JP2005513874A - スペクトルエコーのテイル予測器を有するエコーキャンセラ - Google Patents
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Abstract
エコーキャンセラは、遠端信号用の信号入力、歪んだ所望の信号用のオーディオ入力、該信号入力に接続されるエコー予測器、並びに該エコー予測器及び該オーディオ入力に接続されるスペクトル減算器を有している。エコー予測器は、キャンセルすべきエコーの少なくとも1部の時間期間をカバーするデジタルフィルタ手段を有している。エコー部分のスペクトル減算では、エコーの位相情報を利用しない。結果的に、これにより、メモリ容量が節約され、エコーキャンセラで行われる計算の処理電力が節約される。さらに、これらの計算は、任意の種類のエコーのテイルの過程がモデル化されるとき、室内インパルス応答の特定の減衰過程に限定されない。これにより、実用的な実施の形態における自由度が大きくなり、エコーキャンセラの適応領域が広がる。
Description
本発明は、遠端信号用の信号入力、歪んだ所望の信号用のオーディオ入力、該信号入力に接続されるエコー予測器、並びに該エコー予測器及びオーディオ入力に接続されるスペクトル減算器を有するエコーキャンセラに関する。
また、本発明は、特に、通信システムといった、かかるエコーキャンセラが設けられたシステムに関し、たとえば、電話、ボイスコントロールシステムのようなハンズフリーな通信装置に関する。
さらに、本発明は、スペクトルフィルタリングにより音響エコーをキャンセルするための方法に関する。
また、本発明は、特に、通信システムといった、かかるエコーキャンセラが設けられたシステムに関し、たとえば、電話、ボイスコントロールシステムのようなハンズフリーな通信装置に関する。
さらに、本発明は、スペクトルフィルタリングにより音響エコーをキャンセルするための方法に関する。
エコーのような干渉成分を抑圧するための構成により実現されるかかるエコーキャンセラは、国際特許出願WO97/45995号から知られている。公知のエコーキャンセラは、遠端信号を転送する信号入力と、エコーにより歪んだ所望のマイクロフォン信号用の減算器のオーディオ入力とを有している。また、エコーキャンセラは、図1において破線で示される1つの考えられる実施態様では、信号入力に接続されるエコースペクトル予測器、エコー予測器及びオーディオ入力に接続されるスペクトルフィルタにより実現されるスペクトル減算器を有している。また、信号入力は、遠端のエコー信号からエコー信号のレプリカを導出するための適応フィルタに接続される。減算器では、このレプリカは、エコーにより歪んだオーディオ信号から減算されて望まれないエコー信号が除かれる。スペクトルフィルタは、伝達関数を有しており、その設定は、予め決定されたエコースペクトル予測に依存しており、望まれないエコー信号の残余部分、或いはテイル部分又は拡散部分の予測値を複製することで、エコーのキャンセルがさらに向上される。
このテイル部分に関して、この部分は、室内インパルス応答の必然的な指数関数的な減衰のエンベロープと関連することが仮定されている。しかし、この仮定は、ある限定を含んでおり、この限定は、所定の実際の可能な変更条件の下では、エコーのテイルのキャンセルが常に導かれない場合があることである。このことは、先に説明された考えられる実施態様について益々当てはまる。さらに、この限定は、特に、音響エコーの高い減衰が非常に重要となる自動音声認識と組み合わせて使用される場合には、公知のエコーキャンセラの適用可能性を制限することになる。
エコースペクトル予測器が適応フィルタの出力に接続される別の好適な実施態様に加えて、適応フィルタの可能性のある緩やかな応答とエコー予測器への遅延された入力との間、及び適応フィルタで生じる可能性のあるエラーとスペクトル減算フィルタの適切な動作との間に非依存性が生じる。この非依存性は、静止していない信号について特に、エコーキャンセリングのロバスト性に悪影響を及ぼし、実際のエコーキャンセリングに関して乏しい結果を招く場合がある。
したがって、本発明の目的は、キャンセル可能なエコーのテイルの振る舞いに関して少ない制約を与えるエコーキャンセラを提供することにあり、より広い実用的な適用領域をロバストなやり方で提供するエコーキャンセラを提供することにある。
