JP2005523336A - マンノース結合レクチン及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
本発明者らは、MASP枯渇MBLが、血漿からMASPを動員し良好に補体カスケードを活性化し得ることを示した。さらに、複合体として精製されたMBLが、MASP枯渇MBLと比較して限定された補体カスケード活性化能力を有することも発見された。従って、本発明は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、活性化されたMBL関連セリン・プロテアーゼ(MASP)を実質的に含まない単離された非組換えマンノース結合レクチン(MBL)を含む薬学的組成物を提供する。本発明の薬学的組成物の有効量を対象へ投与することを含む、MBLを必要とする対象を処置する方法も、提供される。
Description
発明の領域
本発明は、MBL関連セリン・プロテアーゼ(MASP)を実質的に含まない精製されたマンノース結合レクチン(MBL)及び治療におけるその使用に関する。
本発明は、MBL関連セリン・プロテアーゼ(MASP)を実質的に含まない精製されたマンノース結合レクチン(MBL)及び治療におけるその使用に関する。
発明の背景
マンナン結合レクチン又はマンノース結合タンパク質とも呼ばれるマンノース結合レクチン(MBL)は、補体成分C1qとの構造的な相同性を有する肝臓由来C型血清レクチンである。MBLは、レクチン経路及び古典的経路を介して補体を活性化することができ、そして食細胞の表面上の特定のC1q様受容体と相互作用することができ、従って、第一線の宿主防御において重要な役割を果たしている。
マンナン結合レクチン又はマンノース結合タンパク質とも呼ばれるマンノース結合レクチン(MBL)は、補体成分C1qとの構造的な相同性を有する肝臓由来C型血清レクチンである。MBLは、レクチン経路及び古典的経路を介して補体を活性化することができ、そして食細胞の表面上の特定のC1q様受容体と相互作用することができ、従って、第一線の宿主防御において重要な役割を果たしている。
MBLは、コラーゲン性領域及び球状レクチン・ドメインの両方の存在を特徴とするタンパク質のコレクチン(collectin)ファミリーのメンバーである。MBLの構造単位は、各々が炭水化物認識ドメインを含む32kDaサブユニット3個からなる96kDaコラーゲン三重ヘリックスである。ヘリックスは、N末端システイン間のジスルフィド結合によって安定化されている。MBLは、この96kDa単位の集合体としてオリゴマー化し、天然タンパク質は、一般的に、270kDa〜およそ650kDaの範囲の三量体〜六量体として見出される。MBLの完全な機能性は、より高次のオリゴマー型で存在する場合にのみ得られる。効果的な補体活性化を可能にするには、MBLは少なくとも四量体でなければならない、という証拠が存在している。このオリゴマー構造は、MBLに複数のリガンド結合部位を与え、そしてIgMの多重結合特徴を模倣する。
MBLは、多くの異なる糖に結合するが、マンノース及びN-アセチルグルコサミンと最も強力に結合する。これらの糖は、酵母、グラム陰性腸内細菌、グラム陽性細菌、ミコバクテリア、いくつかのウイルス、及びある種の寄生動物のような多くの病原体の細胞壁に蔓延している。MBLの糖標的の大部分が、哺乳動物細胞の表面上には高密度に発現していないため、MBLは、自己を非自己から区別する能力を有している。従って、MBLは、いわゆる自然免疫系の中心部分、宿主防御の第一線において、パターン認識分子として機能する(Turner、1996)。
MBLの効率的かつ効果的な補体活性化機能の中心にあるのは、MBL関連セリン・プロテアーゼ1、2、及び3(MASP1、MASP2、及びMASP-3)と呼ばれる少なくとも2個のプロ酵素とのインビボでの密接な会合である。それぞれ93kDa、76kDa、及び105kDaのこれらの単一ポリペプチドは、MBLがそのリガンドに結合した際に活性化され、レクチン経路を介した効率的な補体活性化を促進する(Turner、1996)。MASP2が補体活性化にとって不可欠であること、及びこの酵素が、MASP1又は最近記載されたMASP3のいずれかが存在しない場合でも、単独で補体カスケードを開始させ得ることが証明されている。従って、MASP2は、補体カスケードの活性化を促進するための、MBLと会合する重要な酵素である。
MBL遺伝子(MBL2)は、第10染色体の10q11.2-q21に位置し、4個のエキソンを含有している。機能的なタンパク質の発現に影響を及ぼす、多数のMBL2の変異が記載されている。MBL2遺伝子のエキソン1のコドン52、54、及び57における一ヌクレオチド置換は、MBLサブユニットの基本三量体構造単位への組み立てを妨害すると考えられている。
さらに、個々のMBLサブユニットの発現のレベルを改変させる、プロモーター領域における少なくとも2個の多型が記載されている(それぞれ、−550位及び−221位)。MBL遺伝子の変異の頻度は、民族間で異なっている。例えば、コドン54バリアントはコーカサス人に15%の頻度で発生するが、コドン57バリアントはアフリカ人に排他的に見られる。遺伝子変異及びプロモーター多型の両方の一般的な発生の実際的な意義は、MBL欠損が一般集団において比較的一般的であるということである。野生型遺伝子に関してホモ接合性の個体におけるMBLの血清レベルは、1〜5μg/mLの範囲であり、MBL2変異に関してホモ接合性の個体は、5〜25ng/mLのレベルを有し、ヘテロ接合性の個体は、正常値のほぼ1/8のレベルを有するが、相当なレベルの変動が観察される。
多数の証拠系列が、MBL欠損が臨床的に重要な結果を有していることを示唆している。
再発性感染、成長障害、及び慢性下痢からなる小児症候群は、最初、1968年に、インビトロの血漿のオプソニン欠陥と関連づけられた。その後、15ヶ月齢から9歳までの10人の子供において、この症候群が低いMBLレベルに関連していることが、確認された。小児感染のリスク・ファクターとしてのMBL2欠損の重要性は、感染により入院した連続する一連の子供345人において確認された。感染を有する子供におけるMBL2遺伝子変異の有病率は、感染を有しない子供の2倍であり、ヘテロ接合個体及びホモ接合個体の両方に、感受性の増加が見られた。見られた感染は、胸部感染及び中耳炎から生命を脅かす髄膜炎菌血症にまで及んでいた。
MBL欠損と子供の髄膜炎菌性疾患との関係は、266例からなる大規模な研究において確認された。病院に基づく症例の7.7%が、MBL多型に関してホモ接合性であったのに対し、対照群では1.5%であり、オッズ比は6.5であった。MBLの遺伝子バリアントが、全症例の3分の1の原因であるかもしれないとの結論が下された。
小児科集団におけるこれらのデータから、MBLの主要な役割が、母性抗体が失われた後、乳児自身の抗体レパートリーの成熟まで(6ヶ月〜18ヶ月)に発生するいわゆる「脆弱な期間(window of vulnerability)」の間の保護を提供することであるという仮説が立てられた。
MBLの遺伝子型バリアントが、一般的な可変性免疫不全及び急性リンパ芽球性白血病の早い顕在化開始年齢に関連しているという最近の所見は、免疫系のその他の成分が未熟であるか又は障害を負っている場合、MBLにより媒介される宿主防御が、より大きな重要性を獲得するという仮説を支持するものである。
MBL遺伝子の一般的な遺伝子バリエーションは、最近、149人の嚢胞性繊維症(CF)患者において、疾患重度の増加及びブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)感染のリスクと関連付けられた。MBLバリアント対立遺伝子も、悪い予後及び早期の死と関連付けられ、CF集団内の正常ホモ接合体と比較した場合、バリアント対立遺伝子キャリアにおける予測寿命は、8年短縮されていた。
成人におけるMBL欠損の臨床的な重要性を示す証拠は増加しつつある。「重度かつ異常な」感染(再発性皮膚感染、クリプトスポリジウム症、再発性単純ヘルペス及び食道カンジダ症を伴う髄膜炎菌性髄膜炎、並びに肺炎桿菌を含む)を有する成人患者4人が、コドン52又は54のいずれかを含むMBL2変異を有することが示された。
非HIV関連免疫不全を有すると推測される成人患者228人において、MBL2変異に関するヘテロ接合の頻度は、対照集団と同じであった。しかしながら、ホモ接合性MBL2変異は、推定免疫不全を有するものにおいて有意に増加していた(8.3%対0.8%)。MBL多型に関してホモ接合性の男性においては、HIV感染症のリスクがより大きく、エイズの進行速度がより速いことを示すデータも、提示されている。
化学療法計画によって適応免疫応答が損なわれた患者において、MBL構造遺伝子変異及び低い循環血中MBLのレベルの効果が、明白に、感染の罹患率及び感染の重度の増加に関連付けられた。0.5μg/ml未満のMBLレベルを有する血液学的悪性疾患のため化学療法を受けている成人は、有意に増加した感染の罹患率及び重度を有していた。ドナー及びレシピエントのMBL遺伝子型が、同種幹細胞移植後の成人における感染リスクへの影響において重要であることが見い出された。化学療法を受けている子供100人において、構造的MBL遺伝子変異を有するものは、野生型MBL遺伝子を有するものより2倍長い熱性好中球減少症の日数を有し、これらのうち4人は、感染によりICUに収容された。この研究においては、1μg/ml未満のMBLレベルが臨界であると考えられた。
既に実施された少数の前向きの地域社会に基づく研究(community based studies)において、252人の子供が調査された(Kochら、2001)。MBL欠損が、6〜17ヶ月齢の子供において、急性呼吸器感染と強くリンクしていることが発見された(リスク2倍)。MBL欠損は、0〜5ヶ月齢においては、より少ない影響を有し、18〜23ヶ月齢においては、急性呼吸器感染に影響を及ぼさなかった。
MBL-MASP複合体は、1980年以来、研究室規模でルーチンに精製されている。MBL-MASP複合体精製は、様々な型のアフィニティ・クロマトグラフィによって実施されている。リガンドは、通常、酵母マンナンである(Andersonら、1992;Holmskovら、1993)。カラムの溶出は1回又は2回実施され、最初の溶出は高度の塩又はEDTAにより(Koppelら、1994;Andersonら、1992;Holmskovら、1993)、最終的な溶出はマンノースにより実施される(Koppelら、1994;Andersonら、1992;Matsushitaら、1992;Holmskovら、1993)。
ヒトMBL-MASP複合体は、研究室規模で(Kilpatrick、2000)、そしてデンマーク血清研究所(Statens Serum Institut)においてGMP条件下で(Valdimarssonら、1998)、血漿タンパク質の分画の間に生成した廃棄画分からも精製されている。スコティッシュ・コーン(Scottish Cohn)画分IIIは、血漿分画によるIgG作製の廃棄生成物である。血漿から作製された低温上清(低温上清)が、21%エタノールで沈殿させられる。この工程からの沈殿物は、画分I+II+IIIと呼ばれる。8%エタノールによるさらなる沈殿によって、画分I+IIIが生成し、それから、エンフェイズ(Emphaze)−マンナン・カラムを使用してMBL-MASP複合体がアフィニティ捕獲され得る。MBL-MASP複合体の溶出は、まずEDTAで、次いでマンノース溶液で達成された。この手法からのMBL-MASP複合体の収率は、画分I+IIIペースト1kg当たり10mgと見積もられており;比活性はプールされた血漿より7倍大きい(Kilpatrick、2000)。このようにして、高度に純粋なMBL-MASP複合体(血漿1リットル当たり300〜600μg)が、単純なマンノース溶出により回収され得る。
