JP2005505602A - 予め規定された放出プロファイルを有するリポソーム調剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は一般的に、リポソームによりカプセル化された活性剤が予め規定された放出プロファイルに従いそこから放出されるリポソーム調剤に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術のリスト
1.米国特許第5,316,771号明細書
2.米国特許第5,192,549号明細書
3.米国特許第5,939,096号明細書
4.米国特許第6,162,462号明細書
5.バレンホルツ(Barenholz)Y.、メディカル・アプリケーションズ・オブ・リポソームズ(Medical Applications of Liposomes)、(ラシック(Lasic),D.D.およびパパハジョポウロス(Papahadjopoulos),D.編集)、エルセヴィア・サイエンス(Elsevier Science)、アムステルダム、541−565頁(1998)
6.バレンホルツ(Barenholz)Y.、Curr. Opin. Colloid Interface Sci.、6:66−77(2001)
7.PCT国際公開WO00/66126パンフレット
リポソームはほぼ40年前に最初に記載されそして脂質二重層の物理化学および細胞膜の生物学を研究するための有用なモデルであった。リポソームは薬品および他の活性剤の伝達用の媒体として並びに遺伝子導入の分野で使用できることも認識されていた。
【0003】
リポソーム技術は二つの重要な課題に直面している。第一の課題は、リポソーム中の活性剤の高い充填水準を達成し且つ取り扱いおよび貯蔵中にこの充填を安定させることである。第二は、充填された/会合された活性剤の放出速度をリポソーム調剤の具体的な目的に適合させうることである。
【0004】
リポソーム中への剤の充填はそれらの有用性の度合いであることが証明されている。劣悪なリポソーム充填は低い薬品/脂質比をもたらし、そしてその結果として媒体としてのリポソームの使用は標的部位において不充分になる。さらに、劣悪な充填では、活性剤の大量損失があり、それはリポソームをベースとした薬品を経済的でないものとする。
【0005】
これまでに、リポソーム中に剤を充填するための数種の方法が開発された。最も簡単な剤の充填方法は、脂質成分の水和による乾燥脂質膜中の水溶性剤の受動捕獲を包含する。この方法の充填効率は、それがリポソームの捕獲容量、薬品の濃度および水和媒質中のその溶解度並びにそれらを製造するために使用される脂質の量に依存するため、一般的に低い。
【0006】
リポソーム中への剤の改良された受動捕獲は、予備成形されたリポソームが剤を含有している水溶液に加えられ、引き続き混合物の脱水、凍結乾燥、蒸発、または凍結解凍処置方法が行なわれるような脱水‐再水和方法により達成された。これは、捕獲された水容量における増加および全てのリポソーム内水相全体にわたる溶質の均衡により、説明される。
【0007】
リポソーム中への剤の充填は、高い脂質濃度の使用によりまたは脂質成分の特定の組み合わせの使用によっても達成できる。
【0008】
親水性剤のカプセル化方法は、有機溶媒からの逆蒸発を包含する。この方式によると、親水性剤と小胞‐形成性脂質との混合物を油中水滴型エマルジョン中に乳化させ、引き続き溶媒を除去して不安定な脂質‐単層ゲルを形成する。ゲルを典型的には加えられた水相の存在下で撹拌する場合には、ゲルが壊れて高い剤のカプセル化効率を有する低層状(oligolamellar)リポソームを形成する。しかしながら、剤の溶解度および捕獲容量の制限が依然として当てはめられる。
【0009】
イオン化可能な親水性または両親媒性の剤の場合には、膜内外のpH勾配を形成することにより充填を行なうことができる。典型的には、剤はイオン化可能なアミン基を含有し、そしてそれを内部/外部pH勾配を有するように製造されたリポソームの懸濁液に加えることにより充填される。例えば、アンモニウム勾配を使用する場合には、リポソーム内のアンモニウムはリポソーム膜の中を自由に透過可能なアンモニアおよび集積するプロトンと平衡状態にあり、従ってアンモニアがリポソームから損失されるにつれてそれがより低い内部/外部pH勾配をもたらす。勾配を制定した後に、リポソーム内の過剰なアンモニウムイオンがプロトンのたくわえを提供して、ある時間にわたりリポソームpH勾配を維持する。
【0010】
リポソームからの充填された分子の放出速度は、温度、媒質に関連する性質(媒質組成、イオン強度、pH9)、リポソームに関連する性質(膜脂質組成、リポソームタイプ、層の数、リポソーム寸法、燐脂質膜の物理的状態、すなわち、液体‐不規則化(liquid−disordered)(LD)、液体‐規則化(liquid−ordered)(LO)、固体‐規則化(solid−ordered)(SO))、並びに充填された分子に関連する性質(親油性、親水性、寸法)に依存することが示された[非特許文献1]。
【非特許文献1】
ハラン(Haran)G.他、Biochim Biophys. Acta、1151:201−215、(1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、活性剤、例えば薬品がカプセル化されているリポソームから予め決められた放出速度に従い放出されるように剤の放出プロファイルを設計するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
それ故、本発明によると、活性剤が充填されているリポソームからの活性剤の放出が標的における活性剤の所望する最適効果を得るための期間にわたり維持される放出プロファイルを有するように設計されている活性剤の標的への伝達用のリポソーム調剤の製造方法が提供され、この方法がリポソームに該活性剤および選択された対イオンを充填し、該対イオンおよび該活性剤が一緒に相互作用してリポソーム内で集合しおよび/または沈澱を形成し、対イオンがリポソームからの活性剤の放出が該放出プロファイルを有するように選択されるリポソーム調剤を製造することを含む。
【0013】
本発明に従う調剤は、治療、栄養または環境用途などを包含する種々の用途を有することができる。明らかに、これは活性剤、リポソーム調剤を製造する成分のタイプと濃度、および設定される具体的な放出プロファイル、並びに当業者に既知である他の因子にとりわけ依存するであろう。
【0014】
ここで使用される用語「放出プロファイル」は活性剤が充填されているリポソームからの活性剤の放出の特性をさし、そして得られる調剤の具体的な用途に応じて設定されるであろう。放出プロファイルの用語は、遅延、持続または長期放出、段階的放出、定期放出、pH依存性放出などを包含するいずれのタイプの調節放出プロファイルも包括する。所望する放出プロファイルの選択は、技術者に既知である考察、例えば処置しようとする標的の状態および位置、調剤の適用目的(治療など)、処置処方など、に依存するであろう。
【0015】
ここで使用される用語「活性剤」は選択される標的に対して生物学的にまたは化学的に作用する分子をさす。一つの態様によると、活性剤は所望する標的細胞または組織に作用する薬品である。別の態様によると、活性剤はその標的において化学的に反応して化学的効果をもたらす分子(例えば低分子量化合物)である。
【0016】