本発明に係るエコーキャンセラは、エコー予測器(echo estimator)が、キャンセルすべきエコーの少なくとも1部に関する時間期間をカバーするデジタルフィルタ手段を有することを特徴としている。
同様に、本発明に係る方法は、該エコーの少なくとも1部がデジタル的に予測され、スペクトル的にフィルタリングされる。
本発明に係るエコーキャンセラの効果は、エコー予測器がエコーの少なくともテイル部分を計算することにある。次いで、スペクトルフィルタリングにより、エコーのテイル部分の補償が行われる。しかし、この必然的な計算は、任意の種類のエコーのテイルの減衰がモデル化されるとき、指数関数的な減衰過程のような室内インパルス応答の特定の減衰過程に限定されない。これにより、現実の実施の形態において大きな自由度が提供され、本発明のエコーキャンセラに関する適用分野を広げることができる。さらに、FIR又はIIRデジタルフィルタのいずれかの実現が使用される場合がある。さらに、デジタルフィルタ手段は、エコーの全体又はテイル部分の時間期間をカバーするために選択される場合がある。
エコーのテイル部分は、存在しない場合には、適応フィルタにより提供される情報に基づいてキャンセルされない。これにより、本発明に係るエコーキャンセラの信頼性及び精度が増加する。さらに、エコーのテイル予測器は、特に適応フィルタとは独立に動作する。この適応フィルタは、本発明に係るエコーキャンセラに存在する場合がある。したがって、かかる適応フィルタの理想的でない振る舞いは、エコーの品質、特にエコーのテイルの計算において反映されない。これにより、本発明に係るエコーキャンセラによる少なくともエコーのテイルキャンセルのロバスト性が改善される。
エコーのテイル予測器は、スペクトルの大きさ、すなわちスペクトルパワーのエコーテイルのデータをスペクトル減算器に供給し、エコーの位相情報を利用しない。結果的に、これにより、メモリ容量を節約することができ、本発明に係るエコーキャンセラで行われる計算に関する処理電力を節約することができる。
本発明に係るエコーキャンセラに関する実施の形態は、エコーのテイル予測器がデジタルフィルタを有しており、このデジタルフィルタの数は、エコーキャンセラにおけるエコーのパスの数に等しいことを特徴としている。
エコーキャンセラに存在する1以上のラウドスピーカと1以上のマイクロフォンの間の各エコーのパスについて、この実施の形態は、適切なそれぞれのサンプル長を有する1つのデジタルフィルタを有している。
本発明に係るエコーキャンセラの簡略化された実施の形態は、エコー予測器が1つのデジタルフィルタを有することを特徴としている。
この簡略化された実施の形態では、エコー信号は、スペクトル周波数のビン当たり蓄積され、次いで、1つのデジタルフィルタに供給され、このデジタルフィルタは、予測されたエコーを計算する。1つ又は複数のエコーの全てのテイル部分が同じ室内から生じる場合、室内インパルス応答のテイル部分は、それらそれぞれの位相において相互に異なる。これらの位相は、スペクトル予測器により無視されるが、それらのスペクトルの大きさにおいて無視されるものではない。結果的に、1つのデジタルフィルタで複数のフィルタを置き換えることで導入されるエラーは比較的小さく、これにより、本発明に係るエコーキャンセラの実現コストを大幅に低減することができる。
本発明に係るエコーキャンセラの好適な実施の形態では、エコーキャンセラが、エコー信号のエコーの前のテイル部分(pre-tail part)を予測するために信号入力に接続される適応フィルタを有することを特徴としている。
この実施の形態では、エコーの前のテイル部分及びテイル部分を含む完全なエコーは、適応フィルタ及びエコーテイル予測器により、独立に、効果的にキャンセルされる。さらに、たとえば、適応フィルタが比較的短くなるように、補償すべきインパルス応答のエコー部分の個々の長さが選択される場合がある。
好ましくは、本発明に係るエコーキャンセラは、エコー予測器が適応エコー予測器として構成されることを特徴としている。
有利なことに、エコーのテイルの計算は、室内インパルス応答における変化に順応可能であり、たとえば、室内における動きのためである場合がある。
分割されたスペクトル変換手段は、本発明に係るエコーキャンセラの別の実施の形態に存在する場合があり、エコーキャンセラが、第一のスペクトル変換手段と第二のスペクトル変換手段からなる並列構成を有することを特徴としている。
実施の形態では、このことは、自動音声認識(ASR)システムにおける応用に特に適しており、本発明に係るエコーキャンセラは、スペクトル変換手段が少なくとも1つのフィルタバンクを有することを特徴としている。
