JP2005510255A - 菓子類コアの高速コーティング方法 - Google Patents

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Abstract

チューインガムのような菓子類材料片またはコア(120)を砂糖ベースのコーティング・シロップ(130)または無糖ベースのコーティング・シロップ(130)でコーティングするためのシステムおよび方法である。シロップ溶液(130)内の砂糖材料または無糖材料の固形物含有量を増大させ、含水量を減らし、連続したコーティング層をより急速に乾燥させる。加熱ジャケット(140、142)を用いてシロップ溶液を高温に維持し、シロップ固形物が溶液から析出または結晶化するのを防ぐ。

Description

本出願は、1999年8月16日に出願された、「Continuous Coating of Gum Materials」という名称の米国出願番号第09/374935号の一部継続出願である。この米国出願は、参考資料として本明細書で援用する。
本発明は、殻または外側コーティングを有する菓子類製品に関する。一層詳しくは、本発明は、ガムのような菓子類製品の部片またはコアを砂糖ベース材料および無糖材料でコーティングする方法に関する。
本発明は、全般的に、菓子類製品に関する。一層詳しくは、本発明は、殻または外側コーティングを有する菓子類製品、この外側コーティングを作り出すためのシロップ、および、これらの製品をシロップでコーティングし、硬い殻を形成する方法に関する。
今日、多種多様な種類のコーティング菓子類製品が知られている。これらの菓子類製品としては、チューインガムおよびバブルガムがある。ガム製品は、一般的に、水不溶性部分と甘味料を含む水溶性部分とからなる。同様の文脈で、多種多様の異なるタイプのチューインガムおよびバブルガム(以下、共に全体的に「ガム」または「チューインガム」と呼ぶ)も公知である。たとえば、ガムおよび他の菓子類製品を作る際に、製品を外側コーティングまたはオーバーコーティングでコーティングすることも公知である。砂糖ベースのコーティングまたは無糖コーティングは、消費者に最初の甘味、またはその他の望ましい性質、消費者が噛んだときの歯ごたえのよい感覚、そして、製品に滑らかな外観を与えることができる。このようなチューインガム製品の多くは、たとえば、「Chiclets」ブランド製品や「Dentyne Ice」ブランド製品のように公知である。
コーティングされたチューインガムの場合、まず最初に、砂糖シロップを使用してコーティングまたは殻を作り出す。砂糖シロップは、代表的には、滑らかな外観を有する製品を作り出し、消費者に歯ごたえのよい感覚を与えると共に最初の甘味を一気に発揮するコーティングを提供する。近年、別タイプのシロップ、たとえば、無糖シロップがコーティングされたガムに利用されてきた。
チューインガム片またはチューインガム・コアのコーティングは、多数の工程を含む長くて面倒なプロセスである。滑らかで厚い外側コーティングを得るためには、コアに50またはそれ以上の個別のコーティング工程を施す可能性がある。コーティング工程の各々は、適切な機構においてコアにシロップ材料を吹き付け、コアをタンブリングまたは回転させ、連続するコーティングの各々を熱風等で乾燥させる作業を含む。しばしば、コア上に初期コーティングを作るために粉末状のコーティングが利用され、その後、液体コーティングを使用して外面をならして滑らかにしている。公知のコーティング・プロセスは、充分にコーティングされたチューインガム製品を製造するために5〜6時間またはそれ以上かかる可能性がある。
コーティング・プロセスおよび最終的なコーティング製品を改良すると共に、特にチューインガム製品のためのコーティング・プロセスの速度を向上させることが望ましい。コーティング・プロセスの速度を向上させたり、または、コーティング能力を向上させたりすることで、コーティング製品の処理量を高め、製造費および人件費を低減し、製造業者の利益が高まることになる。
本発明の目的は、改良した菓子類製品、たとえば、コーティングされたチューインガム製品を提供することにある。本発明の別の目的は、コーティングされたチューインガム製品のためのコーティング方法を改良することにある。
