JP2005508322A - 併用療法に用いられるスラミンの化学増感用量を決定するための方法及び成分 - Google Patents
併用療法に用いられるスラミンの化学増感用量を決定するための方法及び成分 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、他の化学療法剤の有効性を高めるために化学増感剤として用いられるスラミンの必要用量を決定するための方法に関連する。
【0002】
この出願は、2001年9月24日に出願された米国仮出願第60/324,704号「Methods and Compositions for Modulating Cell Proliferation and Cell Death」に基づき優先権を主張し、更に、2000年6月5日に出願されたPCT特許出願第PCT/US00/40103号「Methods and Compositions for Modulating Cell Proliferation and Cell Death」を参照する。本明細書中で引用される特許、特許出願、及び引用文献は、全体を参照することを以って本明細書の一部となす。
【0003】
政府支援研究
この研究は、米国立癌研究所(National Cancer Institute)、米国立保健研究所(National Institutes of Health)及び保健社会福祉省(Department of Health and Human Services)の支援及び部分的な援助を受けている(認可番号:R37CA49816、R01CA78577、R01CA74179、及びU01CA76576)。
【背景技術】
【0004】
スラミンは、単剤治療において適度の活性を有する抗癌剤である。以前の多数の研究は、単剤として或いは他の化学療法剤と併用してのいずれかで高用量療法におけるスラミンを評価してきた。これらの研究は、約150〜300μg/mlまたは約100〜200μMの血漿濃度を得ることを目的するものであり、広範な薬剤毒性にもかかわらず単剤治療のための高用量スラミンの適度の活性を示した(Eisenberger ら (1995) J Clin Oncol 13: 2174-2186)。典型的なスラミン投薬計画は、スラミン血漿濃度を約100〜200μg/mlに維持することを目的とし、第1週に2100mg/m2の初回投与を行い、6ヶ月またはそれ以上の間にわたり28日毎に繰り返し次の用量を投与するものであり、次の用量はベイズの薬物動態学的方法を用いて調整された(Dawson ら (1998) Clin Cancer Res 4: 37-44, Falcone ら (1999) Cancer 86: 470-476)。更に、細胞毒性剤と併用してスラミンを用いるための従来の方法は、他の細胞毒性剤のための頻度及び治療期間と比べてより頻繁な計画またはより長い期間で高用量のスラミンを投与する。例えばアンドロゲン非依存性前立腺癌の治療のためにスラミンとドキソルビシンを併用すると、ドキソルビシン治療の期間は最大20週間であったが、スラミン治療の期間は最大45週間であった(Tu ら (1998) Clin Cancer Res 4: 1193-1201)。例えば、スラミンとマイトマイシンCを併用してホルモン抵抗性前立腺癌の治療を行った際に、スラミンは毎週投与されたがマイトマイシンCは5週間に1回しか投与されなかった(Rapoport ら (1993) Ann Oncol 4: 567-573)。これらの用量及び慢性治療では、スラミンはヒトの患者に副腎不全、凝固障害、末梢神経疾患、近位筋衰弱などの毒性を生じさせる(Dorr and Von Hoff, Cancer Chemo治療 Handbook, 1994, pp 859-866)。抗アドレナリン性毒性を克服するために、高用量スラミン療法を受けている患者は、補充ステロイド治療を同時投与された(Dorr and Von Hoff)。
【0005】
数ヶ月間にわたり約100〜200μMの比較的一定の血漿濃度を生じさせるような用量のスラミンと他の化学療法剤との併用療法は、限定された利点を示すか或いはこれらの療法の更なる評価を奨励しないような毒性を生じさせてきた(例えばMiglietta ら, J. Cancer Res. Clini. Oncol. 23: 407-410,1997、Falcone A, ら. Tumori 84: 666,1998、Falcone A,ら Cancer 86: 470,1999、Rapoport B,ら Ann Oncol 4 : 567,1993)。
【0006】
血漿濃度が数ヶ月間にわたり約100〜200μMに維持されるスラミンと、他の化学療法剤との相乗的な相互作用の欠落は、スラミンによって生じる細胞周期摂動の結果であり得る。約50μM以上の一定濃度で少なくとも1〜2日間維持されるスラミンは、細胞周期の異なる相で細胞の蓄積を伴う細胞周期停止を引き起こすことが示されてきたが、その活性が細胞周期中に進行する細胞の能力に依存するような他の化学療法剤の活性を妨げるのみならず、細胞周期の他のフェーズで作用するような他の化学療法剤の活性を妨げ得る(Qiao Lら Biochem Biophys Res Commun 201: 581,1994、Howard Sら. Clin Cancer Res 2: 269,1996 、Palayoor STら Radiat Res, 148: 105-114,1997)。
【0007】
本願出願人は、腫瘍組織に存在する酸性及び塩基性の線維芽細胞成長(aFGF andbFGF)が腫瘍細胞の耐性を化学療法に誘導し、このFGF媒介耐性は約50μM以下の低濃度のスラミンによって圧倒され得るということを先の特許出願(PCT/US00/40103)で開示した。しかし、スラミンの化学増感効果が生体内で(in vivo)より高い血漿濃度を搬送するようなより高用量で減少し得るかどうかは知られていない。
【0008】
本発明は、化学療法剤(例えばパクリタキセル)が治療的に有効なレベルで血漿中に存在していた期間(例えば6時間)にわたり約10〜50μMの血漿濃度を生じさせるような低用量のスラミンのみが腫瘍を有する動物における化学療法の有効性を高めることを示している。対照的に、高用量のスラミンは、ほぼ同じ期間にわたり約300〜650μMの濃度を生じさせるが、有効性を高めることはなく、化学療法の毒性を高めただけであった。同様に、本願出願人は、第1相試験の結果を開示する。これは、化学療法剤(即ちパクリタキセル及びカルボプラチン)が治療的に有効なレベルで存在していた期間にわたって約10〜50μMの血漿濃度を生じさせた低用量スラミンの追加が、パクリタキセルとカルボプラチンの標準治療への癌患者の反応を高めたことを示す。スラミンがヒトの患者におけるその他の化学療法剤の有効性を向上させないという先行技術の教示(Migliettaら Falcone Aら, 1998、Falcone Aら, 1999、Rapoportら, 1993)を考えると、これらの発見は驚きである。これらの発見はまた、薬剤が投与される用量が高い方が低い方と比べてより低い効果ではなくより高い効果を生み出すと一般に信じられているので、かなり直観に反する。更に、低用量スラミン治療は副腎不全を誘発しなかった。従って、低用量スラミンを投与される患者には補充ステロイド治療は必要なかった。
【0009】
高用量スラミンで処置された患者の用量選択をガイドするための以前の研究は、連続的なスラミン薬物動態のモニタリングを伴って数ヶ月間にわたり各患者における実際の血漿濃度の測定を必要とするようなベイズの薬物動態学的方法を用いていた。この初期のアプローチは、限られた医療センターでしか行われ得ないような大きな労働力を要しかつ費用がかかる手法であり(ReynoLMら J Clin Oncol 13: 2187-2195,1995)、従って適用可能性が限定されている。
【0010】
集団薬物動態学の適用は、より容易に適用される固定された投薬計画の開発を可能にした(Reyno LM, ら. J Clin Oncol 13: 21872195,1995; Small Eら J Clin Oncol 18: 1440-1450,2000)。これらの計画は、全ての患者に対して体表面積当たりをベースに同一の初回用量を用いた。次の用量は、所定の計画に従って低減された。これらの療法は、2カ月以上の長期の治療期間にわたって100〜200μMの範囲で一定かつ高い血漿濃度を維持するように計画された。更に、これらの研究は、前立腺癌の男性患者に限定されていた。従って、これらの療法は、男女の患者共に化学増感剤としての併用療法におけるスラミンの使用に適用され得なかった。化学増感剤として、スラミンの血漿濃度は、ずっと低いレベルの狭い範囲(例えば約10〜50μM、例えば300〜650μM以下)で維持されるが、他の化学療法剤が治療的に有意な濃度で存在する間(例えば1週間以下)は一過性に過ぎない。
【0011】
先行技術文献(Reynoら, Small E ら)に記載されている固定された投薬計画は、計画された治療計画からのずれに対する手段を提供するものでもない。しかし、臨床実務において、毒性または計画の矛盾に起因する治療の遅れは珍しくない。このことは、スラミンを投与するために固定された投薬計画を非実用的なアプローチにしてしまう。
【0012】
更に、本発明は、男性患者に比べて女性患者の方が薬剤の排出が遅いことに部分的に起因するような、癌患者内でのスラミンの処分における180%の患者間のばらつきを開示する。このようなスラミン排出の性別に関連する相違は、以前には実証されていなかった。患者間のばらつきが大きいことは、同一用量のスラミンを投与しても全ての患者の血漿濃度が同じ所望の血漿濃度になるのではないことを示している。
【0013】
従って、細胞毒性剤として用いられるスラミンの用量を計算するための先行技術文献に記載された方法を用いて、化学増感剤として用いられるスラミン用量を計算することはできない。
【0014】
