JP2005522987A - 精子因子の配列 - Google Patents
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Abstract
Description
(i) QDDFRGGKI (11−19);
(ii) LLEKLD (27−32);及び
(iii) QGRIT (52−56)(EF1ドメイン);
(iv) ENRKIL (82−87);及び
(v) FLTQEQY (95−101)(EF2ドメイン);
(vi) YQQFNE (403−408)(Yドメイン);
(vii) TLTIR (516−520);
(viii)ISGIQLP (522−528);及び
(ix) LCMNKGYRR (609−617)(C2ドメイン)
ただし残基は通常の一文字表記で表し、括弧内の数字はサルAB070108(サルA)配列の641個のアミノ酸からなるORF内の配列座標を示す。
本明細書中で配列番号3によって特定されるDNA配列であって、本明細書中で配列番号1として特定されるポリペプチドに相当する配列(ヒトPLC−ゼータ(PLCζ)ヌクレオチド配列、1827ヌクレオチド);
本明細書中で配列番号4によって特定されるDNA配列であって、本明細書中で配列番号2として特定されるポリペプチドに相当する配列(マウスPLC−ゼータ(PLCζ)ヌクレオチド配列、1944ヌクレオチド);及び
本明細書中で配列番号10によって特定されるDNA配列であって、本明細書中で配列番号11として特定されるポリペプチドに相当する配列(ラットPLC−ゼータ(PLCζ)ヌクレオチド配列、1938ヌクレオチド)。
ヒトPLC−ゼータ(PLCζ)アミノ酸配列(608残基)である配列番号1のポリペプチド;
マウスPLC−ゼータ(PLCζ)アミノ酸配列(全体で647残基)である配列番号2のポリペプチド;及び
ラットPLC−ゼータ(PLCζ)アミノ酸配列(全体で646残基)である配列番号11のポリペプチドを提供する。配列中のアミノ酸は通常の一文字表記で表した。
(a)哺乳動物の精子から単離及び/又は精製し、
(b)前記ポリペプチドをコードした核酸配列を発現させ、必要に応じて得られたポリペプチドを単離及び/又は精製することからなる方法を提供するものである。
本発明者等が同定したヒトPLC−ゼータ(PLCζ)タンパク質はヒトの男性不妊症の治療に用いることが可能である。このPLC−ゼータ(PLCζ)タンパク質は精子と卵細胞の融合時に、卵細胞の活性化とその結果の胎児発生をもたらす生理学的プロセスであるカルシウム濃度の変化を引き起こす。精子中に活性PLC−ゼータ(PLCζ)が存在しなかったりまたその濃度が極めて低い場合には雄性不妊症を引き起こすと考えられる。哺乳動物の精巣でPLC−ゼータ(PLCζ)タンパク質が高度に発現していることを支持する根拠として以下がある。
最近、ヒト変性疾患の治療における「代用部品」としての胎児から得た幹細胞の倫理的使用が社会的に大きな論議の的となっている。患者から直接幹細胞を作成することによって提供胚を使用する必要がなくなる。細胞、組織及び動物(例、ヒツジの「ドリー」)のクローン化が体細胞と脱核卵細胞の融合によって行われている。融合卵細胞の活性化によってハイブリッド細胞の発生を引き起こして胚盤胞を形成し、これから幹細胞を得るというプロセスは極めて効率が低く成功率は1%未満である。したがって、体細胞と卵細胞との間で起こる融合過程の後に、卵細胞の活性化を引き起こすうえで生理理学的に有効な活性を有するネイティブなタンパク質を使用することによって、融合細胞の発生が更に進行する成功率が向上すると考えられる。
上記の応用例2の拡張として、正常に発生している胚盤胞を妊娠中の雌をホストとして移植し、完全に発生させて1個の成体動物細胞に由来する複数のクローンを出産させることがある。この方法は現在、ヒツジやブタなど形質転換動物でバイオ医薬品を製造する目的及びヒトに移植するための動物細胞や臓器として使用する目的で開発中であるが、上述したように現段階でのこの方法の成功率は融合時に生存可能なハイブリッド細胞を得ることが困難であることから1%未満と極めて低い。
(a)治療における本発明のポリペプチドの用途、
(b)医薬品の製造における本発明のポリペプチドの用途、
(c)患者における、CCOの発生の抑制、阻害、又は不活性化をともなう状態の治療又は予防のための方法であって、前記患者に本発明のポリペプチドの無毒性かつ阻害量を投与することを含む方法、
(d)哺乳動物細胞におけるCCOの発生における本発明のポリペプチドの用途、
(e)哺乳動物における雄性不妊症を治療するための方法であって、本発明のポリペプチドを前記哺乳動物の精子に加えることを含む方法、
(f)細胞クローニングにおける卵母細胞−体細胞核移植の効率を向上させるための方法であって、本発明に基づくポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードした核酸を、体細胞の内容物との融合よりも前または後に卵母細胞に加えることを含む方法を提供する。
