JP2005518221A - 癌の予後および診断のための染色指向性の分子分析 - Google Patents

癌の予後および診断のための染色指向性の分子分析 Download PDF

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Abstract

分子分析により、細胞が、細胞分化または癌と関連される特徴を示すか否かを決定するために、組織サンプルが得られる位置が、癌および前癌性の組織を特異的に染色する色素を上皮組織に局所的に適用することによって決定される。

Description

本出願は、2000年9月26日に出願された国際特許出願第PCT/US00/26551号の一部係属出願であり、および2001年12月14日に出願された米国特許出願第10/017,007号の分割出願であり、それらの開示は本明細書中に参考として援用される。
本発明は、組織の通常の視覚的な外見が侵襲性癌の潜在的な発達を示す前に、従って従来の位置づけ、切除、および組織学的手順による前癌性または癌性としてのこのような組織の診断が遅れる、潜在的に侵襲性の癌細胞を含む組織の、早期の位置づけおよび予後のための組合わせの方法に関する。
別の局面において、本発明は、その通常の可視的な外見は変則的であり得、処置を指示する診断を得ることの遅れを導き得る、このような潜在的に侵襲性の癌細胞を含む組織の位置づけおよび決定のための組合わせの方法に関する。
少なくとも2ヶ月、癌の結論を得ることを遅れた患者は、より短期間の遅れを伴なう患者よりも、有意に高い相対的な死の危険性を有する。(Cancer、92[11]:2885〜2891、2001を参照のこと)。従って、患者がより定期的に癌スクリーニングを受け、初期の予後または診断を作製するための明確な手順と組合わされる場合、癌の危険による死亡率は減少される。
従って、本発明者は、侵襲性癌の最終的な発症の早期の予測のための、または明確な診断のための予後および診断の方法を提供し、これは段階的であり、迅速であり、確実であり、および臨床プロトコルとして容易に適用可能である。
前癌性および癌性の組織の発達:
腫瘍の発達は、2つの別々の突然変異事象を必要とする。これらの事象のうちの1つは、生殖細胞系列において生じ得、そして遺伝され得る。次いで第2に、体細胞的に生じる。あるいは、2つの突然変異事象が個体の体細胞においてのみ生じ得る。
癌スクリーニング手順
従来の視覚的な癌スクリーニング
通常可視性である細胞性突然変異は十分に記載され、そして肥厚化、変退色、異常なほくろ、または硬化を含み得る。両性のメラノサイト母斑から初期の黒色腫を区別するためのいくつかの組織の特徴は、当業者に公知である。例えば:
Figure 2005518221
しかし、これらの通常の可視性の特性およびそれらの特徴は関与される組織が癌の通常の進行経路上を前進されるまで明白でないかもしれない。従って、簡便な、迅速な、および比較的正確なスクリーニング方法が、癌性または前癌性の組織の通常の可視性の特徴が出現する前に、臨床医が疑いのある組織を位置づけることを可能にするために必要とされた。
潜在的に癌性の組織の初期の位置づけのための、インビボ癌スクリーニング手順
インビボスクリーニング技術が、従来の組織の視覚的な観察がこのような疑いのある組織を明らかにする前の段階で、腫瘍または癌性の表現型を伴う細胞を含むようである患者の身体の全体のおよび特異的な解剖学的な位置を、迅速におよび非侵襲的に同定するために今や開発された。このような潜在的に癌性の部位、特に上皮癌を位置づけるためのこれらのインビボスクリーニング技術は迅速であり、および、一般的な臨床医にとってでさえ、極めて実用性が高い。
全体的な解剖学的スクリーニング:
全体的な解剖学的スクリーニングの1つの例は、単純な唾液サンプルのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析である。唾液は、特にニコチン、アルコール、および他の公知のまたは疑いのある発癌物質にこれらの領域を曝露する患者において、癌細胞の共通の起源である、頭部および頸部の領域--大きな表面積--に起源する剥脱した細胞を含む。PCR分析は、全体的な予備的なスクリーニング手順として作用し、これは患者の唾液中に見出される剥脱された細胞が癌性表現型を表し、この全体的な解剖学的な面積内で癌の発症を示すか否かを決定する。例えば、Spafford,M.F.ら、「マイクロサテライト分析による剥脱された粘膜細胞間の頭部および頸部の扁平上皮細胞癌腫の検出」、Clin.Cancer Res.2001年3月、7(3):607〜612を参照のこと。
選択的なインビボ色素染色による特異的な位置スクリーニング