本発明のさらに別の目的は、全体的な速度を向上させたコーティング方法を提供することにある。本発明のまた別の目的は、現存するコーティングされたチューインガム製品と同じ品質であるが、より速く、より効率よく製造できるコーティングされたチューインガム製品を提供することにある。
本発明は、改良したコーティング菓子類製品および方法を提供する。特に、片およびコアをコーティングするのに使用するシロップ内の固形物含有量が増大される。これにより、シロップ材料の液体含有量を減らし、コーティングを乾燥させるのに必要な時間を短縮する。固形物含有量が増大したシロップは、ガム片またはコアに吹き付ける前に溶液から固形物が析出または結晶化するのを防ぐために高温に保たれる。シロップを貯蔵する保持タンクまたは容器は、たとえば、加熱水ジャケットまたは電気加熱システムによって加熱される。それに加えて、シロップを保持タンクからコーティング部位まで移送する導管または管路も同様の方法で加熱される。
本発明は、砂糖ベース材料および無糖材料両方のコーティングに適用される。本発明は、公知の方法よりも迅速、安価、効率的であり、しかも、現存するコーティング製品と同じ高品質のコーティング製品を製造する方法を提供する。
別の具体例においては、乾燥時間、コーティングを乾燥させるのに使用する空気温度およびシロップ濃度は、コーティング・プロセス中に変えられる。これらのパラメータは、プロセス中に、各工程毎にまたは各一続きの工程毎に変えることができる。これらのパラメータを調整することによって、品質の向上したコーティング製品を製造できる。
添付の特許請求の範囲および添付図面に従って検討したとき、本発明の他の利益、特徴および利点が本発明の以下の説明から明らかとなろう。
図1は、本発明に従って使用するための代表的なシステムの概略図である。
図2は、本発明に従って使用するための別の代表的なシステムを示している。
図3および4は、砂糖ベースのシロップと共に本発明の具体例を使用するシステムの例を明示するチャートまたは表である。
図5は、砂糖ベースのコーティングでの本発明の利点を示しているグラフである。
図6は、無糖コーティングと共に本発明の具体例を使用するシステムの例を明示するチャートまたは表である。
図7は、無糖コーティングでの本発明の利点を示しているグラフである。
好ましい具体例の説明
本発明は、改良したオーバーコーティングまたはコーティングされた菓子類製品ならびに製品をコーティングする改良した方法を提供する。後述の好ましい具体例においては、菓子類製品はチューインガムまたはバブルガム製品であるが、本発明はガム製品に限らない。本発明は、多種多様な食品および菓子類製品をコーティングまたはオーバーコーティングするのに使用できる。薬剤製品をコーティングするのに本発明を使用することも可能である。
便宜上および説明を容易にするために、「チューインガム」という用語または単に「ガム」という用語は、あらゆるタイプのガム製品に関連するものとしてここで使用しており、発明を或るタイプのガム製品だけに限定するものではない。たとえば、本発明は、バブルガム、無糖ガム、砂糖ベース・チューインガムなどを含むあらゆるタイプのコーティングされたガム製品を製造するためのコーティング・プロセスまたはコーティング・システムで使用できる。
全般的に、本発明は、ガム片またはコアをコーティングするためのコーティング・プロセスの1つまたはそれ以上の吹き付け工程で使用するシロップ材料またはシステム内の固形物含有量を増大させることを含む。シロップ溶液は、全般的に、水で溶液に溶解させた砂糖材料または無糖材料を含む。固形物含有量の多いシロップ溶液は、砂糖固形物または無糖固形物が溶液から析出または結晶化するのを防ぐために高温に維持する。固形物含有量の多い加熱供給システムの場合、吹き付けられたコーティングは、より迅速、およびより効率的な方法で乾燥させることができる。これは、コーティング・プロセス全体の時間を短縮し、処理量を増大させ、したがって、単位時間あたりに作ることのできる製品量を増大させる。本発明は、砂糖シロップ溶液および無糖シロップ溶液の両方に使用できる。無糖溶液に関して、好ましい成分は、多価アルコール、たとえば、マルチトールである。
