JP2005515252A6 - 細胞増殖を調節する化合物 - Google Patents

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Abstract

種々の細胞増殖疾患を処置するのに有用であり得る下記式(I)および(III)の化合物を開示する:式(I)、(II)、式中、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;R4は、非置換Ar、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されたArであり;Xは、(CH2CH2O)nおよび(CH2)nから選択され;かつnは1〜4である。

Description

発明の分野
本発明は、多種多様な細胞増殖疾患を処置するための化合物およびその使用に関する。
発明の背景
チロシンキナーゼ阻害剤として作用する多くの小分子が同定されている。例えば、一部の化合物は、細胞増殖を阻害するのに有効であるチロシンキナーゼ阻害剤として記載されている(例えば、米国特許第5,891,917号、米国特許第5,217,999号、米国特許第5,773,476号、米国特許第5,935,993号、米国特許第5,656,655号、米国特許第5,677,329号、米国特許第5,789,427号、および国際公開公報第01/79158号を参照されたい)。しかし、例えば、正常細胞の増殖よりも癌細胞の増殖を優先的に阻害するために、1つ以上のこのようなキナーゼを選択的に標的化する化合物が依然として必要である。
発明の要約
異常な細胞増殖を調節、例えば、癌細胞増殖を阻害するために使用し得、好ましくは正常細胞の増殖に悪影響を及ぼさない化合物を提供する。
従って、本発明は、下記式Iの化合物、ならびに、その塩、溶媒和物、および水和物を含む:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、非置換Ar、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されたArであり;
Xは、(CH2CH2O)nおよび(CH2)nから選択され;かつ
nは1〜4である。
ある態様において、Xは(CH2)nである。
本発明はまた、下記式IIの化合物、ならびに、その塩、溶媒和物、および水和物を提供する:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、C1〜6アルキルであり;かつ
nは1〜4である。
さらに、本発明は、下記式IIIの化合物、ならびに、その塩、溶媒和物、および水和物を含む:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されており、ただし、R1およびR3が両方共にHであり、R4が非置換フェニルである場合、R2はH、Cl、またはOCH3ではなく;R1およびR2が両方共にHであり、R4が非置換フェニルである場合、R3はNO2ではなく;ならびにR1およびR2が両方共にHであり、R4がCH3である場合、R2はN(CH3)2ではない。
本発明のさらなる局面によると、細胞増殖を処置するための組成物および方法に使用するための、下記式IVの化合物、ならびに、その塩、溶媒和物、および水和物が提供される:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されている。
本発明の別の局面によると、本明細書に示した化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む薬学的組成物が提供される。
本発明のさらなる局面によると、有効量の本明細書に示した化合物を、それを必要とする細胞または動物に投与するステップを含む、細胞増殖を調節、好ましくは細胞増殖を阻害する方法が提供される。本発明はまた、例えば癌細胞において、細胞増殖を調節、好ましくは細胞増殖を阻害するための、本明細書に示した化合物の使用を含む。本発明はさらに、細胞増殖を調節、好ましくは細胞増殖を阻害するための薬品を調製するための、本明細書に示した化合物の使用を提供する。
別の局面において、本発明は、有効量の本明細書に示した化合物を投与することにより、細胞におけるチロシンキナーゼ活性を調節する方法を提供する。さらなる局面において、本発明は、有効量の本明細書に示した化合物を投与することにより、細胞におけるチロシンキナーゼ活性を阻害する方法を提供する。本発明はまた、チロシンキナーゼ活性を調節、好ましくは阻害するための、本明細書に示した化合物の使用を提供する。本発明はさらに、チロシンキナーゼ活性を調節、好ましくはチロシンキナーゼ活性を阻害するための薬品を調製するための、本明細書に示した化合物の使用を提供する。本明細書の化合物による細胞増殖の調節は、他の機序により行なわれ得、チロシンキナーゼ調節はただ1つの機序であり得ると理解される。従って、本明細書に記載の化合物は、その効力に寄与する実際の機序に関係なく、本明細書に示した組成物および方法に有用である。
本発明の他の特徴および利点は、下記の詳細な説明から明らかとなろう。しかし、詳細な説明および具体例は、本発明の好ましい態様を示しているが、単なる説明のために示されていることを理解すべきである。なぜなら、本発明の精神および範囲内の種々の変更および改変が、この詳細な説明から当業者には明らかになろうからである。
好ましい態様の詳細な説明
I.定義
本明細書に使用したような「C1〜6アルキル」なる用語は、特記しない限り、1〜6の炭素原子を含む直鎖および/または分岐鎖アルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t-ブチルなどを含む。
本明細書に使用したような「C1〜6アルコキシ」なる用語は、特記しない限り、1〜6の炭素原子を含む直鎖および/または分岐鎖アルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t-ブトキシなどを含む。
本明細書に使用したような「C1〜4アルキル」なる用語は、特記しない限り、1〜4の炭素原子を含む直鎖および/または分岐鎖アルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t-ブチルなどを含む。
本明細書に使用したような「C1〜4アルコキシ」なる用語は、特記しない限り、1〜4の炭素原子を含む直鎖および/または分岐鎖アルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t-ブトキシなどを含む。
本明細書に使用したような「ハロ」なる用語はハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨードなどを含む。
「薬学的に許容される塩」なる用語は、患者の処置に適したまたは適合性である、酸付加塩を意味する。
本明細書に使用したような「本明細書に示した化合物(群)」なる用語は、本明細書に定義したような式I、II、III、およびIVの任意の化合物(全ての塩、溶媒和物、または水和物を含む)、ならびに、本明細書に指定した任意の特定の化合物、例えば、CRIX-38、CRIX-39、CRIV-42、CRIV-46、CRVIII-33、CRVIII-34、CRVIII-35、CRVIII-50、CRVIII-51、CRVIII-52、CRVIII-53、およびCRIX-79(全ての塩、溶媒和物、または水和物を含む)を含む。
