JP6295274B2 - 歯周病の処置 - Google Patents

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Description

本発明は、歯肉縁上および/または下にて、歯および/またはインプラント表面に定着し、歯肉縁下および/または歯肉縁上のバイオフィルムに存在する微生物によって引き起こされる、歯周病、例えばインプラント周囲感染症、インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎またはインプラント周囲粘膜炎を処置する分野に関する。
本明細書で提示される方法およびキットオブパーツは、整形外科インプラントを有する患者の微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを、持続可能に除去および/もしくは破壊、停止および/もしくは中断するためにも、もちろん使用できることは理解されるべきである。
歯周病は、歯肉縁上または下にて、歯またはインプラント表面に定着する微生物によって引き起こされる感染症である。これらの感染症が他の感染性疾患と共通した多くの性質を有する一方で、それら感染症は定着した部位およびそれらが存在する環境の性状により与えられる特有の性質を示す。疾患の発症は、通常、病原体による最初の定着の後で長期間にわたり遅延される。
これらの疾患の主な特性は、歯肉縁下および/または歯肉縁上のバイオフィルムに存在する生物によって、疾患が引き起こされることである。それらを処置することは、物理的、抗菌的、および環境的なアプローチが必要とされるという点で複雑である。バイオフィルムは、定着している種を、競合する微生物から、および環境要因、例えば宿主防御機構から、および潜在的毒性物質、例えば化学物質または抗生物質から保護している。これらは、マトリックスまたはグリコカリックスの形で分布している、1つまたはそれ以上の菌種の細菌細胞による微小コロニーで構成される。
雑多な歯のバイオフィルム内における細菌の関連性は、複雑である。非特許文献1および非特許文献2によれば、密接に関連した菌種の群が6種類認識されている。これらには、アクチノマイセス、レンサ球菌、カプノサイトファーガ、アクチノバチルスアクチノマイセテムコミタンスセロタイプa(Actinobacillus actinomycetemcomitans serotype a)、エイケネラコローデンス(Eikenella corrodens)およびカンピロバクターコンサイサス、ベイロネラパルブーラ(Veillonella parvula)およびアクチノマイセスオドントリティカス(Actinomyces odontolyticus)が含まれる。これらの群はグラム陽性菌が多数を占め、歯および/またはインプラント表面における早期定着菌群(early colonyzers)として認識されており、特定の複合体が歯肉縁下のプラークにおける複合体より頻繁に、同時に観察される。類似した関係性は、口腔細菌種を用いるin vitro実験において実証することができる。早期定着菌群は、清浄な面に付着し、次いでフィルムを他の菌種が結合できる状態にする。時間とともに、口内のバイオフィルムはより複雑になり、他の菌種が加わる、またはそれに置き換えられる。したがって、歯のバイオフィルム発現における後の段階では、グラム陰性菌種が数の上で多数を占める。
バイオフィルムから開始する疾患は、口腔には決して珍しくない。ヒトに影響を与える感染症のおよそ65%は、バイオフィルムで増殖する生物によって引き起こされる。これら感染症は、齲蝕、歯周病、中耳炎、筋骨格感染症、壊死性筋膜炎、胆道感染症、骨髄炎、細菌性前立腺炎、自然弁心内膜炎、類鼻疽、補綴ならびに整形外科的合併症(prosthetic as well as orthopaedic complications)および嚢胞性線維症肺炎を含む。特性は、感染が持続すること、および慢性化すること、ならびに根絶が困難であるということである
歯垢は、粘着性がある無色のフィルムであり、細菌性沈着物が歯肉縁に沿って、歯またはインプラント表面に蓄積することによって生じ、歯の支持組織が破壊されることになる。歯垢が形成されると、歯および/または歯科インプラントに亀裂、凹みおよび表面のざらつきが生じ始める。任意の所与のプラークサンプルにおいて、30種以上の菌種を検出することはまれではない。したがって、歯の表面に定着するバイオフィルムは、自然に存在するバイオフィルムの中でも最も複雑である可能性がある。歯周病に関連する細菌は、歯肉縁の上下両方のバイオフィルムに存在する。歯肉縁上のバイオフィルムは歯またはインプラントに付着し、アクチノマイセス種が多数を占める、歯肉縁下のバイオフィルムは典型的にはより複雑であり、歯もしくはインプラントにも、または歯肉組織にも付着する可能性がある。今日、どの定着した微生物種が歯周病を引き起こすかについて何らも得られていないが;3種類の菌種:A.アクチノミセタムコミタンス(A.actinomycetemcomitans)、P.ジンジバリス(P.gingivalis)およびB.フォルシサス(B.forsythus)は、疾患状態の進行および治療の失敗と密接に関連することが、研究により指摘されている。また、F.ヌクレアタム(F.nucleatum)、カンピロバクターレクタス、P.インターメディア(P.Intermedia)、P.ニグレセンス(P.nigrescens)、ユーバクテリウムノダタム(Eubacterium nodatum)、P.ミクロス(P.micros)および様々なスピロヘータが今までのところ指摘されている。概略的な要約に関しては、図1も参照されたい。
歯の支持組織の破壊により、歯根とガム組織の間における空間(歯周ポケット)が深まることになる。歯周病は、虫歯に続いて最も頻繁な口内疾患であり、部分的または完全な歯または骨欠損をもたらすことがある。これら疾患は、世界人口の70〜90%にまで影響を与えると予測されており、年齢35歳超の人々における歯欠損の主な原因である。最も一般的な歯周病の形態は、歯肉炎および歯周炎である。
歯肉炎は、歯周病の最も軽度な形態であり、歯肉が赤く腫れ、出血しやすくなる。歯肉炎が処置されない場合は、歯周炎へと発展する。歯周炎では、感染症が進行して、顎骨において歯が保持される口内組織を巻き込む。処置されない場合、歯周炎は、影響を受けた歯の欠損を最終的にもたらす。
慢性歯周炎は、歯周炎の最も頻繁に発生する形態であり、歯の支持組織内に炎症、アタッチメントの進行性消失、ならびに進行性歯槽骨吸収を生じる。この歯周炎の形態は、ポケット形成および/または歯肉の後退により特徴づけられる。破壊が進むにつれて、歯の移動および動きが増大することで、最終的には歯が自然欠損するかまたは抜歯の必要性が生じる。
SocranskyおよびHaffajee、2000年 SocranskyおよびHaffajee、2000年
歯周病の処置は、通常、細菌性沈着物および歯石の除去を伴う。しかし、より深い歯周ポケットの処置に完全に対応することは困難であり、組織を再感染させ得る細菌を留まらせることになる。これはもちろん、他の細菌に感染した組織の場合も同様であり、細菌または死んだもしくは損傷した組織の不完全な除去が治癒に関して問題を引き起こし、再感染をきたすことがある。したがって、この処置は、歯周ポケットを開く手術手技と組み合わせることが多い。次いで、この領域は、掻爬(scraped)されるか、そうでなければ細菌性沈着物および歯石だけではなく、肉芽組織および細菌毒素から機械的にフリーにされる。
歯科インプラントを有する患者は、上に記載されている歯周病と類似しているが、その代わりにインプラントを取り巻く組織を攻撃する症状を発症することに感受性がある。そのような一疾患がインプラント周囲粘膜炎である。この症状は、インプラントにおける粘膜の炎症が存在することを伴うが、支持骨欠損の徴候はない。
インプラントを有する患者も、インプラント周囲炎と呼ばれる症状に罹患することがあり、これは、インプラントの表面に細菌が定着することによって引き起こされる。次いで、インプラントを取り巻く骨における炎症が、骨欠損を引き起こし、最終的にインプラントの不具合をもたらすことがある。インプラント周囲炎は、歯周炎感染の存在から始まることがある、または、患者は、歯周炎の既往歴なくインプラント周囲炎を発症し得る。
したがって、歯科インプラントの表面、またはそれらの近辺は、配置の後、例えばインプラント周囲炎を引き起こす感染または汚染が発生した場合、洗浄しなければならないことがある。これらの場合では、病的状態のインプラントの表面は、微生物および他の異物を洗浄して、疾患の進行を止めなければならない。インプラントの表面を洗浄できないと、最終的には、骨およびインプラントの欠損をもたらし、さらなる代替処置は困難になり、不可能にさえなることもある。
以前より、歯科医および外科医は、歯周炎の処置に関して使用される、同一の洗浄用具、例えばキュレットまたはスパチュラを利用しているが、最近では、他のさらに適した洗浄およびデブリードマン用具、例えばチタンブリストルブラシ(titanium−bristled brushes)がこの分野に導入されている。他のインプラント洗浄方法は、アブレシブブラスト(abrasive blasting)、化学的洗浄剤およびレーザー、ならびに超音波装置の使用を含む。これらの方法はそれぞれ難点を有する;例えば、レーザーを使用して細菌を殺せるが、この方法は、孤立して細菌を必ずしも除去できず、ひいてはバイオフィルムがインプラントに留まる可能性があり、それにより骨接合が妨げられることがあり、後に感染源として作用し得る。理想的には、洗浄および/または除染剤は組織を損傷せずに細菌を特異的に標的にする。作用剤ならびに方法の選択は、典型的には、当業者によるリスク/ベネフィット評価に基づく。この選択は利用できる適切な洗浄剤の数を限定し、また適切な作用剤およびそれらの適切な適用パラメーター(application parameters)を特定することは困難かつ時間を消費する作業になり得る。さらに、単離の際に化学的洗浄剤を使用すると、厚いバイオフィルムを通過して拡散できるため、インプラントからバイオフィルムの除去を可能にするであろうということには、多少疑問がある。公知のアブレシブブラスト法は、加圧空気中のグリシン粒子の使用を含む。しかし、そのような方法は、気腫、すなわちガスにより周辺組織が異常に膨満するリスクを伴う。
現在用いられる別の処置は、抗生物質を用いた全身または局所処置である。とはいえ、抗微生物剤は通常の投与量で有効になる見込みがない、その理由は、バイオフィルムモードにおける生物に対する抗生物質の最小発育阻止濃度がプランクトン状態の同一の生物に対するものより1000〜1500倍高い可能性があるからである。さらに、抗生物質は、歯周感染症の処置に有用と報告されているが、それらの使用は、1種だけではなく、バイオフィルムに組み入れられているいくつもの菌種の耐性をもたらす潜在性を有しており、その理由は、バイオフィルム微生物において、遺伝的な優位性を互いに有効に伝える能力が改善されたためである(概観には、例えばSocransky S.S.およびHaffajee A.D.、2000年を参照されたい)。
本発明は、歯肉縁上および/または下にて、歯および/またはインプラント表面に定着し、歯肉縁下および/または歯肉縁上のバイオフィルムに存在する微生物によって引き起こされる、インプラント周囲感染症、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎を含む歯周病を処置する方法およびキットオブパーツを最初に開示する。前記処置は、少なくとも部分的に手術プロセスを用いて、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて病原体バイオフィルムを実質的に除去、破壊、停止および/または中断することと、患者における微生物感染部位の病原体バイオフィルムの増殖および/または再増殖を阻害、障害、妨害および/または予防することとをもたらすことにより特徴づけられる。前記方法は、微生物感染部位を機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程、ならびに、まず速やかな殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄剤、例えば次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液、ならびにその後、持続可能な殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄剤、例えばクロルヘキシジン(CHX)溶液を連続して使用する工程を含む。
本明細書で開示されている処置は、場合により、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位を、機械的用具を用いて、まず外科的に評価する工程、あるいは直接的に洗浄および/またはデブリードマンする工程、ならびに以下の順序:まずNaClO溶液、およびその後CHX溶液で、少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤を用いる工程を含む。使用される洗浄および/またはデブリードマン用具は、例えば、チタンブリストルブラシなどの適切なブラシ、キュレット、スパチュラおよび/または超音波装置であってよい。機械的洗浄は、例えば前処置工程で、ならびに/または、少なくとも2つの洗浄および/もしくは消毒剤の1つもしくは両方を用いると同時に、もしくは用いた後に行うことができる。場合により、処置は、洗浄および/または消毒剤を適用する前、間、最中および/または後に微生物感染部位をすすぐ工程(可能な方法および適用工程の例を示す図2を参照されたい)をさらに含む。
本明細書で開示されているキットオブパーツは、微生物感染部位にて使用する、2つの洗浄および/または消毒剤を含み、前記作用剤は:a)NaClO溶液、およびb)CHX溶液から選択され、一実施形態において、指示、例えば書面による指示は、まずa)を適用し、およびその後b)を適用する既定の順序での2つの洗浄剤の使用について記載し、場合により、洗浄および/または消毒剤の両方を適用する前、間、最中および/または後に微生物感染部位をすすぐ。やはり場合により、前記キットは、洗浄および/またはデブリードマン用具、例えば適切なブラシ、および/または適切なすすぎ液をさらに含む。
