JP2005511786A - 鏡像体的に富化されたチオ化合物の製造法 - Google Patents

鏡像体的に富化されたチオ化合物の製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、鏡像体的に富化された式1の化合物又はそれらの塩、ここでR1及びR2はそれぞれ独立して(ヘテロ)アルキル又は(ヘテロ)アリール基を表す、の製造方法であって、R1−C(O)−SH又はその塩、R1は上で定義された通りである、がR2−C(=CH2)−C(O)OH又はその塩、R2は上で定義された通りである、と反応される方法において、Ti,Zr,及びHf又はそれらの組み合わせから選択された遷移金属及び少なくとも1の鏡像体的に富化された配位子を含む鏡像体的に富化されたルイス酸の存在下、及びアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン又はアンモニウムイオンの存在下において反応が行われるところの方法に関する。

Description

本発明は、鏡像体的に富化された式1のチオ化合物又はそれらの塩、
Figure 2005511786

ここでR1及びR2はそれぞれ独立して(ヘテロ)アルキル又は(ヘテロ)アリール基を表す、の製造方法において、式2のチオ化合物、
Figure 2005511786

1は上で定義された通りである、が式3のアルケン又はその塩、
Figure 2005511786
2は上で定義された通りである、と反応される方法に関する。
そのような方法は、特開平9−278746号から公知であり、これはキナノキ(cinchona)アルカロイド又はそのOHがエステル化されたキナノキアルカロイドの存在下、2−アラルキルアクリル酸エステルとチオ酸を接触させることにより鏡像体的に富化された3−チオアシル−2−アラルキルプロピオン酸エステルの製造法を開示する。
本発明の目的は、非対称触媒により、式1の鏡像体的に富化された化合物の製造を含む工業的に魅力的な代替の方法を提供することである。そのような化合物は例えば薬の製造において使用される。
これは、Ti,Zr,及びHf又はそれらの組み合わせから選択された遷移金属及び少なくとも1の鏡像体的に富化された配位子を含む鏡像体的に富化されたルイス酸の存在下、及びアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアンモニウムイオンの存在下において反応を行うことにより達成される。
そのような方法が鏡像体的に富化された生成物の生成をもたらすことは驚きである。
用語ルイス酸及び配位子は通常、先行技術において公知であり、例えば“Advanced Inorganic Chemistry”、 F. A. Cotton及び G. Wilkinson, John Wiley & Sons, 第5版、1988年、35〜36ページにおいて定義されている。
本発明の方法において使用される触媒において、Ti,Zr,及びHfから選択される遷移金属がM(IV)として存在することが好ましく、ここでM=Ti,Zr又はHfである。遷移金属の源として、遷移金属の任意の塩又は錯体が使用され得る。適する塩又は錯体の例はTiハロゲン化物、例えばTiCl4,及びTiアルコキサイド、例えばTi (OC2H5) 4、Ti (OCH(CH3) 2) 4、Ti (O (CH2) 3CH3) 4及びTi (OCH (C2H5) (C4Hg)) 4である。触媒は、アキラルな配位子を含む遷移金属錯体、その多くは容易に入手可能であり相対的に安価である、から出発して適切に製造されることができる。もしそのような出発物質が使用されるならば、そのようなアキラルな配位子と鏡像体的に富化された配位子との間の遷移金属への配位のための競争を回避し、本方法に悪影響を及ぼし得るアキラルなルイス酸の生成を回避するため、上記触媒が本発明の方法において使用される前に、アキラルな配位子の少なくとも一部を除去することが望ましい。広い範囲の分離法例えば蒸留及び抽出が上記配位子を除去するために使用され得る。
好ましくは触媒はTiを含む。Tiを含む触媒及び鏡像体的に富化された配位子は共に相対的に高いエナンチオ選択性及び高い触媒活性を有する。
使用される遷移金属の量は広い範囲で変化することができ、例えば遷移金属及び鏡像体的に富化された配位子のタイプ、反応物及び反応条件、例えば温度、遷移金属及び鏡像体的に富化されたは配位子及び反応物の濃度及び溶媒のタイプに依存する。好ましくは、R2−C (=CH2)−COOH又はその塩の量に基づいて0.5〜200モル%、より好ましくは1〜100%、もっとも好ましくは2〜40モル%の遷移金属が使用される。
鏡像体的に富化されたルイス酸は、>90%のe.e.、好ましくは>95%、より好ましくは>98%のe.e.を有する鏡像体的に富化された少なくとも1の配位子を含む。そのような広い範囲の配位子が使用され得る。適切に鏡像体的に富化された配位子の例は、鏡像体的に富化されたアルコール(その誘導体)を含む。好ましくは鏡像体的に富化されたジオールが配位子として存在し、より好ましくは鏡像体的に富化された酒石酸誘導体、最も好ましくは、式R3OC(O)−CH2OH−CH2OH−C(O)OR4を有する鏡像体的に富化された酒石酸エステルが存在し、R3、R4はそれぞれ独立して1〜50の炭素原子を有する(ヘテロ)アルキル又は(ヘテロ)アリール基を表す。鏡像体的に富化された酒石酸エステルは市販入手可能であり、相対的に容易に合成されうる。適する鏡像体的に富化された酒石酸エステルの例は、例えば鏡像体的に富化された酒石酸ジエチル、鏡像体的に富化された酒石酸ジ‐イソ‐プロピル、鏡像体的に富化された酒石酸ジ−イソ−プロポキシエチル、鏡像体的に富化された酒石酸ジ‐2,2,2−トリクロロエチル、及び鏡像体的に富化された酒石酸ジ‐4−ベンジルオキシブチルである。