(a)特定の個体から哺乳動物のPLCζ遺伝子のヌクレオチド配列を有する試験試料を得て、
(b)前記試験試料から得た配列の領域を、配列番号3,4,5,6,8又は10などの所定の野性型哺乳動物PLCζ配列の対応した領域と比較し、
その際、前記所定配列に対する前記試料配列中の変異が、低下した受精能または不妊などの所定の状態を示すものであることを特徴とし、この所定の状態とは、その状態に見られない正常な生物学的機能にとっての必要条件であるカルシウム振動パターンの阻害をともなうような状態である。
(a)ヒトPLCζ遺伝子のヌクレオチド配列又はそれによってコードされるアミノ酸配列を含む試験試料を前記個体から得る工程と、
(b)ヒトPLCζ遺伝子またはそれによってコードされるアミノ酸配列の変異体の存在、あるいはヒトPLCζ遺伝子またはそれによってコードされるアミノ酸配列の変異体の存在を示すかこれに関連した1以上の代用マーカーの存在について前記試験試料を分析する工程とからなり、
ヒトPLCζ遺伝子またはこれによってコードされるアミノ酸配列の前記変異体は野性型PLCζ配列と比較した場合に少なくとも1個の変異を示すものであることを特徴とする方法である。
(a)PLCζ変異体のある領域に相当する核酸配列を有するオリゴヌクレオチドであって、該領域は対応する野性型PLCζ遺伝子配列から少なくとも1個の変異を含んでいるオリゴヌクレオチド;及び/又は
(b)野性型PLCζ遺伝子配列に対し、(a)で特定した前記領域において一致する核酸配列を有するオリゴヌクレオチド;及び/又は
(c)野性型PLCζ遺伝子配列の特定領域に一致する核酸配列を有するオリゴヌクレオチドであって、前記特定領域は哺乳動物のゲノムDNA中に存在しない配列を有するオリゴヌクレオチド;及び/又は
(d)上記(a)〜(c)のいずれか1つに対して特異的なオリゴヌクレオチドに相当する任意のペプチド配列に対して作成されたモノクローナル抗体などの抗体;及び、任意で、
(e)前記個体のDNAの所望の領域を増幅する(例えばPCRを行うことにより)うえで適当な1以上の試薬、からなる。
NCBI(米国立衛生研究所内、米国立医学図書館、米国立バイオテクノロジー情報センター、アメリカ合衆国 メリーランド20891州 ベセスダ所在)のヒトEST(expressed sequence tag)データベースをBLASTアルゴリズム(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)を用い、ラットホスホリパーゼCのデルタ4型アイソフォームの公開されている配列(NCBIアクセッション番号No.U16655−)を用いてホスホ−イノシチド特異的ホスホリパーゼCの関連配列について検索した。得られた多数のポジティブな「ヒット」の内、ヒト精巣cDNAに由来する新規なESTのクラスが見出された(例、アクセッション番号No.AI217888、AA707583、AA861064、AA609626)。
サイズで選別したカニクイザル(Macaca fascicularis)成体の精巣の1.5kbよりも大きいcDNAからカニクイザルcDNAライブラリーを作成し、多くの新たな完全長インサートDNA配列を決定した。hPLC−ゼータ配列を用いたBlast検索によって成体カニクイザル精巣cDNAライブラリーから2個の相同なサル配列を得た(アクセッション番号No.AB070108及びAB070109)。これら2個のカニクイザルcDNAクローン内のORFを上記のようにしてPfuDNAポリメラーゼを用いてPCRで増幅し、pcDNA3.1−V5−His−TOPO(インビトロジェン社)(pcDNAゼータ)にクローニングし、上述のようにインサートDNAを両鎖に沿って配列決定した。Clustal W(www.clustalw.genome.ad.jp)及びRPS−Blast(www.ncbi.nlm.nih.gov/structure/cdd)によるドメイン構造を用いて相同配列分析及びアラインメントを行った。
ヒト及びマウスPLC−ゼータ(PLCζ)配列の完全なORFを哺乳動物の発現ベクターであるpTargeT(プロメガ社、イギリス国 サウサンプトンSO16 7NS チルワース・リサーチ・センター デルタハウス所在)にサブクローニングした。これらの完全長配列を、下記に示す開始及び停止コドンを有する特定のオリゴヌクレオチドを用いて、上述のようにPfuポリメラーゼ(プロメガ社)によるPCRを行って増幅した。
