JP2005509801A - ロータリー・ピストン・ポンプ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 本発明は、ハウジング(10)と、軸(22)に回転不可に接続され、ハウジングの環状チャンバ(28,30)内に回転可能かつ転置可能に支持された管状セグメントに形付けられた環状ピストン(18)とを備え、上記チャンバが上記軸(22)と同軸に配置されたロータリー・ピストン・ポンプに関する。ロータリー・ピストン・ポンプはまた、ハウジング内に形成された少なくとも一つの吸入口及び少なくとも一つの排出口を備え、環状チャンバ側の吸入口又は排出口は、上記環状チャンバの表面領域の軸方向内側領域に位置し、上記表面領域は、互いに対向する端面の波の谷の最大軸方向間隔により決定される。本発明は、環状ピストンがその軸方向端面に向かって開口したコントロール・ポケットを有し、そのコントロール・ポケットは吸入口及び排出口を制御・調節し、コントロール・ポケット(38)と吸入口及び排出口の特性が、ピストンが上端と下死点との間の行程を実行するときに吸入口(40)による伝送媒体の最大体積流量を確保でき、ピストンが下端と下死点との間の行程を実行するときの排出口(56)による伝送媒体の最大体積流量を確保できるように選定されることを特徴とする。

Description

本発明は、ハウジングと、環状ピストンとを備えたロータリー・ピストン・ポンプに関する。
環状ピストンは、ハウジング内の回転軸に回転可能に接続され、軸と同軸なハウジングの環状空間内で回転可能であり、環状空間内に回転可能かつ軸方向に移動可能に支持された管状セグメントの形をしている。環状空間及び環状ピストンの軸方向の端面(これらは互いに対向する)は、軸と平行な方向に振幅を有すると共に少なくとも1つの波の山及び少なくとも一つの波の谷を備えた波面として形成される。少なくとも1つの吸入チャネル及び少なくとも1つの排出チャネルがハウジング内に形成され、これらチャネルは環状空間に近接した側の吸入口及び排出口が、環状空間の外側表面の軸方向領域(この領域は、互いに対向する端面の軸方向最大間隔により定義される)内に位置するように形成される。
このようなロータリー・ピストン・ポンプの一つは、特許文献1から知ることができる。この既知のロータリー・ピストン・ポンプでは、吸入口及び排出口は、環状ピストンの波面の輪郭(形状)により制御(調整)される。
独国特許出願公開第19953168号明細書
この場合、逆止弁等の制御要素を追加することなく伝送媒体(くみ出される媒体)の吸入量(input)及び排出量(output)の制御を行えるようにするためには、開口断面積を比較的小さく形成しなければならないことが知られている。また、ピストンの回転角度に基づく、ピストンのストロークと回転運動との複合による開口断面積の変化は、比較的ゆっくり生じることも知られている。従って、吸入側に関して、環状空間の最適な充填(filling)は、高い回転速度において増大する減速影響(抵抗)により妨害される。他の欠点は、下死点において吸入チャネルと排出チャネルとが互いに分離できないことである。従って、逆止弁の補助がなければ、伝送媒体は、環状ピストンが下死点を通過する間、高圧領域である排出側から大気圧に近い吸入口へ戻る。このことは、ロータリー・ピストン・ポンプの伝送効率を減じさせる。あるいはロータリー・ピストン・ポンプの構造を複雑にする手段(機構)を要求する。本発明の課題は、最も単純(シンプル)な構造を維持しつつ、ポンプの伝送効率が相当に向上する上記種類のロータリー・ピストン・ポンプを提供することにある。
上記課題は、環状ピストンが、環状空間の軸方向端面に開口し、吸入口及び排出口を調節・制御するためのコントロール・ポケットを有し、そのコントロール・ポケットと吸入口及び排出口の位置、形状及びサイズが、ピストンが上死点と下死点との間を動くときの吸入口、およびピストンが下死点と上死点との間を動くときの排出口が、伝送媒体の最大の体積流量を許容するように選定される本発明によって解決される。
構造上の制限により、環状ピストンの所定の回転角度でのみ吸入口及び排出口が自由に開放することが可能となる。コントロール・ポケットを設けることにより、吸入口の開口断面積の最も大きな部分が、ピストンの回転角度において可能な最大部分(範囲)の間開き、環状空間内に流れる伝送材料(媒体)の容積流量を最大にできるので、開口断面積の制御(調節)を最適に(能率良く)行うことができる。その上、環状空間及びピストンの波面の輪郭(形状)を、ピストンの最適な調和運動(harmonic movement)を得られるように選定・決定できるうえ、コントロール・ポケットの形状及び位置の選定により、吸入口及び排出口を通って伝送される媒体の体積流量を最適化できる。また、コントロール・ポケットの形状及び位置により、環状ピストンがその下死点を通過するとき、即ち、環状ピストンの端面が対応する環状空間の端面から軸方向に最も間隔を隔てたときに、吸入口と排出口とを互いにシールして媒体がそれら開口部間を通過(移動)できないようにすることができる。従って、追加のバルブを使用する必要はない。
