JP2005507385A - ポリラクチドポリマーおよびlh−rhアナログを含む生分解性インプラント - Google Patents
ポリラクチドポリマーおよびlh−rhアナログを含む生分解性インプラント Download PDFInfo
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Abstract
生分解性ポリエステルおよび黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アナログを含むモノリシックインプラント。インプラントは、生理的水性環境下で6か月間にわたって連続的にLH-RHアナログを放出する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性ポリエステルおよび黄体形成ホルモン放出ホルモンアナログ(以下、LH-RHアナログ)を含む組成物、更に詳細にはモノリシック(monolithic)インプラントであって、生理的水性環境下に配すると少なくとも6か月間にわたって連続的にLH-RHアナログを放出するものに関する。
【背景技術】
【0002】
LH-RHアナログは広範な種類の疾患および臨床的障害の治療(例えば、前立腺および乳癌に見られるホルモン依存性腫瘍の治療)に使用される。しかしながら、有効性には長期間にわたりin vivoでLH-RHアナログの生理学的有効濃度を維持する必要がある。
【0003】
多くのLH-RHアナログを含有する徐放性製剤が知られている。一つのアプローチとして、生分解性ポリマー、典型的にはポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体を含み、マイクロカプセル中にLH-RHアナログを封入したマイクロ粒子またはマイクロカプセル製剤の開発がなされてきた。
【0004】
欧州特許第839 525号はエマルジョン基剤法を使ったLH-RHアナログ含有マイクロカプセルの調製を記載しており、同方法ではLH-RHアナログを含有する内部水相および乳酸ポリマーの有機溶媒溶液を含有する外部油相を含む油中水型エマルジョンを調製する。その後、内部水相のカプセル化を種々の方法の一つによって行ってもよく、それらの方法にはエマルジョンの水中乾燥(in-water drying)、好適なコアセルベーション剤を用いる相分離、または油中水型エマルジョンを噴霧乾燥してポリマー溶液から有機溶媒をエバポレートする方法がある。
【0005】
欧州特許第839 525号に記述されているようなマイクロカプセル化の方法は薬物およびポリマーに加え多くの薬剤および添加剤(例えば、溶媒、界面活性剤および薬物保持剤など)を必要とする。これらの薬剤および添加剤はマイクロカプセル/マイクロ粒子中に取り込まれ、好ましくない生成物の汚染をもたらす。これは特に、塩化メチレンのような有機溶媒をカプセル化法に使用する時に好ましくない。なぜなら、マイクロカプセル/マイクロ粒子中に高レベルで存在する場合、これらの多くは有毒であるからである。その汚染の除去は困難であり、多くの時間を必要とする(例えば、長時間の乾燥および/または入念な溶媒抽出法)。使用する抽出/乾燥方法により、マイクロ粒子/マイクロカプセルの分解(例えば、粒子の凝集またはマイクロ粒子/マイクロカプセルからの薬物放出プロフィールの崩壊によって)が起こらないように特別な配慮が必要となる。更に、マイクロカプセル化法は工程パラメーターの変化に非常に敏感であり、それによりマイクロ粒子を大規模生産するための規模拡張は困難となる。
【0006】
一般的に、マイクロカプセル封入したLH-RHアナログは3か月間までのLH-RHアナログ送達に適している。更に長期間にわたる治療を行うためには、患者に多量のLH-RHアナログを与える必要があり、従って多数のマイクロ粒子/マイクロカプセルを投与しなければならない。しかしながら、液体媒質中の懸濁液としてマイクロ粒子/マイクロカプセルを患者に投与する結果、より長い治療期間を達成するために多数のマイクロ粒子が要求され、それは患者に大容量の物質を注入することを余儀なくする。多くの患者にとって、従来の毎月あるいは3か月に1度の治療に比べ、こうした治療計画は苦痛であり容認しがたいであろう。別の方法では、LH-RHアナログをマイクロ粒子/マイクロカプセルに多量に負荷することにより、注入に必要な物質容量を最小化しながら、LH-RHアナログの治療的有効量を確実に維持している。しかしながら、LH-RHアナログの負荷量が多すぎる場合、不十分で制御されていないLH-RHアナログの放出プロフィールをもたらす。
【0007】
欧州特許第058 481号は生分解性ポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体およびLH-RHアゴニストを含むモノリシックインプラントについて記載している。欧州特許第058 481号は、ポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体を含有するインプラントに含まれる活性成分の放出は2つの異なる段階で起こることを記載している。活性成分がポリマー基質から本質的に拡散により放出される第1の拡散段階に続いて、分解段階では、加水分解により生分解性ポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体が崩壊する。活性物質の連続的な放出は、拡散および分解段階が重複するポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体を選択し、その結果、放出プロフィール中にわずかにしか、または全く薬物が放出されない“フラットスポット(flat spots)”がなくなるようにすることで達成される。
【0008】
欧州特許第058 481号記載のインプラントは、懸濁液媒質の必要なしに患者に直接移植でき、従ってマイクロ粒子/マイクロカプセル送達系と比較し、注入する物質容量を減少できる。
【0009】
しかしながら、欧州特許第058 481号記載のインプラントの最大放出期間は3か月である。従って、患者は定期的に新しいインプラントを移植する必要がある。頻繁なインプラントの置換には医療関係者の関与が必要となる。従って、長期間にわたる連続放出を提供し、それによって再移植の頻度を減少させるモノリシックインプラントが必要とされている。
【発明の開示】
【0010】
出願人は驚くべきことに、特定のポリラクチドポリマーおよびLH-RHアナログ負荷の併用により調製したモノリシックインプラントは、生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたってLH-RHアナログを連続的に放出することを見いだした。
【0011】
本発明の第1の観点によれば、以下を含むモノリシックインプラントを提供する:
(i)12,000ダルトンから40,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリラクチドポリマー;および
(ii)インプラント総重量の25から40重量%のLH-RHアナログ;
ここでモノリシックインプラントは生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたって連続的にLH-RHアナログを放出する。
【0012】
ポリラクチドポリマー
ポリラクチドポリマーはホモポリマーであり、ポリマーの繰り返し単位は全て式(1)で示される:
【0013】
【化1】
【0014】
繰り返し単位はL-、D-またはL-およびD-立体配置の混合物であってもよい。好ましくは、式(1)の繰り返し単位はL-およびD-立体配置の混合物を含む。ポリマーがL-およびD-立体配置の繰り返し単位の混合物を含むとき、ポリマー中のL-およびD-単位の比率は好ましくは25:75から75:25であり、更に好ましくは30:70から70:30であり、特に約1:1が好ましい。
【0015】
各ポリマー鎖の末端は好ましくは1つの水酸基および1つのCOOH基である。しかしながら、本発明の態様では、その存在がインプラントからのLH-RHアナログの放出に不利に影響しなければ、他の末端基であってもよい。ポリマー上に存在可能な-OHまたは-COOH以外の好適な末端基には、適切な酸またはアルコールとポリマーの-OHおよび/または-COOH末端基との反応により生成するエステルがある。好適なエステルには、アルキル(好ましく
はC1-4-アルキル)またはアラルキル(好ましくはベンジル)エステルがある。
【0016】
ポリマーは少なくとも1つの-COOH基を有することが好ましい。これは、特にLH-RHアナログがアミノ基のような塩基性基を1つ以上含有する時に、更に有利な放出プロフィールが得られるからである。
【0017】
特にLH-RHアナログが1つ以上の塩基性基を含有している時には、更なる-COOH基をポリマー中に導入し、インプラントからのLH-RHアナログの放出プロフィールを変更してもよい。更なる-COOH基は、例えば好適なポリカルボン酸化合物またはそれらの無水物とポリマーの末端水酸基および/または-COOH基との反応により導入できる。
【0018】
ポリマーの末端水酸基との反応に適したポリカルボン酸化合物には、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸またはアジピン酸のようなポリカルボン酸およびその無水物;または、例えばリンゴ酸、クエン酸、グルタル酸または無水グルタル酸などのヒドロキシポリカルボン酸およびその無水物がある。
【0019】
ポリマー中の末端-COOHとの反応に適したポリカルボン酸化合物には上述のヒドロキシポリカルボン酸がある。
生分解性ポリエステルへの更なる-COOHの適切な導入法は米国特許第5,863,985号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