別の精製技術は、非複合多糖マトリックスを使用したクロマトグラフィによる精製工程を開示している国際公開公報第99/64453号に記述されている。
発明の概要
本発明者らは、MASP枯渇MBL組成物が、関連MASPとの複合体として精製されたMBLと比較して、補体カスケードの活性化において優れていることを発見した。従って、本発明者らは、対象への投与のための安全な効果的な治療用生成物を製剤化する目的のため、MBL-MASP複合体の精製の間又は前又は後に、MASP、又は少なくとも活性型MASPが、MBLから除去されるべきであることを見出した。
本発明者らは、MASP枯渇MBL組成物が、関連MASPとの複合体として精製されたMBLと比較して、補体カスケードの活性化において優れていることを発見した。従って、本発明者らは、対象への投与のための安全な効果的な治療用生成物を製剤化する目的のため、MBL-MASP複合体の精製の間又は前又は後に、MASP、又は少なくとも活性型MASPが、MBLから除去されるべきであることを見出した。
従って、第一の面において、本発明は、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、活性化されたMBL関連セリン・プロテアーゼ(MASP)を実質的に含まない単離された非組換えマンノース結合レクチン(MBL)を含む薬学的組成物を提供する。
好ましくは、組成物は、活性化されているか否かに関わらずMASPを実質的に含まない。典型的には、MBLはヒトMBLである。
本発明者らは、MASP枯渇MBLが、良好に補体カスケードを活性化し得る機能的な複合体が生成するよう、血漿からMASPを動員し得ることを見出した。対照的に、精製されたMBL-MASP複合体は、限定されたプロ酵素(又は新鮮な)MASPを動員する能力を有するようである。これは、おそらく、精製過程における活性化の結果(例えば、マンナン・カラムとの結合時に活性化される)として、MBL上の結合部位に付着した活性型MASPが、精製された複合体の中に存在し、活性型MASPは交換が困難であるためである。対照的に、精製されたMASP枯渇MBL上の利用可能な結合部位には、プロ酵素MASPが新鮮に動員され得る。これによって、MBL-MASP複合体の制御成分も回復され、より安全で、より効果的な治療用生成物となる。
好ましい態様において、MBLは、
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備すること;
(ii)1個以上のMASPからMBLを解離させるために適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートすること;並びに
(iii)1個以上のMASPからMBLを分離すること、を含む方法により得られる。
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備すること;
(ii)1個以上のMASPからMBLを解離させるために適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートすること;並びに
(iii)1個以上のMASPからMBLを分離すること、を含む方法により得られる。
好ましくは、工程(ii)における緩衝液は、pH4.0〜5.0のEDTA/酢酸緩衝液である。
さらに、緩衝液はNaClを含むことが好ましい。好ましくは、緩衝液は少なくとも0.5MのNaCl濃度を有する。より好ましくは、緩衝液は約1MのNaCl濃度を有する。
好ましくは、工程(iii)は、クロマトグラフィ法及び/又は濾過を含む。さらに好ましい態様において、クロマトグラフィ法は、サイズ排除クロマトグラフィ及びイオン交換クロマトグラフィからなる群より選択される。
第二の面において、本発明は、
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備すること;
(ii)1個以上のMASPのうちの少なくともいくつかからMBLを解離させること;
(iii)1個以上のMASPのうちの少なくともいくつかからMBLを分離すること;並びに
(iv)工程(iii)から得られたMBLを薬学的に許容される担体又は希釈剤と混和することを含む、薬学的組成物を作製する方法も提供する。
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備すること;
(ii)1個以上のMASPのうちの少なくともいくつかからMBLを解離させること;
(iii)1個以上のMASPのうちの少なくともいくつかからMBLを分離すること;並びに
(iv)工程(iii)から得られたMBLを薬学的に許容される担体又は希釈剤と混和することを含む、薬学的組成物を作製する方法も提供する。
好ましくは、工程(ii)は、適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートすることを含む。
好ましくは、緩衝液は、pH4.0〜5.0のEDTA/酢酸緩衝液である。
さらに、緩衝液はNaClを含むことが好ましい。好ましくは、緩衝液は少なくとも0.5MのNaCl濃度を有する。より好ましくは、緩衝液は約1MのNaCl濃度を有する。
好ましくは、工程(iii)は、クロマトグラフィ法及び/又は濾過を含む。さらに好ましい態様において、クロマトグラフィ法は、サイズ排除クロマトグラフィ及びイオン交換クロマトグラフィからなる群より選択される。
好ましい態様において、工程(i)は、血漿画分過程からの副画分(side fraction)を提供することを含む。好ましくは、工程(i)は、マンナン・アフィニティ・クロマトグラフィにより、血漿画分過程からの副画分の中に存在する他の血漿タンパク質から、非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を分離することをさらに含む。
本発明は、本発明の第二の面の方法によって得られた薬学的組成物も提供する。好ましくは、組成物は、活性型MASPを実質的に含まない。
もう一つの面において、本発明は、本発明の薬学的組成物の有効量を、対象へ投与することを含む、対象における疾患を処置又は防止する方法を提供する。
疾患は、精製されたMASP枯渇MBLを投与された対象により処置又は防止が支援されるであろう任意の状態であり得る。本法の適当なレシピエントの例には、制限はされないが、骨髄同種移植片レシピエント、嚢胞性繊維症を有する対象、免疫不全を有する対象、急性リンパ芽球性白血病を有する対象、市中獲得型又は院内感染型の敗血症を有する対象、病原体に感染しているか、又はその感受性を有する対象、低出生体重児及び/又は未熟児が含まれる。典型的には、対象はMBL欠損を有する。
本発明は、予防的に又は治療において使用するための、MASPを実質的に含まない、単離された非組換えMBLを含む組成物も提供する。
本発明は、さらに、MASPを実質的に含まない単離された非組換えMBLを含む組成物の、該組成物を必要とする対象への投与において使用するための薬物の製造における使用を提供する。
適当なレシピエントの例には、制限はされないが、骨髄同種移植片レシピエント、嚢胞性繊維症を有する対象、免疫不全を有する対象、急性リンパ芽球性白血病を有する対象、市中獲得型又は院内感染型の敗血症を有する対象、病原体に感染しているか、又はその感受性を有する対象、低出生体重児及び/又は未熟児が含まれる。典型的には、対象はMBL欠損を有する。
本発明者らは、試料中のMASP活性のレベルを決定するための分解基質及びその使用のためのアッセイも考案した。そのようなアッセイは、本明細書に記載されたMBL精製手法をモニタリングするため、又はMASP活性を分析することが望ましいその他の任意の目的のため、使用され得る。
従って、さらなる面において、本発明は、式X-R1-Arg-R2-Y[式中、R1-Arg-R2は、補体タンパク質のMASP分解部位に由来する6個以上の連続アミノ酸からなるペプチドであり;Xは、NH2、保護基(blocking group)、又は検出可能標識であり;かつYは、COOH又は検出可能標識であり、但し、XがNH2又は保護基である場合には、YはCOOHではなく、YがCOOHである場合には、XはNH2又は保護基ではない]のペプチドを提供する。
好ましくは、補体タンパク質はC4である。
好ましくは、C4タンパク質はヒトC4であり、かつ分解部位はArg756を含む。
さらなる好ましい態様において、基質が分解された時に蛍光シグナルが得られるよう、Xが消光分子であり、かつYが蛍光標識であるか、又はその逆である。
さらなる面において、本発明は、試料中のMASP活性の存在を決定する方法における、本発明のペプチドの使用を提供する。
さらにもう一つの面において、本発明は、本発明に係るペプチドと試料を接触させること、及び該ペプチドが分解されたか否かを決定することを含む、試料中のMASP活性の存在を決定する方法を提供する。
さらなる面において、本発明は、
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備すること;
(ii)1個以上のMASPから非組換えMBLを解離させるため、適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートすること;
(iii)1個以上のMASPからMBLを分離すること;
(iv)本発明の方法を使用して、工程(iii)から得られたMBLを、MASP活性に関してスクリーニングすること;並びに
(v)得られた精製されたMBLを薬学的に許容される担体又は希釈剤と混和することを含む、本発明の薬学的組成物を作製する方法を提供する。
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備すること;
(ii)1個以上のMASPから非組換えMBLを解離させるため、適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートすること;
(iii)1個以上のMASPからMBLを分離すること;
(iv)本発明の方法を使用して、工程(iii)から得られたMBLを、MASP活性に関してスクリーニングすること;並びに
(v)得られた精製されたMBLを薬学的に許容される担体又は希釈剤と混和することを含む、本発明の薬学的組成物を作製する方法を提供する。
発明の詳細な説明
特記しない限り、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は、全て、当技術分野(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技術、及び生化学)における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。分子遺伝免疫学及び生化学的方法(一般には、参照として本明細書に組み込まれる、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、及びAusubelら、Short Protocols in Molecular Biology(1999)第4版、John Wiley&Sons,Inc.、並びにCurrent Protocols in Molecular Biologyなる名称の全ての版、Ed Harlow及びDavid Lane(編)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,(1988)、及びJ.E.Coliganら(編)Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons(現在までの全ての改訂版を含む)を参照のこと)、並びに化学的方法のための標準的な技術が使用される。
