JP2005505277A - 水溶性酵素の油状懸濁液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、少なくとも1種の水溶性酵素の油状懸濁液、これら懸濁液を調製するための方法、並びに動物飼料への添加物としての該懸濁液の使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の水溶性酵素の油状懸濁液、これら懸濁液を調製するための方法、並びに動物飼料への添加物としての該懸濁液の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、飼料混合物をペレット成形する前に、固体、顆粒又は押出品の形態の水溶性酵素を飼料に添加することが実施されている。
これには、比較的高いペレット成形温度で十分なペレット成形安定性を達成するために、さらに別の工程で、上記顆粒又は押出品にコーティングを施さなければならないという欠点がある。
【0003】
一方、水溶性酵素の液体水性製剤は、ペレット成形後に飼料ペレットに噴霧によって適用することができる。
これらの水性製剤は、市販されているか、あるいは、水に溶解させることでインスタント粉末から直接調製することができる。
【0004】
液体製剤は一般に、微生物の安定性に問題があり、貯蔵安定性も低い。
JP09/322/770には、安定した油中酵素分散液、並びに肉を柔らかくするためのそれらの使用が記載されている。
【発明の開示】
【0005】
従って、本発明の目的は、前述した従来技術の欠点がない水溶性酵素の安定した液体製剤を提供することである。
【0006】
本発明者らは、この目的が、本発明に従い、以下の工程を含む、水溶性酵素の油状懸濁液を調製する方法により達成されることを見出した:
水溶性ビタミンの非存在下で、
a)油、好ましくは、少なくとも1種の食用油中で、少なくとも1種の水溶性酵素を0.1〜100μmの平均粒子サイズまで粉砕する、又は
b)連続相を用いずに、少なくとも1種の水溶性酵素を0.1〜100μmの平均粒子サイズまで粉砕した後、粉砕した粒子を油、好ましくは、少なくとも1種の食用油中に懸濁させる。
【0007】
上記水溶性ビタミンは、特に、アスコルビン酸及びその塩、例えば、アスコルビン酸ナトリウム;ビタミンC誘導体、例えば、アスコルビル−2−モノリン酸ナトリウム、カルシウム若しくはマグネシウム又はアスコルビル−2−リン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、パンテノール;塩酸塩、硝酸塩又はピロリン酸塩の形態をしたビタミンB1(チアミン);ビタミンB2(リボフラビン)及びそのリン酸塩;ビタミンB6及びその塩;ビタミンB12;ビオチン;葉酸及び葉酸誘導体、例えば、テトラヒドロ葉酸、5−メチルテトラヒドロ葉酸、5−フォルミルテトラヒドロ葉酸;ニコチン酸及びニコチンアミドである。
【0008】
本発明における水溶性ビタミンには、亜硫酸水素ナトリウムの形態をしたビタミンK3(メナジオン)も含まれる。
【0009】
水溶性酵素は、特に、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、及びヒドロラーゼである。好ましい酵素は、ヒドロラーゼである。ヒドロラーゼ、すなわち、化学結合の加水分解的切断を触媒する酵素の例としては、エステラーゼ、グリコシダーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エーテルヒドロラーゼ、プロテアーゼ、アミダーゼ、アミニダーゼ、ニトリラーゼ及びホスファターゼが挙げられる。
【0010】
グリコシダーゼは、エンドグルコシダーゼだけではなく、エキソグルコシダーゼも含み、これらは、αグリコシド結合だけではなく、βグリコシド結合も切断する。これらの典型的例としては、アミラーゼ、マルターゼ、セルラーゼ、エンドキシラーゼ、βグルカナーゼ、マンナナーゼ、リゾチーム、ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、グルコースオキシダーゼ、サッカラーゼ、ラクターゼなどが挙げられる。
【0011】
好ましいものとして、特に、非デンプン多糖を切断する酵素、例えば、アミラーゼ、グルカナーゼ及びキシラナーゼ、並びにホスファターゼ(特に、フィターゼ)が挙げられる。
【0012】
また、本発明の方法では、水溶性酵素を前記酵素の組み合わせとして用いることもできる。
従って、以下に記載する実施形態も水溶性酵素の組み合わせに関する。
【0013】
前記の水溶性酵素は、粉砕する前に、どんな所望の固体形態をしていてもよい。これらの固体は、それ自体公知の方法、例えば、培養ブロスからの乾燥又は沈降方法により調製することができる。好ましくは、これらの培養ブロスは、乾燥又は沈降前に、ろ過又は遠心分離する。乾燥方法には、例えば、噴霧乾燥、流動床乾燥又は接触乾燥、特に凍結乾燥がある。
【0014】
沈降方法はそれ自体公知であり、例えば、Na2SO4の添加による沈降がある。沈降方法については、例えば、”Enzyme der Tierernahrung [Enzyme in animal nutrition], AWT, 1997, Roonstrasse 53175 Bonn”に記載されている。
【0015】
