JP2005506536A - 分子的にインプリントされたポリマー溶液アニオンセンサ - Google Patents
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Abstract
Description
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、1999年4月28日に米国特許商標局に出願された米国出願番号09/300,867号(係属中)の一部係属出願(1998年4月28日に米国特許商標局に出願された先の分割出願米国出願番号60/083,365号の権利を主張する)である。本出願はまた、2001年10月16日に米国特許商標局に出願された先の分割出願米国出願番号60/329,652号の権利を主張する。上記参照出願の各々の開示全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
〔発明の背景〕
(発明の分野)
本発明は、一般に、分析物の存在を検出するための方法および装置における、キレートされたランタニドを含む分子的にインプリントされたポリマーの使用に関する。
【0003】
(関連技術の記載)
分析物(多価アニオン分析物を含む)の効果的かつ正確な検出および定量化のための方法および装置は、広範な適用における使用のために特に興味深い。例えば、このような方法および装置は、環境汚染物質(有機リンベースの農薬を含む)の検出、モニタリング、および管理において有用である。有機リンベースの農薬(パラオクソン、パラチオン、およびジアジノンを含む)は、農業において広範に使用されている。このような物質は、多くの種類の植物および動物に対して相対的に高い毒性を示し、また相対的に高い水溶性を示すので、有機リンベースの農薬は、水生生物および我々の飲料水に対して明らかな脅威を示す。よって、合衆国および州の規定ならびに他の安全性基準との準拠を決定するために、工業排水、農業排水(runoff)および他の環境中の農薬レベルを正確にモニタリングし得ることが必要である。
【0004】
水溶性アニオンの効果的かつ正確な検出はまた、多くの生物医学的適用(分析物に関連する流体中のアニオン性成分を検出することが所望される適用が挙げられる)において興味深い。例えば、血中ホスフェート増加の検出は、一般にこれらに関連する腎疾患および代謝性骨疾患の処置および/または制御に必要である。腎機能低下は、血中ホスフェート増加を引き起こす。このことは、血清ホスフェートのカルシウムとの結合を増加させ、これにより血清カルシウムレベルを低下させた。続いて、血清カルシウムレベルの減少は、甲状腺ホルモン産生(これは、正常なカルシウムレベルを回復させる目的で骨を溶解する)を刺激する。活性なビタミンDのレベル低下は、骨合成の低下を引き起こす。正常には腎臓で作製されるビタミンDの活性型は、カルシウムおよびリンの吸収を補助し、そして骨形成を促進する。よって、処置されない慢性腎疾患は、必然的に骨疾患を引き起こす。血中ホスフェートレベルをモニタリングすることによって、腎疾患患者は、代謝性骨疾患の進行をより制御することができる。
【0005】
アニオン検出(sensing)のための他の適用としては、環境管理適用および排水管理適用におけるニトレート、ホスフェートなどの検出が挙げられる。例えば、農地(agriculture)から流出したニトレートは、水質に関する問題(特に、子供について)を生じ得、「青色児」症候群を引き起こす。溶解した栄養素(すなわち、ホスフェートおよびニトレート)は、環境汚染を評価するために非常に必要とされている。
【0006】
本出願人らは、多くの分析物検出適用のために、小さなポータブルセンサデバイス(これは、標的分析物に対して相対的に高選択性でありかつ高感度であり、リアルタイムで分析物レベルをモニタリングし得る)の開発が特に興味深いということを、認識した。特定の実施形態において、本出願人らは、低コストの光源および電源を用いて作動するこのようなポータブルセンサがさらに望ましいということを、認識した。
【0007】
不運にも、物理的、化学的および生物学的な検出アプローチに基づいて種々の技術が研究されたが、分析物のリアルタイムモニタリング/検出を行なう能力を備える簡便な低コストでポータブルなセンサは、ほとんどなかった。例えば、特定のガス種のあいまいな検出および定量化は、通常、複合体および高価なデバイス(例えば、水素炎イオン化または質量分析器のいずれかによる検出を用いるガスクロマトグラフィー)を用いる別々のサンプリング工程および分析工程を包含する。使用される技術(例えば、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC))の多くは、大きい(ポータブルではない)か、高価であるか、または訓練を要するかであり、しばしば、高価な分析手順は、これらの技術をリアルタイム流体分析のために好ましくなくさせる。
【0008】
さらに、水性分析物の検出のための簡便な光センサは、典型的には、分析物の存在に応じた屈折指数の小さな変化に依存する。一般に使用される簡便な光センサは、プラナー導波管、光ファイバー、金属プリズム、および回折格子を備える。これらの方法および他の慣用的な方法は、典型的には、実施するために24時間まで要し得る高価な分析手順を必要とする。これらの技術の全てはある程度の感度を有するが、これらは、特異性、迅速な検出、リアルタイム分析、操作容易性、低コスト、およびポータブル性を欠く。
【0009】
慣用的な検出方法および検出装置に関連するこれらおよび他の不利益ならびにこれらおよび他の欠点を認識して、本出願人らは、本発明を開発した。
【0010】
〔発明の要旨〕
本発明は、相対的に高度な選択性および感度を有する、種々の分析物(特に、多価アニオン性分析物)を検出し得る光センサを提供することによって前述の不利益を克服し、そしてまた、リアルタイム分析、操作容易性、低コスト、およびポータブル性の利益を提供する。本出願人らは、広範な分析物のいずれかを検出するために設計された光センサにおける優れた利点のために、キレートされたランタニドを含有する分子的にインプリントされたポリマー(MIP)が使用され得ることを見出した。特に、本出願人らは、本発明のランタニド含有MIPが、広範な標的分析物に対して選択的な結合特性を示し、よって、慣用的な光センサよりも相対的に高度な選択性および感度を有し、より短い時間で、偽陽性をほとんど伴わずに、このような標的分析物の検出を可能にすることを見出した。さらに、本出願人らは、本発明のMIP内に埋め込まれたキレートされたランタニドを感受性にして、低コストの光源および電源(例えば、光発光ダイオード(LED))によって提供される励起エネルギーを吸収し得、次いで分析物の検出を可能にするように発光し得ることを、見出した。よって、本発明のセンサは、低コストでポータブルであり、さらに高効率の分析物センサである傾向がある。
【0011】
本発明の1つの局面に従って、標的分析物を検出するためのセンサデバイスが提供される。特定の好ましい実施形態において、本発明のセンサデバイスは、検出されるべき分析物を結合し得るキレートされたランタニドを含む分子的にインプリントされたポリマーを含み、以下を作動可能に結合して内部に有する:この分子的にインプリントされたポリマーのキレートされたランタニドについての励起エネルギーを生成するための光源(ここで、この励起エネルギーの少なくとも一部は、分子的にインプリントされたポリマーに吸収される);および、励起の際にこのキレートされたランタニドによって生成された発光エネルギーを検出するための検出器。
【0012】
本発明の別の局面に従って、以下の工程を包含する分子的にインプリントされたポリマーを作製する方法が提供される:キレートされたランタニド分析物−複合体を産生するために効果的な条件下で、ランタニド塩を、1つ以上の重合可能な/ランタニドが配位するリガンド化合物および多価アニオン分析物標的分析物と混合する工程;上記ランタニド−分析物複合体を、1つ以上の架橋性モノマーおよび1つ以上のマトリクスモノマーと共重合してポリマー構造を形成する工程;ならびに、上記ポリマー構造から上記多価アニオンを除去してMIPを形成する工程。
【0013】
〔詳細な説明〕
本発明は、種々の分析物を検出するために、キレートされたランタニドを含有する分子的にインプリントされたポリマーを光源および検出器とあわせて使用する、相対的に高度の選択性および感度を有する光センサを提供する。
【0014】
本明細書中で使用される場合、用語「分子的にインプリントされたポリマー」または「MIP」は、一般に、1つ以上の予め組織化された認識部位を有するポリマー性の鋳型様構造をいう。これは、標的(すなわち、インプリント分子)の少なくとも一部の形状を補充し、そして標的(すなわち、インプリント分子)上の結合部位の少なくとも一部の空間を補充しかつ当該結合部位の少なくとも一部に対する親和性を示す相互作用性部分を含む。当業者によって認識されるように、MIPは、典型的には、インプリント分子を1つ以上の官能性モノマーと配位させてインプリント/モノマー複合体を形成することによって形成される(ここで、このインプリント分子は、共有結合、イオン結合、疎水性結合、水素結合、または他の相互作用を介して、この官能性モノマーの相補部分と相互作用または結合する)。次いで、このモノマー/インプリント複合体は、高度に架橋したポリマーマトリクスへと重合され、このインプリント分子は、続いて、この官能性モノマーから解離され、このポリマーマトリクスから除去されて窪み(すなわち、認識部位)を残す。この窪みはこのインプリント分子に相対的に特異的な形状であり、そしてこのインプリント分子と化学的に再度結合する能力を有する相補部分を含有する。図2は、インプリント複合体を形成するためのインプリントの自己会合(1、2);このインプリント複合体のポリマーマトリクスへの組み込み(3);インプリント分子の除去;および、インプリントされた窪みの形成(5)を示す、分子インプリンティングの1方法の概略図である。
【0015】
