JP2005508618A - 双極性障害に関連する核酸およびコードされるポリペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、単離されたヒトマンノシルトランスフェラーゼおよびそのコード核酸を提供する。マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに対応する核酸およびそのフラグメントは、同様に、治療手順において適用可能である。本発明はまた、ヒトマンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドおよび第9染色体融合ポリペプチドを提供し、これらの両方が、第10染色体転座t(9;11)(p24;q23.1)から生じる。ヒトマンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドをコードする融合核酸配列および第9染色体融合ポリペプチドをコードする融合核酸配列もまた提供される。本発明の融合タンパク質およびそれらをコードする核酸は、双極性障害を診断するかまたは双極性障害に対する感受性を予測するために本発明によって提供される方法において有用である。

Description

本発明は、一般的に、分子医療および生化学、より詳細には、双極性障害に関連する核酸およびタンパク質に分野に関する。
医学用語において双極性障害として公知である躁うつ病性障害は、再発性の過剰にハイ(躁)から根深い絶望感(鬱)への気分のエピソードにより特徴付けられ、通常、その間に正常な気分の期間を伴う、一般的な疾病である。気分のエピソードの型、重篤度、および持続期間は、変化し得る。何人かの個体は、躁または鬱のいずれかの優性を有し得るが、一方で、他の罹患者は、等しい数のこれらの両方を経験し得る。この気分のエピソードは、特に、未処置のまま放置されているかまたは有効な処置がされていない場合、数日間から数ヶ月までにわたり持続し得る。代表的には、双極性障害を有するヒトは、彼らの生涯で、平均で10回の躁または鬱のエピソードを予想し得るが、何人かの罹患者は、より頻繁な気分のエピソードを経験する。エピソードの頻度は、時間と共に増加する傾向にあり、そして年間4回以上のエピソードを経験する個体は、迅速な周期の双極性障害を有するといわれ、これは、双極性障害であると診断された個体の13〜20%の間で発症する。
躁エピソードは、多幸感、一定の口数が多くなることまたは一定の運動、誇大的な思考、より少ない睡眠の必要性、集中できないこと、および無謀な行動により特徴付けられる。重篤な躁が始まると、現実と幻想との間の境界線が接近する。現実と幻想との間の妄想が接近する。妄想的思考過程、パラノイア、幻覚、および支離滅裂な行動は、本格的な躁病において見出され得、患者は、患者自身および患者の周辺の人を保護するために入院を必要とする。未処置の躁病期は、3ヶ月ほどの長さ持続し得る。躁病期が弱まると、患者は、正常な気分および行動の一定期間を有し得る。しかし、最終的には、この疾病の鬱期が生じる。何人かの罹患者において、鬱は、直ぐにか、または次の数ヶ月の間に生じ、一方で、他の罹患者については、次の躁または鬱のエピソードまで長い間隔がある。鬱期は、主要または単極性の鬱病と同じ症状を有し、その症状としては、無価値および希望のなさを感じる感情、集中が不可能であること、死または自殺を考えること、食欲または体重の変化、およびエネルギーの渇望または欠乏が挙げられる。
約1〜2%の成人が、この疾病に罹患しており、この疾病は、男性および女性の両方に影響する。National Depressive and Manic−Depressive Associationによれば、双極性障害は、250万人の成人アメリカ人に、生涯のうち数回、影響する。さらに、双極性障害の罹患率に関しては、種々の国および文化圏の間で同様の罹患率が存在する。人々は、彼らの生涯においていずれの時も罹患し得るが、双極性障害発症の代表的な年齢は、18歳〜22歳の範囲内である。利用可能な証拠は、双極性障害が、家族内で移り、遺伝し得ることを示唆する。この事について、双極性疾病に罹患するヒトと近い親戚は、一般的な人より10倍から20倍、鬱病または躁鬱疾病のいずれかを発症する傾向がある。
気分の障害を有するヒト3人のうち2人は、彼等の症状が、適切に認識されていないか、または誤って診断されるので、適切な処置を受けていない。平均して、双極性障害を有するヒトは、適切な双極性障害の診断を受けるまでに、8年間にわたり、3.3人の医者に相談している。この疾病の診断(特に、躁エピソード)は、しばしば、困難であり得、そして双極性障害は、しばしば、誤って単極性鬱病であるととられ得る。
双極性障害は、高いレベルのサービスの使用(service use)および罹患率に関連し、そして、約15%の患者が、最終的に自殺すると見積もられている。リチウムは、双極性障害の処置についての選択肢である初期の薬物のままであるが、それは、約40%の患者における再発を防止しない。より最近には、種々の抗痙攣薬が、鬱および躁の再発を軽減するために気分安定剤として予防的に用いられている。概して、双極性障害について現在利用可能な処置は、所望されない副作用を有し、そして全ての患者について有効性を欠く。さらに、双極性障害の病因は、理解が乏しいままであり、そしてこの疾患の診断は、困難なままである。
家族、双子、および養子の研究は、双極性障害における遺伝的病因学についての強力な証拠を提供した(CraddockおよびJones、J.Med.Genet.36:585−594(1999)において概説される)。複数の染色体の部位でのDNAマーカーへの双極性障害の連鎖の初期の報告は、双極性障害の遺伝的形質の複雑な性質に起因して、ロバスト(robust)を証明しておらず、これは、協働して作用する複数の遺伝子から生じ得る。分子遺伝学的位置のアプローチおよび候補遺伝子アプローチは、双極性障害の遺伝的分析のために用いられている。双極性感受性遺伝子の同定は、疾患の病態生理学の理解に寄与し、そして病因に関連する遺伝的因子と環境因子との間の相互作用を調査するための重要な機会を証明する。さらに、双極性感受性遺伝子の同定は、処置および患者の世話の改善を導く傾向にある。
従って、双極性障害の遺伝的基礎を解明し、高い応答率に関連する信頼性のある診断マーカーおよび有効な処置を開発する必要がある。本発明は、この必要性を満たし、そして関連する利点も提供する。
(発明の要旨)
本発明は、単離されたヒトマンノシルトランスフェラーゼおよびそのコード核酸を提供する。本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、第11染色体上に位置する遺伝子によりコードされ、そして染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)において破壊されており、これは、双極性障害と共に同時分離(cosegregate)される。マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドおよびその機能的フラグメントは、双極性障害の治療手順において有用である。マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに対応する核酸およびそのフラグメントは、同様に、治療手順において適用可能である。
本発明はまた、ヒトマンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドをコードする融合核酸配列および第9染色体融合ポリペプチドを提供し、これらの両方は、染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)から生じる。ヒトマンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドおよび第9染色体融合ポリペプチドをコードする融合核酸配列もまた提供される。本発明の融合タンパク質およびこれらのコード核酸は、双極性障害に対する感受性を診断および予測するための本発明により提供される方法において有用である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、マンノシルトランスフェラーゼおよびコード核酸に関する。マンノシルトランスフェラーゼは、双極性障害のための治療手順において有用である。マンノシルトランスフェラーゼに対応する核酸は、同様に、治療手順において適用可能である。本発明はまた、双極性障害と共に同時分離される、染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)から生じる2つの融合ポリペプチドに関する。本発明の融合ポリペプチドに対応する核酸がまた、本発明により提供される。さらに、双極性障害を診断するかまたは双極性障害に対する感受性を予測する方法が、本発明により提供される。
分泌、膜への組込み、または膜小器官内部での局在化を運命付けられたタンパク質は、糖質を含み、従って、糖タンパク質として分類される。グリコシル化およびオリゴサッカリド処理は、これらの適当な細胞の目的地に、これらのタンパク質の分類および分配における必須の役割を果たす。糖タンパク質の以下の3つのオリゴサッカリド部分が存在する:(1)N結合オリゴサッカリド;(2)O結合オリゴサッカリド、および(3)グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)膜アンカー。
N結合グリコシル化は、一定の改変であり、それは、真核生物細胞において保存された経路に従う(KornfeldおよびKornfeld、Annu.Rev.Biochem.54:631〜664(1985);TannerおよびLehle、Biochim.Biopphys.Acta 906:81〜99(1987);HerscovicsおよびOrlean、FASEB J.7:540〜550(1993))。コアオリゴサッカリドGlcManGlcNAcは、脂質キャリアであるドリチル(dolichyl)ピロホスフェート上に集合し、そして発生期のポリペプチド鎖の選択されたアスパラギン残基に移動される。この移動は、酵素オリゴサッカリルトランスフェラーゼにより触媒される(Kaplanら、Biochim.Biopphys.Acta906:161〜173(1987);Kukuruzinskaら、Annu.Rev.Biochem.56:914〜944)。脂質に連結したコアオリゴサッカリドの集合は、小胞体(endoplasmatic reticulum)の膜で、段階的に生じる(KornfeldおよびKornfeld(前出)、1985;TannerおよびLehle(前出)、1987;HerscovicsおよびOrlean(前出)、1993;Kukuruzinskaら(前出)、1987)。最初の糖である2つのGlcNAc残基および5つのMan残基は、それぞれ、UDP−GlcNAcおよびGDP−Manに由来し、一方で、次の7つの糖である、4つのMan残基および3つのGlc残基は、それぞれ、脂質中間体であるドリコール(Dol)−P−ManおよびDol−P−Glcにより提供される。各々の移動反応は、個々のグリコシルトランスフェラーゼにより媒介される(KornfeldおよびKornfeld(前出)、1985;TannerおよびLehle(前出)、1987;HerscovicsおよびOrlean(前出)、1993;Kukuruzinskaら(前出)、1987)。酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて、alg(アスパラギン結合グリコシル化を欠損する)変異は、脂質連結コアオリゴサッカリドの生合成における種々の段階に影響する(HuffakerおよびRobbins、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:7466−7470(1983);Rungeら、J.Biol.Chem.259:412〜417(1984);RungeおよびRobbins、J.Biol.Chem.261:15582〜15590(1986))。これらの変異は、脂質連結糖中間体の蓄積およびタンパク質のN結合グリコシル化の減少を導く。
真核生物において、脂質連結オリゴサッカリドの段階的生合成は、脂質キャリアであるドリシルピロホスフェート上で生じる(KornfeldおよびKornfeld(前出)、1985)。特に、4つのドリシルホスホマンノース由来のマンノース残基が、小胞体の内腔において、脂質結合ManGlcNAcオリゴサッカリドに対して付加される。第一のこれらのマンノース残基は、α−1,3結合を会して、脂質連結ManGlcNAcに付加される(Rearickら、J.Biol.Chem.256:3762〜3769(1981);Sharmaら、Biochemistry 29:8901〜8907(1990);Verostekら、J.Biol.Chem.266:5547〜5551(1991))。酵母におけるalg3変異は小胞体内腔における第一のマンノース付加に影響するが、ManGlcNAc中間体への次のマンノース残基の付加は、alg9に依存する。
本発明は、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同一であるアミノ酸配列、またはその機能性フラグメントを有するマンノシルトランスフェラーゼを構成する単離されたポリペプチドを提供する。配列番号2に示される本発明の単離されたポリペプチドは、S.cerevisiaeのalg9ポリペプチドと33.1%の配列同一性を有する。図8に示されるように、本発明のマンノシルトランスフェラーゼと他の種において同定されているホモログとの配列同一性は、以下の通りである:D.melanogasterと40.6%、S.pombeと33.1%、C.elegansと33.1%、A.thalaniaと31.2%。本発明のマンノシルトランスフェラーゼは、ヒトマンノシルトランスフェラーゼであり得る。本発明のマンノシルトランスフェラーゼは、9回膜貫通領域を含み、そして細胞の小胞体膜内に位置し、ここで、それは、GDPマンノースから脂質連結オリゴサッカリドへのマンノースの移動を触媒する。さらに、配列番号2に示される本発明の単離されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、少なくとも40kbの遺伝子であって、第11染色体上に位置しかつ双極性障害と同時分離される染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)において破壊されている遺伝子によりコードされる。従って、本発明はまた、本発明のマンノシルトランスフェラーゼに対応する遺伝子を含む第11染色体上に位置する約40kbのゲノム配列に対応する単離された核酸を提供する。マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子またはその機能性フラグメントに対応する核酸配列はまた、配列番号16〜117に示される1つ以上の一ヌクレオチド多型を含み得る。
配列番号2に示される本発明の単離されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、第11染色体上に位置しかつ双極性障害と同時分離される染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)において破壊されている遺伝子によりコードされる。転座t(9,11)(p24;q23.1)は、マンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドを生じ、この融合ポリペプチドはまた、本明細書中で、配列番号4で示される9/11融合ポリペプチドとして示される。従って、本発明はまた、配列番号4として示されるアミノ酸配列を実質的に有するポリペプチドまたはその機能性フラグメントを提供する。図3に示すように、配列番号4に示されるマンノーストランスフェラーゼ融合物の機能性フラグメントは、例えば、図4に示されるマンノシルトランスフェラーゼ5’融合転写物によりコードされる、アミノ酸残基1〜59からなり得る。本発明はまた、配列番号6として示されるアミノ酸配列を実質的に有する代替9/11融合ポリペプチドまたはそのフラグメントを提供する。
転座t(9,11)(p24;q23.1)は、第9染色体融合ポリペプチドをさらに生じ、このポリペプチドはまた、本明細書中で、配列番号8に示される11/9融合ポリペプチドとして示される。従って、本発明はまた、配列番号8として示されるアミノ酸配列を実質的に有するポリペプチドまたはその機能性フラグメントを提供する。図5に示すように、配列番号8に示される第9染色体融合ポリペプチドの機能性フラグメントは、例えば、第9染色体に転座する第11染色体領域によりコードされる、3’アミノ酸残基からなり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「マンノシルトランスフェラーゼ」とは、配列番号2として示されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド、またはそのフラグメントを意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「ポリペプチド」とは、互いに共有結合された2つ以上のアミノ酸を意味することが意図される。本発明のポリペプチドは、2〜3または数個のアミノ酸を有する小ポリペプチド、および数百以上のアミノ酸を有する大ポリペプチドを含む。通常、2つ以上のアミノ酸残基の間の共有結合は、アミド結合である。しかし、これらのアミノ酸は、ペプチドおよび化学の分野における当業者に公知の種々の他の手段によって一緒に結合され得る。従って、ポリペプチド(全体または一部)は、アミノ酸、アミノ酸アナログ、およびアミノ酸模倣物の間に非アミド結合を含む分子を含み得る。同様に、この用語はまた、環状ペプチドおよび他のコンフォメーション的に束縛された構造を含む。ポリペプチドはまた、天然に存在する改変(例えば、リン酸化、脂質化、プレニル化、スルフェート化、ヒドロキシル化、アセチル化、糖付加、補欠分子属または補因子の付加、ジスルフィド結合の形成、タンパク質溶解、高分子複合体への集合などを含む翻訳後修飾)により改変され得る。
本明細書中において使用される場合、用語「実質的に同一」とは、アミノ酸配列に関して使用される場合、参照アミノ酸配列に対して少なくとも約40%の同一性を有し、そしてその参照アミノ酸配列によって規定されるポリペプチドのかなりの機能的活性および生物学的活性を維持するアミノ酸配列をいう。実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、参照アミノ酸配列に対して、少なくとも約45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、82%、84%、86%、または88%、または少なくとも90%、91%、92%、93%、または94%のアミノ酸同一性;ならびに95%、96%、97%、98%、または99%より大きいアミノ酸同一性を有し得る。しかし、スプライス改変体として生じる、記載されるレベルの配列同一性より低い配列同一性を含むポリペプチド(もしくはコードする核酸)、あるいは保存的アミノ酸置換または縮重コドンの置換によって改変されたポリペプチド(もしくはコードする核酸)もまた、本発明の範囲内に含まれることが認識される。
用語「機能的フラグメント」とは、本発明の単離されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに関して使用される場合、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたは融合ポリペプチドの一部であるポリペプチドフラグメントをいい、但し、この部分は、生物学的活性を有し、本明細書中に記載される場合、この生物学的活性は、対応する単離されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに特徴的である。配列番号2に記載されるヒトマンノシルトランスフェラーゼの機能的フラグメントは、例えば、脂質結合オリゴサッカリド、モノサッカリド基質、または両方を結合し得る、基質結合ドメインであり得る。本発明のポリペプチドまたは本発明のポリペプチドの機能的フラグメントは、本願の出願日現在、公共のドメインに存在したアミノ酸配列(GenBank登録AAH09255、XP_041331、BAB15154、およびCAB66861のもとで入手可能な特定のアミノ酸配列が挙げられる)を排除し得る。