実施例2で述べたようにして調製したヒト及びマウスpTargeT/PLC 発現プラスミドDNAを、組織培養中で培養したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系に脂質媒介トランスフェクション法によって別々に導入した。血清含有培地であるDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で培養皿当たり500,000個の細胞密度にまで培養したCHO細胞に、無血清DMEM中で40μgプラスミドDNAと40μLリポフェクタミン2000(ライフ・テクノロジーズ社、イギリス国 ペイズリー インチナン・ビジネス・パーク ファウンテン・ドライブ 3所在)でトランスフェクションを行った。15時間後にCHO細胞を血清含有DMEMに戻した。
実施例3にしたがって調製したトランスフェクト細胞をトランスフェクションの30分後に培地で洗い、カルシウム感受性蛍光指示薬であるfura−2−AMと60分間インキュベートした。細胞を更に培地で洗った後、顕微鏡のステージに載せてfura−2の蛍光によって検出される細胞のカルシウム濃度の変化を観察した。PLCζ発現ベクターをトランスフェクトした細胞においてのみ細胞のカルシウム濃度の周期的変化が観察された。この細胞カルシウムの特定の経時的挙動、すなわちカルシウム振動の発生は、受精時に精子と融合した際及び可溶性の精子タンパク質を卵細胞に直接注入した場合に卵細胞で見られるものと同様であった。図1はマウスPLCζに関してこれを実証するものである。このことは、本発明者等がヒト及びマウス精巣で同定した新規なPLCζタンパク質を使用することによって哺乳動物細胞の細胞カルシウム濃度を実際に制御することが可能であることを示すものである。
実施例2で述べたようにしてpTargeTベクターにクローニングしたヒト及びマウスPLCζのオープンリーディングフレームを制限酵素処理により直線化し、RibomaxRNA合成キット(プロメガ社)を用いてPLCζをコードした相補的RNA(cRNA)を合成して120mM KCl、20mM HEPES(pH7.4)中に再懸濁した。MII期で停止したマウス卵母細胞を雌のマウスから採取して10分間fura2−AMを取り込ませ、H−KSOM中で洗い、ニコン社製倒立顕微鏡(Diaphot)のステージに載せた。スワン(Swann, K., Development 110 1295−1302 (1990))によって述べられるようにcRNAを卵細胞の容積の3〜5%までマイクロインジェクトし、カルシウム濃度を監視した。
相補的RNA合成とin vitro翻訳
マウスPLCζの1941塩基対からなるオープンリーディングフレームをpCR−BluntII−TOPOにクローニングし、配列決定した後サブクローニング(pTarget,プロメガ社)してpTarget−mPLCζを作成した。3mMのm7G(5’)ppp(5’)Gの存在下、直線化したpTarget−mPLCζから相補的RNA(cRNA)を合成し(RibomaxRNA合成キット、プロメガ社)、イソプロパノール沈澱して、4U/μlのRNasin(プロメガ社)を含んだDEPC処理水に再懸濁した。QuikChange部位指向型突然変異誘発キット(ストラタジーン社)を用いてPLCζに210Aspから210Argへの突然変異を導入してD210RPLCζを得た。上記と同様に、それぞれ完全長(アミノ酸756個)及びPHドメインを欠失させたPLCδ1(Δ1−132)をコードした、ラットPLCδ1及びΔPHPLCδ1のコンストラクト及びcRNA、並びにD210RPLCζを、pTargetを用いて調製した。cRNA(2μg)を[35S]メチオニン(アマシャム・ファーマシア社)の存在下、in vitro(Retinoculocyte lysate system, プロメガ社)で発現させた。放射性同位体標識したタンパク質をSDS−PAGE及びオートラジオグラフィにて分析し、QuantityOneソフトウェア(バイオラド社)を用いてディスプレイした。
1941塩基対からなるマウスPLCζのオープンリーディングフレームを5’末端にインフレームなc−Mycエピトープタグを付加して(Lopez et al J Biol Chem 276 2758−2765 (2001))、pGBK−T7(クロンテック社)にサブクローニングした。このc−Myc−PLCζをpcDNA3.1に更にサブクローニングし、上述のように卵細胞にマイクロインジェクトするためのT7部位(リボマックス社)からのcRNA合成に先立って配列を確認した。細菌での発現を行うため、c−Myc−PLCζをインフレームなヘキサヒスチジンを3’末端にタグ付加してpBAD(インビトロジェン社)にサブクローニングした。このc−Myc−PLCζ−Histagタンパク質は、5回の凍結−融解及び超音波処理のサイクルによって菌体ペレットの抽出を行った後、ニッケル親和性クロマトグラフィ(Probond、インビトロジェン社)によって精製することによって、0.2%w/vアラビノースで誘導したBL21(DE3)pLysS E.coliにおいて産生された。BCAタンパク質アッセイ(ピアース社、Pierce)を用いてタンパク質の定量化を行った。