JP2005505099A - 高エネルギーの、再充電可能な電気化学的電池 - Google Patents
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Abstract
電気化学的電池で使用するための固体ゲル状非水電解質であって、この電解質が:(a)少なくとも一つの高分子化合物;(b)少なくとも一つの有機溶媒;及び(c)少なくとも一つの電解的に活性な塩;を含み、この塩が式:M′(ZRnXq−n)m、式中:M′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル及びアミドから選ばれたラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;Z=リン、アンチモン及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6であり、Z=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4である;により表され、更に高分子化合物、有機溶媒及び電解的に活性な塩が相互作用して固体ゲル状構造を持つ非水電解質を形成する。固体ゲル状非水電解質は好ましくは更に金属陽極及びインターカレーション陰極を含む電気化学的電池中に組み込まれる。
Description
【0001】
発明の分野及び背景
本発明はインターカレーション陰極を持つ非水ゲル状高分子電解質を利用する電気化学的電池に関し、特に、非水ゲル状高分子電解システム、インターカレーション陰極及びマグネシウム陽極を利用する電気化学的電池に関する。
【0002】
種々の種類の再充電可能な、高エネルギー密度の電気化学的電池が知られている。かかる電池は通常遷移金属酸化物またはカルコゲナイド陰極活性物質、陽極活性アルカリ金属またはアルカリ金属インターカレーション化合物、及び非プロトン性有機または無機溶媒中に溶解されたアルカリ系塩を含む電解質溶液、または高分子電解質からなる。
【0003】
理論的には、再充電可能な電池は無限に充電しかつ放電することができるが、実際にはかかる性能は達成し難い。種々の陽極、陰極及び電解質の劣化機構は複雑であり、当業者に知られている。
【0004】
陰極の二つの基本形式は周辺温度で再充電可能であるバッテリーシステムに対し適している。液体陰極が用いられることができ、反応を容易に起こす。液体陰極はまた陰極活性がサイクル過程に渡って高いまま残るように陰極の表面上に形成される薄膜または皮殻が割れる傾向があるということで有利である。しかし陰極物質の可動性は陽極との接触が電池を短絡するという不利がある。従って、液体陰極を持つ電気化学的電池は陽極に保護絶縁膜を必要とする。
【0005】
固体陰極は電解質に不溶性でなければならず、かつ実質的に可逆的かつ迅速に電荷補償イオンを吸収しかつ脱離することができなければならない。この種の固体陰極の第一例はインターカレーション陰極である。インターカレーション化学はイオンまたは中性分子の無機または有機母材中への挿入に焦点を合わせている。典型的なインターカレーション陰極において、電解質溶液に溶解されたカチオンは無機母材構造中に挿入されている。
【0006】
特に重要なインターカレーション物質の一群はシェブレル相物質と呼ばれ、またシェブレル化合物として知られている。シェブレル化合物はモリブデンとカルコゲン−硫黄、セレン、テルル、またはそれらの混合物からなる不変部を含む。この不変部は一般的に式Mo6Tnのものであり、ここでTはカルコゲンを表し、nは通常約8である。シェブレル相物質の独特な結晶構造が可逆的、部分可逆的、または不可逆的態様で一つまたはそれ以上の金属イオンの挿入を可能とする。インターカレーション化合物の化学量論はMxMo6Tnとして表されることができ、ここでMはインターカレーテッド金属を表し、xはその個々の金属の特性に依存して0(インターカレーテッド金属なし)から4以下まで変わることができる。
【0007】
金属イオンのシェブレル化合物中へのインターカレーションはエネルギーを放出する。この工程は部分的または完全に可逆的であるので、これらの化合物は特に電気化学的電池の電極として適している。例えば、有力なインターカレーションイオンであるリチウムは電気エネルギーの付与によりシェブレル化合物から除去されることができる。このエネルギーは再インターカレーションにより電気エネルギーとして放出される。
【0008】
高エネルギー密度の再充電可能な電気化学的電池の陰極活性物質は適当な陽極活性物質と組み合わされねばならない。陽極活性物質は最も普通にはアルカリ金属のような活性金属から作られる。しかし、特定の陽極−陰極組み合わせの性能は電解質システムの性質により強く影響を受ける。幾つかの非水電解質が特定の陽極−陰極組み合わせでうまく作動し、他の陽極−陰極組み合わせでは効果がないかまたは顕著に効果が少ないことが知られている。なぜなら電解質溶液の成分が安定でないかまたは溶液の成分が活性電極サイクル時に劣化するかのいずれかであるからである。結果として、従来技術の多くは独立の存在としてのみならず適当なバッテリーシステム内のユニットとしての陰極活性物質、陽極活性物質及び電解質に関する。
【0009】
KlemannらのU.S.特許4104450はアルカリ金属陽極、カルコゲナイド陰極、及び電解質システムとしての有機溶媒中の有機金属アルカリ金属塩を持つ可逆バッテリーを開示する。また有機基を含むホウ素またはアルミニウムアニオン系のアルカリ金属塩を含む非水電解質システムが開示されている。
【0010】
式
により表されるアルカリ金属の有機ホウ酸塩がHigashiらのU.S.特許4511642に開示されており、ここでR1−R4は次の群:アルキル、アリール、アルケニル、シクロアルキル、アリル、ヘテロサイクリック、及びシアノから選ばれた有機ラジカルであり、M+はアルカリ金属イオンを表す。
【0011】
U.S.特許4139681は式ZMRnXiを持つ電解的に活性な金属塩錯体を含む電池を記述しており、ここでZはアルミニウムを含む群からの金属であり、Rはそれぞれ特定のハロ有機ラジカルであり、Xはそれぞれ種々のハロゲン化物、アルキル、アリール、アルカリール及びアラルキルから選ばれる。Mはアルカリ金属であると特定されており、リチウムが好適実施例である。
【0012】
ArmandらのU.S.特許4542081は電気化学的発電機の固体電解質物質の構成のための解決策を記述している。この化合物は式
(R−C≡C)4Z−,M+
のものであり、ここでZはアルミニウムのような、4−配位中に入ることのできる三価元素であり、Rは非プロトン供与体である基を表す。Mはアルカリ金属であると特定されている。
【0013】
U.S.特許4104450,4511642,4139681及び4542081を含む上述の従来技術はMがアルカリ金属であることを特定している。マグネシウムのようなアルカリ土類金属陽極の使用はリチウムのようなアルカリ金属の使用に比べて不利であると思われたのであろう。なぜならアルカリ金属陽極はアルカリ土類金属陽極よりかなり容易にイオン化されるからである。加えて、再充電時に電池は放電時に溶解された陽極金属を比較的純粋な状態で、かつ電極上に沈澱の形成なしに、再析出することができなければならない。
【0014】
しかし、アルカリバッテリーには多くの不利がある。アルカリ金属、特にリチウムは高価である。アルカリ金属は反応性が高い。アルカリ金属はまた非常に可燃性であり、アルカリ金属と酸素または他の活性物質との反応のため火は極めて消火し難い。リチウムは有毒であり、その化合物類は少量でさえそれらの厳しい生理学的影響が知られている。結果としてアルカリ金属の使用はドライルームのような特別の設備、特別の器具及び特別の手順を必要とする。
【0015】
対象的に、マグネシウム金属及びアルミニウム金属は処理が容易である。これらの金属は反応性であるが、表面の迅速な不動態化を受け、従ってこれらの金属は非常に安定な挙動を示す。マグネシウムとアルミニウムの両者はアルカリ金属に比べて安価である。
【0016】
HottmanらのU.S.特許4894302はインターカレーション陰極、アルカリ土類陽極、及び有機溶媒と電解的に活性な、有機金属アルカリ土類金属塩とを含む、非水液体電解質を持つ電気化学的電池を開示し、その塩は式
により表され、ここでZはホウ素またはアルミニウムであり;R1−R4は次の群:アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリル、ヘテロサイクリックアルキル、及びシアノから選ばれたラジカルであり;Mはマグネシウムのようなアルカリ土類金属を表す。これらのラジカルは上記群のハロゲン化されたまたは部分的にハロゲン化された誘導体のような、電気化学的電池の有効性に関して電解質組成物の電解的性質に有害な影響を持たない置換基により不活性的に置換されることができる。広範囲の有機ラジカル及びハロゲン化有機ラジカルを開示することに徹底的な注意が払われているが、アニオンの金属種(Z)を別の無機種に結合することは考慮されていない。
【0017】
U.S.特許5491039は固体高分子母材と式
Mc(ZRn)
により表される有機金属イオン塩とを含む固体の単相電解質を記載しており、ここでZはホウ素、アルミニウムまたはチタンであり;Rnは種々の置換されたまたは置換されていない有機ラジカルであり;Mはリチウム、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウムであり、cは1または2であり、そしてnは1から6の整数である。U.S.特許4894302にはハロゲン化された有機ラジカルを含む広範囲の有機ラジカルが開示されているが、アニオンの金属種(Z)の別の無機種への結合は報告されていない。全ての場合において、金属種Zは炭素原子に結合されている。より詳細にはアニオンの金属種(Z)のハロゲンへの直接的結合は開示されていない。U.S.特許5491039がアニオンの金属種への結合のために適切な極めて広範囲のラジカルを教示しているという事実を考慮すればこれは特に重要なことであることを強調しなければならない。
