JP2005508632A - メラニン凝集ホルモン受容体アンタゴニスト結合タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明はMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質に関する。本明細書に記載されているMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質はMCH−1Rをベースとし、受容体をMCH結合に対して実質的に不活性とする第2細胞内ループまたはカルボキシ末端への1つ以上の改変を有する。MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質はMCH−1Rアンタゴニストに結合し得るが、高アフィニティーMCH結合を示さず、MCHにより活性化されない。

Description

本明細書中に引用した文献は本発明に対する従来技術とは認められない。
視床下部に存在する神経ペプチドは体重コントロールを仲介するときに重要な役割を果たす(Flierら,Cell,92:437−440(1998))。メラニン凝縮ホルモン(MCH)は、神経ペプチドNEI及びNGEをもコードする視床下部中の大きなプレープロホルモン前駆体の一部として合成される環状19アミノ酸神経ぺプチドである(Nahonら,Mol.Endocrinol.,4:632−637(1990))。MCHは初めサケ下垂体中で同定され、魚ではMCHはメラニン凝集に作用して皮膚色素沈着に影響を及ぼす。マスやウナギでは、MCHはストレス誘発またはCRF刺激ACTH放出に関与することも判明している(Kawauchiら,Nature,305:321−323(1983))。
ヒトでは、脳で発現するMCHをコードする2つの遺伝子が同定された(Bretonら,Mol.Brain Res.,18:297−310(1993))。哺乳動物では、MCHは食物摂取のコントロールに関連する視床下部のニューロン細胞体、例えば外側視床下部の核周囲部細胞体及び不確帯に主に局在している(Kniggeら,Peptides,17:1063−1073(1996))。
薬理学的及び遺伝的証拠から、MCH作用の主モードは摂食を促進すること(食欲増進)であることが示唆されている。MCH mRNAは絶食マウス及びラット、ob/obマウスにおいてアップレギユレートされる(Quら,Nature,380:243−247(1996))。MCHの脳質内注入(ICV)は摂食を刺激し、MCHはαメラノサイト刺激ホルモン(αMSH)で見られる減食作用を相殺する(Quら,Nature,380:243−247(1996))。MCH欠乏マウスは痩せていて食が細く、高い代謝率を有する(Shimadaら,Nature,396:670−673(1998))。MCHを過剰発現するトランスジェニックマウスは過食であり、インスリン耐性及び中度の肥満を呈する(Ludwigら,J.Clin.Invest.,107:379−386(2001))。
MCH作用は、視床下部−下垂体−軸に対する作用が報告されているように摂食の調節に限定されない(Nahon,Critical Rev.in Neurobiol.,8:221−262(1994))。MCHはACTHのストレス誘導放出を調節し得る(Nahon,Critical Rev.in Neurobiol.,8:221−262(1994))。
幾つかの文献には、ヒトメラニン凝縮ホルモン受容体(“MCH−1R”)が記載されている(Chambersら,Nature,400:261−265(1999);Saitoら,Nature,400:265−269(1999);Bachnerら,FEBS Letters,457:522−524(1999);Shimomuraら,Biochemical and Biophysical Research Communications,261:622−626(1999))。
本発明はMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質に関する。本明細書に記載されているMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質はMCH−1Rをベースとし、受容体をMCH結合に対して実質的に不活性とする改変の1つ以上を第2細胞内ループまたはカルボキシ末端中に有する。MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質はMCH−1Rアンタゴニストに結合し得るが、高アフィニティーMCH結合を示さず、MCHにより活性化されない。
従って、本発明の第1主題は、
a)MCH−1RをMCH結合に対して実質的に不活性とする1つ以上の改変を第2細胞内ループ領域中に有するMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質、及び
b)MCH−1RをMCH結合に対して実質的に不活性とする1つ以上の改変をC末端中に有するMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質
からなる群から選択されるMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質に関する。
“MCH結合に対して実質的に不活性”とは、MCH結合が存在するとしても該MCH結合がヒトMCH−1Rに対する結合レベルの約10%以下にすぎないことを指す。別の実施態様では、結合は5%以下であるか検出できない。
本発明の別の主題は、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸に関する。本発明の実施態様において、前記核酸は発現ベクターである。