本発明は、標的化学増感スラミンの濃度及びスラミン曝露期間(例えば48時間にわたって維持される約10〜50μMの血漿濃度)に基づいて個々の患者におけるスラミン用量を計算するための簡単で実用的な方法を開示する。患者の人口統計特性は、限定されるものではないが、表面積の2乗値、患者の性別、及び治療と治療の間の期間を含む。この新規な方法は、従って、男女の患者共に、化学増感剤として使用されるスラミン用量を計算するために用いられることができ、治療の遅れにも適応し得る。
【0015】
狭い範囲の曝露の維持が必要であるような他の薬剤に対して、種々の他の方法が考案された。例えば、カルボプラチンの投与の場合、濃度と時間の積分された積(濃度−時間曲線の下の面積)が狭い範囲にあるのが望ましく、カルボプラチン用量は患者のクレアチニンクリアランスに基づき計算される(Calvert ら, J. Clin.Onc. 7: 1748,1989)。しかし、化学増感を生じさせる低用量スラミンのための必要用量を計算する方法については開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、少なくとも部分的に、本願発明者による以下の発見に基づく。
【0017】
スラミンを異なる血漿濃度を生じさせるような異なる用量で他の化学療法剤と併用して被検者に投与すると、逆効果を生じさせ得る。他の化学療法剤が治療的に有意なレベルで血漿に存在する期間にわたって約10〜50μMの血漿濃度を生じさせるような低用量のスラミンの投与は、同時投与される化学療法剤の毒性を増強することなく有効性を高める。対照的に、同じ期間にわたって約300〜650μMの血漿濃度を生じさせるような高用量のスラミンの投与は、有効性を高めず、同時投与される化学療法剤の毒性を増強する。それゆえスラミンの化学増感効果は、高度に用量及び濃度に依存し、同時投与される化学療法剤が治療的に有意なレベルで存在する期間にわたって約10〜50μM及びの約300〜600μM以下の濃度範囲が維持されるようにする。
【0018】
本願出願人はまた、癌患者において、他の化学療法剤(即ちパクリタキセル及びカルボプラチン)が治療的に有意なレベルで血漿に存在した期間にわたって(例えば48時間にわたる約10〜50μMのスラミン濃度)、腫瘍を有する動物において化学増感を生じさせると知られている範囲の血漿濃度を輸送するように選択された低用量のスラミンの使用を試験した。結果は、低用量のスラミンを追加すると癌患者における化学療法の有効性が高まることを示す。
【0019】
本願出願人は更に、スラミンの排出が48時間にわたり約10〜50μMを生じさせたような低用量で化学増感を生じさせるという発見が、患者において約100〜200μMの血漿濃度を生じさせるようなスラミンが高用量で投与されたときの先行技術に示された結果と比べて、ヒトの癌患者においてより高速であり、より多くの患者間のばらつきを示すことを発見した。
【0020】
以上の発見は、集団的に、化学増感剤として用いられるスラミンの用量及び治療計画を決定する方法の重要性及び必要性を示す。
【0021】
本願出願人は更に、低用量スラミンの薬物動態が患者の特性に依存しかつそこから予測され得ることを発見した。本発明は、個々の患者に対して化学増感を生じさせることが知られている所望の血漿スラミン濃度を生じさせ得るスラミン用量を計算する方法を開示する。本発明は更に、ノモグラムを準備する方法及び個々の患者におけるスラミン用量を計算するためのノモグラムを開示する。
【0022】
本発明の他の機能及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明について更に説明する前に、便宜上、明細書、実施例及び特許請求の範囲において使用される特定の用語を以下にまとめて示す。
【0024】
定義
本明細書中で用いられる用語「細胞毒性剤」、「化学療法剤」、「抗癌剤」、及び「抗腫瘍剤」は、互換可能に用いられ、成長または増殖を抑制するかまたは高増殖性細胞(hyperproliferative cell)の死滅を誘導する性質を有する薬剤(例えば細胞増殖抑制剤)を指す。
【0025】
本明細書中で用いられるスラミンの「治療的有効量」は、被検者(例えば患者)に1回または複数回投与したときに成長または増殖の抑制または高増殖性細胞(例えば癌細胞)の死滅の誘導に効果を発揮するスラミンの量を指す。用語「治療的有効量」はまた、スラミン及び細胞毒性剤が被検者(例えば患者)に1回または複数回投与したときに成長または増殖の抑制または高増殖性細胞の死滅の誘導に有効であるように1または2以上の細胞毒性剤と共に(即ち連続的にまたは同時に)投与(例えば同時投与)されるスラミンの量を指す。そのような成長抑制または死滅は、そのような治療がない場合に予測を超えた被検者(例えば患者)の生存の延長またはそのような治療のない場合に関連する被検者の予後の向上として反映され得る。
【0026】
本明細書中で用いられる「化学増感」及び「化学増感効果」は、互換可能に用いられ、スラミンによる化学療法の有効性の向上を指す。
【0027】
「化学増感剤」は、別の薬剤の有効性を高める薬剤(例えばスラミン)を指す。
【0028】
本明細書中で用いられる「高用量スラミン」及び「高用量のスラミン」は、互換可能に用いられ、細胞毒性剤として用いられ、かつ、被検者に注射されたとき約300〜650μMの範囲の血漿濃度で約6〜8時間維持されるかまたは約100〜200μMの範囲の血漿濃度で1または2カ月以上維持されるような用量で用いられるスラミンを指す。
【0029】
本明細書中で用いられる「低用量スラミン」は、化学増感剤として用いられ、かつ、被検者に注射されたとき約300〜650μM以下の範囲の血漿濃度で約6〜8時間維持されるかまたは約100〜200μMの範囲の血漿濃度で1または2カ月以上維持されるような用量で用いられるスラミンを指す。
【0030】
本明細書中で用いられる「高用量スラミン療法」は、高用量のスラミンを被検者に投与するような治療を指す。
【0031】
本明細書中で用いられる「低用量スラミン療法」は、低用量のスラミンを被検者に投与するような治療を指す。
【0032】
本明細書中で用いられる「同時投与される化学療法剤が治療的に有意な濃度またはレベルに存在するときの期間」は、同時投与される化学療法剤が循環血液または血漿中に存在するか検出可能であるときの期間か、同時投与される化学療法剤への曝露が同時投与される薬剤への全曝露の約90%を占めるような期間(例えば濃度−時間曲線の下の面積として測定される)、或いは同時投与される化学療法剤の3〜4の終末半減期に概ね等しい期間を指す。
【0033】
本明細書中で用いられる「共変量」は、低用量スラミンの排出における患者間のばらつきに関与し得る患者の生理学的または病理学的パラメータを指す。
【0034】
本明細書中で用いられる「PBPK」は集団ベースの薬物動態分析を指し、「PBPKベースの投薬方法」は、PBPKを用いて開発された化学増感を生じさせるようなスラミン投薬療法を決定する方法を指す。この方法は、実施例4において詳述される。
【0035】
本明細書中で用いられる「ノモグラム」は、限定されるものではないが、患者の性別、年齢、体重や体表面積、または以前の薬治療から経過した時間を含む1つ以上の容易に得られるパラメータに基づき被検者例えばヒトの患者に投与する薬剤の治療的有効量の判定を可能にする作表及び/または予測式を指す。
【0036】
本明細書中で用いられるその他の用語、例えば「同時投与」、「スラミン及び細胞毒性剤の有効量」、「被検者」、「ヒト」、「ヒト以外の」、「高増殖性細胞の成長または増殖を抑制する」、「高増殖性細胞の死滅を誘導する」、「誘導する」、「抑制する」、「増強する」、「上昇させる」、「増加させる」、「減少させる」、「高増殖性」、「増殖性」、「悪性」、「新生物性」、「病的高増殖性」、「新形成」、「増殖」、「腫瘍」、「癌腫」、「腺癌」、「肉腫」、「白血病」、「白血病性癌」、「骨髄腫」、及び「リンパ腫」は、先の特許出願第PCT/US00/40103号に記載されているものと同じである。
【0037】
発明の説明の続き
ある側面では、本発明は、少なくとも1つの他の化学療法剤と併用して、化学増感剤としての低用量スラミンの使用を特徴とする。
【0038】
好適実施例においては、低用量スラミンは、少なくとも1つの他の化学療法剤と併用して、被検者に投与される。
【0039】
好適実施例においては、低用量スラミンは、被検者に同一または異なる化学療法剤と同時投与される。
【0040】
好適実施例においては、低用量スラミンは、被検者に繰り返し投与される同一または異なる化学療法剤と同時投与される。
【0041】
好適実施例においては、低用量スラミンの投薬計画は、同時投与される化学療法剤が治療的に有意なレベルで被検者に存在する期間にわたって、好適には約300〜600μMの範囲以下、好適には約150〜200μMの範囲以下、有利であるのは約135〜200μMの範囲以下、更に有利であるのは約120〜200μMの範囲以下、好適には約105〜200μMの範囲以下、より好適には約90〜200μMの範囲以下、より好適には約75〜200μMの範囲以下、より好適には約60〜200μMの範囲以下、そしてそれよりも尚好適には約10〜50μMの範囲以下のスラミンの血漿濃度を生じさせる。
【0042】
好適実施例においては、化学療法剤は、約3週間の時間間隔で計画された複数の治療サイクルに対して繰り返し投与される。
【0043】
別の実施例においては、化学療法剤は、約1週間の時間間隔で計画された複数の治療サイクルに対して繰り返し投与される。
【0044】
好適実施例においては、化学療法の投薬療法は、不規則な時間間隔で投与される複数の治療サイクルの投与を含む。
【0045】
好適実施例においては、低用量スラミンは約3週間の時間間隔で計画された複数の治療サイクルに対して繰り返し投与される。
【0046】
別の実施例においては、低用量スラミン約1週間の時間間隔で計画された複数の治療サイクルに対して繰り返し投与される。
【0047】
好適実施例においては、低用量スラミンの投薬療法は、不規則な時間間隔で投与される複数の治療サイクルの投与を含む。