さらに、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたは融合ポリペプチドの機能的フラグメントは、基質結合ドメインを含み得る。マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの機能的フラグメントは、酵素の触媒活性のために重要な活性部位残基を含み得る。マンノシルトランスフェラーゼのグリコシル化活性のために重要な領域は、当該分野において公知の種々の方法を介して、決定または予測され得る。高度な配列類似性を共有し、そして生物学的に類似の触媒特性を有し得る、関連するタンパク質(例えば、酵母オリゴサッカリルトランスフェラーゼ(alg3およびalg9が挙げられる)、ホスホイノシトールグリカン、推定糖脂質αマンノシルトランスフェラーゼ、GPIアンカー生合成タンパク質およびドリコール−リン酸−マンノース糖脂質)は、マンノシルトランスフェラーゼの触媒活性のために重要な領域に関する情報を提供し得る。例えば、構造モデル化は、酵素の活性部位を明らかにし得、これは、一次構造において一般に互いから離れて位置するアミノ酸残基によって形成される、裂、ゴージまたは間隙のような、三次元構造である。従って、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの機能的フラグメントは、グリコシル化活性のために重要なマンノシルトランスフェラーゼの領域を形成するアミノ酸残基(例えば、活性部位ゴージに沿って位置する残基)を含み得る。
本発明の単離されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたは融合ポリペプチドの構造モデル化に加えて、生化学的データを使用して、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの機能的フラグメントを調製する場合に、マンノシルトランスフェラーゼの、グリコシル化活性のために重要な領域を決定または予測し得る。この点に関して、天然に存在する改変されたグリコシル化活性を有するオリゴサッカリルトランスフェラーゼの特徴付けは、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの触媒活性のために重要な領域を同定するために有用であり得る。さらに、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの欠失変異体の調製およびその変異体の触媒活性についての試験を使用して、触媒的に重要なアミノ酸残基を決定または予測し得る。同様に、部位特異的変異誘発研究は、例えば、Schwartzら、Pharmac.Ther.67:283−322(1992)(これは、本明細書中に参考として援用される)において概説されるように、触媒的に重要なアミノ酸残基に関するデータを提供し得る。
配列番号2、4、6、もしくは8のアミノ酸配列を実質的に有する単離されたポリペプチド、あるいはその機能的フラグメントは、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドアミノ酸配列と比較される場合、保存的アミノ酸置換を有し得る。コードされるアミノ酸の保存的置換としては、例えば、以下の群に属するアミノ酸が挙げられる:(1)非極性アミノ酸(Gly、Ala、Val、Leu、およびIle);(2)極性中性アミノ酸(Cys、Met、Ser、Thr、Asn、およびGln);(3)極性酸性アミノ酸(AspおよびGlu);(4)極性塩基性アミノ酸(Lys、ArgおよびHis);および(5)芳香族アミノ酸(Phe、Trp、Tyr、およびHis)。
配列番号2のアミノ酸配列を実質的に有する単離されたポリペプチド、またはその機能的フラグメントはまた、化学修飾され得、但し、このポリペプチドは、マンノシルトランスフェラーゼの生物学的活性を維持する。配列番号4、6、もしくは8のアミノ酸配列を実質的に有する単離されたポリペプチド、あるいはその機能的フラグメントもまた、化学修飾され得、但し、このポリペプチドは、親ポリペプチドの生物学的活性を維持する。例えば、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの化学修飾としては、アルキル化、アシル化、カルバミル化、およびヨウ素化が挙げられ得る。例えば、修飾ポリペプチドはまた、遊離アミノ酸が誘導体化されて、アミン塩酸塩、p−トルエンスルホニル基、カルボベンゾオキシ基、t−ブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基またはホルミル基を形成しているポリペプチドを含み得る。遊離カルボキシル基は、修飾されて、塩、メチルエステルおよびエチルエステル、または他の型のエステルもしくはヒドラジドを形成し得る。遊離ヒドロキシル基は、修飾されて、O−アシル誘導体またはOーアルキル誘導体を形成し得る。ヒスチジンのイミダゾール窒素は、誘導体化されて、N−im−ベンジルヒスチジンを形成し得る。本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたは融合ポリペプチドはまた、当業者に周知の種々の他の修飾を含み得、但し、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの生物学的活性は、実質的に影響を受けない。
配列番号2、4、6、もしくは8のアミノ酸配列を実質的に有する単離されたポリペプチド、またはその機能的フラグメントはまた、20の標準的なアミノ酸の1つ以上のアミノ酸アナログ(例えば、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、3−メチルヒスチジン、ホモセリン、オルニチンまたはカルボキシグルタミン酸)で置換され得、そしてペプチド結合によって連結されないアミノ酸を含み得る。
配列番号2、4、6、もしくは8のアミノ酸配列を実質的に有する単離されたポリペプチド、またはその機能的フラグメントはまた、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの機能を提供する官能基を配向させる、模倣物部分を含み得る。従って、模倣物は、ポリペプチドの機能を模倣する化学部分を含む化学物質を包含する。例えば、ポリペプチドが、類似の機能的活性を有する類似に荷電した化学部分を含む場合、模倣物は、類似の荷電した化学部分を類似の空間的配向および制限された構造に配置し、その結果、荷電した部分の化学的機能は維持される。例示的な模倣物は、ペプチド模倣物、ペプトイド、または他のペプチド様ポリマー(例えば、ポリ−β−アミノ酸)およびまたペプチドを模倣する官能基が配置された非ポリマー性化合物である。
本発明はまた、約611アミノ酸残基のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチド(これは、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する第一のアミノ酸配列、またはその機能的フラグメント、および非ヒトマンノシルトランスフェラーゼに対応する第二のアミノ酸配列を有する)を包含する、キメラポリペプチドを提供する。本発明のキメラタンパク質の第二のアミノ酸配列は、非ヒトマンノシルトランスフェラーゼに対応し、そして例えば、このような非ヒトマンノシルトランスフェラーゼのアミノ末端領域またはカルボキシル末端領域を含み得る。第二のアミノ酸配列は、例えば、酵母マンノシルトランスフェラーゼ、または哺乳動物マンノシルトランスフェラーゼ(例えば、マウスマンノシルトランスフェラーゼ、霊長類(サルおよびヒヒが挙げられる)マンノシルトランスフェラーゼ、ラットマンノシルトランスフェラーゼ、ウサギマンノシルトランスフェラーゼ、ウシマンノシルトランスフェラーゼ、ブタマンノシルトランスフェラーゼ、ヒツジマンノシルトランスフェラーゼ、イヌマンノシルトランスフェラーゼ、ネコマンノシルトランスフェラーゼ、または他の哺乳動物のマンノシルトランスフェラーゼ)に対応し得る。
マンノシルトランスフェラーゼに対応する第一のアミノ酸配列の機能的フラグメントは、基質結合ドメインを含み得、そして配列番号2に示されるものと実質的に同一のアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有し得る。
本発明のキメラタンパク質は、例えば、配列番号2に示されるものと実質的に同一のアミノ酸配列を有するマンノシルトランスフェラーゼの機能的フラグメント(例えば、非ヒトマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに融合した基質結合ドメイン)を組換え発現させることによって、生成され得る。あるいは、配列番号2に示されるものと実質的に同一のアミノ酸配列を有するマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、別のポリペプチドとの融合物として、発現され得る。
本発明のキメラポリペプチドまたはその機能的フラグメントはまた、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、抗体、またはマンノシルトランスフェラーゼ由来ではなく、そしてキメラの同定を容易にする他のタンパク質もしくはその機能的フラグメントを含み得る。本発明のキメラポリペプチドまたはその機能的フラグメントに含まれるなおさらなるアミノ酸配列はまた、例えば、LexA DNA結合ドメイン、リシン、α−サルシン、抗体、または治療特性もしくは他の生物学的活性を有する他のタンパク質を含む、キメラタンパク質が提供される。
本発明のキメラポリペプチドは、少なくとも2つの異なるタンパク質(ヒトマンノシルトランスフェラーゼおよび非ヒトマンノシルトランスフェラーゼ)由来の配列を含むので、キメラタンパク質の得られるアミノ酸配列は、代表的に、天然には存在しない配列である。従って、本発明のこの実施形態に従って、配列番号2に示されるものと同一のアミノ酸配列を実質的に有するマンノシルトランスフェラーゼまたはその機能的フラグメントに対応する、第一のアミノ酸配列、および非ヒトマンノシルトランスフェラーゼに対応する第二のアミノ酸配列を含む。
本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの機能的フラグメントのアミノ酸長は、約5アミノ酸〜本発明のヒトマンノシルポリペプチドの全長タンパク質配列までの範囲であり得る。特定の実施形態において、アミノ酸長としては、例えば、少なくとも約10アミノ酸、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約75、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、またはそれより多くのアミノ酸長であって、全長マンノシルトランスフェラーゼポリペプチド配列までが挙げられる。機能的フラグメントは、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの連続したアミノ酸配列であり得、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの基質結合ドメインに対応する連続したアミノ酸配列を含む。
本発明は、単離されたヒトマンノシルポリペプチドおよびその機能的フラグメントを提供する。ヒトマンノシルポリペプチドは、当該分野において周知の種々の方法によって単離され得、この方法は例えば、本明細書中に記載される組換え発現系、沈澱、ゲル濾過、イオン交換、逆相クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィーなどである。他の周知の方法は、Deutscherら、Guide to Protein Purification:Methods in Enzymology 第182巻(Academic Press(1990))に記載されている。あるいは、本発明の単離されたポリペプチドは、周知の組換え方法を使用して得られ得る(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Press,Plainview,New York(1989);およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York(2000)を参照のこと)。本発明のポリペプチドの生化学的精製のための方法および条件は、当業者によって選択され得、そして精製は、例えば、免疫学的アッセイまたは機能的アッセイによってモニタリングされ得る。
本発明のポリペプチドを調製するための手段の例は、マンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸を、適切な宿主細胞(例えば、細菌細胞、酵母細胞、両性生物細胞(例えば、卵母細胞)、または哺乳動物細胞)において、当該分野において周知の方法を使用して発現させること、およびこの発現されたポリペプチドを、再度、本明細書中に記載されるような周知の精製方法を使用して、回収することである。コンピュータ支援遺伝子合成を使用して、マンノシルトランスフェラーゼに対応する核酸(例えば、マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子全体)を、宿主ベクターにおいて構築し得、そして一旦構築されると、このマンノシルトランスフェラーゼ核酸は、適切な宿主において発現され得る。完全なキメラ合成および遺伝子の構築のための方法は、当該分野において公知であり、そして例えば、WO9914318A1に記載されている。本発明のポリペプチドは、本明細書中に記載されるように発現ベクターで形質転換された細胞から、直接単離され得る。本発明による、組換え発現されたポリペプチドはまた、適切なアフィニティータグ(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)またはポリHis)との融合タンパク質として発現され得、そしてアフィニティー精製され得る。本発明のポリペプチド、その生物学的に機能的なフラグメント、およびその機能的等価物はまた、化学合成によって生成され得る。例えば、合成ポリペプチドは、Applied Biosystems,Inc.Model 430Aまたは431A自動ペプチド合成機(Foster City,CA)を使用して、製造業者によって提供される化学を用いて生成され得る。
本発明は、さらに、配列番号1に示されるものと同じヌクレオチド配列を実質的に含む単離された核酸、またはそのフラグメントを提供する。配列番号1に示されるものと同じヌクレオチド配列を実質的に含む単離された核酸は、配列番号2に示されるものと同じアミノ酸配列を実質的に有するマンノシルトランスフェラーゼをコードする。従って、本発明はまた、配列番号2に示されるものと同じアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを実質的にコードする、配列番号1に示されるものと同じヌクレオチド配列を実質的に含む単離された核酸、またはそのフラグメントを提供する。
本発明はまた、配列番号1に示されるものと実質的に同一のヌクレオチド配列を含み、そしてさらなる5’核酸をさらに含む、核酸またはそのフラグメントを提供する。配列番号1に示されるものと実質的に同一のヌクレオチド配列を含み、そしてさらなる3’核酸領域をさらに含む、核酸、またはそのフラグメントもまた、提供される。
本明細書中に記載される核酸分子は、このような核酸が当業者に公知の種々のタンパク質発現系に組み込まれる場合、本発明のポリペプチドを生成するために有用である。さらに、このような核酸分子またはそのフラグメントは、容易に検出可能な置換基で標識され得、そして本明細書中で記載されるように、所定のサンプル中でのマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子またはmRNA転写物の存在および/または量についてのアッセイのための、ハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。本明細書中に記載される核酸、およびそのフラグメントはまた、本明細書中に記載される本発明のポリペプチドをコードする遺伝子を増幅させるためのPCR反応における、プライマーおよびテンプレートとして有用である。
本明細書および特許請求における、用語「単離された」の、DNA、RNA、ポリペプチドまたはタンパク質の修飾語句としての使用は、そのように指定されるDNA、RNA、ポリペプチドまたはタンパク質が、人の手によってそのような形態で産生され、従って、それらのネイティブなインビボでの細胞環境から分離されていることを意味する。例えば、単離された核酸分子は、外因性核酸配列に作動可能に結合した分子であり得る。単離された核酸分子はまた、その正常な隣接核酸配列のいくらかまたは全てから除去された分子であり得る。本発明の単離された核酸分子は、あるいは、またはさらに、その分子が、それが天然に会合する細胞成分を、少なくとも60%、70%、80%、90%または95%、含まない点で、実質的に純粋な分子であり得る。単離された核酸分子は、任意の形態であり得、例えば、緩衝化された溶液、懸濁物、凍結乾燥された粉末、固体支持体に付着されたもの(例えば、DNAアレイの成分)、または細胞中であり得る。
本発明の単離された核酸は、天然のポリヌクレオチドまたは合成起源であり得、これは、一本鎖または二本鎖であり得、ゲノムDNA、cDNA、またはRNAに対応し得、そしてセンス鎖もしくはアンチセンス鎖のいずれか、または両方を表し得る。本発明の単離された核酸は、1つ以上の非天然ヌクレオチド(例えば、塩基、糖、またはリン酸部分への修飾を有するヌクレオチド)、を含み得、あるいは1つ以上の非天然結合(例えば、ホスホチオエート結合)を有し得る。このような改変は、ハイブリダイゼーション適用において使用される場合に特に、核酸分子の安定性を増加させる際に有利であり得る。
さらに、本発明の単離された核酸分子は、検出可能な部分(例えば、放射性標識、蛍光色素、強磁性物質、発光タグ、または検出可能な結合剤(例えば、ビオチン))を含むように改変され得る。このような部分を含む本発明の核酸は、マンノシルトランスフェラーゼ核酸分子の存在または発現を検出するためのプローブとして有用である。
本明細書中において使用される場合、用語「実質的に同一の」とは、本発明の核酸に関して使用される場合、その核酸分子が、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、参照核酸分子に選択的にハイブリダイズする能力を維持する限り、参照配列に対して1つ以上の付加、欠失または置換を有する配列をいう。
中程度にストリンジェントな溶液ハイブリダイゼーション条件とは、約50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2%SDS中42℃でのハイブリダイゼーション、引き続いて0.2×SSPE、0.2%SDS中50℃での洗浄に等価な条件である。対照的に、溶液ハイブリダイゼーションについての高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件とは、例えば、50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2%SDS中42℃でのハイブリダイゼーション、引き続いて0.1×SSPEおよび0.1%SDS中65℃での洗浄によって提供され得る。他の適切な中程度のストリンジェンシーおよび高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション緩衝液および条件は、当業者に周知であり、そして例えば、Sambrookら、前出、1989;Ausubelら、前出、2000に記載されている。
本明細書中で用いられる場合、本発明の実質的に純粋な核酸分子を参照して用いられる場合の用語「フラグメント」は、この参照核酸分子と選択的にハイブリダイズする能力を有する、核酸分子の一部分を言及することが意図される。用語「選択的にハイブリダイズする」とは、この参照核酸分子ではない分子との実質的な交叉反応性を有さずにこの参照核酸分子に結合する能力をいう。それゆえ、この用語は、無関係の核酸分子との検出可能な交差反応性がほとんど無いかまたは全く無い、特異的ハイブリダイゼーションを包含する。この用語はまた、この参照核酸分子に対するハイブリダイゼーションが、交叉反応種に対するハイブリダイゼーションと区別され得る場合は、無関係な核酸分子とのマイナーな交叉反応性または交叉ハイブリダイゼーションを包含する。従って、本発明の核酸分子のフラグメントは、例えば、以下として用いられ得る:本発明の核酸分子を選択的に増幅するためのPCRプライマー;本発明の核酸分子のさらなる5’配列または3’配列を決定するための5’RACEまたは3’RACEのための選択的プライマー;RNAブロットもしくはDNAブロット、またはゲノムDNAライブラリーもしくはcDNAライブラリーにおける本発明の核酸分子を同定または単離するための選択的プローブ。マンノシルトランスフェラーゼ核酸のフラグメントはまた、マンノシルトランスフェラーゼの基質結合ドメインをコードし得る。