本発明の別の主題は、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードする発現ベクターを含む組換え細胞に関する。MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は前記細胞により認識されるプロモーターに機能的に結合している。
本発明の別の主題は、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質に結合し得る化合物のスクリーニング方法に関する。前記方法は、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質を化合物と接触させ、前記化合物の前記タンパク質に結合する能力を測定することを含む。
本発明の別の態様はMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質の作成方法に関する。前記方法は、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードする発現ベクターを含む組換え細胞を増殖させることを含む。
本発明の他の特徴及び作用効果は、複数の実施例を含めた本明細書中の記載から明らかである。本明細書の実施例は本発明を実施する際に有用な成分及び方法を示すものであり、これらの実施例は本発明を限定するものではない。本明細書の記載に基づいて。当業者は本発明を実施するために有用な他の成分及び方法を特定、使用することができる。
(発明の詳細説明)
ヒトMCH−1Rの直接突然変異誘発により、MCH−1Rアンタゴニストに選択的に結合するMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が生じた。MCH−1Rアンタゴニストは高アフィニティーMCHアゴニスト結合を示さず、MCHにより活性化されない。MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質の用途には、潜在的受容体アンタゴニストのスクリーニング及びタンパク質輸送の研究が含まれる。
第2細胞内ループ領域中のMCH−1Rを改変したり、カルボキシ末端の一部を欠失することにより各種タイプのMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が得られた。MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質を生成するための第2細胞内ループ領域に対する改変には1つ以上のアミノ酸の変化が含まれる。
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質MCH−1R(R141H)及びMCH−1R(R155A)では、MCH−1Rの第2細胞内ループ領域中の1つのアミノ酸が変化している。MCH−1R(R141H)及びMCH−1R(R155A)のアミノ酸配列を配列番号1及び配列番号2に示す。
No.141は多くのG結合受容体中に高度に保存されている特徴的な配列であるDRYの中にある。DRY配列はGタンパク質相互作用に関与することが示唆されている(Rosenthalら,J.Biol.Chem.,268:13030−3(1993))。
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質MCH−1R(i2/MC4R)は、第2細胞内ループがヒトMC4Rの対応第2細胞内ループで置換されている以外はMCH−1Rを含む。MCH−1R(i2/MC4R)のアミノ酸配列を配列番号3に示す。
MC4Rはメラノコルチン−4受容体である(Yangら,Biochemistry,39:14900−11(2000);Gantzら,J.Biol.Chem.,268:15174−9(1993))。MC4Rへの改変は、例えばFraenbergら,Biochem.Biophys.Res.Commun.,245:490−492(1998)に記載されている。
C末端欠失の例はMCH−1R(Δ316/EGFP)であり、この場合MCH−1RのC末端37アミノ酸が欠失しており、増強緑色フルオレセンスタンパク質(EGFP)がC末端に付加されている。ヒトソマトスタチン受容体タイプ5へのC末端欠失はHukovicら,Journal of Biological Chemistry,273:21416−21422(1998)に記載されている。
MCH−1R(Δ316/EGFP)のアミノ酸配列を配列番号4に示す。EGFP配列はタンパク質輸送の研究を進める。
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質の作成
各種のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は本明細書に記載されているガイダンスに基づいて入手し得る。ここに記載されているガイドラインにはMCH−1R結合アンタゴニストを作成するために有用な特定突然変異及び領域の同定が含まれる。好ましいMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質はヒトMCH−1R配列に基づく。
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は、MCHではなくMCHアンタゴニストに結合しなければならない。例えば本明細書に記載されているMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質から出発して改変を加えて各種のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質を作成することができる。
ポリペプチド機能を変化させないと予測されるポリペプチドへの改変はアミノ酸R基を考慮してなされ得る。天然アミノ酸の違いはR基の違いに起因する。R基はアミノ酸の各種特性、例えば物理的サイズ、電荷及び疎水性に影響を及ぼす。アミノ酸は、中性及び疎水性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン及びメチオニン)、中性及び極性(グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、アスパラギン及びグルタミン)、塩基性(リシン、アルギニン及びヒスチジン)及び酸性(アスパラギン酸及びグルタミン酸)の複数のグループに分割され得る。