【0018】
U.S.特許5491039とU.S.特許4894302の両者はマグネシウムのようなアルカリ土類陽極を持つ電気化学的電池を開示する。しかし、商業的利用のためには、かかるマグネシウムバッテリーは本質的に再充電可能でなければならず、妥当な保存寿命を持たねばならない。1.5ボルトの電圧を維持することは従来技術による通常のインターカレーション陰極と電解質では問題がありまたは不可能である。1.5ボルトで作動するマグネシウムバッテリーは特に電解質の分解及び両電極表面の皮殻形成/不動態化を起こし易い。
【0019】
我々の同時係属親出願、出願番号09/419940において、電気化学的電池のための電解質の新形式が開示された。この電解質の一般式はM′+m(ZRnXq−n)mであり、ここでM′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれたラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=1−3;そしてZ=リン、アンチモン及びヒ素の場合n=0−5かつq=6であり、Z=アルミニウム及びホウ素の場合n=0−3かつq=4である。上述の同時係属出願は1.5ボルトを越える公称電圧を持つ実行可能な、再充電可能なマグネシウムバッテリーの製造のための基礎を提供するためのこのMgを持つ電解質形式と式
CuxMgyMo6S8
のマグネシウム−シェブレルインターカレーション陰極の適合性を開示している。
【0020】
特別な関心は現在進歩したバッテリーシステムにおける固体高分子電解質の使用に焦点を合わせている。液体電解質の固体ゲル状高分子電解質との置換は安全性、設計の融通性及び製造器具と工程操作の簡易性に関して利益を提供する。
【0021】
Li,Na及びKイオンに基づくゲルは学術文献で周知であり、それらの幾つかはある範囲の商業的実施を経験した。明確な対照で、Mg,Ca及びAlイオンに基づくゲルでは非常にわずかな研究が実施された。Mg,Ca及びAlゲルについての比較的少数の研究は幾つかの物理性に帰することができるかもしれない。Mg,Ca及びAlの塩の格子エネルギーは通常アルカリ金属の塩のそれらに比べて非常に高い。従って、これらの塩のイオン解離を効果的に起こすに十分な極性である高分子母材を識別することは極めて困難である。これらの塩の殆どの溶解性はそれらの塩を妥当なイオン解離により溶解することのできる高分子媒体を見出す可能性はとてもありそうにないと思われる程、水及び他の非常に誘電性の媒体中でさえ、非常に低いことは強調されねばならない。加えて、Mg,Ca及びAlのイオンは、これらのイオンが溶液中のイオン移動度を厳しく制限する傾向のある極めて高い電荷密度により特徴付けられるように、非常に小さくてかつ多価である。かかるイオンの輸率は0.5以下であると予想され、かかるイオンの溶液の電気伝導度はこの発明の電解質システムのためには不充分であると思われる。
【0022】
我々の上に引用した同時係属中の特許出願により教示された液体電解質は溶液中の敏感な平衡状態に基づいていることは更に強調されねばならない。電解質の電気化学的反応性は溶媒構造及び極性に強く依存する。例えば、上に引用した液体電解質システム中の最も広く試験されたエーテル溶媒はテトラヒドロフラン(THF)である。THFと一個のメチル基の付加によってのみ異なる2Me−THFのような非常に似たエーテルの使用も研究された。この外観上の小さな差は溶媒の極性に小さな影響のみを持つが、この発明の電解質システムにおいてはかかる差は錯塩の偏析及び電気化学的反応性の損失を起こすに十分であった。この例は純粋に理論的根拠で知られていること、すなわち溶媒媒体が電解質錯塩の構造と反応性に決定的に影響することを明白に証明する。
【0023】
従って、この発明の電解質システムが溶解し、かつ錯体が偏析しないまたは高分子母材と反応しないかつ電気化学的反応性が維持されるような方式で相容性であるであろう高分子母材を見出すことは驚くべきことであろう。
【0024】
我々の上に引用した同時係属中の親出願により教示された液体電解質システムに先立ち、マグネシウムが電気化学的に析出しかつ可逆的に溶解されることができる電解質システムの唯一の既知の形式はエーテル溶液中のグリニャール試薬であった。例えばLiebenow(Electrochimica Acta,43巻,10−11号、1253−1256頁、1998年)は高分子母材としてポリエチレンオキシドを持つテトラヒドロフラン溶液中のエチルマグネシウム臭化物に基づくゲル高分子を調製し、このシステムのマグネシウムを還元しかつ酸化する能力を証明した。しかし、グリニャール試薬に基づくゲル状高分子は科学的な関心のあるものであるかもしれないが、それらは商業的バッテリー技術に適用されることができない。グリニャール試薬に基づくゲル状高分子の極めて乏しい陽極安定性はかかる固体ゲル状電解質におけるそれらの使用を排除する。更に、グリニャール試薬は極めて可燃性の、腐食性のかつ危険な還元物質である。
【0025】
従って、これまで知られた再充電可能なバッテリーよりより安全で、クリーンで、効率的でかつ経済的である全体が固体の、実際的な、再充電可能なバッテリーの製造を可能とする固体高分子非水電解質に対する広く認められた要求があり、その電解質を得ることは非常に有利であるであろう。もしかかる電解質が安価で豊富な原料であるマグネシウム、カルシウムまたはアルミニウムに基づくのであれば更に有利であろう。
【0026】
発明の概要
本発明は電気化学的電池で使用するための新形式の固体ゲル状電解質である。この固体ゲル状電解質の特性は高電導度と2.2V対Mg/Mg+2を越えることができる電気化学的窓(electrochemical window)である。適切な電池中でのこの電解質の使用は金属の実質的に可逆的な析出と陰極物質での可逆的インターカレーション工程を促進する。
【0027】
本発明の教示によれば電気化学的電池で使用するための固体ゲル状非水電解質が提供され、この電解質は:(a)少なくとも一つの高分子化合物;(b)少なくとも一つの有機溶媒、及び(c)少なくとも一つの電解的に活性な塩を含み、この塩は式:
M′(ZRnXq−n)m
で表され、式中:M′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれるラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;Z=リン、アルチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6、そしてZ=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4であり、更に高分子化合物、有機溶媒及び電解的に活性な塩が相互作用して固体ゲル状構造を持つ非水電解質を形成する。
【0028】
本発明の別の態様によれば、固体ゲル状非水電解質は更に金属陽極及びインターカレーション陰極を含む電気化学的電池中に組み込まれる。
【0029】
本発明のなお別の態様によれば、電気化学的電池で使用するための非水電解質が提供され、この電解質は:(a)少なくとも一つの有機溶媒、及び(b)少なくとも一つの電解的に活性な塩を含み、この塩は式:
M′(ZRnXq−n)m
で表され、式中:M′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれるラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;Z=リン、アルチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6、そしてZ=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4である。
【0030】
本発明のなお別の態様によれば、この非水電解質は更に金属陽極とインターカレーション陰極を含む電気化学的電池中に組み込まれる。
【0031】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、Zはアルミニウムである。
【0032】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はマグネシウムである。
【0033】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はカルシウムである。
【0034】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、電解的に活性な塩はMg〔ブチルAlCl3〕2である。
【0035】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、電解的に活性な塩はMg〔ブチルエチルAlCl2〕2である。
【0036】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれ、Zはアルミニウムであり、Rはアルキルラジカルの少なくとも一つの型を表し、そしてmは2である。