本明細書において提示される方法およびキットオブパーツは、整形外科インプラントを有する患者における、微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムの増殖および/または再増殖の持続可能な除去、停止、破壊および/または中断、ならびに阻害、障害、妨害および/または予防にさらに使用できる。
定義
「インプラント周囲炎(Peri−implantitis)」または「インプラント周囲炎(periimplantitis)」は、歯科インプラントを取り巻く軟および硬組織に影響を与える、破壊的な炎症のプロセスについて説明するために使用される歯科用語である。粘膜炎と比較して、インプラント周囲炎の定義は、骨欠損を含む。とりわけ、喫煙、細菌バイオフィルム(プラーク)の蓄積、口腔衛生および歯周状態は、影響因子である。本文脈においては、「歯周病」という用語は、インプラント周囲感染症、例えばインプラント周囲炎を包含する。
「長期にわたる抗微生物活性」は、持続性と呼ばれる現象である。本出願では、この用語は、持続可能な殺菌および/または抗菌効果と互換的に使用される。
本文脈において、バイオフィルムは、固着性の、安定付着した微生物、例えば細菌、ウイルスまたは真菌の細胞外マトリックス集合体であり、細胞外ポリマー性物質を含む様々な成分からなる自己生産マトリックスに埋め込まれている。
「洗浄剤」という用語は、本文脈において、「洗浄溶液」と互換的に使用され、物質、通常は、微生物、例えば細菌および/またはバイオフィルム、ならびに表面における細胞および他の破片を除去、破壊、停止および/または中断するために使用される液体について説明する。
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態の説明のみを目的とし、添付の請求項によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。本明細書および添付の請求項で使用されているように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の意味を指示しない限り、複数形の指示を含むことに留意されなければならない。
本明細書で使用されている「患者」という用語は、あらゆる哺乳動物を指す。哺乳動物の例は、ヒト、家畜(farm animals)および家畜(domestic anmimals)である。
本明細書の「CMF」という略語は、頭蓋顎顔面固定(craniomaxillofacial)複合体、すなわち口腔、顎、顔、頭蓋、ならびに関連構造の解剖学的領域を意味する。
整形外科インプラントは、本文脈において、骨と置き換えて、または骨を固定させて、損傷を受けた骨を支持する、および/または関節の咬合面を置き換えるために使用される医療用具と定義される。整形外科インプラントは、本文脈において、関節形成術、骨プレート、骨ねじおよび釘固定法からなる群から選択される。
「CFU」という略語は、コロニー形成単位(CFU)を意味することで、当業界にて公知であり、生きている細菌または真菌の数の推定値である。この不確定性を反映させるために(細胞/mLまたは細胞/gではなく)、液体についてはCFU/mL(コロニー形成単位/ミリリットル)、および固体についてはCFU/g(コロニー形成単位/グラム)として結果が示される。
本文脈において、SLA(登録商標)は、チタン表面にマクロ粗さ(macro−roughness)をもたらすコランダム粒子を用いるラージグリットサンドブラストプロセス(large grit sand−brasting process)により生成されるチタン表面を指す。上昇温度で数分間にわたるHCl/HSO混合物を用いた、強酸エッチング浴がこれに続く。これにより、粗く吹き付けた表面に重ねた、2〜4μmの微細なマイクロピットが生成される。表面は、細孔性ではないため密閉容積がなく、細菌に対する脆弱性が低下する。
本文脈において、洗浄したインプラント表面(Clean Implant Surface)は、CISと略記される。
Socranskyら、Periodontology2000、第28巻、2002年、12〜55頁で見出されるバイオフィルムモデルを示す図である。本明細書で分類される細菌のいくつかは、実験セクションに使用されるバイオフィルムモデルで試験される。試験した株は、割り当てられた分類の代表として選択される。歯肉縁上モデルに属するものとして分類された細菌株は実験1および2で試験される。歯肉縁下モデルに属するものとして分類された細菌株は、実験3〜6で試験される。 本出願の様々な実施形態の方法に関する、概略的な視覚化を示す図である。 3回の実験:歯肉縁上モデルを用いて2回(実験1および実験2)、および歯肉縁下モデルを用いて1回(実験3)で、洗浄剤による処置の直後に得られたCFU計数のデータを示す図である。値は、n=3の平均を表す。検出限界を下回る値(<2.0E1)は、2.0E1と示されている。 3回の実験:歯肉縁上モデルを用いて2回(実験1および実験2)、および歯肉縁下モデルを用いて1回(実験3)で、洗浄剤による処置の24時間後に得られたCFU計数のデータを示す図である。値は、n=3の平均を表す。検出限界を下回る値(<2.0E1)は、2.0E1と示されている。 歯肉縁下モデルを用いた2回の実験(実験4および実験5)で、TiBrush(登録商標)および洗浄剤による処置の直後に得られたCFU計数のデータを示す図である。値は、n=3の平均を表す。検出限界を下回る値(<2.0E1)は2.0E1と示されている。 歯肉縁下モデルを用いた2回の実験(実験4および実験5)で、TiBrush(登録商標)および洗浄剤による処置の24時間後に得られたCFU計数のデータを示す図である。値は、n=3の平均を表す。検出限界を下回る値(<2.0E1)は2.0E1と示されている。 歯肉縁下モデルを用いた1回の実験(実験6)で、TiBrush(登録商標)および洗浄剤による処置の24時間、48時間および72時間後に得られたCFU計数のデータを示す図である。値は、n=3の平均を表す。検出限界を下回る値(<2.0E1)は2.0E1と示されている。 個々の細菌CFU計数に関する分析を開示する図である(実験6を参照されたい)。1)TiBrush+NaClO(0.1%)、0時間、再増殖2)TiBrush+NaClO(0.1%)、24時間、再増殖3)TiBrush+NaClO(1%)+CHX、0時間、再増殖4)TiBrush+NaClO(1%)+CHX、24時間、再増殖 ヒトin−vivo副子モデル(human in−vivo splint model)において、TiBrush(登録商標)および洗浄剤を用いてStraumann SLA(登録商標)ディスクを処置した後の、洗浄したインプラント表面(CIS)のデータを示す図である。さらなる詳細に関しては、実験7を参照されたい。 Columbia血液寒天上における70/30バイオフィルムモデル(70/30 biofilm model)CFU(log10)/N=3で、試験した様々な抗微生物剤を用いた、バイオフィルムの除染に関する評価を開示する図である。(実験1)1a)CHX、1b)CHX、24時間2a)H、2b)H、24時間3a)次亜塩素酸ナトリウム、3b)次亜塩素酸ナトリウム、24時間4a)生理NaCl、4b)生理NaCl、24時間 Columbia血液寒天上における70/30バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で、試験した様々な抗微生物剤を用いた、バイオフィルムの除染に関する評価を開示する図である。(実験2)1a)CHX、0.2%、1b)CHX、0.2%、24時間、2a)CHX、1.0%、2b)CHX、1.0%、24時間3a)H、0.1%、3b)H、0.1%、24時間4a)H、1.0%、4b)H、1.0%、24時間5a)NaClO、0.1%、5b)NaClO、0.1%、24時間6a)NaClO、1.0%、6b)NaClO、1.0%、24時間7a)NaClO、3.0%、7b)NaClO、3.0%、24時間8a)生理NaCl、8b)生理NaCl、24時間 処置1+2:寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した、ジグルコン酸クロルヘキシジンについて開示する図である。(実験3) 処置3+6:寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験したHについて開示する図である。(実験3) 処置4+5:寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した次亜塩素酸ナトリウムについて開示する図である。(実験3)1)NaOCl、0.1%、2)NaOCl、0.1%、24時間3)NaOCl、1%、4)NaOCl、1%、24時間 処置7+8:寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した生理NaClについて開示する図である。(実験3) 要旨:Columbia血液寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した合計CFUについて開示する図である。(実験3)格子模様の棒は、抗菌剤溶液に1分間曝露した後での速やかな効果;縞模様の棒は24時間後に持続する効果を反映する。 寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3または6で試験したNaCl0.9%対照+TiBrush(登録商標)を示す図である。(実験4) 寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した、TiBrush(登録商標)+CHX0.2%またはNaClO1%を示す図である。(実験4) 要旨:寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した合計CFUについて開示する図である。(実験4)1a)NaCl対照、0時間の再増殖、1b)NaCl対照、24時間の再増殖2a)TiBrush(登録商標)、0時間の再増殖、2b)TiBrush(登録商標)、24時間の再増殖3a)TiBrush(登録商標)+CHX、0時間の再増殖、3b)TiBrush(登録商標)+CHX、24時間の再増殖4a)TiBrush(登録商標)+NaClO(0.1%)、0時間の再増殖、4b)TiBrush(登録商標)+NaClO(0.1%)、24時間の再増殖5a)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)、0時間の再増殖、5b)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)、24時間の再増殖6a)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)+CHX、0時間の再増殖、6b)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)+CHX、24時間の再増殖 寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3(6)で試験した、NaCl0.9%対照およびTiBrush(登録商標)+CHX0.2%を示す図である。(実験5) 寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験した、TiBrush(登録商標)+NaClO0.1%+CHX0.2%およびNaClO0.1%中のTiBrush(登録商標)を示す図である。(実験5) 寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験したNaCl0.9%対照を示す図である。(実験6) 寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験したTiBrush(登録商標)+NaClO0.1%+CHX0.2%を示す図である。(実験6)1)TiBrush(登録商標)+NaClO(0.1%)+CHX(0.2%)、24時間の再増殖2)TiBrush(登録商標)+NaClO(0.1%)+CHX(0.2%)、48時間の再増殖3)TiBrush(登録商標)+NaClO(0.1%)+CHX(0.2%)、72時間の再増殖 処置3:寒天上における70/30歯肉縁下バイオフィルムモデルCFU(log10)/N=3で試験したTiBrush(登録商標)+NaClO1.0%+CHX0.2%について開示する図である。(実験6)1)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)+CHX(0.2%)、24時間の再増殖2)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)+CHX(0.2%)、48時間の再増殖3)TiBrush(登録商標)+NaClO(1%)+CHX(0.2%)、72時間の再増殖
本発明は、最初に、歯肉縁上および/または下にて、歯および/またはインプラント表面に定着し、歯肉縁下および/または歯肉縁上のバイオフィルムに存在する微生物によって引き起こされる歯周病、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎を処置する有効な方法およびキットオブパーツを開示する。方法およびキットオブパーツの用途は、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを持続可能に破壊、停止、除去および/または中断することにより特徴づけられる。また、方法およびキットオブパーツの用途は、歯周病に罹患した患者における、同一の微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムの増殖および/または再増殖を有効に、かつ持続可能に阻害、障害、妨害および/または予防することにより特徴づけられる。