ここで使用される用語「標的」は活性剤が作用するように設計されるいずれかの標的をさす。標的は好ましくは局在化された部位、例えば生体内の特定の標的胞細胞または組織である。しかしながら、時には、本発明の調剤は環境目的のために、例えば汚染された水を処置するために、水族館を処置するためなどに、設計することができる。例えば、活性剤は水性媒質塩素から除去するための抗‐塩素剤でありうる。
【0017】
ここで使用される用語「リポソーム」は、リポソーム‐生成性物質より構成される全ての球または小胞を包含することを意図する。これらは自発的にまたは非自発的に小胞状になるものであり、そして特に両親媒性物質、例えば燐脂質を包含し、それらは少なくとも1個の炭化水素連鎖(アシルまたはアルキル)が複雑な燐酸エステルにより置換されているグリセリド類である。
【0018】
ここで使用される用語「充填」は、活性剤とリポソームとの間のいずれかの種類の相互作用、例えばカプセル化、付着、吸着、(小胞の内もしくは外壁へのまたはリポソーム内水相中の)捕獲、或いは活性剤を含有するリポソームの押し出しを伴うもしくは伴わないリポソーム膜中への活性剤の埋め込みの如き相互作用、を包含することを意図する。好ましくは、本発明によると、充填はリポソーム内カプセル化をさす。
【0019】
最後に、用語「集塊化」または「沈澱」は、塩を生成するために両者ともリポソーム中に充填される活性剤と対イオンとの間のいずれかのタイプの化学的または物理的会合に関係する。塩の生成は不溶性生成物の生成(これは沈殿の生成をもたらすことがある)、または集塊生成物の生成をもたらす。いずれの場合でも、対イオンは遊離形態であってもよくまたは水溶性重合体、例えばデキストロン、アラビノガラクタンなど、に共有結合されていてもよい。
【0020】
本発明によると、異なる放出プロファイルに関して対イオンが選択され、それによりそれぞれが異なる予め規定された放出プロファイルと相関する異なる相互作用水準を与えるように活性剤と対イオンとの間の相互作用(化学的会合)の水準を対イオンの選択により調節することができる。活性剤と対イオンとの間で相互作用/沈澱が起きない場合もあり、その場合には、集塊は生成しないかまたは実質的に生成せずそして生ずる得られた放出プロファイルはリポソームからの剤の実質的に迅速な放出速度を規定するであろう。
【発明の詳細な記述】
【0021】
本発明は、リポソーム中にカプセル化された例えば両親媒性弱塩基または両親媒性弱酸の如き剤の集塊化/沈澱の水準と対イオンおよびリポソームからの剤の放出プロファイルとの間に相関性があるという発見に基づく。
【0022】
特に、弱塩基または弱酸の対イオンの特定の選択により(ここで弱塩基または弱酸が活性剤であり且つ両者がリポソーム中にカプセル化される)、リポソームからの活性剤の放出プロファイルを調節できることが今回見出されそして初めて開示された。リポソームからの活性剤の放出プロファイルを指定する主なパラメーターは剤と対イオンとの間の化学的会合度に依存すること、すなわち、(選択された対イオンの使用により)沈澱したおよび沈澱しない活性剤の間の比を調節することによりリポソームからの剤の放出速度を指定してそれにより予め規定された具体的に所望される放出プロファイルを得ることが可能であることが今回確定された。
【0023】
リポソームの安定性に対する集塊化の影響はこれまでに記載されており[バレンホルツ、1998、上記引用文献;バレンホルツ、2001、上記引用文献]、それによると、薬品漏出に関する安定なリポソーム調剤を得るためには薬品の過度の集塊化に関する要望がある。今回、本発明により、予め規定された放出プロファイルを有する調剤を設定するための方法が開示される。特に、本発明はリポソーム中で剤と会合する対イオンの特定の選択が調節された送達システムの設定用の手段であることを開示している。
【0024】
本発明では、リポソームを製造するための好ましい方法はリモートローディング法(remote loading method)である。この方法によると、活性剤(以下の具体例では、TMN、AOまたはBUP)をリポソーム中にイオン濃度勾配に逆らってリモートローディングすることにより充填される。この方法は、とりわけ、米国特許第5,192,549号にすでに記載されている。
【0025】
リポソームを製造するための典型的な工程は、リポソーム‐生成性脂質の混合物を適当な有機溶媒の中に溶解しそして容器中で有機溶媒を蒸発させて薄膜を製造することを包含する。膜を次に、リポソーム内部空間で水相を形成するであろう溶質種を含有する水性媒質で被覆する。リポソーム製造後に、小胞を既知の方法(例えば超音波)に従い寸法分類して、選択された範囲内のリポソームの寸法分布を得る(好ましくは均一に寸法分類される)。
【0026】
活性剤をカプセル化するリポソームは、溶媒射出、脂質水和、逆蒸発、凍結乾燥によりまたは凍結および解凍の繰り返しにより、多重膜小胞(MLV)状で製造することができる。しかし、小さい(<100nm)または大きい(>100nm)単膜小胞(それぞれ、SUVまたはLUV)は、例えば超音波により、規定された孔寸法を有するポリカーボネートフィルターを通す押し出しにより、フレンチ圧力室を使用することにより、すなわちMLVを小さいオリフィスの中に高圧下で通すことにより、または例えばエーテル類もしくはアルコール類の如き溶媒を用いる溶媒射出方法により、製造することができる。製造できる他のタイプの小胞は、大きな単膜小胞(LUV);安定な複数膜小胞(SPLV);透析、カラムクロマトグラフィー、バイオビーズSM−2を用いる洗剤除去により、逆相蒸発(REV)により製造される少数膜小胞(OLV);高圧押し出し[メソッズ・イン・バイオケミカル・アナリシス(Methods in Biochemical Analysis)、33:337(1988)]により製造される中程度の寸法分類された単膜小胞、または脂質膜を適当な塩(例えば硫酸アンモニウム)の水溶液と共に撹拌し、生じた懸濁液を均質化して小さい単膜小胞(SUV)の懸濁液を形成し、そしてこのSUVの懸濁液を液体窒素の中で、引き続き水の中で繰り返し凍結‐解凍してGMVVを生成することにより製造される直径が少なくとも1ミクロンの巨大な多胞性小胞(GMVV、米国特許第6,162,462号)リポソームを包含する。全てのこれらのおよび当該技術で既知の他のリポソーム製造方法が本発明を実施する際に有用である。これらの方法は、ここに引用することにより本発明の内容となる、米国特許第4,235,871号、第4,241,046号、第4,529,561号、第4,737,323号および第4,752,42号、第5,316,771号並びに第6,162,462号に記載されている。
【0027】
寸法分類後に、リポソームの外部媒質を処置してリポソーム膜をはさんだイオンまたはpH勾配を生成し、これは典型的にはより低い内部/より高い外部濃度勾配である。これは、(i)外部媒質の希釈、(ii)所望する最終媒質に対する透析、(iii)所望する媒質に対する、例えばセファデックス(Sephadex)G−50を用いる、分子ふるいクロマトグラフィー、または(iv)所望する最終媒質中での粒状化したリポソームの高速遠心および再懸濁を包含する種々の方法により得られうる。選択される外部媒質は、今回考察されるであろうように、勾配形成機構および所望する外部pHに依存するであろう。
【0028】
