JP2005514443A - パントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体 - Google Patents
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Abstract
パントプラゾールおよびシクロデキストリンから形成される包接錯体を記載する。
Description
本発明は製薬技術の分野に関し、かつパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体を記載する。
従来技術
H+/K+−ATPアーゼ阻害物質、特にたとえばEP−A−0005129、EP−A−0166287、EP−A−0174726およびEP−A−0268956に開示されているようなピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールは胃酸分泌の増加に起因する疾患の治療において重要である。この群からの市販の活性成分の例は、5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:オメプラゾール)、5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:パントプラゾール)、2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:ランソプラゾール)および2−{[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール(INN:ラベプラゾール)である。
H+/K+−ATPアーゼ阻害物質、特にたとえばEP−A−0005129、EP−A−0166287、EP−A−0174726およびEP−A−0268956に開示されているようなピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールは胃酸分泌の増加に起因する疾患の治療において重要である。この群からの市販の活性成分の例は、5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:オメプラゾール)、5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:パントプラゾール)、2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:ランソプラゾール)および2−{[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール(INN:ラベプラゾール)である。
WO86/00913は、オメプラゾールとβ−シクロデキストリンとを96%エタノール中で混合し、かつ反応させ、かつ反応体を冷却することにより安定した錯体を形成することを開示している。WO93/13138は酸に不安定な化合物を含有する腸溶性経口薬、特にベンズイミダゾール誘導体、酸に不安定な化合物をアルカリ溶液中でシクロデキストリンと反応させることにより形成される、酸に安定な投薬単位の包接錯体の形で製造された腸溶性経口薬の製造方法に関する。WO96/38175は抗潰瘍性ベンズイミダゾール化合物、特にプロトンポンプ阻害剤および分枝鎖状のシクロデキストリンカルボン酸を含有する安定した組成物に関する。WO99/62958はアルキル化シクロデキストリン誘導体および医薬のための担体としてのその使用に関する。WO98/40069はベンズイミダゾールおよび添加剤として少なくとも1種のシクロデキストリンおよび少なくとも1種のアミノ酸を含有する医薬調製物を記載している。EP−A−1018340は、ベンズイミダゾール誘導体の塩の包接錯体を得るための方法として、ベンズイミダゾール誘導体と1種以上のアミノ酸および1種以上のシクロデキストリンとを同時に反応させることを開示している。
発明の記載
ところで意外なことにパントプラゾールとシクロデキストリンとを反応させることにより、可溶性のパントプラゾール・シクロデキストリン錯体を形成することによって生じるパントプラゾールの一般的な溶解度の増大が得られることが判明した。
ところで意外なことにパントプラゾールとシクロデキストリンとを反応させることにより、可溶性のパントプラゾール・シクロデキストリン錯体を形成することによって生じるパントプラゾールの一般的な溶解度の増大が得られることが判明した。
本発明の課題はパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体である。
本発明に関連するパントプラゾールは5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールである。パントプラゾールはキラルな化合物である。つまり本発明に関連するパントプラゾールの用語はパントプラゾールの純粋なエナンチオマーおよびこれらの任意の混合比での混合物を包含する。例として挙げることができる純粋なエナンチオマーは(−)−パントプラゾールおよび(+)−パントプラゾールである。パントプラゾールはそのままで、または塩基との塩の形で存在していてよい。挙げることができる塩基との塩の例はナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩である。有利な実施態様ではパントプラゾールはパントプラゾールナトリウムまたはパントプラゾールマグネシウムである。パントプラゾールを結晶の形で単離する場合、これは可変的な量の溶剤を含有していてよい。従ってパントプラゾールの用語は本発明によればパントプラゾールおよびその塩の全ての溶媒化合物、特に全ての水和物を表す。