MIP中に形成された窪みの形状特異性と、標的分子に対するMIP窪みに関連する部分の親和性との組合わせは、インプリント物質に対する選択的結合特性を示すポリマーを生じる。用語「選択的結合特性」および「選択的結合相互作用」は、他のインプリントされていない分子と比較して、インプリントされたポリマーによって示されるそのインプリント分子に対する差別的かつ可逆的な結合をいうことが意図される。選択的結合は、インプリントされたポリマーのその鋳型分子に対する親和性および特異性の両方を包含する。
【0016】
特定の実施形態に従って、本発明のMIPは、本発明のセンサデバイスによって検出されるべき分析物(「標的分析物」)に対する選択的結合特性を示すランタニド含有ポリマー構造を含む。本出願人らは、このようなMIPを光センサデバイスの一部としてこのセンサによる標的分析物の検出のために有利に使用して、標的分析物分子とMIPランタニド結合部位との結合によってこのような分子を分析物溶液から選択的に捕捉し得ることを、認識した。本発明のMIPは、標的分析物を選択的に再度結合するための部位を提供するだけでなく、分析物溶液中の標的分析物の量を決定するために分析され得る発光供給源として作用する。本発明のキレートされたランタニドは、種々の光源(低コストLEDを含む)からの光エネルギー(電磁スペクトルの青色領域中の光を含む)を吸収するように、そして増強した検出可能な強度を有して発光するように、感光され得る。標的分子は本発明のMIP中のランタニドと結合するので、特定の発光線の強度は、ポリマーに結合したアニオンの量に伴って変化する(ここで、MIPに結合した量は、溶液中の量と等価である)。このような特徴的な発光は、本発明に従って溶液中の標的分析物の量を決定するために検出および分析され得る。
【0017】
本発明の原理に従うMIPは、以下に記載される方法を含む広範な既知の方法のいずれかを介して調製され得る:米国特許第5,110,833号;同第5,321,102号;同第5,372,719号;同第5,310,648号;同第5,208,155号;同第5,015,576号;同第4,935,365号;同第4,960,762号;同第4,532,232号;同第4,415,655号;および同第4,406,792号(これらの開示全体が本明細書中に参考として援用される)。一般に、本発明のMIPは、以下によって形成される:キレートされたランタニド分析物−複合体を産生するに効果的な条件下で、ランタニド塩を、1つ以上の重合可能なリガンド化合物および標的分析物と混合すること;上記ランタニド−分析物複合体を、1つ以上の架橋性モノマーおよび必要に応じて1つ以上のマトリクスモノマーと共重合してポリマー構造を形成すること;ならびに、上記ポリマー構造から上記インプリント分子を除去してMIPを形成すること。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「キレートされたランタニド分析物−複合体」は、一般に、1つ以上の重合可能なリガンドを内に結合して有するランタニドイオンを含有する複合体をいい、ここで、このキレートされたランタニドは、標的分析物に化学的に結合される。本明細書中で使用される場合、用語「化学的に結合される(結合された)」は、一般に、共有結合、イオン結合、疎水性結合、立体的結合、静電結合、水素結合、または他の結合相互作用を介して結合される任意の2つの部分をいう。特定の実施形態に従って、適切なキレートされたランタニド分析物−複合体は、本発明に従って、化学量論的な量のランタニド金属塩を1つ以上の複合体化リガンドと水溶液中で混合し、そしてほぼ乾燥するまで蒸散させることによって作製され得る。ランタニド金属、リガンドおよび標的分析物の化学量論的な比での水またはアルコール/水混合物(乾燥するまで蒸散させた)は、所望のキレートされたランタニド分析物−複合体のほぼ定量的収量を得るために好ましい。
【0019】
本発明において、ランタニドは、トランスデューサとして選択される。なぜなら、ランタニドイオンは、優れた分光特性(例えば、長い発光寿命および狭い波長(通常、たった数nm))を有するからである。ランタニドイオンを形成するために溶液中に溶解し得る広範なランタニド金属塩のいずれか、およびそれらの2つ以上の組合わせは、本発明における用途に適切である。適切なランタニド塩の例としては、以下が挙げられる:ランタン(La)、セシウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、およびルテチウム(Lu)のハライド、ニトレート、ペルクロレートなど。狭いラインの発光を示すランタニドイオンの好ましいランタニド塩としては、サマリウム、ユウロピウム、ジスプロシウム、テルビウムおよびネオジムの+3イオンの塩が挙げられる。特に好ましい実施形態において、ランタニド塩は、ユウロピウムおよびテルビウムの+3イオンの塩である。
【0020】
本発明のランタニドと配位し得かつこのランタニドにキレートされるが1つ以上の他の重合可能なモノマーと重合し得る任意の適切な複合体化リガンド化合物が、本発明において使用され得る。適切な複合体化リガンドモノマーの例としては、以下のような窒素含有、水酸基含有、酸含有、および/またはエステル含有の有機化合物を含む広範なモノデンテートリガンドおよびジデンテートリガンドが挙げられる:β−ジケトン(ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタンなどを含む);フェナントロリン(ビニル置換1,10−フェナントロリンなどを含む);一酸、二酸および三酸ならびにモノエステル、ジエステルおよびトリエステル(4−ビニル安息香酸、メチル−3,5−ジビニルベンゾエートなどを含む);オキシム(4−ビニル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(ビニルサリチルアルドオキシム)などを含む);2−ヒドロキシ−1,2−ジ−4−ビニルフェニルエタノン(ベンゾインオキシムビニル誘導体)など;ポリアミノポリカルボン酸(EDTAなどを含む);(ポリ)ピリジン;カリックスアレーン;これらの2つ以上の混合物;など。本発明における用途に適切なリガンドモノマーの他の例としては、Jenkins,A.ら、「Ultratrace Determination of Selected Lanthanides by Luminescence Enhancement」、Anal.Chem.,68(17):2974−2980(1996)(この開示全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるものが挙げられる。特定の好ましい複合体化リガンド化合物としては、以下が挙げられる:ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、4−ビニル安息香酸、メチル−3,5−ジビニルベンゾエート、4−ビニル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、2−ヒドロキシ−1,2−ジ−4−ビニルフェニルエタノン(ベンゾインオキシムビニル誘導体)、およびこれらの2つ以上の混合物。
【0021】
本発明の任意の所定の適用に使用される複合体化リガンドの特定の組合わせおよびその相対的な量は、多くの因子(使用されるランタニドイオン、そこに結合される標的分析物(特に、存在するならば、そこに結合したアニオン性電荷)、およびセンサデバイスに使用される光源を含む)に依存して変化し得る。上記したように、本発明に従う任意の特定の適用に適切なキレートされたランタニドモノマーは、(存在するならば)標的分析物上の電荷を相補する電荷を有するはずであり、その結果、キレートされたランタニドは、標的分析物と結合し得る。特に、ランタニドモノマーおよび標的分析物は、重合が進行する間の解離に耐えるが、標的分析物が除去される場合、その後標的分析物を放出して適切なセットのキレートされたランタニド結合部位を残す結合を形成することが、好ましい。例えば、ランタニドイオンがユウロピウム3+でありかつ標的分析物が多価アニオンである特定の実施形態において、約3モルのリガンド(4−ビニル安息香酸、メチル−3,5−ジビニルベンゾエート、4−ビニル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、2−ヒドロキシ−1,2−ジ−4−ビニルフェニルエタノン(ベンゾインオキシムビニル誘導体)、ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される)対1モルのユウロピウムイオンおよび1モルの標的分析物を使用することが、好ましい。図3は、このようなキレートされたランタニド分析物−複合体の例を示す。
【0022】
さらに、好ましい実施形態において、ランタニドの発光強度を増強するために、複合体化リガンドが選択される。特定の好ましい実施形態において、ランタニドが感光されることが特に好ましく、その結果、キレートされたランタニドがMIP中に組み込まれる場合に、低コストの光源(例えば、LED)は、ランタニドを発光させるために使用され、次いで、低い検出限界を有する標的分析物分析手段を提供する。認識されるように、選択されたリガンドがランタニドの3連状態を重複することが望ましい。例えば、ランタニドイオンがユウロピウム3+でありかつ標的分析物が多価アニオン(有機リン、ニトレート、ペルクロレートなどを含む)である特定の好ましい実施形態において、約3モルのリガンド(ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される)対1モルのユウロピウムイオンおよび1モルの標的分析物を使用することが、好ましい。図4は、このような好ましいキレートされたランタニド分析物−複合体の例を示す。
【0023】
本明細書中の開示の観点から、当業者は、本発明に従って、過度の実験を要することなく広範な適用における用途に適切なキレートされたランタニド分析物−複合体を容易に産生し得る。
【0024】