従って、水溶性酵素は、例えば、粉末、顆粒若しくは凍結乾燥物の形態をしているものでよい。
【0016】
好ましくは、水溶性酵素は、粉砕前に、10重量%未満の水分を含む固体として用いる。
【0017】
使用しうる食用油は、一般に植物由来だけでなく動物由来のものも含む、あらゆる生理学的に許容される油、特に、20℃で液体の油、又は20℃の懸濁液中で、単独で若しくは他の油と一緒に液相を形成する油である。本発明に関して好ましい油としては、ヒマワリ種油、パーム油、ゴマ油、トウモロコシ胚芽油、綿実油、大豆油若しくはラッカセイ油、中鎖トリグリセリドのエステル、さらには、魚油、例えば、サバ油、ニシン油若しくはサケ油を挙げることができる。動物の栄養(nutrition)に特に好ましい油は、魚油、トウモロコシ胚芽油、ヒマワリ種油及びラッカセイ油である。加えて、食品/製薬分野で好適な油は中鎖トリグリセリドのエステルである。
【0018】
また、本発明に関する食用油にはビタミンE、ビタミンE誘導体またはその混合物も含まれる。本発明に関して「ビタミンE」という用語は、天然又は合成のα−、β−、γ−又はδ−トコフェロール、好ましくは、天然又は合成のα−トコフェロール、並びにトコトリエノールである。ビタミンE誘導体は、例えば、酢酸トコフェリル又はパルミチン酸トコフェリルのようなトコフェリルC1−C20−アルカンエステルである。
【0019】
ビタミンE及び/又はその誘導体は、単独で用いても、分散媒として他の食用油と一緒に用いてもよい。
【0020】
粉砕は、それ自体公知の方法、例えば、ボールミルを用いて、実施することができる。用いるミルの種類に応じて、粒子が0.1〜100μm、好ましくは、0.2〜80μm、特に好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは、0.8〜40μmの平均粒子サイズD[4,3](例えば、フラウンホファー回折により測定)に達するまで破砕を実施する。D[4,3]という用語は、容量−重み付き平均直径を示す(参照:Handbook for the Malvern Mastersizer S, Malvern Instruments Ltd.、英国)。
大きい固体の場合には、酵素固体の前粉砕を実施するのが好適である。
【0021】
粉砕及びそれに用いられる装置の詳細は、特に、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、1999、Electronic Release、縮小版、Chapter 3.6.: Wet Grinding(第3.6.章:湿式破砕)に見出すことができる。
【0022】
本発明の粉砕方法では、全混合物として懸濁液に用いる成分すべてを粉砕することができる。しかし、粉砕しようとする各個別の成分を、使用する油中で高濃度で粉砕してもよい。次に、個々の懸濁液を混合することにより、最終調製物を調製する。
本発明の調製物は、脂肪又は油を用いて、対応する使用濃度まで希釈することができる。
【0023】
本発明の方法の具体的実施形態では、工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を乳化剤の非存在下で実施する。
【0024】
本発明の方法のさらに好適な実施形態では、工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を保護コロイドの非存在下で実施する。
【0025】
前記の分散剤及び製剤助剤が存在しなくても、本質的に親水性である酵素は、前記の疎水性分散媒中で、湿潤の問題や凝集形成を起こすことなく、非常に微細に粉砕することができ、このことは、当業者には予想外のものであった。
【0026】
前記の湿式破砕以外に、本発明の油状懸濁液は、水溶性酵素を乾燥粉砕した後、少なくとも1種の食用油中に粉砕した粒子を懸濁させることにより、調製することもできる。本発明において、乾燥粉砕とは、連続相を用いない粉砕である。
【0027】
乾燥粉砕の詳細は、特に、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、1999、Electronic Release、縮小版、第3.4.章に見出すことができる。
【0028】
工程a)の粉砕及び工程b)の粉砕及び/又は懸濁を乾燥剤の存在下で実施すれば、本発明の油状分散液の安定性に関して特に好適であることが実証されている。本発明に関して好ましいものとして、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩(例:硫酸ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム)、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属の塩化物(例:塩化ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム)、並びにシリカゲルからなる群より選択される乾燥剤が挙げられる。特に好ましい乾燥剤はCaCl2である。
【0029】
用いられる乾燥剤の量は一般に、油状懸濁液の全量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1.0〜10重量%である。
【0030】
