JP2005516032A - 洗浄液とその使用法 - Google Patents

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Abstract

特に歯内環境において、形成された歯および骨の表面上のスメア層を、除去するための方法および溶液を提供する。

Description

本発明は、歯科処置中に歯の表面から望ましくない物質を除去するための、方法および溶液に関する。本発明は、歯の表面の形成中、例えば根管治療、修復、歯の再構築、歯内療法などの処置中に出る残骸および細菌の蓄積を除去する。また本発明は再構築または修復用に骨を形成するのにも適している。
本出願は、その全容が参照により本明細書に組み込まれている、2002年1月23日に出願された米国特許出願第10/055,075号の一部継続出願である。
歯髄の病的変化の結果、根管系には、数種の細菌、それらの毒素や副産物が入りこめるようになる。感染した根管中に存在する微生物は主にグラム陰性嫌気性菌であり、直接的な歯髄の露出(カリエスまたは外傷性の損傷)または冠状面のマイクロリーケージ(微少漏洩)により根管中に入り込んだものである。根管の形態は非常に複雑であり、機械的に形成された根管には、歯内用用具によって到達することができない領域が存在する。根管中に存在する微生物は、根管系の解剖学上のでこぼこに侵入するだけでなく、象牙細管にも侵入する。
根部では、象牙細管が、セメント質−象牙質接合部のすぐ内側の中間象牙質から、髄質−象牙前質接合部に広がる。細管はセメント質−象牙質接合部の近くでは直径約1μmであり、髄質−象牙前質接合部の近くでは直径約2.5μmである。1平方ミリメートル当たりの象牙細管の数は、8,000〜57,000である。根の周辺、セメント質−象牙質接合部では、その数は、1平方ミリメートル当たり約15,000であると推定されている。
多くの研究によって、現在使用されている清掃法および形成法では、根管壁を覆うスメア層が生じることが示されている。スメア層は器具で処置した結果生じ、その中味は象牙細管のさまざまな深さまで押し込まれる。Moodnik、R.M.、Dorn、S.O.、Feldman、M.J.、Levey、M.、and Borden、B.G.、J.Endodon.、1976、2、261〜266;Cengiz、T.、Aktener、B.O.、and Piskin、B.、Int’l.Endodon.J.、1990、23、163〜171。Cengiz他は、スメア物質の象牙細管への浸入は、象牙細管とスメア物質の間で生じる毛細管現象によって引き起こされることを示唆した。
1975年に、McCombとSmithは、歯内療法中のスメア層について述べている。McComb、D.、and Smith、D.C.、J.Endodon.、1975、1、238〜242。これは後に、厚さが平均して1μmと2μmの間である根管壁の表面上の表面層、および象牙細管中深さ40μmまで詰まっている深部層からなるものとして特徴付けられた。Cameron、J.A.、J.Endodon.、1983、9、289〜292;Mader、C.L.、Baumgartner、J.C.、and Peters、D.D.、J.Endodon.、1984、10、477〜483。スメア層は、象牙芽細胞突起の断片を含む有機および無機物質、微生物および壊死性物質からなる。いくつかの研究によって、スメア層が存在すると、根管用の薬剤および仮封材が象牙細管に侵入できなくなる可能性があることが示されている。さらに、スメア層を除去することによって、根管充填物質と歯壁の間のより良い適合性がもたらされることが示されている。
感染した根管中に存在する細菌は通常象牙細管に侵入し、根管治療後も生存していると、根管を再感染させる可能性がある。感染した歯の象牙細管中において、根管壁とセメント質−象牙質接合部の間のおよそ真中あたりで、生命力のある細菌が報告されている。感染した根管の歯壁内でも、内毒素が発見されている。これらの細菌がどうなるかに関する懸念、特に細菌が増殖および再生のための栄養を見つけ出せるか否かについての懸念は立証されている。
根管および象牙細管中に存在する細菌を完全に撲滅すること、根管を三次元的に密封すること、および密封した根管の再汚染を防止することは、歯内療法の理想目標である。根管系が複雑であり、用具が根管の表面全体と接触できないために、根管が感染した歯の中に、滅菌空間を創り出すことは不可能である。Bystrom、A.、and Sundqvist、G.、Scand、J.Dent.Res.、1981、89、321〜328;Bystrom、A.、Claesson、R.、and Sundqvist、G.、Endod.Dent.Traumatol.、1985、1、170〜175。事実、器具で処置した非充填状態の根管中の残留細菌は、2〜4日以内にその元の数まで繁殖することができる。残留細菌の根管内での再増殖を妨げるために、管内用の薬剤を使用し、感染した根管の治療を2回以上行なうことが勧められている。Bystrom、A.、Claesson、R.、and Sundqvist、G.、Endod.Dent.Traumatol.、1985、1、170〜175;Chong、B.S.、and Pitt Ford、T.R.、Int’l.Endodon.J.、1992、25、97〜106。
伝統的に、管内用の薬剤は根管治療の成功のために重要である考えられてきた。実際、一般に短期的長期的に根管治療が成功するかどうかは、予約と予約の間、根管中にいれておく化学物質にかかっていると想定されている。しかしながら、管内用の薬剤として使用されている、樟脳モノクロロフェノール(CMCP)、ホルモクレゾール、クレサチン、または水酸化カルシウム(Ca(OH))などの薬剤の有用性に関する、確固たる科学的証拠は存在しない。根管内用薬剤、特に、髄質および根尖周囲における抗菌用途、根管の残留物を不活性にするための中和、および術後の痛みを調節または予防するための、管内用の薬剤が提案されている。
細菌の存在、および根管治療の長期の成功に対するその影響の研究によって、約40%の根管が器具による処置の後に感染することが示された。Sjogren、U.、Figdor、D.、Persson、S.、and Sundqvist、G.、Int’l;Endodon.J.、1997、30、297〜306。さらに、Ca(OH)を1週間投薬した根管に比べ、Ca(OH)を含む管内用の薬剤を施さず器具で処置した管では、感染頻度が高かった(68%と94%)。この研究の結果は、根管を効果的に消毒すると臨床的成功率が改善されることを示した1987年の研究を確認するものである。Bystrom、A.、Happonen、R.、Sjogren、U.、and Sundqvist、G.、Endod.Dent.Traumatol.、1987、3、58〜63。
いくつかの出典によれば、スメア層の存在は、管内洗浄剤および薬剤などの抗菌性物質の、象牙細管への浸透を妨げる可能性がある。Haapasalo、M.、and Orstavik、D.、J.Dent.Res.、1987、66、1375〜1379;Czonstkowsky、M.、Wilson、E.、and Holstein、F.、Dental Clinics of N.Am.、1990、34、13〜24。何人かの研究者によって、スメア層を除去した後の、根壁への栓塞物質のより良い接着が報告されている。Goldberg、F.、and Abramovich、A.、J.Endodon.、1977、3、101〜105;White、R.R.、Goldman、M.、and Lin、P.S.、J.Endodon.、1984、10、558〜562。いくつかの研究によって、無傷のスメア層を有する管中には、仮封材がほとんどあるいは全く浸透しないことも報告されている。これらの研究によって、スメア層を除去すると仮封剤の浸透が、Tubliseal(15μmまで浸透);AH26(10〜60μm浸透);およびSealpex、Rothの811、およびCRCS(いずれも35〜80μm浸透)のように改善することが示されている。Gutierrez、J.H.、Herrera、V.R.、Berg、E.H.、Villena、F.、and Jofre、A.、Oral Surg.Oral Med.Oral Path.、1990.70、96〜108;Pallares、A.、and Faus、V.、Int’l.Endodon.J.、1995、28、266〜269;Kouvas、V.、Liolios、E.、Vassiliadis、L.、Parissis−Messismeris、S.、and Boutsioukis、A.、Endod.Dent.Traumatol.、1998、14、191〜195。
さらに、スメア層の有無は、仮封材の歯壁への接着性の強さに、重要な役割を果たすと考えられている。ある研究では、スメア層が除去されたとき、AH26仮封材の接着性強度が著しく増大することが見出された。Gettleman、B.H.、Messer、H.H.、and ElDeeb、M.E.、J.Endodon.、1991、17、15〜20。これらの発見は、スメア層を除去するとAH26のマイクロリーケージに対する耐性が増大することを示した他の研究の結果と関連している。Economides、N.,Liolios、E.、Kolokuris、I.、and Beltes、P.、J.Endodon.、1999、25,123〜125。