通常、アンタゴニスト結合を維持するためにアミノ酸を置換するとき、類似の特性を有するアミノ酸を交換することが好ましい。特定グループ内でのアミノ酸の置換、例えばロイシンのバリンでの置換、リシンのアルギニンでの置換、グルタミンのアルギニンでの置換は、アンタゴニスト結合を変化させない好適な候補である。
別の実施態様において、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は、(1)配列番号1、2、3、4、または約37アミノ酸の欠失を含むヒトMCH−1Rのいずれかと少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の配列類似性を有するか、または(2)配列番号1、2、3、4、または約37アミノ酸の欠失を含むヒトMCH−1Rから最高約20個の改変を含む配列を有する。ポリペプチドの配列類似性はBLAST(援用により本明細書に含まれるとするAltschulら,Nucleic Acids Res.,25:3389−3402(1997))により調べられ得る。1つの実施態様では、配列類似性は、MATRIX:BLOSUM62、PER RESIDUE GAP COST:11及びLambda比:1のパラメータでtBLASTnサーチプログラムを用いて調べられる。
アミノ酸への改変は付加、欠失及び置換である。別の実施態様では、MCH−1Rペプチドは、配列番号1、2、3、4、または約37アミノ酸の欠失を含むヒトMCH−1Rからの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10〜20の改変を有する。
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は化学的合成を含む方法及び生化学的合成を含む方法のような標準方法を用いて作成され得る。ポリペプチドの化学合成方法は当業界で公知である(例えば、Vincent,「ペプチド及びタンパク質薬物デリバリー(Peptide and Protein Drug Delivery)」,ニューヨーク州ニューヨーク,Dekker(1990年)発行を参照されたい)。
ポリペプチドの生化学的合成方法も当業界で公知である。前記方法ではポリペプチド合成のために核酸鋳型を使用する。タンパク質を産生するために核酸を細胞に導入し、核酸を発現させる方法の例は文献、例えばAusubel,「分子生物学の現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」,John Wiley(1987−1998年)発行及びSambrookら,「分子クローニング 実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)発行に記載されている。
特定のアミノ酸配列から遺伝子コードの公知の縮重を用いて、多種多様のコード化核酸配列を入手することができる。遺伝子コードの縮重は、殆どすべてのアミノ酸がヌクレオチドトリプレット、すなわちコドンのいろいろな組合せによりコードされるために生ずる。アミノ酸は以下のようにコドンによりコードされる:
A=Ala=アラニン:コドン GCA,GCC,GCG,GCU;
C=Cys=システイン:コドン UGC,UGU;
D=Asp=アスパラギン酸:コドン GAC,GAU;
E=Glu=グルタミン酸:コドン GAA,GAG;
F=Phe=フェニルアラニン:コドン UUC,UUU;
G=Gly=グリシン:コドン GGA,GGC,GGG,GGU;
H=His=ヒスチジン:コドン CAC,CAU;
I=Ile=イソロイシン:コドン AUA,AUC,AUU;
K=Lys=リシン:コドン AAA,AAG;
L=Leu=ロイシン:コドン UUA,UUG,CUA,CUC,CUG,CUU;
M=Met=メチオニン:コドン AUG;
N=Asn=アスパラギン:コドン AAC,AAU;
P=Pro=プロリン:コドン CCA,CCC,CCG,CCU;
Q=Gln=グルタミン:コドン CAA,CAG;
R=Arg=アルギニン:コドン AGA,AGG,CGA,CGC,CGG,CGU;
S=Ser=セリン:コドン AGC,AGU,UCA,UCC,UCG,UCU;
T=Thr=スレオニン:コドン ACA,ACC,ACG,ACU;
V=Val=バリン:コドン GUA,GUC,GUG,GUU;
W=Trp=トリプトファン:コドン UCG;及び
Y=Tyr=チロシン:コドン UAC,UAU。
ヒトMCH−1Rに基づくMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列として、
配列番号5:ヌクレオチドMCH−1R(R141H)、
配列番号6:ヌクレオチドMCH−1R(R155A)、
配列番号7:ヌクレオチドMCH−1R(i2/MC4R)、及び
配列番号8:ヌクレオチドMCH−1R(Δ316/EGFP)
が例示される。
別の実施態様において、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードする核酸は、
(1)配列番号1、2、3、4、または約37アミノ酸の欠失を含むヒトMCH−1Rと少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の配列類似性を有するタンパク質をコードする;
(2)配列番号1、2、3、4、または約37アミノ酸の欠失を含むヒトMCH−1Rから最高20個の改変を伴う配列を有するタンパク質をコードする;
(3)配列番号5、6、7、8、または約37C末端アミノ酸に対応する欠失を含むヒトMCH−1Rと少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の配列類似性を有するタンパク質をコードする。