【0048】
好適実施例においては、低用量スラミンの投薬療法は、1回の治療サイクル中に繰り返し行われるスラミンの投与を含む。
【0049】
好適実施例においては、低用量スラミンと少なくとも1つのその他の化学療法剤の併用療法は、悪性または良性の腫瘍由来または良性の増殖成長由来の高増殖性細胞の増殖を抑制するか或いは死滅を促進する。
【0050】
別の実施例においては、低用量スラミンは少なくとも1つのその他の化学療法剤との併用療法によりヒトの患者に投与される。
【0051】
別の実施例においては、低用量スラミンは少なくとも1つのその他の化学療法剤との併用療法によりヒト以外の哺乳動物に投与される。
【0052】
好適実施例においては、低用量スラミンは、低用量スラミン不在下での細胞毒性剤の効果に比べて化学療法剤(例えば細胞毒性剤)の有効性を高める。
【0053】
好適実施例においては、低用量スラミンは少なくとも1つの化学療法剤と共に投与され、それによって悪性または良性腫瘍由来の高増殖性細胞の増殖を抑制するか或いは死滅を促進する。
【0054】
一実施例においては、スラミンは少なくとも1つの細胞毒性剤と共に投与される。少なくとも1つの抗癌剤とのスラミンの高められた相乗効果は、これらの抗癌剤の有効性を高めることに加えて、より低用量のこれらの抗癌剤の投与を可能にすることができ、従って被検者(例えば患者)への副作用の誘発を低減する。例えば被検者は、パクリタキセル、カルボプラチン及びスラミンの併用によって治療される非小細胞肺癌患者である。
【0055】
別の側面では、本発明は、化学療法剤と併用して高用量スラミンを用いないように教示している。
【0056】
好適実施例においては、高用量のスラミン(即ち約200〜300μM以上)が被検者に投与され得るが、化学療法剤が投与されている間は、化学療法剤の投薬はスラミンの血漿濃度が約10〜50μMの範囲に減少するまで遅らされる。
【0057】
別の側面では、本発明は、被検者において薬剤(例えば細胞毒性剤)と併用して化学増感剤として用いられるスラミンの用量を同定する方法を提供する。この方法は、
(a)動物を移植する過程と、
(b)腫瘍を有する動物にスラミン及び少なくとも1つの他の化学療法剤を投与する過程と、
(c)他の化学療法剤を腫瘍成長の遅れまたは腫瘍サイズ減少を生じさせるような用量に固定する過程と、
(d)スラミンの用量を変化させて、長期にわたり動物の腫瘍のサイズをモニターする過程と、
(e)化学増感を生じさせるようなスラミン用量から得られたスラミンの血漿濃度を測定する過程と、
(f)化学増感を生じさせないようなスラミン用量から得られたスラミンの血漿濃度を測定する過程とを含む。
【0058】
好適実施例においては、本発明は、化学療法剤に対して、低用量スラミンと共に被検者に同時投与されるときにスラミンによって所望の高められた有効性を生じさせるような化学療法剤を同定するために、低用量スラミンでの化学増感によって得られる治療的有効性の向上の程度を判定するための方法を提供する。
【0059】
別の側面では、本発明は、患者に投与するための化学増感剤としてのスラミンの治療的有効量を判定するための方法を提供する。この方法は、
(a)患者の性別及び体表面積の2乗値を決定する過程と、
(b)最後のスラミン治療の開始からの経過時間を日数単位で決定する過程と、
(c)上記3つのパラメータに基づき用量を示すノモグラムを用いて低用量スラミンの用量を計算する過程とを含み、それによってノモグラム(例えば表7に示されたもの)によってスラミンの治療的有効量が予測される。
【0060】
別の側面では、本発明は、式を誘導し、低用量スラミンの集団平均の薬物動態パラメータの値を得る方法を特徴とする。これらの式及びパラメータは、患者に投与するような化学増感剤として用いられる低用量スラミンの治療的有効量を決定するために用いられる。この方法については、実施例4において詳述されるが、
(a)被検者における低用量スラミンの薬物動態を決定する過程と、
(b)薬物動態パラメータの患者間のばらつきを規定する過程と、
(c)集団ベースの薬物動態分析を用いて薬物動態パラメータの患者間のばらつきを規定する過程と、
(d)低用量スラミンを投与される患者の集団全体に対して、スラミンのトータルボディクリアランスと患者の相対的な生理学的または病理学的パラメータとの数学的関係と、スラミンの分配量と患者の相対的な生理学的または病理学的パラメータとの数学的関係を説明する母集団モデルを確立する過程と、
(e)確立された母集団モデルを用いて、標的時点での所望の標的薬剤濃度及び個々の患者の特性(例えば性別、体表面積の2乗値)に基づき個々の患者に対して低用量スラミンの用量を計算する過程と、
(f)前向き研究において確立された母集団モデルを検証する過程とを含む。
【0061】
典型的な腫瘍は、先の出願第PCT/US00/40103号に記載されている。確立された腫瘍の診断の実施例も、先の出願第PCT/US00/40103号に記載されている。
【0062】
典型的な良性増殖成長は、先の出願第PCT/US00/40103号に記載されているとおりである。
【0063】
好適実施例においては、スラミンは少なくとも1つの細胞毒性剤と併用して投与される。このような状況において、用語「併用して」は、薬剤が概ね同時に(同時に或いは連続的に)投与されることを意味する。連続的に投与されるのであれば、第2の成分の投与開始時に、2つの成分のうち第1の成分が、治療効果が望ましいような部位において尚も有効濃度で検出可能であることが望ましい。
【0064】
例えば、低用量スラミンは、従来の癌化学療法剤との併用療法において用いられ得る。従来の腫瘍を治療する療法は、放射能、抗腫瘍剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、またはこれらのうち2つまたはそれ以上の薬剤の併用を含む。
【0065】
細胞毒性剤は、限定されるものではないが、微小管阻害剤、トポイソメラーゼI抑制剤、トポイソメラーゼII抑制剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、插入剤、シグナル伝達経路を妨害することが可能な薬剤(例えばプロテインキナーゼC抑制剤、例えば抗ホルモン剤、例えば成長因子受容体に対する抗体)、アポトーシス及び/または壊死を促進する薬剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子及び/または放射能を含む。
【0066】
典型的な細胞毒性剤は、限定されるものではないが、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン(vinorelbin)、ドセタキセル、トポテカン(topotecan)、カンプトセシン、塩酸イリノテカン、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド(teniposide)、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン(merbarone)、塩酸ピロキサントロン(piroxantrone hydrochloride)、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン(fludarabine phosphate)、シトシンアラビノシド、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン(acivicin)、アラノシン、ピラゾフリン(pyrazofurin)、N-ホスホアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン(5-azacitidine)、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド、クラドリビン(cladribine)、フトラフール(ftorafur)、UFT(ウラシルとフトラフールの組み合わせ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、チアゾフリン(tiazofurin)、ゼローダ(カペシタビン)、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン(oxaliplatin)、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イホスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブロマン、4-イポミアノール(4-ipomeanol)、ジヒドロレンペロン(dihydrolenperone)、スピロムスチン(spiromustine)、ゲルダナマイシン(geldanamycins)、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロイド(例えばリュープロン(Lupron))、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス(Zoladex))、フルタミド(flutamide)、4'-シアノ-3- (4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ- 2-メチル-3'-(トリフルオロメチル) プロピオンアニリド、ハーセプチン(Herceptin)、抗CD20(リタキサン(Rituxan))、C225、イレッサ(Iressa)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、及び放射能を含む。
【0067】