ポリラクチドポリマーの重量平均分子量は12,000ダルトンから35,000ダルトンが好ましく、更に18,000から33,000ダルトン、特に21,000から31,000ダルトンが好ましい。ポリマーの重量平均分子量(MW)の測定は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)中のポリマー溶液を、MW200-400,000Daのリニアーな範囲を有する2x30cm2mixed bed ’D’s PLGelカラム(Polymer Laboratories)と共に使用して行う。;この際にはまず、580から400,000Daの範囲のMWを有するPL Easical PS-2ポリスチレン検定物質を使用してシステムを検定する。PLGelの充填剤は高度に架橋された球状ポリスチレン/ジビニルベンゼン基質である。Wyatt Optilab DSP屈折計を検出に使用してもよい。
【0021】
ポリラクチドポリマーは単一のポリラクチドホモポリマーまたは2つ以上のポリラクチドホモポリマー混合物を含んでもよい。2つ以上のポリラクチドポリマーを使用して、インプラントからのLH-RHアナログ放出速度を更に制御することができ、その結果、生理的環境下で更に一貫した放出速度をインプラントの寿命まで提供できる。混合ポリマーは特にLH-RHアナログの放出プロフィール中の“フラットスポット”の最小化に有用であり、それによってインプラントからLH-RHアナログがスムーズに、安定して放出される。
【0022】
ポリマーが2つ以上のポリラクチドポリマーの混合物を含む時、混合物の重量平均分子量の平均値が12,000ダルトンから400,000ダルトンの範囲となるように混合物の個々のポリラクチドポリマー成分を選択する。例として、混合物は、重量で75部の21,000ダルトンのポリラクチドおよび重量で25部の31,000ダルトンのポリラクチドポリマーを含んでもよく、その重量平均分子量の平均値は23,500ダルトンとなる。同様に、12,500、31,000および59,000の分子量を持つポリラクチドポリマーの1:1:1混合物の重量平均分子量の平均値は34,170となる。
【0023】
ポリマーがポリラクチドポリマーの混合物を含む時、ポリマー混合物の成分の最大分子量はいずれも60,000ダルトンを超えないことが好ましい。ポリマー混合物の各成分の重量平均分子量は15,000ダルトンから40,000ダルトンの範囲にあることが更に好ましい。なぜなら出願人は、この分子量範囲がインプラントからの安定かつ連続的LH-RHアナログ放出速度を提供することを見いだしたからである。
【0024】
ポリラクチドポリマーは既知の方法により調製してもよい。適切な手法には、限定されるわけではないが乳酸の縮合重合およびラクチド(3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)の開環重合がある。重合過程で使用される乳酸またはラクチドはL-、D-または更に好ましくはL-およびD-異性体の混合物であり、特にラセミ混合物であることが好ましい。
【0025】
乳酸の縮合重合は当業者に周知の様々な方法によって行ってもよい。例えば、必要によって好適な触媒を存在させて乳酸を減圧下で加熱すると同時に、蒸留により水を除去してもよい。縮合反応は100から180℃の温度で行ってもよい。縮合反応中の圧力は30mm Hgから1mm Hgへ低下させるのが好ましい。好適な反応時間は典型的には2から10時間である。触媒を使用する場合、好適な触媒には酸性白土、酸性イオン交換樹脂またはオクチル酸スズのような固体無機酸がある。好適な縮合重合反応は欧州特許第172 636号およびポリラクチド、ポリグリコリドおよびそれらの共重合体の合成(Synthesis of Polylactides, Polyglycolides and Their Copolymers)、Nieuwenhuis, Clinical Materials 10, 1992 59-67に記載されている。
【0026】
ポリラクチドポリマーの好ましい調製法はラクチドの開環重合である。高分子の分野で周知の条件を用い、高温条件下で好適な触媒を存在させて開環重合を行う。
開環重合に適した触媒には、限定されるわけではないが亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛、p-トルエンスルホン酸、アンチモン触媒(例えば3フッ化アンチモン)または有機スズ触媒(例えばオクチル酸スズ(stannous2-ethylhaxanoate)または塩化スズ)がある。
【0027】
開環重合に適した反応温度は、約120℃から約240℃であり、140℃から200℃が更に好ましい。開環重合は好ましくは1から10時間、更に好ましくは2から6時間にわたって行われる。
【0028】
好ましい開環重合反応は好適な連鎖反応停止剤存在下で行われ、それにより得られるポリラクチドポリマーのMWを制御する。好適な連鎖反応停止剤には水、乳酸のようなヒドロキシカルボン酸またはC1-6-アルカノールのようなアルコールがある。連鎖反応停止剤が乳酸または乳酸と水の混合物であることが特に好ましい。
【0029】
ポリラクチドポリマーの調製に使用する方法では、一般的に個別のポリラクチドポリマー鎖の混合物が得られ、それらの多くは異なる鎖長を有する。ポリマーの多分散性はその混合物中における鎖長のばらつき(spread)の指標となり、重量平均分子量(MW)と数平均分子量(Mn)との比により定義される。ポリラクチドポリマーの多分散性は1.3から4.5が適している。
【0030】
LH-RH アナログ
本発明にかかる好ましいモノリシックデポー剤は、25から35重量%、更に好ましくは28から33重量%、特に約30重量%のLH-RHアナログを含む。
【0031】
LH-RHアナログはLH-RHアゴニストもしくは医薬的に許容されるそれらの塩、またはLH-RHアンタゴニストもしくは医薬的に許容されるそれらの塩であってもよい。LH-RHアナログはペプチドまたはペプチド誘導体であることが好ましい。
【0032】
好適なLH-RH アゴニストの例には、限定されるわけではないが以下がある;
i)ブセレリン(米国特許第4 024 248号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ser(But)6-Leu-Arg-Pro-NHCH2CH3
ii)トリプトレリン(米国特許第4 010 125号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-Trp-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2
iii)ロイプロレリン(米国特許第4 005 063号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NHCH2CH3
iv)ゴセレリン(米国特許第4 100 274号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ser(But)6-Leu-Arg-Pro-(Azygly)NH2
v)デスロレリン(米国特許第4 659 695号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Trp-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH2-NH2
vi)ヒステレリン(米国特許第4 244 946号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-His(Bzl)-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3
vii)アボレリン(米国特許第5 668 254号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Trp(2-Me)-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3
viii)ナファレリン(米国特許第4 234 571号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Nal(2)-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3;
ルトレリン、シストレリン、ゴナドレリンまたはデチレリックス(detirelix)。
【0033】
好ましくは、LH-RHアゴニストは、ロイプロレリン、ブセレリン、トリプトレリンおよびゴセレリンより選択される。LH-RHアゴニストはゴセレリンであることが特に好ましい。
【0034】
好適なLHRHアンタゴニストの例には、限定されるわけではないが、アンチド、アンタレリクス(antarelix)、セトロレリクス、アザリン、ガニレリクス(ganirelix)および米国特許第5 470 947号(Folkers);5 413 990号および5 300 492号(Haviv);5 371 070号(Koerber);5 296 468号(Hoeger);5 171 635号(Janaky);5 003 011号および4 431 635号(Coy);4 992 421号(De);4 801 577号(Nestor);そして4 851 385号、4 689 396号および5 843 901号(Roeske)に開示されているものがある。
【0035】
LH-RHアゴニストまたはアンタゴニストが塩の形態であるとき、塩はLH-RHアナログの好適な酸性または塩基性基と生成されたものであってもよい。
