JP2005520357A - 半導体ウェハを研磨するためのマルチボリューム隔壁を有するキャリヤと研磨方法 - Google Patents
半導体ウェハを研磨するためのマルチボリューム隔壁を有するキャリヤと研磨方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005520357A JP2005520357A JP2004529013A JP2004529013A JP2005520357A JP 2005520357 A JP2005520357 A JP 2005520357A JP 2004529013 A JP2004529013 A JP 2004529013A JP 2004529013 A JP2004529013 A JP 2004529013A JP 2005520357 A JP2005520357 A JP 2005520357A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carrier
- partition
- gap
- workpiece
- rigid plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B24—GRINDING; POLISHING
- B24B—MACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
- B24B37/00—Lapping machines or devices; Accessories
- B24B37/27—Work carriers
- B24B37/30—Work carriers for single side lapping of plane surfaces
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
半導体ウェハ(56、124)の表面を研磨する装置(10)のキャリヤを提供する。好適実施例では、キャリヤには、ウェハの裏面に接触するための面を有する加圧可能な空隙(50、52)を形成する、柔軟な材料から製造された1つまたは複数の隔壁(40、42)に接続された剛体板(34)が含まれる。隔壁の空隙を選択的に加圧するのに、複数のコンジット(28a、28c)が採用される。キャリヤヘッドには、ある隔壁の一部と他の隔壁の一部および半導体ウェハの間に形成される隔壁間空隙(54)を設けることができる。隔壁間空隙には、加圧流体供給源または真空圧供給を選択的に隔壁間空隙に接続するために使用される、専用のコンジット(28b)が接続されている。動作中、一つまたは複数の空隙を通じてウェハをチャック(90)する目的および研磨中に空隙を加圧(96)する目的で、圧力および/または真空圧が加えられる。
Description
【0001】
【背景技術】
本発明は、半導体処理装置に関し、特に化学機械平坦化処理(Chemical-mechanical Planarization)中に、半導体ウェハを保持するためのキャリヤに関する。
【0002】
半導体ウェハは、半導体ウェハ上に電気回路を形成するプロセスの各工程を実行する前に滑らかで平坦な仕上がり面が得られるように、平坦化または研磨される。この研磨は、キャリヤにウェハを固定し、キャリヤを回転させ、回転しているウェハに回転している研磨パッドを接触させることによって達成される。この研磨処理に使用されるウェハキャリヤには非常に多くの種類がある。一般的な型式のキャリヤは、モーターによって回転するシャフトにしっかりと固定される。通常、液体中に研磨剤が懸濁している、液状(wet)研磨スラリーが、研磨パッドに塗布される。研磨処理中に、下向きの研磨圧力が、回転しているウェハと回転している研磨パッド間に加えられる。このようなシステムの場合、半導体ウェハ面を適正に研磨するためには、ウェハキャリヤと研磨パッドが完全に平行に整合していなければならない。
【0003】
通例、ウェハキャリヤは、ウェハの研磨される表面と反対側にあるウェハの表面にはぴったり合わない、固くて平坦な面であった。したがってキャリヤプレートは、ウェハの全領域に渡って均一な研磨圧を加えることができず、特にウェハの縁(エッジ)部ではそれが顕著であった。この問題を解決しようとする試みとして、多くの場合、固いキャリヤプレートを柔らかいキャリヤフィルムで覆う方法が取られていた。このようなフィルムを使用する目的は、均一な研磨を行うのに役立つよう、ウェハの裏面に対して均一な圧力を伝達することにあった。このフィルムは、キャリヤプレートとウェハの裏面との間における面の凸凹を補正するだけでなく、ウェハ面上の多少の汚れもなめらかにすると考えられていた。このような汚れがある場合、キャリヤフィルムで覆わないと、高い加圧域が生じる可能性があった。残念なことに、フィルムは柔軟性が限られており、部分的にしか効果をあげることができず、さらに繰り返し使用した後では“ゆがむ”傾向にあった。特に、このようなゆがみは、半導体ウェハの縁(エッジ)部でよりひどくなる傾向にある。
【0004】
米国特許出願5、762、544で公開されているウェハキャリヤは、多数の先行ウェハキャリヤ設計に関連付けられる別の問題を象徴するものである。米国特許出願5、762、544は、研磨中にキャリヤベース面を半導体ウェハ面と平行に保つことを目的とした、ジンバル機構を通じてシャフトに結合された平坦な剛性キャリヤベースの使用法を開示している。通常、このような構成によって、半導体ウェハ全面に同じ圧力が加えられる。したがって、シャフトを通じてキャリヤベースに伝達される力を変えると、半導体ウェハの全面に加えられる圧力も変わってしまう。
【0005】
米国特許出願5、762、544で開示されているウェハキャリヤと同様のウェハキャリヤを使用する際に生じる問題は、見かけ上均一な圧力がウェハ面に加えられているにもかかわらず、一部の平坦化方法では、ウェハ周辺付近、回路を蒸着する表面上に、一つ以上の環状のくぼみが生じてしまうとうことである。回路を蒸着するときには、事実上、ウェハ面の十分に滑らかでしかも平坦な部分だけしか使用することができない。したがって、この環状のくぼみは半導体ウェハの利用可能な領域を狭めている。
【0006】
米国特許出願5、762、539で開示されているような、他のウェハキャリヤの設計では、上記環状のくぼみなど、不均一な除去パターンを補正しようとする試みとして、半導体ウェハの裏面に複数の加圧域をもたらす手段を採用している。具体的には、米国特許出願5、762、539で公開されているキャリヤは、独立して加圧可能な複数の内部チャンバーを備えるトッププレートを持つ。複数の穴がトッププレートとトッププレートの底面に接触しているパッドを貫通している。トッププレートの個々のチャンバーを異なる圧力レベルで加圧することによって、パッドに接触するウェハ面全体に渡って様々な圧力分布を実現することができる。ただし、ウェハの裏面に渡って、同じ圧力が加えられる個別の複数の加圧域を実現できるほど、圧力分布を十分に制御できるわけではない。それは、トッププレートの小さな穴を通じてウェハの裏面に加圧流体が直接供与されるが、この加圧流体は実質的にはウェハの裏面を自由に移動できるという理由による。このように、ウェハの裏面の一領域に供与される加圧流体は、異なる圧力で加圧流体が供給されるウェハの裏面の隣接領域に進入する。したがって、ウェハの指定された、異なるセクションに供給される圧力を制御する能力が制限されるため、予測される除去の問題を補正するための設計能力も制限されることになる。
【0007】
したがって、研磨工程で、半導体ウェハの裏面全体に渡って複数の加圧域を設けるための制御を可能にするキャリヤを設計手法が求められていた。
【0008】
【発明の簡単な説明】
本発明は、一般に、半導体ウェハを研磨するための改良されたウェハキャリヤを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、希望に応じて、半導体ウェハの全領域に渡って均一な圧力を加えるウェハキャリヤを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、周囲に生じる環状のくぼみや、通常中心低速(センタースロー)の問題と呼ばれている中心に局在する隆起などの予測されるやっかいな除去パターンを補正するため、半導体ウェハの全領域に対し不均一ではあるが、制御された圧力を加えるウェハキャリヤを提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、半導体ウェハの裏面に接触し、その裏面の凸凹にぴったり合うキャリヤ面を提供することにある。このキャリヤ面は、半導体ウェハの裏面に存在する小さな凸凹ともぴったり合うことが好ましい。
【0012】
これらの目的および他の目的は、主表面を有する剛体板(リジッドプレート)を含む加工物の表面の化学機械的平坦化を行なう装置のためのキャリヤによって達成される。このキャリヤは、加工物の第一面部分と接触する第一セクションを持つ柔らかく柔軟な材料で製造された第一隔壁(ダイアフラム)を持つ。第一隔壁は、剛体板に接続され、少なくとも主表面の第一部分に渡って延びているので、それらの間に第一の空隙(キャビティ)が形成される。
【0013】
キャリヤには、加工物の第二面部分と接触する第二のセクションを持つ柔らかく柔軟な材料で製造された第二隔壁(ダイアフラム)が備わっている。この第二隔壁は剛体板に接続され、少なくとも主表面の第二部分に渡って延びているので、それらの間に第二空隙(キャビティ)が形成される。これら空隙のうちの一つまたは複数に接続されている複数の流体コンジットが、気体などの加圧流体を供給する。
【0014】
希望に応じて、同じ圧力または異なる圧力に空隙を加圧することによって、加工物の面上に、均一な圧力分布あるいは制御された不均一な圧力分布をそれぞれ加えることができる。
【0015】
さらに、隔壁はポリウレタンや、ニトリルゴムまたはブチルゴムなどの柔らかい、柔軟な材料で製造されているので、加工物の裏面と接触する隔壁は裏面の凸凹とぴったり合う。
【0016】
本発明の装置の好適実施例においては、それぞれ関連する空隙と隔壁間空隙を有する二種類の隔壁だけが含まれている。ただし、一般には、それぞれの空隙と隔壁間空隙を有する、所望する数の隔壁を導入してもよい。さらに、隔壁の数とは関係なく、これらの隔壁は互いに接続された独立した隔壁であってもよいし、所望の数の独立した空隙を有する一体型隔壁であってもよい。
【0017】
本発明の他の実施例では、キャリヤは、内部に複数の空隙が形成される主表面を有する剛体板、この主表面の一部に接合および接触している柔軟な材料から製造された隔壁、この隔壁の下面に接合および接触している第一部材、隔壁の下面に接合および接触している第二部材および、気体などの加圧流体供給源を少なくとも空隙の一つに接続するための複数の流体コンジットを有している。先行技術によるキャリヤの実施例の場合に見られるように、この後者の実施例におけるキャリヤ空隙の適切な加圧により、加工物の研磨工程で、別の方法では不均一となる除去速度を補正することができる。
【0018】
本発明は、加工物面における不均一な除去速度を補正するための、加工物面の化学機械的平坦化を制御するための方法において、主表面を有する剛体板を提供する工程と、前記加工物面の反対側に配置された前記加工物の第一面部分に第一隔壁の第一セクションが接触可能なように、柔軟な材料で製造された第一隔壁と前記剛体板の主表面の第一部分とによって形成される第一の空隙を加圧する工程と、前記加工物面の反対側に配置された前記加工物の第二面部分に第二隔壁の第二セクションが接触可能なように、柔軟な材料で製造された第二隔壁と前記剛体板の主表面の第二の部分とによって形成される第二の空隙を加圧する工程と、不均一な除去速度を補正することを目的として前記空隙の加圧を選択する工程と、前記加工物面を研磨するための工程とを実行する方法を提供する。