本発明の特定の実施形態に従って、重合工程は、キレートされたランタニド分析物−複合体を、1つ以上の架橋性モノマーおよび必要に応じて1つ以上のさらなるマトリクスモノマーと共重合してポリマー構造を形成することを包含する。広範な架橋性モノマーのいずれかは、本発明に従って使用され得る。MIPに堅さを付与する適切な架橋性モノマー/架橋剤は、当該分野において公知であり、以下が挙げられる:二官能性、三官能性もしくは四官能性のアクリレート、または二官能性、三官能性もしくは四官能性のメタクリレート、ジビニルベンゼン(DVB)、アルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールのグリコールジアクリレート、ならびにアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールのグメタクリレート(エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)およびエチレングリコールジアクリレート、ビニルもしくはアリルのアクリレートまたはビニルもしくはアリルのメタクリレートを含む)、ジビニルベンゼン、ジアリルジグリコールジカルボネート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、ビニルエステル(例えば、ジビニルオキザレート、ジビニルマロネート(malohate)、ジビニルスクシネート、トリアリルイソシアネート(isocyanurate))、ビス−フェノールAもしくはエトキシ化ビスフェノールAのジメタクリレートまたはビス−フェノールAもしくはエトキシ化ビスフェノールAのジアクリレート、メチレンもしくはポリメチレンのビスアクリルアミドまたはメチレンもしくはポリメチレンのビスメタクリルアミド(ヘキサメチレンビスアクリルアミドまたはヘキサメチレンビスメタクリレートを含む)、ジ(アルケン)アミン、トリメチロイルプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリアリルメラミン、2−イソシアナトエチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルアクリレート、3−イソシアナトプロピルアクリレート、1−メチル:L−2−イソシアナトエチルメタクリレート、1,1−ジメチル−2イソシアナトエチルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートなど。
【0025】
重合の際にインプリント分子の正確なインプリントを提供する任意の適切なモノマーは、本発明の原理に従うMIPを合成するために、架橋性モノマーおよびキレートされたランタニド分析物−複合体に加えて、必要に応じて使用され得る。適切なモノマーの例としては、キレートされたランタニド分析物−複合体を形成するために上記された複合体化リガンドモノマーのいずれかが挙げられる。本発明のMIPを調製するために使用され得るさらに適切なモノマーの非限定的な例としては、以下が挙げられる:メチルメタクリレート、他のアルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アリルアクリレートまたはアリールアクリレートおよびアリルメタクリレートまたはアリールメタクリレート、シアノアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエステル(酢酸ビニル、塩化ビニル、メチルビニルケトン、塩化ビニリデンを含む)、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−アセタミドアクリル酸;2−(アセトキシアセトキシ)エチルメタクリレート1−アセトキシ−1,3−ブタジエン;2−アセトキシ−3−ブテンニトリル;4−アセトキシスチレン;アクロレイン;アクロレインジエチルアセタール;アクロレインジメチルアセタール;アクリルアミド;2−アクリルアミドグリコール酸;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸;アクリル酸;無水アクリル酸;アクリロニトリル;アクリロイルクロリド;(R)−α−アクリロキシ−β,β’−ジメチル−g−ブチロラクトン;N−アクリロキシスクシミニドN−アクリロキシトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;N−アクリロイルクロリド;N−アクリロイルピノリジノン;N−アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;2−アミノエチルメタクリレート;N−(3アミノプロピル)メタクリルアミド;(o、mまたはp)−アミノ−スチレン;t−アミルメタクリレート;2−(1アジリジニル)エチルメタクリレート;2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン);2,2’−アゾビスイソブチロニトリル;4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸);1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル);2,2’−アゾビス−(2,4ジメチルバレロニトリル);4−ベンジルオキシ−3−メトキシスチレン;2−ブロモアクリル酸;4−ブロモ−1−ブテン;3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロパン;6−ブロモ−1−ヘキセン;3−ブロモ−2−メタクリロニトリル;2−(ブロモメチル)アクリル酸;8−ブロモ−1−オクテン;5−ブロモ−1−ペンテン;シス−1−ブロモ−1−プロパン;β−ブロモスチレン;p−ブロモスチレン;ブロモトリフルオロエチレン;(t)−3−ブテン−2−オル;1,3−ブタジエン;1,3−ブタジエン−1,4−ジカルボン酸;3−ブテナルジエチルアセタール;1−ブテン;3ブテン−2−オル;3−ブテニルクロロホルメート;2−ブチルアクロレイン;N−t−ブチルアクリルアミド;ブチルアクリレート;ブチルメタクリレート;(o,m,p)−ブロモスチレン;t−ブチルアクリレート;(R)−カルボン;(S)−カルボン;(−)−酢酸カルビル;シス−3−クロロアクリル酸;2−クロロアクリロニトリル;2−クロロエチルビニルエーテル;2クロロメチル−3−トリメチルシリル−1−プロペン;3−クロロ−1−ブテン;3−クロロ−2−クロロメチル−1プロペン;3−クロロ−2−メチルプロペン;2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1−ジクロロエチレン;3クロロ−1−フェニル−1−プロペン;m−クロロスチレン;o−クロロスチレン;p−クロロスチレン;1シアノ酢酸ビニル;1−シクロプロピル−1−(トリメチルシロキシ)エチレン;2,3−ジクロロ−1−プロペン;2,6−ジクロロスチレン;1,3−ジクロロプロペン;2,4−ジエチル−2,6−ヘプタジエナール;1,9−デカジエン;1−デセン;1,2−ジブロモエチレン;1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレン;1,1−ジクロロプロペン;2,6ジフルオロスチレン;ジヒドロカルビオール;(±)−ジヒドロカルボン;(−)−ジヒドロカルビル酢酸;3,3ジメチルアクリルアルデヒド;N,N’−ジメチルアクリルアミド;3,3−ジメチルアクリル酸;3,3ジメチルアクリロイルクロリド;2,3−ジメチル−1−ブテン;3,3−ジメチル−1−ブテン;2−ジメチルアミノエチルメタクリレート;2,4−ジメチル−2,6−ヘプタジエン−1−オル;2,4−ジメチル−2,6−ヘプタジエナール;2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン;2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン;2,2−ジメチル−4−ペンテナール;2,4−ジメチルスチレン;2,5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチルスチレン;ジビニルベンゼン;1,3ジビニルテトラメチルジシロキサン;8,13−ジビニル−3,7,12,17−テトラメチル−21H,23H−ポルフィン;8,13−ジビニル−3,7,12,17−テトラメチル−21H,23H−プロピオン酸;8,13−ジビニル−3,7,12,17−テトラメチル−21H,23H−プロピオン酸二ナトリウム塩;3,9−ジビニル−2,4,8,10テトラオラスピロ[5,5]ウンデカン;二塩化スズジビニル;1−ドデセン;3,4−エポキシ−1−ブテン;2−エチルアクロレイン;エチルアクリレート;2−エチル−1−ブテン;(±)−2−エチルヘキシルアクリレート;(±)−2−エチルヘキシルメタクリレート;2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールトリアクリレート;2−エチル(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールトリメタクリレート;エチルメタクリレート;エチルビニルエーテル;エチルビニルケトン;エチルビニルスルホン;(1−エチルビニル)スズトリブチル;m−フルオロスチレン;oフルオロスチレン;p−フルオロスチレン;グリコールメタクリレート(ヒドロキシエチルメタクリレート);GAGMA;1,6−ヘプタジエン;1,6−ヘプタジエン酸;1,6−ヘプタジエン−4−オル;1−ヘプテン;1−ヘキセン−3−オル;1−ヘキセン;ヘキサフルオロプロペン;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;1−ヘキサデカン;1,5−ヘキサジエン−3,4ジオール;1,4−ヘキサジエン;1,5−ヘキサジエン−3−オル;1,3,5−ヘキサトリエン;5−ヘキセン−1,2−ジオール;5−ヘキセン−1−オル;ヒドロキシプロピルアクリレート;3−ヒドロキシ−3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン;イソアミルメタクリレート;イソブチルメタクリレート;イソプレン;2−イソプロペニルアニリン;イソプロペニルクロロホルメート;4,4’−イソプロピリジンジメタクリレート;3−イソプロピル−a−a−ジメチルベンゼンイソシアネート;イソプレゴール;イタコン酸;イタノナリル(itaconalyl)クロリド;リード(11)アクリレート;(t)−:リナロオール;酢酸リナリル;p−メンタ(mentha)−1,8−ジエン;p−メンタ−6,8−ジエン−2−オル;メチレンアミノアセトニトリル;メタクロレイン;[3−(メタクリロイルアミノ)−プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド;メタクリルアミド;メタクリル酸;無水メタクリル酸;メタクリロニトリル;メタクリロイルクロリド;2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート;(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン;2−(メタクリルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート;2−メトキシプロペン(イソプロペニルメチルエーテル);メチル−2−(ブロモメチル)アクリレート;5−メチル−5−ヘキセン−2−オン;メチルメタクリレート;N,N−メチレンビスアクリルアミド;2−メチレングルタロニトリル(glutaronitrite);2−メチレン−1,3−プロパンジオール;3−メチル−1,2−ブタジエン;2−メチル−1−ブテン;3−メチル−1ブテン;3−メチル−1−ブテン−1−オル;2−メチル−1−ブテン−3−エン;2−メチル−1,5−ヘプタジエン;2−メチル−1−ヘプテン;2−メチル−1−ヘキセン;3−メチル−1−3−ペンタジエン;2−メチル−1,4−ペンタジエン;(±)−3−メチル−1−ペンテン;(±)−4−メチル−1−ペンテン;(±)−3−メチル−1−ペンテン−3−オル;2−メチル−1−ペンテン;α−メチルスチレン;t−a−メチルスチレン;t−β−メチルスチレン;3−メチルスチレン;メチルビニルエーテル;メチルビニルケトン;メチル−2−ビニルオキシラン;4メチルスチレン;メチルビニルスルホン(sulfonee);4−メチル5−ビニルチアゾール;ミルセン;t−β−ニトロスチレン;3−ニトロスチレン;1−ノナデセン;1,8−ノナジエン;1−オクタデセン;1,7−オクタジエン;7オクテン−1,2−ジオール;1−オクテン;1−オクテン−3−オル;1−ペンタデセン;1−ペンテン;1−ペンテン−3−オル;t−2,4ペンテノン酸;1,3−ペンタジエン;1,4−ペンタジエン;1,4−ペンタジエン−3−オル;4−ペンテン−1−オル;4ペンテン−2−オル;4−フェニル−1−ブテン;フェニルビニルスルフィド;フェニルビニルスルホネート;2−プロペン−1スルホン酸ナトリウム塩;フェニルビニルスルホキシド;1−フェニル−1−(トリメチルシロキシ)エチレン;プロペン;サフロール;スチレン(ビニルベンゼン);4−スチレンスルホン酸ナトリウム塩;スチレンスルホニルクロリド;3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩;3−スルホプロピルメタクリレートナトリウム塩;テトラクロロエチレン;テトラシアノエチレン;テトラメチルジビニルシロキサン;トランス3クロロアクリル酸;2−トリフルオロメチルプロペン;2−(トリフルオロメチル)プロペン酸;2,4,4’トリメチル−1−ペンテン;3,5−ビス(トリフルオロメチル)スチレン;2,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3ブタジエン;1−ウンデセン;ビニルアセテート;酢酸ビニル;4−ビニルアニソール;9−ビニルアントラセン;ビニルビヘネート(behenate);ビニルベンゾエート;ビニルベンジル酢酸;ビニルベンジルアルコール;3−ビニルベンジルクロリド;3−(ビニルベンジル)−2−クロロエチルスルホン;4−(ビニルベンジル)−2−クロロエチルスルホン;N−(p−ビニルベンジル)−N,N’−ジメチルアミン;4−ビニルビフェニル(4−フェニルスチレン);ビニルブロミド;2−ビニルブタン;ビニルブチルエーテル;9−ビニルカルバゾール;ビニルカルビノール;ビニルセチルエーテル;ビニルクロロ酢酸;ビニルクロロホルメート(fonnate);ビニルクロタノエート(crotanoate);ビニルシクロヘキサン;4ビニル−1−シクロヘキセン;4−ビニルシクロヘキセンジオキシド;ビニルシクロペンテン;ビニルジメチルクロロシラン;ビニルジメチルエトキシシラン;ビニルジフェニルホスフィン;ビニル2−エチルヘキサノエート;ビニル2−エチルヘキシルエーテル;ビニルエーテルケトン;ビニルエチレン;ビニルエチレン鉄トリカルボニル;ビニルフェロセン;ビニルホルメート;ビニルヘキサデシルエーテル;ビニリデンフルオリド;1ビニルイミダゾール(imidizole);ヨウ化ビニル;ビニルラウレート;ビニルマグネシウムブロミド;ビニルメシチレン;ビニル2−メトキシエチルエーテル;ビニルメチルジクロロシラン;ビニルメチルエーテル;ビニルメチルケトン;2−ビニルナフタレン;5−ビニル−2−ノルボメン(norbomene);ビニルペラルゴネート;フェニル酢酸ビニル;ホスホン酸ビニル,ビス(2−クロロエチル)エステル;ビニルプロピオネート;4−ビニルピリジン;2−ビニルピリジン;1−ビニル−2−ピロリジノン;2−ビニルキノリン;1−ビニルシラトラン;ビニルスルホン;ビニルスルホン(ジビニルスルホン);スルホン酸ビニルナトリウム塩;o−ビニルトルエン;pビニルトルエン;ビニルトリアセトキシシラン;ビニルトリブチルスズ;ビニルトリクロリド;ビニルトリクロロシラン;ビニルトリクロロシラン(トリクロロビニルシラン);ビニルトリエトキシシラン;ビニルトリエチルシラン;ビニルトリフルオロ酢酸;ビニルトリメトキシシラン;ビニルトリメチルノニルエーテル;ビニルトリメチルシラン;ビニルトリフェニルホスホニウムブロミド(トリフェニルビニルホスホニウムブロミド);ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン;ビニル2−バレレートなど。アクリレート末端化した(さもなくば不飽和の)ウレタン、カルボネート、およびエポキシはまた、MIPに使用され得る。不飽和カルボネートの例は、アリルジグリコールカルボネート(CR−39)である。不飽和エポキシとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルおよび1,2−エポキシ−3−アリルプロパンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0026】
マトリクスモノマーの好ましい例としては、スチレン、またはスチレン誘導体(特に、光学アンテナとして機能し得るもの)が挙げられる。
【0027】
単純なモノマー対適切な強度のポリマー性構造を提供する架橋性モノマーの任意の比を使用して、本発明に従うMIPを産生し得る。本明細書中の開示の観点から、当業者は、過度の実験を要することなく、所望の構造的強度を提供するために適切なモノマー比を容易に選択して本発明に従うMIPを産生することができる。
【0028】
キレートされたランタニド分析物−複合体を解離させることなく、本発明のモノマーを重合させてMIPを産生させるために効果的な任意の適切な条件が、使用され得る。本発明のモノマーは、カチオン性重合、アニオン性重合、遊離基重合などを介して重合され得る。好ましい実施形態において、遊離基重合が使用される。
【0029】
当業者に既知の任意のUV遊離基開始剤または熱遊離基開始剤が、好ましい遊離基重合において使用され得る。UV遊離基開始剤または熱遊離基開始剤の例としては、以下が挙げられる:ベンゾイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、t−過酢酸ブチル、クミル(cumyl)ペルオキシド、t−ブチルペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド、ビス(イソプロピル)ペルオキシ−ジカルボネート、ベンゾインメチルエーテル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、三級ブチルペルオクタネート(peroctoate)、フタル酸ペルオキシド、ジメトキシアセトフェノン、三級ブチルペルオキシピバレート、ジエトキシアセトフェノン、I−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、フェノチアジン、およびジイソプロピルキサントゲンジスルフィド。
【0030】
重合が完了したとき、架橋したポリマーは、任意の未反応のランタニド−分析物複合体を除去するために、洗浄され得、均質な微細粉末に低温で砕かれ得、および/または非極性溶媒を用いて大規模に溶出され得る。液体窒素中での破砕および/または凍結の工程を使用して、表面領域を最大化して種々の試薬およびサンプルの接近を可能にし得る。凍結は、ポリマーを破砕するに十分もろくし得、そして摩擦熱によるポリマーの変形を防ぐ。光センサの構成に使用されるポリマーは、光ファイバーの遠位端にてインサイチュで調製され得る。この光ファイバーの表面は、その表面上に重合可能な因子を結合させることによって調製される。
【0031】
重合後、インプリント分子は、インプリントされた窪みを不利に影響しない様式で除去され得る。インプリント分子が官能性モノマーに共有結合している実施形態において、任意の適切な方法を使用して、共有結合を切断し得るが、形成した共有結合は、好ましくは、MIPが形成した後にインプリント分子を放出するに適切な条件下で、MIPの選択的結合特性を不利に影響することなく切断されるべきである。このことを達成するために、アセトンまたは他の適切な有機溶媒を使用して、生じたポリマーを膨張させ得、配位した金属イオンにより接近することを可能にする。なぜなら、インプリントされた樹脂は、相対的に少量の官能化を有し、そして本質的には非イオン性マトリクスである。インプリント分子を放出するために切断される共有結合は、必要に応じて、このインプリント分子の設計およびインプリンティングのためにさらなる極性部位またはイオン性部位を提供する。標的分析物が非共有結合様式でランタニドと結合した好ましい実施形態において、この非共有結合分析物は、重合後に単にろ過されるかまたは洗浄される。例えば、有機リン化合物をインプリントされた樹脂について、未反応モノマーの除去に続いて、1Nの酸水溶液が、一連の洗浄の各々において酸性水相を増加させることなくアセトン洗浄液中に混合されて、窪みからインプリント分子を除去し得る。特定の好ましい実施形態において、約4.5以下のpHを有する酸性溶媒が使用される。特定の他の好ましい実施形態において、樹脂質量作用を使用して、適切なpHで容易に交換可能なアニオンを含有する溶液中にこのポリマーを浸すことによって、標的アニオンをこの容易に交換可能なアニオンと置換する。