本明細書に使用したような「薬学的に許容される酸付加塩」なる用語は、式I〜IVにより示される任意の塩基化合物の任意の無毒性有機もしくは無機塩、またはその中間体を意味する。適切な塩を形成する例示的無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸、ならびに、金属塩、例えば、オルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムを含む。適切な塩を形成する例示的有機酸は、モノ−、ジ−、およびトリカルボン酸、例えば、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、およびサリチル酸、ならびに、スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸を含む。一または二酸塩を形成でき、このような塩は、水和、溶媒和、または実質的に無水の形態で存在し得る。一般に、本明細書に示した化合物の酸付加塩は、水および種々の親水性有機溶媒により溶けやすく、一般に、その遊離塩基形態に比べてより高い沸点を示す。適切な塩の選択は、当業者には既知である。他の非薬学的に許容される塩、例えばシュウ酸塩を、例えば、実験室で使用するための、または、薬学的に許容される酸付加塩へのその後の変換のための、式I〜IVの化合物の単離の際に使用することができる。
本明細書に使用したような「溶媒和物」なる用語は、式I〜IVの化合物、または、式I〜IVの化合物の薬学的に許容される塩を意味し、ここで、適切な溶媒の分子は結晶格子で取り込まれている。適切な溶媒は、投与した用量で生理的に耐容性である。適切な溶媒の例は、エタノール、水などである。水が溶媒である場合、分子は「水和物」と称される。
本明細書に使用したような薬剤の「有効量」または「十分量」なる用語は、臨床結果を含む有益または所望の結果を奏功するのに十分な量であり、従って、「有効量」は、適用され、当業者により理解される内容に依存する。例えば、細胞増殖を調節する薬剤を投与する内容では、薬剤の有効量は、例えば、薬剤を投与することなく得られる応答と比較して、細胞増殖のこのような調節を達成するのに十分な量である。
本明細書に使用され、当分野でよく理解されているように、「処置」とは、臨床結果を含む、有益または所望の結果を得るためのアプローチである。有益または所望の臨床結果は、検出可能であれ検出不可能であれ、1つ以上の症状または容態の軽減または寛解、疾患の程度の消失、疾患の安定な状態(すなわち悪化していない)、疾患の蔓延の予防、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患状態の寛解または緩和、および緩解(部分的または全体的)を含むことができるがこれに限定されない。
疾病または疾患を「緩和すること」は、疾患または疾病状態の程度および/または望ましくない臨床兆候が減少し、および/または、進行時間経過が、疾患を処置しない場合に比べて、緩徐となるかまたは長くなることを意味する。
「予防」なる用語は当分野で認識されており、局所再発(例えば疼痛)などの容態、癌などの疾病、心不全などの症候群合併症、または任意の他の容態に関連して使用される場合、当分野でよく理解されており、組成物を投与されていない被験者に比べて、被験者における医学的容態の頻度を低減するか、またはその発症を遅延させる組成物の投与を含む。従って、癌の予防は、例えば、非処置対照個体群に比べて予防処置を受けている患者個体群における検出可能な癌増殖の数を低減させ、かつ/または、例えば、統計学的および/もしくは臨床的に有意な量だけ、非処置対照個体群に対する処置個体群における検出可能な癌増殖の出現を遅延させることを含む。感染の予防は、例えば、非処置対照個体群に対して処置個体群における感染診断の数を低減させること、および/または、非処置対照個体群に対する処置個体群における感染症状の開始を遅延させることを含む。疼痛の予防は、例えば、非処置対照個体群に対する処置個体群における被験者の受ける疼痛感覚の頻度を低減すること、または代わりに疼痛感覚を遅延することを含む。
本明細書に使用したような「調節する」なる用語は、機能または活性(細胞増殖など)の阻害または抑制ならびに機能または活性の増強を含む。
癌細胞増殖などの機能または活性を「阻害する」または「抑制する」もしくは「低減する」ことは、目的の容態またはパラメータを除く別の点では同じ容態に比べて、または代わりに、別の容態と比べて、機能または活性を低減することである。
細胞増殖などの機能または活性を「増強する」または「増加する」ことは、目的の容態またはパラメータを除く別の点では同じ容態に比べて、または代わりに、別の容態と比べて、機能または活性を増加することである。
本明細書に使用したような「動物」なる用語は、ヒトを含む動物界の全メンバーを含む。動物は、好ましくはヒトである。
本明細書に使用したような「細胞」なる用語は、複数の細胞を含む。細胞への化合物の投与には、インビボ、イクスビボ、およびインビトロでの投与が含まれる。
本明細書に使用したような「異常細胞」なる用語は、疾病または容態の原因となるか、または関与している任意の細胞型を含み、疾病または容態を処置するために異常細胞の増殖を調節、増強、または阻害することが望ましい。
II.本発明の化合物
細胞増殖を調節するために使用し得る化合物を提供する。このような化合物は、癌などの細胞増殖疾患を処置するのに有用であり得る。
従って、本発明は、下記式Iの化合物、およびその塩、溶媒和物、または水和物を提供する:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、非置換Ar、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されたArであり;
Xは、(CH2CH2O)nおよび(CH2)nから選択され;かつ
nは1〜3である。
本発明の態様において、式Iの化合物は、R1、R2、およびR3が、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択されたものである。好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、NH2、NH-C1〜4アルキル、N(C1〜4アルキル) (C1〜4アルキル)、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択される。より好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、およびNO2から選択される。最も好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、およびOCH3から選択される。
本発明のさらなる態様は、R4がArである式Iの化合物を含む。好ましい態様において、R4は非置換Arである。最も好ましくは、R4はフェニルである。
本発明のさらなる態様は、Xが(CH2)nである式Iの化合物を含む。好ましくは、nは1〜3であり;最も好ましくはnは1である。
本発明の好ましい態様において、式Iの化合物は、R1、R2、およびR3の少なくとも1つがOHであり、より好ましくはR1、R2、およびR3の少なくとも2つがOHであり、一方、R4はArであり、nは1〜3であるものを含む。
本発明はまた、式IIの化合物ならびにその塩、溶媒和物および水和物を提供する:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、C1〜6アルキルであり;かつ
nは1〜4である。