核酸の配列類似性はFASTA(援用により本明細書に含まれるとするPearsonら,Methods in Enzymology,183:63−98(1990))により調べられ得る。1つの実施態様では、配列類似性は、MATRIX:BLOSUM50、ギャップペナルティーズ:オープン=−12;残基=−2でFASTAtサーチプログラムを用いて調べられる。
所望の配列を有する核酸は、化学的及び生化学的方法を用いて合成され得る。化学的方法の例は、Ausubel,「分子生物学の現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」,John Wiley(1987−1998年)発行及びSambrookら,「分子クローニング 実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)発行に記載されている。
生化学的核酸合成方法には、核酸鋳型及び適当な酵素(例えば、DNA及び/またはRNAポリメラーゼ)の使用を含む。前記方法の例には、インビトロ増幅方法(例えば、PCR及び転写に基づく増幅)及びインビボ核酸複製が含まれる。好適な方法は、Ausubel,「分子生物学の現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」,John Wiley(1987−1998年)発行、Sambrookら,「分子クローニング 実験マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual)」,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)発行及びKacianらの米国特許第5,480,784号明細書に記載されている。
本発明の実施態様において、MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は精製ポリペプチドである。「精製ポリペプチド」は、試料または調製物中に存在する全タンパク質の少なくとも10%を占める。更なる実施態様では、精製ポリペプチドは、試料または調製物中に存在する全タンパク質の少なくとも約50%、少なくとも約75%または少なくとも約95%を占める。「精製ポリペプチド」とは、ポリペプチドが精製を受けていなくてもよいことを指し、例えば化学合成されたが精製されていないポリペプチドも含まれる。
(組換え発現)
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は、翻訳システムを用いて適当な宿主または試験管において組換え核酸から発現され得る。好ましくは、組換え発現させたMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質は、MCH−1Rに結合し且つMCH−1Rの活性を調節する化合物をスクリーニングするアッセイにおいて使用される。
好ましくは、発現は発現ベクターを用いて宿主細胞において実施される。発現ベクターは、ポリペプチドをコードする組換え核酸と共に適切な転写及びプロセッシングのための調節要素からなる。存在し得る調節要素には、組換え核酸に元々結合している調節要素及び組換え核酸に元々結合していない外因性調節要素が含まれる。外因性プロモーターのような外因性調節要素は特定宿主において組換え核酸を発現するために有用であり得る。
一般的に、発現ベクター中に存在する調節要素には、転写プロモーター、リボソーム結合部位、ターミネーター及び任意に存在するオペレーターが含まれる。別の好ましい要素は真核細胞でのプロセッシングのためのポリアデニル化信号である。好ましくは、発現ベクターは宿主細胞での自律複製のための複製起源、選択マーカー、特定数の有用な制限酵素部位及び高コピー数のためのポテンシャルをも含む。発現ベクターの例はクローニングベクター、修飾クローニングベクター、特別に設計されたプラスミド及びウイルスである。
各種宿主において適当レベルのポリペプチド発現を与える発現ベクターは当業界で公知である。当業界で公知の哺乳動物発現ベクターには、pcDNA3(Invitrogen)、pMClneo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC 37110)、pdBPV−MNTneo(342−12)(ATCC 37224)、pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 37198)、pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATCC 37460)、pCI−neo(Promega)及びラムダ−ZD35(ATCC 37565)が含まれる。当業界で公知の細菌発現ベクターには、pET11a(Novagen)、ラムダgt11(Invitrogen)、pcDNAII(Invitrogen)及びpKK223−3(Pharmacia)が含まれる。当業界で公知の真菌細胞発現ベクターには、pYES2(Invitrogen)及びピチア発現ベクター(Invitrogen)が含まれる。当業界で公知の昆虫細胞発現ベクターには、Blue Bac III(Invitrogen)が含まれる。
組換え宿主細胞は原核または真核細胞であり得る。組換え宿主細胞の例には、細菌細胞(例えば、大腸菌)、真菌細胞(例えば、酵母)、哺乳動物細胞(例えば、ヒト、ウシ、ブタ、サル及びげっ歯動物)及び昆虫細胞(例えば、ショウジョウバエ及びカイコ由来細胞系)が含まれる。市販されている哺乳動物細胞系には、L細胞L−M(TK.sup.−)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L−M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)及びMRC−5(ATCC CCL 171)が含まれる。