ASRシステムで時間領域の出力が必要とされる場合、フィルタバンクを使用して、周波数の解像度が低減され、これにより、本発明に係るエコーキャンセラの実現コストを低減することができる。
さらに、移動電話のようなハンズフリーの通信装置のような通信システムに適した本発明に係るエコーキャンセラの別の実施の形態は、エコーキャンセラがスペクトル逆変換手段を有することを特徴としている。
本発明に係るエコーキャンセラ及び関連するエコーキャンセリング方法は、添付図面を参照しつつ、その更なる利点と共に説明される。ここで、類似の構成要素には、同じ参照符号により参照される。
図1は、1つ以上のラウドスピーカ2、及び可能であれば1つ以上のマイクロフォンを有しているエコーキャンセラ1を示している。簡略さの理由のため、1つ以上のマイクロフォンのうちの1つのマイクロフォン3が示されている。多数個Sのラウドスピーカ2及びマイクロフォン3の間には、複数のエコーのパスが存在し、集合的にeで示されている。マイクロフォン3は、望まれる信号s及び収集されるエコー信号eを受信し、オーディオ入力Aでマイクロフォン信号zを生じる。エコーキャンセラ1は、S個の遠端信号xを含む信号を転送する信号入力4を有している。また、エコーキャンセラ1は、信号入力4及びオーディオ入力Aに接続されるスペクトル変換手段5を有しており、スペクトルフィルタとして可能であれば見ることができるスペクトル減算器6を有しており、このスペクトル減算器は、手段5に接続されている。スペクトル手段5は、第一のスペクトル変換手段5−1において、入力4の遠端信号のスペクトル成分を計算する。エコーeの第一の部分、又は以下、前のテイル部分と呼ばれる部分は、適応フィルタ7によりモデル化され、この適応フィルタは、エコーキャンセラ1に含まれる場合があり、これは必要的なことではないが、実際には好ましい。
最も実用的な応用では、この適応フィルタ7は、有限インパルス応答(FIR)フィルタであり、このFIRフィルタは、そのインパルス応答のうち所定の長さまで室内インパルス応答をモデル化できることを意味している。最適化され、適応フィルタ7が所与の静止環境について最適なソリューションに集束したとしても、有限長の適応フィルタ7によりカバーされない、この場合S個の室内インパルス応答のテイルにより引き起される残存するエコー(residual echo)がなお残されている。
エコーキャンセラ1は、エコー予測器8をさらに有しており、このエコー予測器は、図1では、スペクトル手段5と、抑圧されるべきエコーの少なくともテイル部分の信号を予測するためのスペクトル減算器6との間に接続されている。スペクトル減算にとって、エコーの位相情報が省略される一方で、エコーにテイル部分のマグニチュードスペクトルの予測値Iが必要であることを述べることは重要である。したがって、処理のために利用可能な完全なエコーのテイル部分の情報を有することは必要なことではない。これにより、エコーキャンセラ1に関する計算上の複雑さとメモリ容量の要件とを低減することができる。
個別のブロック5として図1で示されており、ここでは、変換手段5−1及び5−2に再分割されているが、これらの手段は、予測器8及びスペクトル減算器6のそれぞれに含まれているものと考えられる場合がある。
スペクトル減算器6は、エコーのテイル部分のキャンセルされた出力信号Uを供給し、この出力信号は、エコーキャンセラ1の適用に依存して、スペクトル逆変換手段9によるスペクトル逆変換に向けられる。エコーキャンセラ1の可能な適用は、移動電話、又はボイスコントロールシステムのようなハンズフリーの通信装置で見ることができる。ハンズフリー通信装置Sが参照符号1であることがあり、ボイスコントロールシステムSが参照符号2(ステレオシステム)から参照符号5(サラウンドシステム)までの範囲に対応する。
図1に詳細に説明されるように、適応フィルタ7は、エコー信号eをモデル化し、減算器10での減算の後、減算器の出力信号rは、第二のスペクトル変換手段5−2でスペクトル的に変換され、変換信号Rを出力する。変換信号Rからテイル部分のエコー信号Iをスペクトル的に減算すること、すなわちフィルタリングすることによって、エコーのテイル部分がキャンセルされた出力信号Uが生じる。自動音声認識システムでは、この出力が望まれる出力である。時間領域の出力が望まれる場合には、第二のスペクトル変換手段5−2により抽出された位相情報がマグニチュード出力信号Uと結合されて、望まれる時間領域の出力を示す場合がある。