本発明で使用するための好ましいシステムが、図1に概略的に示してあり、全体を参照数字100で示してある。このシステム100は、コーティング機構102(普通、「コーティング・パン」と呼ばれる)を含む。このコーティング機構では、小さいガム材料片またはコア120が、吹き付けと乾燥を交互に受け、最終的に硬くて厚いコーティングが形成される。コーティング機構102は、代表的には、コアまたは片120を入れる内部のバレル・タイプまたはスクリーン・タイプの機構104を含む。バレル104は、普通タイプの機構(図示せず)によって回転させられる。材料片または材料コア120は、あらゆるタイプの慣用のプロセスによって、たとえば、バッチ・ミキサー122によって製造される。ガム材料は、普通のやり方で混合され、次いで、サイズ処理され、転動され、個々のガム片または切れ目を入れたコア・シートに分けられる。片、シートまたはコアは、次いで、適切な搬送機構124によって搬送され、コーティング・パン102に導入される。材料は、コーティング・パン102に手作業で入れてもよい。
片またはコアは、ひとたびコーティング・パン内に置かれたならば、一連のコーティング工程を繰り返し受ける。コーティング工程は、各々、シロップ・タイプの材料を片またはコアに吹き付け、コーティング・パン内でコアを回転またはタンブリングし、そして、展着することができ、次いで、加熱空気によってコアを乾燥させる。チューインガム片またはコアを効果的にコーティングするためには、吹き付け、展着および乾燥の工程は、代表的には、50回またはそれ以上繰り返すことができる。
まず最初に、コアは、濃いシロップ組成物でコーティングするか、または、乾燥した粉末コーティングでコーティングしてもよく、それによって、コア上に初期材料層を設ける。ひとたび初期層が形成されたならば、代表的には、より薄いシロップ溶液を利用して製品上のコーティングを滑らかにするおよび/または製品上により滑らかなコーティングを生じさせる。
シロップ材料130は、コーティング・パン102内に設置した一連の吹き付けノズル132から吹き付けられる。シロップ材料130は、代表的には、コーティング・パンに隣接して設置したタンクまたは容器134から供給される。シロップ材料130は、パイプまたは導管136を通してヘッダ138へ、そして、次に吹き付けノズル132へ移送される。
本発明によれば、シロップ材料130は、容器または保持タンク134内で、そして、導管またはパイプ136を通ってコーティング・パンに通じる通路全体を通じて高温に保つ。このために、加熱水ジャケットまたは電気ヒーター・タイプの機構140を利用して
、タンクまたは容器134内のシロップを高温に維持する。それに加えて、加熱ジャケットまたは電気ヒーター機構142を使用して導管136内のシロップ材料を高温に維持する。なお、加熱水ジャケット・システムおよび電気加熱システムは、この技術分野において公知であるから、ここでは詳しく説明しない。代表的には、加熱ジャケットは熱水で加熱するが、発生した高温でシロップ材料を劣化させることがないならば、蒸気または加熱油を使用してもよい。
乾燥用空気150が、普通の形式および設計の加熱空気源152からコーティング・パン102に噴射される。
コーティングされたチューインガムおよびバブルガム製品は多数知られている。これらの製品のうちの1つとして、Warner-Lambert Companyの製造するChicletsブランドのチューインガムがある。伝統的には、コーティングされたチューインガムおよびバブルガム製品は、時間および労力のかかるバッチ式製造プロセスによって製造される。バッチ式プロセスの場合、大型の回転容器を用いてガム・コアまたはガム片をコーティングする。まず最初に、ガム材料を標準の押出成形プロセスまたはバッチ・プロセスによって製造し、数インチまたは1フィート以上の幅の、大きな薄い材料シートを形成する。ガム・シートに分離線を刻印または形成して、より小さいガム片(コアとも呼ぶ)の形を形成し、次いで、代表的には、シートを冷却器内にまたは冷却雰囲気で保管し、さらに後の処理のために状態調整する。
ガム材料は、また、連続ミキサーで製造し、サイザーおよびローラ内へ押出し、そこで、材料シートを製造してもよい。
ガムのシートおよび/またはコアを形成したならば、シートまたはコアを回転ミキサー内に放出、または投入し、タンブリングプロセスによって個別のコアに分離および/または分解する。その後、ミキサーが回転している間に、砂糖シロップのようなコーティング溶液をミキサーに加える。ほぼ120°Fの温度の熱風を用いてコーティングされたコアを乾燥させる。