有利な実施態様ではパントプラゾールはパントプラゾールナトリウムセスキヒドレート(=パントプラゾールナトリウム×1.5H2O)、(−)−パントプラゾールナトリウムセスキヒドレートまたはパントプラゾールマグネシウムジヒドレートである。
本発明に関連するシクロデキストリンは有利にはα−、β−もしくはγ−シクロデキストリン、これらの水和物、α−、β−もしくはγ−シクロデキストリンの混合物またはα−、β−もしくはγ−シクロデキストリンの誘導体、たとえばアルキルもしくはヒドロキシアルキル誘導体である。本発明によるシクロデキストリンの有利な実施態様ではβ−シクロデキストリン(β−CD)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβ−CD)、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン(SBβ−CD)のナトリウム塩またはヒドロキシエチル−β−シクロデキストリンである。
本発明による有利な実施態様ではパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体とは、1/1(パントプラゾール/シクロデキストリン)錯体である。パントプラゾールシクロデキストリン包接錯体は、たとえば化合物のシクロデキストリン包接錯体を製造するための標準的な方法により製造することができる。このような方法はたとえばWO86/00913、WO93/13138、WO96/38175に、またはDuchene(Proceedings of the Fourth International Symposium on Cyclodextrines、第265〜275頁、1988年、Kluwer Academic Publishers、O. HuberおよびJ. Szejti編)により開示されている。包接化合物は通常、液状媒体中で製造されるが、しかし固相中でも得られる。これは本発明の1実施態様ではパントプラゾールとシクロデキストリンとを適切な溶剤中で反応させることにより得られる。本発明の有利な実施態様では溶剤は水性溶剤であるか、または実質的に脂肪族アルコール、好ましくはエタノールからなる溶剤である。次いで包接錯体が沈澱または凍結乾燥により得られる。包接錯体の1実施態様はWO86/00913に記載されている方法により得られる。
本発明のパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体は本発明による投与形を製造するための基材として使用することができる。挙げることができる本発明による、製造を実施することができる投与形はたとえば懸濁剤、ゲル、錠剤、被覆錠剤、多成分錠剤、発泡錠剤、迅速に崩壊する錠剤、サッシェ中の粉末、糖衣錠、カプセルまたは坐剤である。所望の投与形のために適切な添加剤は当業者には自身の専門知識に基づいて周知である。パントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体中のパントプラゾールの増大した溶解度に基づいてこのような包接錯体を含有する投与形により、活性化合物の生物学的利用能が改善された。
適切な投与形はたとえばWO92/22284、WO97/02020、EP−A−0244380、WO96/01623、WO96/01624、WO96/01625またはWO97/25030に開示されている。
本発明による投与形(医薬調製物ともよばれる)はパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体のパントプラゾールを特定の疾患の治療のために通例の用量で含有している。本発明のパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体は、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールを使用することによって治療可能であるか、または予防可能であると見なされている全ての疾患の治療および予防のために使用することができる。特に本発明のパントプラゾール・シクロデキストリン包接錯体は胃疾患、たとえば消化性潰瘍性疾患またはその他の、胃酸過多と関連する疾患、たとえば胃食道逆流症、ゾリンジャー・エリソン症候群および消化不良(たとえばMARTINDALE - The complete Drug Reference, Pantoprazole, MICROMEDEX (R) Healthcare Series Vol.113、202を参照のこと)の治療または予防のために使用することができる。錠剤のような投与形は、酸に不安定なプロトンポンプ阻害剤を1〜500mg、有利には5〜60mg含有する。挙げることができる例はパントプラゾール10、20、40または50mgを含有する錠剤である。1日量(たとえば活性成分40mg)をたとえば本発明による錠剤の1回量の形で、または複数回の投与量により(たとえば活性成分20mg×2回)投与することができる。
