JP2005507981A - 通過空気乾燥用基布 - Google Patents

Abstract

ＴＡＤベルトの基布として使用するよう設計されているが、抄紙機の形成、プレス及び乾燥のセクションでも使用可能である抄紙布は、複数の横糸（１６）と織り合わされた複数の縦糸（１２、１４）を有する。縦糸には２つのタイプがある。第１タイプ（１４）のそれは、平織りで横糸（１６）と織り合わされ、第２タイプのそれは２×２の綾織りで横糸（１６）と織り合わされる（１６）。第１タイプ（１４）の縦糸は、第２タイプ（１６）のそれと交互になり、これは第１タイプの隣接する糸と糸の間で波打ち、布に所望の開放性を与える。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は製紙技術に、特に集合的にバルク・ティシュと呼ぶことができるバルク・ティシュ及びタオル地の製造に関する。本発明は、水力絡み合いなどのプロセスによる不織品及び布の製造にも関する。特に、本発明ベルトに関し、これはそのベース構造上の予め正確に選択した区域に付着してこれらの区域を充填し、所望に応じてその上に所望の厚さの層を形成する機能的ポリマー樹脂材料を有する。このタイプのベルトは、バルク・ティシュ及びタオルの、及び不織品及び布の製造に使用される。
【背景技術】
【０００２】
ティシュペーパ、浴用ティシュ及び紙タオル等の軟質で吸収性がある使い捨ての紙製品は、現代の先進工業社会における現代生活に浸透した形体である。このような製品を製造するには無数の方法があるが、一般的に言うと、その製造は最初に、抄紙機の形成セクションで初期の紙ウェブを形成する。次に初期の紙ウェブを、真空又は吸引によって生じた空気流で通過空気乾燥（ＴＡＤ）布又はベルトまで移送し、これはウェブを偏らせ、少なくとも部分的にＴＡＤ布又はベルトの形態に一致させる。移送点の下流では、ＴＡＤ布又はベルト上で搬送されたウェブが通過空気乾燥機を通過し、ここでは、ウェブに当ててＴＡＤ布又はベルトを通過するよう配向された加熱空気流が、ウェブを所望の程度まで乾燥する。最後に、通過空気乾燥機の下流で、ウェブはヤンキー式乾燥機の表面に付着して、さらなる完全な乾燥のため、ＴＤＡ布又はベルトの表面によってこれに押し付けられる。十分に乾燥したウェブは、次にドクタ・ブレードでヤンキー式乾燥機の表面から取り除かれ、これはウェブを短縮する又はしわ加工し、その嵩を増加させる。次に、短縮したウェブを、消費者への出荷及び消費者による購入に適した形態に包装することなど、その後の処理のためにロールに巻き付ける。
【０００３】
上述したように、バルク・ティシュを製造するには多くの方法があり、以上の説明は、幾つかの方法で共通する一般的ステップの概要であると理解されたい。例えば、ヤンキー式乾燥機の使用は、常に必要というわけではない。というのは、状況により、短縮が望ましくないか、「湿式しわ加工」などの他の手段を既にとって、ウェブが短縮されている。
【０００４】
本出願は、少なくとも部分的にバルク・ティシュ機械の通過空気乾燥機に使用するＴＡＤ布又はベルトに関する。特に、本出願は、１９８０年代にＰｒｏｃｔｏｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅが開発し、Ｔｒｏｋｈａｎに帰される米国特許第４，５２８，２３９号、第４，５２９，４８０号及び第４，６３７，８５９号で最初に開示された種類のＴＡＤベルトに関する。問題のＴＡＤベルトは、有孔織物要素、つまり織った基布を備え、これは予め選択した区域にポリマー樹脂材料のコーティングを有する。ポリマー樹脂材料は、ＴＡＤベルトに微細な単一平面状のパターン化連続ネットワーク表面を提供し、これはＴＡＤベルト内に複数の離散的で孤立した偏向導管又は穴を画定する働きをする。ＴＡＤベルトを作製するには、有孔織物要素を上面から制御された厚さまで液体の感光樹脂で完全にコーティングし、所望のパターンを画定する不透明領域及び透明領域を有するマスク又はネガを液体感光樹脂の表面に接触させて、マスクを通して樹脂を化学線に曝露する。放射は、通常スペクトルの紫外線（ＵＶ）部分であり、マスクを通して露出した樹脂のこの部分を硬化するが、マスクで影になる部分は硬化しない。その後に、非硬化樹脂を洗浄して除去し、硬化樹脂によって所望のパターンでコーティングが形成された状態で、有孔織物要素を残す。
【０００５】
あるいは、ポリマー樹脂材料は、適切に設計されたマスクを使用することにより、その表面に複数の離散的突起を形成してもよい。つまり、複数の離散的突起は、穴を有する連続ネットワークの逆である。代わりに、パターンは、開放した有孔織物要素にてポリマー樹脂材料によって閉塞又は遮断された離散的区域である。この種のベルトは、基本重量が比較的高い連続的背景に基本重量が比較的低い離散的領域を有する初期の紙ウェブを形成するため、バルク・ティシュ機械の形成セクションに使用することができる。この種のベルトは、不織品及び布の製造にも使用することができ、これは水力による絡み合いなどのプロセスによって、ファイバーの密度が隣接領域のそれより低い離散的領域を有する。