特記しない限り、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は、全て、当技術分野(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技術、及び生化学)における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。分子遺伝免疫学及び生化学的方法(一般には、参照として本明細書に組み込まれる、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、及びAusubelら、Short Protocols in Molecular Biology(1999)第4版、John Wiley&Sons,Inc.、並びにCurrent Protocols in Molecular Biologyなる名称の全ての版、Ed Harlow及びDavid Lane(編)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,(1988)、及びJ.E.Coliganら(編)Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons(現在までの全ての改訂版を含む)を参照のこと)、並びに化学的方法のための標準的な技術が使用される。
A.MASPを実質的に含まないMBLの精製
本発明に係る精製されたMASP枯渇MBLは、非組換え起源から、即ち、血漿のような動物又はヒトの生物学的材料からの精製により得られる。しかしながら、そのような材料の中に存在するMBLは、MASPと複合体化しており、従って、本発明に係る活性型MASPを実質的に含まないMBLの精製は、これらのMASPからのMBLの分離を必要とする。
本発明に係る精製されたMASP枯渇MBLは、非組換え起源から、即ち、血漿のような動物又はヒトの生物学的材料からの精製により得られる。しかしながら、そのような材料の中に存在するMBLは、MASPと複合体化しており、従って、本発明に係る活性型MASPを実質的に含まないMBLの精製は、これらのMASPからのMBLの分離を必要とする。
精製過程は、典型的には、二つの主要な工程、他の生物学的材料からのMBL-MASP複合体の精製、及び精製された実質的にMASPが枯渇したMBLを得るためのMBL-MASP複合体の解離を含む。これらの二工程は、任意の順序で実施され得、又は同時に実施されてもよい。しかしながら、MBLは、多くの場合、血漿の全タンパク質含有量の0.05%未満を構成するため、典型的には、解離工程の前に、非MBL-MASP血漿タンパク質のような少なくともいくつかの生物学的材料を除去し、MBL-MASP複合体を濃縮するための予備精製工程が実施される。従って、血漿のような生物学的材料は、典型的には、MBL-MASP複合体を含む部分精製された組成物を得るために処理される。
MBL精製のための一つの出発点は、血液、血漿、肝臓、及び肝細胞培養物である。しかしながら、MASP枯渇MBLは、血漿由来生成物又は副生成物から精製されてもよい。好ましくは、MASP枯渇MBLの起源は、血漿分画過程からの副画分である。例には、制限はされないが、沈殿過程からの沈殿物もしくは上清、又は濾液、又はイオン交換クロマトグラフィからの副画分、又はアフィニティ・クロマトグラフィからの副画分、又は他の血漿に基づく生成物を作製するために使用されない他の過程からの画分が含まれる。当業者であれば承知するように、多くの異なる血漿分画過程が既知である。しかしながら、当業者は、所定の血漿分画過程のどの画分がMBLを含むかを決定するため、本明細書に記載されたような種々の画分に対して、マンナン結合アッセイ、MBL抗原もしくはC4沈着アッセイ、及び/又はMBLのアフィニティ・クロマトグラフィ精製を実施して、容易にMBLをスクリーニングすることができる。
MASP枯渇MBLの起源としての血漿分画過程からの副画分の一例は、コーン画分II及び/又はIIIのような、産業規模のエタノール分画手法からの粗血漿タンパク質画分である。コーン上清Iに由来するMBL-MASP複合体含有ペースト(本明細書において、「ユーグロブリン・ペースト」と呼ばれる)を含むこれらの画分は、通常、廃棄されており、従って、出発材料として経済的に有利である。これは、血液が貴重かつ稀少な資源であり、従ってそのような副画分の使用を最大限にすることが望ましいためである。
MASP枯渇MBLの起源は、動物又はヒトであり得る。しかしながら、ヒト起源からMASP枯渇MBLを精製することが、好ましい。
血漿/血漿副生成物が使用される場合、それらは、一般に、血漿タンパク質を濃縮するために処理される。典型的には、血漿タンパク質は、沈殿過程によって、血漿又は血漿由来生成物等から得られる。血漿タンパク質は、様々な分子量型のポリ(エチレングリコール)、エタノール、及び硫酸アンモニウムを含む、当技術分野において既知の多様な適当な薬剤を使用して、血漿又は血漿副生成物から沈殿させられ得る。
さらなる随意的な工程には、デプス・フィルターによる濾過(depth filtration)のような濾過及び脱脂が含まれる。
例えば、ユーグロブリン・ペーストは、以下のようにして入手され得る:解凍させられた新鮮に凍結させられた血漿を、注射用蒸留水(WFI)及び5℃未満の温度の冷エタノールで処理する。次いで、得られた沈殿物を、遠心分離によって分離する。典型的には、上清を、リポタンパク質を吸着するために脱脂し、濾過によって清浄化する。次いで、伝導性を低下させるため、少なくとも10000ダルトンの名目上の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を使用して、上清を透析濾過(diafiltered)する。ユーグロブリン沈殿を促進するために透析濾過された上清のpHを低下させ、清浄化された上清を、濾過によって回収する。ユーグロブリン・ペーストは、この過程で収集される。
MBL-MASP複合体は、典型的には、他の血漿タンパク質からMBL(これらの大部分はMASPと複合体化されている)を分離するアフィニティ精製によって、他の血漿タンパク質から抽出される。一般に、アフィニティ捕獲リガンドは、糖である。例には、制限はされないが、マンナン及びN-アセチルグルコサミンが含まれる。好ましい態様において、アフィニティ捕獲リガンド・マンナン、例えば、マンナン−セファロース、マンナン−アガロース。MBL-MASP複合体がユーグロブリン・ペーストのような沈殿物の中に存在する場合には、沈殿したタンパク質が、アフィニティ樹脂へとロードする前に、再可溶化される。適当な可溶化緩衝液は、トリス/NaCl/CaCl2緩衝液である。例えば、ユーグロブリン・ペーストは、室温で1時間、トリス/NaCl/CaCl2緩衝液中で可溶化され得る。
可溶化されなかった材料は、一般に、遠心分離及び/又は濾過によって除去される。可溶化された血漿タンパク質沈殿物は、アフィニティ樹脂にロードされ、樹脂が洗浄された後、EDTAのようなカルシウム・イオン・キレート化剤によるMBL-MASP複合体の溶出が行われる。
マンナンのような複合炭水化物リガンドを含まない多糖マトリックスを使用する、MBL-MASP複合体を精製するための別法が、国際公開公報第99/64453号に記載されている。MBLは多糖マトリックスと直接結合し得るため、精製は、マンナン・アフィニティ樹脂と類似の様式で、複合アフィニティ樹脂を調製する必要なしに、達成され得る。
前記のようにして又は他の適当な手段により得られたMBL-MASP複合体含有溶液は、次いで、MBL複合体を解離させるため、即ち、MBLからMASPを解離させるために処理される。例えば、これは、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0〜5.0)及びEDTAを含む適当な緩衝液の中でMBL複合体をインキュベートすることにより達成され得る。さらに、緩衝液は、NaClをさらに含んでいてもよい。MBL-MASP複合体の解離のための適当なNaClの濃度は、当技術分野において既知の技術を使用して容易に決定され得る。一つの態様において、緩衝液は、少なくとも0.5MのNaCl濃度を有している。より好ましくは、緩衝液は、約1MのNaCl濃度を有している。
次いで、精製されたMASP枯渇MBLが、MASPからMBLを分離するための適当な精製工程によって得られる。分離は、典型的には、サイズ/分子量に基づくもの、例えば、サイズ排除クロマトグラフィ、濾過、及び/もしくは電気泳動、又は電荷に基づくもの、例えばイオン交換クロマトグラフィであるが、他の適当な手段も利用され得る。例えば、セファクリル(Sephacryl)S-300サイズ排除クロマトグラフィ又は濾過が使用され得る。MBL含有画分は、収集され、典型的には濃縮される。
精製過程の全体を通して、MASP枯渇MBL及び/又はMBL-MASP複合体の濃度を増加させるための濃縮工程を、一つ以上の段階において、含めることが望ましいかもしれない。これは、アフィニティ精製工程によって達成されるが、さらに、1回又はそれ以上の限外濾過工程が含まれてもよい。好ましくは、限外濾過に使用される膜は、10,000Da〜100,000Daの分子量カットオフ値を有している。一般に、濃縮工程の間、適合性の緩衝液の中でMBL及び/又はMASP複合体を維持することが望ましい。
MASP枯渇MBLは、動物/ヒトの生物学的生成物から得られるため、1回又はそれ以上のウイルス不活化工程を、MASP枯渇MBLの精製工程に含めることが好ましい。ウイルス不活化技術は、当技術分野において既知であり、典型的には、界面活性剤/溶媒組み合わせのようなウイルス不活化剤とMBLを接触させることを含む。適当な界面活性剤は、米国特許第4,314,997号及び米国特許第4,315,991号に記載されており、トリトン(Triton)X-100及びトゥイーン(Tween)80を含む。適当な溶媒には、トリ(n-ブチル)ホスフェートのようなジアルキルホスフェート及びトリアルキルホスフェートが含まれる。
「単離された」非組換えMBLとは、天然状態において会合又は連結している分子から少なくとも部分的に分離されている非組換えMBLを意味する。好ましくは、単離された非組換えMBLは、天然に会合している他の成分を少なくとも50%含まず、好ましくは少なくとも75%含まず、より好ましくは少なくとも90%含まない。
本発明者らは、非組換えMBLと結合したMASPの除去によって、補体経路を活性化するMBLの能力が増強されることを示した。当業者であれば承知するように、精製におけるMBLと結合した活性型MASPの除去によって、MBL成分の活性は増強されるであろう。当然、結合した活性型MASPが多く除去されるほど、MBL成分はより活性となるであろう。従って、本発明は、出発起源(例えば、血漿)と比較して、より高い、活性型MASPに対する非組換えMBLの比率を有している任意の薬学的組成物にまで及ぶ。
一つの面において、本発明は、活性型MASP、特に活性型MASP-2を実質的に含まない精製された非組換えMBLを含む組成物を提供する。これに関して、「実質的に含まない」という用語は、単離された非組換えMBL 5μgを含む組成物が、約0.3U/μlより大きいC4沈着アッセイ結果を提供することを意味する。好ましくは、C4沈着アッセイ結果は、約0.5U/μlより大きく、より好ましくは約0.75U/μlより大きく、より好ましくは約1U/μlより大きく、より好ましくは約1.25U/μlより大きく、さらに好ましくは約1.5U/μlより大きい。適当なC4沈着アッセイは、当技術分野において既知であり、本明細書に記載されている。