実施例
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル)−1H−ベンズイミダゾールナトリウムセスキヒドレートβ−シクロデキストリン包接錯体
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールナトリウムセスキヒドレート1.73g、β−シクロデキストリン5.67gおよびエタノール(96%)20mlを30〜32℃に加熱し、かつ15時間撹拌する。該混合物を3時間以内に10℃に冷却し、濾過し、かつ沈殿物をエタノール(10℃)で洗浄する。減圧下で乾燥させた後に表題化合物が得られる。
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル)−1H−ベンズイミダゾールナトリウムセスキヒドレートβ−シクロデキストリン包接錯体
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールナトリウムセスキヒドレート1.73g、β−シクロデキストリン5.67gおよびエタノール(96%)20mlを30〜32℃に加熱し、かつ15時間撹拌する。該混合物を3時間以内に10℃に冷却し、濾過し、かつ沈殿物をエタノール(10℃)で洗浄する。減圧下で乾燥させた後に表題化合物が得られる。
パントプラゾールとシクロデキストリンとの錯化試験
方法:考慮される異なったシクロデキストリンの種々の溶液を公知の濃度でリン酸緩衝液pH7中で製造し、かつパントプラゾールの飽和溶液を製造するために使用した。平衡後、これらの飽和溶液をMF TM膜フィルター(孔径0.45μm)により濾過し、リン酸緩衝液により適切に希釈し、かつUV/vis分光光度分析を行った。リン酸緩衝液を用いて製造したシクロデキストリン溶液はβ−CDに関してp/v0%からp/v1.8%の範囲、HPβ−CDに関してp/v20%であった。
方法:考慮される異なったシクロデキストリンの種々の溶液を公知の濃度でリン酸緩衝液pH7中で製造し、かつパントプラゾールの飽和溶液を製造するために使用した。平衡後、これらの飽和溶液をMF TM膜フィルター(孔径0.45μm)により濾過し、リン酸緩衝液により適切に希釈し、かつUV/vis分光光度分析を行った。リン酸緩衝液を用いて製造したシクロデキストリン溶液はβ−CDに関してp/v0%からp/v1.8%の範囲、HPβ−CDに関してp/v20%であった。
結果:いずれの場合もパントプラゾールの溶解度はシクロデキストリンの濃度の上昇と共に増大した。β−CDの存在下でパントプラゾールの溶解度はリン酸緩衝液中でのその溶解度に関して最大で4倍に上昇し、他方、HPβ−CDにより平衡にした場合、パントプラゾールはリン酸緩衝液中での場合の70倍以上に達する溶解度に増大した。
結論:β−CDおよびHPβ−CDを用いた相溶解度の試験はいずれも、可溶性のパントプラゾール/シクロデキストリン錯体の形成により生じるパントプラゾールの溶解度における一般的な増大により特徴付けられた。β−CD相溶解度試験の場合、観察された増大は、Higuchi-Connerにより一般的に記載される典型的なApパターンに従っており、これは1より高いオーダーでの錯体の形成を示している。HPβ−CDとのパントプラゾールの挙動もまた、さらに溶解度における初期の段階的な増加により特徴付けられる典型的なHiguchi-ConnerのApパターンに従っていた。
ナトリウム塩(PNTNa)として塩類溶液の形で、および遊離酸(PNTH)としての両方のパントプラゾールの錯化の試験を、β−シクロデキストリン(β−CD)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβ−CD)およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン(SBβ−CD)のナトリウム塩を用いて実施した。第二の試験は、リン酸緩衝液(pH7)中で製造したβ−CD、HPβ−CDおよびSBβ−CDの水溶液で平衡にした場合のPNTHの相溶解度の挙動を定義するために実施した。
試料の製造方法
PNTHの製造
パントプラゾールナトリウム塩を出発材料として使用した。ナトリウム塩の水溶液をpH7.5になるまで酢酸(0.1N)で1滴ずつ酸性にすることによってPNTHが得られた。得られる乳白色の懸濁液をブフナー装置を使用して濾過し、かつ得られる固体を乾燥させた。
PNTHの製造
パントプラゾールナトリウム塩を出発材料として使用した。ナトリウム塩の水溶液をpH7.5になるまで酢酸(0.1N)で1滴ずつ酸性にすることによってPNTHが得られた。得られる乳白色の懸濁液をブフナー装置を使用して濾過し、かつ得られる固体を乾燥させた。
錯化試験
混練