LH-RHアナログの塩基性基と生成してもよい好適な塩には、例えば無機酸(例えば、塩酸、硫酸または硝酸)、有機酸(例えば炭酸、重炭酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸またはトリフルオロ酢酸)などと生成される塩がある。有機酸(例えば、炭酸、重炭酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸)と生成される塩、特に酢酸と生成される塩が好ましい。
【0036】
LH-RHアナログの酸性基(カルボキシル基など)と生成してもよい好適な塩には、アルカリ金属(ナトリウムおよびカリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウムおよびカルシウムなど)、アルミニウムおよびアンモニウム塩と生成される塩、並びに、エタノールアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、トリメチルアミンなどの好適な有機塩基との塩がある。
【0037】
LH-RHアナログがLH-RHアゴニストまたは医薬的に許容されるそれらの塩であることが特に好ましく、ゴセレリンまたは医薬的に許容されるそれらの塩、特に酢酸塩が更に好ましい。
【0038】
モノリシックインプラント( monolithic implant )
本発明にかかるモノリシックインプラントは一体型構造から成り、典型的には約0.5mmを超える大きさ、より好ましくは1mmから30mmの大きさを有する。インプラントの形態は、インプラントの調製に使用する方法、患者へのインプラント挿入に使用する手法および必要とされるLH-RHアナログの用量に依存する。好適な形態には平板、円筒、杆状、球体または球粒(pellet)がある。好ましい態様では、インプラントは円柱体を含む。なぜなら円柱体は、針または套管針のような慣例的な手術用器具を用いて患者に真皮下移植する際に適切な形態であるからである。
【0039】
本発明にかかるモノリシックインプラントは、生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたってLH-RHアナログを連続的に放出する。
本明細書で使用する“連続的”という用語は、生理的水性環境への移植後少なくとも6か月間、インプラントから連続的にLH-RHアナログが放出されることを意味する。LH-RHアナログの放出速度は6か月間の間に変化してもよく、例えば、LH-RHの短い“初期バースト”がインプラントの移植直後に見られてもよい。しかしながら、移植後6か月間の間に、インプラントからLH-RHアナログがほとんど、または全く放出されない期間は存在しない。生理的水性環境下で、好ましくは少なくとも0.05重量%、更に好ましくは0.1重量%を超えるLH-RHアナログが日毎に放出される。6か月間の放出期間のほとんどで、LH-RHアナログの放出速度はほぼ一定であるが、常に連続的であることが好ましい。
【0040】
本明細書で使用する“生理的水性環境”という用語は、温血動物、特にヒトの体、および特に体の皮下環境を意味する。これらの状態は、35から40℃の温度で、水性溶解媒質中(必要により生理的pHに緩衝した媒質)にインプラントを置くことによりin vitroで擬態してもよい。好適な溶解媒質はリン酸緩衝液によりpH約7.4に緩衝した生理食塩水(例えば、リン酸緩衝生理食塩水またはMcIlvainesクエン酸リン酸塩)を含む。水性溶解媒質を37℃±2℃の温度で保持することが望ましい。所定の期間にわたり放出されるLH-RHアナログの量は、溶解媒質を採取し、好適な分析法(例えばHPLC)によりLH-RHアナログの濃度を測定することにより決定してもよい。
【0041】
本発明の更なる観点によれば、本発明にかかる第1のモノリシックインプラントおよび本発明にかかる第2のモノリシックインプラントを含む薬剤を提供する。ここで、第1および第2のインプラントは生理的水性環境下で異なる速度によりLH-RHアナログを放出する。
【0042】
本発明にかかる2つ以上の異なるインプラントの組み合わせ使用により、ポリマーおよび/またはLH-RHアナログの負荷量を適切に選択すると、広範な放出プロフィールを得ることができる。これはある種の疾患の治療に有利となり得る。例えば、LH-RHの高い初期用量、続いて残りの治療期間にはより低い用量を提供することが望まれうる。これは、LH-RHアナログの高い初期放出速度を有する第1インプラントおよびより一定の放出速度を有する第2インプラントを選択することにより達成できる。2つのインプラントからの累積的LH-RHアナログ放出により、高い初期用量に続いて、実質的に一定の放出速度を残りの治療期間の間に提供できる。あるいはまた、2つ以上の異なるインプラントの適切な選択により、治療期間中、実質的にゼロ次数(すなわち、実質的に一定)であるLH-RHアナログの累積放出が可能となる。
【0043】
第1および第2インプラントからのLH-RHアナログ放出プロフィールは、例えば、インプラント中のポリラクチドの分子量および/またはLH-RHアナログの負荷量を変えることにより制御してもよい。
【0044】
第1および第2インプラントは、患者の体の同じあるいは異なる部位に移植してもよい(好ましくは、皮下)。
本発明の更なる観点によれば、以下の段階を含む本発明にかかるインプラントの調製方法を提供する:
(i)ポリラクチドポリマーおよび好適な有機溶媒を含む溶液中のLH-RHアナログの溶液または分散液を調製し;
(ii)段階(i)で調製した溶液または分散液から実質的に全ての有機溶媒を除去し;そして
(iii)段階(ii)の生成物を所望する大きさのモノリシックインプラントに成形する。
【0045】
方法の段階(i)においてLH-RHをポリマー-有機溶媒溶液に溶解することが好ましい。段階(i)の使用に適した有機溶媒には、例えば氷酢酸がある。
有機溶媒は、慣例的な手法(例えば、蒸発または凍結-乾燥)により方法の段階(ii)において除去してもよい。好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%の有機溶媒を方法の段階(ii)で除去する。段階(ii)の有機溶媒除去に適した方法は、段階(i)で得たポリマー/溶媒/LH-RH混合物を液体窒素中に滴下し、凍結-乾燥により凍結小滴から有機溶媒を除去する方法である。必要により、例えば減圧乾燥またはオーブン乾燥により、得られた凍結乾燥物から有機溶媒を更に除去してもよい。減圧またはオーブン乾燥の間の好ましい温度は、20℃から65℃、例えば25から60℃である。
【0046】
方法の段階(ii)で得たポリラクチド-LH-RHアナログ組成物は、例えば圧縮成形、射出成形または押出し成形によりモノリシックインプラントに成形してもよい。
本発明の更なる観点によれば、LH-RHアナログで治療が可能な症状を有する温血動物(好ましくは、ヒト)の治療法を提供するが、それは本発明の第1の観点にかかるモノリシックインプラントの投与を含む。
【0047】
本発明の別の観点によれば、LH-RHアナログで治療が可能な症状の治療における薬物として使用するための本発明の第1の観点にかかるモノリシックインプラントを提供する。
本発明にかかるモノリシックインプラントは、LH-RHアナログの投与を必要とする広範な種類の医学的症状の治療に有用である。そのような医学的症状には、限定されるわけではないがホルモン依存性疾患、例えば前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌および精巣癌、婦人科領域における子宮内膜症、ヒステロスコピー(hysteroscopy)および子宮筋腫の治療に関するもの、および受精疾患の治療に関するものがある。
【0048】
特定の症状の治療に必要とされるLH-RHアナログの用量は、治療される症状および投与される動物の両方に依存する。ヒトの場合、6か月間の期間にわたる放出に適したLH-RHアナログの用量は例えば10から40mgであり、20から30mgが更に好ましい。この用量は単一モノリシックインプラントの手法によって、特に多量のLH-RHアナログが必要な時は2つ以上のモノリシックインプラントによって供給してもよい。
【0049】
本発明の更なる観点によれば、温血動物、特にヒトへのLH-RHアナログの投与方法を提供し、それは本発明にかかるモノリシックインプラントの温血動物への移植(好ましくは、皮下)を含む。
【0050】
モノリシックインプラントは、慣例的な医療技術により移植してもよい。例えば、皮下移植は針を使用して、または套管針などを介して行ってもよい。
本発明を以下の実施例により更に説明するが、特に記述していない限り、全ての分率は重量で記載する。
【0051】
ポリラクチドポリマー
乳酸およびオクチル酸スズ存在下、dl-ラクチド二量体の開環により表1に示すポリ(dlラクチド)を調製した。表1に示す適切な量で混合したdlラクチドおよび乳酸混合物を乾燥フラスコに添加し、窒素パージした。その後、混合物を160℃に加熱、撹拌し、少量のオクチル酸スズ(本明細書記載のポリマーの調製に使用するポリマーに対し150-300μl)を添加した。その後、温度を180℃に上昇させ(または、ポリマーBの場合は160℃に保持)、更に1時間撹拌し続けた。緩速窒素気流下、更に5時間、撹拌しながら混合物を同温度に保持した。得られたポリマーを氷酢酸中に溶解し、メタノール中に再沈澱させた。得られた白色固体を高真空下40℃で乾燥し、炭酸カリウム存在下で後乾燥(post dried)した。ポリマーの重量平均分子量(MW)の測定を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)中のポリマー溶液を2x30cm2mixed bed ’D’s PLGelカラム(Polymer Laboratories)と共に使用して行った。これは、MW200-400,000Daの直線範囲を有する。PLGel充填剤は高度に架橋された球状ポリスチレン/ジビニルベンゼン基質である。Wyatt Optilab DSP屈折計を検出に使用した。まず、580から400,000Daの範囲のMwを有するPL Easical PS-2ポリスチレン検定物質を使用してシステムを検定した。