選択的にハイブリダイズする能力を有するフラグメントは、この参照核酸のうちの約8、9、10、11または12個のヌクレオチドを含み得る。フラグメントはまた、この参照核酸に対して選択的にハイブリダイズする能力を維持する限り、この参照核酸またはその相補体に対応する、より多数のヌクレオチド(例えば、約13、14または15個のヌクレオチド、ならびに少なくとも16、17、18、19または20個のヌクレオチドを含む)を含み得る。さらに、フラグメントは、より長いもの(少なくとも約25、30、40、50、100、300または500個以上のヌクレオチドを含む)であり得、そして参照核酸分子の全長よりも1ヌクレオチド短い長さまでを含み得る。このような長さのフラグメントは、本明細書中に記載され、当業者に公知の種々の検出形式において、この参照核酸分子と選択的にハイブリダイズし得る。本発明の核酸のフラグメントは、例えば、配列番号1と実質的に同じヌクレオチド配列を有する約15ヌクレオチドの領域を包含し得る。
本発明はまた、配列番号1に示されるのと実質的に同じヌクレオチド配列を有し、単一ヌクレオチド多型をさらに含む、各々がマンノシルトランスフェラーゼをコードする単離された核酸、またはそのフラグメントを提供する。単一ヌクレオチド多型(SNP)は、ゲノム配列中の単一ヌクレオチドが変化した場合に生じる、DNA配列のバリエーションである。配列番号16〜配列番号117として示される、単一ヌクレオチド多型を含む本発明の核酸は、以下に記載されるスクリーニング方法および診断方法において有用である。
Figure 2005508618
Figure 2005508618
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本発明はさらに、配列番号3として示されたのと実質的に同じヌクレオチド配列を含む単離された核酸、またはそのフラグメントを提供する。本発明はまた、配列番号5として示されたのと実質的に同じヌクレオチド配列を含む単離された核酸、またはそのフラグメントを提供する。本明細書中に記載されるように、配列番号2と命名された、本発明の単離されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、双極性障害と同時分離する、第11染色体に位置し染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)において破壊されている遺伝子によってコードされる。配列番号3に示したのと実質的に同じヌクレオチド配列を含む核酸またはそのフラグメントは、t(9,11)(p24;q23.1)転座の結果として、転座して第11染色体に挿入された、ヒトの第9染色体由来の核酸領域を包含する。配列番号5に示されるのと実質的に同じヌクレオチド配列を含む核酸、またはそのフラグメントはまた、t(9,11)(p24;q23.1)転座の結果として、転座して第11染色体に挿入された、ヒト第9染色体由来の核酸領域を包含する。t(9,11)(p24;q23.1)転座の結果である、配列番号3および配列番号5と命名された遺伝子融合体は、第9染色体に対応する5’領域および第11染色体に対応する3’領域を有し、そしてそれぞれ、配列番号4および配列番号6と命名されるマンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドをコードする。配列番号3および配列番号5と命名されたこの融合転写産物のフラグメントは、ヒト第9染色体由来の核酸領域、ヒト第11染色体由来の核酸領域を含み得るか、またはヒト第9染色体由来の5’核酸領域およびヒト第11染色体由来の3’核酸領域を含み得る。ヒト第9染色体由来の5’核酸領域およびヒト第11染色体由来の3’核酸領域を含む、配列番号3および配列番号5と実質的に同じヌクレオチド配列を含む、単離された核酸のフラグメントは、本明細書中に記載される診断方法においてプローブとして有用である。
本発明は、配列番号4および配列番号6と命名され、そしてそれぞれ、配列番号3および配列番号5の融合核酸に対応する、代替的マンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドを提供する。切断点の正確な位置および得られる融合タンパク質は、変動し得、融合部位および/または両方の末端にて1または数個のアミノ酸が異なる代替的融合体をもたらす。例示的な代替的形態を図3および図6に示す。代替的融合体が生じる場合でさえ、当業者は、第9染色体または第11染色体の適切な領域由来の配列を容易に選択して、転座を検出し得る。これに関して、当業者は、正確な切断点および融合点が変動し得、そして慣用法(例えば、配列決定およびポリメラーゼ連鎖反応が挙げられる)によって正確な切断点および融合点が容易にさらに確認され得ることを認識する。
本発明によってまた提供されるのは、t(9,11)(p24;q23.1)転座の結果として、転座して第9染色体に挿入された、ヒト第11染色体由来の核酸領域を含む、配列番号7に示されるのと実質的に同じヌクレオチド配列を含む核酸またはそのフラグメントである。第9染色体遺伝子融合体(本明細書中では、11/9遺伝子融合体とも呼ばれ、配列番号7と命名され、これもまたt(9,11)(p24;q23.1)転座の結果である)は、第11染色体に対応する5’領域および第9染色体に対応する3’領域を有し、そして配列番号8と命名される第9染色体融合ポリペプチドをコードする。それゆえ、配列番号7と命名される融合転写産物のフラグメントは、ヒト第9染色体由来の核酸領域、ヒト第11染色体由来の核酸領域を含み得るか、またはヒト第11染色体由来の5’核酸領域およびヒト第9染色体由来の3’核酸領域を含み得る。ヒト第11染色体由来の5’核酸領域およびヒト第9染色体由来の3’核酸領域を含む、配列番号7と実質的に同じヌクレオチド配列を含む、単離された核酸のフラグメントは、本明細書中に記載される診断方法においてプローブとして有用である。図5は、第9染色体遺伝子融合体、すなわち、11/9融合体、および対応するアミノ酸産物を示す。
本発明の核酸および核酸フラグメントは、本願の出願日以後に公に入手可能な既知のデータベース配列を独立して排除し得る。特に、本発明の核酸またはそのフラグメントは、以下のGenbank登録番号AK0254098およびAL136927、ならびにGenBank登録番号に対応する以下の特定のESTの下で入手可能な配列を独立して排除し得る:
Figure 2005508618
配列番号3および配列番号5と命名される核酸配列またはそれらのフラグメントは、以下のGenBank登録番号に対応する特定のESTを独立してさらに排除し得る:
Figure 2005508618
本発明の核酸またはそのフラグメントはまた、参照配列に対する1つまたは数個のヌクレオチドの付加、欠失または置換を含み得る。核酸の改変は、遺伝コードの縮重に起因してコードされたアミノ酸配列を変更しない置換を含み得る。このような改変は、故意に作成されるバリエーションに対応し得るか、またはこれは核酸複製の間の変異として生じる。
記載されたマンノシルトランスフェラーゼ配列の例示的な改変は、他の種(哺乳動物種(例えば、マウス、霊長類(サルおよびヒヒを含む)、ラット、ウサギ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコまたは他の動物種)を含む)のホモログに対応する配列を含む。非ヒト種の対応するマンノシルトランスフェラーゼ配列は、当該分野で公知の方法によって(例えば、PCRによって、またはゲノムライブラリー、cDNAライブラリーもしくは発現ライブラリーをスクリーニングすることによって)決定され得る。
本発明の単離された核酸の別の例示的な改変は、マンノシルトランスフェラーゼヌクレオチド配列のスプライス改変体形態に対応し得る。さらに、ヌクレオチド配列の改変は、1つ以上の非ネイティブのヌクレオチド(例えば、塩基部分、糖部分もしくはリン酸部分に対する改変を有するか、または改変されたホスホジエステル結合を有する)を含み得る。このような改変は、核酸分子の安定性を増大する際に有利であり得る。
本発明の単離されたマンノシルトランスフェラーゼ核酸(これは、本発明の融合核酸を含む)は、当該分野で公知の方法によって調製され得る。単離されたマンノシルトランスフェラーゼ核酸を調製するための例示的な方法は、当該分野で公知でありかつWO9914318A1に記載される核酸のコンピューター指示型合成を含む。
あるいは、マンノシルトランスフェラーゼ核酸は、マンノシルトランスフェラーゼ特異的プライマーを使用する核酸分子の増幅、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって調製され得る。PCRを使用して、任意の所望の境界を有するマンノシルトランスフェラーゼ核酸は、わずか数個のDNA分子またはRNA分子から(例えば、単一の細胞から)出発して指数関数的に増幅され得る。縮重プライマーを使用する他の種における所定の核酸分子のホモログを単離する方法を含むPCR方法は、当該分野で周知である。
あるいは、単離されたマンノシルトランスフェラーゼ核酸は、ライブラリー(例えば、ゲノムライブラリー、cDNAライブラリーまたは発現ライブラリー)を、検出可能なマンノシルトランスフェラーゼ核酸プローブを用いてかまたは抗体を用いてスクリーニングすることによって、調製され得る。ヒトライブラリーおよび多種多様な哺乳動物種由来のライブラリーは、市販されているか、または目的の種もしくは細胞から生成され得る。マンノシルトランスフェラーゼ核酸を含むと同定されたライブラリークローンが、慣用的な方法によって、単離され得るか、サブクローニングされ得るか、または配列決定され得る。
さらに、単離されたマンノシルトランスフェラーゼ核酸は、直接合成方法によって調製され得る。例えば、一本鎖核酸分子は、当該分野で公知の自動化合成方法によって、1つの部分でまたは数個の部分で化学的に合成され得る。相補鎖もまた同様に、1つ以上の部分で合成され得、そして二本鎖分子は、この相補鎖をアニーリングすることによって作製され得る。直接合成は、比較的短い分子(例えば、プローブおよびプライマー)を生成するため、また改変されたヌクレオチドまたは連結を含む核酸分子を生成するために特に有利である。
本明細書中で使用される場合、用語「発現レベル」は、マンノシルトランスフェラーゼに対する言及で使用される場合、配列番号1として示されるヌクレオチド配列、または配列番号2として示されるマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの合成の程度、量または速度をいうことが意図される。この合成の量または速度は、マンノシルトランスフェラーゼRNA、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの蓄積または合成を測定することによって、またはマンノシルトランスフェラーゼポリペプチド活性を測定することによって、決定され得る。本明細書中で使用される場合、用語「活性レベル」は、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに対する言及で使用される場合、マンノシルトランスフェラーゼにより触媒されるグリコシル化反応に関する触媒活性をいうことが意図される。活性は、例えば、モノサッカリド基質の変換または転換の速度によって、生成物のオリゴサッカリドの形成の速度によって、またはこのグリコシル化反応の中間体の形成もしくは蓄積によって、測定され得る。
本発明はさらに、個体から得られたサンプルを、変化されたマンノシルトランスフェラーゼ配列に対して選択的なプローブと接触させ、そのサンプル中の分析物へのこのプローブの結合を検出することによって、双極性障害の感受性を診断または予測する方法を提供し、ここで、このプローブの特異的結合は、変化されたマンノシルトランスフェラーゼの存在および双極性障害の発症または感受性を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「双極性障害」とは、過剰に興奮した状態(躁病)〜著しい絶望状態(鬱病)(通常、その間に正常な気分の期間がある)の再発性気分エピソードにより特徴付けられる状態(躁鬱病としても公知)である。双極性障害に関連する気分エピソードのタイプ、重篤度および持続時間は、変化し得る。ある個体は、躁病または鬱病のいずれかの優勢性を有し得、ある罹患者は、同じ回数の躁病および鬱病を経験し得ることが理解される。気分エピソードは、数日〜数ヶ月程度の間続き得る。双極性障害は、双極性障害I、双極性障害II、軽躁病、混合型エピソード、循環気質(cycylothymia)および気分変調を含む。双極性家族歴を有する再発性単極性鬱病、双極性障害IIIとして公知の状態および注意欠陥過活動性障害(ADHD)もまた、双極性障害に含まれる。本明細書中の方法は、双極性障害のいずれかの段階または全ての段階の診断または処置に適用可能である。
本発明の方法はまた、双極性障害以外の精神医学的障害(例えば、単極性障害を含む)に適用可能である。単極性状態(大鬱障害)は、米国においておよび世界的に障害の主な原因であり、米国のみで一千九百万人の成人が罹患している。当業者に公知の他の情動障害(二次的情動障害を含む)もまた同様に存在し、そして本発明の方法を使用する診断または処置に同様に適用可能である。種々の精神医学的障害が、例えば以下に見出され得る:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM IV−R),(改訂版、第4版、American Psychiatric Association,1992)およびDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Text Revision(Text Revision,American Psychiatric Association、2000)。従って、本発明の方法は、双極性障害および他の精神医学的障害に適用可能である。
本明細書中で使用される場合、用語「サンプル」は、任意の生物学的流体、細胞、組織、器官またはそれらの部分を意味し、そして本発明の核酸およびポリペプチドを含むか、またはこれらを潜在的に含むことが意図される。この用語は、個体中に存在するサンプル、ならびに個体から得られたかまたは個体由来であるサンプルを含む。例えば、サンプルは、生検によって得られた検体の組織学的切片であり得るか、または組織培養物中にあるかもしくは組織培養のために適合された細胞であり得る。サンプルは、細胞成分画分もしくは抽出物、または粗製であるかもしくは実質的に純粋な、核酸調製物もしくはタンパク質調製物であり得る。マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、小胞体(ER)の膜に包埋されているので、このポリペプチドの検出のためのサンプルは、ERの膜を含むために接近可能になる形式(例えば、膜を含む細胞画分または細胞溶解物)であり得る。サンプルは、検出方法の特定の形式に適切な、当該分野で公知の方法によって調製され得る。
本明細書中で使用する場合、用語「プローブ」は、標的分子に選択的に結合する能力を有する、核酸またはポリペプチドの一部またはフラグメントをいう。
変更されたマンノシルトランスフェラーゼに選択的なプローブは、配列番号1、配列番号3、配列番号5および配列番号7、または配列番号1、配列番号3、配列番号5および配列番号7のフラグメントのヌクレオチド配列と同じヌクレオチド配列を、実質的に有し得る。配列番号3に示されるヌクレオチド配列と同じヌクレオチド配列を実質的に有する核酸プローブのフラグメントは、ヒト第9染色体由来の5’核酸領域およびヒト第11染色体由来の3’核酸領域を有し得る。同様に、配列番号5に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列を有する核酸プローブのフラグメントもまた、ヒト第9染色体由来の5’核酸領域およびヒト第11染色体由来の3’核酸領域を有し得る。配列番号7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列を有する核酸プローブのフラグメントは、ヒト第11染色体由来の5’核酸領域およびヒト第9染色体由来の3’核酸領域を有し得る。配列番号1、3、5または7の配列を実質的に有する核酸プローブのフラグメントはまた、約15〜18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり得る。本発明の核酸プローブは、当該分野で周知の方法を使用して、組換え生成されるか、または合成され得る。さらに、マンノシルトランスフェラーゼハイブリダイゼーションプローブは、種々の検出可能な標識(例えば、放射性同位体、蛍光タグ、レポーター酵素、ビオチンおよび他のリガンドを含む)で標識され得る。このような検出可能な標識は、例えば、分光光度検出のための比色指示物質に、さらに連結され得る。このようなプローブを標識および検出するための方法は、当該分野で周知であり、そして例えば、Sambrookら、前出、1989;Ausubelら、前出、2000に記載されて見出される。
正常細胞および双極性障害を有する疑いのある個体から得た細胞におけるマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを、変更されたマンノシルトランスフェラーゼ核酸に選択的なプローブを使用して、測定し得る。例えば、変更されたマンノシルトランスフェラーゼ配列に選択的なプローブは、相補的核酸(例えば、配列番号1、3、5、7に示されるヌクレオチド配列またはそれらのフラグメントを実質的に有するハイブリダイゼーションプローブ)またはマンノシルトランスフェラーゼ核酸に選択的にハイブリダイズする非触媒的リボザイムであり得る。ハイブリダイゼーションプローブまたはリボザイムは、検出可能な部分(例えば、放射性同位体、蛍光色素、化学発光マーカー、ビオチンまたは分析方法によって検出可能な、当該分野で公知の他の検出可能な部分)で標識され得る。PCRまたはRT−PCRのプライマーもまた、マンノシルトランスフェラーゼ核酸を検出するために使用され得る。例えば、PCRまたはRT−PCRのプライマーは、核酸分子の全てまたは所望の部分を選択的に増幅するために使用され得、これらは次いで、当該分野で公知の方法によって検出され得る。さらに、結合因子(例えば、ペプチド、核酸アナログまたは有機低分子)は、マンノシルトランスフェラーゼ核酸を検出するために使用され得る。選択的ハイブリダイゼーションとは、マンノシルトランスフェラーゼ核酸に対する、プローブまたは結合因子のハイブリダイゼーションをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「結合因子」は、本発明のポリペプチドまたはそのフラグメントに選択的に結合する、化合物、高分子(ポリペプチド、DNA、RNAおよび炭水化物を含む)を意味することが意図される。例えば、結合因子は、他の無関係のポリペプチドに対する実質的な交差反応性を有さずに、高い親和性または結合活性で、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するマンノシルトランスフェラーゼに選択的に結合するポリペプチドであり得る。配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するマンノシルトランスフェラーゼに選択的に結合する結合因子の親和性は、一般に、約10−5Mより高く、そしてより好ましくは約10−6Mより高い。高親和性結合相互作用は、一般に、約10−8M〜10−9Mより高い。結合因子は、さらに、他の無関係のポリペプチドに対する実質的な交差反応性を有さずに、高い親和性または結合活性で、配列番号4、6または8に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドに選択的に結合するポリペプチドであり得る。このような選択的結合因子の特定の例としては、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するマンノシルトランスフェラーゼに特異的なポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体、またはそれらの機能的フラグメント、あるいは、例えばマンノーストランスフェラーゼポリペプチドまたはフラグメントを用いてライブラリーを親和性スクリーニングすることによって同定された、ポリペプチド、核酸、核酸アナログまたは有機低分子、が挙げられる。このような選択的結合因子のさらに特定の例としては、配列番号4、6もしくは8に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有する本発明の融合ポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体、またはそれらの機能的フラグメントが挙げられる。特定の適用について、本発明のポリペプチドの特定のコンフォメーションまたは翻訳後修飾状態を優先的に認識する結合因子が使用され得る。この結合因子は、検出可能な部分で標識され得るか、または所望の場合、検出可能な二次結合因子に特異的に結合することによって検出可能にされ得る。
