JP2005504764A - ミクロ粒子の調製 - Google Patents
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Abstract
粒子形成材料のミクロ粒子を製造する方法は、a)粒子形成材料の縣濁液を形成する工程と、b)該縣濁液を噴霧乾燥する工程とを含む。粒子形成材料の縣濁液の形成は、まず、粒子形成材料を溶媒中に溶解させ、次に、このように形成された溶液に、該粒子形成材料に対する非溶媒を添加して粒子形成材料の沈殿を生じることにより実行されるのが好ましい。本発明に従って製造されたミクロ粒子は、治療用途又は画像診断において有用であり得る。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明はミクロ粒子の調製に関し、詳細には、微粒子の形態のタンパク性材料の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
アルブミン等のタンパク性材料のミクロ粒子の調製については、文書で十分に解説されている。従来用いられている技術は噴霧乾燥であり、この技術では、最も一般的には水である溶媒中のタンパク性材料の溶液を、加熱されたガス充填チャンバ内に噴霧して、ミクロ粒子から溶媒を蒸発させ、次にミクロ粒子をガスから分離する。
【0003】
薬剤及び造影剤を含有するミクロ粒子を製造するための新たな改良された技術の開発に対しては継続的な関心があると共に、これには多くの課題が含まれている。例えば、粒度分布を厳密に制御する必要がある。静脈内投与が意図された製品では、粒度を6μm未満にするのが望ましい。同様に、吸入によって肺に送り込むことが意図された製品では、通常は、肺の奥まで入り込むのに適した空気力学的サイズのミクロ粒子を製造するのが好ましい。鼻孔内投与のための粒子は、例えば粒度が数十ミクロンというように、やや大きくてもよい。
【0004】
同様に、治療作用物(薬剤)又は造影剤をカプセル封入又は別様で組み込むことが必要な場合もある。薬剤及び造影剤をカプセルに封入することにより、それらがより長く循環中に残り、性能を高めると共に可能性として毒性を低減することが期待される。
【0005】
造影及び治療を目的とする10μm未満のミクロ粒子の製造には、上述した噴霧乾燥技術と並んで、他の多くの方法が用いられている。これらの方法には、乳化、沈殿及び粉砕が含まれる。しかし、これらの既存の方法の全てには、依然として多くの短所がある。
(i)粒度が6μmを超える粒子がかなりの量存在する。これらの大きな粒子が静脈内に投与されると毛細血管等を塞ぐと共に、肺に投与されると気道の奥まで入り込めないので、これは重要である。
(ii)凝集を回避するため及び比較的均質な懸濁状態を維持するために、界面活性剤の混合を要する。治療上又は機能的利点を持たず、有害でもあり得るこのような付加的な成分の存在は、一般的に望ましくない。
(iii)何らかの乳液ベースのプロセスで得られた製品は、比較的疎水性であり得るので、分散が困難な場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、ミクロ粒子を調製するための公知の噴霧乾燥プロセスに対する、従来技術の上述の短所及び/又は他の短所を克服又は実質的に軽減する改良を発明した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、粒子形成材料のミクロ粒子を製造する方法が提供され、この方法は、a)粒子形成材料の縣濁液を形成する工程と、b)該縣濁液を噴霧乾燥する工程と、を含む。
【0008】
工程a)、即ち、粒子形成材料の縣濁液の形成は、まず、粒子形成材料を溶媒中に溶解させ、次に、このように形成された溶液に、該粒子形成材料に対する非溶媒を添加して粒子形成材料の沈殿を生じることにより実行されるのが好ましい。「非溶媒」とは、その液体中における粒子形成材料の溶解性が、溶媒中における該粒子形成材料の溶解性よりも実質的に低いが、溶媒と混和性である液体を意味する。
【0009】
非溶媒は過剰に添加されるのが好ましい。即ち、溶媒に添加される非溶媒の体積は、溶媒中の粒子形成材料の溶液の体積よりも大きいのが好ましい。換言すれば、工程b)で噴霧乾燥される溶媒/非溶媒混合液は、50%v/vを超える非溶媒を含むのが最も好ましく、60%v/vを超える非溶媒を含むのがより好ましく、70%v/vを超える非溶媒を含むことも可能である。
【0010】
この溶媒は水であるのが最も一般的である。好ましい非溶媒はエタノールである。しかし、一般的には、非溶媒の添加が粒子形成材料の沈殿を生じる所望の効果を有し、且つ、使用割合において溶媒と非溶媒が混和するものであれば、任意の適切な組み合わせの溶媒及び非溶媒を用いてよい。
【0011】
溶媒は水であるのが最も一般的であるが、その代わりに、例えば有機溶媒であってもよい。この場合には非溶媒は水であってよく、非溶媒の使用が、可燃性であり得る有機溶媒を含む縣濁液のその後の噴霧乾燥に伴うリスクの低減に有用になり得る。
【0012】
粒子形成材料がタンパク性材料であることが好ましいが、この場合には、懸濁粒子の凝集を防止又は最小限にして、噴霧乾燥後に容易に分散可能な親水性粒子を製造するために、非溶媒の添加による沈殿は、等電点から逸脱したpHで実行されるのが好ましい。このようにして、同じ目的を達成するための付加的な界面活性剤の使用が回避され得る。同じく等電点を示す材料であれば、非タンパク性粒子形成材料の場合にも、このことが当てはまる。
【0013】
工程b)、即ち、工程a)で形成された縣濁液の噴霧乾燥は、一般的に従来の性質の装置を用いた一般的に従来の方法で実行されてよい。概略としては、噴霧乾燥プロセスは、最も一般的には空気である高温ガスを含むチャンバに、縣濁液を噴霧することを含む。これにより、溶媒/非溶媒混合液が蒸発し、固形のミクロ粒子が生成される。チャンバからガスが抜かれ、ガス中に含まれるミクロ粒子は、例えば、サイクロン式分離器又は何らかの形態のフィルタ構成によってガスから分離される。次に、ミクロ粒子は適切な容器に収集される。
【0014】
噴霧乾燥プロセスによって得られたミクロ粒子の特性は、多くのファクタに依存する。このファクタには、噴霧乾燥装置を通るガスの流量、縣濁液中の粒子形成材料の濃度、溶媒及び非溶媒の性質、噴霧乾燥装置に縣濁液が供給される速度、及び、チャンバ内のガスの温度が含まれる。通常は、低い縣濁液供給速度と、高度の噴霧化と、高いガス流量とを組み合わせることで、小さな粒度分布を達成できる。