【０００６】
更に、ポリマー樹脂材料は、有孔織物要素上に半連続ネットワークを形成してもよい。つまり、ポリマー樹脂材料は、適切に設計されたマスクを使用して、半連続パターンで配置された突起の枠組を形成し、偏向導管の半連続パターンを提供することができる。「半連続」とは、各突起が基本的に直線的にベルトのほぼ全体に延在し、各突起が隣接する突起から隔置されていることを意味する。従って、突起は、概ね直線で、相互に平行であり、等間隔の線であるか、概ね相互に平行で、等間隔のジグザグ形でよい。
【特許文献１】
米国特許第４，５２８，２３９号
【特許文献２】
米国特許第４，５２９，４８０号
【特許文献３】
米国特許第４，６３７，８５９号
【特許文献４】
米国特許第５，１６９，４９９号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、前述したタイプのＴＡＤベルト用の有孔織物要素、つまり織った基布である。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
従って、本発明は、通過空気乾燥（ＴＡＤ）ベルトの基布であるが、抄紙機の形成、プレス及び乾燥のセクションで使用してもよい。従って、これは、複数の横糸と織り合わせた複数の縦糸を備えた抄紙布である。
【０００９】
縦糸には２つのタイプがある。第１タイプの縦糸は、平織りで横糸と織られ、第２タイプの縦糸は、２×２の綾織りで横糸と織られる。平織りでは、縦糸は連続する横糸の上下を交互に通過し、２×２の綾織りでは、横糸が連続する２本の横糸の上下を交互に通過する。第１タイプの縦糸は、第２タイプの横糸と交互になり、これは第１タイプの隣接する横糸間で波打ち、布に所望の開放性を与える。
【００１０】
次に、図面を頻繁に参照しながら、本発明について更に完璧な詳細で説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に以下で識別された図面を参照すると、図１は、基布１０の一方側の平面図であり、これはその形成側又は摩耗側である。前者は、基布１０が抄紙機上で走行するＴＡＤベルトの一部である場合に、新たに形成された紙ウェブに面する側であるので、こう呼ばれる。後者は、抄紙機の静止構成要素上を通過し、従って摩擦によって摩耗するので、こう呼ばれる。基布１０は、縦糸１２、縦糸１４、及び横糸１６によって織られる。
【００１２】
縦糸１２及び縦糸１４は、基布１０が平織りで、織った継目でエンドレスの形態に接合されるので、機械方向であり、相互に交互になる。つまり、縦糸１２は隣接する縦糸１４の各対の間になり、縦糸１４は、隣接する縦糸１２の各対の間になる。
【００１３】
縦糸１２は横糸１６と織り合わされ、これは基布１０がエンドレスの形態に接合されると、平織りの方法で機械に直交する方向に配向され、各縦糸１２が連続する横糸１６の上下を通過する。
【００１４】
縦糸１４は、基布１０にわたって縦糸１２と交互し、完全な綾織りでは横糸１６と織り合わされ、ここで各縦糸１４は連続する２本の横糸１６の上下を通過する。
【００１５】
基布１０の織りパターンが完全に１回繰り返されたものが、図１の点線の長方形内に含まれる。各横糸１６が、図１に示した布１０の側で、連続する３本の縦糸１４、１２、１４上に長い浮きを作製することが観察される。従来、このような浮きは摩耗側に現れるが、本発明ではこれが当てはまる必要はない。
【００１６】
図２は、基布１０の他方側の平面図である。図２で示した図は、図１に示した図を裏返して獲得しただけであり、従って例えば図１の右端に示した縦糸１８は、図２では左端に見える。
【００１７】
図３は、図１の線３−３で示した通りに切り取った断面図である。これは、織りパターンの繰り返し１回で横糸１６が作る輪郭を示し、これは、横糸１６が、図の基布１０の下側を通過する毎に、連続する２本の縦糸１２、１４の下を通過することに留意することが重要である。その重要性については以下で示す。
【００１８】
図４は、図１の線４−４で示した通りに切り取った断面図である。これは、基布１０の織りパターンの繰り返し２回で縦糸１４が作る輪郭を示す。この方法で、図５は、図１の線５−５で示した通りに切り取った断面図であり、基布１０の織りパターンの繰り返し２回で縦糸１２が作る輪郭を示す。
【００１９】
