JP2018025562A - 化合物の検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品中に微量に混入する農薬などの有害な化合物を簡易的に検出する方法及び検出装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る化合物の検出方法は、被試験物に含まれるリン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物を抽出する抽出工程と、この抽出工程で抽出された上記化合物を、希土類錯体を構成する希土類イオンと接触させることにより上記希土類イオンと反応させる反応工程と、この反応工程における反応により引き起こされる発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状の遷移のいずれかを検出することにより上記化合物を検出する検出工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に食品等に含有される微量の化合物を検出する方法及びその化合物の検出に用いる装置に関する。
従来から、食品の安全性を担保するために、公定法と呼ばれる機器分析による残留農薬検出方法が定められているが、GC−MSのような高度な機器を用いるため検査コストが大きくなり、小規模な団体や個人で活用することは難しい。
これに対して、残留農薬の簡易検査方法として、コリンエステラーゼ活性阻害法やイムノアッセイ法が実用化され、簡易検査市場は急拡大している。しかしながら、コリンエステラーゼ活性阻害法は生体物質による誤検出という問題があり、また、イムノアッセイ法は対象となる農薬の範囲が狭いという課題がある。
一方、希土類錯体を用いる化合物の分析方法、検出方法として、NMRシフト試薬を用いた方法、蛍光標識法が報告されている。しかしながら、NMRシフト試薬は管理にコストがかかるNMR装置が必須であり、また、蛍光標識法に用いられる希土類錯体は、構造が複雑で普及していないのが現状である。
特開2002−020358号公報 特開2004−000213号公報 特開2000−111480号公報
本発明は、例えば食品中に微量に混入する農薬などの有害な化合物を簡易的に検出する方法及びその検出装置を提供することを目的とする。
本実施形態に係る化合物の検出方法は、被試験物に含まれるリン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物を抽出する抽出工程と、この抽出工程で抽出された上記化合物を、希土類錯体を構成する希土類イオンと接触させることにより上記希土類イオンと反応させる反応工程と、この反応工程における反応により引き起こされる発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状の遷移のいずれかを検出することにより上記化合物を検出する検出工程とを有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る化合物の検出方法は、希土類錯体が溶媒に溶解してなる検査液中に被試験物を投入し、上記被試験物に含まれるリン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物を、上記希土類錯体を構成する希土類イオンと接触させることにより上記希土類イオンと反応させる反応工程と、この反応工程における反応により引き起こされる上記希土類錯体の発光強度、発光寿命、又は発光スペクトル形状の遷移のいずれかを検出することにより上記化合物を検出する検出工程を有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る化合物の検出装置は、被試験物に含まれる化合物と接触させた希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状から選択される少なくとも一つの発光物性を検出する検出部と、リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、及び窒素原子の非共有電子対を有する標的化合物の少なくとも一種が1モル当量以上配位した上記希土類錯体の上記発光物性を予め記憶させた記憶部と、上記検出部による検出情報と上記記憶部による記憶情報を比較して上記標的化合物の有無を判定する判定部を有し、上記記憶部の希土類錯体が下記一般式(I)に示す構造であるか、又は下記一般式(II)に示す構造を配位子に有することを特徴とする。
Figure 2018025562
Figure 2018025562