QuantifyOneソフトウェア(バイオラド社)を用い、c−Mycモノクローナル抗体(1:2000、サンタクルーズ・バイオテクノロジー社)及びウサギ抗PLCζ抗血清(1:1000)を用いて、異なる濃度のcRNAをマイクロインジェクトした卵細胞で発現されたc−Myc−PLCζバンド、E.coliから単離したc−Myc−PLCζ−Histagタンパク質、及び104〜106個のマウス精子から得たカリブレートした精子抽出PLCζのデンシトメトリーを行った。100個のマイクロインジェクトした卵細胞の群において相対c−Myc−PLCζ含量を計算するため、c−Myc抗体を用いたイムノブロットデンシトメトリー(Malek et al Biotechniques 6 1150−1153 (1997))による分析から、E.Coliから精製した所定量のc−Myc−PLCζ−Histagタンパク質を用いて、カリブレーション基準プロットを構築した。定量分析を行ううえで、マウス卵細胞で発現されたマイクロインジェクトしたEGFPcRNAについて示されたのと同様に、c−Myc−PLCζタンパク質の発現量はcRNAのマイクロインジェクション後の時間に対して直線的であるものと仮定した。c−Myc−PLCζタンパク質はcRNAのマイクロインジェクションの3時間以内では検出限界以下であることからこの仮定が必要である。すなわち1個のマウス卵細胞について、0.02mg/mlのcRNAのマイクロインジェクションの5時間後に発現するc−Myc−PLCζの計算値が440〜750fgである場合、0.5時間後(最初のCa2+濃度変化が通常観察される時間)に44〜75gが発現することと同等である。所定数のマウス精子中における相対PLCζ含量を推定するため、抗PLCζ抗体を用いた別のカリブレーションプロットを異なる濃度のc−Myc−PLCζ−Histagタンパク質について構築した。
精子抽出物からのPLCζの免疫除去
ハムスター精子から調製した可溶性抽出物(Parrington et al Biochem J 341 1−4 (1999))を、タンパク質Gビーズ(1mg/ml,SeizeXキット、ピアース社)に共有結合させたコントロールとしてのIgGまたは抗PLCζ抗体とともに1時間、4℃でインキュベートした。上清及び沈澱したビーズ中のPLCζ含量を抗PLCζ抗体を用いたイムノブロット分析によって求めた。抗体処理した精子上清は更にウニ卵細胞のホモジェネートを用いたfluo−3蛍光測定法によってCa2+放出活性についても分析を行い、パーキンエルマーLS50B蛍光計を用いて監視した(Jones et al in FEBS Letts 437 297−300 (1998))。これらの上清は、下記に述べるようにマウス卵細胞へのマイクロインジェクションによってCCOを引き起こす能力についても分析した。精子PLCζタンパク質の免疫除去量は、各実験において(n=4)精子抽出物に対する抗体ビーズの最適な比を用いることによって最大となった。この最適比はコントロールとしてのIgGビーズによる処理後にCa2+放出活性を依然保持している精子抽出物の最低濃度(0.3〜0.8mg/ml)として各精子抽出物について経験的に求めた。
配偶子の調製及び取り扱い
HEPESで緩衝したKSOMまたはアミノ酸を補ったKSOMのいずれかでマウス卵細胞処置を行った(Summers et al Human Reprod 15 1791−1801 (2000))。5IUのPMSGの注入48時間後にHCG(インターベット社、Intervet)を注入して雌MF1マウスを過剰排卵させた。HCG注入の13.5〜14.5時間後に卵細胞を採取し、37℃のミネラルオイル下H−KSOMの100μl液滴中に保存し、1時間以内にcRNAをマイクロインジェクトした。cRNAのマイクロインジェクションの5時間後に、SDSサンプル用バッファをペレット化した卵細胞に加え、5分間95℃でインキュベートした後、上述のようにSDS−PAGE、イムノブロット、次いでc−Mycモノクローナル抗体を用いたデンシトメトリーによる分析を行って、卵細胞でのcMyc−PLCζの発現量を調べた。カリブレートしたマウス精子のペレットを15mMのジチオトレイトールを加えた10mMのTris−HCl(pH7.5)に再懸濁し(Perry et al Biol Reprod 60 747−755 (1999))、液体窒素中での凍結−融解サイクルを5回行ってから4℃で10分間20,000xgで遠心した後、上述のようにPLCζ抗体を用いて可溶性抽出物のデンシトメトリーによる分析を行った。in vitro受精実験では、精子に2〜3時間受精能を獲得させてから卵細胞に加えた。卵細胞の活性化及び発生実験を2μMのサイトカラシンDを含んだH−KSOM中で4時間かけて行った。2細胞期、胞胚、及び胚盤胞への更なる発生は、5%CO2インキュベーター中で37℃のミネラルオイル下、KSOMの50μlの液滴中で行った。