ナトリウム塩(PNTNa)および解離していない形(PNTH)の両方のパントプラゾールと、β−シクロデキストリン(β−CD)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβ−CD)およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン(SBβ−CD)のナトリウム塩との包接錯体を、1:1および1:2モルの物理的混合物の混練により製造した。リン酸緩衝液または1:1水エタノール溶液をPNNaおよびPNTHの包接錯体を製造するためにそれぞれ結合溶液として使用した。
混練
ナトリウム塩(PNTNa)および解離していない形(PNTH)の両方のパントプラゾールと、β−シクロデキストリン(β−CD)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβ−CD)およびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン(SBβ−CD)のナトリウム塩との包接錯体を、1:1および1:2モルの物理的混合物の混練により製造した。リン酸緩衝液または1:1水エタノール溶液をPNNaおよびPNTHの包接錯体を製造するためにそれぞれ結合溶液として使用した。
凍結乾燥
凍結乾燥の技術をPNTHおよびPNTNaそれぞれとHPβ−CDとの1:1モルの包接錯体の製造に適用した。
凍結乾燥の技術をPNTHおよびPNTNaそれぞれとHPβ−CDとの1:1モルの包接錯体の製造に適用した。
後に凍結乾燥させるPNTNa:HPβ−CD1:1モルの試料の製造において、正確な量のHPβ−CDをまず必要とされる最小量(約1.5ml/mg)の蒸留水中に溶解し、かつ連続的に撹拌した。次いで秤量したPNTNaの正確な量を少量ずつ添加した。薬剤の完全な可溶化の後、液体窒素中で試料を凍結し、かつ12時間凍結乾燥させた(−70℃、760トル)。
PNTH:HPβ−CD1:1モルの試料は、次の方法により異なった方法で製造した。ふたたび、PHβ−CDの正確な量をまず必要とされる最小量(約1.5ml/mg)の蒸留水中に溶解し、かつ連続的に撹拌した。次いで秤量したPNTHの正確な量を少量ずつ添加したが、しかしその可溶化をアセトンの添加により補助した。HPβ−CDを可溶化するために使用した水の量に対する、添加したアセトンの合計体積は1:1であった。次いで試料を液体窒素中で凍結し、かつ12時間、凍結乾燥させた(−70℃、760トル)。
天然および変性シクロデキストリンによるPNTHの相溶解度の試験
pH7におけるリン酸緩衝液中のPNTHの溶解度を予めプロットしたアスコルビン酸塩対濃度の較正曲線を使用して測定した。
pH7におけるリン酸緩衝液中のPNTHの溶解度を予めプロットしたアスコルビン酸塩対濃度の較正曲線を使用して測定した。
PNTHの公知の量を、β−CDに関して0〜1.8%(p/v)、H−Pβ−CDに関して0〜20%(p/v)およびSB−β−CDに関して0〜15%(p/v)の範囲の異なった濃度のシクロデキストリン溶液中に懸濁させた。得られた懸濁液をPTFE 0.45μフィルターを使用して濾過し、適切に希釈し、かつ次いでUV分光光度分析を行った。次いで相応する試料中のPNTHの濃度を、関連するPNTH校正曲線を適用して計算した。
特性決定の技術
錯化の試験
Mettler DSC 821(R)モジュールを使用して熱的痕跡が得られた。FTIRスペクトルはKBrディスク上、400〜4000cm−1(Jasco FT−300−IE)を用いて実施した。凍結乾燥器はPirani 10 Edwards Modulyoモデルであった。粉末X線回折図をBrukerD5005回折計を使用して記録した。
錯化の試験
Mettler DSC 821(R)モジュールを使用して熱的痕跡が得られた。FTIRスペクトルはKBrディスク上、400〜4000cm−1(Jasco FT−300−IE)を用いて実施した。凍結乾燥器はPirani 10 Edwards Modulyoモデルであった。粉末X線回折図をBrukerD5005回折計を使用して記録した。
相溶解度試験
UV−visスペクトルをJasco V570分光光度計により記録した。
UV−visスペクトルをJasco V570分光光度計により記録した。
結果
相溶解度の試験
A.リン酸緩衝液pH7中でのβ−CDによるPNTHの相溶解度曲線
相溶解度曲線(図1)はタイプALの典型的なHiguchi-Connerのパターンに従う。実際、パントプラゾールはβ−CDの溶液により平衡にした場合、その見かけの溶解度において直線的な増加を示し、これはリン酸緩衝液単独中でのその溶解度の4倍に達する(0.56ミリモル/Lから2.25ミリモル/L)。
相溶解度の試験
A.リン酸緩衝液pH7中でのβ−CDによるPNTHの相溶解度曲線
相溶解度曲線(図1)はタイプALの典型的なHiguchi-Connerのパターンに従う。実際、パントプラゾールはβ−CDの溶液により平衡にした場合、その見かけの溶解度において直線的な増加を示し、これはリン酸緩衝液単独中でのその溶解度の4倍に達する(0.56ミリモル/Lから2.25ミリモル/L)。
B.リン酸緩衝液pH7中でのHPβ−CDによるPNTHの相溶解度曲線
この場合にもまた、相溶解度曲線(図2)は典型的なHiguchi-Connerのパターンに従う。実際、パントプラゾールをHPβ−CDの溶液により平衡にした場合、パントプラゾールの見かけの溶解度における増加を示し、これはリン酸緩衝液単独中でのその溶解度の36倍に達する(0.56ミリモル/Lから17.8ミリモル/L)。
