JP2005506846A - チョコレート風味調節 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明はチョコレートの製造に使用されるプロセス、配合および成分由来にかかわりなくチョコレートの風味(flavour)を調節する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チョコレート製造方法はエス.ティー.ベケット(S.T. Beckett)によって編集された「インダストリアル・チョコレート・マニュファクチャー(Industrial Chocolate Manufacture)」(3版、1999年、ブラックウェル・サイエンス(Blackwell Science))に記載されており、その内容は本願明細書の中に組み入れられる。
【0003】
チョコレートは一般に、砂糖とココアバター(cocoa butter)をココアリキュール(cocoa liquor)またはカカオニブ(cocoa nib)と一緒に混合しそれに続いて粉砕(refining)、練り上げ(conching・コンチング)および調温(tempering・テンパリング)を行うことによって得られる。ミルクチョコレートは同様の方法で、しかしミルクを添加して、製造される。ミルクチョコレートの一つの伝統的な製法(乾式プロセス)は粉乳をココアリキュールまたはカカオニブ、砂糖、およびココアバターと一緒に混合しそれに続いて粉砕、練り上げおよび調温を行うことによる。ミルクチョコレートのもう一つの伝統的な製法(湿式プロセス)は液乳または練乳どちらかをココアリキュールと共に又はココアリキュール無しで砂糖と一緒に通常は減圧下で高温で濃縮し乾燥してチョコレートクラムパウダー(chocolate crumb powder)を生成し、次いでチョコレートクラムパウダーをココアバター、ココアリキュールと混合しそれに続いて粉砕、練り上げおよび調温を行うことによる。場合によって、コンパウンド、クーベルチュール(couverture)またはアイスクリームコーティングと称される代用チョコレート材料を与えるために、ココアバターを部分的または全体的に、ダイレクトココアバター置換(direct cocoa butter replacements)、ステアリン、ココナッツオイル、パームオイル、バターまたはそれらのいずれかの混合物によって置き換えてもよい。本発明においては、用語「チョコレート」は標準チョコレートばかりでなく、コンパウンド、クーベルチュールまたはアイスクリームコーティングのような代用チョコレートも包含する。
【0004】
ローカルなチョコレート(local chocolate)はしばしば独特であり、そして消費者にとって重要なフレーバー(flavour)を含有している;また、チョコレートにフレーバーを添加することは長年知られている。これは2つの理由で行われており、第一には、ココアまたは乳製品フレーバーの変更または強化のためであり、たとえば、洗練された口あたりのよさを与えるため又はクリーミィな特徴を生じさせるためであり、それは通常、バニラ、バニリン、エチルバニリンなどを0.2%以下添加することによって行われ、そして第二には、異なる、最優先の、主要な、しかし適合性のあるフレーバーを、たとえば、オレンジオイル、ペパーミントオイル、ストローベリー、ラズベリーなどを添加することによって、与えるためである。
【0005】
しかしながら、チョコレートフレーバーの単なる強化または異なる最優先の主要フレーバー以外の、チョコレートに関連した膨大な数の、様々な、消費者に認識可能な、フレーバー属性(flavour attribute)が存在し、それら属性はローカルな消費者の好みに従って世界のあちこちでかなり異なるということは周知である。チョコレート製品のこれらフレーバー属性はチョコレート製造に使用されるプロセスや標準成分たとえばココアやミルクの量におけるバリエーションよって決まる。これらフレーバー属性はたとえば、ローステッド(roasted)、甘味(sweet)、苦味(bitter)、クラム、カラメル、フルーティ(fruity)、フローラル(floral)、ビスケット、ブーケ(bouquet)、スパイシィ(spicy)、香り(scented)、ベークド(baked)、ブレッディ(bready)、セリアル(cereal)、ポップコーン、モルティ(malty)、渋味(astringent)またはプラリネ(praline)であってもよい。かかるフレーバー属性はそれらが語彙の一部を成しているココア市場では周知である。結局、ローカルなチョコレートはしばしば独特であり、そして消費者にとって重要なフレーバー属性を含有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いくつかの製造業者はチョコレート成分を用いて、特定のハウスフレーバーに帰属する一つのフレーバーのみを与えるプロセスを使用することによってチョコレートを生産しており、そして製造プラントはこのフレーバーの周辺で限られたバリエーションを生産できるだけである。しかしながら、チョコレートともう一つの成分を含有するチョコレート製品、例えば、チョコレートビスケットや、チョコレートでコートされた中心を含む製品、のためには、チョコレートフレーバー属性を他の成分のフレーバー強度タイプと調和させることが重要である。たとえば、チョコレートビスケットにはクックト(cooked)チョコレートフレーバー属性が望ましく、ミントタイプのフレーバー強度を相殺するには強いココアフレーバー属性が要求され、一方、低強度フレーバーを有するプラリネにはマイルドなフレーバー属性が要求されるにすぎない。チョコレート素材(chocolate mass)の製造プロセス、配合および成分由来とは関係なく、単一プロセスによって製造されるチョコレートに関連したフレーバーを、自ら選択したフレーバー属性を得るように、単一チョコレート素材に所望のフレーバー属性(attribute)を加えることによって操作可能であれば非常に望ましいであろう。これは高度に融通性のあるチョコレート製造プラントの操作にむすびつくであろう。本発明者らは驚くべきことには、これらフレーバー属性は必ずしもココアおよび/またはミルク/乳製品(dairy)のフレーバーに関連しないということ及びそれらは非ココアおよび/またはミルク/乳製品フレーバーを加えることによって得られるということを見出した。本発明における「フレーバー属性(attribute)」によって本発明者らが意味せしめるものは、消費者が認識可能な、チョコレートに関連した非ココアおよび/またはミルク/乳製品のフレーバー属性であり、そして、たとえばバニラ添加によるようなチョコレートフレーバーの単たる強化のための又はペパーミントのような異なる最優先の主要フレーバーのための非チョコレートフレーバーではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは驚くべきことには、チョコレート素材に所望の非ココアおよび/またはミルク/乳製品フレーバー属性を加えることによって、チョコレートのチョコレート関連風味を調節することが、チョコレート素材の製造プロセス、配合および成分由来とは関係なく、単一のチョコレート素材に所望フレーバー属性を加えることによって可能であるということを見出した。従って、単一の製造プラントははるかに融通性のあるものとなって全範囲の風味を生成することができるであろう。
