JP2005512538A - 無血清培地中でタンパク質を製造するのに有用なクローン性骨髄腫細胞系 - Google Patents
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Abstract
本発明は無血清培地中で継続的に増殖する能力を有するクローン性骨髄腫細胞系に関する。本発明はまた、クローン性骨髄腫細胞系およびそれら由来のいずれかの細胞系でのタンパク質の産生にも関する。本発明はさらに、無血清培地中で増殖することが可能な細胞系の同定方法に関する。本発明はまた、顧客が本発明の細胞、細胞系および細胞培養物を提供される商取引の方法にも関する。
Description
本発明は組換えDNA技術においておよび細胞培養物中でのタンパク質の製造に有用な細胞、細胞系および細胞培養物に関し、ならびにさらに無血清培地(chemically defined medium)中で増殖することが可能なクローン性骨髄腫細胞系に関する。
組換えタンパク質製造のための従来技術は、活発な細胞増殖および生存率を助長するための化学的に定義されない(chemically undefined)血清および混合タンパク質のような動物由来成分を補充した細胞培地の使用に頼ってきた。多くの組換えタンパク質、とりわけモノクローナル抗体が主として研究もしくはin vitro診断の応用に使用され、動物由来補充成分の排除に時間および金銭を投資する制限された動機のみを残した。しかしながら、新たな技術が発展したため、細胞培養で製造されるタンパク質が潜在的なin vivoヒト治療薬としてますます重要になっている。
細胞培養物中で製造されたタンパク質の意図される用途の変化は、それらの製造に使用される材料および方法についての新たな懸念を提起した。例えば、血清は、完全には同定されておらずまたそれらの役割もしくは作用機序も決定されていない多くの成分を含有する。従って血清はバッチごとに異なることがあり、おそらく多様な成分のレベルおよび細胞に対するそれらの影響を決定するための試験を必要とするであろう。加えて、血清はおそらくウイルス、マイコプラズマおよびおそらくプリオンのような微生物で汚染されているかもしれず、それらのいくつかは無害であるかもしれないが、しかしにもかかわらず付加的な未知の因子を表す。
この敏感さは畜牛の神経変性性疾患、牛海綿状脳症(BSE)の出現とともに近年より深刻となった。それはヒトに伝染可能であるため、BSEの出現は生物学的に活性の製品の製造における動物由来成分の使用についての規制の問題を提起した。実際、細胞培地、およびついには動物由来材料中に存在している偶発作用物質による最終的な治療薬の汚染の微々たる可能性が、多くの規制当局が細胞培地中での動物由来材料の中断もしくは制限された使用を強く推奨するように動かした。
この状況に応答して、いくつかの会社が血清を含まずかつ/もしくは動物由来タンパク質を含まない哺乳動物細胞の増殖および維持のための細胞培地を開発した。広範な細胞型および培養条件に利用しうる血清補充培地と異なり、これらの血清を含まない処方は最もしばしば高度に特異的である。事実、多数の利用可能な商業的な血清を含まない培地処方が多様な必要性を示す。大部分の培地は小スケールの実験室の応用に適するが、しかし大スケールのバイオリアクターには余りにも高価になる。さらに、いくつかは細胞の増殖に適切であるがしかし生産培地として乏しく機能する。
細胞生物学におけるより最近の進歩は、無血清(「CD」)培地中での増殖が可能な細胞系もしくは親宿主を開発する新たな戦略につながった。これらのアプローチは、細胞周期の制御、アポトーシスおよび成長因子の調節を包含する細胞の生化学的過程の遺伝子操作を必要とする。例えば、スーパー(Super)CHO、サイクリン(Cyclin)E CHOK1およびE2F CHOK1は全部、多様な遺伝子操作の結果としてCD培地中での増殖および組換えタンパク質発現の能力を有するCHOK1誘導体である。有望とは言え、製造レベルでのこうした系の実務への応用が産業界内でのそれらの将来の使用を制限するかもしれない。
結果として、CD培地中で増殖しつつ大スケールの商業的能力で組換えタンパク質を製造することが可能な代替細胞系の開発に対する大きな必要性がなお存在する。
[発明の要約]
本発明は、組換えDNA技術においておよび細胞培養物中でのタンパク質の製造に有用な細胞、細胞系および細胞培養物に関する。とりわけ、本発明は、無血清培地中で継続的に増殖すること;無血清培地中で高細胞密度まで増殖すること;血清の非存在下で凍結保存後に生存可能なままであること;および遺伝子操作後に組換えタンパク質を検出可能に発現することが可能であるクローン性骨髄腫細胞系もしくはそれら由来のいずれかの細胞系、ならびに/または無血清培地中のその後の培養物に関する。
本発明は、組換えDNA技術においておよび細胞培養物中でのタンパク質の製造に有用な細胞、細胞系および細胞培養物に関する。とりわけ、本発明は、無血清培地中で継続的に増殖すること;無血清培地中で高細胞密度まで増殖すること;血清の非存在下で凍結保存後に生存可能なままであること;および遺伝子操作後に組換えタンパク質を検出可能に発現することが可能であるクローン性骨髄腫細胞系もしくはそれら由来のいずれかの細胞系、ならびに/または無血清培地中のその後の培養物に関する。
好ましい一態様において、タンパク質の発現は、検出可能な量で最低1種のタンパク質を発現させるように細胞、細胞系および細胞培養物を操作することにより達成される。該操作段階は、最低1種のタンパク質をコードする核酸を本発明の細胞、細胞系および細胞培養物に導入することにより達成されるかもしれない。最低1種のタンパク質をコードする核酸は、限定されるものでないが電気穿孔法、リポフェクション、リン酸カルシウム沈殿法、ポリエチレングリコール沈殿法、超音波処理、トランスフェクション、形質導入、形質転換およびウイルス感染を挙げることができるいくつかの方法の1つにより導入してよい。
代替の一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は、こうした核酸が該細胞、細胞系および細胞培養物中に既に存在する場合は最低1種のタンパク質をコードする核酸の転写および翻訳を誘導することにより検出可能な量で最低1種の所望のタンパク質を発現するよう操作される。
好ましい一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物中で発現されるタンパク質は診断的タンパク質である。あるいは、該タンパク質は治療的タンパク質であるかもしれない。該診断的もしくは治療的タンパク質は、免疫グロブリン、サイトカイン、インテグリン、抗原、成長因子、受容体もしくはその融合タンパク質、それらのいずれかのフラグメントまたはそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物であってよい。該診断的もしくは治療的タンパク質はまた、細胞周期タンパク質、ホルモン、神経伝達物質、血液タンパク質、抗菌薬、受容体もしくはその融合タンパク質、それらのいずれかのフラグメントまたはそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物であってもよい。
好ましい一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物はげっ歯類もしくは霊長類由来の免疫グロブリンもしくはそのフラグメントを産生するかもしれない。より具体的には、免疫グロブリンもしくはそのフラグメントはマウスもしくはヒト由来であってよい。あるいは、免疫グロブリンもしくはそのフラグメントはキメラもしくは工作されていてよい。事実、本発明は、ヒト化、CDRグラフト、ファージディスプレイ、トランスジェニックマウス産生、至適化、突然変異誘発、無作為化もしくは組換えられている免疫グロブリンもしくはそのフラグメントを産生する細胞、細胞系および細胞培養物をさらに企図する。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は、限定されるものでないがIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、slgA、IgD、IgEおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる免疫グロブリンもしくはそのフラグメントを産生してよい。特定の一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物中で発現される免疫グロブリンはインフリキシマブである。あるいは、免疫グロブリンはrTNV148Bであってよい。
さらに、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生される免疫グロブリンフラグメントは、限定されるものでないがF(ab’)2、Fab’、Fab、Fc、Facb、pFc’、Fd、Fvおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。特定の一態様において免疫グロブリンフラグメントはアブシキシマブである。
本発明はさらに、抗原、サイトカイン、インテグリン、抗原、成長因子、細胞周期タンパク質、ホルモン、神経伝達物質、受容体もしくはその融合タンパク質、血液タンパク質、抗菌薬、それらのいずれかのフラグメントおよび前述のいずれかのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を結合する免疫グロブリンもしくはそのフラグメントを発現する細胞、細胞系および細胞培養物を提供する。
本発明の一態様において、細胞、細胞系および細胞培養物はインテグリンを産生する。本発明により企図されるインテグリンの例は、限定されるものでないがα1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、α8、α9、αD、αL、αM、αV、αX、αIIb、αIELb、β1、β2、β3、β4、β5、β6、β7、β8、α1β1、α2β1、α3β1、α4β1、α5β1、α6β1、α7β1、α8β1、α9β1、α4β7、α6β4、αDβ2、αLβ2、αMβ2、αVβ1、αVβ3、αVβ5、αVβ6、αVβ8、αXβ2、αIIbβ3、αIELbβ7、およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。
本発明の一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により発現される組換えタンパク質は抗原である。該抗原は、限定されるものでないが細菌、ウイルス、血液タンパク質、癌細胞マーカー、プリオン、真菌およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる多数の供給源由来であってよい。
なお別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は成長因子を検出可能に発現するかもしれない。本発明により企図される成長因子の例は、限定されるものでないが、ヒト成長因子、血小板由来成長因子、上皮細胞成長因子、線維芽細胞成長因子、神経成長因子、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、エリスロポエチン、アクチビン、インヒビン、骨形態形成タンパク質、トランスフォーミング成長因子、インスリン様成長因子およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。
代替の一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は組換え細胞周期タンパク質を産生する。こうした細胞周期タンパク質は、限定されるものでないがサイクリン、サイクリン依存性キナーゼ、癌抑制遺伝子、カスパーゼタンパク質、Bcl−2、p70 S6キナーゼ、後期促進複合体、S期促進因子、M期促進因子およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。
本発明はさらに、サイトカインを発現する細胞、細胞系および細胞培養物を提供する。本発明により企図されるサイトカインの例は、限定されるものでないが、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子、接着分子、アンジオゲニン、アネキシン、ケモカインおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。
別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により発現される組換えタンパク質は成長ホルモンである。該成長ホルモンは、限定されるものでないが、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン、プロラクチン、卵胞刺激ホルモン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、黄体化ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、インスリン、プロインスリンおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。
本発明はさらに、本明細書に教示される細胞、細胞系および細胞培養物を使用する神経伝達物質の発現に関する。神経伝達物質の例は、限定されるものでないが、エンドルフィン、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、バソプレシン、ギラクチド、N−アシトルアスパルチルグルタミン酸、プレオピオメラノコルチン由来のペプチド神経伝達物質、それらのいずれかのアンタゴニストおよびそれらのいずれかのアゴニストを挙げることができる。
別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は受容体もしくは融合タンパク質を産生するよう操作される。該受容体もしくは融合タンパク質は、限定されるものでないがインターロイキン−1、インターロイキン−12、腫瘍壊死因子、エリスロポエチン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、トロンボポエチンおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。
あるいは、組換え血液タンパク質を本発明の細胞、細胞系および細胞培養物中で発現させてよい。こうした組換えタンパク質は、限定されるものでないが、エリスロポエチン、トロンボポエチン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、フィブリノーゲン、ヘモグロビン、トランスフェリン、アルブミン、プロテインc、およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を挙げることができる。特定の一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は組織プラスミノーゲンアクチベーターを発現する。
別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は組換え抗菌薬を産生する。本発明により企図される抗菌薬の例は、例えばβ−ラクタム、アミノグリコシド、ポリペプチド抗生物質、およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を包含する。