所望の厚さの硬い殻を持ち、全体的に均一にコーティングされたガム製品を形成するために、必要なコーティングが完了するまで、吹き付け・タンブリング・乾燥プロセスを何度も繰り返す。許容し得るコーティングを作るためには、このプロセスは、コーティング工程毎に小さくて薄い層を加え、これを40〜50回以上繰り返し得る。このプロセスは、完了するまで6〜7時間かかり、大きな労力を要する。
同様にして、コーティングされたガム製品上により光沢のある表面を作り出すために、ワックス・コーティングを加えることも可能である。ワックス材料は、他の材料(シロップ材料)と同じようにしてコアに適用される。すべてのコーティングおよび仕上げ層が完了したならば、コーティングされたガム片を別のステーションまたは領域に移送し、そこにおいて、普通の方法で集めて、梱包する。本発明は、チューインガムおよびバブルガム製品のようなコーティング菓子類製品を製造するための公知システムを大きく改善する。
材料コアをコーティングする1つの好ましいプロセスおよびシステムが、「Continuous
Coating of Chewing Gum and Bubble Gum」という名称で、1999年8月16日に出願された同時係属の米国特許出願番号第09/374935号に記載されている。この特許出願の開示内容は、参考資料としてここに援用する。
図2(特許出願番号第09/374935号の全般的なプロセスおよびシステム30を示している)に示すように、ガム材料のシート16を、まず、回転ドラムまたはミキサー
12に入れ、タンブリングさせて個々の材料片20に分割する。次ぎに、個々の材料コアまたは材料片20を、搬送機構32によって少なくとも1つの回転ドラム機構34の上流端または第1端33に搬送する。なお、図2に示すように、1つの回転ドラム機構34または一連の2つまたはそれ以上の回転ドラム機構34、34’を利用してもよい。ガム材料を連続的にコーティングするのに利用する個別のドラム機構の数は、多数のファクタ、たとえば、プロセスの速度、所望コーティング厚さおよび完成品の所望品質に依存する。
ドラム機構34は、フレーム36と、水平面に対して傾斜した軸線38まわりに回転できる円筒型ドラム部材35とを含む。傾斜の程度すなわち傾斜角を調節して、コアがドラム部材内にある時間の長さおよび各材料コア上のコーティング層の数を、所望に応じて、調節することができる。また、本発明によれば、傾斜能力を持たず、材料コアをタンブリング、吹き付け、乾燥させるただ1つのコーティング・パンを利用することも可能である。現在のところ、このタイプの回転メッシュ式ドラム部材が、Coating Machinery Systems, Inc., in Ames, IowaおよびDumoulin Coating Pans in Franceによって提供されている。
本発明の好ましいプロセスおよびシステムによれば、回転ドラム部材35を、水平面に対して傾斜させ、材料コア20が均一かつ連続的にドラム部材に出入りするようにすることができる。なお、「先入れ・先出し」システムが好ましい。その場合、ドラム部材34、34’の入り口端すなわち第1端33、33’に入った最初の材料コアがドラム部材を出る最初の材料コアともなる。これは、材料コアのすべてが一様にかつ一貫して処理され、そして、同じ数の層および同じコーティング厚さがガム材料の各コアに適用されることを保証する。
一連の吹き付けノズル40が、ドラム部材34内にその全長にわたって延びており、これらのノズルは、第1の回転ドラム部材内に導入されたガム材料片またはコアに薄いコーティング溶液42を吹き付けるのに用いる。好ましくは、ドラムは、ドラム部材の各々37、37’の第1端から出口端まで移動するにつれて材料片をタンブリングさせる一連の傾斜バッフル、隆起または「旋条」(図示せず)を含む。
砂糖シロップのようなコーティング溶液は、保持タンクまたは容器50、50’からドラム部材内に導入される。コーティング溶液は、好ましくは、砂糖および水、並びにその他の小含有率の種々の成分からなる混合物を有する。