また、本実施形態に係る化合物の検出装置は、被試験物に含まれる化合物と接触させた希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状から選択される少なくとも一つの発光物性を検出する検出部と、リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、及び窒素原子の非共有電子対を有する標的化合物の少なくとも一種が1モル当量以上配位した上記希土類錯体を有する標準発光シートと、上記検出部による検出情報と標準発光シートで検出される発光を比較して上記標的化合物の有無を判定する判定部を有し、上記標準発光シートの希土類錯体が上記一般式(I)に示す構造であるか、又は上記一般式(II)に示す構造を配位子に有することを特徴とする。
また、本実施形態に係る化合物の検出装置は、6配位の希土類錯体が媒体に溶解または分散してなる部位を具備する、リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物の検出装置であって、上記希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び分岐比から選択される発光物性の二つ以上の変移で以って上記化合物の有無を検出することを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る化合物の検出方法の基本原理を示す概念図である。 図2は、本実施形態に係る化合物の検出方法とコリンエステラーゼ活性阻害法の基本原理を示す図である。 図3は、本実施形態に係る化合物の検出装置の機能構成図である。 図4は、希土類錯体の発光強度の推移を示す図である。 図5は、希土類錯体の励起スペクトル変化を示す図である。
例えば農薬は、分子に生理活性を付与する必要上、リン−酸素二重結合(P=O)、硫黄―酸素二重結合(S=O)、炭素―酸素二重結合(C=O)、や窒素原子(N)上の非共有電子対を分子構造中に有する化合物が多い。これらの部位は、強いルイス塩基性であるため、ルイス酸性である希土類イオンに配位する。即ち、多くの農薬は、希土類蛍光錯体(以下、「希土類錯体」とも言う。)に配位して、その発光物性が変化する。
本発明者らは、鋭意検討を続けた結果、上記の発想に至り、上記化合物の検出方法を見出すに至った。
以下、本実施形態に係る化合物の検出方法について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る化合物の検出方法の基本原理を示す概念図である。
図1に示すように、希土類錯体1は、第1の配位子2と希土類イオン3を含む錯体である。標的化合物(残留農薬)4は、リン−酸素二重結合(P=O)、硫黄―酸素二重結合(S=O)、炭素―酸素二重結合(C=O)や窒素原子(N)上の非共有電子対を有する化合物である。リン−酸素二重結合(P=O)、硫黄―酸素二重結合(S=O)、炭素―酸素二重結合(C=O)や窒素原子(N)上の非共有電子対は、上記のとおり強いルイス塩基性部位である。このため、これらの部位を有する標的化合物4は、第2の配位子としてルイス酸性である希土類イオン3に新たに配位する。希土類錯体1から標的化合物4が配位した希土類錯体5が生じることで発光強度、発光寿命、発光スペクトル形状が変化する。本実施形態では、これらの発光物性の変化を検出することにより標的化合物(残留農薬)4の有無を簡便に判定できる。
また、本実施形態に係る化合物の検出方法は、コリンエステラーゼ活性阻害法との比較において、標的化合物(残留農薬)の検出にかかる時間が少なく検出感度に優れ、かつコリンエステラーゼ活性阻害法では判定できない種類の残留農薬の検出にも有利である。
図2は、本実施形態に係る化合物の検出方法とコリンエステラーゼ活性阻害法の基本原理の違いを示す図である。
図2に示すように、例えば有機リン系の農薬である5価の有機リン化合物は、酸素原子(O)、置換基Rx、Ry、及びRzを頂点とする四面体構造である。そして、P=O基はリン原子P(+)、酸素原子O(‐)と大きく分極している。
従来法であるコリンエステラーゼ活性阻害法では、大きく分極したリン原子Pへの求核攻撃が反応の起点となる(図中、矢印a)。しかしながら、リン原子Pは、四面体の内部に位置しているため、リン原子P上への求核攻撃は、置換基Rx、Ry、及びRzの立体障害の影響を大きく受ける。このため、コリンエステラーゼ活性阻害法では検出できない農薬が多く、また、反応に多くの時間を要する。
これに対して、本実施形態では、ルイス塩基性の高いP=Oの酸素原子Oにルイス酸性である希土類イオン(ユーロピウムイオン(Eu3+))が配位する(図中b)。希土類イオンが配位する酸素原子Oは、四面体の頂点にあり、置換基Rx、Ry、及びRzの立体障害の影響を受けないため、反応が短時間で起こり、かつ感度が大きい。