好ましい一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は培地1Lあたり約0.01mgないし約10,000mgで組換えタンパク質を産生する。別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は約0.1pg/細胞/日ないし約100ng/細胞/日のレベルで組換えタンパク質を産生する。
本発明はさらに、培養された細胞からの最低1種のタンパク質の製造方法を提供する。一態様において、最低1種の所望のタンパク質を発現する本発明の細胞を無血清培地中で培養し、そして、該タンパク質を無血清培地もしくは細胞それら自身から単離する。加えて、本発明はさらに、本方法により得られた組換えタンパク質に関する。
本発明はまた、無血清培地中で継続的に増殖することが可能な細胞系の同定方法も提供する。好ましい一態様において、無血清培地中で増殖することが知られていない1つの型の細胞系からの細胞を無血清培地中で培養し、そして、該無血清培地中で増殖することが可能である自発的突然変異体細胞を選択する。さらに、本発明は本方法により得られる最低1種の細胞系に関する。
本発明はさらに、細胞、細胞系、細胞培養物およびそれらから得られた組換えタンパク質が顧客に提供される商取引の方法に関する。特定の一態様において顧客は本発明の細胞系を提供される。別の態様において、顧客は本発明の細胞系由来の組換えタンパク質を提供される。
[発明の詳細な説明]
本発明は記述される特定の方法論、プロトコル、細胞系、動物種もしくは属、構築物および試薬に制限されずかつそれ自体変動してよいことが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は特定の態様のみを記述する目的上であり、そして本発明の範囲を制限することを意図していないこともまた理解されるべきである。
[発明の詳細な説明]
本発明は記述される特定の方法論、プロトコル、細胞系、動物種もしくは属、構築物および試薬に制限されずかつそれ自体変動してよいことが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は特定の態様のみを記述する目的上であり、そして本発明の範囲を制限することを意図していないこともまた理解されるべきである。
本明細書で使用されるところのおよび付属として付けられる請求の範囲における単数の形態「1つの(a)」、「および」、および「該(the)」は、該状況が明白に別の方法で指令しない限り複数形の引用を包含することに注意しなければならない。従って、例えば、「1種のタンパク質(a protein)」への言及は1種もしくはそれ以上のタンパク質への言及であり、そして当業者に既知のそれらの同等物を包含する、などである。
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用される全部の技術的および科学的用語は本発明が属する技術分野の当業者に普遍的に理解されると同一の意味するところを有する。本明細書に記述されるものに類似のもしくは同等のいかなる方法、装置および材料を本発明の実務もしくは試験で使用し得るとは言え、好ましい方法、装置および材料を今や記述する。
本明細書で挙げられる全部の刊行物および特許は、例えば現在記述される発明とともに使用してよい刊行物に記述される構築物および方法論を記述および開示する目的上、引用することにより本明細書に組み込まれる。上におよび本文を通じて論考される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書のいずれも、発明者が従来の発明に基づきこうした開示に先行する権利を与えられないことの許可として解釈されるべきでない。
従って、本発明はCD培地中で継続的に増殖する能力を有するクローン性骨髄腫細胞系に関する。これらのクローン性骨髄腫細胞系は、限定されるものでないがSp2/0−Ag14(アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(「ATCC」)、バージニア州マナサス、ATCC CRL番号1851);P3X63Ag8.653(ATCC CRL番号1580);RPMI 8226(ATCC CRL番号155);およびNSO(ヨーロピアン コレクション オブ セル カルチャーズ(European Collection of Cell Cultures)(「ECACC」)、英国ウィルトシャーソールズベリー、ECACC番号85110503)を挙げることができるいずれかの数の商業的に入手可能な骨髄腫細胞系由来であってよい。他の骨髄腫細胞系は、ATCC;ECACC;Instituto Zooprofilattico Sperimentale(「IZSBS」)、イタリア・ブレシア;ヒューマン アンド アニマル セル カルチャーズ(Human and Animal Cell Cultures)(「DSMZ」)、ドイツ連邦共和国ブラウンシュヴァイク;およびインターラブ セル ライン コレクション(Interlab Cell Line Collection)(「ICLC」)、イタリア・ジェノバのような細胞培養物受託所から入手可能である。
一態様において、クローン性骨髄腫細胞系はCD培地中でSp2/0−Ag14(「Sp2/0」)細胞バンクからクローン化された自発的突然変異体である。本態様において該クローン性骨髄腫細胞系はC463Aと呼称される。C463Aの特徴づけは、該細胞系が親Sp2/0細胞と関連しない多数の独特の増殖の特徴を有することを示した。例えば、C463Aは血清(Sp2/0親細胞系の必要な凍結保存剤)の非存在下で凍結かつ融解してよい。加えて、親系統と異なり、C463AはCD培地中で高細胞密度まで増殖し得る。さらなる特徴づけは、CD培地中で増殖させたC463Aが、血清を補充した増殖培地中で細胞を維持する場合に観察されるものに類似のもしくはより優れている生存可能細胞密度および倍加時間を包含する増殖パラメータを表すことを示した。
本発明で使用されるところのCD培地は、血清、血清タンパク質、加水分解物もしくは未知の組成の化合物を包含する動物起源のいかなる成分も欠く増殖培地を含んでなる。CD培地の全成分は既知の化学構造を有し、以前に論考されたバッチごとの変動性の排除をもたらす。本発明で使用されるCD培地は、限定されるものでないが、
CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)、インビトロジェン コープ(Invitrogen Corp.)、カリフォルニア州カールスバードにより製造されるCD培地(カタログ番号11279−023)
を挙げることができる。増殖プロフィルのために、CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地に1g/L NaHCO3および6mMの最終濃度までのL−グルタミンを補充した。本発明はまた、「Chemically Defined Medium For Cultured Mammalian Cells(培養哺乳動物細胞のための無血清培地)」と題されたセントコア(Centocor)の係属中の特許出願第60/268,849号明細書(引用することにより明らかに組み込まれる)に記述される「CDM培地」を包含する無血清培地の使用も企図する。
CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)、インビトロジェン コープ(Invitrogen Corp.)、カリフォルニア州カールスバードにより製造されるCD培地(カタログ番号11279−023)
を挙げることができる。増殖プロフィルのために、CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地に1g/L NaHCO3および6mMの最終濃度までのL−グルタミンを補充した。本発明はまた、「Chemically Defined Medium For Cultured Mammalian Cells(培養哺乳動物細胞のための無血清培地)」と題されたセントコア(Centocor)の係属中の特許出願第60/268,849号明細書(引用することにより明らかに組み込まれる)に記述される「CDM培地」を包含する無血清培地の使用も企図する。
CD培地と対照的に、タンパク質を含まない培地は動物起源の成分(例えばヒト毛髪から抽出されたシスチン)および/または動物もしくは植物起源の定義されない成分(例えば低分子量ペプチドを与える多様な加水分解物)をなお含有してもよい。タンパク質を含まない培地は、別個のタンパク質もしくは大量のタンパク質画分を含有してもよい血清を含まない培地より、定義された処方に一歩より近い。注目すべきは、血清を含まずかつタンパク質を含まないの双方である増殖培地は事実上CD培地であるかもしれない。実際、本発明はさらに、増殖プロフィルのため8mMのL−グルタミンを補充されたシグマ[Sigma](R)血清およびタンパク質を含まない(Serum and Protein−Free)培地(カタログ番号S−8284)、シグマ−アルドリッチ コープ(Sigma−Aldrich Corp.)、ミズーリ州セントルイス中でのC463Aの増殖を企図する。
上で述べられたとおり、本発明は骨髄腫細胞系Sp2/0由来の自発的突然変異体を含んでなる。簡潔には、Sp2/0細胞を、シグマ[Sigma](R)血清およびタンパク質を含まない培地(Serum and Protein−Free Medium)を含む5枚の9ウェルクラスター皿に40細胞/ウェルの密度で接種した。シグマ[Sigma](R)血清およびタンパク質を含まない培地(Serum and Protein−Free Medium)中でのサブクローニング14日後に37ウェル(7パーセント)が生存可能なコロニーを含有した。37コロニーのうち20個を6ウェルプレートに拡大(expand)した。5種の一次候補系統を視覚的に同定し、そしてT−75段階での増殖プロフィルを開始した。3個の二次候補細胞系を拡大し、そして残存する系統をプールかつ凍結させた。3個の二次候補細胞系のうち、2D11と呼称されるクローンが、その増殖プロフィルにより示されるとおり最も成功裏の細胞系であり、そしてこの系統をその後C463Aと呼称した。C463Aをさらに拡大しそして多様なCD培地中でその増殖する能力について分析した。
本発明の細胞系の分析は、C463AがCD培地中で継続的増殖を持続する能力を有することを示した。C463A培養物をCD培地(CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地およびシグマ[Sigma](R)血清およびタンパク質を含まない(Serum and Protein−Free)培地双方)中で樹立し、慣例の維持を実施し(細胞培養物を週あたり3回分割した)そして多様な増殖パラメータを記録した。表1は10連続継代(1ヶ月)の経過にわたる数種の細胞増殖パラメータの平均を示す。
試験された双方の型のCD培地中で、C463Aはイスコフ改変ダルベッコ培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)(IMDM)、5%ウシ胎児血清(FBS)(至適培地)中で増殖させたSp2/0親細胞のものに匹敵する全細胞密度に達した。加えて、CD培地中で増殖させたC463Aの生存率パーセントおよび倍加時間もまた至適培地中で増殖させたSp2/0親細胞について観察されたものに類似であった。
C463Aのさらなる特徴づけは、該細胞系がSp2/0親細胞に関連しない多数の独特の増殖特徴を有することを示した。例えば、ウシ胎児血清はC463A培養物を凍結、融解および樹立する場合に必要でない。簡潔には、C463A細胞をT−フラスコもしくはスピナー中で指数増殖期まで増殖させた。細胞を800〜1000rpmで回転した後に、細胞を1×107vc/ml(生存可能細胞/ml)の密度で10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を補充された5mlのCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地に再懸濁した。1ミリリットルのアリコートを凍結バイアルに入れそして−70℃で一夜凍結させた。バイアルを長期保存のため1週間以内に液体窒素蒸気相に移した。CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中で融解した後に、細胞の生存率を0および24時間に測定し、そして培養物をCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中で樹立した。
図1を参照すれば、図1aはC463Aの融解後生存率が、20%FBSの存在下に凍結された場合のSp2/0親細胞(85ないし90パーセント、データは示されない)に同一である85ないし90パーセントの間の範囲にわたったことを示す。図1bは、シグマ[Sigma](R)血清およびタンパク質を含まない(Serum and Protein−Free)培地およびCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地双方中で樹立されたC463A培養物の増殖プロフィルが継続培養条件において典型的であったことを示す。Sp2/0親細胞は、しかしながら不十分に増殖しかつCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中での第二継代後に中断した。
C463Aの別の独特の特徴はCD培地中で高細胞密度を達成するその能力である。図2はCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中のSp2/0セミバッチ培養物の増殖プロフィルに対するCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中のC463Aセミバッチ培養物の増殖プロフィルを具体的に説明する。セミバッチ培養物は古い培地を人的に除去することおよび全細胞を再利用することにより細胞を高密度まで蓄積するという利点を提供する。簡潔には、セミバッチ増殖プロフィル(75パーセントの培地を接種後3日毎日交換した)をCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中で開始しかつ増殖パラメータを毎日(第3〜7日)検査した。図2(ここで「VC」は生存可能細胞/ml(106)を意味しかつ「TC」は全細胞/ml(106)を意味する)に示されるとおり、C463Aの増殖および生存率は記述される条件においてSp2/0親細胞を越えた。3.27×106vc/mlおよび4.45×106細胞/mlの生存可能および全細胞密度がC463Aについて第6日に観察された一方、対照の数は第4日に1×106vc/mlおよび1.35×106細胞/mlで有意により少なかった。
CDセミバッチ条件でのC463Aの増殖を評価するためのより厳しい陽性対照を創製するために、上述された実験を反復しそしてIMDM、5%FBS中で増殖させたSp2/0親細胞と比較した。図3に示されるデータは、C463AがSp2/0親細胞に匹敵する細胞密度を達成したことを示す。3.75×106vc/mlおよび4.25×106細胞/mlのC463Aの生存可能および全細胞密度が第5日に観察された一方、Sp2/0親細胞は同一期間にわたって4.75×106vc/mlおよび5.5×106細胞/mlの生存可能および全細胞密度まで増殖した。加えて、細胞培養物の生存率は第5日に同一(89パーセント、データは示されない)であり、また、倍加時間(3〜5日、データは示されない)はSp2/0およびC463Aについてそれぞれ19および21時間であった。この実験は、C463Aが至適増殖培地中で培養されるSp2/0親細胞に等しいかもしくはより優れているCD培地中での細胞密度を達成し得ることを示す。