【0052】
【表1】
【実施例1】
【0053】
単一ポリラクチドポリマーを含むインプラント
薬剤およびポリマーの凍結乾燥混合物の溶融押出しにより表2に示すインプラントを調製した。表2に示した重量のゴセレリン酢酸塩および表1の関連するポリラクチドを氷酢酸に溶解し、液体窒素中に滴下凍結し、5グラムまでのバッチサイズを調製した。得られた凍結球体を凍結乾燥機(Edwards)により最低24時間凍結乾燥し、試料から氷酢酸を除去した。次いで、得られた固体を以下の第2乾燥段階で処理した。温度を1時間にわたって20℃から45℃に上昇させ、続いて5時間の休止期間をとった。その後温度を再び1時間にわたって45℃から60℃に上昇させ、5時間60℃に保持した。押出し成形に先立ち、試料を真空デシケーター中に保持した。
【0054】
バレル/ノズル、基部および直径2.3mmの鋳型の3つの部品から構成される、1グラム容量のステンレススチール製押出し成形機を使用し、同方法により調製した薬剤/ポリマー混合物を押出し成形した。押出し成形機をパイプクランプにより加熱したが、温度を押出し成形機のバレルとの熱接触部位に位置する熱電対を含むフィードバック回路および特注の制御ユニットにより制御した。標準的な水圧式KBr Press(Specac)により成形機の鋳型に圧力をかけた。押出し圧力は手動で制御した。押出し成形物は全て同じ公称加熱プログラム(nominal heating programme)を使用して製造した。押出し成形機の温度を初めに30-60分間にわたって公称値95℃に上昇させ、更に90-120分間同温度に保持した。1トン(公称)までの圧力を成形機の鋳型にかけ、薬剤/ポリマー溶融 物の押出しを行った。得られた押出し成形物を所望の長さに切断した。各デポー製剤につき2つの試料で溶解試験を行った。それらの重量を表2に示す。示した全ての放出プロフィールは同時に行った2つの溶解試験の平均を表している。
【0055】
【表2】
【0056】
放出プロフィール
表2に示したインプラントを10ml(またはより大きなインプラントEおよびFに対しては50ml)のリン酸緩衝食塩水中(PBS、脱イオン水1リッターにつき1.38gのNa2HPO4、0.19gのKH2PO4、8.00gのNaClおよび0.20gのNaN3を含む(0.1MのHClでpH7.4+/-0.05に調整))中に配し、37℃の温度でインキュベーター中に保存し、ゴセレリンのin vitro放出速度を測定した。規則的な時間間隔で、溶解媒質の試料4ml(またはより大きなインプラントEおよびFに対しては20ml)を各試料瓶から回収した。サンプリング後、等量の新たなPBSを各試料瓶に戻した。サンプリングは、ピペッターを用いて手動で、またはロボット(Gilson215Liquid Handler)のいずれかで行った。アイソクラチックHPLC法(Vydac C18カラム、水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(〜80/20/0.1%v/v)および水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(〜40/60/0.1%v/v)を80/20v/vで混合した移動相)により、全ての溶解媒質試料のゴセレリン含量を測定した。秤量したゴセレリンを純水に溶解して調製した外部標準物質と対照し、ピーク面積に基づいてゴセレリン濃度を算出した。測定したゴセレリン濃度から算出した放出プロフィールを図1に示す。
【0057】
図1は、インプラントAおよびBが6か月(180日)を超える期間にわたり連続的にゴセレリンを放出したことを示している。しかしながら、対照B(高分子量ポリマーおよび低負荷量のLH-RH)は最初の14日にわたり、ほとんど、または全くゴセレリンが放出されない長い誘導期間を示した。更に、同デポー剤は約170日までに総負荷量(payload)の約30%w/wのみしか放出しない。対照B(高分子量ポリラクチド)は薬剤の初期即時放出に続いて、ほとんど、または全く薬剤が放出されない持続したプラトーを示した。
【実施例2】
【0058】
ポリラクチドポリマーの混合物を含むインプラント
表3に示すポリマーの混合物を使用した以外は実施例1記載の方法と同様に、表3に示したインプラントを調製した。
【0059】
【表3】
【0060】
各インプラントからのゴセレリン遊離塩基の放出プロフィールを実施例1に記載したようにin vitroで測定した。放出プロフィールを図2に示す。図2は、(本発明にかかる)インプラントCおよびDが少なくとも6か月間連続的にゴセレリンを放出したことを明らかに示している。一方、対照インプラントCおよびDはいずれも、ほとんど、または全く薬剤が放出されない長い期間を示した。
【実施例3】
【0061】
上記実施例1および2で使用したインプラントより約3倍大きなインプラントを使用し、選択したデポー製剤からのゴセレリンのin vitro放出を測定して、デポー剤の大きさが放出プロフィールへもたらす影響を調べた。図3は2つの比較プロットを示している;
i.インプラントB(小さいインプラント)対インプラントE(大きいインプラント)の放出プロフィール:31kDa のPLA、30%のゴセレリン
ii. インプラントC(小さいインプラント)対インプラントF(大きいインプラント)の放出プロフィール:75/25重量%21kDa/31kDaのPLA、30%のゴセレリン
これらの特定の製剤であるより大きなデポー剤は、より小さなインプラント試料と同様の放出プロフィールを有していることが明らかであり、これはデポー剤の大きさは時間の関数としての薬剤の放出パーセンテージに有意に影響しないことを示唆している。
【実施例4】
【0062】
ハーフサイズの異なる2つのインプラントの使用により得られるゴセレリンの放出を12.5kDaおよび31kDaのインプラントの組み合わせで擬態した。両者ともに30%w/wのゴセレリン総負荷量(payload)を有する。これは、各時間点で測定した12.5kDaのデポー剤および31kDaのデポー剤からの放出パーセンテージを加算し、同値を2で割り、2つのハーフサイズのデポー剤からの予測放出量を得ることによって行った。
【0063】
図4は、予測される2つのインプラントからのゴセレリン放出総量に相当する擬似in-vitro放出プロフィールを示す。1つのインプラントは12.5kDaのポリマーから調製し、もう1つは31kDaのポリマーを含む。両者は30%w/wのゴセレリン負荷量を有する。ほぼゼロ次数の放出プロフィールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、21kDa(黒四角のデータポイント、“インプラントA”)および31kDa(黒ひし形のデータポイント、“インプラントB”)の重量平均分子量を持つ単一のポリラクチドホモポリマーを含むモノリシックインプラントからのゴセレリンのin vitro放出を示す;両インプラントとも30%w/wのゴセレリン負荷量を持つ。ポリラクチドホモポリマー(MW59kDa)および負荷量30%w/wのゴセレリンから成るインプラント(灰色三角のデータポイント、“対照A”)と、ポリラクチドホモポリマー(MW59kDa)および負荷量20%w/wのゴセレリンから成るインプラント(灰色丸のデータポイント、“対照B”)からの放出を表す対照カーブも示す。
【図2】図2は、本発明にかかるポリラクチドホモポリマーの混合物を含むモノリシックインプラントからのゴセレリンのin vitro放出を示す。カーブA(黒ひし形のデータポイント)は平均MW23.5kDaで[75/25重量%21kDa/31kDa]の組成を有するポリラクチド混合物に相当する(“インプラントC”)。カーブB(黒四角のデータポイント)は平均MW24.1kDaで[75/25重量%12.5kDa/59kDa]の組成を有するポリラクチド混合物に相当する(“インプラントD”)。どちらの場合も、インプラントは負荷量30%w/wのゴセレリンを含む。2つの対照in vitro放出プロフィールも示す。カーブC(灰色三角のデータポイント)は平均MW47.6kDaで[30/70重量%21kDa/59kDa]の組成を有し、30%w/wの薬物負荷量であるポリラクチド混合物に相当する(“対照C”)。カーブD(灰色丸のデータポイント)は平均MW17.1kDaで[70/25重量%12.5kDa/31kDa]の組成を有し、20%w/wの薬物負荷量であるポリラクチド混合物に相当する(“対照D”)。
【図3】図3は、インプラントB(31kDaのPLA、30%のゴセレリン)およびインプラントC(75/25重量%21kDa/31kDaの混合物、30%のゴセレリン)の製剤に相当する、より大きなインプラント(約3倍長)からのゴセレリン放出プロフィールとインプラントBおよびCからの放出との比較を示す。より大きなインプラントはそれぞれEおよびFと示されている。
【図4】図4は、2つのインプラントから放出されるゴセレリンの予測総量に相当するin vitro擬似放出プロフィールを示す。2つのインプラントの1つは12.5kDaのポリマーから調製し、もう1つは31kDaのポリマーを含み、両者は負荷量30%w/wのゴセレリンを有する。
【0001】
本発明は、生分解性ポリエステルおよび黄体形成ホルモン放出ホルモンアナログ(以下、LH-RHアナログ)を含む組成物、更に詳細にはモノリシック(monolithic)インプラントであって、生理的水性環境下に配すると少なくとも6か月間にわたって連続的にLH-RHアナログを放出するものに関する。
【背景技術】
【0002】
LH-RHアナログは広範な種類の疾患および臨床的障害の治療(例えば、前立腺および乳癌に見られるホルモン依存性腫瘍の治療)に使用される。しかしながら、有効性には長期間にわたりin vivoでLH-RHアナログの生理学的有効濃度を維持する必要がある。
【0003】
