JP2005518230A - Ctスキャナにおける無線データ伝送 - Google Patents
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Abstract
X線源とX線検出器のアレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、患者の画像を生成するために、検出器へ入射するX線源からのX線の強度に応じてX線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、スペクトル拡散符号化にしたがって、データが符号化された信号を送信する、少なくとも一つのスペクトル拡散送信機と、少なくとも一つのスペクトル拡散送信機によって送信された符号化された信号を受信し、符号化されたデータをプロセッサに転送する、少なくとも一つのスペクトル拡散受信機と、を備える。
Description
【0001】
[発明の技術分野]
本発明は、コンピュータ断層撮影(CT)X線画像化に関し、特に、CTスキャナ内のX線検出器で生成されたデータを、そのデータに応じて画像を生成して表示するプロセッサに送信するための方法および装置に関する。
【0002】
[発明の背景]
患者のCTX線画像化において、X線は、患者身体の部位の内部の組織や特徴を画像化するために用いられる。画像化は、X線を用いて身体の部位の連続した複数の比較的薄い平面スライスの内部の組織と特徴を画像化する、以下“CTスキャナ”と呼ぶCT画像化システムによって行われる。
【0003】
CTスキャナは、一般的に、平面の扇形のX線ビームを提供するX線源と、X線扇形ビームと同一面にありX線源と向かい合っている、近接配置されたX線検出器のアレイとを備える。X線源と検出器アレイは、一般に適切な診察台に横たわっている、CTスキャナによって画像化される人物が、ガントリ内でX線源と検出器アレイの間に配置できるようにガントリに装着される。ガントリと診察台は、X線源と検出器アレイが患者に沿って軸方向で所望の位置に配置できるように互いに移動可能である。
【0004】
ガントリは、ステーターと呼ばれる静止の構造と、ローターと呼ばれる、それが軸方向の周りで回転できるようにステーターに装着される回転部品とを備える。第3世代CTスキャナにおいて、X線源と検出器は、ローターに装着される。軸方向の周りでのローターの角度位置は、X線源が、患者身体の周りで“ビューアングル(view angle)”と呼ばれる所望の角度に配置できるように制御可能である。
【0005】
患者身体の部位のスライスを画像化するために、X線源は、スライスの軸方向の位置に配置され、またX線源は、そのスライスをX線を用いて複数の異なるビューアングルから照射するようにスライスの周りで回転する。それぞれのビューアングルで、検出器アレイ内の検出器は、スライスを透過した、X線源からのX線の強度を測定する。検出器アレイ内の特定の検出器によって検出されたX線の強度は、X線源からスライスを経由してその検出器に至る経路長上で、X線がスライス内の物質で減衰した量の関数である。測定は、経路長に沿ってのスライス内での、組織の組成および密度についての情報を提供する。
【0006】
例えば、X線源がビューアングルθに位置するときの、検出器アレイ内の“n番目”の検出器によって検出される、入射X線の輝度をI(n,θ)で表すと、I(n,θ)=I0exp(−∫μ(l)dl)である。I(n,θ)についてのこの式において、I0は、X線源がスライスを照射するX線の強度であり、lに関する積分は、X線源からn番目の検出器に向う方向に沿ってスライス内の物質を経由する経路に関する積分を表し、μ(l)は、その経路上の位置lでの物質の、単位経路長当たりのX線吸収係数である。(この積分のnとθへの依存関係は明確には示しておらず、経路長lの長さおよび方向の、nとθへの依存によって決定される。)
【0007】
I0および検出されたI(n,θ)から、経路長lに沿って減衰したX線の量、および、以下“線積分”と呼ぶ積分∫μ(l)dlの値を決定することができる。したがって、n番目の検出器によってビューアングルθで提供される減衰の測定は、θとn番目の検出器の既知の位置で決定される、スライスを経由する特定の経路長上での、X線源を基準とする、吸収係数の線積分の値を提供する。
【0008】
特定のビューアングルθで検出器アレイ中の全ての検出器によって提供される、スライスについての減衰測定値の組はビュー(view)と呼ばれる。スライスについての全ビューの減衰測定値の組は、スライスの“投影(projection)”と呼ばれる。スライスの投影のデータによって提供される線積分の値は、スライス内での位置の関数として吸収係数μのマップを提供するための、当技術分野で知られたアルゴリズムを用いて処理される。患者身体の部位内での複数の隣接するスライスの吸収係数のマップは、その部位の内部の器官と特徴を表示および識別するために用いられる。
【0009】
いくつかのCTスキャナでは、患者の部位を画像化するために、患者の連続したスキャンが実行される。このスキャンにおいて、その部位は、X線源と検出器アレイを収容するガントリを通して部位を移動させるために、患者をz方向で段階的に移動させる事によって走査される。それぞれの段階に続いて、その部位のスライスの投影を取得するために、X線源は、360または(180+Δ)度で回転する。ここで、Δは、X線源が提供する扇形ビームの角度幅である。いくつかのCTイメージャでは、患者の“らせんスキャン”が行われる。このスキャンでは、患者の部位がガントリを通って着々と前進すると同時に、X線源が患者の周囲で回転し、部位のスライスの投影は“実行中に”に得られる。マルチスライススキャナと呼ばれるいくつかのCTスキャナでは、患者の部位の複数のスライスが同時に画像化される。多くの場合、患者の部位の4つのスライスが、マルシスライスCTスキャナで同時に画像化される。
【0010】
第3世代CTスキャナにおいて、X線源と検出器は、イメージャのローターに装着される。検出器に入射したX線の強度に応じて検出器によって生成されたデータは、ローターから、データによって画像を生成し生成された画像を表示するプロセッサの場所に転送されなければならない。
【0011】
CTスキャナのローター上の検出器によって生成されたデータを、処理及び表示の為の所望の場所に送信するための多くの様々な方法およびシステムが利用可能である。しかしながら、ローターのすぐ近くの環境は、一般に、電磁的に非常に雑音が多い。その結果、電磁波を用いた、データの自由空間伝送は、実用的であるとは考えられていなかった。通常、検出器によって生成されたデータは、非常に短い距離で、ローターとステーター間の接触接続または非接触の“近接”接続を介して、ローターからステータに転送される。データは、ステーターから、データが処理および/または表示される所望の場所に、ワイヤまたは光ファイバを介して伝送される。
【0012】
いくつかの第3世代CTスキャナにおいて電気機械式の、接触のスリップリングは、ローターからステーターにデータを伝送するための、イメージャのローターとステーター間の接触の接続を提供する。しかしながら、現在のCTスキャナは20−800Mbit/sのデータ速度でデータを生成し、またデータ速度は、CTスキャナが高速になるにつれ、およびマルチスライススキャナが同時に取得するスライスが増えるにつれ増加している。接触のスリップリングは、一般に、現在の第3世代CTスキャナがデータを生成する速度に合うデータ転送速度での、信頼性のあるデータ転送に対応することができない。
【0013】
したがって、通常、現在のCTスキャナでは、ローターとステーター間では非接触の近接結合を介してデータが送信される。このリンクは、例えば、光学的なまたは電磁的な結合であっても良い。様々なタイプのこのような非接触結合が、例えば、Schliefring(ドイツ)、Litton Poly-Scientific(米国)、およびElectro Tech(米国)から市販されている。しかしながら、現在利用可能なCTスキャナ用の非接触結合は、一般的に高価で、またそれらは通常、イメージャの機械的な構成を複雑にする。また、現在の非接触結合は、一般的に、1Gbit/s以上のデータ転送速度に対応できない。
【0014】
米国特許5,577,026は、データがローターとステーター上のアンテナ組立品を介して転送される、CTスキャナのローターとステーター間データ転送のための非接触データ結合について記載している。データ結合の実施形態において、アンテナ組立品は、容量結合され、データはRF信号を用いてアンテナ間で転送される。発明者は、IR、UVまたは光の周波数もまた、データを転送するために用いることができることに言及している。発明者は、イーサネット(登録商標)プロトコルを用いるリンク上で伝送されるデータの符号化、および毎秒約10メガビット(Mbit/s)の信頼性のあるデータ転送速度の達成について記載している。
【0015】
米国特許5,530,425は、ローターに装着された伝送ライン、およびその伝送ラインと結合されたステーターに装着された非接触の近接RFカップラーを用いて、CTスキャナのローターからイメージャのステーターまで、データを送信するためのシステムについて記載している。
【0016】
米国特許5,469,488は、CTスキャナーのローターとステーター間でデータを伝送するための光学システムを記載している。このシステムにおける複数の光放射素子は、ローターおよびステーター上に配置され、ステーターとローター間でデータを転送するために、ステーターまたはローター上にそれぞれ装着された受光素子に光信号を伝送する。
【0017】
[発明の概要]
本発明のいくつかの実施形態の側面は、自由空間電磁波を用いて、CTスキャナガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成されたデータを、所望の場所の受信機に伝送するための方法および装置を提供することに関連する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の側面は、X線検出器によって生成されたデータを、ローターと離れた場所に配置された受信機に伝送するための方法および装置を提供することに関連する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の側面は、1Gbit/sと等しいかまたはそれを超える伝送速度での信頼性のあるデータ伝送に対応した、検出器からデータを伝送するための方法および装置を提供することに関連する。
