JP2005508217A - 整形外科セメントのための孔形成剤 - Google Patents

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Abstract

セメント混合物および孔形成剤を含む骨前駆体組成物は、骨移植片に対して提供される。好ましくは、孔形成剤は、20〜250μmの粒子サイズを有する。好ましくは、孔形成剤の割合は、7〜40%(w/w)である。この組成物は、さらに生物活性因子、好ましくは骨形態形成タンパク質またはBMPをコードする核酸を孔形成剤中にカプセル化されて含み得る。組成物の成形能力は、結合剤の添加によって調整され得る。本発明は、骨前駆体組成物を含むキットおよび移植片デバイスを提供する。本発明はまた、表面領域およびその表面領域に配置される骨前駆体物質を有する補綴デバイスを含む移植可能な補綴移植片を提供する。このキットおよびデバイスは、さらに生物活性因子および結合剤を含む1つ以上の追加の構成要素を含み得る。骨形成誘導方法および生物活性因子送達方法が提供される。

Description

【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
ヒト体内の骨組織は、最大の割合の身体結合組織量を含む。しかし、他の結合組織とは異なり、その基質は、組織化されたコラーゲン構造中に分配されるヒドロキシアパタイトと呼ばれる基本的なカーボネート含有カルシウムホスフェートの生理学的に鉱化された小晶子からなる。この組織の修復は、骨格形成およびその欠損部の鉱化、引き続く、その本来の構造を達成するような欠損部位の再造形に指向される多数の複雑な細胞性機能に関与する複雑なプロセスである。
【0002】
主な状況では、カルシウムホスフェートに基づく移植片は、骨修復のために適合性および伝導性であることが見出されている。ヒドロキシアパタイト(HA)は、Ca10(PO(OH)の式を有し、そしてその化合物は、骨硬質および歯のエナメル質と化学量論的組成において類似する。多孔性のヒドロキシアパタイトブロックおよび粒子は、その物質が骨伝導性でありかつ骨が内に伸びそして付着することを支持するので、構造的な支柱を提供するための移植片として幅広く使用されている。しかし、これらのヒドロキシアパタイト物質は、大部分の整形外科的な手順に関して不便な取り扱い性質を有する(Parsonら、Annals of the New York Academy of Sciences、523、190〜207頁(1988))。種々のカルシウムセメント処方物(すなわち、ヒドロキシアパタイトセメント)は、インサイチュでの取り扱いの特徴を改善させるために開発されている(Tayら、The Orthopedic Clinics of North America、30、615〜623頁)。しかし、これらの処方物は、組織移植の際、それらが有意な吸収を受けないという欠点を有する。
【0003】
このHAセメントの吸収を改善するために、硫酸カルシウムのような孔形成剤がこのセメントに添加されている。例えば、Parsonら、前出を参照のこと。二次的なその孔形成剤の吸収は、多孔性のHAセメントを提供し、それは、骨溶解性の細胞がその孔に湿潤しそして骨の伸長を促進することを可能にする。しかし、多孔性HAセメントの不適当な多孔性および孔のサイズは、骨形成プロセスを妨げ得る。
【0004】
大きな孔サイズおよび高い多孔性を有するカルシウムセメントは、過剰な吸収速度およびこの物質の不十分な物理的強度を生じ、これゆえ、その基質が新たに合成された骨に骨格を提供することを妨げる。さらに、骨吸収の速度が骨伸張の速度より速い場合、炎症性応答がしばしば観察される。小さい孔サイズおよび低多孔性を有するカルシウムセメントは、低吸収速度を生じ、それは新たに形成された骨において基質粒子のカプセル化を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、有意な吸収を可能にし、生理学的な環境において構造的な完全性を維持し、そしてインサイチュでのセメントの操作を可能にする骨前駆体組成物および孔形成剤を含むセメント処方物を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、セメント混合物および孔形成剤を含む骨前駆体組成物を同定することによってこれらの問題を解決する。本発明はまた、固形セメントおよび孔形成剤を含む組成物を提供する。好ましくは、孔形成剤の粒子サイズは、20〜500μmであり、より好ましくは20〜140μmであり、最も好ましくは75〜140μmである。好ましい実施形態では、孔形成剤の割合は、10〜70容量%であり、より好ましくは40〜60容量%である。好ましい実施形態では、孔形成剤の割合は、7〜40重量%であり、より好ましくは7〜25重量%である。より好ましい実施形態では、PLGAの割合は7〜14重量%である。本発明の組成物は、その物理的強度およびその移植片の操作特性を維持しながら、細胞性因子のセメントへの浸透を改善し、それにより生体での骨組織の再生を改善する。
【0007】
本発明はまた、骨前駆体組成物および骨形態形成タンパク質(BMP)またはBMPをコードする配列を含む核酸分子のような生物活性因子を含む組成物を提供する。好ましい実施形態では、その生物活性因子は、孔形成剤中にカプセル化される。骨前駆体組成物または骨前駆体組成物/生物活性因子の混合物はまた、移植部位でのその組成物の成形性を調節するために結合剤と共に使用され得る。本発明はまた、骨前駆体組成物、および生物活性因子および結合剤を含む少なくとも1つ以上の付加的な組成物を含むキットを提供する。
【0008】
別の局面では、本発明はまた、骨前駆体組成物物質を含む移植可能なデバイス、およびBMPまたは結合剤のような生物活性因子を含む1つ以上の追加の組成物を必要に応じて含む移植可能なデバイスを提供する。本発明はまた、骨前駆体組成物を含む移植可能な補綴デバイスおよびBMPまたは結合剤のような生物活性因子を含む1つ以上の追加の組成物を必要に応じて含む移植可能な補綴デバイスを含む。
【0009】
本発明は、骨前駆体組成物ならびに必要に応じて結合剤および/または生物活性因子を含む組成物をその欠損部位に移植するステップを含む、哺乳動物中での骨形成を誘導する方法を提供する。本発明はまた、骨前駆体組成物および生物活性因子を含む組成物を哺乳動物の欠損部位に移植する工程を包含する、骨形成を必要とする部位へ生物活性因子を送達する方法を提供する。
【0010】
(発明の詳細な説明)
本明細書で記載される本発明が十分に理解され得るように、以下の詳細な説明が示される。
【0011】
「アミノ酸配列相同性」は、アミノ酸配列の同一性および類似性の両方を含むと理解される。相同な配列は、同一および/または類似のアミノ酸残基を共有し、類似の残基とは、整列された参照配列中の対応するアミノ酸残基についての保存的置換であるか、または整列された参照配列中の対応するアミノ酸残基の「可能な点変異」である。従って、参照配列と70%のアミノ酸相同性を共有する候補ポリペプチド配列は、整列される残基のいずれか70%がその参照配列中の対応する残基と同一であるか、またはその参照配列中の対応する残基と保存的置換であるかのいずれかである配列である。特に好ましい形態形成のポリペプチドは、C末端の102〜106アミノ酸と少なくとも60%、好ましくは70%のアミノ酸配列の同一性を共有し、ヒトOP−1、BMP−2、および関連するタンパク質の保存された7システインドメインを規定する。
【0012】
アミノ酸配列の相同性は、当該分野において周知の方法によって決定され得る。例えば、この7システインドメインの配列に対する候補アミノ酸配列の相同性のパーセントを決定するために、これら2つの配列が初めに整列される。このアライメントは、例えばNeedlemanら、J.Mol.Biol.48、443頁(1970)に記載されるダイナミックプログラミングアルゴリズム、およびDNAstar,Incによって製造された市販のソフトウェアパッケージであるAlign Programによって行われる。これらの参考文献の教示は、本明細書中で参考として援用される。初めのアラインメントは、関連するタンパク質ファミリーの多配列アラインメント(multi sequence alignment)との比較によって精製され得る。いったんアラインメントが行われそして精製されると、相同性スコアのパーセントが計算される。この2つの配列の整列されたアミノ酸残基は、続いてその類似性のために互いに比較される。類似要素は、類似したサイズ、形態および電荷を含む。アミノ酸の類似性を決定する1つの特に好ましい方法は、Dayhoffら、Atlas of Protein Sequence and Structure、5、345〜352頁(1978および前出)(本明細書中で参考として援用される)に記載されるPAM250マトリクスである。類似性スコアは、最初に整列された2つ1組の(pair wise)アミノ酸類似性スコアの和として計算される。挿入および欠損は、パーセント相同性および同一性の目的に関して無視される。従って、ギャップペナルティは、この計算上では使用されない。次いで、未処理(raw)のスコアが、その未処理のスコアをその候補配列および7システインドメインのスコアの相乗平均で割ることによって標準化される。その相乗平均は、これらのスコアの積の二乗である。標準化された未処理のスコアは、パーセント相同性である。
【0013】
「骨」とは、ヒドロキシアパタイト、コラーゲン(主にI型コラーゲン)および骨細胞(bone cell)(例えば、骨芽細胞、骨細胞(osteocytes)および破骨細胞)の形態で堆積されたカルシウムおよびリン酸の複合物、ならびに真性軟骨性骨の内側に形成する骨髄組織を主に含む、石灰化された(鉱化された)結合組織である。骨組織は、他の組織(軟骨組織を含む)とは有意に異なる。詳細には、骨組織は、細胞ならびに鉱化された、無機成分(主にヒドロキシアパタイト結晶)および有機成分(主にI型コラーゲン)を含む二相性の媒体から構成される血管化組織である。グリコサミドグリカンは、この有機成分の2%未満およびその二相性の媒体の1%未満、または本質的に骨組織自体を構成する。そのうえ、軟骨組織に関して、骨組織に存在するコラーゲンは、高度に組織化された並行した構成で存在する。骨の欠損は、退行性の病因からであろうと、外傷性の病因からであろうと、または癌性の病因からであろうと、再建手術をする外科医に侮り難い難題を提示する:特に、哺乳動物の関節で生じるような、複数の組織の複合体の一部を含む骨格部分の再建および修復は困難である。
【0014】
「骨形成」は、軟骨性骨の形成または膜性骨の形成をいう。ヒトにおいて、骨形成は胎児発育の最初の6〜8週間の間に始まる。間葉起源の前駆幹細胞は、予め決定された部位に移動し、それらは、:(a)凝縮し、増殖し、そして骨形成細胞(骨芽細胞)に分化する(頭蓋で観察されそして「膜性骨形成」と称されるプロセス)か、または(b)凝縮し、増殖しそして中間体として軟骨形成細胞(軟骨芽細胞)に分化し、続いて、骨形成細胞に置換されるかのいずれかである。より詳細には、間葉幹細胞は、軟骨細胞に分化する。次いで、この軟骨細胞は、石灰化され、肥大し、そして新たに形成され、分化した骨芽細胞によって作られ、その時その部位に存在する骨に置換される。続いて、鉱化された骨は、大規模に再造形され、その後機能的な骨髄要素で満たされた小骨によって占めれる。このプロセスは、長骨において観察され、そして「軟骨性骨形成」と称される。胎児以後の生命活動において、骨は、胚の軟骨性骨の発達の細胞性プロセスを模倣することによって、骨自体を損傷から回復させる能力を有する。すなわち、骨髄、骨膜、および筋に由来する間葉前駆幹細胞が誘導され、その欠損部位に移動し、そして上記のイベントのカスケードを開始し得る。そこで、これらの細胞は蓄積し、増殖し、そして軟骨に分化し、続いて、新たに形成された骨に置換される。
【0015】
「骨形態形成タンパク質(BMP)」とは、DNAおよびアミノ酸配列相同性に基づくタンパク質であるTGF−βスーパーファミリーのBMPファミリーに属するタンパク質(BMPファミリー)をいう。あるタンパク質が、このBMPファミリーを特徴付ける保存されたC末端の、システインリッチドメイン内で、少なくとも1個の公知のBMPファミリーと少なくとも50%のアミノ酸配列の同一性を有する場合、そのタンパク質は、本発明に従いBMPファミリーに属する。BMPファミリーのメンバーは、全体的に50%未満のDNA配列同一性またはアミノ酸配列同一性を有し得る。
【0016】
「骨前駆体組成物」とは、セメント混合物および孔形成剤を含む組成物をいう。好ましくは、骨前駆体組成物は、生体適合性および生物吸収性である。この組成物は、損傷を受けた結合組織(例えば骨組織)を形成、修復または置換するための骨移植片としてセメントマトリクスを形成するために使用され得る。
【0017】
「結合剤」は、骨前駆体組成物および/または骨形成タンパク質と混合される場合、骨形成に有害な影響を及ぼすことなく所望の操作特性を提供する任意の生体適合性の物質をいう。本明細書で教示される場合、当業者は、慣用的な実験のみを用いて、任意の最適な結合剤を用いて使用するためのタンパク質の有効量を決定し得る。数ある好ましい結合剤の他の特徴の中には、少しの例として、そのデバイスを柔軟、成形可能(shapeable)、および/または柔順(malleable)にし;注射可能にし;骨、軟骨、筋および他の組織に対して付着性にし、外科手術中の洗浄および/または灌注による分解に対して耐性にし;そして、外科手術中、縫合および手術後の除去に対して耐性にする能力がある。
【0018】
「生体適合性」とは、細胞性免疫応答および体液性免疫応答(例えば、炎症性応答および異物繊維性応答(foreign body fibrotic responses))のような体の種々な防御系に関連する有害な効果を誘発しない物質をいう。用語、生体適合性はまた、物質が患者内へ移植される場合、その物質によって非特異的な所望されない細胞障害性効果または全身性効果が引き起こされることを意味する。
【0019】
「セメント混合物」とは、固形セメントの前駆体である混合物をいう。この混合物は、乾燥粉末または顆粒形態であり得る。液体の開始剤と混合すると、この混合物は、プラスチックのペーストを形成する。このペーストは、化学反応および/または結晶再配列を受けそして水和反応の結果として、やがて固化した固形セメント内へと硬化する。この液体の開始剤は、生理学的に受容可能な水性の開始剤(例えば、水、水性緩衝剤または水性溶液)であり得る。そのセメント混合物は、結合組織表面(例えば、骨組織)を集合させるための(それは直接には接触しないが)、かつ骨組織と金属または人工の補綴デバイスとを結合させるための結合剤、または充填剤として使用され得る。好ましくは、セメント混合物は、カルシウムセメント混合物である。より好ましくは、この混合物は、カルシウムホスフェートセメント混合物、硫酸カルシウム半水和物のようなカルシウムスルフェートセメント混合物、またはそれらの組み合わせである。
【0020】
「カルシウムホスフェートセメント混合物」とは、カルシウムホスフェート、アモルファスカルシウムホスフェート、脱炭酸されたアモルファスカルシウムホスフェート、β−トリカルシウムホスフェート、α−トリカルシウムホスフェート、モノカルシウムホスフェート、ジカルシウムホスフェート、オクタカルシウムホスフェート、カルシウムメタホスフェート、ヘプタカルシウムホスフェート、カルシウムピロホスフェートから選択される、少なくとも2つのカルシウムホスフェート混合物を含むセメント前駆体組成物をいう。このカルシウムホスフェートセメント混合物は、水和および硬化によってカルシウムホスフェートセメントを形成する。
【0021】
「カルシウムスルフェートセメント混合物」とは、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物(焼石膏)および硫酸カルシウム二水和物(石膏)が挙げられるが、これらに限定されない硫酸カルシウムの形態を含むセメント前駆体組成物をいう。このカルシウムスルフェートセメント混合物は、水和および硬化によってカルシウムスルフェートセメントを形成する。
【0022】
「セメントマトリクス」とは、本発明の骨前駆体組成物と液体の開示剤との混合後に形成する組成物をいう。セメントマトリクスは、移植のために用意された、成形可能なパテ状の形態でか、またはインビボもしくはインサイチュで予め移植された、硬化された固体形態であり得る。硬化された固体形態は、湿潤細胞が接着し、増殖しそして骨形成に達成する形態形成プロセスに関与する骨格構造を有する。このセメントマトリクスはまた、BMPのような結合剤または生物活性因子から選択される1つ以上の構成要素を含み得る。
【0023】
「保存的置換」とは、対応する基準残基と物理的にまたは機能的に類似する残基をいう。すなわち、保存的置換およびその基準残基は、類似するサイズ、形状、電荷、共有結合または水素結合などを形成する能力を含む化学的特性を有する。好ましい保存的置換は、Dayhoffら、前出において許容される点突然変異に対して規定される基準を満たすものである。保存的置換の例は、以下の群内の置換である:(a)バリン、グリシン;(b)グリシン、アラニン;(c)バリン、イソロイシン、ロイシン;(d)アスパラギン酸、グルタミン酸;(e)アスパラギン、グルタミン;(f)セリン、トレオニン;(g)リジン、アルギニン、メチオニン;および(h)フェニルアラニン、チロシン。用語「保存的改変体」または「保存的バリエーション」はまた、その親の配列に対して特異的な抗体がまた、生じる置換ポリペプチド配列に対して特異的、すなわち、「交差反応」または「免疫反応」する場合、所定の親のアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の代わりに置換アミノ酸残基の使用を含む。
【0024】
「欠損」または「欠損部位」とは、骨、関節、軟骨または靭帯の、修復、構成、融合、再生または増強を必要とする部位をいう。その部位は、整形外科的な構造的破裂または構造的異常であり得、あるいは骨が正常に成長しない部位であり得る。その欠損は、さらに骨軟骨性の欠損を規定し得、骨および上を覆う軟骨の両方の構造的な破裂を含む。欠損は、「空隙」の配置を呈し得、これは、例えば、骨または関節の構造的な完全性における間隙、腔、孔または他の実質的な破裂のような三次元の欠損を意味することが理解される。欠損は事故、疾患、外科的操作、および/またはプロテーゼ的な失敗の結果であり得る。特定の実施形態において、欠損は、内因性の修復または自然の修復が不可能な容量を有する空隙である。長骨におけるそのような欠損は、概して前記対象の骨の直径の2倍でありそしてまた「危険(critical)サイズ」の欠損と呼ばれる。例えば、イヌの尺骨欠損モデルにおいて、当該分野は、そのような欠損をおよそ3〜4cmであると認識する。概して、危険(critical)サイズの欠損は、およそ1.0cmであり、そして自然修復が不可能である。例えば、Schmitzら、Clinical Orthopaedics and Related Research、205、299〜308頁(1986);およびVukicevicら、Advances in Molecular and Cell Biology、6、207〜224頁(1993)(JAI Press、Inc.)を参照のこと。ウサギおよびサルの分節欠損モデルにおいて、間隙はそれぞれおよそ1.5cmおよび2.0cmである。他の実施形態において、欠損は非危険サイズの分節欠損である。概して、これらは自然修復が可能である。特定の他の実施形態において、欠損は、骨軟骨性栓のような骨軟骨性の欠損である。そのような欠損は、上を覆う軟骨全体を横断しそして少なくとも一部で、その基礎をなす骨性構造に侵入する。対照的に、軟骨の欠損または肋軟骨下の欠損は、一部または全体で、それぞれ上を覆う軟骨を横断する、しかしその基礎をなす骨を巻き込まない。本発明を使用する修復が可能な他の欠損は、非癒着性の骨折;骨孔;腫瘍切除;新たな骨折(伸延性または非伸延性);頭蓋、顎顔面および顔面の異常(例えば、顔面骨格の再構築、特に眼窩床の再構築、顎提または歯槽洞(alveolar ridge)の増大、歯周欠損および抜歯ソケット);頭蓋形成、頤形成、頤増大、口蓋再構築、および他の大部分の骨性の再構築;椎骨形成、頚椎、胸椎および腰椎における椎体間融合ならびに胸椎および腰椎における後椎部での融合;骨再生に関する骨髄炎において;付属肢融合(appendicular fusion)、足根関節融合(ankle fusion)、全臀部融合、膝融合および関節融合または関節形成;例えば、膝の前方靭帯、後方靭帯、外側靭帯および中央靭帯の腱の矯正および/または靭帯組織欠損、膝蓋骨およびアキレス腱などならびに癌、関節炎のような疾患(変形性関節症、および離断性の骨軟骨炎のような他の骨変性疾患を含む)から生じる欠損が挙げられるが、これに限定されない。