【0032】
特定の実施形態に従って、本発明のMIPは、標的分析物を検出するための光センサデバイスを形成するために、光源および検出器とあわせて使用される。
【0033】
本明細書中で使用される場合、用語「光」は、光学的な放射(紫外光、可視光または赤外光のいずれか)をいう。光源の適切な非限定的な例としては、アルゴンレーザ、青色レーザ、波長可変レーザ、光発光ダイオード(LED)、およびこれらの2つ以上の組合わせなどが挙げられる。
【0034】
広範な適切な検出器のいずれかが、本発明に従って使用され得る。適切な検出器の非限定的な例としては、分光光度計、分光計(ガスまたは質量)、光電子増倍管、CCDカメラを備えた単色光分光器、フィルター、裸眼、これらの2つ以上の組合わせなどが挙げられる。
【0035】
好ましくは、本発明のセンサデバイスは、少なくとも1つの光源および少なくとも1つの検出器をMIPと作動可能に結合することによって産生される。本発明の目的のために、2つの物体は、これらの物体のうち1つによって産生される励起エネルギーまたは発光エネルギーが、もう一方の物体によって吸収または検出され得るような様式で連結または配列される場合に「作動可能に結合される(結合された)」と見なされる。本発明の光源、検出器およびMIPは、光源からの励起エネルギーがMIPに移動されキレートされたランタニドによって吸収されるような任意の様式で作動可能に結合され得、そして励起したランタニドによって産生された発光エネルギーは、検出器に移され、検出器によって検出され得る。さらに、本発明のセンサデバイスの構成要素は、任意の適切な媒体とともに、または任意の適切な媒体(励起エネルギーまたは発光エネルギーは、この媒体中を介して移動され得る)中で連結または配列され得る。適切な媒体の例としては、空気、光デバイス(例えば、フィルムまたはファイバー)、およびこれらの2つ以上の組合わせが挙げられる。
【0036】
特定の好ましい実施形態に従って、光源、MIPおよび検出器は、ファイバー光センサデバイスを提供するために光ファイバーを介して結合される。特定の実施形態において、サンプル中の少なくとも1つの分析物(例えば、有機リン化合物)の存在を検出するためのファイバー光センサデバイスは、本発明に従って、以下を備える:光エネルギーを移動するための近位端および遠位端を有する少なくとも1つの光ファイバー(当該近位端はプローブハウジング内に設置されている);上記光ファイバー手段の遠位端に設置または結合したランタニド−複合体を含む分子的にインプリントされたポリマー(ここで、このランタニド複合体は、上記分析物と化学的に結合し得る);励起エネルギーを生成するための光源(当該光源は、上記励起エネルギーが上記MIPへ上記光ファイバー手段を通過するように、当該光ファイバーと作動可能に結合している);および、上記ランタニド複合体によって生成された発光エネルギーを検出するために、上記光ファイバー手段と作動可能に結合した検出手段。
【0037】
このような好ましい実施形態において、このデバイスは、励起のために調節された光発光ダイオード(LED)および検出のための小さな光センサを使用し得、出力は、マイクロプロセッサ制御された格子型(grated)積算器へ進行する。さらに、多くのセンサが1つの制御系に連結され得るように、光多重スイッチが、この設計内に組み込まれ得、このことは、建造物、地下鉄駅、商店街、空港などにおいて見られるような大きな領域をモニタリングすることを可能にする。
【0038】
使用の際に、存在するならば、標的分析物は、分子的にインプリントされたポリマー中のランタニドに結合し、適切な励起の下で差示的に発光を生じさせる。光源手段からの光は、光ファイバーに沿ってその遠位端まで移動し、この遠位端において、ランタニド−複合体との相互作用によって生じる変化を被る。この変更した光は、その同一のファイバーまたは別のファイバーに沿って検出手段へ戻り、この検出手段は、その戻った光シグナルを解明する。検出は、分析物がランタニド−複合体に結合する場合にランタニドの発光スペクトルにおいて生じる変化に基づく。
【0039】
図1は、本発明の特定の好ましい実施形態に従う例示的なファイバー光ポータブルセンサデバイスを示す。図1中のセンサデバイス10は、センサハウジング12内に設置された近位端と、光ファイバー11の遠位端に設置(接着)された分子的にインプリントされたポリマー13を有する遠位端とを有する光ファイバー11を備える。光源14は、そのスペクトルの青色範囲内の光を放射する青色LEDダイオードである。この光は、二色性のミラー15を介してファイバー11の近位端へと放射され、ここで、この光エネルギーは、MIP13中のキレートされたランタニドへ移動される。このランタニドによって生成される任意の発光は、ファイバー11を介して戻り、そして二色性ミラー15でファイバー17、光ダイオード(photadiode)18および読み出し19を備える検出器16へ反射される。
【0040】
図1に示される例示的デバイスは、検出器および光源のみのための単一のハウジングを備えるが、1つ以上の光源、検出器、および/またはMIPの任意の適切な組合わせが、本発明に従う1つ以上のデバイスハウジング内に収納され得る。
【0041】
特定の実施形態において、センサの遠位端(作業端)は、分析される分析物含有媒体をプローブから分離するために半透膜内に内包され得る。この膜の機能の1つは、可能な限り分析物(すなわち、このプローブに結合し得るサンプル中の成分)を干渉物(すなわち、存在し得るが所望されない化合物(なぜなら、これらは、所望の決定反応の進行を干渉するか、または自身が反応に関与するかのいずれかであり、探し出された成分の反応を競合し、そして測定されるべきシグナルを歪ませるかまたは圧倒するからである))から分離することである。センサプローブが神経系作用物質であるソマンおよびサリンの加水分解産物を検出するために配置される場合、次いで、半透膜が、神経系作用物質であるソマンおよびサリンをそのそれぞれの加水分解産物に加水分解することを触媒するために、アルカリ溶液を含浸され得るか、または不揮発性アルカリ油で被覆され得る。図5は、実施形態に従う例示的なセンサを示す。
【0042】
本発明の光センサデバイスを使用して、広範な種々の分析物のいずれかを検出し得る。特に、本発明のセンサは、多価アニオン分析物の選択的かつ正確な検出における優れた利点のために使用され得る。当業者は、広範な多価アニオンのいずれかを検出するために、光センサが本明細書中の教示に従って設計され得ることを認識するが、本発明のセンサによって検出可能な例示的な多価アニオンの非限定的な列挙としては、以下が挙げられる:有機多価アニオン(例えば、有機リン(サリン、ソマン、タブン、VX、マラチオン、パラチオン、パラオキソン(paraoxon)、ジアジノン、アデニジン三リン酸(ATP)、これらの加水分解産物などを含む));ニトレート、スルフェート、スルファイト、セレネート、他のオキシアニオン(ペルテクニテート、モリブデート、ペルクロレート、ペリオデート、ヒポクロライトなどを含む)。
【実施例】
【0043】
本発明はさらに、以下の、非限定的な実施例に例証される。ベンゾエート、ならびに神経系作用物質ソマンおよびサリンの加水分解産物を検出するためのセンサデバイスを例証するこれらの実施例は、例示の目的のみであって、実施例中に列挙される材料、条件、処理パラメータなどに関して特許請求の範囲を限定しない。
【0044】
実際の化学薬品の戸外での試験が、薬剤がユタ州の不毛の牧草地に不注意にも散布された1960年代後半から禁じられている、ということに注意すべきである。よって、薬剤検出のために設計された例示的なデバイスは、容易に試験され得ないか、または誤検出の可能性を増大させる代用物質に応答するように設計されなければならないかのいずれかであった。この問題を回避するために、以下に記載されるセンサを設計して、ソマンの加水分解産物であるピナコリルメチルホスホネート(PMP)を測定した。このアプローチは、この薬剤の直接検出を可能にする。なぜなら、この薬剤は、水中で迅速に加水分解するからである。加水分解する表面コーティングを含めることは、ガス相検出が要求される場合に使用され得る。このスキームは、これらの毒剤を用いて直接作業することに関する危険および困難性を最小化する。このセンサにおいて使用されるポリマーを、PMPについてインプリントした。なぜなら、この分子の官能性末端に結合したポリマーは、ソマンまたはサリンのいずれかの加水分解産物と同一であるからである。
【0045】
他で示されない限り、試薬材料を、商業的供給業者より得、そしてさらに精製することなく使用した。分析試薬等級の化学薬品を、脱イオン水とともに使用して、溶液を調製した。PMPおよびリン酸ナトリウムを、Aldrich(Aldrich,Milwaukee,WI53233)より得た。PhosdrinおよびDichlorvosの生の液体標準、ならびにMethyl ParathionおよびDimethoateの固体標準を、Supelco(Supelco Chromatography Products,Bellefonte,PA16823)より得た。Malathion、ThionazinおよびDibutyl Chlorendateを、生の液体標準としてRadian(Radian International,Austin,TX78720)より得た。モデル60Xアルゴンイオンレーザ(MWK Industries,Corona,CA)を使用して、発光を励起した。Kestrel Spec Software(K&M Co.,Torrance,CA,USA)を使用する、Model ST−6 CCD(Santa Barbara Instruments Group,Santa Barbara,CA)を備えたf/4、0.5mの単色光分光器(Chromex,Albuquerque,NM)を使用して、スペクトルを収集した。スペクトルをまた、100ミクロンのスリットおよび440nmのカットオフフィルターを永久的に設置した1200の線ホログラフィック回折格子を備えるOcean Optics 52000 Miniature Fiber Optic Spectrometer(Ocean Optics,Dunedin,FL34698)を用いて得た。
