JP2005523719A - 植物における低温誘導トランスクリプトームおよび凍結耐性のレギュレーター、ice1 - Google Patents
植物における低温誘導トランスクリプトームおよび凍結耐性のレギュレーター、ice1 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、植物の低温順化を改良するための方法および組成物を提供する。より具体的には、本発明は、植物および植物細胞におけるICE1の過剰発現を利用する。
Description
本出願は、2002年5月1日に出願された米国仮出願シリアルNo.60/377.469、および2002年5月2日に出願された米国仮出願シリアルNo.60/377.897の利益を主張し、これら仮出願は、その全体を参照により本明細書の開示内容の一部とする。
本研究は、国立科学財団基金No.IBN9808398、および米国農務省USDA/CSREES基金No.00-35100-9426により支援される。米国政府は、本出願に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、植物における低温誘導トランスクリプトーム(transcriptome)および凍結耐性の調節に関係するタンパク質および核酸に関する。
本発明は、植物における低温誘導トランスクリプトーム(transcriptome)および凍結耐性の調節に関係するタンパク質および核酸に関する。
背景の議論
低温(cold)は、多くの植物種の地理的分布および生育季節を制限する環境因子であり、しばしば作物の品質および生産性に悪い影響を及ぼす(Thomashow 1999)。たとえば、ほとんどの温帯植物は、不凍性の低い温度に事前に晒されることにより耐性が生じる低温順化として知られているプロセスにより、凍結温度に対する耐性を獲得することができる(Guy 1990; Hughes and Dunn 1996; Browse and Xin 2001)。しかし、熱帯および亜熱帯起源の植物は、低温順化の能力を有していないため、冷却温度(0〜10℃)に感受性を有する。多くの研究により、低温調節遺伝子の発現は、冷却耐性(Gong et al. 2002; Hsieh et al. 2002)および低温順化(Thomashow 1999; Knight et al. 1999; Tahtiharju and Palva 2001)のいずれにとっても植物で重要であることが示されている。低温応答性遺伝子は、種々の多数のタンパク質、たとえば、炭水化物、脂質、フェニルプロパノイドおよび酸化防止剤の呼吸および代謝に関与する酵素;分子シャペロン、凍結防止タンパク質;および凍結により引き起こされる脱水に対する耐性に機能することが推定される他のタンパク質をコードする(Thomashow 1999; Guy 1990; Mohapatra et al. 1989)。
低温(cold)は、多くの植物種の地理的分布および生育季節を制限する環境因子であり、しばしば作物の品質および生産性に悪い影響を及ぼす(Thomashow 1999)。たとえば、ほとんどの温帯植物は、不凍性の低い温度に事前に晒されることにより耐性が生じる低温順化として知られているプロセスにより、凍結温度に対する耐性を獲得することができる(Guy 1990; Hughes and Dunn 1996; Browse and Xin 2001)。しかし、熱帯および亜熱帯起源の植物は、低温順化の能力を有していないため、冷却温度(0〜10℃)に感受性を有する。多くの研究により、低温調節遺伝子の発現は、冷却耐性(Gong et al. 2002; Hsieh et al. 2002)および低温順化(Thomashow 1999; Knight et al. 1999; Tahtiharju and Palva 2001)のいずれにとっても植物で重要であることが示されている。低温応答性遺伝子は、種々の多数のタンパク質、たとえば、炭水化物、脂質、フェニルプロパノイドおよび酸化防止剤の呼吸および代謝に関与する酵素;分子シャペロン、凍結防止タンパク質;および凍結により引き起こされる脱水に対する耐性に機能することが推定される他のタンパク質をコードする(Thomashow 1999; Guy 1990; Mohapatra et al. 1989)。
低温および脱水応答性遺伝子の多くは、そのプロモーター中に、コア配列CCGACを有するDRE/CRTシスエレメントの一または数個のコピーを有する(Yamaguchi-Shinozaki and Shinozaki 1994; Stockinger et al. 1997)。CBFsまたはDREB1sとして公知の転写因子のファミリーは、このエレメントに結合し、下流の低温および脱水応答性遺伝子の転写を活性化する(Stockinger et al. 1997; Liu et al. 1998)。興味深いことに、CBF/DREB1遺伝子は、低い温度によりそれ自体誘導される。この誘導は、一過性であり、DRE/CRTシスエレメントを有する下流遺伝子の誘導に先立って起こる(Thomashow 1999)。従って、低温ストレスの下でDRE/CATクラスの遺伝子の発現につながる転写カスケードが存在する。植物においてCBFs/DREB1sが異所性発現をすると、温かい温度でも下流の低温応答性遺伝子は発現し、凍結耐性が改善される(Jagglo-Ottosen et al. 1998; Liu et al. 1998)。
CBF転写産物は、低温に晒されて15分以内に蓄積し始めるため、Gilmour et al (1988)は、低温ストレスに晒されるとCBFプロモーターを認識しCBF発現を誘導する、正常な生育温度で細胞内に既に存在する転写因子があることを提案した。Gilmour et al (1988)は、未知のアクチベーターを「ICE(Inducer of CBF Expression)タンパク質」と名付け、植物が低温に晒されると、ICEまたは関連タンパク質の何れかが修飾されることにより、ICEがCBFプロモーターに結合し、CBFの転写を活性化することができると仮説を立てた。
CRT/DREエレメント含有RD29Aプロモーターにより駆動されるホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子を発現するシロイヌナズナ(Arabidopsis)植物の遺伝子解析により(Ishitani et al. 1997)、低温応答性遺伝子の発現調節が失われた幾つかの突然変異体が同定された。hos1(high expression of osmotically responsive genes)突然変異体は、CBFsおよびその下流の低温応答性遺伝子の低温誘導の向上がみられる(Ishitani et al. 1998)。HOS1は、正常な生育温度で細胞質に存在するが低温処理により核に蓄積するRINGフィンガータンパク質をコードする。多くのRINGフィンガータンパク質は、ユビキチンE3リガーゼとして機能することが知られているため、HOS1は、CBFsのユビキチン化および分解のための特定の正のレギュレーターをターゲットとすることにより機能することが提案されている(Lee et al. 2001)。また、CBF遺伝子の転写は、それ自体の遺伝子産物またはその下流のターゲット遺伝子の産物によるフィードバック抑制の下にある。このことは、翻訳延長因子2遺伝子に欠陥があるlos1突然変異体に関する研究によって明らかにされた(Guo et al. 2002)。los1突然変異は、CRT/DREエレメントを有する遺伝子の低温誘導を妨害するが、CBF遺伝子の過剰な誘導を引き起こす。los1突然変異体植物におけるタンパク質合成は、とりわけ低温時に中断されることが示された。従って、低温誘導されたCBF転写産物は、翻訳により下流遺伝子を活性化することができず、フィードバック抑制が起こり得ないため、CBF転写産物の過剰な誘導につながる(Guo et al. 2002)。
また、別のシロイヌナズナ突然変異los2は、CRT/DREエレメント含有遺伝子の低温誘導が損なわれている(Lee et al., 2002)。LOS2は、ジンクフィンガー転写リプレッサーZAT10のプロモーターに結合することができる二機能性エノラーゼをコードする。ZAT10の発現は、野生型では低温により急速かつ一時的に誘導され、この誘導は、los2突然変異体において、より強くかつ大きく維持される。従って、LOS2は、ZAT10の転写抑制を介して、遅延型低温応答遺伝子の発現を制御することができる(Lee et al. 2002)。シロイヌナズナLOS4の遺伝子座は、低温処理下でCBF転写産物の蓄積に関与する(Gong et al. 2002)。los4-1突然変異体植物は、冷却ストレスに感受性を有し、冷却感受性は、CBF3の異所性発現により取り戻すことができる(Gong et al. 2002)。LOS4は、DEAD-ボックスRNAヘリカーゼをコードし、これは、RNA代謝が低温応答に関与し得ることを示唆する。
低温などの環境因子は、多くの植物種の地理的分布および生育季節を制限し、しばしば作物の品質および生産性に悪い影響を及ぼすため、植物(とりわけ農業作物として有益な植物)において低温順化を増大させる重要な必要性が現在もなお残っている。
本発明の目的は、植物において低温順化を増大させる方法および組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、低温順化が増大した植物および植物細胞を提供することである。
本発明の別の目的は、低温順化が増大した植物および植物細胞を提供することである。
本発明の目的および他の目的は、植物においてICE1を過剰発現させることを含む、植物で低温順化を増大させる方法により達成され得る。
また本発明の目的は、植物細胞においてICE1を過剰発現させることを含む、植物細胞で低温順化を増大させる方法により達成され得る。
また本発明の目的は、植物細胞においてICE1を過剰発現させることを含む、植物細胞で低温順化を増大させる方法により達成され得る。
また本発明の目的は、ICE1をコードする核酸で形質転換した植物または植物細胞により達成され得る。
よって、本発明はまた、ICE1をコードする核酸で植物または植物細胞を形質転換することにより、かかる植物または植物細胞を産生する方法を提供する。
よって、本発明はまた、ICE1をコードする核酸で植物または植物細胞を形質転換することにより、かかる植物または植物細胞を産生する方法を提供する。
また本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を有する単離、精製されたICE1を提供する。
また本発明は、上述のICE1を産生する方法であって、ICE1をコードする核酸で形質転換した宿主細胞を、ICE1が発現する条件下で培養すること、およびICE1を単離することを含む方法を提供する。
また本発明は、上述のICE1を産生する方法であって、ICE1をコードする核酸で形質転換した宿主細胞を、ICE1が発現する条件下で培養すること、およびICE1を単離することを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、ICE1転写アクチベーター活性を有する単離、精製された酵素であって、そのアミノ酸配列が、配列番号2と70%から100%未満の相同性を有する酵素を提供する。
また本発明は、上述の酵素を産生する方法であって、当該酵素をコードする核酸で形質転換した宿主細胞を、当該酵素が発現する条件下で培養すること、および当該酵素を単離することを含む方法を提供する。
また本発明は、上述の酵素を産生する方法であって、当該酵素をコードする核酸で形質転換した宿主細胞を、当該酵素が発現する条件下で培養すること、および当該酵素を単離することを含む方法を提供する。
また本発明は、植物においてICE1転写アクチベーターを過剰発現させることを含む、
植物で低温順化を増大させる方法を提供する。
また本発明は、CBF転写因子およびDREB1転写因子から成る群より選択される一以上の追加の転写因子の発現を増大させることにより、および/または一以上の低温応答性遺伝子の発現を増大させることにより、植物において低温順化を増大させる方法を提供する。
植物で低温順化を増大させる方法を提供する。
また本発明は、CBF転写因子およびDREB1転写因子から成る群より選択される一以上の追加の転写因子の発現を増大させることにより、および/または一以上の低温応答性遺伝子の発現を増大させることにより、植物において低温順化を増大させる方法を提供する。
本発明は、遺伝学的スクリーニングを用いて完成され(Chinnusamy et al. 2002)、CBFタンパク質の上流に低温シグナリング構成要素を同定した。低温応答性の生物発光シロイヌナズナ植物は、ホタルルシフェラーゼ(LUC)コード配列を、CBF3プロモーターの制御下で発現させることにより設計された。ホモ接合体のCBF3-LUC植物を、化学的に突然変異処理し、発光イメージングにより、低温誘導されるCBF3-LUC発現が変化した突然変異体を単離した。本明細書において、本発明者らは、CBF3-LUCの低温誘導が損なわれ、低温順化に欠陥を有する、ice1(for inducer of CBF expression 1)突然変異体について報告する。ICE1は、CBF3プロモーターに結合する、MYC様の塩基性へリックス-ループ-へリックス転写アクチベーターをコードする。よって、ICE1は、シロイヌナズナで低温応答性遺伝子の発現および低温順化を調節する際に重要な役割を果たす。