当業者に公知の選択的なインビボ組織染色技術は、癌性または前癌性の組織を選択的に位置づけするために、トルイジンブルーO(TBO)色素および他のカチオン性超生体マーキング剤を用いる。Mashbergに対する米国特許第4,321,251号、およびTucciらに対する米国特許第5,372,801号は、Mashbergにちなんで命名された染色色素プロトコル(Mashbergプロトコル)の概括的な記載を提供する。
癌および前癌を位置づけするためのTBO染色技術における利点は、Burkettに対する米国特許第6,086,852号および同第6,194,573号において開示される。Burkettは、TBO産物を合成するためのプロセス、およびTBOを製造するためのプロセスを開示し、改善された収量および形成異常の組織の検出のための改善された方法を伴なう。インビボでの癌の位置づけに効果的である他の色素は、Pomerantzに対する米国特許第5,882,627号において開示され、そして色素、アズールA、アズ−ルB、アズールC、ならびにある種の他のオキサジンおよびチアジン色素を包含する。
分子分析に基づく予後および診断
変異は一般に、それぞれ、ヌクレオチド、DNAおよびRNAのサブユニットの置換、付加、または欠失のような分子内遺伝子再編成から生じる。しかし、現在、遺伝子マッピングは、DNAおよびRNAのメチル化パターンのような癌および前癌の特徴であるヌクレオチドの変異、ならびに、ヌクレオチド配列または「遺伝子コード」の変化の直接的な結果である、酵素活性を検出するための方法を開発した。癌性活性はミトコンドリアにおける変化によって検出され得ることがまた決定された。
I.遺伝子変異
DNA分析
DNA多型の分析は、正常な細胞と腫瘍細胞との間の有意な差異を示す:正常な細胞は多くの遺伝子座でヘテロ接合体であるが、腫瘍は同じ遺伝子座でホモ接合体である(異種接合性の喪失)。
腫瘍抑制遺伝子は、しばしば、1つの染色体または染色体の1部分の喪失と関連され、腫瘍抑制遺伝子および周囲のマーカーの1つの対立遺伝子の排除を介して、ホモ接合性への減少を生じる。残存する腫瘍抑制対立遺伝子は、遺伝性のまたは体細胞性のいずれかの変異によって不活性化される。十分に記載された腫瘍抑制遺伝子のいくつかの例としては:大腸腺腫瘍性ポリポーシス遺伝子(APC)、家族性乳/卵巣癌遺伝子1および2(BRCA1およびBRCA2)、カドヘリン1(上皮カドヘリンまたはE-カドヘリン)遺伝子(CDH1)、多発性内分泌腫瘍1型遺伝子(MEN1)、神経線維腫瘍1型遺伝子(NF1)、プロテインキナーゼA1型、α、調節サブユニット遺伝子(PRKAR1A)、網膜芽腫遺伝子(RB1)、セリン/スレオニンキナーゼ11遺伝子(STK11)、およびフォン・ヒッペル‐リンダウ症候群遺伝子(VHL)が挙げられる。従って、重要な染色体遺伝子座は、侵襲性癌の潜在的な発症の予測因子である。
DNA分析の例としては、「染色体アーム」または「マイクロサテライト」の変異または不安定性を検出するためのマイクロサテライト分析が挙げられる。マイクロサテライトは、ヌクレオチド誤対合、誤配置、またはヌクレオチドのずれ(ループ化または短縮化)を含むことが観察されたDNAの短い反復性の配列である。そのような変異は、マイクロサテライト不安定性と呼ばれ、および多くの上皮癌と関連されるようになった。
より近年の研究は、細胞が異常な形態学的変化を受ける前に、ヘテロ接合性の喪失を検出するための新規なマイクロサテライトマーカーを同定した。Guo、Z.ら、「以前にUpper Aerodigestive Tract 悪性腫瘍を伴なった患者の、口腔試験が行われたバイオプシーにおける対立遺伝子の喪失」、Clinical Canc.Res.第7巻、1963〜1968、2001年7月を参照のこと。
当業者は、右側/左側の用語において、組織学的レベルで、遺伝子レベルで、および解剖学的レベルで、染色体不安定性を伴なう腫瘍とマイクロサテライト不安定性を伴なう腫瘍との間に、異なる差異があることを理解する。白血病およびリンパ腫において、主要な中間部欠失および転位が全体的な染色体レベルで生じることがまた知られる。このような種々の上皮腫瘍において、主要な染色体アームは喪失されることが示されているので、変化は異なって生じる。腫瘍は明らかに一方または他方であるが両方ではない経路下で進行する。(Oncology News International、第9巻、第8号、増刊2、2000年8月)。MSI分析は一般に、5個のMSマーカー−2つのモノヌクレオチド反復および3つのジヌクレオチド反復の使用を必要とする。
RNA分析
1000個の野生型RNA分子の背景中の1つの体細胞変異体mRNA分子を検出することが現在可能である。この技術は、10〜20ほどの細胞を含むサンプル中の遺伝子発現レベルを測定し、高い頻度で変化されることが知られる幾つかの遺伝子座での体細胞点変異の検出についての能力を合わせて有する。従って、異形成および癌における細胞の小さな塊中の、遺伝子発現プロフィールにおける微小不均一性を観察することが可能である。
