JP2005520556A - Dnaのメチル化の解析方法及び装置 - Google Patents

Dnaのメチル化の解析方法及び装置 Download PDF

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Abstract

増幅配列内にゲノムDNAのシトシンのメチル化パターンが保存される、以下の工程を含むゲノムDNAの増幅方法。
(A)ゲノムDNAを変性を起こす温度に加熱する。
(B)プライマーをDNAにアニーリングするために、1本鎖オリゴヌクレオチドの存在下、変性DNAを冷却する。
(C)プライマーを伸長させる温度に、ポリメラーゼ及びヌクレオチドの存在下、該混合物を加熱する。
(D)合成鎖のCpGジヌクレオチドが、鋳型鎖上の相当するCpGジヌクレオチドのメチル化状態に基づいてメチル化され、それによりゲノムメチル化パターンが保存されるように、合成鎖のメチル化を誘導する条件下で、2本鎖核酸とメチルトランスフェラーゼ及びメチルドナー分子を接触させる。
(E)所望する数の核酸に達するまで、(A)−(D)の工程を所望の回数だけ繰り返す。

Description

ゲノムDNAのメチル化の解析は、ますます重要性が増大している。異常なゲノムのメチル化パターンは、癌を含めて、広い範囲の疾病状態に関係していることが明らかになっている。PCR及びシーケンシングのような通常の技術は、5−メチルシトシンと非メチル化シトシンとを区別することができないため、DNAのメチル化の解析には、DNAのメチル化の検出に有効ないろいろなツールの開発が必要である。
ゲノムDNAの最も一般的な共有結合性の修飾は、シトシンの5−メチルシトシンへのメチル化である。真核細胞系では、メチル化の大部分は、細胞周期のS期で起こっている。成長する間に確立された複雑な組織特異的メチル化パターンは、維持メチルトランスフェラーゼの作用によって、新たに複製されたDNAに保存される。この酵素は、半保存的に複製されたゲノムDNAをメチル化する作用がある。
メチル転移反応は、トランスフェラーゼのヘミメチル化DNA鎖への非特異的な結合、標的塩基の確認、それに続いて起こるメチルドナー群、最も一般的にはS−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)の活性部位への供給を経て進行する。
DNAメチルトランスフェラーゼ(m5C Mtase)は、メチル基を5位の炭素に結合させる。その反応は、該酵素と塩基間の共有結合性中間体を介して行われ、標的のシトシンは180度フリップする。また、メチルトランスフェラーゼ依存性のシトシンメチル化の機構については、例えば、Cheng及びRobertsの‘AdoMet−dependant methylation、DNA methyltransferases and base flipping’ Nucleic Acids Res. 15; 29(18): 3784−95のような記事において、総説が書かれている。
いくつかの種類のメチルトランスフェラーゼが確認されているが、本発明にとって特に興味があるのは、Dnmt1のように、ヘミメチル化DNAのメチル化パターンを非メチル化鎖内に伝える維持メチルトランスフェラーゼのファミリーである。DNMT1のin vitroでの作用機構は、Pradhan、S.Bacolla、A.、Wells、R.D.、Roberts、R.J..‘Recombinant Human DNA (Cytosine−5) Methyltransferase.I.Expression、Purification and comparison of de novo and maintenance methylation.’J.Biol.Chem.274: 33002−33010 and Bacolla A,Pradhan S,Roberts RJ,Wells R D.‘Recombinant human DNA (Cytosine−5) methyltransferase.II.Steady−state kinetics reveal allosteric activation by methylated DNA’ J.Biol.Chem.12; 274(46): 33011−9 で十分に論じられている。
シトシンのメチル化は、遺伝子の発現及び調節に重要な役割を果たし、また、正常な細胞機能の維持の点で非常に重要であることが示されている。それは遺伝子のインプリンティング、胚の成長、及び癌を含む広い範囲の疾病に関係している。
