JP2005505495A - アレルギーの診断および処置のための多量体プロフィリンの組成物 - Google Patents

アレルギーの診断および処置のための多量体プロフィリンの組成物 Download PDF

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Abstract

植物プロフィリンまたは機能的に等価なペプチドの多量体は、アレルギーの診断および処置に好ましい形態である。多量体を示す、天然および合成の分子全体またはフラグメントは、1)アレルギーの処置のための脱感作剤として、および2)患者をスクリーニングして、プロフィリンアレルゲン性を決定するために使用される。また、本発明は、(a)多量体プロフィリンを含む免疫原性組成物を得る工程;および(b)該組成物の有効用量を、該哺乳動物が脱感作されるまで、増分用量にて連続的に投与する工程、を包含する、哺乳動物を脱感作する方法を提供する。

Description

【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
本出願は、米国特許係属出願60/272,149号(2001年2月28日出願)からの優先権を主張する。
【0002】
植物プロフィリンの多量体は、アレルギーの診断および処置に好ましい形態である。天然および合成の、分子全体またはその多量体の機能的等価物であるフラグメントは、1)アレルギーの処置のための脱感作剤;および2)患者をスクリーニングしてプロフィリンアレルゲン性を決定するための診断剤、として使用される。
【0003】
プロフィリンは、全ての真核生物細胞において発現される細胞骨格タンパク質であり、G−アクチンを隔離し、そして膜結合ホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸に結合し(Carlssonら、1976;TheriotおよびMitchison、1993;SohnおよびGoldschmidt−Clermont、1994;Goldschmidt−ClermontおよびJanmey、1991;Baalout、1996;LassingおよびLindberg、1985;Valentaら、1993)、これにより、細胞形態およびシグナル伝達両方に影響する。プロフィリンは、複数の供給源(例えば、ヒト細胞、木、草、雑草(weed)花粉)から同定および精製され、そして組換えDNA技術によって産生された(Valentaら、1992a、b;Vrtalaら、1996a、b;Susani、1995;Pauliら、1996;KwitakowskiおよびBruns、1998;Honoreら、1993)。
【0004】
ヒトプロフィリン多量体(すなわち、プロフィリン自己会合)の存在は、Babichら(1996)によって最初に報告され、ここで、四量体(相互連絡した4つのプロフィリン分子の複合体;プロフィリン4を形成する)は、関連の高親和性アクチン結合形態として同定された。イムノブロット分析、キャピラリーゾーン電気泳動分析およびドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析によって、約14.8kDaの分子量のヒトプロフィリン単量体が、ほとんどの二量体(プロフィリン2)および四量体を含む多量体を形成することを示すと解釈された。さらに、機能的有意性は、プロフィリンの四量体形態に選択的に結合するアクチンによって推測された。続いて、別の研究が、カバノキ、ヒトおよび酵母由来のプロフィリンは、自己会合することを示した(Mittermanら、1998)が、機能的有意性も臨床的有意性も取り組まれなかった。
【0005】
ヒト、植物および動物から同定された種々のプロフィリン単量体の間で、広範な相同性(約40〜99%)が存在する。異なる植物種由来のプロフィリン間の顕著な相同性を示した構造分析が、報告された(Valentaら、1992;Vrlalaら、1996)。しかし、植物プロフィリンは、共通の抗体認識部位(エピトープ)を共有するようである。特に、プロフィリン感受性アレルギー患者IgB抗体は、異なるプロフィリンと交差反応する。さらに、組換えカバノキプロフィリンに対して惹起されたウサギポリクローナル抗体(ValentaおよびKraft、1995)は、報告された植物プロフィリンの実質的に全てと交差反応する。利用可能なデータは、ある植物供給源由来のプロフィリンが、個体をいくつかの植物種に対して交差感作(cross−sensitize)し得、そして、I型過敏症を有する幾人かの患者が、広範な、わずかに関連する花粉および食品に対する反応を示す理由を説明し得ることを示す。
【0006】
推定44,000,000人の(北米、欧州および日本からの)患者は、植物、動物およびラテックスのような物質中に見出されるプロフィリンに対するI型アレルギーに罹患する。I型アレルギー症状としては、枯草熱、鼻水の出る鼻(runny nose)、そう痒、ぜん鳴および皮膚反応、ならびに、広く公表された、顕微鏡量のピーナッツに対する致死的反応が挙げられる。I型アレルギーはまた、喘息の発達に関連する。よって、プロフィリンに独特な任意の局面が、アレルギーの診断および処置のさらなる研究および開発のための基礎を、次々と提供し得る。
【0007】
欧州での研究は、種々の植物供給源から単離されたプロフィリンアイソフォームが、一般的アレルゲンまたはアレルゲン全体(pan−allergen)として作用し得ること(Valentaら、1992a、b;1991;ValentaおよびKraft、1995)、および全ての花粉アレルギー患者(I型アレルギーを有する)の約20%が、組換えカバノキプロフィリンに対するIgE反応性を示すこと(Valentaら、1992a、b;1991;ValentaおよびKraft、1995)を報告した。組換えカバノキプロフィリン、ならびにカバノキ、チモシーグラスおよびヨモギ由来の天然のプロフィリンは、花粉アレルギー患者の好塩基球からのIgE媒介ヒスタミン放出を誘発し得る。本発明者による北米集団の研究(Psaradellisら、2000)はまた、プロフィリンに対するアレルギー患者の感受性を示した。よって、プロフィリンは、アレルゲン全体であり得、そして有意数のI型アレルギー患者の感作および維持に応答性である。
【0008】
ヒトプロフィリン多量体形態の発見を報告する研究(Babichら、1996)において考察および引用されたように、研究者らは、しばしばそれらが外来タンパク質として退けられた程度に対してさえ、プロフィリン多量体の存在が、何らかの関係を有するとは考えていなかった。以前の研究者は、植物のプロフィリン多量体が存在することを認識していなかったか、またはアレルゲン性形態としてのプロフィリン多量体の問題と取り組んでいなかったかのいずれかであった。しかし、タンパク質凝集/自己会合の生物学的重要性についてほとんど知られていない。この現象は一般に、あるとしても生物学的役割がわかりにくいままである、生じる生化学的誘因と考えられている。生物学的役割が見出されたとしても、臨床的役割は、必ずしも明らかにはならない。例えば、アレルギーの分野では、本出願の前例を示す、今日までに脱感作ショットのために用いられる特異的多量体タンパク質は存在しない。
【0009】