本発明者らは、驚くべきことに、様々な口腔および/または歯の疾患の処置に有益であることが公知のいくつかの工程を個々に、少なくとも部分的に含むが、同時に患者における微生物感染部位の病原体バイオフィルムに対する、新規な相乗的かつ継続的な殺菌および/または静菌効果も達成する方法を用いることにより、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位の病原体バイオフィルムを実質的に除去、停止および/または破壊でき、その潜在的な増殖および/または再増殖を、有効に予防、阻害、障害、妨害および/または減少できることを見出した。
現在開示されている方法は、典型的には、微生物感染部位を外科的に評価する工程、前記部位を機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程、ならびに、速やかな殺菌効果を有する1つの洗浄および/または消毒剤、例えばNaClO溶液、ならびにその後、持続可能な殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤、例えばCHX溶液を使用する、連続して使用する工程を含む。
本明細書において提示される方法は、歯周病、特にインプラント周囲炎の有効かつ実質的な局所処置について最初に記載する。一方、必要になった場合には、本方法と、抗生物質および/または抗菌剤の全身および/または局所投与とを組み合わせることもできる。そのような組合せは、より効率が高い抗生物質および/または抗菌剤の投与量を裏付け、ひいては場合により、それらを必要とする患者に投与される用量の低下を促進するであろうことが想定される。
本発明は、最初に、まず速やかな殺菌効果を有する、少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤、例えばNaClO溶液、ならびにその後、持続可能な殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤、例えばCHX溶液を使用する、連続使用により、口腔内および/または頭蓋顎顔面固定(CMF)領域における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムの増殖および/または再増殖の持続可能な除去、中断、停止および/または阻害をもたらすことについて開示する。
実験セクション(実験1〜6)で明らかに立証されているように、本発明者らは、最初に、確立されているバイオフィルムモデル(例えばGuggenheimら、2004年、2001年a(2001a)、2009年;およびShapiroら、2002年を参照されたい)で、およびヒト副子モデル(実験7、Schwartzら、2006年)で、まずインプラント表面を機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程、次いで、速やかな殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤、例えばNaClO溶液の適用、ならびにその後持続可能な殺菌効果を有する、少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤、例えばCHX溶液の連続使用により、病原体バイオフィルムの増殖および/または再増殖の持続可能な破壊、除去、停止および/または阻害をもたらすことを実証できた。
本知見により、単一菌種に対する、この方法の処置および/またはキットオブパーツの選択的効果が開示される(例えば図19〜21を参照されたい)。例えば推定病原体の、グラム陰性嫌気性細菌は、炎症およびインプラント周囲炎に密接に関連することが当分野で(F.ヌクレアタム(F.nucleatum)、P.インターメディア(P.intermedia)およびP.ジンジバリス(P.gingivalis))で知られており、72時間にわたる再増殖期間後でも、検出値を下回ったままであった。カンピロバクターレクタスという微好気性種は、48時間後に完全に抑制され、バイオフィルムにおいては72時間後に著しく減少した。グラム陽性種ならびにV.ディスパール(V.dispar)は、処置依存的な様式でわずか72時間後に再増殖できたが、これらの菌種はわずかにしか炎症に関連しない、または、健康に関連する微生物叢の一部とさえみなされている。
図3および4の要約に例示されているように、改変したバイオフィルムに対する実験は、速やかに、および持続して作用する洗浄剤の組合せが相乗的に有効であることを示唆している。
異なる濃度のCHX、HおよびNaClO、ならびに対照として生理NaClを用いた処置後におけるCFUデータの比較が、図3aおよび3bで示されている。歯肉縁上モデルにおける洗浄剤の速やかな効果は、図3aで例示されている:本明細書では、NaClO溶液は、CFU計数を最も減少させ、より高い濃度は歯肉縁下の株にも有効であることが実証されている。CHX溶液およびHは、処置直後にCFUに対して類似した効果を示す。対照的に歯肉縁上モデルで試験した洗浄剤の持続可能な効果は、図3bで例示されている:本明細書において、CHX溶液のCFU計数に対する速やかな影響は限定されるにもかかわらず、0.2%および1%の持続した効果は歯肉縁上モデルでみられることが示されている。興味深いことに、これは、歯肉縁下モデルでは観察されていない。NaClO溶液0.1%および1%を用いた処置では、歯肉縁上のバイオフィルムを速やかに処置した後で、CFU計数がきわめて少ないとしても、フィルムは再確立される。他の試験した作用剤はいずれも、24時間後に対照と類似したバイオフィルムをもたらした。CHX溶液および対照は、洗浄直後に類似したバイオフィルムを示すが、24時間後の細菌の再増殖において明白な差が観察された。したがって、NaClO溶液が細菌を除去するように思われても、きわめて微弱な持続した効果しか有さないと思われる。
要約すれば、NaClOを用いた処置の後で、CFUの急速な(strong immediate)減少が歯肉縁上ならびに歯肉縁下のバイオフィルムモデルにみられる。しかし、0.1%NaClOおよび1%NaClOの濃度では、24時間後に細菌の再増殖がみられた。NaClOは細菌を除去するように思われるが、それだけでは持続した効果を有さない。0.2%CHXおよび1%CHXを用いた処置の後で、CFUへの迅速な(significant immediate)影響はみられなかった。しかし24時間後、歯肉縁上のバイオフィルムモデルに明白なCFU減少が観察された。
図4aおよび4bは、NaClOとCHXの組合せに対する作用機構の、追加の実験について開示し、連続して使用することにより、歯肉縁下モデルで、SLA(登録商標)表面において24時間後にCFU計数がゼロになることを示す。TiBrush(登録商標)、続いて異なる濃度のCHX、HおよびNaClOならびに対照として生理NaClを用いて処置した後で、CFUデータ間の比較が示されている。
図4aにおいて、試験した洗浄剤の速やかな効果が例示されている:さらに、TiBrush(登録商標)の機械的な処置工程を加えると、好ましい効果が生じ、一般的にCFU計数を低下させることもみられる。TiBrush(登録商標)+0.1%NaClO+0.2%CHX、ならびにTiBrush(登録商標)+1%NaClO+0.2%CHXを用いた即値および24時間データにより、TiBrush(登録商標)+1%NaClO+0.2%CHXを用いた、歯肉縁下のバイオフィルムの連続処置は、24時間後でも急速かつ長期にわたる殺菌効果を示すことが示される。
試験した洗浄剤の持続可能な効果が、図4bならびに図4cで示されている:この持続可能な効果は、TiBrush(登録商標)+1%NaClOのみの組合せの使用、またはTiBrush(登録商標)+0.2%CHXのみの使用ではみられず、細菌計数は24時間後に増加していた。しかし、TiBrush(登録商標)、NaClO溶液1%およびCHX溶液0.2%を用いて連続処置を行うと、CFU計数は全く増加しなかった、すなわち速やかに洗浄された状態が24時間にわたり維持された。他の試験したすべての作用剤で、バイオフィルムの再増殖が、24時間以内に、また、機械的および化学的処置を組み合わせた後でもみられた(結果は示されていない)。したがって、NaClOとCHXの組合せだけが、長期間にわたって有効かつ持続可能と証明された。
NaClOの濃度を1%から0.1%に低下させることにより、したがって、TiBrush(登録商標)+0.1%NaClO+0.2%CHXを連続的に用いて、歯肉縁下のバイオフィルムを処置することにより、24時間後に急速かつ長期にわたる殺菌効果を依然として見ることができた(図4bを参照されたい)。
したがって、さらなる実験から、速やかかつ実質的な殺菌および/または静菌剤の連続使用により、24時間後にCFU計数がSLA(登録商標)表面にて実質的にゼロになるという仮説が確認された。
24時間から48時間に再増殖時間を延ばすと、TiBrush(登録商標)+0.1%NaClO+0.2%CHXを用いて歯肉縁下のバイオフィルムを処置した後で、持続可能な殺菌効果がなお観察された。72時間後の再増殖は、10の、4log刻みで対照を下回ったCFU値が観察された(図5cを参照されたい)。
さらに、例えば図6でみられるように、個々の細菌のCFU計数に関する分析により、本明細書に記載されている洗浄手順に従って、すなわち順序どおりCHXを用いて使用される場合、0.1%NaClO溶液を用いることさえできることが示された。図6は、用いられる歯肉縁下のバイオフィルムモデルの試験結果の要約を表す。TiBrush(登録商標)、NaClO溶液1%およびCHX溶液0.2%を用いた連続洗浄の後で、CFU計数が検出された。TiBrush(登録商標)およびNaClO溶液0.1%のみを使用すると、再増殖がいくつかの細菌株内でみられた。図18も参照されたい。
上述の知見は、図7に示されている、ヒトin−vivo副子モデルにおいて、TiBrush(登録商標)および洗浄剤を用いてStraumann SLA(登録商標)ディスクを処置した後の、洗浄したインプラント表面(CIS)のデータ比較によりさらに確認された。下に示されている濃度での、TiBrush(登録商標)+NaClO+CHXを使用すると、TiBrush(登録商標)のみ、またはTiBrush(登録商標)+0.2%CHXを使用して得られたものより著しく高率にバイオフィルムが除去される結果となった。TiBrush(登録商標)+0.1%NaOCl+0.2%CHXおよびTiBrush(登録商標)+1%NaOCl+0.2%CHXによる連続処置、ならびにTiBrush(登録商標)および0.1%NaOCl、続いて0.2%CHXを組み合わせた適用による処置のいずれも、図7にみられるように、ほぼ完全な洗浄表面を示した。
要約すれば、病原体バイオフィルムを持続可能に除去および/または中断する、上に記載されている効果は、歯肉縁下のバイオフィルムで特に観察され、このバイオフィルムは、当技術分野では、破壊、停止、除去および/または中断が特に難しいことが認知されている。したがって、一実施形態において、本発明は、最初に、歯および/またはインプラント表面に定着し、歯肉縁下のバイオフィルムに主に存在する微生物によって引き起こされる歯周病、例えばインプラント周囲炎を処置する方法およびキットオブパーツについて開示する。
クロルヘキシジン
歯周病、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎またはインプラント周囲粘膜炎を処置する、現在開示されている方法および/またはキットオブパーツは、持続可能な殺菌効果(実質的な殺菌効果)を有する洗浄および/または消毒剤、例えばクロルヘキシジン(CHX)を含む。
クロルヘキシジンは、化学的防腐剤であり、グラム陽性とグラム陰性菌の両方に有効であるが、一部のグラム陰性菌にはさほど有効ではない。クロルヘキシジンは、殺菌と静菌作用機構の両方を有し、作用機構は、膜の中断である。クロルヘキシジンは高濃度では有害であるが、多くの製品、例えばマウスウォッシュおよびコンタクトレンズ液に低濃度で安全に使用されている。
クロルヘキシジン(CHX)は、合成カチオン性ビグアニドであり、中央のヘキサメチレン鎖により連結される、2つの対称4−クロロフェニル環および2つのビグアニド基からなる。CHXは陽性に荷電した疎水性および脂溶性分子であり、細菌の細胞膜にてリン脂質およびリポ多糖と反応し、次いで、数種の能動または受動輸送機構を介して細胞に入る。その効能は、微生物の細胞壁において、正電荷の分子および負に荷電したリン酸基の相互作用のためであり、それにより細胞の浸透圧平衡が変わる。これは、細胞壁の透過性を上昇させ、CHX分子を細菌に貫入させる。CHXは塩基であり、塩として安定である。最も一般的な口腔製剤である、グルコン酸CHXは水溶性であり、生理pHで容易に解離し、正に荷電したCHX成分を放出する。
クロルヘキシジン(C2230Cl10)は、口腔すすぎ液および皮膚清拭剤に存在し、少量で保存剤として使用される。これは、歯垢および口内細菌を減少させるように設計された、マウスウォッシュ中の活性成分として使用されることが多い。薄膜でコーティングされた(pellicle-coated)エナメル質表面へと吸着するため、速やかな殺菌作用および長期にわたる静菌作用を有することが示されている。
グルコン酸クロルヘキシジンは、有効な抗微生物剤として認識されるようになっており、有望な歯内洗浄薬としてのその使用が、この10年間で実証されている。グルコン酸クロルヘキシジンは、理想的な歯根管洗浄薬の望ましい性質である広範な抗菌作用、直接性を有し、毒性は相対的に欠如している。しかし、グルコン酸クロルヘキシジンが所有していることが公知ではない重要な特質は、組織溶解性である。
クロルヘキシジンは、口腔内におけるプラークの化学的管理に幅広く使用される強力な防腐剤である。0.1から0.2%の水溶液がその目的に推奨されるが、2%は、歯内治療の文献で通常見出される歯根管洗浄液の濃度である。クロルヘキシジンが次亜塩素酸ナトリウムほど腐食性ではないであろうことは、一般的に把握されている。しかし、2%クロルヘキシジン溶液は、皮膚刺激性である。
本文脈において、「クロルヘキシジン」という用語は、クロルヘキシジンおよびグルコン酸クロルヘキシジン、ならびにジグルコン酸クロルヘキシジンを含むことを意図している。さらに、「CHX」という略語は、クロルヘキシジンおよびグルコン酸またはジグルコン酸クロルヘキシジンに互換的に使用され、それらのそれぞれすべてが本処置および/またはキットオブパーツに含まれ得る。