低用量スラミンと併用され得る追加の薬剤の実施例は、限定されるものではないが、ヒドロキシ尿素、アザチオプリン、アミノプテリン、トリメトプリン、ピリメタミン、プリトレキシム(pyritrexim)、DDMP(2,4 ジアミノ5(3', 4' ジクロロフェニル) 6 メチルピリミジン)、5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸(5,10-dideazatetrahydrofolate)、10-プロパルギル-5, 8 ジデアザ葉酸(CB3717)、10-エチル-10-デアザ-アミノプテリン、デオキシシチジン、5-アザ-シトシンアラビノシド、N-4-パルミトイル-シトシンアラビノシド(ara C)、2'-アジド-2'-デオキシシトシンアラビノシド、N4-ベヘノイル-シトシンアラビノシド(N4-behenoyl-ara C)、CCNU(ロムロムスチン)、エストラムスチン、MeCCNU、トリエチレンメラミン、トレニモン(trenimon)、ジメチルブスルファン、ストレプトゾトシン、クロロゾトシン(chlorozotocin)、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン(アルトレタミン(Altretamine))、ヘプタメチルメラミン(PMM)、テトラプラチン(tetraplatin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、プラチナ-DACH、アジリジニルベンゾキノン(AZQ)、ブレオマイシン、タリソマイシン(tallysomycin)S10 b、リブロマイシン(liblomycin)、ペプレオマイシン(pepleomycin)、アスパラギナーゼ(Elspar)、pegaspargase(Oncaspar)、クラドリビン(ロイスタチン(leustatin))、ポルフィマーナトリウム(フォトフリン(Photofrin))、アミノフィド(amonofide)、デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)、ジヒドロレンペローネ(dihydrolenperone)、フラボン酢酸、硝酸ガリウム、及びヘキサメチレン二アセトアミン(hexamethylene bisacetamine:HMBA)を含む。
【実施例】
【0068】
本発明は、一般的に説明されているが、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるだろう。但し、以下の実施例は本発明の或る側面及び実施例を説明することのみを意図したものであり、本発明を限定する意図はない。
【0069】
(実施例1)
高用量ではなく低用量のスラミンが化学療法の生体内抗腫瘍活性を高める
この実施例は、例えば化学療法の有効性を高めるために化学増感剤としてのスラミンの治療的な有効量を投薬することの重要性について述べる。
【0070】
スラミンの用量サイズがその化学療法の抗腫瘍活性を高める能力に及ぼす効果を評価するために或る研究が行われた。用いられた適切な腫瘍モデルは、免疫不全マウスに皮下に移植されたヒト前立腺PC3異種移植であった。薬剤治療は、腫瘍が触診可能であって直径3mm以上になった後で開始された。パクリタキセルの用量は15mg/kgで、3週間、週2回投与された。2つの用量のスラミンが用いられた。低スラミン用量は10mg/kgで、3週間にわたり週2回投与された(低用量スラミン療法と呼ぶ)。高スラミン用量グループの動物は、200mg/kgの負荷量を与えられ、その後3週間にわたって130mg/kgずつ5回投与された(高用量スラミン療法と呼ぶ)。動物は、生理食塩水、パクリタキセル単独、低用量スラミン単独、高用量スラミン単独、または2つの薬剤を併用して投与され、これらの研究の結果は図1に示される。
【0071】
生理食塩水及び低用量スラミングループにおける試験動物において、腫瘍サイズは、初期腫瘍サイズの約800%の最高レベルに到達する時間内で増加した。高用量スラミングループはより緩慢な腫瘍成長を示したが、これは高用量スラミンが抗腫瘍活性を生じさせることを示す。しかし、高用量スラミングループと対照標準グループの腫瘍サイズの差は、有意ではなかった(p>0.05)。パクリタキセル単独では腫瘍成長を抑制した。このグループと対照標準グループの腫瘍サイズの差は、有意であった(p<0.05)。パクリタキセルと高用量スラミンとの併用は、パクリタキセル単独と同様の効果を示した。対照的に、パクリタキセルと低用量スラミンとの併用は、パクリタキセル単独と比べて著しく高められた抗腫瘍効果を示した(p<0.05)。更に、これは初期サイズの約20%までの腫瘍サイズの有意な減少を示した唯一のグループである。
【0072】
治療後遺残腫瘍はアポトーシス及び非アポトーシス細胞からなるので、非アポトーシスの(従って死に関連付けられない)細胞及びアポトーシスの(死んだ或いは関連付けられた)細胞の断片への異なる治療の効果が調べられた。簡単に言うと、遺残腫瘍は治療の終了後に動物から除去され、病理組織の腫瘍切片が準備された。腫瘍切片は、顕微鏡的に400x倍以下で検査された。各腫瘍に対して、少なくとも4切片が調べられた。アポトーシス細胞は、特徴的な形態、即ちアポトーシス小体、凝縮核(condensed nuclei)及び断片化されたの核存在によって同定された。結果は表1に示されている。対照標準グループは、400xフィールド当たり最多数の遺残腫瘍細胞及び最多数の非アポトーシス細胞を示した。低用量スラミングループは、かなり少ない数の非アポトーシス細胞を示したが、このグループと対照標準グループの差は有意ではなかった(p>0.05)。対照標準グループ、高用量スラミングループ、及びパクリタキセルグループと比べて、2つの併用グループは著しく少ない数の非アポトーシス細胞を示した(4つのグループ全てに対してp<0.05)。
【0073】
パクリタキセルグループとパクリタキセル/高用量スラミン併用グループの比較は、2つのグループで同様の数の非アポトーシス及びアポトーシス細胞(p>0.05)を示し、高用量スラミンの追加がパクリタキセルの抗腫瘍活性を著しく変化させるものではないことを示す。しかし、パクリタキセル/低用量スラミン併用グループはパクリタキセルグループに比べて7倍少ない非アポトーシス細胞を示し、低用量の追加がパクリタキセルの抗腫瘍活性を著しく向上させたことを示す(p<0.05)。
【0074】
【表1】
【0075】
更に、上述の治療方法の体重に対する影響が判定される。これらの結果は表1に示されている。生理食塩水で処理された動物と比較して、低用量スラミン単独、パクリタキセル単独、またはパクリタキセル/低用量スラミン併用で処理された動物は、体重の減少を示さなかったが(p>0.05)、高用量スラミン単独またはパクリタキセル/高用量スラミン併用で処理された動物は著しい体重の減少を示した(p<0.05)。このデータは、高用量スラミンは宿主毒性を生成する一方で、低用量スラミンは測定可能な毒性を生成しなかったことを示す。
【0076】
スラミン及びパクリタキセルの血漿濃度を決定するために薬物動態の研究が行われた。パクリタキセルに対しては、血漿濃度は注射5分後に約7μg/mlだったのが5時間で0.2μg/mlに低下し、6時間では測定不可能(即ち0.1μg/ml以下)だった。それゆえ、ほとんど全てのパクリタキセル曝露は5時間で発生した。低用量スラミン療法の第1の用量の投与は、8時間で約15〜50μMの血漿濃度を生じさせた。高用量スラミン療法の第1の用量の投与(即ち200mg/kg)は、最初の6時間で約300〜650μMの血漿濃度を生じさせた。第1及び第2の用量(即ちそれぞれ200及び130mg/kg)の高用量スラミン療法の投与は、48時間にわたり約100〜650μMの血漿濃度を生じさせた。
【0077】
低用量及び高用量療法後のパクリタキセルとスラミンの血漿濃度−時間プロフィールの比較は、低用量スラミン療法に対して観察された化学増感及び高用量スラミン療法に対して観察された化学増感の欠如と共に、以下のことを示す。即ち、(a)スラミンは、8時間またはパクリタキセルが治療的に有意なレベル存在していたのとほぼ同じ期間に約15〜50μMの血漿濃度を生成するような低用量で化学増感を生じさせ、(b)スラミンは、6時間またはパクリタキセルが治療的に有意なレベル存在していたのとほぼ同じ期間に約300〜650μMの高い血漿濃度を生成するような高用量では化学増感を生じさせなかった。
【0078】
集合的に、これらの結果は、スラミンが低用量では宿主毒性を高めることなくパクリタキセルの抗腫瘍活性を著しく高めたことを示す。対照的に、高用量スラミンはパクリタキセルの活性を著しく高めなかったが、宿主毒性を著しく高めた。これらの結果は、スラミンの化学増感効果が、他の化学療法剤が治療的に有意なレベルに存在する間のみ化学増感濃度でスラミンの存在を必要とすることを更に示す。
【0079】
(実施例2)
低用量スラミンは肺癌患者の化学療法への反応を向上させる
進行非小肺癌患者において第1相試験が行われた。目的の1つは、低用量スラミンが化学療法の有効性を高めるのに有効か否かを判定することであった。スラミンは、約10〜50μMの血漿濃度を48時間搬送するような用量で、標準治療即ちパクリタキセル(200mg/m2)及びカルボプラチン(AUC6)と共に3週間毎に投与された。15人の患者は、胸膜、心膜、副腎、リンパ節、肝臓、骨及び/または脳への転移を伴っていたが、第1相試験に登録された。このグループは、4人のステージIIIb患者及び11人のステージIV患者が含む。7人の患者は、以前の化学療法(パクリタキセル、ビノレルビン(vinorelbine)及び/またはプラチナ)及び放射能を受けていた。全ての患者は、薬物動態及び毒性に対して評価可能であった。用量制限毒性は観察されなかった。更に、副腎不全は、高用量スラミン治療を受けている患者には共通の毒性であるが(Dorr and Von Hoff)、低用量スラミン治療を受けている患者には見られなかった。従って、低用量スラミンを受けている患者に補充ステロイド治療を施す必要はなかった。これは、高用量スラミンを投与された患者に日常的に補充ステロイド治療が施されたケース(Dorr and Von Hoff)とは対照的である。
【0080】