4μMのFura red−AM(モレキュラープローブズ社)を10分間取り込ませた卵細胞をH−KSOM中で洗い、ニコン社製倒立顕微鏡(Diaphot)のステージに載せた。取り込ませた媒質にはスルフィンピラゾンを加えて色素による区画化及び押出しを防止した(Lawrence et al Development 124 223−241 (1997))。120mM KCl、20mM HEPES(pH7.4)にcRNAを加えた溶液を上述したように卵細胞の容積の3〜5%までマイクロインジェクトした(Swann 1990, ibid, Example 5)。PLCζのcRNAをマイクロインジェクトする(0.02mg/ml;n=9)前に、卵細胞を10μMのシクロヘキシミドを含む溶液中で30分プレインキュベートしたコントロール実験ではタンパク質の合成は阻害された。注入量はボーラス注入による排除量から予測した。Ca2+の測定は、上述したようなCCDに基づいたイメージングシステム(Lawrence et al, 1997; ibid)か、モノクロメーター(フォトニクス社)からの照射光をMetaFluor v.4.0(ユニバーサル・イメージング社)で制御したツァイス社製Axivert100で行った。
(a)PLCζは卵細胞のCa2+振動を引き起こす。
哺乳動物の精子因子の重要な特徴は、哺乳動物卵細胞に見られる受精に伴う過渡変化に類似したCCOを引き起こす能力にある。精子のPLCζがこうしたCCOを引き起こすか否かを調べるため、本発明者等は上記に精原細胞mRNAに関して述べたように、マイクロインジェクションによってPLCζの相補的RNA(cRNA)をMII期で発生停止したマウス卵細胞に導入した。3〜5%の注入容積の注入後の卵細胞で0.1mg/ml未満の濃度に相当する2mg/mLのPLCζcRNAのピペット濃度をマイクロインジェクトした卵細胞では、図2に示されるCCOと同様の、15〜20分以内に開始し、長時間にわたって持続するCCOが見られた。高い振動数は高濃度の精子抽出物をマウス卵細胞に注入した際に見られる振動に類似していた。0.002mg/mlのPLCζcRNA濃度に1000倍に希釈した場合では振幅は同様だが振動数の小さいCCOが得られた(図6(a)の中央のトレース。卵細胞内の濃度0.001mg/mol)。シクロヘキシミドで処理してタンパク質合成を阻害した卵細胞ではPLCζcRNAのマイクロインジェクション(0.02mg/mol、n=9、図6(a)、下段のトレース)後にCa2+濃度の過渡変化を示したものはなかった。試験を行った0.002〜2mg/mlの範囲の4つの異なる濃度のPLCζcRNAをマイクロインジェクトした卵細胞の100%で著明なCCOが観察された(図6(b))。重要な点として、CCOの振幅ではなく振動数がPLCζcRNAの濃度とともに変化し、異なる濃度の精子抽出物で見られる同様の現象とまったく一致した点である。使用したピペット濃度では最も高い2mg/mlでは、7.3 3.2分の平均スパイク間間隔を有するCCOを生じた(図6(b))。注入の2時間以内に信号を発生させた最も低いPLCζcRNAのピペット濃度(0.002mol/ml)では20.1±5.4分の平均スパイク間間隔を示した(図6(b))。これらの値はいずれもマウス卵細胞のin vitro受精(IVF)における平均スパイク間間隔(12.1±5.8分)と大きく異なっている。これに対して、0.2及び0.02mg/mlのPLCζcRNA濃度におけるスパイク間間隔(それぞれ13.6±3.2及び12.7±6.0分)はIVFと大きく異ならない。
受精時のCCOには幾つかの固有の特徴が見られる。最初のCa2+過渡変化は後続の振動よりも常に長時間持続し、主ピーク上に興味深い一群の小さな正弦状の増加が見られる。IVFと一致するスパイク間間隔を生ずるピペット濃度(0.02mg/ml;図6(b))のPLCζcRNAのマイクロインジェクションによって、同様に長時間持続する最初のCa2+の過渡変化が見られたばかりでなく、同様に小さな正弦状の増加パターンが見られた。0.02mg/mlのPLCζcRNAのマイクロインジェクション後の最初のCa2+の上昇は、平均間隔(PLCζ 2.8±0.6分、n=39に対し、IVF 3.0±0.7分、n=16)ならびに、最初の過渡変化に重なるより小さなCa2+の上昇のクラスターを再現可能に発生する点において最初のIVF過渡変化と一致している。以下のマイクロインジェクション実験では、受精に典型的な正確なCa2+のシグナリング条件を与えるうえで特に断らない限り0.02mg/mlの濃度のPLCζcRNAを使用した。