これらの知見とは反対に、いくつかの研究は、スメア層の有無が根尖部の漏出に対しては重要な影響がないことが見出している。Evans、J.T.and Simon、J.H.S.、J.Endodon.、1986、12、101〜107.Kennedy、W.A.、Walker、W.A.、and Gough、R.W.、J.Endodon.、1986、12、21〜27;Economides、N.、Liolios、E.、Kolokuris、I.、and Beltes、P.、J.Endodon.、1999、25、123〜125;Timpawat、S.、and Sripanaratanakul、S.、J.Endodon.、1998、24、343〜345。
根管系を密封する前にスメア層を除去することによって、栓塞剤と根管壁の間の適合性がよくなることが示されている。Yamada、R.S.、Armas、A.、Goldman、M.、and Lin、P.S.、J.Endodon.、1983、9、137〜142;Czonstkowsky、M.、Wilson、E.、and Holstein、F.、Dental Clinics of N.Am.、1990、34、13〜24。1つの研究は、機械的に軟化させたガッタパーチャと歯壁の適合性を調べ、スメア層を除去することによって、ガッタパーチャが象牙細管に入ったことを報告した。Pallares、A.、and Faus、V.、Int’l.Endodon.J.、1995、28、266〜269。これらの筆者は、無傷のスメア層を有する管の象牙細管には、ガッタパーチャが浸透しなかったことを報告した。他の研究は、Thermafil、Ultrafillおよび冷却側方加圧充填技法を栓塞法として使用すると、すべての技法が、スメア層を除去した場合マイクロリーケージに対する著しい耐性を示したことを報告した。Gencoglu、N.、Samani、S.、and Gunday、M.、J.Endodon.、1993、19、558〜562。ガッタパーチャ、Thermafilの垂直加圧充填、およびUltrafillを用いた側方圧縮技法も、スメア層を除くとマイクロリーケージを減らすことが報告されている。Taylor、J.K.、Jeansonne、B.G.、and Lemon、R.R.、J.Endodon.、1997、23、508〜512;Karagoz−Kucukay、I.、and Bayirli、G.、Int1.Endod.J.、1994、27、87〜93。これらの発見とは反対に、いくつかの研究によって、スメア層を除去しても、側方加圧したガッタパーチャまたはThermafilおよびSystem B(温式垂直)栓塞技法で充填した根管のマイクロリーケージに対して重要な影響がなかったことが報告されている。Saunders、W.P.、and Saunders、E.M.、J.Endodon.、1994、20、155〜158;Kytridou、V.、Gutmann、J.L.、and Nunn、M.H.、Int’l.Endodon.J.、1999、32、464〜474。スメア層を完全に除去することができなくても、充填、再構築、修復、または最終治療に進む前に、残りの部分を滅菌しながら、可能な限り多くのスメア層を除去することが望ましいことを、当業者は理解するであろう。
スメア層の成分は非常に小さな粒子であり、これは表面/質量比が大きく、これによって粒子は酸中で非常に溶けるものとなっている。この特性のために、スメア層を除去するための試みにおいて、いくつかの酸が使用されている。REDTA(Roth EDTA)を含めエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の様々な配合物を使用して、器具で処置した根管の表面からスメア層が除去されている。McComb、D.、and Smith、D.C.、J.Endodon.、1975、1、238〜242。しかしながら何人かの研究者は、単独で使用するとREDTAは、スメア層の無機部分を除去するが、有機層はそのままの状態で根管中に残ることを示し、REDTAの有効性を疑っている。Goldman、M.、Goldman、L.B.、Cavaleri、R.、Bogis、J.、and Lin、P.S.、J.Endodon.、1982、8、487−492。次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は、この有機層に対して非常に有効であることが示されている。単独で使用するとNaOClは、髄質の残留物、および象牙前質を溶かすことができるが、スメア層の除去においては有効ではない。しかしながら、EDTAおよびNaOClを交互に使用することが、スメア層を除去するための有効な方法であることが報告されている。Goldman、M.、Goldman、L.B.、Cavaleri、R.、Bogis、J.、and Lin、P.S.、J.Endodon.、1982、8、487〜492;Yamada、R.S.、Armas、A.、Goldman、M.、and Lin、P.S.、J.Endodon.、1983、9、137〜142;Baumgartner、J.C.、and Mader、C.L.、J.Endodon.、1987、13、147〜157。研究の1つは、器具で処置している間のNaOClの使用、およびEDTAによる洗浄、次にNaOClによる最終的なフラッシュを勧めている。Baumgartner、J.C.、and Mader、C.L.、J.Endodon.、1987、13、147〜157。別の研究は、EDTAのさまざまな塩のスメア層除去能力を比較し、EDTAの塩はすべて、根管の2/3の冠状面からスメア層を除去することができたと結論した。さらに同じ研究によって、HClでpH調整した四ナトリウム塩は安価であり、より一般的に使用されている二ナトリウムEDTAと同じくらい有効であることが報告された。O’Connell、M.S.、Morgan、L.A.、Beeler、W.J.、and Baumgartner、J.C.、J.Endodon.、2000、26、739〜743。
1993年、二重の作用を持つEDTAとエチレンジアミンの溶液が開発された。Aktener、B.O.、and Bilkay、U.、J.Endodon.、1993、19、228〜231。その目的は、スメア層の無機および有機成分をともに除去することができる洗浄溶液を開発できるかどうかを、確かめることであった。多くの開存型の管が発見されたが、この組合せの有効性を決定するためには、さらなる研究が必要であるとみなされた。他の研究は、第四級臭化アンモニウムをEDTAに加えて、その表面張力を低下させた。Goldberg、F.、and Abramovich、A.、J.Endodon.、1977、3、101〜105;Ciucchi、B.、Khettabi、M.、and Holz、J.、Int’l.Endod.J.、1989、22、21〜28。この添加によって管壁に対する湿潤効果が増大し、溶液を不規則部分にさらに深く浸透させることができた。いわゆるEDTACは、スメア層の除去において非常に有効であることが示され、15分でその最大効果に達し、開放型象牙細管の直径を増大させた。Goldberg、F.、and Spielberg、C.、Oral.Surg.、1982、53、74〜77。他の研究は、EDTA、過酸化カルバミド、およびプロピレングリコールの溶液を使用したときの、スメア層の有効な除去を報告した。Tam、A.、and Yu、D.C.、Compendium Cont.Ed.Dent.、2000、21、967〜972。近年、エチレングリコール−ビス(b−アミノエチルエーテル−NNNN−四酢酸)、EGTAは、EDTAにより一般的に引き起こされる侵食を誘導せず、スメア層を除去する際にある程度有効であることが報告された。Calt、S.、and Serper、A.、J.Endodon.、2000、26、459〜461。