15人の登録された患者は、全部で85の治療を受けた。3人の患者は、最初の2日間または第1の治療の後で手順の中止がなされた(1人はパクリタキセルへの反応によるもので、1人は脊髄の転移に放射能が必要なためで、1人は非小細胞肺癌の代わりに小さな細胞肺癌を患っていることがわかったからである)。残りの12人の患者は、全部で82コースを受けた(4〜10コースの範囲、平均6コース)。
【0081】
2つ以上の治療を受けた12人の患者のうち、2人だけが悪性の胸膜の介入を有し、測定可能な障害がなかった。米国立癌研究所によって確立されたRECIST基準に基づけば、測定可能な疾患にかかった残りの10人の患者の反応率は60%である。
【0082】
表2は、低用量スラミンに加えてパクリタキセル及びカルボプラチンを投与された患者の結果と、匹敵する病気を患い、パクリタキセル及びカルボプラチンのみを投与された患者の病歴患者結果とを比較している(Laohavinij ら. Lung Cancer, 26: 175-185,1999、Helsinget ら Lung Cancer, 24: 107-113,1999、Langer ら. Eur. J. Cancer, 36: 183-193, 2000、Evans ら. Lung Cancer, 18: 83-94,1997、Langer ら. J. Clin.Oncol., 13: 1860-1870,1995)。
【0083】
【表2】
【0084】
それゆえ、第1相研究の臨床結果は、化学増感剤として低用量スラミンを用いる治療上の利点を示唆し、スラミンが非毒性用量及び濃度で癌患者における化学療法の有効性を高めるという予備的機能検証を与える。
【0085】
この発見は、先行技術に照らして2つの点で驚きである。本願の研究で明らかになったスラミンの薬効は、スラミンが他の細胞毒性剤の有効性を高めないと教示する先行技術と反対である(Falcone, 1998、Falcone, 1999、Miglietta, 1997、Rapoport, 1993)。これらの先行試験は、1または2ヶ月以上の間維持される一定の約100〜200μMの血漿濃度を生成するような高用量スラミンを用いた。これらの前の試験では高用量スラミンに対する薬効は発見されなかったが、低用量スラミンが薬効を与えるという発見は実施例1に示される結果と一致する。しかし、これらの観察は、高い薬剤レベルが高い方がより低い効果ではなくてより高い効果を生み出すという一般的に受け入れられている薬理学の原則とは逆なので、驚きである。
【0086】
(実施例3)
肺癌患者における低用量スラミンの薬物動態
実施例2に記載された第1相試験の目的の1つは、化学療法剤即ちパクリタキセル及びカルボプラチンが治療的に有意なレベルで血漿中に存在するような期間にわたって約10〜50μMの標的血漿濃度生じさせるスラミン用量を同定することであった。
【0087】
患者は、経時的に、スラミン、パクリタキセル(初回用量は175mg/m2、スラミン用量を確立した後で200mg/m2まで増やす)及びカルボプラチン(濃度−時間曲線の下の面積または6mg*min/mlのAUC)を3週間毎に注入された。
【0088】
スラミンの異常に長い半減期は、3週間後に実施される後続の治療のときに残留血漿濃度を生じさせた。それゆえ、後続の投与前72時間で検出された残留スラミン濃度に基づく実時間薬物動態を用いて最初の12人の患者における後続の治療の用量を決定した。これらの12人の患者から得られた薬物動態データは、次に幾つかのパラメータ即ち標的スラミン濃度、患者の体表面積の2乗値、性別、及び最後のスラミン治療からの経過時間に基づいて標的スラミン用量を計算する方法を開発するために用いられた。この方法は3人の追加の患者において前向きに検証された(実施例4を参照)。
【0089】
最初の6人の患者における結果は、ほぼ全てのパクリタキセル及びカルボプラチンの血漿濃度−時間曲線の下の面積のほとんど全部が薬剤投与後の最初の48時間で達成されたことを示した(即ちパクリタキセルが>92%、カルボプラチンが>99%)。それゆえ標的スラミン濃度は、スラミン注入の開始から48時間にわたって約10〜50μMであった。これらの濃度は、全スラミン用量を、最初の日に投与される3分の2の用量と、24時間後に投与される残り3分の1とに2分割して投与することによって達成された。この計画は、化学療法剤即ちパクリタキセルの投与直後に50μMスラミン濃度以下、スラミン注入開始後48時間で10μMスラミン濃度以上の標的濃度を生じさせることがわかった。
【0090】
表3は、本研究で用いられた低用量スラミン療法の薬物動態パラメータと8倍以上高い全スラミン用量を用いて得られた文献値(Jodrell ら, J Clin Oncol 12: 166-75,1994)とを比較している。比較は、3つの予期せぬ発見を示した。第1は、より高いクリアランス及び低用量のより短い終末半減期によってしめされるように低用量スラミンが高用量スラミンに比べてずっと速い排出を示すことである。第2は、低用量スラミンは高用量スラミンに比べてかなり低い定常状態量を示すことである。第3は、スラミンは男性患者より女性患者の方が緩慢に排出されることである。スラミンの排出が用量または性別に依存することは知られていなかったので、これらの発見は驚きである。
【0091】
【表3】
【0092】
(実施例4)
他の化学療法剤と併用して用いられる有効スラミン用量を同定するための方法
実施例1に示されるように、腫瘍を有する動物において化学療法の有効性を高めるスラミンの能力は、スラミン濃度にかなり依存する。これは、実施例2に示されるように、低用量スラミンがヒトの肺癌患者における化学療法の有効性を高めるという驚くべき発見に更に裏付けられる。実施例3に示される用量及び性別に依存するスラミンの排出は、化学増感を生じさせることが知られている所望の血漿スラミン濃度を生じさせ得るスラミン用量の決定の重要性を強調する。同様に、化学増感を生じさせないが化学療法剤の毒性を増強するのみであるような高用量のスラミンを同定することが必要である。
【0093】
この実施例の目的は、患者におけるスラミン薬物動態の患者間のばらつきの源を同定する方法の開発を実証し、この情報を用いて化学増感を生じさせ得るスラミンの用量を個々の患者に対して同定することである。スラミン薬物動態パラメータと最初の12人の患者から得られた臨床共変動との数学的関係の集団ベースの薬物動態分析(PBPK)を用いることによって達成された。これらの数学的関係は、次に、いくつかのパラメータに基づきスラミン用量を予測する実験式の開発に用いられた。最後に、この式の予測性能は3人の追加の患者で認証された。
【0094】
スラミン薬物動態における患者間のばらつき
標準的な方法によるスラミン血漿濃度−時間データの分析によれば、スラミンの処分は2区画モデルと一致したが(初期半減期及び終末半減期はそれぞれ4.4時間、11日)、終末フェーズの下の面積は曲線の下の面積全部の大部分を占める(即ち〜90%)。ゆえに、PBPK分析は1区画薬物動態モデル及び終末フェーズ中に得られるデータ点を用いて行われ得る(例えば18時間以降または初期フェーズの半減期の4倍以上)。
【0095】
表4は、最初の12人の患者のスラミン薬物動態パラメータをまとめたものである。スラミンのクリアランス(CL)は各性別内で比較的低い患者間のばらつきを示し、男性は13%のばらつき、女性は2%のばらつきである。しかし、CLは男性と比べて女性において低かった。これは、最大182%の患者間のばらつきを生じさせた。定常状態の分配量(Vss)は153%だった。
【0096】
【表4】
【0097】
PBPK分析
低用量スラミンの薬物動態データは、非線形薬物動態解析プログラムNONMEM(nonlinear mixed effects model:Version V, UCSF, San Francisco, CA)を用いて分析された。PBPK分析は、薬物動態パラメータにおける個人間のばらつきの原因を識別するために用いられ、段階的な方法で行われる(Sheiner ら., J.Pharmacokinet. Biopharm., 5: 445,1977、Mandema ら, J. Pharmacokinet.Biopharm., 20: 511,1992)。
【0098】
第1のステップは、所定の薬物動態パラメータのための適切な誤差モデルを規定する。母集団平均値から個々の患者の値の偏差を著しく低減するような患者の第2の、生理学的または病理学的パラメータ(共変量と呼ぶ)は、モデル(フルモデルと呼ぶ)に組み込まれる。第3は、選択された共変量が個人間のばらつきの重大な意味を持つ決定要素であることを確認し、余分な共変量(例えば、相互に高度に相関するがばらつきには関与しない共変量)を除去する。変数減少法は、個々の共変量を除去することがフルモデルの性能に影響するかを判定することによって実行される。それを除去することによってモデル性能にかなりの劣化がもたらされるような共変量のみが最終モデル(母集団モデルと呼ぶ)に含まれる。これらのステップは以下に詳述される。
【0099】
モデル構築:基本モデル
クリアランス(CL)と分配量(V)の関数としての血漿濃度を示す1区画モデルのためのPBPKは次式で表される。
【0100】
【数1】
【0101】
ここで、Cijは患者jに対して特定の時間である時間iにおける予測される血漿濃度である。
【0102】
誤差関数は、個々の薬物動態パラメータに対してモデル予測されるデータと観察されるデータのランダムな偏差を説明するために用いられた。CL及びVに基づき計算され得る用量を同定することが目的であるので、分析はこれら2つのパラメータに集中した。式2及び3は、集団からの個々の患者におけるCLの偏差(CLj)及びVの偏差(Vj)または典型的な値(CL^typ及びV^typ)表す。
【0103】
【数2】
【0104】
【数3】
【0105】
ここで、ηCL及びηVは、通常ω2の分散を伴うゼロ平均付近に分布するランダムな値である。
【0106】
