JP2005509623A - Gaba薬による目の成長及び近視の調節 - Google Patents

Gaba薬による目の成長及び近視の調節 Download PDF

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Abstract

目の屈折発達及び/又は成長を改変するように作用する治療上有効量の少なくとも1種の作動薬又は拮抗薬を含むGABA薬物又は化合物(単独又は他の化合物と組合せて)、並びに分類の如何を問わない任意の他の薬物又は化合物を目に投与することによって、対象者の成熟目の屈折及び/又は成長を改変させることを含む、対象者の成熟目の生後眼球成長及び眼球障害の発症を制御するための方法及び組成物を提供する。更に、近視、遠視又は弱視を治療又は防止するための方法及び組成物も提供する。

Description

(関連出願に対する参照)
本出願は、2001年10月16日に出願した米国仮出願第60/329,655号に対する優先権を主張しており、該米国仮出願の内容は、参考として本明細書に引用する。
(政府の権利)
本発明は、米国国立衛生研究所からの助成No. EY-07345により1部支援された。政府は、本発明においてある種の権利を有する。
本発明は、出生後の目の成長及び近視の制御に関する。詳細には、本発明は、目の発達に影響を与える網膜機序に対するγ-アミノ酪酸(GABA)の作用、並びに目の成長及び屈折発達に対するGABAレセプターと相互作用する薬物及び組成物の影響に関する。
地球上のおよそ4人に1人は近視(一般に近眼として知られている)を患っているものと推定されている。これらの症例の少なくとも半分は、軸性近視、即ち、視軸に沿った目の伸びである。出生時においては、ヒトの目は視軸方向において比較的短い性向を有し、幼若小児は、遠視(一般に遠眼として知られる)である傾向を有する。小児期において、目が成長するにつれて、眼球の角膜及びレンズ体長は増大し、視覚特性は変化する。理想的には、距離における鋭角視力について矯正を必要とせず、目が正視であることである。しかしながら、目が遠くに伸び過ぎると、距離像は網膜面の前方で集束し、近視が生ずる。一方、目の眼球長が短すぎると、近距離像は網膜面の後方で集束し、結果は遠視である。
多くの提案された治療及び改善方法は、目の前方での集点機序に向けられている。主として、これらの試みは、薬物の局所投与によって目の集束能力を遮断するか(いわゆる調節)あるいは短焦点挙動を効果的に行うプラスレンズ類との使用によってあらゆる短焦点要求を排除するかのいずれかである。目の集束筋、即ち、毛様筋を緩和させる局所薬物は、毛様筋調節薬と称し、1世紀に亘って入手可能である。
最近、網膜像分解に供した目において近視が生ずるという有意の証拠が出現している。軸性近視は、鳥類又は霊長類において、例えば、眼瞼を縫合するかあるいは像拡散性ゴーグルを装着させることによって、網膜から形成像を喪失させた目において実験的に誘発させ得ることが明らかになってきている(Weisel & Raviola, Nature 266:66 (1977))。霊長類、例えば、サル類のような霊長類において誘発させた実験的近視は、ヒトの普通の軸性近視を正確に模擬している。即ち、視覚過程は、生後の目成長を正常に調節し且つ屈折異常を動物において決定するフィードバック機序に明らかに寄与しており、この機序が神経性であり、恐らくは網膜内に起源していることを示唆している。
信頼し得る証拠により、生後の目成長と視覚入力量との関連における網膜の主要役割が確認されてきている(Wallman, Progress in Retinal Research 12:133-153 (1993);Stone, In: Myopia Updates: Proceedings of the 6th International Conference on Myopia, (Tokoro, ed) Tokyo: Springer; 241-254 (1997))。数種の網膜神経伝達物質が屈折発達と近視病因に関連している(Stone, 1997;Fischer et al., J. Comp. Neurol. 393:1-15 (1998);Fischer et al., Nature Neuroscience 2:706-712 (1999);Fujikado et al., Curr. Eye Res. 16:992-996 (1997);Pickett Seltner et al., Visual Neurosci. 14:801-809 (1997);Stone et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:704-706 (1989);Stone et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 42:557-565 (2001))。網膜神経伝達物質の多くは、網膜無軸索細胞の1つ又は他のサブタイプに局在化する。複雑でありまだ十分に定義されていない視覚像調節型目成長の特性を考慮すれば(Schaeffel et al., Vision Res. 39:1585-1589 (1999))、無軸索細胞の推定的関与は、内部網膜中の複雑な像特性のプロセシング(Kolb, Eye 11:904-923 (1997))及び多成分機序(1以上の)が正視化に導くという概念に一致している。米国特許第5,055,302号、第5,122,522号及び第5,356,892号(Laties及びStone)は、血管活性腸管ペプチド(VIP)、PHI又はこれらペプチド類若しくはピレンゼピンそれぞれのアナログ類を使用する、成熟動物の目の異常生後成長の制御方法を開示している。
実験的近視に影響を与える多くの神経薬理薬とは対照的に、無欠の視覚入力を伴なう目の成長及び屈折発達を改変する薬物は、恐らくは目の成長を支配する視覚依存性機序が薬物作用に勝るために、比較的僅かしか見出されていない。例えば、ドーパミン作動薬、鎮痛剤及び基本的な線維芽細胞増殖因子は、各々、形状喪失近視を抑制するが、遮光していない目(non-occluded eye)の成長又は屈折を改変しない(Stone et al., 1989;Rohrer et al., Exp. Eye Res. 58:553-561 (1994);Fischer et al., Visual Neurosci. 15:1089-1096;米国特許第5,284,843号、第5,360,801号及び第5,571,823号)。遮光していない目の成長を低下させ且つ遠視方向において屈折変化を誘発させるムスカリン拮抗薬の発達作用は、僅か1つの研究においてのみ観察される(Cottriall et al., Exp. Eye Res. 74:103-111 (2002))。ヒヨコのゴーグル非装着目の成長及び屈折に影響を与えると報告されている他の薬物、例えば、カイニン酸、N-メチル-D-アスパラテート、テトロドトキシン等は、神経毒である(Stone et al., 2001;Fischer et al., 1998;Wildsoet et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 29:311-319 (1998);Ehrlich et al., In: Ciba Foundation Symposium 155: Myopia and the control of eye growth, (Bock; Widdows, eds) Chichester: John Wiley & Sons, pp.63-88 (1990);McBrien et al., Vision Res. 35:1141-1152 (1995);米国特許第5,637,604号及び第5,461,052号も参照されたい)。
GABA(γ-アミノ酪酸)は、中枢神経系及び網膜中に存在する広範に分布した抑制性アミノ酸神経伝達物質である。脊椎動物の網膜においては、GABAは、多種多様なニューロン集団に局在化しており(Nguyen-Legros et al., Microsc. Res. Tech. 36:26-42 (1997))、無軸索細胞及び水平細胞双方のシグナル化に関与している(Kolb, 1997;Barnstable, Curr. Opinion Neurobiol. 3:520-525 (1993);Slaughter, Progress in Retinal and Eye Research 14:293-312 (1995))。米国特許第5,385,939号及び第5,567,731号(Laties and Stone)は、GABABレセプター拮抗薬を含む成熟(maturing)動物の目の異常生後軸成長を抑制するための組成物、並びにγアミノ酪酸拮抗薬を投与することによる霊長動物の目の弱視発症を軽減及び制御する方法を開示している。しかしながら、今日まで、目への末梢神経内又は目の非網膜組織内に存在するGABA又はそのレセプターは、報告されていない。
ヒヨコは、多くの他の脊椎類と同様に、その網膜中に、内部核層内の多数のGABA系無軸索細胞、ガングリオン細胞層内の水平細胞及び若干のニューロン(これらは無軸索細胞と置換わっているいるようである)を、内側及び外側叢状層の双方内の多数の神経線維と一緒に含有する(Fischer et al., 1998;Agardh et al., Invest. Ophthalomol. Vis. Sci. 27:674-678 (1986);Mosinger et al. Exp. Eye Res. 42:631-644 (1986);Hamassaki-Britto et al., J. Comp. Neurol. 313:394-408 (1991);Watt et al., Brain Res. 634:317-324 (1994))。即ち、ヒヨコは網膜研究技術における受入れられたモデル動物となっており、上記の知見により、ヒト及び他の哺乳類を含む他の脊椎動物の代表であることが証明されている。
GABAレセプターは、伝統的に、3つの主要サブタイプ、即ち、GABAA、GABAB及びGABACレセプターに分類されている(Chebib et al., Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 26:937-940 (1999))。GABAA及びGABACレセプターは、各々、リガンドゲート型クロライド経路チャンネルからなる。殆どのGABAAレセプターは、多サブユニット群(α1-6、β1-4、γ1-3、δ、ε、θ及び/又はπ)からの5つのサブユニットを含むものと信じられている(Barnard et al., Pharmacol. Rev. 50:291-313 (1998);Barnard, In: Pharmacology of GABA and Glycine Neurotrasmission, (Mohler, ed.) Berlin, Springer, pp. 79-99 (2001))。GABACレセプターは、3つの異なるρサブユニットの1つ以上を含むが、これらのサブユニットが他のサブユニット群のたんぱく質と複合体化することは知られていない(Barnard et al., 1998;Bormann et al., In: Pharmacology of GABA and Glycine Neurotrasmission, (Mohler, ed.) Berlin, Springer, pp.271-296 (2001))。特徴的な薬理論、構造、遺伝子論及び機能にもかかわらず(Bormann et al., 2001)、GABACレセプターは、最近、GABAAレセプター群のGABAA0rサブタイプとして再分類されている(Barnard et al., 1998)。従って、本明細書においては、一般的な用語“GABAAレセプター”はビククリン感受性GABAレセプターの大ユニット群について、“GABAA0rレセプター”はビククリン非感受性のρ含有GABAAレセプターサブセット(以前は、“GABACレセプター”と称していた)について使用する。