【0037】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、有機溶媒はテトラグリムを含む。
【0038】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、有機溶媒はテトラヒドロフランを含む。
【0039】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、高分子化合物は母材としての役目をする。
【0040】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、高分子化合物はPVdF,PEO及びPVCからなる群から選ばれる。
【0041】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれ、Zはアルミニウムであり、Rはアルキルラジカルの少なくとも一つの型であり、そしてmは2である。
【0042】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、インターカレーション陰極はシェブレル相インターカレーション陰極である。
【0043】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、シェブレル相インターカレーション陰極は式
CuxMgyMo6S8
により表され、ここで1>x>0かつ2>y>0である。
【0044】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、金属陽極はマグネシウムである。
【0045】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、高分子化合物はPVdF,PEO及びPVCからなる群から選ばれる。
【0046】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、溶媒はTHF及びテトラグリムからなる群から選ばれる。
【0047】
本発明は現在既知の固体ゲル状電解質の欠点を成功裡に処理し、かつマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムに基づきかつ1.5ボルトを越える公称電圧を持つ実行可能な、再充電可能なバッテリーの製造のための基礎を提供する。
【0048】
図面の簡略説明
この発明がここに添付図面に関して例としてのみ述べられる。図面において:
図1は本発明による、金電極を用いるポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質の典型的なサイクリックボルタンメトリー図を示すグラフである。
図2は本発明による、シェブレル相陰極、マグネシウム金属陽極、及びポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質からなる電気化学的電池の電圧パターンのグラフである。
【0049】
好適実施例の説明
本発明は電気化学的電池で使用するための新形式の固体ゲル状電解質である。この固体ゲル状電解質の特性は高電導度と2.2V対Mg/Mg+2を越えることができる電気化学的窓を含む。適切な電池でのこの固体ゲル状電解質の使用は陽極電流収集体上のマグネシウム金属の実質的に可逆的な析出と陰極材料中のマグネシウムの可逆的インターカレーションを促進する。
【0050】
アルカリ金属は容易にイオン化されるけれども、マグネシウムまたはアルミニウムのような他の金属陽極の使用は有利であると決定された。マグネシウム及びアルミニウムはアルカリ金属に比べて非常に安価である。アルカリ金属は非常に反応性でかつ非常に可燃性であり、アルカリ火災は消火が極めて困難である。特にリチウムは有毒であり、リチウム化合物は少量でさえそれらの厳しい生理学的影響が知られている。結果として、アルカリ金属の使用はドライルームのような特別の設備、特別の器具及び特別の手順を必要とする。
【0051】
マグネシウムとアルミニウムは反応性であるが、表面の迅速な不動態化を受け、従って全ての実際的目的のためにはこれらの金属は非常に安定である。マグネシウムとアルミニウムは容易に入手でき、かつ安価で、非毒性で、危険でなく、作業するのが容易で、それ自体電気化学的電池のための及び電解溶液、特に固体ゲル状電解質のための非常に望ましい原料である。
【0052】
マグネシウムに基づく一次電気化学的電池は既知であるけれども、かかる電池は再充電可能でなく、軍事的利用のためにのみ使用されている。1.5ボルトの電圧を維持することは通常のインターカレーション陰極及び従来技術による電解質では問題がありまたは不可能である。1.5ボルトで作動するマグネシウムバッテリーは特に電解質分解及び電極表面の皮殻形成/不動態化の傾向がある。
【0053】
上述した既知の困難性にもかかわらず、極性有機溶媒と結合した高分子母材が形:
M′(ZRnXq−n)m
のこの発明の電解質を溶解することができることを我々は発見した。この混合物は室温で十分な電導度を示し、かつ上に検討した全ての制限にもかかわらず高可逆性を持つカチオンM′を電気化学的に析出し、かつ溶解する高分子ゲルを作る。カチオンM′はマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムからなる群から選ばれる。より好ましくは、カチオンM′はマグネシウムである。
【0054】
Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは以下の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル及びアミドから選ばれた少なくとも一つの型のラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;そしてZ=リン、アンチン及びヒ素の場合n=0.5かつq=6であり、そしてZ=アルミニウム及びホウ素の場合n=0−3かつq=4である。
【0055】
ここに用いられるように明細書及び特許請求の範囲においてラジカル“R”は以下の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル及びアミドから選ばれた少なくとも一つの型のラジカルを示す。種々のR基を持つ電解的に活性な塩の例はMg〔ブチルエチルAlCl2〕2、Mg〔ベンジルエチルメチルAlCl〕2、及びCa〔ブチルフェニルAlCl2〕2である。
【0056】
ここで用いられるように明細書及び特許請求の範囲において“PEO”はポリエチレンオキシドを示し;“PVdF”はポリ(フッ化ビニリデン)を示し;“PVC”はポリ(塩化ビニル)を示し;“Bu”はブチル基を示し;“Et”はエチル基を示し;そして“THF”はテトラヒドロフランを示す。
【0057】
上述のように、本発明による固体ゲル状電解質及び適切な陽極−陰極対を持つ電池の電気化学的窓は2.2ボルトであり、従ってこの電池は固体ゲル状電解質の分解及び電極の皮殻形成なしに1.5ボルトで安定な可逆的様式で作動されることができる。
【0058】
この発明の好適実施例において、この発明による固体ゲル状電解質は金属陽極及びインターカレーション陰極を持つ電気化学的電池で機能する。
【0059】
幾つかの非水電解質が特別の陽極−陰極組み合わせによりうまく実施できること及び電解質が不活性でないためかまたはそれがサイクル時に劣化するためかのいずれかで、他の陽極−陰極組み合わせでは効果的でないかまたは極めて効果が低いことが知られている。従って、電解質を独立した存在としてのみならず適切な陽極−陰極対を含むシステム内のユニットとしてまた取り扱うことが重要である。
【0060】
従って、以下に述べるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、本発明による固体ゲル状電解質は適切な陽極−陰極対を含む特定の電気化学的電池中に組み込まれる。
【0061】
この固体ゲル状電解システムのための陽極として、マグネシウム、リチウム、アルミニウム及びカルシウムを含む種々の金属が適しているが、特に適切なバッテリーは本発明による固体ゲル状電解質、マグネシウム金属陽極及びマグネシウム挿入化合物陰極を含む。
【0062】
なお別の好適実施例において、マグネシウム挿入化合物陰極は形
CuxMgyMo6S8
のマグネシウム−シェブレルインターカレーション陰極であり、ここでx=0−1及びy=0−2である。
【0063】
本発明による改善された電解質を持つ電解電池の原理と作動は以下にかつ図面に関して提供される説明及び例中に提供された添付説明によりより良く理解されることができよう。
【0064】
本発明の固体電解質組成物は高分子化合物、有機溶媒及び上述のような形 M′(ZRnXq−n)mの電気化学的に活性な有機金属塩を含む。この形の有機金属塩は相溶性の非有機金属塩とまたは相溶性の他の形の有機金属塩と組み合わせることができる。
【0065】
多くの形式の高分子化合物が母材化合物として使用されることができ、本発明の固体ゲル状電解質を形成する。それらの高分子化合物はポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)、ポリ(フッカビニリデン)(PVdF)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)(HFP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(アクリロニトリル)(PAN)、(PEEK)(MEEP)及びそれらの混合物を含む。
【0066】