本発明の態様において、式IIの化合物は、R1、R2、およびR3が、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択されたものである。好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、NH2、NH-C1〜4アルキル、N(C1〜4アルキル) (C1〜4アルキル)、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択される。より好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、およびNO2から選択される。最も好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、およびOCH3から選択される。
本発明のさらなる態様は、R4がC1〜6アルキルである式IIの化合物を含む。好ましい態様において、R4はメチルまたはエチルである。最も好ましくは、R4はメチルである。
本発明のさらなる態様は、nが1〜4である式IIの化合物を含む。好ましくは、nは2〜3であり、最も好ましくはnは3である。
本発明の特定の態様において、本発明の化合物は下記である:
2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-38)、
2-シアノ-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-39)、
2-シアノ-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチルエステル(CRIV-42)、
2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチルエステル(CRIV-46);および
2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-79)。
従って、本発明は、下記式IIIの化合物、およびその塩、溶媒和物、または水和物を提供する:
Figure 2005515252
式中、
R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから選択された1〜4の置換基で置換されており、ただし、R1およびR3が両方共にHであり、R4が非置換フェニルである場合、R2はH、Cl、またはOCH3ではなく;R1およびR2が両方共にHであり、R4が非置換フェニルである場合、R3はNO2ではなく;R1およびR3が両方共にHであり、R4がCH3である場合、R2はN(CH3)2ではない。
本発明の態様において、式IIIの化合物は、R1、R2、およびR3が、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択されたものである。好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、NH2、NH-C1〜4アルキル、N(C1〜4アルキル) (C1〜4アルキル)、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択される。より好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、およびNO2から選択される。最も好ましい態様において、R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、およびOCH3から選択される。
本発明のさらなる態様は、R4が、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから選択された1〜4の置換基で置換されている、式IIIの化合物を含む。本発明の好ましい態様において、R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、およびハロから選択された1〜3の置換基で置換されている。より好ましい態様において、R4はCH3およびフェニルから選択され、ここでのフェニルは、非置換であるか、または、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜2の置換基で置換されている。最も好ましい態様において、R4は非置換フェニルである。
本発明の好ましい態様において、式Iの化合物は、R1、R2、およびR3の少なくとも1つがOHであり、より好ましくはR1、R2、およびR3の少なくとも2つがOHであり、一方、R4は、非置換フェニル、および、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されているものを含む。
本発明の特別な態様において、本発明の化合物は下記を含む:
2-ベンゼンスルホニル-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-33)、
2-ベンゼンスルホニル-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-34)、
2-ベンゼンスルホニル-5-(4-ニトロフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-35)、
5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-2-スルホニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-50)、
2-(4-クロルベンゼンスルホニル)-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-51)、
5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(トルエン-4-スルホニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-52)、および
5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メタンスルホニル-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-53)。
本発明は、その範囲内に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。一般に、このようなプロドラッグは、容易にインビボで化合物(これから概念上は派生する)へと変換できる本発明の化合物の機能的誘導体である。適切なプロドラッグの選択および調製のための慣用的な手順は、例えば、「Design of Prodrug」H.Bundgaard編、Elsevier、1985に記載されている。
本発明は、放射標識形態の本発明の化合物、例えば、構造内に3Hもしくは14Cまたは125Iなどの放射性ハロゲンを取り込むことにより標識された本発明の化合物を含む。
III.本発明の化合物の調製法
本発明の別の局面によると、本発明の化合物は、当分野で確立されたプロセスに類似したプロセスにより調製できる。それ故、本発明の化合物は、スキーム1に示した反応順序により調製し得る。
スキーム1
Figure 2005515252
本発明の実践に有用である一般式IまたはIIの化合物は、シンナムアルデヒドなどのα,β-不飽和アルデヒドまたはその種々のアリール置換相同体(V)と、活性α-メチレン基(VI)を有するα-シアノエステル化合物とのノベンゲル縮合により調製できる。α-メチレン基成分などのイリデンマロノニトリルを使用したノベンゲル縮合を総説に記載した(F.Freeman.Chem.Rev.1980、V.80、p.329-350)。CO2XがSO2により置換されているVIに類似した試薬の使用により、式IIIおよびIVの化合物の調製が可能となる。これらの縮合は、例えば、エタノールなどの極性溶媒中で、触媒量のβ-アラニンなどの弱塩基の存在下で実施し得る。反応温度は、縮合に使用する材料の安定性に応じて20〜100℃の範囲であり得る。出発試薬Vおよび/またはVIの反応性に応じて、ピペリジンなどのより強力な塩基を使用して、縮合反応を行なってもよい。
