JP2005519264A - 表面修飾、リンカー結合、および重合方法 - Google Patents

表面修飾、リンカー結合、および重合方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、表面修飾およびリンカー結合に関する。例えば、本発明は、核酸およびタンパク質マイクロアレイを含む、マイクロアレイの製造および使用を容易にする表面修飾およびリンカー化学を提供する。本発明はまた、非水溶液によるアレイスポッティングに関する。

Description

本出願は、2002年2月27日提出の米国特許仮出願第60/361,108号および2002年12月23日提出の米国特許仮出願第60/436,199号(共に参照として本明細書中に組み入れられる)の優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、表面修飾、リンカー結合、および重合方法に関する。例えば、本発明は、核酸およびタンパク質マイクロアレイを含む、マイクロアレイの製造および使用を容易にする表面修飾、リンカー化学、および重合方法を提供する。本発明はまた、オイルなどの非水溶液によるスポッティング方法に関する。
発明の背景
固体材料(例えば、金、銀、シリコン、シリカ、ガラス、ポリマー、ゴムなど)の表面を特異的に化学修飾する新しい方法の開発は、マイクロアレイ、バイオセンサ、および多様なナノテクノロジー領域で使用される新規材料の最も重要な製造局面の1つを示す。目的の固体表面上の特定の化学的または物理的変化の誘導方法が多数開発されているという事実にもかかわらず、より優れた合成自由度を提供し、および/または新規の分子を目的の固体表面に結合させるための新規の分子構造を構築を可能にする、新規の合成アプローチが調査されつづけている。
発明の概要
本発明は、表面修飾、リンカー結合、および重合方法に関する。例えば、本発明は、核酸およびタンパク質マイクロアレイを含む、マイクロアレイの製造および使用を容易にする表面修飾、リンカー化学、および重合方法を提供する。本発明はまた、オイルなどの非水溶液によるスポッティング方法に関する。
いくつかの態様では、本発明は、表面を含む組成物であって、前記表面がコーティングを含み、前記コーティングがリンカーを含み、前記リンカーが前記表面に共有結合した第1の末端および反応基を含む第2の末端を有し、前記リンカーが疎水性部分および親水性部分をさらに含み、前記疎水性部分が前記表面への前記リンカーの結合安定性を増大させるために水性環境中で崩壊するように構成されている組成物を提供する。
一定の態様では、表面はガラス表面を含む。他の態様では、コーティングはゾル-ゲルガラスを含む。さらなる態様では、リンカーは原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization)を使用して合成される。さらなる態様では、反応基により核酸分子がリンカーの第2の末端に結合する。いくつかの態様では、組成物はリンカーの第2の末端に結合した核酸分子をさらに含む。一定の態様では、組成物は表面に結合した100個またはそれ以上の核酸分子をさらに含む。
特定の態様では、本発明は、表面を含む組成物であって、前記表面が疎水性コーティングを含み、前記疎水性コーティングが複数の酸化スポットを含み、前記酸化スポットが、a)前記疎水性コーティングを作成するためにジスルフィド結合を含む化合物で前記表面をコーティングする工程と、b)前記複数の酸化スポットを作成するために酸化剤を使用して複数のスポット中の疎水性コーティングを曝露する工程とを含む方法によって得られる、組成物を提供する。
いくつかの態様では、表面はガラス表面を含む。他の態様では、コーティングはゾル-ゲルガラスを含む。さらなる態様では、酸化剤は過酸化水素を含む。さらなる態様では、表面は、1つまたは複数の酸化スポット中の表面に結合した核酸分子を含む。
いくつかの態様では、本発明は、a)i)ウェルを含む固体支持体と、ii)非水溶液と、iii)検出試薬溶液と、を提供する工程と、b)前記ウェルに前記非水溶液を添加する工程と、c)少なくとも1つのマイクロアレイスポットが前記ウェル中に形成されるような条件下で、前記非水溶液を介して前記ウェルに前記検出試薬溶液を添加する工程と、を含む方法を提供する。他の態様では、方法は、d)前記少なくとも1つのマイクロアレイスポットを試験サンプル溶液に接触させる工程をさらに含む。さらなる態様では、接触は、前記ウェル中の前記非水溶液を介して前記試験サンプル溶液を促進させる工程を含む。
いくつかの態様では、本発明は、a)i)マイクロアレイスポットを含む固体支持体と、ii)非水溶液と、iii)試験サンプル溶液と、を提供する工程と、b)前記マイクロアレイスポットを前記非水溶液の層で被覆する工程と、c)前記非水溶液層を介して前記マイクロアレイスポットを前記試験サンプル溶液に接触させる工程とを含む方法を提供する。他の態様では、試験サンプル溶液は標的核酸分子を含む。
特定の態様では、非水溶液はオイルである。他の態様では、固体支持体は複数のウェルを含み、この方法を複数のウェルを使用して行う。さらなる態様では、(例えば、複数のウェルの少なくとも2つで)少なくとも2つのマイクロアレイスポットが同時に形成される。
いくつかの態様では、試験サンプル溶液は標的核酸分子を含む。好ましい態様では、標的溶液が800コピー未満の標的核酸分子、400コピー未満の標的核酸分子、または200コピー未満の標的核酸分子を含む。特定の態様では、マイクロアレイスポットの試験サンプル溶液との接触により、標的核酸分子中の多型の有無が同定される。いくつかの態様では、(例えば、マイクロアレイスポット形成前に)ウェルをゾル-ゲルコーティングでコーティングする。
他の態様では、検出試薬溶液は、TAQMANアッセイ、またはINVADERアッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、ローリングサークル伸長アッセイ、配列決定アッセイ、多型に相補的なプローブを使用したハイブリダイゼーションアッセイ、ビーズアレイアッセイ、プライマー伸長アッセイ、酵素ミスマッチ切断アッセイ、分岐ハイブリダイゼーションアッセイ、NASBAアッセイ、分子ビーコンアッセイ、サイクリングプローブアッセイ、リガーゼ連鎖反応アッセイ、およびサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイから選択される検出アッセイで使用するために構成された成分を含む。好ましい態様では、検出試薬溶液はINVADERオリゴヌクレオチドおよび5'プローブオリゴヌクレオチドを含む。
さらなる態様では、SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムまたは他の流動物移動系もしくはデバイスを使用して接触を行う。好ましい態様では、市販のCARTESIAN SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムを使用する。米国特許第6,063,339号および同第6,258,103号(その両方が特に参照として本明細書に組み入れられる)ならびにPCT出願:国際公開公報第0157254号;国際公開公報第0049959号;国際公開公報第0001798号;および国際公開公報第9942804号(その全てが特に参照として本明細書に組み入れられる)に記載のデバイスを含む類似のデバイスも使用することができる。
特定の態様では、少なくとも2つのマイクロアレイスポットがウェル中で形成される(あるいは少なくとも3、4、または5つのマイクロアレイスポットが各ウェル中で形成される)。
定義
本発明の理解を容易にするために、いくつか用語および句を以下で定義する。
本明細書中で使用される、用語「固体支持体」、「固体表面」、「支持体」、または「表面」は、別の材料が結合することができる固体または半固体構造を提供する任意の材料をいう。このような材料には、滑らかな支持体(例えば、金属、ガラス、プラスチック、シリコン、およびセラミックの表面)ならびにざらつきのある材料および多孔質材料が含まれる。このような材料には、ゲル、ゴム、ポリマー、および他の軟質材料も含まれるが、これらに限定されない。固体支持体は、平面である必要はない。支持体には、球状(例えば、ビーズまたはミクロスフェア)を含む任意の形状が含まれる。固体支持体(微粒子)およびINVADERアッセイのためのこれらの微粒子の使用方法の特定の例は、Stevensら、Nucleic Acids Research,29(16):E77,2001;およびStevensら、Biotechniques,Jan;34(1):198-203,2002(その両方が特に全ての目的のために参照として本明細書に組み入れられる)に記載されている。固体支持体に結合する材料を、固体支持体の任意の部分に結合することができる(例えば、多孔質固体支持体材料の内部に結合することができる)。本発明の好ましい態様は、固体支持体に結合する核酸分子およびタンパク質などの生体分子を有する。非無作為的な化学的または物理的相互作用を介して固体支持体に結合する場合、生体分子は固体支持体に「結合される」。いくつかの好ましい態様では、結合は共有結合による。しかし、結合は共有結合や恒久的である必要はない。いくつかの態様では、「スペーサー分子」または「リンカー基」を介して材料を固体支持体に結合する。このようなスペーサー分子は、生体分子に結合する第1の部分および固体支持体に結合する第2の部分を有する分子である。したがって、固体支持体に結合する場合、スペーサー分子は固体支持体と生体分子とを分離するが、その両方に結合する。
本明細書中で使用される、用語「ビーズ」、「粒子」、および「ミクロスフェア」は、溶液中で移動することができる小さな固体支持体をいう(すなわち、これらが存在する閉鎖系(enclosure)よりも小さな直径を有する)。いくつかの好ましい態様では、ビーズは完全または部分的に球状または円筒形である。しかし、ビーズは、いかなる特定の三次元形状にも限定されない。
本明細書中で使用される、用語「マイクロアレイ」は、その表面に結合した複数の分子(例えば、ヌクレオチド、ペプチドなど)を有する固体支持体をいう。例えば、マイクロアレイは、Schena,「Microarray Biochip Technology」Eaton Publishing,Natick,MA,2000に全般的に記載されている。さらに、用語「パターン化マイクロアレイ」は、その表面に非無作為的に結合した複数の分子を有するマイクロアレイ基質をいう。
本明細書中で使用される、用語「相補的な」または「相補性」は、塩基対合規則に関するポリヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチドまたは標的核酸などのヌクレオチド配列)に関連して使用される。例えば、配列「5'-A-G-T-3'」は、配列「3'-T-C-A-5'」に相補的である。相補性は、いくつかの核酸塩基のみが塩基対合規則に適合するような「部分的」であり得る。あるいは、核酸の間で「完全に」または「全てが」相補的であり得る。核酸鎖間の相補性度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に有意に影響する。これは、増幅反応ならびに核酸間の結合に依存する検出方法で特に重要である。各ヌクレオチド(特に、ポリヌクレオチドの文脈内で)に関していずれの用語を使用することもできる。例えば、オリゴヌクレオチド内の特定のヌクレオチドを、残りのオリゴヌクレオチドと核酸鎖との間の相補性と対比または比較して、別の核酸鎖内のヌクレオチドに対するその相補性または欠如について注目することができる。本明細書中で使用される、「相補性」は、A-T、G-C、およびA-U塩基対を含む支配的な天然の塩基対に制限されない。むしろ、本明細書中で使用されるこの用語は、別の修飾された非天然塩基(修飾されているか別の水素結合パターンを使用して対合したものが含まれるがこれらに限定されない)を含む(例えば、米国特許第5,432,272号および同第6,037,120号(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる)およびKool,Current Opinion in Chemical Biology,4:602-608(2000)(参照として本明細書に組み入れられる)に記載のものを参照のこと)。
用語「相同性」および「相同的な」は、同一度をいう。部分的または完全に相同であり得る。部分的に相同な配列は、別の配列と100%未満の同一な配列である。
本明細書中で使用される、用語「ハイブリダイゼーション」は、相補的な核酸の対合に関して使用される。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち、核酸間の結合の強度)は、核酸間の相補性の程度、関連する条件のストリンジェンシー、および形成されたハイブリッドのTmなどの要因に影響を受ける。「ハイブリダイゼーション」方法は、一方の核酸の他方の相補性核酸(すなわち、相補性ヌクレオチド配列を有する核酸)のアニーリングを含む。相補性配列を含む2つの核酸ポリマーの相互に見出されて塩基対合相互作用によってアニーリングする能力は十分に認識された現象である。Marmur and Lane,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:453(1960)およびDotyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:461(1960)による「ハイブリダイゼーション」プロセスの最初の所見の後、このプロセスは現代生物学の不可欠なツールに改良された。
相補性に関して、ハイブリダイゼーションが完全または部分的に相補性であるかどうかを決定することは、いくつかの診断的応用に重要である。例えば、病原体DNA(ウイルス、細菌、真菌、マイコプラズマ、原生動物由来のものなど)の有無を単に検出することを所望する場合、ハイブリダイゼーション方法が関連配列が存在する場合に確実にハイブリダイゼーションすることのみが重要であり、部分的に相補的なプローブおよび完全に相補的なプローブの両方がハイブリダイゼーションする条件を選択することができる。しかし、他の診断的応用では、ハイブリダイゼーション方法が部分的相補性と完全な相補性とを区別する必要があることもある。これは、遺伝的多型を検出することを目的とし得る。例えば、ヒトヘモグロビンは、部分的に4つのポリペプチド鎖から構成される。これらの鎖のうちの2つは同一の141アミノ酸鎖(α鎖)であり、これらの鎖のうちの2つは同一の146アミノ酸鎖(β鎖)である。β鎖をコードする遺伝子は、多型を示すことが公知である。通常の対立遺伝子は、第6位にグルタミン酸を有するβ鎖をコードする。変異対立遺伝子は、第6位にバリンを有するβ鎖をコードする。アミノ酸中のこの相違は、生理学的に著しい(個体が変異対立遺伝子にホモ接合性である場合、最も著しい)影響を与える(臨床的に鎌状赤血球貧血として公知)。アミノ酸変化の遺伝的基礎は、正常な対立遺伝子DNA配列と変異対立遺伝子DNA配列との間の1塩基の相違に関与することが周知である。