【0008】
(発明の概要)
本発明によれば、チョコレートの単一素材(single mass)の風味を調節する方法であって、そのチョコレート素材に有効量の非ココアおよび/またはミルク/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記方法が提供される。
【0009】
これはチョコレートフレーバー強化以外の又はチョコレートとは異なる最優先の主要フレーバー以外のチョコレートに関連したフレーバー属性を付与し、そして、様々な加工条件および/または成分を使用するチョコレート製造において得られるチョコレートフレーバーのバリエーションを克服する。
【0010】
(発明の詳細)
チョコレート素材はブラックチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートのような標準チョコレートであってもよいし、またはそれはコンパウンドもしくはアイスクリームコーティングであってもよい。ミルク−またはホワイト−チョコレート素材はクラムチョコレートまたは非クラムチョコレートであってもよい。非クラムチョコレートはより低強度のフレーバーを有するのでこの方法においては好まれる。
【0011】
チョコレート素材に加えられるフレーバー属性の量は要求に応じて決定されてもよく、そして10重量%以下であろう。たとえば、添加されるフレーバーの量はチョコレート素材の重量に基づいて、都合よくは、重量で、0.001%〜5%、好ましくは0.01%〜4%、より好ましくは0.1〜2.5%、そして特に0.2%〜2%、であってもよい。
【0012】
フレーバー属性は次のいずれかであってもよい:ローステッド、甘味、苦味、クラム、カラメル、フルーティ、フローラル、ビスケット、ベークド、ブレッディ、ポップコーン、セリアル、モルティ、渋味またはプラリネ。フレーバー属性は単一成分または混合成分、たとえば、ボトルフレーバー(bottle flavour)または抽出フレーバー(extracted flavour)であってもよい、又はそれはフレーバー前駆物質の混合物から形成された反応フレーバーであってもよい。たとえば、クラムフレーバー属性は、通常のクラムチョコレートに比べて低減されたフレーバーを有する非クラムチョコレートには、たとえば、0.1%〜5%の量で加えられてもよく、そして非常に望ましいフレーバーを提供するであろう。
【0013】
非ココアおよび/またはミルク/乳製品フレーバー属性の例は次のとおりである:
【0014】
1)フレーバー属性は、
(A)プロリン、オルニチンまたはタンパク質水解物と
(B)ラムノース、フルクトースまたはフコース
を含むフレーバー前駆物質の混合物を脂肪性媒体(fat-based medium)に添加しそして混合物を約100〜140℃に約10〜120分間加熱することによって形成された濃縮物であってもよい。このフレーバー属性はチョコレートにカラメルおよびビスケット/クッキー属性を付与するであろう。チョコレートに加えられるこのフレーバー属性の量はチョコレートの全重量に基づいて0.01〜5重量%であってもよい。
【0015】
好ましくは、反応は125℃で30分間行われる。フレーバー前駆物質の濃度は約5〜250mM、好ましくは約50mM、であってもよい。好ましくは、脂肪性媒体は無水乳脂(anhydrous milk fat)、ココアバター、リパーゼ水解乳脂、ココアリキュール、バター、植物油、中鎖トリグリセリド(MCT)、トリアセチン、トロピカル脂肪、およびそれらの画分(fraction)である。
【0016】
好ましくは、フレーバー前駆物質はプロリン、ラムノースおよびフルクトースである。フレーバー前駆物質のその他の組合せはフコースとオルニチンを包含する。ミルクまたは植物性たんぱく質水解物は使用されてもよく、そして粉乳、カゼイン、ホエー(whey)、大豆、小麦、コットン、ピーナッツ、米またはエンドウ豆たんぱく質単離物または濃縮物から製造される。
【0017】
好ましくは、フレーバー反応は下記方法によって遂行されてもよい:
i)脂肪性媒体を加熱し、そして溶融された脂肪性媒体の中に前駆物質(A)および(B)を分散させ、そして125℃で還流下で反応させる。これは好ましくは攪拌下で起こる。この方法においては、フレーバー前駆物質は全く水分の添加なしで直接に脂肪性媒体の中に添加される。
【0018】
ii)フレーバー前駆物質AおよびBを、アルカリ性水溶液、pH5.0〜8.0の緩衝液または0.1〜50%の炭酸カリウム溶液の中に溶解してフレーバー前駆物質の溶液または懸濁液を形成し、次いでそれを溶融脂肪に1.5%レベル(w/w)未満で加え、そして125℃で還流下で攪拌を伴って反応させてもよい。好ましくは、反応前の混合物のpHは8.0である。
【0019】
iii)フレーバー前駆物質AおよびBはまた、アルカリ性水溶液、pH5.0〜8.0の緩衝液または5〜50%の炭酸カリウム溶液の中に溶解されてもよい。生成されたフレーバー前駆物質の溶液または懸濁液を溶融脂肪に1.5〜5%レベル(w/w)で添加し、こうして得られた反応混合物を、水分の殆どを蒸発させるために容器を密閉せずに、攪拌下で100℃〜125℃に10〜20分間加熱し、そして残りの10〜20分間の反応を125℃で攪拌および還流下で行う。好ましくは、全反応時間は約30分である。好ましくは、反応前の混合物のpHは8.0である。
【0020】
好ましくは、ラムノースとプロリンフレーバー前駆物質が使用され、それらを5%の緩衝液(100mMのNa燐酸塩pH8.0)の中に溶解し、そして加熱された脂肪性媒体好ましく無水乳脂に加えた。この反応混合物を、水の殆どを蒸発させるために反応器を密閉せずに、100〜125℃に10分間加熱した。残りの20分間の反応を脂肪性媒体の中で125℃で還流下で行った。この方法は最大濃度の4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンを得ることを可能にする。従って、本発明は古典的な水性システムに比べると脂肪性媒体を使用するカラメルおよびビスケットフレーバー属性の生成に驚くべきプラスの結果を有する。