全体として、特異的アレルゲンは極めてわずかしか同定されていない;それゆえ、特異的アレルゲン性形態のプロフィリンの同定が臨床的に有用である。その結果、脱感作を誘発するための、精製された特異的な原因性アレルギー因子の注射のために利用可能な組成物はほとんどない。大部分の薬は、原因ではなく、アレルギー症状を処置するために用いられる。ワクチン接種は、治癒処置に最も近い、唯一の処置である;ワクチン接種は、免疫系の反応パターンを変更して、症状を停止させ得、そして特定の患者では、枯草熱から喘息への悪化を防止し得る。ワクチンは、患者の免疫グロブリン/抗体応答の型をIgEから主にIgGへと変える(「セロコンバージョンとも呼ばれる」)脱感作因子として用いられる。IgEは、患者の身体からアレルゲンを浄化する、患者の共通の応答であるが、通常公知のアレルギー症状である副作用(例えば、鼻水の出る鼻、ゼイゼイいう肺、かゆみのある眼、皮膚の発疹、悪心)をも惹起し、一方、IgGは、このような副作用を伴わずにアレルゲンの除去を補助し得る。従って、好首尾の脱感作ワクチンは、所定のアレルゲンに対する上昇したIgEレベルに比較してわずかであるIgG応答を引き起こす。
【0010】
今日までのアレルギーワクチン接種処置は、ほとんど、患者がアレルギーであるアレルゲン性物質(例えば、イネ科植物花粉)由来の抽出物のカクテルの注射からなっている。特異的アレルゲンはごくわずかしか同定されていないので、カクテルが用いられる。投薬量を徐々に増加させることによって、患者の免疫応答が変化し、そして患者は最終的に、セロコンバージョンによって、このアレルゲンに対してアレルギー反応をもはや示さなくなる。その結果、このような組成物の利用可能性は処置を改善するが、(カクテルではなく)より特異的なアレルゲンがより有効であり、再現性良く調製され、そして一般に、より少ない副作用を有する。
【0011】
(発明の要旨)
本発明の1つの局面は、アレルゲン性形態としてのプロフィリン多量体の同定である。
【0012】
アレルゲン性に関して、多量体のような、より大きな抗原は、さらなるエピトープを提示して、より大きなIgE媒介ヒスタミン放出を惹起し得る。この可能性を探求して、本発明が導かれた。本発明の局面は、以下を包含する:1)その植物プロフィリン形態の多量体;および2)多量体形態は、単量体よりもアレルゲン性である。組換え植物プロフィリン多量体化が研究され、そして免疫アッセイが開発されて、植物プロフィリンに対する個体のIgEの反応性が評価された。集団内のI型過敏症と植物プロフィリンへの反応性との間の相関は、米国(イリノイ)において調べられ、そしてプロフィリンが20%〜30%の患者において汎アレルゲンであるという考えを支持することが見出された。それゆえ、プロフィリン多量体の診断用途および治療用途は、顕著な臨床的影響を有する。
【0013】
本発明は、哺乳動物を脱感作するための方法および組成物に関する。この組成物は、多量体形態を生じる、天然に存在するか、合成物であるかまたは組換え産生された、プロフィリン(単量体の供給源は表3に列挙される)の産生および/または精製を含む。この方法は、以下の工程を包含する:
(a)多量体プロフィリンを含む免疫原性組成物を入手する工程;および
(b)有効用量の組成物を、該哺乳動物が脱感作されるまで、逐次増加する用量で投与する工程。
【0014】
本発明はまた、以下のようなイムノアッセイによる診断手段のための多量体プロフィリン組成物の利用に関する:
(a)確立されたRAST(ラジオアレルゴソルベントテスト)または任意の皮膚試験(これらはプロフィリンに対する患者の感受性を診断するものとして当業者に公知である)を介して、多量体プロフィリンを含む有効用量の組成物を投与する手段;および
(b)この組成物を組織、血液、血清中に適用するかまたはプラズマアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ/ELISA;放射免疫アッセイ/RIA;免疫−放射測定アッセイ/IRMA;RAST;発光イムノアッセイ/LIA;磁気アレルゴソルベント試験/MAT)に適用してプロフィリンに対する患者の反応性を検出する手段。
【0015】
このプロフィリン多量体は、天然のペプチドもしくは合成ペプチドまたは天然のポリペプチドもしくは合成ポリペプチドの形態であり得るか、あるいは組換え法によって作製され得る。この組成物は、当業者に公知である、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含み得る。投与は、非経口、経口、経鼻、吸入または直腸経路を介してなされ得る。処置投薬量は、IgEに関連する症状の軽減によって測定されるような臨床的な効力を生じるのに十分な量であり;診断投薬量は、それぞれの手順(例えば、皮膚試験=刺激作用;生物学的アッセイ=プロフィリンに結合する患者のIgEの検出)における測定可能な反応を生じるのに十分な量である。
【0016】
1)I型アレルギー患者の20〜30%は、プロフィリンと反応するIgEを有すること;および2)アレルゲン性のプロフィリン多量体の本発明における発見を考えれば、プロフィリン多量体またはその同族種(すなわち、多量体プロフィリンに非常に酷似しているかまたはそれに類似のもの)が、これらのアレルギー型の診断およびワクチン処置に重要である。
【0017】
他の供給源(例えば、ヒト、カバの木の花粉)から決定されたプロフィリンのサイズとの一致において、銀染色SDS−PAGEゲルおよびイムノブロット分析によって、有意な14.8kDaのタンパク質が、植物(Zea mays)プロフィリンアイソフォーム(ZmPRO1)のcDNAで形質転換されたEscherichia coliから精製さたことを明らかになった。より高分子量のタンパク質(特に60kDaおよび30kDa)がまた観察され、これは還元剤の非存在下において優性でありそしてより大きくなった(>90kDa)。プロフィリンに対するヒトIgE反応性を酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって測定し、その活性を、陰性(I型アレルギーなし)、陽性(I型植物アレルギー)またはその他(すなわち、古典的にI型植物アレルギー以外のアレルギー)のいずれかに分類された患者の血清サンプルを使用して展開した。8人の陰性コントロールのうちの1人およびその他に分類された14人のうちの3人と比較して、IgE−ZmPRO1複合体は、I型植物アレルギーを有する9人の患者のうち3人に見られた。続いて、点濾過イムノブロットを展開し、還元剤の存在下または非存在下において希釈されたプロフィリンを吸収し、それぞれ、大部分が単量体であるプロフィリンまたは大部分が多量体であるプロフィリンを得た。陽性患者由来の免疫グロブリンEは、プロフィリン多量体に好ましい条件下において、ZmPRO1へのより大きい結合強度を示した。要約すると、組換えZmPRO1プロフィリンは、多量体を形成し、そして組換えZmPRO1は、先進のELISAに適している。プロフィリンは、パン−アレルゲン(pan−allergenic)可能性を有しており、プロフィリン多量体は、単量体よりもより大きい免疫原性を有している。
【0018】
さらなるタンパク質を同定するためのほぼ最大限のタンパク質負荷と相対的により感受性のSDS−PAGE染色手順との組み合わせは、クーマシーブルータンパク質染色を用いる代表的な報告と比較して、多量体形態の同定を明らかにした。さらに、植物プロフィリンおよびヒトプロフィリンは、化学的還元に抵抗する能力において類似し得る。ヒトプロフィリンのコンピュータに基づく分子モデリングによって、過酷な還元剤からジスルフィド結合のいくつかを保護するプロフィリン−プロフィリン相互作用が生じることが示唆された(図5)。
【0019】
(詳細な説明)