多くのLH-RHアナログを含有する徐放性製剤が知られている。一つのアプローチとして、生分解性ポリマー、典型的にはポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体を含み、マイクロカプセル中にLH-RHアナログを封入したマイクロ粒子またはマイクロカプセル製剤の開発がなされてきた。
【0004】
欧州特許第839 525号はエマルジョン基剤法を使ったLH-RHアナログ含有マイクロカプセルの調製を記載しており、同方法ではLH-RHアナログを含有する内部水相および乳酸ポリマーの有機溶媒溶液を含有する外部油相を含む油中水型エマルジョンを調製する。その後、内部水相のカプセル化を種々の方法の一つによって行ってもよく、それらの方法にはエマルジョンの水中乾燥(in-water drying)、好適なコアセルベーション剤を用いる相分離、または油中水型エマルジョンを噴霧乾燥してポリマー溶液から有機溶媒をエバポレートする方法がある。
【0005】
欧州特許第839 525号に記述されているようなマイクロカプセル化の方法は薬物およびポリマーに加え多くの薬剤および添加剤(例えば、溶媒、界面活性剤および薬物保持剤など)を必要とする。これらの薬剤および添加剤はマイクロカプセル/マイクロ粒子中に取り込まれ、好ましくない生成物の汚染をもたらす。これは特に、塩化メチレンのような有機溶媒をカプセル化法に使用する時に好ましくない。なぜなら、マイクロカプセル/マイクロ粒子中に高レベルで存在する場合、これらの多くは有毒であるからである。その汚染の除去は困難であり、多くの時間を必要とする(例えば、長時間の乾燥および/または入念な溶媒抽出法)。使用する抽出/乾燥方法により、マイクロ粒子/マイクロカプセルの分解(例えば、粒子の凝集またはマイクロ粒子/マイクロカプセルからの薬物放出プロフィールの崩壊によって)が起こらないように特別な配慮が必要となる。更に、マイクロカプセル化法は工程パラメーターの変化に非常に敏感であり、それによりマイクロ粒子を大規模生産するための規模拡張は困難となる。
【0006】
一般的に、マイクロカプセル封入したLH-RHアナログは3か月間までのLH-RHアナログ送達に適している。更に長期間にわたる治療を行うためには、患者に多量のLH-RHアナログを与える必要があり、従って多数のマイクロ粒子/マイクロカプセルを投与しなければならない。しかしながら、液体媒質中の懸濁液としてマイクロ粒子/マイクロカプセルを患者に投与する結果、より長い治療期間を達成するために多数のマイクロ粒子が要求され、それは患者に大容量の物質を注入することを余儀なくする。多くの患者にとって、従来の毎月あるいは3か月に1度の治療に比べ、こうした治療計画は苦痛であり容認しがたいであろう。別の方法では、LH-RHアナログをマイクロ粒子/マイクロカプセルに多量に負荷することにより、注入に必要な物質容量を最小化しながら、LH-RHアナログの治療的有効量を確実に維持している。しかしながら、LH-RHアナログの負荷量が多すぎる場合、不十分で制御されていないLH-RHアナログの放出プロフィールをもたらす。
【0007】
欧州特許第058 481号は生分解性ポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体およびLH-RHアゴニストを含むモノリシックインプラントについて記載している。欧州特許第058 481号は、ポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体を含有するインプラントに含まれる活性成分の放出は2つの異なる段階で起こることを記載している。活性成分がポリマー基質から本質的に拡散により放出される第1の拡散段階に続いて、分解段階では、加水分解により生分解性ポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体が崩壊する。活性物質の連続的な放出は、拡散および分解段階が重複するポリ(ラクチド-co-グリコール)共重合体を選択し、その結果、放出プロフィール中にわずかにしか、または全く薬物が放出されない“フラットスポット(flat spots)”がなくなるようにすることで達成される。
【0008】
欧州特許第058 481号記載のインプラントは、懸濁液媒質の必要なしに患者に直接移植でき、従ってマイクロ粒子/マイクロカプセル送達系と比較し、注入する物質容量を減少できる。
【0009】
しかしながら、欧州特許第058 481号記載のインプラントの最大放出期間は3か月である。従って、患者は定期的に新しいインプラントを移植する必要がある。頻繁なインプラントの置換には医療関係者の関与が必要となる。従って、長期間にわたる連続放出を提供し、それによって再移植の頻度を減少させるモノリシックインプラントが必要とされている。
【発明の開示】
【0010】
出願人は驚くべきことに、特定のポリラクチドポリマーおよびLH-RHアナログ負荷の併用により調製したモノリシックインプラントは、生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたってLH-RHアナログを連続的に放出することを見いだした。
【0011】
本発明の第1の観点によれば、以下を含むモノリシックインプラントを提供する:
(i)12,000ダルトンから40,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリラクチドポリマー;および
(ii)インプラント総重量の25から40重量%のLH-RHアナログ;
ここでモノリシックインプラントは生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたって連続的にLH-RHアナログを放出する。
【0012】
ポリラクチドポリマー
ポリラクチドポリマーはホモポリマーであり、ポリマーの繰り返し単位は全て式(1)で示される:
【0013】
【化1】
【0014】
繰り返し単位はL-、D-またはL-およびD-立体配置の混合物であってもよい。好ましくは、式(1)の繰り返し単位はL-およびD-立体配置の混合物を含む。ポリマーがL-およびD-立体配置の繰り返し単位の混合物を含むとき、ポリマー中のL-およびD-単位の比率は好ましくは25:75から75:25であり、更に好ましくは30:70から70:30であり、特に約1:1が好ましい。
【0015】
各ポリマー鎖の末端は好ましくは1つの水酸基および1つのCOOH基である。しかしながら、本発明の態様では、その存在がインプラントからのLH-RHアナログの放出に不利に影響しなければ、他の末端基であってもよい。ポリマー上に存在可能な-OHまたは-COOH以外の好適な末端基には、適切な酸またはアルコールとポリマーの-OHおよび/または-COOH末端基との反応により生成するエステルがある。好適なエステルには、アルキル(好ましく
はC1-4-アルキル)またはアラルキル(好ましくはベンジル)エステルがある。
【0016】
ポリマーは少なくとも1つの-COOH基を有することが好ましい。これは、特にLH-RHアナログがアミノ基のような塩基性基を1つ以上含有する時に、更に有利な放出プロフィールが得られるからである。
【0017】
特にLH-RHアナログが1つ以上の塩基性基を含有している時には、更なる-COOH基をポリマー中に導入し、インプラントからのLH-RHアナログの放出プロフィールを変更してもよい。更なる-COOH基は、例えば好適なポリカルボン酸化合物またはそれらの無水物とポリマーの末端水酸基および/または-COOH基との反応により導入できる。
【0018】
ポリマーの末端水酸基との反応に適したポリカルボン酸化合物には、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸またはアジピン酸のようなポリカルボン酸およびその無水物;または、例えばリンゴ酸、クエン酸、グルタル酸または無水グルタル酸などのヒドロキシポリカルボン酸およびその無水物がある。
【0019】
ポリマー中の末端-COOHとの反応に適したポリカルボン酸化合物には上述のヒドロキシポリカルボン酸がある。
生分解性ポリエステルへの更なる-COOHの適切な導入法は米国特許第5,863,985号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
ポリラクチドポリマーの重量平均分子量は12,000ダルトンから35,000ダルトンが好ましく、更に18,000から33,000ダルトン、特に21,000から31,000ダルトンが好ましい。ポリマーの重量平均分子量(MW)の測定は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)中のポリマー溶液を、MW200-400,000Daのリニアーな範囲を有する2x30cm2mixed bed ’D’s PLGelカラム(Polymer Laboratories)と共に使用して行う。;この際にはまず、580から400,000Daの範囲のMWを有するPL Easical PS-2ポリスチレン検定物質を使用してシステムを検定する。PLGelの充填剤は高度に架橋された球状ポリスチレン/ジビニルベンゼン基質である。Wyatt Optilab DSP屈折計を検出に使用してもよい。
【0021】
ポリラクチドポリマーは単一のポリラクチドホモポリマーまたは2つ以上のポリラクチドホモポリマー混合物を含んでもよい。2つ以上のポリラクチドポリマーを使用して、インプラントからのLH-RHアナログ放出速度を更に制御することができ、その結果、生理的環境下で更に一貫した放出速度をインプラントの寿命まで提供できる。混合ポリマーは特にLH-RHアナログの放出プロフィール中の“フラットスポット”の最小化に有用であり、それによってインプラントからLH-RHアナログがスムーズに、安定して放出される。
【0022】