本例では、CHXの溶液は、典型的には水および/または酢酸を溶媒として含む。
本処置および/またはキットオブパーツに適用されるCHX溶液の濃度は、約0.01〜3重量%までの範囲、例えば0.1〜0.2重量%の間、例えば0.1〜2重量%の間、例えば0.1〜1重量%の間、例えば0.2〜2重量%の間、例えば0.05〜0.2重量%の間、例えば0.15〜1.5重量%の間、例えば0.2〜1.5重量%の間、例えば0.1〜0.2重量%の間、例えば0.1〜0.3重量%の間、例えば0.1〜0.5重量%の間、または例えば0.1〜0.7重量%の間である。
本明細書に記載されている適用計画(application regimen)、すなわちNaClOを最初に適用した後で使用するために、本処置および/またはキットオブパーツに適用されるCHX溶液は、特に低い濃度、すなわち約0.01〜1重量%までの範囲で使用できる。
典型的には、本明細書に用いられるCHX溶液は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0重量%の濃度を有する。典型的には、本処置および/またはキットオブパーツに適用されるCHX溶液の濃度は、およそ0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0重量%以下である。
さらに、本処置および/またはキットオブパーツに用いられるCHX溶液は、着色剤をさらに含み得る。
さらに、本処置および/またはキットオブパーツに用いられるCHX溶液は、粘度調整剤、例えば、PGA、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、親水性ヒュームドシリカ、スメクタイト粘土、キサンタンガム、およびケイ酸アルミニウムマグネシウムからなる群をさらに含み得るが、それらに限定されない。
次亜塩素酸ナトリウム
歯周病、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎またはインプラント周囲粘膜炎を処置する、現在開示されている方法および/またはキットオブパーツは、速やかな殺菌効果を有する洗浄および/または消毒剤、例えばNaClOを含む。
次亜塩素酸ナトリウムは、式NaClOの化学化合物である。次亜塩素酸ナトリウム溶液は、一般的に漂白剤(bleach)またはCloroxとして知られており、消毒剤または漂白剤(bleaching agent)として頻繁に使用される。
本文脈において、NaClO溶液は、本処置および/またはキットオブパーツに含まれる。
本例では、NaClOは、典型的には水に溶解している。
本処置および/またはキットオブパーツに適用されるNaClO溶液の濃度は、約0.01〜3重量%までの範囲、例えば0.01〜1重量%の間、例えば0.01〜2重量%の間、例えば0.05〜1重量%の間、例えば0.1〜2.5重量%の間、例えば0.01〜0.1重量%の間、例えば0.01〜0.05重量%の間、例えば0.05〜0.1重量%の間、例えば0.05〜2重量%の間、例えば0.1〜1重量%の間、例えば0.2〜2重量%の間、例えば0.15〜1.5重量%の間、例えば0.2〜1.5重量%の間、例えば0.1〜0.2重量%の間、例えば0.1〜0.3重量%の間、例えば0.1〜0.5重量%の間、または例えば0.1〜0.7重量%の間である。
本明細書に記載されている適用計画、すなわちCHXの適用が続く適用計画に使用するために、本処置および/またはキットオブパーツに適用されるNaClO溶液は、特に低濃度、すなわち約0.01〜1重量%までの範囲で使用できる。
典型的には、本明細書において用いられるNaClO溶液は、約0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0重量%である。典型的には、本処置および/またはキットオブパーツに適用されるNaClO溶液の濃度は、およそ0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0重量%以下である。
さらに、本処置および/またはキットオブパーツに用いられるNaClO溶液は、着色剤をさらに含み得る。
さらに、本処置および/またはキットオブパーツに用いられるNaClO溶液は、粘度調整剤、例えばPGA、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、親水性ヒュームドシリカ、スメクタイト粘土、キサンタンガム、およびケイ酸アルミニウムマグネシウムからなる群をさらに含み得るが、それらに限定されない。
洗浄および/または消毒剤
a)NaClO溶液、およびb)CHX溶液から選択される、歯周病を処置するためのキットオブパーツを製造するための少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤、および、まず作用剤a)を使用し、およびその後作用剤b)を使用する、既定の順序での上記の作用剤2種類の使用を記載する指示、ならびに場合により、上記の洗浄剤を適用する前、間、最中および/または後に、両方の作用剤で処置される微生物感染部位をすすぐことを使用することが現在想定されている。
本明細書に記載されている、少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤の連続使用により、歯肉縁上および/または歯肉縁下の歯周病に罹患した患者において、微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムの実質的な除去、破壊、停止および/または中断をもたらし、同時に、前記患者において、同一の微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムの増殖および/または再増殖を有効かつ持続可能に阻害、障害、妨害および/または予防する。
本明細書に記載されている使用において、NaClO溶液は、0.01から6重量%まで、例えば0.1重量%、例えば1重量%の濃度を有し、CHX溶液は、0.01から2重量%まで、例えば0.2重量%の濃度を有する。
本処置および/またはキットオブパーツに含まれる洗浄および/または消毒剤は、医薬として許容できる担体、および/または医薬として許容できる希釈剤、および/または医薬として許容できる賦形剤も含み得る。洗浄および/または消毒剤は、1つまたはそれ以上の追加の化合物、例えば1つまたはそれ以上の抗菌剤化合物および1つまたはそれ以上の他の医薬として活性な化合物も含み得る。
抗菌剤および抗生物質は、抗菌性または抗真菌性化合物、例えば、トブラマイシン、シプロフロキサシン、コリスチン、銀化合物、アミノグリコシド、マクロライド、フルオロキノロン、セフタジジム、テトラサイクリン、スルホンアミド、βラクタム、オキサゾリジノン、抗菌ペプチド、キシリトール、フラマイセチン、フシジン酸、ニトロフラール、硝酸フェニル水銀、ベンゾドデシニウム、トリクロサン、セチルピリジニウム、アルミニウムクロロハイドレート(aluminium chlorohydrate)、ポビドンヨード、クリオキノール、ベンゾアルコニウム、クロルヘキシジン、ヨードホルム、次亜塩素酸、塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、ゲンタマイシン、ジベカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファピリン、セファロリジン、セファクロル、セファレキシン、セフロキサジン、セファドロキシル、セファマンドール、セフォトアム(cefotoam)、セフロキシム、セフォチアム、セフォチアムヘキセチル、セフロキシムアキセチル、セフジニル、セフジトレンピボキシル、セフタジジム、セフピラミド、セフスロジン、セフィネノキシム(cefinenoxime)、セフポドキシムプロキセチル、セフピロム、セフォゾプラン、セフェピム、セフスロジン、セフィネノキシム、セフィネタゾール(cefinetazole)、セフミノクス、セフォキシチン、セフブペラゾン、ラタモキセフ、フロモキセフ、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキサラクタム、チエナマイシン、スルファゼシン、アズトレオナム(azthreonam)およびそれらの塩、グリセオフルビン、ランカシジン、ポリエン系抗生物質(例えば、アムホテリシンB、ナイスタチン、トリコマイシン);グリセオフルビン、ピロルニトリンなど;シトシン代謝拮抗薬(例えば、フルシトシン);イミダゾール誘導体(例えば、エコナゾール、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、ビホナゾール、クロコナゾール);トリアゾール誘導体(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、アゾール系化合物、例えば、[2−[(1R,2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]−4−[4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)フェニル−3−(2H,4H)−1,2,4−トリアゾロン);チオカルバミン酸(thiocarbamic acid)誘導体(例えば、トリナフトール(trinaphthol));エキノカンジン系誘導体(例えば、カスポファンギン、FK−463、V−エキノカンジン)、塩化セチルピリジニウム、バシマイシン(bacimycin)、ブルリジン(brulidine)、エタノールまたは第四級アンモニウム化合物、セファレキシン、オーグメンチン、アンピシリンスルバクタム、デュリセフ(duricef)、ジクロキサシリン、チカルシリンクラブラン酸、ピペラシリンタゾバクタム、セファゾリン、セフォテタン、セフォキシチン、イミペネム、テルビナフィン、フルコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾルニトラット(mikonazolnitrat)、クロトリマゾール、アモロルフィンおよび硝酸エコナゾールならびにそれらの組合せから選択され得るが、それらに限定されない。
医薬として許容できる化合物の例は、鎮痛剤、例えばナプロキセン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、デクスイブプロフェン(Dexibuprofen)またはチアプロフェン酸、ジクロフェナク、アルクロフェナク、フェンクロフェナク、エトドラク、アセクロフェナク、スリンダクまたはインドメタシン、ケトロラックまたはトルメチン、メフェナム酸、アセチルサリチル酸(アスピリン)、サリチル酸またはジフルニサル、フェニルブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、メロキシカムまたはロルノキシカム、アミノピレンまたはアンチピレン、アセトアミノフェンフェナセチン、ナブメトン、セレコキシブおよびロフェコキシブであるが、それらに限定されない。医薬として許容できる化合物の他の例は、アセトアミノフェン、フェナセチン、エテンザミド、スルピリン、アンチピリン、ミグレニン、アスピリン、メフェナム酸、フルフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、プラノプロフェン、フロクタフェニン、エピリゾール(epirizol)、塩酸チアラミド、ザルトプロフェン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、ウリナスタチン、コルチシン、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンゾブロマロン、アロプリノール、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、塩酸モルヒネ、サリチル酸、アトロピン、スコポラミン、モルヒネ、ペチジン、レボルファノール、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキシモルホンおよびそれらの塩を含むが、それらに限定されない非ステロイド性抗炎症剤である。他の例は、デキサメタゾン、ヘキセストロール、メチマゾール、ベタメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、エストリオールなどを含むが、それらに限定されないステロイド剤である。医薬品化合物のさらなる例は、塩酸コカイン、塩酸プロカイン、リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸メピバカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸オキシブプロカイン、アミノ安息香酸エチル、オキセサゼインなど、または他の全身、吸入もしくは静脈内麻酔である。また、アクトス、ロジグリタゾン(lodiglitazon)、キネダック、ペンフィル、ヒューマリン、オイグルコン、グリミクロン、ダオニール、ノボリン、モノタード(monotard)、インスリン、グルコバイ、ジメリン、ラスチノン、バシルコン(bacilcon)、デアメリンS、イスジリン(Iszilins)]を含むが、それらに限定されない糖尿病薬を使用でき;甲状腺機能低下症処置剤[乾燥甲状腺(thyloid gland)(甲状腺(thyreoid))、レボチロキシンナトリウム(チラージン(thyradin S)、リオチロニンナトリウム(チロニン(thyronine)、チロミン(thyromin))など。それらの組合せも使用できる。
本方法の処置および/またはキットオブパーツに含まれる洗浄および/または消毒剤は、公知の方法に従って製造できる。当業者は、本発明の作用剤に使用できる広範な種類の適切なビヒクルを認識する。さらに、本処置および/またはキットオブパーツに含まれる洗浄および/または消毒液は、滅菌されていることがある、すなわち、微生物、例えば真菌、細菌および/またはウイルスを本質的に含まない。滅菌した溶液は、例えば、滅菌した成分を使用すること、および/または作用剤の調製後に作用剤を滅菌することにより得られる。