【0020】
発明者は、電磁波のスペクトル拡散符号化を用いることにより、データを、CTスキャナのローター内の検出器から所望の場所まで、高いデータ速度で自由空間を確実に伝送することができることを認識している。スペクトル拡散伝送は、とりわけ頑丈なものであり、自由空間電磁波を介して、電子的にノイズの多い環境において地点間で確実かつ正確にデータを伝送するために用いることができる。
【0021】
特に、以下“THIM”と記す、“時間ホッピング・インパルス変調(time hopping impulse modulation)”と呼ばれるスペクトル拡散伝送の技法は、同一の局部的なノイズの多い環境に位置する多数のデータ発生源からの、信頼性のある同時データ伝送に対応するために用いることができる。THIM伝送では、信号は、インパルスまたはモノパルスといわれる非常に短いパルスのパルス列として伝送される。パルス列中のそれぞれのモノパルスおよび次の引き続いて起こるモノパルスは、パルス繰返し間隔(PRI)といわれる時間間隔で分離される。PRIは、一般に、モノパルスの継続期間よりも非常に長く、モノパルスの継続期間の百から千倍の範囲にあっても良い。全ての連続した2つのモノパルス間のPRIは、所定の周期的な“時間ホッピング符号”にしたがって規則正しく変化する。PRIを変化させることによって、データは、パルス列中に符号化される。この変化は、符号化すべきデータに応じて決定され、時間ホッピング符号に応じてなされる変化への付加である。同じ区域内で動作する、数多くのTHIM送信機は、通常、一つの送信機が送信したデータが別の送信機が送信したデータと干渉することなしに、同一の受信機に同時にデータを送信することができる。それぞれの異なる送信機が異なる時間ホッピング符号を用いることによって、干渉は、概して防止され、または大きく低減される。
【0022】
THIMは、1987年2月3日に発行された米国特許4,641,317に始まり、米国特許4,813,057、4,979,186および5,363,108がそれに続く、Fullertonの一連の特許に記載されている。また、Fullertonの米国特許6,031,862は、理論的な分析が、RF THIMがセルラー式の電話システムにおいてセル当たり何千もの音声チャンネルを提供できることを示唆していることについて述べている。上記の指摘された全てのFullertonの特許の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、イメージャのローターに装着されたX線検出器から所望の場所にデータを伝送するための、少なくとも一つのTHIM送信機を有するデータ伝送システムを備えるCTスキャナが提供される。本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一つのTHIM送信機は、検出器からガントリステーター上のTHIM受信機までデータを伝送する。ローターからステーターにデータを伝送するための従来のシステムと異なり、本発明の実施形態によるローターからステーターへのデータのTHIM伝送は、THIM送信機および受信機が物理的に接触している事または接近していることを必要としない。その結果、THIM伝送の使用は、ガントリの構造をシンプルにする。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つのTHIM送信機は、ローター内の検出器から、ステーター上の受信機ではなく、ガントリから離れて配置された受信機までデータを伝送する。例えば、受信機は、CTガントリが配置されるのと同じ部屋の異なる部分に配置されても良い。THIM信号は、たいていのビルの壁を伝送された後でも比較的容易に検出できるので、受信機は、CTガントリが配置されるのと異なる部屋にあっても良い。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、受信機は、データが処理されおよび/または表示される場所に配置される。この場所は、CTガントリが配置される部屋と異なる部屋に位置していても良い。
【0025】
上記のように、多くのTHIM送信機は、データを同時に伝送するように動作することができるので、本発明の実施形態によれば、データ伝送システムは、そのシステムに十分な数のTHIM送信機を提供することによって、高いデータ伝送速度に対応するように構成することができる。例えば、約40Mbit/secまでのデータ伝送速度に対応するTHIM送信機は、現在、米国アラバマの“Time Domain”から”PulsOnと呼ばれるチップセットで入手可能である。約1.2Mbit/secのデータ伝送速度に対応するCTシステムのためのデータ伝送システムを提供するために、システムは、並列に動作する30のPlusOnチップセットを備えるように構成することができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、検出器が生成したデータは、好適なプロセッサによってローターにおいて処理され、次に、処理されたデータは、少なくとも一つのTHIM送信機によって受信機に伝送される。処理は、本発明の実施形態によれば、例えば、識別のヘッダを有し当技術分野で知られたタイプの様々な誤り訂正符号を含むデータパケットにパックすることを含むであろう。本発明のいくつかの実施形態において、ヘッダは、データパケットが受信されていないこと、または破損したことを受信機が識別するために用いられる。紛失しおよび/または破損したデータパケットのために、受信機は、少なくとも一つのTHIM送信機によって、紛失しおよび/または破損したデータパケットが伝送される冗長のプロトコルを開始させる。
【0027】
したがって本発明の実施形態によって提供されるのは、X線源とX線検出器アレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、患者の画像を生成するために、X線源からの、検出器へ入射するX線の強度に応じてX線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、スペクトル拡散符号化にしたがって、データが符号化された信号を送信する、少なくとも一つのスペクトル拡散送信機と、少なくとも一つのスペクトル拡散送信機によって送信された、符号化された信号を受信し、符号化されたデータをプロセッサに転送する、少なくとも一つのスペクトル拡散受信機と、を備える。
【0028】
さらに、少なくとも一つの送信機は、THIM符号にしたがって、データが符号化された信号を送信する少なくとも一つの時間ホッピングインパルス変調(THIM)送信機を備え、少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのTHIM送信機によって送信された符号化された信号を受信する、少なくとも一つのTHIM受信機を備えていても良い。追加としてまたは代替として、データが符号化された信号は、データが符号化された自由空間電磁波である。
【0029】
本発明の実施形態によってさらに提供されるのは、X線源とX線検出器アレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、患者の画像を生成するために、X線源からの検出器へ入射するX線の強度に応じてX線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、データが符号化された自由空間電磁波の信号を送信する少なくとも一つの送信機と、少なくとも一つの送信機によって送信された符号化された自由空間電磁波を受信し、符号化されたデータをプロセッサに転送する少なくとも一つの受信機と、を備える。
【0030】
さらに、少なくとも一つの送信機は、スペクトル拡散符号にしたがって自由空間電磁波中のデータを符号化する少なくとも一つのスペクトル拡散送信機を備え、少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのスペクトル拡散受信機を備えていても良い。
【0031】
さらに、少なくとも一つの送信機は、THIM符号にしたがって自由空間電磁波中のデータを符号化する少なくとも一つのTHIM送信機を備え、少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのTHIM受信機を備えていても良い。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、前記送信機および受信機は、同一の部屋に配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、送信機はガントリに配置され、受信機はガントリから離れている。さらに、送信機および受信機は、異なる部屋に配置されていても良い。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、送信機は、ステーターに配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、送信機は、ローターに配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、送信機は、ローターに配置され、少なくとも一つの受信機はステーターに配置される。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの受信機およびプロセッサは、同一の場所内で互いに近接している。
本発明のいくつかの実施形態において、受信機およびプロセッサは、異なる部屋にある。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの受信機は、受信機がデータをプロセッサに転送するワイヤによってプロセッサと接続される。