前記乾燥剤は、食用油中で、調製工程a)と同様、個別に粉砕した後、粉砕された水溶性酵素の油状懸濁液に添加してもよい。加えて、粉砕していない乾燥剤を工程a)からの粉砕した水溶性酵素の油状懸濁液と混合することも可能である。また、乾燥粉砕の場合には、水溶性酵素と乾燥剤を個別に粉砕した後、油状懸濁液に添加してもよい。
【0031】
驚くことに、乾燥剤の添加により、乾燥剤を含まない油状懸濁液と比較して、油状懸濁液の粘度が低下することがわかった。
【0032】
分散した水溶性酵素の極めて微細な分布のために、本発明の方法により調製された油状懸濁液は、懸濁液中に存在する活性化合物の高いバイオアバイラビリティーを特徴とする。
【0033】
前記水溶性酵素の他に、粉砕前、粉砕中又は粉砕後に、別の脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンK、ビタミンA及び誘導体(例:酢酸ビタミンA、プロピオン酸ビタミンA、若しくはパルミチン酸ビタミンA)、ビタミンD2及びビタミンD3、並びにすでに記載したEビタミン類を油状懸濁液に導入し、溶解させてもよい。好ましくは、工程a)の粉砕と、工程b)の懸濁を脂溶性ビタミンの存在下で実施する。
【0034】
本発明はまた、本発明の前記方法より取得できる少なくとも1種の水溶性酵素の油状懸濁液に関する。
本発明の油状懸濁液は、極めて微細に粉砕した形態で、1〜70重量%、好ましくは、2〜60重量%、特に好ましくは10〜55重量%、非常に好ましくは15〜50重量%の前記水溶性酵素の少なくとも1種を含む。
【0035】
さらに、この油状懸濁液は、溶解した形態で、0.5〜60重量%、好ましくは、5〜50重量%、特に好ましくは10〜45重量%、非常に好ましくは15〜40重量%の前記脂溶性ビタミンの少なくとも1種を含む。
【0036】
これに加えて、油状調製物は少なくとも1種のカロチノイドを含んでもよい。
カロチノイドは、例えば、以下の化合物:βカロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、シトラナキサンチン、カンタキサンチン、ビキシン、β−アポ−4−カロテナール、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロチンエステルであり、単独又は混合物のいずれでもよい。好ましく用いられるカロチノイドは、βカロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、シトラナキサンチン及びカンタキサンチンである。
【0037】
カロチノイドは、結晶質又は製剤(例えば、EP−A−0,065,193に記載の乾燥粉末)のいずれの形態で用いてもよい。
【0038】
カロチノイドは一般に、油中で水溶性酵素と一緒に、結晶質の形態で粉砕するのが好適である。アスタキサンチン及びカンタキサンチンの場合、好ましくは、アスタキサンチン又はカンタキサンチン含有乾燥粉末、例えば、ルカンチン(Lucantin)(登録商標)ピンク又はルカンチン(登録商標)レッド(10%アスタキサンチン又はカンタキサンチン乾燥粉末、BASF Aktiengesellschaft、Ludwigshafen、ドイツ)を水溶性酵素と一緒に用いる。
【0039】
製剤中のカロチノイド含有率は一般に、製剤の全量に対して、0.1〜40重量%、好ましくは、0.3〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%、非常に好ましくは1〜5重量%である。
【0040】
用途に応じて、本発明の油状調製物に、10重量%までのさらに別の成分、例えば、ミネラル、アミノ酸、タンパク質又は脂溶性酵素を含有させてもよい。
【0041】
これらの添加物は、前記脂溶性ビタミン及びカロチノイドの場合と全く同様に、本発明の懸濁液の粉砕前、粉砕中又は粉砕後に添加することができる。すべての非油溶性成分の極めて微細な均質懸濁液を得るために、これら成分を水溶性酵素と一緒に粉砕することも好適である。
【0042】
懸濁液に組み込み、一緒に粉砕することができるミネラルは、例えば、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化銅、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム若しくはリン酸鉄、炭酸コバルト、セレン酸ナトリウム若しくはケイ酸及びその塩である。例えば、動物栄養分野で用いられるミネラルの量は、飼料を与える動物の要件に応じ、各々の場合で変動する。
【0043】
用いることができるアミノ酸残基は一般にあらゆる公知の生理学的に許容されるαアミノ酸残基である。好ましいものとして、以下のアミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、馬尿酸、セリン及びタウリンの残基を挙げることができる。特に好ましいものは、リシン、メチオニン及びシステインである。
【0044】
懸濁液のさらに別の成分を以下に挙げる:
ビタミン又は補酵素の特徴を有する化合物、例えば、塩化コリン、カルニチン、γ−ブチロベンタイン、リポ酸、クレアチン、ユビキノン、S−メチルメチオニン、S−アデノシルメチオニン。
多不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸。