GABABレセプターは、アデニル酸シクラーゼ又はCa++及びK+経路の結合した代謝性のGプロテイン結合レセプターである。GABABレセプターの機能の1つは、神経伝達物質及び神経ペプチド放出の調節である(Bormann. Trends Pharmacol. Sci. 21:16-19 (2000);Bowery, In: Pharmacology of GABA and Glycine Neurotrasmission, (Mohler, ed.) Berlin, Springer, pp.311-328 (2001))。
GABAA、GABAA0r及びGABABレセプターの各サブタイプは、脊椎動物の網膜中に広く発現する(Lukasiewicz et al., Cell Dev. Biol. 9:293-299 (1998))。事実、GABAA0rレセプターの脳組織内の主要位置は、神経網膜である。GABAAレセプターは、多くのタイプの網膜ニューロン中のシナプス前方及びシナプス後方の双方位置に発現する。GABAA0rレセプターは、主として双極細胞上で見出されるが、双極細胞上のみではない。GABABレセプターは、無軸索細胞及びガングリオン細胞上でシナプス後方に局在化する傾向を有する。ヒヨコにおいて入手し得るデータは、これらの一般論に一致している。
免疫組織化学によって、GABAAレセプターは網膜の内側及び外側叢状層内及び特徴的なタイプの網膜無軸索細胞体内に発現することが明らかになってきている(Yazulla et al., J. Comp. Neurol. 280:15-26 (1989))。また、GABAA0rレセプターは、明らかに双極細胞の過程に相応する両叢状層にも局在化する(Koulen et al., J. Comp. Neurol. 380:520-532 (1997))。ヒヨコ網膜中でのその場のハイブリッド化により、水平細胞、双極細胞、無軸索細胞及び恐らくはガングリオン細胞の各細胞体に相応する網膜レベルでのGABAA0rmRNAが同定されている(Albercht et al., Neurosci. Lett 189:155-158 (1995))。しかしながら、今日まで、GABABレセプターの生化学的同定はなされてなく、これらレセプターが網膜中で細胞レベルで局在化しているものもない。
網膜においては、GABAは、ドーパミン(Stone et al., 1989;Nguyen-Legros et al., 1997;Kazula et al., Visual Neurosci. 10:621-629 (1993))及びアセチルコリン(Stone et al., 2001;Hamassaki-Britto et al., 1991;Agardh, Acta Physiol. Scand. 126:33-38 (1986);Santos et al., Eur. J. Neurosci. 10:2723-2730 (1998);Fischer et al., Brain Res. 794:48-60 (1998);Duarte et al., J. Neurosci. Res. 58:475-479 (1999);Neal et al., Visual Neurosci. 18:55-64 (2001))のような、目の成長制御と潜在的に関係する他の神経伝達物質と共局在化し及び/又は相互作用する(Stone, 1997;Stone et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 85:257-260 (1988);Guo et al., Curr. Eye Res. 14:385-389 (1995))。目発達へのGABAレセプター類の関与についての最初の証拠は、米国特許第5,385,939号及び第5,567,731号(Laties及びStone)であり、成熟動物の目の異常生後軸成長を抑制するためのGABABレセプター拮抗薬を含む組成物、並びにGABAB拮抗薬を投与することによる霊長動物の目の弱視(弱眼)発症を軽減及び制御する方法を開示した。その後の報告においては、多くのGABA含有網膜ニューロンがキスカル酸毒性に対し比較的耐性であることが判明し、実験的近視がこの神経毒素の眼内投与後に依然として発症していた。その後、網膜GABAは、ある形において、近視眼成長に関与し得ることが示唆されたが(Fischer et al., 1998)、示唆されただけで、説明したような本発明者等の初期のGABABレセプター拮抗薬の研究を除いて、現在まで実証されていない。結果として、本発明まで、生後の目成長の制御、屈折発達又は近視におけるGABABレセプターの役割についての直接的な追加の証拠、あるいは何か他のGABAレセプターサブタイプ又はGABA薬機序の関連についての説明は存在せず、このことは、生物学体系の予測し得ない本質を考慮すれば、網膜GABAの機能は大部分が未知であり、当該技術においてまだ対処されていない要求が残っていることを意味している。更にまた、生後の軸及び赤道寸法の双方において発達中の目における眼球成長に影響を与える組成物及びその使用方法についての要求も残ったままである。
本発明は、目の発達に影響を与える網膜中のγ-アミノ酪酸(GABA)レセプターと相互作用する薬物の有効性を実証する直接の証拠を提供し、生後の発達中の目における眼球成長と屈折発達を制御する組成物及び方法を含み、更に、近視の制御を含む。制御された分析方法において、対象者(そのある数は、片方向性ゴーグルを装着して近視を誘発して、主要GABAレセプターサブタイプに対する作動薬又は拮抗薬の毎日のガラス体内注入を受けている)の目を屈折測定並びに超音波及びキャリパー測定によって試験し、目の発達に対する上記薬物の効果を評価した。
GABAA又はGABAA0rレセプターに対する拮抗薬は、形状喪失近視を抑制することが判明した。GABAA拮抗薬は、軸寸法よりも赤道寸法において大きい近視成長の抑制を示し;GABAA0r拮抗薬は、軸及び赤道寸法において同程度の抑制を示していた。試験したとき、GABAA作動薬にはなかったが、GABAA0r作動薬の1つは、試験動物におけるゴーグル装着目の近視性屈折を改変していた。GABABレセプター作動薬よりもそうのようであったGABABレセプター拮抗薬は、近視発症も示し、ゴーグル装着目の赤道拡大よりも軸成長の方をより有効に抑制していた。網膜GABA含有量は、ゴーグル装着目において僅かに減少していることが示された。
ゴーグル非装着目に投与した場合、GABAA及びGABAA0rの作動薬及び拮抗薬も目成長を変化させており、頻繁に目成長を刺激していた。しかしながら、1つのGABAA作動薬のみは、近視性屈折を誘発していた。これら薬剤の幾つかは、軸寸法における目成長を刺激していたが、赤道寸法においては刺激していなかった。GABAB作動薬及びGABAB拮抗薬も目成長を刺激したが、屈折は変化させなかった。
従って、本発明の上記知見によれば、GABAA、GABAA0r及びGABABの各レセプターに作用する薬物は、出生後の目における目成長及び屈折発達を調節する。目に対するこれら薬物の解剖学的効果は、単純な目の大きさではない目の形が調整されていることを更に示している。網膜の作用部位は、形状喪失目におけるGABA、そのレセプター及び変化した網膜生化学物質の既知の眼内局在化と一致する。
従って、本発明の目的は、幼若動物又は小児における目成長及び屈折発達を有効に変化させるGABAレセプター作動薬若しくは拮抗薬又は他の化合物を提供することである。この変化は、近視眼における軸の伸び又は赤道拡大を適切な薬剤によって抑制することによるような、近視の抑制又は反転であり得る。また、上記変化は、適切な薬剤によって遠視を抑制又は反転させる目成長の刺激及び遠視の後退も含む。また、目に治療上有効量の少なくとも1種のGABA薬物若しくは化合物又はさらなる群の薬物を投与することによって対象者の成熟目におけるGABAの網膜レベルを調節することを含む、対象者の成熟目における生後眼球成長及び眼球障害の発症を制御する方法も提供する。
更に、成熟目の網膜中のタイプGABAA、GABAB及びGABAA0rの各GABAレセプターに作用する組成物;及び、そのような組成物を、好ましくは、目の網膜中の少なくとも1つのタイプのGABAレセプターの治療上有効量の少なくとも1種の作動薬として投与する方法を提供することも1つの目的とする。もう1つの好ましい実施態様においては、目の網膜中の少なくとも1つのタイプのGABAレセプターの治療上有効量の少なくとも1種の拮抗薬を含む、薬物又は化合物の投与法が提供される。
また、上述の方法及び組成物を提供することも1つの目的であり、その調節処置は、生後対象者の目における近視を抑制又は反転させることを含む。好ましくは、軸の長さ又はガラス体腔の深さを、相応する近視性屈折を緩和させるのと一緒に低減させる。更にもう1つの好ましい実施態様においては、治療上有効量のGABAAレセプター作動薬又は拮抗薬を、眼内投与に適するpHに緩衝させた担体又は希釈剤中で成熟目に投与する。そのようなGABAAレセプター拮抗薬の例は、SR95531又はビククリンである。更に好ましい実施態様においては、治療上有効量のGABAA0rレセプター作動薬又は拮抗薬を、眼内投与に適するpHに緩衝させた担体又は希釈剤中で成熟目に投与する。1つのそのようなGABAA0rレセプター作動薬はCACAであり、1つのそのようなGABAA0rレセプター拮抗薬はTPMPAである。もう1つの好ましい実施態様においては、治療上有効量のGABABレセプター作動薬又は拮抗薬を、眼内投与に適するpHに緩衝させた担体又は希釈剤中で成熟目に投与する。1つのそのようなGABABレセプター作動薬はバクロフェンであり、1つのそのようなGABABレセプター拮抗薬はCGP46381である。
また、上述の方法及び組成物を提供することも1つの目的であり、その調節処置は、生後対象者の目において、眼球成長を誘発させること及び遠視を緩和させること(後者は、屈折の近視変化を刺激することによる)、又はその組合せを含む。好ましくは、軸の長さ又はガラス体腔深さを増進させ、緩和された遠視性屈折(又は増大させた近視性屈折)に相応させ、遠視への性向を低下させる。好ましい実施態様においては、治療上有効量のGABAレセプター作動薬又は拮抗薬を、眼内投与に適するpHに緩衝させた担体又は希釈剤中で成熟目に投与する。1つのそのようなGABAA作動薬はムシモールであり、1つのそのようなGABAA0r拮抗薬はTPMPAである。
本発明の更にもう1つの目的は、動物の成熟目における生後の眼球成長及び眼球障害の発症の制御において使用したGABA薬物の有効性の測定方法を提供することである。
