、Vbmは25Vに等しいか又はそれより大きいことが必要であり、Vtmは5Vに等しいか又はそれより小さいことが必要である。一般に、頂部側磁気力及び底部側磁気力は、粒子しきい値効果及び駆動電圧の組合せに応じて変動し得る。
この態様例では、1つの永久的磁性層がセルの頂部側にあり、1つの切り替え可能な磁性層が底部側電極層の下側にある。2つの磁性層によって形成される磁界は、反対の向きである。従って、例えば、磁性粒子が頂部側磁性層によって頂部側へ引かれる(引き寄せられる)場合、粒子と底部側磁性層との間の磁気力は無視できない場合であっても、底部側磁性層はその粒子を押しやって、粒子が頂部側へ移動することを支援する。この構成において、最初に、すべての頂部側ロウ電極は0Vにリセットされ、すべての底部側電極は40Vにリセットされる。リセットの際、すべての底部側磁性ロウはターンオンされる。その結果として、すべての粒子は頂部側へ移動し、ビューイングサイドから白色が観察される。
30V ≧ Vtm +「しきい値電圧」
大部分の粒子がそれらの行き先の近くにあるか又はその行き先へ移動した場合、走査しているロウにおいて、頂部側ロウ電極、底部側中央電極及び側方電極に印加される電圧は0Vに設定され、底部側の切り替え可能な磁性層はターンオンされる。頂部側の粒子は粒子と頂部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれ、底部側の粒子は粒子と底部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれる。その結果、遮蔽効果は減少し、粒子はよりしっかりと充填され、それらの所望の位置に留まる。
Vtm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子が頂部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vtm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
2)図8BのセルBにおいて、頂部側ロウ電極に(40Vの代わりに)20Vが印加されており、カラム及び2つの側方電極は、走査するロウに印加される電圧に応じて、すべてが40Vの状態、すべてが10Vの状態、又はそれぞれ10V−40V−10Vの状態となり得る。カラム及び側方電極がすべて40Vである場合、粒子が底部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 20V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合、粒子は底部側に留まる。
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 30V
3)図8CのセルCにおいて、頂部側ロウ電極に(40Vの代わりに)20Vが印加されており、カラム及び2つの側方電極は、走査するロウに印加される電圧に応じて、すべてが40Vの状態、すべてが10Vの状態、又はそれぞれ10V−40V−10Vの状態となり得る。
カラム及び側方電極がすべて40Vである場合、粒子が側方電極に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 20V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合には、粒子は側方電極に留まる。
上述したすべてのシナリオ(ケース)を考慮すると、粒子材料しきい値及び磁界強度は、以下の条件を満たす必要がある:
Vbm +「しきい値電圧」 ≧ 30V
Vtm +「しきい値電圧」 ≧ 10V
30V > Vtm +「しきい値電圧」
この態様例では、粒子しきい値効果が5Vの電界強度である場合、Vbmは25Vに等しいか又はそれより大きいことが必要であり、Vtmは5Vに等しいか又はそれより大きいが、但し25Vより小さいことが必要である。一般に、頂部側磁気力及び底部側磁気力は、粒子しきい値効果及び印加される駆動電圧の組合せに応じて変動し得る。
この態様例では、1つの永久的磁性層がセルの頂部側にあり、1つの永久的磁性層が底部側電極層の下側にある。これら2つの磁性層によって形成される磁界は、反対の向きである。従って、例えば、磁性粒子が頂部側磁性層によって頂部側へ引かれる(引き寄せられる)場合、粒子と底部側磁性層との間の磁気力は無視できない場合であっても、底部側磁性層は粒子を押しやって、粒子が頂部側へ移動することを支援する。この構成において、最初に、すべての頂部側ロウ電極は0Vにリセットされ、すべての底部側電極は40Vにリセットされる。その結果として、すべての粒子は頂部側へ移動し、ビューイングサイドから白色が観察される。
30V ≧ Vtm +「しきい値電圧」