遷移金属イオンの量に対する鏡像体的に富化された配位子の量は特に重要ではない。好ましくは遷移金属イオンの量及び結合価に基づいて鏡像体的に富化された配位子のおよそ化学量論的量が使用される。例えば、もしM(IV)が一座配位子と組み合わせて使用されるならば、その比、鏡像体的に富化された配位子:M(IV)は好ましくは3:1〜5:1、より好ましくは3.5:1〜4.5:1、最も好ましくは3.8:1〜4.2:1であり、二座配位子の場合、比、鏡像体的に富化された配位子:M(IV)は好ましくは1.5:1〜2.5:1、より好ましくは1.75:1〜2.25:1、最も好ましくは1.9:1〜2.1:1である。
本発明に従う方法は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアンモニウムイオンの存在下行われ、該イオンは反応混合物に様々な方法、例えば塩、好ましくは試薬の1つの塩として添加することにより、又は“固体担体”例えばイオンを含むイオン交換樹脂を使用することにより反応混合物に導入されうる。好ましくはNa+又はLi+が使用され、より好ましくは試薬の1つのNa又はLi塩が使用される。ここで、試薬とは式2に従うチオ化合物又は式3に従うアルケンを指す。
好ましくは遷移金属の量に基づいて、0.1〜50モル%のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンが使用される。
1及びR2はそれぞれ独立して(ヘテロ)アルキル又は(ヘテロ)アリール基を表す。R1及びR2のための適する選択は、場合により例えば1以上のN、O,又はS原子を含んでいてもよく、例えば1〜50のC原子を有する、場合により置換されていてもよい(ヘテロ)アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、ベンジル基、又は例えば1〜50のC原子を有する場合により置換されていてもよい(ヘテロ)アリール基、例えばフェニル、ナフチル、ピリジル、ピロリル、チオニル、イソチオニル、フリル、チエニル、ベンゾフリル、インデニル、ピリミジニル、ピラゾイル、又はイミダゾイル基である。R1及びR2の(ヘテロ)アルキル又は(ヘテロ)アリール基は、場合により選択された反応条件下不活性であるところの1以上の置換基で場合により置換されていてもよい。そのような置換基の適する例は、例えば1〜20のC原子を有する(ヘテロ)アルキル基、例えばメチル、エチル、イソブチル、又はトリフルオロメチル基;2〜20のC原子を有するアルケニル基、例えば1〜20のC原子を有するアルコキシ基、1〜20のC原子を有する(ヘテロ)アリール基、1〜20のC原子を有するアリールオキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲンである。
1の特に適する例は、メチル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基、及びフェニル基である。特に適するR2の例はメチル基;置換された又は無置換のベンジル基,例えばベンジル基,4−クロロベンジル基,4−ブロモベンジル基、及び4−メトキシベンジル基;1−ナフチルメチル基;2−ナフチルメチル基;1,1´−ビフェニルメチル基;置換された又は無置換のアリールオキシアルキル基,例えば置換された又は無置換のフェノキシアルキル基,例えば3−(4−エチルフェノキシ)プロピル基,3−(4−ベンゾイルフェノキシ)プロピル基,3−(4−メチルフェノキシ)プロピル基,3−(3−エチルフェノキシ)プロピル基,3−(4−(フェニルメチル)フェノキシ)プロピル基,4−(3−シアノフェノキシ)ブチル基,4−(4−フェノキシフェノキシ)ブチル基,4−(2,6−ジメチルフェノキシル)ブチル基,4−(4−n−プロポキシフェノキシ)ブチル基,4−(4−沃化フェノキシ)ブチル基,4−[4−(アセチルアミノ)フェノキシ]ブチル基,4−[4−(フェノキシメチル)フェノキシ]ブチル基,4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブチル基,4−(3−エチルフェノキシ)ブチル基,4−(3−クロロフェノキシ)ブチル基,5−[4−(フェノキシメチル)フェノキシ]ペンチル基,5−(4−エトキシフェノキシ)ペンチル基及び6−フェニルヘキシル基;置換された又は無置換のフェニルカルボニルメチル基,例えば(4−ブロモフェニル)カルボニルメチル基,(3,4−ジメチルフェニル)カルボニルメチル基,(2,4−ジメチルフェニル)カルボニルメチル基,[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]カルボニルメチル基,(4−フェノキシフェニル)カルボニルメチル基,(4−メトキシフェニル)カルボニルメチル基,(4−イソプロポキシフェニル)カルボニルメチル基,(4−メチルフェニル)カルボニルメチル基,(4−ブロモフェニル)カルボニルメチル基,(4−クロロフェニル)カルボニルメチル基、及び(4−フルオロフェニル)カルボニルメチル基; 置換された又は無置換のピリジルメチル基,例えば(2−アミノピリジン−5−イル)メチル基,[2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン−5−イル]メチル基 及び[2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−6−メチル−ピリジン−5−イル]メチル基である。
式(3)の化合物はカルボン酸又はカルボン酸塩、例えば(アルカリ又はアルカリ土類)金属又はアンモニウム塩として使用され得る。好ましくはカルボン酸又はそれらのNa,K,Li塩が使用され、より好ましくはカルボン酸が使用される。式(3)の化合物は、適用される反応条件下そのような化合物を形成することのできる前駆体を用いてインシチューで生成され得る。
本発明の方法は、R1がメチル基を表し、R2がベンジル又はメチル基を表す式1のカルボン酸の製造に特に適する。
反応物R1−C(O)−SHとR2−C (=CH2)−C (O) OH又はその塩とのモル比は特に重要ではなく、例えば10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、より好ましくは2.5:1〜1:2.5、最も好ましくは1.6:1〜1:1.1の間で変化し得る。