また、窒素化合物も窒素原子上の非共有電子対と、3つの置換基を頂点とする四面体構造であり、四面体の頂点にある非共有電子対は、3つの置換基の立体障害の影響を受けずに希土類イオンと配位する。本実施形態では、窒素原子上の非共有電子対が希土類イオンに配位することによる発光物性の変化についても、短時間、かつ高感度に検出することができる。
本実施形態に係る化合物の検出方法は、以下の工程を有する。
(1)抽出工程(第1の工程)
抽出工程は、被試験物に含まれるリン−酸素二重結合(P=O)、硫黄―酸素二重結合(S=O)、炭素―酸素二重結合(C=O)、又は窒素原子(N)の非共有電子対を有する化合物(以下、「標的化合物」とも言う。)を溶媒に抽出する工程である。被試験物は、本実施形態に係る化合物の検出方法に供される試料であり、例えば食品、食品の洗浄水、食品の粉砕物、食品からの抽出物、飲料水、農業用水、井戸水、河川水、土壌等を挙げることができる。
標的化合物の抽出に用いる溶媒は、標的化合物を溶解できる溶媒を選択する。また、標的化合物の官能基のルイス塩基性が溶媒のルイス塩基性より強い場合には検出感度に支障はないが、溶媒のルイス塩基性より弱い場合には溶媒が希土類イオンと標的化合物の反応を阻害し、発光強度の変化が小さくなり検出感度が低下する。このため、後述の反応工程において希土類錯体を構成する希土類イオンと実質的に反応しない溶媒を選択することが好ましい。ここで「実質的に反応しない」とは、仮に溶媒と希土類イオンとが反応したとしても標的化合物の検出に悪影響を及ぼさない程度にしか反応しないことをいう。
このような溶媒としては、例えばヘキサン等のアルカン、ハロゲンで置換されたハロアルカン、不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、エタノール、メタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒等を挙げることができる。
本実施形態に係る検出方法で対象となる標的化合物は、本実施形態に係る基本原理から、P=O、S=O、C=O、又は窒素原子(N)の非共有電子対を分子構造中に有する化合物である。特にP=O、S=Oの部分的双極子モーメントが5.4以上、或いはP=O、又はS=Oの酸素原子の遮蔽率が27%未満の化合物については、高感度に検出することができる。
このような標的化合物としては、具体的には、例えばプロフェノホス、ホスチアゼート、エディフェンホス、ジクロルボス等の有機リン系の農薬等、メチオカルブスルホン等のカーバメート系の農薬等を挙げることができる。
(2)反応工程(第2の工程)
反応工程は、上記(1)抽出工程にて上記溶媒に抽出された標的化合物を、希土類錯体を構成する希土類イオンと接触させることにより上記希土類イオンと反応させる工程である。反応工程では、希土類錯体がアルコール系、酢酸エステル系、フッ素系アルカンから選択される何れかの溶媒に溶解した溶液(検査液)に、上記(1)抽出工程にて得られた標的化合物の抽出溶液を添加し、必要に応じて加熱、撹拌等を行うことで希土類イオンと標的化合物を反応させる。
検査液における希土類錯体の濃度は、2mg/l以上400mg/l以下の範囲であることが望ましい。上記濃度範囲を逸脱すると、例えば低濃度側の場合は標的化合物と反応しても発光強度の変化が目視確認できなくなり、検出に測定装置が必要となる。一方、高濃度側の場合は、標的化合物のモル量に対して希土類錯体のモル量が大過剰となり、発光強度の変化が目視確認できなくなる。
本実施形態で用いる希土類錯体は、6配位のものが望ましい。希土類錯体は、6配位と8配位が安定であり、6配位の錯体を検出用に用いて8配位まで標的化合物を配位させて発光物性の変化を検出する。また、本実施形態で用いる希土類錯体は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。
6配位の希土類錯体を構成する希土類イオンは、発光強度が高い錯体が得られるユーロピウムイオン(Eu3+)が望ましい。
また、6配位の希土類錯体を構成する配位子は、βジケトン骨格を有する配位子であることが望ましい。また、希土類錯体の発光強度を大きく保つことができるため、βジケトン骨格に接続する置換基の少なくとも一つはフルオロアルキル基、特にパーフルオロアルキル基であることが望ましい。さらに、もう一方の置換基を芳香族基とすると、配位子による光吸収強度が増大するため、さらに大きな発光強度が得られるため望ましい。
上記した観点から、下記化学式(1)で示される錯体、又は下記化学式(2)で示される錯体が望ましい。これらの錯体に標的化合物が作用した場合、発光物性の変化が顕著となる。
Figure 2018025562