【0019】
研磨工程では、空隙は気体などの流体によって加圧され、それによって隔壁は隣接した研磨パッドに加工物を押し込むように加工物に力を加える。隔壁は、薄くて柔らかい、極めて柔軟性の高い材料で製造されているため、隔壁は研磨する面と反対側の加工物の裏面にぴったり合う。加工物面における小さな変形にもぴったり合うことにより、隔壁が加工物の裏面全体に均一に圧力を加えるので、均一な研磨を行うことができる。
【0020】
本発明のこれらの目的や他の目的、特徴および態様は、以下の説明から明らかとなろう。説明の一部を構成し、本発明の好適な実施例を表している附属の図面を参照しながら、説明を行う。このような実施例は、必ずしも本発明の全範囲を表しているわけではないので、本発明の範囲を解釈するには、本願記載の各請求項を参照するべきである。
【0021】
【好適実施例の詳細な説明】
次に、図面を参照して、具体的には図1を参照すると、本発明の好適な実施例である研磨装置10が直径方向に沿った分解断面図で示されている。各図を通じて類似の参照符号は互いに対応する要素を表わす。この好適な実施例では、装置10は、半導体ウェハのおもての面を平坦化または研磨するのに使用される。ただし、装置10は、能動デバイスまたは回路を有するまたは有しないベアシリコン半導体基板およびその他の半導体基板などの半導体ウェハ、および半加工のウェハ、シリコンオンインシュレータ、ハイブリッドアセンブリ、フラットパネルディスプレイ、マイクロエレクトロメカニカルセンサ(MEMS)、MEMSウェハ、コンピュータハードディスクまたは平坦化による恩恵を得るその他の材料などを含む、“加工物”の研磨に使用することができる。
【0022】
装置10は、ジンバルアセンブリ(表示せず)によって回転ドライブ機構に接続される、スピンドルシャフト14に取り付けられたキャリヤ12を有する。スピンドルシャフト14の一端は、回転カプリング16に接続されている。回転カプリング16の型式は、ロータリーシステム部品番号202196として製造されている回転式カプリングなどのような、当業者によってよく知られている型式である。回転カプリング16によって、気体のような加圧流体を回転カプリング16の供給側に固定された複数のコンジットを通じて伝達することが可能となり、さらに回転カプリング16のキャリヤ側への移動も可能となる。具体的には、細管(tubing)26a、26bおよび26cは固定されている。要素20は、加圧流体(気体など)または真空圧を提供する供給源を表す。要素22a、22bおよび22cは、流体(気体など)の加圧度か、または供与される真空圧の大きさを制御するレギュレーターを表している。
【0023】
部品番号IT2011−N32としてSMC Pneumatics、Inc.社によって製造されているレギュレーターのような圧力および真空レギュレーターが、当業者によく知られている。
【0024】
細管24a、24bおよび24cは、それぞれ加圧/真空源とレギュレータ22a、22bおよび22cの間を接続する。レギュレータ22a、22bおよび22cは、細管26a、26bおよび26cを介して回転カプリング16に接続される。細管26a、26bおよび26cは、それぞれ回転カプリング16を通じて、細管28a、28bおよび28cに接続されている。細管28a、28bおよび28cは、スピンドルシャフト14の内部空隙内に示されているが、細管28a、28bおよび28cは、スピンドルシャフト14内に配置される必要はない。細管28a、28bおよび28cは、それぞれ細管接続部30a、30bおよび30cに接続される。
【0025】
細管接続部30a、30bおよび30cは、剛体板34の上面36を貫通し、剛体板34の下面38まで流体が流れ込むことを可能にするので、加圧/真空源20から剛体板34の下面38までの間すべてにおける流体の流通が実現する。細管24a〜24c、26a〜26cおよび28a〜28cは柔軟かつ軽量であることが望ましいが、細管に用いられる材料としては様々な柔軟度と重量を持つものが使用可能である。このような細管は、当業者によく知られている。さらに、当業者によく知られている多種多様な型式の細管接続部が、細管接続部30a〜30cとして使用可能である。
【0026】
このように、複数のコンジットが、加圧/真空源20から剛体板34の主表面もしくは下面38まで伸びており、これらコンジットは“加圧された”液体または気体の供給源を空隙に提供する(以下を参照)。ただし、“加圧された”という用語は、絶対圧力を表すことを目的に使用されている。
【0027】
したがって、正の絶対圧とは、気体など、コンジット内の流体が加圧され、絶対圧力ゼロとはコンジットを通じて真空圧が提供されることを意味する。
【0028】
スピンドルシャフト14は、ステンレススチールなどの堅牢な剛体の材料から構成されていることが好ましい。しかし、堅牢で剛体、好適には軽量な材料であれば、スピンドルシャフト14に使用することができる。スピンドルシャフト14は、一端で回転カプリング16に接続され、他端で剛体板34に接続される。スピンドルシャフト14は、またジャーナル軸受け18によって支持されている。様々な異なる種類の接続形態が採用可能なので、スピンドルシャフト14の剛体板34に対する接続の形態は図示しない。上側セクション32a、中央セクション32bおよび下側セクション32cを有するカバーが提供されている。切削屑(debris)からスピンドルシャフト14、細管28a〜28cおよび細管取り付け部30a〜30cを保護するために、カバー32a〜32cは剛体板34上に接続される。カバー32a〜32cは、軽量の材料で製造されることが好ましく、当業者によく知られている様々な方法の一つで、剛体板34に接続される。
【0029】
図1の左から右にかけて図示されているように、剛体板34の下面38に注目すると、下面38には、ポジション38aと38bの間に環状のくぼみ(annular recess)があり、ポジション38cと38dの間に隆起した環状部分があり、ポジション38cと38dの間にもう一つの環状のくぼみがあり、ポジション38dによって囲まれた部分に隆起した円形部分がある。剛体板34は、ステンレススチールなどで製造されていることが好ましいが、要求に応じて堅牢な剛体の材料で代用してもよい。隔壁40は、剛体板34に結合している。隔壁40には、ポジション40aと40bとの間に、加工物(例えば、半導体ウェハ56、図2)の上面部分と接触する中心に配置されたセクションが含まれている。隔壁40の接触セクションは、実質的に円形である。隔壁40には、剛体板34との接続のためのリム40c、およびリム40cとポジション40aおよび40bで囲まれたウェハ接触セクションとの間に配置されたベロー(bellows)40dも有する。
【0030】
もう一つの隔壁42には、半導体ウェハ56の上面56uの表面部分と接触するセクションが含まれている。隔壁42のウェハ接触セクションは、ポジション42aと42bによって囲まれた環状領域を有する。隔壁42には、剛体板34との接続のための、内側リム42cと外側リム42dが含まれている。隔壁42には、隔壁のウェハ接触セクションとリム42cおよびリム42dとの間にベロー(bellows)42eも有する。隔壁40と42は共に、ポリウレタンなどの柔らかく柔軟な材料で製造されていることが好ましいが、隔壁40と42には、柔らかく柔軟でしかも実質的に薄い材料を使用してもよい。
【0031】
環状クランプ44は、ファスナー46(ネジやその他のコネクタなど)および対応するネジ山付き空隙51を使用して剛体板34に固定されているので、剛体板34の下面38にリム40cと42cとをしっかりと固定できる。同様に、耐摩耗リングリング48は、ファスナー49とネジ山付き空隙55を使用して、剛体板34の下面38に対し固定される。剛体板34に固定される際に、耐摩耗リング48は、隔壁42の外側リム42dを剛体板34の下面38に対して締めつける。隔壁42が適正な位置に取り付けられるよう、外側リム42dの突出リブが剛体板34の下面38に設けられたノッチ53に挿入される。このようにして、耐摩耗リング48は、外側リム42dを下面38に対し締めつける。
【0032】
図2は、本発明の好適な実施例に従った図1の研磨装置の直径方向に沿った全組立断面図である。図2は、加工物56(例えば半導体ウェハ)の裏面もしくは上面56uと接触している研磨装置を表している。加工物56は、研磨パッド(表示せず)と接触するように配置されたときに研磨される、おもて面または下面56lを有している。
【0033】
空隙50が、隔壁40と剛体板34の下面38との間に形成される。同様に、空隙52が、隔壁42と剛体板34の下面38との間に形成される。さらに、空隙54が、隔壁40の一部、隔壁42の一部および半導体ウェハ56の一部の間に形成される。空隙54は、“隔壁間空隙”と呼ばれる。
【0034】
空隙50は、一般には、円筒形をしており、空隙52と54は一般に環状をしており、空隙50と同心になるように配置される。
【0035】
図3は、本発明の好適な実施例に従ったキャリヤ12の一部を直径方法に沿って示した断面図である。キャリヤの一部分が、半導体ウェハ56の上面にぴったりと結合している隔壁セクションと一緒に図示されている。細管またはコンジット28a、28bおよび28cは、剛体板34を通じて、それぞれ対応する空隙52、54および50に加圧流体(例えば気体)または真空圧を供与する。
【0036】
隔壁40と剛体板34が空隙50を形成し、隔壁42と剛体板34が空隙52を形成する。隔壁間空隙54は、隔壁40および42の一部分と半導体ウェハ56の一部分とによって形成される。ここに図示されている隔壁間空隙54は、空隙54の側面の境界が隔壁40と42の一部分によって形成され、空隙54の上側の境界が剛体板34によって形成され、下側の境界が半導体ウェハ56によって形成される。この点においては、隔壁間空隙54の下側の境界のどの部分も、実質的に隔壁40および42によっては提供されない。隔壁40および42の接触セクションは、半導体ウェハ56の上面56u(図2)のわずかな変形にそれらがぴったり合うことによって、多少曲がったり斜めになったりしている。
【0037】
図4を参照すると、本発明の他の実施例に従った、キャリヤ12の一部分が直径方向に沿った断面図として図示されている。このキャリヤ12の一部分は、半導体ウェハ56の上面にぴったりと結合している隔壁セクションと一緒に図示されている。
【0038】
図4に示されているキャリヤ12は、図3に示されているキャリヤと実質的に類似している。キャリヤ12のこれら2つの態様間の唯一の相違点は、隔壁間空隙54の下側の境界が、部分的に隔壁40と42によって形成されているという点にある。図3では、隔壁間空隙54の下側の境界は、半導体ウェハ56だけから形成されている。
【0039】
図4のキャリヤ12で表されているもう一つの相違点は、隔壁40と42とに、各接触セクションを貫通する1つ以上の開口部58が設けられることである。1つ以上の開口部58は、空隙50、52および54に対応する接触セクションの1つまたは複数に配置することができる。図7に詳細に示されているように、開口部58は、研磨工程を実施する前に、半導体ウェハのチャッキングを可能にする。開口部58は、図4の空隙50、52および54のそれぞれに示されているが、開口部58をそれぞれの空隙に必ず設けなければいけないわけではない。
【0040】
図5を参照すると、本発明の別の実施例に従った一体型隔壁60の一部分が透視図として示されている。図に示されているように、隔壁60は、キャリヤの剛体板に接続されたときに複数の空隙を形成する。
【0041】
隔壁60は、隔壁40と42を組み合わせたときには、図1および図2の隔壁40および42と実質的に同じである。すなわち、隔壁40および42と隔壁60との間の唯一の相違点は、隔壁60が単一の、一体型隔壁を持つという点にある。したがって、隔壁60は、図1〜図4の各図に示されているように、キャリヤ12内で隔壁40および42の代わりに使用することができる。