酸によって除去されるスメア層の量は、酸の濃度(pH)および曝露時間と直接関係している。Morgan、L.A.、and Baumgartner、J.C.、Oral Surg.Oral Med.Oral Path.、1997、84、74〜78。いくつかの研究は、50%クエン酸溶液を使用して器具で処置した後の管壁を処理し、未処理の根管と比較したとき、ロジン仮封材が壁中へより良く浸透すること、およびガッタパーチャの適合性が改善されることを見出した。Loel、D.、J.A.D.A.、1975、90、148〜151;Tidmarsh、B.、J.Endodon.、1978、4、117〜121;Baumgartner、J.C.、Brown、C.M.、Mader、C.L.、Peters、D.D.、and Shulman、J.D.、J.Endodon.、1984、10、525〜531。スメア層を除去するための唯一の物質としてクエン酸を使用すると、50%未満の濃度の溶液は有効ではなかった。Yamada、R.S.、Armas、A.、Goldman、M.、and Lin、P.S.、J.Endodon.、1983、9、137−142;Takeda、F.H.、Harashima、T.、Kimura、Y.、and Matsumoto、K.、Int’l.Endodon.J.、1999、32、32〜39。50%の濃度の乳酸は、スメア層の除去に関して50%のクエン酸よりも有効ではない。Wayman、B.E.、Kopp、W.M.、Pinero、G.J.、and Lazzari、E.P.、J.Endodon.、1979、5、258〜265。これはおそらく、乳酸の粘性に原因があると思われる。さらに、10%のクエン酸および2.5%のNaOClを交互に使用することも、スメア層を除去するための非常に有効な方法であると報告されている。Wayman、B.E.、Kopp、W.M.、Pinero、G.J.、and Lazzari、E.P.、J.Endodon.、1979、5、258〜265。
1989年、25%のタンニン酸がスメア層を除去するのに有効であったことが報告されたが、他の研究はこれらの発見に反論し、タンニン酸はスメア層中および基底象牙質の基質中の露出したコラーゲンの架橋を増大させ、これによって細管への有機物の付着を増大させると説明した。Bitter、N.C.、Oral Surg.Oral Med.Oral Path.、1989、67、333〜337;Sabbak、S.A.、and Hassanin、M.B.、J.Prosthet.Dent.、1998、79、169〜174。
40%のポリアクリル酸(Durelon液およびFuji II液)が、スメア層を除去するのに非常に有効であることが報告されている。Berry、B.A.、von der Lehr、W.N.、and Herrin、B.K.、J.A.D.A.、1987、115、65〜67。しかしながら、その効力のために、ポリアクリル酸の施用は30秒を超えないことが勧められる。
オキシン(8−ヒドロキシ−キノリン)の誘導体は、1895年という初期から防腐性を有することが知られている。このグループに属するデカリニウム化合物は、細菌、カビ類および真菌の感染に対して、医学分野において広く使用されている。ビス酢酸デカリニウム(BDA)は、根管全体、先端の第三部分においてさえもスメア層を除去することが示されている。Kaufman、A.Y.、Binderman、L、Tal、M.、Gedalia、I.、and Peretz、G.、Oral Surg.、1978、46、283〜295;Kaufman、A.Y.、Oral Surg.、1981、51、434〜441。BDAは歯周組織中の組織によって充分に許容され、表面張力が低いので用具が達することができない空間へ浸透できる。BDAはNaOClより毒性が低いともみなされ、根管用の軟膏として相互作用的に使用することができる。ある研究では、Salvizol(0.5% BDAの商品名)を5.25%NaOClと比較し、この両者は有機物の残骸を除去するその能力が匹敵することを見出したが、Salvizolのみが象牙細管を開くことができた。Kaufman、A.Y.、and Greenberg、I、Oral Surg.、1986、62、191〜196。他の研究は、象牙細管を開く点では、SalvizolがREDTAほど有効ではないことを報告した。Berg、M.S.、Jacobsen、E.L.、BeGole、E.A.、and Remeikis、N.A.、J.Endodon.、1986,12、192〜197。
抗生物質のテトラサイクリン系の、スメア層の除去に対する影響も、ある程度研究されている。これらの物質は、象牙質表面を脱塩し、象牙細管の穴を除覆および拡大し、象牙質のコラーゲン基質を露出させるために使用されている。これらの影響によって、線維芽細胞の接着および増殖を刺激する基質が与えられる。ドキシサイクリンHCl(100mg/ml)は、器具で処置した根の表面、および根端用充填物質のために準備された表面からスメア層を除去するための、有効な物質であることが研究によって示されている。Barkhordar、R.A.、Watanbe、L.G.、Marshall、G.W.、and Hussain、M.Z.、Oral Surg.Oral Med.Oral Path.、1997、84、420〜423;Barkhordar、R.A.、and Russel、T.、Cal.Dent.Assn.J.、1998、26、841〜844;Haznedaroglu、F.and Ersev、H.、J.Endodon.、2001、27、738〜740。これらの研究は、活性抗菌物質の貯蔵場所ができるのではないかと推測している。なぜなら、ドキシサイクリンは象牙質に容易に結合し、後に容易に遊離することができるからである。他の研究は、5%テトラサイクリン/33%クエン酸のゲルを使用して、中程度の歯周病を有する歯を治療すると、脱塩効果が増大することを報告している。Jeong、S.、Han、S.、Lee、S.、and Magnusson、T.、J.Periodontol.、1994、65、840〜847。
化学溶液以外に、超音波処理を含めた機械的方法が、調えられた歯の表面からスメア層を除去する際に有効であることが、広く報告されている。レーザーによりスメア層を除くのは主管中の組織を蒸発させるのと同様にうまくゆき、スメア層を除去し根管の先端部分中の残留組織を排除できることが示されている。しかしレーザー・ビームは直線で進むので、曲がった管中でのレーザーの使用は制限される。
スメア層は、根管の場合と同じく、修復または他の歯科作業前に、歯の物質が除去されるときにも形成される。さらに、整形修復などの骨の修復では、歯内のスメア層と多くの点で類似している残骸層も形成される。これらを除去することも非常に望ましいと、現在は考えられている。
したがって、根管を充填する前に、調えられた根管空間からスメア層を除去することが非常に望ましいと考えられる。しかしながら、スメア層の物質の除去は、実施するのが非常に困難である。さらに、スメア層の除去をほぼ完全に行う方法は、現在おそらく存在しない。以前の試みは、いくつかの化学種を使用してスメア層を除去し、根の表面を滅菌したが、結果はそれ程良いものではなかった。一元化した溶液でスメア層の物質を除去して、有効、好都合、および迅速なスメア層の除去を生み出すことが望ましい。これらはいずれも、根管の形成という本質的な目的、または空間の最終的な修復を害することなく、行わなければならない。歯科および歯周関連作業で、歯の修復部位、歯周部位、および他の形成した位置から、スメア層を除去することは、もう1つの目的である。実際、口腔を含むあるいは口腔を含まない整形および骨修復部位から、スメア層を除去することが望ましいとも考えられる。
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本発明は、消毒剤、洗浄剤、および酸、特に有機酸を含む混合物で洗浄することによって、歯内の陥凹および他の形成された歯の表面からスメア層を除去し、滅菌するための方法を提供する。他の態様では、本発明は、形成された歯の表面を洗浄してスメア層を除去するための溶液、および本発明の方法を使用する修復に関する。骨の陥凹への適用も意図する。
消毒剤、洗浄剤、および酸を組み合わせた溶液が、形成された歯の表面および象牙細管の上のスメア層を除去するのに非常に有効であることが判った。このような溶液は、根管治療;窩洞の形成;補綴および再構築用歯科用細工物、例えばキャップ、歯冠、ブリッジ、化粧貼りなど;他の歯内療法;歯周療法;および骨の形成または修復などに限らず多数の歯科用途において有用であるが。このような溶液は、整形修復部位の改善においても同様に有用である。
本明細書で使用する用語「スメア層」は、歯科分野の当業者にはよく知られており、歯の表面の機械的形成から生じた、有機および無機残骸の複雑な蓄積を指す。スメア層は切断された残骸、歯の粒子、微生物、壊死性物質、および形成から生じた他の物質を含み、典型的には形成された歯の表面上の表面層、および約40μmまでのさまざまな深さで隣接する象牙細管中に詰まった、1つまたは複数の層を含む。整形の概念では、「スメア層」は、形成された骨の部位の類似の層を指す。
本明細書で使用する用語「消毒剤」は、歯内または歯周部位で見られる細菌または他の微生物を、抑制または排除することができる組成物を集合的に指す。用語「消毒剤」は、この語が薬剤科学において理解されているように、抗生物質を含む。