変更されたマンノシルトランスフェラーゼ配列に選択的なプローブは、配列番号3および5に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはそのフラグメントに対する特異的結合活性を有する、結合因子であり得る。配列番号3および5に示されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドは、ヒト第9染色体由来の5’核酸領域およびヒト第11染色体由来の3’核酸領域を含む融合転写物によってコードされる融合タンパク質である。変更されたマンノシルトランスフェラーゼ配列に選択的なプローブはまた、配列番号7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはそのフラグメントに対する特異的結合活性を有する、結合因子であり得る。配列番号7として示され、そして図5中に示されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドは、ヒト第11染色体由来の5’核酸領域およびヒト第9染色体由来の3’核酸領域を含む融合転写物によってコードされる融合タンパク質である。本発明の融合タンパク質(配列番号4、6および8とそれぞれ称される)は、双極性障害と同時分離する染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)から生じる。配列番号3、5もしくは7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはそれらのフラグメントに対する特異的結合活性を有する結合因子である、変更されたマンノシルトランスフェラーゼ配列に選択的なプローブは、配列番号4、6もしくは8とそれぞれ称される融合ポリペプチドのいずれか上に存在するエピトープを認識する抗体であり得る。好ましくは、この抗体は、精製されてか、または均質な調製物として提供される。
本発明の抗体またはこのような抗体の抗原結合フラグメントは、標的分子またはそのフラグメントに対する、少なくとも約1×10−1の特異的結合活性を有することによって、特徴づけられる。従って、本発明の抗体のFab、F(ab)’、FdおよびFvフラグメント(これらは、標的分子に対する特異的結合活性を保持する)は、抗体の定義内に含まれる。標的分子に対する抗体の特異的結合活性は、例えば、標的分子に対する抗体の結合活性を、標的分子ではないコントロール分子に対する抗体の結合活性と比較することによって、当業者によって容易に決定され得る。ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を調製する方法は、当業者に周知である(例えば、HarlowおよびLane、Using Antibodies:A Labpratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(1999)を参照のこと)。
さらに、本発明の抗体は、天然に存在する抗体または天然に存在しない抗体であり得、そして単鎖抗体、キメラ抗体、二重機能性抗体またはヒト化抗体、ならびにこれらの抗原結合フラグメントであり得る。このような天然に存在しない抗体は、固相ペプチド合成を使用して構築され得るか、組換え生成され得るか、あるいは、例えば、Husaら(Science 246:1275−1281(1989))に記載されるように、可変性重鎖および可変性軽鎖からなるコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって、獲得され得る。例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、CDR移植抗体、単鎖抗体または二重機能性抗体を作製するこれらおよび他の方法は、当業者に周知である(WinterおよびHarris、Immunol.Today 14:243−246(1993);Wardら、Nature 341:544−546(1989);HarlowおよびLane、前出、1999);Hilyardら、Protein Engineering:A practical approach(IRL Press 1992);Borrabeck、Antibody Engineering、第二版(Oxford University Press 1995))。それぞれ、配列番号3、5および7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列によってコードされる、図5に示されるマンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチド(配列番号4および6)、または第9染色体融合ポリペプチド(配列番号8)、あるいはそれらのフラグメント上に存在するエピトープを認識する抗体は、変更されたマンノシルトランスフェラーゼ配列についてのプローブとして有用である。
従って、本発明は、双極性障害の感受性を診断または予測する方法を提供し、この方法は、個体から得たサンプルを、変更されたマンノシルトランスフェラーゼ配列に選択的なプローブと接触させる工程、およびサンプル中の分析物に対するこのプローブの結合を検出する工程により、ここで、このプローブの特異的結合は、変更されたマンノシルトランスフェラーゼの存在、および双極性障害の発症または感受性を示す。
本発明はまた、双極性障害の感受性を診断または予測する方法を提供する。この方法は、個体から得られたサンプル中のマンノシルトランスフェラーゼのの発現レベルまたは活性レベルを測定する工程;および参照サンプル由来のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルに対して、マンノシルトランスフェラーゼの測定した発現レベルまたは活性レベルを比較する工程からなり、参照サンプルと比較して、測定した発現レベルまたは活性レベルの減少は、双極性障害の発症または感受性を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「発現レベル」は、配列番号1として示されるヌクレオチド配列、または配列番号2として示されるマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの合成の、程度、量または速度をいうことが意図される。合成の量または速度は、マンノシルトランスフェラーゼRNA、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの蓄積または合成を測定することによって、あるいはマンノシルトランスフェラーゼポリペプチド活性を測定することによって、決定され得る。
本発明は、マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子の破壊と双極性障害との間のポジティブな相関の知見に基づいて、双極性障害の感受性を診断または予測する方法を提供する。本明細書中で開示されるように、ヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子は、双極性障害と同時分離する染色体転座t(9,11)(p24;q23.1)において破壊されている。従って、マンノシルトランスフェラーゼの発現または活性における変化は、双極性障害と相関し得、そしてさらに、双極性障害に対する感受性を予測するために使用され得る。双極性障害への進行の1つの結果は、マンノシルトランスフェラーゼの発現または活性における減少である。双極性障害に罹患している個体中のマンノシルトランスフェラーゼ発現の減少は、例えば、非罹患個体から得た組織サンプル中に見出されるマンノシルトランスフェラーゼの量に対して、個体から得たサンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの量を比較することによって、測定され得る。マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルにおける統計的に有意な減少は、双極性障害を示す。
診断的指標として、マンノシルトランスフェラーゼの発現は、上記のように、双極性障害をポジティブに同定するために定性的に使用され得る。あるいは、マンノシルトランスフェラーゼの発現はまた、双極性障害の程度または感受性を決定するために、定量的に使用され得る。これに関して、マンノシルトランスフェラーゼ発現のレベルが低くなるほど、双極性障害はより重篤になる。例えば、正常サンプルと比較して25%以上の発現レベルの減少は、重篤型の双極性障害を示す。スペクトルに沿った、10%、20%、30%、40%または50%の発現の減少は、弱い〜重篤な双極性障害を示すことが予測される。マンノシルトランスフェラーゼの発現はまた、遺伝子ベースの双極性障害と、環境的もしくは非遺伝的な気分エピソードまたは障害との間を識別するために、定性的に使用され得る。相関する減少は、双極性障害を有するかまたは有する疑いのある個体からのマンノシルトランスフェラーゼの発現を、双極性障害に罹患していることが決定された個体のサンプルからの発現レベルと比較することによって、決定され得る。あるいは、相関する増大もまた、試験個体からのマンノシルトランスフェラーゼの発現を、双極性障害の他の公知の遺伝子マーカーの発現レベルと比較することによって、決定され得る。
マンノシルトランスフェラーゼ発現レベルの使用は、明確な病理学的指標がないか、または無症候性の個体においてかのいずれかである場合に、予測的指標として、初期診断を可能にする。これらの方法は、情動障害の家族性の病歴を有する任意の個体に適用可能である。本発明の診断方法はまた、明白な臨床的症状の発症前に、信頼性のある予後指標によって、双極性障害の危険性があると予測された個体に、適用可能である。正常な個体と比較して、双極性障害を有することが疑われるかまたは双極性障害に対する感受性がある個体におけるマンノシルトランスフェラーゼ発現レベルの減少が存在するか否かを決定するために、マンノシルトランスフェラーゼ発現レベルの決定を行うことだけが必要である。当業者は、精神医学および心理学の分野における慣用的な実験および実践を使用して、本発明の方法による診断のための適切な候補である個体を知る。
例えば、双極性障害を有することが疑われる個体は、過剰なハイ(躁病)から深い絶望(うつ病)まで振れる気分(通常、これらの間に、正常な気分の期間がある)を示すことによって、同定され得る。いくらかの個体は、躁病とうつ病の両方の混合症状を同時に示し得、一方で他の個体は、より中程度の躁病の症状を有し得る(軽躁病)。躁病の代表的な徴候は、当業者に周知であり、そして例えば、以下が挙げられる:増大したエネルギーおよび活動、落ち着きのなさ、急な思考および速い話し方、過剰な多幸感、極端な被刺激性および転導性、睡眠要求の減少、いつになく乏しい判断、浪費、ならびに危険な挙動。うつ病の代表的な徴候もまた、当業者に周知であり、そして例えば、以下が挙げられる:毎日の大部分におよぶ悲しい気持ちおよび不安、涙もろさまたは頻繁にすすり泣くかもしくは泣き叫ぶこと、以前に楽しんでいた活動における興味の喪失、ダイエットにも薬物副作用にも起因しない体重変化、睡眠過剰および不眠症の両方を含む睡眠パターンの有意な変化、精神運動の激越または遅滞、エネルギーの欠如、無価値または絶望の感覚、決断力のなさ、自殺または死を考えること、幻覚あるいは妄想。本発明の予後方法は、例えば、双極性障害の基礎の診断または決定を確認するために、双極性障害の診断後に、個体に適用可能である。
本発明の診断方法は、双極性障害を有するか、または双極性障害を有することが疑われる個体から、単離または獲得された、種々の異なる型のサンプルとの使用のために、適用可能である。例えば、本発明の1つ以上の診断形式における使用に適用可能なサンプルとしては、組織サンプルおよび細胞サンプルが挙げられる。組織サンプルまたは細胞サンプルは、例えば、生検または手術によって、獲得され得る。以下に記載されるように、そして本方法の形式に依存して、この組織は、全体で使用され得るか、あるいは、サンプルを、より小さい細片、細胞凝集物または個々の細胞に解離させるために、当該分野で公知の種々の方法に供され得る。さらに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅方法と組み合わされると、単細胞サンプルは、ハイブリダイゼーション検出方法を使用する、本発明の診断アッセイにおける使用のために、充分である。同様に、マンノシルトランスフェラーゼのポリペプチドレベルまたは活性レベルを測定する場合、酵素的連結または光度増強を用いたシグナルの増幅は、ほんの少しまたは少数の細胞を用いて、使用され得る。
生検または手術によって得られた全組織は、本発明の方法に適切な細胞サンプルの一例である。全組織細胞サンプルは、以下に記載される形式のいずれかを使用してアッセイされ得る。例えば、この組織サンプルは、標本にされ、そしてマンノシルトランスフェラーゼ核酸プローブを用いてインサイチュでハイブリダイズされ得る。タンパク質検出方法およびインサイチュ活性アッセイを使用する類似の組織学的形式もまた、全組織細胞サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドを検出するために使用され得る。タンパク質検出方法としては、例えば、マンノシルトランスフェラーゼ特異的抗体を用いた染色、およびサンプル中のグリコシル化活性の部位での、マンノシルトランスフェラーゼ触媒生成物の堆積を生じる活性アッセイが挙げられる。このような組織学的方法および当業者に周知の他の方法は、細胞サンプルの供給源として全組織を使用する本発明の診断方法における使用に適用可能である。サンプルを調製し、そして標本にする方法も同様に、当該分野で周知である。
上記のように、真核生物におけるN−結合グリコシル化は、小包体内で開始される。N−結合オリゴサッカリドは、配列Asn−X−Serまたは配列Asn−X−Thr中のアスパラギン(Asn)残基に対する−N−グリコシド結合によって、そのポリペプチド鎖に結合され、ここでXは、プロリンまたはアスパラギン酸を除く任意のアミノ酸残基である。N−結合オリゴサッカリドは、脂質結合オリゴサッカリド前駆体の合成および成長中のポリペプチド上のAsn残基のNH基へのこの前駆体の後の転移から生じ、これに引き続き、いくつかの前駆体の糖単位が除去され、残りのコアオリゴサッカリドに糖残基が付加される。ドリコールは、成長するオリゴサッカリドを小包体膜に固定するこのプロセスにおける、脂質成分である。ドリコールは、高い疎水性の脂質であり、その活性部位が管腔に向くように少胞体膜中に存在する。このオリゴサッカリドには、個々に、糖残基が付加される;このオリゴサッカリドは、ピロホスフェート基によってドリコールに結合され、そしてその後、膜結合グリコシルトランスフェラーゼ酵素によって、1単位として標的タンパク質に転移される。詳細には、始めに2つのGlcNAc残基および5つのMan残基(それぞれ、UDP−GlcNAc由来およびGDP−Man由来)を付加する。その後、7つの糖(詳細には、4つのMan残基および3つのGlc残基であり、それぞれ脂質中間体ドリコールである(Dol)−P−ManおよびDol−P−Glcにより供される)が付加される。各転移反応は、小包体内において、個々のグリコシルトランスフェラーゼにより媒介される(KornfeldおよびKornfeld,(前出),1985;TannerおよびLehle,(前出),1987;HerscovicsおよびOrlean,(前出),1993;Kukuruzinskaら,(前出),1987)。糖タンパク質プロセシングは、その後、ゴルジ体内で完成される。
9回膜貫通ドメインを有する本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、小胞体膜中に埋め込まれる。従って、個々の細胞の細胞小器官膜由来の、細胞小器官膜を含む細胞膜、細胞小器官溶解物およびミセル調製物を含む画分、ならびに双極性障害を有するか、または有する疑いのある個体由来の細胞由来の細胞凝集物はまた、増大されたマンノシルトランスフェラーゼのRNA、ポリペプチドまたは活性の発現を分析し得る細胞サンプルの例である。この細胞を培養物中で増殖させ、前述の手順を用いてインサイチュで分析し得る。しかし、一般に、マンノシルトランスフェラーゼのような細胞表面マーカーを発現している細胞サンプルは、マンノシルトランスフェラーゼに特異的な標識化結合因子を用いるか、または小包体マーカーに選択的な結合因子を用いて、蛍光活性化細胞選別または磁気活性化細胞選別(FACSまたはMACS)を用いて、迅速に試験され得、例えば、次いで、この集団中のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルが決定される。この発現レベルは、例えば、マンノシルトランスフェラーゼに特異的な結合因子によってまたはマンノシルトランスフェラーゼに特異的なプローブへのハイブリダイゼーションによって決定され得る。細胞小器官膜画分を含む細胞サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを測定するための他の方法が、当該分野に公知であり、同様に、本明細書中の任意の診断フォーマットにおいて適用可能である。
個体由来の組織サンプルまたは細胞サンプルは、細胞の溶解、および溶解物中でのマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルの測定により、マンノシルトランスフェラーゼの発現について分析され得る。この溶解物は、細胞小器官、そのような溶解物の分画化された一部または後述の任意の診断フォーマットを用いて精製したその成分を含む。例えば、ハイブリダイゼーションフォーマットを用いる場合、マンノシルトランスフェラーゼRNAは、PCR、または当該分野に周知の他の増幅手順(例えば、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを直接的に測定するためのRT−PCR、5’RACEまたは3’RACE)を用いて溶解物から直接的に増幅され得る。RNAはまた、例えば、溶液ハイブリダイゼーションによって直接的に、または固定化RNAへのハイブリダイゼーションによって間接的に、単離および試験され得る。同様に、ポリペプチド検出フォーマットまたはグリコシル化活性フォーマットを用いてマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを決定する場合、溶解物は、直接的にアッセイされ得るか、またはさらに分画化してマンノシルトランスフェラーゼおよびその対応する活性が濃縮され得る。細胞サンプルと使用について適用可能な多数の他の方法が、当業者に周知であり、従って、本発明の方法において使用可能である。
細胞組織または細胞サンプルは、個体から直接的に入手し得るか、あるいは、試験のために他の供給源から入手し得る。同様に、新たに単離するか、あるいは短期間または長期間の凍結保存後に、正確さまたは感度において実質的に損失なく試験することが可能である場合、この細胞サンプルを、試験し得る。不確定期間の後にサンプルを試験する場合、このサンプルを入手し、次いで凍結保存し得るか、または、例えば、4℃で短期間保存し得る。本発明の診断方法の利点は、サンプルの組織学的分析を必要としないことである。このように、このサンプルは、初めに脱凝集、溶解、分画化または精製され得、そしてその活性成分は、後の診断のために保存した。
双極性障害は、個体由来の細胞画分または細胞溶解物を含む細胞サンプル(但し、このサンプルは、細胞小器官膜を含む)内でのマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを測定することによって診断、予測または予知され得る。上記のように、発現レベルは、当該分野に公知の様々な方法によって測定され得る。例えば、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルは、個体由来のサンプル中のマンノシルトランスフェラーゼのRNAまたはポリペプチドの発現レベルを測定することにより決定され得る。あるいは、マンノシルトランスフェラーゼ発現レベルは、サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼ活性量を測定することにより決定され得、その活性量は、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを示す。マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルの低下が、低グリコシル化(hypoglycosylated)分泌タンパク質の存在を検出することにより決定され得る。特に、N結合グリコシル化における減少によって特徴付けられる低グリコシル化分泌タンパク質は、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルの減少の指標である。
