JP2005522393A - セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物又はチタン酸化物から成り、該酸化物中に固溶体状の元素を含む、部分的に結晶質のメソ構造化材料 - Google Patents

セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物又はチタン酸化物から成り、該酸化物中に固溶体状の元素を含む、部分的に結晶質のメソ構造化材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及びチタン酸化物から選択される化合物又はこれらの化合物の混合物から本質的に成り、前記酸化物中に固溶体状の少なくとも1種の元素Mを含むことを特徴とする、部分的に結晶質のメソ構造化材料に関する。この材料は、(a)部分的に結晶質のメソ構造化出発原料を、元素Mの濃度がせいぜい2モル/リットルである該元素Mの溶液と接触させる工程;及び続いての(b)前記溶液と接触させる工程の後に得られた材料をせいぜい500℃の温度においてか焼する工程を含み、所望の元素M含有率を有する材料が得られるまで適宜に工程(a)及び(b)を繰り返す方法によって得られる。この材料は、触媒として用いることができる。

Description

本発明は、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物又はチタン酸化物から成る、新規の部分的に結晶質の規則的メソ孔質又はメソ構造化材料に関する。
用語の厳密な意味において、「メソ孔質」化合物とは、孔寸法がゼオライトタイプの材料の微小孔(マイクロポア)のものと巨視的孔のものとの中間にある孔を構造中に有する固体である。
より特定的には、「メソ孔質化合物」という表現は、最初に、「メソ孔」という用語で呼ばれる平均直径2〜50nmの範囲の孔を特定的に含む化合物を意味する。典型的には、これらの化合物は、孔が一般的にランダムに分布されて非常に広い孔寸法分布を有する非晶質又は準結晶質シリカタイプの化合物である。
かかる化合物の説明に関しては、特にScience, vol. 220, pp. 365-371(1983)又はthe Journal of Chemical Society, Faraday Transactions, 1, vol. 81, pp. 545-548(1985)を参照することができる。
他方、「構造化(された)」化合物とは、組織化された構造を有する化合物であり、より一層正確には、X線又はニュートロン放射線散乱プロット中に少なくとも1つの散乱ピークを有するという事実によって特徴付けられる。かかる散乱プロット及びそれらの取得方法は、特にSmall Angle X-Rays Scattering(Glatter and Kratky, Academic Press, London, 1982)に記載されている。
このタイプのプロット中に観察される散乱ピークは、当該化合物の反復長さ特徴と関連づけることができ、これは本明細書の残りの部分においては構造化されたシステムの「空間反復周期」という用語を用いて言及する。
これらの定義に基づいて、用語「メソ構造化化合物」とは、2〜50nmの範囲の空間反復周期を有する構造化された材料を意味するものとする。かかる材料中に存在する組織化された構造を、本明細書では「メソ構造」という用語を用いて言及する。
規則的メソ孔質化合物は、メソ構造化化合物の特別な場合を構成する。これらは実際、それらの構造中に存在するメソ孔の組織化された空間配列を有し、その結果として、散乱プロット中におけるピークの発現と関連性がある空間反復周期を効率よく有するメソ孔質化合物である。
無機相を含む規則的メソ孔質又はメソ構造化化合物はよく知られており、特に触媒反応や吸収の化学、膜分離の分野において非常に関心を持たれている。
さらに、慣用の液晶テンプレーティング(templating)法に類似の経路を用い、しかしテンプレーティング媒体中に追加的にナノ規模粒子を存在させて、規則的メソ孔質又はメソ構造化材料を合成することができるということが、近年見出されている。このタイプの方法は、特に国際公開WO01/32558号パンフレットに記載されており、テンプレーティング媒体中に導入されたナノ規模粒子の少なくとも一部をそれらの壁中に組み込んだメソ構造を得ることを可能にする。
さらに、国際公開WO01/49606号パンフレットに記載された方法も知られており、これは、コロイド粒子を用いて出発する液晶テンプレーティング方法を用い、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及び/又はチタン酸化物から本質的に成る材料をもたらし、これらの材料の凝集をもたらすように導入される追加成分を特に何も含有しないものである。
国際公開WO01/32558号パンフレット 国際公開WO01/49606号パンフレット Science, vol. 220, pp. 365-371(1983) Journal of Chemical Society, Faraday Transactions, 1, vol. 81, pp. 545-548(1985) Small Angle X-Rays Scattering(Glatter and Kratky, Academic Press, London, 1982)