加熱空気は、圧力源52、52’からドラム部材内に導入され、コーティング溶液42、42’でコーティングされつつある材料片20を乾燥させる。コーティング材料は、溶液が材料片に塗布されると実質上、ほぼ瞬間的に個々のガム材料片またはコア上で乾燥する。これにより、均一で一貫したコーティングを確実に得ることができ、各コア上に数多くのコーティング材料層を構築できる。
空気は、多数の異なったやり方でドラム部材35、35’内に導入できるが、好ましくは、内側ドラム部材の側壁に設けた送り孔を通して導入する。そうすると、ドラム部材の内部空所全体にわたってほぼ均一な加熱空気流を得ることができる。
一連の回転ドラム機構34、34’などを利用するとき、小さいコンベヤ機構54または導管を利用して1つのドラム部材から他のドラム部材までコーティングされつつある材料片を運ぶ。
吹き付けノズル40、40’は、ドラム内に固定してあり、ドラムと一緒に回転することはない。吹き付けノズル40、40’は、1つまたはそれ以上のパイプまたは導管41
、41’に沿って設置してある。パイプまたは導管41、41’は、回転ドラム部材35、35’の内面に沿って延びている。
ドラム部材は、好ましくは、水平面に対して数度、たとえば1〜5度、傾斜している。ドラム部材の傾斜の程度すなわち傾斜角を変えることができる調節可能な機構(図示せず)を設けることもまた好ましい。ドラム部材の角度変化は、そこを製品が通過する速度に影響を及ぼす。したがって、コーティングの厚さおよび/または品質を変えるために、所望に応じて、コーティング・プロセスを加速したり、減速したりすることが可能となる。
回転ドラム部材35、35’の壁が、スクリーンまたはメッシュから作ってあり、加熱空気が壁を容易に通過できるようにすると好ましい。吹き付けノズル40は、ドラム部材35内を長手方向に並んで延びている。
ドラム部材35、35’内で材料を乾燥させるのに使用されるシステムは、好ましくは、内側ドラム部材の一部のまわりに延びる固定側板またはフレーム56、56’を含む。空気は、入口を通してフレームまたは側板内へ導入され、空気源52、52’につながる。この空気源は、あらゆる慣用のタイプのもの、たとえば、ブロワーであってよい。また、空気は、慣用のタイプの加熱機構(図示せず)によって加熱され、この加熱された空気は、ドラム部材の、送り孔のある、または、メッシュの側壁を通してドラム部材内に導入される。
空気は、また、ドラム部材35、35’から連続的に排出され、ドラム部材の内部に新しい加熱空気を連続的に供給し、材料片上のコーティング溶液を瞬時に乾燥させる。
ドラム部材は、材料およびコーティング溶液の所望流量に応じて、比較的一定の回転速度、たとえば、5〜35回転数/分で回転させる。ドラム部材が回転するにつれて、ドラム内のフランジ、隆起またはフライティング(flightings)が、ドラム部材の周面まわりに材料片を運び、ドラム部材内部でタンブリングさせる。このようにして、ドラム部材の側壁から隔たった材料のカーテンが作り出される。
連続コーティング・システムまたは装置30の動作を制御するためにコンピュータ・マイクロプロセッサを利用すると好ましい。たとえば、コンピュータは、装置への電力、ドラム部材の傾斜角、ドラム部材の回転速度、ノズルの吹き付け機能並びに乾燥システム内の空気流量および温度を制御するのに利用できる。
本発明は、Chicletsブランド製品のような砂糖コーティング・ガム製品のための砂糖タイプ菓子類製品または無糖菓子類製品のいずれを製造するのにも使用できるが、砂糖シロップは、ほぼ70%の砂糖固形物と、30%の水を有する。伝統的には、砂糖溶液または無糖溶液内の固形物含有量は、「ブリックス」基準に参照される。今日知られている砂糖タイプ・コーティングの場合、ブリックス含有量は、代表的には、75〜78の範囲にある。しかしながら、本発明によれば、溶液内の砂糖固形物のパーセンテージは、ほぼ80〜84ブリックスまで増大している。
公知の無糖タイプ・コーティングシステムにおいては、シロップ溶液内の無糖固形物の量は、代表的には、およそ66〜70ブリックスである。本発明によれば、ブリックス含有量は、ほぼ70〜74ブリックスまで増大している。以下に記載する実施例においては、利用する無糖タイプ材料はマルチトールである。しかしながら、キシリトール、マンニトール、エリトリトール、ラクチトール、パラチニットおよびソルビトールならびにマルチトールを含む多価アルコールのようなあらゆる慣用の無糖タイプ材料を使用できることは了解されたい。