【0042】
隔壁60は、ポジション64と66によって囲まれた中央の円形接触セクション62を有している。ベロー(bellows)部分68は、中央接触セクション62から上側に伸びている。環状接続セクション70には、剛体板34(図1)に隔壁60を固定するのに使用される開口部72が含まれている。開口部72の大部分は、剛体板34に隔壁60を固定するのに使用される。ただし、開口部72の少なくとも一つは、ベロー部分68と74との間に形成される隔壁間空隙54(図2)を加圧するのに使用される。
【0043】
環状接触セクション78は、ポジション80と82によって囲まれている。もう一つのベロー(bellows)部分76は、環状接触セクション78から上向きに伸びている。環状リム84と突出リブ部分86は、耐摩耗リング48(図1)と剛体板34との間で隔壁60を整合させ、しっかりと固定するのに使用される。空隙50(図2)は、ベロー68、中央接触セクション62および剛体板34の間に形成される。隔壁間空隙54(図2)は、ベロー部分68、ベロー部分74、環状接続セクション70およびウェハ56(図2)の間に形成される。空隙52(図2)は、環状接触セクション78、ベロー部分74と76および剛体板34の間に形成される。
【0044】
図6は、本発明のさらに別の実施例に従った、キャリヤに結合可能な複数の隔壁を示す簡略断面図である。異なる隔壁セクション40、42および88は、図1および図2に関して記述されている方法に類似した方法で、互いに結合させることができる。
【0045】
すでに述べたように、図1と図2に図示されている隔壁セクション40と42の結合から、独立して加圧可能な、3つの空隙50、52および54が形成される。図6は、結果として2つの追加の空隙(表示せず)が形成される、少なくとも1つの追加隔壁セクション88も採用可能であることを示している。これらの追加空隙は個別に加圧することができる。したがって、図1と図2の隔壁セクション40と42が半導体ウェハの中心領域および1つの環状領域に加えられる圧力を精密に制御できる場合には、追加隔壁セクション88の設置によって、ウェハの第二環状領域に加えられる圧力をさらに精密に制御することができる。研磨工程におけるこのような精密制御によって、2個またはそれ未満の隔壁セクションを含む実施例を用いた場合に比べて、より平坦なウェハ面を得ることができる。別の実施例として、もっと多くの隔壁セクションを採用することもできる。
【0046】
図7は、本発明の好適な実施例に従った、加工物を研磨するためにキャリヤを操作する方法のフローチャートを示す。ステップ90において、上記の剛体板を含むキャリヤを準備する工程から、当該方法が始まる。ステップ92で、半導体ウェハまたはその他の研磨される加工物がチャックにかけられる。これは、加工する1つまたは複数の半導体ウェハ56上にキャリヤ12を懸垂することによって達成される。キャリヤ12は、一番上のウェハ56の少し上の位置まで降下する。
【0047】
開口部58(図4)を隔壁40および42にまったく設定しない場合には、ウェハをチャックするのに隔壁間空隙54(図2)が使用される。
【0048】
したがって、隔壁間空隙54に結合されたコンジットが真空圧源に接続され、所望の場合には、空隙50と52(図2)に結合するコンジットをはじめに加圧して、隔壁40および42に対してチャックできるように、半導体ウェハ56に対するシーリングを助ける。あるいは、隔壁40および/または42に対して、1つまたは複数の開口部58(図4)を接触セクションを通じて設けてもよい。後者の場合、空隙50、52および54のどれか一つまたは複数を真空にして、半導体ウェハ56をチャックにかけることができる。
【0049】
次に、ステップ96で、キャリヤ12およびウェハ56を、研磨パッドおよびプラテン(表示せず)上に移動して、次にステップ98で、ウェハ56の下面56l(図2)が研磨パッドと接触するように降下させる。これ以降の研磨方法は、回転(rotational)、軌道(orbital)またはそれらの組み合わせなど、当業者によく知られた技術を使用することができる。
【0050】
ステップ99では、使用する研磨技術とは関係なく、ユーザは、半導体ウェハ56の全面に渡って均一な研磨圧を設定するために、空隙50〜54内の圧力を同じ圧力になるよう調整してもよい。あるいは、ユーザは、空隙50〜54(図2)内の圧力を異なるレベルに調整し、半導体ウェハ56の全面に渡って均一ではないが、制御された圧力分布を実現してもよい。
【0051】
この方法により、ユーザが均一な力分布を半導体ウェハ56の表面にかけた場合には、除去速度が低速になる区域に対する圧力分布を向上させることができる。例えば、業界内で既知の問題の一つは、“中心低速除去速度”と呼ばれている。研磨された半導体ウェハ56の中心低速除去速度は、半球状またはドーム状の隆起を有する、半導体ウェハ56の中心部分によって例証される。
【0052】
中心低速の問題を回避するためには、半導体ウェハ56の中心部分にもっと大きな圧力分布を供与することが効果的であろう。この実施例では、ユーザが、半導体ウェハ56の中心部分でもっと大きな力分布を実現するために、空隙52と54に加えられる圧力に比してより高い圧力を空隙50に加えることになろう。半導体ウェハ56の中心部分でもっと大きな圧力分布を実現することは、半導体ウェハ56のこの区域における高い除去速度が達成されることに等しい。したがって、さらに滑らかで平坦な加工面が、半導体ウェハ56の下面もしくは加工面56l(図2)で実現されるであろう。
【0053】
研磨が完了すると、この方法は終了する。この方法は、図1〜図6に示されている各実施例に適用可能であり、以下に説明する、図8〜図10の実施例に対しても、多少の変更を加えることで適用可能である。実施例によっては、本発明の特長を最適に達成するためには、加圧する空隙の数を変える必要があるであろう。
【0054】
図8は、本発明のさらに別の実施例に従った、キャリア100を表す直径方向に沿った全組立断面図である。図9および図10は、図8のキャリヤの一部分の直径方向に従った断面図である。
【0055】
図1〜図4に示されているキャリヤ12と同様、キャリヤ100も、半導体ウェハなどの加工物のおもて面の化学機械的平坦化を実施する装置の一部である。したがって、キャリヤ100は、もっと大きな平坦化装置の要素としては表示されていないものの、キャリヤ100が平坦化装置を構成する各種要素に結合されることがわかる(例えば、図1〜図2のスピンドルシャフト14、回転カプリング16など)。
【0056】
キャリヤ100は、上面102uと下面102lを有する剛体板102を含む。図8の左から右に示されているように、剛体板102の下面102lに注目すると、下側または主表面102lには、おおよそ平坦な外側環状領域103と下面102lに形成されている複数の空隙138、104および106がある。
【0057】
好適な実施例では、比較的小さな環状空隙138がOリングを保持している。他の実施例としては、環状空隙138は設けられない。さらに右の方に移動すると、大きな環状空隙104が下面102lに形成され、円筒形空隙106が環状空隙104に対して同心に配置されている。剛体板102は、ステンレススチールで製造されていることが好ましいが、任意の適切な強固な剛体材料で実現してもよい。
【0058】
剛体板102を、複数の流体コンジット108、110および112が貫通する。
【0059】
流体コンジット108、110および112は、コンジット108、110および112のいずれに対しても、真空圧または選択した圧力の流体(例えば気体)のどちらかを供給可能な独立した圧力供給源(表示せず)に結合されている。好適な実施例では、真空圧または流体(例えば気体)が、図1と図2に関連して記載されたものと同様の方法で供給される。流体コンジット108、112はそれぞれ空隙104、106と連通し、流体コンジット110は中間空隙140と連通している。
【0060】
図9にさらに簡単に示されているように、柔軟な材料から成る隔壁114は、板102の下面102lの特定部分102aに結合および接触している。隔壁114は、好適には、適切に柔軟な弾力性のある材料(例えばネオプレンなど)で製造された丸い部品を含んで構成される。
【0061】
図8に戻ると、耐摩耗リング116が、隔壁114の開口部(表示せず)を貫通するファスナー118(例えばネジやその他のコネクタなど)を用いて、隔壁114の上面を板102の下面102lの部分102aに対して締めつけている。耐摩耗リング116は、当業者によく知られているセラミックまたはプラスチック材料で製造されていることが好ましい。
【0062】
円筒形部材119は、、環状クランプ126および隔壁114の開口部(表示せず)を貫通するコネクタ128を用いて隔壁114の下面に結合されている。図9にさらに詳しく示されているように、環状クランプ126は、剛体板102の保持リップ129を受け入れる、隔壁114の上に配置されたノッチ127を含む。
【0063】
円筒形部材119は、空隙106の下側に配置され、剛体板102と半導体ウェハ124に対し中心合わせされている。円筒形部材119と環状クランプ126は、ステンレススチールで製造されていることが好ましいが、他の剛体材料を使用してもよい。
【0064】
環状部材120は、環状クランプ130および隔壁114の開口部(表示せず)を貫通するファスナー132(例えばネジやその他のコネクタなど)を用いて、隔壁114の下面に結合されている。環状クランプ130は空隙104内にはめ込まれているが、これは、図9で明らかなように、空隙内をすべて占有しているわけではない。環状部材120は、円筒形部材119に対して同心となるように配置されている。さらに、環状部材120は、空隙104の下側、半導体ウェハ124周囲の環状領域の上側に配置されている。環状部材120と環状クランプ130も、ステンレススチールで製造されていることが好ましいが、その他の剛体材料を使用して実現してもよい。
【0065】
部材119と120の下面は、基本的には半導体ウェハ124の裏面の中心部分と環状部分に直接圧力を加えるが、比較的薄いキャリヤフィルム122(以下を参照)が部材119、120の下面と半導体ウェハ124の裏面との間に配置されている。したがって、均一な圧力が部材119と120に渡ってウェハ124に加えられるようにするには、部材119と120の下面は、できるかぎり平坦でしかも円滑であることが望ましい。
【0066】
図9に簡単に示されるように、中間空隙140は、円筒形部材119と環状部材120の間に形成されている。中間空隙140は、保持リング134、隔壁114、円筒形部材119、環状部材120およびキャリヤフィルム122によって形成される。好適な実施例では、保持リング134が隔壁114の開口部(表示せず)を貫通している、コネクタ(表示せず)を用いて剛体板102に結合される。
【0067】
保持リング134は、たとえ中間空隙140が正に加圧されたり負に加圧(減圧)された場合であっても、剛体板102に対して隔壁114をしっかりと保持する。コンジット110を通じて加えられる加圧流体(気体など)や真空圧が中間空隙140まで届くようにするため、隔壁114内の開口部111が、保持リング134を通じて流体コンジット110および開口部113と整合されている。
【0068】
すでに述べたように、キャリヤフィルム122が、部材119、120の下面と半導体ウェハ124との間に配置される。キャリヤフィルム122は、中間空隙140に加えられる真空圧を用いたウェハ124のチャックを助けるため、1つまたは複数の開口部142を含んでいることが好ましい。ウェハのチャックについては、図7に関連してさらに詳細に説明する。
【0069】