コントロール・ポケットは、少なくとも軸と実質的に平行なコントロールエッジと、少なくとも環状ピストンの周方向においてコントロールエッジ間に位置する波面の輪郭に実質的に倣う(following)ポケットボトムを有することが好ましい。コントロール・ポケットのこの構造によれば、環状ピストンの角度変化(移動)に対する開口断面積の変化は最大となる。それゆえ、伝送媒体の流入及び流出に対して利用可能な時間を最適の方法で使用できる。同じ目的から、吸入口が軸と平行な前方エッジ及び後方エッジ(回転方向に関して前方、後方)を有し、コントロール・ポケットの後方コントロールエッジが吸入口の前方エッジに到達したとき、即ち、吸入口が閉じられたときに、環状空間の波面と近接する吸入口の上部エッジが環状ピストンの波面の輪郭と実質的に一致するように、上部エッジを形成することが提案される。吸入口の形状はまた、環状ピストンが回転運動を行なうだけでなく、軸方向への運動(移動)も行なうことを考慮に入れて決定される。環状空間の波面から離れた(遠い)吸入口の下部エッジは、少なくとも、環状ピストンが上死点から下死点まで移動する間、コントロール・ポケットの前方下部コーナー(角部)の移動通路に実質的に倣うことが好ましい。
伝送媒体の流入に利用できる回転角度又は期間(時間)を最適に使用するために、ピストンの周方向に測定される吸入口の幅とコントロール・ポケットの幅とが、環状ピストンの上死点と下死点との間の全ストロークに亘って吸入口が開くように関係付けられる場合、波面が2つの波の山及び2つの波の谷を備えることは有利である。
全容積処理量(total volumetric throughput)について、吸入口の断面積を制御・調節することと比較すると、排出口の断面積を制御・調節することはそれほど重大ではない。しかしながら、排出口は、その後方エッジが実質的に軸と平行に整列し、コントロール・ポケットの前方コントロールエッジが排出口の後方エッジに到達したときに、排出口の後方エッジに接続された排出口の上部エッジの第一部分が環状ピストンの波面と平行に整列し、環状ピストンが上死点に到達したときに、第一部分に接続された排出口の上部エッジの第二部分がコントロール・ポケットエッジの輪郭に倣うように形成することが好ましい。
上述した種類のロータリー・ピストン・ポンプを使用する場合、状況に応じては、回転速度を一定に維持しつつ伝送容量を変えたり、絶えず変化する環状ピストンの回転速度に対して伝送容量を一定に維持することが望まれる。後者のケースは例えば、自動車業界でこのようなロータリー・ピストン・ポンプが使用される場合において、運転中に回転速度が絶えず変化する車両エンジンによりポンプが直接駆動され、ポンプの伝送容積がそれ(エンジン回転速度の変化)に伴って変化することが望まれない場合に生じる。これらの課題を最も単純な方法で解決するために、本発明では、二つの環状空間/環状ピストン構造(配置)を以下に述べるように配置することが提案される。即ち、二つの環状空間/環状ピストン構造を互いに同軸に配置し、同一の軸上に設けられたピストンが二つの環状空間の端面間を同時に(in common)移動し、二つの環状空間が環状ピストン内で径方向に位置する流体接続部(連通路)により互いに接続され、各環状空間の径方向内側壁が、ハウジング内に回転不可かつ軸方向に移動可能に設けられ、調節駆動装置により、流体接続部を閉じる軸方向内側位置と、流体接続部を少なくとも部分的に開く軸方向外側位置との間で調節可能なコントロール・スリーブの外側表面により形成されるようにする。
この解決策によれば、2つの環状空間の間で前後に送られる(即ち、ポンプの外側には排出されない)容量を増加又は低減させることで、ポンプの伝送容量を制御することができる。流体接続部がコントロール・スリーブにより閉じられると、ポンプはその最大伝送容量を生み出す。一方、流体接続部の断面が多かれ少なかれ開かれると、多少の(それに応じた)流体がポンプから外側に送られる。流体接続部の開口断面積は、流体接続部が最も開かれたときに、媒体が外側に放出されない、即ち、ポンプが何も送らないように選定・決定することができる。例えば、ポンプが、運転中に回転速度が頻繁に変化する自動車のエンジンにより駆動される場合、コントロール・スリーブの軸方向への移動により、非常に迅速かつ回転変化に敏感な反応(対応)が生じ得る。また、この方法によれば、回転速度の変化にかかわらずポンプの伝送容量を一定に維持できる。
好適なことに、コントロール・スリーブは、その軸方向内側端位置と外側端位置との間で非段階的に(連続的に)調節可能である。基本的には、コントロール・スリーブの軸方向内側端部はコントロール・スリーブのコントロール・エッジとして作用する。回転中の環状ピストンの軸方向への移動を許容することは、コントロール・スリーブが、環状ピストンの軸方向への移動とは無関係に流体接続部を開く又は調節する少なくとも1つの軸と平行なコントロール・スロットを有する場合に有利である。好適なことに、上述した解決策では、排出口及び吸入口がそれぞれ環状空間の径方向外側壁に形成されるため、ポンプの最も単純な構造を確保できる。従って、既知の方法により、2つの環状ピストンを、一つのワンピース・ダブル・ピストンとして統一(統合)することができる。
本発明のロータリー・ピストン・ポンプにおいて、要求される静かで低い摩耗での高速回転を達成するためには、環状ピストンは、軸方向において調和振動(harmonic oscillations)を行なうべきである。このことは、ピストンの輪郭(形状)のアペックス・ポイント(頂点)、即ち、1サイクルを考慮したときの波の山のピークが、下記の関数(1)に従うことを意味する。
Figure 2005509801
ここで、yはピストンの軸方向ストローク、xはピストンの回転角度である。上記目的を達成するために、本発明において、環状空間の波面の輪郭(1サイクルを考慮した場合)を、下記の関数(2)と関数(3)とにより囲まれた領域内に位置させることが提案される。
Figure 2005509801
Figure 2005509801