【0021】
プロリンはカラメルばかりでなくビスケット/ブレッド/ロースト型アロマ揮発物(aroma volatile)のための前駆物質であるので、プロリンはアミンフレーバー前駆物質として使用された。脂肪性媒体の中でのプロリンとラムノースの間の反応は或る範囲の複数のフレーバー活性化合物を生成する。それぞれ、カラメルおよびビスケット/ブレッド/ローストフレーバーの中に含まれている4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンおよび2−アセチル−ピロリンは本願に記載された発明におけるケミカルマーカーとして使用された。4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンは反応フレーバー生成物の殆どにおける主要化合物であった。こくがある、釣り合いのよいフレーバー属性はたぶん、反応で生成された数種類の化合物の混合によって達成された。反応混合物の中のその他化合物の例は3−ヒドロキシ−2−ブタノン(アセトイン)、1−ヒドロキシ−2−プロパノン(アセトール)、5−メチルフルフラール、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロプロペンテン−1−オン(コリロン(corylone))および4−アセトキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンであった。驚くべきことには、プロリンは脂肪性反応システムの中での4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン蓄積を最も高いレベルでもたらすことがわかった。しかしながら、フレーバー濃縮物または属性の香りは言及した化合物のどれかに結び付けられたり限定されたりするわけではないかもしれない。
【0022】
5%の緩衝液、pH8.0、の添加はフレーバー前駆物質の改善された溶解度と、その後での高い4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン生成や脂肪混合物の強いカラメルフレーバーを促進させた。しかしながら、水性相をたとえば1.5%に減少させれば、水分蒸発を含む第一段階の反応を回避するのに有利であり得る。フレーバー前駆物質と一緒に水溶液を全く添加しないで反応を行うことは可能である。特に、この方法は或る種のアロマ化合物を直接に脂肪相の中で安定させるためには好ましい。
【0023】
ラムノースをもってする脂肪性反応はどれも、強いカラメルおよびビスケット/クッキーフレーバー属性を生じさせた。より安価なシュガーフレーバー前駆物質であるフルクトースによる反応は実質的により低い量の4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンを生じさせた。プロリンに対するフルクトースの比率を高めることによって、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンのレベルばかりでなくカラメルフレーバーを増大させることができた。50mMのプロリンと100mMのフルクトースによる、無水乳脂中での反応は4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンのレベルの更なる増加と強いカラメルおよび/またはビスケット/クッキーフレーバーを生じさせた。従って、フルクトースとプロリンも、脂肪性のフレーバー反応におけるフレーバー前駆物質の組合せとして使用できる。
【0024】
本発明の別の局面は、チョコレート全体の重量に基づいて重量で0.01〜5%の、好ましくは0.5%のフレーバー濃縮物または属性を使用するチョコレート製造における上記の通りのフレーバー濃縮物または属性の用途に関する。好ましくは、フレーバー濃縮物または属性は直接にチョコレートの中に組み入れられる。フレーバー濃縮物または属性がチョコレート混和性成分の中で直接生成されたときには、チョコレート素材の中に組み入れられる前に必ずしも乾燥または抽出の必要がない。これらフレーバー濃縮物または属性はチョコレートの中でカラメルおよび/またはクッキービスケット特徴を与える。フレーバー濃縮物またはフレーバー属性は単独で又は他のフレーバーとの組合せで添加されることができる。
【0025】
本発明の更に別の局面によれば、上記のようなフレーバー濃縮物または属性を含んでいる変更されたフレーバー特性を有するチョコレート製品が提供される。かかるチョコレート製品としては、ミルクチョコレート、ブラックチョコレートまたはホワイトチョコレートばかりでなく、たとえばバーやアイスクリームコーティングに使用するためのコンパウンドコーティングも包含される。
【0026】
2)フレーバー属性は、カカオ多糖類(cocoa polysaccharides)(たとえば、カカオ外皮(cocoa shell)からの、たとえば、ペクチン)の酵素的加水分解物(enzymatic hydrolysate)であってもよい。かかるフレーバーはカラメル、ビスケットまたはタフィー(toffee)フレーバーを付与するであろう、そしてチョコレートの中に5%未満の量で組み入れられてもよい。
【0027】
一つの局面によれば、本発明は約5mM〜約100mMのラムノース含量を有するカカオ外皮ペクチン抽出物を提供する。別の局面によれば、本発明はカカオ外皮ペクチンの化学的および/または酵素的加水分解を含む、約5mM〜約100mMのラムノース含量を有するカカオ外皮ペクチン水解物の製造方法を提供する。更に別の局面によれば、本発明は約5mM〜約100mMのラムノース含量を有するカカオ外皮ペクチン水解物を提供する。別の局面によれば、本発明は本発明によるカカオ外皮ペクチン水解物を含むフレーバー濃縮物または属性を提供する。更に別の局面によれば、本発明は本発明によるカカオ外皮ペクチン水解物の食品用フレーバー濃縮物または属性としての用途を提供する。
【0028】
驚くべきことには、カカオ外皮からのペクチンはペクチンの乾燥重量に基づいて約5〜7重量%の異常に高い含量のラムノースを含有していることが判明した。従って、本発明は食品に添加されたときに新規なフレーバープロフィールを生成するのに使用されることができる新規な濃厚ラムノース源を提供する。
【0029】