本明細書中で提供される所定の教示および指針を考えると、RNA、ポリペプチドまたは活性の測定の選択は、使用者の選択の範囲内である。サンプルの型、入手可能性および量のような条件もまた、特定の診断フォーマットの選択に影響する。例えば、そのサンプルが細胞サンプルであり、かつ少量しか入手可能でない場合、例えば、PCR増幅によるマンノシルトランスフェラーゼRNAを測定する診断フォーマット、または例えば、細胞画分における抗体検出によりマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの量を測定する診断フォーマットは、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルを決定するための適切な選択であり得る。さらに、マンノシルトランスフェラーゼ核酸はまた、例えば、PCRまたはRT−PCRによって分析され得る。どのフォーマットが特定の用途に適合するか、そして当該分野で公知のどの方法または改変が特定の型のフォーマットと適合性であるかは、当業者に公知であるか、または決定され得る。
ハイブリダイゼーション法は、マンノシルトランスフェラーゼ発現レベルの指標として、マンノシルトランスフェラーゼRNAの量を測定するために適用可能である。相補的プローブとの特異的ハイブリダイゼーションまたは選択的ハイブリダイゼーションによって核酸を検出するための、当該分野に周知である多くの方法が存在する。そのような方法としては、溶液ハイブリダイゼーション手順および固相ハイブリダイゼーション手順の両方が挙げられ、ここで、プローブまたはサンプルが、固体支持体に固定化される。そのような方法についての記載は、例えば、Sambrookら,前出,およびAusubelら,前出,2000で見出され得る。そのような方法の特定の例としては、PCRおよび他の増幅方法(例えば、RT−PCR、5’RACEまたは3’RACE)、RNaseプロテクション、RNAブロット、ドットブロットまたは他の膜ベースの技術、ディップスティック、ピン、ELISAまたは固体支持体としてのチップ上に固定化された2次元アレイが挙げられる。これらの方法は、定性的測定または定量的測定のいずれかを用いて実施され得、これら方法の全ては、当業者に周知である。
PCRまたはRT−PCRは、単離RNAまたは粗細胞溶解物調製物を用いて使用され得る。前述のように、PCRは、開始物質がほとんどない場合に有利である。PCR法のさらなる記載が、例えば、Dieffenbach,C.W.,およびDveksler,G.S.,PCR Pirmer:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,Plainview,New York(1995)に見出され得る。複数サンプルフォーマット(例えば、ELISAまたは2次元アレイ)は、単一アッセイにて、多数の異なるサンプルの分析の利点を提示する。
ハイブリダイゼーションによるマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルの測定に有用な核酸プローブとしては、例えば、本明細書中に記載されるマンノシルトランスフェラーゼ核酸プローブが挙げられる。より具体的には、そのようなプローブとしては、例えば、マンノシルトランスフェラーゼ転写産物全体(配列番号1)に対応する核酸およびそのフラグメント(例えば、基質結合ドメイン)が挙げられる。マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルの検出に有用であるプローブは、同様に、配列番号1に示されるのと実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含み得る。例えば、マンノシルトランスフェラーゼヌクレアーゼ配列に対応する短いオリゴヌクレオチドを含む本発明の核酸プローブのより小さなフラグメントもまた、使用され得、そしてこれらのフラグメントは、マンノシルトランスフェラーゼRNAに、特異的または選択的にハイブリダイズし得る。
簡単にいうと、ハイブリダイゼーションによる検出のために、検出可能な標識を有するマンノシルトランスフェラーゼ核酸配列プローブを、マンノシルトランスフェラーゼRNAに対するプローブのアニーリングが可能である条件下で、双極性障害を有するか、または有する疑いのある個体由来の細胞サンプルに添加する。本明細書中で記載されるように、溶液ハイブリダイゼーション手順および固相ハイブリダイゼーション条件の両方について、選択的ハイブリダイゼーション条件は、当該分野に周知である。さらに、ハイブリダイゼーション条件の最適化は、所望される場合、そのサンプルのアリコートの、異なる温度、持続時間および異なる緩衝液条件でのハイブリダイゼーションによって実施され得る。そのような手順は、日常的でありかつ当業者に周知である。アニーリング後、そのサンプルを洗浄し、そのシグナルを測定し、そして適切なコントロール値または標準値と比較する。ハイブリダイゼーションシグナルの強度は、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルに正比例する。
比較のための適切なコントロールは、例えば、正常個体由来の細胞サンプルからのマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルであり得る。比較のためのこのコントロールサンプルは、1つ以上の試験サンプルと共に同時に測定され得るか、または、あるいは、発現レベルは、特定の型のサンプルについて確立され得、そして内性パラメータまたは外性パラメータ(例えば、タンパク質含量または核酸含量、細胞数または組織質量)に対して標準化され得る。次いで、このような標準化コントロールサンプルを、試験サンプルから得られた結果と直接的に比較され得る。マンノシルトランスフェラーゼ発現レベルの約20%以上の減少は、試験個体における双極性障害の存在またはそれに対する感受性を示す。
上記および下記の診断的手順が、他の診断方法(サンプルを同時または独立に裏付けするための他の公知の遺伝的マーカーを含む)と共に追加的に用いられ得る。上記のようなより特異的な診断情報を示すために、どのマーカーがマンノシルトランスフェラーゼと共に用いるのに適しているかは、当業者に公知である。
また、本発明によって診断システムが(一般にキット形態で)提供され、このシステムは、適切なパッケージ物質中に、1つの改変マンノシルトランスフェラーゼ配列に対して選択的な少なくとも1つのプローブを含む。適切な診断システムは、少なくとも1回のアッセイについて十分量で、別個にパッケージされた化学試薬として、少なくとも1つの本発明のマンノシルトランスフェラーゼ核酸、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチド、および/または抗マンノシルトランスフェラーゼ抗体、一般に2つ以上の本発明の核酸、ポリペプチドおよび/または抗体を含む。パッケージされた試薬の使用についての指示書がまた、代表的に含まれる。当業者は、本発明の核酸プローブおよび/またはプライマーを、本明細書中に記載されるように、本発明の方法の実施に適切な緩衝液および溶液と組合せて、キット形態に容易に組込み得る。例えば、このキットは、配列番号1、3、5または7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列を有する本発明の核酸プローブ、または配列番号3、5または7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはそのフラグメントに対して選択的な結合活性を有する結合剤を含み得る。配列番号3、5、または7に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドまたはそのフラグメントに対して選択的な結合活性を有する結合剤は、例えば、抗体であり得る。さらに、キットは、配列番号16〜117に示されるヌクレオチド配列またはそのフラグメントと実質的に同じヌクレオチド配列を有する本発明の核酸プローブ、または配列番号16〜117またはそのフラグメントの1つ以上に対して選択的な結合剤に選択的な結合活性を有する結合剤を含み得る。本発明の診断システムは、サンプル中の変化したマンノシルトランスフェラーゼの存在または非存在をアッセイするために有用である。さらに、本発明の診断システムは、細胞の単離および細胞溶解物の調製またはサンプルからの細胞の画分の調製のために有用な材料を含み得る。
本発明のキットの内容物は、パッケージング材料に含まれて、一般的に、滅菌の汚染物を含まない環境を提供する。さらに、パッケージング材料は、キット内の材料が、適切な場合、特定の細胞画分を単離するかまたは溶解物を調製するためにどのように使用され得るかを示す指示書を含む。使用のための指示書は、代表的には、試薬濃度または少なくとも1つのアッセイ方法のパラメーター(例えば、混合される試薬およびサンプルの相対量、試薬/サンプル混合のための維持時間、温度、緩衝液条件など)を記載する具体的な表示を含む。
従って、本発明は、前立腺の新生物形成状態を有する疑いのある個体における前立腺新生物形成状態を診断するかまたは前立腺新生物形成状態の感受性を予測する方法を提供し、ここで、マンノシルトランスフェラーゼ発現レベルが、マンノシルトランスフェラーゼ核酸の量を測定することによって決定される。マンノシルトランスフェラーゼ核酸の量は、配列番号1のヌクレオチド配列またはそのフラグメント(このフラグメントは、約15〜18ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドからなる)を実質的に有する核酸プローブとのハイブリダイゼーションによって決定され得る。
本発明は、さらに、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの発現を測定することによって、双極性障害を診断するかまたは双極性障害の感受性を予測する方法を提供する。この方法は、個体由来の細胞、細胞溶解物、またはそれらの画分サンプルを、マンノシルトランスフェラーゼについて選択的な結合剤と接触させる工程、およびこの薬剤の選択的結合の量を決定する工程からなる。画分サンプルは、脂質膜であり得、そして結合剤は、抗体または基質アナログインヒビターであり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「基質アナログインヒビター」とは、マンノシルトランスフェラーゼに関して使用される場合、マンノシルトランスフェラーゼの存在下で、天然に存在するモノサッカリド基質とほぼ同じ、マンノシルトランスフェラーゼとの結合活性を有するが、測定可能な産物に変換されない任意の薬剤を意味することが意図される。このようなインヒビターとしては、競合的インヒビター、非競合的インヒビターおよび共有結合インヒビターが挙げられ得る。基質アナログインヒビターは、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたはその機能的フラグメントの発現を検出するための結合剤として有用である。
親和性結合アッセイの基本的に全ての様式が、サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの量を決定する際の使用のために適用可能である。このような方法は、迅速で、効率的で、そして感受性である。さらに、親和性結合方法は、単純であり、種々の特定の必要性に適するように種々の臨床的設定および状態の下で実施されるように調節され得る。公知であり、本発明の方法において使用され得る親和性結合アッセイは、可溶相形式および固相形式の両方を含む。可溶相親和性結合アッセイの特定の例は、マンノシルトランスフェラーゼ選択的抗体または他の結合剤を使用する免疫沈降である。固相様式は、本発明の方法のために有利である。なぜなら、これらは、迅速であり、感受性も正確性も失うこと無しに、同時に複数の異なるサンプルでより容易に実施され得る。さらに、固相親和性結合アッセイは、さらに、高スループットスクリーニングおよび自動化に受容可能である。
固相親和性結合アッセイの具体的な例としては、免疫親和性結合アッセイ(例えば、ELISAおよび放射免疫アッセイ(RIA))が挙げられる。他の固相親和性結合アッセイは、当業者に公知であり、本発明の方法に適用可能である。親和性結合アッセイは、一般的に、目的の分析物またはリガンドに対して選択的である抗体結合分子とともに使用するために設定されるが、基本的に任意の結合剤が、選択的に結合する抗体を代替的に置換し得る。このような結合剤としては、例えば、ポリペプチド、ペプチド、核酸、脂質、および糖のような高分子、ならびに低分子化合物が挙げられる。マンノシルトランスフェラーゼについて選択的な他の結合剤としては、例えば、マンノシルトランスフェラーゼ基質アナログインヒビターが挙げられる。特定の分析物またはリガンドに選択的に結合するこのような分子を同定するための方法が当該分野において公知であり、これには、例えば、表面ディスプレイライブラリーおよびコンビナトリアルライブラリーが挙げられる。従って、親和性結合アッセイにおいて使用される抗体以外の分子について、結合剤が、マンノシルトランスフェラーゼに対して選択的結合活性を示すことだけが、必要である。
親和性結合様式の種々の様式が、同様に公知であり、これは、本発明の診断方法において使用され得る。例示の目的のために、このような親和性結合アッセイの特定の実施形態は、免疫親和性結合アッセイに関してさらに記載される。親和性結合アッセイ(例えば、免疫親和性結合アッセイ)の種々の様式としては、例えば、固相ELISAおよびRIA、ならびにそれらの改変形態が挙げられる。このような改変形態としては、例えば、捕捉アッセイおよびサンドウィッチアッセイ、ならびに競合アッセイ様式と組み合わせたいずれかの様式の使用が挙げられる。使用するための免疫親和性結合アッセイの様式または形式の選択は、使用者の意図に依存する。このような方法は、HarlowおよびLane、上記、1999のような一般的な実験室マニュアルに記載され、見出され得る。
先に記載されるハイブリダイゼーション方法とともに、親和性結合を使用する診断形式は、マンノシルトランスフェラーゼの量を分析されるサンプル中で定量するために、当該分野で公知の種々の検出標識およびシステムとともに使用され得る。検出システムは、直接的手段および間接的手段の両方による、結合したマンノシルトランスフェラーゼの検出を含む。直接的検出方法としては、マンノシルトランスフェラーゼ選択的な抗体または結合剤の標識が挙げられる。間接的検出システムとしては、例えば、標識された2次抗体および結合剤の使用が挙げられる。
二次抗体、標識および検出システムは、当該分野で周知であり、そして商業的に獲得され得るかまたは当該分野で周知の技術によって獲得され得る。マンノシルトランスフェラーゼ選択的結合剤とともに使用される、検出可能な標識およびシステムは、マンノシルトランスフェラーゼに対するこの薬剤の結合を害するべきではない。さらに、その結合したマンノシルトランスフェラーゼ選択的抗体を検出して、所望ならばその結合アッセイの感受性を増強させるために、複数の抗体および標識システムが使用される。
以前に記載されたハイブリダイゼーション形式を使用する場合、検出可能な標識は、本質的に、分析方法によって定量または測定され得る任意の標識であり得る。このような標識としては、例えば、酵素、放射性同位体、蛍光色素、ならびに化学発光化合物および生物発光化合物が挙げられる。酵素標識の特定の例としては、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼおよびルシフェラーゼが挙げられる。
西洋わさびペルオキシダーゼ検出システムは、例えば、色素形成基質であるテトラメチルベンジジン(TMB)とともに使用され得、これによって、過酸化水素の存在下で、450nmでの吸光度を測定することによって検出可能である可溶性生成物が得られる。アルカリホスファターゼ検出システムは、色素形成基質であるp−ニトロフェニルホスフェートとともに使用され得、これによって例えば、405nmでの吸光度を測定することによって容易に検出可能である可溶性生成物が得られる。同様に、β−ガラクトシダーゼ検出システムは、色素形成基質であるo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)とともに使用され得、これによって、410nmでの吸光度を測定することによって検出可能な可溶性生成物が得られるか、またはウレアーゼ検出システムは、尿素ブロモクレゾールパープルのような基質とともに使用され得る(Sigma Immunochemicals,St.Louis,MO)。ルシフェリンは、ATP依存性酸化後に光を発するルシフェラーゼのための基質化合物である。
蛍光色素検出標識は、光または別のエネルギー源による励起後に紫外線波長または可視波長の光の発光によって検出可能になる。DAPI、フルオロセイン、Hoechst 33258、R−フィコシアニン、B−フィコエリトリン、R−フィコエリトリン、ローダミン、テキサスレッド(Texas red)およびリサミンは、本発明の親和性結合形式で利用され得る蛍光色素検出標識の特定の例である。特に好ましい蛍光色素は、フルオレセインまたはローダミンである。
化学発光検出標識および生物発光検出標識は、マンノシルトランスフェラーゼの感受性非放射活性検出のために簡便であり、そしてAmersham Lifesciences,Inc.(Arlington Heights,IL)のような種々の供給源から商業的に入手され得る。
あるいは、放射性同位体は、本発明のマンノシルトランスフェラーゼ結合アッセイにおいて使用するための検出可能な標識として使用され得る。ヨウ素−125は、検出可能な標識のために有用な放射性同位体の特定の例である。
検出可能な標識からのシグナルは、例えば、分光光度計を使用して色素形成基質からの色を検出するか、蛍光光度計を使用して特定の波長の光の存在下での蛍光を検出するか、またはヨウ素−125の検出用のγ線計数器のような放射線計数器を使用して放射線を検出することによって、分析され得る。酵素連結二次抗体の検出のために、例えば、EMAX Microplate Reader(Molecular Devices,Menlo Park,CA)のような分光光度計を、製造業者の指示に従って使用して、結合剤の量の定量分析が行われ得る。所望ならば、本発明のアッセイは、自動化され得るかまたはロボットによって行われ得、そして複数サンプルからのシグナルが、同時に検出され得る。
本発明の診断形式は、米国特許第4,376,110号および同第4,778,751号に記載されるように、順方向、逆方向または同時であり得る。本明細書中で記載される種々のアッセイ形式についての分離工程(未結合の二次抗体の除去を含む)は、当該分野で公知の方法によって行われ得る(HarlowおよびLane、前出、1999)。例えば、適切な緩衝液での洗浄が、濾過、吸引、減圧または磁気分離、および遠心分離に続き得る。
双極性障害の感受性を診断または予測するために使用され得る別の診断形式は、サンプル中のマンノシル(mannsosyl)トランスフェラーゼ活性の活性度を測定することによる。ハイブリダイゼーションおよび親和性結合形式を用いる場合、活性化アッセイは、本質的に同一の方法および分析様式を使用して、同様に行われ得る。従って、溶液相様式および固相様式(複数サンプルのELISA、RIAおよび二次元アレイ手順を含む)は、マンノシルトランスフェラーゼの触媒活性を測定する際に使用するのに適用可能である。この活性は、例えば、マンノシルトランスフェラーゼ基質をサンプルとともにインキュベートすることによって、およびグリコシル化の量を決定することによって、測定され得る。そのグリコシル化生成物は、例えば、以前に記載された任意の検出可能な標識および検出システムを使用して、測定され得る。生成されたグリコシル化生成物の量は、サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼ活性と直接相関する。
サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの活性を決定するために適用可能な基質としては、例えば、グリコシルトランスフェラーゼ基質(例えば、脂質中間体ドリコール(Dol)−P−ManおよびGDP−連結マンノースが挙げられる。さらに、マンノシルトランスフェラーゼ基質アナログもまた、サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの活性量を決定するために使用され得る。このようなアナログはさらに、例えば、マンノシルトランスフェラーゼによるグリコシル化の際に、色素または蛍光色素を放出する能力を示し得る。他のグリコシル化基質および脂質中間体ドリコール(Dol)−P−ManおよびGDP−連結モノサッカリド(例えば、GDPマンノース)のアナログは、当業者に周知であり、そしてサンプル中のマンノシルトランスフェラーゼ活性を決定するための本発明の方法において同様に適用可能である。一旦、サンプルがマンノシルトランスフェラーゼ基質またはそのアナログと接触されると、そのマンノシルトランスフェラーゼの活性レベルは、当該分野で公知の種々の方法(基質転換、生成物形成または脂質連結オリゴサッカリドの中間体(例えば、脂質連結合ManGlcNAC)の存在を含む)によって測定され得る。