互いにスライドする二つの波面の輪郭は、波面が、少なくとも、ピストンの回転に際してそれらが互いに支持される又は係合(接触)する領域において(途切れなく)連続するように選定される。一つの形としては、互いに対向する波面の両方の形状が純粋なシヌソイド(正弦波)表面を形どることが分かるが、実際はそのような解決策の場合、ピストンが一様(均一)かつ滑らかに回転することはできないことが示された。上死点に達すると、二つの波面は完全に互いに重なる。この位置からピストンをさらに移動させるためには、特別な力及び加速の急激な変化(jerky change)が必要である。これは、ピストンが非常に不安定に移動するばかりでなく、高い摩耗(摩損)を受けることを意味する。この摩耗は、波面の輪郭が常に1つのポイントでのみ係合(engage)し、そのポイントが環状ピストンの1回転中に、関連するピストン輪郭のアペックス・ポイントの前方及び後方に移動する下記の解決策によれば最小となる。
上記方程式(2)及び(3)において、振幅因数(A)は、単純化の目的から1と等しく設定される。Aが、それよりも大きい又は低い値を有しても良いことは勿論である。
実際上は、環状空間の波面の輪郭を決定した後、ピストンの輪郭が、それ(輪郭)がピストンの調和運動を生み出すように設計される。互いにスライドする2つの波面のこの輪郭は、ピストン輪郭のアペックス・ポイントが環状空間の波面の輪郭のアペックス・ポイントを超えて通過するときである、最も摩耗の重要な(過酷な)領域(most wear critical region)において、互いに支持(ガイド)された表面の摩耗の合計が可能なかぎり低くなるように設計することが好ましい。この点、後に詳述する。
本発明の変形実施形態では、ロータリー・ピストン・ポンプは次のように構成される。即ち、環状ピストンの波面における波の山のアペックス・ポイント(頂点)の領域において、ローリング・ボディ(例えばロール、ボール、コーン)が波面を越えて外側に延出し、そのローリング・ボディはピストン軸に対して径方向に向けて配置された回転軸により支持される。環状空間の波面の輪郭は、1サイクルを考慮したときにローリング・ボディの支持中心点が関数y=A・cosxにより与えられる曲線に沿って移動し、ピストンの1回転中の環状ピストンと環状空間の端面との接触ポイントが常にローリングボディの周線(外面)上に位置するように設計される。このことは、環状ピストンが、環状空間又はステータの波面上をスライドするように支持されてはおらず、代わりに、ローリング・ボディがその軸回りに回転しながら、環状空間又はステータの波面上を回転することを意味する。この解決策は、ロータリー・ピストン・ポンプが非潤滑性の液体媒体又はガス材料を送るために使用される場合、特に有利となる。この場合、ローリング・ボデーの支持により、環状ピストンとステータとの相対運動(摺動)が根本的に取り除かれる(なくなる)ので、耐摩耗性の向上が得られる。各ローリングボディを環状ピストンにより支持する代わりに、ステータ波面内に支持しても良い。
上述した環状空間の波面輪郭の形状は、関数y=A・cosxにより描かれるローリング・ボディの支持中心点の通路曲線に対して、各ポイントにおいてローリング・ボディの半径と等しい距離だけ間隔が隔てられたラインを満たす。この場合、環状ピストンの軸方向への運動(移動)が調和振動に対応(相当)することが保証される。
変形実施形態において、公式y=A・cosxのAはあらゆる所望の値をとることができる。
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面と共に見本的な実施形態を用いて本発明を説明する以下の記述から明らかになるであろう。
本発明によれば、最も単純な(シンプル)構造を維持しつつ、ポンプの伝送効率が相当に向上するという優れた効果を発揮するものである。
図1は、本発明を具現化したロータリー・ピストン・ポンプの軸に沿った概略断面図である。このロータリー・ピストン・ポンプは、円筒状のハウジング10を有しており、ハウジング10の円形穴12はエンドピース14,16によって閉鎖される。チューブ(筒)形の環状ピストン18が、エンドピース14,16で囲まれた空間内に支持される。ピストン18は、リニア軸受20により、軸22に対して回転不可かつ軸方向に移動(スライド)可能に連結される。軸22は、円筒状のハウジング10と同軸のエンドピース16を通って延びる。環状ピストン20は、その軸方向両端部にそれぞれ波面24を有する。波面24は、対応する(一方の)エンドピース14,16の波面26上に支持(ガイド)される。ここまで述べたロータリー・ピストン・ポンプは、独国特許出願公開第19953168号明細書により詳細に説明されている。このポンプの基本的な機能の言及(説明)は、この刊行物によりなされる。
図1に示す解決策では、第1エンドピース14の波面26と、それに対向する環状ピストン18の波面24との間に位置する環状空間28、および下側エンドピース16の波面26と、それに対向する環状ピストン18の波面24との間に位置する環状空間30は、軸と平行な1つ又は複数のチャネル32(図1に破線で示される)によって互いに連結(接続)される。これらチャネル32は、2つの環状空間28,30間の流体接続部(連通路)を形成する。第1コントロール・スリーブ34が、上部エンドピース14内に回転不可かつ軸方向に移動可能に配置される。コントロール・スリーブ34は、環状空間28の径方向内側の境界壁を形成する。第2コントロール・スリーブ36が、エンドピース16内に回転不可かつ軸方向に移動可能に配置され、環状空間30の径方向内側の境界壁を形成する。二つのコントロール・スリーブ34,36は、図示しないポジショニング・ドライブ(位置調節駆動装置)により、軸方向(両側矢印で示す方向)に調節できる。従って、この方法(調節)により、チャネル32(即ち、環状空間28,30間の流体接続部)を閉じたり、あるいはその開口を大きくしたり小さくしたりできる。これらコントロール・スリーブ34,36の機能は、図6及び図7を参照して、後程詳述される。