複数の血漿濃度−時間データ点がPBPK分析に用いられた。これらの時点は、第1の治療の18、24、48及び72時間後、次の治療の72時間前及び直前、第2の治療及び後続の治療の48及び72時間後であった。観察された血漿濃度とPBPKから予測される値(残差ばらつき)の関係は、式4によって表される。
【0107】
【数4】
【0108】
ここで、Yij及びCijは、i番目のサンプリング時間にj番目の個体の観察及び予測される濃度である。ε1ijは、ゼロ平均及びσ2の分散を有する有意の誤差である。上式は、(1+誤差)の形式の誤差関数を用いたが、これは変動係数が一定かつ固定効果パラメータの大きさに依存するような比例誤差モデルを表す。NONMEMによって計算されるような適合度を示す目的関数値を用いた他の誤差モデル(即ち加法誤差モデル及び乗法モデル)と比例誤差モデルの比較は、我々の患者集団においてCL及びVの個人間のばらつきを説明する際に比例誤差モデルが最良であることを示した。
【0109】
モデル構築:有意な共変量の同定
CL及びVの個人間のばらつきへの10個の共変量の寄与が研究された。これらの共変量は、年齢、性別、体重、理想的な体重、身長、体表面積(BSA)、クレアチニン濃度、クレアチニンクリアランス(CrCL)、及び血清アルブミン濃度であった。共変量と個々の患者の薬物動態パラメータの関係を調べるために線形回帰分析が用いられた。0.4以上の決定係数(r2>0.4)を示した共変量は、更なる評価のために選択され、CL及びVに対するモデルに組み込まれた。
【0110】
例として、式5はCL^typ(集団クリアランスの平均値)とクレアチニンクリアランスの関係を示し、式6はV^typ(集団分配量の平均値)とBSAの関係を示す。他の共変量に対して同様の式が構築された。
【0111】
【数5】
【0112】
【数6】
【0113】
これらの回帰モデルは、比例定数θ2及びθ4(固定効果パラメータと呼ぶ)を用いて、CL^typとCrCL、V^typとBSAが直線関係にあると仮定した。θ1はCrCLに関係ないCL^typの値を表し、θ2はCrCLに関係するCL^typの値を表し、θ3はBSAに関係ないV^typの値を表し、θ4はBSAに関係するV^typの値を表す。
【0114】
共変量がモデルに組み込まれるべきか否かを判定するために、対数尤度比検定が用いられ、候補共変量を追加してまたは追加しないで得られたモデルの目的関数値の差を取ることによってカイ二乗χ2値が計算された。3.9以上の目的関数値の減少(即ち1の自由度または1つの共変量の追加に対するP<0.05に関連するχ2値)は、CL^typ及びV^typのためのフルモデルへの包含を必要とした。
【0115】
CL^typとの最も高い相関を示した共変量は、BSA、CrCL、及び性別であった。V^typとの最も高い相関を示した共変量は、体重及びBSA2であった。残りの共変量は、線形回帰分析において有意な相関を示さず、モデル性能にそれほど影響しなかった。CL^typ及びV^typのためのフルモデルは、それぞれ式7及び8で説明される。
【0116】
【数7】
【0117】
【数8】
【0118】
θ1、θ2、θ4は、CL^typに対するBSA、CrCL、性別の効果をそれぞれ表す。男性の場合、θ4はゼロに設定される。女性の場合、θ4の値はデータの当てはめによって決定される。θ5は(BSA2)のV^typへの効果を表す比例定数であり、θ6はBSAの変化によって占められないようなV^typの変化を表す。体重、BSA、及びBSA2は、V^typのためのフルモデルへの包含に対して試験された。BSA2は、最低の目的関数値を生じたので、選択された。
【0119】
追加の共変量の包含は、一般的な原則として、統計モデルのランダムな誤差を低減するが、パラメータ化を増やすことになる。共変量がモデル性能において重要な役割を果たしたことを確認するために、最終モデルは、フルモデルからわずかの共変量を変数減少プロセスで除去することによって得られる。このプロセスでは、より制限された判断基準が用いられた。フルモデルからパラメータを除去するために、7.9以上の目的関数における差が必要だった(P<0.005に関連するχ2値及び1の自由度)。3つの固定効果パラメータ即ちθ2,θ3,及びθ6の各々をフルモデルから個々にまたは同時に除去することは、包含に必要であったようなものより小さいものによって目的関数値を変えた。それゆえθ2,θ3,及びθ6はフルモデルから除かれた。残りの3つの有意なパラメータは、θ1,θ4,及びθ5である。最終母集団モデルは、CL及びVにおいて個人間のばらつきに著しく寄与する共変量のみからなり、式9及び10によって表される。パラメータの概算は表5に示される。
【0120】
【数9】
【0121】
【数10】
【0122】
【表5】
【0123】
固定効果パラメータの概算の標準誤差に基づき、変動係数(CV)及び95%信頼区間が作られた。2つの共変量、BSA、及び性別のみを用いる母集団モデルは、CLにおいて推定される個人間のばらつきを30%から6%に6倍も減少させ、Vにおいて推定される個人間のばらつきを20%から30%に6.5倍以上も減少させた。推定される残りのばらつき(σε1)は、21%から18%にわずかに減少した。
【0124】
スラミン用量計算のための式の導出
式1を単純化して書き直すと式11が得られる。
【0125】
【数11】
【0126】
排出速度定数(k)は、式12によって決定される。
【0127】
【数12】
【0128】
式9、10及び値を式12に代入すると、式13及び14が得られる。
【0129】
【数13】
【0130】
【数14】
【0131】
k^typの概算を得るため、個々の患者に対するk値は、対応するBSA値を式13及び14に代入することによって計算された。平均k値を表すk^typは、男性が0.0026/時間、女性が0.0022/時間であった。性別間のばらつきは比較的小さく、変動係数は男性が7%、女性が5%であった。それゆえ、用量計算のための式を簡単にするために、一定のkの値(即ち男性は0.0026/時間、女性は0.0022/時間)が用いられた。
【0132】
以下の考察は、式11を用いて、48時間に15μMまたは21.4μg/mlの標的濃度を生じさせ得るスラミン用量を計算する実施例を提供する。式11のCpに21.4μg/ml、tに48時間、Vに集団モデル値を代入し、k^typの数値を代入すると、式15が得られる。
【0133】
【数15】
【0134】
FACTORの数値を計算すると、男性が125mg/m4、女性が123mg/m4になった。2つの性別のFACTOR値は比較的小さいので(即ち<2%)、用量計算を簡単にするために、FACTORの値を男性と女性で同じ125mg/m4に設定した。性による差が大きければ(即ち>10%)、2つの性別で異なるFACTOR値が必要となる。
【0135】
化学療法は通常、例えば毎週または3週間毎などの複数の周期で施される。スラミンは、体内から非常に緩慢に排出される。非小肺癌患者のデータは、スラミンに対して長い血漿半減期(約11日)を示す。それゆえ、前の用量のかなりの割合が第2の治療及び後続の治療の時点(即ち毎週の治療計画における8日目または3週間毎の治療計画における22日目)で体内に残っている。結果的に、第2の治療サイクル及び後続の治療サイクルに対するスラミン用量は残りのスラミンに合わせて調整されなければならない。
【0136】
後続の治療サイクル中に48時間で21.4μg/mlの同じ標的濃度を得るために、後続サイクル中に投与される用量は、治療と治療の間に排出された用量の一部分を置換するべきである。これは、式16に説明される。
【0137】
【数16】
【0138】
tが48時間に等しい第1サイクルとは対照的に、後続サイクル中のtの値は可変であり、前のサイクルからの経過時間に等しいことに留意されたい。更に、後続サイクルのためのtの値は第1サイクルのためのtの値より著しく長い(48時間に対して例えば504時間またはそれ以上)。これは、k値とt値を乗算する際に男性と女性でずっと大きな差になる。従って、後続サイクルのための用量の計算は、性別に基づく調整が必要である。
【0139】
スラミン用量が体表面積の2乗値の関数であるという発見は驚きである。なぜなら、臨床腫瘍学においては、化学療法剤の用量は通常体表面積に基づいて選択または計算され、その2乗値に基づくものではないからである。
【0140】
PBPKベースの投薬方法のバリデーション
PBPKベースのスラミン投薬方法の実行は、後向き及び前向きになされた。後向き分析は、モデル開発にその薬物動態データが用いられた最初の12人の患者について行われた。PBPKベースの方法を用いて計算される用量は、実時間薬物動態研究によって得られたような、個々の患者において48時間で血漿において15μMのスラミンを生じさせ得る用量(理想的な用量と呼ぶ)と比較された。理想的な用量は、薬物動態における個人間の差異を考慮し、式17を用いて計算された。
【0141】
【数17】
【0142】
ここで、Cp48時間,標的は48時間経過時の標的血漿濃度であり、15μMまたは21.4μg/mlに等しい。Cp48時間,観察は48時間経過時に観察される濃度である。PBPK方法で予測される用量と理想的な用量との用量精度は、式18を用いて計算された。
【0143】
【数18】
【0144】
集団(即ち試験される患者全員)としては、PBPK方法で計算された用量は理想的な用量の106±15%であった。個々の患者に対して、BSA方法で計算された用量は理想的な用量の103±7%であった。モデル予測用量と理想的な用量との良好な一致は、PBPK方法の良好な予測力を示す。
【0145】