ここに、このタイプの材料であってさらに改善された特性を有するもの、例えば改善された還元性を有する材料に対する要求が存在する。
さらに、このタイプの材料であって「ドープ」と称されるもの、即ち酸化物を構成する金属元素以外の金属元素を該酸化物の結晶格子内に固溶体状で含むものを得ることもまた求められている。実際、非常に小さい寸法の金属酸化物粒子(特に寸法10nm未満のセリウム酸化物、チタン酸化物又はジルコニウム酸化物タイプのもの)の合成方法はたとえ従来知られていたとしても、かかる粒子に固溶体状の金属元素中を取り込むことによって該粒子をドープする方法や、国際公開WO01/32558号パンフレットに記載されたタイプのテンプレーティング法において用いた時に熱的に安定なメソ構造が得られるのに充分小さい寸法及び/又は好適な表面積を有する粒子の形でドープされた酸化物を直接合成する方法は、知られていない。
本発明の目的は、これらの要求を満たす材料を得ることである。
この目的において、本発明の材料は、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及びチタン酸化物から選択される化合物又はこれらの化合物の混合物から本質的に成る部分的に結晶質のメソ構造化材料であって、前記酸化物中に固溶体状の少なくとも1種の元素Mを含むことを特徴とする、前記メソ構造化材料である。
さらに、本発明は、かかる材料の調製方法であって、以下の工程:
(a)セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及びチタン酸化物から選択される化合物又はこれらの化合物の混合物から本質的に成る部分的に結晶質のメソ構造化材料を、元素Mの濃度がせいぜい2モル/リットルである該元素Mの溶液と接触させる;
(b)前記材料を前記溶液と接触させる工程の後に得られた材料をせいぜい500℃の温度においてか焼する;
を含み、所望の元素M含有率を有する材料が得られるまで適宜に工程(a)及び(b)を繰り返すことを特徴とする前記方法にも関する。
かくして、予期しなかったことに、メソ構造化材料の粒子中への固溶体状のドーピング用金属カチオンの組込みを比較的低温において実施することができるということが示された。
さらに、本発明の材料は、有利なことに、安定化された比表面積及び改善された還元性を示す。
本発明のその他の特徴、詳細及び利点は、以下の説明及び本発明を例示するための様々な具体的しかし非限定的な実施例を読めば、さらにより一層完全に明らかになるであろう。
本明細書の残りの部分において、そして別途記載がない限り、用語「メソ構造化」とは、メソ構造化材料及び規則的メソ孔質材料の両方に当てはまるものと理解すべきである。
用語「希土類」とは、イットリウム及びランタニド類から選択される元素を意味するものとし、用語「ランタニド類」とは、原子番号57(ランタン)〜71(ルテチウム)のすべての元素を意味する。用語「遷移金属」とは、元素周期表第IIIA〜IIB族に包含される元素を意味するものとする。参照する元素周期表は、フランス化学会誌第1号(1966年1月)の補遺に発表されたものである。
用語「比表面積」とは、定期刊行物「The Journal of the American Chemical Society」, 60, 309(1938年)に記載されたBrunauer-Emmett-Teller法を用いて確立されたASTM規格D3663−78に従って窒素吸着によって測定されるBET比表面積を意味するものとする。
本発明の材料は、セリウム酸化物CeO2、ジルコニウム酸化物ZrO2及びチタン酸化物TiO2から選択される化合物又はこれらの化合物の任意の割合の混合物から本質的に成る。これらの化合物の混合物としては、セリウムに富んだCeO2/ZrO2混合物及びジルコニウムに富んだZrO2/CeO2混合物を特に挙げることができる。
本発明の材料において、上記酸化物はナノ規模粒子の形にある。本発明の目的のためには、用語「ナノ規模粒子」とは、その少なくとも50%が1〜10nmの範囲(有利には6nm未満)の平均直径を有する粒子(好ましくは球状又は等方性形態の粒子)を意味するものとし、これらの粒子は単分散の粒子寸法分布を有するのが好ましい。
特に、用語「ナノ規模粒子」はまた、本発明に従えば、その少なくとも50%が1〜10nmの範囲の平均横径及び100nmを超えない長さを有し、これらの粒子が好ましくは単分散性の粒子寸法分布を有するということを条件として、棒タイプの異方性粒子を意味することもできる。
本発明の材料は部分的に結晶質であり、換言すれば、材料を構成するナノ規模粒子は少なくとも部分的に結晶質の粒子であり、即ちそれら粒子は20%より高い結晶度、好ましくは少なくとも30%の結晶度を示す。この結晶度は100容量%まで達することができる。この結晶度は、(本発明に従う材料のサンプルについてX線回折によって測定した回折ピークの面積)対(同じ解析ピークであって粒子の構成元素が完全に結晶状態にある対照用サンプルについて測定され且つ対応する酸化物の吸収係数について補正された前記回折ピークの面積)の比によって計算することができる。これに関しては、本発明の目的のための材料の「結晶度」は、特に回折(例えば広角度X線回折)によって検出可能な微視的組織であってもっと巨視的レベルにおいて材料のメソ構造によって示される「配列」から特に区別されるべき前記微視的組織に相当するということが強調されるべきである。
「セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及び/又はチタン酸化物から本質的に成る材料」という表現は、材料の凝集をもたらすように導入される追加の成分を特に何も含有しない化合物を意味するものとする。特に、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及び/又はチタン酸化物から本質的に成る材料は、本発明の目的のためには、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及び/又はチタン酸化物粒子間のバインダーの役割を果たすシリカ又はアルミナタイプの無機相を含む材料ではない。
本発明の材料の必須の特徴は、材料の構成成分の酸化物中(即ちセリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及び/又はチタン酸化物中)に固溶体状の元素Mを含有することである。この元素Mは、酸化物の結晶質構造内に、挿入及び/又は置換カチオン状態(一般的には固溶体状)にある。
「酸化物内の固溶体状の元素」という表現は、ホスト結晶格子の役割を特徴として果たす結晶質酸化物内にこの元素がカチオンとして、挿入及び/又は置換カチオンとして、存在することを意味するものとする。この元素Mの前記カチオンは、酸化物中の金属カチオンの総量(酸化物金属のカチオン+金属Mのカチオン)の厳密に50モル%未満を占めるのが一般的であり、即ち、固溶体状で組み込まれるカチオンは、それが固溶体状で組み込まれる金属酸化物の構成成分のカチオンに対して少数派カチオンであるのが好ましいが、しかし場合によってはこの元素Mのカチオンの含有率は50%に達することもできる。固溶体状のカチオンを組み込んだ結晶質酸化物は、純粋な状態の結晶質酸化物の構造を維持するが、しかしながら、例えばVegardの法則に一致して格子パラメーターに僅かな変化が観察されることもある。結果として、固溶体状のカチオンを組み込んだ結晶質酸化物は、純粋な混合酸化物のものと同様だがしかし多少なりとも実質的なピークのシフトがあるX線回折ダイアグラムを示すのが一般的である。
一般的に、元素Mは、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及び/又はチタン酸化物内に固溶体状でカチオン形態で組み込むことができる遷移金属及び希土類元素から選択される。しかしながら、より特定的には金属Mは、これが固溶体状で組み込まれる金属酸化物の性状に応じて選択することができる。酸化物内に固溶体状で導入することができる金属Mの量は、該金属Mの性状及び前記酸化物を構成する元素の性状に依存するということに注目されたい。
かくして、前記材料がセリウム酸化物から成る場合には、固溶体状で存在させる元素Mは一般的にセリウム以外の希土類元素から選択することができる。この場合、金属Mはより特定的にはランタン、イットリウム、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム又はユーロピウムであることができる。元素Mはまた、セリウム酸化物内に固溶体状でカチオン形態で組み込むことができる遷移金属、特にジルコニウム、マンガン及びチタンから選択することもできる。ドーピング金属Mがジルコニウム又はセリウム以外の希土類元素を表わす場合には、固溶体状で組み込むことができる金属Mのカチオンの量は、M/Ceモル比がせいぜい1となるような値を表わすことができる。ドーピング金属Mがチタンを表わす場合には、固溶体状で組み込むことができるチタンの量は、Ti/Ceモル比がせいぜい0.5となるような値を表わすことができる。
前記材料がジルコニウム酸化物から成る場合には、固溶体状で存在させる金属Mは、セリウム及びセリウム以外の希土類元素から選択することができる。この場合、Mは有利にはセリウム、ランタン、イットリウム、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム又はユーロピウムであることができる。Mはまた、ジルコニウム酸化物内に固溶体状でカチオン形態で組み込むことができる遷移金属から選択することもできる。ドーピング金属Mがセリウム又は他の希土類元素を表わす場合には、固溶体状で組み込むことができる金属Mのカチオンの量は、M/Zrモル比がせいぜい1となるような値を表わすことができる。
前記材料がチタン酸化物から成る場合にも、固溶体状でカチオン状態で存在させる金属Mはまた、チタン酸化物内に固溶体状で組み込むことができる遷移金属及び希土類元素から選択することができる。この金属Mは、より特定的には、マンガン、錫、バナジウム、ニオブ、モリブデン又はアンチモンであることができる。
最後に、特定的な具体例に従えば、元素Mは、チタン、セリウム、ジルコニウム、マンガン、ランタン、プラセオジム及びネオジムから選択され、該元素Mは、材料の酸化物(セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物又はチタン酸化物)を構成する元素とは異なるものである。