キャリヤフィルム122は、環状部材120と円筒形部材119の下面と接触して配置され、通常は中間空隙140を横断してこれら2つの部材119と120との間に延在しているが、キャリヤフィルム122は、空隙140を横断して設けられる必要はない。キャリヤフィルム122は、デラウェア州ニューアークのRodel Inc.によって製造されているDF−200キャリヤフィルムからなることが好ましいが、柔らかい弾力性のあるキャリヤフィルムならどれを使用してもよい。
【0070】
図9を参照すると、環状クランプ130の周囲には、空隙104に加圧流体(例えば気体など)または真空圧を加えることができるように、十分な空間があることは明らかである。このことは、環状クランプ126の周囲の空間にも該当し、空隙106全体に、加圧流体(例えば気体など)または真空圧を加えることができる。
【0071】
好適な実施例では、キャリヤ100は特定の順序で組み立てられているが、他の組立順序も採用することが可能である。好適な実施例では、はじめに部材119と120とが隔壁114に固定される。次に、環状クランプ126と130とが、それぞれ空隙106と104とに挿入される。これに関しては、空隙106に環状クランプ126を挿入できるように、保持リップ129にキー溝(keyed)が付けられている。次に、環状クランプ126が、保持リップ129のキー溝付きスロット(表示せず)から落下するのを防止する位置にまで回転される。次に、保持リング134と耐摩耗リング116が固定され、隔壁114を適所に保持するだけでなく、独立した加圧域(例えば、この場合、空隙104、106および140に対応して3つ)を互いに分離する。
【0072】
図10は、環状クランプ126と130、ひいては部材119と120の下向きの動きを制限するための機械的停止機構として、耐摩耗リング116と保持リップ129が動作することを示している。部材119と120は、重力によりクランプ126と130の機械的停止機構まで降下するものとする。ただし、半導体ウェハ124が、キャリヤ100と研磨プラテン(表示せず)との間の位置にあるときには、ウェハ124の厚さによって、クランプ126と130がそれらの機械的停止機構に到達するのを抑止しようとする。正または負の圧力が空隙104および106に加えられるときには、クランプ126と130がそれぞれ機械的停止機構の方向へ移動させられるかあるいはそこから離れる方向へ移動させられる。このようにして、差圧をクランプ126、130および部材119、120を介して、半導体ウェハ124に加えることができる。
【0073】
キャリヤ100の操作方法は、キャリヤ12の操作の説明で参照されている図7に関して記載されている方法と酷似している。この方法は、研磨対象の半導体ウェハ124またはその他の加工物をチャックにかける工程から始まる。これは、加工しようとする1つまたは複数の半導体ウェハ124上にキャリヤ100を懸垂することによって達成される。キャリヤ100は、一番上のウェハのすぐ上の位置まで降下する。コンジット110は、キャリヤフィルム122の開口部142を用いて、半導体ウェハ124をチャックするため、空隙140内に負の圧力を加える真空圧供給源に接続されている。チャック工程でウェハ124との密閉状態を保持するのに役立つよう、正の圧力を空隙104と106に加えることができる。
【0074】
次に、キャリヤ100とウェハ124は、研磨パッドとプラテン(表示せず)上に移動し、研磨パッドとウェハ124の下面が接触するように降下する。ここからは、当業者によく知られている、ローテーション(回転)、オービタル(楕円、軌道)またはそれらの組み合わせなどの研磨技術を使用することができる。ユーザは、半導体ウェハ124の全面に渡って均一な研磨圧を実現するために、空隙104、106および140を同じ圧力まで加圧することができる。あるいは、ユーザは、空隙104、106および140を異なったレベルまで加圧し、それによって均一ではないが、それでもなお半導体ウェハ124の全面に渡って制御された圧力が分布するようにもできる。
【0075】
このような方法で、ユーザーは、均一な力分布を半導体ウェハ124の表面にかけた場合に除去速度低くなる区域に対する圧力分布を向上させることができる。図10から明らかなように、空隙104内の供給圧を上げるに伴って隔壁114がわずかに膨らんで、ウェハ124に対し環状部材120からより大きな圧力が加わるため、そのようなことが可能になるのである。同じことが、空隙106およびそれより低いレベルで空隙140に加えられる圧力にも該当する。研磨が完了すると、この方法は終了となる。
【0076】
上記の方法と装置は説明のための例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではなく、また本発明の範囲内で様々な変更を当業者が行うことができるということは理解されるであろう。例えば、本願に記載した加圧流体は加圧気体であることが好ましいが、代替の手段として加圧液体を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の好適実施例に従った研磨装置を表す直径方向に沿った断面分解図。
【図2】
本発明の好適実施例に従った図1の研磨装置を表す直径方向に沿った全組立断面図。
【図3】
本発明の好ましい実施例に従った図1のキャリヤの一部を表す直径方向に沿った断面図。
【図4】
本発明の別の実施例に従った図1のキャリヤの一部を表す直径方向に沿った断面図。
【図5】
本発明の別の実施例に従った一体型隔壁の一部の透視図。
【図6】
本発明のさらに別の実施例に従った、キャリヤに結合可能な複数の隔壁の簡略断面図。
【図7】
本発明の好適な実施例に従った、加工物を研磨するためにキャリヤを操作する方法のフローチャート。
【図8】
本発明のさらに別の実施例に従った、キャリアを表す直径方向に沿った全組立断面図。
【図9】
図8のキャリヤの一部の直径方向に従った断面図。
【図10】
図8のキャリヤの一部の直径方向に従った別の断面図である。
【背景技術】
本発明は、半導体処理装置に関し、特に化学機械平坦化処理(Chemical-mechanical Planarization)中に、半導体ウェハを保持するためのキャリヤに関する。
【0002】
半導体ウェハは、半導体ウェハ上に電気回路を形成するプロセスの各工程を実行する前に滑らかで平坦な仕上がり面が得られるように、平坦化または研磨される。この研磨は、キャリヤにウェハを固定し、キャリヤを回転させ、回転しているウェハに回転している研磨パッドを接触させることによって達成される。この研磨処理に使用されるウェハキャリヤには非常に多くの種類がある。一般的な型式のキャリヤは、モーターによって回転するシャフトにしっかりと固定される。通常、液体中に研磨剤が懸濁している、液状(wet)研磨スラリーが、研磨パッドに塗布される。研磨処理中に、下向きの研磨圧力が、回転しているウェハと回転している研磨パッド間に加えられる。このようなシステムの場合、半導体ウェハ面を適正に研磨するためには、ウェハキャリヤと研磨パッドが完全に平行に整合していなければならない。
【0003】
通例、ウェハキャリヤは、ウェハの研磨される表面と反対側にあるウェハの表面にはぴったり合わない、固くて平坦な面であった。したがってキャリヤプレートは、ウェハの全領域に渡って均一な研磨圧を加えることができず、特にウェハの縁(エッジ)部ではそれが顕著であった。この問題を解決しようとする試みとして、多くの場合、固いキャリヤプレートを柔らかいキャリヤフィルムで覆う方法が取られていた。このようなフィルムを使用する目的は、均一な研磨を行うのに役立つよう、ウェハの裏面に対して均一な圧力を伝達することにあった。このフィルムは、キャリヤプレートとウェハの裏面との間における面の凸凹を補正するだけでなく、ウェハ面上の多少の汚れもなめらかにすると考えられていた。このような汚れがある場合、キャリヤフィルムで覆わないと、高い加圧域が生じる可能性があった。残念なことに、フィルムは柔軟性が限られており、部分的にしか効果をあげることができず、さらに繰り返し使用した後では“ゆがむ”傾向にあった。特に、このようなゆがみは、半導体ウェハの縁(エッジ)部でよりひどくなる傾向にある。
【0004】
米国特許出願5、762、544で公開されているウェハキャリヤは、多数の先行ウェハキャリヤ設計に関連付けられる別の問題を象徴するものである。米国特許出願5、762、544は、研磨中にキャリヤベース面を半導体ウェハ面と平行に保つことを目的とした、ジンバル機構を通じてシャフトに結合された平坦な剛性キャリヤベースの使用法を開示している。通常、このような構成によって、半導体ウェハ全面に同じ圧力が加えられる。したがって、シャフトを通じてキャリヤベースに伝達される力を変えると、半導体ウェハの全面に加えられる圧力も変わってしまう。
【0005】
米国特許出願5、762、544で開示されているウェハキャリヤと同様のウェハキャリヤを使用する際に生じる問題は、見かけ上均一な圧力がウェハ面に加えられているにもかかわらず、一部の平坦化方法では、ウェハ周辺付近、回路を蒸着する表面上に、一つ以上の環状のくぼみが生じてしまうとうことである。回路を蒸着するときには、事実上、ウェハ面の十分に滑らかでしかも平坦な部分だけしか使用することができない。したがって、この環状のくぼみは半導体ウェハの利用可能な領域を狭めている。
【0006】
米国特許出願5、762、539で開示されているような、他のウェハキャリヤの設計では、上記環状のくぼみなど、不均一な除去パターンを補正しようとする試みとして、半導体ウェハの裏面に複数の加圧域をもたらす手段を採用している。具体的には、米国特許出願5、762、539で公開されているキャリヤは、独立して加圧可能な複数の内部チャンバーを備えるトッププレートを持つ。複数の穴がトッププレートとトッププレートの底面に接触しているパッドを貫通している。トッププレートの個々のチャンバーを異なる圧力レベルで加圧することによって、パッドに接触するウェハ面全体に渡って様々な圧力分布を実現することができる。ただし、ウェハの裏面に渡って、同じ圧力が加えられる個別の複数の加圧域を実現できるほど、圧力分布を十分に制御できるわけではない。それは、トッププレートの小さな穴を通じてウェハの裏面に加圧流体が直接供与されるが、この加圧流体は実質的にはウェハの裏面を自由に移動できるという理由による。このように、ウェハの裏面の一領域に供与される加圧流体は、異なる圧力で加圧流体が供給されるウェハの裏面の隣接領域に進入する。したがって、ウェハの指定された、異なるセクションに供給される圧力を制御する能力が制限されるため、予測される除去の問題を補正するための設計能力も制限されることになる。
【0007】
したがって、研磨工程で、半導体ウェハの裏面全体に渡って複数の加圧域を設けるための制御を可能にするキャリヤを設計手法が求められていた。
【0008】
【発明の簡単な説明】
本発明は、一般に、半導体ウェハを研磨するための改良されたウェハキャリヤを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、希望に応じて、半導体ウェハの全領域に渡って均一な圧力を加えるウェハキャリヤを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、周囲に生じる環状のくぼみや、通常中心低速(センタースロー)の問題と呼ばれている中心に局在する隆起などの予測されるやっかいな除去パターンを補正するため、半導体ウェハの全領域に対し不均一ではあるが、制御された圧力を加えるウェハキャリヤを提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、半導体ウェハの裏面に接触し、その裏面の凸凹にぴったり合うキャリヤ面を提供することにある。このキャリヤ面は、半導体ウェハの裏面に存在する小さな凸凹ともぴったり合うことが好ましい。