図2及び図3において、複数のコントロール・ポケット38が環状ピストン18に形成されており、各コントロール・ポケット38は関連する波面24上に開口することが分かる。これらポケット38は、環状空間28,30各々への伝送媒体の流入、および環状空間28,30各々からの媒体の流出を制御・調節する機能を果たす。これらコントロール・ポケット38の形状、およびそれら(ポケット)と吸入口(流入口)及び排出口(流出口)との協働(作用、cooperation)を、図4及び図5を用いて詳細に説明する。
図4の各図において、吸入口は40で示され、それぞれ、ハウジング10の穴12側における吸入チャネルの出口(outlet orifice)を示している。各吸入口40は、環状ピストン18の回転方向に関して、前方エッジ42と後方エッジ44とを有し、それら前方エッジ42及び後方エッジ44は、環状ピストン18の軸と平行に延びる。各吸入口40の下部エッジ46及び上部エッジ48は、環状ピストン18がその90°位置(後程説明する)に位置したときに、環状ピストン18の波面24の輪郭(形状)と実質的に平行となる。
コントロール・ポケット38も同様に、それぞれ、環状ピストン18の軸と平行に延びる前方エッジ50及び後方エッジ52を有する。各ポケット38は、波面24に向かって開口している。ポケット38のボトム54は、エッジ50とエッジ52間の波面24の輪郭(形状)と実質的に平行に延びる。
以下の記述では、図4に示されたダブル・ピストン・ポンプの上部のみをまず考慮する。0°において、環状ピストン18はその上死点に位置する。この位置では、コントロール・ポケット38の前方エッジ50は、吸入口40の後方エッジ44と合う(一致する)。従って、環状ピストン18が上死点を通り過ぎて、矢印Aの方向に10°位置へと回転するとき、吸入口40の全高に亘って断面積の変化が可能となる。ピストン18の回転がさらに続くと、コントロール・ポケット38の下部エッジは、吸入口40の傾斜した下部エッジ46に実質的に追従する(倣う)。なぜなら、回転に伴って、環状ピストン18は軸方向下側にも移動するからである。30°〜60°の間では、吸入口40の全断面積が媒体の流入に利用可能となる。70°を越えると、コントロール・ポケット38の後方エッジ52は、吸入口40上を移動する。80°から90°の下死点までの移行において、吸入口40がその全高に亘って閉鎖するピストンエッジにより再び妨害される(閉じられる)。開口エッジ(前方エッジ及び後方エッジ)の軸方向長さがほぼ等しいので、開口手順と閉鎖手順とでは、ほぼ同一の断面積変化が生じる。90°位置(即ち下死点)では、吸入口40は閉じられる。吸入口40の上方傾斜エッジ48は、吸入口40のエッジ48の最上部と一致(meet)するピストン18の波面24の輪郭とほぼ一致する。吸入口40の幅とコントロール・ポケット38のアーク(弧、弧線)長さは互いに大きな関係を有している。それは、吸入口40が開く期間(タイミング)が、上死点から下死点までの環状ピストン18の全ストローク(つまり、回転角度にして90°)に亘って継続するように関係付けされる。従って、ピストンの移動におけるこの部分は、上側の環状空間28において吸入行程に相当する。従って、環状空間28は伝送媒体で満たされることになる。
下死点(90°)から上死点(180°)へと環状ピストン18が移動する(戻る)ときは、吸い込まれた流体は今度は押し出される。図5にこれが示される。図5には、排出口56の輪郭(形状)が示される。
排出口56の輪郭は、吸入側によりもたらされる構造上の要求(条件)から決定される。90°位置(下死点)では、排出口56はまだ閉じている。排出口56の後方エッジ58はロータリー・ピストン18の軸と平行に延出し、コントロール・ポケット38の前方エッジ50と一致する。排出口56の上部エッジの第1部分60は、この領域(範囲)の波面24と実質的に(ほぼ)平行に延出する。このため、ピストン18が下死点から100°位置に向かって移動すると、開口断面積の最大の変化が生じる。軸と平行に中央部へ向かう開口部の延出部は、要求されるポンプ出力に応じた開口断面積の必要最小サイズに適合される各コントロール・ポケット深さに基づいて決定される。約120°と140°の間で、排出口56はその開口断面積が最大となる。その後、排出口56は再び閉じ始める。180°位置(即ち上死点)において、排出口56は完全に閉じられる。排出口56の上部開口エッジの第2部分62が、コントロール・ポケット38の下部エッジ54の輪郭(形状)と合う(一致する)ことが理解されるだろう。
下側の環状空間30におけるプロセスは、それぞれ90°ずつずれることが、図4及び図5から分かる。図4の0°位置では、下側の吸入口がちょうど閉じられ、環状空間30からの流体の排出が始まる。図5に関して説明すると、図5では流体が下側の環状空間30内へと吸い込まれる。