【0025】
「形態形成タンパク質」とは、形態形成活性を有するタンパク質をいう。好ましくは、本発明の形態形成タンパク質は、BMPタンパク質ファミリーに属する少なくとも1つのポリペプチドを含む。形態形成タンパク質は、始原細胞を増殖させおよび/または局所的な環境信号に依存して軟骨、骨、腱、靭帯、神経または他の型の組織形成に導く分化経路を開始させ得、従って、形態形成タンパク質は、異なる環境において異なって挙動し得る。例えば、骨形成タンパク質は、一つの処置部位では骨組織を誘導し得、そして異なる処置部位では神経組織を誘導し得る。
【0026】
「骨形成タンパク質(OP)」とは、始原細胞を軟骨形成および/または骨形成させることが出来る形態形成タンパク質をいう。骨は、膜内性骨または軟骨内骨であり得る。大部分の骨形成タンパク質は、BMPタンパク質ファミリーのメンバーであり、従ってBMPでもある。本明細書の他の部分で記載されるように、タンパク質の種類は、ヒト骨形成タンパク質(hOP−1)によって類型化される。本発明の実施において有用な他の骨形成タンパク質としては、OP−1、OP−2、OP−3、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、COP−16、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、MP121,ドーサリン−1、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、TGF−βおよび骨形成活性を有するこれらの保存性アミノ酸配列改変体の骨形成に活性な形態が挙げられる。現在好ましい1つの実施形態において、骨形成タンパク質としては、以下のいずれか1つ:OP−1、OP−2、OP−3、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、ならびにこれらのアミノ酸配列改変体およびホモログが挙げられ、これらの種ホモログを含む。特に好ましい骨形成タンパク質は、ヒトOP−1、BMP−2、および関連タンパク質のC末端の102〜106のアミノ酸(保存された7つのシステインドメインを規定する)と、少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含むものである。本発明の特定の好ましい実施形態では、骨形成タンパク質(OP−1)を含む。本明細書の他の部分でさらに記載されるように、出願人の発明との使用に適切な骨形成タンパク質は、ReddiおよびSampathによって記載される、当該分野によって認識されるバイオアッセイを使用する慣用的な実験によって同定され得る。(本明細書中で参考として援用されるSampathら、Proc.Natl.Acad.Sci.、84、7109〜7,113頁)
本発明において、有用なタンパク質としては、OP−1、OP−2、OP−3およびCBMP−2タンパク質のような骨形成タンパク質(本明細書で参考として援用される米国特許第5,011,691号を参照のこと)、ならびにDPP(Drosophila由来)、Vg1(Xenopus由来)、Vgr−1(マウス由来)、GDF−1(ヒト由来、Lee、PNAS、88、4250〜4254頁(1991)を参照のこと)、60A(Drosophila由来、Whartonら、PNAS、88、9214〜9218頁(1991)を参照のこと)、ドーサリン−1(ニワトリ由来、Baslerら、Cell、73、687〜702頁(1993)およびGenBank登録番号L12032を参照のこと)およびGDF−5(マウス由来、Stormら、Nature、368、639〜643頁(1994)を参照のこと)のようなアミノ酸配列が関連するタンパク質として同定される真核生物のタンパク質が挙げられる。前記参考文献の教示は、本明細書中で参考として援用される。BMP−3もまた好ましい。さらなる有用なタンパク質は、本明細書中で参考として援用される、米国特許第5,011,691号に開示される生合成形態形成構築物(例えば、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7およびCOP−16、ならびに当該分野で公知の他のタンパク質)を含む。なお他のタンパク質は、骨形成的に活性な形のBMP−3bを含む(Takaoら、Biochem.Biophys.Res.Com.、219、656−662頁(1996)を参照のこと)。BMP−9(WO95/33830を参照のこと)、BMP−15(WO96/35710を参照のこと)、BMP−12(WO95/16035を参照のこと)、CDMP−1(WO94/12814を参照のこと)、CDMP−2(WO94/12814を参照のこと)、BMP−10(WO94/26893を参照のこと)、GDF−1(WO92/00382を参照のこと)、GDF−10(WO95/10539を参照のこと)、GDF−3(WO94/15965を参照のこと)およびGDF−7(WO95/01802を参照のこと)。前記参考文献の教示は、本明細書中で参考として援用される。
【0027】
「修復」は、欠損部位の空隙または構造的な裂け目を少なくとも一部満たすために十分な、新しい骨形成および/または軟骨形成をいう。しかし、修復は、完全な回復のプロセスまたは欠損をその欠損前の物理的/構造的/機械的状態への修復時に100%効果的な処置を意味しない、またはそうでなければ必要としない。
【0028】
「固形セメント」は、セメント混合物の水和反応の結果として硬化(cure)され、硬化(harden)された固体をいう。セメント混合物の組成に依存して、セメント混合物が固形セメントを形成するためには、数分から数時間掛かり得る。この固形セメントは、好ましくはカルシウムホスフェートセメントまたはカルシウムスルフェートセメントである。カルシウムホスフェートセメントは、ヒドロキシアパタイト、炭酸塩化されたヒドロキシアパタイトまたは結晶性の乏しいヒドロキシアパタイトのようなヒドロキシアパタイトの形態であり得る。この固形セメントは、インビボまたはインサイチュで、骨成長、骨組織のような損傷を受けた結合組織の修復または置換を誘導するために形成され得る。
【0029】
(骨前駆体組成物)
本発明は、セメント混合物および孔形成剤を含む骨前駆体組成物を提供する。好ましいセメント混合物は、カルシウムセメント混合物である。より好ましくは、そのカルシウムセメント混合物は、カルシウムホスフェートセメント混合物またはカルシウムスルフェートセメント混合物である。水和の際および周囲の温度、例えば、室温または体温に設定する際に、このセメント混合物は、固形セメントを形成する。水和は、水、生理食塩水緩衝剤または水性溶液のような液体の添加によって達成され得る。これらのセメントの硬化時間は、これらの組成物および添加された液体の量に依存して、数分から数時間までに変動し得る。ナトリウムホスフェートまたはナトリウムピロホスフェートのような緩衝剤は、硬化時間を減少し得る。インサイチュでの硬化は、新たな骨によるその完全な置換まで、組織片の適切な結合力を保証し、そして孔形成剤の急速な吸着は、細胞性因子がこのセメントマトリクスに浸透することを可能にする。
【0030】
1つの実施形態では、カルシウムホスフェートセメント混合物は、ベータ−トリカルシウムホスフェート(β−TCP)およびモノカルシウムホスフェート一水和物(MCPM)の混合物;β−TCP、ジカルシウムホスフェート二水和物(DCPD)およびカルシウムカーボネート(CC)の混合物;モノカルシウムホスフェート、トリカルシウムホスフェートおよびカルシウムカーボネートの混合物;脱炭酸されたアモルファスのカルシウムホスフェートおよび第2のカルシウムホスフェートの混合物;テトラカルシウムホスフェート(TTCP)および第2のカルシウムホスフェートの混合物からなる群から選択される。
【0031】
1つの実施形態では、第2のカルシウムホスフェートは、モノカルシウムホスフェート、ジカルシウムホスフェート無水物、ジカルシウムホスフェート二水和物、カルシウムメタホスフェート、ヘプタカルシウムホスフェート、カルシウムピロホスフェート、α−トリカルシウムホスフェート、β−トリカルシウムホスフェート、オクタカルシウムホスフェートおよびアモルファスのカルシウムホスフェートからなる群から選択される。
【0032】
好ましい実施形態では、カルシウムホスフェートセメント混合物は、β−トリカルシウムホスフェート(β−TCP)およびモノカルシウムホスフェート一水和物(MCPM)の混合物を含む。より好ましくは、このβ−TCP/MCPM混合物は、さらにカルシウムピロホスフェート(CPP)、硫酸カルシウム二水和物(CSD)および硫酸カルシウム半水和物(hemihydrate)(CSH)を含む。β−TCPとMCPMとの混合の際、DCPDの小結晶は、そのペーストの隅から隅まで形成される。これらの結晶は、β−TCP粒子間の架橋として作用する。CPP、CSDおよびCSHの添加は、硬化時間を30秒から約10分に増大させる。
【0033】
別の好ましい実施形態において、カルシウムホスフェートセメント混合物は、β−TCP、ジカルシウムホスフェート二水和物(DCPD)およびカルシウムカーボネート(CC)の混合物を含む。好ましくは、β−TCP/DCPD/CC混合物は、さらにヒドロキシアパタイトを含む。水の存在下で、この混合物はヒドロキシアパタイトを生成する。β−TCP、DCPDおよびCC混合物の硬化時間は、少量(8%(w/w))のヒドロキシアパタイトの添加によって、4.5時間から約20分に減少され得る。さらに別の好ましい実施形態では、カルシウムホスフェートセメント混合物は、モノカルシウムホスフェート、トリカルシウムホスフェートおよびカルシウムカーボネートの混合物を含む。生理的条件下で、炭酸塩化されたヒドロキシアパタイトは、非発熱反応において、このセメント混合物から、数分以内に形成される。
【0034】
最も好ましい実施形態において、カルシウムホスフェートセメント混合物は、脱炭酸されたアモルファスカルシウムホスフェートおよび第2のカルシウムホスフェートの混合物を含み、この第2のカルシウムホスフェートは、ジカルシウムホスフェート二水和物、カルシウムメタホスフェート、ヘプタカルシウムホスフェート、カルシウムピロホスフェートおよびトリカルシウムホスフェートからなる群から選択される。脱炭酸されたアモルファスカルシウムホスフェートは、カーボネート成分の一部を除去するためにアモルファスの炭酸塩化されたカルシウムホスフェートを加熱することによって、形成される。アモルファスの炭酸塩化されたカルシウムホスフェートは、約1.55から1.7の範囲でカルシウムとリンの比を有する、カルシウムイオン、ホスフェートイオンおよびカーボネートイオンを含む水溶液から沈殿される。体温(37°C)では、水または緩衝剤における脱炭酸されたアモルファスカルシウムホスフェートおよび第2のカルシウムホスフェートの混合は、20分以内に形成する結晶性の乏しいヒドロキシアパタイトを生成する。結晶性の乏しいヒドロキシアパタイトは、ナノメータ−サイズの結晶を含み、そして骨と実質的に同じX線回折スペクトルを有する。他の結晶性のセメントと比較して、結晶性の乏しいセメントは、より溶解性でありそしてより骨伝導性の細胞媒介性吸着を提供する。この結晶性の乏しいヒドロキシアパタイトの溶解性は、Ca/Pの比を改変させることによってさらに改善され得る。この結晶性の乏しいセメントは、その硬化反応が最小限の熱を発生させるので、BPMのような生物活性因子の結合に特に適しており、タンパク質構造の変性を最小限にする。
【0035】
最も好ましい実施形態では、カルシウムホスフェートセメント混合物は、テトラカルシウムホスフェート(TTCP)および第2のカルシウムホスフェートであり;ここで、この第2のカルシウムホスフェートは、モノカルシウムホスフェート、ジカルシウムホスフェート無水物(DCPA)、ジカルシウムホスフェート二水和物(DCPD)、α−トリカルシウムホスフェート、β−トリカルシウムホスフェート、オクタカルシウムホスフェート、およびアモルファスカルシウムホスフェートからなる群から選択される。この化合物が水と共に混合される場合、等温反応が生じ、15分から30分以内にセメント硬化が生じる。次いでセメントは、4〜6時間内にインサイチュでヒドロキシアパタイトの固形塊(solid mass)に完全に転化する。テトラカルシウムホスフェートは、2:1未満のモルCa/P比を有することが好ましい。この比が2:1を超える場合、カルシウムオキシドは、不純物として存在し得る。これは、セメントスラリーのpHを実質的にpH8.5以上より上に上昇させ、硬化反応を妨げる。無水の条件下でテトラカルシウムホスフェートを維持することが重大である。そうでない場合、この化合物は、セメント形成において反応性がより低い。好ましい実施形態では、第2のカルシウムホスフェートは、ジカルシウムホスフェート無水物(DCPA)およびジカルシウムホスフェート二水和物(DCPD)からなる群から選択される。比較的に大きいTTCP粒子および小さいDCPA粒子は、セメントにおける急速な硬化および高度な強度を達成することを助ける。セメント形成において、このTTCP/DCPAの比は、1:1:から1:4の範囲であり得る。好ましくは、この比は、1:1である。1:1の比は、ヒドロキシアパタイトを生成する。
【0036】
別の最も好ましい実施形態では、本発明で使用されるカルシウムスルフェートセメント混合物は、硫酸カルシウム半水和物(CSH、CaSO.1/2HO)を含む。CSHは、石膏(CaSO.2HO)の加熱によって生成され、そのため石膏はその水分の75%を消失する。CSHが水と混合される場合、急速に凝固するペーストが形成される。CSHは、それが局所的炎症性応答または異物応答を刺激しない場合、生物学的適合性であることが示される。さらに、骨芽細胞は、CSHと接着し得、そして骨芽細胞はそれを活発に吸収し得る。均一のサイズおよび形を有する医療等級のCSHは、骨前駆体組成物のために使用されることが好ましい。この医療等級のCSHは、よりゆっくりとした、より予測可能な溶解性および吸収性を示す。
【0037】
本発明はまた、セメント混合物および孔形成剤から形成される固形セメントを含む組成物を提供する。好ましくは、この固形セメントは、カルシウムホスフェートセメントまたはカルシウムスルフェートセメントである。カルシウムホスフェートセメントとしては、ヒドロキシアパタイト、結晶性の乏しいHAセメントまたは炭酸塩化されたヒドロキシアパタイトが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明の孔形成剤は、ビーズ形態または樹脂形態であり得る。この孔形成剤は、天然ポリマーまたは合成ポリマーの両方を含む、吸収性生体適合性ポリマーであり得る。天然ポリマーは、代表的には、体内の酵素的な退化によって吸収される、一方合成吸収性ポリマーは、代表的には加水分解的な機構によって分解される。
【0039】
1つの実施形態では、孔形成剤は、エチレンビニルアセテート、天然コラーゲンおよび合成コラーゲン、ポリ(グラキサノン)、ポリ(ホスファゼン)、ポリグラクチン、ポリグラクチン酸、ポリアルドニン酸、ポリアクリル酸、ポリアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D、L−ラクチド)(PDLLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ(ζ−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリ(ζ−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D、L−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリアリーレート、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ無水物、ポリ(無水物−co−イミド)およびそれらのコポリマー、アミノ酸のポリマー、プロピレン−co―フマレート、1つ以上のα−ヒドロキシカルボン酸モノマーのポリマー、硫酸カルシウム、生物活性ガラス組成物、それらの混合物ならびに任意の誘導体およびこれらの改変体からなる群から選択される;ただし、セメント混合物が硫酸カルシウム半水和物である場合、孔形成剤は硫酸カルシウムでない。好ましくは、孔形成剤の改変体は、全構造の50%未満である。
【0040】
より好ましい実施形態では、孔形成剤は、ポリオルトエステル、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ(ζ−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリ(ζ−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリアリーレートおよびそれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0041】
別のより好ましい実施形態では、孔形成剤は、エチレンビニルアセテート、天然コラーゲンおよび合成コラーゲン、ポリ(グラキサノン)、ポリ(ホスファゼン)、ポリグラクチン、ポリグラクチン酸、ポリアルドン酸、ポリアクリル酸、ポリアルカノエートおよびそれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0042】
さらに別のより好ましい実施形態では、孔形成剤は、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ無水物、ポリ(無水物−co−イミド)およびそれらのコポリマーを含む無水物、アミノ酸ポリマー、プロピレン−co−フマレート、1つ以上の一ヒドロキシカルボン酸モノマーのポリマー(例えば、α−ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)および/またはα−ヒドロキシプロピオン酸(乳酸))、硫酸カルシウムならびに生物活性ガラス組成物からなる群から選択される。α−ヒドロキシプロピオン酸は、そのd−もしくはl−の形態で使用され得る、またはラセミ混合物として使用され得る。
【0043】
なおより好ましい実施形態では、孔形成剤は、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)および硫酸カルシウムからなる群から選択される。カルシウムセメントにおいて孔を形成するために所望される比に依存して、ラクチド、グリコリドモノマーのモル比は、調整され得る。好ましい実施形態では、このモノマーの比は、50:50である。概して、分子量が大きければ大きいほど、生物分解はより遅くなる。好ましくは、コポリマーの分子量範囲は、約5,000ダルトンから100,000ダルトンであり、より好ましくは、10,000ダルトンから30,000ダルトンである。PLGAは、硫酸カルシウムより急速な吸収速度を有する。PLGAの分解は、加水分解に対して不安定な骨格の化学的な加水分解による。