もう一つの面において、本発明は、活性型MASPを実質的に含まない非組換えMBLを精製する方法を提供する。これに関して、そして一つの態様において、「実質的に含まない」という用語は、C4沈着アッセイを使用して、既に概説されたようにして決定される。又は、「実質的に含まない」という用語は、出発材料のMASP活性、即ちMBL-MASP複合体を解離させる工程の前のMASP活性を、少なくとも部分的に精製されたMBL生成物のMASP活性と比較した場合に決定され得る。好ましい態様において、MASP活性は、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、さらに好ましくは少なくとも99%減少している。MASP活性アッセイは、当技術分野において既知であり、本明細書に記載されたものを含む。
「活性型MASP」という用語は、MASPが、プロ酵素型ではなく、タンパク質分解により活性化された型として存在していることを意味する。活性型MASPは、サイズによってプロ酵素と区別され得、プロ酵素は、約70〜110kDaの分子量を有しているが、活性型酵素は、約50〜65kDaの重鎖及び約30〜40kDaの軽鎖からなる。これらは、還元条件下でのゲル電気泳動によって分離され得、続いて可視化及び/又は免疫検出(例えば、ウェスタン・ブロッティング)が行われる。
しかしながら、好ましい態様において、MBLは、MBL-MASP複合体に対して相対的に計算されるため、活性化されているか否かに関わらずMASPを実質的に含まない。
オリゴマーとしてのMBLは、増加したアビディティのため、より効率的に機能する。従って、本発明の精製されたMASP枯渇MBLは、天然オリゴマー状態を維持していることが好ましい。好ましくは、精製されたMBLの少なくとも50%が、オリゴマーとして、より好ましくは四量体又はより高次のオリゴマーとして存在する。
B.薬学的組成物
本発明に係る精製されたMASP枯渇MBLは、MASP枯渇MBL組成物を作製するため、様々な成分と組み合わせられ得る。組成物は、典型的には、本発明の薬学的組成物を作製するため、(ヒト又は動物において使用するためのものであり得る)薬学的組成物を作製するための薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。「薬学的に許容される」という語句は、動物、特に哺乳動物、特にヒトに投与された場合に、アレルギー反応、毒性反応、又は他の有害な反応を生じない分子要素及び組成物をさす。薬学的に許容される媒体又は担体には、全ての任意の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、安定剤、等張剤、及び吸収遅延剤等が含まれる。薬学的活性物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野において周知である。
本発明に係る精製されたMASP枯渇MBLは、MASP枯渇MBL組成物を作製するため、様々な成分と組み合わせられ得る。組成物は、典型的には、本発明の薬学的組成物を作製するため、(ヒト又は動物において使用するためのものであり得る)薬学的組成物を作製するための薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。「薬学的に許容される」という語句は、動物、特に哺乳動物、特にヒトに投与された場合に、アレルギー反応、毒性反応、又は他の有害な反応を生じない分子要素及び組成物をさす。薬学的に許容される媒体又は担体には、全ての任意の溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤、抗真菌剤、安定剤、等張剤、及び吸収遅延剤等が含まれる。薬学的活性物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野において周知である。
適当な担体及び希釈剤には、等張生理食塩水溶液、例えば、リン酸緩衝生理食塩水が含まれる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール等)、それらの適当な混合物、並びに植物油を含有している溶媒又は分散媒であり得る。適度の流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散の場合であれば必要とされる粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により、維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によって達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射可能組成物の長期的な吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に使用することによって達成され得る。
適当な安定剤の例には、制限はされないが、薬学的等級の単糖、二糖、ショ糖、乳糖、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストラン等;アルブミンのような、MBL又はMASP以外の血漿タンパク質生成物;アミノ酸;及びポリオール(例えば、ポリエチルグリコール)等が含まれる。
組成物は、液体又は固体のような任意の適当な形態で存在し得る。固形組成物は、噴霧乾燥、凍結乾燥、噴霧凍結乾燥、空気乾燥、真空補助乾燥、流動層乾燥等を含む当技術分野において既知の任意の技術を使用して入手され得る。
本発明の組成物は、直接注射によって投与されてもよい。組成物は、非経口投与、筋肉内投与、及び静脈内投与を含む様々な投与経路のため製剤化され得る。他の送達系には、タイムリリース型(time-release)、遅延放出型、又は持続放出型の送達系が含まれ得る。そのような系は、本発明のMASP枯渇MBL組成物の反復投与を回避し、対象及び医師にとっての便利さを増加させることができる。多くの型の遅延放出型送達系が利用可能であり、当業者に既知である。それらには、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ無水物、及びポリカプロラクトンのようなポリマーに基づく系が含まれ;非ポリマー系には、ステロール、特にコレステロール、コレステロール・エステル、及びモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドのような脂肪酸又は中性脂肪のような脂質;ヒドロゲル放出系;シラスチック(silastic)系;ペプチドに基づく系;ワックス・コーティング、従来の結合剤及び賦形剤を使用した圧縮錠、部分的に癒着した植込み剤等が含まれる。さらに、ポンプに基づくハードウェア送達系が使用され得、それらのうちのいくつかは植込みに適している。
長期持続放出型植込み剤も使用され得る。長期放出とは、本明細書において使用されるように、植込み剤が、少なくとも30日間、好ましくは60日間、治療レベルの精製されたMBLを送達するよう構築され配置されることを意味する。長期持続放出型植込み剤は、当業者に周知である。
典型的には、MBLタンパク質は、体重1kg当たり0.001〜100mg、好ましくは0.01〜10mg/kg、より好ましくは0.05〜1mg/kgの用量で投与され得る。
例えば、MBL欠損成人にとって適当な初回用量は、注入剤として与えられる生理食塩水100ml中6mgのMBLであり、必要に応じて、週2回、約6mgの用量が追加される。
熟練した実務者であれば、任意の特定の患者及び条件のための最適な投与経路及び投薬量を容易に決定することができるであろうため、記載された投与経路及び投薬量は単なる案内に過ぎないものとする。
本発明の組成物は、活性化されていない精製されたMASPを含む組成物と共投与され得る。共投与にとって適当なそのようなMASPは、当技術分野において既知の技術を使用して組み換え的に入手され得る。ヒトMASP-1のヌクレオチド配列は、GenBankアクセッション番号NM_001879として入手可能である。ヒトのMASP-2のヌクレオチド配列は、GenBankアクセッションAH010229として入手可能である。ヒトのMASP-3のヌクレオチド配列は、GenBankアクセッションAF284421として入手可能である。
C.MASP活性に関するアッセイ
MASPを実質的に含まないことを確認するため、本発明のMBL組成物をアッセイすることが望ましい。MASPの存在は、免疫学的方法(例えば、ELISA)を含む多様な技術を使用して測定され得る。さらに、MASP活性が、補体タンパク質C2、C3、C4、又はC5のMASP分解生成物のC末端に由来する標識されたペプチドのような標識された基質の分解に基づくアッセイを使用して決定され得る。
MASPを実質的に含まないことを確認するため、本発明のMBL組成物をアッセイすることが望ましい。MASPの存在は、免疫学的方法(例えば、ELISA)を含む多様な技術を使用して測定され得る。さらに、MASP活性が、補体タンパク質C2、C3、C4、又はC5のMASP分解生成物のC末端に由来する標識されたペプチドのような標識された基質の分解に基づくアッセイを使用して決定され得る。
さらに、本発明者らは、C4タンパク質上のMASP分解部位に由来する基質の使用に基づく、活性MASPに関する高感度のアッセイ法を開発した。これらの基質は、未分解の補体タンパク質の分解部位の両側に由来するアミノ酸配列を含有しているが、米国特許第6,235,494号の基質は、アルギニン分解部位のC末端側にアミノ酸残基を含有していないため、それらは、米国特許第6,235,494号に開示されたものと異なる。アルギニンがアミノ酸に挟まれるような付加的なアミノ酸の包含は、付加的な特異性及び信頼性を提供する。
従って、本発明は、式X-R1-Arg-R2-Y[式中、R1-Arg-R2は、補体タンパク質のMASP分解部位に由来する6個以上の連続アミノ酸からなるペプチドであり;Xは、NH2、保護基、又は検出可能標識であり;かつYは、COOH又は検出可能標識であり、但し、XがNH2又は保護基である場合には、YはCOOHではなく、YがCOOHである場合には、XはNH2又は保護基ではない]のペプチドを提供する。
好ましくは、R1及び/又はR2は、少なくとも3個のアミノ酸、好ましくは少なくとも4個のアミノ酸を含む。好ましくは、R1-Arg-R2は、10個未満のアミノ酸を含む。より好ましくは、R1-Arg-R2は、7個又は8個のアミノ酸からなる。
R1-Arg-R2が由来する補体タンパク質分解部位は、好ましくは、ヒトC4(アクセッション番号P01028)のArg756のような、C2、C3、C4、又はC5タンパク質のMASP分解部位である。
天然に存在する補体タンパク質分解部位配列の誘導体が使用されてもよい。「誘導体」という用語は、得られた配列が1個以上のMASPによって分解されること、及び少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個又は少なくとも4個のアミノ酸残基がアルギニン分解部位のC末端側に存在することを条件として、アルギニン残基以外の天然に存在する補体タンパク質分解部位配列に対して微小の置換、挿入、及び欠失がなされてもよいことを意味する。
保存的置換は、例えば下記表に従い、作成され得る。第2カラムの同一ブロック内のアミノ酸、好ましくは第3カラムの同一行内のアミノ酸が、相互に置換され得る。
置換には、天然には存在しないアミノ酸アナログの使用も含まれ得る。
本明細書の開示を考慮すれば、当業者は、本発明のアッセイにおいて使用され得る適当な誘導体を決定するため、標識された既知のMASP分解基質の(天然に存在するアミノ酸及び/又は天然には存在しないアミノ酸のいずれかを含む)誘導体を容易にスクリーニングすることができよう。