【0012】
これらの目的および他の目的は、主表面を有する剛体板(リジッドプレート)を含む加工物の表面の化学機械的平坦化を行なう装置のためのキャリヤによって達成される。このキャリヤは、加工物の第一面部分と接触する第一セクションを持つ柔らかく柔軟な材料で製造された第一隔壁(ダイアフラム)を持つ。第一隔壁は、剛体板に接続され、少なくとも主表面の第一部分に渡って延びているので、それらの間に第一の空隙(キャビティ)が形成される。
【0013】
キャリヤには、加工物の第二面部分と接触する第二のセクションを持つ柔らかく柔軟な材料で製造された第二隔壁(ダイアフラム)が備わっている。この第二隔壁は剛体板に接続され、少なくとも主表面の第二部分に渡って延びているので、それらの間に第二空隙(キャビティ)が形成される。これら空隙のうちの一つまたは複数に接続されている複数の流体コンジットが、気体などの加圧流体を供給する。
【0014】
希望に応じて、同じ圧力または異なる圧力に空隙を加圧することによって、加工物の面上に、均一な圧力分布あるいは制御された不均一な圧力分布をそれぞれ加えることができる。
【0015】
さらに、隔壁はポリウレタンや、ニトリルゴムまたはブチルゴムなどの柔らかい、柔軟な材料で製造されているので、加工物の裏面と接触する隔壁は裏面の凸凹とぴったり合う。
【0016】
本発明の装置の好適実施例においては、それぞれ関連する空隙と隔壁間空隙を有する二種類の隔壁だけが含まれている。ただし、一般には、それぞれの空隙と隔壁間空隙を有する、所望する数の隔壁を導入してもよい。さらに、隔壁の数とは関係なく、これらの隔壁は互いに接続された独立した隔壁であってもよいし、所望の数の独立した空隙を有する一体型隔壁であってもよい。
【0017】
本発明の他の実施例では、キャリヤは、内部に複数の空隙が形成される主表面を有する剛体板、この主表面の一部に接合および接触している柔軟な材料から製造された隔壁、この隔壁の下面に接合および接触している第一部材、隔壁の下面に接合および接触している第二部材および、気体などの加圧流体供給源を少なくとも空隙の一つに接続するための複数の流体コンジットを有している。先行技術によるキャリヤの実施例の場合に見られるように、この後者の実施例におけるキャリヤ空隙の適切な加圧により、加工物の研磨工程で、別の方法では不均一となる除去速度を補正することができる。
【0018】
本発明は、加工物面における不均一な除去速度を補正するための、加工物面の化学機械的平坦化を制御するための方法において、主表面を有する剛体板を提供する工程と、前記加工物面の反対側に配置された前記加工物の第一面部分に第一隔壁の第一セクションが接触可能なように、柔軟な材料で製造された第一隔壁と前記剛体板の主表面の第一部分とによって形成される第一の空隙を加圧する工程と、前記加工物面の反対側に配置された前記加工物の第二面部分に第二隔壁の第二セクションが接触可能なように、柔軟な材料で製造された第二隔壁と前記剛体板の主表面の第二の部分とによって形成される第二の空隙を加圧する工程と、不均一な除去速度を補正することを目的として前記空隙の加圧を選択する工程と、前記加工物面を研磨するための工程とを実行する方法を提供する。
【0019】
研磨工程では、空隙は気体などの流体によって加圧され、それによって隔壁は隣接した研磨パッドに加工物を押し込むように加工物に力を加える。隔壁は、薄くて柔らかい、極めて柔軟性の高い材料で製造されているため、隔壁は研磨する面と反対側の加工物の裏面にぴったり合う。加工物面における小さな変形にもぴったり合うことにより、隔壁が加工物の裏面全体に均一に圧力を加えるので、均一な研磨を行うことができる。
【0020】
本発明のこれらの目的や他の目的、特徴および態様は、以下の説明から明らかとなろう。説明の一部を構成し、本発明の好適な実施例を表している附属の図面を参照しながら、説明を行う。このような実施例は、必ずしも本発明の全範囲を表しているわけではないので、本発明の範囲を解釈するには、本願記載の各請求項を参照するべきである。
【0021】
【好適実施例の詳細な説明】
次に、図面を参照して、具体的には図1を参照すると、本発明の好適な実施例である研磨装置10が直径方向に沿った分解断面図で示されている。各図を通じて類似の参照符号は互いに対応する要素を表わす。この好適な実施例では、装置10は、半導体ウェハのおもての面を平坦化または研磨するのに使用される。ただし、装置10は、能動デバイスまたは回路を有するまたは有しないベアシリコン半導体基板およびその他の半導体基板などの半導体ウェハ、および半加工のウェハ、シリコンオンインシュレータ、ハイブリッドアセンブリ、フラットパネルディスプレイ、マイクロエレクトロメカニカルセンサ(MEMS)、MEMSウェハ、コンピュータハードディスクまたは平坦化による恩恵を得るその他の材料などを含む、“加工物”の研磨に使用することができる。
【0022】
装置10は、ジンバルアセンブリ(表示せず)によって回転ドライブ機構に接続される、スピンドルシャフト14に取り付けられたキャリヤ12を有する。スピンドルシャフト14の一端は、回転カプリング16に接続されている。回転カプリング16の型式は、ロータリーシステム部品番号202196として製造されている回転式カプリングなどのような、当業者によってよく知られている型式である。回転カプリング16によって、気体のような加圧流体を回転カプリング16の供給側に固定された複数のコンジットを通じて伝達することが可能となり、さらに回転カプリング16のキャリヤ側への移動も可能となる。具体的には、細管(tubing)26a、26bおよび26cは固定されている。要素20は、加圧流体(気体など)または真空圧を提供する供給源を表す。要素22a、22bおよび22cは、流体(気体など)の加圧度か、または供与される真空圧の大きさを制御するレギュレーターを表している。
【0023】
部品番号IT2011−N32としてSMC Pneumatics、Inc.社によって製造されているレギュレーターのような圧力および真空レギュレーターが、当業者によく知られている。
【0024】
細管24a、24bおよび24cは、それぞれ加圧/真空源とレギュレータ22a、22bおよび22cの間を接続する。レギュレータ22a、22bおよび22cは、細管26a、26bおよび26cを介して回転カプリング16に接続される。細管26a、26bおよび26cは、それぞれ回転カプリング16を通じて、細管28a、28bおよび28cに接続されている。細管28a、28bおよび28cは、スピンドルシャフト14の内部空隙内に示されているが、細管28a、28bおよび28cは、スピンドルシャフト14内に配置される必要はない。細管28a、28bおよび28cは、それぞれ細管接続部30a、30bおよび30cに接続される。
【0025】
細管接続部30a、30bおよび30cは、剛体板34の上面36を貫通し、剛体板34の下面38まで流体が流れ込むことを可能にするので、加圧/真空源20から剛体板34の下面38までの間すべてにおける流体の流通が実現する。細管24a〜24c、26a〜26cおよび28a〜28cは柔軟かつ軽量であることが望ましいが、細管に用いられる材料としては様々な柔軟度と重量を持つものが使用可能である。このような細管は、当業者によく知られている。さらに、当業者によく知られている多種多様な型式の細管接続部が、細管接続部30a〜30cとして使用可能である。
【0026】
このように、複数のコンジットが、加圧/真空源20から剛体板34の主表面もしくは下面38まで伸びており、これらコンジットは“加圧された”液体または気体の供給源を空隙に提供する(以下を参照)。ただし、“加圧された”という用語は、絶対圧力を表すことを目的に使用されている。
【0027】
したがって、正の絶対圧とは、気体など、コンジット内の流体が加圧され、絶対圧力ゼロとはコンジットを通じて真空圧が提供されることを意味する。
【0028】
スピンドルシャフト14は、ステンレススチールなどの堅牢な剛体の材料から構成されていることが好ましい。しかし、堅牢で剛体、好適には軽量な材料であれば、スピンドルシャフト14に使用することができる。スピンドルシャフト14は、一端で回転カプリング16に接続され、他端で剛体板34に接続される。スピンドルシャフト14は、またジャーナル軸受け18によって支持されている。様々な異なる種類の接続形態が採用可能なので、スピンドルシャフト14の剛体板34に対する接続の形態は図示しない。上側セクション32a、中央セクション32bおよび下側セクション32cを有するカバーが提供されている。切削屑(debris)からスピンドルシャフト14、細管28a〜28cおよび細管取り付け部30a〜30cを保護するために、カバー32a〜32cは剛体板34上に接続される。カバー32a〜32cは、軽量の材料で製造されることが好ましく、当業者によく知られている様々な方法の一つで、剛体板34に接続される。
【0029】
図1の左から右にかけて図示されているように、剛体板34の下面38に注目すると、下面38には、ポジション38aと38bの間に環状のくぼみ(annular recess)があり、ポジション38cと38dの間に隆起した環状部分があり、ポジション38cと38dの間にもう一つの環状のくぼみがあり、ポジション38dによって囲まれた部分に隆起した円形部分がある。剛体板34は、ステンレススチールなどで製造されていることが好ましいが、要求に応じて堅牢な剛体の材料で代用してもよい。隔壁40は、剛体板34に結合している。隔壁40には、ポジション40aと40bとの間に、加工物(例えば、半導体ウェハ56、図2)の上面部分と接触する中心に配置されたセクションが含まれている。隔壁40の接触セクションは、実質的に円形である。隔壁40には、剛体板34との接続のためのリム40c、およびリム40cとポジション40aおよび40bで囲まれたウェハ接触セクションとの間に配置されたベロー(bellows)40dも有する。
【0030】
もう一つの隔壁42には、半導体ウェハ56の上面56uの表面部分と接触するセクションが含まれている。隔壁42のウェハ接触セクションは、ポジション42aと42bによって囲まれた環状領域を有する。隔壁42には、剛体板34との接続のための、内側リム42cと外側リム42dが含まれている。隔壁42には、隔壁のウェハ接触セクションとリム42cおよびリム42dとの間にベロー(bellows)42eも有する。隔壁40と42は共に、ポリウレタンなどの柔らかく柔軟な材料で製造されていることが好ましいが、隔壁40と42には、柔らかく柔軟でしかも実質的に薄い材料を使用してもよい。
【0031】
環状クランプ44は、ファスナー46(ネジやその他のコネクタなど)および対応するネジ山付き空隙51を使用して剛体板34に固定されているので、剛体板34の下面38にリム40cと42cとをしっかりと固定できる。同様に、耐摩耗リングリング48は、ファスナー49とネジ山付き空隙55を使用して、剛体板34の下面38に対し固定される。剛体板34に固定される際に、耐摩耗リング48は、隔壁42の外側リム42dを剛体板34の下面38に対して締めつける。隔壁42が適正な位置に取り付けられるよう、外側リム42dの突出リブが剛体板34の下面38に設けられたノッチ53に挿入される。このようにして、耐摩耗リング48は、外側リム42dを下面38に対し締めつける。
【0032】
図2は、本発明の好適な実施例に従った図1の研磨装置の直径方向に沿った全組立断面図である。図2は、加工物56(例えば半導体ウェハ)の裏面もしくは上面56uと接触している研磨装置を表している。加工物56は、研磨パッド(表示せず)と接触するように配置されたときに研磨される、おもて面または下面56lを有している。
【0033】
空隙50が、隔壁40と剛体板34の下面38との間に形成される。同様に、空隙52が、隔壁42と剛体板34の下面38との間に形成される。さらに、空隙54が、隔壁40の一部、隔壁42の一部および半導体ウェハ56の一部の間に形成される。空隙54は、“隔壁間空隙”と呼ばれる。