本発明の別態様に従えば、前記材料にはまた、金属M又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の金属カチオン及び/或は金属M又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属をベースとするクラスター及び/或いはこれら同じ元素のクリスタライトを含むこともできる。これらのカチオン、これらのクラスター又はこれらのクリスタライトは、材料を構成する酸化物の表面に好ましくは均一に分散させる。クリスタライトは、例えばアナターゼ形態のTiO2のクリスタライト、ZrO2のクリスタライト及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属については水酸化物、炭酸塩、ヒドロキシ炭酸塩又はその他の塩であることができる。
用語「金属Mをベースとするクラスター」とは、酸化状態0の又はそれより高い酸化状態の金属Mの原子を少なくとも複数含む2nm未満、好ましくは1nm未満の寸法の多原子物を意味するものとする(典型的には、これらは、金属Mの酸化物及び/又は水酸化物種をベースとするクラスター、例えば、その中の金属Mのいくつかの原子が−O−又は−OH−橋で互いに結合した多原子物であり、金属Mのそれぞれの原子は1個以上の−OH基に結合していることができる)。この別態様は、特に金属Mがジルコニウム、マンガン又は希土類元素(特にランタン、イットリウム、ネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム若しくはユーロピウム)である場合に適用することができる。
直前に記載したように、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオン、クラスター及び/又はクリスタライトを材料を構成する酸化物の表面に分散させる場合には、この形のこのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の量は、構成成分の酸化物及び金属Mのモルに対するモルで表わして一般的に2%〜30%の範囲である。
金属Mのカチオン、クラスター及び/又はクリスタライトの場合、構成成分の酸化物及び金属Mのモルに対するMのモルで表わした比は、2%〜80%の範囲であることができる。
有利には、本発明のメソ構造化材料は、少なくとも局地的レベル上に次のものから選択される1つ以上のメソ構造を有する固体である:
・三次元P63/mmcヘキサゴナル対称性、二次元P6mmヘキサゴナル対称性、又は三次元Ia3d、Im3m若しくはPn3mキュービック対称性を有するメソ孔質のメソ構造;
・小胞状、層板状又は虫食い状タイプのメソ構造;或は
・スポンジ相と称されるL3対称性のメソ構造。
これらの様々な対称性及び構造の定義に関しては、例えばChemical Materials, vol 9, No 12, pp 2685-2686 (1997)、Nature, vol 398, pp 223-226 (1999)又はScience, vol 269, pp 1242-1244 (1995)中の論文を参照することができる。
さらに、本発明の材料のメソ構造内に観察される孔は、該構造内に存在する孔の少なくとも50%が2〜10nmの範囲の平均直径を有するようなものであるのが一般的である。さらに、該材料の構造の壁の平均厚さは、4〜10nmの範囲である。
本発明の材料は一般的に、それらの調製の最後において、少なくとも600m2/cm3、より特定的には少なくとも800m2/cm3、さらにより一層特定的には少なくとも1000m2/cm3の高いBET比表面積を示す。
材料がセリウム酸化物から成り且つMがプラセオジムである特定的な場合においては、この表面積は少なくとも100m2/g、より特定的には少なくとも120m2/g、さらにより一層特定的には少なくとも140m2/gであることができる。材料がセリウム酸化物から成り且つMがチタンである特定的な場合においては、この表面積は少なくとも100m2/g、より特定的には少なくとも125m2/g、さらにより一層特定的には少なくとも150m2/gであることができる。
本発明の材料の孔容積は、一般的に少なくとも0.10cm3/g、より特定的には少なくとも0.15cm3/g、さらにより一層特定的には少なくとも0.20cm3/gである。
セリウム酸化物をベースとする本発明の材料の利点の1つは、還元性であることである。本発明に従う材料のこの「還元性」は、材料を水素で処理し、次の全体反応:
2CeO2 + H2 → Ce23 + H2
に従って最初に存在する酸化状態IVのセリウムが処理後に得られた材料中の酸化状態IIIのセリウムに転化する割合(転化率)を分析することによって示すことができる。
かくして、本発明に従う材料の還元可能性状は特に、以下に開示される「TPR」プロトコルの終わりに測定される転化率によって定量化することができる。
・シリカ反応器を備えたAltamira AMI-1装置中に、周囲温度(一般的に15℃〜25℃の範囲)において、水素を10容量%含有する水素/アルゴン混合物から成る30ミリリットル/分の流量のガス流下で、試験すべき固体100mgのサンプルを入れる;