アレルギー患者のIgEは、異なる供給源由来のプロフィリンと交差反応することが示されている。本発明は、種々の植物種(木、草、雑草)、食物(例えば、ピーナッツ)中に存在するアレルゲンに関するプロフィリン、およびヒトにおいて見出されたプロフィリンに関する。本発明の新規な局面は、プロフィリン多量体が排他的でない場合、好ましいアレルゲン形態であるということである。この多量体形態の大きさは、単量体形態(ここで、複数の単量体(約14kDa)は、28kDa、36kDaおよび60kDaの大きさで、またはその間の範囲にわたり得る多量体を含む)よりも大きいか、または図1および図2のSDS−PAGEゲルについて記載されるような100kDa以上の多量体である。この多量体は、同じ同一性を有する自己会合のプロフィリンから生じ得るか(ホモ多量体)、または、プロフィリン間での交差会合から生じ得る(ヘテロ多量体)。ヘテロ多量体の1つの例は、トウモロコシ花粉のプロフィリンのファミリーが、多量体を形成するために互いに結合する場合であり;別の例は、交雑種のへテロ多量体(例えば、トウモロコシ−カバノキ花粉プロフィリン複合体)である。ヘテロ多量体は検出されなかったが、おそらく、独特の配列が、このようなヘテロ多量体から同定され得、このヘテロ多量体は、プロフィリン感受性I型アレルギーの処置および/または診断のための、最終的には最も強力で、そして、一般的に適用可能な形態である。
【0020】
プロフィリン多量体は、例えば以下による当業者に公知の方法から作製される:自然中の本来の供給源からの精製、化学合成、または組換えDNA技術。このプロフィリンまたはプロフィリンペプチド、およびプロフィリンフラグメントは、引き続き、ポリ−1−プロリン(Babichら、1996;Janmey、1991)またはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)を使用する通常のアフィニティークロマトグラフィー法によって精製される。本明細書中で使用する場合、用語「合成的な」は、ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現によってか(Psaradellisら、2000;SambrookおよびRussell、2001)、またはコード化ヌクレオチド配列、もしくは既知のプロフィリンアミノ酸配列由来の特異的に設計されたアミノ酸配列に基づく市販の化学合成によって生成された、全てのペプチドおよびポリペプチドを含む。
【0021】
多量体化する全てのプロフィリン分子を作製することに加えて、合成ペプチドはまた、治療および診断のための新規なプロフィリンに基づくペプチドおよびポリペプチドを作製するために、以下の要件を有し得る:7〜21のアミノ酸長であり、少なくとも1つのプロリンを含み、そして、少なくとも1つの酸性アミノ酸を含む。この要件は、以下の各々からの集団的予測から導かれる:1)効率的に作製され得る最小の大きさは、免疫認識に十分であり、さらに、大きな分子と比較して、潜在的な副作用を軽減するのに十分小さい;2)多量化の際に、プロフィリン内およびプロフィリン間で生じる曲がり(bend)は、プロリンによってこのペプチド中で模倣され得る;3)水溶性ための荷電アミノ酸は、抗体−ペプチド相互作用を潜在的に促進する;4)プロフィリン多量体についてのもっともらしい多量体構造は、コンピューターモデル化により推定され(図5)、これは、外側のプロリンおよび荷電残基のための役割と一致する。従って、IgEを有するヒトは、恐らく、プロフィリン複合体(多量体化から生じる)の曝露部分、または図5中に示される隣接するさらなるプロフィリン分子から配列を続ける、1つのプロフィリン分子からのアミノ酸配列の一部に対する抗体を作製する。
【0022】
表3は、アレルギーの可能性を有するプロフィリンの配列を示す。この配列は、多量体化プロフィリンを発達させ、以前に記載されたパラメーターを与えられて、アレルギー処置および診断のためのペプチドフラグメントを作製するための根底を形成する。
【0023】
植物プロフィリンの、ヒトおよび種々の植物種から臨床学的に関連する多量体を形成する能力は、本発明の新規な局面である。この生化学的データおよびコンピューターに基づくモデル化は、種々の種由来のプロフィリンが多量体を形成し得るということに一致した。さらに、図5からのデータは、プロフィリンが、強すぎる還元剤(通常は、強力な化学結合を破壊する)から相対的に保護される強力な化学結合(スルフィドリル結合)に起因して、強く結合されたままである多量体を形成すること、ならびに2つのプロフィリン分子についての化学自由エネルギー(有利な状態)が、自己会合することを示した。従って、2つのプロフィリン分子についての性質は、自己会合することであり、これは、プロフィリンがなぜ単量体とともに存在するのかを説明する。
【0024】
発明の背景でも論議したように、多量体は、以前は、観察されなかったか、汚染物として取り下げられていたか、または臨床的関連性について研究されていなかった。2つの他の理由が、以下の結果から明らかとなった:(1)ヒトプロフィリン(多量体を形成する)を認識するためのウサギ抗−植物プロフィリンIgGがないことが、植物多量体が存在しないという証拠(なぜならば、この抗体がヒトプロフィリン多量体を認識した場合、研究者らは植物プロフィリン多量体を探すであろうから)として解釈され得た;そして(2)より感応性の染色を、現在のSDS−PAGE実験におけるタンパク質の検出に使用した。例えば、クーマシーブルーは、最小のバックグラウンドでタンパク質を検出するために、他人によって使用された好ましい染色であり、これによって、「より透明な」ゲルを与え、そして、優先的に、ゲル上にロードされた最も多量なタンパク質を検出する。対照的に、本明細書中で使用する銀染色は、より感応性であり、そして、バックグラウンドタンパク質を捕らえる。このゲルは、どちらかと言えば暗く、そして、より暗いバックグラウンドを生成することに加えて、タンパク質バンドは、時には、近い大きさの他の多くのタンパク質と混ざる(例えば、図1および図2)。従って、この分野での公開された研究の多くは、クーマシーブルー染色ゲルを示しており、これは、なぜ多量体が以前に明らかとならず、また記述されなかったのかを、部分的に説明し得る。
【0025】
実際に、確立されたプロフィリンの単離方法は、しばしば、12〜15kDaの細胞骨格分子の2倍以上のサイズで認識される、異質でかつ未同定のタンパク質を生じていた(Babichら、1996に議論されている)。これらのバンドは、二量体または他のプロフィリン多量体として探求されず、コンタミネーションとして片付けられた。さらに、アレルギー研究に使用されるプロフィリンは、アレルゲン性について試験する場合に、組成(単量体−多量体)を決定することなく精製されるか、または合成されていた。例えば、他の研究者らは、プロフィリン単量体のサイズだけ(14kDa)が、特許された産物(Valentaら、1996;米国特許第5,583,046号および米国特許第5,648,242号)を命名する(P14)ために使用された点で、アレルギー疾患の診断および治療のための産物として、仮定されたプロフィリン単量体を重視しただけだった。対照的に、Psaradellisら、2000で議論されるように、そして図4に示されるように、プロフィリン多量体は、排他的でないとしても、好ましいアレルゲン性形態として、提唱される。
【0026】
プロフィリン多量体に関する臨床的関連性は、I型アレルギーを有するヒト由来のIgEの優先的結合を立証したアッセイによって得られた。より大きなプロフィリン多量体は、それらのサイズおよび感受性のあるヒトへの新規の抗原提示(それによってIgEに媒介されるアレルギー反応を誘導する)に起因して、よりアレルゲン性であった。このプロフィリン多量体特性の使用は、以下を包含する:1)アレルギーの処置;および2)当業者に公知の診断方法(例えば、ELISA、RIA、IRMA、RAST、LIA、MAT)において、患者のアレルギー反応性を決定すること。これらのアッセイに使用されるプロフィリンは、多量体プロフィリン分子全体(天然または合成)、ペプチドフラグメント(天然または合成)、あるいは多量体化の際に反応に曝されるかまたはプロフィリン−プロフィリン相互作用を介して独自に見られるかのいずれかのプロフィリン構造由来のペプチドフラグメント(合成の新抗原)を含む。このタンパク質およびペプチドは、a)〜c)のいずれかである:a)標準の精製方法によって植物組織またはヒト組織から入手した(例えば、図1および図2に示される、ポリ−l−プロリンアフィニティーカラム精製されたプロフィリン);またはb)標準の市販の化学合成物を用いて当業者によって作製された;あるいはc)組換えDNA技術。