本発明のさらなる目的、利点及び新規な特徴は、例示のみを目的とし如何なる形でも本発明を限定するものではない以下の説明、実施例及び図面において一部説明しており、当業者であれば、以下の検証において一部は明らかとなるであろうし、また、本発明の実施によって習得し得ることである。
上述の要約及び以下の本発明の詳細な説明は、添付図面と一緒に読んだときに、より良く理解されるであろう。
動物又はヒトの目の通常の視覚機能においては、像を形成する光がレンズ体を通過し、網膜が受入れ、網膜がその情報を視神経に伝達し、その後、視神経が情報を脳に送る。網膜神経化学物質(即ち、神経活性化学化合物)は、視覚過程における重要成分である。詳細には、像を形成する光は、網膜の光レセプター、桿体及び錐体が感知する。像情報を脳に伝達する正規の過程においては、網膜神経細胞が、光レセプターと一緒に、神経化学物質を放出し電気信号を通過させて、情報を網膜内のネットワークの1部としての隣接網膜細胞に伝達し、信号の方式と量を視神経に導く。これらの光レセプターは、変換器として作動して光エネルギーを電気及び/又は化学信号に変える。
生後成長期における動物の目を視覚喪失させるか(例えば、半透明又は像変形ゴーグルを目上に固定させることによって)さもなくば網膜像分解に供した場合、その結果は、通常、異常眼球成長であり近視に至る。像喪失又は分解のこの期間において、ある種の網膜神経化学物質の代謝が変化してその網膜濃度の変化をもたらすことを見出した。とりわけ、成熟鳥類又は霊長類における視覚像喪失期間中に、化学変化は網膜中で過剰の眼球成長と同時に生じて近視に至ることが注目された。
本発明は、GABAレセプターと相互作用する薬物又は組成物を目に投与することによる、幼若な成熟動物又はヒトの目における生後眼球成長及び屈折障害の発症を制御する方法を含む。活性薬物は、GABAの網膜レベルを調節することによって作用し、近視において低減していることが明らかとなった。GABA薬物に対する成長応答は複雑であるけれども、本発明において、GABAレセプター作動薬又は拮抗薬が目成長を変化させ、形状喪失近視の進行と正常視覚入力を有する目の成長の双方に影響を与えることを実証する証拠が得られた。形状喪失近視眼におけるGABAの変化網膜濃度は度合において小幅であるものの、種々の試験動物における変化の一貫性が目成長制御における網膜GABA系ニューロンの関与を支持している。GABAが多様な網膜ニューロンによって発現するという知識及びGABA及びそのレセプターの眼内位置が既知であるという事実と共に、本発明の知見は、網膜が目成長を調節し且つ網膜GABAが屈折発達を調節し得るという原理を裏付けている。
概略すれば、生後成熟中の動物の目における近視、遠視又は弱視等のような眼球異常障害の発症又は進行は、神経化学物質の存在の生後眼球制御によって、あるいは神経化学物質が幼若動物の眼球成熟中の条件下で変化して通常近視をもたらすことが判明しているような状況を含む神経化学物質の作動薬又は拮抗薬によって抑制し得る。近視の予防又は治療は、目成長及び屈折発達に影響を与える神経化学物質、その作動薬若しくは拮抗薬、又は他の組成物の投与によって達成される。別法においては、近視の予防又は治療は、自然産生性神経化学物質の合成、貯蔵、放出、レセプター相互作用、再取込み又は分解と相互作用し、それによってそのような自然産生性神経化学物質の組織レベル及び/又は生体利用性に影響を与え、該神経化学物質又はその作動薬若しくは拮抗薬が近視又は遠視眼の成長及び屈折発達に影響を与えるような薬物の投与によって達成される。
霊長類の目と鳥類の目との解剖における顕著な差異にもかかわらず、ヒヨコにおける像喪失誘発性近視(“形状喪失近視”)は、ヒヨコ類及び幼若サル類において行った試験によって示されているように、霊長類のそれと近似している。双方の種において、生後の目成長の制御は眼内において実質的に局所的であり、明らかに網膜において起っていることが証拠により示唆されている。ヒヨコは急速に成熟するので、新生ヒヨコを、本発明に関連して行った試験においては専ら使用した。
1つの有用なヒヨコモデルは、片目の視覚をゴーグル又は眼瞼縫合によって覆い、同側性の目拡大及び近視が生じている形状喪失モデルである。この場合、形状喪失近視を使用して小児の近視を遅延させるのに潜在的に有用である薬剤を同定する。該ヒヨコモデルにおいては、本明細書において説明するとおり、ある数のヒヨコが、片側ゴーグルを装着されて近視が誘発され、主要GABAレセプターサブタイプに対する作動薬又は拮抗薬の1日毎のガラス体内注入を受けている。その後、目を、屈折測定、並びに超音波及びキャリパー測定によって試験し、目発達に対する薬物の効果を評価した。これもまた片側ゴーグルを装着している他のヒヨコの網膜も、比較目的でGABA含有量についてアッセイした。
各用語を本発明において使用する場合、神経化学物質の作動薬又は拮抗薬は、網膜組織中の神経化学物質の作用に影響を与える化合物である。作動薬は、レセプターを活性化して細胞内応答をもたらす薬剤である。即ち、作動薬類は内生調節化合物の作用を擬態する。本使用の目的において、神経化学物質の拮抗薬は、網膜組織上での神経化学物質の作用に対抗しあるいはその作用を阻止して作動薬の作用を有効に抑制し、それによって成熟動物の目の過剰又は異常な生後軸成長を有効に抑制する化合物である。拮抗薬は、通常過剰又は異常軸成長及び/又は赤道拡大に至る条件下において有用である。眼内投与を本明細書においては説明し、これは一般的には好ましいけれども、全身投与も適切な状況下において使用し得る。
形状喪失近視に対するGABA薬物効果: GABA薬物の各群からの薬剤は、本発明の種々の実施態様において、近視の進行を改変することが明らかにされた。GABAAレセプターに対する拮抗薬は、形状喪失近視に対して比類なき抑制活性を示すが、作動薬は示さない。本発明の好ましい実施態様においては、レセプター拮抗薬類のビククリンとSR95531は、各々、ゴーグルの下の目のガラス体腔の赤道拡大を著しく低減させている。いずれもゴーグル装着の目の軸寸法は有意に改変してなく、SR95531のみが近視性屈折の幾分かの緩和を生じていた。いずれにせよ、GABAA拮抗薬類は、ゴーグル装着目の主として赤道寸法における成長を抑制することが報告される最初の薬物群を示している。
しかしながら、本発明のもう1つの好ましい実施態様においては、GABAA0rレセプター拮抗薬TPMPAが上記GABAAレセプター拮抗薬よりも実験的近視に対してはるかに高い有効薬であることが明らかになった。TPMPAは、主として近視性屈折変化を排除し、超音波により測定したとき、目の軸長及びガラス体腔深ささを有意に低下させる。また、TPMPAは、目の赤道拡大も阻止する。GABAA0rレセプター作動薬CACAは、ゴーグル装着目の屈折に対して小幅な恐らくは二相性の効果を奏したが、CACAによるサイズ測定の変化はなかった。
GABAB選択性薬物においては、作動薬及び拮抗薬の双方とも、ある程度の抗近視活性を示している。拮抗薬CGP46381がこれらの薬物のうちで最も有効であり、近視を抑制し、軸、ガラス体腔及び赤道の拡大を制限した。
ゴーグル非装着の目に対するGABA薬物効果: ゴーグル装着目におけるように、GABA薬物の各群からの薬物は、ゴーグル非装着目の発達に影響している。ある実施態様においては、GABAA及びGABAA0rレセプターサブタイプと相互作用する薬物は、最も有効であることを明らかにし、GABABレセプターに対して選択性の薬物ははるかに効能の低い刺激効果を示した。本発明の好ましい実施態様においては、混合GABAA作動薬ムシモールは、目に対し最大の効果を有し、軸及びガラス体腔長を増大させるだけでなく赤道直径も拡大させていた。ムシモールは、統計的に有意な近視性屈折変化を誘発した唯一の試験薬物であった。他の薬物を受けているゴーグル非装着目は、おそらくは目の光学要素が別の形で拡大した軸成分を補正したために、正視のままであった。
もう1つの実施態様においては、GABAAレセプター拮抗薬SR95531も軸及びガラス体腔長を拡大したが、屈折に対するその効果は統計的有意性に達せず、また、ゴーグル非装着目の赤道寸法を変化させていなかった。GABAA0rレセプターに対して活性な薬物も目成長を刺激しており、その増進は軸寸法に対して選択性である。1つの実施態様においては、作動薬CACAは、屈折を変化させること又は赤道直径に影響を与えることなく、軸成長を小程度刺激した。
比較として、別の実施態様において、GABAA0rレセプター拮抗薬TPMPAは、ここでも屈折を変化させることなく、軸の伸び及びガラス体腔深さを刺激している。TPMPA効果の幾何学は、赤道寸法がTPMPA治療ゴーグル非装着目において実際に消失するほどに尋常でない。
ゴーグル非装着目の目成長を刺激し近視に向けての屈折変化を誘発するGABA薬物の能力は、そのような薬物が遠視又は遠眼の治療における利用性を見出し得ることを示唆している。遠視においては、目は比較的短い傾向を有するが、目成長の刺激はこの問題を補正する。遠視の遠視性(即ち“プラス”)屈折異常も、屈折における近視性(即ち“マイナス”)変化が遠視性屈折異常を軽減又は緩和するように、GABA薬物によって軽減又は矯正される。遠視と近視の成長及び光効果は逆であるので、開放目における“近視の誘発”は遠視の治療の可能性を確立する。小児における遠視は斜視(内斜視)及び/又は弱視(弱眼)のいずれかに至り得るので、このことは、本発明のもう1つの応用である。
基本的な薬理機序: GABA薬物の効果は複雑であるので、その基本的薬理機序の明白な解釈は可能ではない。ある場合には、作動薬及び拮抗薬が類似の成長効果を示す。投与量応答曲線が複雑な傾向を有していたとしても、ある種の最適有効薬物投与量は試験範囲の中央で生じていた。U形又は逆U形の投与量応答曲線(ホロメシスと称す)は、薬物に対する生物学的応答において増分的に認められる(Calabrese et al., Trends Pharmacol. Sci. 22:285-291 (2001))。生体利用性問題及び他の薬物動態学の考察に加えて、また、仮説に拘束するつもりはないが、本発明者は、上記眼球応答は網膜GABAレセプターサブタイプの多様性を反映している可能性があることを提案する(Barnard et al., 1998;Barnard, 2001;Bormann et al., 2001)。
更にまた、ある場合には、本発明の組成物及び/又は方法に従う治療の結果としての目に対する生化学変化は、現在利用し得る方法によっては検出し得ない。にもかかわらず、そのような変化は、依然として生じており、目成長及び/又は屈折の制御又は変化を行うのに十分であり得る。
網膜GABAレセプターの分子サブユニット組成は、広範囲には特性決定されてなく;主要GABAレセプター下位群の範囲内で、現在試験した薬物が複数のレセプターサブタイプと相互作用し得た。即ち、GABA薬物に対する眼球成長応答は、GABAレセプターの複雑な網膜分布、網膜内の特定タイプのGABAレセプターサブユニット、ニューロンをベースとするGABAと目の成長制御に関連する他の網膜細胞との相互作用、及び/又はは特定の又は複数のGABAレセプターサブユニットに対する特異的薬物親和性を反映し得る。本発明の根底にある機序についての知識は、本発明自体への影響を有するものではない。