配列検出は、ローリングサークル型複製(Rollong Circle Amplification(RCA))単分子検出系と連結される標的指向性DNAライゲーション工程を使用して、オリゴヌクレオチドマイクロアレイにおいて達成された。DNAライゲーション工程は、点変異を含むmRNAの検出に適合可能である。Lizardi、P.M.、「単一分子計測によって解明されるメッセンジャーRNA」、Yale大学、(2000)、
1086057840406_0.html
、(2001年11月28日)。
テロメアDNAおよび関連タンパク質のテロメラーゼ
テロメアはDNA配列であり、これは染色体の末端での特殊化された複合体である。テロメラーゼは、テロメアを維持することを補助するリボ核タンパク質であり、多くの成人ヒト細胞型において不活性であるが、ほとんどのヒト癌において高度に活性化される。テロメアDNAもしくはテロメラーゼ、または中間体RNAのいずれかにおける破壊または変異が、テロメアを曝露し得、DNAへのさらなる障害を引き起こし得ることが明確にされている。従って、分子分析は、異常なテロメアヌクレオチドまたはテロメラーゼの異常な酵素活性のいずれかを検出し得ることが知られ、これは前癌性細胞の増殖と等しく関連される。例えば、Kim、M.M.ら、「変異体鋳型テロメラーゼRNAの発現の低い閾値レベルはヒト腫瘍細胞増殖を阻害する」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA:第98巻、第14号、7982〜7987(2001年7月)を参照のこと。
II.後成的な変異
異常なプロモーターメチル化は、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復遺伝子、および転位阻害遺伝子の転写的サイレンシングを導く基本的な分子異常であることが近年発見され、そして他の癌関連性遺伝子の遺伝子変化の素因に関連される。
DNAメチル化における体細胞性の後成的な変化は、発生、細胞分化、および新生物形質転換に密接に関連される。例えば、プロモーター領域におけるCpG島の高次メチル化は、発癌における腫瘍抑制遺伝子の転写的な不活性化と益々関連されている。特異的なDNAセグメントにおける、または全DNAにおけるメチル化を測定するための技術が利用可能であるが、Yamamotoは、全ゲノム中のメチル化における変化を同定するために、「メチル化感受性増幅化フラグメント長多型」(MS-AFLP)と呼ばれる方法を開発した。このポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの不偏のDNAフィンガープリンティング技術は、DNAメチル化の変化を示す切断部位の同定を許容し、そして続いてそれらの末端にてこれらの部位を有するDNAフラグメントの単離を可能にする。バンド強度の減少もしくは増加、またはバンドパターンにおける差異は、腫瘍表現型と特異的に関連された。
従って、メチル化変化は、細胞分化および癌と関連される後成的変化の同定を提供する。DNA変異または異種性の喪失は、あるいは、DNAメチル化を測定することによって検出され得る。Yamamoto F.博士、「ゲノムの広域なDNAメチル化の変化を検出するための技術」、Burnham Institute、
1086057840406_1.html
、(2001年11月28日)を参照のこと。
III.ミトコンドリア変異
より近年に、別の癌検出法が開発され、ミトコンドリアDNA(mtDNA)はヒト癌細胞に由来する場合に変異を示すという知見に基づく。
ミトコンドリアにおいて推定1000個の異なるタンパク質がある。このようなタンパク質における欠損は、「代謝疾患」として特徴づけられ、輸送機構およびイオンチャンネルにおける欠損、最も顕著には、電子輸送鎖および酸化的リン酸化における欠損を引き起こす。核変異は、mtDNA複製および修復、転写、マトリクス中でのタンパク質合成、タンパク質輸送、およびミトコンドリアの他の特性を影響し得る。Flissら、「腫瘍および体液中のミトコンドリアDNA変異の容易な検出」、Science 287、2017〜2019、(2000)を参照のこと。この研究において、DNAは、23歳〜93歳にわたる14人の個体からの検死解剖由来の脳サンプルから抽出され、そしてPNA指向性のPCRクランピングによって3つの変異について試験された。PNA指向性のPCRクランピングによるmtDNA中の非常に低いレベルの点変異を検出する能力は、種々の年齢の個体からの組織における、例えば、A8344G、A3253G、およびT414G、点変異の存在または不在の分析を許容した。肺癌の症例は、変異体mtDNAバンドと対応し、これは感度の高いオリゴヌクレオチドミスマッチライゲーションアッセイおよびゲル電気泳動を使用して検出された。