【0034】
空隙50は、一般には、円筒形をしており、空隙52と54は一般に環状をしており、空隙50と同心になるように配置される。
【0035】
図3は、本発明の好適な実施例に従ったキャリヤ12の一部を直径方法に沿って示した断面図である。キャリヤの一部分が、半導体ウェハ56の上面にぴったりと結合している隔壁セクションと一緒に図示されている。細管またはコンジット28a、28bおよび28cは、剛体板34を通じて、それぞれ対応する空隙52、54および50に加圧流体(例えば気体)または真空圧を供与する。
【0036】
隔壁40と剛体板34が空隙50を形成し、隔壁42と剛体板34が空隙52を形成する。隔壁間空隙54は、隔壁40および42の一部分と半導体ウェハ56の一部分とによって形成される。ここに図示されている隔壁間空隙54は、空隙54の側面の境界が隔壁40と42の一部分によって形成され、空隙54の上側の境界が剛体板34によって形成され、下側の境界が半導体ウェハ56によって形成される。この点においては、隔壁間空隙54の下側の境界のどの部分も、実質的に隔壁40および42によっては提供されない。隔壁40および42の接触セクションは、半導体ウェハ56の上面56u(図2)のわずかな変形にそれらがぴったり合うことによって、多少曲がったり斜めになったりしている。
【0037】
図4を参照すると、本発明の他の実施例に従った、キャリヤ12の一部分が直径方向に沿った断面図として図示されている。このキャリヤ12の一部分は、半導体ウェハ56の上面にぴったりと結合している隔壁セクションと一緒に図示されている。
【0038】
図4に示されているキャリヤ12は、図3に示されているキャリヤと実質的に類似している。キャリヤ12のこれら2つの態様間の唯一の相違点は、隔壁間空隙54の下側の境界が、部分的に隔壁40と42によって形成されているという点にある。図3では、隔壁間空隙54の下側の境界は、半導体ウェハ56だけから形成されている。
【0039】
図4のキャリヤ12で表されているもう一つの相違点は、隔壁40と42とに、各接触セクションを貫通する1つ以上の開口部58が設けられることである。1つ以上の開口部58は、空隙50、52および54に対応する接触セクションの1つまたは複数に配置することができる。図7に詳細に示されているように、開口部58は、研磨工程を実施する前に、半導体ウェハのチャッキングを可能にする。開口部58は、図4の空隙50、52および54のそれぞれに示されているが、開口部58をそれぞれの空隙に必ず設けなければいけないわけではない。
【0040】
図5を参照すると、本発明の別の実施例に従った一体型隔壁60の一部分が透視図として示されている。図に示されているように、隔壁60は、キャリヤの剛体板に接続されたときに複数の空隙を形成する。
【0041】
隔壁60は、隔壁40と42を組み合わせたときには、図1および図2の隔壁40および42と実質的に同じである。すなわち、隔壁40および42と隔壁60との間の唯一の相違点は、隔壁60が単一の、一体型隔壁を持つという点にある。したがって、隔壁60は、図1〜図4の各図に示されているように、キャリヤ12内で隔壁40および42の代わりに使用することができる。
【0042】
隔壁60は、ポジション64と66によって囲まれた中央の円形接触セクション62を有している。ベロー(bellows)部分68は、中央接触セクション62から上側に伸びている。環状接続セクション70には、剛体板34(図1)に隔壁60を固定するのに使用される開口部72が含まれている。開口部72の大部分は、剛体板34に隔壁60を固定するのに使用される。ただし、開口部72の少なくとも一つは、ベロー部分68と74との間に形成される隔壁間空隙54(図2)を加圧するのに使用される。
【0043】
環状接触セクション78は、ポジション80と82によって囲まれている。もう一つのベロー(bellows)部分76は、環状接触セクション78から上向きに伸びている。環状リム84と突出リブ部分86は、耐摩耗リング48(図1)と剛体板34との間で隔壁60を整合させ、しっかりと固定するのに使用される。空隙50(図2)は、ベロー68、中央接触セクション62および剛体板34の間に形成される。隔壁間空隙54(図2)は、ベロー部分68、ベロー部分74、環状接続セクション70およびウェハ56(図2)の間に形成される。空隙52(図2)は、環状接触セクション78、ベロー部分74と76および剛体板34の間に形成される。
【0044】
図6は、本発明のさらに別の実施例に従った、キャリヤに結合可能な複数の隔壁を示す簡略断面図である。異なる隔壁セクション40、42および88は、図1および図2に関して記述されている方法に類似した方法で、互いに結合させることができる。
【0045】
すでに述べたように、図1と図2に図示されている隔壁セクション40と42の結合から、独立して加圧可能な、3つの空隙50、52および54が形成される。図6は、結果として2つの追加の空隙(表示せず)が形成される、少なくとも1つの追加隔壁セクション88も採用可能であることを示している。これらの追加空隙は個別に加圧することができる。したがって、図1と図2の隔壁セクション40と42が半導体ウェハの中心領域および1つの環状領域に加えられる圧力を精密に制御できる場合には、追加隔壁セクション88の設置によって、ウェハの第二環状領域に加えられる圧力をさらに精密に制御することができる。研磨工程におけるこのような精密制御によって、2個またはそれ未満の隔壁セクションを含む実施例を用いた場合に比べて、より平坦なウェハ面を得ることができる。別の実施例として、もっと多くの隔壁セクションを採用することもできる。
【0046】
図7は、本発明の好適な実施例に従った、加工物を研磨するためにキャリヤを操作する方法のフローチャートを示す。ステップ90において、上記の剛体板を含むキャリヤを準備する工程から、当該方法が始まる。ステップ92で、半導体ウェハまたはその他の研磨される加工物がチャックにかけられる。これは、加工する1つまたは複数の半導体ウェハ56上にキャリヤ12を懸垂することによって達成される。キャリヤ12は、一番上のウェハ56の少し上の位置まで降下する。
【0047】
開口部58(図4)を隔壁40および42にまったく設定しない場合には、ウェハをチャックするのに隔壁間空隙54(図2)が使用される。
【0048】
したがって、隔壁間空隙54に結合されたコンジットが真空圧源に接続され、所望の場合には、空隙50と52(図2)に結合するコンジットをはじめに加圧して、隔壁40および42に対してチャックできるように、半導体ウェハ56に対するシーリングを助ける。あるいは、隔壁40および/または42に対して、1つまたは複数の開口部58(図4)を接触セクションを通じて設けてもよい。後者の場合、空隙50、52および54のどれか一つまたは複数を真空にして、半導体ウェハ56をチャックにかけることができる。
【0049】
次に、ステップ96で、キャリヤ12およびウェハ56を、研磨パッドおよびプラテン(表示せず)上に移動して、次にステップ98で、ウェハ56の下面56l(図2)が研磨パッドと接触するように降下させる。これ以降の研磨方法は、回転(rotational)、軌道(orbital)またはそれらの組み合わせなど、当業者によく知られた技術を使用することができる。
【0050】
ステップ99では、使用する研磨技術とは関係なく、ユーザは、半導体ウェハ56の全面に渡って均一な研磨圧を設定するために、空隙50〜54内の圧力を同じ圧力になるよう調整してもよい。あるいは、ユーザは、空隙50〜54(図2)内の圧力を異なるレベルに調整し、半導体ウェハ56の全面に渡って均一ではないが、制御された圧力分布を実現してもよい。
【0051】
この方法により、ユーザが均一な力分布を半導体ウェハ56の表面にかけた場合には、除去速度が低速になる区域に対する圧力分布を向上させることができる。例えば、業界内で既知の問題の一つは、“中心低速除去速度”と呼ばれている。研磨された半導体ウェハ56の中心低速除去速度は、半球状またはドーム状の隆起を有する、半導体ウェハ56の中心部分によって例証される。
【0052】
中心低速の問題を回避するためには、半導体ウェハ56の中心部分にもっと大きな圧力分布を供与することが効果的であろう。この実施例では、ユーザが、半導体ウェハ56の中心部分でもっと大きな力分布を実現するために、空隙52と54に加えられる圧力に比してより高い圧力を空隙50に加えることになろう。半導体ウェハ56の中心部分でもっと大きな圧力分布を実現することは、半導体ウェハ56のこの区域における高い除去速度が達成されることに等しい。したがって、さらに滑らかで平坦な加工面が、半導体ウェハ56の下面もしくは加工面56l(図2)で実現されるであろう。
【0053】
研磨が完了すると、この方法は終了する。この方法は、図1〜図6に示されている各実施例に適用可能であり、以下に説明する、図8〜図10の実施例に対しても、多少の変更を加えることで適用可能である。実施例によっては、本発明の特長を最適に達成するためには、加圧する空隙の数を変える必要があるであろう。
【0054】
図8は、本発明のさらに別の実施例に従った、キャリア100を表す直径方向に沿った全組立断面図である。図9および図10は、図8のキャリヤの一部分の直径方向に従った断面図である。
【0055】
図1〜図4に示されているキャリヤ12と同様、キャリヤ100も、半導体ウェハなどの加工物のおもて面の化学機械的平坦化を実施する装置の一部である。したがって、キャリヤ100は、もっと大きな平坦化装置の要素としては表示されていないものの、キャリヤ100が平坦化装置を構成する各種要素に結合されることがわかる(例えば、図1〜図2のスピンドルシャフト14、回転カプリング16など)。
【0056】
キャリヤ100は、上面102uと下面102lを有する剛体板102を含む。図8の左から右に示されているように、剛体板102の下面102lに注目すると、下側または主表面102lには、おおよそ平坦な外側環状領域103と下面102lに形成されている複数の空隙138、104および106がある。
【0057】
好適な実施例では、比較的小さな環状空隙138がOリングを保持している。他の実施例としては、環状空隙138は設けられない。さらに右の方に移動すると、大きな環状空隙104が下面102lに形成され、円筒形空隙106が環状空隙104に対して同心に配置されている。剛体板102は、ステンレススチールで製造されていることが好ましいが、任意の適切な強固な剛体材料で実現してもよい。
【0058】
剛体板102を、複数の流体コンジット108、110および112が貫通する。
【0059】
流体コンジット108、110および112は、コンジット108、110および112のいずれに対しても、真空圧または選択した圧力の流体(例えば気体)のどちらかを供給可能な独立した圧力供給源(表示せず)に結合されている。好適な実施例では、真空圧または流体(例えば気体)が、図1と図2に関連して記載されたものと同様の方法で供給される。流体コンジット108、112はそれぞれ空隙104、106と連通し、流体コンジット110は中間空隙140と連通している。
【0060】
図9にさらに簡単に示されているように、柔軟な材料から成る隔壁114は、板102の下面102lの特定部分102aに結合および接触している。隔壁114は、好適には、適切に柔軟な弾力性のある材料(例えばネオプレンなど)で製造された丸い部品を含んで構成される。
【0061】
図8に戻ると、耐摩耗リング116が、隔壁114の開口部(表示せず)を貫通するファスナー118(例えばネジやその他のコネクタなど)を用いて、隔壁114の上面を板102の下面102lの部分102aに対して締めつけている。耐摩耗リング116は、当業者によく知られているセラミックまたはプラスチック材料で製造されていることが好ましい。