ポリマーが2つ以上のポリラクチドポリマーの混合物を含む時、混合物の重量平均分子量の平均値が12,000ダルトンから400,000ダルトンの範囲となるように混合物の個々のポリラクチドポリマー成分を選択する。例として、混合物は、重量で75部の21,000ダルトンのポリラクチドおよび重量で25部の31,000ダルトンのポリラクチドポリマーを含んでもよく、その重量平均分子量の平均値は23,500ダルトンとなる。同様に、12,500、31,000および59,000の分子量を持つポリラクチドポリマーの1:1:1混合物の重量平均分子量の平均値は34,170となる。
【0023】
ポリマーがポリラクチドポリマーの混合物を含む時、ポリマー混合物の成分の最大分子量はいずれも60,000ダルトンを超えないことが好ましい。ポリマー混合物の各成分の重量平均分子量は15,000ダルトンから40,000ダルトンの範囲にあることが更に好ましい。なぜなら出願人は、この分子量範囲がインプラントからの安定かつ連続的LH-RHアナログ放出速度を提供することを見いだしたからである。
【0024】
ポリラクチドポリマーは既知の方法により調製してもよい。適切な手法には、限定されるわけではないが乳酸の縮合重合およびラクチド(3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)の開環重合がある。重合過程で使用される乳酸またはラクチドはL-、D-または更に好ましくはL-およびD-異性体の混合物であり、特にラセミ混合物であることが好ましい。
【0025】
乳酸の縮合重合は当業者に周知の様々な方法によって行ってもよい。例えば、必要によって好適な触媒を存在させて乳酸を減圧下で加熱すると同時に、蒸留により水を除去してもよい。縮合反応は100から180℃の温度で行ってもよい。縮合反応中の圧力は30mm Hgから1mm Hgへ低下させるのが好ましい。好適な反応時間は典型的には2から10時間である。触媒を使用する場合、好適な触媒には酸性白土、酸性イオン交換樹脂またはオクチル酸スズのような固体無機酸がある。好適な縮合重合反応は欧州特許第172 636号およびポリラクチド、ポリグリコリドおよびそれらの共重合体の合成(Synthesis of Polylactides, Polyglycolides and Their Copolymers)、Nieuwenhuis, Clinical Materials 10, 1992 59-67に記載されている。
【0026】
ポリラクチドポリマーの好ましい調製法はラクチドの開環重合である。高分子の分野で周知の条件を用い、高温条件下で好適な触媒を存在させて開環重合を行う。
開環重合に適した触媒には、限定されるわけではないが亜鉛、酸化亜鉛、塩化亜鉛、p-トルエンスルホン酸、アンチモン触媒(例えば3フッ化アンチモン)または有機スズ触媒(例えばオクチル酸スズ(stannous2-ethylhaxanoate)または塩化スズ)がある。
【0027】
開環重合に適した反応温度は、約120℃から約240℃であり、140℃から200℃が更に好ましい。開環重合は好ましくは1から10時間、更に好ましくは2から6時間にわたって行われる。
【0028】
好ましい開環重合反応は好適な連鎖反応停止剤存在下で行われ、それにより得られるポリラクチドポリマーのMWを制御する。好適な連鎖反応停止剤には水、乳酸のようなヒドロキシカルボン酸またはC1-6-アルカノールのようなアルコールがある。連鎖反応停止剤が乳酸または乳酸と水の混合物であることが特に好ましい。
【0029】
ポリラクチドポリマーの調製に使用する方法では、一般的に個別のポリラクチドポリマー鎖の混合物が得られ、それらの多くは異なる鎖長を有する。ポリマーの多分散性はその混合物中における鎖長のばらつき(spread)の指標となり、重量平均分子量(MW)と数平均分子量(Mn)との比により定義される。ポリラクチドポリマーの多分散性は1.3から4.5が適している。
【0030】
LH-RH アナログ
本発明にかかる好ましいモノリシックデポー剤は、25から35重量%、更に好ましくは28から33重量%、特に約30重量%のLH-RHアナログを含む。
【0031】
LH-RHアナログはLH-RHアゴニストもしくは医薬的に許容されるそれらの塩、またはLH-RHアンタゴニストもしくは医薬的に許容されるそれらの塩であってもよい。LH-RHアナログはペプチドまたはペプチド誘導体であることが好ましい。
【0032】
好適なLH-RH アゴニストの例には、限定されるわけではないが以下がある;
i)ブセレリン(米国特許第4 024 248号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ser(But)6-Leu-Arg-Pro-NHCH2CH3
ii)トリプトレリン(米国特許第4 010 125号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-Trp-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2
iii)ロイプロレリン(米国特許第4 005 063号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NHCH2CH3
iv)ゴセレリン(米国特許第4 100 274号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Ser(But)6-Leu-Arg-Pro-(Azygly)NH2
v)デスロレリン(米国特許第4 659 695号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Trp-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH2-NH2
vi)ヒステレリン(米国特許第4 244 946号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-His(Bzl)-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3
vii)アボレリン(米国特許第5 668 254号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Trp(2-Me)-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3
viii)ナファレリン(米国特許第4 234 571号)
(pyr)Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Nal(2)-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3;
ルトレリン、シストレリン、ゴナドレリンまたはデチレリックス(detirelix)。
【0033】
好ましくは、LH-RHアゴニストは、ロイプロレリン、ブセレリン、トリプトレリンおよびゴセレリンより選択される。LH-RHアゴニストはゴセレリンであることが特に好ましい。
【0034】
好適なLHRHアンタゴニストの例には、限定されるわけではないが、アンチド、アンタレリクス(antarelix)、セトロレリクス、アザリン、ガニレリクス(ganirelix)および米国特許第5 470 947号(Folkers);5 413 990号および5 300 492号(Haviv);5 371 070号(Koerber);5 296 468号(Hoeger);5 171 635号(Janaky);5 003 011号および4 431 635号(Coy);4 992 421号(De);4 801 577号(Nestor);そして4 851 385号、4 689 396号および5 843 901号(Roeske)に開示されているものがある。
【0035】
LH-RHアゴニストまたはアンタゴニストが塩の形態であるとき、塩はLH-RHアナログの好適な酸性または塩基性基と生成されたものであってもよい。
LH-RHアナログの塩基性基と生成してもよい好適な塩には、例えば無機酸(例えば、塩酸、硫酸または硝酸)、有機酸(例えば炭酸、重炭酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸またはトリフルオロ酢酸)などと生成される塩がある。有機酸(例えば、炭酸、重炭酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸)と生成される塩、特に酢酸と生成される塩が好ましい。
【0036】
LH-RHアナログの酸性基(カルボキシル基など)と生成してもよい好適な塩には、アルカリ金属(ナトリウムおよびカリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウムおよびカルシウムなど)、アルミニウムおよびアンモニウム塩と生成される塩、並びに、エタノールアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、トリメチルアミンなどの好適な有機塩基との塩がある。
【0037】
LH-RHアナログがLH-RHアゴニストまたは医薬的に許容されるそれらの塩であることが特に好ましく、ゴセレリンまたは医薬的に許容されるそれらの塩、特に酢酸塩が更に好ましい。
【0038】
モノリシックインプラント( monolithic implant )
本発明にかかるモノリシックインプラントは一体型構造から成り、典型的には約0.5mmを超える大きさ、より好ましくは1mmから30mmの大きさを有する。インプラントの形態は、インプラントの調製に使用する方法、患者へのインプラント挿入に使用する手法および必要とされるLH-RHアナログの用量に依存する。好適な形態には平板、円筒、杆状、球体または球粒(pellet)がある。好ましい態様では、インプラントは円柱体を含む。なぜなら円柱体は、針または套管針のような慣例的な手術用器具を用いて患者に真皮下移植する際に適切な形態であるからである。