菓子類またはガム・コアへのコーティングは、好ましくは、最終製品で約20〜40重量%である。好ましくは、コーティングは、30〜35重量%の範囲にある。この範囲内のコーティングは、製品に所望の歯ごたえを与えると共に、滑らかで好ましい外観を与える。これらの基準は、コーティングが砂糖材料であろうと無糖材料であろうと、同じである。
また、コーティングが砂糖材料であろうと、無糖材料であろうとそれに関わりなく、最終工程でワックス・コーティングを施すと好ましい。ワックスは、全コーティング重量の約0.1〜0.5%であってもよく、完成ペレットに光沢感のあるより滑らかな表面を与え、より好ましい外観を与えるのに使用する。最終ワックス・コーティングのための好ましいワックス材料としては、カルナウバ・ワックスおよびカンデリラ・ワックスがある。
図3、4に示す2つのチャートまたは表は、砂糖をコーティングとして使用した本発明に従って得られた2つの実施例を示している。コアは、重量がほぼ150キログラムであり、シロップ濃度は、バルク・コーティングについて82および80ブリックスであり、最終コーティングについては74ブリックスであった。コーティング・パンは、Dumoulin
IDA 500Xであった。砂糖シロップは、バッチ容器内でほぼ80℃に保った。なお、本発明によれば、砂糖シロップまたは無糖シロップを75〜100℃の温度に保つのが好ましい。また、材料が劣化する可能性のある温度よりも低い温度を保つことも重要である。両方の実施例において、コアは、Dumoulinコーティング・パン内にシート状に挿入し、このパンを回転させてシートをタンブリングさせ、個々のコアに分割した。
砂糖実施例Iにおいては、図3に示すように、第1の工程は二回繰り返し、1.4リットルの砂糖溶液をコアに吹き付け、乾燥時間は120秒であった。空気温度は30℃であり、シロップ濃度は82ブリックスであった。コーティング・パンの回転速度は、8回転数/分(毎分回転数)であった。ここで「展着時間」という用語を用いるが、この用語は、コアに砂糖を吹き付けた後、空気を送って乾燥させる前に、パン中でコアを回転させる時間量を意味する。この展着時間により、コアがタンブリングしているときにコア間に摩擦を生じさせ、シロップを表面および先行の層を覆って均等に広げることができる。これにより、コア上にシロップの充分で均一なコーティングを与える。たとえば、(5回繰り返した)工程3において、3.5リットルの砂糖溶液をコア上に吹き付け、乾燥用空気をコーティング・パン内に通して噴射する前にコアを30秒間回転させた。乾燥時間は150秒であり、空気温度は30℃であった。乾燥時間は、工程4および5において、180秒まで長くし、乾燥した殻を得た。
工程5〜7において、より薄いシロップ濃度(すなわち、74ブリックス)の最終コーティングを利用して、工程1〜4においてより濃いシロップ濃度のためにコア上に生じる可能性がある凹凸を滑らかにした。コアに必要量のシロップをコーティングしてすぐに、一晩、コアを状態調整し、その後、最終的なワックス・コーティングを施した。(代替案として、ワックス・コーティングは、所望に応じて、殻が充分に乾燥した場合には、工程1〜7の直後に施してもよい。)
砂糖実施例IIにおいては、図4に示すように、砂糖濃度は、工程4において82ブリックスから80ブリックスまで減らした。他の点では、コーティング・プロセスは、砂糖実施例I(図3)で述べたものと同様であった。82ブリックスから80ブリックスへのシロップ濃度の低減は、その結果得たコーティング殻の硬度(歯ごたえ)を向上させると考えられたが、バッチのいずれからのコーティング・殻硬度に差異は認められなかった。共に充分に乾燥し、直後に光沢を放った。
砂糖実施例IおよびIIを従来のコーティング・プロセスと比較した結果が図5に示してある。ここに示した「従来技術」のプロセスは、Warner-Lambertによる現在のChiclet製造に関係しており、製品の約32〜33重量%のコーティングに約6時間かかったことを示している。しかしながら、本発明の場合には、シロップの固形物濃度は、上記のように増大させており、そして、砂糖溶液は、吹き付けるときまで、高温に加熱し、それを維持しており、同じ結果の製品を確保するコーティング時間は、ほぼ50%短縮され、3時間未満であった。