例えば、CpGアイランドの異常なDNAメチル化は、広範囲の遺伝子の阻害あるいは過剰発現となるヒトの悪性腫瘍において共通している(Jones、P. A. Cancer Res 65 : 2463−2467、1996)。異常なDNAメチル化は、ある種の腫瘍に対して、遺伝子のイントロン部分及びコード部分のCpGが多い調節領域にて起こることが示されている(Chan、M. F.、et al.、Curr Top Microbiol Immunol 249 : 75−86、2000)。RLGS法(Restriction Landmark Genomic Scanning)を利用して、Costelloと共同者は、メチル化パターンが腫瘍のタイプに特異的であることを示すことに成功した(Costello、J. F.、et al.、Nat Genet 24 : 132−138、2000)。また、非常に特徴的なDNAメチル化パターンが、乳癌系に対して示すことができた(Huang、T. H. M.、et al.、Hum Mol Genet 8 : 459−470、1999)。ゲノムのメチル化状態の広範な評価は、癌組織の分子フィンガープリントを表す。
したがって、ゲノムDNAのメチル化パターン解析は、非常に重要であることが理解される。しかしながら、5−メチルシトシンの解析は、現在、標準的な分子生物学的ツールを用いて行うことができない。5−メチルシトシンは、非メチル化シトシンと同じ塩基対挙動をするため、シーケンシングで確認することができない。その上、5−メチルシトシンによってもたらされるエピジェネティック情報は、PCR増幅の間に完全に失われる。最近の解析方法は、通常、2つの方法のうち、1つを用いて行う。第1は、メチル化感受性制限酵素による消化、第2は、PCR解析を伴う、より用途の広い重亜硫酸塩処理の技術である。
アルカリ加水分解の前に行われる重亜硫酸塩処理は、核酸サンプル中のシトシンをウラシルに変換する。その処理は、5−メチルシトシンを変換しないという点で非常に特異的である。したがって、処理DNAのPCR増幅は、チミンが元のゲノム配列内にある非メチル化シトシンで置換された増幅核酸を合成することになる。重亜硫酸塩処理は、しばしば微量のゲノムDNAで行われ、取扱いの間に該DNAを失うおそれがある。前記技術の感受性は、DNAを包埋し、それによってDNAの拡散と再生を防止するアガロースマトリックスの使用により改良されている(重亜硫酸塩は、1本鎖DNAとのみ反応する)。また、それは全ての沈降及び精製工程を高速透析に代える(Olek A、Oswald J、Walter J、A modified and improved method for bisulphite based cytosine methylation analysis. Nucleic Acids Res. 1996 Dec 15; 24(24): 5064−6)。
実際には、重亜硫酸塩処理の利用は、しばしば少量のサンプルに対する技術の感受性によって制限される。その上、DNAの喪失を抑制するためのアガロース工程は、技術の自動化に対する適合性を減少させる。
特異的なDNA標的物を増幅する方法は、ポリメラーゼによる鋳型指向性プライマー伸長に基づいている。これらの方法のうち、最も広く利用されているのは、ポリメラーゼ連鎖反応‘PCR’である(Mullis、K. et al. 、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 51: 263−273 (1986); Erlich H. et al. 、EP 50,424; EP 84,796、EP 258,017、EP 237,362 ; Mullis、K. 、EP 201,184; Mullis、K. et al. 、U.S. Pat. No. 4,683,202; Erlich、H. 、U.S. Pat. No. 4,582,788; Saiki、R . et al. 、U.S. Pat. No. 4,683,194 and Higuchi、R. "PCR Technology、" Erlich、H. (ed.) 、Stockton Press、NY、1989、pp 61−68)。
ポリメラーゼ連鎖反応においては、変性の連続サイクルに引き続いて、アニーリング及び重合が行われる。最初の工程では、DNAの二重らせんは、短時間加熱により変性される。この後、2種のプライマー、すなわち、DNAの各鎖に1つのプライマー、を用いてアニーリングする。次に、アニーリングしたプライマーは、ポリメラーゼを用いて伸長される。その結果生じた2本鎖は、その後変性される。その各鎖は、鋳型指向性プライマー伸長の別のサイクルにおいて鋳型の役目を果たす。
ポリメラーゼ連鎖反応(以後、PCR)は、最も一般的には、小型でプラスチックのマイクロ遠心管状体あるいは試験管状体のような使い捨て反応管状体で行われ、これらは熱的にコントロールされた熱交換機を含む器具に配置される。これらの器具の例は、米国特許5,038,852号、1991年6月3日に出願された米国出願07/709,374号、及び1992年4月20日に出願された米国出願07/871,264号に開示されている。キャピラリー管状体で反応を行う、核酸をPCR解析するための他の装置は、米国特許5,779,977号に記載されている。