上述された実験は、至適培地中で少なくともSp2/0親細胞と同じくらい良好にCD培地中で増殖するC463Aの能力を示す。より重要なことに、C463Aは組換えタンパク質を安定に発現するよう操作してよい。一態様において、細胞系C463Aは培地1Lあたり約0.01mgないし約10,000mgのレベルで組換えタンパク質を産生するよう操作される。別の態様において、細胞系C463Aは約0.1pg/細胞/日ないし約100ng/細胞/日のレベルで組換えタンパク質を産生するよう操作される。
本発明はさらに、CD培地中で増殖する能力を有する他のクローン性骨髄腫細胞系に関する。こうした細胞系は、当該技術分野で既知もしくは本明細書で教示されるところの方法を使用することにより組換えタンパク質を安定に発現するよう操作してよい。例えば、本発明のクローン性骨髄腫細胞系は培地1Lあたり約0.01mgないし約10,000mgのレベルで組換えタンパク質を産生するよう操作してよい。別の態様において、本発明のクローン性骨髄腫細胞系は約0.1pg/細胞/日ないし約100ng/細胞/日のレベルで組換えタンパク質を産生するよう操作してよい。
組換えタンパク質をコードする核酸の導入は、限定されるものでないが電気穿孔法、リポフェクション、リン酸カルシウム沈殿法、ポリエチレングリコール沈殿法、超音波処理、トランスフェクション、形質導入、形質転換およびウイルス感染を挙げることができる当該技術分野で公知の多数の技術のいずれか1つを介して達成してよい。事実、分子技術は当該技術分野で公知である。SAMBROOKら、MOLECULAR CLONING:A LAB.MANUAL(2001);AUSBELら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(1995)を参照されたい。
多様な哺乳動物発現ベクターを使用して本明細書に教示される細胞培養物中で組換えタンパク質を発現させてよい。組換えタンパク質発現に適するかもしれない商業的に入手可能な哺乳動物発現ベクターは、限定されるものでないがpMAMneo(クロンテック(Clontech)、カリフォルニア州パロアルト)、pcDNA3(インビトロジェン(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード)、pMClneo(ストラタジーン(Stratagene)、カリフォルニア州ラホヤ)、pXT1(ストラタジーン(Stratagene)、カリフォルニア州ラホヤ)、pSG5(ストラタジーン(Stratagene)、カリフォルニア州ラホヤ)、EBO−pSV2−neo(アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(「ATCC」)、バージニア州マナサス、ATCC番号37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC番号37110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC番号37224)、pRSVgpt(ATCC番号37199)、pRSVneo(ATCC番号37198)、pSV2−dhfr(ATCC番号37146)、pUCTag(ATCC番号37460)および17D35(ATCC番号37565)を挙げることができる。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は多様な組換えタンパク質の適する宿主として使用してよい。こうしたタンパク質は、免疫グロブリン、インテグリン、抗原、成長因子、細胞周期タンパク質、サイトカイン、ホルモン、神経伝達物質、受容体もしくはその融合タンパク質、血液タンパク質、抗菌薬、またはフラグメント、あるいはそれらの構造的もしくは機能的類似物を包含する。これらの以下の記述は本発明の範囲を制限するようにはたらかず、しかしむしろ本発明の幅を具体的に説明する。
例えば、本発明の一態様において、免疫グロブリンはヒトもしくは非ヒトのポリクローナルもしくはモノクローナル抗体由来であってよい。とりわけ、これらの免疫グロブリン(抗体)は組換えおよび/もしくは合成のヒト、霊長類、げっ歯類、哺乳動物、キメラ、ヒト化もしくはCDRグラフト抗体およびそれらに対する抗イディオタイプ抗体であってよい。これらの抗体は、抗体の多様な部分が遺伝子工学技術を使用して一緒に結合されている多様な短縮された形態でもまた産生し得る。現在使用されるところの「抗体」、「抗体フラグメント」、「抗体変異体」、「Fab」などは、限定されるものでないが、本発明の細胞培養物中で発現されてよいHもしくはL鎖の最低1個のCDRまたはそれらのリガンド結合部分、H鎖もしくはL鎖可変領域、H鎖もしくはL鎖定常領域、枠組み領域あるいはそれらのいずれかの部分を挙げることができる免疫グロブリン分子の最低一部分を含んでなるいかなるタンパク質もしくはペプチド含有分子も包含する。こうした抗体は、場合によっては、限定されるものでないがこうした抗体がin vitro、in situおよび/もしくはin vivoで最低1種の標的の活性もしくは結合または受容体の活性もしくは結合を調節、減少、増大、拮抗、作動(agonize)、緩和、軽減、遮断、阻害、廃止および/もしくは妨害するを挙げることができる特異的リガンドにさらに影響を及ぼす。
本発明の一態様において、こうした抗体もしくはそれらの機能的同等物は、それらがヒトにおいて実質的に非免疫原性であるような「ヒト」であってよい。これらの抗体は、ヒト抗体遺伝子を発現するように遺伝子的に工作されたトランスジェニック動物の使用を包含する本明細書に記述される方法論のいずれにより製造してもよい。例えば、完全にヒトの抗体もしくはヒト可変領域のいずれかを発現する免疫トランスジェニックマウス(ゼノマウス)が記述されている。第WO 96/34096号明細書を参照されたい。ゼノマウスの場合、産生される抗体は完全にヒトの抗体を包含し、そして動物から直接(例えば血清から)もしくは動物由来の不死化B細胞から得ることができるか、またはヒト可変領域をもつ免疫グロブリンをコードする遺伝子から回収することができ、そして発現させて直接抗体を得るかまたは例えばFabもしくは一本鎖Fv分子のような抗体の類似物を得るように改変し得る。Id.これらの遺伝子をその後当該技術分野で既知のもしくは本明細書に教示されるところの方法により本発明の細胞、細胞系および細胞培養物に導入する。
「抗体」という用語は、抗体、消化フラグメント、抗体模倣物を包含するかまたは抗体の構造および/もしくは機能を模倣する抗体の部分を含んでなるそれらの指定された部分および変異体、あるいは本発明の細胞培養物中で発現される一本鎖抗体およびそれらのフラグメントを包含するそれらの指定されたフラグメントもしくは部分を包含することをさらに意図している。本発明は従って、限定されるものでないがFab(例えばパパイン消化による)、Fab’(例えばペプシン消化および部分的還元による)ならびにF(ab’)2(例えばペプシン消化による)、facb(例えばプラスミン消化による)、pFc’(例えばペプシンもしくはプラスミン消化による)、Fd(例えばペプシン消化、部分的還元および再凝集による)、FvまたはscFv(例えば分子生物学技術による)フラグメントを挙げることができる生物学的分子(抗原もしくは受容体のような)またはそれらの部分に結合することが可能な抗体フラグメントを包含する。例えばCURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、(Colliganら編、ジョン ワイリー アンド サンズ インク(John Wiley & Sons,Inc.)、ニューヨーク、1994−2001)を参照されたい。
抗体と同様に、特定の標的タンパク質もしくは他の生物学的分子を結合する他のペプチド(標的結合ペプチド)を本明細書に開示される細胞、細胞系および細胞培養物により産生してよい。こうした標的結合ペプチドは組織から単離しそして等質まで精製してよいか、もしくは標的結合タンパク質を含有する細胞から単離しそして等質まで精製されるかもしれない。一旦単離かつ精製されれば、こうした標的結合ペプチドは公知の方法により配列決定されうる。これらのアミノ酸配列からDNAプローブを製造しかつmRNAを得るのに使用してよく、それから既知の方法によりcDNAを作成かつクローン化し得る。他の公知のcDNA製造方法は当該技術分野で既知でありそして効果的に使用されてよい。一般に、いかなる所望のペプチドも、上述されたプローブのようなcDNAプローブを使用し、mRNAを単離しかつmRNAをcDNAに転写してこうしたタンパク質を発現するいかなる細胞もしくは組織からも単離し得る。その後、該cDNAをウイルス、プラスミド、コスミドのような発現ベクターもしくは他のベクターに挿入すること、該発現ベクターを細胞中に挿入すること、生じる細胞を増殖させることおよび発現された標的結合タンパク質を上述されたとおり培地もしくは細胞抽出物から単離することによりタンパク質を製造し得る。例えば米国特許第5,808,029号明細書を参照されたい。
あるいは、抗体を包含する組換えペプチドは多様なライブラリースクリーニング技術を使用して同定してよい。例えばペプチドライブラリースクリーニングはわずか「ペプチド」長さ(2ないし40アミノ酸)の分子が所定の大型タンパク質リガンドの受容体タンパク質に結合し得るという事実を利用する。こうしたペプチドは大型タンパク質リガンドの生物活性を模倣することができるか(「ペプチドアゴニスト」)、もしくは競合的結合により大型タンパク質リガンドの生物活性を阻害するかもしれない(「ペプチドアンタゴニスト」)。ファージディスプレイペプチドライブラリーがこうしたペプチドアゴニストおよびアンタゴニストの同定における強力な方法として出現した。こうしたライブラリーではランダムペプチド配列が繊維状ファージのコートタンパク質との融合により展示される。典型的には、展示されるペプチドは抗原もしくは受容体の固定された細胞外ドメインに対し親和性溶出される。保持されたファージは親和性精製および再増殖の連続過程により濃縮しうる。最良に結合するペプチドを配列決定して、ペプチドの1種もしくはそれ以上の構造的に関連するファミリー内の重要な残基が同定されるかもしれない。ペプチド配列はまた、DNAレベルでのアラニン走査もしくは突然変異誘発によりどの残基が安全に置き換えられうるかも示唆するかもしれない。突然変異誘発ライブラリーを創製しかつスクリーニングして最良の結合体の配列をさらに至適化しうる。例えば第WO 00/24782号;同第WO 93/06213号;米国特許第6,090,382号明細書を参照されたい。
他のディスプレイライブラリースクリーニング方法が同様に既知である。例えば、大腸菌(E.coli)ディスプレイはlacリプレッサーのC末端もしくはペプチドグリカン会合リポタンパク質のいずれかに融合されかつ大腸菌(E.coli)中で発現されるペプチドライブラリーを使用する。リボソームディスプレイはリボソーム遊離前にランダムRNAの翻訳を停止させることを必要とし、それらの会合されたRNAがなお結合されるポリペプチドのライブラリーをもたらす。RNA−ペプチドスクリーニングはRNAへのペプチドの化学結合を使用する。加えて、ペプチドがポリエチレン製ロッドもしくは溶媒浸透性樹脂のような安定な非生物学的素材上に固定されている化学的に誘導されたペプチドライブラリーが開発されている。別の化学的に誘導されたペプチドライブラリーは、スライドガラス上に固定されたペプチドを走査するのに光食刻法を使用する。これらの化学的ペプチドスクリーニング方法は、それらがD−アミノ酸および他の非天然の類似物ならびに非ペプチド要素の使用を可能にするために有利であるかもしれない。第WO 00/24782号明細書を参照されたい。
さらに、タンパク質−タンパク質相互作用の構造分析はまた、大型タンパク質リガンドの結合活性を模倣するペプチドを示唆するのにも使用されるかもしれない。こうした分析において、結晶構造が、ペプチドがそれから設計されうる大型タンパク質リガンドの決定的に重要な残基の本質および相対的方向を示唆するかもしれない。これらの分析方法は、受容体タンパク質とファージディスプレイにより選択されるペプチドとの間の相互作用を検討するのにもまた使用してよく、それは結合親和性を増大させるためのペプチドのさらなる修飾を示唆するかもしれない。従って、概念上、ファージディスプレイおよび上で挙げられる他の方法を使用していずれかのタンパク質のペプチド模倣物を発見しうる。例えば、これらの方法はタンパク質−タンパク質相互作用における決定的に重要なアミノ酸の同定のため、および新たな治療薬の発見のためのリード化合物としてのエピトープマッピングを提供する。第WO 00/24782号明細書を参照されたい。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物中で発現される組換えタンパク質の性質および起源は制限されない。以下は本明細書の教示に従って使用しうる多様なタンパク質、ペプチドおよび生物学的分子の一般的論考である。これらの記述は本発明の範囲を制限するようはたらかず、しかしむしろ本発明の幅を具体的に説明する。
従って、本発明の一態様は1種もしくはそれ以上の成長因子の産生を包含しうる。簡潔には、成長因子は、細胞の増殖および/もしくは分化の活性化という主な結果を伴う細胞表面上の受容体に結合するホルモンもしくはサイトカインタンパク質である。多くの成長因子は極めて多才であり多数の異なる細胞型において細胞分裂を刺激する一方;他者は特定の1細胞型に特異的である。以下の表2は数種の因子を提示するが、しかし包括的もしくは完全であることを意図しておらず、それでもなおより普遍的に既知の因子のいくつかおよびそれらの主な活性を紹介する。
本発明に従って産生しうる付加的な成長因子はインスリンおよびプロインスリン(米国特許第4,431,740号明細書);アクチビン(Valeら、321 NATURE 776(1986);Lingら、321 NATURE 779(1986));インヒビン(米国特許第4,740,587号;同第4,737,578号明細書);および骨形成タンパク質(BMP)(米国特許第5,846,931号明細書;WOZNEY、CELLULAR & MOLLECULAR BIOLOGY OF BONE 131−167(1993))を包含する。
上で論考された成長因子に加え、本発明は他のサイトカインの産生に有用であるかもしれない。主として白血球から分泌されるサイトカインは体液性および細胞性双方の免疫応答、ならびに貪食細胞の活性化を刺激する。リンパ球から分泌されるサイトカインはリンホカインと命名される一方、単球もしくはマクロファージにより分泌されるものはモノカインと命名される。サイトカインの大きな1ファミリーが身体の多様な細胞により産生される。リンホカインの多くはインターロイキン(IL)としてもまた知られる。それらは白血球により分泌されるのみならず、しかしまた白血球の細胞応答にも影響を及ぼすことが可能であるためである。とりわけ、インターロイキンは造血起源の細胞に標的を向けられた成長因子である。同定されたインターロイキンの一覧は継続的に大きくなっている。例えば米国特許第6,174,995号、同第6,143,289号明細書;Sallustoら、18 ANNU.REV.IMMUNOL.593(2000);Kunkelら、59 J.LEUKOCYTE BIOL.81(1996)を参照されたい。
本発明に包含される付加的な成長因子/サイトカインはヒト成長ホルモン(HGH)、卵胞刺激ホルモン(FSH、FSH αおよびFSH β)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG、HCG α、HCG β)、uFSH(ウロフォリトロピン)、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GRH)、成長ホルモン(GH)、黄体化ホルモン(LH、LH α、LH β)、ソマトスタチン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン(TSH、TSH α、TSH β)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、副甲状腺ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロンのような下垂体ホルモンまたはそれらの構造的もしくは機能的類似物を包含する。これらのタンパク質およびペプチドの全部は当該技術分野で既知である。