本発明の要素は、消毒剤、洗浄剤、および酸を含む。好ましい実施形態では、消毒剤は抗生物質である。抗生物質は、それが一部分を形成する酸性溶液中で安定していなければならず、溶液中の他の要素と適合性がなければならず、少なくとも溶液の形成時、形成された歯または骨表面上または中への施用時および残留時には、その有効性を保たなければならないことは、当業者には明らかであろう。このような抗生物質の例には、アンサマイシン、リファマイシンを含む;セファロスポリン;マクロライド、例えばクラリスロマイシン、ヨサマイシン、およびオレアンドマイシンなど;大部分のポリペプチド、例えばバシトラシン、カプレオマイシン、エンデュラシジン、エンビオマイシン、グラミシジン、ミカマイシン、リストセチン、チオストレプトン、チロシジン、ビオマイシン、およびビルギニアマイシンなど;あらゆるテトラサイクリン化合物、例えばアピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、グアメサイクリン、リメサイクリン、メクレオサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニメピサイクリン、ピパサイクリン、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン、ムピロシン、およびテトラサイクリン−HClなど;およびチューブリンがあるが、これらだけには限られない。大部分のキノロン、例えばシプロフロキサシン、ガチフロキサシン、およびモキシフロキサシンなどは好ましくない。なぜならこれらは弱塩基であり、酸性溶液中では低い効果を有するからである。さらに、大部分のβ−ラクタム化合物、特にペニシリンも好ましくない。なぜなら、これらは一般に酸性溶液中では不安定だからである。しかしながら例外は、ペニシリン系の酸安定性のメンバーであるアモキシシリン、および類似の化合物である。
テトラサイクリンは、広範囲の微生物に対して有効な、広域スペクトルの抗生物質である。テトラサイクリンは、テトラサイクリン−HCl、ミノサイクリン、およびドキシサイクリンを含む。テトラサイクリンは静菌性の性質であり、一般にはグラム陰性菌と比べてグラム陽性菌に対してより有効である。テトラサイクリンは、テトラサイクリン系のすべてのメンバーを含むことを参照されたい。いくつかの研究によって、テトラサイクリンは手術による歯内療法の後に治癒を著しく高めることが示されている。テトラサイクリン系のメンバーは、本明細書中の使用に好ましい。テトラサイクリンは、いくつかの理由のために好ましい。テトラサイクリンが好ましい1つの理由は、それらが多くの独自の性質およびその抗菌効果を有しているからである。例えばテトラサイクリン−HClは、濃縮溶液中で低いpHを有し、したがってカルシウム・キレート剤として作用し、エナメル質および根の表面の脱塩を引き起こすことができる。テトラサイクリン−HClによる象牙質の表面脱塩は、クエン酸を使用して見られるものに匹敵する。さらに、テトラサイクリン−HClは持続的薬剤であり、象牙質およびセメント質などの歯の構造質に吸収され、そこから遊離することが示されている。一般人口の非常に少数しか、アレルギーまたはテトラサイクリンに対する他の感受性を示さないという理由でも、テトラサイクリンの使用は好ましい。
他の好ましい実施形態では、消毒剤は抗菌性化合物である。抗菌性化合物は、それが一部分を形成する酸性溶液中で安定していなければならず、溶液中の他の要素と適合性がなければならず、少なくとも溶液の調製時間、形成された歯または骨表面上または中でのその施用および残留時間は、その有効性を保たなければならないことは、当業者には明らかであろう。このような抗菌性化合物の例には、クロルヘキシジン化合物があるが、これだけには限られない。グルコン酸クロルヘキシジンが好ましい。適切なグルコン酸クロルヘキシジン溶液の一例は、「peridex」として知られている市販の0.12%溶液である。さらに、グルコン酸クロルヘキシジンの使用は、テトラサイクリン化合物に対して感受性またはアレルギーを示す患者において、特に望ましいことが見出されている。
使用する洗浄剤が、抗菌性化合物を含む酸性溶液中で安定していなければならないことも、当業者であれば理解するであろう。溶液の表面張力を低下させ、これによって高い湿潤効果を付与し、通常は到達することが困難である象牙細管および凸凹な空間への、洗浄溶液のさらなる浸透を可能にする洗浄剤がさらに好ましい。さらに洗浄剤は、ヒトまたは動物被験者に対する有害な影響がなく、in situでの歯科用途に使用するのに適したものでなければならない。
好ましい実施形態では、洗浄剤は非イオン性界面活性剤または類似の化合物であり、食品および薬剤産業において一般的に使用されるもの、または米国食品医薬局によって使用が承認されたものであることが好ましい。このような化合物の例には、モノおよびジグリセリド;スクロースエステル;ソルビタンエステル(SPANとしても知られている)、特にソルビタンモノステアレート;ソルビトール;ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンエステル、産業界ではTWEENとしても知られている)、特にポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、およびポリソルベート80;ステアロイル乳酸;レシチンおよび誘導体;ポリグリコール脂肪酸エステル;p−サイメン;第四級アンモニウム化合物;スルホン酸アルキルナトリウム;トリエタノールアミン;およびアルキル多糖があるが、これらだけには限られない。
他の好ましい実施形態では、使用する洗浄剤は、ソルビタンエステルまたはポリソルベートの群からから選択する。好ましい群の1つの例示的メンバーは、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)である。
使用する酸は歯科用途に適したものでなければならないことも、歯科分野の当業者には明らかであろう。したがって酸は、洗浄法で使用する適用濃度および量において非毒性でなければならず、さらに、溶液の他の成分として選択される洗浄剤および消毒剤と適合性がなければならない。好ましい酸は、選択した曝露時間内で、ただし歯および周囲の表面の望ましくない侵食を誘導することなく、スメア層の有機および無機成分を溶かすこともできなければならない。
他の好ましい実施形態では、酸は有機酸であり、1.5〜5のpKa値を有することが好ましい。他に好ましいのは、極性および2〜5のpKa値を有する、カルボン酸または他の酸である。本発明の他の好ましい形態では、約2.75〜3.75のpKa値を有する酸を使用する。好ましい群の1つの例示的メンバーは、クエン酸である。クエン酸は、テトラサイクリンを消毒剤として選択するとき、非常に適している。なぜならクエン酸は、テトラサイクリンの抗菌効果を低下させたり変えたりすることがないからである。
しかしながら、さらに強い酸も本発明において使用するのに好ましいことは、当業者には明らかであろう。ただし、溶液を施用する時間は、それに応じて短くなるものとする。このように、塩化酢酸、マレイン酸、糖酸、酒石酸、およびポリアクリル酸だけには限られないが、これらを含めたさらに強い酸を使用することができ、これらは約0.5〜約3.0の範囲のpKa値を有する。混合物を使用することもできる。いくつかの実施形態では、溶液の必要な性質が保たれる限り、無機酸、具体的にはリン酸も有用である。
特に消毒剤がテトラサイクリンであるとき、消毒剤は、溶液の約1〜約5重量パーセントの量、好ましくは約2〜約4重量パーセントの量、さらに好ましくは溶液の約3重量パーセントの量で、本発明の溶液中に存在する。
洗浄剤は、本発明の溶液中に、溶液の約0.1〜約1.5重量パーセントの量で存在することが好ましく、約0.25〜約1.0重量パーセントの量がさらに好ましい。特に洗浄剤がポリソルベートであるとき、洗浄剤に応じて、約0.5重量パーセントの量が一般的に最も好ましい。
本発明の酸は、溶液の約0.5〜約10重量パーセントの量、好ましくは約3〜約6重量パーセントで、溶液中に存在する。さらに好ましいのは、約4〜約5重量パーセントの酸、特に有機酸を有する溶液である。
一般に、本発明の溶液は水性であり、水が組成のバランスの大部分を構成する。しかしながら、本発明の溶液は他の化合物を含むこともできる。ただし、それらは主要成分の本質的な機能を害さず、それらの分解を引き起こすことがなく、それらの利便性および有用性を害さないものとする。このような追加的添加剤は、着色剤、香料、安定剤、および歯科または整形用溶液に従来加えられている他の物質を含むことができる。1つの非常に有用なアジュバントは、キレート化可能な物質、特に金属を可溶化できるキレート剤である。実際、多官能性の酸を使用することによって、この目標を達成することができる。溶液の成分または添加剤によらず、本発明の目的を達成するためにはできた溶液は滅菌されていなければならないことは、当業者によって理解されるであろう。いずれの場合も、このような物質は、それらの目的を達成するための有効量で存在する。
本発明の好ましい実施形態では、溶液は、3重量%のドキシサイクリン、0.5重量%のポリソルベート80、および4.25重量%のクエン酸である水溶液を含む。これらの成分は以前に、スメア層を除去するために高濃度で別々に使用されているが、前に記載した3つの成分が本発明中のように組み合わされたことはなかった。さらに本発明に関連して行われた研究から、3重量%のドキシサイクリン、0.5重量%のポリソルベート80、および4.25重量%のクエン酸からなる溶液は、歯の形成物を消毒するために以前に使用されていた汎用性漂白剤と比べて細胞毒性が低く、変異原性はないことが示めされた。