【0015】
工程a)と工程b)との間、即ち、縣濁液の形成後であって噴霧乾燥の前に、、例えば機械的撹拌によって縣濁液を均質化するのが特に好ましい。これにより、縣濁液中の粒子の粒度分布がより均等になると共に、それに対応して、工程b)で形成されたミクロ粒子の、より小さく且つより均等な粒度分布が得られる。
【0016】
粒子形成材料は、非自然発生のポリペプチド類及びポリアミノ酸類を含むタンパク性であるのが最も好ましい。例えば、粒子形成材料は、コラーゲン、ゼラチン又はアルブミンであってよい。アルブミンは特に好ましい材料である。人体への投与が意図されるミクロ粒子の場合には、粒子形成材料はヒト由来、即ち、実際にヒトから取り出されたものであるか、又は、ヒト由来のタンパクと同一(又は略同一)構造を有するのが好ましい。従って、特に好ましい粒子形成材料はヒト血清アルブミンであり、これは、例えば、献血された血液から取得されてもよく、又は、ヒト血清アルブミンを発現するよう変形又は形質移入された微生物(細胞株を含む)の発酵から取り出されてもよい。粒子形成材料として用いられ得る非タンパク性材料としては、糖類、炭水化物類、薬剤、及び造影剤として有用な材料が含まれる。
【0017】
特に粒子形成材料がアルブミンである場合には、縣濁液は、好ましくは0.1〜50%w/v、より好ましくは1〜20%w/v、最も好ましくは2〜10%w/vの粒子形成材料を含む。複数の粒子形成材料の混合物を用いてもよく、この場合には、上記の数字は粒子形成材料の合計含有量を表す。
【0018】
本発明による方法の主な長所は、ミクロ粒子の所望の形状及び粒度分布を達成すべく、プロセスの2つの段階(縣濁液の形成及び噴霧乾燥)を個別に最適化し得る点である。これにより、ミクロ粒子の特性に対する高度な制御が与えられる。特に、このプロセスは、特に小さい粒度及び特に狭い粒度分布を有するミクロ粒子の製造を可能にする。本発明に従って製造されたミクロ粒子は、例えば、主に粒度が4μm未満であり、粒子個数分布(number size)においてモーダルピーク(modal peak)が1μmを下回り、平均粒度が2μm未満(コールタカウンタを用いて測定)であり得る。このような粒度が小さいミクロ粒子の長所は、非常に細い血管(毛細血管)にも入り得る点、及び/又は、肺の奥にも入り込み得る点である。例えば鼻孔内投与に対しては、より粒度が大きいミクロ粒子を製造することも可能であろう。
【0019】
なお、ミクロ粒子は最も一般的には略球形であるので、ミクロ粒子の「粒度」と言った場合には、通常はミクロ粒子の「直径」を意味する。しかし、ミクロ粒子は球形ではない場合もあり、この場合には、粒度は、非球形ミクロ粒子の質量と等しい質量を有する想像上の球形粒子の直径として解釈されることを認識されたい。
【0020】
更に、本発明による縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、溶液を噴霧乾燥した場合に典型的に製造される中空のミクロ粒子よりも、中実のミクロ粒子になる傾向が高い。
【0021】
上述した長所に加え、本発明に従って製造されたミクロ粒子は、望ましくない可能性がある界面活性剤等の賦形剤を使用せずともよい。縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたタンパク質のミクロ粒子は、他の方法で製造されたミクロ粒子と比較して、界面活性剤を必要とせずに、水性懸濁液中でより容易に懸濁するように見える。
【0022】
縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子はいびつである。これにより、溶液の噴霧乾燥によって製造された丸い/球状ミクロ粒子と比較して、ミクロ粒子の流動特性及び非凝集特性(deaggregation properties)が変わる場合がある。
【0023】
懸濁で生じた沈殿粒子を、可溶化特性を変える薬剤でコーティングすることも可能である。例えば、プロパン−2−オール/クロロホルム中のロパミドール(lopamidol)縣濁液に、コレステロールを添加できる。コレステロールはこの混合溶媒中で溶解する。このロパミドール縣濁液を噴霧乾燥すると、ロパミドールのミクロ粒子の水溶性が変化する。コレステロールがロパミドールのミクロ粒子をコーティングして、水溶性を低下させる。
【0024】
溶液が、「非溶媒」中で不溶の2つ以上の化合物を含む場合には、非溶媒を添加すると、両方の化合物から沈殿物が生じる。次に、この縣濁液を噴霧乾燥すると、両方の化合物を含む「混合」ミクロ粒子が生成される。
【0025】
本発明に従って製造されたミクロ粒子は、治療用途において、例えば薬剤を送るためのビヒクルとして、又は画像診断において、例えば超音波、磁気共鳴等を用いた造影技術のために有用であり得る。従って、粒子形成材料は、治療的に活性を有する作用物(即ち薬剤)若しくは、例えばコレステロール等の製薬用の賦形剤であってもよく、又は、画像診断に用いる造影剤であってもよい。造影剤の例としては、ロパミドール等のX線造影剤、テクネチウム等の放射性造影剤、及び磁気共鳴造影剤が挙げられる。例えば吸収及び/又は吸着によって、又は、ミクロ粒子表面への共有結合によって、治療的に活性を有する薬剤をミクロ粒子に組み込んでもよい。或いは、治療的に活性を有する薬剤(1つ又は複数)でミクロ粒子を全体的に又は部分的に形成してもよい。即ち、治療的に活性を有する薬剤が粒子形成材料を構成してもよく、又は、その一部であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、以下の例及び添付の図面を参照し、説明のみの目的で本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
例1
沈殿させたヒトアルブミンの噴霧乾燥
方法
体積100mlのヒト血清アルブミン溶液(20%w/v、USP等級)を、体積2000mlの発熱物質を含まない純水(PFPW)で室温で一晩透析し、過剰な塩化ナトリウムを除去した。
【0028】