サイトカインファミリーは腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子およびインターフェロンもまた包含する。例えばCosman、7 BLOOD CELL BIOCHEM.(Whettenら編、プレナム プレス(Plenum Press)、ニューヨーク、1996);Grussら、85 NLOOD 3378(1995);Beutlerら、7 ANNU.REV.IMMUNOL.625(1989);Aggarwalら、260 J.BIOL.CHEM.2345(1985);Pennicaら、312 NATURE 724(1984);http://www.rndsystems.comのR&Dシステムズ(R&D Systems)、CYTOKINE MINI−REVIEWSを参照されたい。
数種のサイトカインを下の表3に簡潔に紹介する。
本明細書に記述される本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生されうる目的の他のサイトカインは、接着分子(http://www.rndsystems.comのR&Dシステムズ(R&D Systems)、ADHESION MOLECULES I(1996));アンジオゲニン(米国特許第4,721,672号明細書;Moenerら、226 EUR.J.BIOCHEM.483(1994));アネキシンV(Cooksonら、20 GENOMICS 463(1994);Grundmannら、85 PNAS 3708(1988);米国特許第5,767,247号明細書);カスパーゼ(米国特許第6,214,858号明細書;Thornberryら、281 SCIENCE 1312(1998));ケモカイン(米国特許第6,174,995号;同第6,143,289号明細書;Sallustoら 18 ANNU.REV.IMMUNOL.593(2000);Kunkelら、59 J.LEUKOCYTE BIOL.81(1996));エンドセリン(米国特許第6,242,485号;同第5,294,569号;同第5,231,166号明細書);エオタキシン(米国特許第6,271,347号明細書;Ponathら、97(3)J.CLIN.INVEST.604−612(1996));Flt−3(米国特許第6,190,655号明細書);ヘレグリン(米国特許第6,284,535号;同第6,143,740号;同第6,136,558号;同第5,859,206号;同第5,840,525号明細書);レプチン(Leroyら、271(5)J.BIOL.CHEM.2365(1996);Maffeiら、92 PNAS 6957(1995);Zhang Y.ら 372 NATURE 425−32(1994));マクロファージ刺激タンパク質(MSP)(米国特許第6,248,560号;同第6,030,949号;同第5,315,000号明細書);プレイオトロフィン/ミッドカイン(PTN/MK)(Pedrazaら、117 J.BIOCHEM.845(1995);Tamuraら、3 ENDOCRINE 21(1995);米国特許第5,210,026号明細書;Kadomatsuら、151 BIOCHEM.BIOPHYS.RES.COMMUN.1312(1988));STATタンパク質(米国特許第6,030808号;同第6,030,780号明細書;Darnellら、277 SCIENCE 1630−1635(1997));腫瘍壊死因子ファミリー(Cosman、7 BLOOD CELL BIOCHEM.(Whettenら編、プレナム プレス(Plenum Press)、ニューヨーク、1996);Grussら、85 BLOOD 3378(1995);Beutlerら、7 ANNU.REV.IMMUNOL.625(1989);Aggarwalら、260 J.BIOL.CHEM.2345(1985);Pennicaら、312 NATURE 724(1984))を包含する。
本発明は組換え形態の血液タンパク質(一般に血漿中を循環しかつ凝固および凝血塊溶解を調節するのに重要な巨大な一群のタンパク質の包括的名称)を製造するのにもまた使用しうる。例えば、www.haemtech.comのヘマトロジック テクノロジーズ インク(Haematologic Technologies,Inc.)、HTIカタログ(HTI CATALOG)を参照されたい。表4は本発明により企図される血液タンパク質のいくつかを制限しない様式で紹介する。
本明細書で企図される付加的な血液タンパク質は、タンパク質の別の範疇(ホルモンもしくは抗原のような)にもまた入れられるかもしれない以下のヒト血清タンパク質、すなわちアクチン、アクチニン、アミロイド血清P、アポリポタンパク質E、B2−ミクログロブリン、C−反応性タンパク質(CRP)、コレステリルエステル転移タンパク質(CETP)、補体C3B、セルプラスミン、クレアチンキナーゼ、シスタチン、サイトケラチン8、サイトケラチン14、サイトケラチン18、サイトケラチン19、サイトケラチン20、デスミン、デスモコリン3、FAS(CD95)、脂肪酸結合タンパク質、フェリチン、フィラミン、グリア繊維酸性タンパク質、グリコーゲンホスホリラーゼイソ酵素BB(GPBB)、ハプトグロブリン、ヒトミオグリビン、ミエリン塩基性タンパク質、神経フィラメント、胎盤ラクトゲン、ヒトSHBG、ヒト甲状腺過酸化酵素、受容体関連タンパク質、ヒト心トロポニンC、ヒト心トロポニンI、ヒト心トロポニンT、ヒト骨格トロポニンI、ヒト骨格トロポニンT、ビメンチン、ビンキュリン、トランスフェリン受容体、プレアルブミン、アルブミン、α−1−酸性糖タンパク質、α−1−アンチキモトリプシン、α−1−アンチトリプシン、α−フェトプロテイン、α−1−ミクログロブリン、β−2−ミクログロブリン、C−反応性タンパク質、ハプトグロブリン、ミオグロブリン、プレアルブミン、PSA、前立腺酸性ホスファターゼ、レチノール結合タンパク質、サイログロブリン、甲状腺ミクロソーム抗原、サイロキシン結合グロブリン、トランスフェリン、トロポニンI、トロポニンT、前立腺酸性ホスファターゼ、レチノール結合グロブリン(RBP)を包含する。これらのタンパク質およびそれらの起源の全部は当該技術分野で既知である。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は神経伝達物質もしくはそれらの機能的部分の産生にもまた使用されるかもしれない。神経伝達物質はニューロンにより作成されかつそれらが刺激する他のニューロンもしくは非ニューロン細胞(例えば骨格筋、心筋、松果体細胞)にシグナルを伝達するためにそれらにより使用される化合物である。神経伝達物質は、それらの起源のニューロンが発火する(すなわち脱分極されたようになる)場合にシナプス中に放出されること、およびその後シナプス後細胞の膜中の受容体に結合することによりそれらの影響を生じさせる。これはその膜を横断する特定のイオンの流動の変化を引き起こして、該神経伝達物質がたまたま興奮性である場合はより多くありそうに、もしくはそれが阻害性である場合はより少なくありそうに細胞を脱分極されたようにする。神経伝達物質はまた、シナプス後細胞中の他のシグナル伝達分子(「二次メッセンジャー」)の産生を調節することによってもそれらの影響を生じさせ得る。全般として、COOPER、BLOOMとROTH、THE BIOCHEM.BASIS OF NEUROPHARMACOLOGY(第7版 オックスフォード大学出版局(Oxford Univ.Press)、ニューヨーク市、1996);http://web.indstate.edu/thcme/mwking/nervesを参照されたい。本発明で企図される神経伝達物質は、限定されるものでないが、エンドルフィン(ロイシンエンケファリン、モルヒセプチン、サブスタンスPのような)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、バソプレシン、ギラクチド、プレオピオメラノコルチン由来のペプチド神経伝達物質およびN−アセチルアスパルチルグルタミン酸(哺乳動物の神経系において最も優勢かつ広範に分布されるペプチド神経伝達物質)を挙げることができる。Nealeら 75 J.NEUROCHEM.443−52(2000)を参照されたい。
多数の他のタンパク質もしくはペプチドが本明細書に記述される本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生されるかもしれない。表5は、こうした細胞により産生されうるいくつかの薬理学的に活性のペプチドの制限しない一覧および記述を提示する。
慢性関節リウマチの病因において2種の中枢のサイトカインすなわちIL−1およびTNF−αが存在する。それらは相互、他のサイトカインおよびCOX−2を誘導するよう相乗的に作用する。研究は、IL−1が慢性関節リウマチ患者における骨および軟骨破壊の主媒介物質である一方、TNF−αが炎症の主媒介物質であると思われることを示唆する。
好ましい一態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生される1種のタンパク質は、炎症前サイトカイン腫瘍壊死因子α(TNFα)に結合する。米国特許第6,277,969号;同第6,090,382号明細書。抗TNFα抗体は治療薬として大きな有望性を示している。例えば、セントコア インク(Centocor,Inc.)(ペンシルバニア州マルバーン)によりレミケード[REMICADE](R)として商業的に提供されるインフリキシマブ(Infliximab)はクローン病および慢性関節リウマチのような数種の慢性自己免疫疾患の治療に使用されている。セントコア(Centocor)の係属中の米国特許出願第09/920,137号;同第60/236,826号;同第60/223,369号明細書を参照されたい。Treacy、19(4)HUM.EXP.TOXICOL.226−28(2000)もまた参照されたい;Chantry、2(1)CURR.OPIN.ANTI−INFLAMMATORY IMMUNOMODULATORY INVEST.DRUGS 31−34(2000);Rankinら、34(4)BRIT.J.RHEUMATOLOGY 334−42(1995)もまた参照されたい。好ましくは、本発明の細胞培養物により産生されるタンパク質のTNFα結合部分のいずれの露出されたアミノ酸も、ヒトもしくはヒト化アミノ酸配列のようなヒトにおいて最小限の抗原性を伴うものである。これらのペプチドの本質は、上述されたところのライブラリーをスクリーニングすること、マウス由来パラトープ(Siegelら、7(1)CYTOKINE 15−25(1995);第WO 92/11383号明細書)もしくはサル由来パラトープ(第WO 93/02108号明細書)上にヒトアミノ酸配列をグラフトすること、またはゼノマウス(第WO 96/34096号明細書)を利用することにより生成されるかもしれない。あるいは、マウス由来抗TNFα抗体は有効性を表している。Sarabolatzら、169(1)J.INFECT.DIS.214−17(1994)。
あるいは、抗体に由来することの代わりに、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物中で産生されたタンパク質のTNFα結合部分は、TNFα受容体由来であってもよい。例えば、エタネルセプト(Etanercept)は、皮下に投与されかつ患者血清中のTNFαに結合してそれを生物学的に不活性にする組換えの可溶性TNFα受容体分子である。エタネルセプトはヒトIgG1のFc部分に結合されたヒトの75キロダルトン(p75)腫瘍壊死因子受容体(TNFR)の細胞外リガンド結合部分よりなる二量体融合タンパク質である。エタネルセプトのFc成分はIgG1のCH2ドメイン、CH3ドメインおよびヒンジ領域を含有するがしかしCH1ドメインを含有しない。エタネルセプトは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)哺乳動物細胞発現系において組換えDNA技術により産生される。それは934アミノ酸よりなりかつおよそ150キロダルトンの見かけの分子量を有する。エタネルセプトはイミュネックス コープ(Immunex Corp.)(ワシントン州シアトル)により製造されるエンブレル[ENBREL]TMとして得られうる。エタネルセプトは慢性関節リウマチにおいて有効でありうる。Hughesら、15(6)BIODRUGS 379−93(2001)。
p55として同定される別の形態のヒトTNF受容体が同様に存在する。Kalinkovichら、J.INFERON & CYTOKINE RES.15749−57(1995)。この受容体もまた治療における使用について探究されている。例えばQianら 118 ARCH.OPHTHALMOL.1666−71(2000)を参照されたい。可溶性のp55 TNF受容体の以前の処方はポリエチレングリコールに結合されており[r−metHuTNFbp PEG化(PEGylated)二量体(TNFbp)]そして臨床的有効性を示したが、しかし、複数投与に際しての発達抗体(development antibodies)(該薬物の増大された消失をもたらした)により慢性適応症に適しなかった。第二世代の分子はTNFbpの抗原性エピトープを除去するよう設計され、そして慢性関節リウマチを伴う患者の治療において有用であるかもしれない。Davisら、ANN.EUROPEAN CONG.RHEUMATOLOGY、フランス・ニース(2000年6月21〜24日)にて発表。
IL−1受容体アンタゴニスト(IL−1Ra)は慢性関節リウマチにおいてIL−1αおよびIL−1βの破壊的影響の均衡を図ることにより抗炎症の特性を示すがしかしいかなる細胞内応答も誘発しない、天然に存在するサイトカインアンタゴニストである。これゆえに、本発明の好ましい一態様において、該細胞培養物はIL−1Raまたはそのいずれかの構造的もしくは機能的類似物を産生してよい。IL−1Raの2種の構造変異体、すなわち単球、マクロファージ、好中球および他の細胞から分泌される17kDaの形態(sIL−1Ra)、ならびにケラチノサイトならびに他の上皮細胞、単球および線維芽細胞の細胞質中に留まる18kDaの形態(icIL−1Ra)が存在する。IL−1Raの付加的な16kDaの細胞内アイソフォームが好中球、単球および肝細胞中に存在する。IL−1Raの主要なアイソフォームの双方が代替の第一エキソンの使用により同一遺伝子から転写される。IL−1Raの産生は、付着性IgG、他のサイトカインおよび細菌もしくはウイルス成分を包含する多くの物質により刺激される。マウスでのIL−1Raの組織分布は、sIL−1Raが主として末梢血液細胞、肺、脾および肝で見出される一方、icIL−1Raは皮膚で大量に見出されることを示す。トランスジェニックおよびノックアウトマウスにおける研究は、IL−1Raがエンドトキシン誘発性傷害に対する宿主防禦において重要であることを示す。IL−1Raは急性期タンパク質の特徴を伴う肝細胞により産生される。内因性IL−1Raはヒト自己免疫および慢性炎症疾患において産生される。中和する抗IL−1Ra抗体の使用は、内因性IL−1Raが関節炎、大腸炎および肉芽腫性肺疾患における重要な天然の抗炎症タンパク質であることを示した。6ヶ月間IL−1Raで治療された慢性関節リウマチを伴う患者は臨床パラメータおよび関節損傷のX線撮影の証拠の改善を表した。Arendら、16 ANN.REV.IMMUNOL.27−55(1998)。