カカオ外皮ペクチン抽出物の製造はペクチンを抽出するための標準的な手順を使用して行われる。
【0030】
カカオ外皮ペクチン抽出物の加水分解は化学的および/または酵素的減成によって行われる。好ましくは、次のような酵素および化学物質が使用される:酢酸、塩酸、ペクチン分解酵素(ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、アラビナーゼ(arabinase)、ガラクタナーゼ)とエステラーゼたとえばラムノガラクツロナン(rhamnogalacturonan)アセチルエステラーゼとの又はエキソグリコシダーゼたとえばβ−ガラクトシダーゼとの組み合わせ、アラビノフラノシダーゼおよびフコシダーゼ。これら酵素の混合物は適する複合培地上での微生物の発酵によって製造された市販の酵素製剤の中に見出すことができる。
【0031】
フレーバー生成用の適するいずれの反応媒体が使用されてもよく、水溶液、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、または、脂肪性媒体、たとえば、無水乳脂、ココアバター、ココアリキュール、コンパウンドファット(compound fat)、リパーゼ水解乳脂、バター、植物油、中鎖トリグリセリド、トリアセチンまたはトロピカルファットおよびそれらの画分、が挙げられる。
【0032】
カカオ外皮ペクチン水解物は個々の遊離アミノ酸、ペプチド、たんぱく質水解物、またはアミンフレーバー前駆物質の混合物と反応させられることができる。
【0033】
好ましくは、フレーバー濃縮物または属性の製造は、脂肪性媒体最も好ましくは乳脂にカカオ外皮ペクチン水解物をプロリンおよびリン酸塩緩衝液pH8.0と一緒に添加することを伴い、125℃で約60分間である。好ましくは、使用されるカカオ外皮ペクチン水解物とプロリンフレーバー前駆物質を5%緩衝液(100mMのNa燐酸塩pH8.0)の中に溶解し、そして加熱された脂肪性媒体好ましくは無水乳脂に添加する。この反応混合物を、水の殆どを蒸発させるために反応器を密閉しないで、100℃〜125℃に10分間加熱する。残りの20分間の反応は脂肪性媒体中で還流下で125℃で行う。5%緩衝液、pH8.0、の添加は、改善されたフレーバー前駆物質の溶解度と、その後での、高い4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン生成と脂肪混合物の強いカラメルフレーバーを促進する。
【0034】
ラムノース含有カカオ外皮抽出物はスイート(sweet)(たとえば、カラメル、ビスケット、バター様(buttery)、タフィー、フルーティ、モルティ、ローステッド)およびセイヴォリー(savory)または調理品向けの応用を含めた様々なフレーバー反応に使用されてもよい。生成されたフレーバー濃縮物またはフレーバー属性は、糖菓製品、チョコレート、飲料、アイスクリーム、ビスケットおよびベークト製品、セイヴォリーおよび調理品のような食品の中に組み入れることができる。それはミルクチョコレート、ブラックチョコレートおよびホワイトチョコレートばかりでなく、例えばバーやアイスクリームコーティングに使用するためのコンパウンドチョコレートの製造を含めて、チョコレート製造に使用されてもよい。
【0035】
3)モルティフレーバー属性はココアリキュールの酸処理とそれに続いてのプロテアーゼ処理によって得られてもよい。
【0036】
本発明の一つの局面によれば、ココアリキュールの酸処理とそれに続くプロテアーゼ処理を含む、酵素的に処理された未発酵ココアリキュールを製造する方法が提供される。本発明の別の局面は酵素的に加水分解されたココアリキュールをプロセスフレーバー反応(process flavour reactions)の発生に使用することである。本発明の更に別の局面は酵素的水解ココアリキュールを使用して製造されたプロセスフレーバーを使用してつくられたチョコレートまたはコンパウンド製品である。
【0037】
酸処理は内生酵素システム(endogenous enzyme system)を活性化するための且つココアの中の内生プロテアーゼ(endogenous protease)を利用するための生体外発酵工程(in-vitro fermentation step)として行われる。その後のプロテアーゼ処理は高い加水分解度(DH)および高レベルの反応性遊離アミノ酸とペプチドを得るために適用される。この処理はチョコレートフレーバー反応中のフレーバー前駆物質プールを増加させるために用いられている。この方法に従って生成されたココア水解物はプロセスフレーバー反応における成分として使用される。ココアリキュール水解物はプロセスフレーバー反応におけるアミンフレーバー前駆物質の源として、単独で、又は他の成分もしくはフレーバー前駆物質たとえばアミノ酸、ペプチドまたは糖と一緒に、使用されてもよい。
【0038】
ココアリキュールは使用前に完全に又は部分的に脱脂されてもよい。このような完全脱脂または部分脱脂ココアリキュールの使用はプロセスフレーバー反応における基本成分としての様々なココア材料の融通性のある使用を可能にする。好ましくは、酸処理は未発酵ココアリキュールのpHをほぼpH2〜5に、最も好ましくはpH4に、低下させることを伴う。好ましくは、酢酸、クエン酸または燐酸が約0.01〜約1.0Mの濃度で使用される。プロテアーゼ処理はエンドプロテアーゼ(endoprotease)および/またはエキソプロテアーゼ(exoprotease)との未発酵ココアリキュール混合物の保温(incubation)を伴う。好ましくは、ココアの乾燥重量に基づいて0.1%〜5%のプロテアーゼが使用される。最も好ましくは、ココアは0.1M酢酸をもって50℃で6時間保温され、その後に、ココアの乾燥重量に基づいて2%のプロテアーゼによる処理が50℃で18時間である。酸およびプロテアーゼどちらの処理についても処理時間は好ましくは1〜48時間である。
【0039】
処理されたココアリキュールはプロセスフレーバー反応に使用できる。フレーバー反応においては、釣り合いのとれたココアフレーバーの生成が唯一の判定基準であるわけではない。他の属性、たとえば、カラメル、ビスケット、フルーティ、およびモルティ、の導入も関心事である。従って、もう一つの目的はチョコレートフレーバー反応に使用するための最大の加水分解度をもったココア成分を製造することであった。
【0040】
処理されたココアリキュールを使用して製造されたプロセスフレーバー属性は標準チョコレート、コンパウンドチョコレート、アイスクリームコーティングの製造に、およびその他の食品、デザートおよびドリンクの中に使用できる。
【0041】