【0027】
プロフィリンは、種々の天然供給源からポリ(l−プロリン)−セファロース4Bアフィニティークロマトグラフィーを用いて、以前に記載されたように精製された(Babichら、1996;Psaradellisら、2000;Janmey,1991)。プロフィリンは、目的の細胞から直接単離されようと、あるいは合成されようと、10mlのポリ(l−プロリン)−セファロース4Bカラムに流すことによって他の成分全てを除いて精製された。それぞれ、4Mおよび8Mの尿素を用いて溶出されたアクチンおよびプロフィリンは、遠心分離法によって濃縮された(centriprep−3,Amicon Inc.,Beverly,MA)。プロフィリンは、最初に、G−緩衝液(0.1 mM CaCl、0.2mM ATP、0.5mM DTT、2mM Tris−HCl、pH7.2)で洗浄され、濃縮され(1〜3mg/ml)、そして2mM Tris−HCl(pH7.4)/0.1mM CaCl中で、−20℃で、使用まで保存した。プロフィリンの供給源(例えば、材料および方法(ZmPRO1プロフィリンの発現および精製)にさらに記載される、トウモロコシの花粉のZmPRO1プロフィリンについて)は、組換えDNA技術(Psaradellisら、2000;SambrookおよびRussell,2001)を介し得る。
【0028】
特定のアレルゲンに対する患者のスクリーニングは、臨床的設定における診断の役に立つ。本発明のこのタンパク質は、プロフィリンに対して感受性であるアレルギー患者を同定するために使用され、そして患者のセロコンバージョンに対する脱感作剤として使用される。次いで、患者がプロフィリンを認識するIgEを有する場合、脱感作剤(すなわち「アレルギー反射(allergy shot)」)は、本発見から開発され、それによって、IgGは、患者の初期免疫応答となり、臨床的利点を生じる(すなわち、IgEに関連する副作用無く、身体からアレルゲンを取り除く)。
【0029】
開発されたELISAは、I型アレルギー患者のIgEのZmPRO1プロフィリンの認識を測定するために、引き続いて使用された。既知のアレルギーを有さない患者間で、プロフィリンに対して1つの陽性の反応性(8人中1人);種々の(例えば、ペニシリン、織物、塵埃)非I型アレルギーを有する患者における最小の反応性(14人中3人)および花粉に対するI型アレルギーを示す患者間での顕著な反応性(6人中3人)が存在した。プロフィリンに対して陽性反応を示す3つのサンプル由来の生データ(表2)は、最小のバックグラウンド(すなわち、プロフィリンでコートしたウェルに血清を加えた場合の、プロフィリンでコートしていないウェルに対する比較的高い吸光度の比)で、プロフィリンに対する強いIgE反応性を示した。この結果は、I型アレルギー患者が植物のプロフィリンに対して免疫反応性であるという以前の研究と一致し(Valentaら、1992;1991、および1995;Pauli 1996)、そして本発明のアプローチが、I型アレルギーを有する患者についてのスクリーニングに有用であることを示す。
【0030】
プロフィリンの単量体および多量体のアレルゲン性の可能性を、ドットフィルトレーション(dot−filtration)免疫ブロット分析によって試験した(図4)。ELISAがより感受性かつ定量的であるが、単量体プロフィリン状態を支持するため(プロフィリン間のスルフヒドリル結合の破壊に起因するが、以前に記載されたように、不完全な効果を有する)に使用される還元剤の存在は、プラスチックウェルへのプロフィリンの吸着を妨害する。従って、ドットブロット濾過装置を使用して、還元剤を除去した。全ての例において、−BME/プロフィリンと比較して、より大きな応答が、+BME/プロフィリン(すなわち、優勢に多量体形態としてのプロフィリン)のIgE認識から測定された。陰性コントロール患者(すなわち、血清(−))からの比較的弱い信号とは対照的に、陽性血清カテゴリー由来のIgEは、(±BMEにかかわらず)プロフィリンの有意により大きな認識を表示し、これによって、プロフィリンの、アレルゲンとしてのより高い次数を示唆した。
【0031】
植物の花粉に対する1型アレルギーを宣言した9人の患者のうちの3人が、開発されたELISAを用いて、ZmPRO1プロフィリンに対する有意な反応性を示した。種々雑多なカテゴリー(例えば、埃)由来の3つのさらなる血清サンプルはまた、陽性応答を生じた。このことは、多くの1型アレルギー患者がしばしばアレルゲンとして埃を含むことを考慮すれば、予測され得る;さらに、ラテックス中でのIgE結合成分としてのプロフィリンの同定(Vallierら、1995)は、1型候補の従来のスペクトルの外側であると考えられるアレルゲンが、実際には、1型アレルギー患者のIgEによって認識され得るという問題を提起する。
【0032】
IgEによる、ZmPRO1プロフィリン多量体の比較的大きな認識は、提唱されたパンアレルゲン(pan−allergen)としての植物プロフィリンの新規局面を明らかにする。プロフィリン多量体のより大きな認識は、単純な相加効果に起因するのではない。なぜなら、同量の全プロフィリンが、ドット免疫ブロット試験において使用された各ウェルに添加されたからである。従って、このことは、プロフィリン多量体が相乗的に作用して、結合部位へのアクセスを立体的に容易にするか、または独自のエピトープを提示するかのいずれかであることを明らかにする。以下のことが考えられる:(i)以前に推定されたよりも多くの1型アレルギー患者が、プロフィリンを認識するIgEを有すること;および(ii)プロフィリン多量体は、1型アレルギーの原因となる因子であること。
【0033】
(表1 ZmPRO1プロフィリンとのヒトIgEの反応性についての酵素結合イムノソルベントアッセイ)
【0034】
【表1】
Figure 2005505495
3つの患者カテゴリー由来の血清サンプルとの、プロフィリンの陽性(+)反応または陰性(−)反応(N=30サンプル;各点に対して四連の決定)、Zm=Zea mays。
【0035】
(表2 陽性サンプルからの生データ)
【0036】
【表2】
Figure 2005505495
表1に同定した3つの陽性サンプルについての、コーティングされていないウェルに対する、プロフィリンでコーティングされたウェルからの光学密度(OD)の比(平均ODが示される;標準誤差は、平均の10%以内であった)。
【0037】
(表3)
【0038】
【表3】
Figure 2005505495
Figure 2005505495
Figure 2005505495
Figure 2005505495
Figure 2005505495
【実施例】
【0039】
(実施例)
(実施例1:多量体プロフィリンの生成および精製)