(サンプルの)長さNを有する完全な適応フィルタ7で得られる最大の減衰は、室内の反響時間T60の関数として、以下のように表現することができる。
A[dB]=60N/fsT60
ここで、fsは、サンプリング周波数である。しかし、エコーの高い減衰を達成するための適応フィルタ7でNを増加することは、静止していない及び/又は白色ではない入力信号が関与する場合には、長い集束時間、不安定性及び低速のトラッキング能力のような理想的ではない効果を表す傾向がある。しかし、良好なトラッキング能力は重要であり、これは、温度変化、環境変化及び室内での動きのためである。エコーキャンセラ1では、適応フィルタ7は、エコーの前のテイル部分をキャンセルするために時間領域で動作し、スペクトル減算器6は、エコーのテイル部分をキャンセルするために位相情報に対して排他的なマグニチュード領域で動作する。テイル部分のエコーキャンセルにとって、そのマグニチュードのみが処理されるだけでよい。これにより、静止していない環境においても、安定かつロバストなエコー処理が促進される。
A[dB]=60N/fsT60
ここで、fsは、サンプリング周波数である。しかし、エコーの高い減衰を達成するための適応フィルタ7でNを増加することは、静止していない及び/又は白色ではない入力信号が関与する場合には、長い集束時間、不安定性及び低速のトラッキング能力のような理想的ではない効果を表す傾向がある。しかし、良好なトラッキング能力は重要であり、これは、温度変化、環境変化及び室内での動きのためである。エコーキャンセラ1では、適応フィルタ7は、エコーの前のテイル部分をキャンセルするために時間領域で動作し、スペクトル減算器6は、エコーのテイル部分をキャンセルするために位相情報に対して排他的なマグニチュード領域で動作する。テイル部分のエコーキャンセルにとって、そのマグニチュードのみが処理されるだけでよい。これにより、静止していない環境においても、安定かつロバストなエコー処理が促進される。
最初の簡単な分析は、周知であって、変換手段5−1及び5−2により実行されるスペクトル変換に関する可能な実現について与えられる。図2が参照される。入力信号x又は残存する信号rのような入力される時間信号のサンプルは、最初に、直列から並列に変換され、次いで、ブロック処理に向けられる。入力信号は、サイズBのブロックで処理される。それぞれの新たなブロックは、前のブロックに添付され、2Bの連結されたブロックサイズとなり、次いで、この連結ブロックは、以下の関係を満たす窓関数w(n)により乗算される。
この窓関数が乗算されたブロックは、次いで、サイズM≧2Bである高速フーリエ変換(FFT)により変換される。ここで、Mが2Bに等しく、入力信号が実数値であるとすると、FFT係数に独立なB+1のマグニチュードが計算される。マグニチュードから離れて、自乗されたマグニチュード、又は代替的な任意の他のマグニチュードの正の関数は、関連されるFFT係数の計算のためにそれぞれの周波数ビンにおけるパワーを表すために使用される。時間領域の出力が必要とされる場合、残存する信号rに印加される変換は、スペクトル減算語の再構成のためにFFT係数の位相を提供する必要がある。このことは、信号入力4の遠端信号の印加される変換のために必要なことではない。エコーキャンセラ1が先に説明されたようにASRのために使用される場合、周波数の解像度を低減するためにフィルタバンク11が使用され、これにより、実現コストを低減することができる。フィルタバンク11のK個の出力係数は、B+1個の入力係数の線形結合である。Xiが任意の時間定数でのフィルタバンク11へのB+1個の入力係数である場合、K個の出力係数Ykは、任意のカーネルgkiとして以下に従って計算される。
ASRでは、カーネルは、いわゆるMELスケールに関して線形な周波数間隔をもつ三角形として通常選択される(L.R.Rabiner and B.H.Juang, Fundamentals of Speech Recognition, Englewood Cliffs New York, USA, Prentice-Hall, 1993を参照されたい)。B及びKの一般的な選択は、サンプリング周波数8KHzでB=128及びK=15である。フィルタバンクが使用されない場合、KはB+1に等しい。B個の入力サンプル毎に、サイズKの出力ベクトルが生成される。入力4の変換された遠端信号は、その長さが適応フィルタ7の長さに等しい遅延レジスタ12により可能であれば遅延され、予測器8により処理されて、後に説明されるようなやり方で、残存するエコーのスペクトル予測値IがRで供給される。スペクトル減算器/フィルタ6におけるスペクトルフィルタリング又は減算器について、以下のルールが適用される。