・10℃/分の一定昇温速度で温度を900℃に上げる。熱伝導率検出器を70mAで用い、周囲温度におけるベースラインから900℃におけるベースラインまでの水素信号の失われた面積から、材料によって取り込まれた水素の量が測定される。
かかる試験の終わりに、最初に存在していたセリウムIV種の転化率(これは少なくとも30%である)が一般的に測定され、この転化率は、少なくとも40%であるのが有利であり、少なくとも50%であるのがより一層好ましい。
さらに、上記プロトコルによって測定されるセリウム還元ピークは、せいぜい450℃、好ましくはせいぜい400℃、さらにより一層好ましくはせいぜい375℃の温度を中心とするということに留意すべきである。
次に、本発明の材料の調製方法を説明する。
上記のように、この方法の最初の工程は、出発原料を元素Mの溶液と接触させることから成る。出発原料は、セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及びチタン酸化物から選択される化合物又はこれらの化合物の混合物から本質的に成る部分的に結晶質のメソ構造化材料であり、これは任意の既知の手段によって調製することができる。かかる出発原料の調製方法としては、より特定的には、国際公開WO01/49606号パンフレットに記載されたものを挙げることができる。この国際公開パンフレットの教示を参考用に利用することができる。その主な特徴を以下に記載する。
この調製方法は、少なくとも部分的に結晶質であるコロイド状ナノ規模粒子及びテンプレーティング剤を含む初期分散体を形成させる工程;続いての、得られた分散体を濃縮してコロイド粒子のテンプレーティング及び徐々の団結により固体を得る工程;並びに、最後に、得られた固体からテンプレーティング剤を除去する工程:を含む。前記コロイド状ナノ規模粒子は、セリウム、ジルコニウム又はチタンから選択される金属の少なくとも1種の化合物をベースとする粒子であり、セリウム酸化物CeO2、ジルコニウム酸化物ZrO2及びチタン酸化物TiO2の粒子から選択されるのが好ましい。
本発明の方法の別態様に従えば、セリウム、チタン又はジルコニウム化合物のコロイド粒子は、式X−A−Yの表面剤によって官能化されたものである。この表面剤はまた、粒子を含む分散体内で遊離の形にあることもできる。
この表面剤は、Aが随意に置換された直鎖状又は分枝鎖状アルキル基(これは例えば1〜12個、好ましくは2〜8個の炭素原子を有することができる)である有機化合物である。
官能基Xは、セリウム、チタン又はジルコニウム化合物のコロイド分散体のコロイドの金属カチオンに対する錯化用官能基である。用語「錯化用官能基」とは、コロイドのカチオン(例えばセリウムカチオン)と表面剤との間の錯結合の形成を可能にする官能基を意味するものとする。この官能基は、例えばホスホネート−PO3 2-、ホスフェート−PO4 2-、カルボキシレート−CO2 -、サルフェート−SO4 2-又はスルホネート−SO3 2-タイプの官能基であることができる。
官能基Yは、アミン又はヒドロキシル官能基である。これは、−NH2、−NHR1、−NR21又は−NH4 +タイプのアミン官能基であることができ、ここで、R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、水素又は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表わす。これはまた、OH官能基であることもできる。OH官能基を含有する表面剤としては、例えばグリコール酸、グルコン酸、乳酸、ヒドロキシ安息香酸及びリン酸グリセリル二ナトリウムを挙げることができる。
特に好適な表面剤の中では、アミノ酸、特に脂肪族アミノ酸を挙げることができる。特に、R−CH(NH2)−COOH(ここで、Rは脂肪族基である)の構造のタンパク質構成アミノ酸を挙げることができる。例として、ロイシン、アラニン、バリン、イソロイシン、グリシン及びリシンを挙げることができる。
好ましい表面剤は、アミノヘキサン酸である。
有利には、分散体の化合物を官能化するために用いられる表面剤の量は、次の式によって決定される比Rbによって表わされる:
Rb=(官能基Xのモル数)/(セリウム酸化物、チタン酸化物又はジルコニウム酸化物のモル数)
比Rbは、0.1〜0.5の範囲であるのが有利である。
セリウム、チタン又はジルコニウム化合物の官能化は、該化合物の分散体を表面剤と接触させることによって実施するのが好ましい。
最初の工程の際に形成される分散体の媒体が酸性媒体である場合には、用いられるテンプレーティング剤はブロックコポリマータイプのノニオン性界面活性剤、好ましくはポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマー又はグラフト化ポリ(エチレンオキシド)から選択されるものである。最初の工程の際に形成される分散体の媒体が塩基性媒体である場合には、用いられるテンプレーティング剤は第1級アルキルアミンタイプの界面活性剤である。