本方法が行われる温度は特に重要ではなく、当業者により容易に最適化され得る。通常、0〜150℃、好ましくは20〜110℃、より好ましくは30〜80℃の反応温度が適用される。驚いたことに、相対的に高い温度において生産高及び鏡像体選択性が共に高い場合がある。
本発明の方法は好ましくは溶媒の存在下行われる。1以上の液体試薬の場合、本方法は溶媒なしでもまた行われ得る。好ましくは溶媒が使用される。選択された反応条件下において不活性であれば、広い範囲の有機溶媒、例えば置換された脂肪族炭化水素、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、及びトリクロロメタン、場合によって置換されていてもよい(ヘテロ)芳香族炭化水素、例えばトルエン又はN−メチルピロリドン、場合により置換されていてもよいエーテル、例えば、メチルt−ブチルエーテル、又はテトラヒドロフラン、場合により置換されていてもよいカルボン酸、例えば酢酸、場合により置換されていてもよいエステル、例えば酢酸エチル、場合により置換されていてもよいニトリル、例えばアセトニトリル又は場合により置換されていてもよいケトン、例えばメチルイソブチルケトンが本方法において使用され得る。
本発明の方法により製造された鏡像体的に富化されたチオ化合物は様々な方法を用いて単離され得る。適する方法は、例えば結晶化により該化合物をそのまま単離すること、アキラルな塩基により該化合物を塩へ転化し続いて該塩を結晶化すること、又は該化合物を鏡像体的に富化された塩基と反応させ、続いて生成されたジアステレオマー塩を結晶化することである。
本発明の1つの実施態様において本発明の方法により製造された、鏡像体的に富化されたチオ化合物は、アミンと接触させ続いて鏡像体的に富化されたチオ化合物とアミンとの生成された塩を結晶化し、自体公知である方法を用いて該塩を鏡像体的に富化されたチオ化合物とアミンへと転化することにより単離される。そのような方法を用いることにより、遷移金属は鏡像体的に富化されたチオ化合物から単離されることができ、該鏡像体的に富化されたチオ化合物が高い純度において得られことが見出された。様々なタイプのアミン、脂肪族及び芳香族アミンの両方が使用され得、アミンの最適な選択は単離されるべき化合物に依存する。例えば、(S)−3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸がシクロヘキシルアミンの存在下、適切に単離され得る。
本発明は、以下の実施例を参照しながらより詳細に説明されるが、それらに限定されるものではない。
実施例1:触媒の製造
200mlのトルエンに、18.72g(66ミリモル)のテトライソプロポキシチタン及び28.32g(137ミリモル)のL-酒石酸ジエチルが窒素雰囲気下、20℃において添加された。混合物は48時間20℃において攪拌された。減圧下、(10mmHg)、高められた温度(60℃)における蒸留による揮発物の除去の後、油が得られ、トルエン中で200mlの体積まで溶解された。1リットル当たり0.33モルのTiを含む得られた触媒溶液が実施例II〜XIVにおいて使用された。
実施例II:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸の製造
90mlのトルエンに、110mg(1ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩および3.24g(20ミリモル)の2−ベンジルアクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌され、続いて実施例1で製造された8.5mlの触媒溶液(2.8ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。混合物はさらに15分間70℃において攪拌された。1.56ml(22.7ミリモル)のチオ酢酸が反応混合物に70℃において15分内に添加された。反応混合物は転化を完結させるため1時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定された反応混合物中の(S)−3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸のe.e.は44%であった。
実施例III:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸の製造
700mlのトルエンに、4.93g(26.8ミリモル)の2−ベンジルアクリル酸ナトリウム塩及び24.0g(148ミリモル)の2−ベンジルアクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌され、2−ベンジルアクリル酸のほとんどを溶解させた。実施例1において製造された200mlの触媒溶液(66ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。混合物はさらに15分間70℃において攪拌された。50mlのトルエン中のチオ酢酸(262ml)の溶液18mlが反応混合物に70℃において30分内に添加された。反応混合物は転化を完結させるため3時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定された反応混合物中の3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸のe.e.は50%であった。反応混合物は、続いて35℃まで冷却され、その後、残渣の合計重量が350グラムになるまで、過剰のチオ酢酸が減圧において35℃において蒸留により除去された。混合物をさらに25℃まで冷却した後、300mlのトルエンが添加され、続いて20グラムのシクロヘキシルアミンが30分内に添加され、その間に生成物は結晶し始めた。不均一な混合物は25℃においてさらに2時間攪拌された。固体がろ過により集められ、250mlのトルエンで洗浄された。湿ったケーキは室温において風乾され、46.4gの(S)−3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸及びシクロヘキシルアミンの塩を、HPLCによると>98%の純度において与えた。該塩における(S)−3−チオアセチル−2−ベンジルプロピオン酸のe.e.は55%であり、これはシクロヘキシルアミンと接触させる前のe.e.より高い。2−ベンジルアクリル酸ナトリウム塩及び2−ベンジルアクリル酸との量に基づく総収率は78%であった。
