JP2005504872A

JP2005504872A - 分散剤組成物

Info

Publication number: JP2005504872A
Application number: JP2003534500A
Authority: JP
Inventors: ルートヴィッヒ・シーファーシュタイン; マンフレート・ゴルツィンスキー
Original assignee: コグニス・ドイッチュランド・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト
Priority date: 2001-10-06
Filing date: 2002-09-27
Publication date: 2005-02-17
Anticipated expiration: 2022-09-27
Also published as: EP1432769B1; ATE347581T1; DE50208909D1; US7214730B2; EP1432769A1; JP4947880B2; ES2278055T3; DE10149379A1; WO2003031525A1; US20050004289A1

Abstract

本発明は、２５℃で液状であり、注入できる分散剤組成物に関する。これらの分散剤組成物は、グリセロールカーボネートの使用を含む分散媒１０〜８０重量％および１種またはそれ以上の塗料用ポリエステル分散剤２０〜９０重量％を含有する。分散剤組成物は、塗料を製造するのに、特に適している。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、２５℃で液状かつ注入可能であり、特有の分散媒およびポリエステル系分散剤からなる塗料用分散剤組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
分散剤は、主として以下の理由から塗料製造において使用されている：
ａ）塗膜形成剤を分散させるため、
ｂ）顔料および充填剤を分散させるため、および
ｃ）塗料内に存在しうる他の添加剤、例えば硬化促進剤、増粘剤、流動調整剤、つや消し剤、防腐剤を分散させるため。
【０００３】
当業者には周知なように、塗料製造者は、容易に取り扱える形態で入手可能な塗料製造に使用される成分を通常、求めている。この点に関する主な利点は、成分が固体状態よりむしろ液状であり、室温（本発明において室温は２５℃と理解されている）で注ぐことができることである。このことは、通常、溶剤の使用によって達成される。原則的に、適切な溶剤は、一方で水であり、他方で有機溶剤である。しかしながら、一方で、水が分散剤を十分に溶解できないこと、または分散剤が水中で永続的に安定でないことから水が不適である場合や、他方で、有機溶剤が不適である場合がある。後者はますます重要である。なぜなら、ＶＯＣ（揮発性有機化合物）が実質的に存在しないことが望ましいという環境的理由から、有機溶剤がますます好まれないようになっているからである。したがって、上記の欠点を伴わない形態で存在しうる分散剤に対する要求が常にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明が解決しようとする課題は、分散媒および１種またはそれ以上の分散剤からなり、２５℃で液状であり、均一であり、濃厚であり、注入可能であり、貯蔵安定性であり、ＶＯＣを実質的に含まないという条件を満たす分散剤組成物を提供することである。
「均一」とは、分散剤が分散媒に均一に分散していることを意味する。「濃厚」とは、組成物が組成物全体に対して分散剤を少なくとも２０重量％含有することを意味する。「注入可能な」とは、組成物のブルックフィールド粘度が、２５℃／２５r.p.m.で測定して５０,０００mPas.未満であることを意味する。「貯蔵安定性」とは、長期間貯蔵した場合でさえ、組成物が化学的に（成分の分解がない）およびコンシステンシーに関して（均一性の損失がない）の両方において安定なままであると理解される。「ＶＯＣを実質的含まない」とは、組成物が揮発性物質をほとんど含まないことと理解される。このことは、特に、組成物の分散媒が低揮発性であることを意味する。
さらに、分散媒の組成は、塗膜形成剤、顔料、充填剤および／または塗料添加剤と必然的に接触することになる塗料の製造において、分散媒と分散剤との組み合わせを使用する際に、不都合な相互作用が生じないようなものであるべきである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、２５℃で液状かつ注入可能であり、
ａ）１０〜８０重量％のグリセロールカーボネート形態の分散媒、および
ｂ）２０〜９０重量％の１種またはそれ以上の塗料用ポリエステル系分散剤
からなる塗料用分散剤組成物に関する。
【０００６】
驚くべきことに、本発明の組成物が、上記の課題をあらゆる点において、見事に解決することが見出された。その組成物は、液状で、均一であり、注入可能性および貯蔵安定性である。この組成物は、実質的にＶＯＣを含まないことによっても特徴付けられる。
【０００７】
組成物のＶＯＣ含量は、当業者に既知の方法によって測定できる。本発明において、ＶＯＣを実質的に含まないとは、組成物全体に対して、０．５％未満、好ましくは０．２％未満のＶＯＣ値を意味すると理解される。本発明において、試料のＶＯＣ含量は、ＤＩＮ７５２０１（「自動車の内装品に使用される物質の曇り挙動の測定」）にしたがって、以下の手順を用いて測定する：試料を固定寸法のリップなしガラスビーカーの底に置く。ビーカーを、試験片または試料からの揮発性成分を凝縮しうるアルミニウム箔で覆う。アルミニウム箔を冷却する。そのように用意されたビーカーを試験温度１００±０．３℃に設定した恒温槽に１６時間入れる。アルミニウム箔上の曇り付着物の結果を、曇りテストの前と後に秤量することによって定量的に測定する。ＶＯＣ値を、次式によって計算する：
【数１】