本発明は、組換えZmPRO1プロフィリン(これは、多量体形態を生じる)の生成および精製に関する。引き続いて、ウェスタン免疫ブロット分析およびELISA(これは、アレルギー患者のIgE反応性を評価するために開発された)によってこのタンパク質が免疫学的に異なることを同定した。見かけ上四量体の60kDaのプロフィリンが、より高次の多量体(>97kDa)に加えて見出され、これを、非還元条件下で増幅した。比較的高い割合のアクリルアミドゲルを使用して可視化し、そしてZmPRO1プロフィリンの単量体またはより低次の多量体を研究したが、選好性の高次プロフィリン多量体が頻発するようである;すなわち、多量体の破壊のための、熱および還元剤への曝露にもかかわらず、より大きな多量体プロフィリン形態が、一般的なままであった。植物プロフィリンが多量体を形成する能力を試験して、脱感作のために最適な分子形態を決定した。ZmPRO1 cDNAによってコードされる、精製された組換えタンパク質を、銀染色したSDS−PAGE分離によって可視化した(図1、2a)。14.8kDaにおける優勢なバンドを、形質転換したE.coliにおいて、特に、タンパク質産生を誘導するためのIPTG(イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(thiogalaclopyranoside))の後に確認した。他の外来のバンド(>30kDa)は、おそらく、より好都合なPLP(ポリ−l−プロリン)アフィニティービーズスラリーと共に残った、多量体プロフィリンおよび/または細胞タンパク質を含んだ。カラムクロマトグラフィーによって分離されたZmPRO1プロフィリンは、より清浄な調製物を与え、これもまた、還元条件下と非還元条件下との両方で試験した(図2a)。優勢なバンドが、単量体ZmPRO1植物プロフィリン(約14.8kDa)について予測されたように出現したが、ヒトプロフィリンについての報告と一致して、還元剤に対して耐性の、より高分子量のプロフィリン(例えば、より高次の多量体プロフィリン)が残った。約60kDaのバンド(図2a、+BME)は、ゲルの頂部近く(>97kDa)のタンパク質の明確な凝集に加えて、還元剤に対して耐性の四量体の形成を示唆した。タンパク質がより大きいほど、非還元条件下でより顕著になり(図2a、−BME)、そして単量体プロフィリンの対応する損失に関連する。スタッキングゲル中に残った染色されたタンパク質の存在は、天然タンパク質(すなわち、プロフィリン)の凝集/多量化の知見をさらに支持した。還元剤の非存在下で14.8kDaに相当する任意のかすかなタンパク質は、感受性基質を用いて対応する免疫ブロットを現像すると、より明らかになった(図2b)。しかし、ウェスタン免疫ブロッティングは、より高分子量のプロフィリン多量体についての、一貫しない陽性の同定を与えた;おそらくこのことは、種々のタンパク質の大きさの移動における異なる効率、タンパク質−タンパク質相互作用(例えば、イオン結合)の際に起こり得る正味の電荷の変化、90kDaを超えるプロフィリン多量体を、スタッキングゲルから分離ゲルへと移動させることが困難であること、またはプロフィリンの凝集/多量化が起こる場合のエピトープマスキングに起因する抗体認識の欠如に起因した。実際、観察されるウエスタンイムノブロットのバンドの強度(単量体>四量体>>より高い多量体(higher order))における差異は、これらの説明を支持する。総合的に、これらの結果は、免疫学的に異なるZea maysプロフィリンが生産されて、精製されて、そして優先的に多量体を形成することを示唆する。
【0040】
(実施例2:アレルギー性個体由来のヒト血清が、ZmPRO1を認識することの証明)
ELISAを発展させて、精製された組み換えタンパク質をさらに免疫学的に同定し、そしてアレルギー性個体由来のヒト血清がZmPRO1を免疫学的に認識するか否かについて研究するための手段を提供した。6つの代表的なコントロールウェルを示し(図4)、これらのうち精製されたタンパク質で覆われたウェルのみが有意な呈色応答(colorimetric response)を導いた。さらに、ウサギ抗ヒトプロフィリンIgGは、ZmPRO1を認識しなかった。このことはウサギ抗植物プロフィリンIgGがヒトプロフィリンを認識不可能であることに類似である(Karakesisoglouら、1996)。従って、ZmPRO1プロフィリンについて選択的な明確なシグナル−ノイズ比を有する方法を構築して、そしてその方法により免疫学的に異なる植物プロフィリンの生成がさらに確認された。
【0041】
(材料および方法)
(試薬)
Zea maysの花粉に由来するプロフィリンのアイソフォームをコードするcDNA(ZmPRO1;)(Staigerら、1993)を、イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性のプロモーターを有するトランスフェクションのベクター(pET23a;Novagen,Madison,WI,USA)において用意した;ZmPRO1 cDNAによりコードされるタンパク質産物を認識する、ポリクローナルのウサギIgGもまた、用意した。臭化シアン(CNBr)で活性化されたセファロース4Bを、Pharmacia(Piscataway,NJ,USA)より購入して、そしてポリ(L−プロリン)(PLP;10000〜30000MW)をSigma Chemical Co.(St.Louis,MO,USA)より購入した。
【0042】
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を結合したモノクローナル抗体(ヤギ抗ウサギIgG、ヤギ抗ヒトIgE)および銀染色キットを、Pierce Chemical Co.(Rockford,IL,USA)より購入した。
【0043】
(患者の血清サンプル)
慣用的な採血からのヒト血清サンプルを、適切な患者の同意と共に、University of Illinois College of Medicine at Rockford,Office of Family Practice(Rockford,IL,USA)から得た;患者が申し出たアレルギーを、各血清容器上に注釈としてつけた。標準的な遠心分離方法によって全血から単離した血清を、4℃で保存するか(そして1週間以内に使用する)、またはアリコートに分け、そして−20℃で保存した。サンプルを、以下の3つの群のうちの1つに分類した:(i)アレルギーの申し出なし;(ii)種々雑多な反応(すなわち、植物アレルギーではない、例えば、粉塵アレルギー、接着テープアレルギー、人工材料アレルギーなど);または(iii)植物の花粉に対する古典的I型アレルギー。
【0044】
(ZmPRO1プロフィリンの発現および精製)
予め温めたコンピテントBL21(DE3)Escherichia coli細胞(Novagen Inc.,Madison,WI,USA)を、製造業者からのプロトコルの改変によって、そして植物(Vrtalaら、1996;Susani、1995;Karakesisoglou、1996)およびヒトプロフィリン(Giesehnannら、1995)について本質的に記載されたように、ZmPRO1/pET−23aを用いて形質転換した。種々の形質転換したE.coliクローンの溶解物からのDNA含量および質を、標準的な分光光度測定(すなわち、260nm、濃度;260nm/280nm、相対的なヌクレオチド純度 対 タンパク質)、およびアガロース(0.7%)ゲル電気泳動によって分析した。最も高い濃度のZmPRO1 cDNAを発現するE.coliクローンを、プロフィリン産生のために選択した。
【0045】