本明細書に記述される細胞、細胞系および細胞培養物により産生されうるIL−1Raのなお別の例は、インターロイキン−1 17.3Kd met−IL1raと呼ばれる組換えのヒトバージョン、すなわち名称キネレット[KINERET]TMでアムジェン(Amgen)(カリフォルニア州サンフランシスコ)により製造されるアナキンラ(Anakinra)である。アナキンラはまた慢性関節リウマチを伴う患者を伴う臨床試験においても有望性を示した。65TH ANN.SCI.MEETING OF AM.COLLEGE RHEUMATOLOGY(2001年11月12日)。
本発明の別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生されるタンパク質はインターロイキン12(IL−12)もしくはそのアンタゴニストである。IL−12はジスルフィド結合される35および40kDのグリコシル化ポリペプチド鎖よりなるヘテロ二量体サイトカインである。該サイトカインは、樹状細胞、単球、マクロファージ、B細胞、ランゲルハンス細胞およびケラチノサイトを包含する抗原提示細胞、ならびにナチュラルキラー(NK)細胞により合成かつ分泌される。IL−12は多様な生物学的過程を媒介しかつNK細胞刺激因子(NKSF)、T細胞刺激因子、細胞傷害性Tリンパ球成熟因子およびEBV形質転換B細胞系因子と称されている。Curfsら、10 CLIN.MICRO.REV.742−80(1997)。インターロイキン−12は細胞(例えばT細胞、NK細胞)の原形質膜上で発現されるIL−12受容体に結合し得、それにより生物学的過程を変える(例えば開始する、予防する)。例えば、IL−12受容体へのIL−12の結合は、前活性化T細胞およびNK細胞の増殖を刺激し、細胞傷害性T細胞(CTL)、NK細胞およびLAK(リンホカイン活性化キラー)細胞の細胞溶解活性を高め、T細胞およびNK細胞によるγインターフェロン(IFNγ)の産生を誘導しそしてナイーブなTh0細胞のTh1細胞(IFNγおよびIL−2を産生する)への分化を誘導し得る。Trinchieri、13 ANN.REV.IMMUNOLOGY 251−76(1995)。とりわけ、IL−12は細胞溶解細胞(例えばNK、CTL)の生成および細胞免疫応答(例えばTh1細胞媒介性の免疫応答)の装備に不可欠である。従って、IL−12は保護免疫(例えば感染の根絶)および病因となる免疫応答(例えば自己免疫)双方の生成および調節において決定的に重要である。Hendrzakら、72 LAB.INVESTIGATION 619−37(1995)。従って、免疫応答(例えば保護的もしくは病因となる)は、例えば抗体によってin vivoでのIL−12の生物学的活性の操作により高め、抑制しもしくは予防し得る。
別の態様において、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物はインテグリンを産生する。インテグリンは、腫瘍に栄養素および酸素を提供し、廃棄産物を運び去りかつ遠隔部位への腫瘍細胞の転移のための導管として作用する新たな血管を腫瘍細胞が形成する血管新生過程に関与している。Gastlら、54 ONCOL.177−84(1997)。インテグリンは、細胞外マトリックス(ECM)への細胞接着において決定的に重要な役割を演じるヘテロ二量体膜貫通タンパク質であり、それは順に細胞内シグナル伝達により細胞の生存、増殖および移動を媒介する。ヘテロ二量体のインテグリンは1個のαサブユニットおよび1個のβサブユニットより構成される。現在、16種の既知のαサブユニットが存在し、それらはα1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、α8、α9、αD、αL、αM、αV、αX、αIIb、αIELbを包含する。8種の既知のβサブユニットが存在し、それらはβ1、β2、β3、β4、β5、β6、β7、β8を包含する。インテグリンのヘテロ二量体のいくつかは、限定されるものでないが、α1β1、α2β1、α3β1、α4β1、α5β1、α6β1、α7β1、α8β1、α9β1、α4β7、α6β4、αDβ2、αLβ2、αMβ2、αVβ1、αVβ3、αVβ5、αVβ6、αVβ8、αXβ2、αIIbβ3、αIELbβ7を挙げることができる。全般的に、Blockら、13 STEM CELLS 135−145(1995);Schwartzら、1(1)ANN.REV.CELL DEV.BIOL.549−599(1995);Hynes、69 CELL 11−25(1992)を参照されたい。
血管新生の間に、活性化された内皮細胞の表面上で発現される多数のインテグリンが、細胞の移動、増殖および分化のような全く別の生物学的事象を調節するための多様なECMタンパク質との決定的に重要な接着相互作用を調節する。とりわけ、緊密に関連するがしかし全く別のインテグリンaVb3およびaVb5が血管新生過程における独立した経路を媒介することが示された。αVβ3に対し生成された抗体は、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)誘発性の血管新生を阻害した一方、αVβ5に特異的な抗体は血管内皮細胞成長因子誘発性(VEGF誘発性)の血管新生を阻害した。Eliceiriら、103 J.CLIN.INVEST.1227−30(1999);Friedlanderら、270 SCIENCE 1500−02(1995)。
本発明の別の好ましい態様において、該細胞、細胞系および細胞培養物は糖タンパク質IIb/IIIa受容体アンタゴニストを産生する。より具体的には、血小板凝集の最後の必須の段階は、活性化された膜結合型糖タンパク質複合体GP IIb/IIIaへのフィブリノーゲンの結合である。トロンビン、コラーゲン、エピネフリンもしくはADPのような血小板活性化因子は組織損傷の結果として生成される。活性化の間に、GP IIb/IIIaはコンホメーションの変化を受け、それはフィブリノーゲンの隠れた結合部位の露出をもたらす。GP IIb/IIIaについてフィブリノーゲン内に6個の推定の認識部位が存在し、そして従って、フィブリノーゲンは潜在的に、隣接する血小板上の交差するGP IIb/IIIa分子に対する六価のリガンドとして作用し得る。フィブリノーゲンもしくはGP IIb/IIIaいずれかの欠乏は、血小板を活性化するのに使用されるアゴニストに関係なく正常な血小板凝集を予防する。その血小板受容体へのフィブリノーゲンの結合は正常な凝集の必須の成分であるため、GP IIb/IIIaは抗血栓薬の魅力的な標的である。
GP IIb/IIIa阻害剤の臨床試験からの結果はこの仮説を支持している。GP IIb/IIIa受容体を遮断するモノクローナル抗体7E3が高リスクの血管形成集団に対する有効な治療であることが示された。それは、治療された冠動脈血管の突然の閉鎖について高リスクの患者における急性心虚血合併症の予防のための経皮経管的冠動脈形成術もしくは粥腫切除術に対する補助治療として使用される。7E3はIIb/IIIa受容体およびαvβ3受容体双方を遮断するとは言え、血小板凝集を阻害するその能力はIIb/IIIa受容体結合阻害剤としてのその機能に帰されている。IIb/IIIa受容体アンタゴニストは、限定されるものでないが抗体、抗体のフラグメント、ペプチドもしくは有機分子を挙げることができる。例えば、標的結合部分は7E3すなわち糖タンパク質IIb/IIIa受容体アンタゴニスト活性をもつ抗体由来であってよい。7E3はc7E3(セントコア インク(Centocor,Inc.)(ペンシルバニア州マルバーン)により製造されるレオプロ[REOPRO](R)として商業的に知られるアブシキシマブとして知られるF(ab’)2フラグメント)の親抗体である。アブシキシマブは接着性受容体GPIIb/IIIaおよびαvβ3を結合かつ阻害して血小板凝集およびトロンビン生成の阻害ならびにその後の血栓形成予防につながる。米国特許第5,976,532号;同第5,877,006号;同第5,770,198号明細書;Coller、78 THROM.HAEMOST.730−35(1997);JORDANら、NEW THERAPEUTIC AGENTS IN THROMBOSIS & THROMBOLYSIS中(SasaharaとLoscalzo編 マルセル ケッカー インク(Marcel Kekker,Inc.)ニューヨーク、1997);JORDANら、ADHESION RECEPTORS AS THERAPEUTIC TARGETS中 281−305(Horton編 CRC プレス(CRC Press)、ニューヨーク、1996)。
あるいは、本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生されるタンパク質は血栓溶解薬であるかもしれない。例えば、該血栓溶解薬はtPAもしくはその機能的変異体であるかもしれない。セントコア インク(Centocor,Inc.)(ペンシルバニア州マルバーン)により製造されるレタベース[RETAVASE](R)は延長された半減期をもつ変異体tPAである。興味深いことに、マウスにおいて、レタベースおよびIIb/IIIa受容体アンタゴニスト7E3F(ab’)2の組合せ剤は肺塞栓の溶解を顕著に増大した。米国仮出願第60/304409号明細書を参照されたい。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物はまた受容体もしくはそれらのフラグメント、および活性化型受容体、すなわちそれらの対応する受容体と会合するリガンドを模倣する組換えペプチド、もしくはそれらのフラグメントを産生するのにも使用されるかもしれない。これらの複合体は活性化型受容体を模倣しそして従って特定の一生物学的活性に影響を及ぼしうる。あるいは、活性化型コンホメーションを採用するように該受容体を遺伝子的に再工作し得る。例えば、フィブリノペプチドAのトロンビン結合型コンホメーションは、残基Glu−11およびGly−12にβターンの中心を置かれる鎖−ターン−鎖モチーフを表す。分子モデリング解析は、公表されたフィブリノペプチドのコンホメーションがトロンビンに合理的に結合し得ないこと、しかし、ウシ膵トリプシンインヒビターとの整列による2残基の再位置付けが、深いトロンビンの間隙内での良好な適合を提供しかつ実験的核オーバーハウザー効果データの全部を満足することを示す。この解析に基づき、研究者は、提案されたβターン構造を模倣するハイブリッドペプチド模倣物の基質および阻害剤を成功裏に設計かつ合成することが可能であった。該結果は、ターンのコンホメーションがトロンビンの特異性の重要な一局面であること、およびターン模倣物の設計がフィブリノペプチドのトロンビン結合型コンホメーションを成功裏に模倣することを示す。Nakanishiら、89(5)PNAS 1705−09(1992)。
活性化型受容体部分の別の例はエリスロポエチン(Epo)受容体のペプチド模倣物に関する。背景として、Epo受容体(EpoR)へのEpoの結合は成熟赤血球の産生に決定的に重要である。Epoが結合した活性化型EpoRは二量体である。例えばConstantinescuら、98 PNAS 4379−84(2001)を参照されたい。その天然の状態で、二量体中の第一のEpoRは高親和性でEpoを結合する一方、第二のEpoR分子は該複合体に低親和性で結合する。二価の抗EpoR抗体が、おそらくEpoRの二量体化によりEpoRを活性化することが報告されている。加えて、Epo分子といかなる配列の相同性も有しない小型合成ペプチドもまたEpoの生物学的影響をしかし低親和性で模倣することが可能である。それらの作用機序もまたおそらくEpoRの二量体化を生じさせる能力に基づく。これゆえに、本発明の一態様は開示される細胞培養系を使用する活性化型EpoR模倣物の製造方法を提供する。
本発明の別の態様において、該細胞、細胞系および細胞培養物を使用して抗菌薬もしくはそれらの部分が製造されるかもしれず、それらは、抗細菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗ミコバクテリア薬および抗寄生虫薬を包含する。抗細菌薬は、限定されるものでないが−ラクタム抗生物質(ペニシリンG、アンピシリン、オキサシリン)、アミノグリコシド(ストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびゲンタマイシン)ならびにポリペプチド抗生物質(コリスチン、ポリミキシンB)を挙げることができる。本細胞培養物により産生されうる抗ミコバクテリア薬はストレプトマイシンを包含する。SANFORDら、GUIDE TO ANTIMICROBIAL THERAPY(第25版、アンチミクロバイアル セラピー インク(Antimicrobial Therapy,Inc.)、テキサス州ダラス、1995)。
本発明の別の態様において、該細胞、細胞系および細胞培養物を使用して細胞周期タンパク質もしくは細胞周期タンパク質の機能上活性の一部分が産生されるかもしれない。これらの細胞周期タンパク質は当該技術分野で既知であり、そしてG1サイクリン、S期サイクリン、M期サイクリン、サイクリンA、サイクリンDおよびサイクリンEのようなサイクリン;G1 CDK、S期CDKおよびM期CDK、CDK2、CDK4ならびにCDK6のようなサイクリン依存性キナーゼ(CDK);ならびにRbおよびp53のような癌抑制遺伝子を包含する。細胞周期タンパク質は、Bcl−3およびカスパーゼタンパク質のようなアポトーシスに関与するもの;Cdc42シグナル伝達、p76 S6キナーゼおよびPAK調節に関連するタンパク質;ならびに別の場所で論考されるインテグリンもまた包含する。後期促進複合体(APC)および他のタンパク質分解酵素もまた本発明の細胞周期タンパク質に包含される。APCは、コヒーシンの破壊に至りそして従って姉妹染色分体を分離させる事象を誘発し、かつ有糸分裂(M期)サイクリンを分解する。細胞周期タンパク質はp13、p27、p34、p60、p80、ヒストンH1、中心体タンパク質、ラミンおよびCDK阻害剤もまた包含する。他の関連する細胞周期タンパク質はS期促進因子、APCを活性化するM期促進因子を包含する。http://www.ultranet.com/〜jkimball/BiologyPagesのKimball、Kimball’s Biology Pages。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物は特定の抗原もしくはその部分もまた産生するかもしれない。抗原は広範な意味において抗体もしくはその機能的フラグメントが結合するいかなる分子も包含してよい。こうした抗原は病原体由来であることができ、また、MHCクラスIもしくはMHCクラスIIいずれかの反応と関連するかもしれない。これらの抗原はタンパク質性でありうるか、または多糖、糖タンパク質もしくは脂質のような炭水化物を包含してよい。炭水化物および脂質抗原は、正常ヒト血液細胞および外来の細菌細胞壁もしくはウイルス膜を包含する全部の型の細胞の細胞表面上に存在する。http://www.whfreeman.com/immunologyでオンラインで利用可能なSEARS、IMMUNOLOGY(W.H.フリーマン アンド カンパニー アンド サマナス インク(W.H.Freeman & Co.and Sumanas,Inc.))を参照されたい。