好ましい一つの態様によると、例えば引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,192,549号および第5,316,771号に記載されているように、アンモニウムイオン勾配をリポソーム膜を越えて形成することにより、イオン勾配(プロトン勾配とも称する)が形成される。リポソームは、アンモニウム塩、例えばここで使用されるもの(硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなど)を含有する水性緩衝液の中で、または例えば硫酸デキストランアンモニウムもしくは硫酸ヘパリンの如き硫酸化された重合体の使用により製造され、緩衝液は適切なpHに調節されている。リポソーム生成および寸法分類後に、外部媒質はアンモニウムイオンを欠いた媒質で、例えばNaClまたは糖で、リポソームの内部および外部で同様な浸透率を与える濃度で置換され(しかし、時には、より大きい外部浸透率を使用することができ)、そしてリポソーム内部のアンモニウムイオンはアンモニアおよびプロトンと平衡状態にある。プロトン化されていないアンモニアはリポソーム二重層を浸透しそしてリポソーム内部から放出されることが可能であり、それはリポソーム内部で連続的に平衡をシフトさせる。
【0029】
或いは、水性水和媒質は対イオンが共有結合されている重合体を含有することができる。そのような荷電された重合体は、リポソームからの薬品の放出速度の調節を改良するマクロ対イオンとして使用される。このためには、アニオン性重合体を両親媒性弱塩基と相互作用させるために、そしてカチオン性重合体を両親媒性弱酸と相互作用させるために、使用することができる。重合体対イオンの場合には、両親媒性弱塩基または弱酸の充填を適合させるように剤を例えばpH勾配、アンモニウム勾配または酢酸塩勾配の如き勾配によりリポソーム内に充填する[バレンホルツY.(2001);ハランG.他、(1993)上記引用文献;クラーク(Clerc)S.およびバレンホルツY.、Biochim Biophys Acta.、1240(2):257−6(1995)]。リポソーム内部で、剤はpHおよび/またはイオン勾配によりイオン化されそして低分子量対イオン(例えば弱塩基に関してはPO4 −3、SO4 −2など、および弱酸に関してはNa+、Ca+2、Mg+、Ba+2、Al+3など)との塩を生成する。リポソール内水相中への浸透およびイオン化後に、剤は重合体の対イオンと相互作用する(例えば、剤としてのブピバカインに関しては、それは重合体硫酸デキストランの硫酸塩部分と相互作用することができる)。二種の成分の間でこのようにして製造される塩は、リポソーム水層内部で重合体‐剤塩の集塊化を誘発する。この集塊化は、可逆的であるが、剤のための貯蔵場所として作用する。剤放出速度を決める因子は、重合体荷電基の水準の間の均衡(電荷/mgの重合体)、荷電基の解離定数、剤と重合体との間の会合定数、低分子量対オンのタイプおよび濃度、並びに剤充填をもたらす勾配の原因となる種の濃度を、剤の透過計数と一緒に、包含する。例えば、10,000Dの硫酸デキストランは1分子の重合体当たり50nモルまでの両親媒性弱塩基/分子(例えばアクリジンオレンジおよびブピバカイン)と結合することができる。
【0030】
活性剤はリポソーム中に、イオン勾配リポソームの懸濁液への添加により外部媒質からの活性剤のリポソーム中へ通過を可能にするのに有効な条件下で充填される。有効な通過は活性剤の荷電されていない形態のリポソーム中への拡散を可能にするようなものであり、それはリポソーム内に充填される剤の高い濃度をもたらす。
【0031】
リポソームは両親媒性化合物から製造され、それらは自発的にまたは非自発的に小胞化することができる。そのような両親媒性化合物は典型的には、少なくとも1個のアシルまたは1個のアルキル基が有極性のおよび/または荷電された部分、例えば複雑な燐酸エステル類により製造される燐脂質、により置換されているトリアシルグリセロール類またはトリアルキルグルセロール類を包含する。いずれの普遍的に知られているリポソーム‐生成性脂質でも本発明の方法による使用に適する。脂質の原料またはその合成方法は厳密なものでなく、改質されたおよび改質されないいずれの天然産出脂質、または合成ホスファチドでも使用することができる。
【0032】
脂質物質は、水性媒質中へのその分散時にリポソームを生成するいずれの物質であってもよい。好ましいリポソーム‐生成性両親媒性物質は、天然、半合成もしくは完全合成性の分子;場合によりステロール、例えばコレステロールと組み合わされた、負もしくは正に荷電された脂質、燐脂質もしくはスフィンゴ脂質;および/またはリポ重合体、例えばPEG化された脂質である。
【0033】
特に、小胞‐生成性脂質は、二脂肪族連鎖脂質、すなわち以上で示された燐脂質、ジグリセリド類、二脂肪族糖脂質、例えばスフィンゴミエリンおよびグリコスフィンゴ脂質のような脂質、コレステロール誘導体を、単独でもしくは組み合わせて、および/またはリポソーム膜硬質化剤を用いてもしくは用いずに、包含することができる。
【0034】
「燐脂質」は、少なくとも1個のアシルまたはアルキル基が複雑な燐酸エステルにより置換されたトリアシル、トリアルキル(またはそれらの組み合わせ)脂質であり、そして、とりわけ、ホスファチジン酸(PA)およびホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジリノシトール(PI)、ホスファチジルセリン(PS)、プラスモロゲン類、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン大豆由来燐脂質、卵黄燐脂質および誘導体、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン類(DMPC)、ジミリストイルホスファチジル‐コリン(DMPG)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、部分的に水素化された卵ホスファチジルコリン(PHEPC)、ジステアリルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化された大豆PC(HSPC)スフィンゴミエリンなどを包含する。これらの燐脂質は種々の飽和度を有しそして完全に飽和されているかまたは部分的に水素化されていてよい。燐脂質の原料またはその合成方法は厳密なものでなく、いずれの天然産出、半合成または合成ホスファチドも商業的に得られるかまたは刊行された方法により製造することができる。
【0035】
好ましくは小胞‐生成性脂質の塊を構成する二脂肪族連鎖脂質では、脂肪族連鎖は好ましくは少なくとも約12個の炭素原子の長さであり、そして場合により約14〜24個の炭素原子の間の長さである。連鎖も部分的にまたは実質的に飽和されており、そのことは各連鎖が1個の不飽和(二重)結合を含有できることを意味する。当業者に認識されているように、飽和脂肪族連鎖はリポソーム中でより良好な脂質充填をもたらし、そして脂質酸化/過酸化性の脂質損傷を除くことによりリポソーム調剤の安定性を実質的に拡大する。この酸化性損傷のないことは、親油性フリーラジカル捕獲剤、例えばα‐トコフェロール(ビタミンE)またはブチル化されたヒドロキシトルエン(BHT)、の不存在下でも観察され、それらおよび他の脂質保護剤を場合により有効量で調剤に加えることができる。
【0036】
リポソームはさらに、他の適当な脂質、例えば糖脂質またはステロール類、例えばコレステロール、半琥珀酸コレステリル、硫酸コレステリル、コレステロールの他の誘導体、リポ蛋白質(例えばPEG化された脂質)、グリコスフィンゴ脂質(例えばガングリオシド類)、を包含できる。リポソームはさらに、少量の脂肪アルコール類、脂肪酸類、および/またはコレステロールエステル類、或いは表面電荷、膜流動性に影響を与えそしてリポソーム中への活性成分の導入を増加させるいずれかの他の薬剤学的に許容可能な賦形剤を含むように調合することもできる。
【0037】
ここで使用される用語「糖脂質」は、スフィンゴ糖脂質の場合には、1つがスフィンゴシンの炭化水素連鎖であり他方がアシル連鎖である2つの炭化水素連鎖並びにスフィンゴシンに結合された1個もしくはそれ以上の糖基を有する脂質を包括することを意図する。本発明の実施に適するスフィンゴ糖脂質の例は、セレブロシド類、ガラクトセレブロシド類、グルコセレブロシド類、GM1、スルファチド類、並びに有極性ヘッド基として二および三糖類を有するスフィンゴ脂質、すなわちジ‐およびトリ‐ヘキソシド類を包含する。
【0038】
他の糖脂質は、燐脂質に似ているがそれらのヘッド基(燐酸塩基を含有してもよくまたは含有しなくてもよい)が常に炭水化物部分を含有するグリセロ糖脂質である。
【0039】
カチオン性脂質(モノまたはポリカチオン性)もリポソーム‐生成性物質として適する。カチオン性脂質は典型的には、親油性部分、例えばステロールまたは2個のアシルもしくは2個のアルキルまたは1個のアシルおよび1個のアルキル連鎖が両親媒性分子の疎水性領域に寄与する同じグリセロール骨格よりなり、全体で正の正味電荷を有する脂質を生成する。好ましくは、脂質のヘッド基は正の電荷を有する。例えば、モノカチオン性脂質は1,2−ジミリストイル−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、1,2−ジオレイルオキシ−3−(トリメチルアミノ)プロパン(DOTAP)、N−[1−(2,3−ジテトラデシルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチル−アンモニウムブロミド(DORIE)、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、3β[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol)、およびジメチル−ジオクタデシルアンモニウム(DDAB)を包含する。ポリカチオン性脂質の例は、スペルミンまたはスペルミジンが結合されているモノカチオン性脂質と同様な疎油性部分、例えばN−[2−[[2,5−ビス[3−アミノプロピル)アミノ]−1−オキソペンチル]アミノ]エチル−N,N−ジメチル−2,3−ビス[(1−オキソ−9−オクタデセニル)オキシ]−1−プロパンアミニウム(DOSPA)を包含し、それらは単独でまたはコレステロールもしくは天然燐脂質と組み合わせて使用することができる。カチオン性脂質は、誘導化された燐脂質、例えばカチオン性リポ重合体を製造するためにポリリシンで誘導化された天然脂質ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、の一部を形成することができる。
【0040】
リポソームは、親水性重合体で誘導化されたジアシル、ジアルキルもしくはアシルアルキルグリセロール基(またはセラミド)であるリポ重合体も包含できる。例えば米国特許番号5,013,556号、第5,817,856号および第6,165,201号並びに国際公開WO98/07409パンフレットに記載されたように、そのような親水性重合体はリポソーム脂質二重層膜の内および外表面の両方の上に親水性重合体連鎖の表面コーティングを与える。親水性重合体連鎖の最も外側の表面コーティングはインビボでリポソームに長い血液循環寿命を与えるために有効である。親水性重合体連鎖の内部コーティングは、脂質二重層間のリポソーム内の水性区画中並びに中心芯区画中に及び、そして捕獲された剤と接触する。
【0041】
小胞‐生成性ジアシルグリセロールまたはセラミド脂質を用いる誘導化に適する親水性重合体は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリル‐アミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピル‐メタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ‐エチルセルロース、ポリエチレングリコール、およびポリアスパラタミドを包含する。重合体はホモ重合体としてまたはブロックもしくはランダム共重合体として使用することができる。好ましい親水性重合体連鎖はポリエチレングリコール(PEG)であり、それは脂質と組み合わせれる場合にはここでPEG化された脂質と称する脂質を形成する。
【0042】
ここで使用される「PEG化された脂質」は、リポ重合体を生成するためのポリエチレンオキシド脂質の組み合わせ生成物である。ポリエチレンオキシド類は好ましくは、500〜20,000ダルトンの間の、より好ましくは約500〜約5,000ダルトンの間の、最も好ましくは約1,000〜約5,000ダルトンの間の分子量のポリエーテル類である。PEG−リポソームの膜は典型的には、燐脂質リポソームだけの膜とは異なる性質を有する。PEGのメトキシまたはエトキシ‐キャップ化同族体も、種々の重合体サイズで、例えば120−20,000g/モルの範囲内の分子量で、市販されている好ましい親水性重合体である。
【0043】
親水性重合体で誘導化されたそのような小胞‐生成性脂質の製造は、例えば米国特許第5,013,556号、第5,395,619号、第5,817,856号、第6,043,094号および第6,165,501号に記載されており、後者は脱離可能なPEG部分を含有するリポ重合体を記載している。
【0044】
小胞‐生成性脂質は、指定された流動性または硬度の程度を得るために、標的媒質中で、例えば血清中で、リポソームの安定性を調節するために、そしてリポソーム中に捕獲された剤の放出速度を調節するために、選択することができる。ゲル(固体規則化)相の中でまたは液体の結晶性流体(液体不規則化)二層中でより硬い脂質二重層を有するリポソームは、比較的硬い脂質、例えば室温より上のような比較的高い相転移温度を有する脂質の導入により得られる。硬い、すなわち、長いアシル連鎖を有する飽和した脂質が脂質二重層中でのより大きい膜硬度に寄与する。他の脂質成分、例えばコレステレロールも脂質二重層中の膜硬度に寄与して特に膜の自由容量を減じてそれにより膜の透過性を減少させることも知られている。
【0045】
従って、相対的流体脂質、典型的には例えば室温もしくはそれより低い温度における、より好ましくは標的身体温度もしくはそれより低い温度における、比較的低い液体対液体‐結晶性相転移温度を有する脂質相を有するもの、の導入により高い脂質流動性が得られる。
【0046】
本発明の方法を用いてリポソーム中に充填される活性剤は好ましくは両親媒性弱塩基/酸物質である。弱塩基性物質はとりわけ下記の活性剤を包含する:ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、カルシノマイシン、N−アセチルアドリアマイシン、ルビダゾン、5−イミドダウノマイシン、N−アセチルダウノマイシン、全てのアントラシリン薬品、ダウノリリン、トポテクン、イリノテカン、プロプラノロール、ペンタミジン、ジブカイン、ブピバカイン、テトラカイン、プロカイン、クロルプロマジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ミトマイシンC、ピロカルピン、フィソスチグミン、ネオスチグミン、クロロキン、アモジアキン、クロログアニド、プリマキン、メフロキン、キニン、プリジノール、プロジピン、ベンズトロピンメシレート、トリヘキシフェニジル塩酸塩、プロプラノロール、チモロール、ピンドロール、キナクリン、ベナドリル、プロメタジン、ドーパミン、L−DOPAセロトニン、エピネフリン、コデイン、メペリジン、メタドン、モルフィン、アトロピン、デシクロミン、メチキセン、プロパンテリン、イミプラミン、アミトリプチリン、ドキセピン、デシプラミン、キニジン、プロパラノロール、リドカイン、クロルプロマジン、プロメタジン、ペルフェナジン、アクリジンオレンジ、鎮痛剤、例えばモルヒネなど。