本明細書中で使用される、「核酸配列の相補物」は、核酸配列を一方の配列の5'末端を他方の配列の3'末端と対合させるように整列させた場合に「逆平行結合」となるオリゴヌクレオチドをいう。一般に天然の核酸には見られない一定の塩基が、本発明の核酸中には含まれ得、例えば、イノシンおよび7-デアザグアニンならびに他の利用可能なヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログが含まれる。完全な相補性は必要なく、安定な二重鎖はミスマッチ塩基対またはマッチしていない塩基を含み得る。核酸テクノロジーの当業者は、多数の変動因子(例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基の組成および配列、ならびにイオン強度およびミスマッチ塩基対の発生率が含まれる)を実験的に考慮して二重鎖安定性を決定することができる。
本明細書中で使用される、用語「Tm」は、「融点」に関して使用される。融点は、二本鎖核酸分子集団が半分に分解されて1つの鎖になる温度である。核酸のTmを計算するいくつかの式が当技術分野において周知である。標準的な参考文献に示されるように、Tm値の簡単な評価を、式:Tm=81.5+0.41(%G+C)(核酸が1M NaCl水溶液中に存在する場合)で計算することができる(例えば、Anderson and Young,Quantitative Filter Hybridization,in Nucleic Acid Hybridization(1985)を参照のこと)。他の参考文献(例えば、Allawi,H.T.&SantaLucia,J.,Jr.Thermodynamics and NMR of internal G.T mismatches in DNA.Biochemistry 36,10581-94(1997))は、Tmの計算のために構造および環境ならびに配列の特徴を考慮したより改良された演算を含む。
本明細書中で使用される、用語「ストリンジェンシー」は、核酸ハイブリダイゼーションが行われる温度、イオン強度、および他の化合物の存在の条件に関して使用される。「高ストリンジェンシー」条件では、相補性塩基配列の頻度が高い核酸フラグメント間のみで核酸塩基対合が起こる。したがって、「弱い」または「低」ストリンジェンシーは、しばしば、相互に完全に相補的ではない核酸を互いにハイブリダイゼーションするかアニーリングすることが望ましい場合に必要である。
「高ストリンジェンシー条件」は、核酸ハイブリダイゼーションに関して使用する場合、5×SSPE(43.8g/l NaCl、6.9g/l NaH2PO4・H2O、および1.85g/l EDTA(NaOHでpHを7.4に調整))、0.5%SDS、5×Denhardt試薬、および100μg/ml変性サケ精子DNAからなる42℃の溶液中での結合またはハイブリダイゼーション、およびその後の0.1×SSPE、1.0%SDSを含む42℃の溶液での洗浄(約500ヌクレオチド長のプローブを使用する場合)に等価な条件を含む。
「中程度のストリンジェンシー条件」は、核酸ハイブリダイゼーションに関して使用する場合、5×SSPE(43.8g/l NaCl、6.9g/l NaH2PO4・H2O、および1.85g/l EDTA(NaOHでpHを7.4に調整))、0.5%SDS、5×Denhardt試薬、および100μg/ml変性サケ精子DNAからなる42℃の溶液中での結合またはハイブリダイゼーション、およびその後の1.0×SSPE、1.0%SDSを含む42℃の溶液での洗浄(約500ヌクレオチド長のプローブを使用する場合)に等価な条件を含む。
「低ストリンジェンシー条件」は、5×SSPE(43.8g/l NaCl、6.9g/l NaH2PO4・H2O、および1.85g/l EDTA(NaOHでpHを7.4に調整))、0.1%SDS、5×Denhardt試薬(50×Denhardtは500mlあたり5gのFicoll(タイプ400、Pharamcia)、5g BSA(画分V、Sigma)を含む)および100g/ml変性サケ精子DNAからなる42℃の溶液中での結合またはハイブリダイゼーション、およびその後の5×SSPE、0.1%SDSを含む42℃の溶液での洗浄(約500ヌクレオチド長のプローブを使用する場合)に等価な条件を含む。
用語「遺伝子」は、非コード機能(例えば、リボソームRNAまたはトランスファーRNA)を有するまたはポリペプチドもしくは前駆体をコードするRNAの産生に必要な調節配列およびコード配列を含むDNA配列をいう。RNAまたはポリペプチドを、全長コード配列、または所望の活性または機能が保持される限り、コード配列の任意の一部によってコードすることができる。
用語「野生型」は、天然に存在する供給源から単離された場合に遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する遺伝子または遺伝子産物をいう。野生型遺伝子は、集団中に最も頻繁に認められ、それにより任意に遺伝子の「正常」または「野生型」形態と呼ばれる遺伝子である。対照的に、「改変」、「変異」、または「多型」は、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合に配列およびまたは機能的性質の改変(すなわち、特徴の変化)を示す遺伝子または遺伝子産物をいう。天然に存在する変異体を単離することができ、これらは野生型遺伝子または遺伝子産物と比較したて特徴が変化しているという事実によって識別されることに留意のこと。
本明細書中で使用される、用語「オリゴヌクレオチド」を、2つまたはそれ以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、好ましくは少なくとも5個のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜15個のヌクレオチド、およびより好ましくは少なくとも約15〜30個またはそれ以上のヌクレオチドを含む分子として定義する。正確なサイズは、多数の要因、言い換えれば、オリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドを、任意の様式(化学合成、DNA複製、逆転写、PCR、またはその組み合わせが含まれる)で作製することができる。
1つのモノヌクレオチドペントース環の5'リン酸をその近隣の3'酸素にリン酸ジエステル結合を解して一方向で結合する様式でオリゴヌクレオチドを作製するようにモノヌクレオチドを反応させるので、オリゴヌクレオチドの末端を、その5'リン酸がモノヌクレオチドペントース環の3'酸素に結合しない場合に「5'末端」といい、その3'酸素がその後のモノヌクレオチドペントース環の5'リン酸に結合する場合に「3'末端」という。本明細書中で使用される、「核酸配列」は、より大きなオリゴヌクレオチドの内部であっても、5'末端および3'末端を有するということができる。核酸鎖の5'から3'への方向に向かって、第1の領域の3'末端が第2の領域の5'末端の前に存在する場合に、核酸鎖に沿った第1の領域は別の領域の上流にあるという。
2つの異なる非重複オリゴヌクレオチドが同一の線状相補性核酸配列の異なる領域とアニーリングして一方のオリゴヌクレオチドの3'末端が他方の5'末端の方向を向いている場合、前者を「上流」オリゴヌクレオチドおよび後者を「下流」オリゴヌクレオチドと呼ぶことがある。同様に、第1のオリゴヌクレオチドの5'末端が第2のオリゴヌクレオチドの5'末端の上流に存在し、第1のオリゴヌクレオチドの3'末端が第2のオリゴヌクレオチドの3'末端の上流であるように位置付けられた2つの重複オリゴヌクレオチドが同一の線状相補性核酸配列とハイブリダイゼーションする場合、第1のオリゴヌクレオチドを「上流」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができ、第2のオリゴヌクレオチドを「下流」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。
用語「プライマー」は、プライマー伸長が開始される条件下に置かれた場合に合成開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドをいう。オリゴヌクレオチド「プライマー」は、精製制限消化物として天然に存在し得るか、合成によって産生することができる。
テンプレートの特定の配列の鎖に「実質的に」相補的なプライマーを選択する。プライマーは、プライマー伸長を起こすためにテンプレート鎖とハイブリダイゼーションするのに十分に相補的でなければならない。プライマー配列は、テンプレートの正確な配列を反映する必要はない。例えば、非相補性ヌクレオチドフラグメントを、プライマーの5'末端に結合することができ、残りのプライマー配列は鎖に実質的に相補的である。プライマー配列がハイブリダイズするテンプレート配列と十分に相補的であり、テンプレート-プライマー複合体を形成してプライマーの伸長産物を合成する場合、非相補性塩基またはより長い配列をプライマー中に散在させることができる。
本明細書中で使用される、用語「標識」は、検出可能な(好ましくは定量可能な)効果を提供するために使用することができ、且つ核酸またはタンパク質に結合することができる任意の原子または分子をいう。標識には、色素;32Pなどの放射性標識;ビオチンなどの結合部分;ジゴキシゲニンなどのハプテン;発光、リン光発光、または蛍光発光部分;および蛍光色素(単独または蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)による発光スペクトルを抑制またはシフトすることができる部分との組み合わせ)が含まれるが、これらに限定されない。標識により、蛍光、放射能、比色分析、重量測定、X線回折もしくは吸収、磁性、および酵素活性などによって検出可能なシグナルを得ることができる。標識は、荷電部分(正電荷または負電荷)であり得るか、または電気的に中立であり得る。標識を含む配列が検出可能である限り、標識は核酸またはタンパク質配列を含むかこれらからなり得る。
本明細書中で使用される、用語「シグナル」は、標識またはアッセイ反応に起因するかこれらから得られる任意の検出可能な効果をいう。
本明細書中で使用される、用語「検出器」は、使用者またはシステムの他の成分(例えば、コンピュータまたはコントローラ)にシグナルまたは効果の存在を伝達することができるシステムまたはシステムの成分(例えば、装置(例えば、カメラ、蛍光光度計、電荷結合素子、シンチレーションカウンターなど)または反応媒体(X線またはカメラのフィルム、pH表示器など))をいう。検出器は、紫外線、可視光線、または赤外線(蛍光または化学発光を含む)を検出することができる光度測定システムもしくは分光光度測定システム;放射線検出システム;核磁気共鳴分光法、質量分析、または表面増強ラマン分光法などの分光測定システム;ゲルもしくはキャピラリー電気泳動またはゲル排除クロマトグラフィなどのシステム;または当技術分野において公知の他の検出システムまたはその組み合わせであり得る。
本明細書中で使用される、用語「切断構造」は、少なくとも1つのプローブオリゴヌクレオチドと標的核酸との相互作用および二重鎖を含む構造の形成によって形成される構造をいい、得られた構造を切断剤(酵素が含まれるが、これらに限定されない)によって切断することができる。切断構造は、二次構造に無関係に(すなわち、二重鎖構造の形成は必要ない)核酸分子を切断するホスホジエステルなどの薬剤による非特異的切断のための基質である核酸分子と対照的に、切断剤による切断に特異的な基質である。
本明細書中で使用される、用語「折りたたまれた切断構造」は、二次構造を含む一本鎖核酸基質領域をいい、この領域は酵素切断剤によって切断可能である。切断構造は、二次構造に無関係に(すなわち、基質の折りたたみは必要ない)核酸分子を切断するホスホジエステルなどの薬剤による非特異的切断のための基質である核酸分子と対照的に、切断剤による特異的切断のための基質である。
本明細書中で使用される、用語「折りたたまれた標的」は、少なくとも1つの二次構造領域(すなわち、少なくとも1つの二本鎖領域および一本の核酸鎖内の少なくとも1つの一本鎖領域)を含む核酸鎖をいう。折りたたまれた標的は、二次構造領域に加えて三次構造領域を含み得る。
本明細書中で使用される、用語「切断手段」または「切断剤」は、切断構造を切断することができる任意の薬剤(酵素が含まれるが、これらに限定されない)をいう。「構造特異的ヌクレアーゼ」または「構造特異的酵素」は、核酸分子中の特異的二次構造を認識してこれらの構造を切断する酵素である。本発明の切断剤は、切断構造の形成に反応して核酸分子を切断する;切断剤は切断構造内のいずれか特定の位置で切断構造を切断する必要はない。
用語「熱安定性」は、5'ヌクレアーゼなどの酵素に関して使用される場合、高温(すなわち、約55℃またはそれ以上)で酵素が機能的または活性(すなわち、触媒することができる)であることを示す。
本明細書中で使用される、用語「切断産物」は、切断剤の切断構造との反応(すなわち、切断剤での切断構造の処理)によって作製された産物をいう。
用語「標的核酸」は、検出されるべき核酸分子をいう。いくつかの態様では、標的核酸は、少なくともプローブオリゴヌクレオチドと少なくとも部分的に相補的であり、且つINVADERオリゴヌクレオチドと少なくとも部分的に相補的であり得る配列を含む(下記)。標的核酸は、一本鎖または二本鎖のDNAまたはRNAを含み得る。
用語「プローブオリゴヌクレオチド」は、標的核酸と相互作用して検出複合体または切断構造を形成するオリゴヌクレオチドをいう。標的核酸とアニーリングして切断構造を形成する場合、プローブオリゴヌクレオチド内で切断が起こる。
本明細書中で使用される、用語「シグナルプローブ」は、検出可能部分を含むプローブオリゴヌクレオチドをいう。本発明は、検出可能部分の性質に制限されない。
本明細書中で使用される、用語「消光剤」および「消光剤部分」は、消光剤が検出可能部分の物理的周辺に存在する場合に、検出可能部分由来の検出可能シグナルを抑制または減少させる分子または物質をいう。例えば、いくつかの態様では、消光剤は、消光剤が蛍光標識の物理的周辺に存在する場合、蛍光標識を含むオリゴヌクレオチド由来の検出可能な蛍光シグナルの量を抑制する分子である。