従って、ミトコンドリアゲノム内の変異はなお、ヒト細胞において癌性活性を検出するための別の方法である。Parrella、P.ら、「原発性乳癌および微細な針吸引液におけるミトコンドリアDNA変異の検出」、Cancer Res.61、7623〜7626、(2001年10月)を参照のこと。有利には、癌細胞と関連される異常な染色体発現は、病原性発現の非常に初期の段階にて、一般的な分子分析を用いて、および非常に少ない数の罹患細胞を用いて検出され得る。
しかし、侵襲性癌組織を潜在的に増殖し得る広大なヒト身体の細胞性組織を考慮すると、遺伝的、後成的、またはミトコンドリア分子分析のような診断技術は初期の癌検出法に効果的でない。なぜなら、これらの技術の有効性は、増殖する癌である細胞を含む特異的な組織部位から組織サンプルを獲得することに直接的に依存するからである。さらに、先行技術のスクリーニング方法の幾つかは、疑いのある癌性および前癌性の組織の特異的な部位を同定し得るが、このような疑いのある部位の位置づけおよび同定はこれまで一般に、光学顕微鏡のような、疑いのある組織の従来の組織学的試験が続いた。しばしば、このような従来の組織学的試験は、先行技術技術によって同定された位置の幾つかが、事実、これらの位置からの細胞が、その位置にて最終的な癌の発症についてのマーカー、分子分析によって同定され得たマーカー、すなわち、遺伝子コード、(DNAまたはRNA)、後成的パターン、またはミトコンドリアDNA(mtDNA)、癌細胞増殖の特徴、を示した場合でも、癌性または前癌性でなかったことを指示した。
例えば、ミトコンドリア色素染色によって位置づけられた疑いのある組織サンプルに由来する細胞--Mashberg色素染色プロトコルの「擬陽性」であることが、従来の組織学によって元来決定されていた細胞--に対する、その後の分析技術の適用は、事実、これらの細胞の高い割合が、それらの疑いのある部位での癌の最終的な発症の最も初期の指標であったマーカーを含んだことを示した。(以下の実施例IIを参照のこと)。
発明の簡単な説明
本発明者は今や、先行技術の全体的なまたは特異的な「位置スクリーニング」技術の利点と組合わせた、ヒト組織における前癌性および癌性を検出するための予後および診断の改善された方法を発見し、細胞性分子分析の正確な予後および診断の技術を伴なう。
簡潔には、本発明者の方法は、以下の3つまでの工程の種々の組合わせおよびサブコンビネーションを包含する:(1)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析に唾液を供するスクリーニングを行い、この全体的な解剖学的領域において頭部または頸部の癌が存在し得るか否かを決定する工程;(2)疑いのある細胞の特異的な位置の視覚化のために、全体的な解剖学的領域に対して、癌性または前癌性組織を選択的に染色するインビボでの染色を局所的に適用して、このような特異的な疑いのある位置における細胞の細胞抽出またはバイオプシーを可能にする、工程;および(3)このような疑いのある位置から得られた細胞を分子分析に供して、当該抽出された細胞が細胞分化または癌と関連される特徴を示すか否かを決定する工程。
本発明の1つの実施態様によれば、疑いのある組織を位置づけるための、全体的な解剖学的位置のインビボでの局所的に選択的な色素染色が、このように位置づけされた疑いのある組織からの細胞の分子分析と組合わされる。
本発明のなお別の実施態様は、頭部/頸部の組織の唾液スクリーニング試験、続いて疑いのある組織の特異的な部位を位置づけるための当該組織の選択的な色素染色、その後の特異的に同定された疑いのある組織が癌と関連される特徴または癌の最終的な発症を示す細胞を含むか否かを確認するための、このような特異的な疑いのある部位からの細胞の分子分析、を行う工程を包含する。
「分子分析」
本明細書中で使用される、用語「分子分析」は、癌または潜在的な癌の最終的な発症を示す細胞性異常を同定するための手順を意味する。説明すると、これらの手順は、疑いのある細胞の、遺伝子コード、すなわちDNAまたはRNAにおける、後成的パターンにおける、またはミトコンドリアDNA(mtDNA)における、このような異常を同定する手順を包含する。従って、細胞核の内部および外部の無数のヌクレオチドが、変異を検出するために観察され得るが、用語「分子分析」は、腫瘍表現型が疑いのある細胞に存在するか否かを決定するそれらの手順に制限される。従って、標的ヌクレオチドまたは関連のあるタンパク質およびパターン、ならびに当業者に公知の種々の他の検出技術は、用語「分子分析」の範囲内に考慮されるべきである。
唾液スクリーニング試験の間、工程1は、頭部および頸部の癌のみを検出することに特異的であり、工程2〜3はインビボで視覚的に検査し得る任意の細胞に適用可能であり得、局所的な組織、もしくは身体の内腔内に観察され得る内部の組織、または血漿内に分散される個々の細胞を含む。このような工程の組合わせは、そうでなければ可視的な指標を発生するよりもかなり前に、前癌性の位置、ならびに疑いのある部位を同定し得る単純な臨床的プロトコルを提供し得る。