特定宿主での発現を高めるために、例えば宿主のコドン使用を考慮するように配列番号5、6、7または8に示す配列を修飾することが有用であり得る。異なる生物のコドン使用は当業界で公知である(Ausubel,「分子生物学の現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」,John Wiley,1987−1998,追補33,Appendix 1C参照)。
発現ベクターは標準方法を用いて宿主細胞に導入され得る。前記方法の例には、形質転換、トランスフェクション、リポフェクション、プロトプラスト融合及びエレクトロポレーションが含まれる。
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードする核酸は、発現ベクターを使用しなくても、例えばタンパク質をコードする組換え核酸を細胞ゲノムに導入することにより細胞において発現され得る。更に、mRNAは各種の無細胞系(例えば、小麦胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物)及び細胞系(例えば、カエル卵母細胞)において翻訳され得る。mRNAの細胞系への導入は、例えばマイクロインジェクションにより実施され得る。
機能的アッセイ
機能的MCH−1R及びMCHアゴニストを含むアッセイを使用することにより潜在的MCH−1RアンタゴニストのMCH−1R活性を調節する能力が簡単に評価される。MCHアゴニストの使用によりMCH−1R活性が分かる。
組換え発現したMCH−1Rを使用すると、受容体活性を簡単に測定できる。例えば、MCH−1Rは通常は受容体を発現しない細胞系、例えばHEK 293、COS 7またはCHOにおいて発現ベクターにより発現され得る。この場合、発現ベクターを含まないかまたはMCH−1Rをコードしない発現ベクターを含む同一細胞系がコントロールとなり得る。
機能的アッセイは、各化合物を単独でまたは各種化合物を含む調製物を用いて実施され得る。1つ以上の化合物がMCH−1R活性に影響を与えるように複数の化合物を含む調製物を化合物の小群に分けて、MCH−1R活性に影響を与える化合物を同定することができる。
MCH−1R活性の調節
MCH−1Rアンタゴニストは、MCH−1R活性を更に研究するための道具として、患者に有利な効果を与えるための物質としての用途を含めた各種用途を有する。MCH−1Rアンタゴニストの有利な効果には、患者において体重減少、ガン(例えば、結腸癌または乳癌)治療、疼痛緩和、糖尿病治療、ストレス緩和及び性機能不全治療の1つ以上の達成が含まれる。
患者は哺乳動物、好ましくはヒトである。患者が必ずしも病気または疾患を有している必要はない。患者には、予防的に治療されるもの及び病気または疾患を患っているものが含まれる。
過剰体重により、高血圧、糖尿病、異脂肪血症、心血管疾患、胆石、骨関節炎及び特定のガンを含めた各種疾患が引き起こされる。体重減少は、例えば前記病気の可能性を軽減するため、前記疾患の治療の一部として使用され得る。減量は、例えば食欲低下、代謝率の上昇、脂肪摂取の減量及び炭水化物要求の低下の1つ以上により達成され得る。
過体重患者には、ボディ・マス指数(BMI)の正常体重範囲の上限よりも約10%以上、20%以上、30%以上または50%以上多い体重を有する患者が含まれる。“正常”体重範囲は当業界で公知であり、患者の年令、身長及び身体のタイプのような要因が考慮される
BMIは患者自身の身長/体重の比である。BMIは体重(kg)を身長(m)の二乗で割って計算することにより求められる。BMIの正常範囲は19〜22である。
MCH−1R調節化合物はキットとして提供され得る。前記キットは通常活性化合物を投与剤型で含む。剤型は、1日以上の期間にわたり定期的に、例えば1日1〜6回患者に投与したときに有利な効果を得ることができるように十分量の活性化合物を含有している。好ましくは、キットは(例えば、肥満または過体重を治療するための)体重減少またはストレス緩和のための剤型の使用及び特定期間服用すべき剤型の量を指示する使用説明書をも含む。
治療のための投与
医薬投与に関するガイドラインは、いずれも援用により本明細書に含まれるとするRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,Gennaro編,Mack Publishing(1990年)発行及びModern Pharmaceutics,第2版,Banker及びRhodes編,Marcel Dekker,Inc.(1990年)に概説されている。
適当な官能基を有するMCH−1R活性化合物は酸性塩または塩基性塩として製造され得る。(水または油に溶解または分散し得る生成物の形態の)医薬的に許容され得る塩には、例えば無機または有機の酸または塩基から形成されるような慣用の非毒性塩または第4級アンモニウム塩が含まれる。前記塩の例には、酸付加塩(例えば、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩,臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウサン塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩)及び塩基酸塩(例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例:ナトリウム塩及びカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例:カルシウム塩及びマグネシウム塩)、有機塩基との塩(例:ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン)及びアミノ酸(例:アルギニン及びリシン)との塩)が含まれる。