これらの装置の熱交換機は、金属ブロックが典型的であるが、熱気オーブンや水浴も使用されている。反応管状体内における反応混合物の温度は、混合物内で変性、アニーリング及び伸長反応を起こすために、周期的な形で変化する。最初の世代のPCR熱サイクルアプリケーションでは、3つの異なるインキュベーション温度が一般に用いられた。それらは典型的には、変性が約94℃、アニーリングが約55℃、伸長が約72℃であった。より最近では、アニーリングと伸長インキュベーションは、しばしば2つの温度のインキュベーション工程となるように組合され、典型的には、変性が約94℃、アニーリングと伸長インキュベーションは、約50〜65℃である。しかしながら、標的物とプライマーのオリゴヌクレオチドによって、最適なインキュベーション温度と回数は異なる。
本発明は、核酸のメチル化パターンが増幅配列中に保存される、核酸の酵素的増幅の方法及び装置に関する。本方法は、さらなるメチル化工程が行われ、それによりゲノムDNAの複雑なメチル化パターンが増幅核酸に保存されるという点で、基本的なポリメラーゼ連鎖反応に対して、いくつかの改良点を示す。ポリメラーゼ連鎖反応の各サイクルに続いて、ヘミメチル化核酸を維持メチルトランスフェラーゼと接触させ、それにより核酸の非メチル化鎖をメチル化する。維持メチルトランスフェラーゼによるヘミメチル化核酸のメチル化で、核酸の鋳型鎖内のCpGジヌクレオチドの特異的なメチル化パターンが非メチル化鎖で複製される。記載された本発明によって、増幅された核酸内の複雑なゲノムメチル化パターンの保存が可能となる。
核酸増幅物内の複雑なメチル化パターンが維持されることにより、いろいろなメチル化特異的技術を用いて、サンプルを解析することができるようになる。重亜硫酸塩化解析及びメチル化感受性制限酵素消化を含むそのような技術は、以前は、制限された量のDNAサンプルの使用及び/又はポリメラーゼ連鎖反応を組み合わせて行われた。
定義
本明細書で使用される以下の用語及び語句は、以下に記載する意味を有することを意図している。
本発明の文脈においては、用語‘メチル化パターン’は、核酸配列内の5−メチルシトシンの特異的連続列を意味する。
本発明の文脈においては、用語‘鋳型核酸’は、プライマーオリゴヌクレオチドから核酸を合成するための鋳型としての役割を果たす1本鎖の核酸を意味する。
本発明の文脈においては、用語‘合成核酸’は、鋳型指向性プライマー伸長反応の産物である核酸を意味する。
本発明は、核酸のメチル化パターン保存酵素的増幅の方法及び装置を含む。本方法はポリメラーゼ連鎖反応の変形を含み、該反応の各サイクルの間、付加的なメチル化工程により増幅核酸のゲノムDNAサンプル内に存在する複雑なメチル化パターンを複製する。本方法は4つの工程を含み、そのうち最初の3つの工程は、例えば、米国特許番号4,683,195号、4,683,202号、及び4,800,159号により公知である。第4の工程は新規なメチル化保存工程である。
本発明の1つの目的は、増幅配列内にゲノムDNAのシトシンのメチル化パターンが保存される、ゲノムDNAの増幅方法を提供することである。該方法は、以下の工程を含む。
(A)ゲノムDNAを変性を起こす温度に加熱する。
(B)プライマーをDNAにアニーリングするために、1本鎖オリゴヌクレオチドの存在下、変性DNAを冷却する。
(C)プライマーを伸長させる温度に、ポリメラーゼ及びヌクレオチドの存在下、該混合物を加熱する。
(D)合成鎖のCpGジヌクレオチドが、鋳型鎖上の相当するCpGジヌクレオチドのメチル化状態に基づいてメチル化され、それによりゲノムメチル化パターンが保存されるように、合成鎖のメチル化を誘導する条件下で、2本鎖核酸とメチルトランスフェラーゼ及びメチルドナー分子を接触させる。
(E)所望する数の核酸に達するまで、(A)−(D)の工程を所望の回数だけ繰り返す。
本発明の好ましい態様では、メチルトランスフェラーゼは、維持メチルトランスフェラーゼである。さらに好ましい態様では、メチルトランスフェラーゼは、DNA(シトシン−5)メチルトランスフェラーゼ(DNMT1)である。
本発明においては、メチルドナー分子は、S−アデノシルメチオニンであることが好ましい。
本発明においては、合成された核酸鎖に組み込まれ、検出することができるラベルをメチル基が備えていることが好ましい。
本発明のさらなる好ましい態様は、プライマーオリゴヌクレオチドが固体表面に固定されているものである。
メチルトランスフェラーゼは、固体表面に固定されていることも好ましい。
本発明においては、ポリメラーゼが固体表面に固定されていることも好ましい。
本発明の他の好ましい態様では、メチル化及び非メチル化シトシン塩基を区別することができる試薬を用いて処理する工程(F)を含める。ここでは、該試薬は、メチル化感受性制限酵素であることが好ましい。本発明においては、該試薬は、特に重亜硫酸塩溶液であることが好ましい。