従って、本発明は、双極性障害の感受性を診断または予測する方法を提供する。この方法は、個体由来のサンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルを測定する工程、およびこの測定されたマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルを、参照サンプル由来のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルと比較する工程からなり、ここで、参照サンプルと比較して、測定された発現レベルまたは活性レベルの低下は、双極性障害の発症または感受性を示す。
本発明はまた、基質の生成物への転換を可能にする条件下で、配列番号2と同じ配列を実質的に有するマンノシルトランスフェラーゼ、またはその機能的フラグメント、および基質を含むサンプルを試験化合物と接触させ、そしてその基質転換の量を測定することによって、マンノシルトランスフェラーゼの活性を調節する化合物を同定する方法を提供し、この試験化合物の存在下での基質転換量の変化は、この化合物がマンノシルトランスフェラーゼ調節活性を有することを示す。
本明細書中で使用される場合、マンノシルトランスフェラーゼに関して使用されるような用語「調節活性」は、参照レベルのマンノシルトランスフェラーゼの量または活性と比較して、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの量または活性の変化が生じることを意味することが意図される。このような変化は、マンノシルトランスフェラーゼの量または活性の増加または減少を含む。マンノシルトランスフェラーゼの量または活性は、マンノシルトランスフェラーゼのレベルまたは活性を調節する細胞プロセスを促進または阻害することによって調節され得る。
マンノシルトランスフェラーゼ調節活性を有する化合物は、マンノシルトランスフェラーゼ核酸またはマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに特異的に結合し、かつその発現または活性を変化させる分子であり得る。マンノシルトランスフェラーゼ調節活性を有する化合物はまた、天然に存在する高分子(例えば、ペプチド、核酸、糖質、脂質、またはそれらのいずれかの組み合わせ)であり得る。マンノシルトランスフェラーゼ調節活性を有する化合物はまた、部分的にかまたは完全に合成された、誘導体、アナログまたはそのような高分子の模倣物、あるいはコンビナトリアル化学方法によって部分的にかまたは完全に調製された、有機低分子または無機低分子であり得る。
マンノシルトランスフェラーゼの量または活性は、例えば、その触媒活性を増加または減少させるマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの改変またはコンホメーション変化によって、直接的な様式で調節され得る。マンノシルトランスフェラーゼはまた、例えば、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチド発現の調節因子を刺激または阻害することによって、間接的に調節され得る。従って、用語、活性を調節するとは、直接的方法および間接的方法の両方によってマンノシルトランスフェラーゼの量または活性を変化させることを包含し、そしてマンノシルトランスフェラーゼの活性を増加および減少させることの両方を包含する。
マンノシルトランスフェラーゼおよびマンノシルトランスフェラーゼ基質(この基質は、試験化合物の非存在下と比較して、マンノシルトランスフェラーゼ基質転換の量および速度を増加または減少させる)を含むサンプルに加えられる試験化合物は、この化合物がマンノシルトランスフェラーゼ活性を増加させることを示す。従って、本発明は、マンノシルトランスフェラーゼの活性を調節する化合物を同定する方法を提供する。このような方法のために使用される、マンノシルトランスフェラーゼを含むサンプルは、マンノシルトランスフェラーゼを発現する、細胞画分、細胞組織、細胞集団または組換え細胞集団であり得る。
上記サンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの活性を決定するための方法はまた、試験化合物をスクリーニングして、その基質がマンノシルトランスフェラーゼ媒介グリコシル化を阻害するかまたは増加させる能力を決定するために適応され得る。このような場合、試験化合物は反応系に加えられ、そして転換生成物の生成に関するこの試験化合物の効果が観察される。切断生成物の生成または速度を増加させるこれらの化合物は、潜在的なマンノシルトランスフェラーゼアゴニストとみなされ、そしてさらに双極性障害の処置のための潜在的な治療剤とみなされる。
マンノシルトランスフェラーゼ活性を阻害または増強する化合物を同定するための反応系は、マンノシルトランスフェラーゼ活性の本質的に任意の供給源を使用して、行われ得る。このような供給源としては、例えば、以下が挙げられる:細胞サンプル(例えば、溶解物または分画された部分);組換え細胞または可溶性組換え供給源、およびインビトロ翻訳供給源。マンノシルトランスフェラーゼ供給源は、上記のマンノシルトランスフェラーゼ基質と組み合わされ、そして試験調節化合物の存在下または非存在下でインキュベートされる。試験化合物の存在下でのマンノシルトランスフェラーゼ基質の転換率または転換の程度は、試験化合物の非存在下でのマンノシルトランスフェラーゼ基質の転換率または転換の程度と比較される。少なくとも約50%増加したグリコシル化活性を与えるこれらの試験化合物は、マンノシルトランスフェラーゼ活性を増加させると考えられる。
活性化調節アッセイに適切な試験化合物は、任意の基質、分子、化合物、分子または化合物の混合物、あるいはインビボまたはインビトロでマンノシルトランスフェラーゼ活性を増強し得ると推測される任意の他の組成物であり得る。この試験化合物は、高分子(例えば、生物学的ポリマー(タンパク質、ポリサッカリドおよび核酸を含む))であり得る。マンノシルトランスフェラーゼ阻害活性についてスクリーニングされ得る試験化合物の供給源としては、例えば、ペプチド、ポリペプチド、DNA、RNAおよび低有機化合物が挙げられる。さらに、試験化合物は、種々の診断基準に基づいて予め選択され得る。例えば、適切な試験化合物は、既知のグリコシル化促進活性を有するように選択され得る。あるいは、この試験化合物は、ランダムに選択され得、そして本発明のスクリーニング方法によって試験され得る。試験化合物は、約1nM〜1mMの範囲内の濃度で、この反応系に投与される。
本発明はさらに、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列をコードする外因性核酸を発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。本明細書中で用いられる場合、句「外因性核酸」とは、宿主に対してネイティブではない核酸配列、またはそのネイティブな環境以外の宿主に存在する(例えば、遺伝子操作されたDNA構築物の一部として)核酸配列をいう。天然に存在するレベルのマンノシルトランスフェラーゼに加えて、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドは、トランスジェニック哺乳動物において過剰発現されるかまたは過少発現されるかのいずれかであり得る(例えば、ノックアウト動物において過少発現される)。
正常な活性を有することができないように改変されたマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードする核酸分子を発現し得る、トランスジェニック非ヒト哺乳動物もまた、提供される。トランスジェニック非ヒト哺乳動物は、例えば、混乱したマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子を発現し得る。従って、このトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、ネイティブのマンノシルトランスフェラーゼを発現しないか、またはネイティブのマンノシルトランスフェラーゼの発現を低下させる。本発明はまた、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードするmRNAに相補的なアンチセンスmRNA(これは、mRNAにハイブリダイズし、それによってその翻訳を減少させる)に転写されるように配置された、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードする核酸に相補的なアンチセンス核酸を含むゲノムを有する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物を提供する。この核酸は、誘導性プロモーターおよび/または組織特異的調節エレメントをさらに含み得、その結果、発現が誘導され得るか、または特定の細胞型に制限され得る。
マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの生理学的役割および行動的役割を明らかにするために有用な動物モデルもまた、提供され、そしてこのモデルは、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの発現が種々の技術を使用して変化されるトランスジェニック動物を作製することによって、作成される。このような技術の例としては、微量注入、レトロウイルス感染または当業者に周知の他の手段によって、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードする核酸の正常なバージョンまたは変異バージョンを適切な受精胚に挿入し、トランスジェニック動物を作製することが挙げられる(例えば、Hoganら、Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual(Cold Sprong Harbor Laboratory,(1986)を参照のこと)。トランスジェニック動物モデルシステムは、生物学的活性を活性化するかまたは阻害する特定のリガンド(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)を同定するための、化合物のインビボスクリーニングのために有用である。
外因性遺伝子を組換えマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子または変異マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子で置き換えることによって、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの発現または構造の調節を変更するための、トランスジェニック動物においてネイティブな遺伝子座を有するマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子の変異体または正常なバージョンの相同組換えの使用もまた、本明細書中で提供される。トランスジェニック非ヒト哺乳動物(遺伝子ノックアウト非ヒト哺乳動物を含む)を作製するための方法は、当業者に周知である(Capecchiら、Science 244:1288(1989);Zimmerら、Nature 338:150(1989);Shastry,Experentia 51:1028−1039(1995);Shastry,Mol.Cell.Biochem.,181:163−179(1998);ならびに米国特許第5,616,491号(1997年4月1日発行);米国特許第5,750,826号(1998年5月12日発行);;および米国特許第5,981,830号(1999年11月9日発行)を参照のこと)。
本発明は、双極性障害の重篤度または進行を低下させる方法をさらに提供する。この方法は、双極性障害に関連したプロテオグリカンの合成およびプロセシングにおける変更の影響を低下させるのに有効な量の物質を、被験体に投与する工程を包含する。
双極性障害に関連したプロテオグリカンの合成およびプロセシングにおける変更の影響を低下させる物質は、マンノシルトランスフェラーゼの酵素活性を有し得、そして例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するマンノシルトランスフェラーゼ、またはその機能的フラグメントであり得る。双極性障害に関連したプロテオグリカンの合成およびプロセシングにおける変更の影響を低下させる物質は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含み得、そして配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列、またはその機能的フラグメントをコードし得る。あるいは、双極性障害に関連したプロテオグリカンの合成およびプロセシングにおける変更の影響を低下させる物質は、脂質連結オリゴサッカリドのアセンブリ経路における中間体であり得る。特に、双極性障害に関連したプロテオグリカンの合成およびプロセシングにおける変更の影響を低下させる物質は、プロテオグリカンの合成およびプロセシングにおいて観察される変更を担う触媒転換の生成物または基質のいずれかを表す中間体であり得る。
本発明は、マンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸を被験体の細胞に導入するための方法(例えば、遺伝子療法のための方法)を提供する。ウイルスは、宿主防衛機制を回避し得そして特定の細胞型において感染および増殖し得る、特定化された感染因子である。ウイルスベースの系は、比較的高レベルの異種核酸を種々の細胞に導入することができるという利点を与える。レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、疱疹ウイルスおよびアデノウイルスに基づくウイルスベクターは全て、エキソビボ方法およびインビボ方法による治療用核酸の生物細胞への導入のための遺伝子治療ベクターとして使用される。マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードする本発明の核酸を哺乳動物細胞に導入するのに適切なウイルスベクターは、当該分野で周知である。これらのウイルスベクターとしては、例えば、以下が挙げられる:単純疱疹ウイルスベクター(例えば、Gellerら、Science,241:1667−1669(1988))、ワクシニアウイルスベクター(例えば、Picciniら、Meth.in Enzymology,153:545−563(1987));サイトメガロウイルスベクター(Mocarskiら、Viral Vectors,Y.GluzmanおよびS.H.Hughes編、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988,pp.78−84);モロニーマウス白血病ウイルスベクター(Danosら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:6469(1980));アデノウイルスベクター(例えば、Loganら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,81:3655−3659(1984);Jonesら、Cell,17:683−689(1979);Bekner,Biotechniques,6:616−626(1988);Cottenら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,89:6094−6098(1992);Grahamら、Meth.Mol.Biol.,7:109−127(1991))、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター(例えば、米国特許第4,405,712号および同第4,650,764号を参照のこと)など。本発明の方法を実施するために有用なウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクターおよびレトロウイルスベクター)は、当該分野で周知であり、そしてPromega(Madison WI)、Stratagene(La Jolla CA)またはGIBCO/BRL(Gaithersburg MD)のような商業的な供給源から獲得され得るか、または当業者によって構築され得る(Ausubelら、前出、2000)。
本明細書中での使用のための適切なレトロウイルスベクターはまた、例えば、米国特許第5,252,479号、ならびにWIPO公報WO92/07573、WO90/06997、WO89/05345、WO92/05266およびWO92/14829(本明細書中に参考として援用される)に記載されており、このようなレトロウイルスベクターを使用するヒト細胞への核酸の効率的な導入方法の記載を提供する。他のレトロウイルスベクターとしては、例えば、マウス乳腺腫瘍ウイルスベクター(例えば、Shacklefordら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:9655−9659(1988))などが挙げられる。
特に、特定の細胞型に対するウイルスベクターの特異性は、所定の細胞型を標的化するために使用され得る。従って、ウイルスベクターの選択は、標的化される細胞型に一部依存する。例えば、双極性障害が、疾患を罹患する神経細胞におけるマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドのレベルを上昇することによって処置される場合、神経細胞を標的化するウイルスベクターが使用され得る。単純疱疹ウイルスに由来するベクターは、神経細胞を標的化するウイルスベクターの例である(Battlemanら、J.Neurosci.13:941−951(1993)、これは、参考として本明細書中に援用される)。さらに、ウイルスベクターまたは他のベクターは、ベクター中に組織特異的プロモーターまたはエンハンサーを組込むことによって、マンノシルトランスフェラーゼを組織特異的様式でコードする核酸を発現するように構築され得る(Daiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10892−10895(1992)、これは、参考として本明細書中に援用される)。
1つの実施形態において、本発明は、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドをコードする核酸分子に作動可能に連結された神経組織選択的調節エレメントを含む発現ベクターを提供する。神経組織選択的調節エレメントは、核酸分子に作動可能に連結された場合、限定された数の組織型(中枢神経組織または末梢神経組織を含む)において核酸分子に対して選択的発現を付与するヌクレオチド配列である。例示的な神経組織選択的調節エレメントとしては、Schwann細胞特異的部分的コラーゲンVI型プロモーター(Braghettaら、J.Cell Biol.135:1163−1177(1996))およびグリア繊維性酸性タンパク質(GFAP)遺伝子(これは、Schwann細胞発現に加えて中枢神経系において神経膠星状細胞中での特異的発現を指向する(Muckeら、New Biol.3:465−474(1991);BalcarekおよびCowan,Nucleic Acids Res.13:5527−5543(1985)))由来の調節エレメントが挙げられる。神経組織選択性調節エレメントはまた、ニューロン特異的エノラーゼ遺伝子に由来するエレメント(例えば、ニューロン発現を指向することが示されたラットニューロン特異的エノラーゼの5’の1.8kb SacI−XhoIフラグメント)を含む(Forss−Petterら、Neuron 5:187−197(1990))。神経組織特異的調節エレメントはまた、例えば、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーターまたはその機能性フラグメント(例えば、稀突起神経膠細胞発現を指向するマウスミエリン塩基性タンパク質の1.3kb HindIIIフラグメント)であり得る(Okanoら、EMBO J.7:77−83(1988);Tamuraら、Nucleic Acids Res.16:11441−11459(1988);Turnleyら、Nature 353:566−569(1991);Campbell,Brain Research Reviews 26:327−336(1998)もまた参照のこと)。