MCH−1R活性化合物は、経口、経鼻、注射及び経粘膜を含めた各種ルートにより投与され得る。懸濁液として経口投与される活性成分は製薬業界で公知の方法に従って製造され得、増量剤として微晶質セルロース、懸濁剤としてアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてメチルセルロース及び矯味/矯臭剤を含み得る。即時放出性錠剤として、前記組成物は微晶質セルロース、リン酸ジカルシウム、スターチ、ステアリン酸マグネシウム及びラクトース及び/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤及び滑沢剤を含み得る。
鼻エアゾールまたは吸入により投与するとき、前記組成物は製薬業界で公知の方法に従って製造され得る。ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアビリティーを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボンまたは他の可溶化/分散剤を使用して生理食塩溶液として製造され得る。
投与ルートには、静注(ボーラス及び注入)、腹腔、皮下、場合により閉塞を加える局所、または筋肉内形態が含まれ得る。当業界の公知の注射溶液または懸濁液は、好適な非毒性で非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒(例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液または等張性塩化ナトリウム溶液)を含む。分散/湿潤及び懸濁剤には、無菌無刺激性固定油(例えば、合成モノ−またはジグリセリド)及び脂肪酸(例えば、オレイン酸)が含まれる。
座薬の形態で直腸投与する場合、好適な刺激性賦形剤(例えば、カカオ脂、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコール)を使用する。前記賦形剤は常温で固体であるが薬物を放出するために直腸腔で液化及び/または溶解する。
治療のための好適に投与レジメは、患者の年令、体重、性別及び医学的状態;治療する状態の重篤度;投与ルート;患者の腎機能及び肝機能;及び使用する特定化合物を含めた当業界で公知の要因を考慮して設計され得る。
毒性なしに効果を与える範囲内の薬物の濃度を得る際の最適精度には、標的部位への薬物アベイラビリティーの薬物動態に基づくレジメが必要である。このためには、薬物の分布、平衡及び消失を考慮する。成人患者の1日用量は0.01〜1,000mgの範囲であると予想される。
以下、本発明のさまざまな特徴を更に説明するために実施例を提示する。これらの実施例は本発明を実施するのに有用な方法も例示する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1:MCH−1R(R141H)、MCH−1R(R155A)、MCH−1R(Δ316/EGFP)の構築
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をヒトMCH−1Rを改変することにより作成した。QuikChange部位特異的突然変異誘発キット(カリフォルニア州ラホヤに所在のStratagene)を製造業者のプロトコルに従って用いて改変させた。簡単に説明すると、鋳型プラスミドを変性させ、変異オリゴプライマーをアニーリングする。その後、PfuTurbo DNAポリメラーゼの非鎖置換作用を用いて、プライマーを延長し、ニックを入れた環状鎖に導入する。このステップを熱サイクリングにより繰り返す。反応の最後に、メチル化非変異親DNA鋳型をDpnIで消化し、環状ニックDNAを超コンピテントXL−1 Blue大腸菌細胞に形質転換し、変異プラスミドを修復、増幅させる。
以下の変異プライマーの組合せを使用した。
Figure 2005508632
Figure 2005508632
以下の鋳型を使用した。
Figure 2005508632
実施例2:MCH−1R(i2/MC4R)の構築
MCH−1R(i2/MC4R)をPCRベースの突然変異により作成した。生じたMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質はTM3とTM4の間に以下のアミノ酸配列を含む:...DRYFTIFYALQYHNIMTVKRATLVICL(配列番号15)。元のMCH−1R配列の代わりに挿入した新しい配列に下線を付した。
実施例3:ラジオリガンド結合の分析
膜結合アッセイを、一時的にトランスフェクトしたHEK293−AEQ17細胞から作成した膜調製物を用いて実施した。HEK293−AEQ17細胞(トランスフェクションの前日に3〜5×10細胞をT75フラスコで平板培養した)に、LipofectAmine2000(メリーランド州ロックビルに所在のGibco BRL)を製造業者の指示に従って用いてプラスミドDNAを一時的にトランスフェクトした。2日後、膜を低張性溶菌により作成し、液体窒素中で凍結させ、−80℃で保存した。
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いて、受容体含有膜に対する[125I]Phe13Tyr19−MCH(〜2000Ci/ミリモル;マサチューセッツ州ボストンに所在のNEN Life Sciences)の特異的結合を測定した。SPAを96ウェルOptiPlates(コネティカット州メリデンに所在のPackard)においてコムギ胚凝集素−ポリビニルトルエンビーズ(イリノイ州アーリントンハイツに所在のAmersham Corp.)を用いて実施した。各ウェルには、SPAビーズ(0.25mg)、膜タンパク質(2〜4μg)及び結合緩衝液(200μl)を含めた。結合緩衝液は50mM トリスHCl(pH7.4)、8mM MgCl、12% グリセロール、0.1% BSA(ミズーリ州セントルイスに所在のSigma)及びプロテアーゼ阻害剤[4μg/mlのロイペプチン(ミズーリ州セントルイスに所在のSigma)、40μg/mlのバシトラシン(ミズーリ州セントルイスに所在のSigma)、5μg/mlのアプロチニン(インディアナ州インディアナポリスに所在のRoche Molecular Biochem.)及び100μMのAEBSF(インディアナ州インディアナポリスに所在のRoche Molecular Biochem.)]を含んでいた。