本発明の他の目的は、請求項1に記載された核酸のメチル化パターン保存増幅のための装置であり、該装置は、2又はそれ以上の反応チャンバー、隣接するチャンバー間及び第1と最後の反応チャンバー間における流体の流れを確保するチャンネル手段、各反応チャンバーの温度を調節するための温度調節手段を含むことが好ましい。
本発明においては、核酸のメチル化パターン保存増幅装置は、2つの容器、反応チャンバー、反応チャンバーの温度を調節するための温度調節手段、第1と第2の容器から反応チャンバーに液状の試薬を送るための手段、隣接するチャンバー間及び第1と最後の反応チャンバー間における流体の流れを確保するチャンネル手段を含む。
本発明の目的は、本発明の装置を選択的に使用して、本発明の方法によって得られる核酸の提供である。
本発明のさらなる目的は、本発明の装置を選択的に使用した、本発明の方法に係るメチル化核酸の製造方法の提供である。
本発明の方法の詳細は以下のとおりである。
上記方法の最初の工程(以後、工程Aという)においては、サンプルDNAを熱変性して、解析で使用する1本鎖DNAを調製する。その際、好適な溶融温度は、配列体中のGC含有量及び配列体の長さなどの変数に依存するが、一般には95℃以上で15秒から2分間である。第2の工程(以後、工程Bという)においては、オリゴヌクレオチドプライマーを、GC含有量及びプライマーの長さに依存する低温(通常は40℃と60℃の間で30〜60秒間)で鋳型配列体とアニーリングする。オリゴヌクレオチドは、1本鎖DNA(以後、鋳型鎖という)と安定な結合体(‘アニール’)を形成することができ、このように、DNAポリメラーゼによる核酸合成のためのプライマーとしての役割を果たす。第3の工程(以後、工程Cという)においては、鋳型に対応した核酸鎖を、ポリメラーゼ及びデオキシヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)を用いて、プライマーオリゴヌクレオチドから合成する。その場合の温度はポリメラーゼにとって最適な温度にする。それは一般に使用されている熱安定性ポリメラーゼでは約74℃であり、そうするとプライマー伸長が約1〜2分間続く。これらの工程は、全てポリメラーゼ連鎖反応に共通している。反応は、標的DNAのサンプル、熱安定性DNAポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドプライマー、オキシヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)、反応バッファー、マグネシウム及び選択的添加物を含む混合物中で起こる。反応温度及び回数は、例えば、GC含有量及び配列体とプライマーの長さなどの要因によって最適化する必要がある。
酵素による増幅の後、鋳型鎖内のCpGジヌクレオチドのメチル化状態に応じて、得られたヘミメチル化核酸を酵素でメチル化する。該酵素はヘミメチル化核酸に対して親和性を有する維持メチルトランスフェラーゼとすべきである。
上記工程は、ユーザーが決めた回数を行う。工程A−Dの各繰り返しによって、サンプル内の核酸分子の数が2倍となる。合成された核酸の量が指数的に増加することにより、他のメチル化特異的解析技術、例えば、非常に高い有効性をもつメチル化感受性制限酵素解析及び重亜硫酸塩処理に使用する十分な量のメチル化核酸を産生することができる。
本方法の工程Dで使用するのに適したメチル化酵素は、鋳型鎖のCpGジヌクレオチド内にあるシトシンのメチル化状態に基づいて、相当するシトシンの5位をメチル化することができるものに限定される。鋳型鎖のCpG内のシトシンがメチル化されている場合、それがハイブリダイズする合成された鎖上の相当するCpGは、酵素の作用によりシトシンの5位でメチル化される。上記CpG内のシトシンが非メチル化である場合、合成された鎖上の相当するCpGは、非メチル化のままである。該反応は適当なバッファーと他の試薬と酵素供給者が推奨する反応条件を使用して行い、限定されないがS−アデノシルメチオニンのようなメチルドナー分子を使用することができる。さらに上記メチル基は、蛍光ラベル等の検出可能なラベルを有することができる。
上記酵素は、ヒト、マウス、組換え体等のあらゆる供給源からのものでよい。好ましい態様は、該酵素はDNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)である。さらに好ましい態様は、該メチルトランスフェラーゼを、固体表面に固定化する。
本発明は、さらに、DNA配列のメチル化保存増幅装置に関する。核酸のメチル化保存PCRの装置に関するいくつかの態様を述べている。この明細書に記載された全ての装置は、ユーザーが規定したプロトコールによってコントロールされ、プログラムコンピューターで実行される。コンピューターは、サンプルの取扱い、フロー、速度、圧力及び温度等、システムの全ての変数をコントロールすることができる。上記態様間の相違は、反応混合物の加熱及び冷却手段、及び試薬を接触させるために用いる代替手段が異なることに起因する。
上記装置の3つの態様を以下に記載する。