用語「非標的切断産物」は、標的核酸に由来しない切断反応生成物をいう。上記のように、本発明の方法では、切断構造は大抵、プローブオリゴヌクレオチド内で切断される。この標的核酸依存性切断によって作製されたプローブオリゴヌクレオチドのフラグメントは、「非標的切断産物」である。
用語「INVADERオリゴヌクレオチド」は、プローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーション領域付近の位置で標的核酸にハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドをいい、INVADERオリゴヌクレオチドはプローブと標的との間のハイブリダイゼーション領域に重複する部分(例えば、化学的部分またはヌクレオチド(標的と相補的でも相補的でなくても))を含む。いくつかの態様では、INVADERオリゴヌクレオチドは、プローブオリゴヌクレオチドの5'末端に存在する配列と実質的に同一のその3'末端の配列を含む。
用語「実質的に一本鎖」は、核酸基質に関して使用する場合、鎖内塩基対合相互作用によって互いに保持される2つの核酸鎖として存在する二本鎖基質と対照的に、基質分子が主に核酸の一本鎖として存在することを意味する。
本明細書中で使用される、用語「配列の変形形態(variation)」は、2つの核酸の間の核酸配列の相違をいう。例えば、野生型構造遺伝子およびこの野生型構造遺伝子の変異形態の配列を、1塩基置換および/または1つまたは複数のヌクレオチドの欠失もしくは挿入の存在によって変化させることができる。構造遺伝子のこれら2つの形態は、互いにその配列が異なっているといわれる。構造遺伝子の第2の変異形態が存在し得る。この第2の変異形態は、野生型遺伝子および遺伝子の第1の変異形態の両方から配列が異なるといわれる。
本明細書中で使用される、用語「遊離」は、例えば、放出されたフラグメントが残りのオリゴヌクレオチドともはや共有結合していないような、5'ヌクレアーゼの作用によるオリゴヌクレオチドなどのより大きな核酸フラグメントからの核酸フラグメントの放出をいう。
本明細書中で使用される、用語「Km」は、酵素のミカエリス-メンテン定数をいい、所与の酵素により酵素触媒反応における最大速度の半分が得られる特異的基質の濃度と定義される。
本明細書中で使用される、用語「ヌクレオチドアナログ」は、修飾または非天然ヌクレオチド(7-デアザプリンなどのスタッキング相互作用が変化したアナログ(すなわち、7-デアザ-dATPおよび7-デアザ-dGTP);別の水素結合配置の塩基アナログ(例えば、Iso-CおよびIso-GならびにS.Bennerに付与された米国特許第6,001,983号に記載の他の非標準塩基対など);非水素結合アナログ(例えば、B.A.Schweitzer and E.T.Kool,J.Org.Chem.,1994,59,7238-7242、B.A.Schweitzer and E.T.Kool,J.Am.Chem.Soc.,1995,117,1863-1872に記載の2,4-ジフルオロトルエンなどの非極性芳香族ヌクレオシドアナログ);5-ニトロインドールおよび3-ニトロピロールなどの「普遍的」塩基;ならびに普遍的プリンおよびピリミジン(それぞれ「K」および「P」ヌクレオチドなど(P.Kong,ら、Nucleic Acids Res.,1989,17,10373-10383、P.Kongら、Nucleic Acids Res.,1992,20,5149-5152)など)が含まれるが、これらに限定されない)をいう。ヌクレオチドアナログには、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの修飾形態が含まれる。
本明細書および特許請求の範囲中の用語「サンプル」を、その最も広い意味で使用する。一方では、検体または培養物(例えば、微生物培養物)を含むことを意味する。他方では、生体サンプルおよび環境サンプルを含むことを意味する。サンプルには、合成起源の検体が含まれ得る。
生体サンプルは、動物(ヒトが含まれる)、流動物、固体(例えば、排泄物)または組織ならびに液体および固体の食品および飼料および乳製品などの原料、野菜、肉、および肉の副産物、および廃棄物であり得る。生体サンプルを、家畜および野生化または野生動物(有蹄動物、クマ、魚類、lagamorph、げっ歯類などの動物が含まれるが、これらに限定されない)の種々の全ファミリーから得ることができる。
環境サンプルには、表面物質、土壌、水、および産業サンプルならびに食品および乳製品処理装置、機械、設備、器具、使い捨ておよび非使い捨て用品から得られるサンプルなどの環境物質が含まれる。これらの例は、本発明で利用可能なサンプル型を制限すると解釈されるべきではない。
用語「標的核酸供給源」は、核酸(RNAまたはDNA)を含む任意のサンプルをいう。特に好ましい標的核酸供給源には、細胞溶解物、血液、唾液、脳脊髄液、胸膜液、ミルク、リンパ、痰、および精液が含まれるが、これらに限定されない生体サンプルである。
オリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドが他のオリゴヌクレオチド(または標的核酸配列)よりも高いモル濃度で存在する場合、他のオリゴヌクレオチド(または標的核酸配列)と比較して「過剰に」存在するといわれる。プローブオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドが切断反応中で相補的標的核酸配列の濃度と比較して過剰に存在する場合、反応を使用して標的核酸の存在量を示すことができる。典型的には、過剰に存在する場合、プローブオリゴヌクレオチドは、少なくとも100倍モル過剰に存在し、典型的には、標的核酸配列が約10fmoleまたはそれ以下で存在する場合、少なくとも1pmoleの各プローブオリゴヌクレオチドを使用する。
用語「電荷均衡化(charge-balanced)オリゴヌクレオチド」は、修飾オリゴヌクレオチドが電荷を持ち、修飾オリゴヌクレオチドが切断されるか(すなわち、短くなる)伸長した場合に得られた産物が投入したオリゴヌクレオチド(「電荷不均衡化」オリゴヌクレオチド)と異なる電荷を有するので、電荷に基づいて投入オリゴヌクレオチドと反応オリゴヌクレオチドとが分離されるように、修飾されたオリゴヌクレオチド(反応中の投入オリゴヌクレオチド)をいう。用語「電荷均衡化」は、修飾または均衡化オリゴヌクレオチドが正味の中性の電荷を有する(この場合もあり得るが)ことを意図しない。電荷均衡化は、この投入オリゴヌクレオチドから作製された特定の反応生成物を電荷に基づいて投入オリゴヌクレオチドと分離することができるようなオリゴヌクレオチドのデザインおよび修飾をいう。
用語「正味の中性の電荷」は、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドが含まれる)に関して使用する場合、所望の反応または分離条件下で存在する電荷の合計(すなわち、チミジン上のR-NH3 基、シトシンのN3窒素、リン酸基の有無など)が本質的にゼロであることを示す。正味の中性の電荷を有するオリゴヌクレオチドは、電場内で移動しない。
用語「正味の正電荷」は、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドが含まれる)に関して使用する場合、所望の反応条件下で存在する電荷の合計(すなわち、チミジン上のR-NH3 基、シトシンのN3窒素、リン酸基の有無など)が+1またはそれ以上であることを示す。正味の正電荷を有するオリゴヌクレオチドは、電場内で陰極に向かって移動する。
用語「正味の負電荷」は、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドが含まれる)に関して使用する場合、所望の反応条件下で存在する電荷の合計(すなわち、チミジン上のR-NH3 基、シトシンのN3窒素、リン酸基の有無など)が-1またはそれ以下であることを示す。正味の負電荷を有するオリゴヌクレオチドは、電場内で正極に向かって移動する。
用語「重合手段」または「重合剤」は、オリゴヌクレオチドへのヌクレオシド三リン酸の付加を容易にすることができる任意の薬剤をいう。好ましい重合手段には、DNAおよびRNAポリメラーゼが含まれる。
用語「ライゲーション手段」または「ライゲーション剤」は、ライゲーション(すなわち、2つの核酸鎖の末端の3'-OHと5'Pとの間のリン酸ジエステル結合の形成)を容易にすることができる任意の薬剤をいう。好ましいライゲーション手段には、DNAリガーゼおよびRNAリガーゼが含まれる。
用語「反応物質」を、本明細書中でその最も広い意味で使用する。反応物質には、例えば、酵素反応物質、化学反応物質、または光(例えば、紫外線、特に短波長紫外線はオリゴヌクレオチド鎖を破壊することが公知である)が含まれ得る。オリゴヌクレオチドを短くするか(すなわち、切断する)伸長するためにオリゴヌクレオチドと反応させることができる任意の薬剤は、用語「反応物質」に含まれる。
用語「付加物」は、本明細書中でオリゴヌクレオチドに付加することができる任意の化合物またはエレメントを示すために最も広い意味で使用される。付加物を荷電(正または負)するか、中性の電荷にすることができる。共有結合または非共有結合を介して付加物をオリゴヌクレオチドに付加することができる。付加物の例には、インドジカルボシアニン色素アミダイト、アミノ置換ヌクレオチド、臭化エチジウム、エチジウムホモ二量体、(1,3-プロパンジアミノ)プロピジウム、(ジエチレントリアミノ)プロピジウム、チアゾールオレンジ、(N-N'-テトラメチル-1,3-プロパンジアミノ)プロピルチアゾールオレンジ、(N-N'-テトラメチル-1,2-エタンジアミノ)プロピルチアゾールオレンジ、チアゾールオレンジ-チアゾールオレンジホモ二量体(TOTO)、チアゾールオレンジ-チアゾールブルーへテロ二量体(TOTAB)、チアゾールオレンジ-エチジウムへテロ二量体1(TOED1)、チアゾールオレンジ-エチジウムヘテロ二量体2(TOED2)、およびフルオレセイン-エチジウムへテロ二量体(FED)、ソラレン、ビオチン、ストレプトアビジン、アビジン、ダブシル(dabcyl)、フルオレセインなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される、用語「精製された」または「実質的に精製された」は、その自然環境から取り出されるか、単離されるか、分離された、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは75%、最も好ましくは90%が、天然では関連していた他の成分から遊離した分子(核酸またはアミノ酸配列)をいう。(例えば、増幅によって)他の分子と比較して相対量が増加した分子(例えば、核酸分子)も精製されたということができる。したがって、「単離ポリヌクレオチド」または「単離オリゴヌクレオチド」は、実質的に精製されたポリヌクレオチドである。
本明細書中で使用される、用語「キット」は、任意の物質送達システムをいう。反応アッセイの文脈では、このような送達システムには、ある場所から別の場所へ反応試薬を保存、輸送、または送達するシステム(例えば、適切なコンテナ中のオリゴヌクレオチド、酵素など)および/またはサポートするための材料(例えば、緩衝液、アッセイを行うための指示書など)が含まれる。例えば、キットは、関連反応試薬および/またはサポート材料を含む1つまたは複数の容器(例えば、箱)を含む。本明細書中で使用される、用語「分割キット」は、それぞれ全てのキット内容物のサブポーションを含む2つまたはそれ以上の個別のコンテナを含む送達システムをいう。コンテナを、意図するレシピエントに同時または個別に送達することができる。例えば、第1のコンテナはアッセイで使用する酵素を含むことができ、第2のコンテナはオリゴヌクレオチドを含む。用語「分割キット」は、米連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)の第520条(e)項で規定された被分析物特異試薬(Analyte specific reagent)(ASR)を含むキットを含むことを意図するがこれらに制限されない。実際、それぞれ全てのキット内容物のサブポーションを含む2つまたはそれ以上の個別のコンテナを含む任意の送達システムは、用語「分割キット」に含まれる。対照的に、「組み合わせキット」は、反応アッセイの全内容物を1つのコンテナに含む送達システムをいう(例えば、所望の各内容物を含む1つの箱)。用語「キット」には、分割キットおよび組み合わせキットの両方が含まれる。
発明の詳細な説明
本発明は、表面修飾、リンカー結合、および重合方法、ならびに非水溶液を介したスポッティング方法に関する。本発明の組成物および方法は、マイクロアレイの作製に有用である。好ましくは、マイクロアレイは、核酸検出アッセイを実施するための試薬(例えば、TAQMANまたはINVADERアッセイ)を含む。
A.マイクロアレイおよび固体支持体
いくつかの態様では、本発明はマイクロアレイを提供する。マイクロアレイは、アッセイ試薬および/または検出アッセイを固体表面上で行うことができるように固体表面(すなわち、マイクロアレイスポットを形成する)に結合した標的を含み得る。本明細書中で使用される、用語「マイクロアレイスポット」は、検出アッセイ試薬集団を含む固体表面上またはマイクロウェル中の非水溶液層中に形成された個別の(descreet)領域をいう。例えば、移行手段(例えば、ピンスポッティングツール、インクジェットプリンターなど)によって検出アッセイ試薬を含む試薬サンプルを固体表面(または固体表面上のフィルム)に適用する場合、固体基質(例えば、ガラス、TEFLON)上、非水溶液層中、または固体表面上に存在する他の材料中にマイクロアレイスポットを形成することができる。好ましい態様では、(例えば、下記のように修飾した)固体基質はマイクロウェルを含み、マイクロアレイスポットをマイクロウェルに適用する。他の態様では、固体支持体は、マイクロウェルがプリント/作製され、必要な試薬がこれらのマイクロウェルに導入され、その後に溶液中で反応全体が行われるプラットフォームとして役立つ。固体支持体上でのマイクロウェルの作製を、多数の方法(表面張力および親水性ポケットのエッチング(例えば、Protogene Corp.に譲渡された特許公開に記載)が含まれる)で行うことができる。例えば、支持体表面を疎水性層でコーティングし、次いで、少量の疎水性層をエッチングする化学成分を支持体上にプリントする。プリントにより、親水性マイクロウェルのアレイが得られる。プリントした疎水性タワーのアレイを使用してマイクロアレイを作製することができる。スライド表面を疎水性層でコーティングし、その後溶液を支持体上にプリントして疎水性表面の上部に親水性層を作成することができる。プリントにより、親水性タワーのアレイが得られる。物理的バリア、+/-化学的バリアを使用して機械的マイクロウェルを作製することができる。例えば、金グリッドなどのマイクログリッドを支持体上に固定し、(例えば、BMLによって示されるように)支持体に穴をあけてマイクロウェルを作製することができる。また、TEFLONなどの親水性インクを使用して、支持体上にマイクロアレイをプリントすることができる。このようなアレイは、Precision Lab Products,LLC,Middleton,WIから市販されている。さらに別の変形形態では、検出アッセイアレイの形式に関するカスタマープレファレンスデータを、本発明の成分を使用したデータベースに保存する。この情報を使用して、カスタマーの最小の識別情報(例えば、名前、アカウントナンバー、またはパスワード)に基づいて特定のカスタマーのために製品を自動的に構成することができる。