縦糸１２、縦糸１４及び横糸１６は、抄紙機布にこのような糸を生産する際に使用する合成ポリマー樹脂のうちいずれかのモノフィラメント糸であることが好ましい。ポリエステル及びポリアミドは、このような材料のうち２つの例にすぎない。このような材料の他の例には、ＰＹＴＯＮ（ライトン）（登録商標）という名前で販売されているポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、及び一般的に付与された米国特許第５，１６９，４９９号で開示され、ＴＨＥＲＭＯＮＥＴＩＣＳ（登録商標）という商標でAlbany International Corp.が販売している乾燥布で使用される種類の改質され、熱、加水分解及び汚染物質に対する耐性があるポリエステルの糸がある。米国特許第５，１６９，４９９号の教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【００２０】
更に、縦糸１４は、ＴＡＤベルトを作製するために基布１０に加える液体感光樹脂の硬化に使用する紫外線（ＵＶ）放射に対して不透明になるよう、これを作製するために押出加工される材料に適切な顔料を加えることにより、黒に着色してよい。当業者によく知られているように、この方法は、ＴＡＤベルトに加える真空がウェブを偏らせ、その形体と合致する際の突然さを緩和し、ピンホールの発生を減少させるため、ＴＡＤベルトの背側になんらかのきめを提供するために実行される。
【００２１】
本発明の基布１０は開放構造を有し、それによって液体感光樹脂が縦糸１２、１４及び横糸１６をより十分に封入し、樹脂の損失を防止することができる。つまり、基布１０の構造の開放性により、硬化した樹脂と縦糸１２、１４と横糸１６との間の機械的連動を、更に完全かつ効果的にすることができる。
【００２２】
この開放性は、図６で最も明白に図示され、これは図２に示した布の側部の実際に見たままの平面図である。縦糸１４は、横糸１６が縦糸１２と縦糸１４との両方の上を通過する点２０間で、織りパターンにより隣接する縦糸１２間で前後に進む。その結果、２つの側のそれぞれにおいて縦糸１２間で縦糸１４が波打ち、布１０に特徴的な開放性を与える。
【００２３】
上記に対する改造は、当業者には明白であるが、本発明をそのように改造しても、特許請求の範囲から逸脱しない。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】基布の一方側の略平面図である。
【図２】基布の他方側の略平面図である。
【図３】図１の線３−３で示した通りに切り取った断面図である。
【図４】図１の線４−４で示した通りに切り取った断面図である。
【図５】図１の線５−５で示した通りに切り取った断面図である。
【図６】図２に示した布の側部の実際に見たままの平面図である。

Claims (16)

1. ＴＡＤベルトの基布として使用するため、又は抄紙機の形成、プレス及び乾燥のセクションのための抄紙布で、
   複数の横糸と織り合わされた複数の縦糸を備え、前記縦糸の一部は第１タイプであり、前記縦糸の一部は第２タイプであって、前記第１タイプの前記縦糸が、平織りでは前記複数の横糸と織り合わされ、前記第２タイプの前記縦糸は、２×２の綾織りでは、前記複数の横糸と織り合わされ、前記第１タイプの横糸が、前記第２タイプの縦糸と交互になり、前記第２タイプの前記縦糸が、前記第１タイプの隣接する縦糸間で波打って、前記布の所望の開放性を与える布。
2. 前記第１タイプの各縦糸が、前記第２タイプの隣接する２本の縦糸間にある、請求項１に記載の抄紙布。
3. 前記第２タイプの各縦糸が、前記第１タイプの隣接する２本の縦糸間にある、請求項１に記載の抄紙布。
4. 前記第２タイプの前記縦糸が、前記第１タイプの縦糸及び前記第２タイプの縦糸上を横糸が通過する点と点の間で波打つ、請求項１に記載の抄紙布。
5. 前記縦糸が、前記抄紙機の機械方向に配向され、前記横糸が、機械に直交する方向に配向される、請求項１に記載の抄紙布。
6. 前記縦糸の少なくとも一部がモノフィラメント糸である、請求項１に記載の抄紙布。
7. 前記横糸の少なくとも一部がモノフィラメント糸である、請求項１に記載の抄紙布。
8. 前記縦糸の少なくとも一部がポリエステル糸である、請求項１に記載の抄紙布。
9. 前記縦糸の少なくとも一部がポリアミド糸である、請求項１に記載の抄紙布。
10. 前記縦糸の少なくとも一部がポリフェニレンスルフィド糸である、請求項１に記載の抄紙布。
11. 前記縦糸の少なくとも一部が、改質され、熱、加水分解及び汚染物質に耐性があるポリエステル糸である、請求項１に記載の抄紙布。
12. 前記第２タイプの前記縦糸が紫外線（ＵＶ）放射に対して不透明である、請求項１に記載の抄紙布。
13. 前記横糸の少なくとも一部がポリエステル糸である、請求項１に記載の抄紙布。
14. 前記横糸の少なくとも一部がポリアミド糸である、請求項１に記載の抄紙布。
15. 前記横糸の少なくとも一部がポリフェニレンスルフィド糸である、請求項１に記載の抄紙布。
16. 前記横糸の少なくとも一部が、改質され、熱、加水分解及び汚染物質に耐性があるポリエステル糸である、請求項１に記載の抄紙布。