図6及び図7を用いて、図1に示すコントロール・スリーブ34,36により、ポンプから送られる流体の流量をどのようにして調節できるのかを説明する。図6は、様々な(異なる)回転位置の環状ピストン18を示しており、コントロール・スリーブ34,36が常に最大量延長(突出)している場合を示す。これらの位置では、体積流量(volumetric throughput)は実質上ゼロである。ポンプは流体を伝送しない。一方、コントロール・スリーブが最大に引込められる場合、ポンプは最大の体積を伝送する。従って、コントロール・スリーブによる調整を有さない既知のロータリー・ピストン・ポンプと同様に作用する。図7は、コントロール・スリーブが中間位置に位置したポンプを示している。
図7において、上下に重ねられた二つのポンプの図は、互いに対応している(属している)。上側の図は、上側の角度的空間(環状空間)又はチャンバの重要な機能・作用を示しており、下側の図は、下側のチャンバ(空間)の重要な機能・作用を示している。上死点(図7の右側に示される)においては、軸と平行なコントロール・ポケット38の前方エッジ50は、軸と平行に延出しコントロール・スリーブ34に形成されたスロット64の後方エッジと一致する。上側チャンバ28は、その内側、即ち、接続チャネル32に向かう側が閉鎖されている。一方、下側チャンバ30は、点線で断面を示すように、チャネル32と接続される。ピストンが10°回転する(図7の右から二つ目の図)と、環状ピストン18は内側に向かって開口断面積を開く。この位相では、流体は上側チャンバ28内へ流れる。下側チャンバから放出された流体体積(fluid volume)は、ポンプ内部へと逃れ、接続チャネル32を通って上側チャンバ28内へと無圧下(pressureless)で流れる。
上死点後約50°(図7の中央の図)において、下側チャンバ30が閉じられる。残りの行程において、体積(volume)は圧縮され、排出チャネルを通ってハウジング10から排出される。上側チャンバ28はその後、内側に向かって開く。下側チャンバ30との接続が中断されるので、吸込体積の剰余分は吸入口から送られる。この状態は、ピストンが上死点後80°位置及び上死点後90°位置への更なる回転に伴って継続する。その後、このプロセスは、上部チャンバと下側チャンバのサイクルが反転して繰り返される。
図6に示されるコントロール・スリーブ34,36の位置では、図7に基づいて説明した手順・順序(sequence)が繰り返される。しかし、このとき、下側チャンバの開口部が全圧縮行程中内側に開いたままに維持され、下側チャンバに含まれていた(充填されていた)流体が無加圧下で上側チャンバ28へと送られ、その後、吸込状態となる点が異なる。このようなコントロール・スリーブ34,36の設定・配置では、完全な(全ての)流体体積が上側及び下側チャンバ間で交換される。ポンプへの流体の流入はなく、また当分の間は、ポンプから流体は排出されない。
コントロール・スリーブは、完全に押し込まれた位置では示されていない。この内側端位置(完全に押し込まれた位置)では、圧縮位相(行程)において内側への開放(開き)は存在しない。従って、全行程体積が排出口に送られる。吸入チャンバ(図6及び図7における上側チャンバに相当)は、実際は内側に開いている。しかしながら、他に可能性が存在しないので、流体体積は全て吸入口から出る。
本実施形態では、コントロール・スリーブ34,36は、回転方向には固定され(回転不可であり)、軸方向にのみ移動できるように設けられる。これは例えば、図示しない垂直のガイド溝を用いることにより達成できる。状況(環境、条件)によっては、必要とされる駆動関係(drive relationship)を達成するために、軸方向の移動と回転方向の移動とをできるようにすることが有利になる。この組み合わせた移動(回転方向−軸方向)は、例えば、各コントロール・スリーブ34,36に、対応する部材14,16に接続されたピンを収容するスレッド形(螺旋状)の溝を形成することで達成できる。
接続チャネル32の断面は、ポンプの最高回転速度において、2つのチャンバ間において、実質的な減速無し(throttling free)での流体体積の交換(移動)を行えるように選定される。コントロール・スリーブ34,36の位置調整については、入力信号(回転速度、体積流量、システム圧力、あるいはこれら3つの値の組み合せ)を、それと対応するコントロール・スリーブのストローク位置に変換する共通の(common)位置調整モータを用いることができる。この方法では、ポンプの伝送容量を非段階方式で(連続的に)調節できる。また、例えば、回転速度の変化に関わらず、ポンプの伝送容量を一定に維持することもできる。
既知の調節可能な容積型ポンプに対する本質的な利点は、コントロール・スリーブ34,36の調節が、反対圧力(カウンタ圧力)なしで起こることである。これは、移動される容量(質量)が比較的小さいので、比較的小さなエネルギ消費で、かつ比較的短時間で調節を行うことができることを意味する。
図8を用いて、波面24,26の形状を説明する。ここでの目的(ねらい)は、ポンピング中における環状ピストン18の調和(調波)運動的な運動進行(harmonic kinematic movement progress)を確保することにある。環状ピストン(ロータ)及びハウジング10(ステータ)のエンドピース14,16の比較的滑らかな波面24,26の輪郭(形状)は、この運動進行を確保できるように設計される。
ピストンの調和運動的運動進行は、ピストンの線速要素(translatory speed component)が調和振動の速度の基本式(4)を満たすときに得られる(生じる)。
Figure 2005509801
この定義は、1サイクル間にピストンが単純なシヌソイド振動(正弦振動)を実行するような設計を意味する。時間軸上の一点において角度「ω・t」を「2・ω・t」に置き換えた場合、導き出される関係は、2倍の振動(振幅)正確に等しい。