上述の目的は、本発明の特定の側面を強調する。本発明の追加の目的、側面および態様は、以下の本発明の詳細な説明に見出される。
以下の詳細な説明とともに以下の図面を参照することにより、本発明とそれに付随する利点の多くをよく理解できるため、本発明とそれに付随する利点の多くをより完全に認識することは、容易に達成されるでしょう。
以下の詳細な説明とともに以下の図面を参照することにより、本発明とそれに付随する利点の多くをよく理解できるため、本発明とそれに付随する利点の多くをより完全に認識することは、容易に達成されるでしょう。
特段の規定のない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語はすべて、生化学、細胞生物学、および分子生物学において当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書に記載されるのと同様もしくは等価な方法および材料はすべて、本発明を実施または試験する際に使用することができ、適切な方法および材料が本明細書に記載される。本明細書に記述される出版物、特許出願、特許、および他の参考文献はすべて、その全体を参照により本明細書の開示内容の一部とする。矛盾する場合、定義を含む本明細書がコントロールするでしょう。更に、材料、方法、および実施例は、単に説明のためのものであって、別途規定しない限り限定するためのものではない。
定義、並びに基本的技術を実施するための方法および手段を含有する分子生物学の標準的なテキストブックを参照し、本発明に包含する。たとえば、Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1982); Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1989); Methods in Plant Molecular Biology, Maliga et al, Eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1995); Arabidopsis, Meyerowitz et al, Eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1994)、並びに本明細書で引用される種々の参考文献を参照されたい。
「植物」の用語は、植物、植物の器官(たとえば、葉、茎、根など)、種子および植物細胞、並びにそれらの子孫のすべてを含む。本発明の方法で使用することができる植物のクラスは、形質転換技術を施すことができる、一般に広範な高等植物のクラスであり、単子葉植物および双子葉植物の両方を含む。好ましい植物には、イネ、トウモロコシ、コムギ、ワタ、ピーナッツ、およびダイズが含まれる。
よって、本発明の一つの態様において、植物で利用可能なタンパク質の量を増大させることにより、好ましくは植物でice1遺伝子を向上させることにより、低温順化を向上または増大させることができる。
よって、本発明の一つの態様は、本発明のポリヌクレオチドを有する植物細胞、好ましくは本発明の単離されたポリヌクレオチドを有するトランスジェニック植物である。
よって、本発明の一つの態様は、本発明のポリヌクレオチドを有する植物細胞、好ましくは本発明の単離されたポリヌクレオチドを有するトランスジェニック植物である。
本明細書で使用される「向上(enhancement)」の用語は、植物細胞および/または植物において、該当するDNAによりコードされる一以上の酵素の細胞内活性を増大させることを意味する。向上は、細菌細胞の種々の操作の助けを借りて達成することができる。向上、とりわけ過剰発現を達成するために、該当する遺伝子のコピー数を増やしたり、強力なプロモーターを使用したり、あるいは構造遺伝子の上流に位置するプロモーターおよび調節領域またはリボソーム結合部位を突然変異させたりすることができる。構造遺伝子の上流を組み込んだ発現カセットは、同じ様式で作用し得る。加えて、誘導プロモーターを採用することにより発現を増大させることができる。また、高い活性を有する該当する酵素をコードする遺伝子を使用することもできる。また、mRNAの寿命を延ばすための手段により、発現を改良することもできる。更に、酵素の分解を妨害することにより、酵素活性を全体的に増大させる。更に、これら手段は、任意の所望の様式で自由に組み合わせることができる。植物において遺伝子活性を変えるためのこれら方法および他の方法は、たとえば、Methods in Plant Molecular Biology, Maliga et al, Eds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1995)に記載されるように公知である。
本明細書で使用される「発現カセット」は、植物細胞で機能的であり、かつ配列番号2のICE1タンパク質をコードする単離された核酸に動作可能に連結されたプロモーターを含み、植物細胞において当該タンパク質の発現が向上すると前記植物細胞の低温順化が増大する。本発明の好ましい態様において、プロモーターは、ウイルスコートタンパク質プロモーター、組織特異的プロモーター、単子葉植物プロモーター、ユビキチンプロモーター、ストレス誘導プロモーター、CaMV 35Sプロモーター、CaMV 19Sプロモーター、アクチンプロモーター、cabプロモーター、スクロースシンターゼプロモーター、チューブリンプロモーター、napin R遺伝子複合体プロモーター、トマトE8プロモーター、patatinプロモーター、マンノピンシンターゼプロモーター、ダイズ種子タンパク質グリシニンプロモーター、ダイズ栄養(vegetative)貯蔵タンパク質プロモーター、バクテリオファージSP6プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、バクテリオファージT7プロモーター、Ptacプロモーター、根細胞プロモーター、ABA誘導プロモーター、および膨圧誘導プロモーターから成る群より選択される。
また、高い活性を有する対応の酵素または変異体の酵素をコードする遺伝子を使用することもできる。好ましくは、対応の酵素は、天然型の酵素より高い活性を有し、より好ましくは少なくとも5、10、25%または50%高い活性の範囲にあり、最も好ましくは天然酵素の活性の2倍以上である。
本出願の文脈上、その塩基組成および塩基配列の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%が本発明の配列と一致する(correspond)場合、ポリヌクレオチド配列は、本発明の配列と「相同(homologous)」である。本発明に従って、「相同なタンパク質」とは、当該アミノ酸配列の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%が、配列番号2に示されるアミノ酸配列またはice1遺伝子(配列番号1)によりコードされるアミノ酸配列と一致する(correspond)アミノ酸配列を含有するタンパク質を含むと理解すべきであり、ここで、一致する(correspond)とは、対応のアミノ酸が同一であるか、または互いに相同なアミノ酸であることを意味すると理解すべきである。「相同なアミノ酸」という表現は、とりわけ電荷、疎水性、立体構造特性などに関する特性が一致する(correspond)ものを表す。よって、当該タンパク質は、配列番号2と70%から100%未満まで相同であり得る。
ヌクレオチドまたはアミノ酸の配列の相同性、配列類似性、または配列同一性は、公知のソフトウェアまたはコンピュータープログラム、たとえばBestFitまたはGapペア比較プログラム(GCG Wisconsin Package, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin 53711)を使用することにより通常どおり決定することができる。BestFitは、Smith and Waterman, Advances in Applied Mathematics 2: 482-489 (1981) の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列の間にベストな同一または類似のセグメントを見つける。Gapは、Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443-453 (1970) の方法を用いて、全体的なアラインメントを行う:一方の配列のすべてを他方の類似配列のすべてに対して行う。BestFitなどの配列アラインメントプログラムを用いて、配列の相同性、類似性または同一性の程度を決定する場合、既定の設定を使用してもよいし、あるいは適切なスコアリングマトリクスを選択して、同一性、類似性または相同性のスコアを最適化してもよい。同様に、BestFitなどのプログラムを用いて、2種のアミノ酸配列の間で配列の同一性、類似性または相同性の程度を決定する場合、既定の設定を使用してもよいし、あるいはblosum45またはblosum80などの適切なスコアリングマトリクスを選択して、同一性、類似性または相同性のスコアを最適化してもよい。
また、本発明は、配列番号1に相当するポリヌクレオチド配列を有する完全な遺伝子を含有するポリヌクレオチドまたはその断片であって、配列番号1に相当する前記ポリヌクレオチドまたはその断片の配列を含有するプローブと対応の遺伝子バンクをハイブリダイゼーションすることによりスクリーニングし、前記DNA配列を単離することにより得ることができるポリヌクレオチドまたはその断片に関する。
本発明のポリヌクレオチド配列は、ice1遺伝子、とりわけ配列番号1のice1遺伝子の配列に対して高い類似度を示すcDNAまたは遺伝子を単離するため、RNA、cDNAおよびDNAのためのハイブリダイゼーションプローブとして適している。
また、本発明のポリヌクレオチド配列は、ICE1転写アクチベーター活性を有する酵素をコードするDNAを産生するためのポリメラーゼ鎖反応(PCR)のプライマーとしても適している。
また、本発明のポリヌクレオチド配列は、ICE1転写アクチベーター活性を有する酵素をコードするDNAを産生するためのポリメラーゼ鎖反応(PCR)のプライマーとしても適している。
プローブまたはプライマーとして機能するこれらのオリゴヌクレオチドは、30以上、好ましくは30まで、より好ましくは20まで、最も好ましくは少なくとも15の連続するヌクレオチドを含有することができる。また、少なくとも40または50のヌクレオチドの長さを有するオリゴヌクレオチドも、適切である。
「単離された」の用語は、自然環境から分離されたことを意味する。
「単離された」の用語は、自然環境から分離されたことを意味する。
「ポリヌクレオチド」の用語は、一般に、ポリリボヌクレオチドおよびポリデオキシリボヌクレオチドを指し、未修飾のRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAを表すことができる。
「ポリペプチド」の用語は、ペプチド結合を介して結合される2以上のアミノ酸を含有する、ペプチドまたはタンパク質を意味すると理解すべきである。
「ポリペプチド」の用語は、ペプチド結合を介して結合される2以上のアミノ酸を含有する、ペプチドまたはタンパク質を意味すると理解すべきである。
本発明のポリペプチドは、配列番号2に相当するポリペプチド、とりわけICE1転写アクチベーターの生物学的活性を有するポリペプチドを含み、更に、当該ポリペプチドの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%が、配列番号2に相当するポリペプチドと相同であるポリペプチド、並びに最も好ましくは配列番号2に相当するポリペプチドと少なくとも90%〜95%の相同性を示し、かつ言及される活性を有するポリペプチドを含む。よって、当該ポリペプチドは、配列番号2に対して70%から100%までの相同性を有し得る。
また、本発明は、遺伝暗号の縮重により配列番号1から生じるコードDNA配列に関する。同様に、本発明は更に、配列番号1または配列番号1の一部とハイブリダイズするDNA配列に関する。更に、当業者であれば、タンパク質におけるアミノ酸の保存的置換、たとえばアラニンによるグリシンの置換またはグルタミン酸によるアスパラギン酸の置換を、当該タンパク質の活性に基本的な変化を起こさない、すなわち機能的に中立である「センス突然変異」として認識している。また、タンパク質のN−および/またはC−末端における変化は、その機能を実質的に損なうことはなく、その機能を安定化することさえあることが知られている。
同様に、本発明はまた、配列番号1または配列番号1の一部とハイブリダイズするDNA配列に関する。最後に、本発明は、配列番号1に由来するオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ鎖反応(PCR)により産生されるDNA配列に関する。このタイプのオリゴヌクレオチドは、典型的には、少なくとも15ヌクレオチドの長さを有する。