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの受信機は、受信機がデータをプロセッサに転送する光ファイバによってプロセッサと接続される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの送信機は、複数の送信機を備える。さらに、送信機は同時に送信をしても良い。
代替としてまたは追加として、少なくとも一つの受信機は、複数の受信機を備える。さらに、複数の受信機のうちの少なくとも2つは、異なる送信機からの送信を受信しても良い。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、CTスキャナは、X線検出器によって生成された信号を受信し、そこからデジタルデータを生成する、ローターに装着され、X線検出器と接続された少なくとも一つのデータ取得システム(DAS)を備え、デジタルデータの部分を、少なくとも一つのDASが、少なくとも一つの送信機のそれぞれに転送する。さらに、少なくとも一つのDASは、それぞれが異なる検出器からの信号を取得する複数のDASを備えていても良い。
【0038】
本発明の実施形態によってさらに提供されるのは、CTスキャナに備えられたガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成される信号中に含められるデータを所望の場所に送信する方法であって、データが符号化された自由空間電磁波を生成し、所望の場所で電磁波を検出し、データを取り戻すために、検出された電磁波をデコードすること、を含む。
【0039】
さらに、データは、スペクトル拡散符号にしたがって符号化されても良い。さらに、データは、時間ホッピングインパルス変調(THIM)符号にしたがって符号化されても良い。
本発明の実施形態によってさらに提供されるのは、CTスキャナに備えられたガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成される信号中に含められるデータを所望の場所に送信する方法であって、スペクトル拡散符号にしたがってデータが符号化された信号を生成し、所望の場所で信号を検出し、データを取り戻すために、検出された信号をデコードすること、を含む。さらに、符号はTHIM符号であっても良い。追加としてまたは代替として、データが符号化された信号は、データが符号化された自由空間電磁波である。
【0040】
[模範的な実施形態の詳細]
図1は、本発明の実施形態による、THIMデータ伝送システムを備える第3世代CTスキャナ20を示している。図1では、一例として、CTスキャナ20が、患者22の胸部を画像化していることが図示されている。図中の構成部品および特徴の寸法は、便宜のため、および表現を明瞭にする為に選択されており、必ずしも一定の割合で示されてはいない。
【0041】
CTスキャナ20は、破線26で示された扇形ビームを提供するように制御できるX線源24と、扇形ビームのX線を検出するための、X線源と向かい合わせに装着されたX線検出器32のアレイ30を備える。CTスキャナ20は、一例として、CTイメージャによって画像化される患者(図1において患者22)の身体の部位の複数の4つのスライスを同時に画像化する、マルチスライスイメージャとする。したがって、アレイ30中の検出器32は、検出器の複数の4つの隣接する湾曲した列で構成される。CTスキャナ20は、ローターが軸37の周りで回転するよう制御できるようローター36が装着されるステーター35を有するガントリ34を備える。X線源24および検出器アレイ30は、ローター36が軸37の周りを回転するときに、X線源と検出器アレイもまた軸37の周りを回転するように、ローター36に固定して装着される。
【0042】
患者22は、CTシステム20によって画像化される間、診察台38で支えられる。診察台38は、軸37に沿って軸方向で平行移動するよう制御できるように、好適な台の上に装着される。検出器アレイ30中の検出器32と、CTスキャナにおける、患者22および診察台38で隠され、および図1の透視図で通常は見えない特徴とが、表現の明瞭のためにゴーストラインで示されている。
【0043】
便宜の為に、図1に示される、水平のx軸、垂直のy軸、および軸37と一致するz軸を有する座標系は、CTスキャナ20の構成部品と特徴、および患者22の位置を特定する為に用いられる。この座標系は、ガントリ34に固定されているとする。X線源24のビューアングルは、座標系のy軸を基準として測定される。患者22の身体のスライスは、z軸上でのスライスの位置によって位置付けらる。
【0044】
患者22の胸部を画像化するために、診察台38は、z軸上で平行移動し、X線源24と検出器アレイ30の間の空間を胸部が通過するように制御され、それによりその胸部がX線に露光され、所望のビューアングルで胸部のスライスのビューが得られる。それぞれの所望のビューアングルで、検出器の列33内の検出器32は、露光されたX線の強度に応じた信号を生成し、患者22のシングルスライスのビューを提供する。検出器32の4つの列33は、患者22の4つの異なるスライスのビューを同時に提供する信号を生成する。図1では、一例として、CTスキャナ20は、約90°のビューアングルで4つのスライス40を取得していることが示されている。
【0045】
データ取得システム(DAS)50および、本発明の実施形態による、少なくとも一つのTHIM送信機52は、ローター36に装着される。検出器32で生成された信号は、ワイヤ(不図示)により、デジタルデータを発生する為に信号を処理する、ローター36に装着されたデータ取得システムDAS50まで転送される。DAS50は、適切なルーティングアルゴリズムに応じて、生成したデジタルデータの部分を、少なくとも一つのTHIM送信機のそれぞれに対して転送する。少なくとも一つのTHIM送信機のそれぞれは、“THIM”データ信号として受信するデータを、所望の場所に配置された少なくとも一つのTHIM受信機58に伝送する。それぞれのTHIM送信機52によって送信されたTHIM信号は、送信機によって発せられたモノパルス56の列54として図示されている。
【0046】
図1には、単一のDAS50が示されているが、本発明のいくつかの実施形態において、複数のDAS50がローター36に装着され、および、複数のDASと少なくとも一つのTHIM送信機の異なる構成が可能であり有利なものになり得ることが注目される。例えば、複数のDASの内の異なるDASは、それぞれの検出器32の列33と関連付けられ、それぞれのDASは、生成したデジタルデータを異なるTHIM送信機または複数の送信機に対して転送する。
【0047】
一例として、図1では、少なくとも一つのTHIM受信機は、CTスキャナが配置された部屋とは異なる部屋に配置された処理ステーション60に備えられた単一のTHIM受信機58である。CTスキャナ20と処理ステーション60の間の“壁”62は、CTスキャナと処理ステーションを異なる部屋に配置しても良いことを模式的に示している。処理ステーション60は、プロセッサ62と、少なくとも一つのTHIM送信機52から受信したデータにより患者22の部位の画像を生成し表示するための画像表示コンソール64とを備える。
【0048】
CTスキャナ20に備えられたTHIM送信機の数は、検出器アレイ30内の検出器32がデータを生成するデータ速度に対応するための十分な伝送チャンネル容量を提供するよう決定される。例えば、CTスキャナ20が毎秒2320のビューアングルで患者22のビューを取得し、また、検出器32のそれぞれの列33が672の検出器32を備えると仮定する。さらに、DAS50が検出器32の一つで生成されたそれぞれの信号を16ビットワードに変換すると仮定する。この場合、CTスキャナ20に備えられた検出器32の4つの列33は、約100Mbit/secの速度でデータを生成する。それぞれのTHIM送信機52が、Time Domain のチップセット PulsOnによって提供されるTHIM送信機が対応するデータ伝送速度と同様なデータ伝送速度に対応するとする。それぞれの PulsOnチップセットは、40Mbit/secまでのデータ伝送速度に対応するTHIM送信機を提供する。この場合、本発明の実施形態によれば、図1に示されるように、少なくとも3つのTHIM送信機52が、CTスキャナ20によって生成されたデータを伝送することが必要である。
【0049】
本発明の実施形態によれば、THIM送信機を備える、CTスキャナのためのデータ伝送システムは、図1に示される3つのTHIM送信機のように比較的少ない数のTHIM送信機を有するものに限られない。例えば、4つのスライスの代わりに同時に16スライスのビューを取得し、それゆえ、4列の検出器の代わりにそれぞれが672の検出器を有する、検出器32の16の列33を備える、CTイメージャ20と類似したCTスキャナを仮定する。CTスキャナが、毎秒4640のビューアングルのビューを取得し、CTスキャナの検出器32からのそれぞれの信号が16ビットワードに変換されるとする。CTスキャナは、約800Mbit/secの速度でデータを生成するであろう。本発明の実施形態によれば、このようなCTスキャナのためのデータ伝送システムは、少なくとも20のPulsOnタイプの40Mbit/secTHIM送信機52を有するであろう。
【0050】
それぞれのTHIM送信機52を同時に動作させるために、また、1つのTHIM送信機52からの送信が別のTHIM送信機52からの送信と干渉することを実質的に防止する為に、本発明のいくつかの実施形態において、それぞれのTHIM送信機52は、異なる時間ホッピング符号を用いて動作する。図1には、THIM送信機52のそれぞれが異なるホッピング符号を用いてレシーバ58にデータを送信していることが図示されている。異なるホッピング符号は、THIM送信機52によって発せられた異なるパルス列54におけるモノパルス56間の異なるPRI(すなわち、パルス繰返し間隔)で表された、異なる“時間”間隔によって示されている。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態において、それぞれのTHIM送信機52は、同一の時間ホッピング符号を用いて動作する。異なるTHIM送信機52からの送信を分離するために、異なる送信機からの送信は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許5,537,393に記載された方法を用いて、一時的に互いにオフセットを与えられる。