上記の考察は、48時間経過時に約15μMの標的スラミン濃度を得る方法を実証する。約50μM以下の最大濃度を得るために、例えば化学療法剤の投与の直後、標準的な方法及び実施例3の表4で説明された低用量スラミンの薬物動態パラメータを用いて、例えば血漿濃度−時間プロフィールをシミュレートすることによって、薬物動態計算が実行された。薬物動態分析の結果は、式15及び16によって計算された第1の及び後続サイクルのスラミン用量が約50〜100μMの最大濃度を生じさせ得ることを示す。追加の薬物動態分析は例えばシミュレーションによって、48時間、濃度を約10μMに維持する一方で、約50μMまたはそれ以下の所望の最大濃度を得るための2つのアプローチを示した。1つのアプローチは、計算されたスラミン用量の合計を2つの部分に分け、全用量の3分の2に等しい第1の部分を化学療法前に投与し、続いて残りの3分の1を24時間後に投与する。第2のアプローチは、全てのスラミン用量を一度に投与し、スラミン濃度が約50μMまたはそれ以下になるまで約2〜4時間待ち、その後、化学療法剤を投与する。
【0146】
PBPK方法によって計算されたスラミン用量が約10〜50μMの血漿濃度のスラミンを48時間にわたって搬送し得るか否かを更に検証するために、患者の亜集団に対して前向き分析が行われた。3人の追加の非小肺癌患者は、PBPKベースの方法によって計算された用量を用いて治療された。全スラミン用量の3分の2が化学療法剤の投与前に投与され、残りの3分の1が24時間後に投与された。これらの患者からのスラミン血漿濃度(合計で13の処置)は、観察された濃度を次式で示される48時間経過時の標的濃度(即ち15μM)と比較することによって濃度精度を調べるために用いられた。
【0147】
【数19】
【0148】
表6に結果を示す。全ての処置において48時間血漿濃度は10μM以上だった。更に、別の化学療法剤即ちパクリタキセルの投与後の最大濃度は全ての処置において50μM以下だった。48時間、15μMの標的血漿濃度と観察された血漿濃度の差は、<17%だった。
【0149】
【表6】
【0150】
スラミン用量を計算するためのノモグラム
式15及び16に示されるように、第1サイクルの用量及び後続サイクル用量は共に、標的時点での標的濃度、患者の体表面積の2乗値及び性別に基づいて計算され得る。それゆえノモグラムは、標的スラミン用量を計算するために開発され得る。ノモグラムは、地域社会の診療所などの臨床条件での用量決定を容易にする。
【0151】
以下の考察は、ノモグラム開発の実施例として提供される。この実施例では、別の化学療法剤を投与した直後には標的スラミン濃度は50μMであり、48時間では15μMであり、男性のk値は0.0026/時間、女性のk値は0.0022/時間であった。
【0152】
これらの値を用いてFACTORの無数の値が計算され、男性に対しては125mg/m4、女性に対しては123mg/m4であった。2つの性に対するFACTOR値が比較的小さい(即ち<2%)ので、用量計算を簡単にするためにFACTORの値は男女共に125mg/m4に設定した。性別に関連する差が大きい(例えば>10%)場合には、2つの性に対して異なるFACTOR値が必要である。
【0153】
FACTORの値は、後続サイクル治療の間、前のサイクル(下表7を参照)中のスラミン治療開始の投与からの経過時間に依存する。男性患者と女性患者の差は負荷量よりも後続サイクル用量に対して大きいことに留意されたい。これは、2つの性別に対するk値における20%の差が、時間tが48時間から504時間まで増加したときに、k値と時間を乗算した積の差をより大きくしたことに起因する。
【0154】
FACTORは、標的濃度Cp、k値、標的濃度に到達したときの時間tの関数であることに留意されたい。それゆえ、FACTORは所望の時間tにおいて達成される所望の標的濃度に基づき計算され得る。例えば、第1サイクルの治療に対して、FACTORは時間tでの所望のCp及びk値に基づいて計算され得る。後続サイクル治療に対して、毎週の治療計画のためのFACTORは、3週間毎の治療計画のための168時間のt値、504時間のt値を用いて計算され得る。同様に、FACTORは異なる標的濃度(例えば10または20μM)に対して計算され得る。
【0155】
FACTORはまた、治療時間の変化、例えば患者の旅行計画に起因する治療の遅れに対して調整され得る。例えば、前の第1サイクル中、第1の用量の投与後25日に第2のサイクルが開始されるのであれば、FACTORの値は男性が87、女性が79であり、一方で3週間毎(即ち前のサイクル中、第1の用量の投与後21日)の治療を受けた男性のFACTORの値は80、女性は72である。同様に、週毎の計画に対して、スラミンの量は3週間毎の計画の後より多い。従って、FACTOR値はより小さく、男性は39、女性は33である。
【0156】
【表7】
【0157】
上述の方法は、48時間にわたって10〜50μMの範囲にある標的スラミン濃度を用いる。これは、スラミンと併用して用いられる他の化学療法剤が12時間以下の半減期を有し、従って48時間で90%以上を排出することになるような状況に特異的である。スラミンの化学増感用量を計算するためのこれと同じ方法は、化学療法剤がより長い半減期を有するような他の状況にも拡張され得る。この場合、標的スラミン濃度は他の化学療法剤の少なくとも4つの半減期の間維持される必要はないことになる。スラミン用量は、例えば48時間から新たな標的時間(例えば同時投与される化学療法剤の終末半減期の3〜4倍)までの時間パラメータを代入することによって、式15及び16から計算され得る。変形された式は、適切なノモグラムの計算に用いられ得る。
【0158】
まとめ
要約すると、この実施例は、実施例1〜3と合わせて、PBPK分析を用いるアプローチと、動物及びヒトにおいて化学増感を生じさせるようなスラミン用量を決定または計算する方法とを実証した。この方法を用いて計算されるスラミン用量は、他の化学療法剤が治療的に有意なレベルで血漿中に存在するような期間にわたって所望の標的血漿濃度を生じさせるし得る。更に、この方法を用いて計算されるスラミン用量は、化学増感を生じさせないような血漿濃度を生じさせるし得る。最後に、化学増感を生じさせるようなスラミン用量を決定するためのPBPK分析は、限定されるものではないが、人種、前成人期対成人期を含む他の患者の特性を評価するようにも拡張され得る。同様のことは、ヒトではない患者にも当てはまり得る。
【0159】
本発明について好適実施例を参照しながら説明してきたが、当事者には、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得ることや構成要素が同等のものに置換され得ることが理解されよう。更に、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるために本質的な範囲から逸脱することなく多くの改変がなされ得る。従って、本発明は、本発明の実行を考えて最良の形態として開示された特定の実施例に限定されるものではなく、本発明は特許請求の範囲に含まれる全ての実施例を含むことになることが意図されている。本明細書においては、参照した全ての引用文献は引用することをもって明確に本発明の一部となす。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】化学増感に対するスラミン用量の効果を図式的に示す。既知の皮下のヒト前立腺PC3異種移植腫瘍を有する免疫不全マウスが、生理食塩水(対照標準)、化学療法剤(即ちパクリタキセル)、低用量スラミン、高用量スラミン、パクリタキセルと低用量スラミンの併用、またはパクリタキセルと高用量スラミンの併用で処理された。パクリタキセルの用量は15mg/kgで、3週間、週2回投与された。2つの用量のスラミンが用いられた。低スラミン用量は10mg/kgで、3週間、週2回投与された。高スラミン用量グループは、200mg/kgの負荷量を与えられ、その後3週間にわたって130mg/kgずつ5回投与された。実施例1は、図1について更に詳しく述べる。
Claims (24)
- 細胞毒性剤を投与される患者を治療するための方法であって、
(a)前記患者における循環スラミン濃度を決定する過程と、
(b)必要であれば前記患者に約200μM以下の低循環濃度を確立するために必要な用量のスラミンを投与する過程と、
(c)前記約200μM以下の低循環濃度が前記患者において存在するとき、化学療法剤を前記患者に投与する過程とを含むことを特徴とする方法。 - 前記低用量の循環スラミンが約10〜200μMであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記低用量の循環スラミンが約10〜50μMであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記必要な用量のスラミンが、過程(b)において
(b1)前記患者の性別及び体表面積(BSA)の2乗を決定する過程と、
(b2)最後のスラミン治療の開始からの経過時間を日数単位で決定する過程と、