本発明による固体ゲル状電解質と共に使用されるインターカレーション陰極は遷移金属酸化物、カルコゲナイド及びハロゲナイド及びそれらの組み合わせを含む。より詳細には、遷移金属酸化物はV2O5,TiS2,MoS2,ZrS2,Co3O4,MnO2、Mn2O4を含み、カルコゲナイドはシェブレル相化合物を含む。
【0067】
実施例1
本発明による固体ゲル状電解質と共に使用するためのマグネシウム−シェブレルインターカレーション陰極はInorg.Chem.26巻、1805(1987)に発表されたGoecke及びSchoelhorn,(E.Goecke,R.Schoelhorn,G.Aselmann及びW.Muller−Warmuth)により開発された方法により合成された。元素状硫黄、モリブデン及び高純度の銅が4:3:1の化学量論比で添加された。均質混合後、ペレットにプレスされ、混合物は10−5トルの減圧下に石英アンプル中に封入された。アンプルは炉中に置かれ、温度が400℃/hの速度で450℃に上昇された。温度は450℃に24時間維持された。再び温度が400℃/hの速度で700℃に上昇され、700℃で24時間維持された。温度は次いで120℃/hの速度で1050℃に上昇され、1050℃で48時間維持された。120℃/hの速度で室温に冷却された後、アンプルは壊して開かれた。得られた銅モリブデン硫化物(Cu2Mo6S8)は乳鉢と乳棒を用いて微粉末に摩砕された。
【0068】
銅モリブデン硫化物粉末はテフロン(登録商標)添加カーボンブラック(CB)と混合された。得られたペーストはステンレススチール網上に広げられ、プレスされた。形成された複合電極は室温で24時間減圧下に乾燥された。
【0069】
電極は続いて化学的または電気化学的予備処理を受けさせ、そこでホスト母材(Cu2Mo6S8)中の銅イオンの幾らかが脱離された。銅の電気化学的脱インターカレーションは非水媒体、すなわちアセトニトリルのMg(ClO4)2の1M溶液中で実施された。脱離は定電流充電法(a galvanostatic charging process)により実施され、そこでは電位の上限が制御された。銅の化学的脱インターカレーションは酸化剤としてFeCl3を含む酸性水溶液によるCu2Mo6S8の直接反応により実施された。
【0070】
アセトニトリル中で洗浄し続いて電極を乾燥した後、充−放電サイクルがAg/Ag+1参照電極に対して、−1.6Vと0.01Vの間の種々の走査速度でアセトニトリルのMg(ClO4)2の1M溶液で実施された。明白な電気化学的レドックス活性が−1.219V対Ag/Ag+の主酸化ピークと−1.41V対Ag/Ag+の対応する主還元ピークを持って観察された。インターカレーション−脱インターカレーション工程と組み合わされた電気量はそれぞれ71mAh/gと72mAh/gであってそれらは式
Cu0.13MgyMo6S8
のy=1.09−1.12に対応する。
【0071】
インターカレーション工程の化学的及び電気化学的可逆性は多サイクルに渡って証明された。
【0072】
実施例2
さて図面を参照するに、図1は金電極、エーテル−マグネシウム有機ハロアルミン酸塩を持つPVdF母材とテトラグリム溶媒とを含む固体ゲル状電解質を用いることを含む電気化学的電池の典型的なサイクリックボルタンメトリー図を示すグラフである。
【0073】
図1は金の作動電極を用いてPVdF母材中のテトラグリムにより得られたMg(AlCl2BuEt)2のポテンショダイナミックな挙動を示す。−0.8Vのピークはマグネシウム金属の析出のためであり、略0.7Vのピークはマグネシウム金属の引き続いての電気化学的溶解に帰せられる。このシステムで得られた電気化学的窓は2.2Vを越える。サイクリックボルタンメトリー図からマグネシウム析出及び溶解の工程は完全に可逆的であることが明白である。
【0074】
実施例3
シェブレル相陰極、マグネシウム金属陽極、及びPVdF,Mg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムを含む固体ゲル状電解質からなる電気化学的電池が調製された。74.3mgの重さの陰極がステンレススチール網上に広げられた、結合剤として10重量%のカーボンブラックと10重量%のPVdFを含む銅浸出シェブレル相物質の混合物から作られた。固体ゲル状電解質はPVdF母材中の0.25モルのMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムから調製された。陽極は16mmの直径と、0.2mmの厚さを持つ純マグネシウム金属の円盤であった。バッテリーはセパレーターなしにステンレススチールの“コイン型”電池形状ケースに入れられた。電池は23.3ミリアンペア/グラムの電流密度を持つ標準充−放電器でサイクル的に充放電された。サイクル的充放電のための電位限界は完全放電状態で0.5V及び完全充電状態で1.8Vの間であった。
【0075】
バッテリーは3ヵ月に渡って連続サイクルを受けさせた。バッテリーの良好なサイクル性が図2から明白であり、そこには幾つかのサイクルが示されている。バッテリー性能は実験の全期間に渡って強力のままであった。各放電で得られた測定された電気密度は陰極材料のグラム当り61mAhである。
【0076】
実施例4
本発明による固体ゲル状電解質が次のように調製された:市販の試薬級MgBu2がヘプタン中に溶解された。市販の試薬級AlEtCl2がモル比に従ってMgBu2溶液に滴として加えられた。混合物は不活性ガス下に48時間撹拌され、Mg(BuEtAlCl2)2が溶液から晶出された。溶媒は排気により除去された。エーテル溶媒が非常にゆっくりと有機マグネシウム塩に加えられ、飽和溶液(略0.5M)を生成した。ゲル状高分子適用のために商業的に入手できるPVdF粉末が上記溶液に加えられ、混合物が一相の高分子ゲルが形成される迄撹拌されかつ加熱された。
【0077】
上記説明は例として役立つことのみを意図していること、及び多くの他の実施例が本発明の精神と範囲内で可能であることは認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による、金電極を用いるポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質の典型的なサイクリックボルタンメトリー図を示すグラフである。
【図2】本発明による、シェブレル相陰極、マグネシウム金属陽極、及びポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質からなる電気化学的電池の電圧パターンのグラフである。
発明の分野及び背景
本発明はインターカレーション陰極を持つ非水ゲル状高分子電解質を利用する電気化学的電池に関し、特に、非水ゲル状高分子電解システム、インターカレーション陰極及びマグネシウム陽極を利用する電気化学的電池に関する。
【0002】
種々の種類の再充電可能な、高エネルギー密度の電気化学的電池が知られている。かかる電池は通常遷移金属酸化物またはカルコゲナイド陰極活性物質、陽極活性アルカリ金属またはアルカリ金属インターカレーション化合物、及び非プロトン性有機または無機溶媒中に溶解されたアルカリ系塩を含む電解質溶液、または高分子電解質からなる。
【0003】
理論的には、再充電可能な電池は無限に充電しかつ放電することができるが、実際にはかかる性能は達成し難い。種々の陽極、陰極及び電解質の劣化機構は複雑であり、当業者に知られている。
【0004】
陰極の二つの基本形式は周辺温度で再充電可能であるバッテリーシステムに対し適している。液体陰極が用いられることができ、反応を容易に起こす。液体陰極はまた陰極活性がサイクル過程に渡って高いまま残るように陰極の表面上に形成される薄膜または皮殻が割れる傾向があるということで有利である。しかし陰極物質の可動性は陽極との接触が電池を短絡するという不利がある。従って、液体陰極を持つ電気化学的電池は陽極に保護絶縁膜を必要とする。
【0005】
固体陰極は電解質に不溶性でなければならず、かつ実質的に可逆的かつ迅速に電荷補償イオンを吸収しかつ脱離することができなければならない。この種の固体陰極の第一例はインターカレーション陰極である。インターカレーション化学はイオンまたは中性分子の無機または有機母材中への挿入に焦点を合わせている。典型的なインターカレーション陰極において、電解質溶液に溶解されたカチオンは無機母材構造中に挿入されている。
【0006】
特に重要なインターカレーション物質の一群はシェブレル相物質と呼ばれ、またシェブレル化合物として知られている。シェブレル化合物はモリブデンとカルコゲン−硫黄、セレン、テルル、またはそれらの混合物からなる不変部を含む。この不変部は一般的に式Mo6Tnのものであり、ここでTはカルコゲンを表し、nは通常約8である。シェブレル相物質の独特な結晶構造が可逆的、部分可逆的、または不可逆的態様で一つまたはそれ以上の金属イオンの挿入を可能とする。インターカレーション化合物の化学量論はMxMo6Tnとして表されることができ、ここでMはインターカレーテッド金属を表し、xはその個々の金属の特性に依存して0(インターカレーテッド金属なし)から4以下まで変わることができる。
【0007】
金属イオンのシェブレル化合物中へのインターカレーションはエネルギーを放出する。この工程は部分的または完全に可逆的であるので、これらの化合物は特に電気化学的電池の電極として適している。例えば、有力なインターカレーションイオンであるリチウムは電気エネルギーの付与によりシェブレル化合物から除去されることができる。このエネルギーは再インターカレーションにより電気エネルギーとして放出される。
【0008】