実施例IV:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸の製造
95mlのトルエンに、40.1mg(0.37ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び1.72g(20ミリモル)のメタクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌された。実施例1において製造された3mlの触媒溶液(1ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。触媒の添加後、該混合物はさらに70℃において15分間攪拌された。1.56ml(22.7ミリモル)のチオ酢酸が反応混合物に70℃において15分内に添加された。反応混合物は1時間70℃において攪拌され、転化を完結させた。HPLCにより測定された反応混合物中の(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸のe.e.は44%であった。
実施例V:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸の製造
95mlのトルエンに、82mg(0.76ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び1.72g(20ミリモル)のメタクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液6ml(2ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。触媒の添加後、該混合物はさらに70℃において15分間攪拌された。1.56ml(22.7ミリモル)のチオ酢酸が反応混合物に70℃において15分内に添加された。反応混合物は転化の完結のために1時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定された反応混合物中の(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸のe.e.は53%であった。
実施例VI:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸の製造
95mlのトルエンに、156mg(1.44ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び1.72g(20ミリモル)のメタクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌された。実施例1において製造された12mlの触媒溶液(4ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。触媒の添加後、該混合物はさらに15分間70℃において攪拌された。1.56ml(22.7ミリモル)のチオ酢酸が反応混合物に70℃において15分内に添加された。反応混合物は転化の完結のため1時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定された混合物中の(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸のe.e.は48%であった。
実施例VII:鏡像体的に富化された(S)−2−(アセチルチオメチル)酪酸の製造
100mlのトルエンに、90mg(0.83ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び2.00g(20ミリモル)の2−エチルアクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液8.5ml(2.8ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。触媒の添加後、該混合物はさらに15分間70℃において攪拌された。1.56ml(22.7ミリモル)のチオ酢酸が反応混合物に70℃において15分内に添加された。反応混合物は転化の完結のため1時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定された混合物中の(S)−2−(アセチルチオメチル)酪酸のe.e.は63%であった。
実施例VIII:鏡像体的に富化された(S)−2−(アセチルチオメチル)ヘキサン酸の製造
100mlのトルエンに、104mg(0.96ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び2.75g(21.5ミリモル)の2−ブチルアクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液9ml(3ミリモルのTi触媒)が70℃において添加された。触媒の添加後、該混合物はさらに15分間70℃において攪拌された。1.56ml(22.7ミリモル)のチオ酢酸が反応混合物に70℃において15分内に添加された。反応混合物は転化の完結のため1時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定された混合物中の(S)−2−(アセチルチオメチル)ヘキサン酸のe.e.は69%であった。
実施例IX:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸の製造