本方法の処置および/またはキットオブパーツに含まれる、洗浄および/または消毒剤は、1回または繰り返し適用され得る。
さらに、洗浄および/または消毒剤は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、10または15分から1時間の期間にわたって、例えば10秒から15分、例えば10秒から1分、例えば10秒から5分、例えば20秒から15分、例えば1分から5分、例えば2分から10分、例えば20分から55分、例えば20から30分にわたり適用され得る。一実施形態において、少なくとも1つの洗浄剤は、すすぎ液として適用される。そのような使用において、本明細書で定義されている洗浄剤は、0.5〜5分未満の期間にわたって適用され得、即座に、もしくは短時間の後に滅菌した溶液を用いた別のすすぎ液、例えば生理食塩水を、または直後に次の洗浄剤を用いたすすぎ液を適用することができる。
当業者は、本明細書で定義されている洗浄剤の投与持続時間および投与量が、年齢、体重、全身状態、性別、食習慣、感染症の重症度、ならびに/または歯周病に関連する炎症および/もしくは感染の程度に基づいて、決定または調整できることを容易に理解する。処置は、最初の処置計画の効果に応じて繰り返し行うことができる。
本明細書に記載されている処置および/またはキットオブパーツに含まれている、洗浄および/または消毒剤は、投与に適しているあらゆる形態で、外科的に開かれた創傷に供給され得る。例えば、前記作用剤は、局所(topical)および/または局所(local)投与のための組成物に含まれ得る。さらに、洗浄および/または消毒剤は、送達系を使用することにより適用され得る。前記系は、容器、シリンジ、ゲル、スポンジ、泡および/または包帯を含み得る。また、洗浄剤は、あらゆる適切な滅菌した塗付器、または当業界で公知の他の滅菌化する方法を使用することにより適用され得る。
本明細書に記載されている処置および/またはキットオブパーツに含まれる、洗浄および/または消毒剤は、歯周病に罹患した患者における、インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎およびインプラント周囲粘膜炎からなる群から選択される歯周病を処置するための連続放出製剤として製剤でき、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液およびクロルヘキシジン(CHX)溶液から選択される少なくとも2つの洗浄剤を含み、前記作用剤は、投与部位に連続して放出される。そのような連続放出において、NaClO溶液は、典型的には、0.01から3重量%まで、例えば0.1または1重量%の濃度を有し、CHX溶液は、0.01から2重量%まで、例えば0.2重量%の濃度を有する。
機械的洗浄および/またはデブリードマン用具
歯周病、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎またはインプラント周囲粘膜炎を処置する、現在開示されている方法および/またはキットオブパーツは、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを持続可能に除去、破壊、停止および/または中断する方法を含み、この方法は、一実施形態において、まず、速やかな殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を使用することと、その後、持続可能な殺菌効果(実質的な殺菌効果)を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を使用することを組み合わせて、機械的洗浄および/またはデブリードマン用具を使用することにより特徴づけられる。
典型的には、そのような機械的洗浄および/またはデブリードマン用具は、ブラシ、キュベット、スパチュラおよび超音波装置からなる非限定的な群から選択される。
したがって、一実施形態において、本発明は、処置する方法ならびに/または少なくとも1つの医療インプラント洗浄および/もしくはデブリードマンブラシを含むキットオブパーツを提供し、このブラシは医療インプラントの表面を洗浄および/またはデブリードマンするための、チタンおよび/またはチタン合金ブリストルを含む洗浄セクションを含む。
本発明によるブラシは、医療インプラントの表面の洗浄および/またはデブリードマンに適していなければならない。このことは、本発明の文脈において、ブラシが、異物、例えば細菌バイオフィルム、破片、歯石、繊維性組織、結石(concrement)、微生物、望ましくない組織、細胞および細胞残留物、瘢痕組織、ならびに/または壊死組織をインプラントから除去するために用いられ得ることを意味する。
医療インプラントを洗浄および/またはデブリードマンするように設計されているいかなるブラシも、必要と考えられる場合は、硬および軟組織の両方を洗浄および/またはデブリードマンするために、歯科医または外科医により使用できる。
ブラシおよびその様々な部材の材料および寸法は、医療インプラント、例えば歯科インプラントまたはCMFおよび/もしくは整形外科用途のインプラントに対するブラシの使用を有効にするように選択される。これは、ブラシの長さおよび直径は、所望のインプラントの洗浄を有効にするように選択しなければならないことを意味する。例えば、ブラシが歯科インプラントに使用するように設計される場合、患者の口腔内で簡単に操作できず、インプラント周辺の骨空洞内に合わないほど、ブラシを長くしすぎることはできず、その直径を大きくしすぎることはできない。さらに、ブリストルならびにブラシの他の部材に使用される材料は、典型的には生体適合性であり、ブラシが接触する表面への損傷に限定を及ぼす性質を有する。
ブラシのブリストルは、好ましくはチタンおよび/またはチタン合金からなる。「合金」という用語は、本明細書において、母材および少なくとも1つの合金成分を含有する金属材料を意味するよう意図している。「母材(base metal)」という用語は、本明細書において、合金の主な構成成分である金属を意味するよう意図しており、「合金成分」という用語は、合金を形成するために、母材に加えられる成分を意味するよう意図している。したがって、「チタン合金」という用語は、母材としてチタン、および少なくとも1つの合金成分を含む合金を意味するよう意図している。
したがって、ブリストルは、純粋、すなわち合金ではないチタンからなり得る。例えば、ブリストルは:ASTM F67に従ったグレード1のチタン、グレード2のチタン、グレード3のチタン、グレード4のチタンおよびグレード5のチタンからなる群から選択されるチタンからなり得る。これらの種類のチタンは、時には「市販の純粋な」チタンとしても示される。
しかし、ブリストルの少なくとも一部は、好ましくは、チタン合金からなり、それによりチタン合金は、母材としてチタン、ならびに、ニッケル、ジルコニウム、タンタル、ハフニウム、ニオブ、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、クロム、コバルト、マグネシウム、鉄、金、銀、銅、水銀、スズおよび亜鉛からなる群から選択される少なくとも1つの合金成分を含む。
一実施形態に従って、ブリストルは、チタン合金からなることができ、それによりチタン合金は、母材としてチタン、ならびに合金成分としてアルミニウムおよびバナジウムを含む。そのようなチタン合金の好ましい一例は、チタン約94.5重量%、アルミニウム約3重量%およびバナジウム約2.5重量%を含む。
ブリストルは、様々な材料を含み得る、言い換えれば、個々のブリストルは、同一のブラシに様々な材料を含み得る。いくつかの実施形態において、ブリストルのすべてが、チタンまたはチタン合金からなるわけではない。例えば、いくらかのナイロンまたはポリマーブリストルも、ブラシに含まれ得る。しかし、好ましくはすべてのブリストルが、チタンまたはチタン合金からなる;より好ましくは、ブリストルのすべてが同一の材料、例えば上記のチタン合金の1つで形成される。
本発明における、ブラシとしての使用に適しているブラシは、WO2009/083281で開示されているツイストワイヤーブラシ(twisted−in−wire brush)であり、本明細書と共に参照される。本文脈において、WO2009/083281に開示されているツイストワイヤーブラシは、実験セクションで使用され、これは現在、TiBrush(登録商標)の商標で販売されている。
本発明における使用に適している別の種類のブラシは、固い、塑性的に変形可能な、または弾性的に変形可能な取っ手である第1の本体部材、ならびにベース部材および1つまたはいくつかのブリストルを含む少なくとも1つの洗浄部品である第2の本体部材を含み、これはループの形態、またはスパイクのカム(cam of spikes)であることがある。そのようなブラシにおけるブリストルのループは、基体部材に巻き付き、凹んだストリップにみえることがある。そのようなブラシの例は、WO2011/152789で開示されており、本明細書と共に参照される。
本明細書で開示されているブラシは、数多くのin vivoおよびin vitro医学的および歯科的用途で、回転振動する装置と組み合わされ得る。
本発明のブラシは、感染および/または骨吸収の後で、医療インプラントの表面を洗浄するために、手術中に用いられ得る。例えば、これは、歯科インプラントの表面を洗浄するために用いられ得る。あるいは、またはさらに、ブラシは、歯科用フィクスチャーの近辺から、埋め込みの前または後で、例えば細菌バイオフィルム、破片、歯石、繊維性組織、結石、微生物、望ましくない組織、細胞および細胞残留物、瘢痕組織および/または壊死組織を除去するために使用できる。ブラシは、支台歯の表面を洗浄するためにも用いられ得る。
回転振動するハンドピースと組み合わせた、上で定義したブラシは、医療インプラント、特に歯科および/またはCMFインプラントを洗浄するための利用に有利である。相対的に硬い表面を有する「硬」金属インプラント、例えば鋼鉄を含むまたはそれからなるインプラントと、傷つきやすい表面を有する「軟」インプラント、例えばチタン、チタン合金、ジルコニウムまたはジルコニウム合金の両方を洗浄するために利用することは有利である。さらに、ブラシも同様に、非金属インプラント、例えば、セラミックを含むまたはそれからなるものを洗浄するための使用に適している。
ブリストルが作製されるチタンまたはチタン合金は、その硬度が、洗浄されるインプラント表面の硬度に正確に、または少なくとも本質的に相当するように選択され得る。例えば、洗浄されるインプラントが、純粋なチタンからなる場合、純粋なチタンは、ブリストルの材料として選択され得る。あるいは、ブリストルの硬度は、インプラントが作製される材料、例えばジルコニウムまたはセラミックの硬度に最適なものを選択してよい。
方法
本発明は、歯周病に罹患した患者における、インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎およびインプラント周囲粘膜炎からなる群から選択される歯周病を処置する方法に関し、以下の工程:
a)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびに、その後
b)クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含む。
前記方法は、工程a)および/またはb)中、前および/または後に、前記微生物感染部位を、例えばチタンブリストルブラシを用いて、機械的にデブリードマンする工程をさらに含み得る。
したがって、前記洗浄および/または消毒および/またはデブリードマンする工程は、機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程をさらに含み、洗浄および/またはデブリードマン用具、例えば、適切なブラシが使用されるが、それに限定されない。
一実施形態において、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者において、歯周病を処置するための、本明細書で開示されている方法は、以下の工程:a)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびにb)その後、クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含み、場合により工程a)および/または工程b)は、洗浄および/または消毒剤の適用の前、後および/または共に、前記微生物感染部位を機械的にデブリードマンする工程をさらに含み得る。
一実施形態によれば、本明細書で開示されている前記方法は、工程a)および/または工程b)において、洗浄および/または消毒剤の適用の前、後および/または共に、チタンブリストルブラシを用いて、前記微生物感染部位を機械的にデブリードマンする工程をさらに含む。
さらに、本発明による方法では、工程a)中および/または前に前記方法は、歯もしくは歯科インプラント中および/または周囲の微生物感染部位を外科的に評価する工程をさらに含むことが想定され、典型的には洗浄および/または消毒および/またはデブリードマンする工程は、患者における微生物感染部位を外科的に開くことにより進められる。したがって、本明細書で開示されている処置する方法(用途)は、手術のプロセス、例えばフラップ手術を含むが、それに限定されない。
一実施形態において、工程a)後の前記方法は、歯もしくは歯科インプラント中および/または周囲の微生物感染部位をすすぐ工程をさらに含む。この部位のすすぎは、場合により上記の洗浄剤を適用する前、間、最中および/または後に行うことができる。
一実施形態において、前記方法は、インプラント周囲炎に罹患した患者における微生物感染部位を、1つまたはそれ以上の追加の洗浄剤を用いて洗浄および/または殺菌する追加の工程c)を含み、工程c)は、工程a)およびb)のいずれかの最中、前および/または後に行うことができる。
さらに、本明細書で定義されている方法は、インプラント周囲炎に罹患した患者における微生物感染部位を、少なくとも1つの追加の洗浄剤、またはすすぎ液を用いて、洗浄および/または消毒する追加の工程c)を含むことができる。工程c)は、工程a)および/またはb)の前、後および/または共に適用され得る。そのような方法は、再生処置用の表面を製造するために重要になり得る。