「ストリンジェントな条件」または「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、ポリヌクレオチドが、そのターゲット配列に対して、その他の配列より検出可能に高い程度に(たとえばバックグラウンドに対して少なくとも2倍)ハイブリダイズする条件についての言及を含む。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる状況では様々である。ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄の条件のストリンジェンシーを制御することにより、プローブと100%相補的なターゲット配列を同定することができる(同種プロービング(homologous probing))。あるいは、ストリンジェンシー条件を調整して、低い程度の類似性を検出するように配列のミスマッチを許容することができる(異種プロービング(heterologous probing))。
典型的には、ストリンジェントな条件は、pH 7.0〜8.3において塩濃度が約1.5 M未満のNaイオン濃度、典型的には約0.01〜1.0 MのNaイオン濃度(またはその他の塩)であり、温度が、短いプローブ(たとえば10〜50ヌクレオチド)では少なくとも約30℃、長いプローブ(たとえば50より長いヌクレオチド)では少なくとも約60℃である条件をいう。また、ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加により達成されてもよい。低ストリンジェンシー条件の例は、37℃における、30〜35%ホルムアミド、1 M NaCl、1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の緩衝溶液中でのハイブリダイゼーション、および50〜55℃における、1×〜2×SSC(20×SSC=3.0 M NaCl/0.3 M クエン酸三ナトリウム)中での洗浄を含む。中ストリンジェンシー条件の例は、37℃における、40〜45%ホルムアミド、1 M NaCl、1% SDS中でのハイブリダイゼーション、および50〜55℃における、0.5×〜1×SSC中での洗浄を含む。高ストリンジェンシー条件の例は、37℃における、50%ホルムアミド、1 M NaCl、1% SDS中でのハイブリダイゼーション、および60〜65℃における0.1×SSC中での洗浄を含む。
特異性は、典型的には、ハイブリダイゼーション後の洗浄の関数(function)であり、重大な因子は、最終洗浄溶液のイオン強度および温度である。DNA−DNAハイブリッドに関して、Tmは、Meinkoth and Wahl, Anal. Biochem., 138: 267-284 (1984) の等式:Tm=81.5℃+16.6(logM)+0.41(%GC)−0.61(%form)−500/L(ここでMは一価の陽イオンのモル濃度、%GCはグアノシンおよびシトシンヌクレオチドのDNA中のパーセンテージ、%formはハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドのパーセンテージ、Lは塩基対のハイブリッドの長さである)から概算することができる。Tmは、相補的なターゲット配列の50%が、完全にマッチしたプローブにハイブリダイズするときの(規定のイオン強度およびpHの下での)温度である。Tmは、1%のミスマッチにつき約1℃だけ低下する;よって、Tm、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄条件は、所望の同一性の配列にハイブリダイズするように調整することができる。例えば約90%の同一性を有する配列を捜したい場合、Tmは10℃下げることができる。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度およびpHにおける特定の配列とその相補配列についての熱融点(Tm)より約5℃低くなるように選択される。しかし、高度にストリンジェントな条件は、熱融点(Tm)より1、2、3または4℃低い温度でのハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用することができ;中程度にストリンジェントな条件は、熱融点(Tm)より6、7、8、9または10℃低い温度でのハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用することができ;低ストリンジェンシー条件は、熱融点(Tm)より11、12、13、14、15または20℃低い温度でのハイブリダイゼーションおよび/または洗浄を利用することができる。この等式、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の組成物、および所望のTmを用いて、当業者であれば、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄溶液のストリンジェンシーの変動が、本質的に説明されていることを理解する。所望の程度のミスマッチが、45℃(水溶液)または32℃(ホルムアミド溶液)未満のTmで生じる場合、より高い温度を使用することができるように、SSCの濃度を上げることが好ましい。核酸のハイブリダイゼーションの広範な手引きは、Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 2, Ausubel, et al., Eds., Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York (2000) に見出される。
よって、上述の情報を用いて、当業者であれば、本発明のポリヌクレオチと実質的に同種のポリヌクレオチドを同定し、単離することができる。かかるポリヌクレオチドをこのように単離した場合、このポリヌクレオチドを、本発明のポリヌクレオチドとして、例えば植物の低温順化を増大させる際に使用することができる。
本発明の一つの態様は、本発明のポリヌクレオチドに対して実質的な相同性を有するポリヌクレオチド、好ましくはICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをスクリーニングする方法である。
植物の技術分野等で知られているとおり、一または複数の適切なプラスミドベクターに載せて本発明のポリヌクレオチド配列を運ぶことができる。
植物の技術分野等で知られているとおり、一または複数の適切なプラスミドベクターに載せて本発明のポリヌクレオチド配列を運ぶことができる。
一つの態様において、ポリヌクレオチドの伝達(propagating)には、細胞タイプに適した適切なベクターを有する細菌または真菌株内にポリヌクレオチドを入れて運ぶことが好都合であり得る。ポリヌクレオチドを伝達し、これら細胞タイプにおいてタンパク質を産生する通常の方法は、当該技術分野で知られており、例えばManiatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1982) およびSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1989) に記載されている。
別の好ましい態様において、ポリヌクレオチドは、配列番号1、配列番号1に相補的なポリヌクレオチド、配列番号1と少なくとも70%、80%および90%同一のポリヌクレオチド;または50〜68℃の温度で5×SSC中で洗浄することを含むストリンジェントな条件下で配列番号1にハイブリダイズする配列を含む。よって、当該ポリヌクレオチドは、配列番号1と70%から100%未満まで同一であり得る。
別の好ましい態様において、本発明のポリヌクレオチドは、ベクターおよび/または宿主細胞中にある。好ましくは、ポリヌクレオチドは、植物細胞またはトランスジェニック植物中にある。好ましくは、植物は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliania)であるか、またはコムギ、トウモロコシ、ピーナッツ、ワタ、エンバク、およびダイズ植物からなる群より選択される。好ましい態様において、ポリヌクレオチドは、プロモーター、好ましくは誘導プロモーターに動作可能に連結される。
別の好ましい態様において、本発明は、ICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをスクリーニングする方法であって、スクリーニングされるポリヌクレオチドに本発明のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせること;ポリヌクレオチドを発現させてタンパク質を産生すること;および当該タンパク質におけるICE1転写アクチベーター活性の有無を検出することを含む方法を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、配列番号1のヌクレオチドに対して少なくとも70%の相同性を有し、その配列が配列番号1に相補的であり、および/または配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸を検出する方法であって、配列番号1のヌクレオチド配列の少なくとも15連続ヌクレオチドまたはその相補配列の少なくとも15連続ヌクレオチドを含むプローブまたはプライマーと核酸サンプルを接触させることを含む方法を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の相同性を有する核酸を製造する方法であって、配列番号1のヌクレオチド配列の少なくとも15連続ヌクレオチドまたはその相補配列の少なくとも15連続ヌクレオチドを含むプライマーと核酸サンプルを接触させることを含む方法を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、ICE1タンパク質を作成する方法であって、ICE1の発現に適した条件下で、ある期間、本発明のポリヌクレオチドを有する宿主細胞を培養すること;およびICE1を収集することを含む方法を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを植物に導入することを含む、トランスジェニック植物を作製する方法を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを植物に導入することを含む、トランスジェニック植物を作製する方法を提供する。
別の好ましい態様において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを植物に導入することを含む、その必要性がある植物の低温順化を増大させる方法を提供する。
本発明に従って植物および植物細胞を形質転換するための方法、ベクターおよび組成物は、当業者に周知であり、特に限定されるものではない。説明のための例として、Karimi et al., TRENDS in Plant Science, Vol.7, No.5, May 2002, pp.193-195が参照され、これを、参照により本明細書の開示内容の一部とする。
本発明に従って植物および植物細胞を形質転換するための方法、ベクターおよび組成物は、当業者に周知であり、特に限定されるものではない。説明のための例として、Karimi et al., TRENDS in Plant Science, Vol.7, No.5, May 2002, pp.193-195が参照され、これを、参照により本明細書の開示内容の一部とする。
別の好ましい態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチド、または配列番号2と少なくとも70%、好ましくは80%、好ましくは90%、好ましくは95%同一のタンパク質であって、当該ポリペプチドがICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質を提供する。よって、当該酵素は、配列番号2に対して70%から100%未満までの相同性を有する。
別の態様において、本発明はまた、植物においてICE1転写アクチベーターを過剰発現させることを含む、植物の低温順化を増大させる方法を提供する。
本発明はまた、別の態様において、CBF転写因子およびDREB1転写因子から成る群より選択される一以上の追加の転写因子の発現を増大させることにより、および/または一以上の低温応答性遺伝子の発現を増大させることにより、植物の低温順化を増大させる方法を提供する。
本発明はまた、別の態様において、CBF転写因子およびDREB1転写因子から成る群より選択される一以上の追加の転写因子の発現を増大させることにより、および/または一以上の低温応答性遺伝子の発現を増大させることにより、植物の低温順化を増大させる方法を提供する。
本発明において、「低温応答性遺伝子」の用語は、炭水化物の呼吸に関与する酵素、炭水化物の代謝に関与する酵素、脂質の呼吸に関与する酵素、脂質の代謝に関与する酵素、フェニルプロパノイドの呼吸に関与する酵素、フェニルプロパノイドの代謝に関与する酵素、酸化防止剤の呼吸に関与する酵素、酸化防止剤の代謝に関与する酵素、分子シャペロン、凍結防止タンパク質、および凍結により引き起こされる脱水に対する耐性に関与するタンパク質から成る群より選択されるタンパク質をコードする遺伝子を含む。