公式の導出(derivation)は、ピストンの外側表面の関係を映している。しかしながら、これは公式の妥当性(正当性)の必要条件ではない。重要なことは、運動学の過程(コース)に関して導き出される関係が、ピストンの全直径に亘って一様に(均等に)伝えられ、使用できるということである。
ピストン輪郭の運動(移動)は、方程式f(x)=y=A・cos(x)に従った関数のコース(経路)を生じる。
ピストンストロークに関する調和運動は、ピストンの1回転におけるピストンのアペックス・ポイント1(頂点)(図8)が、関数y=cos xに従う場合に生じる。Aはあらゆる所望の値にすることができるが、単純化の目的から、以下の説明では1とする。ピストンは、回転移動(輪郭のx方角への前進)するだけでなく軸方向にも移動(ピストンのy方向への移動)するので、ピストン輪郭の位置の列(順序、sequence)は、方程式(5)に従った一群(グループ)の曲線により与えられる。
Figure 2005509801
ピストンは対応するステータの表面により支持(ガイド)されているので、ステータの輪郭が一群の曲線の包絡線(エンベロプ、envelope)を描く場合のみ、上死点位置からの運動が進行する。包絡線の公式は以下の式(3)となる。
Figure 2005509801
図8から分かるように、包絡線は、ラインy=−1(下死点軸)を45°の角度で横切る。従って、図示のケースでは、下死点がy=−1及びφ=π=180°に位置するとき、ステータ・曲線は、180°位置において90°(−45°から+45°)の角度のアペックス・ポイントを有さなければならない。
一方、ステータ輪郭が関数f(x)=cos(x)に従って形成され、y=+1からy=−1までの全ストロークに亘ってピストンが調和直線運動を行なう場合、最高値(図8のφ=0におけるアペックス・ポイント)においてピストンは頂点(極値)を有さなければならない。
静かで一様(均等)に移動し、耐摩耗性を最適化するために、ステータ又はピストン上にスパイク(くぎ、突起)があってはならない。従って、2つの極値間、即ち、関数y=cos(x)(図8の曲線B)と包絡線関数(図8の曲線C)との間に位置するようにステータ・曲線を選ぶことが推奨される。実際の現実的なステータ・曲線が図8にDで示される。この曲線Dは、曲線Bと曲線Cにより囲まれた領域内に位置する。それは、実際のロータ曲線Eの移動の包絡線を示す。図8では、輪郭線Eを持つピストンの運動(移動)が、一群の曲線1−9により再現される。従って、ピストンはそのアペックス・ポイント1が、関数y=cos xにより再現された曲線B上を移動する。つまり、アペックス・ポイントは異なる(様々な)位置1−9を通って移動する。ステータ輪郭のアペックス・ポイントと対応するロータ輪郭の係合ポイント(engagement points)が図示され、包絡線D上のポイント1’から9’により示される。上死点(x=0)では、アペックス・ポイント1と係合ポイント1’とは一致する。その後の過程では、係合ポイントの(アペックス・ポイントに対する)前進が生じる。この構造では、その前進は位置6−6’(φ=π/2)で最大となる。φ=π/2からφ=πまでの間、前進は緩和し、φ=π=180°で、アペックス・ポイントと係合ポイントとは再び一致する。
従って、ピストンの曲線又は輪郭Eは、曲線y=cos(x)よりも下に、又は最大でもその曲線上に位置する。またその形状は、各回転角度φにおいてアペックス・ポイント1が曲線y=cos(x)上に位置するようにステータ・曲線Dから導き出され、それと同時にステータ・曲線の係合ポイントが定義(決定)される。
2つの関連する曲線E,Dの選択は、ピストンの輪郭のアペックス・ポイントが環状空間の波面の輪郭のアペックス・ポイント上を通過するときである、最も摩耗に対して重要な(過酷な)領域(範囲)(most wear critical area)において、互いに支持された表面の総摩耗量が可能なかぎり小さくなるように選定することが好ましい。φ=約180°におけるこの領域では、係合ポイントはその角速度が最低となる。即ち、係合ポイントは、ロータ各々のアペックス・ポイント上を比較的ゆっくりと移動する。ステータのアペックス・ポイント上を移動するピストン輪郭も同様である。また、ここで、対照的な曲率の関係は、表面の圧力に否定的に(消極的に)作用する。図8に示された曲線Dを曲線Cに変えることは、ステータを犠牲にしてピストンの摩耗を低くすることを意味し、曲線Dを曲線Bに変えることは、ピストンを犠牲にしてステータの摩耗を低くすることを意味する。
輪郭の配置は、望まれるのであれば、ピストンとステータとの間で交換(逆に)しても良い。
図9は上記の変形実施形態に関し、輪郭線Fにより表わされる環状ピストンの波面が、曲線Gにより表わされるステータの波面の上を移動(スライド)せず、ローラー66により支持されるものである。ローラー66は、環状ピストンの波面に形成された溝(図示せず)内に自由に回転できるように支持されており、ピストンの軸に対して径方向に(放射状に)延びる回転軸(ベアリング中心点68により示される)の回りに移動(回転)できるようになっている。
ロータリー・ピストンの調和軸方向運動を達成するためには、環状ピストンの1回転において、ベアリング中心点68が、関数y=A・cos xで示される通路曲線H上を移動しなければならない。ピストンの回転中のローラー66が常にステータ波面と係合するという前提においては、輪郭線Gが、曲線Hとローラー半径R分だけ間隔を隔てて平行に延出する場合、ピストンの回転運動中における環状ピストンの調和軸方向運動を得ることができる。従って、輪郭線Gは各ポイントにおいて、曲線y=cos(x)と垂直方向に距離Rを隔てて位置する。