マイクロインジェクトされた卵細胞内で発現するPLCζを定量化するため、上述のようにc−MycエピトープタグをPLCζのN末端に導入した。異なる濃度でマイクロインジェクトされたc−Myc−PLCζcRNAは、卵細胞でCa2+振動を発生させるうえでタグ付加していないPLCζと同様に効果的であり、このことはc−Myc−PLCについて示されるようにc−MycタグのN−末端への付加がPLCζの活性に悪影響を及ぼすものではないことを示している。更に卵細胞で発現するc−Myc−PLCζタンパク質は抗c−Mycモノクローナル抗体を用いたイムノブロットで、予測される重さが78kDaの単一のバンドとして容易に検出されたのに対して、注入を行っていない卵細胞では免疫反応は見られなかった。ネイティブなマウス精子のPLCζ(74kDa)と組換えによって得たc−Myc−PLCζタンパク質(78kDa[74kDaPLCζと4kDaのc−Mycタグ])の相対的な移動度の比較によって、PLCζのcDNAクローンの推定されるORF配列(配列番号2;74kDa)が完全な精子のPLCζ配列を表していることが示された。卵細胞で発現する免疫反応性の78kDaのc−MycPLCζタンパク質のデンシトメーターによる分析結果を、細菌に生産させた精製組換えc−Myc−PLCζタンパク質のカリブレートした量と比較することによって、0.02mg/mlのcRNAを用いた場合にCa2+振動を引き起こすPLCζタンパク質の量として44〜75fg/卵細胞(n=4)が求められた。このcRNA濃度がIVF応答を最もよく模倣するものであるが、10倍低い濃度(0.002mg/mlのcRNAを用いた4〜8fgのPLCζタンパク質/卵細胞)であってもCa2+振動を引き起こすことが可能である(図6)。
精子のPLCζが卵細胞におけるCa2+変動の固有の原因であるかどうかを確認するため、上述のように抗PLCζ抗体を用いて精子抽出物の含有PLCζを特異的に除去した。イムノブロット分析によれば、コントロール抗体による処理後では精子抽出物の上清にPLCζタンパク質が残存するのに対して、PLCζ抗体で処理した上清にはPLCζは存在しない。対応する沈降抗体試料の分析によって、精子のPLCζはPLCζ抗体によって効果的に除去されるがコントロール抗体によっては除去されないことが示された。ウニ卵のホモジェネートアッセイを用いた抗体処理精子抽出物におけるCa2+放出活性の評価を行ったところ、PLCζを除去した試料ではCa2+変動活性が見られなかったのに対して、コントロール抗体で処理した、PLCζタンパク質を含有する精子抽出物では著明なCa2+放出が認められた。更に、抗体処理精子抽出物のマウス卵細胞へのマイクロインジェクションによって、未処理の試料がIVF様のCa2+振動を発生させる能力は、コントロール抗体で処理した試料では完全に保存されているのに対して、Ca2+放出活性はPLCζ除去によって効果的に消失することが説明された。
PLCζcRNA(0.02mg/ml)をマイクロインジェクトされた卵細胞はCa2+振動の性質のすべてを示し、これはIVFによるものとまったく同じであり(上記の結果(a)及び(b))、1個の精子のPLCζ含量と同等である(上記(c))ことから、卵細胞の発生過程をPLCζのマイクロインジェクションの後数日間にわたって観察した。PLCζをマイクロインジェクトした卵細胞では、正常な発生が24時間以内に2細胞期に進み(78%、n=147)、4〜5日目までに多くが胞胚または胚盤胞期に達した(62%、n=76)ことからこれらの細胞では活性化が見られた(図4(a))。コントロールとしてバッファをマイクロインジェクトした卵細胞で2細胞期に達したものはなく、活性化がマイクロインジェクションを行ったことの結果として起こるものではないことが示された。PLCζで誘導した胚の内、2細胞期あるいは胞胚・胚盤胞期にまで発生したものの割合は、ストロンチウムイオンによって単為発生させた(n=75)卵や、オスとの交尾によるin vivo受精(n=101)後にメスマウスから1細胞期の胚を採取した場合と同じであった(図4(a))。
ヒトPLC―ゼータはマウス卵母細胞でCa振動を引き起こす。
20μg/mlのmPLC−ゼータをマウス卵母細胞にマイクロインジェクトすることによってCa2+振動が誘導され、in vitro受精におけるのと同等の発生率で胚盤胞期への発生が見られることが以前に証明されている。hPLC−ゼータによっても発生が助長されるか、また振動数が胚発生にどのような影響を与えるかについて調べるため、MII期で停止した卵母細胞に20、2.0、及び0.2μg/mlのhPLC−ゼータcRNAを注入して、24時間及び96時間観察した。3つの濃度はいずれも、卵母細胞を活性化し、2細胞期への発生を可能とするうえで有効であった(図9)。2.0及び0.2μg/mlのhPLC−ゼータcRNAを用いた場合、それぞれ33.3及び38.9%のマウスの胚が胞胚/胚盤胞へと発生した(図9(A))。これはin vivo受精における発生率と同等の値であり、異系交雑したマウス系を使用した本発明者等の条件下での55〜60%の単為生殖活性化率と同等の値である。しかしながら、20μg/mlで生ずる高いCa2+振動数(低い平均スパイク間間隔)は、胞胚/胚盤胞期への発生を助長するうえで有効ではなく(胞胚/胚盤胞に到達した卵母細胞は1.8%)、これらの胚の多くが2細胞期で発生を停止した。