結果として、本発明の典型的な実施形態は、歯周病に罹患した患者における、インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎およびインプラント周囲粘膜炎からなる群から選択される歯周病を処置する方法であり、以下の工程:
a)歯もしくは歯科インプラント中および/または周囲の、微生物感染部位を外科的に評価する工程;
b)微生物感染部位を機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程;
c)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびに、その後
d)クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;を含み、
前記微生物感染部位は、場合により、工程a)、b)、c)およびd)の前および/または最中および/または後にすすぐ。
一実施形態において、前記方法は工程b)において、キュベット、ドリル、ブラシ、超音波装置およびスパチュラからなる群から選択される機械的洗浄および/またはデブリードマン用具を用いて、前記微生物感染部位を機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程を含む。好ましくは、前記方法は工程b)において、チタンブリストルブラシを用いて、前記微生物感染部位を機械的に洗浄および/またはデブリードマンする工程を含む。
あるいは、工程b)は、工程c)中に行われる。
本発明の方法は、0.01から6重量%まで、例えば0.1重量%の濃度を有するNaClO溶液、および0.01から2重量%まで、例えば0.2重量%の濃度を有するCHX溶液を使用する。
典型的には、本明細書で定義される方法に含まれるNaClO溶液は、0.01から3重量%まで、例えば0.1または1重量%の濃度を有し、CHX溶液は、0.01から2重量%まで、例えば0.2重量%の濃度を有する。
本発明の方法は、歯周病に罹患した患者における、微生物感染部位にて、歯肉縁下の病原体バイオフィルムを実質的に除去すること、ならびに/または、歯周病に罹患した患者における、微生物感染部位にて、歯肉縁下の病原体バイオフィルムの増殖および/もしくは再増殖を実質的に阻害することにより特徴づけられる。
本明細書で開示されている処置の方法は、歯肉縁上および/または下にて、歯および/またはインプラント表面に定着し、歯肉縁下および/または歯肉縁上のバイオフィルムに存在する微生物によって引き起こされる歯周病、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者において、以下の順序:まずNaClO溶液、およびその後CHX溶液で少なくとも2つの洗浄剤を用いた、微生物感染部位の洗浄および/または消毒および/またはデブリードマンする工程を含む。
本発明は、歯周病に罹患した患者における、微生物感染部位にて病原体バイオフィルムを持続可能に除去、破壊、停止および/または中断する方法に関し、一実施形態において、感染部位を外科的に評価し、機械的洗浄および/またはデブリードマン用具を用い、まず速やかな殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を適用し、ならびにその後、持続可能な殺菌効果(実質的な殺菌効果)を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を適用する工程を含む。
特に、方法は、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者における歯周病を処置するために最初に開示されており、以下の工程:a)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびにb)その後、クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含む。
さらに、方法は、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者における歯肉縁下の微生物感染症を処置するために開示されており、以下の工程:a)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびに、その後b)クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含む。
やはりさらに、方法は、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者における歯肉縁上の微生物感染症を処置するために開示され、以下の工程:a)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびにその後b)クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含む。
別の実施形態では、インプラント周囲炎(歯周病)に罹患した患者における、インプラント周囲炎(歯周病)を処置する方法が開示されており、前記方法は、以下の工程a)歯もしくは歯科インプラント中および/または周囲の微生物感染部位を外科的に評価する工程、b)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;c)クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含む。前記方法は、場合により、上記の洗浄および/または消毒剤の適用の前、間、最中および/または後に、微生物感染部位がすすがれ得ることを含む。さらに、前記方法は、工程a)および/または工程b)のさらに前および/または最中および/または後に、洗浄および/または消毒剤の適用の前、後および/または共に、例えばチタンブリストルブラシを用いて、前記微生物感染部位を機械的にデブリードマンする工程を含む。
さらに、in vitroの使用は、対象に再配置する前の歯科インプラント部材、例えば支台歯の洗浄を含むが、それらに限定されない。
本発明は、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者における、歯周病を処置する方法にも関し、これは、最初に本明細書で開示されており、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを長期間および/または恒久的に破壊、中断および/または除去することにより特徴づけられる。特に、前記方法は、歯肉縁下のバイオフィルムの有効かつ実質的な除去および/または中断および/または停止を促進する。やはり特に、前記方法は、前記バイオフィルムにおけるP.ジンジバリス(P.gingivalis)、T.フォルシチア(T.forsythia)および/またはT.デンティコラ(T.denticola)の停止に特に有効である。
キットオブパーツ
本発明の一実施形態において、キットオブパーツは、歯肉縁上および/または下にて、歯および/またはインプラント表面に定着し、歯肉縁下および/または歯肉縁上のバイオフィルムに存在する微生物によって引き起こされる歯周病、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎またはインプラント周囲粘膜炎を処置するために開示されている。
したがって本発明は、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを持続可能に除去、破壊、停止および/または中断するためのキットオブパーツにも関し、a)速やかな殺菌効果を有する、少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤、ならびにb)持続可能な殺菌効果(実質的な殺菌効果)を有する、少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を含む。作用剤a)およびb)は同一ではない。場合により、機械的洗浄および/またはデブリードマン装置が、前記キットオブパーツにさらに含まれる。場合によりやはり、説明、例えば書面による説明がキットに同様に含まれるが、それに限定されない。
特に、本明細書で開示されているキットオブパーツは、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを持続可能に除去、破壊、停止および/または中断するための、a)NaClO溶液、およびb)CHX溶液から選択される少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤、ならびにc)まずa)を適用し、その後b)を適用する既定の順序で、2つの洗浄剤を使用することについて記載する指示を含む。本明細書で定義されているキットオブパーツは、場合により、洗浄剤を適用する前および/または間および/または後に、微生物感染部位をすすぐために使用される、1つまたはそれ以上のすすぎおよび/または洗浄剤を含む。さらに、本明細書で開示されているキットオブパーツは、場合により、洗浄および/またはデブリードマン用具、例えば適切なブラシも含み得る。
本明細書で定義されているキットオブパーツは、チタンブリストルブラシを含むことがあり、溶液a)および/またはb)の前、または共に使用できる。
さらに、本明細書で定義されているキットオブパーツは、溶液a)および/またはb)の後で投与される少なくとも1つまたはそれ以上の洗浄および/またはすすぎ剤も含み得る。洗浄および/またはすすぎ剤は、NaClおよびHOからなる)群から選択され得る。
一実施形態において、本明細書で定義されているキットオブパーツは、指示を含み、これは書面による指示であってよいが、それらに限定されず、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液が、クロルヘキシジン(CHX)溶液の前に投与されるように、患者の微生物感染部位へ連続投与することについて記載する。
本明細書で開示されているキットオブパーツに含まれるNaClO溶液は、0.01から3重量%まで、例えば0.1または1重量%の濃度、およびCHX溶液は0.01から2重量%まで、例えば0.2重量%の濃度を有する。
本明細書で定義されているキットオブパーツは、場合により、機械的洗浄および/またはデブリードマン用具、例えば、医療インプラントを洗浄および/またはデブリードマンするように設計したブラシを含む。この用具は、必要と考えられる場合、硬と軟組織の両方を洗浄および/またはデブリードマンするために、歯科医または外科医に使用される。
本明細書に記載されているキットオブパーツは、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを持続可能に除去および/または破壊および/または中断することに適しており、これは、感染部位を外科的に評価すること、ならびに機械的洗浄および/またはデブリードマン用具を用いること、ならびにまず速やかな殺菌効果を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を適用し、ならびにその後、持続可能な殺菌効果(実質的な殺菌効果)を有する少なくとも1つの洗浄および/または消毒剤を適用することを含む。
本明細書で定義されているキットオブパーツは、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者における歯肉縁下および/または歯肉縁上の微生物感染症を処置するために使用でき、この使用は、以下の工程:a)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程;ならびにその後b)クロルヘキシジン(CHX)溶液を用いて、微生物感染部位を洗浄および/または消毒する工程を含む。
本明細書において開示したキットオブパーツは、再生処置用の表面の製造に使用できる。
さらに、キットオブパーツは、対象における再配置の前に、歯科インプラントの部材、例えば支台歯の洗浄を含むが、それらに限定されないin vitro用途に使用できる。
さらに、本明細書で開示されているキットオブパーツは、例えばインプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎および/またはインプラント周囲粘膜炎に罹患した患者における歯周病を処置する方法に使用でき、この方法は、歯周病に罹患した患者における微生物感染部位にて、病原体バイオフィルムを長期間および/または恒久的に破壊、中断および/または除去することにより特徴づけられる。したがって、前記キットオブパーツは、歯肉縁下のバイオフィルムの有効かつ実質的な除去および/または中断および/または停止を促進する。やはり特に、前記方法は、前記バイオフィルムにおけるP.ジンジバリス、B.フォルシサイムス(B.forsythymus)および/またはT.デンティコラの停止に特に有効である。
本明細書で定義されているキットオブパーツに含まれ得るブラシは、WO2009/083281で開示されているツイストワイヤーブラシであり、本明細書と共に参照される。
本明細書で定義されているキットオブパーツに含まれ得る別の種類のブラシは、固い、塑性的に変形可能な、または弾性的に変形可能な取っ手である第1の本体部材、ならびにベース部材および1つまたはいくつかのブリストルを含む少なくとも1つの洗浄部品である第2の本体部材を含み、これはループの形態、またはスパイクのカムであることがある。そのようなブラシにおけるブリストルのループは、基体部材に巻き付き、凹んだストリップにみえることがある。そのようなブラシの例は、WO2011/152789で開示されており、本明細書と共に参照される。
一実施形態において、本明細書で開示されているキットオブパーツは、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液を含む容器、クロルヘキシジン(CHX)溶液を含む容器;ならびにそれらを必要とする患者における微生物感染部位に、容器a)の含有物をまず投与し、およびその後容器b)の含有物を投与する、既定の順序で容器の含有物を投与する工程を記載する使用の指示を含むパッケージとして提供される。