薬剤を添加した飼料用の抗生物質、並びに消化を改善するための微生物。
【0045】
場合によっては、油状懸濁液に助剤、例えば、保護コロイド、抗酸化剤、増粘剤、キレート剤、例えば、クエン酸、フィチン酸又はリン酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩及び/又は乳化剤を含有させる必要があることもある。
【0046】
用いることができる保護コロイドは、例えば、ゼラチン、魚ゼラチン、デンプン、デキストリン、植物タンパク質、ペクチン、アラビアゴム、カゼイン、カゼイン塩又はその混合物である。しかし、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びアルギン酸塩を用いることもできる。さらに詳細には、R. A. Morton, Fat Souble Vitamins, Intern. Encyclopedia of Food and Nutrition, 第9巻、Pergamon Press 1970, pp. 128-131を参照されたい。
【0047】
酸化的分解に対する活性化合物の安定性を高めるために、α−トコフェロール、第3ブチル化ヒドロキシトルエン、第3ブチル化ヒドロキシアニソール又はエトキシキンなどの安定化剤を添加するのが好適である。
【0048】
用いることができる乳化剤又は可溶化剤は、例えば、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のソルビタンエステル、脂肪酸又はレシチンのプロピレングリコールエステルである。
【0049】
懸濁液は、特に、動物飼料調製物及び混合飼料における、並びに動物分野での栄養補給剤製造のための、添加剤として好適である。
【0050】
好ましくは、懸濁液は、動物栄養における飼料添加物として用いることにより、好ましくは、飼料ペレットに塗布又は噴霧する、特に好ましくはペレット成形前に飼料混合物に混ぜることができる。
【0051】
この懸濁液は、特に、必要であれば油で希釈した後、例えば、動物飼料ペレットに本発明の懸濁液を直接噴霧すること(いわゆるペレット成形後使用)により、飼料添加物として用いる。
【0052】
噴霧方法の好ましい実施形態は、減圧下で飼料ペレットに油状懸濁液を導入することである。
この方法の例は、特にGB−A−2,232,573及びEP−A−0,556,883に見出すことができる。
【0053】
好ましくは、本発明は、動物飼料、特に、飼料混合物をペレット成形する前に、油状懸濁液を導入した、又は所望の組み合わせで油状懸濁液を添加した飼料ペレットに関する。
【0054】
本発明の方法により調製することができる油状懸濁液は、貯蔵安定性が高く、かつ微生物感染に対する感受性が低いという利点を有する。
【0055】
加えて、本発明の油状懸濁液は、ペレット成形前に、複雑なコーティング工程を必要とせずに、飼料混合物に直接添加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下の実施例により、水溶性酵素の本発明の油状懸濁液の調製物についてさらに詳細に説明する。
【0057】
実施例1
25重量%の乾燥フィターゼ(アスペルギルス由来で、噴霧乾燥したもの)と75重量%のトウモロコシ胚芽油からなる2kgの混合物をブレード攪拌器で均質な懸濁液が得られるまで攪拌する。次に、この混合物を攪拌可能なタンクに移し、そこから蠕動ポンプにより懸濁液を連続運転のボールミル(Dyno Mill KDL Spezial)まで輸送する。ボールミルの粉砕容器に400gのガラスボール(直径800〜1200μm)を入れる。ミルから排出される微粉砕懸濁液を回収し、粒子サイズ測定装置(Malvern Mastersizer)を用いて測定する。懸濁した粒子が20μm未満の平均サイズとなるまで粉砕作業を繰り返す。
【0001】
本発明は、少なくとも1種の水溶性酵素の油状懸濁液、これら懸濁液を調製するための方法、並びに動物飼料への添加物としての該懸濁液の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、飼料混合物をペレット成形する前に、固体、顆粒又は押出品の形態の水溶性酵素を飼料に添加することが実施されている。
これには、比較的高いペレット成形温度で十分なペレット成形安定性を達成するために、さらに別の工程で、上記顆粒又は押出品にコーティングを施さなければならないという欠点がある。
【0003】
一方、水溶性酵素の液体水性製剤は、ペレット成形後に飼料ペレットに噴霧によって適用することができる。
これらの水性製剤は、市販されているか、あるいは、水に溶解させることでインスタント粉末から直接調製することができる。
【0004】
液体製剤は一般に、微生物の安定性に問題があり、貯蔵安定性も低い。
JP09/322/770には、安定した油中酵素分散液、並びに肉を柔らかくするためのそれらの使用が記載されている。
【発明の開示】
【0005】
従って、本発明の目的は、前述した従来技術の欠点がない水溶性酵素の安定した液体製剤を提供することである。
【0006】
本発明者らは、この目的が、本発明に従い、以下の工程を含む、水溶性酵素の油状懸濁液を調製する方法により達成されることを見出した:
水溶性ビタミンの非存在下で、
a)油、好ましくは、少なくとも1種の食用油中で、少なくとも1種の水溶性酵素を0.1〜100μmの平均粒子サイズまで粉砕する、又は
b)連続相を用いずに、少なくとも1種の水溶性酵素を0.1〜100μmの平均粒子サイズまで粉砕した後、粉砕した粒子を油、好ましくは、少なくとも1種の食用油中に懸濁させる。
【0007】
上記水溶性ビタミンは、特に、アスコルビン酸及びその塩、例えば、アスコルビン酸ナトリウム;ビタミンC誘導体、例えば、アスコルビル−2−モノリン酸ナトリウム、カルシウム若しくはマグネシウム又はアスコルビル−2−リン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、パンテノール;塩酸塩、硝酸塩又はピロリン酸塩の形態をしたビタミンB1(チアミン);ビタミンB2(リボフラビン)及びそのリン酸塩;ビタミンB6及びその塩;ビタミンB12;ビオチン;葉酸及び葉酸誘導体、例えば、テトラヒドロ葉酸、5−メチルテトラヒドロ葉酸、5−フォルミルテトラヒドロ葉酸;ニコチン酸及びニコチンアミドである。
【0008】
本発明における水溶性ビタミンには、亜硫酸水素ナトリウムの形態をしたビタミンK3(メナジオン)も含まれる。
【0009】
水溶性酵素は、特に、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、及びヒドロラーゼである。好ましい酵素は、ヒドロラーゼである。ヒドロラーゼ、すなわち、化学結合の加水分解的切断を触媒する酵素の例としては、エステラーゼ、グリコシダーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エーテルヒドロラーゼ、プロテアーゼ、アミダーゼ、アミニダーゼ、ニトリラーゼ及びホスファターゼが挙げられる。
【0010】
グリコシダーゼは、エンドグルコシダーゼだけではなく、エキソグルコシダーゼも含み、これらは、αグリコシド結合だけではなく、βグリコシド結合も切断する。これらの典型的例としては、アミラーゼ、マルターゼ、セルラーゼ、エンドキシラーゼ、βグルカナーゼ、マンナナーゼ、リゾチーム、ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、グルコースオキシダーゼ、サッカラーゼ、ラクターゼなどが挙げられる。
【0011】
好ましいものとして、特に、非デンプン多糖を切断する酵素、例えば、アミラーゼ、グルカナーゼ及びキシラナーゼ、並びにホスファターゼ(特に、フィターゼ)が挙げられる。
【0012】
また、本発明の方法では、水溶性酵素を前記酵素の組み合わせとして用いることもできる。
従って、以下に記載する実施形態も水溶性酵素の組み合わせに関する。
【0013】
前記の水溶性酵素は、粉砕する前に、どんな所望の固体形態をしていてもよい。これらの固体は、それ自体公知の方法、例えば、培養ブロスからの乾燥又は沈降方法により調製することができる。好ましくは、これらの培養ブロスは、乾燥又は沈降前に、ろ過又は遠心分離する。乾燥方法には、例えば、噴霧乾燥、流動床乾燥又は接触乾燥、特に凍結乾燥がある。
【0014】
沈降方法はそれ自体公知であり、例えば、Na2SO4の添加による沈降がある。沈降方法については、例えば、”Enzyme der Tierernahrung [Enzyme in animal nutrition], AWT, 1997, Roonstrasse 53175 Bonn”に記載されている。
【0015】
従って、水溶性酵素は、例えば、粉末、顆粒若しくは凍結乾燥物の形態をしているものでよい。
【0016】
好ましくは、水溶性酵素は、粉砕前に、10重量%未満の水分を含む固体として用いる。
【0017】
使用しうる食用油は、一般に植物由来だけでなく動物由来のものも含む、あらゆる生理学的に許容される油、特に、20℃で液体の油、又は20℃の懸濁液中で、単独で若しくは他の油と一緒に液相を形成する油である。本発明に関して好ましい油としては、ヒマワリ種油、パーム油、ゴマ油、トウモロコシ胚芽油、綿実油、大豆油若しくはラッカセイ油、中鎖トリグリセリドのエステル、さらには、魚油、例えば、サバ油、ニシン油若しくはサケ油を挙げることができる。動物の栄養(nutrition)に特に好ましい油は、魚油、トウモロコシ胚芽油、ヒマワリ種油及びラッカセイ油である。加えて、食品/製薬分野で好適な油は中鎖トリグリセリドのエステルである。
【0018】
また、本発明に関する食用油にはビタミンE、ビタミンE誘導体またはその混合物も含まれる。本発明に関して「ビタミンE」という用語は、天然又は合成のα−、β−、γ−又はδ−トコフェロール、好ましくは、天然又は合成のα−トコフェロール、並びにトコトリエノールである。ビタミンE誘導体は、例えば、酢酸トコフェリル又はパルミチン酸トコフェリルのようなトコフェリルC1−C20−アルカンエステルである。
【0019】
ビタミンE及び/又はその誘導体は、単独で用いても、分散媒として他の食用油と一緒に用いてもよい。
【0020】