また、他の態様として、上記(1)抽出工程を介さず、被試験物を希土類錯体が溶媒に溶解してなる検査液中に投入し、被試験物に含まれる標的化合物と希土類イオンを接触させて反応させても良い。また或いは、希土類錯体を媒体に吸着させた形態とし、この検査媒体を被試験物、その洗浄液、又はその粉砕体と接触させ、標的化合物と希土類イオンを接触させて反応させても良い。希土類錯体を吸着させる媒体としては、例えばアクリル系ポリマー、フッ素系ポリマー、セルロース繊維等のポリマー、紙、布、フィルタ、スポンジ等を挙げることができる。
(3)検出工程(第3の工程)
検出工程は、上記(2)反応工程にて標的化合物と希土類イオンとの反応により引き起こされる発光物性の遷移を検出することにより標的化合物を検出する工程である。検出工程では、紫外光などを照射し、標的化合物が配位した希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状の少なくとも1つの発光物性の遷移を検出する。
発光スペクトル形状は、分岐比(branching ratio)とするのが好ましい。ここで分岐比(branching ratio)とは、希土類錯体において、電気双極子遷移と磁気双極子遷移に帰属される発光ピークの比率である。発光スペクトル形状は、電気双極子遷移に由来する発光スペクトル形状と磁気双極子遷移に由来する発光スペクトル形状とがあり、磁気双極子遷移に由来する発光スペクトル形状が常に一定であるのと異なり、電気双極子遷移に由来する発光スペクトル形状は、希土類錯体の配位環境に大きく依存する。即ち、分岐比(branching ratio)は、配位子の構造によって変化するため、分岐比(branching ratio)によって希土類錯体の配位環境をある程度特定することができる。具体的には、電気双極子遷移とはユーロピウム錯体の発光スペクトルにおける5D07F2であり、磁気双極子遷移とは、5D07F1などである。
図3は、本実施形態に係る化合物の検出装置の機能構成図である。
図3に示すように、本実施形態に係る化合物の検出装置10は、被試験物に含まれる化合物と接触させた希土類錯体の発光物性を検出する検出部11と、標的化合物が1モル当量以上配位した上記希土類錯体の発光物性を予め記憶させた記憶部12と、上記検出部による検出情報と上記記憶部による記憶情報を比較して前記標的化合物の有無を判別する判定部13を有している。検出部11では、発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状から選択される少なくとも一つの発光物性を検出する。
記憶部12では下記一般式(I)に示す構造の希土類錯体の発光物性が予め記憶される。
Figure 2018025562
上記一般式(I)に示す構造を有する希土類錯体において、βジケトン骨格を有する配位子(第1の配位子)とユーロピウムイオン(Eu3+)までが検出試薬であり、有機リン配位子(第2の配位子)の部分は標的化合物である。本実施形態にて標的化合物が検出された場合は、検出試薬と標的化合物から構成される上記一般式(I)に示す錯体が必ず生成する。この錯体の発光物性である発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状のすくなくとも何れかを以って標的化合物の有無を判定する。
本実施形態に係る化合物の検出装置は、第一の機能として定性的に標的化合物の有無を判定する。この場合、上記一般式(I)に示す希土類錯体を用いた標準発光試料が記憶部12に組み込まれる。標準発光試料は、溶液またはシートに希土類錯体を吸着させた形態であり、判定部13に設けられる光源を有する試料室にて標準発光試料に対して上記光源から紫外線が照射され、検出部11で検出された発光と標準発光試料の発光との比較がなされる。この比較により定性的に標準化合物の有無を判定する。
また、本実施形態に係る化合物の検出装置は、第2の機能として標的化合物の種類を判別する。標的化合物の種類によって発光物性の変化の態様が異なるため、この差異を基準に標的化合物の種類を割り出すことができる。この場合、予め測定された上記一般式(I)に示す希土類錯体のライブラリーが記憶部12に備えられ、検出部11にて検出された検出結果と希土類錯体のライブラリーの照合により、標的化合物の種類を判定することができる。
また、上記一般式(I)に示す希土類錯体において、有機リン配位子(第2の配位子)の部分が、下記一般式(II)に示すS=O、C=O基を有する構造を有する化合物である錯体としても良い。この場合、標的化合物は、下記一般式(II)に示すS=O、C=O基を有する構造を有する化合物となる。
Figure 2018025562