高エネルギー密度の再充電可能な電気化学的電池の陰極活性物質は適当な陽極活性物質と組み合わされねばならない。陽極活性物質は最も普通にはアルカリ金属のような活性金属から作られる。しかし、特定の陽極−陰極組み合わせの性能は電解質システムの性質により強く影響を受ける。幾つかの非水電解質が特定の陽極−陰極組み合わせでうまく作動し、他の陽極−陰極組み合わせでは効果がないかまたは顕著に効果が少ないことが知られている。なぜなら電解質溶液の成分が安定でないかまたは溶液の成分が活性電極サイクル時に劣化するかのいずれかであるからである。結果として、従来技術の多くは独立の存在としてのみならず適当なバッテリーシステム内のユニットとしての陰極活性物質、陽極活性物質及び電解質に関する。
【0009】
KlemannらのU.S.特許4104450はアルカリ金属陽極、カルコゲナイド陰極、及び電解質システムとしての有機溶媒中の有機金属アルカリ金属塩を持つ可逆バッテリーを開示する。また有機基を含むホウ素またはアルミニウムアニオン系のアルカリ金属塩を含む非水電解質システムが開示されている。
【0010】
式
により表されるアルカリ金属の有機ホウ酸塩がHigashiらのU.S.特許4511642に開示されており、ここでR1−R4は次の群:アルキル、アリール、アルケニル、シクロアルキル、アリル、ヘテロサイクリック、及びシアノから選ばれた有機ラジカルであり、M+はアルカリ金属イオンを表す。
【0011】
U.S.特許4139681は式ZMRnXiを持つ電解的に活性な金属塩錯体を含む電池を記述しており、ここでZはアルミニウムを含む群からの金属であり、Rはそれぞれ特定のハロ有機ラジカルであり、Xはそれぞれ種々のハロゲン化物、アルキル、アリール、アルカリール及びアラルキルから選ばれる。Mはアルカリ金属であると特定されており、リチウムが好適実施例である。
【0012】
ArmandらのU.S.特許4542081は電気化学的発電機の固体電解質物質の構成のための解決策を記述している。この化合物は式
(R−C≡C)4Z−,M+
のものであり、ここでZはアルミニウムのような、4−配位中に入ることのできる三価元素であり、Rは非プロトン供与体である基を表す。Mはアルカリ金属であると特定されている。
【0013】
U.S.特許4104450,4511642,4139681及び4542081を含む上述の従来技術はMがアルカリ金属であることを特定している。マグネシウムのようなアルカリ土類金属陽極の使用はリチウムのようなアルカリ金属の使用に比べて不利であると思われたのであろう。なぜならアルカリ金属陽極はアルカリ土類金属陽極よりかなり容易にイオン化されるからである。加えて、再充電時に電池は放電時に溶解された陽極金属を比較的純粋な状態で、かつ電極上に沈澱の形成なしに、再析出することができなければならない。
【0014】
しかし、アルカリバッテリーには多くの不利がある。アルカリ金属、特にリチウムは高価である。アルカリ金属は反応性が高い。アルカリ金属はまた非常に可燃性であり、アルカリ金属と酸素または他の活性物質との反応のため火は極めて消火し難い。リチウムは有毒であり、その化合物類は少量でさえそれらの厳しい生理学的影響が知られている。結果としてアルカリ金属の使用はドライルームのような特別の設備、特別の器具及び特別の手順を必要とする。
【0015】
対象的に、マグネシウム金属及びアルミニウム金属は処理が容易である。これらの金属は反応性であるが、表面の迅速な不動態化を受け、従ってこれらの金属は非常に安定な挙動を示す。マグネシウムとアルミニウムの両者はアルカリ金属に比べて安価である。
【0016】
HottmanらのU.S.特許4894302はインターカレーション陰極、アルカリ土類陽極、及び有機溶媒と電解的に活性な、有機金属アルカリ土類金属塩とを含む、非水液体電解質を持つ電気化学的電池を開示し、その塩は式
により表され、ここでZはホウ素またはアルミニウムであり;R1−R4は次の群:アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリル、ヘテロサイクリックアルキル、及びシアノから選ばれたラジカルであり;Mはマグネシウムのようなアルカリ土類金属を表す。これらのラジカルは上記群のハロゲン化されたまたは部分的にハロゲン化された誘導体のような、電気化学的電池の有効性に関して電解質組成物の電解的性質に有害な影響を持たない置換基により不活性的に置換されることができる。広範囲の有機ラジカル及びハロゲン化有機ラジカルを開示することに徹底的な注意が払われているが、アニオンの金属種(Z)を別の無機種に結合することは考慮されていない。
【0017】
U.S.特許5491039は固体高分子母材と式
Mc(ZRn)
により表される有機金属イオン塩とを含む固体の単相電解質を記載しており、ここでZはホウ素、アルミニウムまたはチタンであり;Rnは種々の置換されたまたは置換されていない有機ラジカルであり;Mはリチウム、ナトリウム、カリウムまたはマグネシウムであり、cは1または2であり、そしてnは1から6の整数である。U.S.特許4894302にはハロゲン化された有機ラジカルを含む広範囲の有機ラジカルが開示されているが、アニオンの金属種(Z)の別の無機種への結合は報告されていない。全ての場合において、金属種Zは炭素原子に結合されている。より詳細にはアニオンの金属種(Z)のハロゲンへの直接的結合は開示されていない。U.S.特許5491039がアニオンの金属種への結合のために適切な極めて広範囲のラジカルを教示しているという事実を考慮すればこれは特に重要なことであることを強調しなければならない。
【0018】
U.S.特許5491039とU.S.特許4894302の両者はマグネシウムのようなアルカリ土類陽極を持つ電気化学的電池を開示する。しかし、商業的利用のためには、かかるマグネシウムバッテリーは本質的に再充電可能でなければならず、妥当な保存寿命を持たねばならない。1.5ボルトの電圧を維持することは従来技術による通常のインターカレーション陰極と電解質では問題がありまたは不可能である。1.5ボルトで作動するマグネシウムバッテリーは特に電解質の分解及び両電極表面の皮殻形成/不動態化を起こし易い。
【0019】
我々の同時係属親出願、出願番号09/419940において、電気化学的電池のための電解質の新形式が開示された。この電解質の一般式はM′+m(ZRnXq−n)mであり、ここでM′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれたラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=1−3;そしてZ=リン、アンチモン及びヒ素の場合n=0−5かつq=6であり、Z=アルミニウム及びホウ素の場合n=0−3かつq=4である。上述の同時係属出願は1.5ボルトを越える公称電圧を持つ実行可能な、再充電可能なマグネシウムバッテリーの製造のための基礎を提供するためのこのMgを持つ電解質形式と式
CuxMgyMo6S8
のマグネシウム−シェブレルインターカレーション陰極の適合性を開示している。
【0020】
特別な関心は現在進歩したバッテリーシステムにおける固体高分子電解質の使用に焦点を合わせている。液体電解質の固体ゲル状高分子電解質との置換は安全性、設計の融通性及び製造器具と工程操作の簡易性に関して利益を提供する。
【0021】
Li,Na及びKイオンに基づくゲルは学術文献で周知であり、それらの幾つかはある範囲の商業的実施を経験した。明確な対照で、Mg,Ca及びAlイオンに基づくゲルでは非常にわずかな研究が実施された。Mg,Ca及びAlゲルについての比較的少数の研究は幾つかの物理性に帰することができるかもしれない。Mg,Ca及びAlの塩の格子エネルギーは通常アルカリ金属の塩のそれらに比べて非常に高い。従って、これらの塩のイオン解離を効果的に起こすに十分な極性である高分子母材を識別することは極めて困難である。これらの塩の殆どの溶解性はそれらの塩を妥当なイオン解離により溶解することのできる高分子媒体を見出す可能性はとてもありそうにないと思われる程、水及び他の非常に誘電性の媒体中でさえ、非常に低いことは強調されねばならない。加えて、Mg,Ca及びAlのイオンは、これらのイオンが溶液中のイオン移動度を厳しく制限する傾向のある極めて高い電荷密度により特徴付けられるように、非常に小さくてかつ多価である。かかるイオンの輸率は0.5以下であると予想され、かかるイオンの溶液の電気伝導度はこの発明の電解質システムのためには不充分であると思われる。
【0022】
我々の上に引用した同時係属中の特許出願により教示された液体電解質は溶液中の敏感な平衡状態に基づいていることは更に強調されねばならない。電解質の電気化学的反応性は溶媒構造及び極性に強く依存する。例えば、上に引用した液体電解質システム中の最も広く試験されたエーテル溶媒はテトラヒドロフラン(THF)である。THFと一個のメチル基の付加によってのみ異なる2Me−THFのような非常に似たエーテルの使用も研究された。この外観上の小さな差は溶媒の極性に小さな影響のみを持つが、この発明の電解質システムにおいてはかかる差は錯塩の偏析及び電気化学的反応性の損失を起こすに十分であった。この例は純粋に理論的根拠で知られていること、すなわち溶媒媒体が電解質錯塩の構造と反応性に決定的に影響することを明白に証明する。
【0023】
従って、この発明の電解質システムが溶解し、かつ錯体が偏析しないまたは高分子母材と反応しないかつ電気化学的反応性が維持されるような方式で相容性であるであろう高分子母材を見出すことは驚くべきことであろう。
【0024】