粉砕は、それ自体公知の方法、例えば、ボールミルを用いて、実施することができる。用いるミルの種類に応じて、粒子が0.1〜100μm、好ましくは、0.2〜80μm、特に好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは、0.8〜40μmの平均粒子サイズD[4,3](例えば、フラウンホファー回折により測定)に達するまで破砕を実施する。D[4,3]という用語は、容量−重み付き平均直径を示す(参照:Handbook for the Malvern Mastersizer S, Malvern Instruments Ltd.、英国)。
大きい固体の場合には、酵素固体の前粉砕を実施するのが好適である。
【0021】
粉砕及びそれに用いられる装置の詳細は、特に、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、1999、Electronic Release、縮小版、Chapter 3.6.: Wet Grinding(第3.6.章:湿式破砕)に見出すことができる。
【0022】
本発明の粉砕方法では、全混合物として懸濁液に用いる成分すべてを粉砕することができる。しかし、粉砕しようとする各個別の成分を、使用する油中で高濃度で粉砕してもよい。次に、個々の懸濁液を混合することにより、最終調製物を調製する。
本発明の調製物は、脂肪又は油を用いて、対応する使用濃度まで希釈することができる。
【0023】
本発明の方法の具体的実施形態では、工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を乳化剤の非存在下で実施する。
【0024】
本発明の方法のさらに好適な実施形態では、工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を保護コロイドの非存在下で実施する。
【0025】
前記の分散剤及び製剤助剤が存在しなくても、本質的に親水性である酵素は、前記の疎水性分散媒中で、湿潤の問題や凝集形成を起こすことなく、非常に微細に粉砕することができ、このことは、当業者には予想外のものであった。
【0026】
前記の湿式破砕以外に、本発明の油状懸濁液は、水溶性酵素を乾燥粉砕した後、少なくとも1種の食用油中に粉砕した粒子を懸濁させることにより、調製することもできる。本発明において、乾燥粉砕とは、連続相を用いない粉砕である。
【0027】
乾燥粉砕の詳細は、特に、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、1999、Electronic Release、縮小版、第3.4.章に見出すことができる。
【0028】
工程a)の粉砕及び工程b)の粉砕及び/又は懸濁を乾燥剤の存在下で実施すれば、本発明の油状分散液の安定性に関して特に好適であることが実証されている。本発明に関して好ましいものとして、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩(例:硫酸ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム)、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属の塩化物(例:塩化ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム)、並びにシリカゲルからなる群より選択される乾燥剤が挙げられる。特に好ましい乾燥剤はCaCl2である。
【0029】
用いられる乾燥剤の量は一般に、油状懸濁液の全量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1.0〜10重量%である。
【0030】
前記乾燥剤は、食用油中で、調製工程a)と同様、個別に粉砕した後、粉砕された水溶性酵素の油状懸濁液に添加してもよい。加えて、粉砕していない乾燥剤を工程a)からの粉砕した水溶性酵素の油状懸濁液と混合することも可能である。また、乾燥粉砕の場合には、水溶性酵素と乾燥剤を個別に粉砕した後、油状懸濁液に添加してもよい。
【0031】
驚くことに、乾燥剤の添加により、乾燥剤を含まない油状懸濁液と比較して、油状懸濁液の粘度が低下することがわかった。
【0032】
分散した水溶性酵素の極めて微細な分布のために、本発明の方法により調製された油状懸濁液は、懸濁液中に存在する活性化合物の高いバイオアバイラビリティーを特徴とする。
【0033】
前記水溶性酵素の他に、粉砕前、粉砕中又は粉砕後に、別の脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンK、ビタミンA及び誘導体(例:酢酸ビタミンA、プロピオン酸ビタミンA、若しくはパルミチン酸ビタミンA)、ビタミンD2及びビタミンD3、並びにすでに記載したEビタミン類を油状懸濁液に導入し、溶解させてもよい。好ましくは、工程a)の粉砕と、工程b)の懸濁を脂溶性ビタミンの存在下で実施する。
【0034】
本発明はまた、本発明の前記方法より取得できる少なくとも1種の水溶性酵素の油状懸濁液に関する。
本発明の油状懸濁液は、極めて微細に粉砕した形態で、1〜70重量%、好ましくは、2〜60重量%、特に好ましくは10〜55重量%、非常に好ましくは15〜50重量%の前記水溶性酵素の少なくとも1種を含む。
【0035】
さらに、この油状懸濁液は、溶解した形態で、0.5〜60重量%、好ましくは、5〜50重量%、特に好ましくは10〜45重量%、非常に好ましくは15〜40重量%の前記脂溶性ビタミンの少なくとも1種を含む。