Claims (31)
- 卵母細胞でカルシウム振動を引き起こすことが可能なPLC−ゼータ(PLCζ)ポリペプチドをコードした核酸分子を含む単離、精製又は組換え核酸分子。
- 前記配列はcDNA又はmRNAを含むDNA又はRNA配列である請求項1に記載の核酸分子。
- 配列番号3によって特定される配列であって、ヒトPLC−ゼータ(PLCζ)又はこれに相同な配列又はストリンジェントな条件下でこれにハイブリダイズする配列を有する請求項1又は2に記載の核酸分子。
- 配列番号4によって特定される配列であって、マウスPLC−ゼータ(PLCζ)又はこれに相同な配列又はストリンジェントな条件下でこれにハイブリダイズする配列を有する請求項1又は2に記載の核酸分子。
- 配列番号10によって特定される配列であって、ラットPLC−ゼータ(PLCζ)又はこれに相同な配列又はストリンジェントな条件下でこれにハイブリダイズする配列を有する請求項1又は2に記載の核酸分子。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸分子によってコードされる単離、精製、又は組換えポリペプチド。
- ヒトPLC−ゼータ(PLCζ)である配列番号1又はこれに相同な配列を有する単離、精製、又は組換えポリペプチド。
- マウスPLC−ゼータ(PLCζ)である配列番号2又はこれに相同な配列を有する単離、精製、又は組換えポリペプチド。
- ラットPLC−ゼータ(PLCζ)である配列番号11又はこれに相同な配列を有する単離、精製、又は組換えポリペプチド。
- 以下の性質を示すことを特徴とするPLC−ゼータタンパク質:
(a)600個〜720個、好ましくは600個〜699個、より好ましくは600個から650個の範囲のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列、
(b)EFハンド、X、Y、及びC2ドメインを有するが、PHドメインは有さないドメイン配列、
(c)下記から選ばれる保存領域からの少なくとも5個の連続したアミノ酸残基:
(i) QDDFRGGKI (11−19);
(ii) LLEKLD (27−32);及び
(iii) QGRIT (52−56)(EF1ドメイン);
(iv) ENRKIL (82−87);及び
(v) FLTQEQY (95−101)(EF2ドメイン);
(vi) YQQFNE (403−408)(Yドメイン);及び
(vii) TLTIR (516−520);
(viii)ISGIQLP (522−528);及び
(ix) LCMNKGYRR (609−617)(C2ドメイン)
(ただし残基は通常の一文字表記で表し、括弧内の数字はAB070108(サルA)参照配列に関して示してある。)。 - 質量分析によって求められる分子量が70〜75kDである請求項6乃至10のいずれかに記載のポリペプチド又はタンパク質。
- 哺乳動物細胞に導入された際に細胞質カルシウム振動(CCO)を発生させることが可能な哺乳動物の組換えPLC−ゼータタンパク質。
- 哺乳動物卵細胞に導入された際に細胞質カルシウム振動(CCO)を発生させることが可能な、PLC−ゼータタンパク質をコードした哺乳動物の組換えmRNA。
- 非哺乳動物の細胞に導入された際に細胞質カルシウム振動(CCO)を発生させることが可能な非哺乳動物の組換えPLC−ゼータタンパク質。
- 非哺乳動物の卵細胞に導入された際に細胞質カルシウム振動(CCO)を発生させることが可能な、PLC−ゼータタンパク質をコードした非哺乳動物の組換えmRNA。
- 請求項6乃至12及び14のいずれかに記載のポリペプチド又はタンパク質を調製するための方法であって、
(a)哺乳動物精子からのそれの単離及び/又は精製、又は
(b)該ポリペプチドをコードした核酸分子の発現、及び場合により得られた該ポリペプチドの単離及び/又は精製を含む方法。 - 前記ポリペプチド又はタンパク質をコードした核酸分子の発現において下記のオリゴヌクレオチドの1以上を使用する請求項16に記載の方法:
順方向ヒトプライマー: 5’ CAG CGA GCT CTT ATC TGA CGT ACC AAA C 3’(28量体)、
逆方向TriplExプライマー: 5’ CTC GGG AAG CGC GCC ATT GTG TTG GT 3’(26量体)、
順方向マウスプライマー: 5’ GCT AAC GCG TCA GTT ACA TGC GTC ACT C 3’(28量体)、
逆方向T7プライマー: 5’ GTA ATA CGA CTC ACT ATA GGG C 3’ (22量体)、
順方向ヒトプライマー: 5’ CAG CGA GCT CTT ATC TGA CGT ACC AAA C 3’ (28量体)、