10mL L−broth(g/L;10 トリプトン、5 バクト酵母抽出物(bacto yeast extract)、10 NaCl+0.15 アンピシリン)中で37℃にて10時間最初に増殖させた形質転換E.coliを、最終1L容量のL−brothにし、そしてさらに2時間インキュベートし(37℃、100r.p.m.にて穏かに攪拌)、その後、さらに6時間のインキュベーションに対してIPTG(0.4mmol/L 最終濃度)またはビヒクルのいずれかを添加した。培養物を遠心分離し(1000g、30分、22℃)、ペレットを得、このペレットを、5容量の氷冷した溶解緩衝液(0.01% Triton X−100、2μmol/L ロイペプチン、1μmol/L アプロチニン、0.2μmol/L ペプスタチン、5mmol/L Tris−HCl、pH7.2)中に再懸濁し、そして超音波処理した(連続的な出力制御設定2×10s、Sonifier cell disruptor、Branson Sonic Power Ca.,Danbury,CT,USA)。以前に記載されるように(Babichら、1996;Janmey、1991)、この溶解物を遠心分離し(12000gで30分間、4℃)、そして上清をポリ(L−プロリン)−セファロース4B(すなわち、PLPビーズ)アフィニティーカラム上に注いだ。簡単にいうと、尿素を用いた段階的な溶出勾配を使用して、2mmol/L N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、pH7.2/0.1mmol/L CaClに対する一晩の透析(4℃)に対してプロフィリンを収集および精製し、遠心分離(centriplus−3、Amicon Inc.,Beverly,MA,USA)によって約1mg/mLの最終濃度に濃縮する(これを、−20℃で保存した)。いくつかの場合、ZmPRO1プロフィリンを、E.coli溶解物:PLPビーズスラリー(1:4容量;4℃にて4〜16時間、穏かな振盪)の同時インキュベーションによって単離し、続いて、ペレットへと遠心分離し、そしてそのプロフィリン−PLPビーズ複合体を洗浄した(100mmol/L NaCl、100mmol/L グリシン、0.01mmol/L DTT、10mmol/L Tris塩基、pH7.8を用いて3回)。最終のペレットを懸濁し、そしてサンプル緩衝液中で(β−メルカプトエタノール(BME)の有りまたは無し)煮沸した。
【0046】
PLPビーズスラリー(例えば、図1;最初の精製およびE.coli中でプロフィリンが作製されたことの確認)またはカラムクロマトグラフィーのいずれかによって単離されたタンパク質を、標準的な銀染色したドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE;15% アクリルアミドゲル)技術によって分析した。プロフィリンを、以前に記載されたように(Babichら、1996)、ウエスタンイムノブロッティングによってさらに特徴付けた。このイムノブロットを、ウサギ抗ZmPRO1一次抗体(1:1000)および西洋ワサビペルオキシダーゼに結合体化したヤギ抗ウサギ二次抗体(1:500)を用いたインキュベーションによって展開させた。タンパク質を、蛍光基質または強化金属基質(Super Signalまたは金属ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド(DAB)、Pierce Chemical Co.,Rockford,IL,USA)のいずれかを用いて可視化した。
【0047】
(抗プロフィリン抗体の開発)
プロフィリン抗体を、記載されるように(Babichら、1996;Staigerら、1993)、組換えプロフィリンまたはネイティブなプロフィリンのいずれかに対して作製した。アフィニティーカラム精製およびSDS−PAGE電気溶出の後、プロフィリンをアジュバント(RIBI Immunochemical Research,Inc.,Hamilton,MT)と結合体化させ、そしてNew Zealand Whiteウサギの10ヶ所の別個の位置に(RIBIプロトコルに従う)注射した。ウサギ血清抗プロフィリンIgGをチオフィル吸着クロマトグラフィー(Pierce Chemical Co.,Rockford,IL)によって精製し、4.5mg IgG/mlの平均ピーク画分濃度を得た。抗プロフィリンIgG抗体を、抗原を含有するウエスタンイムノブロット上でスクリーニングした。
【0048】
(ヒトIgE−ZmPRO1プロフィリン検出のための酵素結合イムノソルベント検定法)
精製ZmPRO1生成物(50ng/ウェル)またはコントロールビヒクル[tris緩衝化生理食塩水(TBS)、pH7.4)を、一晩4℃で保存した96ウェルイムノアッセイプレート(Immulon−2、Dynatech Laboratories Inc.,Chantilly,VA,USA)の指定したウェルに添加した。ELISAのための適切なウェルを展開するための一般的な順序は、以下であった:(i)非特異的部位をブロックする(4% 脱脂粉乳、0.1% ウシ血清アルブミン(BSA)、0.02% NaN(TBS中)、20% SuperBlock(Peirce Chemical Co.製)、2時間、4℃);(ii)1×TBSで洗浄、そして血清サンプルまたはコントロールビヒクルのいずれかを用いてインキュベートする(TBSまたは熱非働化ウシ胎仔血清;4℃で一晩);(iii)サンプルを廃棄し、TBSをサンプルウェルに添加するか、または一次ウサギIgG抗植物プロフィリン(TBS中に1:1000希釈、0.01% Tween−20、0.01% BSA、1.5時間)をコントロールウェルに添加して、ZmPRO1プロフィリンのコーティングを確実にする;そして(iv)全てのウェルを1×TBSで洗浄、適切な二次抗体(血清を含むウェル中にはヤギ抗ヒトIgE−HRP、またはコントロールウェルにはヤギ抗ウサギIgG−HRP;1:500希釈、2時間、4℃)を添加する。次いでこのプレートを広範囲に洗浄し、比色定量方法の基質として2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)を用いて展開させ(ただし、他の確立されたHRP基質もまた、予備的な研究において好首尾であった)、そして光学濃度を、マイクロタイタープレートリーダー(λ570nm)を用いて測定した。プロフィリン標準物質の連続希釈アッセイによって、このアッセイが、1ウェル当たり0.1ngと100ngとの間のプロフィリン添加で線形であることを示した。プロフィリンを含むウェルから得た光学濃度 対 プロフィリンを含まないウェルから得た光学濃度の間に少なくとも1つの標準偏差の差異が存在する場合、その血清サンプルはプロフィリンと反応性であると考えられた(すなわち、陽性)。陽性と示された血清は、10%と100%との間の濃度のシグナル強度において、線形の増加を与えた。
【0049】
(ドット−フィルトレーションイムノブロット)
いくつかの場合、支持ニトロセルロース(0.2μmの孔サイズ)を用いるドットフィルトレーションイムノブロットアッセイ(Bio Rad.Hercules,CA,USA)は、ZmPRO1単量体 対 ZmPRO1多量体のアレルギー誘発の可能性を決定するためのELISAに代わる必要なアッセイである。プロフィリンは、還元状態下(4.5% BMB、95℃で3分間)または非還元状態下のいずれかに配置し(それぞれ、単量体状態または多量体状態に有利であるように)、そして引き続いて、ドットイムノブロットに付着させ(50ng/ウェル、2時間)、その後、膜から培地を除去するために吸引フィルトレーションをした。次いで、TBSを用いて洗浄することによってBMEを除去し、そしてドットイムノブロットを、ELISA方法と類似の抗体を用いたがHRP基質としては強化金属DABを用いて展開させた。免疫認識の強度(すなわち、暗さ)についての定量的な値は、そのドットフィルトレーションイムノブロットをコンピューターでスキャンし、そしてAdobe Photoshop(Adobe systems,San Jose,CA,USA)ソフトウェアプログラムを用いることによって(ヒストグラム、ブラックチャネルの下で)得た。平均の明度値を、各ドットをカバーする個定数のピクセル(486)から得、そして対応する暗さの値は、100×明度値の逆数によって計算した(すなわち、相対値の増加は、暗さの増加または免疫反応性の増加を示す)。異なる処理の平均間の比較を、スチューデントt検定によって作成した(SokalおよびRohlf、1981)。