ピストンの輪郭線Fの正確(厳密)なコース(形状)は、それがピストンの回転中にステータの輪郭線Gと係合することがない程度に後方に離れて描かれる限り、重大ではない。
図9は、図8と同様に、因数Aが常に1と等しいとした曲線を示している。この因数は、他の所望の値としても良いことが理解されるであろう。
この実施例は、図示されたロータリー・ボディの最も外側の表面を常に示すように配置することでより明確になる。実際上は、波面及びローラー66(ローリング・ボディ)の径方向長さ(ピストンの軸方向)に限界があることを考慮する必要がある。従って、描写された関係は原則としては変更されない。
図1は、本発明を具現化するロータリー・ピストン・ポンプの軸に沿った概略断面図である。 図2は、ハウジングを除いた図1のロータリー・ピストン・ポンプの環状空間の端面間に位置するロータリー・ピストンの斜視図である。 図3は、図1のIII−III線に沿った断面図でる。 図4は、環状空間の端面間に位置するロータリー・ピストンと吸入口の概略図であり、0°から90°の間で10°ずつ間隔を隔てたピストンの10個の異なる角度位置を示したものである。 図5は、図4に対応するロータリー・ピストンと排出口の概略図であり、90°から180°の間で10°ずつ間隔を隔てた環状ピストンの10個の異なる角度位置を示したものである。 図6は、伝送容量の調節を説明するためにロータリー又は環状ピストンの異なる角度位置を示す図4及び図5に対応する概略図であり、コントロール・スリーブが軸方向外側位置に位置して示される。 図7は、図6に対応する図であり、コントロール・スリーブが軸方向中間位置に位置している。 図8は、環状ピストン及び関連する環状空間の波面の輪郭形状について説明するための図である。 図9は、本発明の変形実施形態における環状ピストン及び関連する環状空間の波面の輪郭形状について説明するための図である。
符号の説明
10 ハウジング
14 エンドピース
16 エンドピース
18 環状ピストン
24 波面
26 波面
28 環状空間
30 環状空間
34 コントロール・スリーブ
36 コントロール・スリーブ
38 コントロール・ポケット
40 吸入口
56 排出口

Claims (15)

  1. ハウジング(10)と、上記ハウジング(10)内の回転軸(22)に回転不可に接続され、上記軸(22)と同軸な上記ハウジングの環状空間(28,30)内で回転可能かつ軸方向に移動可能に支持された管状セグメントに形付けられた環状ピストン(18)とを備え、
    互いに対向する上記環状空間(28,30)及び上記環状ピストン(18)の軸方向端面(26,24)は、軸と平行な方向に振幅を有し、少なくとも1つの波の山及び少なくとも一つの波の谷を備えた波面として形成され、上記環状空間に近接する吸入口(40)及び排出口(56)が、互いに対向する上記端面(24,26)の最大軸方向間隔により定義される環状空間外側表面の軸方向領域に位置するように、少なくとも1つの吸入チャネル及び少なくとも1つの排出チャネルが上記ハウジングに形成されたロータリー・ピストン・ポンプであって、
    上記環状ピストン(18)が上記吸入口及び排出口(40,56)の制御・調節用のコントロール・ポケット(38)を有し、そのコントロール・ポケットは上記環状空間(28,30)の上記軸方向端面(26)に開口し、上記コントロール・ポケット(38)と上記吸入口及び排出口(40,56)の位置、形状及びサイズが、ピストンが上死点と下死点との間を動くときの上記吸入口(40)、およびピストンが下死点と上死点との間を動くときの上記排出口(56)が、伝送媒体の最大の体積流量を許容するように選定される、
    ことを特徴とするロータリー・ピストン・ポンプ。
  2. 上記コントロール・ポケット(38)が、上記軸と実質的に平行なコントロールエッジ(50,52)と、上記環状ピストン(18)の周方向において上記コントロールエッジ(50,52)間に位置する波面部分の輪郭に実質的に倣うポケットボトム(54)とを有する、
    請求項1記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  3. 上記吸入口(40)が上記軸と平行な前方エッジ及び後方エッジ(42,44)(回転方向Aに関して前方及び後方)を有し、
    上記環状空間(28)の上記波面が、コントロール・ポケット(38)の上記後方コントロール・エッジ(52)が上記吸入口(40)上記の前方エッジ(42)に到達したときに、上記環状ピストン(18)の上記波面(24)の輪郭と実質的に一致するように、上記吸入口(40)の上部エッジ(48)の近傍に形成される、
    請求項1又は2記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  4. 上記環状空間(28)の上記波面(26)から離れた上記吸入口(40)の下部エッジ(46)が、上記ピストン(18)が上死点から下死点まで移動するときのコントロール・ポケット(38)の前方下部コーナーの移動通路に少なくとも実質的に倣う、
    請求項3記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  5. 上記環状ピストン(18)の周方向に測定される上記吸入口(40)の幅と上記コントロール・ポケット(38)の幅とが、上記環状ピストン(18)の上死点と下死点との間の全ストロークに亘って上記吸入口(40)が開くように互いに関係付けられる、