GABA薬物及び目の形状: ヘミゴーグルを装着している眼中のガラス体腔膨張(Wallman,1993;Wallman et al., Science 237:73-77 (1987))、実験的近視において軸の伸びは抑制するが赤道拡大は抑制しないドーパミン及びムスカリン系薬物の作用(Stone, 1997;Stone, 1989;Stone etal., Exp. Eye Res. 52:755-758 (1991))、及び一定の昭光下で飼育したヒヨコにおける初期応答としての目の選択性の軸の伸びのような、ガラス体腔に対する神経毒作用(Wildsoet et al., 1998;Calabrese et al., 2001)は、各々、ガラス体腔形状の網膜制御を示唆している。しかしながら、本明細書において開示する成長効果はおそらく網膜の信号化を反映しているので、GABA薬物に対する目の応答は、目形状の網膜制御に同様に関与している。特定の薬物及びおそらくは相応するレセプターサブタイプによって、また、視覚入力が以前に損傷されているかあるいは無欠であるかどうかによって、GABA薬剤は、目形状に対して総体的、選択的軸性効果、又は選択的赤道効果を奏することが明らかになる。
例えば、GABAA及びGABAA0rレセプターは、目の形状の調節において明白な役割を有し得る。ゴーグル装着の目において、GABAA作動薬又は拮抗薬は、各々、主として赤道拡大を抑制するように作用するが、GABAA0r拮抗薬TPMPAは軸及び赤道寸法の双方において匹敵する成長抑制を奏した。ゴーグル非装着の目においては、GABAA作動薬ムシモールはガラス体腔を軸及び赤道寸法の双方において拡大させていたが、GABAA0r作動薬は小幅な軸伸張のみを起していた。また、ゴーグル非装着の目においては、GABAA拮抗薬は軸成長を刺激していたが、GABAA0r拮抗薬は軸成長を刺激すると共に赤道拡大を抑制していた。
目形状に関する臨床的見地においては、ガラス体腔の選択的軸伸長が多く(全てではない)のヒトの近視眼の目形態を特徴付けするものと信じられている(Cheng et al., Optom. Vis. Sci. 69:698-701 (1992);Mutti et al., Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 41:1022-1030 (2000))。従来、初期の目成長は、一定照光による12:12時間明暗サイクルの暗期の中断に応答しており(Stone et al., 1995)、本発明を含むGABA薬物応答は、ガラス体腔の選択的軸伸長を誘発させる既知又は公表された条件のみである。
動物の成熟中の軸伸長近視の抑制治療は、ガラス体内注入による有効量の上記薬物の使用によって管理し得るが、治療目的においては、点眼剤、局所用途としての軟膏若しくはゲル剤、又は経口投与のピル剤、錠剤若しくは液剤も好ましい。事実、大多数の症例においては、治療薬は、ヒトの目に、典型的には点眼剤、軟膏又はゲル剤としての薬物の局所適用によって投与するが、他の局所薬物投与手段も本発明によって達成される。点眼剤は、眼科用媒質中での約0.1〜4%範囲の活性薬剤濃度で典型的に調製される。例えば、限定するつもりはないが、目に適する伝達用ビヒクル中の混合GABAA作動薬ムシモールの1%溶液が臨床使用における可能性ある濃度であろう。
“有効量”又は“治療上有効量”とは、動物、好ましくはヒトに投与するときに、例えば、本明細書において開示するようなキャリパー又は超音波測定によりあるいは目屈折、超音波又は関連技法を含むヒトにおける標準の目検査により実証されるような屈折障害、例えば、近視又は遠視の治療又は予防に有効であるような、単独又は担体、希釈剤、他の作動薬若しくは拮抗薬及び/又は相乗作用成分を含むGABA薬物の量を意味する。本発明の組成物は、低減された投与量の、例えばGABA薬物を使用して近視の有意の軽減を得る機会を提供し、それによって別の治療法においては生じ得る副作用、おそらくは疼痛又は毒性を解消する。
用語“誘発させる”、“刺激する”、“増進させる”、“増大させる”、“抑制する”、“予防する”等は、目成長及び近視に関連してのそれらの通常の辞書上の意味を表す。例えば、“増進させる”は、成長の増大及び/又はは誘発を称する。更に詳細には、“増進”は、GABAレセプターに対する薬物の動物の片目又は両眼の明らかな軸又は赤道方向への伸び成長を起す又は生ずる能力を称する。目障害の“反転”とは、近視眼の場合は、少なくとも1つのパラメーターにおいてその関連サイズを小さくし、それによって近視性を緩和する(又は、より遠視性にする)ことを、遠視の場合には、少なくとも1つのパラメーターにおいてサイズを大きくするか又は成長を刺激し、それによって遠視性を緩和する(又は、より近視性にする)ことを意味する。
製剤化においては、pH、保存及び/又は安定性についてなさなければならないある種の制約が存在し得る。約6.5のpHが、点眼薬として許容され得るものと予測される。緩衝化は、点眼剤において一般的であり、GABAA、GABAB又はGABAA0rレセプター作動薬又は拮抗薬においては必要であり得る。他の添加剤及び成分、例えば、Chiouの米国特許第4,865,599号(参考として本明細書に引用する)に開示されている成分も存在させ得る。
点眼剤の一般的な投与方式は、起きている時間全体に亘って一様な間隔での1日1回〜4回で変動する。薬剤がより有効であるほど、投与回数は少なくて済み、より薄い溶液の眼内使用を可能にする。また、軟膏、ゲル剤、固形挿入物、及び粉末又は他の製剤の局所デポジターも臨床実務において今や認識されつつある。これらの使用は、薬物分解問題を回避し、コンプライアンスを改良すると同時に限定された量の薬物を伝達し得る。勿論、全身投与用のピル剤、カプセル剤、液剤、エリキシル剤又は他の製剤によって治療上有効な量及び投与量で上記活性剤を投与することも可能である。
“対象者”とは、本発明を使用し得るあるいは眼球障害を調節又は予防するのが有効であるあらゆる鳥又は動物を意味する。“動物”とは、野生又は商業的に価値ある種、及び家畜動物、並びに霊長類及びヒトを含む任意の認識された動物を意味する。対象者としては、新生児、小児、青年層又は成人も更に含むが、発達中又は成熟目は、好ましくは、あらゆる種の新生児又は幼若小児の目である。
形成像を網膜から喪失させることによって軸性近視を実験的に誘発させた動物、例えば、本明細書において説明する動物を使用する試験においては、霊長類において、弱視も実験的に且つ同時に誘発させたことが第3者によって認められている。弱視は、目の視力の乏しさによって立証され、貧弱な視覚性能を生ずる。通常、視力は成熟中に改善する。弱視は、ヒトにおいて、未知の原因からあるいは斜視(例えば、弱眼)の1部として、とりわけ小さい目を有する遠視小児において発症し得ることが知られている。治療上有効量のGABA薬物の投与は、成長中のヒトの永続性又は持続性の弱視発症も予防し、抑制し又は反転させるようである。また、他の原因から(あるいは未知の原因さえからも)すでに弱視を発症しているヒトも、上述の薬剤による同様な治療処置によって救済し得るようである。
GABAA、GABAB及びGABAA0rレセプターに対するGABA作動薬又は拮抗薬の親和性又は相対的親和性は、当該技術における公知の手段において測定し得る。
ヒヨコ及びヒトにおいては、軸伸長及び/又は赤道拡大は、一方の動物の対の両目をもう一方の動物の両目と比較することによって、あるいは、動物の片目を試験薬(1種以上)又は化合物(1種以上)で片側治療し、もう一方の目を対照として薬物ビヒクルのみで治療するか又は治療しないまま放置することによって立証し得る。とりわけ、動物の目の軸成長を誘発又は抑制するのに使用した薬物のGABA効果の検出法は、片目又は1動物の両目をGABAA、GABAB及びGABAA0rレセプターの作動薬又は拮抗薬と接触させ、これらの目の軸及び/又は赤道成長の変化を検出し、その後、もう一方の目又は対照動物の両目を対照薬剤又は薬物伝達に使用したビヒクルのみと接触させ、これらの目の軸及び/又は赤道成長を測定することを含む。その後、治療した片目又は上記薬物で治療した動物の両眼の軸及び/又は赤道成長を、対照又はビヒクルのみの目又は対照薬剤で治療した動物の両目と比較する。屈折効果も同様に評価する。これらの比較は、獲得データにゴーグル装着の目対ゴーグル非装着の開放目の効果を含ませることによって更に評価する。
本明細書において説明するおそらくは異なる方向及び/又は程度での同じ神経化学過程を、遠視を生ずる消失した生後眼球軸成長に関与させることが可能である。従って、同様な網膜神経化学物質の過剰又は欠乏が遠視発症中に関与していることが示唆される。結果として、遠視の治療は、有効量のGABA薬物(1種以上)の投与を含み得る。
本発明のケースは、幼若ヒヨコの正常に見える目へのある化合物の局所投与が目成長を増進させ得るという発見にある。また、成長増進の度合は、更に別の薬理剤による調節に対しても感受性である。GABA薬剤の成長効果は、本発明の開放した目モデルに対する効果によって示されるように、GABAA、GABAB及びGABAA0rレセプターの作動薬又は拮抗薬の同時投与によって抑制し得る。
本発明を以下の実施例によって更に説明する。これらの実施例は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。
以下の実施例は、生後の目成長の制御における網膜GABA機序の役割の直接的な証拠を得るために実施した。
白色レグホンヒヨコ(Truslow Farms社、メリーランド州チェスタータウン)を、Stone等、2001年に記載されているような12時間の明:暗サイクル下に飼育した。ヒヨコは、すべてにゴーグル装着し薬物注入するため、吸入エーテルによって麻酔させた。試験目は、各群において交互の順序で割当てた、半分のヒヨコの右目及び半分のヒヨコの左目であった。形状喪失近視は、一方向性半透明白色プラスチックゴーグルを眼窩周囲羽毛にシアノアクリレート接着剤で接合させることによって誘発させた。試験は、すべて、ARVO Resolution on the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Researchに適応していた。
眼内薬物投与: ゴーグル装着及び/又は薬物注入は、ヒヨコが1週齢に達したときにすべて開始した。明期の約4時間において、薬物 + ビヒクル又はビヒクル単独のいずれかの10μlガラス体内注入を、無菌条件下において、ゴーグル装着目又は実験ゴーグル非装着目に対して行い、全ての対側目はビヒクル注入を同時に受けていた。
治療4日後に、眼球検査のために、各ヒヨコをケタミン(20 mg/kg)とキシラジン(5 mg/kg)の筋肉内混合物で麻酔した。この日は、動物は眼内注入を受けなかった。目の屈折測定及びA-スキャン超音波検査を、Stone et al., Vision Res. 35:1195-1202 (1995)に記載されているようにして実施した。まだおよそ麻酔下にある間に、ヒヨコを首切りし;摘出した目の軸及び赤道寸法をデジタルキャリパーで測定した。ヒヨコの目の頭頂形状は楕円形であったので、赤道寸法は、最短及び最長赤道寸法の平均として報告した。
表1は、試験薬、GABAレセプターサブタイプ(1種以上)に対するその特徴的親和性、供給業者及び投与日量(μg)を列挙している。特定の試験において投与した投与日量は、図面及び下記で説明する結果に示している。