本発明によれば、そのようなパッケージは、シリンジ、スポンジ、包帯およびゲルからなる群から選択される少なくとも1つの容器を含む。
他の実施形態
本発明が、その詳細な説明と共に記載されている一方で、先述の説明は、例示することを意図しており、本発明の範囲は限定されず、添付の特許請求の範囲により定義されることは理解されるべきである。他の態様、利点、および修飾は、以下の特許請求の範囲内である。
実験セクション
本発明は、以下の非限定的な実験によりさらに例示される。
実験1
70/30歯肉縁上バイオフィルムモデルで試験した様々な抗菌溶液を用いた、バイオフィルム除染の評価
この実験に使用されるバイオフィルムモデルの詳細な説明に関しては、例えばGuggenheimら、2004年、2001年a;およびShapiroら、2002年、およびGuggenheimら、2009年を参照されたい。
菌株:
OMZ918、ミュータンス菌
OMZ493、ベイロネラディスパール(Veilonella dispar)
OMZ598、フゾバクテリウムヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)
OMZ607、ストレプトコッカスオラリス(Streptococcus oralis)
OMZ745、アクチノマイセスオリス(Actinomyces oris)
OMZ110、カンジダアルビカンス
試験溶液
結果:
図7でみられるように、生理食塩水対照と比較して、クロルヘキシジン(CHX)および過酸化水素(H)は、速やかな除染効果をごくわずかに有していた。対照的に、バイオフィルムを次亜塩素酸ナトリウムに曝露した直後の効果は、きわめて印象的であった。24時間後における微生物の回復により、明らかに異なる画像が示された。Hは、継続するバイオフィルムの阻害作用を有していなかった、またはほとんど有していなかった。CHXは、強力な継続効果を依然として有していた。
要約:
本バイオフィルム試験は、以下のように要約できる。試験したすべての作用剤は、適用直後に様々な強力な除染効果を有していたが、24時間後に継続した効果のみが、日常的な習慣におけるそのような使用がどのくらい有益になるかについて情報を示す。これらの根拠の下で、CHXのみが継続効果を有していたが、他のいずれの作用剤も、もはやインプラント周囲炎の処置に使用するために有望な作用剤と考えるべきではない。
実験2
70/30歯肉縁上バイオフィルムモデルで試験した様々な抗菌溶液を用いた、バイオフィルム除染の評価
この実験に使用されるバイオフィルムモデルの詳細な説明に関しては、例えばGuggenheimら、2004年、2001年a;およびShapiroら、2002年、およびGuggenheimら、2009年を参照されたい。
菌株:
OMZ918、ミュータンス菌
OMZ493、ベイロネラディスパール
OMZ598、フゾバクテリウムヌクレアタム
OMZ607、ストレプトコッカスオラリス
OMZ745、アクチノマイセスオリス
OMZ110、カンジダアルビカンス
試験溶液
結果:
図8にみられるように、この実験の結果から、バイオフィルム試験の良好な再現性が示された。以前のバイオフィルム試験(実験1)で既に適用された試験溶液に関しては、結果はきわめて明快であったが、両方の実験における最初の接種密度を比較すると、この試験も明白である。
したがって、以前の得られた結果すべてが、本実験により確認された。0.2%CHX溶液は、速効性は低かったが、24時間後に、CHXの長期にわたる公知の持続性により、ほぼ6log刻みでバイオフィルムの微生物叢が減少した。より濃度が高い1.0%CHX溶液が、24時間後のバイオフィルムの微生物叢を全体的に根絶する、さらに優れた効能をいずれの時点で有していても驚くにはあたらない。
いずれの濃度の過酸化水素溶液も、適用直後および24時間後の除染作用は弱く、微生物叢は、対照のレベルに再び達した。試験したすべての濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液は、検出レベルを下回るまでにバイオフィルムの微生物叢を低下させる、きわめて急速な効果を有していた。しかし、24時間後、0.1および1.0%濃度で処置した細菌は一部回復していた。24時間後における1.0%濃度が、0.1%製剤よりも有効ではなかったという観察は、後の3連のアウトライアーにより説明できる結果である。対照的に、3.0%次亜塩素酸ナトリウム溶液は、きわめて良好な殺菌剤であることを示し、両方の時点で、ディスクに検出可能な微生物を全く残さなかった。
要約:
最終的に、およそ3.0%次亜塩素酸ナトリウムおよび1.0%CHX中にインプラント表面を除染する生成物を有することは、これまで試験した化合物の中では最適な選択であるように思われる。
実験3
歯肉縁下のバイオフィルムモデルで試験した様々な抗菌剤溶液を用いた、歯肉縁下のバイオフィルム除染の評価
この実験に使用されるバイオフィルムモデルの詳細な説明に関しては、例えばGuggenheimら、2004年、2001年a;およびShapiroら、2002年、およびGuggenheimら、2009年を参照されたい。
菌株:
OMZ278、プレボテラインターメディア
OMZ493、ベイロネラディスパール
OMZ598、フゾバクテリウムヌクレアタム
OMZ607、ストレプトコッカスオラリス
OMZ661、トレポネーマデンティコラ
OMZ698、カンピロバクターレクタス
OMZ745、アクチノマイセスオリス
OMZ871、ストレプトコッカスアンギノスス
OMZ925、ポルフィロモナスジンジバリス
OMZ1047、タネレラフォーサイシア(Tannerella forsythia)
試験溶液:
結果:
本バイオフィルム実験の目的は、歯周炎およびインプラント炎(implantitis)に関連する歯肉縁下の微生物叢において、様々な抗菌剤溶液の効能を評価することであった。チタンディスク上で増殖したバイオフィルムに、試験溶液を1分間にわたり曝露させた直後および24時間後の抗菌剤効果を評価した。合計コロニー形成単位の量を評価し、図9〜13においてみられるバイオフィルム集団の個々のメンバーに対する効果も評価した。
合計CFUに対する様々な試験溶液の効果がプロットされている図13の要旨から、結果を最も簡単に入手できる。すべて着色された棒は、抗菌剤溶液への1分間にわたる曝露後の速やかな効果;斜線の棒は、24時間後の持続した効果を反映する。曝露直後に、様々な程度での生理食塩水対照と比較して、0.2%CHXを例外として、すべての試験溶液が、バイオフィルムにおける微生物叢を減少させたことは明白である。1%CHXおよび3%Hは限定的な効果しか有していなかったが、いずれの濃度のNaClOも微生物叢をほぼ検出限界近くまたは検出限界まで減少させた。
しかし、24時間後、試験した抗菌剤溶液には、合計CFUに強力に持続した効果を有するものはなかった。
CHX1%およびNaClO1%は、微生物叢を3log刻み未満に抑制した。他の試験溶液はいずれもバイオフィルムの再増殖を阻害できず、生理食塩水対照群のレベルにほとんど達した。1分のみの適用は、臨床応用に関連し得るバイオフィルムの微生物叢を減少させるには十分ではないとの結論が得られる。
個々の菌株に関して、培養できないタネレラフォーサイシアおよびトレポネーマデンティコラを例外として、他のすべての菌種は、バイオフィルムにおいて定着できたことが、生理食塩水対照により示される(図12)。生理食塩水を用いた11分の処置の後、24時間以内にすべての菌種の数が増加した。合計CFUに対する上記パターンに従って、1%CHXおよび3%Hは、限定的な効果しか有さなかった;いずれの濃度のNaClOも、すべての菌種をほぼ検出限界近くまたは検出限界まで減少させた(図9、10および11)。CHX1%および両方の濃度のNaClOで処置したP.インターメディアおよびP.ジンジバリスを例外として、すべての菌種は、その後の24時間で再増殖でき、臨床的に重要になり得る持続した効果を示さなかった。試験期間が24時間を超えて延びた場合、潜在的に病原性のP.インターメディアおよびP.ジンジバリスがそのまま根
絶されるか否かは疑問の余地がある。
要約:
したがって、歯肉縁下の微生物叢において継続する効果は、処置持続時間が実質的に延長および/または短い間隔で繰り返される場合にのみ達成できることが結論づけられる。
実験4
歯肉縁下のバイオフィルムモデルで試験した様々な抗菌剤溶液を用いた、歯肉縁下のバイオフィルム除染の評価 この実験に使用されるバイオフィルムモデルの詳細な説明に関しては、例えばGuggenheimら、2004年、2001年a;およびShapiroら、2002年、およびGuggenheimら、2009年を参照されたい。
菌株:
OMZ278、プレボテラインターメディア
OMZ493、ベイロネラディスパール
OMZ598、フゾバクテリウムヌクレアタム
OMZ607、ストレプトコッカスオラリス
OMZ661、トレポネーマデンティコラ
OMZ698、カンピロバクターレクタス
OMZ745、アクチノマイセスオリス
OMZ871、ストレプトコッカスアンギノスス
OMZ925、ポルフィロモナスジンジバリス
OMZ1047、タネレラフォーサイシア
試験溶液
結果:
歯肉縁下のバイオフィルム実験は、特にタイミングに関して、試験設計のきびしい要件のため、各4回の処置を含む2部に分割される8回の処置を含んでいた。2回の実験の結果を比較できるようにするために、両方の実験でNaCl対照を繰り返した。
両方の実験の結果に関する要旨は、図16で示されている。2回の実験における対照の平均値は、1log刻み内で変動し、2回の実験ですべての処置を直接比較できる。生理食塩水を用いてすすいだ直後に、チタンディスクには4.5E7 CFUが定着し、24時間後、3.4E8 CFUにわずかに増加した。対照との比較において、抗菌剤処置を伴わずにTIブラシだけでは、ブラッシング直後には、細菌の数が減少した=2log刻み。24時間後の再増殖=1.5log刻みを観察した。さらに0.2%CHXを適用した場合、速やかな効果はわずかであり24時間後の再増殖=1log刻みを観察した。0.1%NaClO溶液と組み合わせたブラッシングのきわめて急速な効果は明白であった。ここで、バイオフィルムの微生物叢は検出限界まで減少したが、24時間後に増加した=3log刻み。すすぎ液におけるNaClO溶液濃度を1%に上昇させると、再増殖をさらに減少させたが、大きく変動した(図14を参照されたい)。
TiBrushのブラッシング(TI brushing)、および1%NaClO溶液を用いたすすぎと続く0.2%CHXのすすぎ液の組合せにより、最適かつ印象的な結果を得た。ここでは、処置の直後に、および24時間後にもバイオフィルム微生物叢が減少し検出限界を下回った(図15を参照されたい)。
要約:
これらの処置の効果を単一菌種で分析すると、コメントされるべきことが多く生じ得る。コメントは、本質的なものに限定する。接種物に存在する培養可能なすべての菌種は、生理食塩水ですすいだ直後および24時間後に、対照のバイオフィルムの微生物叢において検出された。すべての菌種は、この時間中に増加した。しかし、P.ジンジバリスの定着密度は低かった。T.デンティコラがさらに顕微鏡的に検出され得た。
TiBrushのブラッシングのみに続く生理食塩水のすすぎ液では、すべての菌種の数、およびその後24時間中に増加したすべての菌種の数についても、効果は明らかに速やかに減少していた。TiBrushのブラッシングに続く0.2%CHX曝露は、速やかな効果をわずかに有した。24時間後、CHXの特徴的な持続した作用は、菌種特異的な様式であったが、すべての菌種に対して明白であった。最も感受性があるのはグラム陰性嫌気性菌であった。
TiBrushのブラッシングに続く1重量%のNaClO溶液への曝露は、すべての菌種に対して劇的な速効性を有しており、検出限界を下回ってCFUを根絶した。また、P.インターメディアおよびP.ジンジバリスを例外として、すべての菌種で24時間後に生存率が顕著であったこと、ならびに生存した菌種のうちで変化が顕著であったことが特徴的であった。
Tibrushを使用した後に、NaClO溶液濃度を0.1重量%へ低下させることは、1.0重量%溶液を用いるのと類似した結果を示した。これらの濃度は、2回に分けたバイオフィルム実験で試験したことから、濃度の効果が欠けている可能性がきわめて高い。
既に言及されているように、TiBrushを使用した後に続いて、順番に1重量%のNaClO溶液および0.2重量%のCHX溶液へ曝露すると、すべての細菌を直ちにまたは24時間後にも、根絶する素晴らしい結果がもたらされた。(図6を参照されたい)。
P.インターメディアおよびP.ジンジバリスの根絶は、これらの菌種が、他の菌種との比較において、より少ない数でこれらのバイオフィルムに定着することにより説明できることが加えられ得る。これらの実験において試験したすべての処置の結果を俯瞰する際には、これも留意しなければならない。
実験5
歯肉縁下のバイオフィルムモデルで試験した様々な抗菌剤溶液を用いた、歯肉縁下のバイオフィルム除染の評価
この実験に使用されるバイオフィルムモデルの詳細な説明に関しては、例えばGuggenheimら、2004年、2001年a;およびShapiroら、2002年、およびGuggenheimら、2009年を参照されたい。
菌株:
OMZ278、プレボテラインターメディア
OMZ493、ベイロネラディスパール
OMZ598、フゾバクテリウムヌクレアタム
OMZ607、ストレプトコッカスオラリス
OMZ661、トレポネーマデンティコラ
OMZ698、カンピロバクターレクタス
OMZ745、アクチノマイセスオリス
OMZ871、ストレプトコッカスアンギノスス
OMZ925、ポルフィロモナスジンジバリス
OMZ1047、タネレラフォーサイシア
試験溶液:
結果:
ここで提示されている2回のバイオフィルム実験は、実験4で報告されているバイオフィルムのトライアルが維持(処置の順序、新たな抗菌剤および濃度の変化についてわずかな変化を一部含む)された。やはり、いくつかの処置を含み、特にタイミングに関して試験設計の必要性が求められるため、2部に分割しなければならなかった。2回の実験の結果を比較できるようにするために、NaCl対照は、いずれの実験でも繰り返されなければならなかった。