式Vの化合物は、シンナムアルデヒド、およびその3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシおよび4-ニトロ誘導体などのように商業的に入手し得る。式Vの他の化合物は、単純な手順を使用して調製し得る。例えば、種々のR1,R2,R3-ヒドロキシ置換シンナムアルデヒドを、対応する商業的に入手可能なアリール置換ケイ皮酸から調製できる。スキーム2は、3,4-ジヒドロキシケイ皮酸(VII)から出発した、3,4-ジヒドロキシシンナムアルデヒド(コーヒーアルデヒド、Va)の調製例を示す。
スキーム2
Figure 2005515252
式VIの化合物は、例えば、シアノ酢酸Xを、スキーム3に示したように、標準的な条件下で適切に置換したアルコールXIと縮合することにより調製し得る。
スキーム3
Figure 2005515252
R1,R2,R3置換基はまた、例えば、ニトロ基からアミノ基への既知の還元と、ジアルキルアミノ基へのさらなる転換により、または、ヒドロキシ基からハロ基への既知の変換により、1つの官能基から別の官能基へと変換し得る。
前記に概略を示した反応は、例えば保護基の使用により修飾して、置換基として付着した反応性基などの反応性基に起因する副反応を防がなければならない場合がある。これは、例えば、「Protective Group in Organic Chemistry」、McOmie、J.F.W.編、Plenum Press、1973およびGreene,T.W.およびWuts,P.G.M.、「Protective Organic Synthesis」、John Wiley&Sons、1991に記載のような、慣用的な保護基により達成し得る。
望ましい化合物塩の形成は、標準的な技術を使用して達成される。例えば、中性化合物を適切な溶媒中で酸または塩基で処理し、形成された塩を、ろ過、抽出、または任意の他の適切な方法により単離する。
本発明の化合物の溶媒和物の形成は、化合物および溶媒和物に応じて変化する。一般に、溶媒和物は、化合物を適切な溶媒に溶かし、冷却または抗溶媒を使用することにより溶媒和物を単離することにより形成される。溶媒は、典型的には、周囲条件下で乾燥または共沸(azeotrope)している。
本発明の化合物のプロドラッグは、入手可能なヒドロキシ、アミノ、またはカルボキシ基を用いて形成される慣用的なエステルであってもよい。例えば、R1、R2、またはR3が、本明細書に記載した化合物においてOHである場合、塩基、および選択的に不活性溶媒(例えばピリジン中で酸クロリド)の存在下で活性化酸を使用してアシルし得る。プロドラッグとして使用されているいくつかの一般的なエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C8-C24)エステル、アシルオキシメチルエステル、カルバメート、およびアミノ酸エステルである。
本発明の放射標識化合物は、当分野で既知の標準的な方法を使用して調製し得る。例えば、トリチウムは、標準的な技術を使用して、例えば、トリチウムガスおよび触媒を使用して適切な前駆体を本発明の化合物へと水素化することにより、本発明の化合物に取り込み得る。または、放射性ヨードを含む本発明の化合物は、ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中、クロラミン-Tの存在下で、[125I]ヨウ化ナトリウムなどの標準的なヨウ化条件を使用して対応するトリアルキルスズ(適切にはトリメチルスズまたはトリブチルスズ)から調製し得る。トリアルキルスズ化合物は、対応する非放射性のハロ化合物、適切にはヨード化合物から、標準的なパラジウム触媒スズ化条件、例えばヘキサメチルジスズを使用して、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下で、ジオキサンなどの不活性溶媒中で、高温で、適切には50-100℃で調製し得る。
IV.使用
本発明は、細胞増殖を調節、好ましくは細胞増殖を阻害するための治療法および組成物におけるその使用を含む、前記に示したような化合物の全ての使用、診断アッセイ法におけるその使用、および研究ツールとしてのその使用を含む。
1つの局面において、本発明は、有効量の本発明の化合物をそれを必要とする細胞または動物に投与するステップを含む、細胞増殖を調節する方法を提供する。好ましくは、本発明は、有効量の本発明の化合物をそれを必要とする細胞または動物に投与するステップを含む、細胞増殖を阻害する方法を提供する。特に、本発明の方法は、正常細胞ではなく異常細胞の増殖を阻害するのに有用である。前記したように、異常細胞は、疾病または容態の原因となっているか、または関与している、任意の型の細胞を含み、疾病または容態を処置するために異常細胞の増殖を調節または阻害することが望ましい。
本発明の化合物は、癌細胞を死滅させ、同時に正常細胞を死滅させない上で非常に効果的であり得、それ故、極めて有用な抗癌剤であり得る。従って、1つの態様において、本発明は、有効量の本発明の化合物をそれを必要とする細胞または動物に投与するステップを含む、癌細胞の増殖を阻害する方法を提供する。本発明はまた、細胞増殖、好ましくは癌細胞増殖を調節、好ましくは阻害するための、本発明の化合物または組成物の使用を含む。本発明はさらに、細胞増殖、好ましくは癌細胞増殖を調節、好ましくは阻害するための薬品の調製における、本発明の化合物または組成物の使用を含む。本発明の化合物を用いて処置できる癌細胞は、白血病などの造血悪性疾患を含むがこれに限定されない任意の型の癌であり得る。
特別な態様において、本発明は、それを必要とする細胞または動物に、下記から選択された有効量の化合物を投与するステップを含む、細胞の増殖を阻害する方法を提供する:
2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-38)、
2-シアノ-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-39)、
2-シアノ-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチルエステル(CRIV-42)、
2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチルエステル(CRIV-46);および
2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-79);
2-ベンゼンスルホニル-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-33)、
2-ベンゼンスルホニル-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-34)、
2-ベンゼンスルホニル-5-(4-ニトロフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-35)、
5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-2-スルホニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-50)、
2-(4-クロルベンゼンスルホニル)-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-51)、