【0052】
さらに、処理ステーション60は、DAS50およびローター36に装着されるであろう様々なサブシステム(不図示)にコントロールおよびデータ信号を送信するための送信機70を備えていても良い。処理ステーション60によって送信された信号を受信するために、DAS50およびローター36の様々なサブシステムに接続される受信機72は、ローターに装着される。処理センター60とローター36の間で無線通信が要求される本発明のいくつかの実施形態において、処理ステーション60からローターへの送信は、THIMチャンネルによって提供され、送信機70はTHIM送信機であり、受信機72はTHIM受信機である。しかしながら、一般に、処理ステーション60からDAS50へのデータトラフィックは、DASから処理ステーションへのデータトラフィックよりもかなり少ない。その結果、処理ステーション60からローター36へのコントロールおよびデータ信号の送信は、それがもし望まれれば、処理ステーションとステーター35間の比較的シンプルなワイヤチャンネル、およびステーターとローター36間のスリップリングのリンクによって一般的には対応できる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態によれば、DAS50は、それが生成するデジタルデータを、当技術分野で知られた符号化方式およびエラー訂正アルゴリズムによって符号化する。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、DAS50は、データを、パケット交換網で伝送するためのデータパケットにデータをパックする方式と同様に、識別ヘッダを含むデータパケットにデータをパックする。さらに、それぞれのデータパケットは、データパケット中に含められたデータに発生することがあるエラーを訂正するのに使用できるエラー訂正符号を用いて符号化されても良い。DAS50は、それぞれのデータパケットについて全てが単一のTHIM送信機52によって送信されるように、データパケットを転送する。
【0054】
プロセッサ62は、DAS50から受信すべき全てのパケットを受信したかどうかを決定するために、受信したパケットのヘッダ内のデータを用いる。プロセッサ62がフレームが紛失していると判定した場合、プロセッサはDAS50に対して、紛失したパケットを再送信するようDASに指示するメッセージを送信する。同様に、プロセッサ62が、処理ステーション60によって受信されたパケット内のデータがかなりひどく破損していると判定した場合、プロセッサはDAS50に対して破損したパケットを再送するように指示する。
【0055】
DAS50によるエラー符号化およびパケット化は、DAS50から処理ステーション60へのデータ伝送の“データ管理”オーバーヘッドを付加することが注目される。オーバーヘッドに対応するための追加のチャンネル容量は、DAS50から処理ステーション60へデータを送信するために用いられるTHIM送信機の数を増加させることによって容易に提供することができる。例えば、発明者は、800Mbit/secの速度でデータを生成する、上述の16スライスのCTスキャナに関して、約300Mbit/secのデータ管理オーバーヘッドが、パケット化、エラー訂正符号化、および紛失したまたは破損したパケットの再送信に対応するために要求されるであろうことを求めた。CTスキャナによって必要になる総合のデータ伝送速度は1.1Gbit/secになる。この伝送データ速度は、8つのTHIM送信機52を、管理オーバーヘッドのない800Mbit/secのデータを送信するのに必要な20のTHIM送信機に加えることによって提供することができる。
【0056】
以上の段落に記載されたやり方以外の、THIM送信機による送信のための、DAS50により生成されるデータストリーム内のデータを構成しおよび送信する方法を、当業者であれば気付くであろう。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、DAS50は、X線検出器32からの信号の複数の同時のデジタルデータストリームを生成し、それぞれのデータストリームをTHIM送信機の異なるものに転送する。また、図1に示した構成とは異なる、DAS、THIM送信機、およびTHIM受信機の構成が可能であり、このような異なる構成を当業者は気付くであろうし、またそれは有利なものである。例えば、図1に示された少なくとも一つのTHIM受信機58は、複数のTHIM受信機を備えていても良い。それぞれのTHIM送信機52に対する一つ、つまりTHIM受信機58は、壁62上に配置され、そしてワイヤまたは従来の無線リンクで処理ステーション60に接続されていても良い。
【0057】
なお、図1のTHIM送信機52はローター36に装着されて図示されているけれども、THIM送信機または複数の送信機は、本発明の実施形態によれば、ステーター35上にまたはガントリ34の周辺に都合がよいように装着することも可能である。例えば、CTスキャナのローターからイメージャのステーターにデータを送信するために用いられないTHIM送信機は、CTスキャナのガントリの電磁的にノイズの多い環境から、ガントリと離れて配置された所望の場所まで無線データチャンネルを提供するために用いられても良い。ローターからステーターへのデータは、従来の手段によって送信され、そしてステーターからTHIM送信機までは、ワイヤによって送信されても良い。それから、THIM送信機は、例えば、異なる部屋まで無線伝送によってデータを送信するために用いられる。
【0058】
本出願の説明および請求項における、それぞれの動詞“備える”、“含む”、“有する”およびその同一語源の語は、動詞の目的語が、動詞の主語の、部材、構成部品、要素、または部品の、必ずしも完全な列挙でないことを示す為に用いられている。
【0059】
本発明は、例証によって提供され、発明の範囲を限定することを意図するものでない、その実施形態の詳細な説明を用いて記載されてきた。記載された実施形態は、発明の全ての実施形態においてその全てが必要なわけではない、異なる特徴を備えている。本発明のいくつかの実施形態は、その特徴のいくつか、または特徴の組み合わせのみを利用する。記載された本発明の実施形態の変形例、および記載された実施形態中で言及された特徴の異なる組み合わせを、当業者であれば気付くであろう。本発明の範囲は、請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施形態による、少なくとも一つのTHIM送信機を備えるデータ伝送システムを有するCTスキャナを図示している。
【符号の説明】
20 CTスキャナ
22 患者
24 X線源
30 アレイ
32 X線検出器
35 ステーター
36 ローター
50 データ取得システム(DAS)
52 THIM送信機
58 THIM受信機
60 処理ステーション
[発明の技術分野]
本発明は、コンピュータ断層撮影(CT)X線画像化に関し、特に、CTスキャナ内のX線検出器で生成されたデータを、そのデータに応じて画像を生成して表示するプロセッサに送信するための方法および装置に関する。
【0002】
[発明の背景]
患者のCTX線画像化において、X線は、患者身体の部位の内部の組織や特徴を画像化するために用いられる。画像化は、X線を用いて身体の部位の連続した複数の比較的薄い平面スライスの内部の組織と特徴を画像化する、以下“CTスキャナ”と呼ぶCT画像化システムによって行われる。
【0003】
CTスキャナは、一般的に、平面の扇形のX線ビームを提供するX線源と、X線扇形ビームと同一面にありX線源と向かい合っている、近接配置されたX線検出器のアレイとを備える。X線源と検出器アレイは、一般に適切な診察台に横たわっている、CTスキャナによって画像化される人物が、ガントリ内でX線源と検出器アレイの間に配置できるようにガントリに装着される。ガントリと診察台は、X線源と検出器アレイが患者に沿って軸方向で所望の位置に配置できるように互いに移動可能である。
【0004】
ガントリは、ステーターと呼ばれる静止の構造と、ローターと呼ばれる、それが軸方向の周りで回転できるようにステーターに装着される回転部品とを備える。第3世代CTスキャナにおいて、X線源と検出器は、ローターに装着される。軸方向の周りでのローターの角度位置は、X線源が、患者身体の周りで“ビューアングル(view angle)”と呼ばれる所望の角度に配置できるように制御可能である。
【0005】
患者身体の部位のスライスを画像化するために、X線源は、スライスの軸方向の位置に配置され、またX線源は、そのスライスをX線を用いて複数の異なるビューアングルから照射するようにスライスの周りで回転する。それぞれのビューアングルで、検出器アレイ内の検出器は、スライスを透過した、X線源からのX線の強度を測定する。検出器アレイ内の特定の検出器によって検出されたX線の強度は、X線源からスライスを経由してその検出器に至る経路長上で、X線がスライス内の物質で減衰した量の関数である。測定は、経路長に沿ってのスライス内での、組織の組成および密度についての情報を提供する。
【0006】
例えば、X線源がビューアングルθに位置するときの、検出器アレイ内の“n番目”の検出器によって検出される、入射X線の輝度をI(n,θ)で表すと、I(n,θ)=I0exp(−∫μ(l)dl)である。I(n,θ)についてのこの式において、I0は、X線源がスライスを照射するX線の強度であり、lに関する積分は、X線源からn番目の検出器に向う方向に沿ってスライス内の物質を経由する経路に関する積分を表し、μ(l)は、その経路上の位置lでの物質の、単位経路長当たりのX線吸収係数である。(この積分のnとθへの依存関係は明確には示しておらず、経路長lの長さおよび方向の、nとθへの依存によって決定される。)
【0007】
I0および検出されたI(n,θ)から、経路長lに沿って減衰したX線の量、および、以下“線積分”と呼ぶ積分∫μ(l)dlの値を決定することができる。したがって、n番目の検出器によってビューアングルθで提供される減衰の測定は、θとn番目の検出器の既知の位置で決定される、スライスを経由する特定の経路長上での、X線源を基準とする、吸収係数の線積分の値を提供する。