X又はYのうちの少なくとも一つは、基質の分解の検出を許容する検出可能標識である。放射性同位体、比色定量標識、生物発光標識、発色標識、又は蛍光標識のような任意の適当な検出可能標識が使用され得る。しかしながら、好ましい態様において、標識のうちの一つは、蛍光標識である。高度に好ましい態様において、Xが蛍光標識であり、かつYが消光分子であるか、又はその逆である。このように、X及びYが未分解の基質の中で互いにある程度の距離に存在する(例えば、8アミノ酸以下離れている)場合、蛍光シグナルは得られないであろう。しかしながら、MASPによる基質の分解時には、消光分子が蛍光標識から分離され、蛍光シグナルが得られるであろう。
消光分子の例には、制限はされないが、ジニトロフェニルエチレンジアミン(EDDnp)及びLys(Dnp)が含まれる。蛍光標識の例には、制限はされないが、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC)及びアミノ安息香酸(Abz)が含まれる。比色定量分子の例には、制限はされないが、パラ−ニトロアニリンが含まれる。
本発明のペプチドは、典型的には、固相合成のような当業者に周知の技術を使用して合成手段よって作成される。ペプチドを化学合成するための様々な技術は、Borgia及びFields(2000)に概説されており、それに含有されている参照に詳細に記載されている。
本明細書におけるアッセイ系は、試料中の活性型MASPレベルを決定するのに有用なキット形態で提供され得る。キットは、適当な容器に含有されているか、又はマイクロタイター・プレートもしくは他の適当な支持体のような固体支持体に連結されているか、又はマイクロタイター・プレートのウェルに含有されている基質を含み得る。キットは、アッセイを実施するための説明書も含み得る。
キットは、対照、トリプシン、フサン(Futhan)、又はその他のセリン・プロテアーゼ阻害剤、PBSのような緩衝液、停止溶液、及びその他のそのような試薬を含む、アッセイを実施するための他の試薬を随意的に含むであろう。キットは、マイクロタイター・プレート、バイアル、標識されたリガンド又は標識された抗リガンド、較正溶液、対照、洗浄溶液、固相支持体等のような、適当な補助的な備品も含み得る。
本発明のペプチドは、前記のようにして精製されたMASP枯渇MBLを含有している試料のような試料の中のMASP活性をアッセイするために使用され得る。試料には、MBL欠損を有していると推測される患者を含む患者に由来する、血液試料のような生物学的試料も含まれ得る。
従って、本発明は、本発明のペプチドと試料を接触させること、及び該ペプチドが分解されたか否かを決定することを含む、試料中のMASP活性の存在を決定する方法を提供する。
タンパク質分解活性、即ち基質の分解の検出のための方法は、標識の型に依って変動するであろう。検出は、例えば、定量的又は定性的な測定に基づき得る。
定量的測定のためには、典型的には、標識によって放射されたシグナルが、反応の開始時から測定され、その結果が初速度を得るために使用される。C4の分解部位のN末端側の残基のみからなる基質は、C1及びMBL-MASP複合体の両方による分解に関して正常なミカエリス−メンテン動力学を示す。これは、基質濃度に対する分解反応の初速度の依存性が、直角双曲線によって記載され得、定数Km(酵素と基質との間の親和性に一致するミカエリス定数)及びVmax(反応の最大速度)が、データの非線形回帰適合から導出され得ることを意味する。
しかしながら、C4の分解点のN末端側及びC末端側の両方にアミノ酸残基が組み込まれた基質は、C1及びMBL-MASPによる基質の分解に関してミカエリス−メンテン動力学を示さない。代わりに、基質濃度に対する分解の初速度の依存性は、S字曲線によって最もよく記載される。これは、酵素が、P4-P4'基質の分解においてアロステリック挙動又は正の協同作用を示していることを示す。この場合、曲線の非線形回帰フィッティングは、三つの異なる定数:Vmax(この場合にも、相互作用の最大速度)、K0.5(又はVmaxの半分における基質濃度、酵素と基質の間との親和性を示す)、及びヒル定数(h、正の協同作用の程度を示す)を与える。
C1阻害剤(C1INH)は、1:1の比率でMASPと結合することが、以前に報告されている。従って、既知の活性濃度のC1INHの調製物は、MASP調製物中の活性酵素の量を滴定するために使用され得る。これは、陽性対照としてC1を使用して実施され得る。次いで、これは、MASPと蛍光測定基質との間の相互作用のkcatの計算を可能にするであろう。活性(蛍光)がC1INH濃度に対してプロットされた後は、MASP調製物の活性酵素濃度が、X切片として決定され得る。
次いで、酵素基質反応のK0.5値及びVmax値が、アロステリック動力学を使用して決定され得る。次いで、活性酵素濃度についての知識は、以下の方程式を使用して、酵素基質反応のkcat定数の計算を可能にする:
kcat=Vmax/[活性酵素]
kcat=Vmax/[活性酵素]
式中、Vmaxは、酵素−基質反応の最大速度であり、[活性酵素]は、基質を分解することができる調製物中に存在する酵素のモル量である。
kcat値が決定された後、MASP調製物は、K0.5値の2倍の基質濃度においてアッセイされ得、Vmaxと名目上等しい速度を与える。次いで、kcat値及びVmax値が、以下の方程式へ置換され得る:kcat=Vmax/[活性酵素]。方程式の再配置は、試料中の活性酵素濃度の評価を与えるであろう。
D.治療的使用
本発明の薬学的組成物は、MBLを必要とする対象を処置するために使用され得る。
本発明の薬学的組成物は、MBLを必要とする対象を処置するために使用され得る。
本明細書において使用されるように、「有効量」とは、少なくとも、病原体をオプソニン化し、病原体に応答した補体カスケードを誘導する対象の免疫系の能力を増加させるのに十分な量を意味する。
対象には、骨髄同種移植片レシピエント、嚢胞性繊維症を有する対象、免疫不全を有する対象、急性リンパ芽球性白血病を有する対象、市中獲得型又は院内感染型の敗血症を有する対象、病原体に感染しているか、又はその感受性を有する対象、低出生体重児及び/又は未熟児が含まれる。典型的には、対象は、先天性MBL欠損のようなMBL欠損を有する。
本明細書において使用されるように、MBL欠損とは、対象のMBLレベルが500ng/ml未満であり、かつ/又は対象のC4沈着アッセイ結果が0.3U/ul未満である場合である。特に、300ng/ml未満のMBLレベルを有している個体、又は250ng/ml未満のMBLレベルを有している個体、又は200ng/ml未満のMBLレベルを有している個体のような、400ng/ml未満のMBLレベルを有している個体は、本発明の方法から利益を得るであろう。
病原体は、MBLが結合すると補体経路が活性化されるような分子を含む任意の生物であり得る。そのような病原体は、酵母、グラム陰性腸内細菌、グラム陽性細菌、ミコバクテリア、いくつかのウイルス、及びある種の寄生動物であり得る。そのような病原体のより具体的な例には、制限はされないが、クリプトスプリジウム・パルブム(Cryptospridium parvum)及びプラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)のような寄生動物;クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)を含むクリプトコッカス(Cryptococcus)sp.、カンジダ・アルビカン(Candida albican)、及びアスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)のような真菌;並びにA群ベータ溶血性連鎖球菌(beta haemolytic streptococcus group A)、ビフィドバクテリウム・ビフィズム(Bifidobacterium bifidum)、アクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelli)、プロプリオニバクテリウム・アクネス(Proprionibacterium acnes)、バクテロイデス(Bacteroides)sp.、大腸菌(Escherichia coli)、ユーバクテリウム(Eubacterium)sp.、フソバクテリウム(Fusobacterium)sp.、ベイロネラ(Veillonella)sp.、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、ネイセリア・ゴノロエ(Neisseria gonorrhoeae)、ネイセリア・メニンギチジス(Neisseria meningitidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、及びクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)のような細菌からなる群より選択されるものが含まれる。
特定の適応症には、以下のものが含まれる。神経学:慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)、多病巣性運動ニューロパシー、多発性硬化症、重症筋無力症、イートン−ランバート症候群、視神経炎、てんかん;婦人科:習慣性流産、原発性抗リン脂質症候群;リウマチ学:慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、脈管炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、若年性関節リウマチ;血液学:自己免疫性好中球減少症、自己免疫性溶血性貧血、好中球減少症;胃腸科:クローン病、潰瘍性大腸炎、腹腔疾患;その他:喘息、敗血症性ショック症候群、慢性疲労症候群、乾癬、中毒性ショック症候群、糖尿病、副鼻腔炎(Sinuitis)、拡張型心筋症、心内膜炎、アテローム性動脈硬化症、エイズ及び細菌感染を有する成人、一般的な可変性免疫不全、ヴィスコット−オールドリッチ症候群、及び重症複合免疫不全(SCID)を含む原発性低/無ガンマグロブリン血症、慢性リンパ球性白血病(CLL)及び多発性骨髄腫を有する患者における二次性低/無ガンマグロブリン血症、エイズ及び細菌感染を有する子供、急性及び慢性の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、同種骨髄移植(BMT)、川崎病、並びにギヤン−バレー症候群。
MBLの欠損は、急性リンパ芽球性白血病の素因を乳児に与えることが示されている。従って、本発明の方法は、急性リンパ芽球性白血病のようなMBL欠損によって引き起こされる/関連している障害を防止するために予防的に使用されてもよい。従って、対象には、急性リンパ芽球性白血病の増加した発症リスクを有するMBL欠損乳児のような、MBL欠損のため、適宜、上記の障害のうちのいずれかの発症リスクを有するものも含まれる。
以下、例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものではない実施例を参照しつつ、本発明をさらに説明する。
実施例
実施例1−MASP枯渇MBLの精製
新鮮凍結血漿を、5℃未満の温度で軟化させ解凍し、連続流遠心分離によって低温沈殿物(cryoprecipitate)を低温上清から分離した。冷エタノールを、8%(v/v)の最終濃度で低温上清に添加した。形成された沈殿物を、-2℃±1℃における遠心分離又は濾過によって上清から分離した。上清を、リポタンパク質を吸着するために処理し、濾過によって清浄化した。脱脂された上清を、伝導性を低下させるため、少なくとも10000ダルトンの名目上の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を使用して透析濾過した。脱脂された透析濾過された上清のpHを、ユーグロブリン沈殿を促進するために低下させ、清浄化された上清を濾過によって回収した。この過程で収集されたユーグロブリン・ペーストを、MBL-MASP複合体を抽出するため、さらに精製した。