【0039】
本発明にかかるモノリシックインプラントは、生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたってLH-RHアナログを連続的に放出する。
本明細書で使用する“連続的”という用語は、生理的水性環境への移植後少なくとも6か月間、インプラントから連続的にLH-RHアナログが放出されることを意味する。LH-RHアナログの放出速度は6か月間の間に変化してもよく、例えば、LH-RHの短い“初期バースト”がインプラントの移植直後に見られてもよい。しかしながら、移植後6か月間の間に、インプラントからLH-RHアナログがほとんど、または全く放出されない期間は存在しない。生理的水性環境下で、好ましくは少なくとも0.05重量%、更に好ましくは0.1重量%を超えるLH-RHアナログが日毎に放出される。6か月間の放出期間のほとんどで、LH-RHアナログの放出速度はほぼ一定であるが、常に連続的であることが好ましい。
【0040】
本明細書で使用する“生理的水性環境”という用語は、温血動物、特にヒトの体、および特に体の皮下環境を意味する。これらの状態は、35から40℃の温度で、水性溶解媒質中(必要により生理的pHに緩衝した媒質)にインプラントを置くことによりin vitroで擬態してもよい。好適な溶解媒質はリン酸緩衝液によりpH約7.4に緩衝した生理食塩水(例えば、リン酸緩衝生理食塩水またはMcIlvainesクエン酸リン酸塩)を含む。水性溶解媒質を37℃±2℃の温度で保持することが望ましい。所定の期間にわたり放出されるLH-RHアナログの量は、溶解媒質を採取し、好適な分析法(例えばHPLC)によりLH-RHアナログの濃度を測定することにより決定してもよい。
【0041】
本発明の更なる観点によれば、本発明にかかる第1のモノリシックインプラントおよび本発明にかかる第2のモノリシックインプラントを含む薬剤を提供する。ここで、第1および第2のインプラントは生理的水性環境下で異なる速度によりLH-RHアナログを放出する。
【0042】
本発明にかかる2つ以上の異なるインプラントの組み合わせ使用により、ポリマーおよび/またはLH-RHアナログの負荷量を適切に選択すると、広範な放出プロフィールを得ることができる。これはある種の疾患の治療に有利となり得る。例えば、LH-RHの高い初期用量、続いて残りの治療期間にはより低い用量を提供することが望まれうる。これは、LH-RHアナログの高い初期放出速度を有する第1インプラントおよびより一定の放出速度を有する第2インプラントを選択することにより達成できる。2つのインプラントからの累積的LH-RHアナログ放出により、高い初期用量に続いて、実質的に一定の放出速度を残りの治療期間の間に提供できる。あるいはまた、2つ以上の異なるインプラントの適切な選択により、治療期間中、実質的にゼロ次数(すなわち、実質的に一定)であるLH-RHアナログの累積放出が可能となる。
【0043】
第1および第2インプラントからのLH-RHアナログ放出プロフィールは、例えば、インプラント中のポリラクチドの分子量および/またはLH-RHアナログの負荷量を変えることにより制御してもよい。
【0044】
第1および第2インプラントは、患者の体の同じあるいは異なる部位に移植してもよい(好ましくは、皮下)。
本発明の更なる観点によれば、以下の段階を含む本発明にかかるインプラントの調製方法を提供する:
(i)ポリラクチドポリマーおよび好適な有機溶媒を含む溶液中のLH-RHアナログの溶液または分散液を調製し;
(ii)段階(i)で調製した溶液または分散液から実質的に全ての有機溶媒を除去し;そして
(iii)段階(ii)の生成物を所望する大きさのモノリシックインプラントに成形する。
【0045】
方法の段階(i)においてLH-RHをポリマー-有機溶媒溶液に溶解することが好ましい。段階(i)の使用に適した有機溶媒には、例えば氷酢酸がある。
有機溶媒は、慣例的な手法(例えば、蒸発または凍結-乾燥)により方法の段階(ii)において除去してもよい。好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%の有機溶媒を方法の段階(ii)で除去する。段階(ii)の有機溶媒除去に適した方法は、段階(i)で得たポリマー/溶媒/LH-RH混合物を液体窒素中に滴下し、凍結-乾燥により凍結小滴から有機溶媒を除去する方法である。必要により、例えば減圧乾燥またはオーブン乾燥により、得られた凍結乾燥物から有機溶媒を更に除去してもよい。減圧またはオーブン乾燥の間の好ましい温度は、20℃から65℃、例えば25から60℃である。
【0046】
方法の段階(ii)で得たポリラクチド-LH-RHアナログ組成物は、例えば圧縮成形、射出成形または押出し成形によりモノリシックインプラントに成形してもよい。
本発明の更なる観点によれば、LH-RHアナログで治療が可能な症状を有する温血動物(好ましくは、ヒト)の治療法を提供するが、それは本発明の第1の観点にかかるモノリシックインプラントの投与を含む。
【0047】
本発明の別の観点によれば、LH-RHアナログで治療が可能な症状の治療における薬物として使用するための本発明の第1の観点にかかるモノリシックインプラントを提供する。
本発明にかかるモノリシックインプラントは、LH-RHアナログの投与を必要とする広範な種類の医学的症状の治療に有用である。そのような医学的症状には、限定されるわけではないがホルモン依存性疾患、例えば前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌および精巣癌、婦人科領域における子宮内膜症、ヒステロスコピー(hysteroscopy)および子宮筋腫の治療に関するもの、および受精疾患の治療に関するものがある。
【0048】
特定の症状の治療に必要とされるLH-RHアナログの用量は、治療される症状および投与される動物の両方に依存する。ヒトの場合、6か月間の期間にわたる放出に適したLH-RHアナログの用量は例えば10から40mgであり、20から30mgが更に好ましい。この用量は単一モノリシックインプラントの手法によって、特に多量のLH-RHアナログが必要な時は2つ以上のモノリシックインプラントによって供給してもよい。
【0049】
本発明の更なる観点によれば、温血動物、特にヒトへのLH-RHアナログの投与方法を提供し、それは本発明にかかるモノリシックインプラントの温血動物への移植(好ましくは、皮下)を含む。
【0050】
モノリシックインプラントは、慣例的な医療技術により移植してもよい。例えば、皮下移植は針を使用して、または套管針などを介して行ってもよい。
本発明を以下の実施例により更に説明するが、特に記述していない限り、全ての分率は重量で記載する。
【0051】
ポリラクチドポリマー
乳酸およびオクチル酸スズ存在下、dl-ラクチド二量体の開環により表1に示すポリ(dlラクチド)を調製した。表1に示す適切な量で混合したdlラクチドおよび乳酸混合物を乾燥フラスコに添加し、窒素パージした。その後、混合物を160℃に加熱、撹拌し、少量のオクチル酸スズ(本明細書記載のポリマーの調製に使用するポリマーに対し150-300μl)を添加した。その後、温度を180℃に上昇させ(または、ポリマーBの場合は160℃に保持)、更に1時間撹拌し続けた。緩速窒素気流下、更に5時間、撹拌しながら混合物を同温度に保持した。得られたポリマーを氷酢酸中に溶解し、メタノール中に再沈澱させた。得られた白色固体を高真空下40℃で乾燥し、炭酸カリウム存在下で後乾燥(post dried)した。ポリマーの重量平均分子量(MW)の測定を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)中のポリマー溶液を2x30cm2mixed bed ’D’s PLGelカラム(Polymer Laboratories)と共に使用して行った。これは、MW200-400,000Daの直線範囲を有する。PLGel充填剤は高度に架橋された球状ポリスチレン/ジビニルベンゼン基質である。Wyatt Optilab DSP屈折計を検出に使用した。まず、580から400,000Daの範囲のMwを有するPL Easical PS-2ポリスチレン検定物質を使用してシステムを検定した。
【0052】
【表1】
【実施例1】
【0053】
単一ポリラクチドポリマーを含むインプラント
薬剤およびポリマーの凍結乾燥混合物の溶融押出しにより表2に示すインプラントを調製した。表2に示した重量のゴセレリン酢酸塩および表1の関連するポリラクチドを氷酢酸に溶解し、液体窒素中に滴下凍結し、5グラムまでのバッチサイズを調製した。得られた凍結球体を凍結乾燥機(Edwards)により最低24時間凍結乾燥し、試料から氷酢酸を除去した。次いで、得られた固体を以下の第2乾燥段階で処理した。温度を1時間にわたって20℃から45℃に上昇させ、続いて5時間の休止期間をとった。その後温度を再び1時間にわたって45℃から60℃に上昇させ、5時間60℃に保持した。押出し成形に先立ち、試料を真空デシケーター中に保持した。
【0054】
バレル/ノズル、基部および直径2.3mmの鋳型の3つの部品から構成される、1グラム容量のステンレススチール製押出し成形機を使用し、同方法により調製した薬剤/ポリマー混合物を押出し成形した。押出し成形機をパイプクランプにより加熱したが、温度を押出し成形機のバレルとの熱接触部位に位置する熱電対を含むフィードバック回路および特注の制御ユニットにより制御した。標準的な水圧式KBr Press(Specac)により成形機の鋳型に圧力をかけた。押出し圧力は手動で制御した。押出し成形物は全て同じ公称加熱プログラム(nominal heating programme)を使用して製造した。押出し成形機の温度を初めに30-60分間にわたって公称値95℃に上昇させ、更に90-120分間同温度に保持した。1トン(公称)までの圧力を成形機の鋳型にかけ、薬剤/ポリマー溶融 物の押出しを行った。得られた押出し成形物を所望の長さに切断した。各デポー製剤につき2つの試料で溶解試験を行った。それらの重量を表2に示す。示した全ての放出プロフィールは同時に行った2つの溶解試験の平均を表している。