遺伝子治療について、マンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸またはアンチセンスヌクレオチド配列を含むベクターは、種々の方法によって被験体に投与され得る。例えば、ウイルスベクターが使用される場合、投与は、ベクターの標的特異性を利用し得る。このような場合において、疾患部位での局所的なベクターの投与の必要はない。しかし、局所投与は、マンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸を投与する特に有効な方法であり得る。さらに、投与は、被験体への静脈注射または皮下注射によってであり得る。注射後、ウイルスベクターは、これらが感染について特異的な適切な標的を有する宿主細胞を認識するまで、循環する。ウイルスベクターの脊髄液への注射はまた、例えば、双極性障害の治療において、投与の有効な様式であり得る。
レセプター媒介性DNA送達アプローチはまた、架橋分子によって核酸分子と非共有結合的に複合体化される組織特異性リガンドまたは抗体を使用して、組織特異的様式で細胞にマンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸分子を送達するために使用され得る(Curielら、Hum.Gene Ther.3:147−154(1992);WuおよびWu,J.Biol.Chem.262:4429−4432(1987)、これらの各々は、参考として本明細書中に援用される)。裸の核酸分子または例えばカチオン性リポソーム中にカプセル化された核酸分子の直接注射はまた、インビボで分裂しない細胞または分裂する細胞に安定に遺伝子移入するために使用され得る(Ulmerら、Science 259:1745−1748(1993)、これは、参考として本明細書中に援用される)。さらに、マンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸は、粒子ボンバードメント(bombardment)法を使用して種々の組織に移入され得る(Williamsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2726−2730(1991)、これは、参考として本明細書中に援用される)。このような核酸は、転写および翻訳に必要とされる適切なヌクレオチド配列に連結され得る。
マンノシルトランスフェラーゼをコードする核酸の投与の特に有用な様式は、局所投与である。局所投与は、希釈効果がないので有利であり得、従って、標的化された細胞の大部分が核酸分子と接触される見込みは増加する。従って、局所的接種は、他の投与形態で必要とされる標的化要件を軽減し得、所望の場合、接種された領域において全ての細胞型に感染するベクターが使用され得る。発現が、接種領域内で細胞の特定の部分集団のみにおいて所望される場合、所望の細胞の部分集団に特異的なプロモーター、エンハンサーまたは他の発現エレメントは、核酸分子に連結され得る。このような核酸分子および調節エレメントを含むベクターは、ウイルスベクター、ウイルスゲノム、プラスミド、ファージミドなどであり得る。リポソームのようなトランスフェクションビヒクルはまた、非ウイルス性ベクターのレシピエント細胞への導入のために使用され得る。このようなビヒクルは、当該分野で周知である。
従って、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドに対するコード核酸は、有効量のポリペプチドまたはその機能性フラグメントを送達するための、当該分野で公知の広範な種々の遺伝子治療法と共に有用であり得る。本明細書中で提供される教示および指針を使用して、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたはその機能性フラグメントに対するコード核酸は、当該分野において公知のベクターまたは送達システムに組込まれ得、コード配列の送達および発現に使用され、治療効果を達成し得る。上記されるように、当該分野で公知の適切なベクターおよび送達システムとしては、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、標的化のためのリガンド結合粒子および核酸、単離DNAおよびRNA、リポソーム、ポリリジン、ならびにマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたはその機能性フラグメントを発現するように改変された細胞の移植を使用する細胞療法、ならびに当業者に公知の種々の他の遺伝子送達方法および改変(例えば、Sheaら、Nature Biotechnol.17:551−554(1999)に記載されるもの、これは、本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。
本発明はまた、本明細書中に記載される治療法を実施するために有用な治療組成物も提供する。本発明の治療組成物(例えば、薬学的組成物)は、本明細書中に記載される場合、マンノシルトランスフェラーゼ調製性薬剤、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドまたはその機能性フラグメント、例えば、本明細書中に記載される方法によって同定される化合物(アゴニストまたはアンタゴニスト)、あるいは抗マンノシルトランスフェラーゼ抗体、と共に生理学的適合性キャリアを含み、このキャリア中に活性成分として溶解されるかまたは分散される。好ましい実施形態において、治療組成物は、治療目的のために哺乳動物またはヒト患者に投与される場合、免疫原性ではない。
溶解または分散された活性成分を含む薬理学的組成物の調製は、当該分野で周知である。本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドを含む薬学的に受容可能な組成物は、所望されない生理学的効果(例えば、悪心、めまい感、胃の不調など)を生じずに、哺乳動物に投与され得る。代表的にこのような組成物は、溶液または懸濁物のいずれかと同程度に注射可能なように調製されるが;溶液または懸濁物に適した固体形態もまた、使用の前に液体中で調製され得る。調製物はまた、乳化され得る。
活性成分は、薬学的に受容可能であり、そして本明細書中に記載される治療法における使用に適した量で、活性成分と適合性である賦形剤と混合され得る。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびこれらの任意の2つ以上の組み合わせである。さらに、望ましい場合、組成物は、微量の補助物質(例えば、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝化剤など)を含み得、これらは、活性成分の有効性を増強する。
本発明の治療組成物は、その中に成分の薬学的に受容可能な塩を含み得る。薬学的に受容可能な無毒性の塩としては、無機酸と形成される、ポリペプチドの遊離アミノ酸と形成される酸付加塩が挙げられ、この無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、桂皮酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸などである。
遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、無機塩基および有機塩基に由来し得、この無機塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどであり、この有機塩基は、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミンならびにモノアリールアミン、ジアリールアミン、およびトリアリールアミンであり、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミンなどであり、そして必要に応じて、置換エタノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど)である。
生理学的に耐性のキャリアは、当該分野で周知である。例示的な液体キャリアは、活性成分および水以外にどの物質も含まない滅菌水溶液、または生理学的pHでのリン酸ナトリウム、生理学的生理食塩水また両方(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水のような緩衝液を含む滅菌水溶液である。なお、さらに、水性キャリアは、1つを超える緩衝液の塩ならびに塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのような塩、デキストロース、ポリエチレングリコールならびに他の溶質を含み得る。
液体組成物はまた、水の他の液層および水を除外して液層を含み得る。例示的な追加液層としては、グリセリン、植物油(例えば、綿実油)、および水油エマルジョンが挙げられる。
本明細書中に記載されるように、有効量は、所望の治療効果を達成する(例えば、本発明のマンノシルトランスフェラーゼポリペプチドの触媒活性を調節する)ように計算された所定量である。必要用量は、特定の処置および所望される処置の持続時間によって変化するが;1日当たり体重1kg当たり、約10μgと約1mgとの間の用量が、治療処置のために使用されることが予想される。本明細書中以下に議論されるように、滞留形態または長期間形態でこのような化合物を投与することは、特に有利であり得る。治療有効量は、代表的に、マンノシルトランスフェラーゼポリペプチド、マンノシルトランスフェラーゼ調節薬剤または本明細書中で同定される他の化合物の量であり、これらは、生理学的に受容可能な組成物中に投与される場合、約0.1μg/ml〜約100μg/ml、または約1.0μg/ml〜約50μg/ml、あるいは少なくとも約2μg/mlおよび通常約5〜10μg/mlの血漿濃度を達成するのに十分である。
双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質は、薬学的に受容可能な媒体と共に溶液または懸濁液として投与され得る。このような薬学的に受容可能な媒体は、例えば、滅菌水性溶媒(例えば、リン酸ナトリウム緩衝液、リン酸緩衝化生理食塩水、通常の生理食塩水またはリンゲル溶液あるいは他の生理学的に緩衝化された生理食塩水)、または他の溶媒またはビヒクル(例えば、グリコール、グリセロール、油(例えば、オリーブ油)または注射可能な有機エステル)であり得る。薬学的に受容可能な媒体は、生理学的に受容可能な化合物をさらに含み得、これは、作用する(例えば、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質を安定化するか、その溶解度を上昇するか、またはその吸収を増加する)。このような生理学的に受容可能な化合物としては、例えば、炭水化物(例えば、グルコース、スクロースまたはデキストラン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸またはグルタチオン);受容体媒介透過剤(これは、血液脳関門の透過性を増加するために使用され得る);キレート剤(例えば、EDTA(これは、微生物の膜を破壊する));二価金属イオン(例えば、カルシウムまたはマグネシウム);低分子量タンパク質:脂質またはリポソーム;あるいは他の安定化剤または賦形剤が挙げられる。当業者は、薬学的に受容可能なキャリアの選択が、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質を含む化合物の投与経路、ならびにその物質の特定の物理的特徴および化学的特徴に依存することを理解する。
非経口投与に適した組成物は、水性滅菌注射溶液および非水性滅菌注射溶液(例えば、上記される薬学的に受容可能な媒体)を含む。溶液としては、例えば、緩衝液、静菌薬、および処方物を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質がさらに挙げられる。他の処方物としては、例えば、懸濁剤および増粘剤を含み得る水性滅菌懸濁液および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。処方物は、単一用量または複数用量の容器(例えば、密封アンプルおよび密封バイアル)中に提供され得、例えば、使用の直前に滅菌液体キャリアの添加を必要とする凍結乾燥状態で保存され得る。即席注射溶液および懸濁物は、以前に記載された種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
血液脳関門を通過するための化合物および組成物を必要とする適用のために、化合物の脂肪親和性を増加する処方物は、特に望ましい。例えば、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質は、リポソームに組込まれ得る(Gregoriadis,Liposome Technology、第I巻〜第III巻,第2版、(CRC Press,Boca Raton FL(1993))。リン脂質または他の脂質からなるリポソームは、非毒性であり、生理学的に受容可能でありそして代謝可能なキャリアであり、作製および投与が比較的単純である。
双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質はまた、ナノ粒子として調製され得る。ペプチド化合物をナノ粒子の表面に吸着することは、ペプチド薬物の脳への送達において有効であることが見出された(Kreuterら、Brain Res.674:171−174(1995)を参照のこと)。例示的なナノ粒子は、ポリブチルシアノアクリレートのコロイド状ポリマー粒子であり、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果が、その表面上に吸着され、次いで、低下する物質を含み、ポリソルベート80でコートされる。
双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下し得る物質の、血液脳関門を通って脳内の選択された位置への画像誘導超音波送達は、米国特許第5,752,515号に記載されるように使用され得る。簡潔には、血液脳関門を通過して双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質を送達するために、脳内の選択された位置が標的化され、超音波を、その位置での中枢神経系(CNS)組織および/または流体において画像化することによって検出可能な変化を誘導するために使用し得る。選択された位置の近傍において脳の少なくとも一部が、例えば、磁気共鳴画像法(MRI)によって、画像化され、変化の位置を確認する。双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質は、かけられた超音波によって確認された位置に送達され、その位置での血液脳関門の開放を生じ、それによって物質の取り込みを誘導する。
さらに、レセプター媒介透過剤(RMP)と呼ばれるポリペプチドは、米国特許第5,268,164号;同第5,506,206号;および同第5,686,416号に記載されるように、血液脳関門の、治療剤または診断剤のような分子に対する透過性を増大するために使用され得る。これらのレセプター媒介透過剤は、所望の行き先が脳の脳脊髄液区画である分子と共に、宿主に静脈同時投与され得る。透過剤ポリペプチドまたはその配座アナログは、治療剤が血液脳関門を透過し、これらの標的の行き先に到達させるのを可能にする。
双極性障害に対する現在の処理レジメンにおいて、1つを超える化合物が、しばしば、疾患の同じ局面または異なる局面の処置のために個々に投与される。同様に、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下させる工程を包含する本発明の方法において、物質は、第2の治療化合物(例えば、気分安定剤、鎮痙化合物、抗精神病化合物または疾患の同じ局面もしくは異なる局面を処置する任意の他の化合物)で有利に処方され得る。このような化合物としては、例えば、リチウム、ジバルプロックス、ラモトリジン、カルバマゼピン、ガパペンチン(gabapentin)が挙げられる。双極性障害の重篤度を低減する企図される方法は、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質を、単独で、このような他の化合物と組み合わせて、またはこのような他の化合物と連続的に、投与する工程を包含する。あるいは、組み合わせ療法は、融合タンパク質からなり得、ここで、双極性障害に関連するプロテオグリカン合成およびプロセシングにおける変更の効果を低下する物質は、治療タンパク質のような異種タンパク質に連結される。
本発明の種々の実施形態の活性に実質的に影響しない改変がまた、本明細書中に提供される本発明の規定内に含まれることが理解される。従って、以下の実施例は、例示であることを意図し、本発明を制限しない。
(実施例I)
(平衡転座と関連する染色体切断点t(9;11)(p24;q23.1)の単離および特徴付け)
この実施例は、平衡転座と関連するヒト第11染色体の染色体切断点t(9;11)(p24;q23.1)(これは、双極性気分障害と同時に分離する)の単離および特徴付けを記載する。
Smithら、Am.J.Hum.Genet.45:A178(1989)において双極性情動性障害を分離するために先に報告されている分離するt(9;11)染色体転座を有する家系を、分子分析のため選択した。この家族において、全ての罹患した個体が、平衡転座を有し、11人の転座キャリアのうちの5人が、双極性疾患を有し、そして1人のキャリアが、単極性疾患に罹患する。
染色体切断点を単離し、そして切断点の領域の遺伝子を規定するために、詳細な物理的地図の分析を、大スケールのDNA配列決定と組み合わせた。物理的地図を、一般的に、Smithら、Genomics 17:699−725(1993)(これはまた、本明細書中において参考として援用される)に記載される配列タグ部位(STS)プローブおよびPCR条件を用いて、Quackenbushら、Genomics 29:512−525(本明細書中において参考として援用される)によって記載されるように、構築した。正常な第9染色体(PK87−9)、第11染色体(J1)、誘導体t(9;11)染色体(EN311、EN308 EN328およびEN342)を含むヒト/齧歯類体細胞ハイブリッドを、以下に記載されるように、マッピング研究および発現分析のためのRNAの単離のために使用した。
YACクローンを、Centre d’etude du Polymorhisme Humain(CEPH)において調製された酵母人工染色体ライブラリー、およびQinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:3149−3154(1996)(本明細書中において参考として援用される)に記載される、Roswell Park Cancer Instituteからの第11染色体特異的ライブラリーから単離した。2つのYACクローン(pRP 18q8(350kb)およびpRP12a6(100kb)(第11染色体のこの切断点にわたる))、ならびに5つのコスミドクローンを同定した。1つのコスミドクローンNB1H10の末端由来のプローブは、サザンブロットによってキャリア個体からのゲノムDNAの複数の消化における1つの新規な再配列を検出した。EcoR1を用いた消化は、切断点を4.4kbの制限フラグメント内に限定した。
切断点がNB1H10以内に含まれるか否かを決定するために、プローブをコスミドクローンのT7末端から誘導し、そして「Current Protocols in Human Genetics」,John Wiley & Sons Publ.,New YorkのRichard and Washington,Construction and Assay of Radiation Hybrids(本明細書中において参考として援用される)に記載されるt(9;11)細胞株由来の体細胞ハイブリッドを使用して、分析した。これらの結果は、NB1H10が第11染色体の染色体切断点の動原体に位置したことを示唆し、さらに、NB1H10のT7末端とコスミドNBRE2との間に20kbのギャップを推定した。PCRプローブは、切断点にわたるYAC pRP12a6の末端配列由来であり、そしてヒトゲノムの10倍の適用範囲を表すヒトPACライブラリーをスクリーニングするために使用した。切断点にわたる32個のクローンを検出した。末端配列決定およびさらなるPCRプローブの作製、ならびに体細胞ハイブリッドの分析は、この領域の物理的地図を確立し、そしてPAC pDJ15901内に切断点をマッピングした。第11染色体における転座によって潜在的に影響する遺伝子を同定するために、PACクローンpDJ15901を、M13ショットガンクローニング、続く、色素−プライマーおよび色素−ターミネーター化合物の混合物を使用する自動化された蛍光に基づく配列決定によって、配列決定した。配列トレーシングを、AB1377自動化遺伝子シーケンサーを使用して決定し、そしてコンティグを、Phred/Phrapアセンブリプログラムを使用して構築した。6×ショットガン適用範囲を決定し、続いて、特別なソフトウェアおよびハードウェアを使用して作成された合成オリゴヌクレオチドを使用して選択的ギャプを充填した。配列誤り率を、10−4ヌクレオチドにおけるno<1誤りとして、Phred/Phrapスコアから評価した。得られた配列は、106kbにわたり、そしてコスミドおよびPACクローンからの末端配列を含み、物理的地図を方向付けることを見出した。