所望の試薬をマイクロアレイにプリントするために多数の型の方法を使用することができる(例えば、マイクロウェル中にプリントしたマイクロアレイスポット)。いくつかの態様では、ピンツールを使用してアレイを機械的にロードする(例えば、マイクロアレイスポットを作製する)(例えば、Shalon,Genome Methods,6:639(1996)(参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと)。他の態様では、ウェル中に1つまたは複数のマイクロアレイスポットを作製するために、インクジェットテクノロジーを使用して、固体表面にオリゴヌクレオチドをプリントする(例えば、O'Donnelly-Maloneyら、Genetic Analysis:Biomolecular Engineering,13:151(1996)(参照として本明細書中に組み入れられる))。
固体支持体(例えば、マイクロウェルアレイ)上/中へのプリント用の所望の試薬の例には、核酸検出アッセイ(例えば、SNP検出アッセイのアレイをウェル中にプリントすることができる)を行うようにデザインされたINVADER反応試薬などの分子試薬;異なるサンプルのアレイが得られるヒトゲノムDNA(hgDNA)などの標的核酸が含まれるが、これらに限定されない。また、所望の試薬を、エッチング/コーティング試薬と同時に供給するか、エッチングプロセス後にマイクロウェル/タワー中/上にプリントすることができる。機械的バリアを使用して作製したアレイのために、所望の試薬を、例えば、得られたウェルにプリントする。いくつかの態様では、マイクロウェルを十分にコーティングして、高タンパク質溶液(例えば、BSA、脱脂粉乳)などの親水性で容易に反応する環境を作製する溶液中で所望の試薬をプリントする必要があることがある。一定の態様では、所望の試薬を、試薬を固定する試薬上に「コーティング」を作製する溶液中にプリントする必要もあることがあり、FICOLLまたはデキストランなどの高分子量の炭水化物の添加によってこれを達成することができる。いくつかの態様では、コーティングはオイルである。
マイクロアレイへの標的溶液の適用(または標的がプリントされている場合反応試薬)を、多数の方法で行うことができる。例えば、固体支持体を標的を含む溶液に浸漬するか、少なくとも2つの開口部を備えたチャンバーに支持体を入れ、その後標的溶液を開口部の1つに送り込み、吸引によって溶液を表面を横切らせて吸い取るか毛管作用によって表面を横切らせて流す。このような方法の実施に有用なデバイスの例には、TECAN-GenePaintシステムおよびAutoGenomics AutoGeneシステムが含まれるが、これらに限定されない。さらに別の態様では、Virtek Corp.から市販されているスポッターを使用して、プレート、スライドなどに種々の検出アッセイをスポットする。
いくつかの態様では、溶液(例えば、反応試薬または標的溶液)を、支持体表面を横切って引き込むか、回転させるか、押し込む。この適用型に有用なデバイスの1つの型は、支持体を保持するフレームホルダー(framed holder)である。ホルダーの一端は、ローラー/スクイージーまたはその正面に標的溶液をローディングするためのチャネルを有する同様のものである。表面を横切ってローラー/スクイージーを移動させるプロセスにより、マイクロウェルに標的溶液を適用する。最後に、ホルダーの反対側の末端は、未使用の標的溶液を捕捉するリザーバである(したがって、所望ならば別のアレイ上で再利用される)。ローラー/スクイージーの後方に蒸発バリア(例えば、鉱物油、光学的に透明な接着テープなど)が存在し、ローラー/スクイージーが表面を横切るたびに適用される。
標的溶液のマイクロウェルアレイへの適用により、マイクロウェルの各位置に溶液が沈着される。化学的および/または機械的バリアにより、アレイの完全性が維持され、エレメントからエレメントへの試薬のクロスコンタミネーションが防止される。各マイクロウェルにプリントされた試薬は標的溶液によって再水和されて超低体積反応混合物が得られる。いくつかの態様では、マイクロウェル-マイクロアレイ反応物を、鉱物油または高温インキュベーションのための何らかの他の適切な蒸発バリアで被覆する。生じたシグナルを、蛍光顕微鏡、アレイリーダー、または標準的な蛍光プレートリーダーを使用して適用した蒸発バリアを介して直接検出することができる。
INVADERアッセイの実施(例えば、各ウェルにINVADERアッセイ成分を乾燥させる)のためのマイクロウェル-マイクロアレイ使用の利点には、DNA検出アッセイのためのINVADER Squared(Biplex)形式の使用能力;hgDNAの直接検出に十分な感度、「普遍的」FRETカセットの使用能力;結合化学が必要ないこと(既に存在するシェルフ試薬手段を使用してマイクロアレイをプリントすることができる)、ハイブリダイゼーションに対する表面の効果を考慮してhgDNAを分画する必要がないこと、何万というコール(call)を作製するために必要なhgDNAの質量が少ないこと、必要な体積が小さいこと(例えば、100μmのマイクロウェルの体積は0.28nlであり、104マイクロウェル/アレイのとき2.8μlで全ウェルが満たされる)、333ng/μlのhgDNA溶液により約100コピー/マイクロウェルが得られる(これは20μlの反応物中の100ng hgDNAの使用よりも33倍高濃度)(したがって、104コールについて2.8μl×333ng/μl=670ng hgDNAまたはコールあたり0.07ng)が含まれるが、これらに限定されない。他の検出アッセイもまたこの形式で得ることができることが認識される。
B.非水溶液を使用したマイクロアレイスポットの作製および使用
一定の好ましい態様では、本発明は、非水溶液を含むウェルへ検出アッセイ試薬溶液を適用して、ウェル中にマイクロアレイスポットを作製する方法を提供する。他の好ましい態様では、本発明は、マイクロアレイスポットを被覆した非水溶液層を介した試験サンプル溶液のシューティングによるマイクロアレイスポットの試験サンプル溶液(例えば、標的核酸を含む)との接触方法を提供する。一定の態様では、固体支持体をゾル-ゲルフィルムで被覆する(以下にさらに詳述する)。
いくつかの態様では、本発明は、a)i)ウェルを含む固体支持体と、ii)非水溶液と、iii)検出試薬溶液と、を提供する工程と、b)前記ウェルに前記非水溶液を添加する工程と、c)少なくとも1つのマイクロアレイスポットが前記ウェル中に形成されるような条件下で、前記非水溶液を介して前記ウェルに前記検出試薬溶液を添加する工程とを含む方法を提供する。他の態様では、本方法は、d)前記少なくとも1つのマイクロアレイスポットを試験サンプル溶液に接触させる工程をさらに含む。さらなる態様では、接触は、前記ウェル中の前記非水溶液を介して前記試験サンプル溶液を促進させる工程を含む。
特定の態様では、非水溶液はオイルである。他の態様では、固体支持体は複数のウェルを含み、この方法を複数のウェルを使用して行う。さらなる態様では、(例えば、複数のウェルの少なくとも2つで)少なくとも2つのマイクロアレイスポットが同時に形成される。
いくつかの態様では、試験サンプル溶液は標的核酸分子を含む。好ましい態様では、標的溶液が800コピー未満の標的核酸分子、400コピー未満の標的核酸分子、または200コピー未満の標的核酸分子を含む。特定の態様では、マイクロアレイスポットの試験サンプル溶液との接触により、標的核酸分子中の多型の有無が同定される。いくつかの態様では、(例えば、マイクロアレイスポット形成前に)ウェルをゾル-ゲルコーティングでコーティングする。
他の態様では、検出試薬溶液は、TAQMANアッセイ、INVADERアッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、ローリングサークル伸長アッセイ、配列決定アッセイ、多型に相補的なプローブを使用したハイブリダイゼーションアッセイ、ビーズアレイアッセイ、プライマー伸長アッセイ、酵素ミスマッチ切断アッセイ、分岐ハイブリダイゼーションアッセイ、NASBAアッセイ、分子ビーコンアッセイ、サイクリングプローブアッセイ、リガーゼ連鎖反応アッセイ、およびサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイから選択される検出アッセイで使用するために構成された成分を含む。好ましい態様では、検出試薬溶液はINVADERオリゴヌクレオチドおよび5'プローブオリゴヌクレオチドを含む。
さらなる態様では、SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムまたは他の流動物移動系もしくはデバイスを使用して接触を行う。好ましい態様では、市販のCARTESIAN SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムを使用する。米国特許第6,063,339号および同第6,258,103号(その両方が特に参照として本明細書に組み入れられる)ならびにPCT出願:国際公開公報第0157254号;国際公開公報第0049959号;国際公開公報第0001798号;および国際公開公報第9942804号(その全てが特に参照として本明細書に組み入れられる)に記載のデバイスを含む類似のデバイスも使用することができる。
特定の態様では、少なくとも2つのマイクロアレイスポットがウェル中で形成される(あるいは少なくとも3、4、または5つのマイクロアレイスポットが各ウェル中で形成される)。マルチウェル形式では、多マイクロアレイスポットの使用により、1つの固体支持体上で実施することができる反応数が増加する(例えば、1536ウェルプレート中の1536個の各ウェル中に4個のマイクロアレイスポットを形成する場合、検出反応のために6144個のマイクロアレイスポットが利用可能である)。さらなる態様では、本発明は、上記の方法によって形成されたウェルを有する固体支持体を提供する。
いくつかの態様では、本発明は、a)i)マイクロアレイスポットを含む固体支持体と、ii)非水溶液と、iii)試験サンプル溶液とを提供する工程と、b)前記マイクロアレイスポットを前記非水溶液の層で被覆する工程と、c)前記非水溶液層を介して前記マイクロアレイスポットを前記試験サンプル溶液に接触させる工程とを含む方法を提供する。他の態様では、試験サンプル溶液は標的核酸分子を含む。さらなる態様では、接触により、標的核酸分子中の少なくとも1つの多型の有無が同定される。好ましい態様では、試験サンプル溶液は標的核酸分子を含む。好ましい態様では、標的溶液が800コピー未満の標的核酸分子、400コピー未満の標的核酸分子、または200コピー未満の標的核酸分子を含む。
一定の態様では、マイクロアレイスポットは、TAQMANアッセイ、INVADERアッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、ローリングサークル伸長アッセイ、配列決定アッセイ、多型に相補的なプローブを使用したハイブリダイゼーションアッセイ、ビーズアレイアッセイ、プライマー伸長アッセイ、酵素ミスマッチ切断アッセイ、分岐ハイブリダイゼーションアッセイ、NASBAアッセイ、分子ビーコンアッセイ、サイクリングプローブアッセイ、リガーゼ連鎖反応アッセイ、およびサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイから選択される検出アッセイで使用するために構成された成分を含む。好ましい態様では、マイクロアレイスポットはINVADERオリゴヌクレオチドおよび5'プローブオリゴヌクレオチドを含む。
いくつかの態様では、固体支持体はウェルを含み、マイクロアレイスポットはウェル中に存在する。一定の態様では、非水溶液はオイルである。他の態様では、固体支持体は複数のウェルを含み、この方法を複数のウェルを使用して行う。特定の態様では、少なくとも2つのマイクロアレイスポットが同時に形成される。いくつかの態様では、少なくとも2つのマイクロアレイスポットがウェル中で形成される(あるいは少なくとも3、4、または5つのマイクロアレイスポットが各ウェル中で形成される)。マルチウェル形式では、多マイクロアレイスポットの使用により、1つの固体支持体上で実施することができる反応数が増加する(例えば、1536ウェルプレート中の1536個の各ウェル中に4個のマイクロアレイスポットを形成する場合、検出反応のために6144個のマイクロアレイスポットが利用可能である)。さらなる態様では、本発明は、上記の方法によって形成されたウェルを有する固体支持体を提供する。
いくつかの態様では、接触は、ウェル中の非水溶液を介して試験サンプル溶液を促進させる工程を含む。他の態様では、非水溶液は鉱物油である。さらなる態様では、非水溶液は、鉱物油、種油、石油由来のオイルから選択される。
さらなる態様では、SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムまたは他の流動物移動系もしくはデバイスを使用して接触を行う。好ましい態様では、市販のCARTESIAN SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムを使用する。米国特許第6,063,339号および同第6,258,103号(その両方が特に参照として本明細書に組み入れられる)ならびにPCT出願:国際公開公報第0157254号;国際公開公報第0049959号;国際公開公報第0001798号;および国際公開公報第9942804号(その全てが特に参照として本明細書に組み入れられる)に記載のデバイスを含む類似のデバイスも使用することができる。