本発明に従う方法の場合に用いられる元素Mの溶液は、通常は、この元素の塩をベースとする水性溶液である。硝酸塩、硫酸塩又は塩化物のような無機酸塩を選択することができる。また、有機酸塩、特に飽和脂肪族カルボン酸塩又はヒドロキシカルボン酸塩を用いることもできる。例として、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩又はクエン酸塩を挙げることができる。しかしながら、錯化した状態にある金属Mのカチオンを含む水性若しくは水性−アルコール性溶液、又は金属Mのアルコキシドを含む、一般的に無水有機溶媒中の溶液を用いることも可能である。チタンの場合には、より特定的には、酸性水性−アルコール性媒体中のチタンアルコキシドを用いることができる。
出発原料と接触させる溶液は、この元素Mの濃度がせいぜい2M、好ましくはせいぜい1.2Mのものである。それより高い濃度だと、材料を構成する酸化物中で元素Mの固溶体が形成するのが妨げられる恐れがある。
接触プロセスは、出発メソ構造化材料を元素Mを含む溶液中に浸漬し、次いで得られた媒体を遠心分離に付す事によって実施することができる。一般的に、この遠心分離は、2000〜5000rpmの速度で、一般的に30分を超えない期間、実施される。
特定的な具体例に従えば、前記接触プロセスは、乾式含浸によって実施される。乾式含浸は、含浸されるべき材料の孔容積に等しい容量の元素Mの水性溶液を、含浸されるべき物質に添加することから成る。
本方法の最初の工程の終わりに得られた固体は、次いでか焼に付される。このか焼工程は、本質的に、メソ構造化材料を構成する酸化物内に固溶体状で元素Mのカチオンの少なくとも一部が組み込まれるようにするためのものである。そのためには、このか焼は少なくとも300℃の温度において実施され、この温度は少なくとも350℃であるのが好ましいが、しかしせいぜい500℃又400℃である。それより高い温度は、酸化物内への元素Mのカチオンの組込みに関しては、必要ではない。これに関しては、本発明の方法は、驚くべきことに、低温において材料の金属酸化物内に固溶体状の挿入又は置換金属カチオンが組み込まれることを可能にし、このことは非常に大きい比表面積を有するメソ構造化材料が得られることを特に可能にするということが、はっきり強調されるべきである。特に有利には、前記か焼工程は、固体を15〜95℃の範囲の初期温度から350℃〜500℃の範囲の最終温度までの温度勾配に付すことによって実施することができ、その際、昇温速度を0.5℃/分〜2℃/分の範囲にし、さらに、1回又はそれより多くの連続段階で温度を中間温度(好ましくは350〜500℃の間の温度)に様々な期間(一般的には1時間〜24時間の範囲の期間)維持するのが有利である。
随意に、本発明の調製方法には、か焼の前に乾燥工程を含ませることもできる。この場合、この予備乾燥は一般的にできる限りゆっくり、特にイオン交換を促進するように、実施される。そのためには、乾燥は、特に通常は15〜80℃の範囲の温度、好ましくは50℃より低い温度、さらには40℃より低い温度、有利には周囲温度において実施される。この乾燥は、材料中に存在する化合物に応じて、不活性雰囲気(窒素若しくはアルゴン)下又は酸化性雰囲気(空気、酸素)下で実施することができる。金属Mをアルコキシドの形で材料内に導入する場合には、湿分のない雰囲気下で乾燥を実施するのが有利である。
特に有利な実施態様においては、本発明の方法に、工程(a)及び(b)の後に、続いての(a)及び(b)タイプの接触/か焼工程のサイクルを1回又はそれ以上、前のサイクルの最後に得られた固体に対して実施されるものとして、含ませることができる。このタイプの接触/か焼のいくつかの連続サイクルを伴う方法を実施することによって、酸化物内への固溶体状の元素Mの非常に良好な組込みが達成される。これらのサイクルは、所望の元素M含有率を有する材料が得られるまで繰り返される。また、異なるタイプのMドーピング元素を用いて複数回の接触/か焼サイクルを実施することも検討可能であり、それによって固溶体状の数種の金属元素をドープされた酸化物から成る材料を得ることができる。
金属M又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のカチオン、クラスター及び/又はクリスタライトが材料を構成する酸化物の表面に分散された上記の別態様に従う材料を調製するためには、この元素(M又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属)の高濃度(例えば少なくとも1.5M)の溶液を用い、且つ/或はこの元素による固溶体の形での材料を構成する酸化物の飽和の後に、この溶液との接触工程を繰り返す。
アルカリ金属又はアルカリ土類金属については、硝酸塩、硫酸塩又は塩化物のような無機酸塩の溶液が一般的に用いられる。また、有機酸塩、特に飽和脂肪族カルボン酸塩又はヒドロキシカルボン酸塩を用いることもできる。例として、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩又はクエン酸塩を挙げることができる。
酸性−アルカリ性に関する特別な性質及び高い特異性を、場合によっては酸化特性と組み合わせて有するので、本発明の材料は、不均質触媒として、特に不均質酸、塩基又はレドックス触媒として、特に有用である。