DNA配列分析は、新規なタンパク質、pmtをコードするオープンリーディングフレームを明らかにした。DNA配列分析を、配列決定情報のアセンブリについてのPhredおよびPhrap、ならびに自動化注釈および分析のためのAutosearchおよびAutofeature Aを使用して、行った。Vector−NTI、AlignXおよびBioPlot(InfoMax)を、タンパク質配列比較のために使用し、そしてNational Center for Biotechnology InformationにおけるBlastサーバ、およびUniversity of Texas,Southwestern Medical CenterのAutoSearch自動化検索エンジンを使用し、これは、公知のヒト遺伝子類似性を明らかにしなかったが、酵母S.cerevisiaeの完全ゲノム配列由来の遺伝子に対して顕著な類似性を示した。
翻訳された配列は、611アミノ酸残基の推定タンパク質産物を明らかにし、これは、疎水性7回膜貫通ドメインおよびカルボキシ末端親水性ドメインからなる。この配列は、S.cerevisiaのALG9遺伝子と約46.9%の同一性を示す(1×10−138未満のp値)。この配列はまた、7個のヒト発現配列タグ(EST)を検出し、p値は、2×10−20〜2.3〜10−155の範囲である。この分析は、ヒトマンノシルトランスフェラーゼを、酵母ALG9のヒトホモログとして確立する。
マッピング分析は、染色体転座が、マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子内で生じ、エキソン6とエキソン8との間に融合パートナーを生じたことを明らかにした(図3)。融合の性質、および第9染色体上のさらなる遺伝子の存在を決定するために、第11染色体物理的地図由来のプローブを、9;11誘導体染色体を含む体細胞ハイブリットから構築したライブラリーをスクリーニングするために使用した。コスミドクローンを配列決定し、そしてRT−PCRを、融合転写物の配列を確立するために実施した。転写物を伸長するためのRACE PCRを、Frohmanら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 85:8998(1988)およびLoh,Science 243:217−220(1989)(これらの両方が、本明細書中において参考として援用される)に先に記載されるように、実施された。図9に示されるように、5’RACEW増幅を使用して、染色体9;11転座切断点の上流(5’)の配列を決定した。DNAを、転座を有する細胞株から単離し、エキソン7エキソン8境界のマンノシルトランスフェラーゼ配列の遠位領域に対応する増幅オリゴヌクレオチドプライマーを、合成した。増幅されたDNA配列を推定融合転写物の5’領域に伸長するために、5’RACE増幅を実施した。cDNA合成に続いて、特定のDNAプライマーおよびABI377自動化DNAシーケンサーを使用して、DNA配列決定を行った。図9におけるパネルは、t(9;11)融合染色体由来の490bpフラグメントの増幅を示し、これは、染色体切断点の増幅を示す。
図3は、得られた融合転写物が、t(9;11)のキャリアに存在することを示す。融合転写物は、第9染色体上に位置する遺伝子由来の5’コード配列および第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子に対応する3’コード配列を有するオープンリーディングフレームを含み、そして酵母マンノシルトランスフェラーゼ、ALG9に対するその相同性に基づいてHALGと命名された。
図10に示されるように、種々の正常な組織から単離されたRNAおよびt(9;11)誘導体染色体を有する患者由来の形質転換されたリンパ芽球の細胞株から単離されたRNAを使用して、ノザンブロット分析を実施した。ノザンブロット分析を、推定ヒト第11染色体転写物を有するマンノシルトランスフェラーゼクローンのフラグメント、ならびにこのクローンから調製された5’末端プローブおよび3’末端プローブを使用して実施した。種々の組織由来のRNAを有するノザンブロットに対するハイブリダイゼーションを実施し、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓および膵臓を含む大部分の分析された組織において、6.9kbと2.25kbの転写物を示した。これは、大部分の組織におけるこの転写物の幅広い発現パターンを示す。コントロールから単離されたRNAおよび転座保有細胞株由来のRNAのハイブリダイゼーションは、3’マンノシルトランスフェラーゼプローブを用いて、新たな1.65kbの転写物の存在を示す。これは、正常細胞株ではなく、転座保有細胞株における誘導体転写物の存在を示し、新規なmRNAの存在を確証する。図10に示されるように、グルコース3リン酸デヒドロゲナーゼ(G3PDH)に対するプローブを用いる同じノザンブロットのハイブリダイゼーションは、等価な量のRNAがゲルのレーンに装填され、選択的なRNA損失または分解を制御することを示した。
本出願全体を通じて、種々の刊行物が参照されている。その全体においてこれらの刊行物の開示は、本発明が属する技術分野の状態をより完全に記載するために、本出願において参考として援用される。
本発明が開示された実施形態を参照して記載されているが、当業者は、詳細に記載される特定の実験が、本発明の単なる例示であることを容易に理解する。本発明の精神から逸脱することなしに、種々の改変がなされ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1は、平衡t(9;11)転座と双極性障害(NL、正常な核型、9;11、平衡転座の保有者)との同時分離を伴う、家族の部分的な系統図を示す。 図2A−1は、t(9;11)切断点により中断されたヒトマンノシルトランスフェラーゼタンパク質のcDNA配列を示す。 図2A−2は、t(9;11)切断点により中断されたヒトマンノシルトランスフェラーゼタンパク質のcDNA配列を示す。 図2A−3は、t(9;11)切断点により中断されたヒトマンノシルトランスフェラーゼタンパク質のcDNA配列を示す。 図2Bは、t(9;11)切断点により中断されたヒトマンノシルトランスフェラーゼタンパク質のcDNA配列に対応するアミノ酸配列を示す。 図3は、(A)第11染色体への第9染色体配列の挿入により作製された、第9染色体上に位置する遺伝子由来の5’コード配列および第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼに対応する3’コード配列を有するオープンリーディングフレーム、ならびに(B)第9染色体配列の5’部分の翻訳産物および第11染色体配列の3’部分の翻訳産物を有する対応する融合タンパク質の概略図を示す。 図4は、マンノシルトランスフェラーゼ融合ポリペプチドに対応する、5’融合転写物および対応アミノ酸配列を示す。 図5−1は、第9染色体への第11染色体配列の挿入により作製された、第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子に対応する5’コード配列および第9染色体上に位置する遺伝子に対応する3’コード配列を有する、第9染色体融合物、または11/9融合物を示す。 図5−2は、第9染色体への第11染色体配列の挿入により作製された、第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子に対応する5’コード配列および第9染色体上に位置する遺伝子に対応する3’コード配列を有する、第9染色体融合物、または11/9融合物を示す。 図6−1は、第11染色体への第9染色体配列の挿入により作製された、第9染色体上に位置する遺伝子に対応する5’コード配列および第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子に対応する3’コード配列を有する、代替的なマンノシルトランスフェラーゼ融合物、または9/11融合物を示す。 図6−2は、第11染色体への第9染色体配列の挿入により作製された、第9染色体上に位置する遺伝子に対応する5’コード配列および第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子に対応する3’コード配列を有する、代替的なマンノシルトランスフェラーゼ融合物、または9/11融合物を示す。 図6−3は、第11染色体への第9染色体配列の挿入により作製された、第9染色体上に位置する遺伝子に対応する5’コード配列および第11染色体上に位置するヒトマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子に対応する3’コード配列を有する、代替的なマンノシルトランスフェラーゼ融合物、または9/11融合物を示す。 図7は、この遺伝子融合物に関連する第9染色体の核酸(配列番号9)およびアミノ酸配列(配列番号10)を示す。 図8−1は、本発明のマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号2)およびS.cerevisiaeのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号11)、A.thalaniaのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号12)、C.elegansのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号13)、D.melanogasterのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号14)、およびS.pombeのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号15)のオルソログを示し、そして本発明のヒト参照マンノシルトランスフェラーゼ(配列番号2)と比較した%配列同一性を提供する。 図8−2は、本発明のマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号2)およびS.cerevisiaeのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号11)、A.thalaniaのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号12)、C.elegansのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号13)、D.melanogasterのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号14)、およびS.pombeのマンノシルトランスフェラーゼのアミノ酸配列(配列番号15)のオルソログを示し、そして本発明のヒト参照マンノシルトランスフェラーゼ(配列番号2)と比較した%配列同一性を提供する。 図9は、(A)(9,11):染色体転座切断点の上流の5’配列を決定するために用いられる酵素的減少/再増幅戦略および(B)この染色体切断点の増幅を示すt(9;11)マンノシルトランスフェラーゼ融合物に対応する490kbフラグメントの増幅の概略図、ならびに(C)マンノシルトランスフェラーゼ融合ヌクレオチドおよび対応するアミノ酸配列の概略図を示す。 図10は、(A)種々の正常な組織および(B)t(9;11)誘導体染色体(T、転座細胞株;C、コントロール細胞株)を保有する細胞株から単離したRNAのノーザンブロット分析により、正常な細胞株およびt(9;11)細胞株におけるネイティブ転写物および融合転写物の発現を示す。
【配列表】
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Claims (35)

  1. 単離されたポリペプチドであって、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するヒトマンノシルトランスフェラーゼ、またはその機能的フラグメントを含む、単離されたポリペプチド。
  2. 請求項1に記載の単離されたポリペプチドであって、前記機能的フラグメントが、さらに、基質結合ドメインを含む、単離されたポリペプチド。
  3. 単離された核酸であって、配列番号1に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む、単離された核酸。
  4. 請求項3に記載の単離された核酸であって、配列番号2に記載のアミノ酸配列に実質的に同じアミノ酸配列、またはその機能的フラグメントをコードする配列をさらに含む、単離された核酸。
  5. 請求項3に記載の単離された核酸であって、前記フラグメントが、マンノシルトランスフェラーゼ基質結合ドメインをコードする、単離された核酸。
  6. 請求項3に記載の単離された核酸であって、前記フラグメントが、配列番号1と実質的に同じヌクレオチド配列を有する約15ヌクレオチド領域の配列をさらに含む、単離された核酸。
  7. 単離されたポリペプチドであって、配列番号4に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有するヒトマンノシルトランスフェラーゼ、またはその機能的フラグメントを含む、単離されたポリペプチド。
  8. 単離された核酸であって、配列番号3に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む、単離された核酸。
  9. 請求項8に記載の単離された核酸であって、前記フラグメントが、ヒト第9染色体由来の5’核酸領域およびヒト第11染色体由来の3’核酸領域を含む、単離された核酸。
  10. 単離された核酸であって、ヒトマンノシルトランスフェラーゼコード核酸および1ヌクレオチド多型を含む、単離された核酸。
  11. 請求項10に記載の単離された核酸であって、前記1ヌクレオチド多型が、配列番号16〜117からなる群より選択される、単離された核酸。
  12. 双極性障害を診断するかまたは双極性障害の感受性を予測する方法であって、以下:
    (a)個体から得られたサンプルを、変化したマンノシルトランスフェラーゼ配列について選択的なプローブと接触させる工程、および
    (b)該プローブの、該サンプル中の分析物への結合を決定する工程であって、該プローブの特異的結合が、変化したマンノシルトランスフェラーゼの存在、および双極性障害の発生または感受性を示す、工程、
    を包含する、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記プローブが、配列番号1に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む、方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、前記プローブが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む、方法。
  15. 請求項12に記載の方法であって、前記プローブが、配列番号5に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む、方法。
  16. 請求項12に記載の方法であって、前記プローブが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列、またはそのフラグメントによってコードされるポリペプチドに対して特異的結合活性を有する結合剤を含む、方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、前記結合剤が、抗体である、方法。
  18. 双極性障害を診断するかまたは双極性障害の感受性を予測する方法であって、以下:
    (a)個体から得たサンプル中のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルを測定する工程、および
    (b)マンノシルトランスフェラーゼの該測定された発現レベルまたは活性レベルを、参照サンプル由来のマンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルと比較する工程であって、該参照サンプルと比較して、該測定された発現レベルまたは活性レベルの減少は、双極性障害の発生または感受性を示す、工程、
    を包含する、方法。
  19. 請求項18に記載の方法であった、前記サンプルを、配列番号1に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むプローブと接触させる工程をさらに包含し、ここで、該接触が、選択的ハイブリダイゼーション条件下でもたされる、方法。
  20. 請求項18に記載の方法であって、前記サンプルを、配列番号3に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むプローブと接触させる工程をさらに包含し、ここで、該接触が、選択的ハイブリダイゼーション条件下でもたされる、方法。
  21. 請求項18に記載の方法であって、前記サンプルを、配列番号5に示されるヌクレオチド配列と実質的に同じヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含むプローブと接触させる工程をさらに包含し、ここで、該接触が、選択的ハイブリダイゼーション条件下でもたされる、方法。
  22. 請求項18に記載の方法であって、前記サンプルを、配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列またはその機能的フラグメントを有するヒトマンノシルトランスフェラーゼに対して特異的結合活性を有する結合剤と接触させる工程、および該結合剤の特異的結合の存在を検出する工程、をさらに包含する、方法。
  23. 請求項22に記載の方法であって、前記結合剤が、抗体である、方法。
  24. 請求項22に記載の方法であって、前記結合剤が、基質アナログインヒビターである、方法。
  25. 請求項18に記載の方法であって、前記活性が、基質変換によって測定される、方法。
  26. 請求項18に記載の方法であって、前記活性が、生成物形成によって測定される、方法。
  27. 請求項18に記載の方法であって、脂質連結オリゴサッカリドの中間体の存在を測定する工程をさらに包含する、方法。
  28. 請求項27に記載の方法であって、前記中間体が、脂質連結ManGlcNACである、方法。
  29. 請求項18に記載の方法であって、マンノシルトランスフェラーゼの発現レベルまたは活性レベルが、低グリコシル化分泌タンパク質の存在を決定するように測定される、方法。
  30. 請求項29に記載の方法であって、前記低グリコシル化分泌タンパク質が、N−結合グリコシル化の減少によって特徴付けられる、方法。
  31. マンノシルトランスフェラーゼの活性を調節する化合物を同定する方法であって、以下:
    (a)配列番号2の配列と実質的に同じ配列を有するマンノシルトランスフェラーゼまたはその機能的フラグメント、および基質を含むサンプルを、試験化合物と、基質の生成物への変換を可能にする条件下で接触させる工程、および
    (b)基質変換の量を測定する工程であって、該試験化合物の存在下における基質変換の量の変化が、該化合物がマンノシルトランスフェラーゼ調節活性を有することを示す、工程、
    を包含する、方法。
  32. 請求項31に記載の方法であって、前記化合物が、マンノシルトランスフェラーゼの活性を増加する、方法。
  33. 配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列をコードする外因性核酸を発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
  34. 請求項33に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、破壊されたマンノシルトランスフェラーゼ遺伝子をさらに含む、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
  35. 請求項33に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物であって、前記トランスジェニック非ヒト哺乳動物がマウスである、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
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