表1:薬物、活性及び投与量範囲

Figure 2005509623
# Chebib et al., 1999;Bormann et al., 2001;Bormann, 2000;Bowery, Annu. Rev.Pharmacol. Toxicol. 33:109-147 (1993);Bolser et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 274:1393-1398 (1995);Froestl et al., In: Perspectives in Receptor Research, (Giardina et al., eds) Amsterdam: Elsevier Science B. V, pp.253-270 (1996);Johnston, Trends Pharmacol. Sci. 17:319-323 (1996);Uchida et al., Eur. J. Pharmacol. 307:89-96 (1996)。
*算出注入後最高ガラス体濃度、150μlのガラス体液中へのビヒクル分布による初期急性期薬物を想定 (Rohrer et al., Visual Neurosci. 10:447-453(1993))。
薬物供給業者:R RBI/Sigma社(マサチューセッツ州ナティック);T Tocris Cookson社(ミズーリ州ボールウィン)。

また、表1は、液体ガラス体容量 150μl中への急性且つ均一な薬物分布の仮説(Rohrer et al., 1993)に基づき、ガラス体液中で潜在的に達成し得るμMでの最高薬物濃度の推定値も提示している。従って、匹敵し得る点眼投与量を算出し得る。各々の薬物投与量において試験したヒヨコ数は、図1と4、及び下記で説明する報告結果に示している。
生化学アッセイ: 網膜GABAをアッセイするために(Allison et al., Anal. Chem. 56:1089-1096 (1984)、同じゴーグルタイプを1日齢のヒヨコの片目上に装着した。2週齢において、ヒヨコを明サイクル中の4時間後に首切りし;目を直ちに摘出し、氷冷塩水中で冷却し、キャリパーで軸及び赤道寸法を測定して眼球拡大を確認し、氷上で、できる限り素早く解剖した。網膜を直ちに凍結し、液体窒素中で個々に保存した。
アッセイ時に、各凍結網膜を、4℃の内部標準としての0.3 mM 5-アミノ吉草酸 HClを含む0.5 mlの0.1 M HClO4中に入れ、均質化した。均質化物を4℃で15分間14,000 rpmで遠心処理し、上清を、0.2μmナイロン膜を有するAcrodisc 13 mmシリンジフィルター(Gelman Sciences社、ミシガン州アナーバー)を使用して濾過した。
誘導体化のために、0.02 mlの上記濾過上清を、5 mM o-フタルアルデヒド(OPA;Sigma-Aldrich社、ミズーリ州セントルイス)、50%のメタノール及び5 mM 2-メチル-プロパンチオール(Sigma-Aldrich社)を含有する0.18 mlの15%炭酸塩緩衝液(pH 9.6)と一緒に室温で6分間インキュベートした。25μlの誘導化サンプルを、Beckman Ultrasphere C18逆相(ODS、5μm、4.6 mm×25 cm)カラム上で、LC-4C電気化学検出器(BioAnalytical Systems社、インディアナ州ウェストラフィエット)を備えた高圧液体クロマトグラフィー装置を使用して分離した。カラムを1.0 ml/分の流量で58%の0.1 M Naアセテート(pH 5.0)と42%のアセトニトリルの移動相により溶出し、+ 0.7Vのガラス状カーボン作動電極対Ag/AgCl参照電極を有する検出器により読み取った。
たんぱく質をアッセイするために、遠心分離ペレットを1.0 mlの1.0 M NaOH中に溶解し;10μlを、標準としてのウシ血清アルブミンを含むBio-Rad Protein Assay Kit (Bio-Lad Laboratories社、カリフォルニア州ハイキュリーズ)を製造業者の使用説明書に従い使用して測定した。GABAレベルは、μg/mgたんぱく質として報告する。
データ分析: ゴーグル装着ヒヨコにおいては、結果の主要測度は、ゴーグル装着に対する眼球応答についての薬物効果、並びに各薬物における個々の投与量の相互及びビヒクル治療対照との比較であった。ゴーグル装着目と対側目との屈折及び各サイズ測定値の差は、1元配置分散分析(ANOVA)により評価した。ゴーグル非装着ヒヨコにおいては、主要結果測度は、屈折及び測定値に対して2元配置繰返し測度ANOVA(1つの因数の反復、反復因数として目を使用)を使用しての薬物治療目と対側ビヒクル治療目との比較であった。
2元配置ANOVAによる統計結果は、薬物治療目と対側目との比較により主として説明される。この比較が統計的有意性に達しなかったが、総体的投与量又は目投与量の相互作用項がP < 0.05を与えた場合、これらの他の比較を潜在的薬物活性の代替指標として同定した。正規度又は等分散のANOVA前提が合致しなかった場合には、階数上の相応するANOVAを使用した。ANOVAが治療効果を確認した場合、多重複数対比較(post hoc multiple pair-wise comparisons)のためのテューキー検定を使用し、統計的有意性としてP < 0.05を前提として、特定の治療群を確認した(Glantz, Primer of Biostatistics, 4th Edition, New York, McGraw-Hill, pp 97-98 (1997))。各図面には、ANOVA全体が少なくともP < 0.05の有意値に達したときのP値を示しており、群内比較のための多重比較検定は、下記の各表中に示している。
ゴーグル装着目及び対側ゴーグル非装着目におけるGABAの網膜レベルは、スチューデント = s対 t-検定により比較した。前方体腔の深さ及びレンズ体厚さについてのデータは、これらのパラメーターが殆んど全てのコホートにおいて影響を受けなかったので、殆どの試験において報告していない。以下で説明する唯一の例外は、CACAを受けたゴーグル非装着ヒヨコにおけるレンズ体と前方体腔及びCGP46381を受けたゴーグル非装着ヒヨコにおけるレンズ体であった。同じ薬物で試験した異なるコホートのヒヨコからの結果は、相応するビヒクル治療対照群と一緒に分析用にプールした。データは、平均±S.E.M.として示し、SigmaStat (SPSS社、イリノイ州シカゴ)によって分析した。