【0044】
最も好ましい実施形態では、カルシウムホスフェートセメント混合物は、テトラカルシウムホスフェートおよびジカルシウムホスフェート無水物の混合物を含む;そして、孔形成剤は、PLGAおよび硫酸カルシウムからなる群から選択される。別の最も好ましい実施形態では、硫酸カルシウム混合物は、硫酸カルシウム半水和物を含む;そして孔形成剤は、PLGAである。
【0045】
孔形成剤の吸収速度は、吸収不可能なカルシウムセメントの吸収速度より急速である。結果として、孔は、カルシウムセメントにおいて形成される。孔形成剤の吸収速度は、孔形成剤の割合、ポリマーの型および粒子サイズに依存する。孔形成剤の割合が増加するにつれ、組織片の機械的強度は、減少する。過剰量の孔形成剤は、より低い機械的強度を生じるセメント体の密度の減少を導く。孔形成剤の量の不足は、セメントにおいて不十分な孔を生じ得る。好ましい実施形態では、孔形成剤の割合は、10〜70容量%であり、より好ましくは、40〜60容量%である。孔形成剤の割合は、孔形成剤がPLGAである場合、好ましくは7〜40重量%であり、より好ましくは7〜25重量%であり、最も好ましくは7〜14重量%である。
【0046】
孔形成剤の粒子サイズは、セメントにおいて生じる孔のサイズに影響を及ぼす。十分な孔サイズが、湿潤する骨溶解性細胞および骨芽細胞のための滞留空間を提供するために要求される。この孔サイズはまた、吸収の速度を調節する。吸収の速度が骨成長の速度と一致する場合、骨修復が最適である。孔形成剤が、直径20〜500μm、好ましくは20〜140μm、より好ましくは50〜140μm、最も好ましくは75〜140μmの孔サイズを創造することが好ましい。孔形成剤がPLGAである場合、その粒子サイズは、好ましくは20〜140μmまたは310〜500μmである。孔形成剤が硫酸カルシウムである場合、その粒子サイズは、好ましくは20〜140μmまたは260〜500μmである。
【0047】
本発明の骨前駆体組成物はまた、1つ以上の生物活性因子と組み合わされ得る。この生物活性因子は、骨成長を高める因子であり得る。ある実施形態では、生物活性因子は、骨形態形成タンパク質である。より好ましい実施形態では、この骨形態形成タンパク質は、OP−1(BMP−7)、OP−2、OP−3、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、COP−16、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、MP121、ドーサリン−1、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、およびTGF−βからなる群から選択される。最も好ましい実施形態では、この形態形成タンパク質は、OP−1である。
【0048】
最も好ましい実施形態では、生物活性因子は、孔形成剤中にカプセル化される。孔形成剤は、破骨細胞によってゆっくりと吸収され、カプセル化された生物活性因子は、徐々にマトリクス内に放出される。移植部位で、(好ましくは吸収速度の異なる)異なる生物分解性因子との組み合わせによってこの生物活性因子を送達して、複数ブースト送達システムを達成し得る。別の好ましい実施形態では、生物分解性因子は、複数の層にされる。各層は、(好ましくは、吸収速度が異なる)異なる生物分解性因子を含む。この生物活性因子をカプセル化する方法としては、乳濁液−溶媒エバポレーション法(emulsion−solvent evaporation method)(Grandfilsら,Journal of Biomedical Materials Research,26,467〜479頁(1992))およびHerbertら、Pharmaceutical Research、15、357〜361頁(1998)に記載される方法が挙げられるが、これらに限定されない。上記の2つの参考文献は、本明細書中で参考として援用される。後者の方法は、特にタンパク質のカプセル化に最適である。他の方法は、米国特許第6,110,503号、同第5,654,008号および同第5,271,961号に記載され、これらの特許は、本明細書中で参考として援用される。好ましい実施形態では、生物活性因子は、カプセル化のプロセスの間に乳糖を添加することにより安定化される。
【0049】
別の好ましい実施形態では、生物活性因子は、修復細胞である。好ましい実施形態では、修復細胞は哺乳動物の細胞であり、より好ましくは修復されるか、または再構築される組織と同じ型のヒトの細胞である。修復細胞の適切な例としては、骨髄幹細胞、骨細胞(osteocyte)、骨芽細胞、破骨細胞および骨始原細胞のような骨細胞(bone cell)が挙げられる。別の実施形態では、細胞は、BMPをコードする核酸分子でトランスフェクトされる。
【0050】
さらに別の好ましい実施形態では、生物活性因子は、BMPをコードする配列(好ましくはOP−1をコードする配列(配列番号10))を含む核酸分子である。好ましい実施では、核酸分子は、RNA分子またはDNA分子である。BMPをコードする核酸配列は、組み換え発現ベクターに挿入され得る。ベクターの例としては、pBR322、pH717、pH731、pH752、pH754およびpW24が挙げられるが、これらに限定されない。SP6ベクターは、RNAのインビトロでの転写のために使用され得る。このBMPを発現させるために有効な転写プロモーターとしては、SV40初期プロモーター、アデノウイルスプロモーター(AdMLP)、マウスメタロチオネイン−Iプロモーター(mMT−I)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)長末端反復(LTR)、マウス乳腺癌ウイルス長末端反復(MMTV−LTR)、およびヒトサイトメガロウイルス主要中間−初期プロモーター(hCMV)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのプロモーター全てのDNA配列は、当該分野において公知でありそして市販されている。このDNA配列はまた、例えば、組み換えアデノウイルス、アデノ随伴ウイルスまたはレトロウイルスのような組み換えウイルスのゲノム中に挿入され得る。次いで、修復細胞または骨始原細胞は、BMPタンパク質を発現させるためにこれらのベクターまたはウイルスでトランスフェクトまたは感染される。この核酸配列は、一過性にまたは安定してこの修復細胞または骨始原細胞をトランスフェクトし得る。
【0051】
ある実施形態では、核酸分子は、組織部位に直接注入される。別の実施形態では、核酸分子は、孔形成剤中に、好ましくは25〜30kDのPLGA中にカプセル化される。好ましくは、核酸分子は、マンニトール、蔗糖、乳糖、トレハロース、リポソーム、ウイルスのエンベロープタンパク質およびポリリジン−糖タンパク質複合体を含むプロテオリポソームからなる群から選択されるキャリア中に捕らえられる。例えば、Ledley、J.Pediatrics 110、1頁(1987);Nicolauら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、80、1068頁(1983)を参照のこと。別の好ましい実施形態では、核酸は、体から取り出された骨始原細胞および修復細胞のような標的細胞にトランスフェクトされるか、または感染される。次いで、このトランスフェクトされた細胞は、体内へ再移植される。
【0052】
(骨前駆体組成物および固形セメントを生成する方法)
本発明はまた、骨前駆体組成物を生成する方法を提供する。乾燥粉末形態でのセメント混合物が、骨前駆体組成物の均等に分配される混合物を形成するために孔形成剤と混ぜ合わされる。これは、セメント混合物が孔形成剤の周囲を取り囲むことを可能にし、そのため孔がセメントマトリクスにおいてインサイチュで形成される。次いで、水、緩衝剤または水性溶液が、この組成物に添加される。このペーストは、固形セメント中に分散された孔形成剤を含む組成物を形成するために硬化され(set)、そして硬化される(harden)。この方法は、セメント混合物が液体形態で生物分解性物質に添加される処方物を調製する方法と区別できる。そこで、この生物分解性物質は、孔形成剤の代わりにセメントの周囲のマトリクスとして作用する。
【0053】
(結合剤)
本発明の骨前駆体組成物はさらに、生物学的適合性の結合剤と組み合わせられ得る。この結合剤は、組成物の高められた粘性および結合性を提供し、当業者が、空隙内、欠損内または新たな骨成長が所望される他の領域内で、組成物を位置づけそして成形することを可能にする。組成物の高められた結合性はまた、整形外科への適用、顎顔面への適用および歯への適用のために移植物質と関連した粒子の移動を提供する。結合剤の最小量は、組織内植の期間中に、容易に形成能力を与えそして十分な粒子の結合力および成形保持力を提供するために要求される量である。
【0054】
本発明の結合剤は、生物分解性、生物適合性でありそして流体流動特性を有する。本明細書で有用として企図される結合剤は、当該分野で認識される懸濁剤、粘性生成剤、ゲル形成剤および乳化剤が挙げられるが、これらに限定されない。他の結合剤は、局所投与、経口投与または非経口投与のための成分を懸濁するために使用される因子を含む。さらに他の結合剤は、錠剤結合剤、崩壊剤または乳化安定剤として有用な因子である。なお他の結合剤は、美容品、化粧品および食品において使用される因子である(USP XXII −NF XVII The Nineteen Ninety U.S.Pharmacopeia and The National Formulary (1990)を参照のこと)。EDTA、クエン酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような抗酸化物質、ポリ(ソルベート)およびポリ(オキシエチレン)のような界面活性剤を含む他の成分は、この結合剤に添加され得る。
【0055】
好ましい結合剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウムである。カルボキシメチルセルロースナトリウムは、90,000〜700,000ダルトンの範囲にある代表的な分子量を持つセルロースのポリカルボキシメチルエーテルのナトリウム塩である。
【0056】
室温で流動可能な結合剤を除いて、結合剤はまた、ゼラチンのような試薬を含み、暖かいまたは熱い水性溶液において可溶化され、冷却の際非流動性のゲルに変換される。このゼラチン組成物は、移植のための哺乳動物の体温以上の温度で流動可能であるが、体温のような温度または体温よりわずかに上の温度では比較的非流動性のゲルに転移するように処方される。
【0057】
結合剤は、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ゼラチン、ペプチド、ムチン、コンドロイチン硫酸、キトサン、ポロキサマー、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethyl cellulose)、マンニトール、白色ワセリン、マンニトール/デキストランの組み合わせ、マンニトール/白色ワセリンの組み合わせ、ゴマ油、フィブリン接着剤、血液およびそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0058】
より好ましくは、結合剤は、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose)、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethyl cellulose)およびそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、結合剤は、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースカルシウムからなる群から選択される。
【0059】
ある実施形態では、本発明の結合剤は、ヒアルロン酸ナトリウム(約500〜3000kD)、キトサン(約100〜300kD)、ポロキサマー(約7〜18kD)、およびグリコサミノグリカン(約2000〜3000kD)を含む高分子量のヒドロゲルのクラスから選択される。好ましい実施形態では、グリコサミノグリカンは、N,O−カルボキシメチルキトサングルコサミンである。ヒドロゲルは、3次元の網様構造を有するゲルの形態で架橋される親水性のポリマーである。ヒドロゲルは、正味の正電荷、正味の負電荷を帯び得るか、または中性であり得る。代表的な正味の負電荷を帯びたヒドロゲルは、アルギン酸塩である。正味の正電荷を帯びるヒドロゲルは、コラーゲンおよびラミニンのような細胞外マトリクス成分によって類型化され得る。市販で入手できる細胞外マトリクス成分の例としては、MatrigelTM(50μg/mlゲンタマイシンを添加したダルベッコ変性イーグル培地)およびVitrogenTM(0.012N HClに溶解した、精製され、ペプシン可溶化されたウシの皮膚のコラーゲンの無菌溶液)を含む。正味の中性ヒドロゲルの例は、高度に架橋されたポリエチレン酸化物およびポリビニルアルコールである。
【0060】
別の好ましい実施形態では、結合剤は、ポリエチレングリコールである。低分子量のポリエチレングリコールおよび高分子量のポリエチレングリコールの混合物は、適当な粘性を有するペーストを生成する。例えば、適当な比での、分子量400〜600ダルトンのポリエチレングリコールおよび分子量1500ダルトンのポリエチレングリコールとの混合物は、本発明による結合剤を形成する際に有効である。
【0061】
さらに別の実施形態では、結合剤は、デキストラン、硫酸デキストラン、ジエチルアミノエチルデキストラン、デキストランホスフェートまたはそれらの混合物からなる、平均分子量が約200,000〜5,000,000ダルトンである多糖類のクラスから選択される。より低い分子量の多糖類は、より急速なデキストランの吸収速度を有し、これは、多孔性の骨前駆体組成物物質のより早期の露呈を生ずる。デキストランが長期間その部位に残存することが所望される場合、比較的高分子量のデキストランが使用され得る。他の好ましい多糖類は、デンプン、分別デンプン(fractionated starch)、アミロペクチン、寒天、アラビアゴム、プルラン、アガロース、カラゲナン、デキストラン、フルクタン、イヌリン、マンナン、キシラン、アラビナン(arabinans)、グリコゲン、グルカン、キサンタンゴム、グアーゴム、ローカスト豆ゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、およびそれらの誘導体もしくは混合物を含む。
【0062】
別の好ましい実施形態では、結合剤は、マンニトール、白色ワセリン、マンニトール/デキストランの組み合わせ、マンニトール/白色ワセリンの組み合わせ、ゴマ油、フィブリン接着剤およびそれらの混合物からなる群から選択される。さらに好ましい実施形態では、結合剤はフィブリン接着剤である。フィブリン接着剤は、哺乳動物のフィブリノゲンおよびトロンビンの混合物を含む。ヒトのフィブリノゲンは、Tissucol(登録商標)(Immuno AG、Vienna、Austria)、Beriplast(登録商標)(Behringwerke、Marburg、Germany)、Biocoll(登録商標)(Centre de Transfusion Sanguine de Lille、Pours、France)およびTransglutine(登録商標)(CNTS Fractionation Centre、Strasbourg、France)のような製品として市販に入手できるが、これらに限定されない。フィブリン接着剤はまた、例えばウシおよびマウスを供給源とするというような、他の哺乳動物の供給源由来のフィブリノゲンおよびトロンビンから生成され得る。
【0063】
さらに別の好ましい実施形態では、結合剤はヒトの血液であり、好ましくは自原性の血液である。この種類の結合剤は、タンパク質隔離物質として作用する。BMPを含む本発明の骨前駆体組成物物質に添加される場合、血液は可鍛性の複合物を形成するように凝固する。これにより、BMPが、そうでなければこのタンパク質が湿潤する哺乳動物の始原細胞の骨形成活性の本来の速度を増加させるのに十分な時間の間、セメントマトリクス内に隔離される。
【0064】
本発明はまた、本発明の骨前駆体組成物物質および骨形態形成タンパク質のような生物活性因子を含む、骨移植のためのキットに関連がある。1つの実施形態では、キットはさらに結合剤を含む。別の実施形態では、キットは本発明の骨前駆体組成物物質および結合剤を含む。
【0065】
(骨形態形成タンパク質ファミリー)
典型的な骨形態形成/骨形成タンパク質ファミリーメンバーにちなんで命名される、BMPファミリーは、TGF−βタンパク質スーパーファミリーに属する。報告される「BMP」(BMP−1〜BMP−18)(主に配列相同性を基にして分離される)のうち、BMP−1を除く全ては、形態形成タンパク質のBMPファミリーのメンバーとして分類されたままである(Ozkaynakら,EMBO J.,9,2085〜93頁(1990))。
【0066】
BMPファミリーは、形態形成タンパク質である、他の構造的に関連するメンバーを含み、drosophila decapentaplegic遺伝子複合体(DPP)生成物、Xenopus laevisのVg1生成物およびそのマウスホモログであるVgr−1(例えば、本明細書中で参考として援用される、Massague,Annu.Rev.Cell Biol.,6,597〜641頁(1990)を参照のこと)を含む。
【0067】
BMP−3、BMP−5、BMP−6、およびOP−1(BMP−7)のC末端ドメインは、BMP−2のC末端ドメインと約60%同一であり、そしてBMP−6およびOP−1のC末端ドメインは、87%同一である。BMP−6は、おそらくマウスVgr−1のヒトホモログである(Lyonsら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86,4554〜59頁(1989));この2つのタンパク質は、アミノ酸配列レベルで、端から端まで92%同一である(本明細書で参考として援用される、米国特許第5,459,047号)。BMP−6は、Xenopus Vg−1生成物と58%同一である。
【0068】
(骨形態形成タンパク質の生化学的特性、構造的特性および機能的特性)
天然に生じる骨モルフォゲン(bone morphogen)は、そのC末端領域(ドメイン)において実質的なアミノ酸配列相同性を共有する。代表的には、上述される天然に生じる骨形成タンパク質は、前駆体として翻訳され、この前駆体は、代表的に約30残基未満のN末端シグナルペプチド配列を有し、およそ100〜140アミノ酸の成熟したC末端ドメインを生じるために分裂される「プロ」ドメインが引き続く。このシグナルペプチドは、Von Heijne, Nucleic Acids Research,14,4683〜4691頁(1986)の方法を使用することで所定の配列において予測され得る分裂部位で、翻訳時に急速に分裂される。このプロドメインは、代表的には、完全にプロセシングされた成熟C末端ドメインよりも約3倍大きい。
【0069】
BMPタンパク質ファミリーメンバーの別の特徴は、二量体を形成する明白な能力である。いくつかの骨由来の骨形成タンパク質(OP)およびBMPは、それらの活性な形態でホモ二量体およびヘテロ二量体として見出される。OPおよびBMPがヘテロ二量体を形成する能力は、さらなる形態形成誘導能力または変化した形態形成誘導能力を形態形成タンパク質に付与する。ヘテロ二量体は、ホモ二量体とは質的または量的に異なる結合親和性をOPレセプター分子およびBMPレセプター分子に対して示す。変化した結合親和性は、異なるシグナル伝達経路を媒介するレセプターの差次的活性化を次々と導き得、結局異なる生物学的活性または結果を導き得る。変化した結合親和性はまた、組織型または細胞型に特異的な方法で明示され得、その結果特定の始原細胞のみが増殖および/または分化するのを誘導する。