【0055】
【表2】
【0056】
放出プロフィール
表2に示したインプラントを10ml(またはより大きなインプラントEおよびFに対しては50ml)のリン酸緩衝食塩水中(PBS、脱イオン水1リッターにつき1.38gのNa2HPO4、0.19gのKH2PO4、8.00gのNaClおよび0.20gのNaN3を含む(0.1MのHClでpH7.4+/-0.05に調整))中に配し、37℃の温度でインキュベーター中に保存し、ゴセレリンのin vitro放出速度を測定した。規則的な時間間隔で、溶解媒質の試料4ml(またはより大きなインプラントEおよびFに対しては20ml)を各試料瓶から回収した。サンプリング後、等量の新たなPBSを各試料瓶に戻した。サンプリングは、ピペッターを用いて手動で、またはロボット(Gilson215Liquid Handler)のいずれかで行った。アイソクラチックHPLC法(Vydac C18カラム、水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(〜80/20/0.1%v/v)および水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(〜40/60/0.1%v/v)を80/20v/vで混合した移動相)により、全ての溶解媒質試料のゴセレリン含量を測定した。秤量したゴセレリンを純水に溶解して調製した外部標準物質と対照し、ピーク面積に基づいてゴセレリン濃度を算出した。測定したゴセレリン濃度から算出した放出プロフィールを図1に示す。
【0057】
図1は、インプラントAおよびBが6か月(180日)を超える期間にわたり連続的にゴセレリンを放出したことを示している。しかしながら、対照B(高分子量ポリマーおよび低負荷量のLH-RH)は最初の14日にわたり、ほとんど、または全くゴセレリンが放出されない長い誘導期間を示した。更に、同デポー剤は約170日までに総負荷量(payload)の約30%w/wのみしか放出しない。対照B(高分子量ポリラクチド)は薬剤の初期即時放出に続いて、ほとんど、または全く薬剤が放出されない持続したプラトーを示した。
【実施例2】
【0058】
ポリラクチドポリマーの混合物を含むインプラント
表3に示すポリマーの混合物を使用した以外は実施例1記載の方法と同様に、表3に示したインプラントを調製した。
【0059】
【表3】
【0060】
各インプラントからのゴセレリン遊離塩基の放出プロフィールを実施例1に記載したようにin vitroで測定した。放出プロフィールを図2に示す。図2は、(本発明にかかる)インプラントCおよびDが少なくとも6か月間連続的にゴセレリンを放出したことを明らかに示している。一方、対照インプラントCおよびDはいずれも、ほとんど、または全く薬剤が放出されない長い期間を示した。
【実施例3】
【0061】
上記実施例1および2で使用したインプラントより約3倍大きなインプラントを使用し、選択したデポー製剤からのゴセレリンのin vitro放出を測定して、デポー剤の大きさが放出プロフィールへもたらす影響を調べた。図3は2つの比較プロットを示している;
i.インプラントB(小さいインプラント)対インプラントE(大きいインプラント)の放出プロフィール:31kDa のPLA、30%のゴセレリン
ii. インプラントC(小さいインプラント)対インプラントF(大きいインプラント)の放出プロフィール:75/25重量%21kDa/31kDaのPLA、30%のゴセレリン
これらの特定の製剤であるより大きなデポー剤は、より小さなインプラント試料と同様の放出プロフィールを有していることが明らかであり、これはデポー剤の大きさは時間の関数としての薬剤の放出パーセンテージに有意に影響しないことを示唆している。
【実施例4】
【0062】
ハーフサイズの異なる2つのインプラントの使用により得られるゴセレリンの放出を12.5kDaおよび31kDaのインプラントの組み合わせで擬態した。両者ともに30%w/wのゴセレリン総負荷量(payload)を有する。これは、各時間点で測定した12.5kDaのデポー剤および31kDaのデポー剤からの放出パーセンテージを加算し、同値を2で割り、2つのハーフサイズのデポー剤からの予測放出量を得ることによって行った。
【0063】
図4は、予測される2つのインプラントからのゴセレリン放出総量に相当する擬似in-vitro放出プロフィールを示す。1つのインプラントは12.5kDaのポリマーから調製し、もう1つは31kDaのポリマーを含む。両者は30%w/wのゴセレリン負荷量を有する。ほぼゼロ次数の放出プロフィールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、21kDa(黒四角のデータポイント、“インプラントA”)および31kDa(黒ひし形のデータポイント、“インプラントB”)の重量平均分子量を持つ単一のポリラクチドホモポリマーを含むモノリシックインプラントからのゴセレリンのin vitro放出を示す;両インプラントとも30%w/wのゴセレリン負荷量を持つ。ポリラクチドホモポリマー(MW59kDa)および負荷量30%w/wのゴセレリンから成るインプラント(灰色三角のデータポイント、“対照A”)と、ポリラクチドホモポリマー(MW59kDa)および負荷量20%w/wのゴセレリンから成るインプラント(灰色丸のデータポイント、“対照B”)からの放出を表す対照カーブも示す。
【図2】図2は、本発明にかかるポリラクチドホモポリマーの混合物を含むモノリシックインプラントからのゴセレリンのin vitro放出を示す。カーブA(黒ひし形のデータポイント)は平均MW23.5kDaで[75/25重量%21kDa/31kDa]の組成を有するポリラクチド混合物に相当する(“インプラントC”)。カーブB(黒四角のデータポイント)は平均MW24.1kDaで[75/25重量%12.5kDa/59kDa]の組成を有するポリラクチド混合物に相当する(“インプラントD”)。どちらの場合も、インプラントは負荷量30%w/wのゴセレリンを含む。2つの対照in vitro放出プロフィールも示す。カーブC(灰色三角のデータポイント)は平均MW47.6kDaで[30/70重量%21kDa/59kDa]の組成を有し、30%w/wの薬物負荷量であるポリラクチド混合物に相当する(“対照C”)。カーブD(灰色丸のデータポイント)は平均MW17.1kDaで[70/25重量%12.5kDa/31kDa]の組成を有し、20%w/wの薬物負荷量であるポリラクチド混合物に相当する(“対照D”)。
【図3】図3は、インプラントB(31kDaのPLA、30%のゴセレリン)およびインプラントC(75/25重量%21kDa/31kDaの混合物、30%のゴセレリン)の製剤に相当する、より大きなインプラント(約3倍長)からのゴセレリン放出プロフィールとインプラントBおよびCからの放出との比較を示す。より大きなインプラントはそれぞれEおよびFと示されている。
【図4】図4は、2つのインプラントから放出されるゴセレリンの予測総量に相当するin vitro擬似放出プロフィールを示す。2つのインプラントの1つは12.5kDaのポリマーから調製し、もう1つは31kDaのポリマーを含み、両者は負荷量30%w/wのゴセレリンを有する。
Claims (10)
- 以下を含むモノリシックインプラントであり:
(i)12,000ダルトンから40,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリラクチドポリマー;および
(ii)インプラント総重量の25から40重量%のLH-RHアナログ;
ここでモノリシックインプラントが生理的水性環境下で少なくとも6か月間にわたり連続的にLH-RHアナログを放出する、上記モノリシックインプラント。 - LH-RHアナログがロイプロレリン、ブセレリン、トリプトレリンおよびゴセレリンから選択される、請求項1記載のモノリシックインプラント。
- 式(1)の繰り返し単位がL-およびD-立体配置の繰り返し単位の混合物を含み、L-とD-単位の比率が25:75から75:25である、請求項3記載のモノリシックインプラント。
- 請求項1から4のいずれかに記載される第1のモノリシックインプラントおよび請求項1から4のいずれかに記載される第2のモノリシックインプラントを含む薬物であり、第1および第2のインプラントが生理的水性環境下で異なる速度によりLH-RHアナログを放出する上記薬物。
- 請求項1記載のインプラントの調製法である、以下の段階を含む方法:
(i)ポリラクチドポリマーおよび好適な有機溶媒を含む溶液中のLH-RHアナログ溶液または分散液を調製する段階;
(ii)段階(i)で調製した溶液または分散液から実質的に全ての有機溶媒を除去する段階;そして
(iii)段階(ii)の生成物を所望される大きさのモノリシックインプラントに成形する段階。 - LH-RHアナログにより治療可能な症状を有する温血動物(好ましくはヒト)の治療方法であり、請求項1記載のモノリシックインプラントの投与を含む上記方法。
- LH-RHアナログにより治療可能な症状の治療薬として使用される、請求項1記載のモノリシックインプラント。
- 温血動物、特にヒトへのLH-RHアナログの投与方法であり、請求項1記載のモノリシックインプラントの温血動物への移植(好ましくは皮下)を含む上記方法。
- 温血動物、特にヒトへのLH-RHアナログの投与方法であり、温血動物における請求項1記載の皮下モノリシックインプラントを含む上記方法。
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