例えば、組換え抗原はウイルス、細菌、マイコプラスマ、真菌、寄生虫のような病原体もしくはトキシンのような別の外来物質由来であってよい。こうした細菌抗原は、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バチルス テタニ(Bacillus tetani)、百日咳菌(Bordetella pertusis);ブルセラ属(Brucella)スピーシーズ、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、コクシエラ ブルネチイ(Coxiella burnetii)、野兎病菌(Francisella tularensis)、らい菌(Mycobacterium leprae)、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、大腸菌(Eschelichia coli)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、赤痢菌属(Shigella)スピーシーズ、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningiditis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、ペスト菌(Yersinia pestis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)を包含してよいかもしくはそれら由来であってよい。しばしば、これらの微生物の外側の細胞壁のオリゴ糖構造は優れた保護免疫を提供するが、しかしその効果のためには適切な担体に結合されなければならない。
本発明の範囲内にあるウイルスおよびウイルス抗原は、限定されるものでないが、HbeAg、B型肝炎コア、B型肝炎表面抗原、サイトメガロウイルスB、HIV−1 gag、HIV−1 nef、HIV−1 env、HIV−1 gp41−1、HIV−1 p24、HIV−1 MN gp120、HIV−2 env、HIV−2 gp 36、HCVコア、HCV NS4、HCV NS3、HCV p22ヌクレオキャプシド、HPV L1キャプシド、HSV−1 gD、HSV−1 gG、HSV−2 gG、HSV−II、インフルエンザA型(H1N1)、インフルエンザA型(H3N2)、インフルエンザB型、パラインフルエンザウイルス1型、エプスタイン−バーウイルスキャプシド抗原、エプスタイン−バーウイルス、ポックスウイルス科(Poxviridae)大痘瘡(Variola major)、ポックスウイルス科(Poxviridae)小痘瘡(Variola minor)、ロタウイルス、ルベラウイルス、RSウイルス、梅毒(Syphilis)のスピロヘータの表面抗原、流行性耳下腺炎ウイルス抗原、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella zoster Virus)抗原およびフィロウイルス科(Filoviridae)を挙げることができる。
トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)およびトキソプラスマ(Toxoplasma gondii)のような他の寄生性病原体もまた本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生される組換え抗原の供給源を提供するかもしれない。
さらに、組換えトキシン、トキソイドもしくはいずれかの抗原部分が本明細書に提示される細胞、細胞系および細胞培養物により産生されるかもしれない。これらは、ジフテリアトキシン、破傷風トキシン、ボツリヌストキシンおよびエンテロトキシンBのような細菌により本来は産生されるトキシン、ならびにヒマシRicinus cummunisからのリシントキシンのような植物により本来は産生されるものの組換えの形態を包含する。組換え的に生成されうる他のトキシンおよびトキソイドは、他の植物、蛇、魚類、カエル、クモ、サソリ、藍藻、真菌およびカタツムリ由来のものを包含する。
本発明の細胞、細胞系および細胞培養物により産生されうるなお他の抗原は、特定の細胞型のマーカー、もしくはその細胞型と相互作用する作用物質の標的としてはたらくものであるかもしれない。例は、ヒト白血球抗原(HLAマーカー)、MHCクラスIおよびクラスII、T細胞およびそれらの生理学的状態の同定に有用な多数のCDマーカーを包含する。あるいは、抗原は特定の疾患もしくは状態の「マーカー」、または治療薬の標的としてはたらくかもしれない。例は、前立腺特異的抗原、妊娠特異的β1糖タンパク質(SP1)、癌胎児性抗原(CEA)、甲状腺ミクロソーム抗原および尿タンパク質1を包含する。抗原は自己免疫疾患に関与する「自己」と定義されるものを包含しうる。ハプテン、すなわちそれらがはるかにより大きな実体と結合されない限り免疫応答を引き起こすには小さすぎるペプチドもしくは抗生物質のような低分子量化合物は、より大型の担体分子に結合される場合に抗原としてはたらくかもしれず、そして従って本発明の範囲内にある。ROITIら、IMMUNOLOGY(第5版、1998);BENJAMINIら、IMMUNOLOGY,A SHORT COURSE(第3版、1996)を参照されたい。
本発明はさらに、細胞、細胞系、細胞培養物およびそれら由来の組換えタンパク質が顧客に提供される商取引の方法に関する。特定の一態様において、顧客は本発明の細胞、細胞系もしくは細胞培養物を提供される。別の態様において、顧客は組換えタンパク質をコードする発現ベクターでトランスフェクトされている本発明の細胞、細胞系もしくは細胞培養物を提供される。なお別の態様において、顧客は本発明の細胞、細胞系もしくは細胞培養物の細胞系から精製された組換えタンパク質を提供される。
さらなる詳述を伴わずに、当業者は先行する記述を使用して本発明を最も完全な程度まで利用し得ると考えられる。以下の実施例は具体的に説明するのみであり、そしていったい何であれどのような様式でも該開示の残部の制限でない。
実施例1:C524Aと呼称されるC463A由来のrTNV148B産生細胞系を創製するための腫瘍壊死因子α(TNFα)に対するヒト抗体rTNV148Bでの細胞系C463Aのトランスフェクション
細胞系C463Aを組換えタンパク質の発現のための適する宿主としてさらに試験した。本実施例はC524Aと呼称されるC463A由来のrTNV148B産生細胞系のトランスフェクションおよびその後の発展(development)を記述する。rTNV148BはTNFαに対し向けられた完全にヒトのモノクローナル抗体であり、その遺伝子はハイブリドーマ技術およびトランスジェニックマウスを使用して得た。
トランスフェクションおよびスクリーニング
プラスミドp1865と呼称されるrTNV148B H鎖発現ベクターをXho1での消化により直鎖状にし、また、プラスミドp1860と呼称されるrTNV148B L鎖発現ベクターはSalI制限酵素を使用して直鎖状にした。およそ1×107個のC463A細胞を電気穿孔法(200Vおよび1180μF)により約10μgの予め混合した直鎖状プラスミドでトランスフェクトした。Knightら、30 MOLECULAR IMMUNOLOGY 1443(1993)を参照されたい。トランスフェクション後、IMDM、15%FBS、2mMグルタミンを含む96ウェル組織培養皿中に1×104細胞/ウェルの生存可能細胞密度で細胞を接種した。細胞を37℃、5%CO2で約40時間インキュベートした後に、等容量のIMDM、5%FBS、2mMグルタミンおよび2×MHX選択培地を添加した。コロニー(一次トランスフェクタント)が目に見えるようになるまでプレートを37℃、5%CO2で約2週間インキュベートした。
細胞系C463Aを組換えタンパク質の発現のための適する宿主としてさらに試験した。本実施例はC524Aと呼称されるC463A由来のrTNV148B産生細胞系のトランスフェクションおよびその後の発展(development)を記述する。rTNV148BはTNFαに対し向けられた完全にヒトのモノクローナル抗体であり、その遺伝子はハイブリドーマ技術およびトランスジェニックマウスを使用して得た。
トランスフェクションおよびスクリーニング
プラスミドp1865と呼称されるrTNV148B H鎖発現ベクターをXho1での消化により直鎖状にし、また、プラスミドp1860と呼称されるrTNV148B L鎖発現ベクターはSalI制限酵素を使用して直鎖状にした。およそ1×107個のC463A細胞を電気穿孔法(200Vおよび1180μF)により約10μgの予め混合した直鎖状プラスミドでトランスフェクトした。Knightら、30 MOLECULAR IMMUNOLOGY 1443(1993)を参照されたい。トランスフェクション後、IMDM、15%FBS、2mMグルタミンを含む96ウェル組織培養皿中に1×104細胞/ウェルの生存可能細胞密度で細胞を接種した。細胞を37℃、5%CO2で約40時間インキュベートした後に、等容量のIMDM、5%FBS、2mMグルタミンおよび2×MHX選択培地を添加した。コロニー(一次トランスフェクタント)が目に見えるようになるまでプレートを37℃、5%CO2で約2週間インキュベートした。
目に見えるコロニーが存在したウェルからの細胞上清を、プロテインAカラムで精製したrTNV148Bヒト抗TNFから生成された標準曲線を使用するELISAによりヒトIgGについてアッセイした。簡潔には、EIAプレート(コスター[COSTAR](R))を10μg/mlのヤギ抗ヒトIgG Fcで4Cで一夜被覆した。1×ELISA洗浄緩衝液(0.15M NaCl、0.02%トゥイーン(Tween)−20(W/V))で洗浄した後、プレートを約50μlの96ウェル上清の5倍希釈物とともに室温で1時間インキュベートした。プレートを1×ELISA洗浄緩衝液で洗浄した後にアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(HおよびL鎖)(ジャクソン(Jackson)109−055−088)およびその基質(シグマ[Sigma](R)アルドリッチ(Aldrich)104−105)を使用して、プレート上に被覆された抗Fc抗体に結合されたヒトIgGを検出した。
試験されたコロニーのおよそ1/3(すなわち最高の産生体)をそれらの発現レベルのさらなる定量および比較のために24ウェルプレートに移した。細胞をIMDM、5%FBS、2mMグルタミンおよび1×MHX中で維持した。消耗した(spent)24ウェル培養物からの上清を上述されたとおりELISAによりアッセイした。最高の産生する親クローン(一次トランスフェクタント)を24ウェルの消耗した培養物での力価に基づき同定した。
7個の最高の産生するクローンをサブクローニングしてより多く産生するより均質な細胞系を同定した。96ウェル組織培養皿にIMDM、5%FBS、2mMグルタミンおよび1×MHX中で5細胞/mlおよび20細胞/mlで接種した。細胞をコロニーが見えるようになるまで約14日間インキュベートした。増殖する単一コロニーが存在したウェルからの細胞上清を上述されたとおりELISAによりアッセイした。より多く産生するコロニーを24ウェル組織培養皿に移し、そして消耗した培養物からの上清をELISAによりアッセイした。8クローンを最高の産生体と同定し、そしてこれらを最高に産生する第1回のサブクローンが同定された方法と同一の様式で第2回のサブクローニングにかけた。
表6は選択された細胞系の抗体産生力価を示す。力価はIMDM、5%FBS中の消耗した24ウェル上清でのELISAにより測定された値を表す。力価の有意の改善は、IgG力価が倍加した親クローン1のサブクローンを除き、第1回のサブクローンで親に比較して観察されなかった。第2回のサブクローニングは力価のいかなる実質的な増大も生じなかった。最高に産生する第2回のサブクローンのうち6個をさらなる特徴づけに選択した。従って、6個の培養物に容易な追跡のためクローン番号を割り当てた。表6は、さらなる特徴づけに選ばれた6個の第2回のサブクローンの追跡の呼称および細胞系コードを示す。
化学的に定義されない培地および無血清培地中での細胞系の発展
以下の型の培地を、C524Aと呼称されるC463A由来のrTNV148B産生細胞系の発展に関して使用した。
1.SFM8培地:化学的に定義されない培地。この血清を含まないがしかしタンパク質を含まなくない培地はIMDM、プリマトン[Primatone](R)(シェフィールド プロダクツ(Sheffield Prods.)、イリノイ州ホフマンエステーツ)、アルブミンおよびエキサイト[Excyte](R)(バイエル(Bayer)、イリノイ州カンカキー)を含んでなる。
2.IMDM、5%FBS培地(至適増殖培地):化学的に定義されない培地。IMDMは例えばJRH バイオサイエンシーズ(JRH Biosci.)(カンザス州レネクサ)、カタログ51471から入手可能である。ウシ胎児血清は例えばインタージェン カンパニー(Intergen Co.)(ニューヨーク州パーチェース)、カタログ1020−01もしくはハイクローン(Hyclone)(ユタ州ローガン)、カタログSH30071から入手可能である。
3.CDM培地:このCD培地はSFM8培地由来である。CDM培地はプリマトン[Primatone](R)、アルブミンもしくはエキサイト[Excyte](R)(その全部がSFM8培地中に存在する)を含有しない。CDM培地(プリマトン[Primatone](R)、アルブミンおよびエキサイト[Excyte](R)枯渇SFM8培地)はその場合、2×最終濃度の微量元素A(メディアテック(Mediatech)、バージニア州ヘルドン、カタログ99 182−C1、1000×ストック)、2×最終濃度の微量元素B(メディアテック(Mediatech)、カタログ99−175−C1、1000×ストック)、2×最終濃度の微量元素C(メディアテック(Mediatech)、カタログ99−176−C1、1000×ストック)および1×最終濃度のビタミン(メディアテック(Mediatech)、カタログ25−020−C1、100×ストック)を補充して完全なCDM培地とする。微量元素およびビタミンは動物起源の成分を含有しない。
4.CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地:インビトロジェン(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバードにより製造されるCD培地(カタログ11279−023)。CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地は1g/LのNaHCO3および6mMの最終濃度までのL−グルタミンを補充した。
以下の型の培地を、C524Aと呼称されるC463A由来のrTNV148B産生細胞系の発展に関して使用した。
1.SFM8培地:化学的に定義されない培地。この血清を含まないがしかしタンパク質を含まなくない培地はIMDM、プリマトン[Primatone](R)(シェフィールド プロダクツ(Sheffield Prods.)、イリノイ州ホフマンエステーツ)、アルブミンおよびエキサイト[Excyte](R)(バイエル(Bayer)、イリノイ州カンカキー)を含んでなる。
2.IMDM、5%FBS培地(至適増殖培地):化学的に定義されない培地。IMDMは例えばJRH バイオサイエンシーズ(JRH Biosci.)(カンザス州レネクサ)、カタログ51471から入手可能である。ウシ胎児血清は例えばインタージェン カンパニー(Intergen Co.)(ニューヨーク州パーチェース)、カタログ1020−01もしくはハイクローン(Hyclone)(ユタ州ローガン)、カタログSH30071から入手可能である。