ドキシサイクリン、ポリソルベート80、およびクエン酸をふくむ溶液を用いて行われた他の研究によって、さらなる優れた性質が示された。例えばこの溶液を、2分や5分といった短い時間、感染した根管に施したときでも、オイゲノール、3%H、Ca(OH)ペースト、peridex、およびEDTAより毒性が低く、5.25%NaOClより抗菌性が高い。本明細書に記載する溶液などの溶液(すなわち、公知の処理剤よりも生体適合性がよく、短時間で有効である溶液)は、特にヘルスケア分野において非常に望ましいことは、当業者には明らかであろう。他の以前に知られている歯科用洗浄液と異なり、本発明の溶液は1:200まで希釈しても所望の抗菌効果を保つことも、研究によって示されている。対照的に、NaOClの抗菌性は約1:32の希釈で存在しなくなり、EDTAは非希釈状態以外では無効である。本明細書に記載する溶液の抗菌性を評価するために行われた他の研究では、ヒトの根管を完全な唾液で感染させ、次いで5.25%のNaOCl、またはドキシサイクリン−ポリソルベート80−クエン酸溶液で処理した。NaOClは60本の歯のうちわずか37本しか効果的に消毒しなかったが、本発明の溶液は60本の歯の59本を消毒した。このような改善された抗菌性の重要性および所望性は、特に当業者によって容易に理解することができる。
本発明は、形成された歯または根の表面からスメア層を滅菌および除去するための方法であって、消毒剤、洗浄剤および酸を含む溶液で表面を洗浄することを含む方法を対象とする。本発明の好ましい形態では、消毒剤は、酸性環境中で充分に安定な抗生物質である。抗生物質はテトラサイクリン化合物であることが、さらに好ましい。他の好ましい実施形態では、テトラサイクリン化合物はドキシサイクリンである。本発明の他の好ましい形態では、洗浄剤はFDA承認の添加剤、好ましくはポリソルベートまたはソルビタンエステル化合物である。本発明の他の好ましい形態では、洗浄剤はポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(ポリソルベート80)である。
本発明の他の好ましい態様では、酸は有機酸であり、好ましくは1.5と5の間のpKaを有する。他の好ましい実施形態では、有機酸は2と4の間のpKa、好ましくは2.75〜3.75のpKa、例えばクエン酸のpKaなどを有する。他の実施形態では、酸はリン酸である。
本発明の方法は、器具で処置した根管の表面、歯内療法で形成された部位、歯の修復または再構築用に形成された部位、および骨の修復または再構築用に形成された部位に使用することができる。本発明の好ましい形態では、形成された歯の表面を1分〜1時間、好ましくは1分〜30分、さらに好ましくは約1分〜約10分洗浄する。
先に記載した使用は本発明の例示的なものであり、当業者であれば予測することができる他の実施形態が存在する。本発明の溶液は、動物体中のインプラントの準備においても使用することができる。可能性としては、蝸牛骨インプラント、頭蓋骨インプラント、胸骨インプラント、他のあつらえのインプラント、または身体用に作製された機能形の使用を含む。他の実施形態を、整形用の万能プレート、骨ねじ、整形用のロッドおよびピン(IM釘、大腿用ロッドまたはプラグ、長期骨折用のものなど)、腱固定装置、縫合部固定装置および留め具、移植片維持装置および骨髄サンプリングポートの挿入にむけて準備するために、使用することができる。
口中または骨格上の骨形成物からの、スメア層を除去するために使用するには、形成された部位を1分〜1時間、好ましくは1分〜約30分洗浄し、約1分〜10分洗浄することが好ましい。「洗浄」とは、部位と溶液を接触させることを意味する。部位の表面にこのような溶液を流すことが好ましいが、これを連続的に行う必要はない。液を流すとともに空気エントレインメントを行い、生成する泡の作用によってスメア層の除去を促進することができる。スメア層の除去を促進する他の物理的手段を洗浄とともに行うことができ、全てのこのような方法は本明細書に含まれる。
洗浄の後に、部位を乾燥させ、目的とする修復用に使用する。
NaOClを含む洗浄液で洗ってから使用すると、本発明の溶液が特に効き目があることが見出された。このような適用例では、表面を器具で処置すると共に、NaOClを洗浄剤として使用することができる。器具による処置およびNAOCl洗浄液の使用の後に、消毒剤/洗浄剤/酸を含む溶液で表面を最終洗浄することができる。この方法は、スメア層の除去を改善すると考えられる。なぜなら、最初のNaOClによる洗浄によって、スメア層からいくつかの有機物質が除去され、一方消毒剤/洗浄剤/酸溶液によって、無機および残留有機物質が除去されるからである。NaOClを本発明の溶液と共に使用するときは、NaOClの濃度は約1重量%〜約6重量%であることが好ましく、その濃度は約1.3重量%と約5.25重量%の間であることが最も好ましい。試験によって、この濃度範囲内では性能の著しい差異がないことが示されており、高濃度のNaOClは低濃度よりも毒性があることが知られているので、所与の濃度範囲の下端でNaOClを使用することが勧められる。1.3重量%のNaOClの溶液による最初の洗浄、次にドキシサイクリン、ポリソルベート80、およびクエン酸を含む溶液による最終洗浄を使用することを含む方法が、特に望ましい。
他の実施形態では、調製溶液の貯蔵寿命を増大させるための工程を取り入れることが、有利である可能性がある。例えば、好ましい実施形態では、調製溶液を脱水し、次いで生成した粉末を、使用前に適量の蒸留水で再水和する。当業者は、例えば乾湿、凍結乾燥、スプレー乾燥、または溶液を貯蔵安定性の粉末形態にする任意の他の方法による、溶液を効果的に脱水するための多くの方法が存在することを、理解するであろう。この方法によって、溶液の貯蔵寿命が著しく増大する。さらに、粉末にした溶液を適量の蒸留水で単に再水和し、次いでこれを使用して、前に記載された手順に従って調製された表面を洗浄することができる。
[実施例]
本発明を以下の実施例によって例示し、これらの実施例は、本発明を制限することを目的とするものではない。
根管壁からのスメア層の除去
上顎および下顎から抜いたヒトの歯を、この研究用に使用した。これらの歯の作業長さは21〜25ミリメートルであった。これらの歯は、手動スケーラーを使用してあらゆる歯石および他の表面残骸(軟質組織および/または歯槽骨)をはぎ落とした。試験する歯の切縁または咬合表面を通って、従来式のアクセス形成を行った後、K型やすり(サイズ10)を使用して、歯根尖孔に通し、臨床歯根尖孔まで戻すことによって、それぞれの歯の作業長さを決定した。パッシブステップ・バック法と回転やすり(Rivera and Walton 2002)の組合せを使用して、根管を清掃し形状を整えた。それぞれの根は、パッシブステップ・バックとRotary 0.04 Taper NITIやすり(Rivera and Walton、2002)の組合せを使用して、清掃し形状を整えた。それぞれの歯の根端は、サイズ30やすりの大きさに拡大した。
これらの歯を、次の2つのグループの1つに無作為に割り当てた:グループ1では、手術によらない歯内療法(NSET)を洗浄剤として5.25%次亜塩素酸ナトリウムを使用して行った。完全に清掃し形状を整えた後に、管を1mlのNaOClで洗浄し、綿で包んだ有刺根管針を管の末端に施し、5分間放置して、洗浄剤と管全体の均一で直接的な接触を確実にした。有刺根管針を除去し、根管を4mlのNaOClで洗浄し、10mlの蒸留水ですすいだ。グループ2では、1%次亜塩素酸ナトリウムを根管用洗浄剤として使用して、NSETを行った。このグループの歯を完全に清掃し形状を整えた後に、本明細書で以後「ADD」(酸、消毒剤、および洗浄剤)溶液と呼ぶ、3%のドキシサイクリン、0.5%のポリソルベート80、および4.25%のクエン酸の1mlの混合物で管を洗浄し、綿で包んだ有刺根管針を管の末端に施し、5分間放置して、洗浄剤と管全体の均一で直接的な接触を確実にした。有刺根管針を除去し、管を4mlのADDで洗浄し、10mlの蒸留水ですすいだ。洗浄後、常に水を噴霧しながらダイヤモンド・ソーを使用して、歯を半分に割った。それぞれの歯の半分を、グルタルアルデヒド溶液中に24時間置いた。次いで固定試料をナトリウム緩衝溶液(pH7.2)によって2回すすぎ、四酸化オスミウムで1時間処理し、昇順濃度のエチルアルコール30%〜100%ですすぎ、次いでデシケーター中に24時間置いた。最後に、それぞれの試料に特別なボタンを取り付け、25μmの金−パラジウム(Au−Pd)でコーティングした(Wakabayashi他、1995)。それぞれの根管の冠側、中央、および先端部分における、スメア層の存在の有無を評価した。象牙細管の侵食も、それぞれのレベルの管で評価した。