本発明は、遺伝学的スクリーニングを用いて完成され(Chinnusamy et al. 2002)、CBFタンパク質の上流に低温シグナリング構成要素を同定した。低温応答性の生物発光シロイヌナズナ植物は、ホタルルシフェラーゼ(LUC)コード配列を、CBF3プロモーターの制御下で発現させることにより設計された。ホモ接合体のCBF3-LUC植物を、化学的に突然変異処理し、発光イメージングにより、低温誘導されるCBF3-LUC発現が変化した突然変異体を単離した。本明細書において、本発明者らは、CBF3-LUCの低温誘導が損なわれ、低温順化に欠陥を有する、ice1(for inducer of CBF expression 1)突然変異体について報告する。ICE1は、CBF3プロモーターに結合する、MYC様の塩基性へリックス-ループ-へリックス転写アクチベーターをコードする。よって、ICE1は、シロイヌナズナで低温応答性遺伝子の発現および低温順化を調節する際に重要な役割を果たす。
議論
低い温度は、転写因子のCBFファミリーの転写を誘発し、これは、次にDRE/CRTプロモーターエレメントを含有する遺伝子の転写を活性化する(Thomashow 1999)。CBFターゲット遺伝子は、おそらく幾つかの転写因子を含有する(Fowler and Thomashow 2002)。したがって、凍結耐性のための低温シグナリングは、転写調節のカスケードを必要とする。今回の研究において、我々は、このカスケードの極めて上流の転写因子であるICE1を同定した。我々の結果は、ICE1がCBF3の正のレギュレーターであり、低温順化において重大な役割を果たすことを示す。ICE1は、MYC様bHLH転写因子をコードする。CBF3プロモーター中には5つの推定MYC認識配列が存在するが、CBF1およびCBF2プロモーターはそれぞれ、かかるエレメントを一つ含有する(Shinwari et al. 1998)。このことは、CBF1またはCBF2よりもCBF3がice1突然変異による影響を強く受けるという事実と一致する。DNA結合アッセイにより、ICE1はCBF3プロモーター上のMYC認識配列に特異的に結合できるが、推定MYB認識配列に結合できないことが示された(図6)。ice1突然変異は、CBFの発現を停止させ、低温時にCBFターゲット遺伝子の発現を減少させる。ICE1は、それが低温応答性遺伝子の調節に果たす役割と一致して、シロイヌナズナ植物の冷却および凍結耐性にとって重要である。
低い温度は、転写因子のCBFファミリーの転写を誘発し、これは、次にDRE/CRTプロモーターエレメントを含有する遺伝子の転写を活性化する(Thomashow 1999)。CBFターゲット遺伝子は、おそらく幾つかの転写因子を含有する(Fowler and Thomashow 2002)。したがって、凍結耐性のための低温シグナリングは、転写調節のカスケードを必要とする。今回の研究において、我々は、このカスケードの極めて上流の転写因子であるICE1を同定した。我々の結果は、ICE1がCBF3の正のレギュレーターであり、低温順化において重大な役割を果たすことを示す。ICE1は、MYC様bHLH転写因子をコードする。CBF3プロモーター中には5つの推定MYC認識配列が存在するが、CBF1およびCBF2プロモーターはそれぞれ、かかるエレメントを一つ含有する(Shinwari et al. 1998)。このことは、CBF1またはCBF2よりもCBF3がice1突然変異による影響を強く受けるという事実と一致する。DNA結合アッセイにより、ICE1はCBF3プロモーター上のMYC認識配列に特異的に結合できるが、推定MYB認識配列に結合できないことが示された(図6)。ice1突然変異は、CBFの発現を停止させ、低温時にCBFターゲット遺伝子の発現を減少させる。ICE1は、それが低温応答性遺伝子の調節に果たす役割と一致して、シロイヌナズナ植物の冷却および凍結耐性にとって重要である。
また、ice1突然変異は、CBF1およびCBF2の低温誘導に影響を及ぼし;それらの発現は、低温の初期に僅かに減少するが、その後その発現は減少しない。その代わり、CBF2の発現は、6時間後および12時間の低温処理後に、ice1突然変異体で実際に向上する。CBF遺伝子の発現は、その遺伝子産物またはその下流のターゲット遺伝子の産物により抑制されることが知られている(Guo et al. 2002)。CBF3発現の減少とCBF2誘導の向上との関係は、CBF3がCBF2発現を抑制し得ることを示唆する。CBF2遺伝子が破壊されると、CBF1およびCBF3は、低温時に更に持続した誘導を示し(Julio Salinas, personal communication)、このことは、CBF2が、CBF1およびCBF3の発現を抑制し得ることを示唆する。CBF転写因子遺伝子の間の互いの潜在的な負の調節は、それらの発現が一時的かつ厳密に制御されることを保証するために重要であり得る。
3つのCBF遺伝子は、機能的に重複していると一般に推定されている。それらの個々の貢献は、機能損失解析により調査されていない。ice1突然変異がCBF3の発現を阻止するだけであっても、RD29A、COR15AおよびCOR47などの下流遺伝子は実質的に影響を受ける。このことは、CBF3がこれら遺伝子の低温調節に重大な役割を果たすことを示唆する。対照的に、KIN1の低温調節は、ice1突然変異によりあまり影響を受けない。したがって、3つのCBF遺伝子は、それぞれ、自身の好ましいターゲット遺伝子のセットを有している可能性がある。
ICE1は、すべての組織で構成的に発現し(図5Aおよび5B)、低温により僅かにアップレギュレートされるだけである(図5C)。「ICE」タンパク質に関して推測されていること(Gilmour et al. 1998)と一致して、ICE1タンパク質または転写補因子の低温誘導修飾(modification)は、ICE1がCBFsの発現を活性化するのに必要であると思われる。我々の証拠は、このことを裏付けており、その理由は、ICE1は構成的に発現され、核内に局在するが、CBF発現は低温処理を必要とし;ICE1を構成的に過剰発現するトランスジェニック系統は、温かい温度でCBF発現を示さないが、低温では高レベルのCBF3発現を示すからである。遺伝子の転写を活性化する転写因子の能力は、細胞質または核内でのタンパク質のリン酸化および脱リン酸化により調節され得る(Liu et al. 1999により概説される)。ice1突然変異は、極めて近い潜在的なセリンリン酸化残基(Ser243およびSer245)であるため、ICE1のリン酸化/脱リン酸化に影響を及ぼし得る。
MYC関連bHLH転写因子は、ターゲット遺伝子の転写活性化のためにMYB転写補因子および/またはWD-リピート含有因子を必要とすることが知られている(Spelt et al. 2000; Walker et al. 1999)。CBFsのプロモーターは、MYC並びに潜在的なMYB認識配列を含有し(Shinwari et al. 1998)、このことは、MYB関連転写因子も、CBFsの低温誘導に関与し得ることを示唆する。Arg236がHisで置換されたice1突然変異は、ICE1とICE1様タンパク質またはMYB関連補因子との間のヘテロオリゴマー形成を妨害し得る。あるいは、ice1の推定される主要な負の効果は、ice1が、潜在的なICE1ホモオリゴマー形成、タンパク質の安定性、核の局在、またはICE1の翻訳後低温誘導修飾を妨害した結果であり得る。
本発明を一般的に説明してきたが、説明の目的のためだけに本明細書に提供され、別途規定しない限り限定することを意図しない幾つかの具体的な実施例を参照することにより、更に本発明を理解することができる。
材料と方法
植物材料と突然変異体の単離:CBF3プロモーター、すなわち開始コドンの1126〜100 bp上流の領域を、以下のプライマー対:5'-TCATGGATCCACCATTTGTTAATGCATGATGG-3' (配列番号14) および 5'-GCTCAAGCTTTCTGTTCTAGTTCAGG-3' (配列番号15) を用いて、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により得た。このプロモーターを、植物の形質転換ベクター内のホタルルシフェラーゼ(LUC)コード配列の前に配置した(Ishitani et al. 1997)。シロイヌナズナの生態型コロンビア(無毛1突然変異(glabrous 1 mutation))を、このCBF3-LUC構築物を含有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスを用いて、花浸漬法により形質転換した。CBF3-LUC導入遺伝子に関してホモ接合の植物を、形質転換後の第二世代から選抜した。CBF3-LUC導入遺伝子の単一コピーを有する植物を、以後の実験のために選抜した(これ以降、野生型と称する)。この野生型植物は、正常な生育条件下で生育すると生物発光を示さなかったが、低温ストレスを与えると生物発光を放出した。CBF3-LUC植物の種子を、エチルメタンスルホネート(EMS)を用いて突然変異処理した。M2世代の芽生えを使用して、低温調節CBF3-LUC発現に欠陥を有する突然変異体について、発光イメージングによりスクリーニングした。3%スクロースおよび1×Murashige and Skoog(MS)塩(JRH Biosciences)を含有する0.6%寒天プレート上で生育させた7日齢の芽生えを、0℃で12時間の低温処理に応答してルシフェラーゼ発現の調節が失われたものについて、微光ビデオイメージングシステム(Princeton Instruments)を用いてスクリーニングした。個々の芽生えの発光強度は、カメラ製造元(Princeton Instruments)により提供されるWINVIEWソフトウェアを用いて定量した(Chinnusamy et al. 2002)。
植物材料と突然変異体の単離:CBF3プロモーター、すなわち開始コドンの1126〜100 bp上流の領域を、以下のプライマー対:5'-TCATGGATCCACCATTTGTTAATGCATGATGG-3' (配列番号14) および 5'-GCTCAAGCTTTCTGTTCTAGTTCAGG-3' (配列番号15) を用いて、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により得た。このプロモーターを、植物の形質転換ベクター内のホタルルシフェラーゼ(LUC)コード配列の前に配置した(Ishitani et al. 1997)。シロイヌナズナの生態型コロンビア(無毛1突然変異(glabrous 1 mutation))を、このCBF3-LUC構築物を含有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスを用いて、花浸漬法により形質転換した。CBF3-LUC導入遺伝子に関してホモ接合の植物を、形質転換後の第二世代から選抜した。CBF3-LUC導入遺伝子の単一コピーを有する植物を、以後の実験のために選抜した(これ以降、野生型と称する)。この野生型植物は、正常な生育条件下で生育すると生物発光を示さなかったが、低温ストレスを与えると生物発光を放出した。CBF3-LUC植物の種子を、エチルメタンスルホネート(EMS)を用いて突然変異処理した。M2世代の芽生えを使用して、低温調節CBF3-LUC発現に欠陥を有する突然変異体について、発光イメージングによりスクリーニングした。3%スクロースおよび1×Murashige and Skoog(MS)塩(JRH Biosciences)を含有する0.6%寒天プレート上で生育させた7日齢の芽生えを、0℃で12時間の低温処理に応答してルシフェラーゼ発現の調節が失われたものについて、微光ビデオイメージングシステム(Princeton Instruments)を用いてスクリーニングした。個々の芽生えの発光強度は、カメラ製造元(Princeton Instruments)により提供されるWINVIEWソフトウェアを用いて定量した(Chinnusamy et al. 2002)。
冷却および凍結耐性アッセイ:ice1および野生型植物の冷却感受性を、幼根の出現直後の芽生えを晒すことによりテストした。4℃で2日の層別化(stratification)をした後、突然変異体および野生型の種子を、3%スクロースおよび1.2%寒天を含有するMS栄養培地上で22℃において発芽させた。その芽生えを、30±2μmol量子・m-2・s-1光を用いて4±1℃でインキュベートすることにより、冷却ストレスを与えた。凍結耐性は、記載されるとおりに(Xin and Browse, 1998)アッセイした。要するに、野生型およびice1の種子を、Gamborg基本塩および1.5%スクロースを含有する寒天(0.9%)プレートに播いた。4℃で2日の層別化をした後、そのプレートを、50±2μmol量子・m-2・s-1連続光の下に22℃で維持した。10日齢の芽生えを、4±1℃、30±2μmol量子・m-2・s-1光で4日間低温順化した。ペトリ皿上のこれら植物を、-1±0.1℃に設定された凍結チャンバー(Percival Scientific)中の氷上に16時間置いた。チャンバーをプログラムして1℃ h-1で冷却する前に、これら植物上に氷片を振りかけた。特に記さない限り、所望の温度で2時間凍結させた後、植物のペトリ皿を除去し、暗所において4℃で12時間解凍し、その後50±2μmol量子・m-2・s-1連続光の下、22℃に移した。2日後に芽生えの生存を視覚により記録した。