両方の実験の結果に関する要旨は、図16に示されている。実験4のように、生理食塩水対照(0および24時間)は1log刻み以内で変動し、すべての処置(データ2.0)を直接比較できる。チタンディスクに、生理食塩水を用いてすすいだ直後に2.1E8
CFUを定着させ、24時間後、3.9E8 CFUにわずかに増加させた。TiBrush(登録商標)および0.2重量%CHX溶液の組合せにより、処置の直後に、微生物の定着が4log刻みで減少したが、24時間後の再増殖は実験4と同様に明白であった(図5を参照されたい)。
TiBrush(登録商標)+NaClO溶液0.1%の使用は、きわめて良好な、速やかな効果を有していたが、24時間後の再増殖はやはり顕著であった。(図17を参照されたい)。
やはり、TiBrushのブラッシング、および0.1重量%NaClO溶液を用いたすすぎ、その後0.2重量%CHX溶液を用いたすすぎ液の組合せにより、印象的な結果が得られた。ここでは、処置直後、また24時間後にも、検出限界を下回ってバイオフィルムの微生物叢を減少させた(図18を参照されたい)。
要約:
接種物に存在するすべての培養可能な菌種を、速やかに、ならびに生理食塩水によりすすいだ後および24時間後に、対照のバイオフィルムの微生物叢において検出した。P.ジンジバリスの定着密度は低かったが、T.デンティコラが顕微鏡的にさらに検出できた。
グラム陰性嫌気性菌(P.インターメディア、P.ジンジバリスおよびフゾバクテリウムヌクレアタム)は、この実験に使用されるすべての抗菌剤にきわめて感受性があった。タネレラフォーサイシアおよびトレポネーマデンティコラは、培養技術では評価できなかった。他のすべての通性嫌気性菌は、NaClO溶液+CHX溶液を例外として、この実験に使用される抗菌剤に対して耐性の増強を示した。
実験6
歯肉縁下のバイオフィルムモデルで試験した様々な抗菌剤溶液を用いた、除染後の歯肉縁下のバイオフィルム再増殖の評価
この実験に使用されるバイオフィルムモデルの詳細な説明に関しては、例えばGuggenheimら、2004年、2001年a;およびShapiroら、2002年、およびGuggenheimら、2009年を参照されたい。
菌株
OMZ278、プレボテラインターメディア
OMZ493、ベイロネラディスパール
OMZ598、フゾバクテリウムヌクレアタム
OMZ607、ストレプトコッカスオラリス
OMZ661、トレポネーマデンティコラ
OMZ698、カンピロバクターレクタス
OMZ745、アクチノマイセスオリス
OMZ871、ストレプトコッカスアンギノスス
OMZ925、ポルフィロモナスジンジバリス
OMZ1047、タネレラフォーサイシア
処置:
結果:
このバイオフィルム試験の結果は、最も印象的であった。たとえ処置後72時間でも、それぞれの生理食塩水対照と比較した場合、バイオフィルムの微生物叢(合計CFU)の減少は依然として非常に著しかった。それどころか、0.1重量%NaClO溶液の値が処置を含む0.2重量%NaClO溶液より低いことを示す72時間の再増殖の知見は、予想外であり、説明することは難しい(図20および21)。
最も重要なことには、本知見は、単一菌種におけるこれらの処置の選択的効果について開示する(図19、20および21)。炎症およびインプラント周囲炎(F.ヌクレアタム、P.インターメディア、およびP.ジンジバリス)に密接に関連する、推定病原体のグラム陰性嫌気性細菌は、72時間の再増殖期間後に検出レベルを下回ったままであった。炎症にさほど密接に関連しないカンピロバクターレクタスという微好気性菌種も、48時間後に完全に抑制され、72時間後にバイオフィルムにおいて著しく減少した。歯周炎およびインプラント周囲炎に関連しないグラム陽性種、ならびにV.ディスパールは、処置依存的な様式でわずか72時間後に再増殖することができた。これらの菌種は、炎症にわずかにしか関連しない、または健康に関連する微生物叢の一部とさえみなされている。
実験7
試験の目的は、ヒトバイオフィルムに対する、機械的なデブリードマン(TiBrush(登録商標))と洗浄剤(CHX、NaClO)を用いた除染を組み合わせた、いくつかの新たな処置プロトコールについて、効率および有効性を評価することであった。3つの活性からなる試験を下に記載した。
ヒトin−vivo副子モデルにおいて、TiBrush(登録商標)および洗浄剤を用いてStraumann SLA(登録商標)ディスクを処置した後の、洗浄インプラント表面(CIS)に関するデータの比較を図6に示す。
材料および方法:
試験サンプルおよび試験群
口内副子を使用して、48時間後にφ15mmのチタンサンドブラストラージグリットおよび酸エッチングした(SLA(登録商標))ディスクにおける、in vivo 歯肉縁上プラークバイオフィルムを採集した。被験者および試験実行ごとに、同一の種類のディスク4枚が口内副子に適用された。ディスクは、患者から採取した後で後続の処置方法に対して公平かつ無作為に割り付けた。
試験母集団
健常被験者は試験に含まれた。包含するために必要な基準は:(1)直近6ヶ月中に抗生物質を全身使用していない、(2)良好なレベルの口腔衛生(Pl<25%Bl<25%)、(3)破壊性歯周炎、または軟組織を取り巻くいかなる炎症の症状の兆候もない、および(4)非喫煙者であった。調査の前に、対象は専門的な歯の洗浄を受けた。被験者には、上顎にディスク(φ15mm、1mm厚)4枚を有するオープンアクリル製装具(open acrylic appliances)を与えて、歯肉縁上プラークバイオフィルムを採集した。口蓋に向かって1〜2mmの距離にて、粘着性のあるワックスと共に、試験片をくぼみに挿入して、栄養に富んだ水性環境を用意した。定義した持続時間にわたり、被験者に副子を装着させた。対象に、通常の食事を維持させ、食事中、ならびに、推奨された歯みがき粉(Natriumfluoridを含有する)のみを用いた1日2回(朝晩)の日常的な機械的歯みがき、続いて水道水を用いた完全なすすぎ(マウスリンスは使用されない)中を除いて、全実験期間を通じて副子を口内にて保持させた。口腔から除去する最中、食事および歯洗浄の目的で、副子を水に収納した。
連続洗浄手順
使用されるディスクは15mmディスクであった。実験は室温で実行した。対象からディスクを除去してから処置を始めるまでの時間、ならびに処置手順における最後の工程からその後のバイオフィルム分析の間の時間は統一され、できるだけ短く保持された。
組織形態計測学的分析(Histomorphometrical analysis)
バイオフィルムの形成後、すべてのサンプルを同一手段で処置した。プラーク採取期間(48時間)の直後に、口腔から副子を除去し、副子から試験片を抽出し、水を用いて静かにすすぎ、エリトロシン(Erythrosine B、Certistain(登録商標)、Merck KGaA、Darmstadt、Germany)を用いて40サンプルを染色した。立体顕微鏡(SZ61、Olympus Europa Holding GmbH、Hamburg、Germany)およびデジタルカメラ(ColorViewIII、Olympus Holding GmbH、Hamburg、Germany)を使用することにより、これらのサンプルを8倍の倍率で撮影した。サンプルの表面を分析するために、専門的な撮像およびドキュメンテーションソフトウェア(Cell D、Olympus Europa GmbH、Hamburg、Germany)を使用した。サンプル表面の正方形領域に無作為に配置することにより、サンプルごとに10回の測定を行った。このようにして、初期プラーク表面(IPS)を測定した。異なる洗浄手順を実行した後で、次に、残留プラーク領域(RPA)を評価するための上で言及した工程に従って、組織形態計測学的分析を行った。
以下に示されている濃度でのTiBrush(登録商標)+NaClO+CHXの使用は、TiBrush(登録商標)のみまたはTiBrush(登録商標)+0.2%CHXを使用することにより得られたものよりも、バイオフィルムの除去を著しく高率にした。TiBrush(登録商標)+0.1%NaOCl+0.2%CHXおよびTiBrush(登録商標)+1%NaOCl+0.2%CHXの連続処置、ならびにTiBrush(登録商標)および0.1%NaOCl、その後0.2%CHXを組み合わせた適用による処置は、図6にみられるように、ほぼ完全に洗浄した表面を示した。
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Claims (16)

  1. a)0.01〜1重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液;
    b)0.01〜1重量%のクロルヘキシジン(CHX)溶液、および
    c)次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液が、クロルヘキシジン(CHX)溶液の前に投与されるように、患者における微生物感染部位へ連続投与するための指示
    を含む、インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎およびインプラント周囲粘膜炎からなる群から選択される歯周病を処置するためのキットオブパーツ。
  2. NaClO溶液は0.1重量%の濃度を有し、CHX溶液は0.2重量%の濃度を有する、請求項1に記載のキットオブパーツ。
  3. 次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液の前に、および/または共に使用される機械的洗浄および/またはデブリードマン用具をさらに含む、請求項1または2に記載のキットオブパーツ。
  4. 前記機械的洗浄および/またはデブリードマン用具は、キュベット、ドリル、ブラシ、超音波装置およびスパチュラからなる群から選択される、請求項3に記載のキットオブパーツ。
  5. 前記機械的洗浄および/またはデブリードマン用具は、チタンブリストルブラシである、請求項4に記載のキットオブパーツ。
  6. 次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液および/またはクロルヘキシジン(CHX)溶液の前、後および/または共に投与される、少なくとも1つのさらなる洗浄および/または消毒剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキットオブパーツ。
  7. 次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液とクロルヘキシジン(CHX)溶液との間で投与される、少なくとも1つのさらなるすすぎ液剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のキットオブパーツ。
  8. 指示は、書面による指示である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキットオブパーツ。
  9. インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎およびインプラント周囲粘膜炎からなる群から選択される、歯周病を処置するためのキットオブパーツを製造するための少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤の使用であって、前記洗浄および/または消毒剤の2つは
    a)0.01から1重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液、および
    b)0.01から1重量%のクロルヘキシジン(CHX)溶液
    から選択され、微生物感染部位を処置するために、前記キットオブパーツは、まず作用剤a)を使用し、その後作用剤b)を使用する、既定の順序で上の2つの溶液を使用することについて記載する指示も含む、前記使用。
  10. 前記キットは、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液および/またはクロルヘキシジン(CHX)溶液の前および/または共に使用される機械的洗浄および/またはデブリードマン用具をさらに含む、請求項9に記載のキットオブパーツを製造するための少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤の使用。
  11. 前記機械的洗浄および/またはデブリードマン用具は、キュベット、ドリル、ブラシ、超音波装置およびスパチュラからなる群から選択される、請求項10に記載のキットオブパーツを製造するための少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤の使用。
  12. 前記機械的洗浄および/またはデブリードマン用具は、チタンブリストルブラシである、請求項10に記載のキットオブパーツを製造するための少なくとも2つの洗浄および/または消毒剤の使用。
  13. 前記キットオブパーツは、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液とクロルヘキシジン(CHX)溶液の間に適用される1つまたはそれ以上のすすぎ液を含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載の使用。
  14. NaClO溶液は0.1重量%の濃度を有し、CHX溶液は0.2重量%の濃度を有する、請求項9〜13のいずれか1項に記載の使用。
  15. 歯周病に罹患した患者における、インプラント周囲炎、歯肉炎、歯周炎およびインプラント周囲粘膜炎からなる群から選択される、歯周病を処置するための連続放出製剤であって:
    a)0.01から1重量%の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)溶液および
    b)0.01から1重量%のクロルヘキシジン(CHX)溶液
    から選択される少なくとも2つの洗浄剤を含み、前記作用剤は、まずa)、およびその後b)の既定の順序で放出される、前記製剤。
  16. NaClO溶液は0.1重量%の濃度を有し、CHX溶液は0.2重量%の濃度を有する、請求項15に記載の製剤。
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