【0036】
これに加えて、油状調製物は少なくとも1種のカロチノイドを含んでもよい。
カロチノイドは、例えば、以下の化合物:βカロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、シトラナキサンチン、カンタキサンチン、ビキシン、β−アポ−4−カロテナール、β−アポ−8−カロテナール、β−アポ−8−カロチンエステルであり、単独又は混合物のいずれでもよい。好ましく用いられるカロチノイドは、βカロチン、リコペン、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、シトラナキサンチン及びカンタキサンチンである。
【0037】
カロチノイドは、結晶質又は製剤(例えば、EP−A−0,065,193に記載の乾燥粉末)のいずれの形態で用いてもよい。
【0038】
カロチノイドは一般に、油中で水溶性酵素と一緒に、結晶質の形態で粉砕するのが好適である。アスタキサンチン及びカンタキサンチンの場合、好ましくは、アスタキサンチン又はカンタキサンチン含有乾燥粉末、例えば、ルカンチン(Lucantin)(登録商標)ピンク又はルカンチン(登録商標)レッド(10%アスタキサンチン又はカンタキサンチン乾燥粉末、BASF Aktiengesellschaft、Ludwigshafen、ドイツ)を水溶性酵素と一緒に用いる。
【0039】
製剤中のカロチノイド含有率は一般に、製剤の全量に対して、0.1〜40重量%、好ましくは、0.3〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%、非常に好ましくは1〜5重量%である。
【0040】
用途に応じて、本発明の油状調製物に、10重量%までのさらに別の成分、例えば、ミネラル、アミノ酸、タンパク質又は脂溶性酵素を含有させてもよい。
【0041】
これらの添加物は、前記脂溶性ビタミン及びカロチノイドの場合と全く同様に、本発明の懸濁液の粉砕前、粉砕中又は粉砕後に添加することができる。すべての非油溶性成分の極めて微細な均質懸濁液を得るために、これら成分を水溶性酵素と一緒に粉砕することも好適である。
【0042】
懸濁液に組み込み、一緒に粉砕することができるミネラルは、例えば、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化銅、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ素酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム若しくはリン酸鉄、炭酸コバルト、セレン酸ナトリウム若しくはケイ酸及びその塩である。例えば、動物栄養分野で用いられるミネラルの量は、飼料を与える動物の要件に応じ、各々の場合で変動する。
【0043】
用いることができるアミノ酸残基は一般にあらゆる公知の生理学的に許容されるαアミノ酸残基である。好ましいものとして、以下のアミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、馬尿酸、セリン及びタウリンの残基を挙げることができる。特に好ましいものは、リシン、メチオニン及びシステインである。
【0044】
懸濁液のさらに別の成分を以下に挙げる:
ビタミン又は補酵素の特徴を有する化合物、例えば、塩化コリン、カルニチン、γ−ブチロベンタイン、リポ酸、クレアチン、ユビキノン、S−メチルメチオニン、S−アデノシルメチオニン。
多不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸。
薬剤を添加した飼料用の抗生物質、並びに消化を改善するための微生物。
【0045】
場合によっては、油状懸濁液に助剤、例えば、保護コロイド、抗酸化剤、増粘剤、キレート剤、例えば、クエン酸、フィチン酸又はリン酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩及び/又は乳化剤を含有させる必要があることもある。
【0046】
用いることができる保護コロイドは、例えば、ゼラチン、魚ゼラチン、デンプン、デキストリン、植物タンパク質、ペクチン、アラビアゴム、カゼイン、カゼイン塩又はその混合物である。しかし、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びアルギン酸塩を用いることもできる。さらに詳細には、R. A. Morton, Fat Souble Vitamins, Intern. Encyclopedia of Food and Nutrition, 第9巻、Pergamon Press 1970, pp. 128-131を参照されたい。
【0047】
酸化的分解に対する活性化合物の安定性を高めるために、α−トコフェロール、第3ブチル化ヒドロキシトルエン、第3ブチル化ヒドロキシアニソール又はエトキシキンなどの安定化剤を添加するのが好適である。
【0048】
用いることができる乳化剤又は可溶化剤は、例えば、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のソルビタンエステル、脂肪酸又はレシチンのプロピレングリコールエステルである。
【0049】