【0047】
弱両親媒性酸はイブプロテン、トルエチン、インドメタシン、フェニルブタゾン、メクロフェラミン酸、ピロキシカム、シトロフロキサシン、プロスタグランジン類、フルオレスゲイン、カルボキシフルオレセイン、メチルペルドニソロン、およびナリジクス酸を包含するが、それらに限定されない。
【0048】
弱塩基の場合には、リポソーム中に活性剤と共に充填される対イオンは、水酸化物、硫酸塩、燐酸塩、グルクロン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、シアン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、臭化物、塩化物、および他の無機または有機アニオン類、またはアニオン性重合体、例えば硫酸デキストラン、燐酸デキストラン、ホウ酸デキストラン、カルボキシメチルデキストランなどを包含する非限定的例から選択することができ、弱酸の場合には、対イオンはカルシム、マグネシウム、ナトリウム、アンモニウム並びに他の無機および有機カチオン、またはカチオン性重合体、例えばデキストランスペルミン、デキストランスペルミジン、アミノエチルデキストラン、トリメチルアンモニウムデキストラン、ジエチルアミノエチルデキストラン、ポリエチレンイミンデキストランなどでありうる。これは、対イオンが遊離小イオンの形態でもしくは重合体に結合されて存在できることを意味し、または両者が同時に生ずる。
【0049】
両親媒性弱塩基の以下の3例、すなわち2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−アミノ−1−オキシル(4−アミノ−テンポ、テンパミン)(TMN)(酸化防止剤)、アクリジンオレンジ(ACRIDINE ORANGE)およびブピバカイン(BUPIVACAINE、局部麻酔薬)、がアンモニウム塩の種々のアニオンと錯体を作成する能力並びに錯体の沈澱/集塊化の水準を以下の具体例で評価した。
【0050】
【化1】
【0051】
幾つかの文献がリポソーム中のこれらの両親媒性弱塩基のカプセル化をこれまでに記載している。例えば、BUPを硫酸アンモニウム勾配の形成によりリポソーム中に効果的に充填できる[グラント(Grant)他、Pharm.Res.、18:336−343(2001)および米国特許第6,162,462号]。AOは両親媒性弱塩基の充填機構の検討用のモデルとして使用され「クラークおよびバレンホルツ、Anal.Biochem.、259:104−111(1998)」そして硫酸アンモニウム勾配により充填される場合にはリポソーム内部で集塊化することが示された。しかしながら、種々の生じた沈澱(AO2SO4、AONH4SO4またはAOHSO4)は可溶性であるため、要求される集塊化水準を得るためには硫酸アンモニウムの高いしきい勾配が必要であり、従って薬品が可溶性形態だけである領域を同定することができた。
【0052】
例示された剤の集塊化水準は浸透圧を測定することにより評価された。浸透圧は、溶液の実際の濃度(1単位容量当たりの粒子)による束一性質である。それ故、溶液中の集塊生成の場合には、溶液の実際の濃度は溶液の理論的濃度より低くなり、それは予測浸透圧より低いことにより明らかであろう。
【0053】
特定例では、剤の高いリポソーム内濃度および剤‐硫酸塩の生成によるpHまたはアンモニウム(もしくはアンモニウム類似物質、例えばアルキルアミン)勾配集塊化によりリモートローディングが起きる。NH3がリポソームから放出される時に過剰のSO4 −2およびHSO4 −が生じる。アンモニウム塩によるリモートローディングは、中性アンモニア気体分子(1.3×10−1cm/s)および荷電されたアニオン(<10−10cm/s)の透過率における大きい差に基づく。典型的には、アンモニウム塩溶液より構成されるリポソーム内水相のpHは、アンモニウムおよびアンモニアの外部濃度を低下させることにより、減少させることができる[ハラン他、(1993)上記引用文献]。リポソーム内pHの低下はプロトン化されていないアンモニア化合物(NH3)のリポソームからの放出から生じ、リポソーム内にプロトン(H+)および硫酸塩イオン(HSO4 −、SO4 2−)を残し、それによりNH4 +より過剰のSO4 2−およびHSO4アニオンがリポソーム内部に作成される。
【0054】
pHの低下はアンモニア生成を抑制しそしてそれによりリポソームからのその放出を抑制する。リポソームの外部媒質に剤、例えば両親媒性弱塩基を加える時に、それは脂質二重層をその荷電されていない形態で自由に横切りそしてその荷電された(低い透過性を有する)形態で内部水性区画の中に(遊離H+によりプロトン化された後に)集積する[シュルジナー(Schuldiner)他、Eur.J.Bichem、25:64−70(1972);ニコラス(Nicolas)およびディーマー(Deamer)、Biochem.Biophys Acta、455:269−271(1976)]。明らかに、この集積は内部pHを高めそしてその結果としてアンモニアが再び生成されそしてリポソームから放出されて、剤の有効な充填が行なわれるまで内部pHの低下などを生ずる。
【0055】
荷電された(プロトン化された)および荷電されていない剤の間の平衡が、透過計数に依存する速度でのリポソームからの荷電されていない弱塩基の緩慢な漏出を可能にする。(リポソーム内の充填された荷電された剤と対イオンとの間で生成した)集塊の生成による平衡の移行がリポソーム内部の剤の保有性をさらに改良し、そして今回開示されているように、リポソームからの剤の放出を調節するための手段として機能することができる。
【0056】
それ故、本発明はリポソームからの荷電されていない弱塩基または酸の漏出を調節することにより活性剤の放出プロファイルの設定を可能にする。例えば、放出プロファイルを緩慢な放出プロファイルにするためには対イオンは該活性剤とのその化学的会合がリポソーム内で減じられた水溶性(低い溶解性または実質的不溶性)、すなわち実質的に高い集塊水準、を有する塩を生成するように選択され、そして逆に剤の中程度または迅速な放出のためには中程度の集塊が生成されるかまたは全く集塊が生成されないはずである。
【0057】
リポソームからの剤の放出プロファイルに対する対イオンの影響を評価するために、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムおよびグルクロン酸アンモニウムである数種のアンモニウム塩類を試験した。これらのアンモニウム塩類は、リポソーム中のアンモニウム(pH)勾配を形成するために使用されたものでもある。弱両親媒性塩基の調剤用にもアルキルアミン類、例えばメチルアミンを、要求されるpH勾配を形成するために(アンモニアの代わりに)使用できることに注目すべきである。カルボキシフルオレセインまたはメチルプレドニソールのような両親媒性弱酸類の充填および集塊化のためには、(例えば蟻酸カルシウムまたは酢酸カルシムから誘導される)対イオンであるカルシム、ナトリウム、カリウム、バリウムまたはアルミニウムを使用することができる。