表2:ゴーグル装着目に対する薬物効果の多重対比較(テューキー検定)

Figure 2005509623
n.s.:ANOVAによるP≧0.05

治療群間の統計的に有意な多重対比較値(テューキー検定によりP < 0.05と定義)は、1元配置ANOVAが治療効果を同定した各薬物において示されている(ANOVA全体結果についての図1〜3を参照されたい)。







表3:ゴーグル非装着目に対する薬物効果の多重対比較(テューキー検定)

Figure 2005509623
* 薬物治療眼対対側眼においてANOVAによるP<0.05であるが、テューキー検定では特異性の対比較値は同定されなかった。
† 全体的投与量効果においてANOVAによるP<0.05であるが、薬物治療眼対対側眼において有意の効果は同定されず;テューキー検定は、5及び100μg投与量を全体及び治療眼の範囲内の双方において互いに異なるものと同定した。
‡ 眼と投与量効果の相互作用においてのみANOVAによるP<0.05である;テューキー検定は、薬物治療眼対対側眼を100μg投与量において有意差があるものとして同定した。
§ 投与量効果全体においてANOVAによるP<0.05であったが、有意な効果は薬物治療眼対対側眼において同定されず;テューキー検定では特異性の対比較値は同定されなかった。
n.s.:ANOVAによるP≧0.05。