【0062】
円筒形部材119は、、環状クランプ126および隔壁114の開口部(表示せず)を貫通するコネクタ128を用いて隔壁114の下面に結合されている。図9にさらに詳しく示されているように、環状クランプ126は、剛体板102の保持リップ129を受け入れる、隔壁114の上に配置されたノッチ127を含む。
【0063】
円筒形部材119は、空隙106の下側に配置され、剛体板102と半導体ウェハ124に対し中心合わせされている。円筒形部材119と環状クランプ126は、ステンレススチールで製造されていることが好ましいが、他の剛体材料を使用してもよい。
【0064】
環状部材120は、環状クランプ130および隔壁114の開口部(表示せず)を貫通するファスナー132(例えばネジやその他のコネクタなど)を用いて、隔壁114の下面に結合されている。環状クランプ130は空隙104内にはめ込まれているが、これは、図9で明らかなように、空隙内をすべて占有しているわけではない。環状部材120は、円筒形部材119に対して同心となるように配置されている。さらに、環状部材120は、空隙104の下側、半導体ウェハ124周囲の環状領域の上側に配置されている。環状部材120と環状クランプ130も、ステンレススチールで製造されていることが好ましいが、その他の剛体材料を使用して実現してもよい。
【0065】
部材119と120の下面は、基本的には半導体ウェハ124の裏面の中心部分と環状部分に直接圧力を加えるが、比較的薄いキャリヤフィルム122(以下を参照)が部材119、120の下面と半導体ウェハ124の裏面との間に配置されている。したがって、均一な圧力が部材119と120に渡ってウェハ124に加えられるようにするには、部材119と120の下面は、できるかぎり平坦でしかも円滑であることが望ましい。
【0066】
図9に簡単に示されるように、中間空隙140は、円筒形部材119と環状部材120の間に形成されている。中間空隙140は、保持リング134、隔壁114、円筒形部材119、環状部材120およびキャリヤフィルム122によって形成される。好適な実施例では、保持リング134が隔壁114の開口部(表示せず)を貫通している、コネクタ(表示せず)を用いて剛体板102に結合される。
【0067】
保持リング134は、たとえ中間空隙140が正に加圧されたり負に加圧(減圧)された場合であっても、剛体板102に対して隔壁114をしっかりと保持する。コンジット110を通じて加えられる加圧流体(気体など)や真空圧が中間空隙140まで届くようにするため、隔壁114内の開口部111が、保持リング134を通じて流体コンジット110および開口部113と整合されている。
【0068】
すでに述べたように、キャリヤフィルム122が、部材119、120の下面と半導体ウェハ124との間に配置される。キャリヤフィルム122は、中間空隙140に加えられる真空圧を用いたウェハ124のチャックを助けるため、1つまたは複数の開口部142を含んでいることが好ましい。ウェハのチャックについては、図7に関連してさらに詳細に説明する。
【0069】
キャリヤフィルム122は、環状部材120と円筒形部材119の下面と接触して配置され、通常は中間空隙140を横断してこれら2つの部材119と120との間に延在しているが、キャリヤフィルム122は、空隙140を横断して設けられる必要はない。キャリヤフィルム122は、デラウェア州ニューアークのRodel Inc.によって製造されているDF−200キャリヤフィルムからなることが好ましいが、柔らかい弾力性のあるキャリヤフィルムならどれを使用してもよい。
【0070】
図9を参照すると、環状クランプ130の周囲には、空隙104に加圧流体(例えば気体など)または真空圧を加えることができるように、十分な空間があることは明らかである。このことは、環状クランプ126の周囲の空間にも該当し、空隙106全体に、加圧流体(例えば気体など)または真空圧を加えることができる。
【0071】
好適な実施例では、キャリヤ100は特定の順序で組み立てられているが、他の組立順序も採用することが可能である。好適な実施例では、はじめに部材119と120とが隔壁114に固定される。次に、環状クランプ126と130とが、それぞれ空隙106と104とに挿入される。これに関しては、空隙106に環状クランプ126を挿入できるように、保持リップ129にキー溝(keyed)が付けられている。次に、環状クランプ126が、保持リップ129のキー溝付きスロット(表示せず)から落下するのを防止する位置にまで回転される。次に、保持リング134と耐摩耗リング116が固定され、隔壁114を適所に保持するだけでなく、独立した加圧域(例えば、この場合、空隙104、106および140に対応して3つ)を互いに分離する。
【0072】
図10は、環状クランプ126と130、ひいては部材119と120の下向きの動きを制限するための機械的停止機構として、耐摩耗リング116と保持リップ129が動作することを示している。部材119と120は、重力によりクランプ126と130の機械的停止機構まで降下するものとする。ただし、半導体ウェハ124が、キャリヤ100と研磨プラテン(表示せず)との間の位置にあるときには、ウェハ124の厚さによって、クランプ126と130がそれらの機械的停止機構に到達するのを抑止しようとする。正または負の圧力が空隙104および106に加えられるときには、クランプ126と130がそれぞれ機械的停止機構の方向へ移動させられるかあるいはそこから離れる方向へ移動させられる。このようにして、差圧をクランプ126、130および部材119、120を介して、半導体ウェハ124に加えることができる。
【0073】
キャリヤ100の操作方法は、キャリヤ12の操作の説明で参照されている図7に関して記載されている方法と酷似している。この方法は、研磨対象の半導体ウェハ124またはその他の加工物をチャックにかける工程から始まる。これは、加工しようとする1つまたは複数の半導体ウェハ124上にキャリヤ100を懸垂することによって達成される。キャリヤ100は、一番上のウェハのすぐ上の位置まで降下する。コンジット110は、キャリヤフィルム122の開口部142を用いて、半導体ウェハ124をチャックするため、空隙140内に負の圧力を加える真空圧供給源に接続されている。チャック工程でウェハ124との密閉状態を保持するのに役立つよう、正の圧力を空隙104と106に加えることができる。
【0074】
次に、キャリヤ100とウェハ124は、研磨パッドとプラテン(表示せず)上に移動し、研磨パッドとウェハ124の下面が接触するように降下する。ここからは、当業者によく知られている、ローテーション(回転)、オービタル(楕円、軌道)またはそれらの組み合わせなどの研磨技術を使用することができる。ユーザは、半導体ウェハ124の全面に渡って均一な研磨圧を実現するために、空隙104、106および140を同じ圧力まで加圧することができる。あるいは、ユーザは、空隙104、106および140を異なったレベルまで加圧し、それによって均一ではないが、それでもなお半導体ウェハ124の全面に渡って制御された圧力が分布するようにもできる。
【0075】
このような方法で、ユーザーは、均一な力分布を半導体ウェハ124の表面にかけた場合に除去速度低くなる区域に対する圧力分布を向上させることができる。図10から明らかなように、空隙104内の供給圧を上げるに伴って隔壁114がわずかに膨らんで、ウェハ124に対し環状部材120からより大きな圧力が加わるため、そのようなことが可能になるのである。同じことが、空隙106およびそれより低いレベルで空隙140に加えられる圧力にも該当する。研磨が完了すると、この方法は終了となる。
【0076】
上記の方法と装置は説明のための例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではなく、また本発明の範囲内で様々な変更を当業者が行うことができるということは理解されるであろう。例えば、本願に記載した加圧流体は加圧気体であることが好ましいが、代替の手段として加圧液体を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の好適実施例に従った研磨装置を表す直径方向に沿った断面分解図。
【図2】
本発明の好適実施例に従った図1の研磨装置を表す直径方向に沿った全組立断面図。
【図3】
本発明の好ましい実施例に従った図1のキャリヤの一部を表す直径方向に沿った断面図。
【図4】
本発明の別の実施例に従った図1のキャリヤの一部を表す直径方向に沿った断面図。
【図5】
本発明の別の実施例に従った一体型隔壁の一部の透視図。
【図6】
本発明のさらに別の実施例に従った、キャリヤに結合可能な複数の隔壁の簡略断面図。
【図7】
本発明の好適な実施例に従った、加工物を研磨するためにキャリヤを操作する方法のフローチャート。
【図8】
本発明のさらに別の実施例に従った、キャリアを表す直径方向に沿った全組立断面図。
【図9】
図8のキャリヤの一部の直径方向に従った断面図。
【図10】
図8のキャリヤの一部の直径方向に従った別の断面図である。
Claims (24)
- 加工物の表面の化学機械的平坦化を実施する装置のキャリヤにおいて、
主表面を有する剛体板と、
加工物の第一面部分と接触する第一セクションを持つ柔軟な材料から形成された第一隔壁であって、前記剛体板に接続され、少なくとも前記主表面の第一部分を横断するように延在し、それによって第一空隙をその間に形成する第一隔壁と、
前記加工物の第二面部分と接触する第二セクションを持つ柔軟な材料から形成された第二隔壁であって、前記剛体板に接続し、少なくとも前記主表面の第二部分を横断するように延在し、それによって第二空隙をその間に形成する第二隔壁と、
前記空隙の少なくともどれか一つに加圧流体の供給源を接続するのに用いる複数の流体コンジットとを有するキャリヤ。 - 前記加工物の前記表面の反対側にある、前記加工物の前記第一面部分を中心として前記第一空隙が配置され、前記第二空隙が前記第一空隙に対し同心に配置されている、請求項1記載のキャリヤ。
- 前記第一の空隙と前記第二の空隙が、それぞれ円筒形と環状である、請求項1記載のキャリヤ。
- 前記第一隔壁の一部、前記第二隔壁の一部および前記加工物の一部の間に形成された隔壁間空隙をさらに有する、請求項1記載のキャリヤ。
- 前記隔壁間空隙に加圧流体の供給源を接続するのに用いるその他の流体コンジットをさらに有する、請求項4記載のキャリヤ。
- 前記第一隔壁は前記第一隔壁の前記剛体板との接続部と前記加工物の前記第一面部分と接触する前記第一セクションとの間に配置されたベロー部分を含み、前記ベロー部分は前記主表面に実質的に直交する軸に沿って前記第一空隙の伸長を可能にする構成されている、請求項1記載のキャリヤヘッド。
- 前記第二隔壁は前記第二隔壁の前記剛体板との接続部と前記加工物の前記第二面部分と接触する前記第二セクションとの間に配置されたベロー部分を含み、前記ベロー部分は前記主表面に実質的に直交する軸に沿って前記第二空隙の伸長を可能にする構成されている、請求項1記載のキャリヤ。
- 前記第一隔壁の前記第一セクションおよび前記第二隔壁の前記第二セクションの少なくとも一方が、それらを貫通する複数の開口部を有することを特徴とする、請求項1記載のキャリヤ。
- 前記第一隔壁と前記第二隔壁とが互いに一体的に接続されている、請求項1記載のキャリヤ。
- 前記柔軟な材料はポリウレタンを含む、請求項1記載のキャリヤ。
- 加工物の表面の化学機械的平坦化を実施する装置のキャリヤにおいて、
主表面を有する剛体板と、
半導体ウェハの面部分と接触するセクションを持つ柔軟な材料から形成れた隔壁であって、前記剛体板に接続され、少なくとも前記主表面の一部分を横断するように延在し、それによって空隙をその間に形成する隔壁と、