本実施形態に係る化合物の検出方法及びその検出装置は、農薬に代表されるP=O、S=O、C=OやN原子上の非共有電子対を分子構造中に有する化合物を簡便、かつ高感度に検出できるため、例えば食品中に微量に混入する農薬を検出する残留農薬検出方法及び残留農薬検出装置として有用である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[発光スペクトル]
(実施例1)
希土類錯体に化学式(1)で示される錯体を用いて、有機リン系殺虫剤であるジクロルボスと酢酸エチル中で共存させ、発光スペクトルの強度変化を観察した。実験の手順は以下の通りである。まず、メスフラスコを用いて所定濃度、所定容量の希土類錯体溶液を作成し、この一部を採取して石英セルに投入し、発光物性を測定する。次にメスフラスコの定容値を基準に100ppmになる農薬を投入し、先の石英セルの溶液を追加して定容する。この方法では、同一の溶液で発光物性の初期値と農薬添加後の値を測定するため、秤量誤差が関与しないというメリットがある。
図4にジクロルボス共存前後の発光スペクトルを示す。
図4は、化学式(1)で示される錯体単独の発光スペクトル、ジクロルボスを1モル当量共存させた系の発光スペクトル、及びジクロルボスを2モル当量共存させた系の発光スペクトルである。なお、図中、no.1は化学式(1)で示される錯体単独の発光スペクトル、no.2はジクロルボスを1モル当量共存させた系の発光スペクトル、及びno.3はジクロルボスを2モル当量共存させた系の発光スペクトルを示している。
図4に示すように、ジクロルボスを1モル当量共存させた系(no.2)の発光強度(612nmのピーク波長で観測)は、化学式(1)で示される錯体単独(no.1)の発光強度と比較して半減していることが分かる。さらに、ジクロルボスを2モル当量共存させた系(no.3)の発光強度は、化学式(1)で示される錯体単独(no.1)の発光強度と比較して15分の1まで減衰していることが分かる。
(実施例2〜実施例5)
他の標的化合物と化学式(1)で示される錯体の共存前後における発光強度の変化率について評価した。なお、変化率は、化学式(1)で示される錯体単独の発光強度に対する標的化合物を共存させた系の発光強度の比率とした。
(実施例2)
有機リン系農薬であるプロフェノホスの酢酸エチル溶液を、実施例1と同様に100ppmとなるようにして化学式(1)で示される錯体と接触させたところ、発光強度(612nmのピーク波長で観測)の変化率は24%であった。
(実施例3)
有機リン系農薬であるエディフェンホスの酢酸エチル溶液を実施例1と同様に100ppmとなるようにして化学式(1)で示される錯体と接触させたところ、発光強度(612nmのピーク波長で観測)の変化率は19%であった。
(実施例4)
カーバメート系農薬であるメチオカルブスルホンの酢酸エチル溶液を実施例1と同様に100ppmとなるようにして化学式(1)で示される錯体と接触させたところ、発光強度(612nmのピーク波長で観測)の変化率は9%であった。
(実施例5)
有機リン系農薬であるホスチアゼートの酢酸エチル溶液を実施例1と同様に100ppmとなるようにして化学式(1)で示される錯体と接触させたところ、発光強度(612nmのピーク波長で観測)の変化率は16%であった。
[励起スペクトル]
(実施例6)
有機リン系殺虫剤であるジクロルボス10ppmの溶液を用意し、これと化学式(1)で示される錯体を酢酸溶液中で共存させ、励起スペクトルの強度変化を観察した。図5にジクロルボス共存前後の励起スペクトルに示す。
図5は、化学式(1)で示される錯体単独の励起スペクトル、及びジクロルボスを共存させた系の励起スペクトルである。なお、図中、no.4は化学式(1)で示される錯体単独の励起スペクトル、及びno.5はジクロルボスを共存させた系の励起スペクトルを示している。
図5に示すように、ジクロルボスを共存させた系(no.5)の励起スペクトル強度は、化合物(1)単独(no.4)の励起スペクトル強度に比べ、半減していることが分かる。
[発光寿命]
(実施例7)
希土類錯体に化学式(2)で示される錯体を用いて、有機リン系殺虫剤であるジクロルボスを作用させることによる発光寿命の変化を観察した。表1に観察結果を示す。
Figure 2018025562
表1に示すように、化学式(2)で示される錯体の発光寿命は、ジクロルボスとの相互作用により有意に変化していることが分かる。
[部分双極子モーメント及び遮蔽率]
上記実施例にて評価した農薬、プロフェノホス、 ホスチアゼート、エディフェンホス、ジクロルボス、メチオカルブスルホンについて、分子軌道法計算で構造最適化(MM2)を行い、P=O、又はS=Oの部分的双極子モーメント、及びP=O、又はS=Oの酸素原子の立体的な遮蔽率を計算した。表2に計算結果を示す。
Figure 2018025562
Figure 2018025562