【0058】
認識されるであろうように、上記塩類のアニオンは脂質二重層を通る低い透過性を有する。例えば、燐脂質二重層の中のCl−の透過計数は7.6×10−11cm/sであり、SO4 2−およびグルクロン酸塩−のものは<10−12cm/sであるが、硫酸デキストランに関しては透過計数は0に近づく。
【0059】
これらの塩類はそれらのアニオンのイオン強度においても、そしてアニオンの電荷中と同様に、以下の順序:
【0060】
【化2】
【0061】
で異なる。
【0062】
本発明を次に特定の方法および態様を参照して記載するが、添付された請求の範囲により規定された本発明から逸脱せずに種々の変更を行えることは認識されよう。
【実施例】
【0063】
原料および方法
原料
塩化アンモニウム(>99.5%純度)、二塩基性燐酸アンモニウム(>99%純度)およびD−グルクロン酸(分析用等級)はシグマ・ケミカル・カンパニー(セントルイス、ミズーリ州、米国)から得られた。硫酸アンモニウム(99.99%純度)および三塩基性クエン酸アンモニウム(99%純度)はアルドリッヒ・ケミカル(ミルウォーキー、ウィスコンシン州、米国)により供給された。全ての塩類は10−80mMの濃度範囲およびpH7.0±1(水酸化アンモニウムまたは適当な塩を用いる滴定による)において製造された。グルクロン酸アンモニウムは30%水酸化アンモニウムを用いる所望する濃度のグルクロン溶液のpH7.0±1への滴定により製造された。フリーラジカル酸化防止剤である97%純度2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−アミノ−1−オキシル(4−アミノ−テンポ(4−amino−Tempo)、テンパミン(TMN))はアルドリッヒから購入された。アクリジンオレンジ(塩化亜鉛)半塩(AO、86%乾燥染料)(MW=370)はシグマから得られた。ブピバカイン(Bupivacaine)HCl(>99%純度BUP)はG.J.グラント(Grant)(NYU・スクール・オブ・メディスン(NYU School of Medicine)、ニューヨーク)から得られた。
方法
浸透率測定
浸透圧測定用には、ウォーター・プロプラス(Water ProPlus)(ラブコンコ(Labconco)、カンサスシティー、ミズーリ州、米国)を用いて得られた二重蒸留水(DDW)を全ての溶液用に使用した。浸透率は、5500蒸気圧浸透圧計(ウェスコル・インコーポレーテッド(Wescor Inc.)、ロガン、ユタ州、米国)またはプレシション・システムズ(Precision Systems)(ナチヒ、マサチュセッツ州、米国)の凍結点浸透圧計であるμOSMETTEマイクロオスモメーター(MicroOsmometer)を用いて測定された。純水中10−40mMの範囲内のTNM、AO、およびBUP浸透率の較正曲線を用いて全ての化合物の濃度と浸透圧との間の関係を記載するために使用した。これらの較正曲線に基づき、評価した全ての剤に関する25mMの濃度を以下の具体例で使用し、それらは最も信頼のおける測定値を与えた。
伝導率測定
NaClおよびアンモニウム塩類の0.5−50mMの濃度範囲内の溶液をDDW中で製造しそして「オイスター(Oyster)」伝導率計(ケイテク(KTech))中で測定した。
リポソーム水和媒質
種々のアンモニウム塩類を3種の濃度:100、200、および400mMで製造し、そして(水酸化アンモニウムまたは適当な酸を用いる滴定により)pH7.0±0.1にした。
リポソームの製造
卵PCより構成される多重膜リポソーム(MLV)(1200±200nm)を使用した。充填安定性に対するリポソーム膜の影響を除外するために、室温で液体不規則化(流体)状態の膜を有するリポソームを使用した。そのようなリポソームは典型的には漏れやすく、それにより活性剤の性質の放出プロファイルだけに依存する。MLVは所望する塩媒質中での一段階水和により形成され、引き続き燐脂質を水和媒質中で高剪断ポリトロン(Polytron)ホモジェナイザー(キネマチカ(Kinematica)、ルゼルン、スイス)により数分間にわたり均質化した。調剤中のリポソーム寸法の分布を光子補正分光計によりクールター(Coulter)(モデルN4SD)サブミクロン粒子分析器を用いて測定した。
勾配の形成
ハラン他[ハランG.他の上記引用文献]により開発された透析工程をpH勾配の形成用に使用した。一般的に、100容量の0.15M NaCl(pH=5.2)に対する2回の連続的透析交換および100容量の0.15M KCl(pH=6.7)に対する第三の透析交換を使用した。全ての透析は4℃で行なわれ、そこではリポソームからの剤の漏出は透析袋を通る漏出よりはるかに遅い。これらの条件下で、100−3000の範囲内にある[(NH4)2SO4]lip/[(NH4)2SO4]medの所望する勾配を形成するまでリポソーム外硫酸アンモニウムの水準が検出された。
TMN充填
所望する勾配の形成後に、TMN、BUPまたはAOを全てのリポソーム分散液に0.5mMの濃度で加えた。以下に記載されているように、充填は25℃で(マトリックス脂質である卵PCCのTmより上で)行なわれそして充填効率はサイクリックボルタンメトリー(CV)方法を用いて測定された。
TMN漏出の動力学
以下に記載されているように、4℃、25℃、および37℃におけるリポソームからの剤放出の動力学をCV方法を用いて測定した。
結果
集塊物の形成
DDW(10−40mM)中のTMN、BUP、およびAO浸透率較正曲線を図1に表示する。25mMにおける剤は下記の浸透率を表した:
TMN−21mOsm
BUP HCl−32mOsm
AO−48mOsm
両親媒性塩基(25mM)の浸透圧に対する塩類の影響も、NaClの影響を種々のアンモニウム塩類のものと比較することにより、測定した。対照として、各塩単独の浸透圧も測定した。
【0064】
TMN:21mOsmの浸透率値が純水中のTMNに関して得られた。NaClの種々の溶液を用いて理想溶液および集塊物生成のないことを観察した(TNMの浸透率に対する寄与は純水中のその浸透率と同一であったため)。種々のアンモニウム塩類に関して同様な実験が行なわれ、そしてそれらの結果を図2A−2Fに示す。示されているように、TMNは種々の塩類の浸透率に対して異なる影響を有する。浸透率における差異は、異なるタイプのアンモニウム塩類に関して以下の表IaおよびIcに示されているように、例えば40mMのアンモニウム塩と比べた80mMのように、より高いアンモニウム塩の濃度ではより明白である。塩類の浸透率に対するBUPまたはAOの寄与も試験されそして表IbおよびIcに表示される。
【0065】
表Ia−アンモニウム塩類の浸透圧に対する25mMTMNの寄与
表Ib−アンモニウム塩類の浸透圧に対する25mMBUPおよびAO(BUP//AO)の寄与
【表1】
【0066】
表Ia、IbおよびIcに表示された結果に基づくと、TMNを用いるアンモニウム塩類の集塊化度は、硫酸アンモニウム>クエン酸アンモニウム=燐酸アンモニウム>>塩化アンモニウム>グルクロン酸アンモニウムと評価され、それは硫酸アンモニウムが集塊化の最高水準を生ずるが、グルクロン酸アンモニウムはTMN集塊化または沈殿を生じなかったことを示す。
【0067】
例えばTMNの如き両親媒性の弱い物質と塩の集塊化に関連しうる伝導率(イオン強度)の如き他の因子が試験された。さらに、塩類の解離度(浸透率(mOsm)対濃度(mM)の傾斜から)が測定された。結果を以下の表IIに表示する。
【0068】