特定的には、これらの触媒の中でも、セリウム酸化物の粒子をベースとし、ジルコニウム若しくは希土類元素(より特定的にはプラセオジム)を固溶体状で組み込んだ本発明の材料、又は逆にジルコニウム酸化物の粒子をベースとし、セリウムを固溶体状で組み込んだ材料は、かなりの酸素貯蔵能力を有するという点で特に有利であることが証明されたことが強調されるべきである。セリウム酸化物の粒子をベースとし、ジルコニウムを固溶体状で組み込んだ本発明の材料はさらに、一般的にかなりの熱安定性を示す。
さらに、本発明の材料、特にセリウム酸化物の粒子をベースとし、ジルコニウム又は希土類元素(セリウム以外のもの)を固溶体状で組み込んだ材料は、触媒種、特に貴金属(例えば白金)タイプの金属種用の担体として特に有用であることが証明できる。
これらの様々な用途は、本発明の別の主題を構成する。従って、本発明はまた、上に記載したもののようなタイプの材料又は上に記載したもののようなタイプの方法によって得ることができる材料である担体上に触媒種を含有する触媒にも関する。この触媒種は、例えば白金、パラジウム又はロジウムのような貴金属であることができる。
以下、実施例を与える。
例1
この例は、セリウム酸化物から成り且つジルコニウムをも含むメソ構造化材料に関する。
最初に、国際公開WO01/49606号パンフレットの例1に記載された方法に従って、セリウム酸化物から成るメソ構造化材料を調製した。
このメソ構造化材料2gを、ジルコニウム1.5モル/リットルを含有する硝酸ジルコニル溶液(NO3/Zrモル比=1.3)50ミリリットル中に導入した。この媒体を撹拌しながら25℃に1時間置いた。
製造された分散体を次いで4500rpmにおける遠心分離に15分間付した。
遠心分離ペレットを回収し、次いでこれを開放空気中に25℃において16時間放置することによって乾燥させた。
得られた固体を次いで80℃のオーブン中に8時間入れた。
次いでこの固体を空気中で1℃/分の昇温速度で徐々に400℃にした。次いでこの固体を400℃において6時間放置し、次いで温度を徐々に25℃まで下げた。
X線蛍光分析によって、これらの様々な工程の後に得られた材料内のCe及びZrカチオンのモル割合が次のように測定された。
(Ce:Zr)=(0.88:0.12)。
BET分析によって、得られた生成物の比表面積が105m2/gであることが測定され、観察された孔分布は4nmを中心とし、孔容積は0.145cm3/gだった。
X線回折により、純粋なセリウム酸化物のものと非常に類似し、しかしピークが小さい間隔(5.40Å)に向けてごく僅かにシフトしたスペクトルが観察された。これは、セリウム酸化物中に固溶体状のジルコニウムが存在することを特徴付ける。
例2
この例は、セリウム酸化物から成り且つプラセオジムをも含むメソ構造化材料に関する。
2.91MのPrを含有するPr(NO3)3の溶液(密度1.73、プラセオジム酸化物含有率28.6%)51.9ミリリットルに脱イオン水を、125cm3の最終容量が得られるまで添加することによって、1.21MのPrを含有するPr(NO3)3の溶液を調製した。
さらに、例1のメソ構造化材料を用いた。
この材料8g(即ちCe46.51ミリモル)に、上で調製した1.21MのPrを含有する硝酸プラセオジムの溶液5.76cm3(即ちPr6.97ミリモル)を含浸させた。この場合、モル比(Pr/Ce)は0.15に等しかった。この生成物を周囲温度において16時間、次いで80℃において8時間乾燥させた。次いでこの生成物を空気中で、1℃/分の昇温及び400℃において6時間の温度保持で、か焼した。
次いで含浸及び熱処理操作を繰り返した。最終モル比(Pr/Ce)は0.3に等しかった。
X線回折により、純粋なセリウム酸化物のものと非常に類似し、しかしピークが大きい間隔(5.45Åの格子パラメーター)に向けてごく僅かにシフトしたスペクトルが観察された。これは、セリウム酸化物中に固溶体状のプラセオジムが存在することを特徴付ける。
そのBET比表面積は123m2/gに等しいことが測定された。
孔分布は6nmの孔直径を中心とすることが観察された。
孔容積は0.21cm3/gに等しいことが測定された。
TPR試験の後に、350℃の温度を中心とした非常に低温において還元性ピークが観察された。セリウムIV転化率は44%だった。
例3
この例は、セリウム酸化物から成り且つチタンをも含むメソ構造化材料に関する。
Ti(OBu)4(これはTiO2を23.45%含有する)20.65gをエタノール15cm3及び15MのHNO38cm3中に溶解させ、エタノールで容量を50cm3にすることによって、酸性チタン酸ブチル溶液を調製した。
例1で製造したメソ孔質生成物(400℃において6時間か焼したもの)4g(即ちCe23.25ミリモル)に、上で調製したチタン溶液2.91cm3(即ち、Ti3.49ミリモル)を含浸させた。この場合、モル比(Ti/Ce)は0.15に等しかった。生成物を周囲温度において16時間、次いで80℃において6時間乾燥させた。次いでこの生成物を大気中で、1℃/分の昇温及び400℃において6時間の温度保持で、か焼した。
次いで、含浸及び熱処理操作を繰り返した。最終モル比(Ti/Ce)は0.3に等しかった。
X線回折により、純粋なセリウム酸化物のものと非常に類似し、しかしピークが小さい間隔に向けてごく僅かにシフトしたスペクトルが観察された。このスペクトルは、固溶体を特徴付ける。
そのBET比表面積は130m2/gに等しいことが測定された。