ここで、P=O、S=Oの部分的双極子モーメントは、高い値になるほど酸素原子のルイス塩基性が高くなり、ルイス酸であるEu(III)イオンとの配位結合は大きくなる。また、P=O、S=Oの遮蔽率は、低いほど立体障害の影響が小さくなり、酸素原子はEu(III)イオンに配位し易くなる。
表2に示す計算結果から、本実施形態に係る検出方法で検出可能な標的化合物の部分的双極子モーメントは5.4以上、遮蔽率は27%未満という特徴が見られることが分かる。
一方、従来法であるコリンエステラーゼ活性阻害法では、プロフェノホス、エディフェンホスの検出はできないことが分かっている。コリンエステラーゼ活性阻害法における反応点であるリン原子の遮蔽率は、プロフェノホスで37.6%、エディフェンホスで40.2%であった。このように、反応点であるリン原子の遮蔽率が高いことがこれらの化合物の検出を阻害した要因と考えられる。
[有機リン化合物の化学構造と発光物性]
希土類錯体である化学式(2)で示される錯体に、標的化合物(農薬)のモデルとして種々の有機リン化合物が配位した錯体の発光物性である発光スペクトル、励起スペクトル、発光寿命、及び分岐比(branching ratio)を評価した。
表3に評価結果を示す。
Figure 2018025562
*1;錯体1〜14の化学構造式
Figure 2018025562
*2;酢酸エチル中、錯体2×10-4mol/l
表3に示すように、配位した有機リン化合物の構造の微差により発光スペクトル、励起スペクトル、発光寿命、及び分岐比(branching ratio)は鋭敏に変化していることが分かる。これら発光物性の2種類の変移を選択することにより、有機リン化合物(標的化合物)の有無だけでなく、配位した有機リン化合物(標的化合物)を絞り込むことが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1;希土類蛍光錯体
2;第1の配位子
3;希土類イオン
4;標的化合物(残留農薬、第2の配位子)
5;標的化合物が配位した希土類蛍光錯体
10;検出装置
11;検出部
12;記憶部
13;判定部
a;コリンエステラーゼ活性阻害法に係る反応の起点
b;本実施形態に係る反応の起点
本発明は、主に食品等に含有される微量の化合物の検出に用いる装置に関する。

Claims (17)

  1. 被試験物に含まれるリン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物を抽出する抽出工程と、
    この抽出工程で抽出された前記化合物を、希土類錯体を構成する希土類イオンと接触させることにより前記希土類イオンと反応させる反応工程と、
    この反応工程における反応により引き起こされる発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状の遷移のいずれかを検出することにより前記化合物を検出する検出工程と、
    を有することを特徴とする化合物の検出方法。
  2. 希土類錯体が溶媒に溶解してなる検査液中に被試験物を投入し、前記被試験物に含まれるリン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物を、前記希土類錯体を構成する希土類イオンと接触させることにより前記希土類イオンと反応させる反応工程と、
    この反応工程における反応により引き起こされる前記希土類錯体の発光強度、発光寿命、又は発光スペクトル形状の遷移のいずれかを検出することにより前記化合物を検出する検出工程と、
    を有することを特徴とする化合物の検出方法。
  3. 前記発光スペクトル形状は、前記希土類イオンの磁気双極子遷移に基づく発光スペクトル強度と電気双極子遷移に基づく発光スペクトル強度の比率であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化合物の検出方法。
  4. 前記希土類錯体は、βジケトン骨格を有する配位子を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の化合物の検出方法。
  5. 前記βジケトン骨格を有する配位子は、フルオロアルキル基を有することを特徴とする請求項4に記載の化合物の検出方法。
  6. 前記βジケトン骨格を有する配位子は、芳香族基を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の化合物の検出方法。
  7. 前記希土類錯体は、下記化学式(1)に示される錯体、又は下記化学式(2)に示される錯体、或いはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の化合物の検出方法。