【0008】
特定のビューアングルθで検出器アレイ中の全ての検出器によって提供される、スライスについての減衰測定値の組はビュー(view)と呼ばれる。スライスについての全ビューの減衰測定値の組は、スライスの“投影(projection)”と呼ばれる。スライスの投影のデータによって提供される線積分の値は、スライス内での位置の関数として吸収係数μのマップを提供するための、当技術分野で知られたアルゴリズムを用いて処理される。患者身体の部位内での複数の隣接するスライスの吸収係数のマップは、その部位の内部の器官と特徴を表示および識別するために用いられる。
【0009】
いくつかのCTスキャナでは、患者の部位を画像化するために、患者の連続したスキャンが実行される。このスキャンにおいて、その部位は、X線源と検出器アレイを収容するガントリを通して部位を移動させるために、患者をz方向で段階的に移動させる事によって走査される。それぞれの段階に続いて、その部位のスライスの投影を取得するために、X線源は、360または(180+Δ)度で回転する。ここで、Δは、X線源が提供する扇形ビームの角度幅である。いくつかのCTイメージャでは、患者の“らせんスキャン”が行われる。このスキャンでは、患者の部位がガントリを通って着々と前進すると同時に、X線源が患者の周囲で回転し、部位のスライスの投影は“実行中に”に得られる。マルチスライススキャナと呼ばれるいくつかのCTスキャナでは、患者の部位の複数のスライスが同時に画像化される。多くの場合、患者の部位の4つのスライスが、マルシスライスCTスキャナで同時に画像化される。
【0010】
第3世代CTスキャナにおいて、X線源と検出器は、イメージャのローターに装着される。検出器に入射したX線の強度に応じて検出器によって生成されたデータは、ローターから、データによって画像を生成し生成された画像を表示するプロセッサの場所に転送されなければならない。
【0011】
CTスキャナのローター上の検出器によって生成されたデータを、処理及び表示の為の所望の場所に送信するための多くの様々な方法およびシステムが利用可能である。しかしながら、ローターのすぐ近くの環境は、一般に、電磁的に非常に雑音が多い。その結果、電磁波を用いた、データの自由空間伝送は、実用的であるとは考えられていなかった。通常、検出器によって生成されたデータは、非常に短い距離で、ローターとステーター間の接触接続または非接触の“近接”接続を介して、ローターからステータに転送される。データは、ステーターから、データが処理および/または表示される所望の場所に、ワイヤまたは光ファイバを介して伝送される。
【0012】
いくつかの第3世代CTスキャナにおいて電気機械式の、接触のスリップリングは、ローターからステーターにデータを伝送するための、イメージャのローターとステーター間の接触の接続を提供する。しかしながら、現在のCTスキャナは20−800Mbit/sのデータ速度でデータを生成し、またデータ速度は、CTスキャナが高速になるにつれ、およびマルチスライススキャナが同時に取得するスライスが増えるにつれ増加している。接触のスリップリングは、一般に、現在の第3世代CTスキャナがデータを生成する速度に合うデータ転送速度での、信頼性のあるデータ転送に対応することができない。
【0013】
したがって、通常、現在のCTスキャナでは、ローターとステーター間では非接触の近接結合を介してデータが送信される。このリンクは、例えば、光学的なまたは電磁的な結合であっても良い。様々なタイプのこのような非接触結合が、例えば、Schliefring(ドイツ)、Litton Poly-Scientific(米国)、およびElectro Tech(米国)から市販されている。しかしながら、現在利用可能なCTスキャナ用の非接触結合は、一般的に高価で、またそれらは通常、イメージャの機械的な構成を複雑にする。また、現在の非接触結合は、一般的に、1Gbit/s以上のデータ転送速度に対応できない。
【0014】
米国特許5,577,026は、データがローターとステーター上のアンテナ組立品を介して転送される、CTスキャナのローターとステーター間データ転送のための非接触データ結合について記載している。データ結合の実施形態において、アンテナ組立品は、容量結合され、データはRF信号を用いてアンテナ間で転送される。発明者は、IR、UVまたは光の周波数もまた、データを転送するために用いることができることに言及している。発明者は、イーサネット(登録商標)プロトコルを用いるリンク上で伝送されるデータの符号化、および毎秒約10メガビット(Mbit/s)の信頼性のあるデータ転送速度の達成について記載している。
【0015】
米国特許5,530,425は、ローターに装着された伝送ライン、およびその伝送ラインと結合されたステーターに装着された非接触の近接RFカップラーを用いて、CTスキャナのローターからイメージャのステーターまで、データを送信するためのシステムについて記載している。
【0016】
米国特許5,469,488は、CTスキャナーのローターとステーター間でデータを伝送するための光学システムを記載している。このシステムにおける複数の光放射素子は、ローターおよびステーター上に配置され、ステーターとローター間でデータを転送するために、ステーターまたはローター上にそれぞれ装着された受光素子に光信号を伝送する。
【0017】
[発明の概要]
本発明のいくつかの実施形態の側面は、自由空間電磁波を用いて、CTスキャナガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成されたデータを、所望の場所の受信機に伝送するための方法および装置を提供することに関連する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の側面は、X線検出器によって生成されたデータを、ローターと離れた場所に配置された受信機に伝送するための方法および装置を提供することに関連する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の側面は、1Gbit/sと等しいかまたはそれを超える伝送速度での信頼性のあるデータ伝送に対応した、検出器からデータを伝送するための方法および装置を提供することに関連する。
【0020】
発明者は、電磁波のスペクトル拡散符号化を用いることにより、データを、CTスキャナのローター内の検出器から所望の場所まで、高いデータ速度で自由空間を確実に伝送することができることを認識している。スペクトル拡散伝送は、とりわけ頑丈なものであり、自由空間電磁波を介して、電子的にノイズの多い環境において地点間で確実かつ正確にデータを伝送するために用いることができる。
【0021】
特に、以下“THIM”と記す、“時間ホッピング・インパルス変調(time hopping impulse modulation)”と呼ばれるスペクトル拡散伝送の技法は、同一の局部的なノイズの多い環境に位置する多数のデータ発生源からの、信頼性のある同時データ伝送に対応するために用いることができる。THIM伝送では、信号は、インパルスまたはモノパルスといわれる非常に短いパルスのパルス列として伝送される。パルス列中のそれぞれのモノパルスおよび次の引き続いて起こるモノパルスは、パルス繰返し間隔(PRI)といわれる時間間隔で分離される。PRIは、一般に、モノパルスの継続期間よりも非常に長く、モノパルスの継続期間の百から千倍の範囲にあっても良い。全ての連続した2つのモノパルス間のPRIは、所定の周期的な“時間ホッピング符号”にしたがって規則正しく変化する。PRIを変化させることによって、データは、パルス列中に符号化される。この変化は、符号化すべきデータに応じて決定され、時間ホッピング符号に応じてなされる変化への付加である。同じ区域内で動作する、数多くのTHIM送信機は、通常、一つの送信機が送信したデータが別の送信機が送信したデータと干渉することなしに、同一の受信機に同時にデータを送信することができる。それぞれの異なる送信機が異なる時間ホッピング符号を用いることによって、干渉は、概して防止され、または大きく低減される。
【0022】
THIMは、1987年2月3日に発行された米国特許4,641,317に始まり、米国特許4,813,057、4,979,186および5,363,108がそれに続く、Fullertonの一連の特許に記載されている。また、Fullertonの米国特許6,031,862は、理論的な分析が、RF THIMがセルラー式の電話システムにおいてセル当たり何千もの音声チャンネルを提供できることを示唆していることについて述べている。上記の指摘された全てのFullertonの特許の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、イメージャのローターに装着されたX線検出器から所望の場所にデータを伝送するための、少なくとも一つのTHIM送信機を有するデータ伝送システムを備えるCTスキャナが提供される。本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一つのTHIM送信機は、検出器からガントリステーター上のTHIM受信機までデータを伝送する。ローターからステーターにデータを伝送するための従来のシステムと異なり、本発明の実施形態によるローターからステーターへのデータのTHIM伝送は、THIM送信機および受信機が物理的に接触している事または接近していることを必要としない。その結果、THIM伝送の使用は、ガントリの構造をシンプルにする。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つのTHIM送信機は、ローター内の検出器から、ステーター上の受信機ではなく、ガントリから離れて配置された受信機までデータを伝送する。例えば、受信機は、CTガントリが配置されるのと同じ部屋の異なる部分に配置されても良い。THIM信号は、たいていのビルの壁を伝送された後でも比較的容易に検出できるので、受信機は、CTガントリが配置されるのと異なる部屋にあっても良い。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、受信機は、データが処理されおよび/または表示される場所に配置される。この場所は、CTガントリが配置される部屋と異なる部屋に位置していても良い。