大部分の粒子がそれらの行き先の近くにあるか又はその行き先へ移動した場合、頂部側ロウ電極及び、底部側中央電極及び側方電極に印加される電圧は0Vに設定される。頂部側の粒子は粒子と頂部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれ、底部側の粒子は粒子と底部側磁性層との間に形成される磁界によって引かれる。その結果、遮蔽効果は減少し、粒子はよりしっかりと充填され、それらの所望の位置に留まる。
Vtm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子が頂部側に留まるためには、以下の条件が満たされることが必要である:
Vtm + 「しきい値電圧」 ≧ 10V
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 20V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合、粒子は底部側に留まる。
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 30V
Vbm + 「しきい値電圧」 ≧ 20V
カラム及び側方電極がすべて10Vである場合には、粒子は側方電極に留まる。
カラム及び側方電極がそれぞれ10V−40V−10Vに設定される場合、粒子は側方電極に留まる。
Vbm +「しきい値電圧」 ≧ 30V
Vtm +「しきい値電圧」 ≧ 10V
30V > Vtm +「しきい値電圧」
この態様例では、粒子しきい値効果が5Vの電界強度である場合、Vbmは25Vに等しいか又はそれより大きいことが必要であり、Vtmは5Vに等しいか又はそれより大きいが、但し25Vより小さいことが必要である。実際に、頂部側磁気力及び底部側磁気力は、粒子しきい値効果及び印加される駆動電圧に応じて変動し得る。
1)清澄な無色の溶媒中の、黒色粒子と白色又はその他の色に着色された粒子の混合物であって、黒色粒子は帯電し磁性を帯びており、白色又はその他の着色粒子は帯電しておらず、磁性を帯びていない粒子系;
2)清澄な無色の溶媒中の、黒色粒子と白色又はその他の色に着色された粒子の混合物であって、黒色粒子は帯電し磁性を帯びており、白色又はその他の着色粒子は磁性を帯びていないが、黒色粒子と反対の電荷に帯電している粒子系;並びに
3)清澄な無色の溶媒中の、黒色粒子と白色又はその他の色に着色された粒子の混合物であって、黒色粒子は帯電し磁性を帯びており、白色又はその他の着色粒子は磁性を帯びていないが、黒色粒子と同じ電荷を異なるレベルで帯電している粒子系
が含まれるが、これらに限定されない。
従って、本発明は、本願明細書を参照して、従来技術が許容する程度に、添付の特許請求の範囲に記載する事項の範囲によって限定されるであろう。
Claims (40)
- a)少なくとも1つは透明である、頂部側電極層及び底部側電極層;
b)溶媒中に分散された、帯電し及び磁性を有する粒子が充填されたセルのアレイ;及び
c)少なくとも1つの磁性層
を有してなる電気磁気泳動ディスプレイ。 - 伝統的な上下切り替えスイッチング・モードを有しており、1つの磁性層は切り替え可能で、底部側電極層に配されている請求項1記載のディスプレイ。
- 伝統的な上下切り替えスイッチング・モード及び2つの磁性層を有する請求項1記載のディスプレイ。
- 前記1つの磁性層は頂部側電極層に配されており、他方の磁性層は底部側電極層に配されている請求項3記載のディスプレイ。
- 両方の磁性層が切り替え可能である請求項4記載のディスプレイ。
- 頂部側磁性層は永久的であり、底部側磁性層は切り替え可能である請求項4記載のディスプレイ。
- 両方の磁性層が永久的である請求項4記載のディスプレイ。
- デュアル・スイッチングモードを有しており、底部側電極層は中央電極及び2つの両側電極を有する請求項1記載のディスプレイ。
- デュアル・スイッチングモードを有しており、1つの磁性層は切り替え可能であって、底部側電極層に配されている請求項8記載のディスプレイ。
- デュアル・スイッチングモード及び2つの磁性層を有する請求項8記載のディスプレイ。
- 前記1つの磁性層は頂部側電極層に配されており、他方の磁性層は底部側電極層に配されている請求項10記載のディスプレイ。
- 両方の磁性層が切り替え可能である請求項11記載のディスプレイ。
- 頂部側磁性層は永久的であり、底部側磁性層は切り替え可能である請求項11記載のディスプレイ。
- 両方の磁性層が永久的である請求項11記載のディスプレイ。
- 前記帯電し磁性を有する粒子は白色であって、黒色又は着色された溶媒中に分散されている請求項1記載のディスプレイ。
- 前記粒子は、クリヤーで無色の溶媒中の、黒色粒子と白色又は他の色を有する粒子との混合物であって、前記黒色粒子は帯電し磁性を有しており、前記白色又は他の色を有する粒子は帯電もしておらず磁性も有していない請求項1記載のディスプレイ。