いくつかの態様では、本発明は、a)非体積ピペッティングシステム(例えば、SYNQUAD)およびb)マイクロアレイスポットを含む固体支持体を含み、マイクロアレイスポットが非水溶液層で被覆されているシステムを提供する。他の態様では、本システムは、試験サンプル溶液をさらに含む。
C.鉱物油を介したマイクロアレイスポットの作製および使用例
ここで一例として、鉱物油で被覆したマイクロアレイスポットの試験サンプルとの接触を記載する(方法1)。この例はまた、鉱物油層を介したプリントおよびその後の鉱物油層を介したこのマイクロアレイスポットの試験サンプルとの接触による、マイクロウェル中でのマイクロアレイスポットの作製を記載する(方法2)。
方法1
この方法では、1536個のウェルに分割した(TEFLONプリンティングによる)ガラス固体表面上にマイクロアレイスポットを作製した。流動物の移行のためにCARTESIAN SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムを使用した。この例で使用した検出試薬溶液は、INVADER反応成分から構成され、以下の組成を有していた。10mM MOPS、12.5mM MgCl、50ng CLEAVASE XI、0.1%HPMC 15K cps、0.2%BSA(画分V)、0.5μMの各一次プローブ、0.25μmの各FRETカセット、および0.05μM INVADERオリゴヌクレオチド。25、50、100、および200nlの体積の検出アッセイ試薬溶液を、SYNQUADを使用してウェルにピペッティングした。次いで、溶液を、ガラススライド上で乾燥させてウェル中にマイクロアレイスポットを形成させた。次いで、鉱物油層を、CYBIO384チッププリンティングヘッド(4μl/ウェル)を使用してTEFLON1536グリッドガラス固体支持体に適用した。次に、SYNQUADを使用して、ガラス表面上にプリントして乾燥させた検出アッセイ試薬と同体積でTEFLON1536グリッドガラスプレート上に鉱物油層を介して試験サンプル溶液を「シューティング」すること(すなわち、25nlのINVADERアッセイ試薬に25nlの試験サンプルに添加する)によって所望のウェル領域に試験サンプル溶液を送達させた。この方法における試験サンプル溶液は、以下であった。ネガティブ - 50ng/μl tRNA;ポジティブ0.1pMの各合成標的。次いで、1536グリッドガラスプレートを、63℃のHERAEUS中でインキュベートした。結果を、蛍光顕微鏡およびCCDカメラを使用して分析した(結果を、図1および2に示す)。
方法2
この方法では、方法1で使用したものと同型のTEFLON1536グリッドガラスプレート上に鉱物油層を介してマイクロアレイスポットを形成させ、その後形成されたマイクロアレイスポットを鉱物油層を介して試験サンプル溶液と接触させた。第1に、鉱物油層を、CYBIO384チッププリンティングヘッド(4μl/ウェル)を使用してTEFLON1536グリッドガラスプレートに適用した。次に、25、50、100、および200nlの体積の検出試薬溶液を、SNYQUADを使用してウェル領域にピペッティングした。検出試薬溶液は、20mM MOPS、40mM MgCl、110ng CLEAVASE XI、5%PEG、1μMの各一次プローブ、0.5μMの各FRETカセット、および0.1μM INVADERオリゴヌクレオチドから構成されていた。次に、SYNQUADデバイスを使用して、元の検出アッセイ溶液と同体積で1536グリッドガラスプレート上に鉱物油層を介して溶液をシューティングすることによって所望のウェル領域に試験サンプル溶液を送達させた。次いで、ガラスプレートを、63℃のHERAEUS中でインキュベートした。結果を、蛍光顕微鏡およびCCDカメラを使用して分析した。結果を、図1および2に示す。
D.表面修飾、リンカー結合、および重合方法
表面修飾の最も挑戦的な局面の1つは、周辺環境と異なる特定の性質を有する非常に規定された領域(例えば、全疎水性表面上の高度な親水性領域または非常に規定された化学的特徴(反応性)を有する領域)を作製する能力である。ほとんどの場合、表面特性の光化学的修飾によってこの目的は達成される。しかし、十分に開発された写真平板法は、時間がかかり且つ高価である。
本発明は、固体表面の特徴を局所的に変化させることができる化学的プロセスを提供する表面修飾の別のアプローチを提供する。化学的プロセスにより、迅速且つ有効であり、無毒であり、いかなる望ましくない/損害を与える化学的副産物を残さないように実施することができるという点で他の所望の特徴も得られる。本発明はまた、所望に応じて、表面の特性の調整方法を提供する。
任意の固体表面型(金属、ガラス、プラスチック、シリコン、およびセラミックの表面が含まれるが、これらに限定されない)を使用することができる。一定の態様では、固体表面は微粒子を含み、INVADERアッセイのためのこれらの微粒子の使用方法は、Stevensら、Nucleic Acids Research,29(16):E77,2001およびStevensら、Biotechniques,Jan;34(1):198-203,2002(その両方が特に全ての目的のために参照として本明細書に組み入れられる)に記載されている。さらなる固体表面および特に固体表面上でINVADERアッセイを実施するための方法および組成物は、Neriらの米国特許出願第09/732,622号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる)に記載されている。
いくつかの好ましい態様では、本発明は、例えば、マイクロアレイの作製のために所望の分子が表面に固定されるような反応性を示す疎水性表面を作製するための表面の修飾方法を提供する。いくつかの態様では、ジスルフィド結合を含む化合物を使用した疎水性表面の生成および酸化を介したスルホン酸部分へのジスルフィド結合の変換によってこれを達成する。
いくつかの態様では、本発明は、表面に結合した分子と表面自体(例えば、ガラス)との間の結合(例えば、ジシロキサン)の加水分解安定性を改良する表面修飾を含む。いくつかの態様では、改良された加水分解安定性は、結合した分子の一部の疎水性の結果である。さらなる態様では、結合した分子はまた、例えば、オリゴヌクレオチドの結合によって分子がさらに修飾される反応基を含む。
いくつかの態様では、表面修飾は、適切な試薬の影響下での疎水性から親水性への変化を受け得る任意の有機部分を含み得る。このような部分の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
-SHから-SO3
-S2から-SO3
-C C-から-COOH
-CH2-Xから-CH2-Y(式中、Xは非極性であり(例えば、I、Br)、Yは極性である(例えば、OH)。)
酸化剤の例には、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸ナトリウム、オゾン、およびDMSOが含まれるが、これらに限定されない。任意の特定の酸化剤の使用は、反応中の特定の部分に支配される。例えば、-SHから-SO3への変換は、一般に、酸化剤として硝酸を使用し得る。
本発明の方法で修飾された表面により、分子(チオール;ジスルフィド;ペプチド;糖などの修飾有機ポリマー;DNA;PNA;LNA(DNA、PNA、LNAについては全て修飾することができる)が含まれるが、これらに限定されない)を結合した所望の表面を有するアレイが得られる。
固体表面としてガラススライドを使用して、本発明の態様を以下に例示する。本発明のこれらの局面はまた、他の表面材料(例えば、金)および他のガラス材料(例えば、ゾル-ゲル)にも当てはまると理解すべきである。
最初に、ガラススライドを、適切な市販の試薬(Sigmaから購入)で処理した。しかし、これらの試薬を使用して作製された疎水性表面は、その均一性および安定性の観点から満足されなかった。例えば、ガラス表面は、一般に十分に均一ではなく、重度に劣化する問題に遭遇し得る。
本発明の方法を使用した場合、はるかに優れた結果が得られた。1つのこのような方法は、以下に図示した2工程アプローチを使用する。第1の工程では、ガラススライドをアミノシランでコーティングする。第2の工程では、アミノ修飾コーティングスライドを、ガラス表面に共有結合したアミノシランのアミノ基と反応することができる所望の試薬(L-C(O)-Y;L=脱離基(例えば、ハロゲン、NHSなど)、R=所望の有機部分)と反応させる。
Figure 2005519264
例えば、いくつかの態様では、工程a)でアミノプロピルトリエトキシシラン(R=CH2CH2CH2)を使用し、工程b)で疎水性カルボン酸の反応誘導体(オレイン酸、ステアリン酸、コレステリル、およびペルフルオロ脂肪族カルボン酸)を使用した。
実験により、上記の手順によりガラススライド全域で安定且つ高度に均一な疎水性表面が作製されることが明らかとなった。しかし、作製した疎水性表面上にいくらかの変化をもたらすことは非常に困難であった(すなわち、疎水性コーティングは化学的反応性が不十分であった)。例えば、表面の性質を疎水性から親水性に局所的に変化させることは非常に困難であった。したがって、これらの表面への他の材料の結合は弱く、他の材料でのマイクロアレイの形成は困難であった。
したがって、より良好且つより柔軟なコーティング方法を開発する必要があった。本発明の1つのアプローチでは、チオクト酸のNHSエステル(化合物1)を使用した。
Figure 2005519264
チオクト酸のNHSエステルのアミノプロピルトリエトキシシランとの反応により、ガラススライドの表面上にジスルフィド結合(S-S)を含む分子を導入することができる新規のシラン化試薬(化合物2)が作製された。中性の硫黄の公知の親油性およびジスルフィド結合の相対的反応性により、これは特に有用であった。
Figure 2005519264
実験により、化合物2でコーティングしたガラス表面は均一且つ疎水性であることが明らかとなった。したがって、デザインした合成ストラテジーの目的が達成された。次の工程では、化合物2でコーティングされた疎水性表面を、非常に反応性の高い(aggressive)試薬であり、且つS-S結合を破壊および酸化して高度に親水性のスルホン基を形成することができる30%過酸化水素溶液で局所的に処理した。酸化反応は急速であり、さらなる利点として、過剰な酸化試薬(過酸化水素)は酸素と水に分解され、いずれの化学物質残渣をも局所的に残すことなく蒸発する。
微細なガラスキャピラリー、マイクロスポッターなどを使用した過酸化水素の小滴の導入によって、疎水性表面上の親水性スポットのアレイを手動で作製することが可能であった。所望の試薬のマイクロアレイへのプリントのために多数の方法の型を使用することができる。いくつかの態様では、ピンツールを使用して、スポットを機械的に整列させる(例えば、Shalon,Genome Methods,6:639(1996)(参照として本明細書中に組み入れられる)を参照のこと)。他の態様では、インクジェットテクノロジーを使用して、過酸化水素または他の適切な試薬の小滴を疎水性表面にプリントすることができる(例えば、O'Donnelly-Maloneyら、Genetic Analysis:Biomolecular Engineering,13:151(1996)(参照として本明細書中に組み入れられる))。したがって、このコーティングアプローチにより、金コーティングしたガラススライド上への疎水性アレイの高価な作製方法と比較して、疎水性アレイの生成で有意な利点が得られる。また、以前の方法と異なり、上記方法は、SH基の酸化を介した親水性スポットの作製のために硝酸またはオゾンなどの反応性の高い試薬を使用する必要がない。
上記ストラテジーは、表面上に所望の化合物の巨大なアレイを作製する能力を提供する。したがって、本発明は、上記化学により表面上に結合または整列される分子の同一性および位置に対して劇的な柔軟性および制御性が得られるという意味で表面特性を改変するための「モジュラー」アプローチを提供する。ガラス表面の修飾に有用な化合物の巨大集団のこの合成法を以下の図に示す。
Figure 2005519264
R基およびR'基の両方を、種々の市販の材料から選択することができる。表面を誘導体化することができる広範な種々の化合物(上記構造に例示)を、比較的容易に合成することができる。これらの化合物中のR基およびR'基を、所望の構造上の特性、化学的特性、または物理的特性を修飾表面に導入する脂肪族化合物、芳香族化合物、複素環式化合物、またはポリマー化合物から選択することができる。
これらの化合物を、単独または例えば、沈着密度を制御する材料またはコーティングされたガラス表面の特性を調整する能力をさらに増大させるさらなる調整剤として役立つことができる他のシラン化試薬と組み合わせて使用することができる。
化合物2などのシラン化試薬の最も望ましい特性の1つは、ガラス表面の水酸基と相互作用して比較的安定な共有シロキサン結合を形成する能力である(Si-O-Si)。
Figure 2005519264
しかし、極性の高い媒質(水)または高温でこの結合を加水分解することができる。本発明のいくつかの態様では、コーティング材料のガラス表面への結合を安定化させるために、有機-無機メソ細孔ゾル-ゲル材料でのガラススライドのコーティングを使用した。ゾル-ゲル法は、テトラアルコキシシラン(RO)4Siと組み合わせて適切な反応条件下(pH)でハイブリッド有機-無機ゾル-ゲル材料を形成することができる化合物2などの化合物を使用する。
いくつかの態様では、コーティングされた表面(例えば、マイクロアレイ)の生成においてガラススライドのコーティングに有用なゾル-ゲルフィルムの形成に多孔質ケイ酸ゲルを使用する。用語「ゾル-ゲルガラス」および「金属酸化物ガラス」は、ゾル-ゲル法によって調製されたガラス材料をいい、無機材料または有機/無機混合材料が含まれる。ガラスの生成に使用した材料には、アルミネート、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、オルモシル(ormosil)(有機修飾シラン)、および他の金属酸化物(全般的に、Brinker and Scherer,Sol-Gel Science,Academic Press,San Diego(1995)を参照のこと)が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの態様では、微小孔性無機-有機ハイブリッドケイ酸エーロゲルを、ガラス表面上に沈着したフィルムの物理的/化学的性質の調整のために使用する。