これらの実施例は、本発明によれば、ほぼ同じタイプの砂糖コーティングされたチューインガム製品を、ほぼ半分の時間と労力で製造できることを示している。これは、機器の使用、人件費の両方で製品の全体的なコストを減らす。これは、また、約二倍量の製品を同じ時間で製造できるので、工場の生産量も増大させることができる。
公知のプロセスと同等の製品を製造するための実際のコーティング数も、本発明によれば、減らすことができる。たとえば、約30〜80回、吹き付けおよび乾燥プロセスを繰り返すことは、公知の砂糖コーティング・プロセスでは普通である。図3、4で示すような本発明の場合、商業的に許容できる製品を製造するのにたった33〜37回の繰り返しでよい。
無糖材料の場合の本発明の使用結果が、無糖(マルチトール)Iと題した図6のチャートまたは表に示してある。この実施例においては、125キログラムのコアを利用した。シロップ組成は、75キログラムのマルチトール、20キログラムの水、0.8キログラムの二酸化チタン・スラリー(50%w/w)および14キログラムのアラビアゴム溶液(28.5%w/w)であった。同じDumoulin IDA 500Xコーティング・パンを、上記の2つの砂糖実施例と同様に利用した。それに加えて、このテストでは、工程10の初めにフレーバーを添加した。
無糖材料の最初の2つの工程のために、粉末コーティングを利用した。粉末は、コアの粘着性を減らし、コーティング・パン内でのコアの分離を容易にするのに利用した。粉末コーティングは、また、コアに適用したときにシロップの結晶化を加速する。この「シーディング」は、吹き付けた材料の「粘着時間」を短縮する。
無糖実施例においては、種々の工程のすべてについて期間展着時間を利用し、コア上のシロップを広げ、連続した層の凹凸を減らした。これらの工程についての空気温度は、22〜24℃であった(ただし、最後の2つの工程では、空気温度を増大させて製品の最終的な乾燥を促進させた)。この温度は、シロップ噴霧からの水の蒸発を遅らせ、したがって、結晶化を遅らせた。このコーティング・プロセスにおいては、全体的にコーティング・プロセスの速度を上げるための急速結晶化と、シロップをコアの表面上に均一に広げることができるようにするためのゆっくりした結晶化との釣合いが望ましい。温度を22〜24℃範囲内で一定に保つことで、この実施例に対する必要な釣合いを得た。
工程1〜7における無糖(マルチトール)シロップの濃度は、72ブリックスであった。工程8の初めで、この濃度を70ブリックスまで低下させ、コーティングの表面を滑らかにした。ひとたび70ブリックスを利用すると、表面のきめが非常に急速に滑らかになったので、シロップ濃度を70まで低減させることは、多くの工程で遅れを生じさせる可能性があったと後に考えられた。フレーバーの添加も表面を滑らかにするのを助けた。
フレーバーを添加すると、乾燥時間が延びる可能性がある。これは、或る種のフレーバーがマルチトールおよび無糖シロップよりも乾燥するのに長い時間がかかるからである。
工程19において、コーティング・パンを「ジョグ」モードに変え、製品を振り動かすと共にタンブリングさせた。これは、最終的なワックス光沢コーティングの適用前にシロップ・コーティングを乾燥させるのを助けるために使用した。「ジョグ」モードは、また、製品の摩滅およびチッピングを低減するのを助けた。無糖実施例Iで製造した最終製品は、5.5時間未満でコーティングされ、ワックス塗布された。表面のきめは、滑らかであり、硬度/歯ごたえは、現存製品と同等であった。
公知の無糖コーティング・プロセスと本発明のコーティング・プロセスとの比較が、図7に示してある。ここに示すように、従来技術プロセスは、ほぼ33〜34%のコーティング重量を達成するのにほぼ7.5時間かかった。それと対照的に、本発明の場合、同じ重量のマルチトールの無糖コーティングは、約5.5時間でガム・コアに施された。
本発明は、コーティング無糖ペレット・ガム製品を製造する公知のプロセスよりも、吹き付けおよび乾燥工程の数、および反復回数を減らすこともできる。マルチトールを用いる場合、たとえば、公知のプロセスは、代表的には、満足できる製品を得るためには、吹き付けおよび乾燥を35〜100回、またはそれ以上繰り返す。しかしながら、図6に示すように、本発明では、満足できる製品を得るためには、たった44回の繰り返しが必要なだけである。