【0025】
上記のように、多くのTHIM送信機は、データを同時に伝送するように動作することができるので、本発明の実施形態によれば、データ伝送システムは、そのシステムに十分な数のTHIM送信機を提供することによって、高いデータ伝送速度に対応するように構成することができる。例えば、約40Mbit/secまでのデータ伝送速度に対応するTHIM送信機は、現在、米国アラバマの“Time Domain”から”PulsOnと呼ばれるチップセットで入手可能である。約1.2Mbit/secのデータ伝送速度に対応するCTシステムのためのデータ伝送システムを提供するために、システムは、並列に動作する30のPlusOnチップセットを備えるように構成することができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、検出器が生成したデータは、好適なプロセッサによってローターにおいて処理され、次に、処理されたデータは、少なくとも一つのTHIM送信機によって受信機に伝送される。処理は、本発明の実施形態によれば、例えば、識別のヘッダを有し当技術分野で知られたタイプの様々な誤り訂正符号を含むデータパケットにパックすることを含むであろう。本発明のいくつかの実施形態において、ヘッダは、データパケットが受信されていないこと、または破損したことを受信機が識別するために用いられる。紛失しおよび/または破損したデータパケットのために、受信機は、少なくとも一つのTHIM送信機によって、紛失しおよび/または破損したデータパケットが伝送される冗長のプロトコルを開始させる。
【0027】
したがって本発明の実施形態によって提供されるのは、X線源とX線検出器アレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、患者の画像を生成するために、X線源からの、検出器へ入射するX線の強度に応じてX線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、スペクトル拡散符号化にしたがって、データが符号化された信号を送信する、少なくとも一つのスペクトル拡散送信機と、少なくとも一つのスペクトル拡散送信機によって送信された、符号化された信号を受信し、符号化されたデータをプロセッサに転送する、少なくとも一つのスペクトル拡散受信機と、を備える。
【0028】
さらに、少なくとも一つの送信機は、THIM符号にしたがって、データが符号化された信号を送信する少なくとも一つの時間ホッピングインパルス変調(THIM)送信機を備え、少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのTHIM送信機によって送信された符号化された信号を受信する、少なくとも一つのTHIM受信機を備えていても良い。追加としてまたは代替として、データが符号化された信号は、データが符号化された自由空間電磁波である。
【0029】
本発明の実施形態によってさらに提供されるのは、X線源とX線検出器アレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、患者の画像を生成するために、X線源からの検出器へ入射するX線の強度に応じてX線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、データが符号化された自由空間電磁波の信号を送信する少なくとも一つの送信機と、少なくとも一つの送信機によって送信された符号化された自由空間電磁波を受信し、符号化されたデータをプロセッサに転送する少なくとも一つの受信機と、を備える。
【0030】
さらに、少なくとも一つの送信機は、スペクトル拡散符号にしたがって自由空間電磁波中のデータを符号化する少なくとも一つのスペクトル拡散送信機を備え、少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのスペクトル拡散受信機を備えていても良い。
【0031】
さらに、少なくとも一つの送信機は、THIM符号にしたがって自由空間電磁波中のデータを符号化する少なくとも一つのTHIM送信機を備え、少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのTHIM受信機を備えていても良い。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、前記送信機および受信機は、同一の部屋に配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、送信機はガントリに配置され、受信機はガントリから離れている。さらに、送信機および受信機は、異なる部屋に配置されていても良い。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、送信機は、ステーターに配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、送信機は、ローターに配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、送信機は、ローターに配置され、少なくとも一つの受信機はステーターに配置される。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの受信機およびプロセッサは、同一の場所内で互いに近接している。
本発明のいくつかの実施形態において、受信機およびプロセッサは、異なる部屋にある。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの受信機は、受信機がデータをプロセッサに転送するワイヤによってプロセッサと接続される。
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの受信機は、受信機がデータをプロセッサに転送する光ファイバによってプロセッサと接続される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも一つの送信機は、複数の送信機を備える。さらに、送信機は同時に送信をしても良い。
代替としてまたは追加として、少なくとも一つの受信機は、複数の受信機を備える。さらに、複数の受信機のうちの少なくとも2つは、異なる送信機からの送信を受信しても良い。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、CTスキャナは、X線検出器によって生成された信号を受信し、そこからデジタルデータを生成する、ローターに装着され、X線検出器と接続された少なくとも一つのデータ取得システム(DAS)を備え、デジタルデータの部分を、少なくとも一つのDASが、少なくとも一つの送信機のそれぞれに転送する。さらに、少なくとも一つのDASは、それぞれが異なる検出器からの信号を取得する複数のDASを備えていても良い。
【0038】
本発明の実施形態によってさらに提供されるのは、CTスキャナに備えられたガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成される信号中に含められるデータを所望の場所に送信する方法であって、データが符号化された自由空間電磁波を生成し、所望の場所で電磁波を検出し、データを取り戻すために、検出された電磁波をデコードすること、を含む。
【0039】
さらに、データは、スペクトル拡散符号にしたがって符号化されても良い。さらに、データは、時間ホッピングインパルス変調(THIM)符号にしたがって符号化されても良い。
本発明の実施形態によってさらに提供されるのは、CTスキャナに備えられたガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成される信号中に含められるデータを所望の場所に送信する方法であって、スペクトル拡散符号にしたがってデータが符号化された信号を生成し、所望の場所で信号を検出し、データを取り戻すために、検出された信号をデコードすること、を含む。さらに、符号はTHIM符号であっても良い。追加としてまたは代替として、データが符号化された信号は、データが符号化された自由空間電磁波である。
【0040】
[模範的な実施形態の詳細]
図1は、本発明の実施形態による、THIMデータ伝送システムを備える第3世代CTスキャナ20を示している。図1では、一例として、CTスキャナ20が、患者22の胸部を画像化していることが図示されている。図中の構成部品および特徴の寸法は、便宜のため、および表現を明瞭にする為に選択されており、必ずしも一定の割合で示されてはいない。
【0041】
CTスキャナ20は、破線26で示された扇形ビームを提供するように制御できるX線源24と、扇形ビームのX線を検出するための、X線源と向かい合わせに装着されたX線検出器32のアレイ30を備える。CTスキャナ20は、一例として、CTイメージャによって画像化される患者(図1において患者22)の身体の部位の複数の4つのスライスを同時に画像化する、マルチスライスイメージャとする。したがって、アレイ30中の検出器32は、検出器の複数の4つの隣接する湾曲した列で構成される。CTスキャナ20は、ローターが軸37の周りで回転するよう制御できるようローター36が装着されるステーター35を有するガントリ34を備える。X線源24および検出器アレイ30は、ローター36が軸37の周りを回転するときに、X線源と検出器アレイもまた軸37の周りを回転するように、ローター36に固定して装着される。
【0042】
患者22は、CTシステム20によって画像化される間、診察台38で支えられる。診察台38は、軸37に沿って軸方向で平行移動するよう制御できるように、好適な台の上に装着される。検出器アレイ30中の検出器32と、CTスキャナにおける、患者22および診察台38で隠され、および図1の透視図で通常は見えない特徴とが、表現の明瞭のためにゴーストラインで示されている。
【0043】