本発明は、製造が容易であり、非常に低コストであり、合成フィルムの性質(多孔度、形態学、光学的性質、化学的性質)に影響を与えることができる合成操作範囲が事実上無限であることを利用して、ゾル-ゲル材料を表面コーティングおよびマイクロアレイ製造に適用する。いくつかの態様では、無機-有機ケイ酸塩ハイブリッドから作製された多孔質フィルムを、スピンコーティングまたはディップコーティングのいずれかによってガラス表面に沈着させる。両方法は、新規のケイ酸塩ベースの材料の製造において広範に使用されている。フィルムはその最終形態で沈着されるので、費用のかかる処理は必要ない。
ゾル-ゲル処理方法は、マイクロ電子デバイスの製造のためのセラミックシリカフィルムの作製で広範に使用されている。これらのフィルムは、形態学的に容易に操作することができる安定な構造を示す。ゾル-ゲルプロセスでシリカベースのフィルムを形成する場合、シリコンと酸素との結合から形成されるゲル型材料として以下にその構造を図示することができる。
Figure 2005519264
このような材料から構成されるフィルムを、ガラス表面に容易に沈着させ、種々の手順で修飾することができる。
最も興味深いケイ酸ゾル-ゲルフィルムの1つは、有機分子を含むハイブリッド無機-有機フィルムである。ハイブリッドエーロゲルから作製した種々のこのようなフィルムを生成し、研究した。その構造を以下に示す。
Figure 2005519264
図中のR基は、共有結合を介してケイ素原子が構造に導入された適切な有機基を示す。R基は、同一であっても異なっていてもよい。これにより、フィルムの特性のデザインの柔軟性が増大する。
本発明の好ましい態様では、有機基Rは特定の化学反応性を有し、ゾル-ゲルプロセスで形成されたフィルム中のケイ素原子が結合した構造の不可欠な部分である。
Figure 2005519264
R基の慎重な選択または異なるR基の使用により、性質を調整することができるフィルムを形成することができる。例えば、ビスルフィド(bisulfide)結合(-S-S-)またはスルフヒドリル基(SH)を含む化合物の導入により、実質的な疎水性および実質的な化学反応性を導入することができる。この概念の原理を、チオクト酸でコーティングしたガラススライドの調製によって証明した。
Figure 2005519264
実験により、スライドが実質的な疎水性を有し、35%過酸化水素での表面の処理により高度に局在化された親水性スポットを作製することが可能であることが証明された。
Figure 2005519264
したがって、いくつかの態様では、本発明は、ビススルフィド(bissulfide)基(-S-S-)を含む有機基Rを使用した微小孔性ハイブリッド無機-有機ゲルを提供する。いくつかの態様では、これらの基(その厚みを制御することができるメソ細孔フィルムの一部である)を、過酸化水素の局所的適用による非常に極性の高い親水性スルホン基に変換することができる。
このアプローチの利点は、フィルムの厚さ、反応基の数、およびエーロゲルの性質に影響を与える別の有機基の性質を含む多数の重要なパラメータを容易に制御することができるという事実にある。ビスルフィド結合中における豊富なシリカフィルムの表面上の適切な試薬(例えば、過酸化水素)の局所適用により、構造が局所的に崩壊し(構造の局所的崩壊)、マイクロウェルが形成される。ハイブリッドゲル中に存在する有機基および反応条件の適切な選択によって全プロセスを調整することができる。
この方法の好ましい態様により、以下が得られる。
1.異なる厚さのケイ酸メソ細孔フィルムで被覆したガラススライドの調製。
2.このようなメソ細孔フィルムの非共有結合修飾(無機および有機修飾)
3.このようなメソ細孔フィルムの共有結合修飾(無機および有機修飾)
4.異なる沈着技術を使用した異なる厚さのハイブリッド無機-有機メソ細孔フィルムの形成
5.ビスルフィド(-S-S-)基またはスルフヒドリル基(SH)を含む分子を含むメソ細孔ハイブリッドケイ酸フィルムの形成
6.(例えば、マイクロウェルを作製するために)異なる化学的または物理的特性(例えば、疎水性-親水性)を有する高度に局在化した領域を形成させる化学的プロセスでその性質を変更することができる任意の有機基を有する分子を含むメソ細孔ハイブリッド無機-有機ケイ酸フィルムの形成
7.ガラス以外の材料上へのこのようなハイブリッドケイ酸フィルムの沈着
8.コロイド状シリカが共有結合または非共有結合されているガラススライドの調製
9.コロイド状シリカの共有結合および非共有結合修飾およびこのようなコロイド状材料の、ガラス、ポリマー、金属、半金属などの固体表面上への沈着。
本発明はまた、ガラス表面に結合した有機材料の安定性を増大させる一方で、ガラス表面に多数の結合点を付与するアプローチ(「ベルクロ」アプローチ)を提供する。複数の結合点によりコーティングの加水分解安定性が改良されることが想定される。この方法の態様を、以下に図示する。
Figure 2005519264
多機能材料には、低分子量であるか、所望の化学的または物理的性質を有する種々のポリマー材料由来の材料が含まれるが、これらに限定されない。疎水性基が豊富な多機能ポリマー材料の選択により、極性の高い水ベースの媒質中でのSi-O結合を介したガラス基質への材料の結合の安定化に有意な利点を付与することができる。本発明の実施に機構の理解は必要なく、且つ本発明はいかなる特定の機構にも制限されないが、ポリマー材料の疎水性により、水性環境下での崩壊によってガラス基質へのポリマーの結合点が保護されることが想定される。
本発明の開発時に実施した実験では、疎水性多機能コーティング材料の調製のための基質としてポリスチレン-無水マレイン酸コポリマーを選択した。有機溶媒(ジオキサン)に溶解したこのポリマーの遊離のカルボン酸基を、最初にNHS活性エステルに変換し、その後a)6-アミノ-1-ヘキサノールおよびb)アミノプロピルトリエトキシシランと反応させた。予想される材料は以下のようである。
Figure 2005519264
ポリマー骨格に結合したアミノプロピルトリエトキシシラン部分によりガラス基質に結合点が付与され、6-アミノ-1-ヘキサンジオールにより、さらなる化学的操作(例えば、DNAの化学合成)の出発点となり得る遊離水酸基が導入されることが想定される。
他の態様では、アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランを使用して、表面をコーティングする。この材料は、良好な加水分解安定性でガラス表面に結合する(Chenら、Nanoletters,2:393(2000)およびArklesら、Silica Compounds Register and Review,5thed.:United Chemical Technologies;Bristol(1991)。この材料の構造を以下に示す。
Figure 2005519264
アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン
この化合物およびこれに準じる化合物(この目的のために想定される全ての化合物など)は全体的に、以下の機能的ドメインを有する。
・表面に結合することができる末端部分(例えば、Si(OR)3(RはMe、Et、アセチルである))
・C3ほどの短さであり得る疎水性リンカー
・末端官能基(例えば、-NH2、-OH、-COOHなど)
類似の性質を有する別の化合物の例を以下に示す。
Figure 2005519264
本発明の実施に機構の理解は必要なく、且つ本発明はいかなる特定の機構にも制限されないが、ガラス表面への結合安定性の増大は、その疎水性の増大に由来することが想定される。したがって、この化合物は、上記の「モジュラーアプローチ」にしたがって調製される新規のコーティング材料の合成のための基質として有用である。
核酸マイクロアレイのデザインについて、加水分解安定性の増大を付与する新規のコーティング試薬を製造するためおよびオリゴヌクレオチドの化学合成のための出発点として役立つ官能基を提供するために、以下に示すように、この新規に同定された有機シランを16-ヒドロキシヘキサデカン酸のDMT保護NHSエステルと抱合した。
Figure 2005519264
この化合物を、標準的なガラススライド修飾プロトコールで使用した。
Figure 2005519264
実験により、オリゴヌクレオチドをガラス表面への合成材料の優れた結合安定性でこのようなスライド上に合成することができることが証明された。シロキサン結合を介したガラス表面への有機分子の結合の安定性は、コーティング試薬中に存在する有機基の疎水性に影響を受ける。これらの化学的性質により、迅速に合成することができる新規のコーティング試薬(異なる構造特性(例えば、親水性または疎水性、官能基、リンカーの長さなど)を有する非常に多数の新規の試薬が含まれる)合成のモジュラーアプローチが可能となる。
試薬アミノエチルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランにより、以前に記載されていないさらなる特徴が付与される。上記のオリゴヌクレオチドの合成を可能にする試薬でコーティングされたガラススライドの表面を示す図に見られるように、オリゴヌクレオチド合成プロセスで関与させないために第2級アミノ基をトリフルオロアセチル基(CF3C(O))で保護した。この構造特性を、コーティングした表面の性質を調整するために所望の官能性または官能基のさらなる導入方法として使用することができる。
Figure 2005519264
Y=例えば、架橋可能な基(複数の結合など)を含む親油性部分または有機部分。
コーティング試薬へのさらなる官能基の導入は、非常に有用であり得る。例として、適切なUV波長の影響下で重合する(または架橋する)官能基の導入により、非常に安定且つ化学的耐性を示す架橋ポリマーコーティングが形成されることが想定される。沈着有機材料のUV誘導性重合または架橋(硬化)によるコーティング表面の安定化は、材料がガラス表面に結合することができるシロキサン結合の加水分解安定性を増大させる方法としての親油性化合物の使用の代替法である。適切な単量体単位の直接的重合を介して結合したポリマー材料(リンカー)で装飾したセラミック表面の調製で使用することができる材料として、ガラス表面に結合した分子に高加水分解安定性を付与する多数の試薬も使用することができる。
いくつかの態様では、加水分解安定化シロキサン結合を介してガラス表面に長い(例えば、PEGベースの)リンカー(分子量約1100および3400)を結合させる。上記のように、このようなリンカーは、一般に、表面、疎水性リンカー、および末端官能基に結合することができる末端部分を含む。これらの機能を提供する部分は上記の通りである。
ポリマーの直接成長を介した表面修飾方法
本発明は、さらに、生体材料の固定化プロセスで有用な固体表面の化学修飾のための方法および組成物を提供する。この方法は、例えば、一方の末端由来の固体表面に結合し、他方の末端に反応性官能基を備えた長い直鎖状ポリマー構造を形成する単量体単位の重合プロセスで有用である。
Figure 2005519264
X=重合プロセスが開始されるポリマー表面上の官能基
Y=ポリマー鎖の末端の官能基
単量体ブロックの重合には、任意の種類の重合プロセス(すなわち、カチオン性重合、アニオン性重合、またはフリーラジカル重合)が含まれ得る。これらのプロセスを、比較的狭い分子量範囲内でポリマーが形成されるように制御することができる(例えば、ATRP重合)。
いくつかの好ましい態様では、本方法は、固体表面上への生体分子の固定化プロトコールで有用な官能基を末端にした長いポリマーリンカーで緻密にコーティングした固体表面を提供する。特定の合成目的および修飾表面の予想される使用に依存して、種々の材料を修飾の基質として使用することができる(例えば、修飾および未修飾ガラス表面、修飾金属表面、ポリマー表面など)。ポリマーリンカーが結合したこのような表面を、長いポリマーリンカーを介して固体表面に結合するDNAプローブの化学合成のための都合のよい基質として使用することができる。次いで、これにより、オリゴヌクレオチドプローブの合成前の複数のカップリング(最終材料の収量に負の影響を与える)の必要性または所望のポリマー材料の結合を介した表面の予備修飾の必要性がなくなる。
本発明の開発時に、直鎖ポリマー鎖、分子ブラシ、デンドリマー、分子スター(molecular star)、および熱反応性ポリマーの成長の制御を可能とする、原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization)と呼ばれる最近発見された重合プロセス(Coessens,V.ら、Prog.Polym.Sci.26:337-377(2001)に概説されている)を生体分子と共に使用することができ、直鎖ポリマー鎖で装飾された表面の調製に使用することができることが見出された。したがって、本発明は、コーティングされた表面およびマイクロアレイの製造におけるATRPの応用を提供する。
以下の化学的性質は、ATRPプロセスを使用してポリマーリンカーを結合させる固体表面上でのATRPにおいて有用である。
Figure 2005519264
ATRPにより、その長さによってポリマー鎖の化学組成が変化することができる。例えば、表面結合に最も近いポリマー鎖の部分は、第1の単量体単位型(例えば、疎水性を有する)を含み得る一方で、より離れた部分は第2の単量体単位型(例えば、親水性を有する)を含み得る。1つの例示的態様を以下に示す。
Figure 2005519264
以下に示すように、水性(または水ベースの緩衝液)環境下で、このような配置により、ポリマー鎖の疎水性部分の崩壊によるガラス表面へのポリマーの結合点が効率的に保護されることが想定される。
Figure 2005519264
同様に、固体表面を、ATRPによって作製された1つまたは複数の他のポリマー構造(ポリマーブラシ、デンドリマー、またはポリマーマッシュルーム(polymeric mushroom)が含まれるが、これらに限定されない)で装飾することができる。結合したポリマー材料の構造は、その性質および適用の範囲を制限または拡大するという所望に応じて均一または不均一であり得る。
ATRPを使用して、表面を種々の密度の反応性部位を生じる特定の半径を有するビーズまたは他の付着物でコーティングすることができる。複数の反応部位を有するポリマー部分を使用して、種々の密度でオリゴを結合することができる。同様に、ポリマーを使用して、スライド表面からの距離を増大させて表面-オリゴ相互作用を最小にすることができる。ハイブリダイゼーション率が増大するようにポリマーの構造を変化させ、これを温度または化学的手段によって調整することができる。さらに、例えば、結合表面付近の完全な疎水性単量体から遊離末端での親水性単量体までの範囲の勾配に及ぶ混合ポリマーを作製することができる。