4)カラメルフレーバー属性は、脂肪、たとえば、乳脂、ココアバター、ココアバター代用物、ココアリキュール、植物性脂肪または脂肪の組合せ、の中での、高温での、脱脂粉乳の反応によって提供されてもよい。脱脂粉乳の量は混合物の重量に基づいて重量で0.5%〜15%であってもよい。反応の温度は100℃〜150℃、そして好ましくは115℃〜135℃、であってもよい。反応時間は15分〜2時間、そして好ましくは30〜90分、であってもよい。カラメルフレーバー属性は、天然フレーバーが低減または除去されているチョコレートの中に、チョコレートの重量に基づいて重量で0.1%〜5%、そして好ましくは0.5%〜2%の量で組み入れられてもよい。
【0042】
本発明はまたチョコレートの単一素材の風味を調節する方法を提供するものであり、その方法はチョコレート素材のプロセス、配合および成分由来にかかわりなくチョコレート素材に有効量の非ココアおよび/またはミルク/乳製品フレーバー属性を加えることを含む。
【0043】
フレーバー属性は、チョコレート素材の成分のいずれに、そしてチョコレート製造プロセスの調温前のいずれの段階で、加えられてもよい。本発明の主な利点は特別の風味をもつチョコレートおよびコンパウンドコーティングをそれの製造設備(assets)、プロセス、配合および成分由来にかかわりなく製造することである。
【0044】
本発明は、広く受け入れられる風味をもったチョコレート製品の開発、設備利用の最適化、コストの軽減、レシピの融通性、および狭い範囲の消費者によって好まれる特殊な風味をもった製品の開発を可能にする。
【0045】
下記実施例によって本発明をさらに例証する。
【実施例1】
【0046】
フレーバー反応は温度コントロールを伴う丸底三口攪拌フラスコの中で行った。無水乳脂(Anh. milk fat)(80g)を反応器の中で溶融し、そして125℃に加熱した。フレーバー前駆物質、ラムノース(Rha)(50mM)とプロリン(Pro)(50mM)は直接に乳脂と一緒に加えたか、又は乳脂が125℃に達したときに別に加えた。ラムノースとプロリンを乳脂の中で125℃で還流下で60分間反応させた。反応済みの物質を室温に放冷し、そして4℃または室温で保存した。このフレーバー属性をチョコレート素材の中に0.5%の添加レベルで組み入れた。
【0047】
コンパウンドの中への組み入れ:
1gの反応フレーバーを199gの完全溶融コンパウンド素材に添加し、手動で十分に混合し、そして20gのバー状に成形した。冷却後、バーを型から取り出し、室温で少なくとも4時間かけて平衡状態にした。それらサンプルを味鑑定に先立って15℃で1〜30日間かけて平衡状態にした。
【0048】
ホワイトチョコレートおよびミルクチョコレートの中への組み入れ:
1gの反応フレーバーを199gの完全溶融チョコレート素材に添加し、そして50℃で手動で混合してサンプルを均質にし、その後に、予備結晶化させそして5gのバー状に成形した。冷却後、バーを型から取り出し、そして室温で少なくとも4時間かけて平衡状態にした。それらサンプルを味鑑定に先立って15℃で1〜30日間かけて平衡状態にした。
【0049】
チョコレートサンプルを6〜9人の訓練されたパネリストによるブラインド味鑑定(blind tasting)によって評価した。全てのサンプルを、組み入れのない基準チョコレート素材と比較した。脂肪性フレーバーの組み入れはチョコレート素材の中でのカラメル、ビスケットおよびクッキーのような属性の強い増強をもたらした。
【0050】
フレーバー濃縮物の揮発物分析は、固相マイクロ抽出法(solid-phase microextraction)(SPME)とガスクロマトグラフィー−質量分析法との組み合わせを使用して行われた。4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンおよび2−アセチル−1−ピロリンの生成はそれぞれカラメルおよびビスケットフレーバー発現のためのケミカルマーカーとして選ばれた(図4)。4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンはクロマトグラムの主要ピークであった。反応混合物の中には2−アセチル−1−ピロリンも同定された。脂肪システムの中での反応が4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンの高蓄積を促進するということは図1に明白に示されている。フレーバー前駆物質としてのプロリン(Pro)はアルギニン(Arg)に比べて、4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン蓄積を促進するということも更に示されている(図2)。
【実施例2】
【0051】
フレーバー反応はラムノース(Rha)とプロリン(Pro)と共に1.5%のアルカリ性の水(alk)(ストック溶液:水20mLの中に50%NaOH4滴)を添加したこと以外は実施例1に従って行われた。このアプローチは塩基性pHにおいて反応を促進させたし、また、前駆物質の溶解度を増加させる。実施例1に記載されたように、チョコレートの中への0.5%の脂肪性フレーバー属性の組み入れは、カラメル、ビスケットおよびクッキーのような属性をもたらした。最も強いカラメルフレーバーは30分間の反応の後に達成された。
【実施例3】
【0052】
フレーバー反応は、フレーバー前駆物質ラムノース(Rha)とプロリン(Pro)を100mMのNa燐酸塩緩衝液(phosphate buffer)、pH8、の中に溶解し、そして乳脂が100℃の温度に達したときに添加したこと以外は、実施例1に従って行われた。このアプローチは塩基性pHにおいて反応を促進させたし、また、前駆物質の溶解度を増加させる。混合物は水分の殆どが蒸発して生成物温度が125℃に達するまでは反応器を密閉せずに加熱された。反応は125℃で還流下で継続された。全体の反応時間は30〜60分間であった。実施例1に記載されたように、チョコレートの中への0.5%の脂肪性フレーバー属性の組み入れは、カラメル、ビスケットおよびクッキーのような属性をもたらした。最も強いカラメルフレーバーは30分間の反応の後に達成された。強いカラメルフレーバーは高レベルの4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンと相関関係にあった。
【実施例4】
【0053】