【0070】
好ましい実施形態では、形態形成ポリペプチドの対は、参照のモルフォゲンのアミノ酸配列と、規定される類縁性を共有する配列をそれぞれ含むアミノ酸配列を有する。本明細書中で、好ましい骨形成ポリペプチドは、骨形成的に活性なヒトOP−1(配列番号1)中に存在する配列と規定された類縁性を共有する。しかしながら、本明細書中で開示される天然に生じる配列または生合成配列のうちのいずれか1つ以上が同様に、参照配列として使用され得る。好ましい骨形成ポリペプチドは、少なくともヒトOP−1のC末端の6システインドメイン(配列番号1の残基335〜431)と規定される類縁性を共有する。好ましくは、骨形成ポリペプチドは、少なくともヒトOP−1のC末端の7システインドメイン(配列番号1の残基330〜431)と規定される類縁性を共有する。すなわち、骨形態形成活性を有するダイマーのタンパク質における好ましいポリペプチドは、それぞれ参照配列と一致するかまたは機能的にそれと同等な、配列を含む。
【0071】
機能的に同等な配列は、参照配列内に配列されるシステイン残基と機能的に同等な配列を含み、これらのシステインの鎖状配列を変えるがこのダイマーのモルフォゲンタンパク質の折たたみ構造における類縁性を著しくは損なわない、アミノ酸の挿入または欠損を含み、形態形成活性に必要であり得るような鎖内のジスルフィド結合または鎖間のジスルフィド結合を形成する能力を含む。機能的に同等な配列はさらに、1つ以上のアミノ酸残基が参照配列の対応する残基と異なっているもの(例えば、ヒトOP−1のC末端の7システインドメイン(本明細書中で保存的7システイン骨格(skeleton)とも称される))を含むが、骨形態形成活性を無効にしない場合に限る。それゆえ、参照配列において対応するアミノ酸の保存的置換が好ましい。参照配列において対応する残基に対して保存的置換であるアミノ酸残基は、対応する参照残基と物理的にまたは機能的に類似するもの(例えば、類似するサイズ、形、電荷、共有結合または水素結合を形成する能力を含む化学的特性など)である。特に好ましい保存的置換は、Dayhoffら(前出)(その教示は、本明細書中で参考として援用される)において受容される点突然変異に対して規定される基準を満たすものである。
【0072】
骨形成タンパク質OP−1は、記載されている(例えば、本明細書中で参考として援用されるOppermannら,米国特許第5,354,557号を参照のこと)。その成熟したネイティブの形態である天然の供給源とされる骨形成タンパク質は、SDS−PAGEによって決定される場合、代表的には約30〜36kDaの見かけの分子量を有するグリコシル化された二量体である。還元された場合、この30kDaのタンパク質は、約16kDaおよび18kDaの見かけの分子量を有する2つのグリコシル化されたペプチドサブユニットを生じさせる。グリコシル化されていないタンパク質(骨形成活性も有する)は、約27kDaの見かけの分子量を有する。還元された場合、この27kDaのタンパク質は、グリコシル化されていない2つのポリペプチド(約14kDaおよび16kDaの分子量を有し、哺乳動物において軟骨内の骨形成を誘導し得る)を生じさせる。骨形成タンパク質は、ネイティブのタンパク質の様々なグリコシル化の型を有する形態、様々なN末端形態、および活性な短縮形態または変異した形態を含み得る。上述されるように、特に有用な配列としては、DPP(Drosophila由来)、Vg1(Xenopus由来)、Vgr−1(マウス由来)、OP−1タンパク質およびOP−2タンパク質(本明細書中で参考として援用される米国特許第5,011,691号およびOppermannら参照のこと)、ならびにBMP−2、BMP−3、BMP−4と呼ばれるタンパク質(本明細書中で参考として援用されるWO88/00205、米国特許第5,013,649およびWO91/18098を参照のこと)、BMP−5およびBMP−6と呼ばれるタンパク質(本明細書中で参考として援用されるWO90/11366、PCT/US90/01630を参照のこと)、BMP−8およびBMP−9と呼ばれるタンパク質のC末端の96アミノ酸配列または102アミノ酸配列を含むものが挙げられる。
【0073】
本発明の好ましい形態形成タンパク質および骨形成タンパク質は、OP−1(BMP−7)、OP−2、OP−3、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、COP−16、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、MP121、ドーサリン−1、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、TGF−βおよびアミノ酸配列改変体ならびにそれらのホモログからなる群から選択される、少なくとも1つのポリペプチドを包含し、それらの種ホモログを含む。好ましくは、この形態形成タンパク質は、OP−1(BMP−7)、BMP−2、BMP−4、BMP−5およびBMP−6からなる群から選択される少なくとも1つのポリペプチドを含む;さらに好ましくは、OP−1(BMP−7)およびBMP−2である;そして最も好ましくはOP−1(BMP−7)である。
【0074】
これらの配列、ならびにそれらの化学的特性および物理的特性を開示する刊行物としては、以下が挙げられる:OP−1およびOP−2(米国特許第5,011,691号;米国特許第5,266,683号;Ozkaynakら,EMBO J.,9,2085〜2093頁(1990);OP−3(WO94/10203(PCT US93/10520))、BMP−2、BMP−3、BMP−4、(WO88/00205;Wozneyら,Science,242,1528〜1,534頁(1988))、BMP−5およびBMP−6、(Celesteら,PNAS,87,9843〜9847(1991))、Vgr−1(Lyonsら,PNAS,86,4554〜4558(1989));DPP(Padgettら,Nature,325,81〜84頁(1987));Vg−1(Weeks,Cell,51,861〜867頁(1987));BMP−9(WO95/33830(PCT/US95/07084);BMP−10(WO94/26893(PCT/US94/05290);BMP−11(WO94/26892(PCT/US94/05288);BMP−12(WO95/16035(PCT/US94/14030);BMP−13(WO95/16035(PCT/US94/14030);GDF−1(WO92/00382(PCT/US91/04096)およびLeeら,PNAS,88,4250〜4254頁(1991);GDF−8(WO94/21681(PCT/US94/03019);GDF−9(WO94/15966(PCT/US94/00685);GDF−10(WO95/10539(PCT/US94/11440);GDF−11(WO96/01845(PCT/US95/08543);BMP−15(WO96/36710(PCT/US96/06540);MP−121(WO96/01316(PCT/EP95/02552);GDF−5(CDMP−1、MP52)(WO94/15949(PCT/94/00657)およびWO96/14335(PCT/US94/12814)ならびにWO93/16099(PCT/EP93/00350));GDF−6(CDMP−2、BMP−13)(WO95/01801(PCT/US94/07762)およびWO96/14335ならびにWO95/10635(PCT/US94/14030));GDF−7(CDMP−3、BMP12)(WO95/10802(PCT/US94/07799)およびWO95/10635(PCT/US94/14030))。上記の刊行物は、本明細書中で参考文献として援用される。別の実施形態では、有用なタンパク質は、生物学的に活性な生合成構築物を含み、この構築物は、新しい生合成形態形成タンパク質および2つ以上の公知のモルフォゲン由来の配列を使用して設計されるキメラタンパク質を含む。
【0075】
本発明の別の実施形態では、形態形成タンパク質は、組織形成を誘導するために合成的に調製され得る。合成的に調製された形態形成タンパク質は、ネイティブのタンパク質であり得るか、または非ネイティブタンパク質、すなわち、自然においては他では見出されないタンパク質であり得る。非ネイティブ骨形成タンパク質は、一連のコンセンサスDNA配列を使用して合成される(本明細書中で参考として援用される米国特許第5,324,819号)。これらのコンセンサス配列は、天然の骨形成生成物から得られる部分的なアミノ酸配列データ、および仮定される発生上の機能または証明された発生上の機能を有することが文献において報告される他の遺伝子との観察される相同性を基にして設計された。
【0076】
これらの生合成コンセンサス配列(コンセンサス骨形成タンパク質または「COP」と呼ばれる)のうちのいくつかは、原核生物において融合タンパク質として発現されている。精製された融合タンパク質は、切断され得、再折り畳みされ得、確立された動物モデルにおいて移植され得、そして骨誘導活性または/および軟骨誘導活性を有することが示され得る。現今好ましい合成の骨形成タンパク質は、COP−5(配列番号2)およびCOP−7(配列番号3)と示される2つの合成アミノ酸配列を含む。
【0077】
Oppermannら、米国特許第5、011、691号および同5、324、819号(本明細書中で参考として援用される)は、以下に示されるようなCOP−5およびCOP−7のアミノ酸配列を記載する。
【0078】
【化1】
Figure 2005508217
これらのアミノ酸配列において、ダッシュ(−)は、関連するタンパク質において、比較可能な配列を整列させるためだけに間を満たすものとして使用される。整列されたアミノ酸配列間の違いは、強調されている。
【0079】
これらのBMPファミリーメンバーおよび他のBMPファミリーメンバーのDNA配列およびアミノ酸配列は、公開されており、そして新たに同定されたタンパク質がBMPファミリーに属するかどうかを決定するために当業者によって使用され得る。新たなBMP関連遺伝子生成物は、少なくとも1つの形態形成活性を持つことが類推によって予測され、したがってBMPとして分類される。
【0080】
本発明の1つの好ましい実施形態では、形態形成タンパク質は、ダイマー種を生じるようにジスルフィド結合した1対のサブユニットを含み、このサブユニットの少なくとも1つは、BMPタンパク質ファミリーに属する組み換えペプチドを含む。本発明の別の好ましい実施形態では、形態形成タンパク質は、非共有結合の相互作用によって形成されるダイマー種を生じる1対のサブユニットを含み、このサブユニットの少なくとも1つは、BMPタンパク質ファミリーに属する組み換えペプチドを含む。非共有結合の相互作用は、ファンデルワールス相互作用、水素結合相互作用、疎水的相互作用および静電的相互作用を含む。このダイマー種は、ホモ二量体またはヘテロ二量体であり得、そして細胞増殖および/または組織形成を誘導することが出来る。
【0081】
特定の好ましい実施形態では、本明細書中で有用である骨形態形成タンパク質としては、アミノ酸配列が、前述の天然に生じるタンパク質から選択される参照形態形成タンパク質と少なくとも70%のアミノ酸配列相同性または「類似性」を共有する配列を含むもの、および参照形態形成タンパク質と好ましくは80%相同性または類似性を共有する配列を含むものが挙げられる。好ましくは、その参照タンパク質は、ヒトOP−1であり、そして参照配列は、ヒトOP−1の骨形成が活性な形態で存在するC末端の7システインドメイン(配列番号1の残基330〜431)である。特定の実施形態において、参照のモルフォゲンポリペプチドと機能的に同等であることが推測されるポリペプチドは、Needlemanら(前出)の方法(Align program(DNAstar、Inc.)のようなコンピュータープログラムによって便利に実行される)を使用することによって参照のモルフォゲンポリペプチドと整列される。上述されるように、候補配列における内部のギャップおよびアミノ酸の挿入は、この候補配列と参照配列との間でのアミノ酸配列の相同性および類似性のレベルとして慣習的に表現される規定された関係を算出する目的で無視される。現今好ましい実施形態では、参照配列は、OP−1である。本明細書中で有用な骨形態形成タンパク質は、それゆえ、好ましい参照配列の対立遺伝子対応物、系統発生相対物および他の改変体(天然に生じるか、または生合成的に生成されるかに関わらない(例えば、「ムテイン」または「変異体タンパク質」を含む))、および一般的な形態形成ファミリーのタンパク質の新しいメンバーを含み、上で示されそして同定されるものを含む。特定の特に好ましい形態形成ポリペプチドは、ヒトOP−1の好ましい参照配列と少なくとも60%のアミノ酸同一性を共有し、なおより好ましくは、ヒトOP−1の好ましい参照配列と少なくとも65%のアミノ酸同一性を共有する。
【0082】
別の実施形態では、有用な骨形成タンパク質は、保存的7システインドメインを共有するもの、および本明細書中で規定されるような、C末端の活性ドメイン内で少なくとも70%のアミノ酸配列相同性(類似性)を共有するものを含む。なお別の実施形態では、本発明の骨形成タンパク質は、本明細書中で規定される一般配列 (OPX(配列番号4)およびジェネリック配列7(配列番号5)およびジェネリック配列8(配列番号6)、またはジェネリック配列9(配列番号7)およびジェネリック配列10(配列番号8)を含む)のいずれか1つを有する、骨形成的に活性なタンパク質として規定され得る。
【0083】
本発明において有用な骨形態形成ポリペプチドのファミリー、およびそれらのメンバーは、一般的アミノ酸配列によって規定され得る。例えば、ジェネリック配列7(配列番号5)およびジェネリック配列8(配列番号6)は、それぞれ97アミノ酸配列および102アミノ酸配列であり、そして現在までのところ同定された好ましいタンパク質ファミリーメンバー(少なくともOP−1、OP−2、OP−3、CBMP−2A、CBMP−2B、BMP−3、60A、DPP、Vg1、BMP−5、BMP−6、Vgr−1およびGDF−1を含む)の間で共有される相同性を適応する。これらのタンパク質についてアミノ酸配列は、上で要約されるように、本明細書および/または当該分野で記載されている。この一般配列は、C末端ドメインにおいてこれらの配列(6システイン骨格および7システイン骨格(それぞれ、ジェネリック配列7および8)によって規定される)によって共有されるアミノ酸配列同一性、およびこの配列内の可変の位置に対する代替残基の両方を含む。この一般配列は、分子間ジスルフィド結合または分子内ジスルフィド結合が形成し得る、適切なシステイン骨格を提供し、そして折り畳まれたタンパク質の3次構造に影響しそうな特定の重要なアミノ酸を含む。さらに、この一般配列は、36位(ジェネリック配列7)または41位(ジェネリック配列8)で追加のシステインを斟酌し、それによりOP−2およびOP−3の形態形成的に活性な配列を含む。
【0084】
【化2】
Figure 2005508217
各Xaaは、以下のように規定される1つ以上の特定のアミノ酸の群から、独立して選択される:「res.」は「残基」を意味し、残基2のXaa=(TyrまたはLys);残基3のXaa=(ValまたはIle);残基4のXaa=(Ser、AspまたはGlu);残基6のXaa=(Arg、Gln、Ser、LysまたはAla);残基7のXaa=(AspまたはGlu);残基8のXaa=(Leu、ValまたはIle);残基11のXaa=(Gln、Leu、Asp、His、AsnまたはSer);残基12のXaa=(Asp、Arg、AsnまたはGlu);残基13のXaa=(TrpまたはSer);残基14のXaa=(IleまたはVal);残基15のXaa=(IleまたはVal);残基16のXaa=(AlaまたはSer);残基18のXaa=(Glu、Gln、Leu、Lys、ProまたはArg);残基19のXaa=(GlyまたはSer);残基20のXaa=(TyrまたはPhe);残基21のXaa=(Ala、Ser、Asp、Met、His、Gln、LeuまたはGly);残基23のXaa=(Tyr、AsnまたはPhe);残基26のXaa=(Glu、His、Tyr、Asp、Gln、AlaまたはSer);残基28のXaa=(Glu、Lys、Asp、GlnまたはAla);残基30のXaa=(Ala、Ser、Pro、Gln、IleまたはAsn);残基31のXaa=(Phe、LeuまたはTyr);残基33のXaa=(Leu、ValまたはMet);残基34のXaa=(Asn、Asp、Ala、ThrまたはPro);残基35のXaa=(Ser、Asp、Glu、Leu、AlaまたはLys);残基36のXaa=(Tyr、Cys、His、SerまたはIle);残基37のXaa=(Met、Phe、GlyまたはLeu);残基38のXaa=(Asn、SerまたはLys);残基39のXaa=(Ala、Ser、GlyまたはPro);残基40のXaa=(Thr、LeuまたはSer);残基44のXaa=(Ile、ValまたはThr);残基45のXaa=(Val、Leu、MetまたはIle);残基46のXaa=(GlnまたはArg);残基47のXaa=(Thr、AlaまたはSer);残基48のXaa=(LeuまたはIle);残基49のXaa=(ValまたはMet);残基50のXaa=(His、AsnまたはArg);残基51のXaa=(Phe、Leu、Asn、Ser、AlaまたはVal);残基52のXaa=(Ile、Met、Asn、Ala、Val、GlyまたはLeu);残基53のXaa=(Asn、Lys、Ala、Glu、GlyまたはPhe)、残基54のXaa=(Pro、SerまたはVal);残基55のXaa=(Glu、Asp、Asn、Gly、Val、ProまたはLys);残基56のXaa=(Thr、Ala、Val、Lys、Asp、Tyr、Ser、Gly、IleまたはHis);残基57のXaa=(Val、AlaまたはIle);残基58のXaa=(ProまたはAsp);残基59のXaa=(Lys、LeuまたはGlu);残基60のXaa=(Pro、ValまたはAla);残基63のXaa=(AlaまたはVal);残基65のXaa=(Thr、AlaまたはGlu);残基66のXaa=(Gln、Lys、ArgまたはGlu);残基67のXaa=(Leu、MetまたはVal);残基68のXaa=(Asn、Ser、AspまたはGly);残基69のXaa=(Ala、ProまたはSer);残基70のXaa=(Ile、Thr、ValまたはLeu);残基71のXaa=(Ser、AlaまたはPro);残基72のXaa=(Val、Leu、MetまたはIle);残基74のXaa=(TyrまたはPhe);残基75のXaa=(Phe、Tyr、LeuまたはHis);残基76のXaa=(Asp、AsnまたはLeu)残基77のXaa=(Asp、Glu、Asn、ArgまたはSer);残基78のXaa=(Ser、Gln、Asn、TyrまたはAsp);残基79のXaa=(Ser、Asn、Asp、GluまたはLys);残基80のXaa=(Asn、ThrまたはLys);残基82のXaa=(Ile、ValまたはAsn);残基84のXaa=(LysまたはArg);残基85のXaa=(Lys、Asn、Gln、His、ArgまたはVal);残基86のXaa=(Tyr、GluまたはHis);残基87のXaa=(Arg、Gln、GluまたはPro);残基88のXaa=(Asn、Glu、TrpまたはAsp);残基90のXaa=(Val、Thr、AlaまたはIle);残基92のXaa=(Arg、Lys、Val、Asp、GlnまたはGlu);残基93のXaa=(Ala、Gly、GluまたはSer);残基95のXaa=(GlyまたはAla);および残基97のXaa=(HisまたはArg)である。