孔分布は6nmの孔直径を中心とすることが観察された。
孔容積は0.20cm3/gに等しいことが測定された。

Claims (17)

  1. セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及びチタン酸化物から選択される化合物又はこれらの化合物の混合物から本質的に成る部分的に結晶質のメソ構造化材料であって、前記酸化物中に固溶体状の少なくとも1種の元素Mを含むことを特徴とする、前記メソ構造化材料。
  2. 前記材料の結晶度が20容量%より高い、好ましくは少なくとも30容量%であることを特徴とする、請求項1に記載の材料。
  3. 本質的にセリウム酸化物から成ること、並びに前記元素Mがセリウム以外の希土類元素、及びセリウム酸化物内に固溶体状でカチオン形態で組み込まれることができる遷移金属から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の材料。
  4. 本質的にジルコニウム酸化物から成ること、並びに前記元素Mが希土類元素、及びジルコニウム酸化物内に固溶体状でカチオン形態で組み込まれることができる遷移金属から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の材料。
  5. 本質的にチタン酸化物から成ること、並びに前記元素Mが希土類元素、及びチタン酸化物内に固溶体状でカチオン形態で組み込まれることができる遷移金属から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の材料。
  6. 元素Mがチタン、セリウム、ジルコニウム、マンガン、ランタン、プラセオジム及びネオジムから選択され、該元素Mが前記酸化物を構成する元素とは異なるものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の材料。
  7. 前記元素Mが希土類元素及びジルコニウムから選択されること、並びにM/Ceモル比がせいぜい1であることを特徴とする、請求項3に記載の材料。
  8. 前記Mがチタンであること、及びTi/Ceモル比がせいぜい0.5であることを特徴とする、請求項3に記載の材料。
  9. 少なくとも局地的レベルにおいて、三次元ヘキサゴナル対称性P63/mmc、二次元ヘキサゴナル対称性P6mm、又は三次元キュービック対称性Ia3d、Im3m若しくはPn3mのメソ孔質メソ構造;小胞状、層板状又は虫食い状タイプのメソ構造;或はスポンジ相と称されるL3対称性のメソ構造:から選択される1つ以上のメソ構造を示すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の材料。
  10. 前記酸化物の表面に分散された状態で金属M又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の金属カチオン及び/又はクラスター及び/又はクリスタライトをも含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の材料。
  11. 少なくとも600m2/cm3、好ましくは少なくとも1000m2/cm3のBET比表面積を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の材料。
  12. 球状又は等方性形態の前記酸化物粒子から成り且つその少なくとも50%が1〜10nmの範囲の平均直径を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の材料。
  13. 該材料のメソ構造内に観察される孔が、該構造内に存在する孔の少なくとも50%が2〜10nmの範囲の平均直径を有することとなるものであることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の材料。
  14. 該材料の構造の壁の平均厚さが4〜10nmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の材料。
  15. 以下の工程:
    (a)セリウム酸化物、ジルコニウム酸化物及びチタン酸化物から選択される化合物又はこれらの化合物の混合物から本質的に成る部分的に結晶質のメソ構造化材料を、元素Mの濃度がせいぜい2モル/リットルである該元素Mの溶液と接触させる;
    (b)前記溶液と接触させる工程の後に得られた材料をせいぜい500℃の温度においてか焼する;
    を含み、所望の元素M含有率を有する材料が得られるまで適宜に工程(a)及び(b)を繰り返すことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の材料の製造方法。
  16. 工程(a)を乾式含浸によって実施することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項1〜14のいずれかに記載の材料又は請求項15若しくは16に記載の方法によって得ることができる材料上に触媒種を含有させたことを特徴とする触媒。
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