薬物治療目と対側ビヒクル治療目間の統計的に有意な多重対比較値(テューキー検定によりP < 0.05と定義)は、2元配置繰返し測度ANOVAが治療効果を確認した各薬物投与量において同定された(ANOVA全体結果についての図4及び5を参照されたい)。
結果
ゴーグル装着目、GABA A 薬剤: GABAA作動薬は、形状喪失近視に対し効果を示さなかった。混合GABAA/部分GABAA0r作動薬ムシモールは、ゴーグル装着目の屈折、超音波又はキャリパー測定値に影響を与えなかった(投与日量 10、50、100又は200μg;n = 9〜10/群;データは示してない)。混合GABAA/GABAA0r作動薬TACAも、ゴーグル装着目に投与したときに、屈折及びサイズ測定値に統計的に有意の効果を示さなかった(投与日量 10又は100μg;n = 10〜13/群;データは示してない)。
GABAA拮抗薬は、キャリパーによって評価したとき、ゴーグル装着目の赤道拡大を主として制限していた。投与日量 50μgまでの古典的なGABAA拮抗薬ビククリンは、超音波又はキャリパーのいずれかによる、ゴーグル装着目の近視性屈折又は軸測度に対して効果を有してなかった(図1A及び2)。しかしながら、ビククリンは、ゴーグル装着目の赤道直径を低下させた(図2;表2)。より高めの投与日量のビククリンは、100又は200μgの投与量が網膜全体の浮腫又は他の毒性と解釈される網膜の白化を生じたので試験できなかった。
同様に、GABAA拮抗薬SR95531は、ゴーグル装着目において赤道拡大の顕著な投与量依存性抑制を起していた(図2;表2)。また、SR95531は、ゴーグル装着目の近視性屈折も低下させており、50μg投与日量が最も有効であった(図1A;表2)。SR95531が軸長及びガラス体腔深さを低下させる性向の方向性は近視性屈折の低下に相応していたものの(図2)、長さの測定値は統計的有意性の達していなかった(P = 0.1又はそれ以上)。更に、ビククリンと異なり、使用投与量において、SR95531は、生体内眼球試験中又は2分割した摘出目の検査において検出し得る眼球毒性を何ら生じてなかった。
ゴーグル装着目、GABA A0r 薬剤: 選択性GABAA0r作動薬CACAは、ゴーグルに対する目の屈折応答に対して二相性の効果を有していた。屈折に対するCACA効果は、形状喪失近視における屈折変化の度合と比較して相対的小幅であり(図1B)、超音波又はキャリパーによる軸測定値において何ら統計的に同定し得る変化は伴なっていなかった(データは示していない)。おそらく、その理由は、あり得た小さな相応する軸寸法の変化が測定変動値によって打消されていたことによるであろう。更にまた、CACAは、ゴーグルの下の目の赤道寸法に変化を起してなかった(データは示していない)。
比較において、GABAA0r拮抗薬TPMPAは、強力な抗近視効果を実証した(図1,2;表2)。ゴーグル装着目において、TPMPAは、近視性屈折を緩和し、超音波により測定したときの軸及びガラス体腔の伸長、及びキャリパーで測定したときの赤道拡大を阻止していた。キャリパーで測定したときの軸成長に対する効果は、いずれも統計的有意性に達してなかった。
ゴーグル装着目、GABA B 薬剤: GABAB作動薬バクロフェンは、弱い抗近視効果のみを示していた。バクロフェンは、ゴーグルの下の目の近視性屈折異常を1部緩和していたが(図1C、表2)、2つの試験投与量において、超音波測定値もキャリパー測定値も統計的に有意な成長抑制を示してなかった(図3)。
比較において、高親和性GABAB拮抗薬CGP46381は、強力な抗近視効果を実証していた(図1C及び3;表2)。CGP46381は、ゴーグルの下の目の近視性屈折変化、軸及びガラス体腔の伸長、及び赤道拡大を抑制していた。ゴーグル装着目において、他の2つのGABAB拮抗薬SCH50911及び2OH-サクロフェンは、各々、近視性屈折を緩和させていたが、超音波又はキャリパーによる眼球寸法を低下させる薬物性向は、いずれも統計的有意性に達していなかった(図1C及び3)。GABAB拮抗薬CGP35348は、超音波又はキャリパーによって測定したゴーグル装着目の屈折又は過剰の成長に対し統計的効果を有してなかった(n = 9〜18/群;データは示していない)。
ゴーグル非装着目、GABA A 薬剤: ゴーグル装着目に対して効果がなかったこととは対照的に、GABAA作動薬ムシモールは、50μg投与量での最大効果でもって、ゴーグル非装着目において屈折を近視の方に変化させていた(図4;表3)。この屈折効果に順じて、ムシモールは、超音波又はキャリパーのいずれかによって測定したときの軸成長を刺激しており、ガラス体腔を深めていた。また、ムシモールは、ゴーグル非装着目の赤道直径も増大させていた(図5;表3)。対側のビヒクル治療目に対する効果は、ゴーグル非装着ヒヨコにおけるGABAA作動薬ムシモールにおいて検出しており(ANOVA:P < 0.05)、このことは、ムシモールの近視性屈折変化を誘発させる能力を実証している。対側のビヒクル治療目の屈折は、ムシモール投与量によって変動していた:5μg (0.86±0.58D)、10μg (+0.11±0.82D)、50μg (1.78±1.21D)及び200μg (3.82±0.83D)。10及び200μg投与量がテューキー検定により互いから統計的に異なっていた(“D”= ジオプトリー、屈折の単位、“マイナス”値は近視を意味し、“プラス”値は遠視を意味する)。おそらくは、データが対側の目に対して正規化させることによって例証されているので(図4)、対側の目におけるこの近視度が200μg投与での近視性屈折変化の見掛けの損失の原因となったのであろう。ゴーグル非装着ムシモール治療ヒヨコにおいて超音波又はキャリパーパラメーターのいずれにおいても対側目における成長効果の証拠は存在せず;治療目に対するムシモールの成長効果は200μg投与量において喪失してなく、ムシモールがゴーグル非装着目の成長を刺激し近視を誘発させているという結論を示唆している。
しかしながら、混合GABAA作動薬TACAは、その対側ビヒクル単独治療対照目と比較したとき、薬物治療目の屈折又は眼球サイズのいずれの測定値にも影響を与えていないことが判明した(10又は100μgの投与日量;n = 10/群;データは示していない)。
また、GABAA拮抗薬SR95531も、目成長を刺激するが(図5、表3)、ムシモールよりも幾分か低い効果である。ビヒクル治療対側目と比較して、SR95531は、キャリパーで測定したときの軸成長を増進させ、匹敵し得る量でガラス体腔を伸長させた。薬物治療目と対側目との比較においては有意ではないものの、軸長の超音波測定値は、投与量比較において有意の目伸長を明らかにした(P =0.02)。テューキー検定は、100μgの薬物投与量において治療及び対照目を有意に異なるものと同定した。屈折においては、全体的な投与量効果(P = 0.046)が見られが、対側目と比較したときの薬物治療目における1〜2ジオプトリーまでの近視性変化は、統計的有意性に達していなかった(P = 0.07)。SR95531は、ゴーグル非装着目の赤道直径に対し有意の効果を有してなかった。網膜毒性の可能性を考慮して(上述参照)、ビククリンは、ゴーグル非装着目に対しては試験しなかった。
ゴーグル非装着目(体腔前方及びレンズ体効果を含む)、GABA A0r 薬剤
屈折に影響を与えていないけれども(図4又はデータは示していない)、選択性GABAA0r作動薬CACAは、ガラス体腔長の増大傾向を伴なって(図5;P = 0.056)、超音波による軸長を僅かに刺激した(図5;表3;n = 9〜10/群)。CACAは、薬物治療目対ビヒクル治療目の主要結果比較(上述の方法参照)においてレンズ体厚さ及び体腔前方深さに影響を与えていなかったが(レンズ体においてP = 0.22;体腔前方においてP = 0.80)が、投与量全体比較においてはレンズ体及び体腔前方の双方に対して統計的に有意の効果を奏していた(レンズ体においてP = 0.001;体腔前方においてP ≦ 0.001)。この点、10μgの投与量を受けたヒヨコ群は、他の投与量を受けたコホートからは、全体的に薄めのレンズ体と深めの体腔前方を有することで異なっていた。レンズ体においては、テューキー検定は、100又は200μg投与量のいずれかを受けたヒヨコ群からは統計的に異なっているような、10μg投与量を受けたヒヨコ群の全体的レンズ体厚さを同定した。10μg投与量を受けたヒヨコ群においては、薬物及びビヒクル治療目のレンズ体は、各々、2.22±0.02mmであった。10μg投与量を受けたヒヨコ群の薬物治療目のレンズ体は、100又は200μg投与量でのレンズ体よりも0.16 mm薄く、10μg投与量を受けたヒヨコ群の対側ビヒクル治療目は、他の2つのコホートからのビヒクル治療目のレンズ体よりも0.10 mm薄かった。
テューキー検定は、薬物治療において差異を同定したが、ビヒクル治療目においては群内目比較において統計的差はないものと同定した。体腔前方においては、テューキー検定は、10μg投与量を受けたヒヨコ群の体腔前方を、50、100又は200μg投与量を受けたヒヨコ群の体腔前方から統計的に異なるものと同定した。10±μg投与量においては、薬物及びビヒクル治療目の体腔前方を、それぞれ、1.32±0.03及び1.31±0.03 mmとして測定し、10μg投与量を受けたヒヨコ群の薬物及びビヒクル治療目の体腔前方は、それより高投与量の目の体腔前方よりもおよそ0.08〜0.14 mm深かった。群内目比較においては、テューキー検定は、薬物治療目において10μg投与量を100及び200μg投与量から統計的に異なるものと同定し、10μg投与量を受けたヒヨコ群の対側ビヒクル治療目を200μg投与量を受けたヒヨコ群の対側目から統計的に異なるものと同定した。他の成長測度は、統計的有意性に達していなかった(図5)。
ゴーグル非装着目に投与したとき、GABAA0r拮抗薬TPMPAは軸成長とガラス体腔長の双方を小幅な程度で刺激した(図5;表3)。軸寸法とは対照的に、TPMPAは、ゴーグル非装着目の赤道直径を低下させていた。ゴーグル非装着目に投与された多くの薬物によるように、僅かな近視性屈折変化はその投与量において統計的有意性に達していたが(P = 0.02)、薬物治療目と対側目(P = 0.14)の比較においては見出せなかった。
ゴーグル非装着目、GABA B 薬剤: ゴーグル非装着目に投与したとき、GABAB作動薬バクロフェンは、ガラス体腔の小幅な深まりを起させたいた。匹敵し得る量の軸伸長はキャリパーで測定したときに統計的有意性に達していたが、超音波で測定したときには達していなかった(図5;表3;各投与においてn = 8)。ゴーグル非装着目に対するバクロフェンの屈折を含む他の効果(データは示していない)は、統計的有意性に達していなかった。
近視に対する最も有効なGABAB拮抗薬のCGP46381も2つの投与日量で試験してゴーグル非装着目に対する効果を測定した(n = 10/群)。CGP46381は、ゴーグル非装着目においてガラス体腔長を僅かに増進させた(図5;表3)。超音波又はキャリパー測定による軸長の匹敵し得る増大は、統計的有意性に達していなかった。
CGP46381は、薬物治療目をビヒクル治療目と比較したときにレンズ体厚さへの影響を有さないものの(ANOVA:P = 0.58)、投与量比較においては統計的に有意なレンズ体効果を奏しており(P = 0.03)、10μg投与量を受けたヒヨコ群のレンズ体厚さ全体が100μg投与量を受けたヒヨコ群から統計的に異なっていることを示唆していた。10μg投与量を受けたヒヨコ群においては、薬物及びビヒクル治療目のレンズ体を、それぞれ、2.27±0.04及び2.26±0.03 mmとして測定した。これらの測定値は、それぞれ、100μg投与量を受けたヒヨコ群の薬物及びビヒクル治療目それぞれのレンズ体よりも0.07及び0.06 mm厚かった。
群内目比較においては、テューキー検定は、これらの差異を統計的に有意であると薬物治療目内で同定したが、ビヒクル治療目においては同定しなかった。CGP46381は、屈折(データは示していない)、体腔前方深さ(データは示していない)又は赤道直径(図5)において統計的に同定可能な変化を示さなかった。
網膜生化学物: HPLC-EDアッセイによって、ゴーグル非装着目内のGABAレベルが10.8±0.2μg/mgのたんぱく質を有していることを測定し、この測定値は、ヒヨコ網膜における公表された値と一致していた(Nistico et al., Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol. 40:29-39 (1983))。対側ゴーグル装着目におけるGABAレベルは、10.3±0.2μg/mgたんぱく質を有することを測定した。この差異の度合は小さいけれども、近視眼の網膜GABAの減少は、統計的有意性に達していた(N = 23対の目;P < 0.02、両側スチューデント対t-検定)。
要約: GABA薬物は、形状喪失近視を抑制すると共に、正常な視覚入力を有する目の成長に影響し、目成長と屈折発達を調節する機序におけるGABAレセプターを識別する。イオンチャンネルゲート型レセプター(GABAA及びGABAA0rレセプター)及びGプロテイン結合型レセプター(GABABレセプター)が薬物応答に関与している。これら薬物の複雑な解剖学効果は、網膜機序が発達中の目の形状(正しく全体的大きさではなく)を調節しているという事実を補強している。神経網膜での作用部位は、GABA及びそのレセプターの既知の眼球局在化、形状喪失目中での網膜GABAの少量ではあるが一貫した減少、及びこれら薬物に対する目の発展的応答と一致している。作用の明白な機序まだ明らかではないが、ゴーグル装着目及びゴーグル非装着(開いた)目に対するGABA薬物効果の本質及び網膜中でのGABAA0rレセプターリッチ化は、目成長及び幾何学形状を調節する網膜機序の研究においてGABAの薬理が有用な局面を加えていることを示唆している。更にまた、ムシモールを受けて拡大した目は近視になり、一方、異なる特異性を有する薬物を受けた目は正視のままであったことから、GABAA薬物は、網膜正視化機序の分析に有用なようである。
にもかかわらず、本発明は、それに制限されることはなく、目の屈折発達及び/又は成長を改変するように作用する治療上有効量の少なくとも1種の作動薬又は拮抗薬を含むGABA薬物又は化合物(単独又は他の化合物と組合せて)、並びに分類の如何を問わない任意の他の薬物又は組成物を目に投与することにより、対象者の成熟目の屈折及び/又は成長を改変させることを含む、対象者の成熟目の生後眼球成長及び眼球障害の発症を制御するための方法及び組成物を意図する。網膜GABA濃度を近視において変化させ、網膜GABAが目の屈折発達と成長に影響を与えることから、本発明は、網膜GABAの不調を補正するように作用する治療上有効量の少なくとも1種の作動薬又は拮抗薬を含むGABA薬物又は化合物(単独又は他の化合物と組合せて)、並びに分類の如何を問わない任意の他の薬物又は組成物を目に投与することにより、対象者の成熟目の網膜GABAレベルを調節することによる目の屈折発達及び成長を改変させるもう1つの方向も別法として考慮する。
本明細書において引用又は説明した各々の特許、特許出願及び刊行物の開示は、参考として本明細書に合体させる。
上記の明細はある種の好ましい実施態様に関連して説明し、また多くの詳細を例示目的において提示してきたけれども、本発明は種々の修正及び追加の実施態様に供し得ること並びに説明したある種の詳細は本発明の基本的原理を逸脱することなく相当に変更し得ることは、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から離れることなく明白であろう。そのような修正及び追加の実施態様も本出願の特許請求の範囲に属するものとする。
ゴーグル装着目の屈折に対する薬物効果(即ち、近視に対する薬物活性)をグラフにより示す。屈折に対する効果を、GABAAレセプターに対して選択性の薬物については図1Aにおいて、GABAA0rレセプターに対して選択性の薬物については図1Bにおいて、GABABレセプターに対して選択性の薬物については図1Cにおいて示す。比較対照、即ち、治療としてビヒクルのみを受けたゴーグル装着ヒヨコは、これら対照を他の知見から識別させるためにクロスハッチマーキングを有する棒で示している。n = 各コホートにおけるヒヨコ数である。データは、ゴーグル装着目−対側対照目の差として示している。P値は、薬物治療ゴーグル装着目と対側ビヒクル治療ゴーグル非装着目間の差についての1元配置分散分析(ANOVA)の使用に適用している。n.s. = 有意性なし。 GABAA及びGABAA0r選択性薬物(作動薬及び拮抗薬)のゴーグル装着目の寸法に対する効果(即ち、近視における過剰の目成長を抑制する場合の薬物活性)をグラフにより示す。各試験群におけるヒヨコ数は、図1に示している。比較対照、即ち、治療としてビヒクルのみを受けたゴーグル装着ヒヨコは、これら対照を他の知見から識別させるためにクロスハッチマーキングを有する棒で示している。データは、ゴーグル装着目−対側対照目の差として示している。P値は、薬物治療ゴーグル装着目と対側ビヒクル治療ゴーグル非装着目間の差についての1元配置ANOVAの使用に適用している。n.s. = 有意性なし。 GABABレセプターに対して選択性の薬物のゴーグル装着目の寸法に対する効果(即ち、近視における過剰の目成長を抑制する場合の薬物活性)をグラフにより示す。各試験群におけるヒヨコ数は、図1に示している。比較対照、即ち、治療としてビヒクルのみを受けたゴーグル装着ヒヨコは、これら対照を他の知見から識別させるためにクロスハッチマーキングを有する棒で示している。データは、ゴーグル装着目−対側対照目の差として示している。P値は、薬物治療ゴーグル装着目と対側ビヒクル治療ゴーグル非装着目間の差についての1元配置ANOVAの使用に適用している。n.s. = 有意性なし。
表示したようなゴーグル非装着目における屈折に対する薬物効果をグラフにより示す。ANOVA全体において確認した屈折効果を有する3種の薬物を示しているが、ムシモールのみが、対側ビヒクル治療目と比較して、薬物治療目の屈折において統計的に有意な変化を誘発させていた。各棒は投与量効果を各々から識別させるために陰影付けしているが、図4の各パネルにおいては、陰影は各投与量レベル毎に一致させている。示したP値は、薬物効果の統計的強度を評価するための2元配置繰返し測度ANOVA(1つの因数の反復、反復因数として目を使用)の使用に適用する。n.s. = 薬物治療の目と対側ビヒクル単独治療の目との比較において有意性なし。*= 薬物治療の目と対側ビヒクル単独治療の目との比較においてではないが、投与量比較において統計的有意性に達した効果。 少なくとも1つのパラメーターに影響を与える薬物におけるゴーグル非装着目の寸法に対する薬物効果をグラフにより示す。各コホートにおけるヒヨコ数は、説明したように図4において示している。各棒は投与量効果を各々から識別させるために陰影付けしているが、図5の各パネルにおいては、陰影は各投与量レベル毎に一致させている。示したP値は、薬物効果の統計的強度を評価するための2元配置繰返し測度ANOVA(1つの因数の反復、反復因数として目を使用)の使用に適用する。n.s. = 有意性なし。**=薬物治療の目と対側ビヒクル単独治療の目との比較においてではないが、投与量-目相互作用のみにおいて統計的有意性に達した効果。