実施例1−MASP枯渇MBLの精製
新鮮凍結血漿を、5℃未満の温度で軟化させ解凍し、連続流遠心分離によって低温沈殿物(cryoprecipitate)を低温上清から分離した。冷エタノールを、8%(v/v)の最終濃度で低温上清に添加した。形成された沈殿物を、-2℃±1℃における遠心分離又は濾過によって上清から分離した。上清を、リポタンパク質を吸着するために処理し、濾過によって清浄化した。脱脂された上清を、伝導性を低下させるため、少なくとも10000ダルトンの名目上の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜を使用して透析濾過した。脱脂された透析濾過された上清のpHを、ユーグロブリン沈殿を促進するために低下させ、清浄化された上清を濾過によって回収した。この過程で収集されたユーグロブリン・ペーストを、MBL-MASP複合体を抽出するため、さらに精製した。
精製過程は、常温で実施した。ユーグロブリン・ペーストを、室温で1時間、20mMトリス/100mM NaCl/15mM CaCl2緩衝液中で可溶化した。可溶化されなかった材料を、遠心分離によって除去した。アフィニティ・クロマトグラフィを、他の血漿タンパク質からMBL-MASP複合体を分離するために利用した。可溶化されたユーグロブリン・ペーストを、マンナン・アガロース・カラムにロードした。カラムを、トリス/NaCl/CaCl2/トゥイーン20緩衝液で洗浄した後、MBL-MASP複合体を10mM EDTAで溶出させた。
次いで、MBL分子からMASPを解離させるため、溶出液を、EDTAを含有している0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)の中でインキュベートした。次いで、材料をセファクリルS-300サイズ排除カラムに適用し、画分をSDS pageによって分析した。結果は、他のタンパク質成分からのMBLの分離を示した。画分を、本明細書に記載されたような基質アッセイにおいてMASP活性に関して分析した。7つの画分が、低レベルの又はほぼ枯渇したMASP活性と共にMBLを含有していた。各画分のタンパク質濃度の合計は、10〜90μg/mLの範囲にあった。
実施例2-MASPの欠如を確認するためのアッセイ
実施例1からのプールされたMBL画分を、MBLが、MASPを実質的に含まないことを確認するために試験する。
実施例1からのプールされたMBL画分を、MBLが、MASPを実質的に含まないことを確認するために試験する。
基質設計
MASPのための基質は、天然基質、C4タンパク質の分解部位(756R)の周囲のアミノ酸に基づき設計された。これらの基質は、MBL精製材料中のMASPの活性を決定するために使用される。
MASPのための基質は、天然基質、C4タンパク質の分解部位(756R)の周囲のアミノ酸に基づき設計された。これらの基質は、MBL精製材料中のMASPの活性を決定するために使用される。
本発明者らは、アルギニンがアミノ酸に挟まれるような付加的なアミノ酸の包含が、付加的な特異性及び信頼性を提供することを見出した(表1)。
基質(2Abz-GLQRALEI-Lys(Dnp)-NH2)は、C4分解部位の前及び後に4アミノ酸を含み、N末端に付着したアミノ安息香酸(Abz)蛍光基を含む。Lys(Dnp)がAbz基から8アミノ酸以下の位置にある場合、Abz基はLys(Dnp)によって消光されている。基質の分解部位は、Abz基とLys(Dnp)基との間に位置しているため、酵素が基質を分解した時には、Lys(Dnp)の消光能力が失われ、Abz基は蛍光を発することができる。次いで、蛍光の変化が測定され得、それは酵素のタンパク質分解活性に比例している。精製されたMBL材料の中に存在するMASPは、この基質を分解することが証明されている(K0.5=6.5μM)。
精製されたMBL材料をアッセイした時に、タンパク質分解活性(即ち、蛍光の変化)が観察された場合、これは、MASPが良好に除去されていないことを示す。次いで、この所見が、MBL生成物中の他の何らかのプロテアーゼではなくMASPのタンパク質分解活性に起因することを確認するため、抗MASP抗体を使用したELISA又はイムノブロットが実施される。MASPの最も近縁のホモログ、C1が、基質分解アッセイのための陽性対照として使用され得る。
基質分解アッセイ
Vmaxに等しい最終濃度が達成されるよう、基質を、蛍光アッセイ緩衝液(FAB-50mMトリス−ヒドロキシメチレン、150mM NaCl、0.2%ポリエチレングリコール8000、0.02%アジ化ナトリウム、pH7.4)で希釈する。基質及び酵素(C1(10μg/ml)又は精製されたMBL材料)を、37℃にセットされた蛍光プレート・リーダーの中で数分間インキュベートする。次いで、希釈された基質100μLを、100μLの希釈された酵素(C1又は精製されたMBL材料)を含有しているウェルへ移し、蛍光の動力学を以下のようにして測定する:励起=320nm;放射=420nm。各試験をトリプリケートで実施する。次いで、精製されたMBL材料の中の活性MASP酵素の濃度を計算するため、標準曲線から蛍光の量を読み取る。
Vmaxに等しい最終濃度が達成されるよう、基質を、蛍光アッセイ緩衝液(FAB-50mMトリス−ヒドロキシメチレン、150mM NaCl、0.2%ポリエチレングリコール8000、0.02%アジ化ナトリウム、pH7.4)で希釈する。基質及び酵素(C1(10μg/ml)又は精製されたMBL材料)を、37℃にセットされた蛍光プレート・リーダーの中で数分間インキュベートする。次いで、希釈された基質100μLを、100μLの希釈された酵素(C1又は精製されたMBL材料)を含有しているウェルへ移し、蛍光の動力学を以下のようにして測定する:励起=320nm;放射=420nm。各試験をトリプリケートで実施する。次いで、精製されたMBL材料の中の活性MASP酵素の濃度を計算するため、標準曲線から蛍光の量を読み取る。
実施例3−MASP枯渇MBLは、血漿からMASPを動員し、補体カスケードを活性化することができる
定量アッセイのための標準曲線及び対照材料
全ての定量アッセイを、血清1ml当たり3.3μgのMBLを含有している国際基本標準プール血清(Statens Serum Institut,Copenhagen,Denmark)を使用して標準化した。サンドイッチELISA及びC4沈着アッセイのための標準曲線は、トリプリケートで試験されたこの血清の1:25、1:50、1:75、1:100、1:150、及び1:200希釈物を用いて作成した。マンナン結合ELISAのための標準希釈物は、1:25、1:50、1:100、1:150、1:200、1:300、及び1:400であった。希釈剤は以下に詳述されるようなものであった。組織内二次対照を、プールされた正常ドナー血漿から調製し、各テスト・プレート上でトリプリケートで実験し、各実験に関して結果をプロットした。組織内対照MBLに関して得られた値が、以前に決定された平均値から+/−2SDの外側にあるテスト実験の結果が得られた場合には、その実験全体を却下した。一定の傾斜を保証し、従ってもう一つの品質管理の高感度の手段を提供するため、実験毎の標準曲線を重ね合わせた。
定量アッセイのための標準曲線及び対照材料
全ての定量アッセイを、血清1ml当たり3.3μgのMBLを含有している国際基本標準プール血清(Statens Serum Institut,Copenhagen,Denmark)を使用して標準化した。サンドイッチELISA及びC4沈着アッセイのための標準曲線は、トリプリケートで試験されたこの血清の1:25、1:50、1:75、1:100、1:150、及び1:200希釈物を用いて作成した。マンナン結合ELISAのための標準希釈物は、1:25、1:50、1:100、1:150、1:200、1:300、及び1:400であった。希釈剤は以下に詳述されるようなものであった。組織内二次対照を、プールされた正常ドナー血漿から調製し、各テスト・プレート上でトリプリケートで実験し、各実験に関して結果をプロットした。組織内対照MBLに関して得られた値が、以前に決定された平均値から+/−2SDの外側にあるテスト実験の結果が得られた場合には、その実験全体を却下した。一定の傾斜を保証し、従ってもう一つの品質管理の高感度の手段を提供するため、実験毎の標準曲線を重ね合わせた。
二重抗体サンドイッチELISA(「二重抗体アッセイ」)によるMBLの定量
このMBL抗原検出アッセイは、MBL構造単位のコラーゲン性ネック領域のペプチド・エピトープを標的とする商業的なIgGマウス・モノクローナル抗ヒトMBLを、ウサギ・ポリクローナル抗MBLの代わりに使用した点を除き、Garredら(1992)の最初の方法に基づいていた。
このMBL抗原検出アッセイは、MBL構造単位のコラーゲン性ネック領域のペプチド・エピトープを標的とする商業的なIgGマウス・モノクローナル抗ヒトMBLを、ウサギ・ポリクローナル抗MBLの代わりに使用した点を除き、Garredら(1992)の最初の方法に基づいていた。
簡単に説明すると、平底マイクロタイター・プレート(Nunc-Immuno Maxisorp,Nalge Nunc International)を、2μg/mlモノクローナル抗MBL(Staten Serum Institut,Copenhagen,Denmark)を含む新鮮な50mM炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で、4℃で一夜コーティングした。正常ドナー血漿をトリプリケートで試験し、洗浄緩衝液でもある0.1M PBS-0.05%トゥイーン20(pH7.4)(TBST)で1:25及び1:100に希釈した。22℃での90分の後、ウェルを3回洗浄し、ビオチン・タグ(Sigma-Aldrich Pty Ltd)を使用してビオチン化されたモノクローナル抗MBLを1:4000で添加し、この希釈物を、プールされた正常血漿を用いたチェッカー盤滴定によって決定した。22℃での90分の後、ウェルを3回洗浄し、1:500のエキストラビジン(ExtrAvidin)ペルオキシダーゼ・コンジュゲートを22℃で40分間添加した。OPD錠及び希釈剤(Abbott Laboratories,Illinois,USA)により発色させ、1N H2SO4で中止し、490nmのバイオ・ラッド(Bio-Rad)プレート・リーダー(Bio-Rad laboratories Pty Ltd.,Regents Park,Australia)で直ちに読み取った。
実験間の変動係数(CV)は、1:25で8.2%、1:100で12%であった。一定の傾斜を保証し、従ってもう一つの品質管理の高感度の手段を提供するため、実験毎の標準曲線を重ね合わせた。
マンナン結合ELISA(「マンナン結合アッセイ」)によるMBLの定量
このアッセイは、ポリプロピレン・マトリックスへコーティングされたマンナンと結合するMBLの能力を測定するものであり、Holmskovら(1993)の方法に基づいている。
このアッセイは、ポリプロピレン・マトリックスへコーティングされたマンナンと結合するMBLの能力を測定するものであり、Holmskovら(1993)の方法に基づいている。
(上記のような)マイクロタイター・プレートを、10μg/mlマンナン(Sigma-Aldrich Pty Ltd,Castle Hill,Australia)を含む新鮮な50mM炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で4℃で一夜コーティングした。サンドイッチELISAと同様に、但し、15mM CaCl2が補足された0.05%トゥイーン-20を含むトリス緩衝生理食塩水(TBST)(pH7.5)を希釈剤及び洗浄緩衝液として用いて、正常ドナー血漿を試験した。全てのインキュベーションを22℃で行い、MBL及び抗体の捕捉時間は、各90分であった。エキストラビジン(ExtrAvidin)ペルオキシダーゼとのインキュベーションは、わずか30分しか必要としなかった。発色及び読み取りは、サンドイッチELISAの場合と同様であった。