遺伝子発現の解析:RNA解析に関しては、同一のMS寒天プレート上の区分された半分で生育させたWTおよびice1植物の10日齢の芽生えを使用した。コントロールおよびストレス植物から抽出した全RNAを、Liu and Zhu (1997) に記載されるとおり、RNAブロッティングにより解析した。RD29A遺伝子特異的プローブは、3'非コード領域に由来する(Liu and Zhu 1997)。COR15AおよびCOR47のcDNAs(Gilmour et al. 1992; Lin and Thomashow 1992)は、M. F. Thomashow (Michigan State University) により快く提供された。CBF2およびCBF3遺伝子特異的プローブは、以下のプライマー対を用いてPCRにより作成した:CBF2-フォーワードプライマー、5'-TTCGATTTTTATTTCCATTTTTGG-3' (配列番号16);CBF2-リバースプライマー、5'-CCAAACGTCCTTGAGTCTTGAT-3' (配列番号17);CBF3-フォーワードプライマー、5'-TAAAACTCAGATTATTATTTCCATTT-3' (配列番号18);CBF3-リバースプライマー、5'-GAGGAGCCACGTAGAGGGCC-3' (配列番号19)。KIN1のためのプローブ(Kurkela and Franck, 1990)は、シロイヌナズナESTクローンYAP368T7の0.4-kb EcoRIフラグメントであった。β-チューブリン遺伝子は、ローディングコントロールとして使用し、以下のプライマー対:フォーワードプライマー (5'-CGTGGATCACAGCAATACAGAGCC-3' (配列番号20)) およびリバースプライマー (5'-CCTCCTGCACTTCCACTTCGTCTTC-3' (配列番号21)) を用いてPCRにより増幅した。
アフィメトリクス・ジーンチップ(Affymetrix GeneChip)アレイ解析に関しては、低温処理(明所で6時間)ありまたはなしの野生型およびice1の芽生えから、RNeasy Plant Mini Kit (Qiagen) を用いて、20μgの全RNAを抽出し、これを、ビオチン標識cRNAターゲットを作成するために使用した。約24,000の遺伝子を表示する22,500以上のプローブセットを含有するアフィメトリクス・シロイヌナズナATH1ゲノム・アレイ・ジーンチップ(Affymetrix Arabidopsis ATH1 genome array GeneChips)を使用して、ハイブリダイゼーション、洗浄、および染色を、製造元のマニュアルに指示されるとおり行った。マイクロアレイのデータは、スキャンされたGeneChip画像から抽出し、Microarray Suite version 5.0.1 (Affymetrix) を用いて解析した。
ICE1遺伝子座のマッピングおよびクローニング:ice1をWTと交配させたF1およびF2子孫の遺伝的解析により、ice1は優性突然変異であることが示された。それ故、ICE1をクローニングするため、ホモ接合のice1植物を、シロイヌナズナのLandsberg erecta(Ler)生態型と交配させ、自家受粉させたF1に由来するF2子孫を使用して、野生型の表現型を備えたマッピングサンプルを選抜した。これら芽生えから抽出したゲノムDNAを、単純配列長多型マーカー(simple sequence polymorphism markers)または切断増幅多型配列マーカー(cleaved amplified polymorphic sequence markers)を用いたPCRベースのマッピングのために使用した。F16J4、MTC11、MLJ15、MDJ14、K17E12、およびT32N15 BACクローン上の新規SSLPマッピングマーカーを、Cereonシロイヌナズナ多型およびLer配列収集(Cereon Arabidopsis polymorphism and Ler sequence collection)(http://www. arabidopsis. org) から同定される挿入/欠失に基いて開発した。候補遺伝子に相当するゲノムDNAを、ice1突然変異体および野生型植物からPCRにより増幅し、配列を決定して、ice1突然変異を同定した。
ice1突然変異体の相補性(complementation)に関しては、開始コドンの2,583 bp上流および終止コドンの615 bp下流を含むMLJ15.14遺伝子を、鋳型としてice1突然変異体のゲノムDNAを用いて、LA Taqポリメラーゼ (Takara) によりPCR増幅した。使用したPCRプライマーは、以下のとおりであった:フォーワードプライマー:5'-AGGGATCCGGACCACCGTCAATAACATCGTTAAGTAG-3' (配列番号22);リバースプライマー:5'-CGAATTCTAACCGCCATTAACTATGTCTCCTCTCTATCTC-3' (配列番号23)。得られた5,035-bpフラグメントを、pCR2.1 TOPOベクター (Invitrogen) にT-Aクローニングし、その後、pCAMBIA1200のBamHIとEcoRI部位の間にサブクローニングした。この構築物およびここに記載される他のすべての構築物を、完全に配列決定し、これらがPCRまたはクローニングのエラーを含有しないことを確認した。その後、このバイナリー構築物を、アグロバクテリウム株GV3101に導入し、CBF3-LUCコロンビア野生型植物に形質転換した。ハイグロマイシン抵抗性トランスジェニック植物を選抜し、それらのT2子孫を、低温ストレス応答性のCBF3-LUC発現についてテストした。
ICE1発現の解析:ICE1遺伝子のプロモーター領域(開始コドンから2,589 bp上流)を、以下のプライマー対:フォーワードプライマー、5'-AGGGATCCGGACCACCGTCAATAACATCGTTAAGTAG-3' (配列番号24);リバースプライマー、5'-CGAATTCGCCAAAGTTGACACCTTTACCCCAAAG-3' (配列番号25) を用いてPCR増幅した。得られたフラグメントを、BamHIおよびEcoRIで制限処理し、pCAMBIA1391バイナリーベクターに挿入した。このICE1プロモーター−GUS構築物を、アグロバクテリウム株GV3101に導入し、野生型シロイヌナズナに形質転換した。ハイグロマイシン抵抗性のT2トランスジェニック系統を、ICE1プロモーター誘導性GUS発現について分析した。GUS染色に関しては、MS寒天プレート上で生育したT2芽生えを、X-Gluc.と37℃で12時間インキュベートし、その後70℃において70% (v/v) エタノールで5回洗浄し、クロロフィルを除去した。またICE1発現は、野生型の根、葉、茎および花から調製したRNAの定量的RT-PCR分析により調べた。ICE1のcDNAを、以下のプライマー:フォーワードプライマー:5'-GCGATGGGTCTTGACGGAAACAATGGTG-3' (配列番号26) およびリバースプライマー:5'-TCAGATCATACCAGCATACCCTGCTGTATCG-3' (配列番号27) を用いてRT-PCRにより増幅した。チューブリン遺伝子を、RT-PCR分析において内部コントロールとして使用した。チューブリンcDNAは、以下のプライマー:フォーワードプライマー:5'-GTCAAGAGGTTCTCAGCAGTA-3' (配列番号28) およびリバースプライマー:5'-TCACCTTCTTGATCCGCAGTT-3' (配列番号29) を用いて増幅した。
ICE1の過剰発現:ICE1のcDNAを、シロイヌナズナ(生態型コロンビア)のRNAから、以下のプライマー:フォーワードプライマー:5'-GCTCTAGAGCGATGGGTCTTGACGGAAACAATGGTG-3' (配列番号30) およびリバースプライマー:5'-GGGGTACCTCAGATCATACCAGCATACCCTGCTGTATCG-3' (配列番号31) を用いてRT-PCRにより増幅した。PCR産物を、XbaIおよびKpnIで制限処理し、スーパープロモーター(これは、マンノピンシンターゼプロモーターの前のオクトピンシンターゼ上流活性化配列の3つのコピーから成る)の制御下に、pBIBベクターにクローニングした(Li et al. 2001)。このバイナリー構築物を含有するアグロバクテリウム・ツメファシエンス株GV3101を使用して、シロイヌナズナ植物を形質転換した。ハイグロマイシン(30 mg/L)を含有するMS培地上で形質転換体を選抜した。
GFP-ICE1融合タンパク質の発現および局在:完全長のICE1のcDNAを、以下のプライマー:フォーワードプライマー、5'-AGGAATTCGCGATGGGTCTTGACGGAAACAATGGTG-3' (配列番号32);リバースプライマー、5'-CTGGATCCTCAGATCATACCAGCATACCCTGCTGTATCG-3' (配列番号33) を用いてRT-PCRにより、野生型植物から得た。得られたPCR断片を、EcoRIおよびBamHIで制限処理し、CaMV 35Sプロモーターの下流に、バイナリーベクターpEGADにクローニングした。このGFP−ICE1構築物を、アグロバクテリウム株GV3101に導入し、野生型シロイヌナズナに形質転換した。Basta(グルフォシネート(glufosinate))抵抗性のT2トランスジェニック系統を選抜し、GFP発現について分析した。核を視覚化するため、根の組織をプロピジウムイオダイド(1μg/mL)を用いて染色した。トランスジェニック植物の緑色蛍光(GFP発現)および赤色蛍光(プロピジウムイオダイド染色)分析は、共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて行った。
DNA結合アッセイ:野生型および突然変異体ICE1のcDNAを、RT-PCRにより増幅し、発現ベクターpET14b(Novagen)のNdeIおよびBamHI部位に挿入した。野生型および突然変異体His-ICE1の融合タンパク質を、His-Bind Buffer Kit(Novagen)の指示マニュアルに従って、E.coli細胞(BL21 DE3)から調製した。電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)を、記載されるとおりに行った(Hao et al. 1998)。図6Aに示す以下の二本鎖オリゴヌクレオチド(MYC-1、MYC-2、MYC-3、MYC-4およびMYC-5)を、EMSAsにおいてプローブおよび競合物質として使用した。また、ヌクレオチド配列P1(-949〜-930)およびP2(-909〜-890)を競合物質として使用した。P1は、推定MYB認識部位を含有する。P2は、典型的なシスエレメントを含有しない。DNAプローブは、クレノウ断片を用いて[γ-32P] dCTPで末端標識し、セファデックスG-50カラムを通して精製した。標識されたプローブ(約0.02 pmol)を、1×結合緩衝液中で、2.3μgの精製His-ICE1融合タンパク質とともに、室温で20分間インキュベートした。得られたDNA−タンパク質複合体を、0.5×TBE緩衝液中の6%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動することにより分離し、オートラジオグラフィーにより視覚化した。競合実験については、未標識の競合物質を、標識プローブの添加に先立って30分間、氷上でHis-ICE1融合タンパク質とインキュベートした。
一過性発現アッセイ:野生型(ICE1)および突然変異体(ice1)のcDNAをRT-PCRにより増幅し、Sal1で制限処理し、植物発現ベクター35S-GAL4 DBのSmaIおよびSal1部位に挿入した(Ohta et al. 2000)。得られたエフェクターのプラスミドDNA、GAL4-ICE1、およびGAL4応答性レポーター、GAL4-LUC(Ohta et al. 2000)を、パーティクルガン法(particle bombardment)を用いてシロイヌナズナの葉にデリバーした。
実験例
ICE1遺伝子座の同定:
上述の遺伝学的スクリーニングを用いたところ、CBF3-LUC導入遺伝子を含有するシロイヌナズナ植物は、低温ストレスに応答して生物発光を放出した(図1Aおよび1B)。ホモ接合のCBF3-LUC植物(ここでは野生型と称する)を、エチルメタンスルホネートにより突然変異処理し、得られたM2集団を、微光イメージングシステムを用いて、低温ストレスの下で異常な生物発光応答を示す突然変異体についてスクリーニングした(Chinnusamy et al. 2002)。CBF3-LUC発現の異常な低温調節を示す数個体の突然変異体を回収した。ice1と称されるこれら突然変異体系統のうち1個体は、低温時にCBF3-LUCの発現が実質的に阻害される(図1Aおよび1B)。0℃での処理に応答して、野生型植物は、強い発光を示したが、ice1突然変異体は、低温処理の期間にわたってごく僅かな発光の誘導を示した(図1Aおよび1B)。12時間の低温処理後、ice1植物は、野生型植物のほぼ10分の1の発光を示し、明らかにCBF3-LUC発現の低温調節に欠陥を有する(図1B)。
ICE1遺伝子座の同定:
上述の遺伝学的スクリーニングを用いたところ、CBF3-LUC導入遺伝子を含有するシロイヌナズナ植物は、低温ストレスに応答して生物発光を放出した(図1Aおよび1B)。ホモ接合のCBF3-LUC植物(ここでは野生型と称する)を、エチルメタンスルホネートにより突然変異処理し、得られたM2集団を、微光イメージングシステムを用いて、低温ストレスの下で異常な生物発光応答を示す突然変異体についてスクリーニングした(Chinnusamy et al. 2002)。CBF3-LUC発現の異常な低温調節を示す数個体の突然変異体を回収した。ice1と称されるこれら突然変異体系統のうち1個体は、低温時にCBF3-LUCの発現が実質的に阻害される(図1Aおよび1B)。0℃での処理に応答して、野生型植物は、強い発光を示したが、ice1突然変異体は、低温処理の期間にわたってごく僅かな発光の誘導を示した(図1Aおよび1B)。12時間の低温処理後、ice1植物は、野生型植物のほぼ10分の1の発光を示し、明らかにCBF3-LUC発現の低温調節に欠陥を有する(図1B)。
ice1突然変異体植物を、CBF3-LUC野生型植物と交配させ、得られたF1植物を、0℃で12時間の低温処理の後に、CBF3-LUC発現について調査した。発光イメージングにより測定されるとおり、すべてのF1植物は、ice1と同様、低温誘導CBF3-LUC発現は低下した。自家受粉させたF1に由来するF2集団は、突然変異体と野生型がおよそ3:1の比率で分離した。これらの結果は、ice1が単一の核遺伝子の優性突然変異であることを示す。
ice1突然変異体植物は、低温調節される遺伝子発現に欠陥を有する:
RNAブロット分析を行い、内在性CBFsおよびこれらのターゲットの低温ストレス応答性遺伝子の転写産物レベルに対するice1突然変異の影響を分析した。イメージングの結果と一致して、内在性CBF遺伝子の低温誘導は、ice1突然変異体植物において大きく損なわれていた(ほぼ停止していた)(図1C)。野生型植物は、1時間の低温ストレス後にCBF3の誘導を示し、その発現は6時間で最大となった。対照的に、CBF3誘導は、ice1植物でほぼ停止した(図1C)。CBF1の誘導レベルは、ice1突然変異体において、1時間および3時間の低温ストレスで野生型より低かったが、その誘導レベルは、6時間および12時間では野生型と同様であった。CBF2誘導レベルは、ice1において、1時間の低温処理で野生型より僅かに低かったが、6時間および12時間では、その誘導レベルは突然変異体の方が高かった(図1C)。我々はまた、CBFsの下流のターゲット遺伝子の低温誘導を調査した。低温ストレス下におけるRD29A、COR15AおよびCOR47Aの発現レベルは、野生型よりice1で低かったが、KIN1の誘導は、48時間の低温ストレスの後に限って、ice1の方が低かった。
RNAブロット分析を行い、内在性CBFsおよびこれらのターゲットの低温ストレス応答性遺伝子の転写産物レベルに対するice1突然変異の影響を分析した。イメージングの結果と一致して、内在性CBF遺伝子の低温誘導は、ice1突然変異体植物において大きく損なわれていた(ほぼ停止していた)(図1C)。野生型植物は、1時間の低温ストレス後にCBF3の誘導を示し、その発現は6時間で最大となった。対照的に、CBF3誘導は、ice1植物でほぼ停止した(図1C)。CBF1の誘導レベルは、ice1突然変異体において、1時間および3時間の低温ストレスで野生型より低かったが、その誘導レベルは、6時間および12時間では野生型と同様であった。CBF2誘導レベルは、ice1において、1時間の低温処理で野生型より僅かに低かったが、6時間および12時間では、その誘導レベルは突然変異体の方が高かった(図1C)。我々はまた、CBFsの下流のターゲット遺伝子の低温誘導を調査した。低温ストレス下におけるRD29A、COR15AおよびCOR47Aの発現レベルは、野生型よりice1で低かったが、KIN1の誘導は、48時間の低温ストレスの後に限って、ice1の方が低かった。
これらRNAブロットの結果と一致して、アフィメトリクスのほぼ全ゲノムのジーンチップ(Affymetrix near full genome genechips)を用いたマイクロアレイ解析により、6時間の低温処理により野生型で3倍以上誘導される306遺伝子のうち、217遺伝子は、ice1突然変異体では誘導されないか、または野生型の50%以下しか誘導されないことが示された(表1A)。これら遺伝子のうち32遺伝子は、推定転写因子をコードし、このことは、ICE1が多くの低温応答性レギュロンを制御し得ることを示唆する。306の低温誘導遺伝子のうち87遺伝子に関しては、野生型とice1の誘導レベルの差は、2倍未満である(表1B)。興味深いことに、2遺伝子は、ice1突然変異体の方が高いレベルの低温誘導を示す(表1C)。
表1.野生型およびice1における低温応答性遺伝子の発現
低温処理に関しては、野生型およびice1の芽生えを、明所に6時間0±1℃に置いた。アフィメトリクス・ジーンチップ解析は、材料と方法の欄に記載されるとおり行った。遺伝子発現の変化は、各遺伝子型において、低温処理サンプルの値をコントロールサンプルの値と比較することにより解析した。+1または-1の「倍変化(Fold Change)」値は、遺伝子発現の変化がないことを示す。アップレギュレーションまたはダウンレギュレーションは、それぞれ、「倍変化(Fold Change)」値の+または−により表現される。低温応答性遺伝子は、以下の基準により野生型において決定された;1)低温処理サンプルからのシグナル強度が、バックグラウンドより高い(すなわち、低温処理サンプルにおいて、Affymetrix Microarray Suite Programにより測定された「Present」callsの遺伝子);2)ペア比較において、Affymetrix Microarray Suiteにより作成された「Change」callsが、「I」(「increase」)である;3)ペア比較における「倍変化」が3倍以上である。得られた306遺伝子の発現を、更に分析し、ice1突然変異体と比較した。野生型およびice1の変化の2倍の差を、遺伝子を分類するための閾値として使用した。転写因子をグレーブロックで示す。RNAハイブリダイゼーション分析に使用した遺伝子は太字である。低温処理ice1における22遺伝子の倍変化の値は、それらのシグナル強度がバックグラウンド値と同様であった(すなわち、低温処理ice1において「Absent」callsの遺伝子であった)ため測定しなかった(ND)。これら22遺伝子は、野生型ではすべて低温誘導された。従って、これらは、野生型よりice1の誘導が低い低温応答性遺伝子のカテゴリーに含めた。
低温処理に関しては、野生型およびice1の芽生えを、明所に6時間0±1℃に置いた。アフィメトリクス・ジーンチップ解析は、材料と方法の欄に記載されるとおり行った。遺伝子発現の変化は、各遺伝子型において、低温処理サンプルの値をコントロールサンプルの値と比較することにより解析した。+1または-1の「倍変化(Fold Change)」値は、遺伝子発現の変化がないことを示す。アップレギュレーションまたはダウンレギュレーションは、それぞれ、「倍変化(Fold Change)」値の+または−により表現される。低温応答性遺伝子は、以下の基準により野生型において決定された;1)低温処理サンプルからのシグナル強度が、バックグラウンドより高い(すなわち、低温処理サンプルにおいて、Affymetrix Microarray Suite Programにより測定された「Present」callsの遺伝子);2)ペア比較において、Affymetrix Microarray Suiteにより作成された「Change」callsが、「I」(「increase」)である;3)ペア比較における「倍変化」が3倍以上である。得られた306遺伝子の発現を、更に分析し、ice1突然変異体と比較した。野生型およびice1の変化の2倍の差を、遺伝子を分類するための閾値として使用した。転写因子をグレーブロックで示す。RNAハイブリダイゼーション分析に使用した遺伝子は太字である。低温処理ice1における22遺伝子の倍変化の値は、それらのシグナル強度がバックグラウンド値と同様であった(すなわち、低温処理ice1において「Absent」callsの遺伝子であった)ため測定しなかった(ND)。これら22遺伝子は、野生型ではすべて低温誘導された。従って、これらは、野生型よりice1の誘導が低い低温応答性遺伝子のカテゴリーに含めた。
ice1突然変異は冷却および凍結耐性が損なわれている
正常な生育温度において、ice1および野生型の芽生えのサイズは同様である(図2A)。成長した植物ではice1の方が小さいが、成長したice1植物は、開花期および繁殖力に関しては野生型とあまり変わらない(図2B)。同一の寒天プレート上の区分された半分で生育させたice1および野生型の10日齢の芽生えを、4℃で4日間低温順化し、その後凍結耐性アッセイを行った。ice1突然変異体は、すべての凍結温度において、野生型より凍結耐性が低かった(図2Cおよび2D)。-10℃で2時間凍結させると、約50%のice1突然変異体植物が枯れたが、この温度で野生型植物は20%未満しか枯れなかった(図2D)。新たに(22℃で)発芽したice1および野生型の芽生えを4℃(30±2μmol量子・m-2・s-1光)に移すと、4週間の低温処理の後、冷却傷害が突然変異体で明らかになった(図2E)。6週間の冷却ストレスの後、野生型は100%生存したが、icei突然変異体植物は20%しか生存しなかった(図2F)。
正常な生育温度において、ice1および野生型の芽生えのサイズは同様である(図2A)。成長した植物ではice1の方が小さいが、成長したice1植物は、開花期および繁殖力に関しては野生型とあまり変わらない(図2B)。同一の寒天プレート上の区分された半分で生育させたice1および野生型の10日齢の芽生えを、4℃で4日間低温順化し、その後凍結耐性アッセイを行った。ice1突然変異体は、すべての凍結温度において、野生型より凍結耐性が低かった(図2Cおよび2D)。-10℃で2時間凍結させると、約50%のice1突然変異体植物が枯れたが、この温度で野生型植物は20%未満しか枯れなかった(図2D)。新たに(22℃で)発芽したice1および野生型の芽生えを4℃(30±2μmol量子・m-2・s-1光)に移すと、4週間の低温処理の後、冷却傷害が突然変異体で明らかになった(図2E)。6週間の冷却ストレスの後、野生型は100%生存したが、icei突然変異体植物は20%しか生存しなかった(図2F)。
ICE1の位置クローニング
ice1突然変異をマッピングするために、CBF3-LUCコロンビアバックグラウンドのホモ接合のice1突然変異体を、Ler生態型の野生型植物と交配した。交配に由来するF1植物を自家受粉させ、F2種子を得た。ice1突然変異は優性であるため、我々は、マッピングのために、分離するF2集団から、(植物のサイズおよび形態に基いて)野生型の表現型を有する芽生えを選抜した。全部で662の野生型植物を選抜し、これらを、単純配列長多型マーカーおよび切断増幅多型配列マーカー(詳細については材料と方法の欄を参照)とともにマッピングのために使用し、これにより、ice1は第3染色体の中央にまず配置され、その後、その位置は、MLJ15およびMDJ14 BACクローン上の58 kb領域に狭められた。この領域の候補遺伝子を、ホモ接合のice1突然変異体植物から増幅し、配列を決定した。その配列を、公表されているシロイヌナズナの生態型コロンビアの配列と比較し、仮定されるMLJ15.14遺伝子に、単一のGのAへの突然変異を見出した。
ice1突然変異をマッピングするために、CBF3-LUCコロンビアバックグラウンドのホモ接合のice1突然変異体を、Ler生態型の野生型植物と交配した。交配に由来するF1植物を自家受粉させ、F2種子を得た。ice1突然変異は優性であるため、我々は、マッピングのために、分離するF2集団から、(植物のサイズおよび形態に基いて)野生型の表現型を有する芽生えを選抜した。全部で662の野生型植物を選抜し、これらを、単純配列長多型マーカーおよび切断増幅多型配列マーカー(詳細については材料と方法の欄を参照)とともにマッピングのために使用し、これにより、ice1は第3染色体の中央にまず配置され、その後、その位置は、MLJ15およびMDJ14 BACクローン上の58 kb領域に狭められた。この領域の候補遺伝子を、ホモ接合のice1突然変異体植物から増幅し、配列を決定した。その配列を、公表されているシロイヌナズナの生態型コロンビアの配列と比較し、仮定されるMLJ15.14遺伝子に、単一のGのAへの突然変異を見出した。
MLJ15.14遺伝子がICE1遺伝子であることを確認するため、開始コドンの2,583 bp上流および停止コドンの615 bp下流を含むMLJ15.14遺伝子を、ice1突然変異体植物からクローニングした。この断片をバイナリーベクターに挿入し、アグロバクテリウム媒介形質転換によりCBF3-LUCコロンビア野生型植物に導入した。トランスジェニック植物をハイグロマイシン抵抗性に基いて選抜し、T2系統における低温誘導生物発光を、野生型と比較した。ice1由来のMLJ15.14遺伝子は、野生型植物に由来する低温誘導発光を抑制し(図3Aおよび3B)、植物の背丈をice1突然変異体まで低下させ、これによりMLJ15.14はICE1であることが確認された。
ICE1は、構成的に発現され、核に局在するMYC様塩基性へリックス−ループ−へリックス転写因子をコードする