次の溶液を調製した。全ての作業を24℃で行い、エタノールをゆっくりと加え、エタノールの添加中にヤンケ・アンド・クンケル(Janke and Kunkel)のT25ホモジナイザー(8000rpm)を用いて穏やかに均質化した。
透析したヒト血清アルブミン(12%w/v)、pH7.0 40ml
エタノール 60ml
【0029】
エタノールを加えると、淡黄色の溶液が乳白色の縣濁液に変化するのが認められた。
【0030】
この縣濁液を、ヤンケ・アンド・クンケルのT25ホモジナイザーを用いて、20,500rpmで30秒間、更に均質化した。
【0031】
均質化された縣濁液を、シリック(Schlick)の二液噴霧化ノズル(970/0型)を装着したブチ・ミニ・スプレードライヤー(Buchi Mini Spray Dryer)B−191型を用いて、以下の設定で噴霧乾燥した。以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 100℃
放出開始温度 67℃
液体供給速度 3ml/分
噴霧化圧力 4.0barg
乾燥空気設定 100%
【0032】
サイクロン式収集容器からミクロ粒子を回収した。
【0033】
コールタカウンタを用いた水中分粒を可能にするために、マイクロカプセルの200mgのサンプルを、ガレンカンプ(Gallenkamp)の実験用オーブン内で175℃で60分間加熱することによって、不溶性にした。
【0034】
12歯ロータ及び0.5mmスクリーンを有するフリッチュ(Fritsch)のプルフェリゼッテ(Pulverisette)14遠心ミルを最大速度で用いて、この不溶性のミクロ粒子を(凝集塊を壊すために)非凝集化した(de-agglomerated)。
【0035】
非凝集化を達成するために、熱で固定したマイクロカプセルの200mgの部分標本を、600mgの無水マンニトールと混合し、へらを用いて混ぜ合わせた。この混合物を、最大速度で動作するミルに10秒間以上かけた。
【0036】
光学顕微鏡検査
少量(約100mg)の非凝集化されたミクロ粒子を、5mlの水中で懸濁させた。光学顕微鏡検査を用いて、水中縣濁液中の粒子の形態を判定した。縣濁液の小滴を顕微鏡用スライド上に配置し、カバースリップを当てがった。ニコン(Nikon)のラボフォト(Labophot)顕微鏡を用いて、×1000の倍率の画像を取得した。
【0037】
シースキャン(SeeScan)画像アナライザを用いて画像をキャプチャした。ソニー(Sony)のマビグラフ(Mavigraph)カラービデオプリンタを用いて、キャプチャ画像をプリントした。
【0038】
分粒
分粒の前に、50mgの非凝集化されたマイクロカプセルを、1mlのPFPW中で再懸濁させ、穏やかに掻き回した。70μmのオリフィス管を装着したコールタ(Coulter)のマルチサイザー(Multisizer)IIでアイソトン(Isoton)中でマイクロカプセルを分粒した。
【0039】
結果
非凝集化されたマイクロカプセルは、PFPW中で優れた再懸濁性を示した。良好な再懸濁を達成するために界面活性剤を添加する必要はなかった。
【0040】
このミクロ粒子の平均粒度(個数分布)は1.97μmと小さく、以下の粒度分布(上述のように測定された個数による)を有することが分かった。
【表1】
【0041】
光学顕微鏡検査によって取得された画像(図1参照)から、沈殿させたアルブミンの噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は幾分いびつであることが確認された。より詳細な分析から、このミクロ粒子の大半は外見上は中空ではないことが確認された。
【0042】
図2にコールタ粒度分布を示す。
【0043】
例2
溶液の状態のヒトアルブミンの噴霧乾燥(比較例)
方法
沈殿させた縣濁液(例1)の噴霧乾燥と対比させて、溶液の状態のヒトアルブミンを噴霧乾燥した。
【0044】
体積250mlのヒトアルブミン(USP等級、スペイン国のグリフォルス(Grifols)により20%w/vの状態で供給)を、5.0リットルの純水で透析した。アルブミンを透析管内で密封し、この水を室温で一晩撹拌した。
【0045】
280nmにおける吸光度(1.0mg/ml溶液の吸光係数を0.53とする)によってアルブミン濃度を判定した。噴霧乾燥用に以下の溶液を調製した。
水中4.8%(w/v)*のヒトアルブミン、pH7.0
(*これは例1と同じアルブミン濃度であることを留意されたい。)
【0046】
このアルブミン溶液を、例1と同じ条件下で噴霧乾燥した。
【0047】
このミクロ粒子を収集し、例1で説明したように加熱により不溶化処理した。
【0048】
更に分析するために、いかなる凝集も確実に破砕するために、加熱により不溶化処理されたミクロ粒子をエタノール中で音波破砕した。次の水中懸濁化では、重大な凝集を生じずにミクロ粒子が分散されるのが観察された(光学顕微鏡検査によって判定)。
【0049】
上述(例1)したように、コールタ・マルチサイザーを用いてミクロ粒子を分粒した。
【0050】
例1で説明したように、ミクロ粒子に対して光学顕微鏡検査(倍率:×1000)を行った。
【0051】
結果
コールタ粒度分析により、このミクロ粒子は以下の粒度を有することが明らかとなった。
【表2】
【0052】
粒度データ(図3参照)から、アルブミン溶液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、同じアルブミン濃度を有する沈殿させた縣濁液の噴霧乾燥(例1)によって製造されたものよりもかなり大きいことが確認された。
【0053】
(光学顕微鏡を用いた)詳細な分析から、アルブミン溶液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、主に球形且つ主に中空であることが明らかとなった。無傷のミクロ粒子は空気を含み、顕微鏡では「黒い」泡に見えた。一方、縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、幾分いびつである。これらは中空ではなく空気を含んでもいない。
【0054】
図4に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0055】
例3
溶液と比較した、縣濁液の状態のコレステロールの噴霧乾燥