試料を調べることによって、グループ1で形成した全ての歯の根管壁全体で、スメア層の存在が示された。対照的に、グループ2の根壁は、いずれのサンプルにおいても検出可能なスメア層は有していなかった。2つのグループの間には、顕著な差があった。ADDで処理したさまざまなレベルのそれぞれの管で、象牙細管中の侵食は示されなかった。
形成された冠窩洞の標品からのスメア層の除去
健全な第三大臼歯を回収し、脱イオン水中に保存した。クラスIの形成物を、歯の咬合表面において、従来認められている手順に従って作製した。これらの歯を、2つのグループに無作為に分けた。
グループ1:5.25%のNaOClの溶液を、窩洞中に5分間放置した。この処理の後、それぞれの標品を多量の水ですすいで、次亜塩素酸ナトリウムの残留効果を排除した。
グループ2:ADD溶液を、窩洞中に5分間放置した。この処理の後、それぞれの標品を多量の蒸留水ですすいで、ADDの残留効果を排除した。
洗浄後、歯の冠を常に水を噴霧しながらダイヤモンド・ソーを使用して半分に割った。それぞれのサンプルの半分を、グルタルアルデヒド溶液中に24時間置いた。次いで固定試料をナトリウム緩衝溶液(pH7.2)によって2回すすぎ、四酸化オスミウムで1時間処理し、昇順濃度のエチルアルコール30%〜100%ですすぎ、次いでデシケーター中に24時間置いた。最後に、それぞれの試料に特別なボタンを取り付け、25μmの金−パラジウム(Au−Pd)でコーティングした(Wakabayashi他、1995)。それぞれの窩洞の壁上の、スメア層の存在の有無を評価した。象牙細管の侵食も評価した。
試料を調べることによって、グループ1で調製した全ての歯の壁上で、スメア層の存在が示された。対照的に、グループ2の全てのサンプルの窩洞壁はスメア層を有しておらず、開存型の象牙細管を有していた。2つのグループの間には、有意な差があった。
ADDで処理したグループ2の窩洞の象牙細管中では、侵食は示されなかった。
形成した歯冠形成物からのスメア層の除去
健全な第三大臼歯を回収し、脱イオン水中に保存した。歯冠形成物を、従来認められている手順に従って作製した。これらのサンプルを、2つのグループに無作為に分けた。
グループ1:5.25%のNaOClの溶液を染みこませた綿玉を、歯冠形成物の上に5分間放置した。この処理の後、それぞれの形成物を多量の蒸留水ですすいで、次亜塩素酸ナトリウムの残留効果を排除した。
グループ2:ADD溶液を染みこませた綿玉を、歯冠形成物の上に5分間放置した。この処理の後、それぞれの形成物を多量の蒸留水ですすいで、残留ADDを排除した。
洗浄後、歯冠形成物を常に水を噴霧しながらダイヤモンド・ソーを使用して半分に割った。それぞれのサンプルの半分を、グルタルアルデヒド溶液中に24時間置いた。次いで固定試料をナトリウム緩衝溶液(pH7.2)によって2回すすぎ、四酸化オスミウムで1時間処理し、昇順濃度のエチルアルコール30%〜100%ですすぎ、次いでデシケーター中に24時間置いた。最後に、それぞれの試料に特別なボタンを取り付け、25μmの金−パラジウム(Au−Pd)でコーティングした(Wakabayashi他、1995)。それぞれの窩洞壁上のスメア層の存在の有無を評価した。象牙細管の侵食も評価した。
試料を調べることによって、グループ1で調製した全ての歯冠表面上で、スメア層の存在が示された。対照的に、グループ2で調製した歯冠表面はスメア層を有しておらず、開存型の象牙細管を有していた。2つのグループの間には、顕著な差があった。グループ2の歯冠形成物の象牙細管中では、侵食は認められなかった。
歯根の表面からのスメア層の除去
抜歯した健全な歯を、実験に使用した。これらの歯の冠側3分の1の根の表面を、従来認められている手順に従いキューレットでかき取った。これらのサンプルを、2つのグループに無作為に分けた。
グループ1:5.25%のNaOClの溶液を染みこませた綿玉を、歯根形成物の上に5分間放置した。この処理の後、それぞれの歯根の表面を多量の蒸留水ですすいで、次亜塩素酸ナトリウムの残留効果を排除した。
グループ2:ADD溶液を染みこませた綿玉を、歯根表面形成物の上に5分間放置した。この処理の後、それぞれの調製物を多量の蒸留水ですすいで、ADDの残留効果を排除した。
洗浄後、歯全体を常に水を噴霧しながらダイヤモンド・ソーを使用して半分に割った。それぞれのサンプルの半分を、グルタルアルデヒド溶液中に24時間置いた。次いで固定試料をナトリウム緩衝溶液(pH7.2)によって2回すすぎ、四酸化オスミウムで1時間処理し、昇順濃度のエチルアルコール30%〜100%ですすぎ、次いでデシケーター中に24時間置いた。最後に、それぞれの試料に特別なボタンを取り付け、25μmの金−パラジウム(Au−Pd)でコーティングした(Wakabayashi他、1995)。それぞれの窩洞壁上の、スメア層の存在の有無を評価した。象牙細管の侵食も評価した。
試料を調べることによって、グループ1で調製した全ての歯根の表面上で、スメア層の存在が示された。対照的に、グループ2で調製した歯根の表面はスメア層を有しておらず、開存型の象牙細管を有していた。2つのグループの間には、顕著な差があった。グループ2の歯根形成物の象牙細管中では、侵食は認められなかった。
根端窩洞形成物からのスメア層の除去
ヒトから抜いた1本根の歯をこの実験で使用した。それぞれの歯の臨床歯冠部分を、高速ハンドピース中の#701フィッシャー・バーを使用して、水をスプレーしながらセメント質−象牙質接合部において除去した。
それぞれの管の作業長さを、管の先端方向に#15Kやすりを置き、それが歯根尖孔から出るまで動かすことによって決定した。歯根尖孔を#40Kやすりの大きさに拡大した後、根の残り部分は、5.25%のNaOCl溶液を管内用洗浄剤として使用しながら、パッシブステップバック法と回転式装置(Rivera and Walton、2002)の組合せを使用して清掃し形状を整えた。
器具で処置した根管をペーパーポイントを用いて乾燥させ、側方加圧充填したガッタパーチャおよびRoth811仮封材で塞いだ。隣接する窩洞はCavitで閉じた。次いでそれらの根を湿ったガーゼで包み、100%の湿度で1週間、室温で密閉ガラス容器中に保存した。
2つのマニキュア液のコーティングを、それぞれの根の外側表面に施した。次いで端部の根の切除を、水冷却を含む高速ハンドピース中の#701フィッシャー・バーを用いて、根の長軸に対して90°で、先端を3〜4mm除去することによって行った。
根尖窩洞の形成物を、それぞれの根において作製した。冷却水を含む高速ハンドピース中の#1丸型バーを使用して、ガッタパーチャ充填物質中に小さな開口部を作製した。水をスプレーしながら高速ハンドピース中の#701フィッシャー・バーを使用して、窩洞を拡大し約3mmの深さにした。水を噴霧しながら高速ハンドピース中の、#541med108/010:HIDIダイヤモンド・バーを使用して、形成物を直径1.5mmおよび深さ3mmに標準化した。
次いでこれらの根を、2つのグループに無作為に分けた。グループ1では、根尖部形成を行った歯を5.25%のNaOClですすいだ。この溶液を窩洞中に5分間放置し、次いで10mlの蒸留水ですすいだ。グループ2では、形成物を5mlのADDですすいだ。この溶液も根端部の窩洞中に5分間放置し、次いで5mlの蒸留水ですすいだ。ペーパーポイントを用いて乾燥させた後、根を低速ダイヤモンド・ソー(Labcut Agar Scientific、Cambridge、England)を使用して半分に割った。
それぞれのサンプルの半分を、グルタルアルデヒド溶液中に24時間置いた。次いで固定試料をナトリウム緩衝溶液(pH7.2)によって2回すすぎ、四酸化オスミウムで1時間処理し、昇順濃度のエチルアルコール30%〜100%ですすぎ、次いでデシケーター中に24時間置いた。最後に、それぞれの試料に特別なボタンを取り付け、25μmの金−パラジウム(Au−Pd)でコーティングした(Wakabayashi他、1995)。それぞれの根尖窩洞形成品上の、スメア層の存在の有無を評価した。象牙細管の侵食も評価した。
試料を調べることによって、グループ1で調製した全ての窩洞形成物の表面上で、スメア層の存在が示された。対照的に、グループ2で調製した根の表面はスメア層を有しておらず、開存型の象牙細管を有していた。2つのグループの間には、顕著な差があった。グループ2の根尖部窩洞形成物の象牙細管中で、侵食は認められなかった。
形成された骨の部位からのスメア層の除去
0.5mmの歯科用ドリルを使用して、成熟したオスのラットから取り出した頚骨断片に穴を開けた。5mlの蒸留水を、穴開け中の洗浄液として使用した。生成した窩洞は直径0.6〜1.0mmであった。
穴開けの後、形成された窩洞それぞれを、3%のテトラサイクリン、0.5%のポリソルベート80、および4.25%のクエン酸からなる溶液5mlで洗浄した。洗浄後、この溶液を骨の窩洞中に5分間放置した。次いでこれらの骨を、常に水を噴霧しながらダイヤモンド・ソーを使用して半分に割った。次いでそれぞれの骨断片の半分を、4%ホルムアルデヒド溶液中に24時間置いた。次いで断片をエタノール濃度を変えて脱水し、ポリメチルメタクリレート(PMMA)中に包埋した。次いで試料を、SEM検査用に金パラジウム皮膜でコーティングした。
SEM検査によって、全てのサンプルにおけるスメア層のほぼ完全な除去が示された。