ICE1のオープンリーディングフレーム(配列番号1)は、RT-PCRにより得たcDNAsを配列決定することにより決定した。オープンリーディングフレームは、以下のとおり決定された:
ICE1のオープンリーディングフレーム(配列番号1)は、RT-PCRにより得たcDNAsを配列決定することにより決定した。オープンリーディングフレームは、以下のとおり決定された:
ICE1は、以下(配列番号2)に示すとおり53.5 kDaの推定分子量を有する494アミノ酸のタンパク質をコードすることが推定される:
データベースのサーチにより、ICE1は、そのC末端の半分に、MYC様塩基性へリックス−ループ−へリックス(bHLH)ドメインを含有することが明らかにされた(図4Aおよび4B)。タンパク質の全長にわたって、ICE1は、シロイヌナズナの未知のタンパク質(At1g12860)に類似のアミノ酸配列を示す。ice1突然変異は、これら2つのシロイヌナズナタンパク質で保存されているArg236がHisに変化する。ICE1のbHLHドメインは、公知のMYC関連bHLH転写因子のbHLHドメインと高いアミノ酸類似性を示す(図4B)。すべてのMYC結合プロモーターエレメントは、bHLHジッパードメインにおいて、保存されたグルタミン酸と接するCAヌクレオチドを含有する(Grandori et al., 2000)。このグルタミン酸残基(Glu312)は、ICE1の塩基性DNA結合ドメインにおいても保存されている(図4B)。アミノ末端近くの酸性ドメインは、bHLHファミリーの転写因子の特徴であり、カルボキシル末端近くの、保存されたbHLH DNA結合および二量体化ドメインも特徴である。これら特徴のすべてが、ICE1タンパク質に存在する(図4A)。
様々な組織におけるICE1の発現パターンを分析するため、ICE1プロモーター-GUS導入遺伝子を発現するトランスジェニックシロイヌナズナ植物のT2系統を、分析した。GUS発現は、根、葉、茎および花の部分で検出された。また、半定量的RT-PCR分析により、ICE1は、構成的に発現し、その発現は、葉および茎において他の組織より強いことが示された(図5Aおよび5B)。RNAブロット分析により、ICE1転写産物は、低温、NaClおよびABAにより僅かにアップレギュレートされるが、脱水によりアップレギュレートされないことが示された(図5C)。
ICE1タンパク質のサブ細胞性局在を調査するため、ICE1を、緑色蛍光タンパク質(GFP)のC末端側にフレームで(in-frame)融合し、CaMV 35Sプロモーターの制御下で発現させた。T2トランスジェニック植物におけるGFP蛍光の共焦点イメージングにより、GFP-ICE1融合タンパク質は、温かい温度(図5D)もしくは冷たい温度の何れかにおいて核内に存在することが示された。
ICE1はCBFプロモーターにおけるMYC認識部位に結合する
ICE1は、塩基性へリックス−ループ−へリックス(bHLH)ドメインを有し、塩基性領域におけるそのアミノ酸配列は、他のbHLHタンパク質とともに高度に保存されているため(図4B)、公知のbHLHタンパク質のDNA結合部位と類似のプロモーターエレメントを認識し得る。これらタンパク質は、コンセンサス配列CANNTGを有するDNAを認識する(Meshi and Iwabuchi 1995)。CBF3のプロモーター領域には、転写開始部位の上流1 kbの領域内に、5つの潜在的なMYC認識エレメントが存在する(Shinwari et al. 1998)。MYC-1〜MYC-5と称されるこれら可能なMYC認識部位は、MYC-3とMYC-5が同一のコンセンサス配列CATTTGを共に有するため、4つのグループに分類される(図6A)。よって、MYC-3は、MYC-3とMYC-5の両方を代表して使用した。ICE1がCBFプロモーターのこれらMYC認識部位に結合するか否かを決定するため、我々は、E.coliからHis-ICE1融合タンパク質を発現させ、精製した。各々の可能なMYC-認識部位を含む4つのDNA断片を、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)でHis-ICE1との相互作用のために使用した。
ICE1は、塩基性へリックス−ループ−へリックス(bHLH)ドメインを有し、塩基性領域におけるそのアミノ酸配列は、他のbHLHタンパク質とともに高度に保存されているため(図4B)、公知のbHLHタンパク質のDNA結合部位と類似のプロモーターエレメントを認識し得る。これらタンパク質は、コンセンサス配列CANNTGを有するDNAを認識する(Meshi and Iwabuchi 1995)。CBF3のプロモーター領域には、転写開始部位の上流1 kbの領域内に、5つの潜在的なMYC認識エレメントが存在する(Shinwari et al. 1998)。MYC-1〜MYC-5と称されるこれら可能なMYC認識部位は、MYC-3とMYC-5が同一のコンセンサス配列CATTTGを共に有するため、4つのグループに分類される(図6A)。よって、MYC-3は、MYC-3とMYC-5の両方を代表して使用した。ICE1がCBFプロモーターのこれらMYC認識部位に結合するか否かを決定するため、我々は、E.coliからHis-ICE1融合タンパク質を発現させ、精製した。各々の可能なMYC-認識部位を含む4つのDNA断片を、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)でHis-ICE1との相互作用のために使用した。
ICE1を4つのDNA断片(MYC-1〜MYC-4)の何れかとインキュベートすると、幾つかの複合体が観察され、このことは、ICE1がこれら配列に結合可能であることを示す(図6B)。MYC-2フラグメントは、ICE1と一つの主要な複合体を形成したが、他のDNA断片は、ICE1と幾つかの複合体を形成した。これら複合体は、同一の配列を有する低温競合物質の量を増大させて添加すると消失するが、推定MYB-認識部位および非関連配列をそれぞれ含有するP1またはP2の量を増大させて添加しても消失しない(図6B)。この競合特異性により、DNAとICE1との相互作用には、MYC認識配列が必要であるという仮説が強固なものとなる。MYC-2断片をプローブとして使用すると、この複合体は、低温MYC-2競合物質により最も効率的に競合されて消失し、このことは、ICE1がMYC-2部位に対して、他の部位に対するよりも高い親和性を有することを示唆する(図6C)。ICE1とMYC-2断片により形成される複合体は、野生型競合物質による影響ほど、変異型の競合物質による影響を受けない(図6D)。まとめると、これらの結果は、ICE1がCBF3プロモーターにおけるMYC認識部位と特異的に相互作用することを示す。ICE1のArg236からHisへの変異型も、MYC-2プローブに結合可能であったため、ice1突然変異は、ICE1とCBF3プロモーターとの相互作用に影響しないようである。
ICE1はCBF発現を正に調節する転写アクチベーターである
ICE1が転写アクチベーターとして作用するか、転写リプレッサーとして作用するかを決定するため、一過性発現アッセイを行った。酵母GAL4転写アクチベーターのDNA結合ドメインとICE1を融合することにより、エフェクタープラスミドを構築した(GAL4-ICE1、図7A)。野生型GAL4-ICE1とGAL4-応答性レポーター遺伝子(GAL4-LUC)を、パーティクルガン法(particle bombardment)によりシロイヌナズナの葉にデリバーすると、GAL4 DNA結合ドメインのみを含有するエフェクタープラスミドありまたはなしのコントロールに対して、ルシフェラーゼ活性は、20倍に増大した(図7B)。GAL4-ICE1のArg236からHisへの変異型も、GAL4-応答性転写を活性化した(図7B)。これらの結果は、ICE1が転写アクチベーターであること、ice1突然変異は、転写活性化ドメインの機能に影響を及ぼさないことを示唆する。
ICE1が転写アクチベーターとして作用するか、転写リプレッサーとして作用するかを決定するため、一過性発現アッセイを行った。酵母GAL4転写アクチベーターのDNA結合ドメインとICE1を融合することにより、エフェクタープラスミドを構築した(GAL4-ICE1、図7A)。野生型GAL4-ICE1とGAL4-応答性レポーター遺伝子(GAL4-LUC)を、パーティクルガン法(particle bombardment)によりシロイヌナズナの葉にデリバーすると、GAL4 DNA結合ドメインのみを含有するエフェクタープラスミドありまたはなしのコントロールに対して、ルシフェラーゼ活性は、20倍に増大した(図7B)。GAL4-ICE1のArg236からHisへの変異型も、GAL4-応答性転写を活性化した(図7B)。これらの結果は、ICE1が転写アクチベーターであること、ice1突然変異は、転写活性化ドメインの機能に影響を及ぼさないことを示唆する。
T-DNA挿入により作成されたice1のヌル(null)対立遺伝子は、優性ice1突然変異体の表現型を示さず、このことは、ICE1遺伝子ファミリーに機能的な重複があることが示唆される。我々は強力な構成的スーパープロモーターを用いることにより、野生型シロイヌナズナ植物においてICE1を過剰発現させた。過剰発現系統のいずれも、ice1突然変異体の表現型を示さなかった。RNAブロット分析により、ICE1過剰発現は、温かい温度においてCBF3発現を活性化しないことが示された。しかし、ICE1過剰発現は、低温時に、内在性CBF3遺伝子、並びにCBF3-LUCレポーター遺伝子の発現を向上させた(図7Cおよび7D)。CBF2、RD29AおよびCOR15Aの低温誘導も、このSuper-ICE1トランスジェニック植物で向上した(図7C)。同一寒天プレート上のSuper-ICE1トランスジェニック植物および野生型コントロール植物を、4℃で5日間低温順化し、その後-8℃で4時間凍結処理を行うと、ICE1過剰発現トランスジェニック芽生えは、コントロール植物の生存率(37.2±12.6 %)よりも高い生存率(75.9±6.5 %)を示した(図7E)。ICE1過剰発現トランスジェニック植物は、明らかな生育異常も発達異常を示さなかった。これらの結果は、ICE1がCBF3の正のレギュレーターであること、並びにice1の優性の性質が、突然変異の優性の負の効果により引き起こされることを示唆する。
上述の教示を考慮して本発明に多くの改変および変更が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本発明に具体的に記載される以外のやり方で本発明を実施可能であることを理解すべきである。
Claims (81)
- 配列番号2のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、単離されたポリヌクレオチド。
- 前記タンパク質が、ICE1転写アクチベーター活性を有する、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
- 配列番号1のポリヌクレオチドを含む、単離されたポリヌクレオチド。
- 請求項3に記載のポリヌクレオチドに相補的である、単離されたポリヌクレオチド。
- 請求項3に記載のポリヌクレオチドと少なくとも70%同一である、単離されたポリヌクレオチド。
- 請求項3に記載のポリヌクレオチドと少なくとも80%同一である、単離されたポリヌクレオチド。
- 請求項3に記載のポリヌクレオチドと少なくとも90%同一である、単離されたポリヌクレオチド。
- 50〜68℃の温度で5×SSC中で洗浄することを含むストリンジェントな条件下で、請求項3に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、単離されたポリヌクレオチド。
- ICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質をコードする、請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチド。
- 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
- 請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
- 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む植物細胞。
- 請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む植物細胞。
- 請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド配列を含むトランスジェニック植物。
- 請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチド配列を含むトランスジェニック植物。
- 前記植物がシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliania)である、請求項16に記載のトランスジェニック植物。
- 前記植物がシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliania)である、請求項17に記載のトランスジェニック植物。
- 前記植物が、コムギ、トウモロコシ、ピーナッツ、ワタ、エンバクおよびダイズ植物から成る群より選択される、請求項16に記載のトランスジェニック植物。