3.CDM培地:このCD培地はSFM8培地由来である。CDM培地はプリマトン[Primatone](R)、アルブミンもしくはエキサイト[Excyte](R)(その全部がSFM8培地中に存在する)を含有しない。CDM培地(プリマトン[Primatone](R)、アルブミンおよびエキサイト[Excyte](R)枯渇SFM8培地)はその場合、2×最終濃度の微量元素A(メディアテック(Mediatech)、バージニア州ヘルドン、カタログ99 182−C1、1000×ストック)、2×最終濃度の微量元素B(メディアテック(Mediatech)、カタログ99−175−C1、1000×ストック)、2×最終濃度の微量元素C(メディアテック(Mediatech)、カタログ99−176−C1、1000×ストック)および1×最終濃度のビタミン(メディアテック(Mediatech)、カタログ25−020−C1、100×ストック)を補充して完全なCDM培地とする。微量元素およびビタミンは動物起源の成分を含有しない。
4.CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地:インビトロジェン(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバードにより製造されるCD培地(カタログ11279−023)。CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地は1g/LのNaHCO3および6mMの最終濃度までのL−グルタミンを補充した。
形質転換された細胞系の増殖プロフィルおよび抗体力価を細胞系C466Dのものと比較した。C466Dはマウス骨髄腫細胞由来である別のrTNV148B産生細胞系である。C466D細胞はT−フラスコおよびスピナーフラスコスケールでIMDM、5%FBS中で約30μg/mlのIgGを産生する。
6個の選択した培養物をIMDM、5%FBS中で拡大させた。各細胞系からの2ないし3バイアルをCD培地へのウィーニング前に安全凍結物として凍結させた。拡大およびウィーニングの過程の間に各細胞系からの数個のT−フラスコ培養物を完全に消耗するまで(12〜14日)過剰増殖させるため別にした。IgG力価を比濁法により測定してIgGを産生する各クローンの能力を評価した。
表7は発展の初期段階の多様な培地中の6個の第2回のサブクローンからの消耗した培養物中に存在するIgG力価を示す。IgG力価に基づき、クローン#2から#4はさらなる発展から終了した。3個の残存するクローンはそれぞれSFM8培地中で100μg/mlを越えるIgGを産生した。しかしながらIMDM、5%FBS中では、クローン#1のみがC466Dにより産生された30μg/mlに比較して90〜100μg/mlのIgGを産生した。従って、Cコード番号C524A、C525AおよびC526Aをそれぞれクローン#1、クローン#5およびクローン#6に割り当て、そして研究細胞バンク(RCB)を各細胞系についてIMDM、5%FBS中で作成した。
CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地へのC466D細胞の移動は数回の試みにおいて失敗した。培養物は、細胞を洗浄しかつIMDM、5%FBSからCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地に移した直後に衰えた、しかしながら、C524A、C525AおよびC526A細胞はCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中での増殖において困難を示さず、そしてC524AおよびC526AからRCBを作成するためにスピナーフラスコに迅速に拡大させた。C524A、C525AおよびC526Aのおよその倍加時間およびCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培養物の過剰増殖させたIgG力価を表7に上に示す。
C524AがIMDM、5%FBSおよびCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中でほぼ100μg/mlのIgGを産生したという観察結果を追跡するために、バッチ培養物型の増殖プロフィルを実施して、これらの2培養物をIMDM、5%FBS中で増殖させたC466Dと比較した。250mlスピナーフラスコ中の二重の培養物をIMDM、5%FBS中で2×105vc/ml、およびCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中で3×105vc/mlの細胞密度で接種した。各スピナーフラスコは150mlの培地を含有し、そしてスピナー速度を60rpmに設定した。毎日の細胞計数およびIgG力価のため各スピナーフラスコから1個の2.5mlサンプルを収集した。生存率が20パーセントより下に下落した後に培養を停止した。
図4に具体的に説明されるデータは、CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地もしくはIMDM、5%FBSいずれか中で増殖させたC524A培養物が少なくともIMDM、5%FBS中で増殖させたC466Dと同じくらい良好に増殖したことを示す。全3種の培養物の全細胞密度は2.2×106細胞/mlから2.4×106細胞/mlまでの範囲にわたり(図4c)、また、全生存可能細胞密度は1.2×106細胞/ml(IMDM、5%FBS中C524AおよびC466D双方)から2.2×106細胞/ml(CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中C524A)までの範囲にわたった(図4b)。IMDM、5%FBS中のC524Aは生存率が20パーセントより上に留まった日数に基づけば他の2種より長く持続した(図4a)。CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地もしくはIMDM、5%FBSいずれか中のC524Aの最終IgG力価は、IMDM、5%FBS中のC466Dにより産生された30μg/mlに比較して約80μg/mlであった。該結果はC524AがC466Dより良好なrTNV148B産生細胞系であることを示す。
CDM培地へのC524A、C525AおよびC526Aの移動はCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地への移動より困難であった(C466DはCDM培地中に移動することに失敗した)。細胞は最初の2〜3継代の間増殖せず、そして生存率は約40パーセントもしくはそれ以下に下落した。その後生存細胞を収集し、そして、生存率が約90パーセントに復帰するまで数継代の間IMDM、5%FBS中に接種した。その後レスキューされた細胞を洗浄しかつCDM培地に再度接種した。大部分の場合に、良好な生存率(>80%)および30ないし40時間の倍加時間を伴う培養物を得る前にこの選択−レスキュー−選択過程を2ないし3回反復した。CDM培地中のC525AおよびC526AのIgG力価は、同一培地中のC524Aにより産生された130μg/mlに比較して約60〜70μg/mlのみであった。C524A、C525AおよびC526Aのさらなる特徴づけはC524Aが優れた産生細胞系であることを示した。
上述された増殖プロフィルのプロトコルを利用して、CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地およびCDM培地中のC524Aの増殖プロフィルを構築してCDM培地中での高IgG産生表現型を確認した。図5はC524A細胞がCDM培地中でよりもCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中でより迅速に増殖したことを示す(図5a)。これらの細胞は、CDM培地中でC524Aが産生した130μg/mlに比較して、CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中でわずか約70μg/mlのIgGを産生した(図5d)。双方の培地中のC524A培養物は、最終的に同一の全細胞密度および全生存可能細胞密度に達した(図5b、5c)。
RCBを作成した後に10継代安定性試験を実施してCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地およびCDM培地中のC524Aの細胞増殖およびIgG産生の安定性を検査した。各RCBからの1凍結バイアルを融解しかつCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地もしくはCDM培地いずれか中で拡大して二重のスピナーフラスコに接種した。60rpmのスピナーフラスコ中の二重の培養物は3×105vc/mlの接種密度を伴い10継代の間2〜3日ごとに継代した。毎週、3×105vc/mlで各スピナーフラスコから三重のT−25フラスコを立ち上げ、そして7〜8日間過剰増殖させた。各週のIgG力価を上述されたとおり測定した。
図6は、全4種の細胞培養物(CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地およびCDM培地中の二重のC524A培養物)の倍加時間が20〜35時間の間の範囲にわたり(図6b)、また、細胞の生存率は継代2と11との間で一貫して85ないし90パーセントの間であった(図6a、6b、6c)ことを示す。安定性試験の終了時のIgG力価はCDM培地中でC524Aについて開始培養物の83パーセントであり、また、CD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培地中のC524Aについて90%以上であった(図6d)。
これらの培養物が継代11に達した場合に、該細胞を使用して別の増殖プロフィルのため二重のスピナーに接種した。第二の増殖プロフィルの細胞増殖は、10継代安定性試験の開始時に実施された第一のプロフィルよりわずかにより速かった(図7a、7bおよび7c)。その結果はSFM8培地中で得られたものに類似である(データは示されない)。SFM8と対照的に、IgG力価にわずかな減少(約10%)が存在した。CDM培養物およびCD−ハイブリドーマ(CD−Hybridoma)培養物のIgG力価は、以前の増殖プロフィル試験からの130μg/mlおよび70μg/mlに比較して(図5d)この増殖プロフィル試験でそれぞれ約120μg/mlおよび80μg/mlであった(図7d)。
実施例2:ヒトモノクローナル抗体(h−mAb)をコードするプラスミドでのCD培地中のC463A細胞のトランスフェクション
h−mAb H鎖発現ベクターを適切な制限酵素での消化により直鎖状にし、また、h−mAb L鎖発現ベクターもまた適切な制限酵素を使用して直鎖状にする。トランスフェクション前に、C463AをCD培地中で融解しそして数継代の間増殖させる。およそ1×107のC463A細胞を電気穿孔法(200Vおよび1180μF)により約10μgの予め混合した直鎖状プラスミドでトランスフェクトする。Knightら、30 MOLECULAR IMMUNOLOGY 1332(1993)を参照されたい。トランスフェクション段階は全部トランスフェクション前に使用したものと同一のCD培地を使用して実施する。トランスフェクション後、CD培地を含む96ウェル組織培養皿中に1×104細胞/ウェルの生存可能細胞密度で細胞を接種する。細胞を37℃、5%CO2で約40時間インキュベートした後に、等容量のCD培地および2×MHX選択を添加する。コロニーが目に見えるようになるまでプレートを37℃、5%CO2で約2週間インキュベートする。
実施例2:ヒトモノクローナル抗体(h−mAb)をコードするプラスミドでのCD培地中のC463A細胞のトランスフェクション
h−mAb H鎖発現ベクターを適切な制限酵素での消化により直鎖状にし、また、h−mAb L鎖発現ベクターもまた適切な制限酵素を使用して直鎖状にする。トランスフェクション前に、C463AをCD培地中で融解しそして数継代の間増殖させる。およそ1×107のC463A細胞を電気穿孔法(200Vおよび1180μF)により約10μgの予め混合した直鎖状プラスミドでトランスフェクトする。Knightら、30 MOLECULAR IMMUNOLOGY 1332(1993)を参照されたい。トランスフェクション段階は全部トランスフェクション前に使用したものと同一のCD培地を使用して実施する。トランスフェクション後、CD培地を含む96ウェル組織培養皿中に1×104細胞/ウェルの生存可能細胞密度で細胞を接種する。細胞を37℃、5%CO2で約40時間インキュベートした後に、等容量のCD培地および2×MHX選択を添加する。コロニーが目に見えるようになるまでプレートを37℃、5%CO2で約2週間インキュベートする。
トランスフェクタントのコロニーからの細胞上清を実施例1および4に記述される方法を使用して2週間後にアッセイする。ELISAにより測定されるところの最高量のIgGを産生するクローンをCD培地を含有する24ウェルプレートに移し、そしてIgG発現レベルのさらなる定量および比較のため拡大する。産生される抗体の量に基づき、96ウェルプレートのウェルあたり平均で1個の細胞を接種することにより、独立したC463Aトランスフェクタントをサブクローニングする。サブクローンにより産生される抗体の量を、個々のサブクローンのコロニーからの上清をアッセイすることにより再度測定する。至適のサブクローンをさらなる分析のため選択する。
増殖曲線分析を実施例1および4に記述されるとおりCD培地中で増殖させた選択した細胞系で実施し、そして至適培地中で増殖させた選択した細胞系および対照細胞系と比較する。加えて、CD培地中で増殖させた選択した細胞系の安定性試験を実施例1および4に記述されるとおり実施し、そして至適培地地中で増殖させた選択した細胞系および対照細胞系と比較する。
CD培地中で増殖させた選択した細胞系によるh−mAbの産生は、量および質に関して、至適培地中で増殖させたかもしくは実施例1でのとおりトランスフェクトかつ維持されたかのいずれかの対照細胞系による抗体産生に匹敵する。加えて、CD培地中で増殖させた選択した細胞系は、対照細胞系と少なくとも同じくらいもしくはより長くh−mAbを安定に産生することが観察される。
実施例3:rTNV148Bの製造のためのC524Aの商業的スケールの培養。
実施例3:rTNV148Bの製造のためのC524Aの商業的スケールの培養。
1バイアルのC524A細胞を液体窒素から取り出しかつ無菌の37℃水浴中で融解する。その後細胞を取り出し、滅菌CD培地に入れそしてその後37℃でスピナーフラスコ中で拡大させる。標準的な質のアッセイおよびさらなる拡大後に、細胞培養物をプールしかつ無菌的に滅菌の500リットルもしくは1,000リットルのバイオリアクターに導入する。滅菌CD培地を最終の所望の容量までバイオリアクターに添加し、そしてバイオリアクター系をrTNV148B産生に従事させる。バイオリアクター系は、好ましくは産物を含有する培地がスピンフィルターにより篩過されかつ細胞を含有する保持液から収集される連続灌流系である。新鮮な滅菌CD培地をバイオリアクターに補給してリアクター容器中のほぼ一定の容量を維持する。温度、溶解酸素、pHおよび細胞密度をモニターする。細胞密度および生存率は製造稼働の間観察し、細胞が規制当局により許容される最大倍加を経た場合もしくは生存率が20パーセントより下に下落した場合にそれを終了する。rTNV148B産物は当該技術分野で既知の方法により精製してもよい。rTNV148Bの収量は平均で約50μg/mlから約120μg/mlまでである。
実施例4:C463A由来のヒト抗IL−12モノクローナル抗体(hIL−12 mAb)産生細胞系を製造するためのhIL−12 mAbでのC463A細胞のトランスフェクション。
実施例4:C463A由来のヒト抗IL−12モノクローナル抗体(hIL−12 mAb)産生細胞系を製造するためのhIL−12 mAbでのC463A細胞のトランスフェクション。