コレステロールは、様々な薬剤の製剤に使用可能な製薬用の賦形剤である。これらの用途としては、経口投与、局所投与及び注射可能な製剤形態が含まれる。
【0056】
コレステロールは水に不溶であるが、プロパン−2−オール及びクロロホルム等の有機溶媒には可溶である。
【0057】
縣濁液(非溶媒である水を添加することによりプロパン−2−オールから沈殿)と比較した、(プロパン−2−オール中)溶液の状態のコレステロールを噴霧乾燥する比較研究を実施した。
【0058】
方法
2.5gの量のコレステロール(シグマ(Sigma)、99+%)を、125mlのプロパン−2−オールに溶かした。
【0059】
溶液の状態での噴霧乾燥
ブチイ(Buchii)の噴霧乾燥器を用いて(乾燥器の仕様については例1を参照)、体積50mlのコレステロール溶液を噴霧乾燥した。
【0060】
以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 50℃
放出温度 42℃
液体供給速度 1.5ml/分
噴霧化圧力 1.0barg
乾燥空気設定 100%
【0061】
コレステロール溶液を噴霧乾燥して白色の微粉末を生じ、噴霧乾燥器のサイクロン(spray dryer cyclone)によって収集した。
【0062】
収集した乾燥粉末に対して光学顕微鏡検査を実施した。例1で上述したように、顕微鏡用スライドの表面にミクロ粒子を広げ、ニコンのラボフォト顕微鏡(倍率:×1000)を用いて分析した。図5に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0063】
縣濁液の状態での噴霧乾燥
残りの75mlのコレステロール溶液を磁力攪拌器に配置し、中程度の設定で撹拌した。
【0064】
非溶媒の添加によりコレステロールを沈殿させた。この例では、25mlの純水をゆっくりと(約30秒以上かけて)加えることにより沈殿が得られた。
【0065】
コレステロール溶液の噴霧乾燥に関して説明したのと同じ条件を用いて、乳白色の縣濁液を噴霧乾燥した。生成されたミクロ粒子を収集し、上述のサンプルに関して説明したように、光学顕微鏡検査によって分析した。図6に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0066】
結果
得られた結果から、溶液の噴霧乾燥によって製造されたコレステロールのミクロ粒子は、主に球形の外見を有し且つ中空に見えることが確認された。
【0067】
一方、縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたコレステロールのミクロ粒子は、外見がいびつであり且つ結晶状に見えた。
【0068】
例4
溶液と比較した、縣濁液の状態のロパミドール(lopamidol)の噴霧乾燥
ロパミドールは、冠状動脈等の主要な血管の画像を強調するために主として用いられるX線造影剤である。注射用の無菌溶液として供給され、高い水溶性を有する。
【0069】
造影剤の乾燥粉末の製剤形態が好ましいことがあり得る潜在的な用途が幾つかある。例えば、ロパミドールの乾燥したミクロ粒子を更に処理して、造影剤を他の臓器(肝臓等)に向かわせる可能性を提供するカプセル封入された製剤を製造可能である。
【0070】
縣濁液(クロロホルムを添加することによりプロパン−2−オールから沈殿)と比較した、(プロパン−2−オール中)溶液の状態のロパミドールを噴霧乾燥する比較研究を実施した。
【0071】
方法
溶液の状態での噴霧乾燥
市販されているロパミドールを希釈し、噴霧乾燥用の溶液にした。
ロパミドール* 10ml
水 65ml
エタノール 25ml
(*ロパミドール612mg/mlの濃度を有する市販の造影剤)
【0072】
ブチイの噴霧乾燥器を用いて(乾燥器の仕様については例1を参照)、この溶液を噴霧乾燥した。
【0073】
以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 60℃
放出温度 47℃
液体供給速度 1.5ml/分
噴霧化圧力 2.0barg
乾燥空気設定 100%
【0074】
ロパミドール溶液を噴霧乾燥して白色の微粉末を生じ、噴霧乾燥器のサイクロンによって収集した。
【0075】
収集した乾燥粉末に対して光学顕微鏡検査を実施した。例1で上述したように、顕微鏡用スライドの表面にミクロ粒子を広げ、ニコンのラボフォト顕微鏡(倍率:×1000)を用いて分析した。図7に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0076】
縣濁液の状態での噴霧乾燥
この研究で用いる乾燥粉末の状態のロパミドールを得た。上述した市販のロパミドール溶液の噴霧乾燥によって、乾燥ロパミドールを得た。
【0077】
磁気攪拌器を用いると共に溶融を促進するために僅かに温め、2.0gの量の乾燥ロパミドールを50mlのプロパン−2−オールに溶かした。
【0078】
中程度の速度で撹拌しながら50mlのクロロホルム(混和性の非溶媒)を加えることにより、ロパミドール溶液を沈殿させた。このクロロホルムは30秒以上かけて添加された。
【0079】
ブチイの噴霧乾燥器を用いて(乾燥器の仕様については例1を参照)、この縣濁液を噴霧乾燥した。
【0080】
以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 60℃
放出温度 47℃
液体供給速度 1.5ml/分
噴霧化圧力 2.0barg
乾燥空気設定 100%
【0081】
ロパミドール懸濁液を噴霧乾燥して白色の微粉末を生じ、噴霧乾燥器のサイクロンによって収集した。
【0082】
収集した乾燥粉末に対して光学顕微鏡検査を実施した。例1で上述したように、顕微鏡用スライドの表面にミクロ粒子を広げ、ニコンのラボフォト顕微鏡(倍率:×1000)を用いて分析した。図8に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0083】
得られた結果から、溶液の噴霧乾燥によって製造されたロパミドールのミクロ粒子は、外見が主に球形であり且つ中空に見えることが確認された(図7参照)。
【0084】