5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(トルエン-4-スルホニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-52)、および
5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メタンスルホニル-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-53)。
本明細書に示した化合物は、イクスビボでパージ剤として効果的であり得る。イクスビボ投与のために、細胞を患者から取り出し、イクスビボで本発明の化合物を用いてパージし得る。このようなパージは、正常細胞は無傷のままで、異常増殖している細胞を死滅させる。パージ後、標的細胞を洗浄し、患者に再導入できる。
細胞増殖を調節するための本発明の化合物の活性は、当業者に既知の標準的なアッセイ法を使用して決定できる。異常に増殖している細胞の例には、悪性または癌性細胞、ならびに、自己免疫疾患および移植片対宿主疾患において過剰増殖するt細胞、血管新生において過剰増殖する内皮および/または上皮細胞、および、アレルギー関連容態において過剰増殖する好酸球などの細胞が含まれる。細胞増殖を調節する効力についてアッセイするために、細胞を1つ以上の本発明の化合物の存在下で培養し、細胞増殖に対する化合物の効果(群)をアッセイし、化合物の非存在下での細胞増殖と比較できる。
本発明の化合物は、チロシンキナーゼ調節剤であり得、それ故、前記したような全ての増殖疾患などの種々の容態の処置における、チロシンキナーゼ活性の阻害を含むチロシンキナーゼ活性の調節に有用であり得る。従って、本発明は、有効量の本明細書に示したような化合物をそれを必要とする細胞または動物に投与することにより、チロシンキナーゼ活性を調節する方法を提供する。さらなる局面において、本発明は、有効量の本明細書に示したような化合物をそれを必要とする細胞または動物に投与することにより、チロシンキナーゼ活性を阻害する方法を提供する。
本発明の化合物は、チロシンキナーゼ活性を調節することにより作用し得るが、当業者は、本発明の化合物の他の作用機構または機序も可能であることを理解しているだろう。
本明細書に示したような化合物は、好ましくは、インビボで投与するのに適した生物学的に適合した形態で、ヒト被験者に投与するための薬学的組成物へと製剤化されている。従って、別の局面において、本発明は、本発明の化合物を適切な希釈剤または担体と混合して含む薬学的組成物を提供する。
本発明の化合物を含む組成物は、有効量の活性物質が薬学的に許容されるビヒクルと混合されて配合されるように、被験者に投与できる薬学的に許容される組成物の調製における既知の方法により調製できる。適切なビヒクルは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton, PA.、USA1985)に記載されている。これに基づいて、組成物は、排他的ではないが、1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルまたは希釈剤と会合され、生理的液体により適切なpHおよび等張となった緩衝溶液中に含まれた、物質の溶液を含む。
本明細書に示したような化合物は、遊離塩基の形態、塩、溶媒和物、および水和物の形態で使用し得る。全ての形態が、本発明の範囲内である。酸付加塩が形成され得、使用にとってより簡便な形態を提供し、実際に、塩形態の使用は、本質的に、塩基形態の使用に等しい。酸付加塩の調製に使用できる酸には、好ましくは、遊離塩基と配合された場合に、薬学的に許容される塩、すなわち、アニオンが薬学的な用量の塩で動物に無毒性である塩を生じるものが含まれ、よって、遊離塩基に固有の有利な特性は、アニオンに起因する副作用により損なわれない。塩基性化合物の薬学的に許容される塩が好ましいが、例えば、塩が精製および同定の目的のみのために形成される場合、または、イオン交換手順により薬学的に許容される塩の調製の中間体として使用する場合、特定の塩自体が中間体生成物としてのみ望ましいが、全ての酸付加塩が遊離塩基形態の起源として有用である。
本発明の範囲内の薬学的に許容される塩には、以下の酸から得られるものが含まれる:鉱酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、およびスルファミン酸;ならびに有機酸、例えば酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸など。
本発明の方法によれば、記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、患者に、当業者には理解されるように、選択した投与経路に応じて、種々の形態で投与し得る。本発明の組成物は、経口または非経口で投与し得る。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、鼻腔、肺内、くも膜下腔内、直腸内、および局所投与形態が含まれる。非経口投与は、選択された期間にわたる連続的な注入であってもよい。
本発明の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、例えば、不活性希釈剤と共にまたは同化可能な食用担体と共に投与しても、または、硬または軟殻ゼラチンカプセルに封入しても、または、錠剤に圧縮しても、または食事の食品の中に直接取り込んでもよい。経口治療投与のために、本発明の化合物は、賦形剤と共に取り込んでよく、摂取可能な錠剤、頬側錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形態で使用し得る。
本発明の化合物はまた、非経口または腹腔内投与してもよい。遊離塩基または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物としての本発明の化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、およびアルコールを含むまたは含まないその混合物中で、および油中で調製できる。保存および使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐための保存剤を含む。当業者は、適切な製剤の調製法を知っている。適切な製剤の選択および調製のための慣用的な手順および成分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990-第18版)および1999年に刊行された米国薬局方(The United States Pharmacopeia):The National Formulary(USP24NF19)に記載されている。
注射に使用するに適した薬学的形態には、無菌水溶液または分散液、および、無菌注射溶液または分散液の即時調製のための無菌粉末が含まれる。全ての場合において、形態は無菌でなければならず、容易にシリンジを扱える程度に流動的でなければならない。
本明細書に示したような化合物は、動物に、単独で、または、前記したような薬学的に許容される担体と組み合わせて投与し得、その比率は、化合物の溶解度および化学的性質、選択した投与経路、および標準的な薬学的慣行により決定される。
本明細書に示したような化合物および/または組成物の用量は、化合物の薬力学的特性、投与形態、レシピエントの年齢、健康、および体重、症状の性質および程度、処置の頻度、およびある場合には併用処置の種類、処置する動物における化合物のクリアランス速度などの多くの因子に応じて変化し得る。当業者は、前記の因子に基づいて適切な用量を決定できる。本明細書に示したような化合物は、最初に、臨床応答に応じて、必要なように調整し得る適切な用量で投与し得る。