発明の詳細な説明
本発明者の方法は、まず、疑いのある細胞を有する組織を位置づけおよび同定するために、そして次いでこのような疑いのある組織を試験して癌性または腫瘍表現型の存在を検出するために、細胞を連続的に試験する工程を包含する。腫瘍表現型としては、癌と関連される任意の変異、例えば、対立遺伝子喪失、異種性の喪失、腫瘍抑制遺伝子の変異、異常なDNAメチル化、または異常なmtDNAが挙げられる。
これらの連続的な工程の以下の詳細な記載は、当業者が本発明を実施し得るために、およびその現在好ましいその実施態様を示すために提供される。この記載は、本発明の範囲を制限するとして理解されるべきではなく、本発明は添付の請求の範囲によってのみ制限される。
工程1:頭部および頸部の癌についての唾液スクリーニング
唾液サンプルは多くの方法において回収され得る。回収装置はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析の要件を備えること、および核酸の完全性が分析の前に破壊されないことが最も重要である。
PCR分析は、マイクロサテライトDNAと呼ばれる、短い反復配列中の増加または減少を検出する。マイクロサテライトDNAは、DNAにおけるそれらの位置のために対立遺伝子に対応する。マイクロサテライトDNAにおける変異は、上皮癌表現型において最も一般的であることが見出されており、従って、唾液中に見出される剥脱される細胞の特に適切な分析である。この分析の詳細な記載は、Sidranskyに対する米国特許第6,291,163号によって提供され、本明細書中に参考として援用される。
PCR分析は、本明細書中に参考として援用される米国特許第6,326,147号において記載されるように、いくらか自動化されるようになった。PCRは、わずかな量の核酸配列を用いてDNAおよびRNAの配列決定を許容する、核酸を増幅するための方法を考慮される。2つの米国特許第5,981,293号および同第6,241,689号は、唾液サンプルを回収するために適切な装置を記載する。
患者は、唾液スクリーニングの際に癌性表現型の徴候を潜在的に示すことが見出され得るが、次いで、正確な予後および処置が達成され得る前に癌細胞の位置が同定されなくてはならない。あるいは、患者の唾液スクリーニングは陰性を生じ、癌の指標を何ら意味しない場合であったとしても、患者はなお、共通のおよび再発性の癌の型について徹底的な視覚試験を受けなくてはならない(工程2:細胞性染色位置において記載される)。
工程2:細胞性染色位置
工程2は、医師が、後の体外分子分析のためにインビボで疑いのある細胞を正確に位置づけおよび選択することを可能にし、疑いのある部位の長期の光景を臨床医に提供し、医師が、バイオプシー手順の間の分子分析のために、潜在的に多数の異常な部位の中から疑いのある細胞を正確に選択することを可能にする。
本発明の現在好ましい実施態様は、インビボMashberg色素染色プロトコルを、これが米国特許第6,086,852号において改善されおよび詳細に記載されるので、使用する。プロトコルは、癌性および前癌性組織を選択的に染色するためにトルイジンブルーO(TBO)色素を使用する。この元来の診断スクリーニング試験は、本明細書中に参考として援用される、Mashbergに対する米国特許第4,321,251号において、およびTucciらに対する米国特許第5,372,801号において記載された。
他のカチオン性色素、例えば、アズ−ルB、アズールC、およびブリリアントクレシルブルーは、癌性および前癌性細胞を選択的にマーキングするために有用であるとして同定されている。例えば、本明細書中に参考として援用される、Pomerantzに対する米国特許第5,882,672号を参照のこと。
染色技術が癌性または前癌性組織の存在を示す場合、疑いのある組織の外科的切除のバイオプシー、本明細書中、「工程3:分子分析診断―予後」において以下に記載される、分子分析が行われて、分子分析が異常な組織からの細胞が悪性または前癌性であることを決定する場合、癌または、癌の最終的な発症の予後/診断を得る。
工程3:分子分析診断―予後
分子分析のための細胞サンプルは、多様なバイオプシー技術に由来し、これは、概括的には、分子分析のための、疑いのある組織の小片の取り出しを包含する。組織の取り出しまたは切除の方法は、種々のタイプのバイオプシーで異なる。例えば、バイオプシーサンプルは、部分、または皮膚病変、または単離された血液細胞、例えば、赤血球、白血球、およびリンパ球、副甲状腺組織;唾液腺組織;鼻粘膜組織、中咽頭組織、開胸組織、小腸組織などを含み得る。分子分析は次いで、疑いのある組織のバイオプシーサンプルが癌性であるか、または前癌性であるか否かを確認するために行われる。