ここで、c1及びc2は負ではない定数であり、sは正の減算要素であり、Rk,Uk及びIkは任意の時間に関する瞬間でのベクトルR,U及びIの要素である。定数c1は、スペクトル減算により導入される最大の減衰を制限するために使用される。要素Uに関する下限は、定数c2により規定される。
逆に、時間領域の出力信号が必要とされる場合、逆変換手段9において、図6に示されるように、rの位相と結合される間に、スペクトルベクトルUのサイズM=2Bである逆FFT(IFFT)が計算される。サイズ2Bの結果的に得られるブロックは、サイズBの2つの部分に分割される。第一の部分は、前のブロックの第二の部分に加えられ、第二の部分は、次のブロックの第一の部分に加えられるために記憶される。加えられた後、B信号は、並列から直列に変換され、時間領域の出力信号が生成される。
ここで、図3は、エコー予測器8の可能な実施の形態を示している。変換手段5−1からのS個のK次元のスペクトル係数は、図3では、FIR0,...,FIRS-1で個別に示されるS個のKチャネルのFIRフィルタの可能な並列構成の形態であるデジタルフィルタ手段DFに供給される。総和器Σにおけるそれぞれのフィルタ出力の累積値は、エコーの予測値Iを与える。
図4には、予測器8で使用されるフィルタDFのうちの1つ,すなわちFIRmの構造が示されている。ここで、m=0,...,S−1及びl=0,...,L−1によりWm,lで示されるK次元の重みベクトルは、実数値であり、負ではない。Lはフィルタ長であり、遅延エレメントDの数であり、この数は、S個の室内インパルス応答が補償される数までの長さにより決定される。Nhがこれらの応答のサンプルにおける長さを示す場合、予測器8におけるFIRフィルタの長さは、以下の式で示される。
ここで、Nは、適応フィルタ7の長さであり、Bは、ブロック長である。この重みベクトルWm,lは、初期化段階において計算され、その後に一定に保たれるか、又は適応的に調節することもできる。適応的な調節は、図1で減算器の入力ベクトル信号I及びRへの加算器Dの破線による接続により概念的に示されており、その加算器の出力は、説明された重みベクトルを調節するために、制御ユニットCを通してスペクトル予測器8に接続されている。このようにして、重みベクトルWm,lは、差信号R−Iに適応的に依存する。しかし、固定された重みは、静止していない環境であっても有効とすることができる。これは、室内での(僅かな)動きは、主に位相の変化によるいわゆる拡散音場からのテイル部分のエコーに影響を及ぼすためである。この位相変化は、位相領域では動作しないスペクトル減算には無関係であるためである。この固定された重みは、最初に説明され、その後に、重みの適応がさらに説明される。
hm(n)をm番目の遠端チャネルとマイクロフォン3との間の室内インパルス応答の長さNhの予測値であるとする。この予測値は、初期化段階で得ることができ、この初期化段階では、特別な、好ましくは静止した白色の試験信号が使用され、非常に長いマルチチャネルの適応フィルタにより室内インパルス応答が調節される。代替的に、1つのシングルチャネルの適応フィルタが使用され、それぞれのエコーチャネルのインパルス応答を連続的に予測する。この段階では、他の処理は行われないため、必要なハードウェアは、適応フィルタのために完全に専用となり、非常に長いフィルタのために増加される複雑さは、問題とならなくなる。初期化の後、適応フィルタ7の長さは、複雑さを低減するため、及び先に説明されたような非常に長いフィルタに関連する実用的な問題を回避するため、更なる処理のために減少される。スペクトル変換手段5−1,5−2によるスペクトル領域への変換にフィルタバンク11が含まれない場合、予測されるインパルス応答hm(n)の最後のNh−Nの長さBのl番目の区分に関する2Bポイントの離散フーリエ変換のマグニチュード(大きさ)を取ることで、以下に従って重みWm,lが得られる。
ここで、Wm,l,kは、ベクトルWm,lのk番目のエレメントである。フィルタバンク11は、スペクトル領域への変換において使用され、対応する重みは、ベクトルWのエレメントに先の線形結合の式(1)を適用することで計算することができ、以下の式が導出される。