便宜の為に、図1に示される、水平のx軸、垂直のy軸、および軸37と一致するz軸を有する座標系は、CTスキャナ20の構成部品と特徴、および患者22の位置を特定する為に用いられる。この座標系は、ガントリ34に固定されているとする。X線源24のビューアングルは、座標系のy軸を基準として測定される。患者22の身体のスライスは、z軸上でのスライスの位置によって位置付けらる。
【0044】
患者22の胸部を画像化するために、診察台38は、z軸上で平行移動し、X線源24と検出器アレイ30の間の空間を胸部が通過するように制御され、それによりその胸部がX線に露光され、所望のビューアングルで胸部のスライスのビューが得られる。それぞれの所望のビューアングルで、検出器の列33内の検出器32は、露光されたX線の強度に応じた信号を生成し、患者22のシングルスライスのビューを提供する。検出器32の4つの列33は、患者22の4つの異なるスライスのビューを同時に提供する信号を生成する。図1では、一例として、CTスキャナ20は、約90°のビューアングルで4つのスライス40を取得していることが示されている。
【0045】
データ取得システム(DAS)50および、本発明の実施形態による、少なくとも一つのTHIM送信機52は、ローター36に装着される。検出器32で生成された信号は、ワイヤ(不図示)により、デジタルデータを発生する為に信号を処理する、ローター36に装着されたデータ取得システムDAS50まで転送される。DAS50は、適切なルーティングアルゴリズムに応じて、生成したデジタルデータの部分を、少なくとも一つのTHIM送信機のそれぞれに対して転送する。少なくとも一つのTHIM送信機のそれぞれは、“THIM”データ信号として受信するデータを、所望の場所に配置された少なくとも一つのTHIM受信機58に伝送する。それぞれのTHIM送信機52によって送信されたTHIM信号は、送信機によって発せられたモノパルス56の列54として図示されている。
【0046】
図1には、単一のDAS50が示されているが、本発明のいくつかの実施形態において、複数のDAS50がローター36に装着され、および、複数のDASと少なくとも一つのTHIM送信機の異なる構成が可能であり有利なものになり得ることが注目される。例えば、複数のDASの内の異なるDASは、それぞれの検出器32の列33と関連付けられ、それぞれのDASは、生成したデジタルデータを異なるTHIM送信機または複数の送信機に対して転送する。
【0047】
一例として、図1では、少なくとも一つのTHIM受信機は、CTスキャナが配置された部屋とは異なる部屋に配置された処理ステーション60に備えられた単一のTHIM受信機58である。CTスキャナ20と処理ステーション60の間の“壁”62は、CTスキャナと処理ステーションを異なる部屋に配置しても良いことを模式的に示している。処理ステーション60は、プロセッサ62と、少なくとも一つのTHIM送信機52から受信したデータにより患者22の部位の画像を生成し表示するための画像表示コンソール64とを備える。
【0048】
CTスキャナ20に備えられたTHIM送信機の数は、検出器アレイ30内の検出器32がデータを生成するデータ速度に対応するための十分な伝送チャンネル容量を提供するよう決定される。例えば、CTスキャナ20が毎秒2320のビューアングルで患者22のビューを取得し、また、検出器32のそれぞれの列33が672の検出器32を備えると仮定する。さらに、DAS50が検出器32の一つで生成されたそれぞれの信号を16ビットワードに変換すると仮定する。この場合、CTスキャナ20に備えられた検出器32の4つの列33は、約100Mbit/secの速度でデータを生成する。それぞれのTHIM送信機52が、Time Domain のチップセット PulsOnによって提供されるTHIM送信機が対応するデータ伝送速度と同様なデータ伝送速度に対応するとする。それぞれの PulsOnチップセットは、40Mbit/secまでのデータ伝送速度に対応するTHIM送信機を提供する。この場合、本発明の実施形態によれば、図1に示されるように、少なくとも3つのTHIM送信機52が、CTスキャナ20によって生成されたデータを伝送することが必要である。
【0049】
本発明の実施形態によれば、THIM送信機を備える、CTスキャナのためのデータ伝送システムは、図1に示される3つのTHIM送信機のように比較的少ない数のTHIM送信機を有するものに限られない。例えば、4つのスライスの代わりに同時に16スライスのビューを取得し、それゆえ、4列の検出器の代わりにそれぞれが672の検出器を有する、検出器32の16の列33を備える、CTイメージャ20と類似したCTスキャナを仮定する。CTスキャナが、毎秒4640のビューアングルのビューを取得し、CTスキャナの検出器32からのそれぞれの信号が16ビットワードに変換されるとする。CTスキャナは、約800Mbit/secの速度でデータを生成するであろう。本発明の実施形態によれば、このようなCTスキャナのためのデータ伝送システムは、少なくとも20のPulsOnタイプの40Mbit/secTHIM送信機52を有するであろう。
【0050】
それぞれのTHIM送信機52を同時に動作させるために、また、1つのTHIM送信機52からの送信が別のTHIM送信機52からの送信と干渉することを実質的に防止する為に、本発明のいくつかの実施形態において、それぞれのTHIM送信機52は、異なる時間ホッピング符号を用いて動作する。図1には、THIM送信機52のそれぞれが異なるホッピング符号を用いてレシーバ58にデータを送信していることが図示されている。異なるホッピング符号は、THIM送信機52によって発せられた異なるパルス列54におけるモノパルス56間の異なるPRI(すなわち、パルス繰返し間隔)で表された、異なる“時間”間隔によって示されている。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態において、それぞれのTHIM送信機52は、同一の時間ホッピング符号を用いて動作する。異なるTHIM送信機52からの送信を分離するために、異なる送信機からの送信は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許5,537,393に記載された方法を用いて、一時的に互いにオフセットを与えられる。
【0052】
さらに、処理ステーション60は、DAS50およびローター36に装着されるであろう様々なサブシステム(不図示)にコントロールおよびデータ信号を送信するための送信機70を備えていても良い。処理ステーション60によって送信された信号を受信するために、DAS50およびローター36の様々なサブシステムに接続される受信機72は、ローターに装着される。処理センター60とローター36の間で無線通信が要求される本発明のいくつかの実施形態において、処理ステーション60からローターへの送信は、THIMチャンネルによって提供され、送信機70はTHIM送信機であり、受信機72はTHIM受信機である。しかしながら、一般に、処理ステーション60からDAS50へのデータトラフィックは、DASから処理ステーションへのデータトラフィックよりもかなり少ない。その結果、処理ステーション60からローター36へのコントロールおよびデータ信号の送信は、それがもし望まれれば、処理ステーションとステーター35間の比較的シンプルなワイヤチャンネル、およびステーターとローター36間のスリップリングのリンクによって一般的には対応できる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態によれば、DAS50は、それが生成するデジタルデータを、当技術分野で知られた符号化方式およびエラー訂正アルゴリズムによって符号化する。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、DAS50は、データを、パケット交換網で伝送するためのデータパケットにデータをパックする方式と同様に、識別ヘッダを含むデータパケットにデータをパックする。さらに、それぞれのデータパケットは、データパケット中に含められたデータに発生することがあるエラーを訂正するのに使用できるエラー訂正符号を用いて符号化されても良い。DAS50は、それぞれのデータパケットについて全てが単一のTHIM送信機52によって送信されるように、データパケットを転送する。
【0054】
プロセッサ62は、DAS50から受信すべき全てのパケットを受信したかどうかを決定するために、受信したパケットのヘッダ内のデータを用いる。プロセッサ62がフレームが紛失していると判定した場合、プロセッサはDAS50に対して、紛失したパケットを再送信するようDASに指示するメッセージを送信する。同様に、プロセッサ62が、処理ステーション60によって受信されたパケット内のデータがかなりひどく破損していると判定した場合、プロセッサはDAS50に対して破損したパケットを再送するように指示する。
【0055】
DAS50によるエラー符号化およびパケット化は、DAS50から処理ステーション60へのデータ伝送の“データ管理”オーバーヘッドを付加することが注目される。オーバーヘッドに対応するための追加のチャンネル容量は、DAS50から処理ステーション60へデータを送信するために用いられるTHIM送信機の数を増加させることによって容易に提供することができる。例えば、発明者は、800Mbit/secの速度でデータを生成する、上述の16スライスのCTスキャナに関して、約300Mbit/secのデータ管理オーバーヘッドが、パケット化、エラー訂正符号化、および紛失したまたは破損したパケットの再送信に対応するために要求されるであろうことを求めた。CTスキャナによって必要になる総合のデータ伝送速度は1.1Gbit/secになる。この伝送データ速度は、8つのTHIM送信機52を、管理オーバーヘッドのない800Mbit/secのデータを送信するのに必要な20のTHIM送信機に加えることによって提供することができる。
【0056】