本明細書に示したような化合物は、単独で、または、チロシンキナーゼ活性を調節する他の薬剤と組み合わせて、または、細胞増殖疾患のための他の種類の処置(チロシンキナーゼ活性を調節してもしなくてもよい)と組み合わせて使用し得る。チロシンキナーゼ活性を阻害する当分野で既知の薬剤には、受容体チロシンキナーゼをコードする核酸に標的化したアンチセンス核酸およびリボザイム、チロシンキナーゼ活性を調節できる抗体、および米国特許第5,891,917号、米国特許第5,217,999号、米国特許第5,773,476号、米国特許第5,935,993号、米国特許第5,656,655号、米国特許第5,677,329号、および米国特許第5,789,427号に記載のような他の小分子チロシンキナーゼ阻害剤が含まれるがこれらに限定されない。
前記の治療使用の他に、本明細書に示した化合物はまた、診断アッセイ法、スクリーニングアッセイ法、および研究ツールとして有用である。
診断アッセイ法では、本明細書に示したような化合物は、細胞増殖疾患を同定または検出するのに有用であり得る。このような態様において、本明細書に示したような化合物は放射標識され得(本明細書で前記したように)、細胞個体群と接触させ得る。細胞上での放射標識化合物の存在は、細胞増殖疾患を示唆し得る。
スクリーニングアッセイ法では、本明細書に示したような化合物は、細胞増殖またはチロシンキナーゼ活性を調節する他の化合物の同定に使用し得る。研究ツールとして、本発明の化合物は、受容体結合アッセイ法およびチロシンキナーゼアッセイ法の場所決定の研究のためのアッセイ法に使用し得る。このようなアッセイ法において、化合物はまた放射標識してもよい。
下記の非制限的な実施例は、本発明を説明する:
実施例
実施例1-5の材料および方法
1H NMRスペクトルを、内部標準(δ=0)としてMe4Siを用いて、アセトン-d6中、500MHzでバリアンユニティプラス分光光度計で得た。エレクトロスプレー質量分析を、API III+三連四重極質量分析計(PESciex、Thornhill, Canada)で獲得した。試料を、直接、HPLCポンプを使用してエレクトロスプレーイオン化源に導入した。薄層クロマトグラフィーを、0.25mmの厚さのUV-254アルミニウムが背部にあるTLC板(Kieselgel 60 F254、Merck, Germany)を用いて実施した。HPLCクロマトグラムおよびUVスペクトルを、モデル996PDA検出器を用いてモデル600液体クロマトグラフ(Waters、USA)で得た。化合物のUVスペクトルを、1.2nmのステップで、200〜800nmまで記録した。スペクトルを、カラムから溶出した移動層で得た。カラムは5μmのZorbax SB-CN(Agilent Technologies、米国)であった。勾配分離は、下記の緩衝液を使用して実施した:(A)H2O中0.1%H3PO4;(B)MeCN-H2O、4:1+0.1%H3PO4。下記の勾配系を使用した:緩衝液A中20%の緩衝液Bで10分間、その後、緩衝液Bの比率を20分間で20〜90%に直線的に増加。流速は1.0mL/分であった。減圧蒸留を、記載のオーブン温度で、Kugelrohr装置(Aldrich)を使用して実施した。
4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシシンナムアルデヒドおよび4-ヒドロキシ-3-メトキシシンナムアルデヒド、ならびに、全ての他の試薬を、アルドリッチ(USA)から購入し、受け取ったままのものを使用した。溶媒はキャラダン(Caledon)(Canada)から購入した。改変した合成スキーム[2001年10月25日に発行されたC.M.Roifman、T.Grunberger、O.Rounova、P.Demin、およびN.Sharfe、PCT国際出願国際公開公報第2001079158号、100pを参照されたい]を、カフェオイルアルデヒドの調製に使用した。アルデヒドの直接的な前駆体である3,4-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)シンナミルアルコールを、文献に記載のように得た[M.Potgieter、G.L.Wenteler、およびS.E.Drewes、Phytochemistry、1988、V.27、No.4、P.1101-1104]。
実施例1:3,4-ジヒドロキシシンナムアルデヒド(カフェオイルアルデヒド)
3,4-ビス-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)シンナミルアルデヒド(7.88g、20mmol)を1000mLのCH2Cl2に溶かし、17.2gの活性MnO2(200mmol)を加え、混合物を激しく20℃で24時間攪拌した。MnO2をろ別し、ろ液を乾燥させた。得られた3,4-ビス(tBDMS)カフェオイルアルデヒドに、250mLのCHCl3を加え、その後、n-Bu4NF一水和物(11.6g、40mmol)を加えた。混合物を20℃で30分間攪拌し、300mLの5%HClで後処理した。クロロホルム層を分離し、H2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、乾燥させた。残渣をシリカゲルカラム、溶出液MeOH-CHCl3、1:4+1%AcOHで精製した。溶媒を蒸発し、結晶残渣をCHCl3で洗浄して、カフェオイルアルデヒド(1.77g、54%)を得た。融点200〜202℃、λmax222、239、249、342nm
Figure 2005515252
実施例2:シアノ酢酸ベンジルエステル(IVa)
シアノ酢酸(VII)2.34g(27.5mmol)とベンジルアルコール(VIIIa)2.70g(25mmol)の混合物の60mlのトルエン溶液に、50mgのp-TsOHを加え、混合物を、24時間、ディーンスタークトラップのついたフラスコ中で還流した。混合物を冷却し、トルエンをH2Oで洗浄し、トルエンを蒸発させた。残渣を真空で蒸留した(Kugelrohr装置、0.1mmHg、オーブン温度170〜180℃)。収量3.36g(77%)、無色油状物。MS(m/z、相対強度、%):167.0([M+NH4-CN]+、27)、193.0([M+NH4]+、100)。
実施例3:シアノ酢酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エステル(IVb)
シアノ酢酸(VII)(9.4g、110mmol)および2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール(VIIIb)(16.4g、100mmol)の混合物の60mLのトルエン溶液に、50mgのp-TsOHを加え、混合物を、24時間、ディーンスタークトラップのついたフラスコ中で還流した。混合物を冷却し、トルエンをH2Oで洗浄し、トルエンを蒸発させた。化合物を真空で蒸留した(Kugelrohr装置、0.1mmHg、オーブン温度210℃)。収量19.25g(83%)、無色油状物。MS(m/z、相対強度、%):232.0([M+H]+、100)、249.2([M+NH4]+、87)。
実施例4:置換アセトニトリルと、ヒドロキシ置換シンナムアルデヒドのノベンゲル(Knoevenagel)縮合