100mlのトルエンに、180mg(1.67ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び8.60g(100ミリモル)のメタクリル酸が23℃において添加された。得られた混合物は15分間23℃において攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液15mlが23℃において添加され、続いて該混合物は23℃においてさらに15分間攪拌された。7.6g(100ミリモル)のチオ酢酸が15分内に添加され、反応混合物は72時間23℃において攪拌された。転化率はHPLCによると>90%であった。HPLCにより測定されたe.e.は23%であった。
実施例X:鏡像体的に富化された(S)−3−チオベンゾイル−2−メチルプロピオン酸の製造
100mlのトルエンに、180mg(1.67ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び8.60g(100ミリモル)のメタクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間70℃において攪拌され、実施例1において製造された触媒溶液15mlが70℃において添加され続いて該混合物は70℃においてさらに15分間攪拌された。50mlのトルエン中の13.8g(100ミリモル)のチオ酢酸の溶液が18分内に添加され、その後、該混合物は3時間70℃において攪拌された。転化率はHPLCによると>90%であった。HPLCにより測定されたe.e.は35%であった。
実施例XI:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−メチルプロピオン酸の製造
100mlのトルエンに、180mg(1.67ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び8.60g(100ミリモル)のメタクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間70℃において攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液の15mlが70℃において添加され、続いて該混合物は70℃においてさらに15分間攪拌された。7.6g(100ミリモル)のチオ酢酸が15分内に添加され、該混合物は3時間70℃において攪拌された。転化率はHPLCによると>90%であった。HPLCにより測定されたe.e.は45%であった。
実施例XII:鏡像体的に富化された(S)−3−チオアセチル−2−フェニルプロピオン酸の製造
100mlのトルエンに、110mg(1.0ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び2.96g(20ミリモル)の2−フェニルアクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間70℃において攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液の9mlが70℃において添加され、続いて該混合物は70℃においてさらに15分間攪拌された。1.52g(20ミリモル)のチオ酢酸が15分内に添加され、その後該混合物は0.5時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定されたe.e.は48%であった。
実施例XIII:鏡像体的に富化された(S)−3−チオベンゾイル−2−フェニルプロピオン酸の製造
100mlのトルエンに、110mg(1.0ミリモル)のメタクリル酸ナトリウム塩及び2.98g(20ミリモル)の2−フェニルアクリル酸が70℃において添加された。得られた混合物は15分間70℃において攪拌された。実施例1において製造された触媒溶液の9mlが70℃において添加され、続いて該混合物は70℃においてさらに15分間攪拌された。2.60g(20ミリモル)のチオ安息香酸が15分内に添加され、その後該混合物は0.5時間70℃において攪拌された。HPLCにより測定されたe.e.は38%であった。

Claims (8)

  1. 鏡像体的に富化された式1の化合物又はそれらの塩、
    Figure 2005511786
    ここでR1及びR2はそれぞれ独立して(ヘテロ)アルキル又は(ヘテロ)アリール基を表す、の製造方法であって、式2のチオ化合物、

    Figure 2005511786
    1は上で定義された通りである、が式3のアルケン又はその塩、
    Figure 2005511786
    2は上で定義された通りである、と反応される方法において、Ti,Zr,及びHf又はそれらの組み合わせから選択された遷移金属及び少なくとも1の鏡像体的に富化された配位子を含む鏡像体的に富化されたルイス酸の存在下、及びアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアンモニウムイオンの存在下において反応が行われるところの方法。
  2. 遷移金属がTiであるところの、請求項1に記載の方法。
  3. 配位子が鏡像体的に富化された酒石酸エステルであるところの、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアンモニウムイオンがNa+又はLi+であるところの、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 1がメチル基を表すところの、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 2がメチル基又はベンジル基を表すところの、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 反応混合物中のR1−SHとR2−C (=CH2)−C(O)OHとのモル比が2.5:1〜1:2.5であるところの、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 上記化合物をアミンと接触させ、生成された塩の結晶化により鏡像体的に富化されたチオ化合物が単離されるところの、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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