【0050】
(哺乳動物を脱感作または減感作するための投与方法)
本発明は、哺乳動物を脱感作または減感作するためのプロフィリンポリペプチドアレルゲン(例えば、多量体プロフィリンのフラグメント)の使用に及ぶ。このようなポリペプチドは、標準的な薬学経験に従って、単独または薬学的に受容可能なキャリアもしくは希釈剤と組合わせてのいずれかで哺乳動物に投与され得る。
【0051】
脱感作方法としては、漸増する用量のプロフィリンの、連続的な、非経口投与、経口投与、鼻腔投与、吸入投与または直腸投与が挙げられる。本明細書中に使用される場合、用語非経口は、皮下注射、静脈内注射または筋内注射を含む。
【0052】
1適用当たり約1pg〜10mgの範囲の用量が、「有効量」として使用され得る。しかし、IgE関連症状の低下によって測定されるような臨床的な効果を生じるのに十分な投与量および投与回数(診断的な使用または投薬量)は、反応を生じるのに十分な量であるか、または反応を測定するための方法に含むのに十分な量である。希釈剤およびキャリアは、一般的に受容された臨床手順に従って、当業者によって選択される。
【0053】
【表4】
Figure 2005505495
Figure 2005505495

【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、Zea mays Zm PRO1 cDNAで形質転換されたEscherichia coli銀系SDS−PAGE分離の写真を示す;Zm PRO1 cDNAでコードされたタンパク質を(材料および方法)に記載したようにアフィニティービーズスラリー分離(affinity bead slurry separation)によって精製した;列1は、形質転換されていないE.coli(陰性コントロール)であり;列2は、pET23a/ZmPRO1ベクターを含むE.coliであり;列3は、pET23a/ZmPRO1ベクターおよびIPTG(プロフィリンタンパク質の発現を誘導するために)を含むE.coliであり;矢印は、単量体プロフィリンを示し;タンパク質分子量マーカー泳動を、右に示した(kDa)。
【図2】図2は、アフィニティーカラムで精製された、形質転換されたEscherichia coli由来のZea mays Zm PRO1の写真を示す;(a)その結果は、図1における銀染色SDS−PAGEと類似であるが、プロフィリンは、本明細書中で(材料および方法)に記載したようにアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって分離される;列1は、還元条件下(+β−メルカプトエタノール(BME))であり;矢印は、単量体プロフィリンの位置を示し;列2は、非還元条件(−BME)である;(b)サンプルの対応するイムノブロットは(a)と平行してはしる;列3は、+BMEであり;列4は、−BMEである;ウサギ抗−ZmPRO1と西洋ワサビペルオキシダーゼと結合体化された2次ヤギ抗−ウサギIgG法を使用して、免疫学的に異なるプロフィリンタンパク質を可視化した;タンパク質分子量マーカー泳動は、左に示される(kDa)。
【図3】図3は、植物プロフィリンのために開発された酵素結合イムノソルベント(immunosorbant)検定法からのウェルの写真を示す;ウェル1〜2、2次抗体のみを使用する;ウェル3〜4、1次抗体+2次抗体を使用する;ウェル5〜6、1次抗体+2次抗体+Zea mays ZmPRO1プロフィリンを使用する;トリス緩衝化生理食塩水+ZmPRO1プロフィリン(すなわち、陰性コントロール)は、測定可能な光学密度を与えなかった(図示せず)。
【図4】図4は、Zea mays ZmPRO1プロフィリンおよびヒトIgEのドットフィルトレーション(dot−filtration)免疫ブロットを示す。プロフィリンは、アレルギーを示す患者由来の血清[血清(+)]またはアレルギーを有さない患者由来の血清[血清(−)];コントロール、ウサギ抗ZmPRO1抗体(陽性コントロール)の添加前に、単量体[+β−メルカプトエタノール(BME)]または多量体(−BME)のいずれかを支持する条件下で、ドットフィルトレーション装置上に吸着および濾過された;比色アッセイの3連のウェルの測定を、全てのサンプル(バックグラウンド、−BME+プロフィリン+2次抗体+金属ジアミノベンジジン基質;バックグラウンドは、+BMEを含んだ場合、異ならなかった)について示す;暗さの強度についての定量的な値(平均±SEM)を、本明細書中の材料および方法に記載されるように計算し、そして各行の隣に示す;スチューデントt検定によって、ある特定のアミノ酸配列を有するタンパク質からなる対応する+BME行に対する−BMEについて、P<0.05または**P<0.01の有意水準が明らかになった。
【図5】図5は、プロフィリン自己会合のコンピューターに基づく分子分析を示す。結晶プロフィリンヒトプロフィリンIの構造(Metzlerら、1995)を、二量体化についての分子モデリングおよび「適合度」の分析のためにコンピューター上にダウンロードした。プロフィリン構造を分析するためのソフトウェアは、QUANTA(コアプログラム;品質グラフィックスおよび立体化学的識見のための分子モデリング、グラフィックスおよび操作(Molecular modeling,graphics and manipulation for quality graphics and stereochemical insight))、複数の物理化学操作(例えば、相互作用、反応、自由エネルギー計算、エネルギー最小化など)のためのCHARMm(Chemistry at Harvard Molecular modeling;Harvard,MAのKarplus研究室による);ポアソン−ボルツマン計算、ブラウン動力学、pK、酵素−基質相互作用のためのUHBD(McCammon研究室からのUniversity of Houston Brownian Dynamicsプログラムパッケージソフト);QUANTAとUHBDとのインターフェースのためのUHBDINT;相同性モデリングを使用して1次アミノ酸配列から3次元構造を推測し、標的配列に対する相同配列の3次元結晶構造を検索(search)および検索(retrieve)し、そしてこのような構造に基づいてモデルを構築するためのタンパク質モデリングシステムのための、QPROTNを含んだ。確率の高い形態のプロフィリン自己会合を、図5に示す。記号: 灰色=二量体を構成する2つのヒトプロフィリンI分子の構造を表し、それぞれが以下を含む: 白色=アクチン結合ドメイン 黒色=イオウ基が会合したシステイン残基3つの内側のシステイン(アミノ酸位置番号16、70、127)の間の可能なスルフヒドリル(sulphydryl)結合のうち、番号16および127(それぞれが、異なるタンパク質部分からである)(2つの大部分灰色の相互接続された構造)は、近くにあり、対分子間で2つのジスルフィド架橋(S−S結合)を形成するに適した立体的一致に利用可能であった(矢印は、黒色の相互接続された分子を指す)。3次元のコンホメーションはまた、S−S結合を取り囲む比較的保護性のポケットを明らかにした。90°近くの曲げが2つのプロフィリン間で観察され、アクチン結合ドメインとシステイン番号70とはアクセス可能である(例えば、右のプロフィリン部分上の黒色の露出した分子として見られ得る)。プロフィリン−プロフィリン結合の結果として生じる独特の領域(括弧の間で示される)は、アレルギー/IgE反応の推定エピトープを表し、従って、プロフィリン関連I型アレルギーの処置および診断のための新規なペプチドの開発のために使用され得るアミノ酸配列を有する。

Claims (21)