0.2mmolの3,4-ジヒドロキシシンナムアルデヒドの3mLのEtOH溶液に、対応する置換アセトニトリルまたは類似物を加え、その後、0.4mmolのピペリジンを加えた。暗赤色の溶液を20℃で0.5時間攪拌した。0.5mLの1N HClおよび5mlのH2Oを加え、EtOHをN2気流を用いて蒸発させた。沈降した粉末をろ別し、H2Oで洗浄し、デシケーター中で真空で固体NaOHの存在下で乾燥させた。収率は55〜70%であった。得られた生成物(CRIX-38、CRIX-39、CRIV-42、CRIV-46、CRIX-79、CRVIII-33、CRVIII-34、CRVIII-50、CRVIII-51、CRVIII-52、CRVIII-53)のリストについては、表1および5を参照されたい。質量分析およびUV最大については、表2および6を参照されたい。NMRデータについては、表3および7を参照されたい。
実施例5:置換アセトニトリルと、ニトロ置換シンナムアルデヒドのノベンゲル縮合
0.2mmolの4-ニトロシンナムアルデヒドの3mLのEtOH溶液に、対応する置換アセトニトリルを加え、その後、0.5〜1.0mgのβ-アラニンを加えた。深い黄色の溶液を、90℃で4時間攪拌した。0.5mLの1N HClおよび5mLのH2Oを加え、EtOHをN2気流を用いて蒸発させた。沈降した粉末をろ別し、H2Oで洗浄した。得られた黄色の粉末をEtOH-H2Oから再結晶し、結晶をH2Oで洗浄し、デシケーター中で真空で固体NaOHの存在下で乾燥させた。収率は50〜60%であった。得られた生成物(CRVIII-35)のリストについては、表5を参照されたい。質量分析およびUVスペクトルについては、表6を参照されたい。NMRデータについては、表7を参照されたい。
実施例6:培養液中の正常骨髄分化に対する試験化合物の効果
CFU-GEMMアッセイ法を、FauserおよびMessner(1978、Blood、52(6)143-8)およびMessnerおよびFauser(1980、Blut、41(5)327-33)に従って実施することができる。
実施例7:培養液中の低用量の試験化合物によるフィラデルフィア陽性急性リンパ芽球性白血病の殺滅
Ph+ALL細胞を、1mlの容量で、外来性増殖因子の非存在下で、0.9%(vol/vol)メチルセルロース(Fluka, Switzerland)中にαMEM(Gibco)と10%FCS(Cansera Rexdale、ON)を含む35mmのペトリ皿(Nunc、Gibco)に、種々の濃度の試験化合物と共に播種した。培養液を37℃で5%CO2で加湿雰囲気下に設定する。20を超える細胞からなるコロニーを、倒立顕微鏡を使用して12日目またはそれより早い時期に計測する。
実施例8:培養液中の低用量の試験化合物によるフィラデルフィア陽性Z119急性リンパ芽球性白血病の殺滅
Z119細胞を、1mlの容量で、1×104細胞/mlの密度で、外来性増殖因子の非存在下で、0.9%(vol/vol)メチルセルロース(Fluka, Switzerland)中にIMDM(OCI、Tronto)と20%FCS(Cansera Rexdale、ON)を含む35mmのペトリ皿(Nunc、Gibco)に、種々の濃度の試験化合物と共に播種した。培養液を37℃で5%CO2で加湿雰囲気下に設定する。20個を超える細胞からなるコロニーを、倒立顕微鏡を使用して7日目またはそれより早い時期に計測する。結果は表4および表8を参照されたい。
実施例9:培養液中の低用量の試験化合物によるAML-3急性骨髄急性白血病細胞の殺滅
OCI-AML-3細胞を、αMEMと20%FCS(Cansera Rexdale、Ont.)、および0.9%(vol/vol)メチルセルロース(Fluka, Switzerland)および種々の濃度の試験化合物を含む、35mmのペトリ皿(Nunc、Gibco)に、1mlの容量で、3.3×103細胞/mlの密度で、外来性増殖因子の非存在下で播種した。細胞培養液を、加湿雰囲気下で37℃で5%CO2でインキュベートする。20個を超える細胞を含むコロニーを、5〜6日目に倒立顕微鏡を使用してスコアする。結果は表4および表8を参照されたい。
本発明は、好ましい実施例であると現在考えられるものを参照して記載したが、本発明は開示の実施例に限定されないことを理解されたい。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる種々の改変および均等な編成を網羅するものとする。
全ての刊行物、特許、および特許出願は、各々の個々の刊行物、特許、または特許出願の全体が具体的に個々に参照として本明細書に組み入れられたのと同じ程度に、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
Figure 2005515252
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Claims (37)

  1. 下記式Iの化合物、または、その塩、溶媒和物、もしくは水和物:
    Figure 2005515252
    (式中、
    R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
    R4は、非置換Ar、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されたArであり;
    Xは、(CH2CH2O)nおよび(CH2)nから選択され;かつ
    nは1〜4である。)
  2. R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、NH2、NH-C1〜4アルキル、N(C1〜4アルキル) (C1〜4アルキル)、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
    R4は、C1〜6アルキルであり、
    Xは(CH2CH2O)nであり、かつ
    nは1〜4である、請求項1記載の化合物。
  3. R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、NH2、NH-C1〜4アルキル、N(C1〜4アルキル) (C1〜4アルキル)、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択される、請求項1または2記載の化合物。
  4. R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、およびNO2から選択される、請求項3記載の化合物。
  5. R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、およびOCH3から選択される、請求項4記載の化合物。
  6. R4は非置換Arである、請求項1記載の化合物。
  7. R4はフェニルである、請求項6記載の化合物。
  8. R4はメチルまたはエチルである、請求項2記載の化合物。
  9. R4はメチルである、請求項8記載の化合物。
  10. nは2〜3である、請求項9記載の化合物。
  11. nは3である、請求項10記載の化合物。
  12. 2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-38)、
    2-シアノ-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-39)、
    2-シアノ-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチルエステル(CRIV-42)、
    2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチルエステル(CRIV-46);および
    2-シアノ-5-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエノン酸ベンジルエステル(CRIX-79)から選択される化合物。