一方、縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたロパミドールのミクロ粒子は、外見がいびつであり且つ結晶状に見えた。また、これらは、溶液から製造されたミクロ粒子よりも幾分小さく見えた(図8参照)。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】沈殿させたヒトアルブミンを噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図2】縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたアルブミンのミクロ粒子のコールタ粒度分布を示す図である。
【図3】溶液の噴霧乾燥によって製造されたアルブミンのミクロ粒子のコールタ粒度分布を示す図である。
【図4】可溶ヒトアルブミンを噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図5】コレステロール溶液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図6】コレステロール懸濁液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図7】ロパミドール溶液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図8】ロパミドール懸濁液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【0001】
本発明はミクロ粒子の調製に関し、詳細には、微粒子の形態のタンパク性材料の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
アルブミン等のタンパク性材料のミクロ粒子の調製については、文書で十分に解説されている。従来用いられている技術は噴霧乾燥であり、この技術では、最も一般的には水である溶媒中のタンパク性材料の溶液を、加熱されたガス充填チャンバ内に噴霧して、ミクロ粒子から溶媒を蒸発させ、次にミクロ粒子をガスから分離する。
【0003】
薬剤及び造影剤を含有するミクロ粒子を製造するための新たな改良された技術の開発に対しては継続的な関心があると共に、これには多くの課題が含まれている。例えば、粒度分布を厳密に制御する必要がある。静脈内投与が意図された製品では、粒度を6μm未満にするのが望ましい。同様に、吸入によって肺に送り込むことが意図された製品では、通常は、肺の奥まで入り込むのに適した空気力学的サイズのミクロ粒子を製造するのが好ましい。鼻孔内投与のための粒子は、例えば粒度が数十ミクロンというように、やや大きくてもよい。
【0004】
同様に、治療作用物(薬剤)又は造影剤をカプセル封入又は別様で組み込むことが必要な場合もある。薬剤及び造影剤をカプセルに封入することにより、それらがより長く循環中に残り、性能を高めると共に可能性として毒性を低減することが期待される。
【0005】
造影及び治療を目的とする10μm未満のミクロ粒子の製造には、上述した噴霧乾燥技術と並んで、他の多くの方法が用いられている。これらの方法には、乳化、沈殿及び粉砕が含まれる。しかし、これらの既存の方法の全てには、依然として多くの短所がある。
(i)粒度が6μmを超える粒子がかなりの量存在する。これらの大きな粒子が静脈内に投与されると毛細血管等を塞ぐと共に、肺に投与されると気道の奥まで入り込めないので、これは重要である。
(ii)凝集を回避するため及び比較的均質な懸濁状態を維持するために、界面活性剤の混合を要する。治療上又は機能的利点を持たず、有害でもあり得るこのような付加的な成分の存在は、一般的に望ましくない。
(iii)何らかの乳液ベースのプロセスで得られた製品は、比較的疎水性であり得るので、分散が困難な場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、ミクロ粒子を調製するための公知の噴霧乾燥プロセスに対する、従来技術の上述の短所及び/又は他の短所を克服又は実質的に軽減する改良を発明した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、粒子形成材料のミクロ粒子を製造する方法が提供され、この方法は、a)粒子形成材料の縣濁液を形成する工程と、b)該縣濁液を噴霧乾燥する工程と、を含む。
【0008】
工程a)、即ち、粒子形成材料の縣濁液の形成は、まず、粒子形成材料を溶媒中に溶解させ、次に、このように形成された溶液に、該粒子形成材料に対する非溶媒を添加して粒子形成材料の沈殿を生じることにより実行されるのが好ましい。「非溶媒」とは、その液体中における粒子形成材料の溶解性が、溶媒中における該粒子形成材料の溶解性よりも実質的に低いが、溶媒と混和性である液体を意味する。
【0009】
非溶媒は過剰に添加されるのが好ましい。即ち、溶媒に添加される非溶媒の体積は、溶媒中の粒子形成材料の溶液の体積よりも大きいのが好ましい。換言すれば、工程b)で噴霧乾燥される溶媒/非溶媒混合液は、50%v/vを超える非溶媒を含むのが最も好ましく、60%v/vを超える非溶媒を含むのがより好ましく、70%v/vを超える非溶媒を含むことも可能である。
【0010】
この溶媒は水であるのが最も一般的である。好ましい非溶媒はエタノールである。しかし、一般的には、非溶媒の添加が粒子形成材料の沈殿を生じる所望の効果を有し、且つ、使用割合において溶媒と非溶媒が混和するものであれば、任意の適切な組み合わせの溶媒及び非溶媒を用いてよい。
【0011】
溶媒は水であるのが最も一般的であるが、その代わりに、例えば有機溶媒であってもよい。この場合には非溶媒は水であってよく、非溶媒の使用が、可燃性であり得る有機溶媒を含む縣濁液のその後の噴霧乾燥に伴うリスクの低減に有用になり得る。
【0012】
粒子形成材料がタンパク性材料であることが好ましいが、この場合には、懸濁粒子の凝集を防止又は最小限にして、噴霧乾燥後に容易に分散可能な親水性粒子を製造するために、非溶媒の添加による沈殿は、等電点から逸脱したpHで実行されるのが好ましい。このようにして、同じ目的を達成するための付加的な界面活性剤の使用が回避され得る。同じく等電点を示す材料であれば、非タンパク性粒子形成材料の場合にも、このことが当てはまる。
【0013】