分子分析の標的、すなわち、DNA、mRNA、DNAメチル化、テロメラーゼ(telemorase)活性、またはmtDNA分析は、装置への接近、定量分析、または細胞サンプルの性質に基づいて選択される。細胞サンプルの分子分析は、種々の手順の間での選択を必要とする。ゲル電気泳動、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの化学、ローリングサークル型複製(RCA)単分子検出系、蛍光タギング、免疫組織学的染色、質量分析、および比色分析は、効果的な分子分析手順の代表的な例である。細胞サンプル、抽出、核酸消化の性質は、至適な分析のための特異的な分子分析手順の選択を影響する。
本発明の現在好ましい実施態様において、用いられる分子分析手順は、PCR分析を介する、マイクロサテライトマーカー、すなわち、DNAの反復配列を同定するための手順である。しかし、本発明の方法は、細胞の構成要素が癌性または野生型の表現型を示すのかを決定するための任意の信頼できる分子分析技術を包含し得ることが理解されるべきである。
I.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、一般的なマイクロサテライト不安定性(MSI)試験
MSIは、増幅されたマイクロサテライトDNA配列の電気泳動解像によって同定される。MSI試験を行うために、外科的に切除された腫瘍組織のブロック―新鮮な凍結標本またはホルマリン固定され、パラフィンに埋没された標本のいずれかが得られる。腫瘍組織は正常な組織から新生物組織を分離するために顕微解剖され、そしてDNAが両方から抽出される。これらのサンプルからのゲノムDNAのサンプルは、PCRを使用して、特異的なモノ-およびジ-ヌクレオチドマイクロサテライト遺伝子座のパネルについて増幅される。
次いで、PCR産物は電気泳動によって分析される。正常なDNA中では観察されない腫瘍DNAのPCR産物中のさらなるバンドは、その遺伝子座(または特異的な部位)での不安定性としてスコアされる。産業の基準に従って、MSI分析は5つのMSマーカー、2つのモノヌクレオチド反復および3つのジヌクレオチド反復の使用を必要とする。MSI試験に対する国立癌研究所の合意声明に従って、5つの異なる遺伝子座のうちの2つ以上にて不安定性を示すサンプルの任意の対は、高MSIとしてスコアされる。詳細については、Guo、Z.、Yamaguchi、K.、Sanchez-Cespedes、M.、Westra、W.H.、Koch、W.M.、Sidransky、D.、「以前にUpper Aerodigestive Tract悪性腫瘍を伴なった患者の、口腔試験が行われたバイオプシーにおける対立遺伝子の喪失」、Clinical Cancer Res.、第7巻:1963〜1968、2001を参照のこと。当業者がマイクロサテライト分析を行うことを可能にするためのさらなる詳細は、本明細書中に参考として援用される、Sidranskyに対する米国特許第6,291,163号を参照のこと。自動化PCR分析は、本明細書中に参考として援用される、米国特許第6,326,147号において記載される。
II.ゲル電気泳動
核酸鎖は最初に選択的に消化され、次いで電気泳動に供され、ここで分子(タンパク質および核酸としての)はゲル(例えば、ポリアクリルアミドゲル)を介して移動し、そして大きさに従ってバンドに分離される。
III.RCA
ローリングサークル型増幅(RCA)は、単一の分子認識事象を示し得る表面固定化DNA複製反応である。RCAは抹消血リンパ球中の、または伸張されたDNA線維中の、50ヌクレオチドほど小さな標的DNA配列を首尾よく視覚化する。RCAによるシグナル増幅は、核酸ハイブリダイゼーションおよび多色蛍光画像化に連結され得、細胞学的な情況内のDNAにおける、または単一のDNA分子における、単一のヌクレオチドの変化を検出し、直接的な物理的ハプロタイピングおよび1つ1つの細胞基準に対する体細胞変異の分析を可能にする。RCAによって作製される各増幅されたDNA分子は、位置づけされ得、そして別々の蛍光シグナルとして画像化され得、特異的な分子ライゲーション事象を示す。発現プロフィールは、同様に、単一の分子計測のヒストグラムとして作製され得る。Lizardiに対する米国特許第6,329,150号および同第6,210,884号は、本明細書中に参考として援用され、当業者がRCA技術を用いて開示される本発明を実施し得るに十分な詳細を提供する。
IV.サザンブロッティング
サザンブロッティングは、正常な対立遺伝子と変異体対立遺伝子との間の差異を同定し得、および他のゲノムにおいて関連される遺伝子を同定し得る。サザンブロットにおいて、クローン化されたか、または増幅されたDNAは制限酵素で消化される。DNAフラグメントの大きな多様性は、電気泳動により大きさに従って分離され、そしてニトロセルロースフィルター上に移される。次いで、フラグメントはプローブとハイブリダイズされるが、プローブに対して、塩基配列中に配列相同性を含むか、または同一であるそれらのDNAフラグメントのみが検出される。個体間での単一塩基の差異は、その塩基の変化がDNAを消化するために使用される制限酵素についての部位を作製または破壊する場合、検出される。制限酵素によって作製されるフラグメントの大きさを変化する欠失またはDNA挿入がまた、この様式において検出され得る。米国特許第5,811,2391号は、本明細書中に参考として援用され、サザンブロットによる単一塩基対のDNA配列の変化の検出のための方法を記載する。