    請求項1〜4いずれか一つに記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  6. 上記排出口(56)の後方エッジ(58)が少なくとも実質的に上記軸と平行に整列され、上記排出口(56)の上記後方エッジ(58)に隣接した上記排出口(56)の上部エッジの第一部分(60)は、コントロール・ポケット(38)の前方コントロールエッジ(50)が上記排出口(56)の上記後方エッジ(58)に到達したときに、環状ピストン(18)の波面(24)と平行になるように形成され、上記第一部分(60)に接続された上記排出口(56)の上記上部エッジの第二部分(62)は、上記環状ピストンが上死点に到達したときに、コントロール・ポケットエッジの輪郭に倣うように形成される、
    請求項1〜5いずれか一つに記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  7. 二つの環状空間/環状ピストン構造が互いに同軸に配置され、上記ピストンが同一の上記軸(22)上に設けられ、上記二つの環状空間(28,30)の端面(26)間を共に移動し、上記二つの環状空間(28,30)が上記環状ピストン内で径方向に位置する流体接続部(32)により互いに接続され、各環状空間(28,30)の径方向内側壁がコントロール・スリーブ(34,36)の外側表面により形成され、そのコントロール・スリーブ(34,36)は上記ハウジング(10)内に回転不可かつ軸方向に移動可能に設けられ、調節駆動装置により、上記流体接続部(32)を閉じる軸方向内側位置と、上記流体接続部を少なくとも部分的に開く軸方向外側位置との間で調節可能である、
    請求項1〜6いずれか一つに記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  8. 上記コントロール・スリーブ(34,36)はその軸方向内側端位置と軸方向外側端位置との間で非段階的に調節可能である、
    請求項7記載のロータリ・ピストン・ポンプ。
  9. 上記コントロール・スリーブ(34,36)がそれぞれ、上記軸と平行に指向された少なくとも一つのコントロール・スロット(64)を有する、
    請求項7又は8記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  10. 上記吸入口及び排出口(40,56)がそれぞれ、上記環状空間(28,30)の径方向外側壁に形成される、
    請求項1〜9いずれか一つに記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  11. 上記環状ピストンがワンピース・ダブル・ピストン(18)として形成される、
    請求項1〜10いずれか一つに記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  12. 上記ピストンの1回転において、ピストン輪郭(E)を一つの展開図として考えたときのアペックス・ポイントが関数y=cos x(yはピストンの軸方向ストローク、xはピストンの回転角度)に従うとき、1サイクルを考慮したときの環状空間(28)の波面(26)の輪郭(D)が、
    関数(2)
    Figure 2005509801
    と、
    関数(3)
    Figure 2005509801
    とで囲まれた領域内に位置し、
    互いにスライドする2つの波面(24,26)の輪郭(E,D)が、少なくとも、ピストンの回転中にそれらが互いに支持される又は係合する領域において連続するように形成される、
    請求項1〜11記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  13. 上記互いにスライドする二つの波面(24,26)の上記輪郭(E,D)が、上記ピストン輪郭の上記アペックス・ポイントと上記環状空間の波面の輪郭のアペックス・ポイントとが互いに相手の上を通過する領域である、最も摩耗を受ける領域において、互いにガイドされた表面の摩耗の合計が可能なかぎり低くなるように設計される、
    請求項12記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  14. 上記環状ピストンの波面(F)が、その波の山のアペックス・ポイントの領域において、上記波面(F)を越えて外側に延出したローリング・ボディ(66)により支持され、 そのローリング・ボディは、ピストン軸に対して径方向に配置された回転軸により支持され、
    上記環状空間の波面の輪郭(G)が、1サイクルを考慮したときに、上記ローリング・ボディ(66)の支持中心点(68)が、関数Yy=A・cos xにより与えられる曲線(H)に沿って移動し、ピストンの1回転中における上記環状ピストンと上記環状空間の端面との係合ポイントが常にローリングボディの周線上に位置するように設計される、 請求項1〜11いずれか一つに記載のロータリー・ピストン・ポンプ。
  15. 上記環状空間の波面の輪郭(G)が、上記関数y=A・cos xにより描かれるローリング・ボディ(66)の支持中心点(68)の通路曲線(H)に対して各ポイントにおいてローリング・ボディの半径(R)と等しい距離だけ間隔を隔てたラインにより描かれる、
    請求項14記載のロータリ・ピストン・ポンプ。
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