アッセイは膜調節物に対して最適化した。HEK293−AEQ17/MCH−1R膜の場合には1μg/ウェルの膜で>6×特異的結合ウィンドーを与えた。特異的結合は、総結合と500nMの非標識MCHの存在下で実施した非特異的結合の差として定義される。ビーズを膜で20分間被覆し、96ウェルに分配し、DMSO中に異なる濃度で含まれる試験化合物(最終DMSO濃度は1〜2%)を添加した後、ウェルに25nCiの[125I]Phe13Tyr19−MCHを添加した。室温で3時間平衡後、プレートをTopCount(コネティカット州メリデンに所在のPackard)で測定した。IC50をPrism 3.0(カリフォルニア州サンジェゴに所在のGraphPad Software)を用いて計算した。
125I]Phe13Tyr19−MCHアゴニスト結合研究の結果を図1及び2に示す。図1はMCH−1R(R141H)及びMCH−1R(R155A)に対するアゴニスト結合を示す。図2はMCH−1R(Δ316/EGFP)に対するアゴニスト結合を示す。
実施例4:機能的活性化分析
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質の機能的活性化をエクオリンアッセイで調べた。タンパク質を安定なリポーター細胞系HEK293−AEQ17に導入した。前記細胞系では細胞内カルシウムの可動性をカルシウム結合時のクラゲエクオリンのバイオルミネセンスにより検出され得る。
バイオルミネセンスはLuminoskan RTルミノメーター(メリーランド州ゲーザーズバーグに所在のLabsystems Inc.)を用いて検出した。HEK293−AEQ17細胞を、10% ウシ胎児血清、500mg/ml G418、25mM Hepesを補充したD−MEM/高グルコース培地(メリーランド州ロックビルに所在のLife Technologies)において37℃、湿潤雰囲気中5%COで維持した。
HEK293−AEQ17細胞(トランスフェクションの前日に3〜5×10細胞をT75フラスコで平板培養した)に、LipofectAmine2000(メリーランド州ロックビルに所在のGibco BRL)を製造業者の指示に従って用いてMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質プラスミドを一時的にトラクスフェクトした。2日後、細胞を還元条件(ECB緩衝液中300μM 還元グルタチオン:140mM NaCl、20mM KCl、20mM HEPES−NaOH,pH7.4、5mM グルコース、1mM MgCl、1mM CaCl、0.1mg/ml BSA)下で必須発色団セレンテラジンcp(10μM;オレゴン州ユージーンに所在のMolecular Probes)とインキュベートして、アポエクオリンを加えた。
細胞を回収し、ECB培地で1回洗浄し、500,000細胞/mlに再懸濁した。次いで、細胞懸濁液100ml(5×10細胞に対応)を96ウェル試験プレートに注入し、積分発光(integrated light emission)を30秒間0.5秒単位で記録した。次いで、溶菌緩衝液(0.1% 最終トリトンX−100濃度)(20μl)を注入し、積分発光を10秒間0.5秒単位で記録した。各ウェルの“分画応答(fractional response)”値は、トリトンX−100溶菌応答を含めた総積分ルミセネンスに対する初期投与に対する積分応答の比を求めることにより計算した。
実施例5:アンタゴニスト結合
MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質のMCH−1Rアンタゴニストへの結合能力は一般的方法及び本明細書に記載されている方法を用いて評価することができる。例えば、標識アンタゴニストを使用するように上記実施例3に記載されている方法を修飾することができる。
MCH−1Rアンタゴニストの例は、援用により本明細書に含まれるとする2001年8月8日に出願された米国特許出願第60/310,928号明細書に記載されている。ペプチドアンタゴニストには、次の構造(“”は環化(S−S)を示す)を有する化合物が含まれる。
Figure 2005508632
“Gva”はデス−アミノ−アルギニン(5−グアニジノ吉草酸としても公知)を表す。“Ava”は5−アミノ吉草酸を表す。D−NleはD−ノルロイシンを表す。
実施例6:配列情報
配列番号1〜8の配列を以下に示す。
Figure 2005508632
Figure 2005508632
MCH−1R(R141H)(配列番号5):スタートコドン、ストップコドン及び変異ヌクレオチドが強調されている。
Figure 2005508632
MCH−1R(R141A)(配列番号6):スタートコドン、ストップコドン及び変異ヌクレオチドが強調されている。核酸配列(スタートコドン、ストップコドン及び変異ヌクレオチドが強調されている。
Figure 2005508632
Figure 2005508632
MCH−1R(i2/MC4R)(配列番号7):スタートコドン、ストップコドン及び変異ヌクレオチドが強調されている。
Figure 2005508632
Figure 2005508632
MCH−1R(Δ316/EGFP)(配列番号8):MCH−1R及びEGFPに対するスタートコドン及びストップコドンが強調されている。12アミノ酸リンカー配列を示す。
Figure 2005508632
Figure 2005508632
他の実施態様も上記した請求の範囲の範囲内である。幾つかの実施態様を例示乃至説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で各種変更をなし得る。