我々の上に引用した同時係属中の親出願により教示された液体電解質システムに先立ち、マグネシウムが電気化学的に析出しかつ可逆的に溶解されることができる電解質システムの唯一の既知の形式はエーテル溶液中のグリニャール試薬であった。例えばLiebenow(Electrochimica Acta,43巻,10−11号、1253−1256頁、1998年)は高分子母材としてポリエチレンオキシドを持つテトラヒドロフラン溶液中のエチルマグネシウム臭化物に基づくゲル高分子を調製し、このシステムのマグネシウムを還元しかつ酸化する能力を証明した。しかし、グリニャール試薬に基づくゲル状高分子は科学的な関心のあるものであるかもしれないが、それらは商業的バッテリー技術に適用されることができない。グリニャール試薬に基づくゲル状高分子の極めて乏しい陽極安定性はかかる固体ゲル状電解質におけるそれらの使用を排除する。更に、グリニャール試薬は極めて可燃性の、腐食性のかつ危険な還元物質である。
【0025】
従って、これまで知られた再充電可能なバッテリーよりより安全で、クリーンで、効率的でかつ経済的である全体が固体の、実際的な、再充電可能なバッテリーの製造を可能とする固体高分子非水電解質に対する広く認められた要求があり、その電解質を得ることは非常に有利であるであろう。もしかかる電解質が安価で豊富な原料であるマグネシウム、カルシウムまたはアルミニウムに基づくのであれば更に有利であろう。
【0026】
発明の概要
本発明は電気化学的電池で使用するための新形式の固体ゲル状電解質である。この固体ゲル状電解質の特性は高電導度と2.2V対Mg/Mg+2を越えることができる電気化学的窓(electrochemical window)である。適切な電池中でのこの電解質の使用は金属の実質的に可逆的な析出と陰極物質での可逆的インターカレーション工程を促進する。
【0027】
本発明の教示によれば電気化学的電池で使用するための固体ゲル状非水電解質が提供され、この電解質は:(a)少なくとも一つの高分子化合物;(b)少なくとも一つの有機溶媒、及び(c)少なくとも一つの電解的に活性な塩を含み、この塩は式:
M′(ZRnXq−n)m
で表され、式中:M′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれるラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;Z=リン、アルチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6、そしてZ=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4であり、更に高分子化合物、有機溶媒及び電解的に活性な塩が相互作用して固体ゲル状構造を持つ非水電解質を形成する。
【0028】
本発明の別の態様によれば、固体ゲル状非水電解質は更に金属陽極及びインターカレーション陰極を含む電気化学的電池中に組み込まれる。
【0029】
本発明のなお別の態様によれば、電気化学的電池で使用するための非水電解質が提供され、この電解質は:(a)少なくとも一つの有機溶媒、及び(b)少なくとも一つの電解的に活性な塩を含み、この塩は式:
M′(ZRnXq−n)m
で表され、式中:M′はマグネシウム、カルシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれ;Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれるラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;Z=リン、アルチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6、そしてZ=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4である。
【0030】
本発明のなお別の態様によれば、この非水電解質は更に金属陽極とインターカレーション陰極を含む電気化学的電池中に組み込まれる。
【0031】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、Zはアルミニウムである。
【0032】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はマグネシウムである。
【0033】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はカルシウムである。
【0034】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、電解的に活性な塩はMg〔ブチルAlCl3〕2である。
【0035】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、電解的に活性な塩はMg〔ブチルエチルAlCl2〕2である。
【0036】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれ、Zはアルミニウムであり、Rはアルキルラジカルの少なくとも一つの型を表し、そしてmは2である。
【0037】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、有機溶媒はテトラグリムを含む。
【0038】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、有機溶媒はテトラヒドロフランを含む。
【0039】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、高分子化合物は母材としての役目をする。
【0040】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、高分子化合物はPVdF,PEO及びPVCからなる群から選ばれる。
【0041】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、M′はマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれ、Zはアルミニウムであり、Rはアルキルラジカルの少なくとも一つの型であり、そしてmは2である。
【0042】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、インターカレーション陰極はシェブレル相インターカレーション陰極である。
【0043】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、シェブレル相インターカレーション陰極は式
CuxMgyMo6S8
により表され、ここで1>x>0かつ2>y>0である。
【0044】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、金属陽極はマグネシウムである。
【0045】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、高分子化合物はPVdF,PEO及びPVCからなる群から選ばれる。
【0046】
以下に述べられるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、溶媒はTHF及びテトラグリムからなる群から選ばれる。
【0047】
本発明は現在既知の固体ゲル状電解質の欠点を成功裡に処理し、かつマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムに基づきかつ1.5ボルトを越える公称電圧を持つ実行可能な、再充電可能なバッテリーの製造のための基礎を提供する。
【0048】
図面の簡略説明
この発明がここに添付図面に関して例としてのみ述べられる。図面において:
図1は本発明による、金電極を用いるポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質の典型的なサイクリックボルタンメトリー図を示すグラフである。
図2は本発明による、シェブレル相陰極、マグネシウム金属陽極、及びポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質からなる電気化学的電池の電圧パターンのグラフである。
【0049】
好適実施例の説明
本発明は電気化学的電池で使用するための新形式の固体ゲル状電解質である。この固体ゲル状電解質の特性は高電導度と2.2V対Mg/Mg+2を越えることができる電気化学的窓を含む。適切な電池でのこの固体ゲル状電解質の使用は陽極電流収集体上のマグネシウム金属の実質的に可逆的な析出と陰極材料中のマグネシウムの可逆的インターカレーションを促進する。
【0050】
アルカリ金属は容易にイオン化されるけれども、マグネシウムまたはアルミニウムのような他の金属陽極の使用は有利であると決定された。マグネシウム及びアルミニウムはアルカリ金属に比べて非常に安価である。アルカリ金属は非常に反応性でかつ非常に可燃性であり、アルカリ火災は消火が極めて困難である。特にリチウムは有毒であり、リチウム化合物は少量でさえそれらの厳しい生理学的影響が知られている。結果として、アルカリ金属の使用はドライルームのような特別の設備、特別の器具及び特別の手順を必要とする。
【0051】
マグネシウムとアルミニウムは反応性であるが、表面の迅速な不動態化を受け、従って全ての実際的目的のためにはこれらの金属は非常に安定である。マグネシウムとアルミニウムは容易に入手でき、かつ安価で、非毒性で、危険でなく、作業するのが容易で、それ自体電気化学的電池のための及び電解溶液、特に固体ゲル状電解質のための非常に望ましい原料である。