- 前記粒子は、クリヤーで無色の溶媒中の、黒色粒子と白色又は他の色を有する粒子との混合物であって、前記黒色粒子は帯電し磁性を有しており、前記白色又は他の色を有する粒子は磁性を有していないが、黒色粒子と反対の電荷に帯電している請求項1記載のディスプレイ。
- 前記粒子はクリヤーで無色の溶媒中の白色又は他の色を有する粒子と黒色粒子との混合物であって、前記黒色粒子は帯電し磁性を有しており、前記白色又は他の色を有する粒子は磁性を有していないが、黒色粒子と同じ電荷であって、異なるレベルに帯電している請求項1記載のディスプレイ。
- 少なくとも1つの磁性層は磁界を生成する請求項1記載のディスプレイ。
- 前記磁界の強度は粒子のしきい値効果及びその電極層に印加される駆動電圧によって決まる請求項19記載のディスプレイ。
- 磁性粒子は、常磁性、強磁性、反強磁性又はフェリ磁性粒子である請求項1記載のディスプレイ。
- 磁性粒子は、ガンマ酸化鉄、針状マグネタイト、コバルト変性又は吸着酸化鉄、ベルトライド酸化鉄、二酸化クロム、金属若しくは合金及び有機ポリラジカルからなる群から選ばれる材料によって形成されている請求項1記載のディスプレイ。
- 前記金属又は合金は、ステンレス鋼、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Co−Ni合金、Co−Cr合金、又はFe−Co−V合金である請求項22記載のディスプレイ。
- 前記有機ポリラジカルは、側鎖に有機ラジカルを有し、主鎖は有機ラジカル、二次元ポリラジカルと共役されたポリマーであるポリマー、側鎖として常磁性メタロポルフィリンを有するポリマー及び主鎖に常磁性金属イオンを有するポリマーからなる群から選ばれる請求項22記載のディスプレイ。
- 常磁性金属イオンは、Cu(II)、Ni(II)、Mn(II)又はVO(II)である請求項24記載のディスプレイ。
- 磁性粒子は、磁性シェルによってマイクロカプセル化され又はオーバーコートされることによって磁性化された粒子である請求項1記載のディスプレイ。
- 前記磁性シェルは、ガンマ酸化鉄、針状マグネタイト、コバルト変性又は吸着酸化鉄、ベルトライド酸化鉄、二酸化クロム、金属若しくは合金及び有機ポリラジカルからなる群から選ばれる材料によって形成される請求項26記載のディスプレイ。
- 前記有機ポリラジカルは、側鎖に有機ラジカルを有し、主鎖は有機ラジカル、二次元ポリラジカルと共役されたポリマーであるポリマー、側鎖として常磁性メタロポルフィリンを有するポリマー及び主鎖に常磁性金属イオンを有するポリマーからなる群から選ばれる請求項27記載のディスプレイ。
- 前記金属又は合金は、Ni、Cu、Co、Fe、Cr、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Co−Ni合金、Co−Cr合金及びFe−Co−V合金からなる群から選ばれる請求項28記載のディスプレイ。
- 前記金属又は合金シェルは、スパッタリング、真空蒸着、電着、電気メッキ又は無電解メッキによって粒子上にコートされる請求項29記載のディスプレイ。
- 磁性シェルは、マイクロカプセル化プロセスによって粒子上にコートされた磁性ポリマーシェルである請求項26記載のディスプレイ。
- 前記磁性ポリマーは、側鎖に有機ラジカルを有し、主鎖は有機ラジカル、二次元ポリラジカルと共役されたポリマーであるポリマー、側鎖として常磁性メタロポルフィリンを有するポリマー及び主鎖に常磁性金属イオンを有するポリマーからなる群から選ばれるポリマーから形成されている請求項31記載のディスプレイ。
- 常磁性金属イオンは、Cu(II)、Ni(II)、Mn(II)又はVO(II)である請求項32記載のディスプレイ。
- マイクロカプセル化プロセスは、層分離、簡単な及び複雑はコアセルベーション、界面重合又は架橋、その場で(in-situ)の重合又は架橋、層分離、噴霧乾燥、流動床乾燥、オリフィス又は液体中での硬化(キュアリング)又は硬質化(ハードニング)である請求項31記載のディスプレイ。
- 磁性粒子はポリマーマトリクス中に分散された磁性材料を含むマイクロカプセルである請求項1記載のディスプレイ。
- 前記マイクロカプセルは顔料又は染料を更に含む請求項35記載のディスプレイ。
- 前記顔料は白色TiO2又はZnOである請求項36記載のディスプレイ。
- 前記顔料は着色されている請求項36記載のディスプレイ。
- 前記磁性粒子は着色されているか又は黒色である請求項1記載のディスプレイ。
- 前記黒色の磁性粒子は、ガンマ酸化鉄、針状マグネタイト、コバルト変性又は吸着酸化鉄、ベルトライド酸化鉄又は二酸化クロムからなる群から選ばれる材料によって形成されている請求項39記載のディスプレイ。
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