NaOClによるすすぎに関するスメア層の除去
上顎および下顎から抜歯した、80個の1本根および多根のヒトの歯を、この研究用に使用した。多根の歯では、最大の根管を有する歯根をこの研究に用いた。以前に根管処理をした歯は除外した。これらの歯を、それぞれ10本の歯からなる7つの実験群と、それぞれ5本の歯からなる2つの対照群に無作為に分けた。これらの歯は、器具による処置中またはその後に使用する洗浄剤の型および最終的な洗浄液に従ってグループ分けした。
それぞれの歯に関して従来式のアクセス形成を行った後、K型やすり(サイズ10または15)を歯根尖孔に通し、臨床歯根尖孔にまで戻すことによって、それぞれの歯の作業長さを決定した。それぞれの歯の作業長さは21〜25ミリメートルであった。パッシブステップ・バックとRotary0.04TaperNITIやすり(Millefer ProFile、Switzerland)の組合せを使用して、それぞれの根管を器具により処置した。それぞれの歯の歯根尖孔は、サイズ30やすりの大きさに広げた。蒸留水、さまざまな濃度のNaOCl(0.65%、1.3%、2.6%、および5.25%)、およびADD溶液を、根管内用洗浄剤として使用した。1ミリリットルの洗浄溶液を使用して、それぞれ手と回転式装置の間で根管を洗浄した。合計10mLの洗浄剤をそれぞれの管中に使用した。各根管の作業長さから1〜2mm中に入れた27ゲージのプラスチック製ニードル(Ultra dent Products South Jordan、Utah、USA)を用いて洗浄液を送り込んだ。各根管は、器具による処置中洗浄剤を充填した。それぞれの根管の器具による処置の時間は、約18〜20分であった。対照および最終洗浄液としての実験溶液の、器具により処置した根管表面に対する影響を決定するために、次いで管を、5mLの以下の溶液:滅菌蒸留水(陽性対照)、17%のEDTA(陰性対照)、5.25%のNaOCl、およびADD溶液のどれか1つで2分間処理した。
器具で処置した後、それぞれの管を、まず1mLの前述の溶液の1つで洗浄した。2分後、それぞれの管を、4mlの対照または実験溶液の1つで最終洗浄した。これらの洗浄剤も、それぞれの管中の作業長さから1〜2mm以内に入れた27ゲージのプラスチック製ニードル(Ultra dent Products South Jordan、Utah、USA)を用いて送達した。最終洗浄の全曝露時間は約2分間であった。次いで管を10mLの滅菌蒸留水で洗浄し、ペーパーポイントを用いて乾燥させた。次いでこれらの歯を縦方向に割り、それぞれの歯の半分を、2%グルタルアルデヒド溶液中に24時間置いた。固定試料をカコジル酸ナトリウム緩衝溶液(0.1M、pH7.2)で3回すすぎ、四酸化オスミウムで1時間インキュベートし、昇順濃度のエチルアルコール(30%〜100%)で脱水し、次いでデシケーター中に少なくとも24時間置いた。それぞれの試料をアルミニウム棒上に取り付け、25μmの金−パラジウムでコーティングし、走査電子顕微鏡下において調べた。
これらの試料を調べて、スメア層の除去と象牙細管の侵食の両方の程度を決定した。侵食を最小限にしながらスメア層を除去する際の、最も有効な組合せは、5.25%NaOCl−ADD(「最初の洗浄溶液−最終洗浄溶液」を表す)、次に2.6%NaOCl−ADD、1.3%NaOCl−ADD、ADD−ADD、蒸留水−ADD、5.25%NaOCl−5.25%NaOCl、および蒸留水−蒸留水(最も効果のない組合せ)であった。5.25%NaOCl−17%EDTAの組合せは、スメア層を除去するために有効であったが、中度〜重度の象牙細管の侵食をもたらした。統計学的には、ADDの最終洗浄溶液と組み合わせた最初の洗浄液、1.3%、2.6%および5.25%NaOClの性能の間に、有意な差はなかった。
ADD溶液のさまざまな希釈液の抗菌効果
2つの方法を使用して、さまざまな希釈度における、NaOClおよびEDTAと比べたADDの抗菌活性の程度を決定した。最初の試験では、Enterococcus faecalisを接種したプレート上の、阻害域を測定した。E.faecalis(ATCC4082)を一晩培養したものを、570nmで測定した光学濃度(O.D.)0.11に標準化した。100マイクロリットルの微生物液を、滅菌したL形ガラス棒を使用して、トリプトソイ寒天培地(TSA)プレートに広げた。4分の1インチの滅菌S & S濾紙(Schleicher & Schuell)を、円形のTSAプレートを4つに分けそれぞれの中に置いた。20マイクロリットルの滅菌生理食塩水、5.25%NaOCl、ADD、または17%EDTAを、濾過紙に加えた。それぞれのサンプル溶液に関して、8連で行った。これらのプレートを一晩37℃で24時間インキュベートし、阻害域をミリメートルで測定した。
第二の試験では、最小阻害濃度(MIC)を測定した。E.faecalisを一晩培養し、570nmにおけるO.D.0.11に調整した。試験溶液は、1:2〜1:2048の希釈まで滅菌的に希釈した。1mlの2×トリプトソイ・ブイヨン(TSB)、および同量の試験溶液を試験管内で混合した。100マイクロリットルの標準化E.faecalisを、それぞれの試験管に加え、37℃で一晩インキュベートした。濁りの存在の有無を、翌日決定した。
試験溶液が阻害効果を有するのか殺菌効果を有するのかを決定するために、高濃度の細菌(1×10c.f.uのE.faecalis)を、2mlの非希釈および1:2に希釈したADDまたはNaOClに、2分間または5分間曝した。サンプルをTSA培地に置いて、残りの細菌の生菌数を決定した。
溶液を希釈することによって、異なる割合ではあったが、全ての溶液において阻害域が減少した。NaOClおよびADDはいずれも、1:5または1:10に希釈したときよりも、非希釈時に有効であったが、両者は希釈によって依然としていくらかの殺菌効果を有していた。しかしながらEDTAは、5倍または10倍に希釈したとき、殺菌性を示さなかった。最小阻害濃度試験では、EDTAはいかなる希釈レベルでも抗菌効果を示さなかったが、NaOClは1:32までの希釈で有効であり、ADDは1:200までの希釈で有効であった。さらに、非希釈および1:2の希釈レベルでの2分間および5分間の曝露の後、ADDは完全に陰性である培養物をもたらしたが、NaOClはそうではなかった。
本明細書中に言及または参照した、それぞれの特許、刊行物、および他の書物は、その全容が参照により本明細書に組み込まれている。当業者は、多数の変形および変更形態を本発明の好ましい実施形態に対して作製することができ、そのような変形および変更形態は、本発明の精神から逸脱することなく作製することができることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、すべてのこのような均等な変更形態を、本発明の真の精神および範囲に入るものとして含むと考えられる。

Claims (89)

  1. 形成された歯の表面からスメア層を除去するための方法であって、
    消毒剤、
    洗浄剤、および
    有機酸
    を含む滅菌溶液で表面を洗浄することを含む方法。
  2. 消毒剤が抗生物質である、請求項1に記載の方法。
  3. 抗生物質が酸性溶液中で実質的に安定している、請求項2に記載の方法。
  4. 抗生物質がテトラサイクリンである、請求項3に記載の方法。
  5. 抗生物質がドキシサイクリンである、請求項4に記載の方法。
  6. 洗浄剤が米国食品医薬局承認の添加剤である、請求項1に記載の方法。
  7. 洗浄剤がソルビタンエステルである、請求項6に記載の方法。
  8. 洗浄剤がポリソルベートである、請求項6に記載の方法。
  9. 洗浄剤がポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートである、請求項8に記載の方法。
  10. 有機酸が1.5と5の間のpKaを有する、請求項1に記載の方法。
  11. 有機酸が2と5の間のpKaを有する、請求項1に記載の方法。
  12. 有機酸が2.75と3.75の間のpKaを有する、請求項1に記載の方法。
  13. 有機酸がクエン酸である、請求項12に記載の方法。
  14. 表面が歯内の位置である、請求項1に記載の方法。
  15. 表面が器具で処置された根管である、請求項1に記載の方法。
  16. 表面が歯周療法のために形成された表面である、請求項1に記載の方法。
  17. 表面が歯の修復用に形成された部位である、請求項1に記載の方法。
  18. 表面が歯の再構築用に形成されている、請求項1に記載の方法。
  19. 歯の表面を1分〜1時間洗浄する、請求項1に記載の方法。
  20. 歯の表面を約1分〜30分洗浄する、請求項1に記載の方法。
  21. 歯の表面を約1分〜10分洗浄する、請求項1に記載の方法。