工程b)、即ち、工程a)で形成された縣濁液の噴霧乾燥は、一般的に従来の性質の装置を用いた一般的に従来の方法で実行されてよい。概略としては、噴霧乾燥プロセスは、最も一般的には空気である高温ガスを含むチャンバに、縣濁液を噴霧することを含む。これにより、溶媒/非溶媒混合液が蒸発し、固形のミクロ粒子が生成される。チャンバからガスが抜かれ、ガス中に含まれるミクロ粒子は、例えば、サイクロン式分離器又は何らかの形態のフィルタ構成によってガスから分離される。次に、ミクロ粒子は適切な容器に収集される。
【0014】
噴霧乾燥プロセスによって得られたミクロ粒子の特性は、多くのファクタに依存する。このファクタには、噴霧乾燥装置を通るガスの流量、縣濁液中の粒子形成材料の濃度、溶媒及び非溶媒の性質、噴霧乾燥装置に縣濁液が供給される速度、及び、チャンバ内のガスの温度が含まれる。通常は、低い縣濁液供給速度と、高度の噴霧化と、高いガス流量とを組み合わせることで、小さな粒度分布を達成できる。
【0015】
工程a)と工程b)との間、即ち、縣濁液の形成後であって噴霧乾燥の前に、、例えば機械的撹拌によって縣濁液を均質化するのが特に好ましい。これにより、縣濁液中の粒子の粒度分布がより均等になると共に、それに対応して、工程b)で形成されたミクロ粒子の、より小さく且つより均等な粒度分布が得られる。
【0016】
粒子形成材料は、非自然発生のポリペプチド類及びポリアミノ酸類を含むタンパク性であるのが最も好ましい。例えば、粒子形成材料は、コラーゲン、ゼラチン又はアルブミンであってよい。アルブミンは特に好ましい材料である。人体への投与が意図されるミクロ粒子の場合には、粒子形成材料はヒト由来、即ち、実際にヒトから取り出されたものであるか、又は、ヒト由来のタンパクと同一(又は略同一)構造を有するのが好ましい。従って、特に好ましい粒子形成材料はヒト血清アルブミンであり、これは、例えば、献血された血液から取得されてもよく、又は、ヒト血清アルブミンを発現するよう変形又は形質移入された微生物(細胞株を含む)の発酵から取り出されてもよい。粒子形成材料として用いられ得る非タンパク性材料としては、糖類、炭水化物類、薬剤、及び造影剤として有用な材料が含まれる。
【0017】
特に粒子形成材料がアルブミンである場合には、縣濁液は、好ましくは0.1〜50%w/v、より好ましくは1〜20%w/v、最も好ましくは2〜10%w/vの粒子形成材料を含む。複数の粒子形成材料の混合物を用いてもよく、この場合には、上記の数字は粒子形成材料の合計含有量を表す。
【0018】
本発明による方法の主な長所は、ミクロ粒子の所望の形状及び粒度分布を達成すべく、プロセスの2つの段階(縣濁液の形成及び噴霧乾燥)を個別に最適化し得る点である。これにより、ミクロ粒子の特性に対する高度な制御が与えられる。特に、このプロセスは、特に小さい粒度及び特に狭い粒度分布を有するミクロ粒子の製造を可能にする。本発明に従って製造されたミクロ粒子は、例えば、主に粒度が4μm未満であり、粒子個数分布(number size)においてモーダルピーク(modal peak)が1μmを下回り、平均粒度が2μm未満(コールタカウンタを用いて測定)であり得る。このような粒度が小さいミクロ粒子の長所は、非常に細い血管(毛細血管)にも入り得る点、及び/又は、肺の奥にも入り込み得る点である。例えば鼻孔内投与に対しては、より粒度が大きいミクロ粒子を製造することも可能であろう。
【0019】
なお、ミクロ粒子は最も一般的には略球形であるので、ミクロ粒子の「粒度」と言った場合には、通常はミクロ粒子の「直径」を意味する。しかし、ミクロ粒子は球形ではない場合もあり、この場合には、粒度は、非球形ミクロ粒子の質量と等しい質量を有する想像上の球形粒子の直径として解釈されることを認識されたい。
【0020】
更に、本発明による縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、溶液を噴霧乾燥した場合に典型的に製造される中空のミクロ粒子よりも、中実のミクロ粒子になる傾向が高い。
【0021】
上述した長所に加え、本発明に従って製造されたミクロ粒子は、望ましくない可能性がある界面活性剤等の賦形剤を使用せずともよい。縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたタンパク質のミクロ粒子は、他の方法で製造されたミクロ粒子と比較して、界面活性剤を必要とせずに、水性懸濁液中でより容易に懸濁するように見える。
【0022】
縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子はいびつである。これにより、溶液の噴霧乾燥によって製造された丸い/球状ミクロ粒子と比較して、ミクロ粒子の流動特性及び非凝集特性(deaggregation properties)が変わる場合がある。
【0023】
懸濁で生じた沈殿粒子を、可溶化特性を変える薬剤でコーティングすることも可能である。例えば、プロパン−2−オール/クロロホルム中のロパミドール(lopamidol)縣濁液に、コレステロールを添加できる。コレステロールはこの混合溶媒中で溶解する。このロパミドール縣濁液を噴霧乾燥すると、ロパミドールのミクロ粒子の水溶性が変化する。コレステロールがロパミドールのミクロ粒子をコーティングして、水溶性を低下させる。
【0024】
溶液が、「非溶媒」中で不溶の2つ以上の化合物を含む場合には、非溶媒を添加すると、両方の化合物から沈殿物が生じる。次に、この縣濁液を噴霧乾燥すると、両方の化合物を含む「混合」ミクロ粒子が生成される。
【0025】
本発明に従って製造されたミクロ粒子は、治療用途において、例えば薬剤を送るためのビヒクルとして、又は画像診断において、例えば超音波、磁気共鳴等を用いた造影技術のために有用であり得る。従って、粒子形成材料は、治療的に活性を有する作用物(即ち薬剤)若しくは、例えばコレステロール等の製薬用の賦形剤であってもよく、又は、画像診断に用いる造影剤であってもよい。造影剤の例としては、ロパミドール等のX線造影剤、テクネチウム等の放射性造影剤、及び磁気共鳴造影剤が挙げられる。例えば吸収及び/又は吸着によって、又は、ミクロ粒子表面への共有結合によって、治療的に活性を有する薬剤をミクロ粒子に組み込んでもよい。或いは、治療的に活性を有する薬剤(1つ又は複数)でミクロ粒子を全体的に又は部分的に形成してもよい。即ち、治療的に活性を有する薬剤が粒子形成材料を構成してもよく、又は、その一部であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、以下の例及び添付の図面を参照し、説明のみの目的で本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