多重反応チャンバーメチル化保存PCR装置
メチル化保存PCR装置の最初の態様は、図1に示しており、該態様を以後装置1という。図示した態様は、4つのサーモスタットユニットを有している。各ユニットは、温度管理のための手段(1)、反応溶液を含む反応チャンバー(2)、該反応チャンバーを連結し、反応チャンバー間を反応溶液が通るための管状体手段(3)及び、さらに反応溶液に添加試薬を加えるための手段を有する。2つの反応チャンバーは、さらに、それぞれ、反応の工程C又はDを行うための酵素的手段を固定する固体支持体(4)を含んでいてもよい。さらに、好ましい態様においては、工程Cを行う反応チャンバーは、固体表面に固定されたポリメラーゼを含まず、ポリメラーゼは反応溶液の成分とする。反応チャンバーは、それぞれ、各チャンバー間を反応溶液が通ることができるように、管状体手段で連結する。該管状体を通る運搬は、ポンプ(6)、好ましくはペリスタルティックポンプ(peristaltic pump)によって行う。さらに、該管状体には反応溶液が確実に単一方向に流れるようにするためバルブを設ける。さらに、好ましい態様としては、ポンプのメカニズムを、プランジャー及びシリンジに似たシール装置とすることができる。該ポンプは、最初の変性反応が起こる第1の反応チャンバーに連結することができる。該ポンプのメカニズムは、PCRプロトコールを実行するようにプログラムされたコンピューターで管理する。該ポンプ又はプランジャーは、反応チャンバーに反応混合物を引き入れるために前後に作動させる。
第1の反応チャンバーでは、必要なバッファーと試薬を含んだ反応溶液中でメチル化核酸サンプルを熱変性する工程Aの反応を行う。該反応チャンバーは、終始一貫して好適な温度、通常85〜95℃の間に保つ。次いで、反応混合物は、工程Bの反応を行うために、第2の反応チャンバーに移動する。第2の反応チャンバーは、終始一貫して、標的DNAにプライマーオリゴヌクレオチドをアニーリングするのに好適な温度に保つ。上記温度はプライマーの組成に依存するが、一般的な概算値は、式Tm=81.5+16.6×(log10[Na+])+0.41(%G+C)−675/nを用いて計算しうる。式中、[Na+]はモル塩濃度、[K+]=[Na+]及び、n=オリゴヌクレオチドの塩基の数である。請求項1で述べた工程Bは、第2の反応チャンバーで行う。
プライマーオリゴヌクレオチドがアニーリングしたら、反応混合物を第3の反応チャンバーに移す。その温度は、本方法で使用するポリメラーゼの活性にとって適した温度に調整する。それは、通常使用されるTaqポリメラーゼの場合、74℃であろう。
Kim及びSmithiesが教示しているように(Nucleic Acids Research 16、8887−8903)、中間の“伸長”温度でのインキュベーションは不要である。そのため、2つの温度だけが必要であり、1つはアニーリングと伸長のための37〜72℃の範囲であり、もう1つは変性のための85〜98℃の範囲である。したがって、さらなる装置1の態様は、3つのチャンバーのみからなり、そこでは、チャンバー2及び3は1つのチャンバーで置き換えられ、該チャンバーはさらにポリメラーゼを固定する固体支持体を含む。
プライマー伸長に続いて、工程Dのために、反応混合物を第4の反応チャンバーに移す。該反応チャンバーは、さらにメチルトランスフェラーゼを固定化する固体相を有する。この段階では、メチルトランスフェラーゼ(例えば、S−アデノシルメチオニン)に必要な補因子を反応溶液に添加する。反応混合物は該反応チャンバーを通過させて、ヘミメチル化2本鎖核酸を、反応混合物内の全ての核酸をメチル化するのに十分なメチルトランスフェラーゼと接触させる。反応回数及び条件は、増幅核酸のCpG組成だけでなく、メチルトランスフェラーゼに基づいて計算し、最適化する。その後、反応溶液を第1の反応チャンバーに再び戻して、所望する量の増幅物が合成されるまで工程A−Dを繰り返す。
上記本発明で述べたサーモスタット手段は、最も簡単な形態としては、絶縁層で分離された2つの金属ブロック熱交換機を有する。該熱交換機は、サーモスタット的に調節された一定温度の流体槽のような他のタイプの熱交換機にすることもできる。各金属ブロック熱交換機は、その温度勾配を最小にするため、好ましくはアルミニウム又は他の熱伝導性の良好な金属で作製する。
各金属ブロックの温度は、あらゆる適当な温度調節システムによって、一定の温度に保つ。使用しうる好ましいプログラム調節システムは、米国特許No.5,038,852号、及び1992年4月20日に出願された米国特許出願No.07/871,264号に開示されている。