  22. 消毒剤が溶液の約1〜5重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  23. 消毒剤が溶液の約2〜4重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  24. 消毒剤が溶液の約3重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  25. 洗浄剤が溶液の約0.1〜1.5重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  26. 洗浄剤が溶液の約0.25〜1重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  27. 洗浄剤が溶液の約0.5重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  28. 酸が溶液の約0.5〜10重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  29. 酸が溶液の約3〜6重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  30. 酸が溶液の約4〜5重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の方法。
  31. 溶液の組成が約3重量%の消毒剤、0.5重量%の洗浄剤、および4.25重量%の酸である、請求項1に記載の方法。
  32. 溶液がドキシサイクリン、ポリソルベート80、およびクエン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  33. 溶液の組成が約3重量%のドキシサイクリン、約0.5重量%のポリソルベート80、および約4.25重量%のクエン酸である、請求項1に記載の方法。
  34. 形成された表面上のスメア層を除去するための滅菌溶液であって、
    消毒剤、
    洗浄剤、および
    有機酸
    を含む滅菌溶液。
  35. 消毒剤が抗生物質である、請求項34に記載の溶液。
  36. 抗生物質が酸性溶液中で実質的に安定している、請求項35に記載の溶液。
  37. 抗生物質がテトラサイクリンである、請求項36に記載の溶液。
  38. 抗生物質がドキシサイクリンである、請求項37に記載の溶液。
  39. 洗浄剤が米国食品医薬局承認の添加剤である、請求項34に記載の溶液。
  40. 洗浄剤がソルビタンエステル化合物である、請求項39に記載の溶液。
  41. 洗浄剤がポリソルベート化合物である、請求項39に記載の溶液。
  42. ポリソルベート化合物がポリソルベート80である、請求項41に記載の溶液。
  43. 有機酸が1.5〜5のpKaを有する、請求項34に記載の溶液。
  44. 有機酸が2〜5のpKaを有する、請求項43に記載の溶液。
  45. 有機酸が2.75〜3.75のpKaを有する、請求項44に記載の溶液。
  46. 有機酸がクエン酸である、請求項34に記載の溶液。
  47. 消毒剤が溶液の約1〜5重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  48. 消毒剤が溶液の約2〜4重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  49. 消毒剤が溶液の約3重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  50. 洗浄剤が溶液の約0.1〜1.5重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  51. 洗浄剤が溶液の約0.25〜1重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  52. 洗浄剤が溶液の約0.5重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  53. 酸が溶液の約0.5〜10重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  54. 酸が溶液の約3〜6重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  55. 酸が溶液の約4〜5重量パーセントの量で存在する、請求項34に記載の溶液。
  56. 溶液の組成が約3重量%の消毒剤、0.5重量%の洗浄剤、および4.25重量%の酸である、請求項34に記載の溶液。
  57. 溶液がドキシサイクリン、ポリソルベート80、およびクエン酸を含む、請求項34に記載の溶液。
  58. 溶液の組成が約3重量%のドキシサイクリン、約0.5重量%のポリソルベート80、および約4.25重量%のクエン酸である、請求項57に記載の溶液。
  59. 形成された骨の表面からスメア層を除去するための方法であって、
    消毒剤、
    洗浄剤、および
    有機酸
    を含む滅菌溶液で表面を洗浄することを含む方法。
  60. 歯の表面を約2分〜約5分洗浄する、請求項1に記載の方法。
  61. 溶液を約1:200まで希釈する、請求項1に記載の方法。
  62. 溶液を約1:200まで希釈する、請求項34に記載の溶液。
  63. 骨の表面を約2分〜約5分洗浄する、請求項59に記載の方法。
  64. 溶液を約1:200まで希釈する、請求項59に記載の方法。
  65. 形成された歯または骨の表面からスメア層を除去するための方法であって、
    (a)NaOClの溶液で表面を洗浄する工程、および
    (b)消毒剤、洗浄剤、および有機酸を含む滅菌溶液で表面をさらに洗浄する工程を含む方法。
  66. NaOCl溶液の濃度が約1重量%〜約6重量%である、請求項65に記載の方法。
  67. NaOCl溶液の濃度が約1.3重量%〜約5.25重量%である、請求項65に記載の方法。
  68. NaOCl溶液の濃度が約1.3重量%である、請求項65に記載の方法。
  69. 工程(b)の溶液を約1:200まで希釈する、請求項65に記載の方法。
  70. 工程(b)の溶液を形成された表面に約5分間まで施す、請求項65に記載の方法。
  71. 工程(b)の溶液を形成された表面に約2分間施す、請求項65に記載の方法。
  72. 形成された歯または骨の表面からスメア層を除去するための方法であって、
    (a)1.3重量%のNaOClの溶液で表面を洗浄する工程、および
    (b)約3重量%のドキシサイクリン、約0.5重量%のポリソルベート80、および約4.25重量%のクエン酸を含む滅菌溶液で約2分〜約5分間表面をさらに洗浄する工程を含む方法。
  73. 工程(b)の溶液を約1:200まで希釈する、請求項72に記載の方法。
  74. 消毒剤が抗菌性化合物である、請求項1に記載の方法。
  75. 抗菌性化合物がクロルヘキシジン化合物である、請求項74に記載の方法。
  76. クロルヘキシジン化合物がグルコン酸クロルヘキシジンである、請求項75に記載の方法。
  77. 溶液がグルコン酸クロルヘキシジン、ポリソルベート80、およびクエン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  78. 溶液が粉末形態で提供され、洗浄前に蒸留水で粉末状溶液を再水和する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  79. 消毒剤が抗菌性化合物である、請求項34に記載の溶液。
  80. 抗菌性化合物がクロルヘキシジン化合物である、請求項79に記載の溶液。
  81. クロルヘキシジン化合物がグルコン酸クロルヘキシジンである、請求項80に記載の溶液。
  82. 溶液がグルコン酸クロルヘキシジン、ポリソルベート80、およびクエン酸を含む、請求項34に記載の溶液。
  83. 溶液が粉末形態である、請求項34に記載の溶液。
  84. 溶液が粉末形態で提供され、洗浄前に蒸留水で粉末状溶液を再水和する工程をさらに含む、請求項59に記載の方法。
  85. 工程(b)の溶液が粉末形態で提供され、洗浄前に蒸留水で粉末化溶液を再水和する工程をさらに含む、請求項65に記載の方法。
  86. 工程(b)の溶液が粉末形態で提供され、洗浄前に蒸留水で粉末化溶液を再水和する工程をさらに含む、請求項72に記載の方法。
  87. 形成された歯または骨の表面からスメア層を除去するための方法であって、
    (a)1.3重量%のNaOClの溶液で表面を洗浄する工程、および
    (b)グルコン酸クロルヘキシジン、ポリソルベート80、およびクエン酸を含む滅菌溶液で約2分〜約5分間表面をさらに洗浄する工程を含む方法。
  88. 工程(b)の溶液を約1:200まで希釈する、請求項87に記載の方法。
  89. 工程(b)の溶液が粉末形態で提供され、洗浄前に蒸留水で粉末化溶液を再水和する工程をさらに含む、請求項87に記載の方法。
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