実験間の変動係数(CV)は、1:25で6.1%、1:100で8.8%であった。一定の傾斜を保証し、従ってもう一つの品質管理の高感度の手段を提供するため、実験毎の標準曲線を重ね合わせた。
MBLに関するこれらのアッセイの特異性は、デンマーク血清研究所(Statens Serum Institut)の基本標準プール血清で得られた線形標準曲線によって確認された。本発明者らは、マンナン・アフィニティ・クロマトグラフィによって調製され、ウェスタン・イムノブロットで確認された、精製されたマンノース結合レクチンを用いた各アッセイにおいて限界希釈試験も実施した。マンナン結合アッセイにおいて、本発明者らは、10mM EDTA又は0.1Mマンノース溶液で試験試料を希釈することにより、血漿MBLの結合を阻止することもできた。
機能的補体(C4)沈着アッセイ(「C4沈着アッセイ」)
Superら(1989)によって最初に記載されValdimarssonら(1998)によって修飾された沈着したC3b及びC3biの検出のためのこのアッセイは、固相の精製されたマンナンと結合することによるMBLの活性化の後のC4bの沈着を証明するものである。
Superら(1989)によって最初に記載されValdimarssonら(1998)によって修飾された沈着したC3b及びC3biの検出のためのこのアッセイは、固相の精製されたマンナンと結合することによるMBLの活性化の後のC4bの沈着を証明するものである。
(上記のような)マイクロタイター・プレートを、1μg/mLマンナン(Sigma-Aldrich Pty Ltd,Castle Hill,Australia)を含む新鮮な50mM炭酸−重炭酸緩衝液(pH9.6)で4℃で一夜コーティングした。正常ドナー血漿を、トリプリケートで試験し、洗浄緩衝液でもある15mM CaCl2を含むTBST(pH7.2)で1:25に希釈した。少量のMBLを有するドナーにおけるC4沈着レベルが低いか又はほぼ欠如していることを確認するためにだけ、1:10希釈も試験し解釈した。22℃での90分の後、ウェルを5回洗浄し、バルビタール緩衝液、14mM NaCl、10mMバルビトン・ナトリウム及び5mM CaCl2で1:20希釈されたMBL欠損ヒト血清(MBLが完全に欠損、インフォームド・コンセントにより得られた)をウェルに添加し、補体活性化を可能にするために22℃で30分間インキュベートした。ウェルを5回洗浄し、ビオチン・タグ(Sigma-Aldrich Pty Ltd)を使用してビオチン化されたビオチン化ウサギ抗ヒトC4(Sigma-Aldrich Pty Ltd)をTBSTに1:1500で添加した。22℃での90分間のインキュベーションの後、ウェルを5回洗浄し、1:500エキストラビジン(ExtrAvidin)ペルオキシダーゼ(Sigma-Aldrich Pty Ltd)を含むTBSTを添加し、22℃で40分間インキュベートした。発色及び読み取りは、定量アッセイの場合と同様であった。
デンマーク血清研究所(Statens Serum Institut)(SSI)MBL標準1μlを、C4沈着活性の1単位に任意に割り当てた。アッセイはSSI標準に対して標準化された。1:25におけるアッセイに関する実験間CVは、9.4%であった。
MASP枯渇MBLがMASPを動員し、補体カスケードを活性化し得ることの証明
実施例1で得られた精製されたMBLの二つの画分(画分3及び5[それぞれ、40μg/ml及び80μg/ml]C4 P4-P1基質を使用して決定されるように、いずれの画分もMBL-MASP複合体の濃度の≦10%のMASP活性を示す)を、滴定及びアフィニティ精製されたMBL-MASP複合体との比較のため選択した。S300ロード材料(酢酸緩衝液で交換された濃縮MBL-MASP複合体溶出緩衝液)の10%以下の傾斜/秒を示す画分を、MASPが枯渇していると見なした。MASP-2活性に関する陽性対照は、MASPを含有しているアフィニティ精製されたMBL複合体であった。実施例1において得られた画分は、全て、2.3未満(0.5〜2.3の範囲)の傾斜/秒として測定されたMASP活性を有し、MASPが枯渇していると見なされた。陽性対照(MASPを含有しているアフィニティ精製されたMBL複合体)の傾斜/秒は、22であった。MASP枯渇画分及びMBL-MASP複合体の両方を、1〜100μg/mlのMBLタンパク質濃度を提供するために滴定した。画分を、本明細書に記載されたようなマンナン結合アッセイ及びC4沈着アッセイにおいて平行にアッセイした。各画分に関して、マンナン結合アッセイからの結果を、C4活性に対してプロットした。
実施例1で得られた精製されたMBLの二つの画分(画分3及び5[それぞれ、40μg/ml及び80μg/ml]C4 P4-P1基質を使用して決定されるように、いずれの画分もMBL-MASP複合体の濃度の≦10%のMASP活性を示す)を、滴定及びアフィニティ精製されたMBL-MASP複合体との比較のため選択した。S300ロード材料(酢酸緩衝液で交換された濃縮MBL-MASP複合体溶出緩衝液)の10%以下の傾斜/秒を示す画分を、MASPが枯渇していると見なした。MASP-2活性に関する陽性対照は、MASPを含有しているアフィニティ精製されたMBL複合体であった。実施例1において得られた画分は、全て、2.3未満(0.5〜2.3の範囲)の傾斜/秒として測定されたMASP活性を有し、MASPが枯渇していると見なされた。陽性対照(MASPを含有しているアフィニティ精製されたMBL複合体)の傾斜/秒は、22であった。MASP枯渇画分及びMBL-MASP複合体の両方を、1〜100μg/mlのMBLタンパク質濃度を提供するために滴定した。画分を、本明細書に記載されたようなマンナン結合アッセイ及びC4沈着アッセイにおいて平行にアッセイした。各画分に関して、マンナン結合アッセイからの結果を、C4活性に対してプロットした。
結果
MASP枯渇MBL及びMBL-MASP複合体に関するC4沈着に対するMBLレベルのプロットによって、明白に、MASP枯渇画分による優れたインビトロMASP2動員及び補体活性化が証明された(図1及び表2を参照のこと)。MBL-MASP複合体に関する結果は、10μg/ml未満のMBLでプラトーに達した。同じMBL-MASP複合体バッチに対する以前のC4沈着アッセイは、25μg/ml MBLに関して0.27U/μlというC4結果を与えた。これは、この滴定における対応するMBL濃度と一致している。この実験は、アフィニティ精製によって活性化されたMASPが、MBLにドッキングし続け、MBLがマンナンに結合した際の新鮮なMASPのアプローチを阻止することを示している。
MASP枯渇MBL及びMBL-MASP複合体に関するC4沈着に対するMBLレベルのプロットによって、明白に、MASP枯渇画分による優れたインビトロMASP2動員及び補体活性化が証明された(図1及び表2を参照のこと)。MBL-MASP複合体に関する結果は、10μg/ml未満のMBLでプラトーに達した。同じMBL-MASP複合体バッチに対する以前のC4沈着アッセイは、25μg/ml MBLに関して0.27U/μlというC4結果を与えた。これは、この滴定における対応するMBL濃度と一致している。この実験は、アフィニティ精製によって活性化されたMASPが、MBLにドッキングし続け、MBLがマンナンに結合した際の新鮮なMASPのアプローチを阻止することを示している。
実施例4-MASP枯渇MBLによるMASP動員及び補体活性化の確認
実施例3において供給された画分を、全タンパク質濃度に従いプールした。第1プールは画分3〜7を含有しており、85μg/mlの全タンパク質を有していた。第2プールは画分8及び9から作成され、これは、35μg/mlという全タンパク質濃度を有していた。2つのMASP枯渇MBLプールを、再び、MBL-MASP複合体と平行して1〜100μg/mlの範囲で滴定した。全ての試料を、マンナン結合アッセイ及びC4沈着アッセイの両方で平行にアッセイした。実際のMBL定量(マンナン結合アッセイ)結果を、その画分に関する対応するC4活性化能力に対してグラフ化した。
実施例3において供給された画分を、全タンパク質濃度に従いプールした。第1プールは画分3〜7を含有しており、85μg/mlの全タンパク質を有していた。第2プールは画分8及び9から作成され、これは、35μg/mlという全タンパク質濃度を有していた。2つのMASP枯渇MBLプールを、再び、MBL-MASP複合体と平行して1〜100μg/mlの範囲で滴定した。全ての試料を、マンナン結合アッセイ及びC4沈着アッセイの両方で平行にアッセイした。実際のMBL定量(マンナン結合アッセイ)結果を、その画分に関する対応するC4活性化能力に対してグラフ化した。
結果
MASP枯渇MBL画分のプールは、実施例3において分析された個々の画分と比較して再現性のある結果を与えた。補体活性化能力は、プールされた画分3〜7において過剰に達し、画分8〜9についてはアッセイ上限に達したが、MBL-MASP複合体は、12μgでプラトーに達し、MBL濃度の増加に伴いC4沈着を実質的に増加させることができなかった。これは、実施例3における所見を再現するものであった。MASP枯渇MBLは、MASPを動員する優れた能力を有しており、その結果として、MBL-MASP複合体より補体カスケードを活性化する効率が高かった(図2及び表3を参照のこと)。
MASP枯渇MBL画分のプールは、実施例3において分析された個々の画分と比較して再現性のある結果を与えた。補体活性化能力は、プールされた画分3〜7において過剰に達し、画分8〜9についてはアッセイ上限に達したが、MBL-MASP複合体は、12μgでプラトーに達し、MBL濃度の増加に伴いC4沈着を実質的に増加させることができなかった。これは、実施例3における所見を再現するものであった。MASP枯渇MBLは、MASPを動員する優れた能力を有しており、その結果として、MBL-MASP複合体より補体カスケードを活性化する効率が高かった(図2及び表3を参照のこと)。
結論
実施例3及び4の結果は、MASP枯渇MBLが、血漿からMASPを動員し、良好に補体カスケードを活性化し得ることを示している。遊離のMASPは、MBL-MASP複合体より高いレベルで血漿中を循環している。個体のMASP-1レベルは、1.48〜12.83μg/mLの範囲である。血清中のMASP-1レベルの算術平均±s.d.は、6.27±1.85μg/mLである。MASP-1の血清レベルは、血清MBLレベルと同様に年齢に対して強く依存性であることが見出されている。MASP-1の血清レベルは、MBLよりはるかに高いことも見出されており(1.71±1.13μg/mL)、ヒト血清MASP-1の大部分は、MBLと結合していない型として循環系に存在しているようである(Teraiら、1995)。MASP-2レベルは、MASP-1レベルより低いと考えられている。MBL-MASP複合体を、酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)に対する透析によって破壊し、次いでその後TBS-TEDTA緩衝液(pH7.8)へと逆透析したところ、MBL及びMASPは、複合体内に存在することが示された。MBL-MASP複合体の低pH解離は、可逆性である(Tanら、1996)。