Peltier装置は、金属ブロックの温度を調節するのに理想的である。その理由は、これらの金属ブロック熱交換機は、それぞれ一定の温度に保たれるからである。ブロックが過熱した際にブロックから熱を放出させ、また、ブロックが過冷却した際に熱を付与することにより、上記ブロック温度を一定に維持するために、Peltier装置を通過するフローの方向を調節するには、好適な公知の温度感知及びフィードバック調節サーキット(示していない)が必要である。ブロックの所望する温度に応じて、他のあらゆる温度調節システム、例えば、レジスタンスヒーター及び/又は金属ブロックの通路を通って循環する蛇口からの水や冷蔵ユニットのフレオンを循環させて冷却させた抗凍結剤等の加熱/冷却流体もブロックに対して有効であろう。
サンプルの取扱い及びフロー、速度、圧力そして温度を含む反応条件は、全てコンピューター(5)により、ユーザーが規定したプロトコールに則って調節する。該コンピューターと該装置の構成部分との間の接続は線で図示している。
単一反応チャンバーメチル化保存PCR装置
メチル化保存PCR装置のさらなる態様(以後、装置2という)においては、本方法の全ての工程は1つの反応チャンバー内で行う。該装置はサーモサイクリング反応チャンバー(10)、操作の各工程に必要な試薬(8)を含む2つの容器(7)を有する。該反応チャンバーは上述した反応の工程A、B、C、及びDに適した温度間をサーモスタットで循環する。
上記態様では、該装置は2つの容器(7)と反応チャンバー(10)を有する。該容器は、それぞれ管状体手段(11)で反応チャンバーに連結し、反応溶液はポンプ(12)、好ましくはペリスタルティックポンプによって該管状体を通って移動させる。該管状体は、さらに反応溶液が確実に単一方向に流れるようにするためのバルブ(9)を設ける。第1の容器は、請求項1では、工程A−Cに必要な全ての試薬を含み、例えば限定されないが、dNTP、反応バッファー、及びポリメラーゼが挙げられる。第2の容器は、請求項1では、工程Dに必要な全ての試薬を含み、例えば、限定されないが、反応バッファー、メチルトランスフェラーゼ、及び補因子が挙げられる。該反応チャンバーは、固体表面(13)を含むサーモサイクリング容器であり、その固体表面では、本反応の工程Bに必要な過剰のプライマーオリゴヌクレオチドが固定化される。サンプルDNA及び第1の容器の試薬は、反応チャンバーに投入され、該反応チャンバーでは、変性、アニーリング、及び伸長工程(工程A−C)が行われる。固体表面に固定化されたプライマーオリゴヌクレオチドは、反応の第1サイクルの工程Bにおいて、ゲノムDNAにハイブリダイズする。本反応の工程Aで産生した1本鎖核酸分子はプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。伸長(工程C)、メチル化(工程D)及び変性(工程A)の後、1本鎖核酸分子は、該核酸が前サイクルでハイブリダイズしたプライマーオリゴヌクレオチドの近隣にある未利用のプライマーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。
伸長(工程C)の終了と同時及びメチル化反応(工程D)の前に、反応混合物は排水口(15)によって、反応チャンバーから流出させる。該排水口は、さらに図示したように、バルブ及びポンプ機構(12)を有する。第2の容器からの試薬は反応チャンバーに入り、ヘミメチル化核酸のメチル化が適当な条件下で行われる。次いで、該反応チャンバーから試薬が排出され、第1の容器からの試薬が反応チャンバーに入り、所望する量のメチル化核酸が合成されるまで、本反応の工程A−Dが再び進行する。
サンプルの取扱い、及びフロー、速度、圧力及び温度を含む反応条件は、全てユーザーが規定するプロトコールに基づき、コンピューター(14)で調節する。該コンピューターと該装置の構成部分との間の接続は線で図示している。
本発明の1つの態様においては(例えば、装置1)、工程C及びDで用いられるポリメラーゼ及びメチラーゼは固体支持体に固定化してもよい。さらなる態様においては(例えば、装置2)、本方法の工程Cで利用されるプライマーオリゴヌクレオチドは、固体支持体上に固定化することを要する。該固体支持体は、ビーズ、粒子、シート、ディップスティック、ロッド、膜、フィルター、繊維(光ファイバー、ガラス繊維等)及びこれらの類似物とすることができる。好ましくは、固体支持体をビーズとする。固体支持体の材料組成は、限定されないが、ポリスチレン、ニトロセルロース、プラスチック、ナイロン、ガラス、シリカ、金属、金属合金、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、架橋デキストラン及びそれらの組み合わせである。本発明で述べているように、サーモサイクリングの状態に耐えることができるように、固体支持体は熱安定性(例えば、100℃までの温度に耐え得る)であることが好ましい。好ましくは、固体支持体はオリゴヌクレオチドプライマーを付着させて修飾する。オリゴヌクレオチドの固定化方法は公知であり、光不安定基及び固定相化学の利用を含んでいる(米国特許5,744,305号)。酵素の固定化方法も公知であり、例えば、‘Immobilization of Enzymes and Cells' Bickerstaff and Walker, Humana Press 1996がある。