懸濁液は、特に、動物飼料調製物及び混合飼料における、並びに動物分野での栄養補給剤製造のための、添加剤として好適である。
【0050】
好ましくは、懸濁液は、動物栄養における飼料添加物として用いることにより、好ましくは、飼料ペレットに塗布又は噴霧する、特に好ましくはペレット成形前に飼料混合物に混ぜることができる。
【0051】
この懸濁液は、特に、必要であれば油で希釈した後、例えば、動物飼料ペレットに本発明の懸濁液を直接噴霧すること(いわゆるペレット成形後使用)により、飼料添加物として用いる。
【0052】
噴霧方法の好ましい実施形態は、減圧下で飼料ペレットに油状懸濁液を導入することである。
この方法の例は、特にGB−A−2,232,573及びEP−A−0,556,883に見出すことができる。
【0053】
好ましくは、本発明は、動物飼料、特に、飼料混合物をペレット成形する前に、油状懸濁液を導入した、又は所望の組み合わせで油状懸濁液を添加した飼料ペレットに関する。
【0054】
本発明の方法により調製することができる油状懸濁液は、貯蔵安定性が高く、かつ微生物感染に対する感受性が低いという利点を有する。
【0055】
加えて、本発明の油状懸濁液は、ペレット成形前に、複雑なコーティング工程を必要とせずに、飼料混合物に直接添加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下の実施例により、水溶性酵素の本発明の油状懸濁液の調製物についてさらに詳細に説明する。
【0057】
実施例1
25重量%の乾燥フィターゼ(アスペルギルス由来で、噴霧乾燥したもの)と75重量%のトウモロコシ胚芽油からなる2kgの混合物をブレード攪拌器で均質な懸濁液が得られるまで攪拌する。次に、この混合物を攪拌可能なタンクに移し、そこから蠕動ポンプにより懸濁液を連続運転のボールミル(Dyno Mill KDL Spezial)まで輸送する。ボールミルの粉砕容器に400gのガラスボール(直径800〜1200μm)を入れる。ミルから排出される微粉砕懸濁液を回収し、粒子サイズ測定装置(Malvern Mastersizer)を用いて測定する。懸濁した粒子が20μm未満の平均サイズとなるまで粉砕作業を繰り返す。
Claims (19)
- 以下の工程を含む、水溶性酵素の油状懸濁液を調製する方法:
水溶性ビタミンの非存在下で、
a)油中で少なくとも1種の水溶性酵素を0.1〜100μmの平均粒子サイズまで粉砕する、又は
b)連続相を用いずに、少なくとも1種の水溶性酵素を0.1〜100μmの平均粒子サイズまで粉砕した後、粉砕した粒子を油中に懸濁させる。 - 上記油が少なくとも1種の食用油である、請求項1に記載の方法。
- 上記油が20℃で液体の油である、請求項1又は2に記載の方法。
- 上記食用油がビタミンE、ビタミンE誘導体またはそれらの混合物である、請求項2又は3に記載の方法。
- 上記工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を乳化剤の非存在下で実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 上記工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を保護コロイドの非存在下で実施する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 水分が10重量%未満の固体の形態をした少なくとも1種の水溶性酵素を用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 上記工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を脂溶性ビタミンの存在下で実施する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 上記工程a)の粉砕と工程b)の粉砕及び/又は懸濁を乾燥剤の存在下で実施する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 上記乾燥剤が、アルカリ金属の硫酸塩及びアルカリ土類金属の硫酸塩、アルカリ金属の塩化物及びアルカリ土類金属の塩化物、並びにシリカゲルからなる群より選択される物質である、請求項9に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって得られる、少なくとも1種の水溶性酵素の油状懸濁液。
- 1〜70重量%の少なくとも1種の水溶性酵素を含む、請求項11に記載の油状懸濁液。
- 0.5〜60重量%の少なくとも1種の脂溶性ビタミンを含む、請求項11又は12に記載の油状懸濁液。
- 請求項11〜13のいずれか一項に記載の油状懸濁液の動物飼料への添加物としての使用。
- 動物の栄養(nutrition)における飼料添加物としての請求項14に記載の使用。
- 飼料ペレットへの適用のための請求項15に記載の使用。
- ペレット成形前に飼料混合物に添加するための請求項15に記載の使用。
- 上記飼料ペレットに減圧下で油状懸濁液を導入する、請求項16に記載の使用。
- 請求項11〜13のいずれか一項に記載の油状懸濁液を含む飼料ペレット。
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