実施例3及び4の結果は、MASP枯渇MBLが、血漿からMASPを動員し、良好に補体カスケードを活性化し得ることを示している。遊離のMASPは、MBL-MASP複合体より高いレベルで血漿中を循環している。個体のMASP-1レベルは、1.48〜12.83μg/mLの範囲である。血清中のMASP-1レベルの算術平均±s.d.は、6.27±1.85μg/mLである。MASP-1の血清レベルは、血清MBLレベルと同様に年齢に対して強く依存性であることが見出されている。MASP-1の血清レベルは、MBLよりはるかに高いことも見出されており(1.71±1.13μg/mL)、ヒト血清MASP-1の大部分は、MBLと結合していない型として循環系に存在しているようである(Teraiら、1995)。MASP-2レベルは、MASP-1レベルより低いと考えられている。MBL-MASP複合体を、酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)に対する透析によって破壊し、次いでその後TBS-TEDTA緩衝液(pH7.8)へと逆透析したところ、MBL及びMASPは、複合体内に存在することが示された。MBL-MASP複合体の低pH解離は、可逆性である(Tanら、1996)。
さらに、これらのデータは、おそらく、精製過程の間に活性化されたMASPによってMASP結合部位が遮断され、新鮮なMASPと結合する能力が減少しているために、複合体として精製されたMBLは、限定された補体カスケード活性化能力を有していることを証明している。例えば、MBLが、以前に記載されたようなマンナン・カラムでのアフィニティ精製によって、又は国際公開公報第99/64453号に教示されているような非複合多糖マトリックスを使用して、精製される場合、それはMASPと共精製される。しかしながら、アフィニティ精製工程の間の多糖基質との接触のため、MBLと共溶出したMASPの大多数は活性型であり、プロ酵素(90kDa)型のままであるMASPは極一部のみである。
C4沈着アッセイにおけるMASP枯渇MBLの試験は、精製されたMBL-MASP複合体と比較して優れた、インビトロでMASPを動員し補体活性化を開始させる能力を証明している。通常、MBL-MASP複合体に関連した体内で産生されたMASPは、MBLの外来生物との特異的結合の後にのみ活性化される。これは、MBL経路による補体の活性化の主要な制御点として機能する。従って、活性型MASPを含有しているMBLの投与によって、この制御メカニズムは排除される。
生理学的阻害剤には、活性型のMASP-1及びMASP-2と複合体を形成するC1阻害剤(C1INH)が含まれる。また、MASP-1によるC3分解は、用量依存的にC1INHによって阻害される。これは、MASP-1によるC2活性化及びMASP-2によるC4&C2活性化と同じである。MASPは、広いプロテアーゼ阻害活性を有するα2-マクログロブリンによっても阻害される(Storgaardら1995)。
C1INHのような阻害剤の欠損は合理的にまれであるが、それは、阻害剤が欠損している個体は、補体カスケードの不適切な活性化のため、MBL-MASP複合体が投与された後、合併症を起こしやすいであろうということも意味するであろう。従って、本発明者らは、関連MASPが付着したまま精製されたMBLは、低下した効力を有する生成物であり、可能性のある臨床的な危険すら有しているであろうと考える。
上記明細書において言及された出版物は、全て、参照として本明細書に組み込まれる。
本発明の範囲及び本旨を逸脱しない、記載された本発明の方法及び系の様々な修飾及び変動は、当業者にとっては明白であろう。本発明は特定の好ましい態様に関して記載されたが、特許請求の範囲に記載されるような本発明は、そのような特定の態様に過度に制限されるべきでないことが理解されるべきである。実際、分子生物学又は関連領域の当業者にとっては明白である、本発明を実施するための記載された様式の様々な修飾が、本発明の範囲に含まれるものとする。
本明細書の全体にわたって、情況がそうでないことを要求しない限り、「含む(comprise)」という単語、並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」のような語尾変化は、明示された整数もしくは工程又は整数もしくは工程の群の包含を意味するが、他の整数もしくは工程又は整数もしくは工程の群の排除を意味するものではないことが理解されよう。
特定の態様が上記の特定のセクションに記載されている場合、その態様は、適宜、必要な変更を加えて、他のセクションにも当てはまる。
本明細書に含まれている文書、行為、材料、装置、素材等の記述は、本発明に関する情況を提供するためだけのものである。それは、これらの問題が、いずれも又は全て、先行技術の基礎の一部を形成するか、又は本願の各請求項の優先日の前に存在したような、本発明に関連する領域における共通の一般知識であったことの承認として解釈されてはならない。
Claims (45)
- 薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、活性化されたMBL関連セリン・プロテアーゼ(MASP)を実質的に含まない単離された非組換えマンノース結合レクチン(MBL)を含む薬学的組成物。
- MBLがMASPを実質的に含まない、請求項1記載の組成物。
- MBLがヒトMBLである、請求項1又は請求項2記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物において、MBLが、
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備する工程;
(ii)1個以上のMASPからMBLを解離させるために適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートする工程;及び
(iii)1個以上のMASPからMBLを分離する工程、を含む方法により得られる、組成物。 - 工程(ii)における緩衝液が、pH4.0〜5.0のEDTA/酢酸緩衝液である、請求項4記載の組成物。
- 工程(ii)における緩衝液がNaClを含む、請求項4又は請求項5記載の組成物。
- 工程(iii)がクロマトグラフィ法及び/又は濾過を含む、請求項4〜6のいずれか一項記載の組成物。
- クロマトグラフィ法が、サイズ排除クロマトグラフィ及びイオン交換クロマトグラフィからなる群より選択される、請求項7記載の組成物。
- 薬学的組成物を製造する方法であって、
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備する工程;
(ii)1個以上のMASPのうちの少なくともいくつかからMBLを解離させる工程;
(iii)1個以上のMASPのうちの少なくともいくつかからMBLを分離する工程;並びに
(iv)工程(iii)から得られたMBLを薬学的に許容される担体又は希釈剤と混和する工程を含む、方法。 - 工程(ii)が、適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートすることを含む、請求項9記載の方法。
- 緩衝液がpH4.0〜5.0のEDTA/酢酸緩衝液である、請求項10記載の方法。
- 緩衝液がNaClを含む、請求項10又は請求項11記載の方法。
- 工程(iii)がクロマトグラフィ法及び/又は濾過を含む、請求項9〜12のいずれか一項記載の方法。
- クロマトグラフィ法が、サイズ排除クロマトグラフィ及びイオン交換クロマトグラフィからなる群より選択される、請求項13記載の方法。
- 工程(i)が、血漿画分過程からの副画分を準備することを含む、請求項9〜14のいずれか一項記載の方法。
- 工程(i)が、マンナン・アフィニティ・クロマトグラフィにより、血漿画分過程からの副画分の中に存在する他の血漿タンパク質から、非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を分離することをさらに含む、請求項15記載の方法。
- 請求項9〜16のいずれか一項記載の方法によって得られる薬学的組成物。
- 活性型MASPを実質的に含まない、請求項17記載の薬学的組成物。
- 請求項1〜8、17、又は18のいずれか一項記載の薬学的組成物の有効量を、対象へ投与する工程を含む、対象における疾患を処置又は防止する方法。
- 対象が骨髄同種移植片レシピエントである、請求項19記載の方法。
- 対象が免疫不全症である、請求項19記載の方法。
- 対象が、市中獲得型又は院内感染型の敗血症を有している、請求項19記載の方法。
- 対象が、低出生体重児及び/又は未熟児である、請求項19記載の方法。
- 対象が病原体に感染している、請求項19記載の方法。
- 対象がMBL欠損症を有している、請求項19〜24のいずれか一項記載の方法。
- 対象が、急性リンパ芽球性白血病を発症するリスクを有する乳児である、請求項25記載の方法。
- 予防的に又は治療において使用するための、活性型MASPを実質的に含まない、単離された非組換えMBLを含む組成物。
- 予防的に又は治療において使用するための、MASPを実質的に含まない、単離された非組換えMBLを含む組成物。
- MASPを実質的に含まない単離された非組換えMBLを含む組成物の、該組成物を必要とする対象への投与において使用するための薬物の製造における、使用。
- 対象が骨髄同種移植片レシピエントである、請求項29記載の使用。
- 対象が免疫不全症である、請求項29記載の使用。
- 対象が、市中獲得型又は院内感染型の敗血症を有している、請求項29記載の使用。
- 対象が、急性リンパ芽球性白血病を発症するリスクを有する乳児である、請求項29記載の使用。
- 対象が、低出生体重児及び/又は未熟児である、請求項29記載の使用。
- 対象が病原体に感染している、請求項29記載の使用。
- 組成物がMASPを実質的に含まない、請求項29〜35のいずれか一項記載の使用。
- 式X-R1-Arg-R2-Y[式中、R1-Arg-R2は、補体タンパク質のMASP分解部位に由来する6個以上の連続アミノ酸からなるペプチドであり;Xは、NH2、保護基、又は検出可能標識であり;かつYは、COOH又は検出可能標識であり、但し、XがNH2又は保護基である場合には、YはCOOHではなく、かつYがCOOHである場合には、XはNH2又は保護基ではない]のペプチド。
- 補体タンパク質がC4である、請求項37記載のペプチド。
- C4タンパク質がヒトC4であり、かつ分解部位がArg756を含む、請求項38記載のペプチド。
- 基質が分解された時に蛍光シグナルが得られるよう、Xが消光分子であり、かつYが蛍光標識であるか、又はその逆である、請求項37〜39のいずれか一項記載のペプチド。
- 試料中のMASP活性の存在を決定する方法における、請求項37〜40のいずれか一項記載のペプチドの使用。
- 試料が、請求項1〜8、17、又は18のいずれか一項記載の組成物である、請求項41記載の使用。
- 試料中のMASP活性の存在を決定する方法であって、請求項37〜40のいずれか一項記載のペプチドと試料を接触させる工程、及び該ペプチドが分解されたか否かを決定する工程を含む、方法。
- 試料が、請求項1〜8、17、又は18のいずれか一項記載の組成物である、請求項43記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の薬学的組成物を製造する方法であって、
(i)非組換えMBLと1個以上のMASPとの複合体を準備する工程;
(ii)1個以上のMASPからMBLを解離させるため、適当な緩衝液の中で複合体をインキュベートする工程;
(iii)1個以上のMASPからMBLを分離する工程;
(iv)請求項43記載の方法を使用して、工程(iii)から得られたMBLを、MASP活性に関してスクリーニングする工程;及び
(v)得られた精製されたMBLを薬学的に許容される担体又は希釈剤と混和する工程を含む、方法。
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