ここで、gk,iは、フィルタバンクのカーネルである。
初期化段階で室内インパルス応答を予測することを回避するため、処理の間の重みを最適化するための適応アルゴリズムを使用することもできる。別の有利な点は、重みを室内で変化させるために調節できることであり、これにより、インパルス応答のテイル部分に関する位相以外にまで影響を与える。適応アルゴリズムの可能な実現は、たとえば、公知の最小自乗(LMS)アルゴリズム又は正規化LMSである。室内インパルス応答のテイルのマグニチュードスペクトルにおける急速な変化は、一般に存在しないので、適応アルゴリズムにおける更新定数は、非常に小さく選択され、これにより、適応アルゴリズムによるロバストな集束の振る舞いを得ることができる。
図3の実現は、遠端チャネル当たり1つのKチャネルFIRフィルタを必要としている。予測器8は、図5に示されるように総和演算及びデジタルフィルタ演算を交換し、唯一のFIRフィルタによりS個のFIRフィルタを置き換えることで簡略化することができる。これにより、非常に低減された実現コストで、実際に等価な性能を得ることができる。S個のFIRフィルタによりモデル化された同じ室内のインパルス応答のテイルは、それらのマグニチュードにおいてよりも、それらの位相において異なるので、1つのFIRフィルタにより導入される誤差は比較的小さい。このことは、認識結果により確認されている。デジタルフィルタ手段は、IIR又はFIRフィルタの実現を有している場合がある。
上述した内容は、本質的に好適な実施の形態及び最も可能なモードを参照して説明され、これらの実施の形態は、システム及び関連する方法の限定的な例として解釈されるべきではない。これは、特許請求の範囲に包含される様々な変更、機能及び該機能の組み合わせが当業者にとって到達しうる範囲に含まれるためである。
Claims (10)
- 遠端信号用の信号入力、歪んだ所望の信号用のオーディオ入力、該信号入力に接続されるエコー予測器、並びに該エコー予測器及び該オーディオ入力に接続されるスペクトル減算器を有するエコーキャンセラであって、
該エコー予測器は、キャンセルすべきエコーの少なくとも1部の時間期間をカバーするデジタルフィルタ手段を有する、
ことを特徴とするエコーキャンセラ。 - 該エコー予測器は、多数のデジタルフィルタを有しており、該デジタルフィルタの数は、該エコーキャンセラにおけるエコーのパスの数に等しい、
ことを特徴とする請求項1記載のエコーキャンセラ。 - 該エコー予測器は、1つのデジタルフィルタを有する、
ことを特徴とする1又は2記載のエコーキャンセラ。 - 該エコーキャンセラは、該エコーの前のテイル部分を予測するために該信号入力に接続される適応フィルタを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のエコーキャンセラ。 - 該エコー予測器は、適応エコー予測器として構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のエコーキャンセラ。 - 該エコーキャンセラは、第一のスペクトル変換手段と第二のスペクトル変換手段とからなる並列構成を有する、
ことを特徴とする請求項5記載のエコーキャンセラ。 - 該スペクトル変換手段は、少なくとも1つのフィルタバンクを有する、
ことを特徴とする請求項6記載のエコーキャンセラ。 - 該エコーキャンセラは、スペクトル逆変換手段を有する、
ことを特徴とする請求項6記載のエコーキャンセラ。 - たとえば、移動電話、ボイスコントロールシステムといったハンズフリー通信装置のような通信システムである、エコーキャンセラが設けられたシステムであって、
該エコーキャンセラは、遠端信号用の信号入力、歪んだ所望の信号用のオーディオ入力、該信号入力に接続されるエコー予測器、並びに該エコー予測器及び該オーディオ入力に接続されるスペクトル減算器を有し、
該エコー予測器は、キャンセルすべきエコーの少なくとも1部の時間期間をカバーするデジタルフィルタ手段を有する、
ことを特徴とするシステム。 - スペクトルフィルタリングにより音響エコーをキャンセルするための方法であって、
該音響エコーの少なくとも一部は、デジタル的に予測され、次いでスペクトル的にフィルタリングされる、
方法。
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