フレーバー反応はフレーバー前駆物質が50mMのフルクトース(Fru)と50mMのプロリン(Pro)であったこと以外は実施例1に従って行われた。チョコレートの中への0.5%の脂肪性フレーバーの組み入れは、カラメルおよびビスケットのような属性をもたらした。最も強いビスケットフレーバーは60分間の反応の後に達成された。無水乳脂の中でのフルクトース/プロリン(Fru/Pro)反応は最も高い2−アセチル−1−ピロリン蓄積をもたらした(図3)。4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンのレベルはラムノース(Rha)との反応に比べて低かった(図2)。
【実施例5】
【0054】
フレーバー反応はフレーバー前駆物質が100mMのフルクトース(Fru)と50mMのプロリン(Pro)であったこと以外は実施例4に従って行われた。チョコレートの中への0.5%の脂肪性フレーバー属性の組み入れは、カラメル、ビスケットおよびクッキーのような属性をもたらした。カラメル属性はフルクトース濃度を50から100mMに増加させることによって強化された。
【実施例6】
【0055】
フレーバー反応はフレーバー前駆物質が1%のフルクトースと1%のカゼイン水解物であったこと以外は実施例4に従って行われた。カゼイン水解物はフレーバーザイム(Flavourzyme)1000L(デンマークのノボノルディスク(Novo Nordisk)からの真菌性プロテアーゼ/ペプチダーゼ混合物)を使用する標準技法によって製造された。加水分解はタンパク質含有量の1重量%の酵素を使用して、50℃で、約50%の加水分解度を達成するように行われた。チョコレートの中への0.5%の脂肪性フレーバー属性の組み入れはカラメル属性の増加をもたらした。
【実施例7】
【0056】
ビスケット/ブレッド/ベークト効果を与えるコンパウンドの周知前駆物質であるオルニチン(Orn)も乳脂システムの中で反応させた。フレーバー反応はフレーバー前駆物質が50mMのラムノース(Rha)と50mMのオルニチン(Orn)であったこと以外は実施例2に従って行われた。チョコレートの中への1.0%の脂肪性フレーバー属性の組み入れはカラメル属性の増加をもたらした。フレーバー効果はオルニチン(Orn)によって達成されたけれども、それはプロリン(Pro)によるよりも明白でなかった。
【実施例8】
【0057】
フレーバー反応はフレーバー前駆物質が50mMのフコース(Fuc)と50mMのプロリン(Pro)であったこと以外は実施例1に従って行われた。チョコレートの中への1.0%の脂肪性フレーバー属性の組み入れはカラメルおよびビスケット属性の増加をもたらした。
【実施例9】
【0058】
ココアバターも反応媒体として使用できる。フレーバー反応は反応媒体がココアバター(Cocoa butter)であったこと以外は実施例1に従って行われた。フレーバー前駆物質は50mMのラムノース(Rha)と50mMのプロリン(Pro)であった。チョコレートの中への1.0%の脂肪性フレーバー属性の組み入れはカラメルおよびビスケットの属性の増加をもたらした。やはり、5%緩衝液(buffer)、pH8.0、の存在下でのプロリン/ラムノース(Pro/Rha)の組合せは高い4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン濃度を得るのに最適であることが証明された。4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン濃度はこれらサンプルでは高かったけれども、パネリスト達は乳脂の中での反応フレーバーをもって製造されたチョコレートサンプルと比べて低いカラメルであるとみなした。従って、乳脂は最終チョコレートの中に組み入れられたときにフレーバーに寄与するらしい。
【実施例10】
【0059】
フレーバー反応は反応媒体がココアリキュールであったこと以外は実施例3に従って行われた。フレーバー前駆物質は50mMのラムノース(Rha)と50mMのプロリン(Pro)であった。チョコレートの中への1.0%の脂肪性フレーバー属性の組み入れはカラメルおよびビスケットの属性の増加をもたらした。
【実施例11】
【0060】
フレーバー反応は反応媒体がリパーゼ水解乳脂であったこと以外は実施例5に従って行われた。加水分解は固定化リパーゼ(immobilized lipase)(デンマークのノボノルディスクからのリポザイム(Lypozyme)RM IM)を用いて行われた。フレーバー前駆物質は50mMのプロリン(Pro)と100mMのフルクトース(Fru)であった。チョコレートの中への0.2%の脂肪性フレーバー属性の組み入れはカラメル、ビスケットおよびチーズ様の属性の増加をもたらした。
【実施例12】
【0061】
カカオ外皮からの1MのKOHに可溶性の抽出物の酵素処理
1MのKOHに可溶性の抽出物の調製:
10gのカカオ外皮を、20mMのNaBH4を含有する200mLの1MのKOHの中で、室温で4時間にわたって抽出した。懸濁物を遠心分離し、そして上澄み液を酢酸で中和し、透析し、次いで凍結乾燥した。抽出された多糖類の組成は表1に示されている。
【0062】
【表1】
【0063】
酵素的処理:
得られた抽出物のアリコート(蒸留水50mLの中の1g)を、0.25mLのビスコザイム(Viscozyme)L、アスペルギルス・アキュレアツス(Aspergillus aculeatus)から生成された多酵素複合体(multi-enzyme complex)(デンマークのノボザイムズ社(Novozymes A/S))、によって、40℃で、攪拌しながら16時間加水分解した。保温中のpHは4.9であった。次いで、混合物を凍結乾燥した。最終生成物中の遊離ラムノースの測定は1MのKOHに可溶性のカカオ外皮画分から酵素的処理によってラムノースの18.2%が遊離されたことを示した。結果は表2に示されている。
【0064】
【表2】
【実施例13】
【0065】
カカオ外皮のNa2CO3可溶性ペクチンからの酸加水分解物の生成
11.5gの炭酸ナトリウム抽出ペクチンを575mLの2MのHClの中で120℃で1時間オートクレーブ処理することによって加水分解した。水解物を濾過して黒色沈殿物を除去し、それから乾燥した。体積が約50mLに減少したときに酢酸を加え、そして溶液をドライダウン(dry down)しそしてNaOHペレット上で3日間真空下に保持して残留酸を除去した。水を加え、そして溶液を蒸発乾燥させ、そしてフラスコを再びP2O5およびNaOHペレットの上で乾燥した。ドライダウン過程を2回繰り返した。
【0066】