【0046】
分子吸収スペクトルを、UV/VIS分光光度計(Beckman Instruments Inc.,Fullerton,CA,USA)を使用して得た。放射寿命および量子効率を、Quanta Master Spectrophosphorimeter(Photon Technologies Inc.,Ontario,Canada)を使用して測定した。、Topcon DS−701二重ステージ走査電子顕微鏡(SEM)(Topcon,Paramus,NJ07652)を使用して,電子顕微鏡写真を得た。Hewlett Packard 4500 Series ICP−MSモデルG1820A(Hewlett Packard,Wihnington,DE19808)を使用して,金属密度を決定した。Igor Pro Software(WaveMetrics Inc.,Lake Oswego,OR97035)を使用して、グラフをプロットし、そしてスペクトルを計算した。
【0047】
(実施例1:化合物調製)
1モルのユウロピウム対1モルのPMPおよび3〜7モルの連結分子の化学量論比を使用して、ランタニド複合体化合物を合成した。(連結する種の数は、9配位Eu3+を獲得するに必要とされるリガンドの数に依存した)。計算した量の各リガンドを、ユウロピウム溶液に添加した。PMPを50/50水−メタノール混合液に添加して、その可溶性を増大させ、次いで、ユウロピウム/リガンド混合物に添加した。生じた溶液を約2時間撹拌し、次いで、放置して溶媒を蒸散させた。PMPのないアナログ化合物もまた合成した。Eu(DVMB)3PMP(NO3)2およびEu(DVMB)3PMP(NO3)3を、上記で詳述した様式で合成した。(ジビニルメチルベンゾエート(DVMB)は、容易に重合するので、使用前に新鮮に調製した)。Shea,K.Jら、Macromolecules,24:1207−1209(1991)。ICP−MS Eu 16.12%(計算値16.36%)を使用して、Eu(DVMB)3PMP(NO3)2の化学量論を確認した。両化合物の低温結晶スペクトルを、465.8nmの励起を使用して575〜700nmで収集した。PMT包含に関連する対称性変化を決定するために、スペクトルを解明した。Eu(DVMB)3PMP(NO3)2およびEu(DVMB)3PMP(NO3)3の寿命および時間分解発光スペクトルを得、そして参照ペルクロレート溶液に関して量子効率を見積もった。Stein,Gら、Chem.Phys.,62(1):208−213(1975)。
【0048】
(実施例2:化合物調製)
1モルのユウロピウム対1モルのベンゾエートアニオン分析物(すなわち、トリエチルアンモニウムベンゾエート(TEAB)またはメチルアンモニウムベンゾエート(MAB))および3モルのβ−ジケトン連結分子の化学量論比を使用して、ランタニド複合体化合物を合成した。安息香酸と一級アミンおよび/または三級アミンとの反応によって、ベンゾエートアニオンを形成させた。(アミンの塩基度は、等級が二桁異なり、このことは、分析物とユウロピウム複合体との相互作用が可逆的であることに一致する)。TEABおよびMABの両方とも、有機溶媒に可溶性であり、このことは、疎水性トリス(β−ジケトン)ユウロピウム複合体を用いる反応を容易にする。MABおよびTEABを、トリス(ビニル−ベンゾイルアセトネート)ユウロピウム(TBAE)およびトリス(1,3−ジフェニルプロパンジオネート)ユウロピウム(DPPE)と反応させて、新たなアニオン性複合体を4つ得た。TEABとトリス(β−ジケトン)ユウロピウム複合体との反応は、即時に進行したが、MABとトリス(β−ジケトン)ユウロピウム複合体との反応は、緩慢であり、そして完了させるために60℃で4時間の加熱を必要とした。4つの複合体全てが、ca.616nmで強い新たなピークを示し、これは、ニュートラルな複合体(より短い波長での3つのピーク)とは顕著に異なる。図10を参照のこと。トリス−キレートと無機ホスフェートとの反応によって、ホスフェートをインプリントする複合体を得た。
【0049】
(実施例3:ポリマー調製)
スチレン性(styrenic)ブロックコポリマーを調製し、そしてポリマーコーティングの調製に最適なモル%の複合体を決定した。1〜5モル%の複合体化合物を94〜98モル%のスチレン中に溶解することによって、ポリマーを調製した。約1モル%のアゾビスイソブチルニトリル(AIBN)を開始剤として、実施例1に記載した混合物に添加した。3モル%の化合物を1〜5モル%の架橋剤(ジビニルベンゼン(DVB))、スチレンおよびAIBNと共に使用して、架橋ポリマーもまた調製した。生じた溶液をガラスバイアル中に置き、窒素でパージし、そしてパラフィンおよびネジ蓋を使用してシールした。生じた半透明なポリマーは淡黄色の色彩を示し、uvランプでの励起の際には、ユウロピウムに特徴的な赤−オレンジ発光を示した。最良の結果は、3m全体から得られ、減衰した分析ピークを有した。5モル%複合体より大きいポリマーを使用しなかった。なぜなら、これらは、不透明であり、光伝達を減少している傾向があるからである。
【0050】
これらのポリマーを、60℃で2〜4時間超音波処理した。(超音波処理は、ポリマーにおける均質性の維持を補助すると考えられている)。Zeng,X.;Murray,G.M.Separation Science and Technology,31:2403−2418(1996)。超音波処理後、部分的に重合した物質を、60℃でオーブン中に置き、一晩硬化させた。生じたブロックコポリマーを砕いて、ポリマー表面積をより大きく露出させ、そしてインプリントしているイオンの除去を容易にする。一旦砕かれると、インプリントイオンを2工程で除去する(Id.):(1)水および漸増量のメタノール中で膨張させて未反応のモノマーを除去しかつポリマーコアを伸長させる工程(Helferich,F.,Ion Exchange;McGraw−Hill:New York,511(1962)(この工程は、接近可能な部位を作製しそしてインプリントしているイオンの除去を容易にする)、および(2)酸洗浄によってインプリントしている分子を除去する工程。酸洗浄(pH約4.5)は、PMPの除去を容易にし、そしてその代わりにわずかに配位したニトレートを残す。
【0051】
ポリマーを膨張させるために最適な条件は、一連のメタノール/水洗浄、その後の希硝酸溶液での洗浄を含む。洗浄したポリマーのスペクトルは、610nmピークがもはや可視的ではないことを示し、このことは、PMPが効果的に除去されたことを実証する。610nmにおける残りの小さなピークを、ポリマーのより深いレベルに捕捉されたいくつかの加水分解産物より生じるいくつかのポリマーにおいて観察した。ポリマーの発光強度全体がまた、洗浄の際に減少する。なぜなら、ニトレートのみがわずかに配位し、おそらく水がランタニドの配位範囲に侵入することを可能にするからである。この洗浄したポリマーを、150ppmのPMP溶液(1M NaOH水溶液中)に曝露してその発光スペクトルを得ることによってPMTを再結合させるその能力について試験した。このスペクトルにおいて、610nmピークを観察した。
【0052】
(実施例4:ファイバー光センサ)
ポリマー性検出素子を遠位端に化学結合して有する400ミクロンの光ファイバー(Thor Labs,Newton,NJ,07860)を備えるファイバー光センサを構築した。このファイバーを、SMAコネクタを用いて一端で終止させ、そして「Thor Labs Guide to Connectorization and Polishing of Optical Fibers」に概説される手順を使用して、その遠位端から被覆加工を除去し、この遠位端を研磨することによって調製した。この先端を、実施例2に記載した化学的に惹起した粘性コポリマー(ファイバー上に均一層を残す)中に浸した。このポリマーは、小さなUVランプ下に一晩置くことによって硬化を終了させた。上記で概説したように接地させたポリマーと同様の様式で、被覆したポリマーを条件付けた。先細のファイバー(空気/アセチレンフレーム中で加熱し、その細長い先端を手動で引くことによって作製した)を使用して、このセンサの最終バージョンを調製した。この先細のファイバーは、わずかな領域をポリマーに結合させる際にさらにより効果的であり、そして非常に改善された結果を与えた。
【0053】
異なる厚さのポリマーコーティングを使用して、応答時間、バックグラウンドシグナルおよびシグナル強度に対するポリマーの厚さの影響を評価した。ファイバーを粘性ポリマー中に浸した時間数によって、厚さを制御した。被覆したファイバーおよび被覆していないファイバーのデジタル画像を、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して得た。これらのファイバーを、予めサンプルを調製することなく低加速電圧で分析した。(低加速電圧を使用して、ファイバー上の人為的結果の変化を最小化した)。これらの画像を、供給業者から入手可能なSM701−APソフトウェアを使用して得た。画像化の間、ポリマーの厚さの測定を行ない(図7)、そして各ディップより得られる厚さの平均を、15gmと20gmとの間であると見積もった。コーティングの厚さの増加が、応答に必要とされる時間およびバックグラウンド中に残る610nmピーク強度を望ましくなく増加させた、ということを観察した。このことは、より薄いコーティングが、ポリマー中でより深くかつ相対的に接近不可能な窪みを有するという事実と一致する。よって、多量のPMPは、ポリマー中に捕捉され続け得、残余ピークを増大させ得る。4つの被覆の厚さ(約60〜80gm)が、このセンサの設計に最適であると決定した。なぜなら、これは、適当な時間(8分未満)以内で80%応答を与えるからである。
【0054】
(実施例5:分析)