    Figure 2018025562
  8. 前記希土類錯体は、アルコール系、酢酸エステル系、フッ素系アルカンから選択される何れかの溶液中に溶解され、その濃度が2mg/l以上400mg/l以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の化合物の検出方法。
  9. 前記リン−酸素二重結合、前記硫黄―酸素二重結合、若しくは前記炭素―酸素二重結合の酸素原子の立体障害係数が27%未満であるか、又は前記リン−酸素二重結合、前記硫黄―酸素二重結合、若しくは前記炭素―酸素二重結合の部分的双極子モーメントが5.4以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の化合物の検出方法。
  10. 前記反応工程において、前記希土類錯体が媒体に吸着されてなる検査媒体を前記被試験物、その洗浄液、又はその粉砕体と接触させることにより、前記化合物と前記希土類イオンが接触することを特徴とする請求項2に記載の化合物の検出方法。
  11. 前記化合物は、有機リン系農薬またはカーバメート系農薬であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の化合物の検出方法。
  12. 被試験物に含まれる化合物と接触させた希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状から選択される少なくとも一つの発光物性を検出する検出部と、
    リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、及び窒素原子の非共有電子対を有する標的化合物の少なくとも一種が1モル当量以上配位した前記希土類錯体の前記発光物性を予め記憶させた記憶部と、
    前記検出部による検出情報と前記記憶部による記憶情報を比較して前記標的化合物の有無を判定する判定部を有し、
    前記記憶部の希土類錯体が下記一般式(I)に示す構造であるか、又は下記一般式(II)に示す構造を配位子として有することを特徴とする化合物の検出装置。
    Figure 2018025562
    Figure 2018025562
  13. 被試験物に含まれる化合物と接触させた希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び発光スペクトル形状から選択される少なくとも一つの発光物性を検出する検出部と、
    リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、及び窒素原子の非共有電子対を有する標的化合物の少なくとも一種が1モル当量以上配位した前記希土類錯体を有する標準発光シートと、
    前記検出部において検出された発光物性と標準発光シートで検出される発光物性を比較して前記標的化合物の有無を判定する判定部を有し、
    前記標準発光シートの希土類錯体が下記一般式(I)に示す構造であるか、又は下記一般式(II)に示す構造を配位子に有することを特徴とする化合物の検出装置。
    Figure 2018025562
    Figure 2018025562
  14. 前記発光スペクトル形状が、希土類イオンの磁気双極子遷移に基づく発光スペクトル強度と電気双極子遷移に基づく発光スペクトル強度の比率であることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の化合物の検出装置。
  15. 前記希土類錯体の配位子が、リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、及び炭素―酸素二重結合の少なくとも何れかの結合を有し、
    前記結合の酸素原子の立体障害係数が27%未満、又は前記結合の部分的双極子モーメントが5.4以上であることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の化合物の検出装置。
  16. 6配位の希土類錯体が媒体に溶解または分散してなる部位を具備する、リン−酸素二重結合、硫黄―酸素二重結合、炭素―酸素二重結合、又は窒素原子の非共有電子対を有する化合物の検出装置であって、
    前記希土類錯体の発光強度、発光寿命、及び分岐比から選択される発光物性の二つ以上の変移で以って前記化合物の有無を検出することを特徴とする化合物の検出装置。
  17. 前記化合物は、有機リン系農薬またはカーバメート系農薬であることを特徴とする請求項12乃至請求項16の何れか一項に記載の化合物の検出装置。
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