逆方向ヒトプライマー: 5’ ATG AAA CTA TGG AAA TGA GAT GGT 3’ (24量体)、
順方向マウスプライマー: 5’ GCT AAC GCG TCA GTT ACA TGC GTC ACT C 3’ (28量体)、
逆方向マウスプライマー: 5’ ATC ATG GAA AGC CAA CTT C 3’ (19量体)。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸分子を含む組換えコンストラクトからなるベクター。
- 請求項18に記載のベクターによってトランスフォームまたはトランスフェクトした培養ホスト細胞。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸分子が発現可能に組み込まれ、請求項6乃至12及び14のいずれかに記載のポリペプチド又はタンパク質を製造するために遺伝子操作又はタンパク質操作された細胞、プラスミド、ウイルス、生物、又は他のビークル。
- 遺伝子治療などの医療において使用するための薬剤の製造における請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸分子によってコードされるポリペプチドまたは該核酸分子自体の用途。
- 請求項6乃至12及び14のいずれかに記載のポリペプチド又はタンパク質、及び薬学的に許容されるそれ用の担体を含む医薬製剤。
- 請求項1乃至5に記載の核酸分子及び薬学的に許容されるそれ用の担体を含む医薬製剤。
- 哺乳動物の受精能を判定するための診断方法であって、哺乳動物から得た試験試料中に存在するかあるいは存在しない請求項6乃至12のいずれかに記載のタンパク質又は請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸配列の量を判定することを含む診断方法で、前記タンパク質又は核酸配列の量は前記哺乳動物が受精能を有することを示す濃度である方法。
- 診断又はスクリーニング方法であって、
(a)特定の個体から哺乳動物のPLCζ遺伝子の核酸分子を有する試験試料を得てその遺伝子コードを決定し、
(b)前記試験試料から得た前記コードのある領域を、配列番号3または4のような所定の野性型哺乳動物PLCζ配列の対応した領域と比較して変異があるかどうかを判定し、
これにより、前記所定配列に対する前記試料コード中の変異が、低下した受精能または不妊などの所定の状態であって、該状態に見られない正常な生物学的機能にとっての必要条件であるカルシウム振動パターンの阻害をともなう状態を示すものである方法。 - 受精能の問題が疑われる個体をスクリーニングするスクリーニング方法であって、
(a)ヒトPLCζ遺伝子の核酸分子又はそれによってコードされるアミノ酸配列を含む試験試料を前記個体から得る工程と、
(b)ヒトPLCζ遺伝子若しくはそれによってコードされるアミノ酸配列の変異体の存在、又はヒトPLCζ遺伝子若しくはそれによってコードされるアミノ酸配列の変異体の存在を示すかこれに関連した1以上の代用マーカーの存在について前記試験試料を分析する工程とからなり、
ヒトPLCζ遺伝子又はこれによってコードされるアミノ酸配列の前記変異体は野性型PLCζ配列と比較した場合に少なくとも1個の変異を示すものである方法。 - 前記試験試料はゲノムDNAを含む請求項24乃至26のいずれかに記載の方法。
- 請求項6乃至12及び14のいずれかに記載のポリペプチドに対して作成された抗体。
- 請求項6乃至12及び14のいずれかに記載のポリペプチドに対して作成されたモノクローナル抗体である請求項27に記載の抗体。
- 診断またはスクリーニングキットであって、
(a)PLCζ変異体のある領域に相当する核酸配列を有するオリゴヌクレオチドであって、該領域は対応する野性型PLCζ遺伝子配列から少なくとも1個の変異を含んでいるオリゴヌクレオチド、及び/又は、
(b)野性型PLCζ遺伝子配列に対し、(a)で特定した前記領域において一致する核酸配列を有するオリゴヌクレオチド、及び/又は、
(c)野性型PLCζ遺伝子配列の特定領域に一致する核酸配列を有するオリゴヌクレオチドであって、前記特定領域は前記哺乳動物のゲノムDNA中に存在しない配列を有するオリゴヌクレオチド、及び/又は
(d)上記(a)〜(c)のいずれか1つに対して特異的なオリゴヌクレオチドに対して作成されたモノクローナル抗体などの抗体、及び、任意で、
(e)前記個体のDNAの所望の領域を増幅するためのPCRを行ううえで適当な1以上の試薬からなるキット。 - キットの構成要素(a)〜(c)のいずれかが固体支持体上に固定された複数の前記オリゴヌクレオチドからなる請求項30に記載のキット。
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