ATRPは、種々の生物学的応用のための有用な方法を提供する。例えば、ATRPを使用して、表面上の分子密度を調節することができる。1つのこのような態様では、ATRPを使用して、目的の分子(例えば、核酸分子)に固定されたビーズを生成する。次いで、表面を、所望の密度の反応性部位を生じる特定の半径を有するビーズ(または他の付着物)でコーティングする。より小さな半径を選択することにより、より密度の高いアレイが生成される。ATRPによって生成された複数の反応部位を有するポリマー部分を使用して、種々の密度を有する所望の分子を結合することができる。同様に、ATRPポリマーを使用して、所望の分子と表面との間の相互作用を最小にし、そして/または最適な官能性のために物理的空間中に所望の分子を位置付ける、表面から所望の分子までの距離を増大させることができる。
ATRPはまた、多数の他の生物工学的応用において有用である。1つまたは複数の所望の機能的性質を有する化学的リンカーのデザインから利益を得る任意の応用を、ATRPによってデザインおよび作製されたリンカーを使用して達成することができる。(例えば、リンカーを含む分子の1つまたは複数の固有の性質(電荷、溶解度、サイズ、反応性、検出能、安定性などが含まれるが、これらに限定されない)に影響を与える化学基を得ることによって)例えば、化学的リンカーを核酸分子またはタンパク質分子に結合させて、分子の精製、同定、単離、分析、または使用を補助する官能基を得ることができる。結合パートナーへの結合(例えば、リガンド-受容体結合の増大、ハイブリダイゼーションの増大など)、細胞浸透性、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドテクノロジーの治療上の利点を改良するためなどに、核酸およびタンパク質を修飾することができる。
E.核酸検出アッセイ
上記のように、本発明の方法および組成物(例えば、修飾表面を有するマイクロアレイ、非水溶液によるスポッティング方法など)を、核酸検出アッセイを実施するための試薬と共に使用することが好ましい。好ましい態様では、本発明は、INVADERアッセイの実施に応用される。INVADERアッセイは、構造特異的酵素による特異的構造の酵素切断によってプローブの標的へのハイブリダイゼーションを検出する(INVADER assays,Third Wave Technologiesを参照のこと;例えば、米国特許第5,846,717号、同第6,090,543号、同第6,001,567号、同第5,985,557号、同第6,090,543号、同第5,994,069号;Lyamichevら、Nat.Biotech.,17:292(1999)、Hallら、PNAS,USA,97:8272(2000)、国際公開公報第97/27214号、および国際公開公報第98/42873号(その全体が全ての目的のために参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと)。本発明の方法および組成物で使用することができる例示的核酸検出アッセイを示すために、さらなる検出アッセイを以下に示す(さらなる詳細はINVADER assayに記載されている)。
i.PCRアッセイ
本発明のいくつかの態様では、PCRベースのアッセイを使用して変異配列を検出する。いくつかの態様では、PCRアッセイは、変異型または野生型対立遺伝子(例えば、多型または変異型領域)とのみハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドプライマーの使用を含む。両プライマーセットを使用して、DNAサンプルを増幅する。変異プライマーのみによりPCR産物が得られた場合、患者は変異対立遺伝子を有する。野生型プライマーのみによりPCR産物が得られた場合、患者は野生型対立遺伝子を有する。例えば、マイクロアレイを作製するために、本発明の方法および組成物と共にPCR試薬を使用することができる。
ii.フラグメント長多型アッセイ
本発明のいくつかの態様では、フラグメント長多型アッセイを使用して変異配列を検出する。フラグメント長多型アッセイでは、酵素(例えば、制限酵素またはCLEAVASE I(Third Wave Technologies,Madison,WI)酵素)を使用して一連の位置でのDNA切断に基づいた固有のDNA結合パターンを作製する。SNPまたは変異体を含むサンプル由来のDNAフラグメントは、野生型と異なる結合パターンを有する。例えば、マイクロアレイを作製するために、本発明の方法および組成物と共にフラグメント長多型アッセイ試薬を使用することができる。
a.RFLPアッセイ
本発明のいくつかの態様では、制限フラグメント長多型アッセイ(RFLP)を使用して変異配列を検出する。PCRを使用して目的の領域を最初に単離する。次いで、PCR産物を、所与の多型について固有のフラグメント長が得られることが公知の制限酵素を使用して切断する。一般に、制限酵素消化PCR産物を、ゲル電気泳動によって分離し、臭化エチジウム染色によって視覚化することができる。フラグメント長を、分子量マーカーならびに野生型および変異対照から作成されたフラグメントと比較する。
b.CFLPアッセイ
他の態様では、CLEAVASEフラグメント長多型アッセイ(CFLP;Third Wave Technologies,Madison,WI;例えば、米国特許第5,843,654号、同第5,843,669号、同第5,719,208号、および同第5,888,780号(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと)を使用して変異配列を検出する。このアッセイは、DNAの単一鎖が自身内で折りたたまれた場合、これらはDNA分子の正確な配列に対して非常に個性的なより高い次元の構造が推測されるという所見に基づく。これらの二次構造は、一本鎖領域が二本鎖DNAヘアピンと並列するようなDNAの部分的に二本鎖領域を含む。CLEAVASE I酵素は、これらの一本鎖領域と二本鎖領域との間の連結点を認識して切断する構造特異的な温度安定性ヌクレアーゼである。
例えば、PCRを使用して目的の領域を最初に単離する。好ましい態様では、一方または両方の鎖を標識する。次いで、加熱によってDNA鎖を分離する。次に、鎖内二次構造が形成されるように反応物を冷却する。次いで、PCR産物をCLEAVASE I酵素で処理して、所与のSNPまたは変異体に固有の一連のフラグメントを作製する。CLEAVASE酵素処理PCR産物を分離および検出し(例えば、変性ゲル電気泳動による)、視覚化する(例えば、オートラジオグラフィ、蛍光画像化、または染色)。フラグメントの長さを、分子量マーカーならびに野生型および変異対照から作製したフラグメントと比較する。
iii.ハイブリダイゼーションアッセイ
本発明の好ましい態様では、ハイブリダイゼーションアッセイで変異配列を検出する。ハイブリダイゼーションアッセイでは、サンプル由来のDNAの相補DNA分子(例えば、オリゴヌクレオチドプローブ)とのハイブリダイゼーション能力に基づいて、所与のSNPまたは変異体の有無を決定する。種々のハイブリダイゼーションおよび検出テクノロジーを使用した種々のハイブリダイゼーションアッセイが利用可能である。アッセイの選択を以下に記載する。例えば、マイクロアレイを作製するために、本発明の方法および組成物と共にハイブリダイゼーションアッセイ試薬を使用することができる。
a.ハイブリダイゼーションの直接検出
いくつかの態様では、プローブの目的の配列(例えば、SNPまたは変異体)とのハイブリダイゼーションを、結合プローブの視覚化によって直接検出する(例えば、ノーザンアッセイまたはサザンアッセイ;例えば、Ausabelら、(編),Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,NY(1991)を参照のこと)。これらのアッセイでは、ゲノムDNA(サザン)またはRNA(ノーザン)を被験体から単離する。次いで、DNAまたはRNAを、ゲノム中であまり頻繁に切断されず、且つアッセイされるどのマーカーとも近接しない、一連の制限酵素で切断する。次いで、DNAまたはRNAを分離し(例えば、アガロースゲル上で)、メンブレンに移す。検出されるSNPまたは変異体に特異的な標識した(例えば、放射性ヌクレオチド組み込みによる)プローブを、低、中程度、または高ストリンジェンシー条件下でメンブレンに接触させる。非結合プローブを除去し、結合の存在を標識プローブの視覚化によって検出する。
b.ハイブリダイゼーションの酵素検出
本発明のいくつかの態様では、特定の構造の酵素切断によってハイブリダイゼーションを検出する(INVADER assay,Third Wave Technologies;例えば、米国特許第5,846,717号、同第6,090,543号、同第6,001,567号、同第5,985,557号、同第5,994,069号(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと)。INVADERアッセイは、重複オリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションによって形成された複合体を切断するための構造特異的酵素の使用によって特異的DNAおよびRNA配列を検出する。高温および過剰な1つのプローブにより、温度サイクリングを使用することなく存在する各標的配列のために複数のプローブを切断することができる。次いで、これらの切断プローブにより、第2の標識プローブを直接切断する。二次プローブオリゴヌクレオチドを、第2の色素または他の消光部分によって消光される蛍光色素を使用して5'末端を標識することができる。切断時、標準的な蛍光プレートリーダーまたは一連の反応中に蛍光データを収集するように構成された装置(すなわち、ABI7700Sequence Detection System,Applied Biosystems,Foster City,CAなどの「リアルタイム」蛍光検出器)を使用して、脱消光色素標識産物を検出することができる。
INVADERアッセイは、非増幅ゲノムDNA中の特異的変異体およびSNPを検出する。ゲノムDNA中のSNPの検出のために使用するINVADERアッセイの態様では、2つのオリゴヌクレオチド(SNP/変異体または野生型配列のいずれかに特異的な一次プローブおよびINVADERオリゴヌクレオチド)はゲノムDNAと縦列にハイブリダイゼーションして重複構造を形成する。構造特異的ヌクレアーゼ酵素は、この重複構造を認識して一次プローブを切断する。第2の反応では、切断された一次プローブが蛍光標識二次プローブと組み合わされて酵素によって切断される別の重複構造が作製される。最初および第2の反応は、同一容器中で同時に進行し得る。上記のように、蛍光検出器の使用によって二次プローブの切断を検出する。試験サンプルのシグナルを、既知の正および負の対照と比較することができる。固体表面上でINVADERアッセイを実施するための方法および組成物は、Neriらの米国特許出願第09/732,622号および同第10/309,584号ならびにLyamichevの米国特許仮出願60/374,642号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる)に記載されている。
いくつかの態様では、TaqManアッセイを使用して結合プローブのハイブリダイゼーションを検出する(PE Biosystems,Foster City,CA;例えば、米国特許第5,962,233号および同第5,538,848号(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと)。PCR反応中にアッセイを行う。TaqManアッセイは、AMPLITAQ DNAポリメラーゼなどのDNAポリメラーゼの5'-3'エクソヌクレアーゼ活性を使用する。所与の対立遺伝子または変異体に特異的なプローブは、PCR反応物に含まれる。プローブは、5'-レポーター色素(例えば、蛍光色素)および3'-消光色素を有するオリゴヌクレオチドからなる。PCR時、プローブがその標的に結合する場合、AMPLITAQポリメラーゼの5'-3'核酸分解活性はレポーターと消光色素との間のプローブを切断する。レポーター色素の消光色素からの分離により、蛍光が増大する。各PCRサイクルの進行につれてシグナルが蓄積され、蛍光光度計を使用してモニターすることができる。
なおさらなる態様では、SNP-ITプライマー伸長アッセイを使用して多型を検出する(Orchid Biosciences,Princeton,NJ;例えば、米国特許第5,952,174号および同第5,919,626号(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる)を参照のこと)。このアッセイでは、疑われるSNPの位置の1つの塩基によってDNA鎖が選択的に伸張するように特別に合成されたDNAプライマーおよびDNAポリメラーゼの使用によってSNPを同定する。目的の領域中のDNAを、増幅し、変性させる。次いで、マイクロフルイディクス(microfluidics)と呼ばれる小型システムを使用してポリメラーゼ反応を行う。SNPまたは変異体の位置に存在すると疑われるヌクレオチドへの標識の添加によって検出する。DNAへの標識の組み込みを、任意の適切な方法(例えば、ヌクレオチドがビオチン標識を含む場合、検出はビオチンに特異的な蛍光標識抗体による)によって検出することができる。
iv.他の検出アッセイ
本発明のシステムおよび方法を使用して作製および使用されるさらなる検出アッセイには、酵素ミスマッチ切断法(例えば、Variagenics、米国特許第6,110,684号、同第5,958,692号、同第5,851,770号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる);ポリメラーゼ連鎖反応;分岐ハイブリダイゼーション法(例えば、Chiron、米国特許第5,849,481号、同第5,710,264号、同第5,124,246号、および同第5,624,802号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));ローリングサークル複製(例えば、米国特許第6,210,884号および同第6,183,960号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));NASBA(例えば、米国特許第5,409,818号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));分子ビーコンテクノロジー(例えば、米国特許第6,150,097号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));Eセンサテクノロジー(Motorola、米国特許第6,248,229号、同第6,221,583号、同第6,013,170号、および同第6,063,573号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));サイクリングプローブテクノロジー(例えば、米国特許第5,403,711号、同第5,011,769号、および同第5,660,988号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));Dade Behringシグナル増幅法(例えば、米国特許第6,121,001号、同第6,110,677号、同第5,914,230号、同第5,882,867号、および同第5,792,614号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる));リガーゼ連鎖反応(Barnay,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,189-93(1991);およびサンドイッチハイブリダイゼーション法(例えば、米国特許第5,288,609号(その全体が参照として本明細書に組み入れられる))が含まれるが、これらに限定されない。例えば、マイクロアレイを作製するために、本発明の方法および組成物と共にこれらのさらなる核酸検出アッセイ由来の試薬を使用することができる。