- 前記単離されたポリヌクレオチドが、誘導プロモ−ターに動作可能に連結される、請求項16に記載のトランスジェニック植物。
- 前記単離されたポリヌクレオチドが、誘導プロモ−ターに動作可能に連結される、請求項17に記載のトランスジェニック植物。
- ICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをスクリーニングする方法であって、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドを、スクリーニングされるポリヌクレオチドにハイブリダイズさせること;前記ポリヌクレオチドを発現させてタンパク質を産生すること;および前記タンパク質におけるICE1転写アクチベーター活性の有無を検出することを含む方法。
- ICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをスクリーニングする方法であって、請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチドを、スクリーニングされるポリヌクレオチドにハイブリダイズさせること;前記ポリヌクレオチドを発現させてタンパク質を産生すること;および前記タンパク質におけるICE1転写アクチベーター活性の有無を検出することを含む方法。
- ICE1転写アクチベーター活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドをスクリーニングする方法であって、請求項8に記載の単離されたポリヌクレオチドを、スクリーニングされるポリヌクレオチドにハイブリダイズさせること;前記ポリヌクレオチドを発現させてタンパク質を産生すること;および前記タンパク質におけるICE1転写アクチベーター活性の有無を検出することを含む方法。
- 請求項1に記載のヌクレオチドと少なくとも70%の相同性を有する核酸を検出する方法であって、請求項1に記載のヌクレオチド配列の少なくとも15の連続ヌクレオチドまたはその相補鎖の少なくとも15の連続ヌクレオチドを含むプローブまたはプライマーと、核酸サンプルを接触させることを含む方法。
- 請求項1に記載のヌクレオチドと少なくとも70%の相同性を有する核酸を産生する方法であって、請求項1に記載のヌクレオチド配列の少なくとも15の連続ヌクレオチドまたはその相補鎖の少なくとも15の連続ヌクレオチドを含むプローブと、核酸サンプルを接触させることを含む方法。
- 請求項3に記載のヌクレオチドを検出する方法であって、請求項3に記載のヌクレオチド配列の少なくとも15の連続ヌクレオチドまたはその相補鎖の少なくとも15の連続ヌクレオチドを含むプローブまたはプライマーと、核酸サンプルを接触させることを含む方法。
- 請求項3に記載のヌクレオチドを産生する方法であって、請求項3に記載のヌクレオチド配列の少なくとも15の連続ヌクレオチドまたはその相補鎖の少なくとも15の連続ヌクレオチドを含むプライマーと、核酸サンプルを接触させることを含む方法。
- ICE1タンパク質を作成する方法であって、請求項12に記載の宿主細胞を、ある期間、ICE1の発現に適した条件下で培養すること、およびICE1タンパク質を収集することを含む方法。
- ICE1タンパク質を作成する方法であって、請求項13に記載の宿主細胞を、ある期間、ICE1の発現に適した条件下で培養すること、およびICE1タンパク質を収集することを含む方法。
- トランスジェニック植物を作成する方法であって、請求項1に記載のポリヌクレオチドを植物に導入することを含む方法。
- トランスジェニック植物を作成する方法であって、請求項1に記載のポリヌクレオチドを植物に導入することを含む方法。
- その必要性がある植物の低温順化を増大させる方法であって、請求項1に記載のポリヌクレオチドを前記植物に導入することを含む方法。
- その必要性がある植物の低温順化を増大させる方法であって、請求項3に記載のポリヌクレオチドを前記植物に導入することを含む方法。
- その必要性がある植物の低温順化を増大させる方法であって、ice1遺伝子の発現を前記植物において向上させることを含む方法。
- 配列番号2のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
- ICE1転写アクチベーター活性を有する、請求項37に記載の単離されたポリペプチド。
- 請求項37に記載の単離されたポリペプチドと少なくとも70%同一であり、ICE1転写アクチベーター活性を有する、単離されたポリペプチド。
- 請求項37に記載の単離されたポリペプチドと少なくとも80%同一であり、ICE1転写アクチベーター活性を有する、単離されたポリペプチド。
- 請求項37に記載の単離されたポリペプチドと少なくとも90%同一であり、ICE1転写アクチベーター活性を有する、単離されたポリペプチド。
- 請求項37に記載の単離されたポリペプチドと少なくとも95%同一であり、ICE1転写アクチベーター活性を有する、単離されたポリペプチド。
- 植物において低温順化を増大させる方法であって、ICE1転写アクチベーターを植物で過剰発現させることを含む方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1の配列を有する核酸によりコードされる、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1と少なくとも70%同一の配列を有する核酸によりコードされる、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1と少なくとも90%同一の配列を有する核酸によりコードされる、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、50〜68℃の温度で5×SSC中で洗浄することを含むストリンジェントな条件下で、配列番号1の相補鎖にハイブリダイズする核酸によりコードされる、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターのアミノ酸配列が、配列番号2と少なくとも80%の相同性を有する、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターのアミノ酸配列が、配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する、請求項43に記載の方法。
- 前記植物がシロイヌナズナ(Arabidopsis thalania)である、請求項43に記載の方法。
- 前記植物が、コムギ、トウモロコシ、ピーナッツ、ワタ、エンバクおよびダイズから成る群より選択される、請求項43に記載の方法。
- 前記植物が、CBF転写因子およびDREB1転写因子から成る群より選択される一以上の追加の転写因子の発現が増大している、請求項43に記載の方法。
- 前記植物が、一以上の低温応答性遺伝子の発現が増大している、請求項43に記載の方法。
- 前記低温応答性遺伝子が、炭水化物の呼吸に関与する酵素、炭水化物の代謝に関与する酵素、脂質の呼吸に関与する酵素、脂質の代謝に関与する酵素、フェニルプロパノイドの呼吸に関与する酵素、フェニルプロパノイドの代謝に関与する酵素、酸化防止剤の呼吸に関与する酵素、酸化防止剤の代謝に関与する酵素、分子シャペロン、凍結防止タンパク質、および凍結により引き起こされる脱水に対する耐性に関与するタンパク質から成る群より選択されるタンパク質をコードする、請求項54に記載の方法。
- 前記植物を、ICE1転写アクチベーターをコードするベクターで形質転換する、請求項43に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項56に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1の配列を有する核酸によりコードされる、請求項56に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1と少なくとも70%同一の配列を有する核酸によりコードされる、請求項56に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1と少なくとも90%同一の配列を有する核酸によりコードされる、請求項56に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、50〜68℃の温度で5×SSC中で洗浄することを含むストリンジェントな条件下で、配列番号1の相補鎖にハイブリダイズする核酸によりコードされる、請求項56に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターのアミノ酸配列が、配列番号2と少なくとも80%の相同性を有する、請求項56に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターのアミノ酸配列が、配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する、請求項56に記載の方法。
- 前記植物がシロイヌナズナ(Arabidopsis thalania)である、請求項56に記載の方法。
- 前記植物が、コムギ、トウモロコシ、ピーナッツ、ワタ、エンバクおよびダイズから成る群より選択される、請求項56に記載の方法。
- 前記植物が、CBF転写因子およびDREB1転写因子から成る群より選択される一以上の追加の転写因子の発現が増大している、請求項56に記載の方法。
- 前記植物が、一以上の低温応答性遺伝子の発現が増大している、請求項56に記載の方法。
- 前記低温応答性遺伝子が、炭水化物の呼吸に関与する酵素、炭水化物の代謝に関与する酵素、脂質の呼吸に関与する酵素、脂質の代謝に関与する酵素、フェニルプロパノイドの呼吸に関与する酵素、フェニルプロパノイドの代謝に関与する酵素、酸化防止剤の呼吸に関与する酵素、酸化防止剤の代謝に関与する酵素、分子シャペロン、凍結防止タンパク質、および凍結により引き起こされる脱水に対する耐性に関与するタンパク質から成る群より選択されるタンパク質をコードする、請求項67に記載の方法。
- 植物細胞において一以上の低温応答性遺伝子の発現を向上させる方法であって、ICE1転写アクチベーターをコードするベクターで植物を形質転換することを含む方法。
- 前記植物の低温順化が増大している、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1の配列を有する核酸によりコードされる、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1と少なくとも70%同一の配列を有する核酸によりコードされる、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、配列番号1と少なくとも90%同一の配列を有する核酸によりコードされる、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターが、50〜68℃の温度で5×SSC中で洗浄することを含むストリンジェントな条件下で、配列番号1の相補鎖にハイブリダイズする核酸によりコードされる、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターのアミノ酸配列が、配列番号2と少なくとも80%の相同性を有する、請求項69に記載の方法。
- 前記ICE1転写アクチベーターのアミノ酸配列が、配列番号2と少なくとも90%の相同性を有する、請求項69に記載の方法。
- 前記植物細胞がシロイヌナズナ(Arabidopsis thalania)である、請求項69に記載の方法。
- 前記植物細胞が、コムギ、トウモロコシ、ピーナッツ、ワタ、エンバクおよびダイズ植物から成る群より選択される、請求項69に記載の方法。
- 配列番号2のICE1タンパク質をコードする単離された核酸に動作可能に連結された植物細胞で機能的なプロモーターを含む発現カセットであって、植物細胞で前記タンパク質の発現が向上すると、前記植物細胞に対する低温順化が増大する、発現カセット。
- 前記プロモーターが、ウイルスコートタンパク質プロモーター、組織特異的プロモーター、単子葉植物プロモーター、ユビキチンプロモーター、ストレス誘導プロモーター、CaMV 35Sプロモーター、CaMV 19Sプロモーター、アクチンプロモーター、cabプロモーター、スクロースシンターゼプロモーター、チューブリンプロモーター、napin R遺伝子複合体プロモーター、トマトE8プロモーター、patatinプロモーター、マンノピンシンターゼプロモーター、ダイズ種子タンパク質グリシニンプロモーター、ダイズ栄養(vegetative)貯蔵タンパク質プロモーター、バクテリオファージSP6プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、バクテリオファージT7プロモーター、Ptacプロモーター、根細胞プロモーター、ABA誘導プロモーター、および膨圧誘導プロモーターから成る群より選択される、請求項80に記載の発現カセット。
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