Claims (36)

  1. GABA又はその少なくとも1種の作動薬又は拮抗薬を投与することを特徴とする成熟動物又はヒトの目の生後成長の制御方法。
  2. GABA又はその少なくとも1種の作動薬又は拮抗薬を投与することを特徴とする成熟動物又はヒトの目の屈折発達の制御方法。
  3. 眼内のGABA又はその濃度を変化させることを更に含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 目の生後成長が、異常成長を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 目の生後成長が、異常屈折に至る、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 目に治療上有効量のGABA薬物又は組成物を投与することを更に含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記GABA薬物又は組成物の投与が、眼内のタイプGABAA、GABAB又はGABAA0rのGABAレセプターに影響を与える、請求項6記載の方法。
  8. 前記投与した薬物又は組成物が、少なくとも1つのタイプのGABAレセプターの少なくとも1種の作動薬を含む、請求項6又は7記載の方法。
  9. 前記投与した薬物又は組成物が、少なくとも1つのタイプのGABAレセプターの少なくとも1種の拮抗薬を含む、請求項6又は7記載の方法。
  10. 出生後の動物又はヒトの目における近視若しくはその発症、又は近視の進行を抑制又は反転させることを更に含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 成長を、目の軸長若しくはガラス体腔深さの点又は目の赤道拡大の点で抑制又は緩和し、それによって近視性屈折又は近視の発症若しくは進行を予防、抑制又は緩和することを更に含む、請求項10記載の方法。
  12. 成長を、目の軸長若しくはガラス体腔深さの点及び目の赤道拡大の点で抑制又は緩和し、それによって近視性屈折を予防、抑制又は緩和することを更に含む、請求項10記載の方法。
  13. 出生後の動物の目における遠視若しくはその発症を抑制又は反転させるか、又は遠視の進行を緩和することを更に含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  14. 成長を、目の軸長若しくはガラス体腔深さの点又は目の赤道拡大の点で刺激又は増進し、それによって遠視屈折を予防、抑制又は緩和するか又は遠視の進行を緩和することを更に含む、請求項13記載の方法。
  15. 成長を、目の軸長若しくはガラス体腔深さの点及び目の赤道拡大の点で刺激又は増進させ、それによって遠視屈折を予防、抑制又は緩和するか又は遠視の進行を緩和することを更に含む、請求項13記載の方法。
  16. 出生後の動物又はヒトの目における弱視若しくはその発症を抑制又は反転させるか又は弱視の進行を緩和することを更に含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  17. 成熟目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量のGABAAレセプター作動薬を投与することを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. GABAAレセプター作動薬が、ムシモール又はTACAである、請求項17記載の方法。
  19. 成熟目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量のGABAAレセプター拮抗薬を投与することを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  20. GABAAレセプター拮抗薬が、SR95531又はビククリンである、請求項19記載の方法。
  21. 成熟目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量のGABAA0rレセプター作動薬を投与することを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  22. GABAA0rレセプター作動薬がCACAである、請求項21記載の方法。
  23. 成熟目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量のGABAA0rレセプター拮抗薬を投与することを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  24. GABAA0rレセプター拮抗薬が、TPMPAである、請求項23記載の方法。
  25. 成熟目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量のGABABレセプター作動薬を投与することを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  26. GABABレセプター作動薬が、バクロフェンである、請求項25記載の方法。
  27. 成熟目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量のGABABレセプター拮抗薬を投与することを更に含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  28. GABABレセプター拮抗薬が、CGP46381、SCH50911又は2OH-サクロフェンである、請求項27記載の方法。
  29. 対象者が、近視、遠視又は弱視である、請求項1〜28のいずれか1項に従う対象者の片眼又は両眼の生体内治療方法。
  30. 請求項1〜28のいずれか1項に従う、対象者の片眼又は両眼の近視、遠視又は弱視の生体内予防方法。
  31. 動物又はヒトの目に有効量の神経化学物質質又はその作動薬若しくは拮抗薬を投与し、それによってGABA又はその作動薬若しくは拮抗薬の存在を調節することを特徴とする成熟動物又はヒトの目の生後成長の制御方法。
  32. 出生後動物の成熟目の眼球成長に影響を与える1種以上のGABA薬物又は化合物の有効性の検出方法であって、以下の工程、
    第1の動物の目に、眼内投与に適するpHに緩衝した担体又は希釈剤中の治療上有効量の網膜GABAレセプター作動薬又は拮抗薬を投与する工程、
    前記第1の目の軸若しくは赤道又はその両方の方向における成長の変化を検出する工程、
    第2の動物の目に、前記第1の目における網膜GABAレセプター作動薬又は拮抗薬において使用した担体又は希釈剤を含む対照薬剤を投与する工程、
    前記第2の目の前記対照薬剤の有効性を検出する工程、及び、
    前記第1の目の成長の変化を前記第2の目に対する前記対照薬剤の作用を比較する工程、
    を含み、前記第1の目は、縫合して閉眼又はゴーグル装着状態にすることによるようにして開放又は遮蔽されており、前記第2の目も前記第1の目と同じ(開放又は遮蔽状態)であることを特徴とする方法。
  33. 前記第1の動物の目と第2の動物の目が同じ動物のものである、請求項32記載の方法。
  34. 前記第1の動物の目と第2の動物の目が、異なる動物のものである、請求項32記載の方法。
  35. 前記動物又は対象者が、鳥類及び哺乳類からなる群から選ばれ、哺乳類は霊長類を含み、霊長類はヒトを含む、請求項1〜34のいずれか1項記載の方法。
  36. GABAを目の生後成熟中に変化させる請求項1〜35のいずれか1項記載の成熟動物の目の生後成長を制御するために有用な物質の組成物。
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