【0052】
マグネシウムに基づく一次電気化学的電池は既知であるけれども、かかる電池は再充電可能でなく、軍事的利用のためにのみ使用されている。1.5ボルトの電圧を維持することは通常のインターカレーション陰極及び従来技術による電解質では問題がありまたは不可能である。1.5ボルトで作動するマグネシウムバッテリーは特に電解質分解及び電極表面の皮殻形成/不動態化の傾向がある。
【0053】
上述した既知の困難性にもかかわらず、極性有機溶媒と結合した高分子母材が形:
M′(ZRnXq−n)m
のこの発明の電解質を溶解することができることを我々は発見した。この混合物は室温で十分な電導度を示し、かつ上に検討した全ての制限にもかかわらず高可逆性を持つカチオンM′を電気化学的に析出し、かつ溶解する高分子ゲルを作る。カチオンM′はマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムからなる群から選ばれる。より好ましくは、カチオンM′はマグネシウムである。
【0054】
Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;Rは以下の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル及びアミドから選ばれた少なくとも一つの型のラジカルを表し;Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;m=2−3;そしてZ=リン、アンチン及びヒ素の場合n=0.5かつq=6であり、そしてZ=アルミニウム及びホウ素の場合n=0−3かつq=4である。
【0055】
ここに用いられるように明細書及び特許請求の範囲においてラジカル“R”は以下の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル及びアミドから選ばれた少なくとも一つの型のラジカルを示す。種々のR基を持つ電解的に活性な塩の例はMg〔ブチルエチルAlCl2〕2、Mg〔ベンジルエチルメチルAlCl〕2、及びCa〔ブチルフェニルAlCl2〕2である。
【0056】
ここで用いられるように明細書及び特許請求の範囲において“PEO”はポリエチレンオキシドを示し;“PVdF”はポリ(フッ化ビニリデン)を示し;“PVC”はポリ(塩化ビニル)を示し;“Bu”はブチル基を示し;“Et”はエチル基を示し;そして“THF”はテトラヒドロフランを示す。
【0057】
上述のように、本発明による固体ゲル状電解質及び適切な陽極−陰極対を持つ電池の電気化学的窓は2.2ボルトであり、従ってこの電池は固体ゲル状電解質の分解及び電極の皮殻形成なしに1.5ボルトで安定な可逆的様式で作動されることができる。
【0058】
この発明の好適実施例において、この発明による固体ゲル状電解質は金属陽極及びインターカレーション陰極を持つ電気化学的電池で機能する。
【0059】
幾つかの非水電解質が特別の陽極−陰極組み合わせによりうまく実施できること及び電解質が不活性でないためかまたはそれがサイクル時に劣化するためかのいずれかで、他の陽極−陰極組み合わせでは効果的でないかまたは極めて効果が低いことが知られている。従って、電解質を独立した存在としてのみならず適切な陽極−陰極対を含むシステム内のユニットとしてまた取り扱うことが重要である。
【0060】
従って、以下に述べるこの発明の好適実施例における更なる特徴によれば、本発明による固体ゲル状電解質は適切な陽極−陰極対を含む特定の電気化学的電池中に組み込まれる。
【0061】
この固体ゲル状電解システムのための陽極として、マグネシウム、リチウム、アルミニウム及びカルシウムを含む種々の金属が適しているが、特に適切なバッテリーは本発明による固体ゲル状電解質、マグネシウム金属陽極及びマグネシウム挿入化合物陰極を含む。
【0062】
なお別の好適実施例において、マグネシウム挿入化合物陰極は形
CuxMgyMo6S8
のマグネシウム−シェブレルインターカレーション陰極であり、ここでx=0−1及びy=0−2である。
【0063】
本発明による改善された電解質を持つ電解電池の原理と作動は以下にかつ図面に関して提供される説明及び例中に提供された添付説明によりより良く理解されることができよう。
【0064】
本発明の固体電解質組成物は高分子化合物、有機溶媒及び上述のような形 M′(ZRnXq−n)mの電気化学的に活性な有機金属塩を含む。この形の有機金属塩は相溶性の非有機金属塩とまたは相溶性の他の形の有機金属塩と組み合わせることができる。
【0065】
多くの形式の高分子化合物が母材化合物として使用されることができ、本発明の固体ゲル状電解質を形成する。それらの高分子化合物はポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)、ポリ(フッカビニリデン)(PVdF)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)(HFP)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(アクリロニトリル)(PAN)、(PEEK)(MEEP)及びそれらの混合物を含む。
【0066】
本発明による固体ゲル状電解質と共に使用されるインターカレーション陰極は遷移金属酸化物、カルコゲナイド及びハロゲナイド及びそれらの組み合わせを含む。より詳細には、遷移金属酸化物はV2O5,TiS2,MoS2,ZrS2,Co3O4,MnO2、Mn2O4を含み、カルコゲナイドはシェブレル相化合物を含む。
【0067】
実施例1
本発明による固体ゲル状電解質と共に使用するためのマグネシウム−シェブレルインターカレーション陰極はInorg.Chem.26巻、1805(1987)に発表されたGoecke及びSchoelhorn,(E.Goecke,R.Schoelhorn,G.Aselmann及びW.Muller−Warmuth)により開発された方法により合成された。元素状硫黄、モリブデン及び高純度の銅が4:3:1の化学量論比で添加された。均質混合後、ペレットにプレスされ、混合物は10−5トルの減圧下に石英アンプル中に封入された。アンプルは炉中に置かれ、温度が400℃/hの速度で450℃に上昇された。温度は450℃に24時間維持された。再び温度が400℃/hの速度で700℃に上昇され、700℃で24時間維持された。温度は次いで120℃/hの速度で1050℃に上昇され、1050℃で48時間維持された。120℃/hの速度で室温に冷却された後、アンプルは壊して開かれた。得られた銅モリブデン硫化物(Cu2Mo6S8)は乳鉢と乳棒を用いて微粉末に摩砕された。
【0068】
銅モリブデン硫化物粉末はテフロン(登録商標)添加カーボンブラック(CB)と混合された。得られたペーストはステンレススチール網上に広げられ、プレスされた。形成された複合電極は室温で24時間減圧下に乾燥された。
【0069】
電極は続いて化学的または電気化学的予備処理を受けさせ、そこでホスト母材(Cu2Mo6S8)中の銅イオンの幾らかが脱離された。銅の電気化学的脱インターカレーションは非水媒体、すなわちアセトニトリルのMg(ClO4)2の1M溶液中で実施された。脱離は定電流充電法(a galvanostatic charging process)により実施され、そこでは電位の上限が制御された。銅の化学的脱インターカレーションは酸化剤としてFeCl3を含む酸性水溶液によるCu2Mo6S8の直接反応により実施された。
【0070】
アセトニトリル中で洗浄し続いて電極を乾燥した後、充−放電サイクルがAg/Ag+1参照電極に対して、−1.6Vと0.01Vの間の種々の走査速度でアセトニトリルのMg(ClO4)2の1M溶液で実施された。明白な電気化学的レドックス活性が−1.219V対Ag/Ag+の主酸化ピークと−1.41V対Ag/Ag+の対応する主還元ピークを持って観察された。インターカレーション−脱インターカレーション工程と組み合わされた電気量はそれぞれ71mAh/gと72mAh/gであってそれらは式
Cu0.13MgyMo6S8
のy=1.09−1.12に対応する。
【0071】
インターカレーション工程の化学的及び電気化学的可逆性は多サイクルに渡って証明された。
【0072】
実施例2
さて図面を参照するに、図1は金電極、エーテル−マグネシウム有機ハロアルミン酸塩を持つPVdF母材とテトラグリム溶媒とを含む固体ゲル状電解質を用いることを含む電気化学的電池の典型的なサイクリックボルタンメトリー図を示すグラフである。
【0073】
図1は金の作動電極を用いてPVdF母材中のテトラグリムにより得られたMg(AlCl2BuEt)2のポテンショダイナミックな挙動を示す。−0.8Vのピークはマグネシウム金属の析出のためであり、略0.7Vのピークはマグネシウム金属の引き続いての電気化学的溶解に帰せられる。このシステムで得られた電気化学的窓は2.2Vを越える。サイクリックボルタンメトリー図からマグネシウム析出及び溶解の工程は完全に可逆的であることが明白である。
【0074】
実施例3