【0085】
ジェネリック配列8(配列番号6)は、ジェネリック配列7の全てを含み、そしてさらにそのN末端に以下の配列(配列番号9)を含む:
【0086】
【化3】
Figure 2005508217
従って、残基7で始まる、ジェネリック配列8における各「Xaa」は、ジェネリック配列7に関して規定され、特定のアミノ酸である(ジェネリック配列7で記載される各残基番号は、ジェネリック配列8において5つずれている点で異なる)。従って、ジェネリック配列7における「残基2のXaa=(TyrまたはLys)」は、ジェネリック配列8における残基7のXaaのことをいう。ジェネリック配列8において、残基2のXaa=(Lys、Arg、AlaまたはGln);残基3のXaa=(Lys、ArgまたはMet);残基4のXaa=(His、ArgまたはGln);および残基5のXaa=(Glu、Ser、His、Gly、Arg、Pro、Thr、またはTyr)である。
【0087】
別の実施形態において、有用な骨形成タンパク質は、以下に規定されるジェネリック配列9および10によって規定されるものを含む。
【0088】
詳細には、ジェネリック配列9および10は、以下のタンパク質の複合アミノ酸配列である:ヒトOP−1、ヒトOP−2、ヒトOP−3、ヒトBMP−2、ヒトBMP−3、ヒトBMP−4、ヒトBMP−5、ヒトBMP−6、ヒトBMP−8、ヒトBMP−9、ヒトBMP−10、ヒトBMP−11、Drosophila 60A、Xenopus Vg−1、ウニUNIVIN、ヒトCDMP−1(マウスGDF−5)、ヒトCDMP−2(マウスGDF−6、ヒトBMP−13)、ヒトGDMP−3(マウスGDF−7、ヒトBMP−12)、マウスGDF−3、ヒトGDF−1、マウスGDF−1、ニワトリDORSALIN、dpp、Drosophila SCREW、マウスNODAL、マウスGDF−8、ヒトGDF−8、マウスGDF−9、マウスGDF−10、ヒトGDF−11、マウスGDF−11、ヒトBMP−15、およびラットBMP3b。ジェネリック配列7と同様に、ジェネリック配列9は、C末端6システイン骨格を有するする97アミノ酸配列であり、そしてジェネリック配列8同様に、ジェネリック配列10は、7システイン骨格を有する102アミノ酸配列である。
【0089】
【化4】
Figure 2005508217
Figure 2005508217
各Xaaは、以下のように規定される1つ以上の特定のアミノ酸の群から、独立して選択される:「res.」は「残基」を意味し、残基1のXaa=(Phe、LeuまたはGlu);残基2のXaa=(Tyr、Phe、His、Arg、Thr、Lys、Gln、ValまたはGlu);残基3のXaa=(Val、Ile、LeuまたはAsp);残基4のXaa=(Ser、Asp、Glu、AsnまたはPhe);残基5のXaa=(PheまたはGlu);残基6のXaa=(Arg、Gln、Lys、Ser、Glu、AlaまたはAsn);残基7のXaa=(Asp、Glu、Leu、AlaまたはGln);残基8のXaa=(Leu、Val、Met、IleまたはPhe);残基9のXaa=(Gly、HisまたはLys);残基10のXaa=(TrpまたはMet);残基11のXaa=(Gln、Leu、His、Glu、Asn、Asp、SerまたはGly);残基12のXaa=(Asp、Asn、Ser、Lys、Arg、GluまたはHis);残基13のXaa=(TrpまたはSer);残基14のXaa=(IleまたはVal);残基15のXaa=(IleまたはVal);残基16のXaa=(Ala、Ser、TyrまたはTrp);残基18のXaa=(Glu、Lys、Gln、Met、Pro、Leu、Arg、HisまたはLys);残基19のXaa=(Gly、Glu、Asp、Lys、Ser、Gln、ArgまたはPhe);残基20のXaa=(TyrまたはPhe);残基21のXaa=(Ala、Ser、Gly、Met、Gln、His、Glu、Asp、Leu、Asn、LysまたはThr);残基22のXaa=(AlaまたはPro);残基23のXaa=(Tyr、Phe、Asn、AlaまたはArg);残基24のXaa=(Tyr、His、Glu、PheまたはArg);残基26のXaa=(Glu、Asp、Ala、Ser、Tyr、His、Lys、Arg、GlnまたはGly);残基28のXaa=(Glu、Asp、Leu、Val、Lys、Gly、Thr、AlaまたはGln);残基30のXaa=(Ala、Ser、Ile、Asn、Pro、Glu、Asp、Phe、GlnまたはLeu);残基31のXaa=(Phe、Tyr、Leu、Asn、GlyまたはArg);残基32のXaa=(Pro、Ser、AlaまたはVal);残基33のXaa=(Leu、Met、Glu、PheまたはVal);残基34のXaa=(Asn、Asp、Thr、Gly、Ala、Arg、LeuまたはPro);残基35のXaa=(Ser、Ala、Glu、Asp、Thr、Leu、Lys、GlnまたはHis);残基36のXaa=(Tyr、His、Cys、Ile、Arg、Asp、Asn、Lys、Ser、GluまたはGly);残基37のXaa=(Met、Leu、Phe、Val、GlyまたはTyr);残基38のXaa=(Asn、Glu、Thr、Pro、Lys、His、Gly、Met、ValまたはArg);残基39のXaa=(Ala、Ser、Gly、ProまたはPhe);残基40のXaa=(Thr、Ser、Leu、Pro、HisまたはMet);残基41のXaa=(Asn、Lys、Val、ThrまたはGln);残基42のXaa=(His、TyrまたはLys);残基43のXaa=(Ala、Thr、LeuまたはTyr);残基44のXaa=(Ile、Thr、Val、Phe、Tyr、MetまたはPro);残基45のXaa=(Val、Leu、Met、IleまたはHis);残基46のXaa=(Gln、ArgまたはThr);残基47のXaa=(Thr、Ser、Ala、AsnまたはHis);残基48のXaa=(Leu、AsnまたはIle);残基49のXaa=(Val、Met、Leu、ProまたはIle);残基50のXaa=(His、Asn、Arg、Lys、TyrまたはGln);残基51のXaa=(Phe、Leu、Ser、Asn、Met、Ala、Arg、Glu、GlyまたはGln);残基52のXaa=(Ile、Met、Leu、Val、Lys、Gln、AlaまたはTyr);残基53のXaa=(Asn、Phe、Lys、Glu、Asp、Ala、Gln、Gly、LeuまたはVal);残基54のXaa=(Pro、Asn、Ser、ValまたはAsp);残基55のXaa=(Glu、Asp、Asn、Lys、Arg、Ser、Gly、Thr、Gln、ProまたはHis);残基56のXaa=(Thr、His、Tyr、Ala、Ile、Lys、Asp、Ser、GlyまたはArg);残基57のXaa=(Val、Ile、Thr、Ala、LeuまたはSer);残基58のXaa=(Pro、Gly、Ser、AspまたはAla);残基59のXaa=(Lys、Leu、Pro、Ala、Ser、Glu、ArgまたはGly);残基60のXaa=(Pro、Ala、Val、ThrまたはSer);残基61のXaa=(Cys、ValまたはSer);残基63のXaa=(Ala、ValまたはThr);残基65のXaa=(Thr、Ala、Glu、Val、Gly、AspまたはTyr);残基66のXaa=(Gln、Lys、Glu、ArgまたはVal);残基67のXaa=(Leu、Met、ThrまたはTyr);残基68のXaa=(Asn、Ser、Gly、Thr、Asp、Glu、LysまたはVal);残基69のXaa=(Ala、Pro、GlyまたはSer);残基70のXaa=(Ile、Thr、LeuまたはVal);残基71のXaa=(Ser、Pro、Ala、Thr、AsnまたはGly);残基72のXaa=(Val、Ile、LeuまたはMet);残基74のXaa=(Tyr、Phe、Arg、Thr、TyrまたはMet);残基75のXaa=(Phe、Tyr、His、Leu、Ile、Lys、GlnまたはVal);残基76のXaa=(Asp、Leu、AsnまたはGlu);残基77のXaa=(Asp、Ser、Arg、Asn、Glu、Ala、Lys、GlyまたはPro);残基78のXaa=(Ser、Asn、Asp、Tyr、Ala、Gly、Gln、Met、Glu、AsnまたはLys);残基79のXaa=(Ser、Asn、Glu、Asp、Val、Lys、Gly、GlnまたはArg);残基80のXaa=(Asn、Lys、Thr、Pro、Val、Ile、Arg、SerまたはGln);残基81のXaa=(Val、Ile、ThrまたはAla);残基82のXaa=(Ile、Asn、Val、Leu、Tyr、AspまたはAla);残基83のXaa=(Leu、Tyr、LysまたはIle);残基84のXaa=(Lys、Arg、Asn、Tyr、Phe、Thr、GluまたはGly);残基85のXaa=(Lys、Arg、His、Gln、Asn、GluまたはVal);残基86のXaa=(Tyr、His、GluまたはIle);残基87のXaa=(Arg、Glu、Gln、ProまたはLys);残基88のXaa=(Asn、Asp、Ala、Glu、GlyまたはLys);残基89のXaa=(MetまたはAla);残基90のXaa=(Val、Ile、Ala、Thr、SerまたはLys);残基91のXaa=(ValまたはAla);残基92のXaa=(Arg、Lys、Gln、Asp、Glu、Val、Ala、SerまたはThr);残基93のXaa=(Ala、Ser、Glu、Gly、ArgまたはThr);残基95のXaa=(Gly、AlaまたはThr);残基97のXaa=(His、Arg、Gly、LeuまたはSer)である。さらに、rBMP3bおよびmGDF−10において残基53の後に、Ileがある;GDF−1において残基54の後に、Tがある;BMP3において残基54の後に、Vがある;BMP−8およびドーサリンにおいて残基78の後に、Gがある;hGDF−1において残基37の後に、Pro、Gly、Gly、Proがある。
【0090】
ジェネリック配列10(配列番号8)は、ジェネリック配列9(配列番号7)の全てを含み、そしてさらにそのN末端に以下の配列(配列番号9)を含む:
【0091】
【化5】
Figure 2005508217
従って、残基6で始まる、ジェネリック配列10における各「Xaa」は、ジェネリック配列9に関して規定され、特定のアミノ酸である(ジェネリック配列9で記載される各残基番号は、ジェネリック配列10において5つずれている点で異なる)。従って、ジェネリック配列9における「残基1のXaa=(Tyr、Phe、His、Arg、Thr、Lys、Gln、ValまたはGlu)」とは、ジェネリック配列10における残基6のXaaのことをいう。ジェネリック配列10において、残基2のXaa=(Lys、Arg、Gln、Ser、His、Glu、Ala、またはCys);残基3のXaa=(Lys、Arg、Met、Lys、Thr、Leu、Tyr、またはAla);残基4のXaa=(His、Gln、Arg、Lys、Thr、Leu、Val、Pro、またはTyr);残基5のXaa=(Gln、Thr、His、Arg、Pro、Ser、Ala、Gln、Asn、Tyr、Lys、Asp、またはLeu)である。
【0092】
上述されるように、本発明において有用な、特定の現今好ましい骨形態形成ポリペプチドは、hOP−1の好ましい参照配列を規定するアミノ酸配列と60%より高い同一性(好ましくは65%より高い同一性)を有する。これらの特に好ましい配列は、OP−1およびOP−2タンパク質の対立遺伝子改変体および系統発生的相対改変体(phylogenetic counterpart variants)を含み、Drosophila 60Aタンパク質を含む。従って、特定の特に好ましい実施形態において、有用な形態形成タンパク質は、本明細書中で「OPX」(配列番号4)(7システイン骨格を規定し、そしてOP−1およびOP−2の多数の同定された改変体との間の相同性を有する)と称される特定のアミノ酸内でのポリペプチド鎖の対を含む活性タンパク質を含む。本明細書で記載されるように、所定の位置での各Xaaは、マウスまたはヒトOP−1あるいはOP−2のC末端配列において対応する位置で生じる残基から独立して選択される。
【0093】
【化6】
Figure 2005508217
Figure 2005508217
残基2のXaa=(LysまたはArg);残基3のXaa=(LysまたはArg);残基11のXaa=(ArgまたはGln);残基16のXaa=(GlnまたはLeu);残基19のXaa=(IleまたはVal);残基23のXaa=(GluまたはGln);残基26のXaa=(AlaまたはSer);残基35のXaa=(AlaまたはSer);残基39のXaa=(AsnまたはAsp);残基41のXaa=(TyrまたはCys);残基50のXaa=(ValまたはLeu);残基52のXaa=(SerまたはThr);残基56のXaa=(PheまたはLeu);残基57のXaa=(IleまたはMet);残基58のXaa=(AsnまたはLys);残基60のXaa=(Glu、AspまたはAsn);残基61のXaa=(Thr、AlaまたはVal);残基65のXaa=(ProまたはAla);残基71のXaa=(GlnまたはLys);残基73のXaa=(AsnまたはSer);残基75のXaa=(IleまたはThr);残基80のXaa=(PheまたはTyr);残基82のXaa=(AspまたはSer);残基84のXaa=(SerまたはAsn);残基89のXaa=(LysまたはArg);残基91のXaa=(TyrまたはHis);および残基97のXaa=(ArgまたはLys)である。
【0094】
さらに別の好ましい実施形態では、有用な骨形成活性タンパク質は、低度、中度または高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、参照形態発生(mophogen)配列(例えば、OP−1、OP−2、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、60A、GDF−3、GDF−6、GDF−7などの保存性7システインドメインを規定するC末端配列)をコードするDNAまたはRNAとハイブリダイズする核酸によってコードされる配列を含むアミノ酸配列を有するポリペプチド鎖を有する。本明細書で使用される場合、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、公知の技術によるハイブリダイゼーション(40%ホルムアミド、5XSSPE、5XDenhardt溶液、および0.1%SDS中に37°Cで一晩)工程、そして0.1XSSPE、0.1%SDS中で50°Cで洗浄する工程を規定する。標準的なストリンジェント条件は、市販されている、標準的な分子クローニング用の教科書において、十分に記載されている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Mannual、第2版、Sambrook、FritschおよびManiatis著(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989);DNA Cloning、I巻およびII巻(D.N.Glover著、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait著、1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.J.Higgins著、1984)およびB.Perbal、A Practical Guide To Molecular Cloning(1984)(本明細書中で参考として援用される発刊物)を参照のこと。
【0095】
上述されるように、本発明において有用なタンパク質は、概して上記ポリペプチドの折り畳まれた対を含むダイマーのタンパク質である。そのような形態形成タンパク質は、還元状態で不活性である、しかし、酸化されたホモ二量体として、そしてヘテロ二量体を生成するために本発明の他のものとの組み合わせにおいて酸化される場合、活性である。従って、形態形成的に活性なタンパク質において形態発生ポリペプチドの折り畳まれる対のメンバーは、上で挙げられる特定のポリペプチドのいずれかから独立して選択され得る。
【0096】
本発明の物質および方法において有用である骨形態形成タンパク質としては、上述されるポリペプチド鎖のいずれかを含むタンパク質(天然供給源から単離されるか、または組み換えDNAもしくは他の合成技術によって生成される)が挙げられ、そしてこれらのタンパク質の対立遺伝子改変体および系統発生的な相対改変体、ならびにムテイン、ならびに種々の活性な切断構築物および融合構築物が挙げられる。欠損変異体または付加変異体もまた、活性であると考えられ、保存性C末端6システインドメインまたは7システインドメインを変性し得るものを含む(この変性が、折り畳まれた構造において、これらのシステインの相互作用を機能的に崩壊させない限り)。従って、そのような活性な形態は、本明細書で開示される、詳細に記載される構築物と同等であるものとみなされる。このタンパク質は、種々のグリコシル化の型、種々のN末端を有する形態、アミノ酸配列相同性の領域を有する関連タンパク質のファミリー、および本来のタンパク質または生合成タンパク質(宿主細胞中での組み換えDNAの発現によって生成される)の活性な切断形態もしくは活性変異形態を含み得る。
【0097】
本明細書中で企図される骨形態形成タンパク質は、未処理もしくは切断cDNAまたは原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞において合成DNAから発現され得、そして精製され、切断され、再度折り畳まれ、そして骨形成活性な組成物を形成するために二量体化され得る。現今好ましい宿主細胞としては、E.coliを含む原核生物または酵母またはCHO、COSもしくはBSC細胞のような哺乳動物細胞を含む真核生物が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、他の宿主細胞が有益に使用され得ることを理解する。本発明の実施において有用な骨形態形成タンパク質の詳細な説明(それらの作成方法、使用方法および骨形成活性についての分析方法を含む)は、多数の公報(米国特許第5,266,683号および同第5,011,691号、これらの開示は、本明細書中で参考として援用される)において開示される。
【0098】
従って、本明細書の開示および当該分野において利用可能な知識に照らせば、当業者は、種々の異なる生物種のcDNAまたはゲノムライブラリー(適切なアミノ酸配列をコードする)から遺伝子を分離し得るか、またはオリゴヌクレオチドからDNAを構築し得、そして次いで、哺乳動物において軟骨性骨形態形成を刺激することが可能な活性タンパク質の大量生成のために、それを種々の型の宿主細胞(原核生物および真核生物の両方を含む)において発現し得る。
【0099】
(移植片デバイス)
本発明はまた、骨の形成、再生および修復を促進するための移植片デバイスに関連する。この移植片デバイスは、本発明の骨前駆体組成物質を含み、そして必要に応じて生物活性因子または結合剤から選択される少なくとも1つのさらなる因子を含む。
【0100】
骨前駆体組成物から形成されるセメントマトリクスを含む移植片デバイスは、遊走性始原細胞の補充のための一時的な骨格および基部(substratum)として、ならびに続いて起こる固定および増殖のための基部(base)として働く。
【0101】