F.反応産物の切断後標識
色素および消光剤を含む光活性化ホスホラミダイトの高い顕色および生成コストを回避するために、切断を検出するための反応後標識を含む別の検出スキームを使用することが望ましい場合がある。下記のように、INVADERアッセイのための核酸アレイを、固体表面アレイ(例えば、NimbleGen,Madison WIによって製造されたもの、および米国特許第6,375,903号(全ての目的のために特に参照として本明細書に組み入れられる)に記載のもの)上に作製し、下記の切断後標識方法と共に使用することができる。
固体表面INVADERアッセイの1つの態様では、その5'末端で表面に連結したプローブオリゴヌクレオチドを提供する。この形式により、切断プローブの5'フラップに直接ライゲーションした普遍的標識オリゴヌクレオチドを使用した非常に簡単な反応後標識スキームが得られる。プローブの標的特異的切断により、プローブ上に存在するフラップ配列の5'末端で3'-OHが形成される。例えば、フラップ配列は、共に下流標識結合のための普遍的システムとして作用する4つの異なるフラップ配列のうちの1つ(それぞれの可能な塩基の1つ)であり得る。INVADER反応後、変性条件下で固体表面を洗浄し、その後CLEAVASE酵素(または類似の酵素)および4つのフラップ配列のそれぞれに相補的な4つの標識カセットを含む溶液に曝露することができる。プローブオリゴヌクレオチド由来の5'フラップにより、標識カセット上に5'リン酸が形成される相補性カセットを含む重複構造が生じる。同時またはその後の工程で添加されるリガーゼ酵素により、標識カセットを切断フラップに共有結合させる。次いで、非ライゲーションカセットを、固体表面(アレイ)から厳密に洗浄し、切断プローブのみに結合した標識を残す。
固体表面INVADERアッセイの別の態様では、プローブオリゴヌクレオチドを、その3'末端を介して表面に連結する。アレイ表面に結合した残存する切断プローブの一部が標的特異的であり、且つアッセイごとに異なるので、この形式は普遍的反応後標識スキームの応用を複雑にする。
1つの態様では、図3にまとめられているように、プローブデザインには、標的特異的配列の3'に存在する2つの補助配列(UおよびA')が含まれる。A'配列は、標的特異的配列の一部「A」に相補的である。プローブの標的特異的切断により、5'塩基が除去され、5'リン酸を有するプローブ配列が得られる(図3A)。INVADER反応後、変性条件下で固体表面(例えば、スライド)を洗浄し、その後配列AをA'にアニーリングさせる温度でインキュベートし、図3Bに示す構造を形成する。リガーゼおよび標識(例えば、蛍光色素)を含む普遍的標識オリゴヌクレオチド(U')を溶液に添加する。Uの標識オリゴヌクレオチドU'へのアニーリングによりニック構造が形成され、ニック構造のライゲーションにより標識が切断プローブに共有結合する。
この標識スキームにより、UおよびA'配列の長さの組み合わせによってプローブ長が増大する。確実に標識工程で安定に二重鎖が形成されるが、INVADER反応における重複基質の形成を妨害しないようにAおよびA'配列を慎重にデザインすべきである。
別の態様は、図4に示すような縮重標識オリゴヌクレオチドを含む。このオリゴヌクレオチドのプローブ結合領域は、短い縮重領域を含む。好ましい態様では、この領域は、6〜8個の塩基(全ての塩基(例えば、天然の塩基)が各位置に等しく存在する)を含む。このアプローチにより、アレイ上の任意の切断プローブが単一工程で標識される。T4およびT7リガーゼは共に連続したヘキサマーをライゲーションすることができ、それにより、これらの二重鎖が十分に長いことが示唆される(Kaczorowski and Szybalski(1994),Anal Biochem,221:127-35;Dunnら、(1995),Anal Biochem,228:91-100)。縮重した各位置の縮重係数(degeneracy factor)を4n(nは縮重された塩基数である)とした場合、6塩基領域の縮重係数は46=4,096である。したがって、4μMの標識オリゴヌクレオチド混合物は、例えば、約1nMの各固有配列(例えば、多数の蛍光検出装置の感度の十分な範囲内)を含む。この形式が実質的に非特異的なバックグラウンドを与える事象では、INVADER反応前に非標識縮重オリゴヌクレオチドを使用したさらなるライゲーション工程を使用して、非特異的部位をブロックすることができる。
さらなる態様は、非普遍的標識形式が得られる標的特異的標識オリゴヌクレオチドを含む。このアプローチを、図5に例示する。縮重オリゴヌクレオチド混合物を使用する代わりに、各標識配列に特異的な標識オリゴヌクレオチドを作製する。
実施例1
3'結合を介して表面に結合した切断プローブの標識
本実施例は、図3〜5に示す異なる切断後標識形式を比較する。図6に示すように(例えば、「23T」または「30T」)、NimbleGen Arrays(NimbleGen,Madison,Wisconsin)上にオリゴヌクレオチドを使用して表面を調製した。この図では、「キャップ」は、オリゴヌクレオチド合成中に添加され、オリゴヌクレオチドの5'末端を保護するために残存させた保護基DMTをいう。「ループなし」は、図3に示すようにそれ自体が折りたたまれていない配列番号:1(5'-DMT-tttgaggtatacaggtatttgtc-3')をいう。残りのオリゴヌクレオチドについては、自己相補ループ領域を形成するためにアニーリングする塩基を下線および太字で示し、「普遍的」標識カセットに相補的な塩基を斜体で示し、大文字の塩基は変異配列中でAに変更されている。「4ループ」は、4塩基対自己相補領域(例えば、配列番号:2
Figure 2005519264
)を含むループ構造をいい、「6ループ」は、4塩基対自己相補領域(例えば、配列番号:3
Figure 2005519264
)を含むループ構造をいい、「8ループ」は、4塩基対自己相補領域(例えば、配列番号:4
Figure 2005519264
)を含むループ構造をいい、「10ループ」は、4塩基対自己相補領域(例えば、配列番号:5
Figure 2005519264
)を含むループ構造をいう。「切断ループなし、phos」は、配列番号:1のINVADERアッセイ切断から予想され、且つ配列番号:6(5'-PO4-aggtatacaggtatttgtc-3')を含む配列をいい、「切断4ループ、phos」は、配列番号:2のINVADERアッセイ切断から予想され、且つ配列番号:7
Figure 2005519264
を含む配列をいい、「切断6ループ、phos」は、配列番号:3のINVADERアッセイ切断から予想され、且つ配列番号:8
Figure 2005519264
を含む配列をいい、「切断8ループ、phos」は、配列番号:4のINVADERアッセイ切断から予想され、且つ配列番号:9
Figure 2005519264
を含む配列をいう。
図6に記載のアレイの複製組を作製した。1つのアレイを、8量体縮重またはランダムカセット(配列番号:10)(5'-cy3-ttttt(n)8ggcacacgagatttttctcgtgtgcc-3')とインキュベートし、1つを6量体ランダムカセット(配列番号:11)(5'-cy3-ttttt(n)6ggcacacgagatttttctcgtgtgcc-3')とインキュベートし、1つを上記のループ化プローブの一部(配列番号:12)(5'-cy3-tttttgtaatctaatg-3')に相補的な「普遍的」標識とインキュベートし、1つを配列特異的カセット(配列番号:13)(5'-cy3-ttttttacctgtatacctggcacacgagatttttctcgtgtgccaggtatacaggtattttgtc-3')とインキュベートした。以下の手順に従って、ライゲーション反応を実施した。
Figure 2005519264
2μlの適切な反応混合物のアリコートを、テフロンテンプレート上の適切な領域に適用した。チップをテンプレートに固定し、30〜33℃で1時間インキュベートした。チップサンドイッチを1%Tween20を含む室温の槽中で分解し、0.1%Tweenで95℃5分1回洗浄し、水で95℃3回洗浄し、アルゴンで乾燥させた。
Alpha Array 7000(Alpa Innotech, San Leandro, CA)を使用してCy-3標識を検出し、結果を図7に示す。結果は、8量体ランダムカセットでは低レベルであったが、標識は4つ全てのカセット型に組み込まれたことを示す。いずれの場合にも、予想されたように、全長プローブ分子(各アレイの上4列)上に標識はライゲーションされなかった。各アレイの下の4つのサンプルは、種々のライゲーション反応のための基質として作用するようにデザインされた偽切断プローブを含んでいた。オリゴヌクレオチドデザインに一致して、「普遍的」カセットの相補物はASR特異的産物中に含まれていなかったので、標的特異的産物は「普遍的」標識カセットとハイブリダイゼーションしなかった。他のカセット(すなわち、2つのランダムカセットおよび1つの標的特異的カセット)は、ハイブリダイゼーションして偽切断産物にライゲーションした。本実施例は、固体表面上で侵襲性切断反応産物を標識するための一般的または「普遍的」アプローチを使用することが可能であることを示す。
テフロン1536グリッドガラスプレート上でのCartesianプリンティングInvaderアッセイの結果を示す。 hgDNAの直接検出を示す。 標的特異的配列の3'に存在する2つの補助配列(UおよびA')を含むプローブデザインを示す。 縮重標識オリゴヌクレオチドを示す。 非普遍的標識形式が得られる標的特異的標識オリゴヌクレオチドを示す。 第V因子3'結合プローブアレイを示す。 表示のようにロードした標識ライゲーション反応を示す。

Claims (23)

  1. 表面を含む組成物であって、該表面はコーティングを含み、該コーティングはリンカーを含み、該リンカーは該表面に共有結合した第1の末端および反応基を含む第2の末端を有し、該リンカーは疎水性部分および親水性部分をさらに含み、該疎水性部分は該表面への該リンカーの結合安定性を増大させるために水性環境中で崩壊するように構成されている、組成物。
  2. 表面がガラス表面を含む、請求項1記載の組成物。
  3. コーティングがゾル-ゲルガラスを含む、請求項2記載の組成物。
  4. リンカーが原子移動ラジカル重合を使用して合成される、請求項1記載の組成物。
  5. 反応基により核酸分子がリンカーの第2の末端に結合する、請求項1記載の組成物。
  6. リンカーの第2の末端に結合した核酸分子をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  7. 表面に結合した100個またはそれ以上の核酸分子をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  8. 表面を含む組成物であって、該表面は疎水性コーティングを含み、該疎水性コーティングは複数の酸化スポットを含み、該酸化スポットは、
    a)該疎水性コーティングを作成するためにジスルフィド結合を含む化合物で該表面をコーティングする工程と、
    b)該複数の酸化スポットを作成するために酸化剤を使用して複数のスポット中の該疎水性コーティングを曝露する工程と、を含む方法によって作成される、組成物。
  9. 表面がガラス表面を含む、請求項8記載の組成物。
  10. コーティングがゾル-ゲルガラスを含む、請求項8記載の組成物。
  11. 酸化剤が過酸化水素を含む、請求項8記載の組成物。
  12. 表面が、複数の酸化スポットの1つまたは複数中に該表面に結合した核酸分子を含む、請求項8記載の組成物。
  13. 以下の工程を含む方法:
    a)i)ウェルを含む固体支持体と、
    ii)非水溶液と、
    iii)検出試薬溶液と、を提供する工程、
    b)該ウェルに該非水溶液を添加する工程、および
    c)少なくとも1つのマイクロアレイスポットが該ウェル中に形成されるような条件下で、該非水溶液を介して該ウェルに該検出試薬溶液を添加する工程。
  14. d)少なくとも1つのマイクロアレイスポットを試験サンプル溶液に接触させる工程をさらに含む、請求項13記載の方法。
  15. 接触が、ウェル中の非水溶液を介して試験サンプル溶液を促進させる工程を含む、請求項14記載の方法。
  16. 非水溶液がオイルである、請求項13記載の方法。
  17. 固体支持体が複数のウェルを含み、該複数のウェルを使用して行う、請求項13記載の方法。
  18. 少なくとも2つのマイクロアレイスポットが同時に形成される、請求項17記載の方法。
  19. 試験サンプル溶液が標的核酸分子を含む、請求項14記載の方法。
  20. 標的溶液が800コピー未満の標的核酸分子を含む、請求項19記載の方法。
  21. マイクロアレイスポットの試験サンプル溶液との接触により、標的核酸分子中の多型の有無が同定される、請求項19記載の方法。
  22. ウェルをゾル-ゲルコーティングでコーティングする、請求項13記載の方法。
  23. CARTESIAN SYNQUADナノボリュームピペッティングシステムを使用して接触を行う、請求項14記載の方法。
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