V.蛍光タギング
クローン化されたまたはPCR増幅されたDNAフラグメントの正確な塩基配列は、DNA配列決定と呼ばれる方法によって決定される。DNA配列は、それぞれ4つのDNA塩基について異なって呈色された蛍光マーカーを使用し、それによって、それぞれのこれらの染色体「塗布」によって発光される蛍光シグナルが、感度の高いスキャナーによって読み取られ得、そしてコンピューターにより分析され得ることによって自動化されている。
VI.DNAプローブ
プローブは、安定な物質につながれているDNAまたは他の核酸の伸張である。次いでプローブは、その同一性がハイブリダイゼーション反応(用語については、Phimster B:Nat Genet 21[増刊]:1〜60、1999を参照のこと)を介して(プローブによって)検出される遊離核酸の標的に曝露される。プローブは一般的に、放射性同位体または化学物質で標識され、ハイブリダイゼーションが行われた後に検出され得る。例えば、化学発光物質標識、例えば、1,2-ジオキセタン、アルカリホスフェート、またはビオチンは、ChurchおよびGilbertの配列決定プロトコルによって作製されるメンブレン上の核酸配列ラダーを検出するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。Church、G.M.、Gilbert、W.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81、1991〜1995、(1984)を参照のこと。
VII.マイクロアレイ
ガラスまたはナイロンのような不活性な材料上に高速ロボットから作製されるDNAマイクロアレイは、遺伝子および遺伝子変異を同定するために使用され得る。予め選択されたプローブは、「標的」DNAに曝露され、続いて、多様な視覚化、ならびに情報プロセシングプログラムおよび戦略を使用して、ハイブリダイゼーションパターンについて分析される。遺伝子または遺伝子変異、および遺伝子発現のレベルの同定は、多くの遺伝子について同時に検出および分析され得、そして多くの他の技術によるよりも迅速である。
ゲノムチップ、バイオチップ、DNAチップ、DNAマイクロアレイ、遺伝子アレイ、およびGeneChip(登録商標)(「Affymetrix」の登録商標)のような種々の名称が、これらのマイクロアレイに与えられている。
以下の実施例は、本発明の現在好ましい実施態様を当業者に説明し、そして本発明の範囲の制限として意図されない。
実施例I
Mashberg型臨床プロトコルによる疑いのある組織の位置づけ
臨床試験溶液の調製
TBO(例えば、米国特許第6,086,852号の実施例1の産物)、ラズベリー香料添加剤(IFF Rasberry IC563457)、酢酸ナトリウム3水和物緩衝化剤、およびH(30% USP)を、精製水(USP)、氷酢酸、およびSD18エチルアルコール中に溶解して、TBO試験溶液を生成し、表Aにおいて示される組成を有する:
Figure 2005518221
精製水中の1重量%酢酸のリンス前およびリンス後の試験溶液、安息香酸ナトリウム保存剤、およびラズベリー香料が調製される。
臨床プロトコル
患者は、衣服を保護するために胸当てをかけられる。吐出物が予測され、従って患者は10オンスのカップが提供され、これは感染性廃棄物容器中に廃棄され得るか、またはその内容物は配水管の中央に直接的に流され得、シンクを染色することを回避する。周囲の表面または染色されるかもしれない物体は、覆われるかまたは試験領域から除かれる。
視覚的な経口癌試験が行われ、柔組織のニックまたは切断を引き起こし得る任意の機器の使用を伴なわない。柔組織および歯の予めの染色の外見に注意が払われる。
患者は約15mlのリンス前溶液でおよそ20秒間、口腔をリンスし、そして吐出し、過剰な唾液を除き、一貫した口内環境を提供する。次いでこの工程はさらなるリンス前溶液を用いて反復される。
次いで患者は水で20秒間リンスおよびうがいし、そして吐出する。
次いで患者は30mlのTBO試験溶液で1分間リンスおよびうがいし、そして吐出する。
次いで患者は、15mlのリンス後溶液で20秒間リンスし、そして吐出する。次いで、この工程は反復される。
次いで患者は、水で20秒間リンスおよびうがいし、そして吐出する。次いで、この工程は反復される。