好ましい実施形態では、移植片デバイスは、骨前駆体組成物および生物活性因子(これは、骨前駆体組成物中に分散されるかまたは吸収される)を含む。骨前駆体組成物から形成されるセメントマトリクスは、生物活性因子のための送達系または支持系を提供し、このセメントマトリクスは、骨前駆体組成物がゆっくりと吸収される際に組織部位に時間をかけて放出される。好ましい実施形態では、生物活性因子は、孔形成剤中にカプセル化される。孔形成剤の吸収および生物活性因子の漸次的な放出は、持続放出系を提供する。生物活性因子の投薬量および送達速度は、セメントの性質、孔形成剤の性質および生物活性因子とセメントと孔形成剤との間の結合相互作用の性質に基づいて制御され得る。好ましい実施形態では、生物活性因子は、骨形態形成タンパク質か、またはBMPをコードする核酸分子である。より好ましい実施形態では、BMPは、OP−1である。
【0102】
骨前駆体組成物によって形成されるセメントマトリクスは、非特異的なタンパク分解からBMPを保護し得、そして組織発達の間の始原細胞誘導に関与する細胞性応答の各段階に順応し得る。
【0103】
骨前駆体組成物によって形成されるセメントマトリクスを有する好ましい骨形成デバイスにおいて、骨形成タンパクは、セメントマトリクスから移植部位へ拡散し、そして細胞の流入および流出を可能にする。骨形成タンパク質は、始原細胞を分化させそして増殖させる。始原細胞は、セメントマトリクスへと移動し得、そして分化した細胞は、セメントマトリクスから移植部位へ移動し得る。セメントマトリクス/骨形成タンパク質移植片の相互作用において続いて起こる細胞の反応は、以下を含む:フィブリンおよびフィブロネクチンの移植されたセメントマトリクスへの結合、間葉細胞の移動および増殖、始原細胞の軟骨芽細胞での分化、軟骨形成、軟骨石灰化、血管浸潤、骨形成、再造形、および骨髄分化。骨前駆体組成物を有する好ましい骨形成デバイスは、種々の整形外科的手順、歯の手順、および再構築手順において使用され得る。
【0104】
移植片デバイスはまた、生物活性因子および/または骨前駆体組成物質との混合物において結合剤を含み得る。この結合剤は、欠損部位に適合するかまたは新たな組織の形態をとるように、組成物の成形能力を調節するために添加される。1つの実施形態では、移植片物質は、組織欠損部位(ここに移植片物質が投与される)に依存して多様な形状に成形され得る。別の実施形態では、移植片物質は、注射され得る。例えば、新たな閉鎖骨折の癒合は、移植される物質の1回の最小侵襲性経皮注射によって促進され得る。例えば、本明細書中で参考として援用されるBlokhuisら、Biomaterials 22、725〜730頁(2001)を参照のこと。さらに別の実施形態では、移植片物質は、欠損部位での移植を可能にする好ましい形状を有し得る。骨前駆体組成物から形成される成形可能なセメントマトリクスは、周囲の組織または噛み砕かれた筋肉によって適所に保持され得る。組織欠損に広がりそして新たな組織の所望の形態をとるために、組成物を成形することが好ましい。非癒着性の欠損の骨修復に関しては、例えば、非癒着性の欠損に広がる寸法を使用することが望ましい。ラットの研究は、新たに合成される骨は移植されたデバイスの寸法を有することを示す。従って、この物質は、皮下移植または筋内移植のために使用され得る。骨形成手順において、この物質は身体によってゆっくりと吸収され、そして移植片の形状または移植片にほぼ近い形状で、骨によって置換される。
【0105】
(補綴デバイス)
本発明の骨前駆体組成物質が、補綴デバイスにおいて使用され得るということもまた企図される。補綴デバイスは、哺乳動物の標的組織に近接して移植され得る表面領域、およびこの表面領域に配置される組成物を含む。補綴デバイスは、処置される哺乳動物における整形外科的な欠損、損傷または異常を修復するために有用である。好ましくは、哺乳動物は、ヒト患者である。補綴デバイスは、金属、セラミックまたはポリマーの複合物質を含む物質から作られ得る。好ましいデバイスは、Co−Cr−Mo合金、チタン合金およびステンレス鋼から選択される耐性荷重芯(load−bearing core)を含む。好ましい補綴デバイスは、臀部デバイス、固定ケージ(fusion cage)および顎顔面デバイスからなる群から選択される。
【0106】
この組成物は、本発明の骨前駆体組成物を含み、そして必要に応じて、骨前駆体組成物において拡散される生物活性因子または結合剤からなる群から選択される1つ以上の因子を含む。好ましい実施形態において、生物活性因子は孔形成剤中にカプセル化される。別の好ましい実施形態では、生物活性因子はBMP、またはBMP、より好ましくはOP−1をコードする配列を含む核酸である。
【0107】
この組成物は、人工臀部、疾患骨の交換品、欠損の矯正品、または固定される歯のような合成的に構築される骨物質のためのコーティング剤として作用し得る。骨形成タンパク質被膜補綴デバイスは、プロテーゼと既在の骨との間の結合強度を高め得る(本明細書中で参考として援用されるRuegerら、米国特許第5,344,654号)。好ましい実施形態において、補綴デバイスは、この補綴デバイスへの本発明の組成物の組み込みを促進するために、ヒドロキシアパタイトまたはβトリカルシウムホスフェート物質で被膜される。補綴デバイス周囲で骨質量が不足している場合、この実施形態は、特に都合が良い。この組成物は、表面での組織増殖の増強を促進するために十分な量で、移植片の表面に配置される。組織増殖の増強を促進するために十分な組成物の量は、本明細書中で参考として援用される、Ruegerら、米国特許第5,344,654に記載されるバイオアッセイを使用して、当業者によって経験的に決定され得る。好ましくは、類似の補綴デバイスがヒト患者において使用される前に、組成物の成分濃度を最も効果的にするために、動物実験が行われる。
【0108】
好ましい実施形態において、組成物は、靭帯および骨の統合を助成するために、前十時靭帯固定または付属肢器官における靭帯接着のような靭帯修復において使用され得る。
【0109】
別の好ましい実施形態では、病変したかまたは損傷を受けた自然関節が補綴関節によって置換される場合、組成物は、臀部、膝、肘および他の関節における総嚢内顎関節形成の臨床手順に適用される。例えば、総臀部関節形成において、股臼コップは、天然の寛骨臼と置換するために骨盤の股臼ソケットにおいて、この組成物とともに挿入される。このコップは、この組成物によって適所に保持され、そして固定ねじによって固定される。概して、窩またはソケットは、寛骨臼のコップの外部表面に適合する。この組成物はまた、関節補綴デバイスと骨との間の結合を強固にするために、総関節修正外科処置に適用され得る。
【0110】
さらに別の好ましい実施形態では、この組成物は、椎骨形成と呼ばれる臨床的手順に適用される。この組成物は、椎体内部へ注入される。この方法は、骨密度を増加させるために骨粗鬆症の処置において使用される。
【0111】
好ましい実施形態において、補綴デバイスは、固定ケージ、骨栓および嚢または室(例えば、本発明の組成物を含む椎体間融合)を有する他のデバイスからなる群から選択される。好ましくは、椎体間融合デバイスは、チタン、PEEK(ポリ(エーテルエーテルケトン)(poly(etheretherketone)))および同種移植片からなる群から選択される物質から作製される。頸部の棘突起、胸部の棘突起および腰部の棘突起における椎体間融合は、腹部または背部のアプローチを介して処置され得る。あるいは、本発明の組成物は、関連する椎体間デバイスなしで使用されて、椎体間融合を達成し得る。
【0112】
脊椎固定ケージは、損傷を受けた脊椎板の除去後に残された椎骨間隙に据えられ、局所運動を排除し、椎骨において椎骨の骨固定に関係する。米国特許第5,015,247号に記載されるように、固定ケージは、融合されるべき2つの近接した椎骨の間隙より大きい外径を有する円柱凹窩部材の形態である。円柱凹窩移植片内の内部隙は、本発明の組成物で満たされ得る。円柱移植片はまた、近接した椎骨において形成されるテーパ状のボア内への連続した挿入を可能にするためのねじ切りした外部(threaded exterior)を含む。あるいは、いくつかの融合移植片は、脊椎板内部隙へ詰め込まれるために設計される。米国特許第6,146,420号に記載されるように、この融合デバイスは、体型の中心要素を有する対向する末端部品(opposite end pieces)を備える。この中心要素は、より小さい直径を有する。この融合デバイスがこの中心要素の周囲に環状のポケットを形成するように、本発明の組成物は、対向する末端部品との間の環状のポケット内へ配置され得る。
【0113】
好ましい実施形態において、補綴デバイスは、骨および円板靭帯の不安定性の修復のために使用される。本発明の組成物は、椎骨間の領域に適用され、優れた融合を生じそして結果として、1回の背側アプローチを介して外傷を受けた運動性分節の完全な安定化を達成する。本出願は、胸腰棘突起の骨折のための第二の手術(これは、現在しばしば必要であるが、さらなる高い危険性を伴う)を受ける必要性を排除し得る。また、この方法は、自原性の海綿質の移植に関連する問題およびその付随される高い罹患率の危険性を回避する。例えば、Ruegerら、Orthopaede、27、72〜79頁(1998)を参照のこと。
【0114】
別の好ましい実施形態において、補綴デバイスは、顎顔面デバイスである。顎顔面デバイスは、癌の外科処置、事故、先天的な奇形から生じる顔面の欠損を矯正するために外面的に適用される。咀嚼欠乏症を回復させるために、骨質量を有する患者が、初めに本発明の組成物を用いて処置され、外科的部位をパックし、そして取り囲む。顎顔面固定体系および伸延体系は、米国特許第5,899,940号において図示されるように、既在の骨質を強めるために適用され得る。標準的な歯根型骨ねじおよび単純な極微点用の鋲または自動締りおよび歯根型の骨鋲ねじデバイス(米国特許第5,971,985号)のような固定デバイスが、組織移植片および合成膜を顎顔面骨移植片部位に保持するために使用される。いったんその部位が修復されると、適切な長さの骨内歯科インプラントを挿入しそして咀嚼機能を回復させるために、第二の手術が行われる。
【0115】
本発明はまた、本発明の移植可能な補綴デバイスのインビボでの形成を、哺乳動物の標的組織において促進し、a)補綴デバイスの表面上に骨前駆体組成物、必要に応じて、少なくとも1つの生物活性因子または結合剤を含む組成物を提供する工程、およびb)標的組織とデバイスとの間での組織増殖を可能にするのに十分な期間の間、標的組織および補綴デバイスの表面が、少なくとも一部接触して維持される位置にて、このデバイスを哺乳動物に移植する工程を包含する方法を提供する。
【0116】
(骨形成および送達を誘導する方法)
本発明はまた、哺乳動物における骨の形成または修復を誘導する方法を提供する。哺乳動物は、好ましくはヒト患者である。この方法は、哺乳動物の欠損部位において本発明の骨前駆体組成物を含む組成物を移植する工程を包含する。好ましい実施形態において、この組成物は、結合剤および/または生物活性因子をさらに含み得る。好ましくは、生物活性因子は、孔形成剤中にカプセル化される。欠損は、軟骨内の欠損、骨軟骨の欠損または分節の欠損であり得る。この方法はまた、他の欠損にも適用され得る。これらとしては、非癒着性の骨折;骨孔;腫瘍切除;新たな骨折(伸延性または非伸延性);頭蓋、顎顔面および顔面の異常、(例えば、顔面骨格の再構築、特に眼窩床の再構築、顎提または歯槽洞の増大、歯周欠損および抜歯ソケット);頭蓋形成、頤形成、頤増大、口蓋再構築、および他の大部分の骨性の再構築;椎骨形成、頚椎、胸椎および腰椎における椎体間融合ならびに胸椎および腰椎における後椎部での融合;骨再生に関する骨髄炎において;付属肢融合、足根関節融合、全臀部融合、膝融合および関節融合または関節形成;例えば、膝の前方靭帯、後方靭帯、外側靭帯および中央靭帯の腱の矯正および/または靭帯組織欠損、膝蓋骨およびアキレス腱などならびに癌、関節炎のような疾患(変形性関節症、および離断性の骨軟骨炎のような他の骨変性疾患を含む)から生じる欠損が挙げられるが、これらに限定されない)。
【0117】
本発明はまた、哺乳動物の欠損部位へ骨前駆体組成物および生物活性因子を移植する工程を包含する、骨形成を必要とする部位に生物活性因子を送達する方法を提供する。骨前駆体組成物を送達する方法はさらに、結合剤を含み得る。好ましい実施形態において、生物活性因子は、孔形成剤中にカプセル化される。好ましい実施形態において、生物活性因子は、骨形態形成タンパク質ファミリーに属する。別の好ましい実施形態において、生物活性因子は、BMPをコードする配列を含む核酸分子である。好ましくは、この核酸は、キャリア中に捕捉される。さらに別の実施形態において、生物活性因子は、骨細胞(bone cell)またはBMPを発現する骨細胞である。別の好ましい実施形態では、生物活性因子の送達は、持続性放出である。孔形成剤は、好ましくは生物適合性および非免疫原性のポリマーであり、より好ましくは、PLGAである。生物活性因子は、好ましくはOP−1である。生物活性因子の放出速度は、PLGAの分子量を部分的に変えることによって制御され得る。水がセメントマトリクスに浸透して、長いポリマー鎖を短い水溶性のフラグメントに加水分解する場合、PLGAの分解が始まる。その物理的な特性を失うことなく、PLGAの分子量の減少が生じる。概して、ポリマーのさらなる侵食は、このポリマーの崩壊を導き、それによって生物活性因子を放出する。例えば、10kD〜30kDのPLGAに関しては、OP−1の放出速度は、1週間〜6週間である。
【実施例】
【0118】
(実施例1:孔形成剤を有するヒドロキシアパタイトの形成)
PLGAポリマーミクロスフェアは、Alkermes、Inc.から供給された。硫酸カルシウム孔形成剤は硫酸カルシウム半水和物を水和する工程によって準備された。濡れた硫酸カルシウム塊(乾燥後硬化された)は、顆粒を形成するために篩に通され、そしていかなる塊も壊するために再度篩にかけられた。
【0119】
75〜150μmの粒子サイズを有するミクロスフェアPLGAビーズは、BoneSource(登録商標)ヒドロキシアパタイトセメント粉末(テトラカルシウムホスフェートおよびジカルシウムホスフェート無水物を含む)と異なる比率で混合された(表1)。
【0120】
【表1】
Figure 2005508217
75〜500μmの粒子サイズを有する硫酸カルシウム顆粒を、BoneSource(登録商標)ヒドロキシアパタイトセメント粉末と異なる比率で混合した(表2)。
【0121】
【表2】
Figure 2005508217
上に記載される2つのセメント混合物を、乾燥させそして硬化させるために、37°Cで高湿度インキュベーターの中で24時間維持した。
【0122】
(実施例2:セメント混合物の硬度試験)
PLGAおよびCaSO移植片の両方において、ヒドロキシアパタイトの割合が減少するにつれて、移植片の容積密度が減少した。容積密度における減少は、硫酸カルシウム組み込み移植片(表4)においてよりもPLGA組み込み移植片(表3)についてより明白であった。容積密度の決定を、移植片物質の質量および体積を測定することによって実行した。PLGA物質の軽さは、容積密度の明白な縮小を導き得る。
【0123】
【表3】
Figure 2005508217
【0124】
【表4】
Figure 2005508217
(実施例3:インビボでの吸収活性のシミュレーション)
次いで、硬化された移植片を、インビボでの吸収活性の迅速なシミュレーションを行うために、0.2N HCl酸で24時間処理した。5mlの0.2N HClを、5mlのガラスバイアル中に配置した各移植片に添加した。酸性表面は、移植片を完全に覆った。バイアルには栓を付け、そして穏やかに振とうする自動振とう機に置いた。これらの移植片の外観を、定期的に観察した。
【0125】
7時間後、試験した全ての移植片の構造的な硬さは、そこなわれていなかった。硫酸カルシウム組み込み移植片とPLGA組み込み移植片の両方において、増加した有孔性が、孔形成剤における増加に正比例して観察された。しかしながら、硫酸カルシウム移植片は、酸処理の24時間後に構造的な硬さを保有するにつれて、より砕けやすくなることが観察された。100%ヒドロキシアパタイト移植片は、どのような明確な有孔性も示さなかった。孔形成剤を有する移植片は、有孔性の程度の変化を示した。50%の孔形成剤を含む移植片は、その構造も維持すると同時に、明白に非常に多孔性であった。硫酸カルシウム移植片は、PLGA移植片よりもより大きく、そしてより目に見える孔を発達させた。
【0126】
(実施例4:骨誘導のためのラットモデルバイオアッセイ)
このアッセイは、エーテル麻酔下でレシピエントラットの皮下部位に本発明の組成物を移植する工程からなる。雄性のLong−Evansラット(28〜32日齢)を使用し得る。垂直切開(1cm)を、胸部領域上の皮膚において無菌的状況下で行い、そしてくぼみをブラントジセクションによって調製する。おおよそ25mgの試験サンプルをそのくぼみの中へ深く移植し、そして切開を、金属製の皮膚用クリップで閉じる。移植した日を、実験の1日目として表す。移植片を、その後様々な時間(すなわち12日目、18日目)で取り出す。異所性部位(heterotropic site)は、垂直部位の使用から生じる潜在的なあいまいさなしに、骨誘導の研究を可能にする。
【0127】
骨成長を、移植片のカルシウム含有量によって生化学的に決定する。カルシウム含有量は、移植片において形成される骨量に比例する。それゆえ、骨形成を、ラットにおける移植片のカルシウム含有量を決定することによって算定し、そして「骨形成単位」(1骨形成単位を、移植片の最大骨形成活性のうちの半分について必要とされるタンパク質量を示す)として表現する。インタクトな、鉱物質除去されたラット骨マトリクスによって示される骨誘導を、本アッセイにおける比較目的に関して、最大骨分化活性であるとみなす。
【0128】
(軟骨内骨形成期間の細胞性イベント)
成功した移植片は、タンパク質誘導性の軟骨内骨形成の段階を通して制御された進行を示し、以下を含む:(1)多形核白血球による一過性の浸潤;(2)間葉細胞の移動および増殖;(3)軟骨細胞の出現;(4)軟骨基質形成;(5)軟骨石灰化;(6)血管浸潤、骨芽細胞の出現、および新たな骨の形成;(7)破骨細胞の出現、骨再構築および移植されたマトリクスの分解;ならびに(8)小骨における造血性の骨髄分化。ラットにおけるこの時間経過は、添加されるOP−1の量の増加によって促進され得る。新たな骨の形状は、移植されたセメントマトリクスの形状と一致する。
【0129】
(組織学的評価)
組織学的切片標本化および染色は、移植片における骨形成の程度を決定するために好ましい方法である。移植片を、ブワン溶液(Bouins Solution)で固定し、パラフィンに包埋し、そして6〜8μmの切片に薄切する。トルイジンブルーまたはヘマトキシリン/エオシンを用いた染色は、軟骨内骨の最終的な発達をはっきりと証明する。12日目の移植片は、移植片が新たに誘導された骨を含んでいるか否かを決定するのに通常十分である。
【0130】
(生物学的マーカー)
アルカリホスファターゼ(AP)活性を、骨形成のためのマーカーとして使用し得る。酵素活性を、移植片の均質化後に分光測光的に決定し得る。続いてインビボでの活性は、ピークまで上がり、そしてその後ゆっくりと低下する。組織学的に骨発達を示さない移植片は、これらのアッセイ条件下でほとんどまたは全くアルカリホスファターゼ活性を有さない。このアッセイは、定量化および移植片がラットから取り出された後に迅速に骨形成の推定値を得るために有用である。あるいは、骨形成量を、移植片のカルシウムセメントを測定することによって決定し得る。
【0131】