(b3)前記性別、前記体表面積の2乗、及び前記最後のスラミン治療からの経過日数のパラメータに基づく用量を示すノモグラムを用いて、低用量スラミンの用量を計算する過程とによって決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記細胞毒性剤が、微小管阻害剤、トポイソメラーゼI抑制剤、トポイソメラーゼII抑制剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、插入剤、シグナル伝達経路を妨害することが可能な薬剤、アポトーシスまたは壊死のうちの1つ若しくはいくつかを促進する薬剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子または放射能のうちの1つ若しくはいくつかであること特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記細胞毒性剤が、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ドセタキセル、トポテカン、カンプトセシン、塩酸イリノテカン、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シトシンアラビノシド、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド、クラドリビン、フトラフール、UFT(ウラシルとフトラフールの組み合わせ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、チアゾフリン、ゼローダ(カペシタビン)、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イホスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブロマン、4-イポミアノール、ジヒドロレンペロン、スピロムスチン、ゲルダナマイシン、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロイド(例えばリュープロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3- (4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ- 2-メチル-3'-(トリフルオロメチル) プロピオンアニリド、ハーセプチン、抗CD20(リタキサン)、C225、イレッサ、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、放射能、ヒドロキシ尿素、アザチオプリン、アミノプテリン、トリメトプリン、ピリメタミン、プリトレキシム、DDMP(2,4 ジアミノ5(3', 4' ジクロロフェニル) 6 メチルピリミジン)、5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸、10-プロパルギル-5, 8 ジデアザ葉酸(CB3717)、10-エチル-10-デアザ-アミノプテリン、デオキシシチジン、5-アザ-シトシンアラビノシド、N-4-パルミトイル-シトシンアラビノシド、2'-アジド-2'-デオキシシトシンアラビノシド、N4-ベヘノイル-シトシンアラビノシド、CCNU(ロムスチン)、エストラムスチン、MeCCNU、トリエチレンメラミン、トレニモン、ジメチルブスルファン、ストレプトゾトシン、クロロゾトシン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン(アルトレタミン)、ヘプタメチルメラミン(PMM)、テトラプラチン、オキサリプラチン、プラチナ-DACH、アジリジニルベンゾキノン(AZQ)、ブレオマイシン、タリソマイシンS10 b、リブロマイシン、ペプレオマイシン、アスパラギナーゼ(Elspar)、pegaspargase(Oncaspar)、クラドリビン(ロイスタチン)、ポルフィマーナトリウム(フォトフリン)、アミノフィド、デオキシスペルグアリン、ジヒドロレンペローネ、フラボン酢酸、硝酸ガリウム、及びヘキサメチレン二アセトアミン(HMBA)のうちの1つ若しくはいくつかであること特徴とする請求項6に記載の方法。
- スラミン用量が、患者において48時間にわたり約10〜50μMの濃度が達成されるように投与されること特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記患者が哺乳動物であること特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記患者がヒトであること特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記患者が腫瘍を有すること特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記細胞毒性剤が、カルボプラチンまたはパクリタキセルのうちの1つ若しくはいくつかであること特徴とする請求項7に記載の方法。
- スラミンの治療的な有効量の3分の2が最初の日に投与され、前記スラミンの治療的な有効量の残り3分の1が約24時間後に投与されること特徴とする請求項1に記載の方法。
- 細胞毒性剤を投与される患者に投与するためのスラミンの治療的な有効量を決定するための方法であって、
(b1)前記患者の性別及び体表面積(BSA)の2乗を決定する過程と、
(b2)最後のスラミン治療の開始からの経過時間を日数単位で決定する過程と、
(b3)前記性別、前記体表面積の2乗、及び前記最後のスラミン治療からの経過日数のパラメータに基づく用量を示すノモグラムを用いて、低用量スラミンの用量を計算する過程とによって決定されることを特徴とする方法。 - 前記細胞毒性剤が、微小管阻害剤、トポイソメラーゼI抑制剤、トポイソメラーゼII抑制剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、插入剤、シグナル伝達経路を妨害することが可能な薬剤、アポトーシスまたは壊死のうちの1つ若しくはいくつかを促進する薬剤、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子または放射能のうちの1つ若しくはいくつかであること特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記細胞毒性剤が、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ドセタキセル、トポテカン、カンプトセシン、塩酸イリノテカン、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ダウノルビシン、イダルビシン、テニポシド、アムサクリン、エピルビシン、メルバロン、塩酸ピロキサントロン、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、シトシンアラビノシド、トリメトレキセート、ゲムシタビン、アシビシン、アラノシン、ピラゾフリン、N-ホスホアセチル-L-アスパレート(PALA)、ペントスタチン、5-アザシチジン、5-アザ-2'-デオキシシチジン、アデノシンアラビノシド、クラドリビン、フトラフール、UFT(ウラシルとフトラフールの組み合わせ)、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン、チアゾフリン、ゼローダ(カペシタビン)、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、マイトマイシンC、BCNU(例えばカルムスチン)、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、プリカマイシン、ダカルバジン、リン酸イホスファミド、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、ウラシルマスタード、ピポブロマン、4-イポミアノール、ジヒドロレンペロン、スピロムスチン、ゲルダナマイシン、サイトカラシン、デプシペプチド、ロイプロイド(例えばリュープロン)、ケトコナゾール、タモキシフェン、ゴセレリン(例えばゾラデックス)、フルタミド、4'-シアノ-3- (4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ- 2-メチル-3'-(トリフルオロメチル) プロピオンアニリド、ハーセプチン、抗CD20(リタキサン)、C225、イレッサ、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、インターロイキン4、インターロイキン12、腫瘍壊死因子、放射能、ヒドロキシ尿素、アザチオプリン、アミノプテリン、トリメトプリン、ピリメタミン、プリトレキシム、DDMP(2,4 ジアミノ5(3', 4' ジクロロフェニル) 6 メチルピリミジン)、5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸、10-プロパルギル-5, 8 ジデアザ葉酸(CB3717)、10-エチル-10-デアザ-アミノプテリン、デオキシシチジン、5-アザ-シトシンアラビノシド、N-4-パルミトイル-シトシンアラビノシド、2'-アジド-2'-デオキシシトシンアラビノシド、N4-ベヘノイル-シトシンアラビノシド、CCNU(ロムスチン)、エストラムスチン、MeCCNU、トリエチレンメラミン、トレニモン、ジメチルブスルファン、ストレプトゾトシン、クロロゾトシン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン(アルトレタミン)、ヘプタメチルメラミン(PMM)、テトラプラチン、オキサリプラチン、プラチナ-DACH、アジリジニルベンゾキノン(AZQ)、ブレオマイシン、タリソマイシンS10 b、リブロマイシン、ペプレオマイシン、アスパラギナーゼ(Elspar)、pegaspargase(Oncaspar)、クラドリビン(ロイスタチン)、ポルフィマーナトリウム(フォトフリン)、アミノフィド、デオキシスペルグアリン、ジヒドロレンペローネ、フラボン酢酸、硝酸ガリウム、及びヘキサメチレン二アセトアミン(HMBA)のうちの1つ若しくはいくつかであること特徴とする請求項16に記載の方法。
- 1若しくは複数の細胞毒性剤とスラミンを同時投与するためのキットであって、
薬剤担体に配合されたスラミンと、
腫瘍細胞の成長や増殖の抑制または腫瘍細胞の死滅の誘導の1つまたはいくつかにおいて前記細胞毒性剤と併用して前記スラミンを治療的に用いるためのインストラクションとを含むキット。 - 前記インストラクションがスラミンの治療的な有効量を決定するための方法を含むことを特徴とする請求項20に記載のキット。
- 前記スラミンの治療的な有効量を決定するためのインストラクションがノモグラムを含むことを特徴とする請求項21に記載のキット。
- 前記細胞毒性剤の1つがパクリタキセルであることを特徴とする請求項20に記載のキット。
- 前記細胞毒性剤の1つがカルボプラチンであることを特徴とする請求項20に記載のキット。
Applications Claiming Priority (2)
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