この場合にもまた、相溶解度曲線(図2)は典型的なHiguchi-Connerのパターンに従う。実際、パントプラゾールをHPβ−CDの溶液により平衡にした場合、パントプラゾールの見かけの溶解度における増加を示し、これはリン酸緩衝液単独中でのその溶解度の36倍に達する(0.56ミリモル/Lから17.8ミリモル/L)。
C.リン酸緩衝液pH7中でのSBβ−CDによるPNTHの相溶解度曲線
この場合、SBβ−CDの溶液で平衡化した場合、パントプラゾールの溶解度は直線的に増加し、かつ相溶解度曲線(図3)は、その見かけの溶解度がリン酸緩衝液単独中でのその値に関して20倍増加することを示している(0.56ミリモル/Lから9.3ミリモル/L)。
この場合、SBβ−CDの溶液で平衡化した場合、パントプラゾールの溶解度は直線的に増加し、かつ相溶解度曲線(図3)は、その見かけの溶解度がリン酸緩衝液単独中でのその値に関して20倍増加することを示している(0.56ミリモル/Lから9.3ミリモル/L)。
混練により製造される試料の錯化の試験
物理的混合物および濡らして混練した後に得られる固相の両方を特徴付けるためにまず、示差走査熱量測定(DSC)を使用した。いずれの場合も混練技術を使用して包接錯体を得ることには成功しなかった。実際、DSCの痕跡はシクロデキストリンの脱水に相応する100℃より低い最初の広い吸熱ピークを示し、かつ第二のシャープな吸熱ピークを融合に基づいてPNTNaに関して134℃で、またはPNTHに関して144℃で示した。
物理的混合物および濡らして混練した後に得られる固相の両方を特徴付けるためにまず、示差走査熱量測定(DSC)を使用した。いずれの場合も混練技術を使用して包接錯体を得ることには成功しなかった。実際、DSCの痕跡はシクロデキストリンの脱水に相応する100℃より低い最初の広い吸熱ピークを示し、かつ第二のシャープな吸熱ピークを融合に基づいてPNTNaに関して134℃で、またはPNTHに関して144℃で示した。
凍結乾燥により製造された試料の錯化試験
凍結乾燥により得られた試料はいずれもふわふわした白色の泡状の稠度を有していた。これらの試料の熱分析は、PNTNaおよびPNTHの融合の特徴的な吸熱ピークが存在しないことによって、錯化が効果的に行われたことを示している。PNTH−HPβ−CD1:1包接錯体は極めて潮解性であった。PNTNa:HPβ−CD1:1包接化合物の粉末X線回折図から非晶質の固体を有していることが判明した。
凍結乾燥により得られた試料はいずれもふわふわした白色の泡状の稠度を有していた。これらの試料の熱分析は、PNTNaおよびPNTHの融合の特徴的な吸熱ピークが存在しないことによって、錯化が効果的に行われたことを示している。PNTH−HPβ−CD1:1包接錯体は極めて潮解性であった。PNTNa:HPβ−CD1:1包接化合物の粉末X線回折図から非晶質の固体を有していることが判明した。
結論
1)相溶解度の試験は使用した3つのCD全てによってリン酸緩衝液中でのPNTHの見かけの溶解度における著しい増加が観察されたことを示している。
1)相溶解度の試験は使用した3つのCD全てによってリン酸緩衝液中でのPNTHの見かけの溶解度における著しい増加が観察されたことを示している。
2)包接錯体の生成は混練によっては達成されなかった。
3)凍結乾燥によりHPβ−CDおよびPNTNaの水溶液からこれらの非晶質固相を製造することができた。
Claims (10)
- パントプラゾール、パントプラゾールと塩基との塩、パントプラゾールのエナンチオマーまたはパントプラゾールのエナンチオマーの塩およびシクロデキストリンから形成される包接錯体。
- パントプラゾールナトリウムセスキヒドレート(=パントプラゾールナトリウム×1.5H2O)、(−)−パントプラゾールナトリウムセスキヒドレートまたはパントプラゾールマグネシウムジヒドレートから形成される、請求項1記載の包接錯体。
- シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンである、請求項1または2記載の包接錯体。
- パントプラゾールとシクロデキストリンとを適切な溶剤中で反応させることによる、請求項1から3までのいずれか1項記載の包接錯体の製造方法。
- 溶剤が実質的にエタノールである、請求項4記載の方法。
- 請求項4に記載の方法により得られる包接錯体。
- 1/1(パントプラゾール/シクロデキストリン)包接錯体である、請求項1記載の包接錯体。
- 請求項1から3までのいずれか1項記載の包接錯体と適切な医薬品添加剤からなる投与形。
- 胃酸分泌の増加に起因する障害の疾患を治療または予防するための請求項1から3までのいずれか1項記載の包接錯体。
- パントプラゾール包接錯体の有効量を含有する請求項8記載の製薬のために認容可能な投与形を病気の傾向にあるか、または罹患した被験者に投与することからなる、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールにより治療可能であるか、または予防可能である状態を治療または予防する方法。
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