軟骨内骨または他の型の組織形成に関連する遺伝子発現パターンをまた、当業者に公知の手順(例えば、ノーザンブロット分析)を使用してmRNAのレベルを定量することによってモニタリングし得る。そのような発達性遺伝子発現マーカーを、骨形成タンパク質を用いた処置後の組織分化経路を通る進行を決定するために使用し得る。これらのマーカーとしては、プロコラーゲンα(I)、プロコラーゲンα(I)、プロコラーゲンα(III)、オステオネクチン、オステオポンチン、ビグリカン、および骨再生のためのアルカリホスファターゼのような骨芽細胞関連マトリクスタンパク質が挙げられる(例えば、Suvaら,J.BoneMiner.Res.,8,379〜88頁(1993);Benayahuら,J.Cell.Biochem.,56,62〜73頁(1994)を参照のこと)。
【0132】
(実施例5:骨修復のためのヒツジモデルバイオアッセイ)
骨格的に成熟した雌性ヒツジの左脛骨および右脛骨の両方について、近位骨幹端の領域において3つの孔を開けた欠損を創った。欠損は、直径6mmおよび少なくとも10mmの深さであった。欠損サイズは、試験動物全てにわたって一貫した。欠損は、骨間の繊維脂肪髄(fibrofatty marrow)の構造を維持するように創られた。この髄は、移植片物質間のバリアとして作用し、そして試験されるマトリクス物質の骨間混合を防ぐ。この試験される異なる処方物を、表5中に列挙する。使用されるセメントは、BoneSource(登録商標)製であった。
【0133】
3〜4インチの切開を、近位脛骨骨幹端にわたって作った。皮膚およびその基底にある筋肉を、骨膜を露出させるため解剖した。骨膜を切開し、そして可能ならば外科的な閉鎖ためにインタクトな状態を維持した。3つの横径の孔を、骨幹端中に創った。第一の、そしてもっとも上位の孔を、脛骨の関節面におよそ2cm未満で創った。欠損を、骨の長軸に向く線を形成するように創った。移植片を、中心から中心で測定して1.6cm間隔で、間隔を空けておいた。
【0134】
物質を、処理4週後および8週後に回収した。動物を、ペントバルビタール(pentobarbital)75〜100mg/kgで安楽死させた。最良の組織固定を可能にするために、近位脛骨を取り出して、そして切断した。標本を、10%中性緩衝済みホルマリンで固定した。可能ならば、1つの標本において全ての移植片部位を捕獲するように、標本を切断した。固定に引き続いて、標本を脱石灰して、プラスチック中に包埋し、そしてExackt技術を使用することで長軸方向に切片標本化し、そして組織学的分析のために適切な切片の厚さにすり減らした。
【0135】
全ての移植部位のX線撮影評価および組織学的評価を、手術の4週後および8週後で行った。全ての3つの欠損を同時に、最良に画像化し、そして円柱状の欠損を側面から見るために、前方X線写真、後方X線写真を、撮影した。定性的な組織学的描写は、新たな骨形成、残留の移植物質および病理学的応答の任意の証拠を同定した。各標本、ならびに骨形成、急性および慢性の炎症ならびに残留マトリクスのために呈されるスコアについて、写真を撮った。
【0136】
標本の取り扱いおよび止血特性を、移植の際に記録した。物質は、良好な粘ちゅう度を有するパテ形態であった。セメントマトリクスを、処方物および食塩水の混合に続いて移植した。
【0137】
【表5】
Figure 2005508217
(組織学の結果)
近位脛骨切片は、3つの欠損を含んだ。3つの欠損全てが1つの切片中に含まれるように、これらの切片を、グロスで大きく切断した。グロス切片観察、臨床試験およびこの切片のファキシトロンX線照射に基づいて、この切片を、このサンプルの典型であるとみなした。この切断方向は、欠損の上を覆う骨膜反応および試験物質の骨髄内応答の評価を可能にした。4週および8週の外植片から、標本を評価した(図1〜6)。
【0138】
(パラフィン組織学研究)
ヒツジモデルバイオアッセイからの組織を、パラフィン切片ならびにヘマトキシリンおよびエオシン染色を使用して骨形成について評価した。脛骨標本を、動物由来の近位部位、中間部位および遠位部位における移植部位を単離するように薄切した。これらの外植片を、脱石灰化し、パラフィンに包埋し、切片標本化してヘマトキシリンおよびエオシンを用いて染色した。
【0139】
切片を、光学顕微鏡を使用して観察、そして骨形成について判断した。骨形成中に層状にされた標本に関しては、皮質レベルからの応答は強くそして過度であり、そしてこの応答は、骨髄区分においては適度であった。この層状に起因して、骨内膜皮質から2〜3mmの深さのレベルに広がるレベルを評価した。
【0140】
(実施例6:骨修復のためのネコモデルバイオアッセイ)
大腿骨の骨きり術の欠損を、外科的に調製した。さらなる介入が無い場合、擬態の骨折欠損は、一貫して非結合性に進行するだろう。創った骨欠損内へ移植した、本発明の組成物およびデバイスの効果を、以下の研究プロトコルによって評価する。
【0141】
簡単には、その手順は次の通りである:それぞれ重さが10ポンド未満である16匹の成体のネコに、外側外科的アプローチによって右大腿骨における1cmの骨欠損を片側に調製する。他の実験においては、2cmの骨欠損を創り得る。欠損の正確な寸法を保つために8穴プレートの外側配置によって、大腿骨を、直ちに内部に固定する。3つの異なる型の物質を、ネコ大腿骨に外科的に創った欠損中に外科的に移植し得る:群Iは、試験物質を有さない陰性対照群である;群IIには、骨前駆体組成物から形成されたセメントマトリクスを移植する;群IIIには、骨前駆体組成物および骨形成タンパク質から形成されるセメントマトリクスを移植する。
【0142】
全ての動物に対して、手術後、ケージ内で自由に動くことを許す。全てのネコに、テトラサイクリン(25mg/kg皮下に(SQ)、1週間ごとに4週間)を骨標識のために注射する。
【0143】
軽く麻酔をかけた動物(大腿および骨切り部位の正確な前方−後方観察を一貫して行うために設計されたクッション性のあるX線ジグに位置づけた)の標準X線を考慮することによって、インビボでの放射線形態測定研究を、手術後4週、8週、12週および16週で直ちに実行した。それぞれの動物について、正確に同じ様式および正確に同じ位置において、全てのX線撮影をする。骨修復を、ランダム点分析によって、鉱化作用の機能として計算する。切り出した骨の最終的な標本のX線撮影研究を、屠殺後、2つの面において行う。
【0144】
切り出した試験大腿骨および正常な大腿骨を、骨デンシトメトリーによって直ちに研究し得るか、またはさらなる研究まで、2層の生理食塩水に浸したタオル中に包み、密封性プラスチックバック内に入れ、−20°Cで保管する。骨修復能力、破損負荷(load−to−failure)、および破損仕事(work−to−failure)は、特別に設計された、インストロンテスト機(Instron testing machine)に装着した鋼4点屈曲ジグ(steel 4−point bending jig)上で、破損負荷をかけることで試験して、骨強度、剛性、吸収されたエネルギーおよび破損変形を定量する。試験大腿骨および正常大腿骨の研究は、何ポンドもの骨強度(負荷)および何ジュールもの破損仕事を生じる。正常な大腿骨は、96(+/−12)ポンドの強度を示す。骨形成デバイスを移植された大腿骨強度は、(骨欠損修復の「砂時計(hourglass」)形状に起因して)骨折部位での表面領域を矯正されるべきである。この矯正をもって、結果は正常な骨強度と密接に相関する。
【0145】
生体力学的試験に続いて、骨を、その欠損部位で2つの縦断面に直ちに分割し、重さを量り、そしてその体積を測定する。1/2は、蛍光染色液取り込み評価(fluorescent stain incorporation evaluation)を用いて、標準的に石灰化された骨の組織学的形態測定のために固定し、そして1/2は、脱石灰化したヘマトキシリン/エオシン染色の組織学的標本のために固定する。
【0146】
骨修復部位から選択された標本を、冷0.15M NaCl、3mM NaHCO(pH9.0)中で、Spex冷凍製粉機によってホモジナイズする。次いで、上清のアルカリホスファターゼ活性および酸性可溶性成分画のセグメントの総カルシウム含有量を決定する。
【0147】
(実施例7):骨修復のためのウサギモデルバイオアッセイ
本アッセイは、本明細書中で参考として援用されるOppermannら、米国特許第5、354、557号において詳細に記載される;(また、Cookら、J.of Bone and Joint Surgery、76−A、827〜38頁(1994)参照のこと)。1.5cmの非癒着性の尺骨の欠損を、成熟した(10ポンド未満の)ニュージランドホワイト種のウサギにおいて、X線によって証明される骨端閉鎖(epiphyseal closure)を用いて創る。この実験は、次のとおり、1群につき少なくとも8匹のウサギ内へのデバイスの移植を含み得る:群Iは、試験物質を有しない陰性対照群である;群IIには、骨前駆体組成物から形成されるセメントマトリクスを移植する;群IIIには、骨前駆体組成物および骨形成タンパク質から形成されるセメントマトリクスを移植する。尺骨欠損を、各群のウサギにおいて8週の研究の全経過にわたって追跡する。
【0148】
別の実験において、1.5cmの尺骨欠損の骨髄窩を、骨前駆体組成物から形成されるセメントマトリクス中の骨形成タンパク質で満たす。骨を、介在様式で同種移植する。陰性対照尺骨は、8週までには癒着せずそして古典的な「ぞうげ」外観を示す。異なる対照において、骨形成タンパク質処置される移植片は、6〜8週までの再鉱化作用の開始を伴って、4週までにはX線写真的に「消滅」する。これらの同種移植片は、8週までには緩やかな増殖性骨形成を伴って、それぞれの端で癒着する。この型のデバイスは、同種移植片修復を促進するために役立つ。
【0149】
上で記載されるように、ウサギモデルはまた、本発明の特定の組成物が局所的な骨形成を誘導し得る条件の効力を試験しそして最も効果的にするために使用され得る。
【0150】
(実施例8):骨修復のためのイヌ尺骨欠損バイオアッセイ
本アッセイは、Cookら、Clinical Orthopaedics and Related Research、301、302〜112頁(1994)(本明細書中で参考として援用される)に記載されるように、本質的に実行される。簡単には、尺骨分節欠損モデルを、35〜45kgのオスイヌにおける骨癒着を評価するために使用する。500mgの骨前駆体組成物を含む実験的コンポジットを、様々な量のOP−1で再構成する。任意の骨形成タンパク質が、本アッセイにおいてOP−1の代わりに使用され得る。欠損部位への移植を、1つのキャリア対照および試験OP−1の実験系を用いて実行する。機械的試験を、移植後12週間でコンポジットを受け入れる動物の尺骨で実行する。前肢のX線写真を、動物が手術後12週または16週のいずれかで安楽死されるまでに毎週撮影する。組織学的切片を、欠損部位および近接の正常骨から分析する。
【0151】
(実施例9):骨修復のためのサル尺骨および脛骨欠損バイオアッセイ
アフリカミドリサルにおける、本骨癒着アッセイは、Cookら、J.Bone and Joint Surgery、77A、734〜50頁(1995)(本明細書中で参考として援用される)に記載されるように、本質的に実行される。簡単には、2.0cmの骨骨膜欠損を、尺骨長幹の中間において創りそしてOP−1を含む骨前駆体組成物マトリクスを含む移植片で満す。様々な量のOP−1の量で再構成される骨前駆体組成物マトリクスを含む実験的コンポジットを、脛骨の骨幹において創られる2.0cmの骨骨膜欠損を満たすために使用する。任意の骨形成タンパク質が、本アッセイにおいてOP−1の代わりに使用され得る。欠損部位への移植を、1つのキャリア対照および試験OP−1の実験系を用いて実行する。機械的試験を、コンポジットを受け入れる動物の尺骨および脛骨で実行する。X線写真および組織学的切片を、Cookらにおいて記載されるように、欠損部位および近接の正常骨から分析する。
【0152】
(実施例10):ヤギモデル骨折癒着バイオアッセイ
ヒツジにおける本骨折癒着アッセイは、Blokhiusら、Biomaterials、22、725〜730頁(2001)(本明細書中で参考として援用される)において記載されるように、本質的に実行される。成体メスヤギの左脛骨において、注文品の3点屈曲デバイスを用いて閉鎖性長幹中間骨折させる。骨折を、外固定器(脛骨の外側に置かれる)で安定化する。3つの異なる型の物質を、注射によってヤギ欠損内に移植する:群Iは、試験物質を有しない陰性対照群である;群IIには、骨前駆体組成物から形成されるセメントマトリクスを移植する;および群IIIには、骨前駆体組成物および骨形成タンパク質から形成されるセメントマトリクスを移植する。注射は、無菌条件下で与えそしてX線透視は、注射された物質が骨折裂孔に配置されたことを確認するために使用する。機械的試験(4点非破壊性屈曲試験)を、2週および4週でコンポジットを受け入れる動物において実行する。機械的試験後、骨折裂孔の前方切片、後方切片、側方切片、および中間切片を、X線写真および組織学的切開を実行するために切り取る。
【0153】
(実施例11):ヒツジ腰椎棘突起の不安定な運動性分節の融合アッセイ
本アッセイは、骨性および円板靭帯不安定性の癒着を調査する。棘突起の運動性分節は、1つのものが他のものより上に位置する2つの椎体、および椎間円板からなる機能単位である。
【0154】
試行群は、12頭のヒツジからなる。それぞれ12頭からの2つの対照群を、使用する。下方腰椎棘突起の手術領域は、全身麻酔導入および動物を腹臥位に配置した後に用意される。下方腰椎棘突起の棘状突起より上で長さ約12cmの皮膚切開を行う。皮下組織および筋膜の離断後、背側の筋肉を側部に移動する。
【0155】
挿管麻酔を、1.5mlキシラジン(Rompun(登録商標))の筋内注射によって適用する。必要になるにつれて、さらなる用量が投与され得る。鎮静には、耳の静脈に穿刺した後、静脈留置カテーテルの配置を必要とする。麻酔は、体重1キログラムにつき3〜5mgのチオペンタール(Trapanal(登録商標))を提供することによって、カテーテルをとおして導入される。気管内挿入後、動物は、酸素(30%)、亜酸化窒素(笑気ガス)およびイソフルラン(Isofluran(登録商標))を使用することで通気される。全手術の間、用量0.2〜0.4mgを有する鎮痛性フェンタニール二水素シトレート(Fentanbyl(登録商標))が、投与される。同時に、弛緩は、0.5mg/体重kgの用量でアトラクリウム(Atracurium(登録商標))を投与することによって達成される。
【0156】
腰椎椎体間の茎L4〜L6を完全に露出した後、茎L4および茎L6の両側のインストルメンテーションが起こる。これは、直径5mmまたは6mm(茎中に見いだされる直径に依存して)の茎ねじを使用することによって実行される。引き続いて、上方の運動性分節L4/L5の円板の両相対茎除去を、茎鏡(Pediculoscopic)制御下でL5の茎にわたって実行する。罹患した椎体間の終板を除皮質する。
【0157】
試験サンプルの身体間および身体内への応用は、試行群の全ての12頭のヒツジにおいて相対茎のカニューレを介して起こる。試験サンプルは、様々な濃度でセメントマトリクスおよび骨形成タンパク質を含む。12頭のヒツジからなる第一の対照群において、セメントマトリクスだけを応用する。第二の対照群において、自己海綿を、本発明の組成物の代わりに投与する。
【0158】
最終的に、内部固定器を完全に取り付ける。内部固定器の型および必然のインストルメンテーションは、ヒトにおいて使用されるものと同じである。従って、外科的手順は、標準化されそして熟練した実施者に周知である。廃液管を配置しそして創傷を、筋膜および皮下組織に対して吸収性縫合糸を使用し、ならびに皮膚ステープルを使用して閉鎖する。
【0159】
全手術の手順の間、X線イメージアンプリファイアーは、手術中のX線透視のために有用である。これは、上のステップの実行の間、正確な位置づけを促進する。
【0160】
自己海綿を投与された12頭のヒツジの回収を、次のとおり麻酔下で実行する:左腸骨稜皮膚および筋膜を、約8cmの長さの縦の切開を作ることで切開する。殿部筋肉を、骨膜下に移動しそして海綿質移植片を、骨きり術後、腸骨稜から回収する。過剰な出血を調節する血液遮断および廃液管の配置を、層における創傷の閉鎖のために実行する。回収手順は、標準的でありそして当業者に公知である。
【0161】
(臨床観察)
日常的な神経学的検査を、動物の歩行および手術後に生じ得る神経学的欠損を評価するために実行する。手術による創傷を、毎日きっちりと検査する。体重は、手術前および安楽死のときに測定する。
【0162】
(X線分析)
評価の前に、完成した腰椎棘突起を新たに切り開き、そして内部固定器を注意深く除去する。手術された棘突起分節の前後X線写真および外側の単純X線写真を、融合評価を助成するために、0週および8週で、一貫したミリアンペア、キロボルト、および秒の条件下で撮影した。融合状態を、Lenkeら、J.Spinal Disord、5、433〜442頁(1992)(本明細書中で参考として援用される)によって典拠を示される段階付け体系を用いて評価する。この体系を用いることによって、Aは大きく、充実した肉柱両側性融合塊(明確に固形である)を示し;B、大きく、充実した一側性融合塊(小さい対側性融合塊を有する)(おそらく固形である);C、小さく、やせた両側性融合塊(明らかな裂け目を有する)(多分固形ではない);およびD、移植片または融合塊の両側性吸収(明白な両側性偽関節を有する)(明確に固形ではない)。
【0163】
さらに、コンピューター断層撮影スキャンを、断面および矢状面再構築における融合塊を評価するために実行する。それぞれの融合塊のために、おおよそ40回連続したコンピューター断層撮影スキャンを、一貫した倍率およびX線写真条件下で、2mm薄片間隔の使用および続いて起こる矢状面における再構築をもって行う。
【0164】
(生体力学的試験)
各群の4つの標本を、生体力学的に評価する。X線写真分析後、靭帯構造および骨構造を維持しながら、全ての筋肉を、注意深く除去する。棘突起を、−20°Cで凍結させる。これらの標本それぞれのために、運動性分節L4/L5の上部椎骨の上部半分および下部椎骨の下部半分を、ポリメチルメタクリレート(Technovit 3040;Heraeus Kulzer GmbH、Wehrheim/Ts、Germany)中に包埋すれる。次いで、各標本を、固定しそして非破壊的な試験様式において、棘突起試験器(spine tester)中で前負荷なしに試験する。屈曲/伸長、軸の左右回転、および左右への側方屈曲モーメントの交互の連続を、1.7度/秒の一定速度で連続的に適用する(棘突起試験器のジンバルにおいて調節されるステッパモータによって)。2回の前サイクルは、粘性弾性応答における粘性成分の効果を最小限にするために適用し、そしてデータは、3回目のサイクルで集められる。運動の範囲、中立帯の範囲、および2つの剛性パラメーターは、結果として生じる負荷−変形曲線(load−deformation curve)から決定する。
【0165】
(組織学/組織体型測定)
各群の8つの標本を、手術後2週、4週または8週後に組織学的に評価する。X線写真分析後、棘突起を10%ホルマリン溶液中で固定する。おのおのの標本の断面を、骨性融合、細胞性反応、生物適合性、およびセメント統合/分解の兆候を評価するために得る。手術部位での融合塊の定性的組織学的評価を、巨細胞、炎症性細胞、または繊維性応答(移植される物質がカプセル化され得る場合)の存在に関して下す。さらに、肉柱融合塊内で見られる類骨および肉柱骨の量を評価する。類骨のパーセンテージ、類骨の厚み、骨表面1ミリメーターあたりの骨芽細胞の数、および骨表面1ミリメーターあたりの破骨細胞の数のような組織体型測定的変数を決定する。
【0166】
(蛍光色素標識)