MCH−1R(R141H)及びMCH−1R(R155A)に対する[125I]Phe13Tyr19−MCH結合を示す。 MCH−1R(Δ316/EGFP)に対する[125I]Phe13Tyr19−MCH結合を示す。 MCHによるMCH−1R(R141H)の機能的活性化の欠乏を示す。機能的活性化は細胞内カルシウムの可動性を測定することにより調べた。 MCHによるMCH−1R(R155A)の機能的活性化の欠乏を示す。機能的活性化は細胞内カルシウムの可動性を測定することにより調べた。 MCHによるMCH−1R(i2MC4R)の機能的活性化の欠乏を示す。機能的活性化は細胞内カルシウムの可動性を測定することにより調べた。 MCHによるMCH−1R(Δ316/EGFP)の機能的活性化の欠乏を示す。機能的活性化は細胞内カルシウムの可動性を測定することにより調べた。
【配列表】
Figure 2005508632
Figure 2005508632
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Claims (17)

  1. a)メラニン凝縮ホルモン受容体タイプ1(MCH−1R)をアゴニストによる活性化に対して実質的に不活性とする改変の1つ以上を第2細胞内ループ領域中に有する第1MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質、及び
    b)MCH−1Rをアゴニストによる活性化に対して実質的に不活性とする改変の1つ以上をC末端中に有する第2MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質
    からなる群から選択されることを特徴とするMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  2. MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が第1MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  3. MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が配列番号1のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  4. MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が配列番号2のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  5. MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が配列番号3のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  6. MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が第2MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  7. MCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質が配列番号4のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求の範囲第6項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質。
  8. 請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むことを特徴とする核酸。
  9. ヌクレオチド配列が、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8からなる群から選択されるヌクレオトチド配列であることを特徴とする核酸。
  10. ヌクレオトチド配列が配列番号5からなることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の核酸。
  11. ヌクレオトチド配列が配列番号6からなることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の核酸。
  12. ヌクレオトチド配列が配列番号7からなることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の核酸。
  13. ヌクレオトチド配列が配列番号8からなることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の核酸。
  14. 核酸が発現ベクターであることを特徴とする請求の範囲第8項〜第13項のいずれか1項に記載の核酸。
  15. 請求の範囲第14項に記載の発現ベクターを含む組換え細胞であって、ヌクレオチド核酸が前記細胞により認識されるプロモーターに機能的に連結していることを特徴とする前記組換え細胞。
  16. MCH−1Rに結合し得る化合物のスクリーニング方法であって、
    a)請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質を前記化合物と接触させるステップ、及び
    b)前記化合物のMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質に結合する能力を測定するステップ
    を含むことを特徴とする前記スクリーニング方法。
  17. 請求の範囲第15項に記載の組換え細胞をタンパク質が発現ベクターから発現する条件下で増殖させるステップを含むことを特徴とするMCH−1Rアンタゴニスト結合タンパク質の作成方法。
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