  13. 薬学的に許容される希釈剤または担体と混合された請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物を含む組成物。
  14. 細胞増殖を調節するための薬品を調製するための、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物、および/または請求項13記載の組成物の使用法。
  15. 細胞増殖を阻害するための、請求項14記載の使用法。
  16. 細胞は悪性造血細胞である、請求項15記載の使用法。
  17. 有効量の請求項1〜12のいずれか記載の化合物および/または請求項13記載の組成物を、それを必要とする細胞または動物に投与するステップを含む、細胞増殖を調節する方法。
  18. 細胞増殖を阻害するための、請求項17記載の方法。
  19. 細胞は悪性造血細胞である、請求項18記載の方法。
  20. 下記式IIIの化合物、および/またはその塩、溶媒和物、もしくは水和物:
    Figure 2005515252
    (式中、
    R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
    R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されており、ただし、R1およびR3が両方共にHであり、R4が非置換フェニルである場合、R2はH、Cl、またはOCH3ではなく;R1およびR2が両方共にHであり、R4が非置換フェニルである場合、R3はNO2ではなく;ならびにR1およびR3が両方共にHであり、R4がCH3である場合、R2はN(CH3)2ではない。)
  21. R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、NH2、NH-C1〜4アルキル、N(C1〜4アルキル) (C1〜4アルキル)、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択される、請求項1記載の化合物。
  22. R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、OCH3、NH2、N(CH3)2、およびNO2から選択される、請求項21記載の化合物。
  23. R4は、C1〜4アルキル、フェニル、およびピリジルから選択される、請求項20記載の化合物。
  24. R4は、CH3およびフェニルから選択される、請求項23記載の化合物。
  25. R4は非置換フェニルである、請求項24記載の化合物。
  26. フェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜3の置換基で置換されている、請求項20記載の化合物。
  27. フェニルは、非置換であるか、または、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜2の置換基で置換されている、請求項24記載の化合物。
  28. R1、R2、およびR3の少なくとも1つはOHであり、一方、R4は、非置換フェニル、および、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されているフェニルから選択される、請求項20記載の化合物。
  29. 2-ベンゼンスルホニル-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-33)、
    2-ベンゼンスルホニル-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-34)、
    2-ベンゼンスルホニル-5-(4-ニトロフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-35)、
    5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-2-スルホニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-50)、
    2-(4-クロルベンゼンスルホニル)-5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-51)、
    5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(トルエン-4-スルホニル)-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-52)、および
    5-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-2-メタンスルホニル-ペンタ-2E,4E-ジエンニトリル(CRVIII-53)から選択される化合物。
  30. 薬学的に許容される希釈剤または担体と混合された請求項20〜29のいずれか一項記載の化合物を含む組成物。
  31. 薬学的に許容される希釈剤または担体と混合された、下記式IVの化合物、および/またはその塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む、組成物:
    Figure 2005515252
    (式中、
    R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
    R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されている)。
  32. 請求項30または31記載の組成物の細胞増殖を調節するための薬品、および/または、下記式IVの細胞増殖を調節できる化合物、および/またはその塩、溶媒和物、もしくは水和物を調製するための使用:
    Figure 2005515252
    (式中、
    R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
    R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されている)。
  33. 細胞増殖を阻害するための、請求項13記載の使用法。
  34. 細胞が悪性造血細胞である、請求項14記載の使用法。
  35. 必要とする細胞または動物に、有効量の請求項30および31のいずれか記載の組成物、および/または、下記式IVの細胞増殖を調節できる化合物および/またはその塩、溶媒和物、もしくは水和物を投与するステップを含む、細胞増殖を調節する方法:
    Figure 2005515252
    (式中、
    R1、R2、およびR3は、各々独立的に、H、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、NH2、NH-C1〜6アルキル、N(C1〜6アルキル) (C1〜6アルキル)、SH、S-C1〜6アルキル、NO2、CF3、OCF3、およびハロから選択され;
    R4は、C1〜6アルキル、フェニル、およびピリジルから選択され、ここでのフェニルおよびピリジルは、非置換であるか、または、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、およびハロから独立的に選択された1〜4の置換基で置換されている)。
  36. 細胞増殖を阻害するための、請求項35記載の方法。
  37. 細胞が悪性造血細胞である、請求項36記載の方法。
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