実施例3に記載したセンサの校正データについての測定、pH研究、および干渉試験の全てを、同一のファイバーを使用して行なった。0.01M NaOH中での100ppmのPMP標準の段階希釈を使用して、分析的な指数(figure of merit)を得た。
【0055】
アルゴンレーザを使用して、発光を励起し、そしてこのセンサの活性端を、このサンプル希釈の1つを含む石英キュベット中に置いた。2つのアルゴンイオン励起波長(465.8nmおよび488nm)を、このポリマーと共に使用した。465.8nmレーザ線で励起したセンサのスペクトルは、親ユウロピウムの615nm発光ピークから610nm分析物ピークの、よりよいスペクトル分解を示した。465.8nmで励起した化合物の発光もまた、より強かった。この増加は、465.8nm線を使用する励起が、基底7FoレベルからSD2レベルへの近接した(near)共鳴励起移動を生じることを示す。結果として、このセンサの励起波長として465.8nmを選択した。、このセンサが10分間平衡化した後、各濃度でスペクトルを収集した。このセンサを、各濃縮の間に脱イオン水でリンスした。このセンサの可逆性を実証するために、濃度を増加させながら、および濃度を減少させながらの両方で、標準を分析した。校正曲線を得、そして直線回帰を行なった。
【0056】
このセンサの応答および一過性応答のpH依存性を評価した。一連の100ppmのピナコリルメチルホスホネート標準(4.5〜13.0の範囲のpH値を有する)を、ストック標準から1.0M 硝酸または1.0M 水酸化ナトリウムの添加を介して調製した。このセンサを、各溶液を含むキュベット中に置き、そして種々の曝露時間でスペクトルを収集した。各時点でのピーク強度をpHと比較することを通じて、応答を評価した。
【0057】
一連の農薬および殺虫剤の標準をリン酸緩衝化溶液に加えて潜在的な干渉物として試験した。可能な場合、脱イオン水中にサンプルを融解および/または希釈することによって、標準1000ppm溶液を調製した。限られた水溶性を有する農薬を、50:50水/メタノール混合物を使用して調製した。1M 水酸化ナトリウムを使用して、各溶液のpHを12に調整した。各分析物についてファイバーからのスペクトルを、60分間の規則正しい間隔で得た。次いで、生じたスペクトルを、100ppm PMP中のセンサからの応答と比較した。このセンサを、各分析の間に1M 硝酸を使用して清浄にし、脱イオン水でリンスした。
【0058】
Eu(DMMB)3PMP(NO)2は、相対的に容易に認識可能なスペクトル差を示した。図8を参照のこと。この化合物の発光強度は、他の候補のいくつかと同等の大きさではなかったが、加水分解産物を有する化合物と有さない化合物との間の明らかなスペクトル差は、スペクトルに基づく検出を相対的に単純な工程とした。新たなピークが単にEu(PMP)3と複合体との混合の結果ではないことを確認するために、Eu(PMP)3を調製し、そしてその発光スペクトルを生成した。この化合物についてのEu3+の7F2←5D0多様体における610nmでのピークは、明らかにEu(PMP)3のスペクトルにおいて存在しない。Eu(PMP)3は、弱い発光および貧弱な分解を示した。このEu(PMP)3スペクトルは、610nmでのピークが、この化合物への加水分解産物の添加に起因し、不純物に起因するのではない、ということを強く示唆する。
【0059】
化合物中のユウロピウムの部位対称性を決定するために、465.8nm励起を使用して、低温(77K)での発光スペクトルを分析した。このスペクトルの変化を使用して、PMPをニトレートと置換した効果を解明した。構造的な干渉は、ユウロピウムスペクトルの7Fn←5D0(ここで、n=0〜5である)多様体において観察されたスプリットパターンに基づいた。Stump,N.A.ら、Spectroscopy Letters 28:1421(1992)。
【0060】
DMMB化合物に対する寿命決定を行なった。加重回帰を用いて、Eu(DVMB)3PMP(NO3)2およびEu(DVMB)3(NO3)3についての寿命を、それぞれ337.6マイクロ秒および312.5マイクロ秒であると算出した。これらの化合物についての量子効率を、既知の量子効率(1.9%)のユウロピウムペルクロレート化合物を用いて決定した。この決定は、3つの化合物のスペクトルの500〜800nm領域内のピーク面積比に基づいた。PMPを伴う量子効率およびPMPを伴わない量子効率は、それぞれ8.54%および7.76%であった。モル吸光係数は、これらの化合物全てについて同一であった(0.0083L cm−1モル)。ジビニル化合物アナログのスペクトルを試験し、ジメチル複合体と同一のスペクトルを生成することを見出した。目的の610nmバンドの位置は、ビニル置換によって影響されないままであった。
【0061】
1/4メートルの単色光分光器を備えるファイバー光センサの能力を評価した。検出限界を決定するために使用したセンサは、先細の末端を有する400pm光ファイバーから構成される。3モル%のポリマーの50〜75gm層を、その末端に直接配置した。このファイバーを、以前に記載した方法を用いて清浄化した。1mWでの465.8nmの励起、単色光分光器を有する200μmスリット、露光時間5秒を使用して、pH13における一連のPMP溶液中でのセンサの発光スペクトルを得た。漸増濃度のPMTに対するセンサの応答は、本来のユウロピウムバンドの発光強度の増加、および分析物ピークの強度の増加を示す。この発光の増加は、ランタニドの本来の配位スフェアへのPMP産物の再結合、および水の排除を示す。この化合物の特徴について行なった構造的な決定はまた、この結果を支持する。Igor Pro Softwareを使用して分析物の609〜611nmスペクトル領域中に生じたピーク面積を計算し、そして濃度の関数としてプロットした。直接のピーク高より長くより直線的な校正曲線を提供するために、ピーク面積を示した。なぜなら、ランタニドのバンド幅およびピーク高は、濃度の関数として増加するからである。このデータに対する直線回帰分析を行い、750ppqの検出限界を算出した。ベンチトップ装置を備えるセンサについての利点の分析図を、表1に示す。750ppq未満の濃度は、いずれのバンドの強度でも変化がないことを示す。610nmでの残余バンドは、センサを清浄化した後でさえ見え続け、そして適用目的のためにバックグラウンドを差引かれるべきである。残余ピーク、バックグラウンド、またはセンサ間での他のわずかな差異におけるバリエーションは、校正曲線、線形ダイナミックレンジおよび検出限界の全てに対してほとんど影響しないようである。このセンサについて典型的な80%応答時間は、8分未満であった。
【0062】
(実施例6:応答時間およびpH依存性)
センサの応答時間は、リアルタイムモニタリングのための検出器およびセンサに最も重要な特徴である。Yang,Y.C.ら、Chemical Reviews,92:1729−1743(1992)。200ミクロンのコーティングを有するセンサを使用して、応答時間およびPMP溶液(約4.5〜13の範囲のpH値を有して調製した)に対するpH効果を24時間にわたって決定するために、研究を行った。図9は、最初の30分間にわたるセンサの応答を示す。1時間および24時間でのpH値の各々について、さらなる読み取りを得た。(これらの時点では同一値のままであるので、これらを清浄のために排除した)。このセンサは、PMP存在に対する陽性応答を、6〜12のpH値全てについて3分後に、そしてpH13を有する溶液について陽性応答を1分後に示した。低いpH値(6未満)では、このセンサの応答は、センサからPMPの除去を示す。このことは、洗浄工程が酸性条件下で生じることを示す。中性およびわずかに塩基性の値(pH6〜11)は、このpH範囲全体にわたって一定である応答を提供する。このセンサの完全な応答時間は30秒間である。(応答時間は、典型的にはセンサが最大の80%に達するために要する時間として記録された)。報告「Assessment of Chemical and Biological Sensor Technologies」、National Research Council(1984)。pH=12での応答は、より低いpHレベルでの応答より速く、そして最初の濃度範囲にわたってより急激でより直線的な応答を有する。このpHにおいて、このセンサの最大応答時間は15分間である。
【0063】
NaOHでpH約13に調整したPMP溶液を使用して、200ミクロンのコーティングを有するセンサについて最も速い応答時間を得た。このpHを用いて、14分間の最大応答時間を得た。これらの結果は、溶液がより塩基性であるほど、センサの応答時間がより速いということを示す。センサの応答は薬剤の加水分解に基づくので、神経系作用物質の加水分解に使用した強アルカリ溶液はまた、センサの応答時間を向上させる。(pH6より高い溶液全てを、脱イオン水、1M 水酸化ナトリウムおよびPMPを用いて調製した)。
【0064】
センサの応答時間に対するコーティング厚さの効果もまた評価した。図10は、100ミクロン層で被覆したセンサ、および200ミクロン層で被覆したセンサの、pH=13での10ppm PMT溶液に対する応答を示す。以前に示したように、200ミクロンのコーティングを有するファイバーは、14分間以内に最大応答に達する。100ミクロンで被覆したファイバーの80%応答時間は、8分間に減少した。オンラインモニタのために、最初の応答時間は最も重要な要素である。pH=13を使用して、識別可能な応答が1分間以内に生じた。
【0065】
(実施例7:検出に対する検出物の影響)
神経作用物質に化学的に最も類似する化合物は、有機リンの農薬および殺虫剤である。これらの化合物の多くは、周囲温度では液体、油または固体として存在する。各農薬由来の干渉物の程度を決定するために、このセンサを使用して、いくつかの一般的な農薬、ならびに薬剤サリンおよびソマンに最も化学的に類似する農薬を試験した。スクリーニングするために使用した濃度(1000ppm)は、水系(農地(agriculture)近辺からの排水でさえ)に典型的に見出される濃度よりはるかに高い。ノミ取り用の首輪中に見出される農薬ジクロルボスもまた、干渉物の可能性ありとしてスクリーニングされた。
【0066】