この乾燥された物質は重さが9.6gであった。それを100mLの水に溶解し、そして半分を2〜3mLの2.5MのNH4OHでpH5.8に調節し、そしてガラス繊維ペーパーで濾過して未溶解残留物を除去し、そしてホルメート形態に転換されているQAEセファデックス(Sephadex)のカラムに通した。カラムの中の水解物は350mLの水で溶離させた。カラム上に保持させなかった中性画分と、酸性画分(カラムを350mLの10%ギ酸で溶離させることによって回収された)を、各々、回転蒸発器の上でドライダウンし、そして後者の画分を真空下でNaOHおよびP2O5の上に一晩置いた。表3は製造された水解物画分の組成を示している。
【0067】
【0068】
【表3】
【実施例14】
【0069】
水解物を使用しての反応フレーバーの製造と、ホワイトチョコレートへの組み入れ
実施例12および13に従って製造された水解物(全水解物およびカチオン交換によって精製された水解物が包含される)は、8.5gの乳脂、1gの外皮水解物(5mMの遊離ラムノース)、50mMのプロリン、5%の燐酸塩緩衝液pH8.0を含む反応フレーバーの中に組み入れられ、125℃で60分間保たれた。こうして得られた反応フレーバーは次いで、ホワイトチョコレートの中に、上記レシピに従って、チョコレート全体を基準にして1.0〜1.5重量%のレベルで組み入れられ、そして官能評価(sensory evaluation)を受けた。実施例12および13の水解物を使用して製造されたホワイトチョコレートの官能評価は増加したカラメルフレーバーを示した。
【実施例15】
【0070】
水解物を使用しての反応フレーバーの製造と、ミルクチョコレートへの組み入れ
実施例2に従って製造された水解物全体およびイオン交換によって製造された水解物は下記の構成の反応フレーバー属性AおよびBの中に組み入れられた:
A)8.5gの乳脂、2.2gの外皮水解物全体(50mMのラムノース)、50mMのプロリン、5%の燐酸酸塩緩衝液pH8.0、125℃で60分間;および
B)10.5gの乳脂、1.11gのカチオン交換によって精製された外皮水解物(50mMの遊離ラムノース)、50mMのプロリン、5%の燐酸塩緩衝液pH8.0、125℃で60分間
【0071】
反応フレーバー属性AおよびBは次いで、ミルクチョコレートの中に、上記チョコレート全体に基づいて3重量%のレベルで、上記レシピに従って、組み入れられ、そして官能評価を受けた。製造された両方のミルクチョコレートAおよびBの官能評価は増加したカラメルフレーバー属性を示した。
【実施例16】
【0072】
酵素的に処理されたココアリキュールを使用しての反応フレーバー:
基準のココア反応フレーバーは、0.8%のLeu(ロイシン)、1.45%のPhe(フェニルアラニン)、0.8%のVal(バリン)、1.5%のフルクトース、1.5%の水(水20mLの中にNaOH4滴)、および94%のプロピレングリコールを、125℃で還流下で60分間反応させることによって、製造された。ココア水解物をもって製造された反応フレーバーは、アミノ酸を1%の凍結乾燥水解物で置き換えることによって生成されたのであった。味鑑定は0.1%溶液で1%ショ糖で行われた。ココア水解物をもって製造された反応フレーバーは味鑑定され、そして基準と比較された。
【0073】
次のような酵素処理が試験された:24時間ならびに6時間の生体外発酵/フレーバーザイム処理、および24時間ならびに6時間の生体外発酵(内生酵素システムのみ)。
【0074】
酵素処理されたリキュールをもって製造された反応フレーバー属性は未処理の未発酵/未焙焼(unroasted)ココアリキュールをもって製造された対照に比べて強いココアフレーバーを示した。特に、生体外発酵のみによって処理されたリキュールをもって製造された反応フレーバー属性はココアフレーバーが最も強いようであった。
【0075】
PGの中で1%ココアリキュール水解物をもって生成された反応フレーバー属性は基準用アミノ酸におけると同じような量の反応性アミノ基を含有していない。基準は0.8%のleu、1.45%のphe、0.8%のval、1.5%のフルクトースをもって製造されているのに、ココア水解物との反応混合物は実質的にもっと低いレベルの遊離アミノ基を含有している(10〜15%たんぱく質、DH10〜30)。従って、反応性アミンフレーバー前駆物質の量は水解ココアリキュールの割合を増加させることによって実質的に増加できる。
【0076】
この実施例に記載されたココア水解物は、溶融チョコレート素材に2重量%の濃縮物を添加することによって完全な本体チョコレート/ココアフレーバー濃縮物のための基本のまたは特異な特徴を導入するためのチョコレートプロセスフレーバー反応における基本成分として使用することができる。
【実施例17】
【0077】
10部の脱脂乳と45部のココアバターと45部のココアリキュールをブレンドしそして125℃で60分間反応させてカラメル反応フレーバー属性を与える。
【0078】
上記のカラメルフレーバー属性をチョコレートの中へ1.0%組み入れると、カラメル属性の増加がもたらされた。
【実施例18】
【0079】
まず、ミルクチョコレートコンパウンドコーティングを下記の一般組成に従って調製した:
組成 重量%
ショ糖 50.00
ノンファットドライミルク(NFDM) 13.78
ココア 6.00
植物油 30.00
バニリン 0.02
レシチン 0.2
【0080】
このミルクチョコレートコンパウンドコーティングに一つのフレーバー化合物を添加し、そしてチョコレートおよびココアの味鑑定の訓練をされた記述的調査員団(descriptive panel)によって評価した:
【0081】
結果はコンパウンドコーティングへの10ppmの4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンの添加がアンフレーバード対照に比べて有意に増加したカラメル化シュガー属性(p値=0.0112)とココア属性(p値=0.0075)をもたらすことを示した。
【実施例19】
【0082】
米国特許第6090427号に記載の技術を使用してカカオニブグラインダーから揮発性ココアアロマ化合物を捕獲し濃縮した。この残留物の部分を、実施例18に記載されたものと同じようなチョコレートコンパウンドコーティングに添加した。
【0083】
結果はコンパウンドコーティングへのグラインダー気体残留物の添加がアンフレーバード対照に比べて有意に増加したフルーティ属性(p値=0.0016)をもたらすことを示した。
【実施例20】
【0084】
実施例18に記載されたものと同じようなミルクチョコレートコンパウンドコーティングに一つのフレーバー化合物を添加した:
【0085】