8動物は、手術後2週目に体重1キログラムにつき90ミリグラムのキシレノールオレンジの静脈への適用、手術後4週目に体重1キログラムにつきに10ミリグラムのカルセリングリーンの静脈への適用、および手術後6週目に体重1キログラムにつき25ミリグラムのドキシサイクリンヒクレートイエローの静脈への適用を被る。この養生法(regimen)は、RahnおよびPerrenによって発表された方法に従う。例えば、Rahnら、Stain Technology、46、125〜129頁(1971)、Rahnら、Akt Traumatol、10、109〜115頁(1980)を参照のこと。次いで、定量的および定性的力学評価のために、蛍光色素連続分析を、標本についてUV光下での蛍光顕微鏡検査法によって実行する。
【0167】
本発明者らが本発明の多数の実施形態を記載する一方で、本発明者らの基本的な構成物が、他の実施形態(本発明の生成物およびプロセスを利用する)を提供するために部分的に変化させられ得ることが明白である。それゆえ、本発明の範囲が、特定の実施形態(例として述べられる)によるよりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきであるということが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】図1は、4週目での動物5334の右脛骨のグロス画像(上)およびファキシトロン(Faxitron)画像(下)を示す。左から、近心部位、中間部位および遠心部位は、それぞれ処方物1、2および3を含む。
【図2】図2は、4週目での動物5329の左脛骨のグロス画像(上)およびファキシトロン画像(下)を示す。左から、近心部位、中間部位および遠心部位は、それぞれ処方物6、7および8を含む。
【図3】図3は、4週目での動物5329の右脛骨のグロス画像(上)およびファキシトロン画像(下)を示す。左から、近心部位、中間部位および遠心部位は、それぞれ処方物対照、10および9を含む。
【図4】図4は、8週目での動物5339の左脛骨のグロス画像(上)およびファキシトロン画像(下)を示す。左から、近心部位、中間部位および遠心部位は、それぞれ処方物3、2および1を含む。
【図5】図5は、8週目での動物5338の右脛骨のグロス画像(上)およびファキシトロン画像(下)を示す。左から、近心部位、中間部位および遠心部位は、それぞれ処方物6、7および8を含む。
【図6】図6は、8週目での動物5340の右脛骨のグロス画像(上)およびファキシトロン画像(下)を示す。左から、近心部位、中間部位および遠心部位は、それぞれ処方物対照、10および9を含む。

Claims (61)

  1. セメント混合物および孔形成剤を含む骨前駆体組成物であって、該孔形成剤は、20〜500μmの粒子サイズを有し;ただし、該孔形成剤がPLGAのとき、該粒子サイズが20〜140μmまたは310〜500μmであり、そして該孔形成剤が硫酸カルシウムであるとき、該粒子サイズは20〜140μmまたは260〜500μmである、骨前駆体組成物。
  2. 前記孔形成剤が20〜140μmの粒子サイズを有する、セメント混合物および孔形成剤を含む、骨前駆体組成物。
  3. 前記孔形成剤が75〜140μmの粒子サイズを有する、セメント混合物および孔形成剤を含む、骨前駆体組成物。
  4. 前記孔形成剤の割合が7〜40%(w/w)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  5. 前記孔形成剤の割合が7〜25%(w/w)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  6. 前記孔形成剤の割合が7〜14%(w/w)であり、そして該孔形成剤がPLGAである、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  7. 前記セメント混合物がカルシウムホスフェートセメント混合物およびカルシウムスルフェートセメント混合物からなる群から選択される混合物を含む、請求項1〜3のいずれかに一項に記載される、骨前駆体組成物。
  8. 前記セメント混合物が以下からなる群から選択される混合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物:
    (a)脱炭酸されたアモルファスのカルシウムホスフェートおよび第2のカルシウムホスフェートの混合物;
    (b)テトラカルシウムホスフェートおよび第2のカルシウムホスフェートの混合物;
    (c)モノカルシウムホスフェート、テトラカルシウムホスフェートおよびカルシウムカーボネートの混合物;
    (d)β−トリカルシウムホスフェートおよびカルシウムホスフェート一水和物の混合物、ならびに必要に応じてカルシウムピロホスフェート、硫酸カルシウム二水和物、および硫酸カルシウム半水和物を含む混合物;
    (e)β−テトラカルシウムホスフェート、ジカルシウムホスフェート二水和物およびカルシウムカーボネートの混合物;および
    (f)硫酸カルシウム半水和物。
  9. 前記第2のカルシウムホスフェートが、モノカルシウムホスフェート、無水ジカルシウムホスフェート、ジカルシウムホスフェート二水和物カルシウムメタホスフェート、ヘプタカルシウムホスフェート、カルシウムピロホスフェート、α−トリカルシウムホスフェート、β−トリカルシウムホスフェート、オクタカルシウムホスフェートならびにアモルファスのカルシウムホスフェートからなる群から選択される、請求項8に記載される、骨前駆体組成物。
  10. 前記孔形成剤が天然の生物分解性の重合体または合成的な生物分解性の重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  11. 前記孔形成剤がエチレンビニルアセテート、天然コラーゲンおよび合成コラーゲン、ポリ(グルキサノン)、ポリ(ファスファゼン)、ポリグラクチン、ポリグラクチン酸、ポリアルドン酸、ポリアクリル酸、ポリアクカノエート、ポリオルトエステル、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ(ζ−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリ(ζ−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリアリーレート、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ無水物、ポリ(無水物−co−イミド)ならびにそれらの共重合体、アミノ酸重合体、プロピレン−co−フマレート、1個以上のα−ヒドロキシ−カルボン酸モノマーの重合体、硫酸カルシウム、生物活性ガラス組成物、それらの混合物およびそれらの任意の誘導体ならびに改変体からなる群から選択される;ただし、前記セメント混合物が硫酸カルシウム半水和物であるとき、該孔形成剤が硫酸カルシウムでない、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  12. 前記PLGAが5kD〜100kDの分子量を有する、請求項11に記載される、骨前駆体組成物。
  13. 前記PLGAが10kD〜30kDの分子量を有する、請求項11に記載される、骨前駆体組成物。
  14. 前記セメント混合物がテトラカルシウムホスフェートおよび無水ジカルシウムホスフェートの混合物を含み;そして、前記孔形成剤がPLGAおよび硫酸カルシウムからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  15. 前記セメント混合物が硫酸カルシウム半水和物を含み、そして前記孔形成剤がPLGAである、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  16. さらに生物活性因子を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載される、骨前駆体組成物。
  17. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質である、請求項16に記載される、骨前駆体組成物。
  18. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質をコードする配列を含む核酸分子である、請求項16に記載される、骨前駆体組成物。
  19. 前記骨形態形成タンパク質がOP−1、OP−2、OP−3、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、COP−16、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、MP121、ドーサリン−1、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、TGF−βおよび骨形成活性を有するそれらの保存性アミノ酸配列改変体からなる群から選択される、請求項17に記載される骨前駆体組成物。
  20. 前記生物活性がヒトOP−1のC末端の102〜106のアミノ酸と、少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含む骨形成タンパク質である、請求項16に記載される骨前駆体組成物。
  21. 前記生物活性が前記孔形成剤中にカプセル化される、請求項16に記載される骨前駆体組成物。
  22. さらに結合剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載される骨前駆体組成物。
  23. 前記結合剤がアルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ゼラチン、ペプチド、ムチン、硫酸コンドロイチン、キトサン、ポロキサマー(poloxamer)、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、マンニトール、白色ワセリン、マンニトール/デキストランの組み合わせ、マンニトール/白色ワセリンの組み合わせ、ゴマ油、フィブリン接着剤、血液およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載される、骨前駆体組成物。
  24. 移植可能な請求項1〜3のいずれか一項に記載される骨前駆体組成物。
  25. 固形セメントおよび孔形成剤を含む組成物であって、該孔形成剤が20〜500μmの粒子サイズを有し;ただし、該孔形成剤がPLGAであるとき、該粒子サイズが20〜140μmまたは310〜500μmであり、そして該孔形成剤が硫酸カルシウムであるとき、該粒子サイズが20〜140μmまたは260〜500μmである、組成物。
  26. 孔形成剤が20〜140μmの粒子サイズを有する、固形セメントおよび孔形成剤を含む組成物。
  27. 孔形成剤が75〜140μmの粒子サイズを有する、固形セメントおよび孔形成剤を含む組成物。
  28. 前記孔形成剤の割合が7〜40%(w/w)である、請求項25〜27のいずれか一項に記載される組成物。
  29. 前記孔形成剤の割合が7〜25%(w/w)である、請求項25〜27のいずれか一項に記載される組成物。
  30. 前記孔形成剤がPLGAであり、そしてその割合が7〜14%である(w/w)、請求項25〜27のいずれか一項に記載される組成物。
  31. 前記固形セメントがカルシウムホスフェートセメントおよびカルシウムスルフェートセメントからなる群から選択されるセメントを含む、請求項25〜27のいずれか一項に記載される組成物。
  32. 前記孔形成剤が天然の生物分解性の重合体または合成的な生物分解性の重合体である、請求項25〜27のいずれか一項に記載される組成物。
  33. 前記孔形成剤がエチレンビニルアセテート、天然コラーゲンおよび合成コラーゲン、ポリ(グラキサノン)、ポリ(フォスファゼン)、ポリグラクチン、ポリグラクチン酸、ポリアルドン酸、ポリアクリル酸、ポリアルカノエート、ポリオルトエステル、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)、ポリ(ζ−カプロラクトン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(p−ジオキサノン)、ポリ(ζ−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(グリコリド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリ(D,L−ラクチド−co−トリメチレンカーボネート)、ポリアリーレート、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ無水物、ポリ(無水物−co−イミド)およびそれらの共重合体、アミノ酸重合体、プロピレン−co−フマレート、1個以上のα−ヒドロキシ−カルボン酸モノマー重合体、硫酸カルシウム、生物活性ガラス組成物、それらの混合物およびそれらの任意の誘導体ならびに改変体からなる群から選択され;ただし、前記セメント混合物が硫酸カルシウム半水和物であり、該孔形成剤が硫酸カルシウムでない、請求項25〜27のいずれか一項に記載される組成物。
  34. 前記PLGAが5kD〜100kDの分子量を有する、請求項33に記載される組成物。
  35. 前記PLGAが10kD〜30kDの分子量を有する、請求項33に記載される組成物。
  36. 以下を含むキット:
    (a)請求項1〜3のいずれか一項に記載される前記骨前駆体組成物;および
    (b)生物活性因子。
  37. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質である、請求項36に記載されるキット。
  38. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質をコードする配列を含む核酸分子である、請求項36に記載されるキット。
  39. 前記骨形態形成タンパク質が、OP−1、OP−2、OP−3、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、COP−16、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、MP121、ドーサリン−1、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、TGF−βおよび骨形成活性を有するそれらの保存性アミノ酸配列改変体からなる群から選択される、請求項37に記載されるキット。
  40. 前記生物活性因子がヒトOP−1のC末端の102〜106のアミノ酸と、少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含む骨形成タンパク質である、請求項36に記載されるキット。
  41. 以下を含むキット:
    (a)請求項1〜3のいずれか一項に記載される骨前駆体組成物;および
    (b)結合剤。
  42. 前記結合剤がアルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ゼラチン、ペプチド、ムチン、硫酸コンドロイチン、キトサン、ポロキサマー、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、マンニトール、白色ワセリン、マンニトール/デキストランの組み合わせ、マンニトール/白色ワセリンの組み合わせ、ゴマ油、フィブリン接着剤、血液およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項41に記載されるキット。
  43. 以下を含む移植可能な補綴デバイス:
    (a)標的組織に近接し、移植可能な表面領域を有する補綴移植片;および
    (b)該表面領域に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載される骨前駆体組成物。
  44. さらに、前記骨前駆体組成物中に分散される生物活性因子を含む、請求項43に記載される補綴デバイス。
  45. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質である、請求項44に記載される補綴デバイス。
  46. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質をコードする配列を含む核酸分子である、請求項44に記載される補綴デバイス。
  47. 前記骨形態形成タンパク質がOP−1、OP−2、OP−3、COP−1、COP−3、COP−4、COP−5、COP−7、COP−16、BMP−2、BMP−3、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、GDF−1、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、MP121、ドーサリン−1、DPP、Vg−1、Vgr−1、60Aタンパク質、NODAL、UNIVIN、SCREW、ADMP、NEURAL、TGF−βおよび骨形成活性を有するそれらの保存性アミノ酸配列改変体からなる群から選択される、請求項45に記載される補綴デバイス。
  48. 前記生物活性因子がヒトOP−1のC末端の102〜106のアミノ酸と、少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含む骨形成タンパク質である、請求項44に記載される補綴デバイス。
  49. 前記デバイスが臀部デバイス、固定ケージおよび顎顔面デバイスからなる群から選択される、請求項43に記載される補綴デバイス。
  50. 前記生物活性因子が前記孔形成剤中にカプセル化される、請求項43に記載される補綴デバイス。
  51. さらに結合剤を含む、請求項43に記載される補綴デバイス。
  52. 前記結合剤がアルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ゼラチン、ペプチド、ムチン、硫酸コンドロイチン、キトサン、ポロキサマー(poloxamer)、グリコサミノグリカン、多糖類、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、マンニトール、白色ワセリン、マンニトール/デキストランの組み合わせ、マンニトール/白色ワセリンの組み合わせ、ゴマ油、フィブリン接着剤、血液およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項51に記載される補綴デバイス。
  53. 請求項1〜3のいずれか一項に記載される骨前駆体組成物を含む組成物を哺乳動物の欠損部位に移植する工程を含む、哺乳動物中での骨形成を誘導する方法。
  54. 前記組成物がさらに生物活性因子を含む、請求項53に記載される方法。
  55. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質である、請求項54に記載される方法。
  56. 前記組成物がさらに結合剤を含む、請求項53に記載される方法。
  57. 請求項1〜3のいずれか一項に記載される骨前駆体組成物および生物活性因子を含む組成物を哺乳動物の欠損部位に移植する工程を含む、骨形成を必要とする部位へ生物活性因子を送達する方法。
  58. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質である、請求項57に記載される方法。
  59. 前記生物活性因子が孔形成剤中でカプセル化される、請求項57に記載される方法。
  60. 前記生物活性因子の送達が徐放性である、請求項59に記載される方法。
  61. 前記生物活性因子が骨形態形成タンパク質をコードする配列を含む核酸分子である、請求項57に記載される方法。
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