各々の農薬およびリン酸ナトリウム溶液を、上記実施例において調製したセンサに1時間曝露し、予定した間隔の間に測定した。どの殺虫剤も、PMPピークの領域内に発光ピークを生成しなかった。選択した農薬(濃度1000ppm)の曝露によってこのセンサを用いて得られたスペクトルを、図11に示す。100ppmの加水分解産物を用いるこのセンサのスペクトルを、比較目的に示す。これらの化学薬品の干渉は、617nmでの主要なユウロピウム発光バンドの強度変化によって示されるように明らかである。神経作用物質に構造的に最も類似するジクロルボスは、621.5nmを中心とする弱いバンドを有してこのセンサに対する応答を示した。この生じたバンドは、センサによるこれらの薬剤の取得または検出を示さない。干渉物として最も可能性の高い化学薬品は偽陽性読取りを生じないので、他のあまり類似しない化合物は、おそらく干渉しないであろう。さらに、スクリーニングした農薬のいずれもがセンサに不可逆的に結合しなかったので、中毒の心配はない。
【0067】
(実施例8:小型化)
Ocean Optics分光計に基づくデバイスは、小規模での薬剤の検出において好ましい感度および選択性を示した。小型分光計を使用して、装置全体が、3.5’×2.5’のボード上に適合する。このデバイスの検出限界を、より大きな系についての検出限界決定に用いた同一の手順を使用して決定した。この系は、1mWで465.8nmのレーザー出力および500マイクロ秒の集積時間を適切に使用して、7×10−18の検出限界を提供する。このデバイスの線形ダイナミックレンジは、75p.mコーティングのファイバーを用いて7pptから1ppmである。より薄いコーティングは再結合に利用可能な部位の数を制限しこれによってダイナミックレンジの上限を制限するが、pH12にて1分間のオーダーで、このセンサについてより速い応答時間を提供する。検出限界の決定のために、3つの平均を使用した。求められる分解能を得るために、SavitzskyGoulay法を用いるシグナル平均および補整を、最低3点の平均に抑えた。このデバイスの利点の図を表1に示す。
本発明の特定の特徴をいくつかの図面に示し他の特徴を示さないが、これは簡便さのためだけであって、本発明に従って各特徴が他の特徴のいずれかまたは全てと組合わされ得る。そのバリエーションが当業者によって容易に認識され得ることは明らかであり、このようなバリエーションはなお、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態に従う光センサの概略図である。
【図2】図2は、本発明の特定の実施形態に従う分子的にインプリントされたポリマーを得るための分子インプリンティングを概略的に示す。
【図3】図3は、本発明の特定の実施形態に従う例示的なキレートされたランタニド分析物−複合体の構造図を示す。
【図4】図4は、本発明の特定の他の実施形態に従う例示的なキレートされたランタニド分析物−複合体の構造図を示す。
【図5】図5は、本発明の特定の好ましい実施形態に従う光センサの概略図である。
【図6】図6は、465.8nmで励起したEu(DMMB)3(NO3)3結晶固体およびEu(DMMB)3PMP(NO3)2結晶固体のレーザ励起された発光スペクトルである。
【図7】図7は、本発明の光センサの時間応答に対するpHの影響を示す。
【図8】図8は、時間応答に対するポリマーコーティングの厚さの影響を示す。
【図9】図9は、465.8nmで励起した選択された干渉物(農薬)に対する本発明の光センサの応答を示す。
【図10】図10は、370nmで励起したEu(ジベンゾイルメタン)3結晶固体およびNaEu(ジベンゾイルメタン)3H2PO4結晶固体のLED励起した発光スペクトルである。
Claims (23)
- 分子的にインプリントされたポリマーを含む分析物を検出するためのセンサデバイスであって、該ポリマーは、検出されるべき該検出物を結合し得るキレートされたランタニドを含み、そして、以下:
該キレートされたランタニドについての励起エネルギーを生成するための光源;および
励起の際に該キレートされたランタニドによって生成される発光エネルギーを検出するための検出器
を作動可能に結合して内部に有する、センサデバイス。 - 上記キレートされたランタニドが、ランタン、セシウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテチウムからなる群より選択されるランタニドから誘導されるランタニドイオンを含む、請求項1に記載のセンサデバイス。
- 上記ランタニドイオンがユウロピウムイオンまたはテルビウムイオンである、請求項2に記載のセンサデバイス。
- 上記ランタニドイオンが+3ユウロピウムイオンである、請求項3に記載のセンサデバイス。
- 上記ランタニドイオンが、4−ビニル安息香酸、メチル−3,5−ジビニルベンゾエート、4−ビニル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、2−ヒドロキシ−1,2−ジ−4−ビニルフェニルエタノン(ベンゾインオキシムビニル誘導体)、ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択されるリガンドの1つ以上の重合した誘導体でキレートされている、請求項3に記載のセンサデバイス。
- 上記ランタニドイオンが、ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択されるリガンドの1つ以上の重合した誘導体でキレートされている、請求項5に記載のセンサデバイス。
- 上記光源が、アルゴンレーザ、青色レーザ、波長可変レーザ、光発光ダイオード、およびこれらの2つ以上の組合わせからなる群より選択される、請求項5に記載のセンサデバイス。
- 上記光源が光発光ダイオードである、請求項7に記載のセンサデバイス。
- 上記検出器が、分光光度計、分光計、光電子増倍管、CCDカメラを備えた単色光分光器、フィルター、裸眼、およびこれらの2つ以上の組合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のセンサデバイス。
- 光エネルギーを移動させるための光ファイバーを少なくとも1つさらに備える請求項1に記載のセンサデバイスであって、該光ファイバーは近位端および遠位端を有し、ここで、上記分子的にインプリントされたポリマーは、該光ファイバーの遠位端上に設置されており、上記光源は、該ファイバーが該光源によって生成される励起エネルギーを該分子的にインプリントされたポリマーに移動し得るように、該光ファイバーと作動可能に結合されており、そして上記検出器は、該検出器が上記キレートされたランタニドからの発光を検出し得るように、該光ファイバーと作動可能に結合されている、センサデバイス。
- 上記キレートされたランタニドが、ランタン、セシウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテチウムからなる群より選択されるランタニドのイオンを含む、請求項10に記載のセンサデバイス。
- 上記ランタニドイオンが+3ユウロピウムイオンである、請求項11に記載のセンサデバイス。
- 上記ランタニドイオンが、ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択されるリガンドの1つ以上の重合した誘導体でキレートされている、請求項12に記載のセンサデバイス。
- 上記光源が光発光ダイオードである、請求項13に記載のセンサデバイス。
- 上記検出器が、分光光度計、分光計、光電子増倍管、CCDカメラを備えた単色光分光器、フィルター、裸眼、およびこれらの2つ以上の組合わせからなる群より選択される、請求項14に記載のセンサデバイス。
- 標的分析物を検出するための方法であって、該方法は、検出されるべき分析物を含む溶液を提供する工程と、該溶液を、請求項1に記載のセンサデバイスの上記分子的にインプリントされたポリマーと接触する工程とを包含する、方法。
- 上記分析物が、上記分子的にインプリントされたポリマー中のキレートされたランタニドに結合されている、請求項16に記載の方法。
- 上記デバイスの上記分子的にインプリントされたポリマーの少なくとも一部が、上記溶液内に浸されている、請求項17に記載の方法。
- 分子的にインプリントされたポリマーを作製する方法であって、該方法は、以下の工程:
キレートされたランタニド分析物−複合体を産生するために効果的な条件下で、ランタニド塩を、1つ以上の重合可能なランタニドが配位するリガンド化合物および多価アニオン標的分析物インプリント分子と混合する工程;
上記ランタニド−分析物複合体を、1つ以上の架橋性モノマーおよび1つ以上のマトリクスモノマーと共重合してポリマー構造を形成する工程;ならびに
上記ポリマー構造から上記インプリント分子を除去してMIPを形成する工程、
を包含する、方法。 - 上記ランタニド塩が、ランタン、セシウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテチウムからなる群より選択されるランタニドの塩である、請求項19に記載の方法。
- 上記重合可能なリガンド化合物が、4−ビニル安息香酸、メチル−3,5−ジビニルベンゾエート、4−ビニル−2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、2−ヒドロキシ−1,2−ジ−4−ビニルフェニルエタノン(ベンゾインオキシムビニル誘導体)、ビニルジベンゾイルメタン、ジビニルジベンゾイルメタン、ビニル置換1,10−フェナントロリン、およびこれらの2つ以上の混合物からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
- 上記多価アニオンが、ニトレート、ペルクロレート、およびホスフェートからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
- 上記マトリクスモノマーが、ジビニルベンゼン、スチレンおよびアゾビシソブチルニトリルからなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
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