二重反応チャンバーメチル化保存PCR装置
メチル化保存PCR装置の第3の態様は、図3に示しており、該態様は以後装置3と称する。該装置の図示された態様は、2つの反応チャンバーを有する。第1の反応チャンバーは、サーモサイクリングユニット(16)、及び反応溶液を含む容器(17)を有する。反応の工程A−Cは、このチャンバーで行う。反応溶液は、本方法の工程Dが行われる管状体手段(19)を用いることによって、その後第1の反応チャンバーから第2の反応チャンバーに送られる。本反応の工程Dに必要な試薬は、容器(20)に充填され、該容器は反応チャンバー(18)に連結される。容器(20)からの試薬は、管状体手段(21)により容器(20)に送られる。ポンプ(22)は標準的な公知のものでよく、例えば、ペリスタルティックポンプが挙げられる。しかしながら、特に好ましくはシリンジポンプである。
サンプルの取扱い、及びフロー、速度、圧力及び温度を含む反応条件は、全てユーザーが規定するプロトコールに基づき、コンピューター(23)で調節される。該コンピューターと該装置の構成部分の接続は線で図示している。
核酸増幅技術において、使用に適したサーモサイクリングユニットは公知であり、商業的に利用できる。例えば、Perkins Elmer and Eppendorfのような製造業者がある。
図面
図1
図1は、多重反応チャンバーメチル化保存PCR装置を示す。
図2
図2は、単一反応チャンバーメチル化保存PCR装置を示す。
図3
図3は、二重反応チャンバーメチル化保存PCR装置を示す。
実施例
実施例1
商業的に利用できるPromega社のゲノムDNAを解析に使用する。GSTPiの調節領域にあるCpGに富んだフラグメントを解析に使用する。DNAは最初にCpG(非メチル化)内にある全てのシトシンの5位で、人工的にメチル化する。次いで、非メチル化DNAは、PCRの1ラウンドを利用して増幅する。次いで、得られた増幅物は2つのサンプルに分け、サンプルA(コントロールサンプル)は通常のPCRを利用して増幅する。サンプルBは開示された方法で増幅する。次いで、サンプルB内にあるメチル化されたCpG位置の存在を確認するために、2つのサンプルを比較する。比較は重亜硫酸塩処理と該処理した核酸の解析によって行う。
メチル化
試薬:
DNA
SssIメチラーゼ(濃度2ユニット/μl)
SAM(S−アデノシルメチオニン)
4.5μl Msslバッファー(NEBバッファーB+(10mM Tris−HCl 300mM NaCl、10 mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、1mM ジチオスレイトール、500μg/ml BSA、50%グリセロール(pH7.4、25℃)pH7.5;10mM MgCl2;0.1mg/ml BSA)
dd水(0.2μmフィルターオートクレーブ処理、DNase、RNase、プロテアーゼ、ホスファターゼフリー)
方法:
試薬を組み合わせ、37℃で16時間インキュベートする。その後、サンプルは冷蔵庫(4℃)に保管することができる。メチル化したDNAは制限酵素を用いて消化する。
PCR
試薬:
プライマーI:TTCGCTGGAGTTTCGCC
プライマーII:GCTTGGGGGAATAGGGAG
HotStart Taqポリメラーゼ(QIAGEN)
10×PCRバッファー(QIAGEN)
dNTP溶液(各25mM)
水(0.2μmフィルターオートクレーブ処理、DNase、RNase、プロテアーゼ、ホスファターゼフリー)
試薬は上記の順番で反応溶液中で組み合わせる。該反応溶液は、その後、次のようにして、サーモサイクラーでサイクル処理する。開始の変性を95℃で15分間行う。次いで、55℃で45秒間プライマーのアニーリングを行い、72℃で1.5分間伸長させる。次いで、得られた反応溶液は、2つの等しいサンプルA、Bに分け、各サンプルを以下のように処理する。
サンプルA
既に述べた標準的なPCRで処理する。反応は95℃で1分間、55℃で45秒間、40サイクル処理し、72℃で1.5分間伸長させる。
サンプルB
試薬:
ヒトDNA(5−シトシン)メチルトランスフェラーゼ(New England Biolabs)
Dnmt1反応バッファー(50mM TrisHCl pH7.8、1mM EDTA、1mM ジチオスレイトール、7μg/ml RMSF、5%グリセロール)
100μg/ml BSA
工程1〜4は40回繰り返す。
1.DNAを沈降させてペレット化し、Dnmt1反応バッファー、DNMT及びBSAを用いて再懸濁する。
2.反応溶液を37℃でインキュベートする。
3.DNAを沈降させてペレット化し、上記したPCR試薬を用いて再懸濁する。
4.PCRの1サイクルを95℃で1分間、55℃で45秒間行い、65℃で2分間伸長する。
サンプル解析