本発明の特別な具体例を図示し、説明してきたが、当業者であれば、種々の変更および代替の具体例が明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。
本発明に従って使用するための代表的なシステムの概略図である。 本発明に従って使用するための別の代表的なシステムを示している。 砂糖ベースのシロップと共に本発明の具体例を使用するシステムの例を明示するチャートまたは表である。 砂糖ベースのシロップと共に本発明の具体例を使用するシステムの例を明示するチャートまたは表である。 砂糖ベースのコーティングでの本発明の利点を示しているグラフである。 無糖コーティングと共に本発明の具体例を使用するシステムの例を明示するチャートまたは表である。 無糖コーティングでの本発明の利点を示しているグラフである。

Claims (14)

  1. 菓子類材料片上に砂糖シロップ材料の層をコーティングする方法であって、
    (a)コーティング機構34内に菓子類材料片20を導入する工程、
    (b)菓子類材料片の各々に80〜84ブリックスの固形物濃度を有する少なくとも1つの砂糖シロップ材料層42を吹き付ける工程、及び
    (c)砂糖シロップ材料の少なくとも1つの層を乾燥させて菓子類材料片上に砂糖シロップ材料のコーティングを形成する工程
    を含む方法。
  2. さらに、菓子類材料片に吹き付ける前に砂糖シロップ材料を加熱する工程を含み、砂糖シロップ材料を、吹き付けるまで、加熱状態に維持する、請求項1に記載の方法。
  3. 菓子類材料がチューインガム材料である、請求項1に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの砂糖シロップ層を加熱空気によって乾燥させる、請求項1に記載の方法。
  5. コーティング機構が回転ドラム部材を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 菓子類材料片上に無糖シロップ材料の層をコーティングする方法であって、
    (a)菓子類材料片をコーティング機構に導入する工程、
    (b)菓子類材料片の各々に、70〜74ブリックスの固形物濃度を有する少なくとも1つの無糖シロップ材料層を吹き付ける工程、及び
    (c)少なくとも1つの無糖シロップ材料層を乾燥させて菓子類材料片に無糖シロップ材料のコーティングを形成する工程
    を含む方法。
  7. さらに、菓子類材料片に吹き付ける前に無糖シロップ材料を加熱する工程を含み、無糖シロップ材料を、吹き付けるまで、加熱状態に維持する、請求項6に記載の方法。
  8. 菓子類材料がチューインガム材料である、請求項6に記載の方法。
  9. コーティング機構が回転ドラム部材を含む、請求項6に記載の方法。
  10. ガム材料コア上に硬いキャンディの殻を形成する方法であって、この殻はシロップ材料の連続した層によって形成され、
    (a)コーティング機構にガム材料のコアを導入する工程、
    (b)ガム材料コア上にシロップ材料の連続した層を吹き付けて該コア上に硬いキャンディの殻を形成し、ガム材料の完成ペレットを形成する工程、
    (c)シロップ材料が、高温に維持しなければ結晶化するような固形物含有量を有し、そして、
    (d)シロップ材料を高温に維持してその固形物の結晶化および析出を防ぐ工程
    を含む方法。
  11. シロップ材料が砂糖シロップ材料であり、固形物含有量が80〜84ブリックスの範囲にある、請求項10に記載の方法。
  12. シロップ材料が無糖シロップ材料であり、固形物含有量が70〜74ブリックスの範囲にある、請求項10に記載の方法。
  13. 無糖シロップ材料が、マルチトール、キシリトール、マンニトール、エリトリトール、ラクチトール、ソルビトール、パラチニットまたはそれらの混合物からなる群から選択される多価アルコールである、請求項12に記載の方法。
  14. シロップ材料の温度を75〜100℃の範囲に保つ、請求項10に記載の方法。
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