半導体ウェハの独立した面部分と接触する独立したセクションを持つ柔軟な材料から形成された複数のその他の隔壁であって、それぞれが前記剛体板に接続され、前記主表面の独立した部分をそれぞれ横断するように延在し、それによってそれぞれがその他の空隙を形成する複数の隔壁と、
前記空隙の少なくともどれか一つに加圧流体の供給源を接続するのに用いる複数の流体コンジットとを有するキャリヤ。 - 前記加工物の前記表面の反対側にある、前記加工物の前記面部分を中心として前記空隙が配置され、前記その他の空隙が前記空隙に対し同心に配置されている、請求項11記載のキャリヤ。
- 前記空隙と前記他の空隙が、それぞれ円筒形と環状であることを特徴とする、請求項11記載のキャリヤ。
- 面上の不均一な除去速度を補正するため、加工物の表面の化学機械的平坦化を制御する方法において、
主表面を有する剛体板を用意する工程と、
柔軟な材料から形成された第一隔壁と前記剛体板の主表面の第一部分とによって形成される第一空隙を加圧して、前記第一隔壁の第一セクションが、前記加工物の前記表面の反対側の第一面部分と接触できるようにする工程と、
柔軟な材料から形成された第二隔壁と前記剛体板の主表面の第二部分とによって形成される第二空隙を加圧して、前記第二隔壁の第二セクションが、前記加工物の前記表面の反対側の第二面部分と接触できるようにする工程と、
不均一な除去速度を補正するために前記空隙の加圧を調整する工程と、
前記加工物の表面を研磨する工程とを実行する方法。 - 前記加工物の前記第一面部分を中心として前記第一空隙が配置され、前記第二空隙が前記第一空隙に対し同心に配置されている、請求項14記載の方法。
- 前記第一空隙と前記第二空隙が、それぞれ円筒形と環状である、請求項14記載の方法。
- 加工物の表面の化学機械的平坦化を実施する装置のキャリヤにおいて、
複数の空隙が形成された主表面を有する剛体板と、
前記主表面の一部に結合および接触している上面を持つ柔軟な材料から形成された隔壁と、
前記隔壁の下面に結合および接触するとともに、前記主表面の第一空隙の下側に配置される第一部材と、
前記隔壁の前記下面に結合および接触するとともに、前記主表面の第二空隙の下側に配置される第二部材と、
加圧流体の供給源を前記空隙うちのすくなくとも一つに接続するのに用いられる複数の流体コンジットとを有するキャリヤ。 - 前記第一部材が前記加工物の裏面に配置された前記第一部分を中心として配置され、前記第二部材が前記第一部材に対し同心に配置されている、請求項17記載のキャリヤ。
- 前記第一部材と前記第二部材が、それぞれ円筒形と環状である、請求項17記載のキャリヤ。
- 前記第一部材の一部、前記第二部材の一部、前記隔壁の一部および前記加工物の裏面の一部の間に形成された中間空隙をさらに有する、請求項17記載のキャリヤ。
- 前記中間空隙に加圧源を接続するのに用いるその他のコンジットをさらに有する、請求項20記載のキャリヤ。
- 前記第一・第二部材の下面と前記加工物の裏面と接触するキャリヤフィルムを含む、請求項20記載のキャリヤ。
- 前記キャリアフィルムが、前記第一部材の下面と前記第二部材の下面との間に延在して、前記中間空隙の境界を一部形成する、請求項22記載のキャリヤ。
- 前記キャリヤフィルムがそれを貫通する少なくとも1つの開口部を含む、請求項22記載のキャリヤ。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/541,753 US6447379B1 (en) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | Carrier including a multi-volume diaphragm for polishing a semiconductor wafer and a method therefor |
PCT/US2001/007685 WO2004017386A2 (en) | 2000-03-31 | 2001-03-27 | Carrier including a multi-volume diaphragm for polishing a semiconductor wafer and a method therefor |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005520357A true JP2005520357A (ja) | 2005-07-07 |
Family
ID=33435307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004529013A Pending JP2005520357A (ja) | 2000-03-31 | 2001-03-27 | 半導体ウェハを研磨するためのマルチボリューム隔壁を有するキャリヤと研磨方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005520357A (ja) |
AU (1) | AU2001298108A1 (ja) |
GB (1) | GB2402263A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11945073B2 (en) | 2019-08-22 | 2024-04-02 | Applied Materials, Inc. | Dual membrane carrier head for chemical mechanical polishing |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3158934B2 (ja) * | 1995-02-28 | 2001-04-23 | 三菱マテリアル株式会社 | ウェーハ研磨装置 |
US5851140A (en) * | 1997-02-13 | 1998-12-22 | Integrated Process Equipment Corp. | Semiconductor wafer polishing apparatus with a flexible carrier plate |
EP0881039B1 (en) * | 1997-05-28 | 2003-04-16 | Tokyo Seimitsu Co.,Ltd. | Wafer polishing apparatus with retainer ring |
JPH11226865A (ja) * | 1997-12-11 | 1999-08-24 | Speedfam Co Ltd | キャリア及びcmp装置 |
-
2001
- 2001-03-27 AU AU2001298108A patent/AU2001298108A1/en not_active Abandoned
- 2001-03-27 JP JP2004529013A patent/JP2005520357A/ja active Pending
- 2001-03-27 GB GB0222175A patent/GB2402263A/en not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11945073B2 (en) | 2019-08-22 | 2024-04-02 | Applied Materials, Inc. | Dual membrane carrier head for chemical mechanical polishing |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB2402263A (en) | 2004-12-01 |
GB2402263A8 (en) | 2004-12-21 |
AU2001298108A1 (en) | 2004-03-03 |
GB0222175D0 (en) | 2002-10-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5324775B2 (ja) | キャリアヘッド用キャリアリング | |
JP5250243B2 (ja) | キャリアヘッド用フレキシブル膜 | |
JP5329071B2 (ja) | 保持リング及びキャリアリングを持つキャリアヘッド | |
JP5314267B2 (ja) | 保持リング、保持リングに負荷をかけるフレキシブル膜及び保持リングアセンブリ | |
US6776694B2 (en) | Methods for carrier head with multi-part flexible membrane | |
US6979250B2 (en) | Carrier head with flexible membrane to provide controllable pressure and loading area | |
US6056632A (en) | Semiconductor wafer polishing apparatus with a variable polishing force wafer carrier head | |
US6165058A (en) | Carrier head for chemical mechanical polishing | |
US6241593B1 (en) | Carrier head with pressurizable bladder | |
US6494774B1 (en) | Carrier head with pressure transfer mechanism | |
US20050211377A1 (en) | Multiple zone carrier head with flexible membrane | |
US6361419B1 (en) | Carrier head with controllable edge pressure | |
US6447379B1 (en) | Carrier including a multi-volume diaphragm for polishing a semiconductor wafer and a method therefor | |
JPH10270538A (ja) | 柔軟なキャリアプレートを有する半導体ウェハポリシング装置 | |
EP0264572A1 (en) | Polishing apparatus | |
KR100833833B1 (ko) | 화학 기계 연마용 다층 유지링 | |
JP2004500251A (ja) | 調節可能な圧力領域及び隔壁を有する加工物キャリヤ | |
JP2007335895A (ja) | 化学的機械研磨用の膜 | |
US6358121B1 (en) | Carrier head with a flexible membrane and an edge load ring | |
CN214135511U (zh) | 用于化学机械抛光的承载头和用于化学机械抛光的系统 | |
KR20020091325A (ko) | 화학적 기계적 평탄화 기계의 폴리싱 헤드 및 그것을이용한 폴리싱방법 | |
JP2004165175A (ja) | 半導体ウェハを研磨するためのマルチボリューム隔壁を有するキャリヤと研磨方法 | |
JP2005520357A (ja) | 半導体ウェハを研磨するためのマルチボリューム隔壁を有するキャリヤと研磨方法 | |
US20020177395A1 (en) | Polishing head of a chemical and mechanical polishing apparatus for polishing a wafer | |
KR20040022691A (ko) | 반도체 웨이퍼 연마용 다부피 다이어프램을 갖는 캐리어및 그 제조 방법 |