表II−種々の塩類(50mM)の伝導率および浸透率(mOsm)対濃度(mM)の傾斜
表IIは硫酸アンモニウムが試験したアンモニウム塩類の中で最高の解離度を有しており且つその伝導率が燐酸水素アンモニウムのものより高いことを示している(後者は硫酸アンモニウムと同じ数のイオンを有する)。さらに、これらの結果はグルクロン酸アンモニウムが最低の溶解度および最低の伝導率を有することも示す。これらの結果は硫酸アンモニウムがTMNを集塊化する最高の能力を有するが、グルクロン酸アンモニウムは実質的にTMNを集塊化しないことを示しており、以上で得られた結果を確認した。
【0069】
アンモニウム塩がTMNを集塊化する能力に影響を与えうる別の因子はアンモニウム塩のアニオンの電荷でありうる。1価であるグルクロン酸塩および塩化物は2価の燐酸塩および硫酸塩または他の3価のクエン酸塩と比べて低いTMNを集塊化する能力を有することが見出された。しかしながら、2価硫酸塩を含有する塩はTMNの集塊化において3価クエン酸塩より有効である。
【0070】
BUPおよびAOに関すると、25mMBUPまたはAOの浸透率に対する予測される寄与はそれぞれ(DDW中およびNaCl溶液中での較正曲線から計算して)32±5および48±4mOsmであり、燐酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、および硫酸アンモニウムにおいてわずかにだけ減じられた。グルクロン酸アンモニウムおよび塩化アンモニウムは、これらの塩類の浸透率に対するそれらの寄与は予測値と同等であったため、AOおよびBUPの実質的な集塊化を引き起こさなかった。これらの結果は、80mMまでの範囲内の試験したアンモニウム塩類の存在下では、少なくとも25mMまでは、BUPおよびAOの有意な集塊化のないことを示す。図3は、種々のアンモニウム塩類の浸透率に対する25mMAOおよび25mMBUPの寄与を表す。これらの結果は、BUPおよびAOの集塊化に関しては、他の塩類を使用すべきであることを示唆している。
【0071】
以上の事項にもかかわらず、8,000Da(グルコース当たり分子2.3−SO4部分当たり平均20単位の硫酸グルコース)または10,000Da(1分子当たり平均25単位の硫酸グルコース)分子量の硫酸デキストラン(DS)を媒質に加えることによりBUPおよびAO集塊化が得られた。BUP−DSまたはAO−DSの完全な集塊化は1.0の弱塩基/DSのモル比で始まって得られ、そして1nモルのDS(10,000Da)当たり50nモルのAOまたはBUPの比で平らに達した。
リポソーム内アンモニウム塩濃度および集塊の形成に対する充填効率およびTMN漏出の動力学の依存性
5mMの最終濃度でTMNを卵PC(120mMの燐脂質)より構成されるMLV(1200±200nm)懸濁液に要求されるアンモニウム塩勾配の形成後に加えた。充填効率は、高水準のカプセル化がより高い塩勾配で得られるように、リポソーム内アンモニウム塩の濃度に依存していた。しかしながら、カプセル化効率はアンモニウム塩から誘導されるアニオンのタイプには依存せず、すなわちそれは集塊化度に依存しなかった(表III)。
【0072】
表III−種々のアンモニウム塩類の勾配誘発充填によるカプセル化率およびTMN対燐脂質モル比(TMN/PL)
これらの結果は、pH勾配(この特定の場合には、アンモニウム勾配)が弱両親媒性アミンのカプセル化効率の測定における主要因子であるというクラークおよびバレンホルツ[クラークおよびバレンホルツ(1998);上記引用文献]により提唱された言及を支持している。
漏出の動力学
TMN漏出は3種の温度:4℃、25℃、および37℃で測定された。温度およびアンモニウム塩のタイプがカプセル化されたTMNの安定性の調節において重要であることが見出された。図4は、25℃(図4A)および37℃(図4B)における卵PCMLV(1200±200nm)中に充填されたTMNの安定性を表す。4℃では、144時間(ほとんど1週間)における最終時点まで硫酸アンモニウム勾配により充填されるリポソーム中ではTMN漏出は観察されなかったが、グルクロン酸アンモニウムおよび塩化アンモニウム勾配を有するリポソーム中では4℃で漏出が起きたがそれは10%より少なかった。高められた温度(25℃および37℃)では、カプセル化安定度は(NH4)2SO4>>NH4Cl>グルクロン酸NH4であり、集塊化度が漏出工程の程度との強い関連性を有するという仮定を強固にする。
【0073】
イオンのタイプおよびアニオン透過係数の間に相関関係が得られないため
【0074】
【化3】
【0075】
全てのこれらのアニオンの燐脂質膜中の透過が充分遅いため、カプセル化されたリポソームの安定性に対して実質的に影響を与えないと結論づけることができる。
【0076】
試験した濃度(範囲100−400mM)における勾配の大きさも充填の安定性に影響を与えず、すなわちTMNの漏出速度は全ての勾配における4種の塩類の各々で同様であった(データは示されていない)。これは、100mMのリポソーム内アンモニウム塩濃度において最大可能集塊化がすでに得られたことを示唆している。
考察
多くのパラメーターが、誘導されるプロトンおよび他のイオン(すなわち、NH4 +)勾配並びにリポソーム内の活性剤の充填効率に影響を与えうる。本発明はリポソームからの剤の放出速度を調節するための新しいパラメーターを開示しており、そして充填された物質がリポソーム内水相中で集塊化/沈澱する程度(集塊化した/集塊化しない剤の比)に関連する。以上の非限定的例は、剤の放出プロファイルがリポソーム内部の分子の物理的状態に強く依存する。従って、リポソームからの分子の放出速度はリポソーム内水相中のその集塊化状態を変えることにより変更することができる。
【0077】
充填された活性剤がリポソーム内部で集塊化する能力は、活性剤の性質並びにリポソーム内媒質の組成に依存しうる。以上の非限定的例では、3種の分子であるTMN、BUP、およびAOの放出プロファイルが評価された。これらの3種の化合物は全て両親媒性アミン類であるため、それらの充填は硫酸アンモニウム勾配により得られた。特に、NaClの溶液中および5種のアンモニウム塩類中のこれらの化合物の集塊化、荷電された重合体(例えば硫酸デキストラン)の存在および不存在、それらの解離度、それらのイオン強度、およびアニオンに寄与する酸の強度が定量化された。3種の両親媒性塩基はどれもNaCl中に有意に集塊化されなかった。それにもかかわらず、両親媒性塩基を用いて製造された塩の組成と生成した塩が集塊化する能力との間の相関性が測定された。この相関性は、特定の活性剤と対イオンとの間の相関性が集塊水準をそしてそれによりリポソームからの剤の放出プロファイルを指定することを示している。
【0078】
硫酸アンモニウムはそれがTMNを集塊化させる能力において最も有効であるが、燐酸アンモニウムはそれがAOおよびBUPを集塊化させる能力において最良である。アンモニウム塩解離度は塩がTMNを集塊化させる能力と相関した。最低の解離度を有する塩であるグルクロン酸アンモニウムを最高の解離度を有する塩である硫酸アンモニウムと比較する場合に差異は有意である。前者はTMNの実質的な集塊化を引き起こさないが、後者は非常に良好な集塊化をそしてそれにより安定性(すなわち持続放出性)を与える。
【0079】
アニオン電荷は集塊化工程においても役割を演ずる。1価の小さい(非重合体)アニオン(グルクロン酸塩および塩化物)は2価または3価アニオンより低いTMNを集塊化させる能力を有することが見出されたが、例えば硫酸デキストランの如き重合体対イオンの添加がAOおよびPUBの場合には集塊化水準を高めた。