両方のサンプルのメチル化の相対的程度を確認するため、それらを解析する。第1の工程では、メチル化及び非メチル化シトシンを区別するため、2つのサンプルを処理する。該処理は重亜硫酸ナトリウム溶液を用いて行う。該処理により、5−メチルシトシンはシトシンとして保存しつつ、シトシンはチミンに変換する。それにより、サンプルAは、比較的シトシンに富むサンプルBに比べてチミンに富む。重亜硫酸処理に続いて、両方のサンプルをメチル化の程度(例えば、シトシンとチミンの相対的濃度)を確認するために、シーケンシングで解析する。シーケンシングは、ABI 310シーケンサー(Applied Biosystems)を用いるSanger法で行う。
図1は、多重反応チャンバーメチル化保存PCR装置を示す説明図である。 図2は、単一反応チャンバーメチル化保存PCR装置を示す説明図である。 図3は、二重反応チャンバーメチル化保存PCR装置を示す説明図である。
符号の説明
1 温度管理のための手段
2 反応チャンバー
3 管状体手段
4 固体支持体
5 コンピューター
6 ポンプ
7 容器
8 試薬
9 バルブ
10 反応チャンバー
11 管状体手段
12 ポンプ
13 固体表面
14 コンピューター
15 排水口
16 サーモサイクリングユニット
17 容器
18 反応チャンバー
19 管状体手段
20 容器
21 管状体手段
22 ポンプ
23 コンピューター

Claims (15)

  1. 増幅配列内にゲノムDNAのシトシンのメチル化パターンが保存される、以下の工程を含むゲノムDNAの増幅方法。
    (A)ゲノムDNAを変性を起こす温度に加熱する。
    (B)プライマーをDNAにアニーリングするために、1本鎖オリゴヌクレオチドの存在下、変性DNAを冷却する。
    (C)プライマーを伸長させる温度に、ポリメラーゼ及びヌクレオチドの存在下、該混合物を加熱する。
    (D)合成鎖のCpGジヌクレオチドが、鋳型鎖上の相当するCpGジヌクレオチドのメチル化状態に基づいてメチル化され、それによりゲノムメチル化パターンが保存されるように、合成鎖のメチル化を誘導する条件下で、2本鎖核酸とメチルトランスフェラーゼ及びメチルドナー分子を接触させる。
    (E)所望する数の核酸に達するまで、(A)−(D)の工程を所望の回数だけ繰り返す。
  2. メチルトランスフェラーゼは、維持メチルトランスフェラーゼである請求項1記載の方法。
  3. メチルトランスフェラーゼは、DNA(シトシン−5)メチルトランスフェラーゼ(DNMT1)である請求項1記載の方法。
  4. メチルドナー分子は、S−アデノシルメチオニンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 合成された核酸鎖に組み込まれ、検出することができるラベルをメチル基が備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. プライマーオリゴヌクレオチドが固体表面に固定されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. メチルトランスフェラーゼが固体表面に固定されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. ポリメラーゼが固体表面に固定されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  9. メチル化及び非メチル化シトシン塩基を区別することができる試薬を用いて処理する工程(F)をさらに含める請求項1に記載の方法。
  10. 試薬がメチル化感受性制限酵素である請求項9に記載の方法。
  11. 試薬が重亜硫酸塩溶液である請求項9に記載の方法。
  12. 2又はそれ以上の反応チャンバー、隣接するチャンバー間及び第1と最後の反応チャンバー間における流体の流れを確保するチャンネル手段、各反応チャンバーの温度を調節するための温度調節手段を含む請求項1に記載された核酸のメチル化パターン保存増幅のための装置。
  13. 2つの容器、反応チャンバー、反応チャンバーの温度を調節するための温度調節手段、第1と第2の容器から反応チャンバーに液状の試薬を送るための手段、隣接するチャンバー間及び第1と最後の反応チャンバー間における流体の流れを確保するチャンネル手段を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載された核酸のメチル化パターン保存増幅のための装置。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載された方法によって得られる核酸。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載された方法を用いて、メチル化核酸を製造する方法。
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