次いで、退縮、十分に均衡化された照射、および必要であれば拡大を含む、適切な柔組織試験技術を使用して、口腔の観察がなされる。青呈色を保持した、疑いのある病変の位置、大きさ、形態学、色、および表面の特徴が、生成されそして記録される。
患者は、上述のプロトコルの反復のために10〜14日後に呼び戻される。この期間は、任意の潰瘍性および外傷性病変を治癒するための、または最初の試験時に存在した病因を刺激するための時間を許容する。最初の試験において検出された疑いのある領域の第2の試験後の陽性の染色は、癌性または前癌性組織の指標を考慮される。
初期のerythroplastic病変は、しばしば、小さな斑点で覆われたまたはパッチパターンにおいて青に染色する。しかし、舌の舌端上での不規則な乳頭の隙間によって保持されることは染色にとって通常のことであり、これは陽性の指標ではない。青染色を保持するが、陽性として認識されない他の面積としては、歯垢、各歯の歯肉縁、舌の舌端上に保持される染色から移行される色素のための軟口蓋の拡散した染色、および容易に区別され得る潰瘍性病変が挙げられる。しかし、全ての例において、病変が非常に疑わしいが、この試験を用いて陽性に染色されない場合は、それでもなお、バイオプシーが行われ、分子分析に供されることを避けられない。
実施例II
遺伝子変化分子分析
疑いのある組織の58サンプルは、実施例1のスクリーニング手順を行う種々の臨床的部位から得られる。これらのサンプルのうちの2つの遺伝子変化分析は、スライド上に不適切な物質があるので、可能でないことが決定される。残りの56の場合において、レーザー捕獲顕微解剖を使用して、正常な組織から新生物細胞が注意深く解剖されるか(癌を伴なう場合)、または正常な組織から上皮が解剖される(全ての他の場合)。このことは、3つの重要な遺伝子座でのその後のマイクロサテライト分析のための、細胞の単離およびDNAの抽出を可能にする。15の場合において、不十分なDNAがあり、そしてさらなる分析は可能でない。試験のために選択された遺伝子座の2つ(D9S171およびD9S736)はp16遺伝子を含む染色体領域9p21上に位置する。第3のマーカー(D3S1067)は、染色体3p21上に位置する。残りの41例における全ての分子研究は、病理学的診断の知見を伴なわずに盲目で行われる。
研究内で、青に染色する病変、および青に染色される領域に近接するが青に染色される領域内ではないバイオプシーされる病変が別々に同定される。従って、多くの場合において、染色された領域を直接的に、および近接の非染色性の領域を、両方ともに試験し得る。これらの41の例におけるこれらの重要なマーカーのマイクロサテライト分析は、癌および癌腫をインサイチュで伴なう事実上全ての場合において、LOH(染色体欠失)の存在を示す。さらに、多くの形成異常病変および非形成異常病変、ならびに未知の(病理学的診断のない)範疇にある病変はまた、クローン遺伝子の変化を保有する。
12個の癌の症例のうちの12個において、予測されるようなクローン遺伝子の変化が同定される。インサイチュの癌腫または重篤な形成異常の全ての4つの症例において、クローン変化がまた同定される。形成異常の症例の57%(7例のうちの4例)において、および形成異常を伴なわない症例の85%(14例のうちの12例)において、これらのマーカーの1つ以上が見出される。未知の組織学を伴なう症例について、クローン遺伝子の変化は、症例の25%(4例のうちの1例)において同定される。全体として、クローンの変化は、病変の80%(41例のうちの33例)において、マイクロサテライト分析によって同定される。この分子分析は、Mashberg型プロトコルによって同定される病変の約80%がクローンであることを示す。
本発明者の発明が、当業者がこれを理解しおよび実施し得るような用語において記載され、その現在好ましい実施態様が同定され、本発明者は請求の範囲を請求する。

Claims (2)

  1. 癌性および前癌性の組織を検出および診断するための予後/診断方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)疑いのある組織を位置づけるために、癌性および前癌性の組織を選択的に染色する色素を、上皮組織に局所的に適用する工程;
    (b)該疑いのある組織から細胞を分離する工程;および
    (c)該抽出された細胞が、細胞分化または癌と関連される特徴を示すか否かを決定するための分子分析に該細胞を供する工程を、組合わせておよび順に包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、ここで工程(a)は、頭部および頸部の組織において癌性および前癌性の組織が存在するか否かを決定するための唾液試験癌スクリーニングによって先行され、そして次いで工程(a)が該頭部および頸部の組織において行われる、方法。
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