例1
沈殿させたヒトアルブミンの噴霧乾燥
方法
体積100mlのヒト血清アルブミン溶液(20%w/v、USP等級)を、体積2000mlの発熱物質を含まない純水(PFPW)で室温で一晩透析し、過剰な塩化ナトリウムを除去した。
【0028】
次の溶液を調製した。全ての作業を24℃で行い、エタノールをゆっくりと加え、エタノールの添加中にヤンケ・アンド・クンケル(Janke and Kunkel)のT25ホモジナイザー(8000rpm)を用いて穏やかに均質化した。
透析したヒト血清アルブミン(12%w/v)、pH7.0 40ml
エタノール 60ml
【0029】
エタノールを加えると、淡黄色の溶液が乳白色の縣濁液に変化するのが認められた。
【0030】
この縣濁液を、ヤンケ・アンド・クンケルのT25ホモジナイザーを用いて、20,500rpmで30秒間、更に均質化した。
【0031】
均質化された縣濁液を、シリック(Schlick)の二液噴霧化ノズル(970/0型)を装着したブチ・ミニ・スプレードライヤー(Buchi Mini Spray Dryer)B−191型を用いて、以下の設定で噴霧乾燥した。以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 100℃
放出開始温度 67℃
液体供給速度 3ml/分
噴霧化圧力 4.0barg
乾燥空気設定 100%
【0032】
サイクロン式収集容器からミクロ粒子を回収した。
【0033】
コールタカウンタを用いた水中分粒を可能にするために、マイクロカプセルの200mgのサンプルを、ガレンカンプ(Gallenkamp)の実験用オーブン内で175℃で60分間加熱することによって、不溶性にした。
【0034】
12歯ロータ及び0.5mmスクリーンを有するフリッチュ(Fritsch)のプルフェリゼッテ(Pulverisette)14遠心ミルを最大速度で用いて、この不溶性のミクロ粒子を(凝集塊を壊すために)非凝集化した(de-agglomerated)。
【0035】
非凝集化を達成するために、熱で固定したマイクロカプセルの200mgの部分標本を、600mgの無水マンニトールと混合し、へらを用いて混ぜ合わせた。この混合物を、最大速度で動作するミルに10秒間以上かけた。
【0036】
光学顕微鏡検査
少量(約100mg)の非凝集化されたミクロ粒子を、5mlの水中で懸濁させた。光学顕微鏡検査を用いて、水中縣濁液中の粒子の形態を判定した。縣濁液の小滴を顕微鏡用スライド上に配置し、カバースリップを当てがった。ニコン(Nikon)のラボフォト(Labophot)顕微鏡を用いて、×1000の倍率の画像を取得した。
【0037】
シースキャン(SeeScan)画像アナライザを用いて画像をキャプチャした。ソニー(Sony)のマビグラフ(Mavigraph)カラービデオプリンタを用いて、キャプチャ画像をプリントした。
【0038】
分粒
分粒の前に、50mgの非凝集化されたマイクロカプセルを、1mlのPFPW中で再懸濁させ、穏やかに掻き回した。70μmのオリフィス管を装着したコールタ(Coulter)のマルチサイザー(Multisizer)IIでアイソトン(Isoton)中でマイクロカプセルを分粒した。
【0039】
結果
非凝集化されたマイクロカプセルは、PFPW中で優れた再懸濁性を示した。良好な再懸濁を達成するために界面活性剤を添加する必要はなかった。
【0040】
このミクロ粒子の平均粒度(個数分布)は1.97μmと小さく、以下の粒度分布(上述のように測定された個数による)を有することが分かった。
【表1】
【0041】
光学顕微鏡検査によって取得された画像(図1参照)から、沈殿させたアルブミンの噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は幾分いびつであることが確認された。より詳細な分析から、このミクロ粒子の大半は外見上は中空ではないことが確認された。
【0042】
図2にコールタ粒度分布を示す。
【0043】
例2
溶液の状態のヒトアルブミンの噴霧乾燥(比較例)
方法
沈殿させた縣濁液(例1)の噴霧乾燥と対比させて、溶液の状態のヒトアルブミンを噴霧乾燥した。
【0044】
体積250mlのヒトアルブミン(USP等級、スペイン国のグリフォルス(Grifols)により20%w/vの状態で供給)を、5.0リットルの純水で透析した。アルブミンを透析管内で密封し、この水を室温で一晩撹拌した。
【0045】
280nmにおける吸光度(1.0mg/ml溶液の吸光係数を0.53とする)によってアルブミン濃度を判定した。噴霧乾燥用に以下の溶液を調製した。
水中4.8%(w/v)*のヒトアルブミン、pH7.0
(*これは例1と同じアルブミン濃度であることを留意されたい。)
【0046】
このアルブミン溶液を、例1と同じ条件下で噴霧乾燥した。
【0047】
このミクロ粒子を収集し、例1で説明したように加熱により不溶化処理した。
【0048】
更に分析するために、いかなる凝集も確実に破砕するために、加熱により不溶化処理されたミクロ粒子をエタノール中で音波破砕した。次の水中懸濁化では、重大な凝集を生じずにミクロ粒子が分散されるのが観察された(光学顕微鏡検査によって判定)。
【0049】
上述(例1)したように、コールタ・マルチサイザーを用いてミクロ粒子を分粒した。
【0050】
例1で説明したように、ミクロ粒子に対して光学顕微鏡検査(倍率:×1000)を行った。
【0051】
結果
コールタ粒度分析により、このミクロ粒子は以下の粒度を有することが明らかとなった。
【表2】
【0052】
粒度データ(図3参照)から、アルブミン溶液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、同じアルブミン濃度を有する沈殿させた縣濁液の噴霧乾燥(例1)によって製造されたものよりもかなり大きいことが確認された。
【0053】