【0080】
荷電された分子に対する集塊化工程の依存性はBUPおよびAOの例により示された。アンモニウム塩の解離度またはアニオンの電荷はBUPおよびAOの集塊化に影響を与えず、充填された剤の化学的性質も集塊化において役割を演ずることを示唆している。しかしながら、これは追加の対イオンとしての硫酸デキストランのナトリウム塩の使用により変更することができる。荷電された重合体はそれが例えばAOと会合する場合に水溶液中に高度に可溶性であるが、AO−DSの沈澱が始まって1nモルのAO/1nモルのDSの比を生じそしてDS8,000Daに関しては40のそしてDS10,000Daに関しては50の比で飽和に達する。
【0081】
リポソーム内水相中のTMN集塊化度はその放出動力学に影響を与えることが見出された。3種のアンモニウム塩類である硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、およびグルクロン酸アンモニウムをそれらがTMNを集塊化させる能力に関して評価し、それらは非常に異なる集塊化結果であるそれぞれ高い集塊化、低い集塊化および集塊化なしを示した。
【0082】
従って、集塊化はリポソームからの剤放出の動力学の調節において重要な役割を演じ、高い集塊化度は活性剤放出の比較的緩慢な速度を与えることが結論づけられた。それ故、対イオンの選択により、剤の放出プロファイルを要望に応じて設定することが可能であり、放出プロファイルは集塊化した/集塊化しない剤のモル比としても表示されるリポソーム内部の剤の集塊化度の測定値に依存する。
【0083】
放出の動力学に影響を与えうる他のパラメーターは、充填された剤の親油性およびリポソーム捕獲容量を包含する。親油性が高ければ高いほど、リポソームからの剤の放出速度は速くなるであろう。化合物の親油性はオクタノールと水との間のその分配計数(Kp)により反映されうる。表IVは3種の試験した剤の分配計数を示す。
【0084】
表IV−分配計数(Kp)オクタノール/水
TMNは3種の塩基の中で最も親油性が小さく、それは集塊化に加えてその低い漏出速度のための別の因子でありうる。
【0085】
捕獲容量が増加する場合に剤の受動充填は増加するが、これは必ずしも常に硫酸アンモニウムによる能動充填に関してはそうでない。この場合には、充填効率はリポソーム寸法の減少に伴い増加する。これは以下のように説明される:リポソームのリポソーム内水相が小さくなればなるほど、硫酸アンモニウム(例えば弱塩基用)または酢酸カルシウム(例えば弱酸用)の有効勾配を形成しそしてその結果として充填安定性および剤放出速度と相関するリポソーム内部の充填された薬品沈澱を誘発させるために膜を越えて移動しなければならないイオンの数が少なくなる(従って容易になる)。従って、リポソームの寸法がそれらの放出プロファイルを調整するための別の手段であると考えることができる。
【0086】
本発明は添付された請求の範囲により定義されるが、その内容は明細書の開示内に包含されるとして読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
本発明を理解しそしてそれをどのようにして実際に実施できるかを確かめるために、幾つかの態様を非限定的例だけにより添付図面を参照しながら次に記載する。
【図1A−1C】図1A−1Cは、テンパミン(TMN)(図1A)、ブピバカイン(BUP)(図1B)、およびアクリジンオレンジ(AO)(図1C)のDDW(10−40mM)中の浸透率較正曲線を表す。
【図2A−2F】図2A−2Fは、塩類単独の浸透率(●)と比べた硫酸アンモニウム(図2A)、クエン酸アンモニウム(図2B)、燐酸アンモニウム(図2C)、塩化アンモニウム(図2D)、グルクロン酸アンモニウム(図2E)および−NaCl(図2F)を包含する種々の塩類の浸透率(○)に対するTMN(25mM)の影響を表す。
【図3A−3F】図3A−3Fは、種々のアンモニウム塩類:硫酸アンモニウム(図3A)、クエン酸アンモニウム(図3B)、燐酸アンモニウム(図3C)、塩化アンモニウム(図3D)、グルクロン酸アンモニウム(図3E)またはNaCl(図3F)の浸透率に対する25mMアクリジンオレンジ(●)および25mMブピバカイン(○)の寄与を表す。
【図4A−4B】図4A−4Bは、200mMのリポソーム内塩濃度を用いる、25℃(図4A)および37℃(図4B)における卵PCMLV(1200±200nm)中へのTMNリモートローディングの安定性を表す。
Claims (14)
- リポソームからの活性剤の放出が標的における活性剤の最適効果を得るための期間にわたり維持される放出プロファイルを有するように設計されている活性剤の標的への伝達用のリポソーム調剤の製造方法であって、この方法がリポソームに該活性剤および選択された対イオンを充填し、該イオンおよび該活性剤が一緒に相互作用してリポソーム内で集塊化しおよび/または沈澱を形成し、ここで対イオンがリポソームからの活性剤の放出が該放出プロファイルを有するように選択されるリポソーム調剤を製造することを含む、リポソーム調剤の製造方法。
- 該放出プロファイルが調節された放出プロファイルでありそして活性剤と対イオンとの間の相互作用の程度に依存する、請求項1の方法。
- 該放出プロファイルが緩慢放出プロファイルでありそして該対イオンは該活性剤とのその相互作用がリポソーム内で実質的に水不溶性である塩を形成するように選択される、請求項2の方法。
- 該放出プロファイルが選択される対イオンの電荷により影響を受ける、請求項2の方法。
- 該活性剤が弱両親媒性塩基または弱酸である、請求項1の方法。
- 該活性剤および該対イオンがpHまたはイオン勾配の形成によりリポソーム内にカプセル化され、対イオンがイオン勾配からまたはリポソーム中へのその受動充填により得られる、請求項1の方法。
- 該活性剤が弱両親媒性塩基でありそしてpH勾配がアンモニウム塩の使用により形成される、請求項6の方法。
- 該対イオンがpH勾配を形成するアンモニウム塩から誘導される、請求項7の方法。
- 該対イオンが硫酸塩、ホウ酸塩、燐酸塩、クエン酸塩、塩化物、グルクロン酸塩、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、シアン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩および臭化物よりなる群から選択される、請求項1の方法。
- 該活性剤が弱両親媒性酸でありそして該対イオンがカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アンモニウムよりなる群から選択される、請求項1の方法。
- 該活性剤が弱両親媒性塩基でありそして該対イオンがアニオン性重合体である、請求項1の方法。
- 該アニオン性重合体が硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、カルボキシメチルデキストランから選択される対イオンを、重合体部分に共有結合されて、含んでなる、請求項11の方法。
- 該活性剤が弱両親媒性酸でありそして該対イオンがカチオン性重合体である、請求項1の方法。
- 該カチオン性重合体がカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アンモニウムから選択される対イオンを、重合体部分に共有結合されて、含んでなる、請求項13の方法。
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