シェブレル相陰極、マグネシウム金属陽極、及びPVdF,Mg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムを含む固体ゲル状電解質からなる電気化学的電池が調製された。74.3mgの重さの陰極がステンレススチール網上に広げられた、結合剤として10重量%のカーボンブラックと10重量%のPVdFを含む銅浸出シェブレル相物質の混合物から作られた。固体ゲル状電解質はPVdF母材中の0.25モルのMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムから調製された。陽極は16mmの直径と、0.2mmの厚さを持つ純マグネシウム金属の円盤であった。バッテリーはセパレーターなしにステンレススチールの“コイン型”電池形状ケースに入れられた。電池は23.3ミリアンペア/グラムの電流密度を持つ標準充−放電器でサイクル的に充放電された。サイクル的充放電のための電位限界は完全放電状態で0.5V及び完全充電状態で1.8Vの間であった。
【0075】
バッテリーは3ヵ月に渡って連続サイクルを受けさせた。バッテリーの良好なサイクル性が図2から明白であり、そこには幾つかのサイクルが示されている。バッテリー性能は実験の全期間に渡って強力のままであった。各放電で得られた測定された電気密度は陰極材料のグラム当り61mAhである。
【0076】
実施例4
本発明による固体ゲル状電解質が次のように調製された:市販の試薬級MgBu2がヘプタン中に溶解された。市販の試薬級AlEtCl2がモル比に従ってMgBu2溶液に滴として加えられた。混合物は不活性ガス下に48時間撹拌され、Mg(BuEtAlCl2)2が溶液から晶出された。溶媒は排気により除去された。エーテル溶媒が非常にゆっくりと有機マグネシウム塩に加えられ、飽和溶液(略0.5M)を生成した。ゲル状高分子適用のために商業的に入手できるPVdF粉末が上記溶液に加えられ、混合物が一相の高分子ゲルが形成される迄撹拌されかつ加熱された。
【0077】
上記説明は例として役立つことのみを意図していること、及び多くの他の実施例が本発明の精神と範囲内で可能であることは認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による、金電極を用いるポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質の典型的なサイクリックボルタンメトリー図を示すグラフである。
【図2】本発明による、シェブレル相陰極、マグネシウム金属陽極、及びポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)中のMg(AlCl2BuEt)2塩とテトラグリムのマトリックスを含む固体ゲル状電解質からなる電気化学的電池の電圧パターンのグラフである。
Claims (26)
- 電気化学的電池で使用するための固体ゲル状非水電解質において、この電解質が:
(a)少なくとも一つの高分子化合物、
(b)少なくとも一つの有機溶媒、及び
(c)少なくとも一つの電解的に活性な塩、
を含み、この塩が式:
M′(ZRnXq−n)m
式中:
M′はマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムからなる群から選ばれ;
Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;
Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれたラジカルを表し;
Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;
m=2−3;
Z=リン、アンチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6であり、そして
Z=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4である;
により表され、
更に前記高分子化合物、前記有機溶媒、及び前記電解的に活性な塩が相互作用して固体ゲル状構造を持つ非水電解質を形成することを特徴とする非水電解質。 - Zがアルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質。
- M′がマグネシウムであることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質。
- M′がカルシウムであることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質。
- 前記電解的に活性な塩がMg〔ブチルAlCl3〕2であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質。
- 前記電解的に活性な塩がMg〔ブチルエチルAlCl2〕2であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質。
- M′がマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれ、Zがアルミニウムであり、Rがアルキルラジカルの少なくとも一つの型を表し、そしてmが2であることを特徴とする請求項1に記載の固体ゲル状非水電解質。
- 前記有機溶媒がテトラグリムを含むことを特徴とする請求項6に記載の固体ゲル状非水電解質。
- 前記有機溶媒がテトラヒドロフランを含むことを特徴とする請求項6に記載の固体ゲル状非水電解質。
- 前記高分子化合物が母材としての役目をすることを特徴とする請求項1に記載の固体ゲル状非水電解質。
- 前記高分子化合物がPVdF,PEO及びPVCからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の固体ゲル状非水電解質。
- 電気化学的電池であって、それが:
(a)金属陽極;
(b)インターカレーション陰極;及び
(c)固体ゲル状非水電解質;
を含み、この電解質が:
i)少なくとも一つの高分子化合物、
ii)少なくとも一つの有機溶媒、及び
iii)少なくとも一つの電解的に活性な塩、
を含み、この塩が式:
M′(ZRnXq−n)m
式中:
M′はマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムからなる群から選ばれ;
Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;
Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれたラジカルを表し;
Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;
m=2−3;
Z=リン、アンチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6であり、そして
Z=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4である;
により表されることを特徴とする電気化学的電池。 - 前記固体ゲル状電解質中のM′がマグネシウム及びカルシウムからなる群から選ばれ、Zがアルミニウムであり、Rがアルキルラジカルの少なくとも一つの型であり、そしてmが2であることを特徴とする請求項12に記載の電気化学的電池。
- 前記インターカレーション陰極がシェブレル相インターカレーション陰極であることを特徴とする請求項12に記載の電気化学的電池。
- 前記シェブレル相インターカレーション陰極が式
CuxMgyMo6S8
式中:1>x>0かつ2>y>0である、
により表されることを特徴とする請求項14に記載の電気化学的電池。 - 前記金属陽極がマグネシウムであることを特徴とする請求項12に記載の電気化学的電池。
- 前記高分子化合物がPVdF,PEO及びPVCからなる群から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の電気化学的電池。
- 前記溶媒がTHF及びテトラグリムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の電気化学的電池。
- 電気化学的電池で使用するための非水電解質において、この電解質が:
(a)少なくとも一つの有機溶媒、及び
(b)少なくとも一つの電解的に活性な塩、
を含み、この塩が式:
M′(ZRnXq−n)m
式中:
M′はマグネシウム、カルシウム、及びアルミニウムからなる群から選ばれ;
Zはアルミニウム、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素からなる群から選ばれ;
Rは次の群:アルキル、アルケニル、アリール、フェニル、ベンジル、及びアミドから選ばれたラジカルを表し;
Xはハロゲン(I,Br,Cl,F)であり;
m=2−3;
Z=リン、アンチモン、及びヒ素に対してはn=0−5かつq=6であり、そして
Z=アルミニウム及びホウ素に対してはn=0−3かつq=4である;
により表されることを特徴とする非水電解質。 - Zがアルミニウムであることを特徴とする請求項19に記載の非水電解質。
- M′がマグネシウムであることを特徴とする請求項19に記載の非水電解質。
- M′がカルシウムであることを特徴とする請求項19に記載の非水電解質。
- 前記電解的に活性な塩がMg〔ブチルAlCl3〕2であることを特徴とする請求項19に記載の非水電解質。
- 前記電解的に活性な塩がMg〔ブチルエチルAlCl2〕2であることを特徴とする請求項19に記載の非水電解質。
- M′がマグネシウムとカルシウムからなる群から選ばれ、Zがアルミニウムであり、Rがアルキルラジカルの少なくとも一つの型を表し、そしてmが2であることを特徴とする請求項19に記載の非水電解質。
- 前記有機溶媒がテトラグリムを含むことを特徴とする請求項25に記載の非水電解質。
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