Ａは、曇り付着物の重量（単位ｇ）であり、
Ｂは、使用された試料の重量（単位ｇ）である。
【０００８】
さらに、本発明の組成物は、塗料の製造に通常使用される塗膜形成剤、顔料および塗料添加剤と相溶性がある。
【０００９】
分散媒ａ）は、４−ヒドロキシメチル−１，３−ジオキソラン−２−オンの示性名であるグリセロールカーボネートである。これらの化合物は化学情報登録番号（ＣＡＳ登録番号）９３１−４０−８を有し、式（Ｉ）：
【化１】

によって特徴づけられる。
【００１０】
分散剤ｂ）はポリエステルである。特に好ましいポリエステルは、少なくとも５重量％が中和または部分中和状態で水に溶解でき、少なくとも２０重量％が酸性状態でグリセロールカーボネートに溶解できるカルボキシル含有ポリエステルである。
本発明の目的に適した分散剤は、単独でまたは、互いの混合物としても使用されうる。
適したポリエステルは、疎水性鎖およびカルボキシル基のほかに、構造成分としてエチレンオキシドオリゴマーを含有しうる。
本発明は、塗料製造における上記の分散剤組成物の使用にも関する。
【実施例】
【００１１】
使用物質
Hydropalat 3275:水系塗料用顔料分散剤（ジメチルエタノールアミンによって中和されたポリエステル水溶液３７．５％；Cognis Deutschland GmbH製）
【００１２】
分散剤組成物
実施例１
１００ｇのHydropalat 3275から、８０℃／２０mbarの回転蒸発器内で水およびジエタノールアミンを除去した。室温で粘着性ワックス固形物３８ｇを得た。ワックスを、７０℃の湯浴で同量のグリセロールカーボネートで溶融させ、攪拌により均一化した。ブルックフィード粘度（２０r.p.m、２５℃、スピンドル５で測定）１９Pasを有する室温での溶液が得られた。混合物を室温で３ヶ月間貯蔵し、貯蔵安定性であることがわかった。

Claims

２５℃で液状かつ注入可能であり、
ａ）１０〜８０重量％のグリセロールカーボネート形態の分散媒、および
ｂ）２０〜９０重量％の１種またはそれ以上の塗料用ポリエステル系分散剤
からなる塗料用分散剤組成物。
ポリエステルｂ）が、少なくとも５重量％が中和または部分中和状態で水に溶解でき、少なくとも２０重量％が酸性状態でグリセロールカーボネートに溶解できるカルボキシル含有ポリエステルである請求項１に記載の組成物。
ポリエステルｂ）が、構造成分として、さらにエチレンオキシドオリゴマーを含有することを特徴とする請求項２に記載の組成物。
分散剤組成物が、２５℃で液状かつ注入可能であり、
ａ）１０〜８０重量％のグリセロールカーボネートの形態の分散媒、および
ｂ）２０〜９０重量％の１種またはそれ以上の塗料用ポリエステル系分散剤
からなることを特徴とする、塗料の製造における分散剤組成物の使用。