  1. 哺乳動物を脱感作する方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)多量体プロフィリンを含む免疫原性組成物を得る工程;および
    (b)該組成物の有効用量を、該哺乳動物が脱感作されるまで、増分用量にて連続的に投与する工程、
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記多量体プロフィリンが、天然に存在するプロフィリン、合成プロフィリン、または組換え生成されたプロフィリンからなる群より選択される、方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記プロフィリンが、ホモ多量体の複合体として存在する、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記多量体プロフィリンが、プロフィリンの合成ペプチドフラグメントを含む、方法。
  5. 請求項3に記載の方法であって、前記多量体プロフィリンが、プロフィリン多量体化から生じる新規の配列を有する合成ペプチドフラグメントを含む、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記多量体プロフィリンが、組換えDNA技術により作製されるペプチドフラグメントを含む、方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記多量体プロフィリンが、セロリ(Api g4,GENE BANK登録番号QPXF37)、ピーナッツ(Ara h5,GENE BANK登録番号Q9SQ19)、カバノキ花粉(Bet v2,GENE BANK登録番号P25816)、バミューダグラス(Cyn dl2,GENE BANK登録番号O04725)、ダイズ(Gly m3,GENE BANK登録番号O65809,O65810)、ヒマワリ(Hel A2,GENE BANK登録番号O81980)、ラテックス(Hev b8,GENE BANK登録番号CAB51914、O65812、Q9STB6、Q9M7N0、Q9M7M9、Q9M7M8、Q9LE18)、Mercurialis annua(Mer a1,GENE BANK登録番号O49894)、オリーブ花粉(Ole e2,GENE BANK登録番号P19963、O024170、O24171)、チモシーグラス(Phl p11,GENE BANK登録番号P35079、O24650、O24282)、セイヨウミザクラ(Pru av4,GENE BANK登録番号Q9XF39)、西洋ナシ(Pyr c4,Q9XF27)、トウモロコシ花粉(Zea Pro I,GENE BANK登録番号B35081;Zea Pro II,GENE BANK登録番号P35080;ZMPro III,GENE BANK登録番号P35083;ZmProIV,GENE BANK登録番号O22655;ZmProV,GENE BANK登録番号Q9FR39)、ヒト(プロフィリンI,GENE BANK登録番号P07737;プロフィリンIIアイソフォーム1,GENE BANK登録番号NP_444252;およびプロフィリンIIアイソフォーム GENE BANK登録番号NP_002619)、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される単量体を含む、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記免疫原性組成物が、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含む、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、投与経路が、非経口経路、経口経路、経鼻経路、吸入経路または直腸経路からなる群より選択される、方法。
  10. 合成ペプチドであって、以下:
    (a)連続してつながり、かつ表3の単量体プロフィリンから選択される、約7〜21のアミノ酸を含み;
    (b)該アミノ酸が少なくとも1つのプロリンを含み;そして
    (c)該アミノ酸が少なくとも1つの酸性アミノ酸を含む、
    ことにより特徴付けられる、合成ペプチド。
  11. 請求項10に記載の合成ペプチドであって、前記アミノ酸配列が、凝集により露出される結合領域において、1つのプロフィリン分子から、図5に示される隣接プロフィリン分子へと配列を延ばすことにより見出される、同じ新規な配列である、合成ペプチド。
  12. 請求項10に記載の合成ペプチドの凝集体を含む、プロフィリン多量体。
  13. 請求項11に記載の植物プロフィリンの多量体形態であって、ヘテロ多量体としてさらに規定される、多量体形態。
  14. 請求項11に記載の植物プロフィリンの多量体形態であって、合成物としてさらに規定される、多量体形態。
  15. 以下の特徴:
    (a)単量体植物プロフィリンを含み、各々の単量体は、各々少なくとも1つのシステインを含むアミノ酸配列またはそのフラグメントを有する;および
    (b)少なくとも24kDaの推定分子量を有する、
    を有する植物プロフィリンの精製多量体形態。
  16. 前記多量体プロフィリンが、セロリ(Api g4,GENE BANK登録番号Q9XF37)、ピーナッツ(Ara h5,GENE BANK登録番号Q9SQ19)、カバノキ花粉(Bet v2,GENE BANK登録番号P25816)、バミューダグラス(Cyn dl2,GENE BANK登録番号O04725)、ダイズ(Gly m3,GENE BANK登録番号O65809,O65810)、ヒマワリ(Hel A2,GENE BANK登録番号O81982)、ラテックス(Hev b8,GENE BANK登録番号CAB51914、O65812、Q9STB6、Q9M7N0、Q9M7M9、Q9M7M8、Q9LE18)、Mercurialis annua(Mer a1,GENE BANK登録番号O49894)、オリーブ花粉(Ole e2,GENE BANK登録番号P19963、O024170、O24171)、チモシーグラス(Phl p11,GENE BANK登録番号P35079、O24650、O24282)、セイヨウミザクラ(Pru av4,GENE BANK登録番号Q9XF39)、西洋ナシ(Pyr c4,Q9XF27)、トウモロコシ(Zm PROI,GENE BANK登録番号B35081;Zm Pro II,GENE BANK登録番号P35082;ZmPro III,GENE BANK登録番号P35083;ZmProIV,GENE BANK登録番号O22655;ZmProV,GENE BANK登録番号Q9FR39)、ヒト(プロフィリンI,GENE BANK登録番号P07737;プロフィリンIIアイソフォームa,GENE BANK登録番号NP_444252;およびプロフィリンIIアイソフォームb,GENE BANK登録番号NP_002619)またはこれらの組み合わせからなる単量体プロフィリンの群より選択される、組成物。
  17. アレルギーの診断試験であって、該試験は、以下の工程:
    (a)多量体プロフィリンまたはその機能的に等価なフラグメントの薬学的組成物を得る工程;
    (b)被験体に該組成物を投与する工程;および
    (c)アレルゲン性が推定される反応を決定する工程、
    を包含する、試験。
  18. 哺乳動物を脱感作するための多量体プロフィリンまたはその機能的等価物の使用。
  19. 請求項10に記載の合成ペプチドに対する抗体。
  20. 請求項12に記載の多量体プロフィリンに対する抗体。
  21. 請求項15に記載の多量体プロフィリンに対する抗体。
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