H鎖発現ベクターを適切な制限酵素での消化により直鎖状にし、また、L鎖発現ベクターもまた適切な制限酵素を使用して直鎖状にする。C463A細胞を、実施例1に記述されるとおり、電気穿孔法により約10μgの予め混合した直鎖状プラスミドでトランスフェクトし、そして細胞を培養しかつトランスフェクタントを選択する。トランスフェクタントのコロニーからの細胞上清をおよそ2週間後にヒトIgG(すなわちhIL−12 mAb)についてアッセイする。簡潔には、細胞上清をヒトIgGのFc部分に特異的なヤギ抗体で被覆されている96ウェルELISAプレート上でインキュベートする。被覆されたプレートに結合されるヒトIgGを、記述されたところのアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(H鎖+L鎖)抗体およびアルカリホスファターゼ基質を使用して検出する。
より多く産生するクローンの細胞を標準培地中で24ウェル培養皿に移しかつ拡大させる(IMDM、5%FBS、2mMグルタミン、1×MHX)。産生される(すなわち消耗した培養物の培地中に分泌される)抗体の量を、精製hIL−12 mAbを標準として使用するELISAにより慎重に定量する。その後、選択したクローンをT−75フラスコ中で拡大しそしてこれらのクローンによるヒトIgGの産生をELISAにより定量する。これらの値に基づいて独立したC463Aトランスフェクタントをサブクローニングし(96ウェルプレートのウェルあたり平均で1個の細胞を接種することにより)、該サブクローンにより産生される抗体の量を個々のサブクローンのコロニーからの上清をアッセイすること(ELISA)により測定する。至適のサブクローンすなわちC463Aトランスフェクタントをさらなる分析のため選択する。
hIL−12 mAb抗原結合についてのアッセイ
選択した細胞系をサブクローニングする前に、親系統からの細胞上清を使用してhIL−12 mAbの抗原結合の特徴を試験する。細胞上清サンプル中のhIL−12 mAbの濃度を最初にELISAにより測定する。その後、滴定(titrating)量の上清サンプルもしくは精製hIL−12 mAb陽性対照を2μg/mlのヒトIL−12で被覆された96ウェルプレート中でインキュベートする。その後、結合されたmAbをアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(H鎖+L鎖)抗体および適切なアルカリホスファターゼ基質を用いて検出する。C463A細胞中で産生されるhIL−12 mAbは、好ましくは、精製hIL−12 mAbと識別可能な様式でヒトIL−12に特異的に結合することが観察される。
選択した細胞系の特徴づけ
T−75フラスコにIMDM、5%FBSもしくはCD培地中の2×105vc/mlの開始細胞密度で接種することにより、選択した細胞系で増殖曲線分析を実施する。細胞数およびhIL−12 mAb濃度を培養物が消耗するまで毎日モニターする。hIL−12 mAbでトランスフェクトしたSp2/0親細胞を対照としてIMDM、5%FBS中で増殖させそして増殖曲線分析を実施する。CD培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生は、好ましくは、hIL−12 mAbでトランスフェクトしかつ至適培地中で増殖させたSp2/0親細胞によるhIL−12 mAb産生に等しいかもしくはより優れていることが観察される。さらに、CD培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生は、好ましくは、至適増殖培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生に等しいかもしくはより多いことが観察される。
hIL−12 mAb抗原結合についてのアッセイ
選択した細胞系をサブクローニングする前に、親系統からの細胞上清を使用してhIL−12 mAbの抗原結合の特徴を試験する。細胞上清サンプル中のhIL−12 mAbの濃度を最初にELISAにより測定する。その後、滴定(titrating)量の上清サンプルもしくは精製hIL−12 mAb陽性対照を2μg/mlのヒトIL−12で被覆された96ウェルプレート中でインキュベートする。その後、結合されたmAbをアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(H鎖+L鎖)抗体および適切なアルカリホスファターゼ基質を用いて検出する。C463A細胞中で産生されるhIL−12 mAbは、好ましくは、精製hIL−12 mAbと識別可能な様式でヒトIL−12に特異的に結合することが観察される。
選択した細胞系の特徴づけ
T−75フラスコにIMDM、5%FBSもしくはCD培地中の2×105vc/mlの開始細胞密度で接種することにより、選択した細胞系で増殖曲線分析を実施する。細胞数およびhIL−12 mAb濃度を培養物が消耗するまで毎日モニターする。hIL−12 mAbでトランスフェクトしたSp2/0親細胞を対照としてIMDM、5%FBS中で増殖させそして増殖曲線分析を実施する。CD培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生は、好ましくは、hIL−12 mAbでトランスフェクトしかつ至適培地中で増殖させたSp2/0親細胞によるhIL−12 mAb産生に等しいかもしくはより優れていることが観察される。さらに、CD培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生は、好ましくは、至適増殖培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生に等しいかもしくはより多いことが観察される。
選択した細胞系についての時間にわたるhIL−12 mAb産生の安定性は、CD培地もしくは至適増殖培地を含む24ウェル皿中で細胞を変動する時間の期間培養することにより評価する。選択した細胞系によるhIL−12 mAbの産生もまた、hIL−12 mAbでトランスフェクトしかつ至適培地中で増殖させたSp2/0親細胞による産生と比較する。CD培地中で増殖させた選択した細胞系によるhIL−12 mAb産生は、質および量に関して、hIL−12 mAbでトランスフェクトしかつ至適培地中で増殖させたSp2/0親細胞によるhIL−12 mAb産生に匹敵する。加えて、CD培地中で増殖させた選択した細胞系は、hIL−12 mAbでトランスフェクトしかつ至適培地中で増殖させたSp2/0親細胞のものに匹敵する期間、安定にhIL−12 mAbを産生する。
Claims (34)
- 無血清培地中で継続的に増殖すること;
無血清培地中で高細胞密度まで増殖すること;
血清の非存在下で凍結保存後に生存可能なままであること;および
遺伝子操作後に組換えタンパク質を検出可能に発現すること
が可能な、クローン性骨髄腫細胞系もしくは由来のいずれかの細胞系、
ならびに/または無血清培地中でのその後の培養物。 - 前記発現が、検出可能な量で最低1種のタンパク質を発現するように前記細胞系もしくはそれ由来の細胞系を操作することにより達成される、請求項1記載の細胞系。
- 前記操作が、最低1種のタンパク質をコードする核酸を前記細胞系に導入すること、ならびにこうした核酸が前記細胞系中に既に存在する場合は最低1種のタンパク質をコードする核酸の転写および翻訳を誘導することよりなる群から選択される、請求項2記載の細胞系。
- 前記導入段階が、電気穿孔法、リポフェクション、リン酸カルシウム沈殿法、ポリエチレングリコール沈殿法、超音波処理、トランスフェクション、形質導入、形質転換およびウイルス感染よりなる群から選択される、請求項3記載の細胞系。
- 前記最低1種のタンパク質が、診断的タンパク質および治療的タンパク質よりなる群から選択される、請求項2記載の細胞系。
- 前記診断的もしくは治療的タンパク質が、免疫グロブリン、サイトカイン、インテグリン、抗原、成長因子、細胞周期タンパク質、ホルモン、神経伝達物質、受容体もしくはその融合タンパク質、血液タンパク質、抗菌薬、それらのいずれかのフラグメント、およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項5記載の細胞系。
- 前記免疫グロブリンもしくはフラグメントが、げっ歯類、霊長類、キメラおよび工作されたものよりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記免疫グロブリンもしくはフラグメントが、マウス、ヒト、キメラ、ヒト化、CDRグラフト、ファージディスプレイ、トランスジェニックマウス産生、至適化、突然変異誘発、無作為化および組換え物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項7記載の細胞系。
- 前記免疫グロブリンもしくはフラグメントが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、slgA、IgD、IgEおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項8記載の細胞系。
- 前記フラグメントが、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fc、Facb、pFc’、Fd、Fvおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項8記載の細胞系。
- 前記免疫グロブリンもしくはそのフラグメントが、免疫グロブリン、サイトカイン、インテグリン、抗原、成長因子、細胞周期タンパク質、ホルモン、神経伝達物質、受容体もしくはその融合タンパク質、血液タンパク質、抗菌薬、それらのいずれかのフラグメントおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上を結合する、請求項8記載の細胞系。
- 前記インテグリンが、α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、α8、α9、αD、αL、αM、αV、αX、αIIb、αIELb、β1、β2、β3、β4、β5、β6、β7、β8、α1β1、α2β1、α3β1、α4β1、α5β1、α6β1、α7β1、α8β1、α9β1、α4β7、α6β4、αDβ2、αLβ2、αMβ2、αVβ1、αVβ3、αVβ5、αVβ6、αVβ8、αXβ2、αIIbβ3、αIELbβ7、およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記抗原が、細菌、ウイルス、血液タンパク質、癌細胞マーカー、プリオン、真菌およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上由来である、請求項6記載の細胞系。
- 前記成長因子が、ヒト成長因子、血小板由来成長因子、上皮細胞成長因子、線維芽細胞成長因子、神経成長因子、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、エリスロポエチン、アクチビン、インヒビン、骨形成タンパク質、トランスフォーミング成長因子、インスリン様成長因子およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記細胞周期タンパク質が、サイクリン、サイクリン依存性キナーゼ、癌抑制遺伝子、カスパーゼタンパク質、Bcl−2、p70 S6キナーゼ、後期促進複合体、S期促進因子、M期促進因子およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記サイトカインが、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子、接着分子、アンジオゲニン、アネキシン、ケモカインおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記ホルモンが、ヒト成長ホルモン、成長ホルモン、プロラクチン、卵胞刺激ホルモン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、黄体化ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、インスリン、プロインスリンおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記神経伝達物質が、エンドルフィン、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、バソプレシン、ギラクチド、N−アセチルアスパルチルグルタミン酸、プレオピオメラノコルチン由来のペプチド神経伝達物質、それらのいずれかのアンタゴニストおよびそれらのいずれかのアゴニストよりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記受容体もしくはその融合タンパク質が、インターロイキン−1、インターロイキン−12、腫瘍壊死因子、エリスロポエチン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、トロンボポエチンおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記血液タンパク質が、エリスロポエチン、トロンボポエチン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、フィブリノーゲン、ヘモグロビン、トランスフェリン、アルブミン、プロテインcおよびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる群の1種もしくはそれ以上から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記抗菌薬が、β−ラクタム、アミノグリコシド、ポリペプチド抗生物質およびそれらのいずれかの構造的もしくは機能的類似物よりなる1種もしくはそれ以上の群から選択される、請求項6記載の細胞系。
- 前記タンパク質が前記細胞系の培地1Lあたり約0.01mgないし約10,000mgで産生される、請求項2記載の細胞系。
- 前記タンパク質が約0.1pg/細胞/日ないし約100ng/細胞/日のレベルで産生される、請求項2記載の細胞系。
- 請求項1もしくは2記載の細胞系の細胞を無血清培地中で培養すること(前記細胞は前記最低1種の所望のタンパク質を発現する);および
前記最低1種の所望のタンパク質を前記無血清培地もしくは前記細胞から単離すること
を含んでなる、培養細胞からの最低1種のタンパク質の製造方法。 - 請求項24記載の方法に従って細胞から得られた単離されたタンパク質。
- 1つの型の細胞系からの細胞を最低1つの型の無血清培地中で培養する段階(前記1つの型の細胞系からの培養細胞は前記無血清培地中で増殖することが知られていない);および
前記無血清培地中で増殖することが可能である自発的突然変異体細胞を選択する段階
を含んでなる、無血清培地中で継続的に増殖することが可能な細胞系の同定方法。 - 請求項26記載の方法に従って得られた最低1種の細胞系。
- 請求項1記載の細胞系から得られたタンパク質。
- 請求項1記載の細胞系を顧客に提供する段階
を含んでなる商取引の実施方法。 - 請求項1記載の最低1種の細胞系由来のタンパク質を顧客に提供する段階
を含んでなる商取引の実施方法。 - 前記免疫グロブリンがインフリキシマブである、請求項9記載の細胞系。
- 前記免疫グロブリンがrTNV148Bである、請求項9記載の細胞系。
- 前記フラグメントがアブシキシマブである、請求項10記載の細胞系。
- 前記血液タンパク質が組織プラスミノーゲンアクチベーターである、請求項20記載の細胞系。
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