以上の段落に記載されたやり方以外の、THIM送信機による送信のための、DAS50により生成されるデータストリーム内のデータを構成しおよび送信する方法を、当業者であれば気付くであろう。例えば、本発明のいくつかの実施形態において、DAS50は、X線検出器32からの信号の複数の同時のデジタルデータストリームを生成し、それぞれのデータストリームをTHIM送信機の異なるものに転送する。また、図1に示した構成とは異なる、DAS、THIM送信機、およびTHIM受信機の構成が可能であり、このような異なる構成を当業者は気付くであろうし、またそれは有利なものである。例えば、図1に示された少なくとも一つのTHIM受信機58は、複数のTHIM受信機を備えていても良い。それぞれのTHIM送信機52に対する一つ、つまりTHIM受信機58は、壁62上に配置され、そしてワイヤまたは従来の無線リンクで処理ステーション60に接続されていても良い。
【0057】
なお、図1のTHIM送信機52はローター36に装着されて図示されているけれども、THIM送信機または複数の送信機は、本発明の実施形態によれば、ステーター35上にまたはガントリ34の周辺に都合がよいように装着することも可能である。例えば、CTスキャナのローターからイメージャのステーターにデータを送信するために用いられないTHIM送信機は、CTスキャナのガントリの電磁的にノイズの多い環境から、ガントリと離れて配置された所望の場所まで無線データチャンネルを提供するために用いられても良い。ローターからステーターへのデータは、従来の手段によって送信され、そしてステーターからTHIM送信機までは、ワイヤによって送信されても良い。それから、THIM送信機は、例えば、異なる部屋まで無線伝送によってデータを送信するために用いられる。
【0058】
本出願の説明および請求項における、それぞれの動詞“備える”、“含む”、“有する”およびその同一語源の語は、動詞の目的語が、動詞の主語の、部材、構成部品、要素、または部品の、必ずしも完全な列挙でないことを示す為に用いられている。
【0059】
本発明は、例証によって提供され、発明の範囲を限定することを意図するものでない、その実施形態の詳細な説明を用いて記載されてきた。記載された実施形態は、発明の全ての実施形態においてその全てが必要なわけではない、異なる特徴を備えている。本発明のいくつかの実施形態は、その特徴のいくつか、または特徴の組み合わせのみを利用する。記載された本発明の実施形態の変形例、および記載された実施形態中で言及された特徴の異なる組み合わせを、当業者であれば気付くであろう。本発明の範囲は、請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施形態による、少なくとも一つのTHIM送信機を備えるデータ伝送システムを有するCTスキャナを図示している。
【符号の説明】
20 CTスキャナ
22 患者
24 X線源
30 アレイ
32 X線検出器
35 ステーター
36 ローター
50 データ取得システム(DAS)
52 THIM送信機
58 THIM受信機
60 処理ステーション
Claims (28)
- X線源とX線検出器アレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、
前記患者の画像を生成するために、前記X線源からの前記検出器へ入射するX線の強度に応じて前記X線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、
前記X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、スペクトル拡散符号化にしたがって、前記データが符号化された信号を送信する少なくとも一つのスペクトル拡散送信機と、
前記少なくとも一つのスペクトル拡散送信機によって送信された前記符号化された信号を受信し、前記符号化されたデータを前記プロセッサに転送する少なくとも一つのスペクトル拡散受信機と、を備える。 - 前記少なくとも一つの送信機は、THIM符号にしたがって前記データが符号化された信号を送信する少なくとも一つの時間ホッピングインパルス変調(THIM)送信機を備え、前記少なくとも一つの受信機は、前記少なくとも一つのTHIM送信機によって送信された符号化された信号を受信する少なくとも一つのTHIM受信機を備える、請求項1に記載のCTスキャナ。
- 前記データが符号化された信号は、前記データが符号化された自由空間電磁波である、請求項1または請求項2に記載のCTスキャナ。
- X線源とX線検出器アレイとが、CTスキャナによって画像化される患者の身体を通過する経路上でのX線の吸収を決定する為にローターに装着された、ステーターとローターとを備えるガントリを有するCTスキャナであって、
前記患者の画像を生成するために、前記X線源からの前記検出器へ入射するX線の強度に応じて前記X線検出器によって生成された信号中に含まれるデータを処理するプロセッサと、
前記X線検出器によって生成された信号中に含められたデータを受信し、前記データが符号化された自由空間電磁波の信号を送信する少なくとも一つの送信機と、
前記少なくとも一つの送信機によって送信された前記符号化された自由空間電磁波を受信し、前記符号化されたデータを前記プロセッサに転送する少なくとも一つの受信機と、を備える。 - 前記少なくとも一つの送信機は、スペクトル拡散符号にしたがって前記自由空間電磁波中のデータを符号化する少なくとも一つのスペクトル拡散送信機を備え、前記少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのスペクトル拡散受信機を備える、請求項4に記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つの送信機は、THIM符号にしたがって前記自由空間電磁波中のデータを符号化する少なくとも一つのTHIM送信機を備え、前記少なくとも一つの受信機は、少なくとも一つのTHIM受信機を備える、請求項5に記載のCTスキャナ。
- 前記送信機および受信機は、同一の部屋に配置される、請求項1から請求項6のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記送信機は前記ガントリに配置され、前記受信機は前記ガントリから離れている、請求項1から請求項6のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記送信機および受信機は、異なる部屋に配置される、請求項8に記載のCTスキャナ。
- 前記送信機は、ステーターに配置される、請求項7から請求項9のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記送信機は、ローターに配置される、請求項7から請求項9のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記送信機は、ローターに配置され、前記少なくとも一つの受信機は前記ステーターに配置される、請求項1から請求項6のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つの受信機および前記プロセッサは、同一の場所内で互いに近接している、請求項1から請求項12のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記受信機および前記プロセッサは、異なる部屋にある、請求項1から請求項12のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つの受信機は、前記受信機が前記データを前記プロセッサに転送するワイヤによって前記プロセッサと接続される、請求項1から請求項14のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つの受信機は、前記受信機が前記データを前記プロセッサに転送する光ファイバによって前記プロセッサと接続される、請求項1から請求項15のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つの送信機は、複数の送信機を備える、請求項1から請求項16のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記送信機は同時に送信する、請求項7に記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つの受信機は、複数の受信機を備える、請求項17または請求項18に記載のCTスキャナ。
- 前記複数の受信機のうちの少なくとも2つは、異なる送信機からの送信を受信する、請求項19に記載のCTスキャナ。
- 前記X線検出器によって生成された信号を受信し、そこからデジタルデータを生成する、前記ローターに装着され前記X線検出器と接続された少なくとも一つのデータ取得システム(DAS)を備え、デジタルデータの部分を、前記少なくとも一つのDASが前記少なくとも一つの送信機のそれぞれに転送する、請求項1から請求項20のいずれかに記載のCTスキャナ。
- 前記少なくとも一つのDASは、それぞれが異なる検出器からの信号を取得する複数のDASを備える、請求項21に記載のCTスキャナ。
- CTスキャナに備えられたガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成される信号中に含められるデータを所望の場所に送信する方法であって、
前記データが符号化された自由空間電磁波を生成し、
前記所望の場所で前記電磁波を検出し、
前記データを取り戻すために前記検出された電磁波をデコードすること、を含む。 - 前記データは、スペクトル拡散符号にしたがって符号化される、請求項23に記載の方法。
- 前記データは、時間ホッピングインパルス変調(THIM)符号にしたがって符号化される、請求項24に記載の方法。
- CTスキャナに備えられたガントリのローターに装着されたX線検出器によって生成される信号中に含められるデータを所望の場所に送信する方法であって、
スペクトル拡散符号にしたがって前記データが符号化された信号を生成し、
前記所望の場所で前記信号を検出し、
前記データを取り戻すために前記検出された信号をデコードすること、を含む。 - 前記符号はTHIM符号である、請求項26に記載の方法。
- 前記データが符号化された信号は、前記データが符号化された自由空間電磁波である、請求項26または請求項27に記載の方法。
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