フェネチルアルコールを添加されているサンプルは、チョコレート味鑑定に経験のあるパネリスト達によって、アンフレーバード対照と比較してブラインド評価されたときに、全員のパネリストによってフローラル(ローズ様)属性がより高いとみなされた。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施例で使用されたフレーバー前駆物質Tha/Proの反応条件(反応媒体、時間、など)と生成された4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン蓄積との関係を示すグラフである。
【図2】使用されたフレーバー前駆物質の組合せと生成された4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン蓄積との関係を示すグラフである。
【図3】使用されたフレーバー前駆物質の組合せと生成された2−アセチル−1−ピロリン蓄積との関係を示すグラフである。
【図4】実施例1で得られた反応フレーバーのクロマトグラムであり、4−ヒドロキシ2,5−ジメチル−3(2H)−フラノンおよび2−アセチル−1−ピロリンの生成はそれぞれカラメルおよびビスケットフレーバーの発現におけるケミカルマーカーとして選択される。
Claims (21)
- チョコレートの単一素材の風味を調節する方法であって、そのチョコレート素材に非ココア/乳製品フレーバー属性の有効量を加えることを含む前記方法。
- フレーバー属性が、ローステッド、甘味、苦味、クラム、カラメル、フルーティ、フローラル、ビスケット、ベークド、ブレッディ、ポップコーン、セリアル、モルティ、渋味またはプラリーヌの属性のいずれかを与える、請求項1の方法。
- フレーバー属性が単一成分もしくは混合成分であるか又はフレーバー前駆物質の混合物から形成された反応フレーバー属性である、請求項1の方法。
- チョコレート素材に加えられるフレーバー属性がチョコレート素材の重量に基づいて0.001重量%〜15重量%である、請求項1の方法。
- フレーバー属性は、
(A)プロリン、オルニチンまたはタンパク質水解物、および
(B)ラムノース、フルクトースまたはフコース
を含むフレーバー前駆物質の混合物を脂肪性媒体に添加しそしてこの混合物を約100〜140℃に約10〜120分間加熱することによって生成された濃縮物である、請求項1の方法。 - フレーバー属性は、水の存在下または不在下でココアリキュール技術を使用して焙焼された、チョコレート混和性脂肪システムの中でのアミノ酸と糖の規定混合物のメイラード反応物である、請求項1の方法。
- フレーバー属性がカカオ多糖類の酵素的加水分解物である、請求項1の方法。
- フレーバーが、ココアリキュールの酸処理とその後のプロテアーゼ処理によって得られたモルティクラムフレーバーである、請求項1の方法。
- クラムフレーバー属性が0.1%〜5%の量で非クラムチョコレート素材に加えられる、請求項2の方法。
- フレーバー属性が、高温での脂肪システムの中での脱脂粉乳の反応によって提供されたカラメルフレーバー属性である、請求項2の方法。
- チョコレートの単一素材の風味を調節する方法であって、チョコレート素材のプロセス、配合および成分由来と独立にチョコレート素材に有効量の非ココア/乳製品フレーバーを加えることを含む前記方法。
- 単一プロセスによって製造されるチョコレートの風味を調節して所望の風味を得る方法であって、チョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記方法。
- チョコレートフレーバー強化以外の又はチョコレートとは異なる最優先の主要フレーバー以外のチョコレートに関連したフレーバー属性を有する、そしてそのフレーバー属性が、様々な加工条件および/または成分を使用するチョコレート製造において得られるチョコレート風味のバリエーションを克服する、チョコレートを製造する方法であって、チョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記方法。
- チョコレートフレーバー強化以外の又はチョコレートとは異なる最優先の主要フレーバー以外のチョコレートに関連したフレーバー属性を有する非ココア/乳製品フレーバー属性の有効量を含有しているチョコレート製品であり、そしてそのフレーバー属性が、様々な加工条件および/または成分を使用するチョコレートの製造において得られるチョコレート風味のバリエーションを克服する、前記チョコレート製品。
- ローステッド、甘味、苦味、クラム、カラメル、フルーティ、フローラル、ビスケット、ベークド、ブレッディ、ポップコーン、セリアル、モルティ、渋味またはプラリーヌ属性を与えるのに有効な量の非ココア/乳製品フレーバー属性を含有しているチョコレート製品。
- 様々な加工条件および/または成分を使用するチョコレートの製造において得られるチョコレート風味のバリエーションを克服するための、チョコレートフレーバー強化以外の又はチョコレートとは異なる最優先の主要フレーバー以外のチョコレートに関連したフレーバー属性を有するチョコレートを製造するための、非ココア/乳製品フレーバー属性の使用であって、チョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記使用。
- 単一プロセスによって製造されるチョコレートの風味を調節して所望の風味を得るための、非ココア/乳製品フレーバー属性の使用であって、チョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記使用。
- どのように製造されるチョコレートにおいても特別の系統の風味を付与する方法であって、チョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記方法。
- どのように製造されるチョコレートにおいても、チョコレートフレーバー強化以外の又はチョコレートとは異なる最優先の主要フレーバー以外の、チョコレートに関連した、特異な、消費者に認識され得る、フレーバーを付与する方法であって、チョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含む前記方法。
- 設備利用の最適化、コストの軽減およびレシピの融通性という利点を与える、請求項1〜13のいずれか一項、請求項18または19の方法。
- 設備、プロセス、配合および成分由来と独立に特別の所望の風味を有するチョコレートの利益を提供するためにチョコレート素材に有効量の適切な非ココア/乳製品フレーバー属性を加えることを含むチョコレート製造方法。
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