(光学顕微鏡を用いた)詳細な分析から、アルブミン溶液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、主に球形且つ主に中空であることが明らかとなった。無傷のミクロ粒子は空気を含み、顕微鏡では「黒い」泡に見えた。一方、縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたミクロ粒子は、幾分いびつである。これらは中空ではなく空気を含んでもいない。
【0054】
図4に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0055】
例3
溶液と比較した、縣濁液の状態のコレステロールの噴霧乾燥
コレステロールは、様々な薬剤の製剤に使用可能な製薬用の賦形剤である。これらの用途としては、経口投与、局所投与及び注射可能な製剤形態が含まれる。
【0056】
コレステロールは水に不溶であるが、プロパン−2−オール及びクロロホルム等の有機溶媒には可溶である。
【0057】
縣濁液(非溶媒である水を添加することによりプロパン−2−オールから沈殿)と比較した、(プロパン−2−オール中)溶液の状態のコレステロールを噴霧乾燥する比較研究を実施した。
【0058】
方法
2.5gの量のコレステロール(シグマ(Sigma)、99+%)を、125mlのプロパン−2−オールに溶かした。
【0059】
溶液の状態での噴霧乾燥
ブチイ(Buchii)の噴霧乾燥器を用いて(乾燥器の仕様については例1を参照)、体積50mlのコレステロール溶液を噴霧乾燥した。
【0060】
以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 50℃
放出温度 42℃
液体供給速度 1.5ml/分
噴霧化圧力 1.0barg
乾燥空気設定 100%
【0061】
コレステロール溶液を噴霧乾燥して白色の微粉末を生じ、噴霧乾燥器のサイクロン(spray dryer cyclone)によって収集した。
【0062】
収集した乾燥粉末に対して光学顕微鏡検査を実施した。例1で上述したように、顕微鏡用スライドの表面にミクロ粒子を広げ、ニコンのラボフォト顕微鏡(倍率:×1000)を用いて分析した。図5に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0063】
縣濁液の状態での噴霧乾燥
残りの75mlのコレステロール溶液を磁力攪拌器に配置し、中程度の設定で撹拌した。
【0064】
非溶媒の添加によりコレステロールを沈殿させた。この例では、25mlの純水をゆっくりと(約30秒以上かけて)加えることにより沈殿が得られた。
【0065】
コレステロール溶液の噴霧乾燥に関して説明したのと同じ条件を用いて、乳白色の縣濁液を噴霧乾燥した。生成されたミクロ粒子を収集し、上述のサンプルに関して説明したように、光学顕微鏡検査によって分析した。図6に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0066】
結果
得られた結果から、溶液の噴霧乾燥によって製造されたコレステロールのミクロ粒子は、主に球形の外見を有し且つ中空に見えることが確認された。
【0067】
一方、縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたコレステロールのミクロ粒子は、外見がいびつであり且つ結晶状に見えた。
【0068】
例4
溶液と比較した、縣濁液の状態のロパミドール(lopamidol)の噴霧乾燥
ロパミドールは、冠状動脈等の主要な血管の画像を強調するために主として用いられるX線造影剤である。注射用の無菌溶液として供給され、高い水溶性を有する。
【0069】
造影剤の乾燥粉末の製剤形態が好ましいことがあり得る潜在的な用途が幾つかある。例えば、ロパミドールの乾燥したミクロ粒子を更に処理して、造影剤を他の臓器(肝臓等)に向かわせる可能性を提供するカプセル封入された製剤を製造可能である。
【0070】
縣濁液(クロロホルムを添加することによりプロパン−2−オールから沈殿)と比較した、(プロパン−2−オール中)溶液の状態のロパミドールを噴霧乾燥する比較研究を実施した。
【0071】
方法
溶液の状態での噴霧乾燥
市販されているロパミドールを希釈し、噴霧乾燥用の溶液にした。
ロパミドール* 10ml
水 65ml
エタノール 25ml
(*ロパミドール612mg/mlの濃度を有する市販の造影剤)
【0072】
ブチイの噴霧乾燥器を用いて(乾燥器の仕様については例1を参照)、この溶液を噴霧乾燥した。
【0073】
以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 60℃
放出温度 47℃
液体供給速度 1.5ml/分
噴霧化圧力 2.0barg
乾燥空気設定 100%
【0074】
ロパミドール溶液を噴霧乾燥して白色の微粉末を生じ、噴霧乾燥器のサイクロンによって収集した。
【0075】
収集した乾燥粉末に対して光学顕微鏡検査を実施した。例1で上述したように、顕微鏡用スライドの表面にミクロ粒子を広げ、ニコンのラボフォト顕微鏡(倍率:×1000)を用いて分析した。図7に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0076】
縣濁液の状態での噴霧乾燥
この研究で用いる乾燥粉末の状態のロパミドールを得た。上述した市販のロパミドール溶液の噴霧乾燥によって、乾燥ロパミドールを得た。
【0077】
磁気攪拌器を用いると共に溶融を促進するために僅かに温め、2.0gの量の乾燥ロパミドールを50mlのプロパン−2−オールに溶かした。
【0078】
中程度の速度で撹拌しながら50mlのクロロホルム(混和性の非溶媒)を加えることにより、ロパミドール溶液を沈殿させた。このクロロホルムは30秒以上かけて添加された。
【0079】
ブチイの噴霧乾燥器を用いて(乾燥器の仕様については例1を参照)、この縣濁液を噴霧乾燥した。
【0080】
以下の噴霧乾燥条件を用いた。
注入温度 60℃
放出温度 47℃
液体供給速度 1.5ml/分
噴霧化圧力 2.0barg
乾燥空気設定 100%
【0081】
ロパミドール懸濁液を噴霧乾燥して白色の微粉末を生じ、噴霧乾燥器のサイクロンによって収集した。
【0082】
収集した乾燥粉末に対して光学顕微鏡検査を実施した。例1で上述したように、顕微鏡用スライドの表面にミクロ粒子を広げ、ニコンのラボフォト顕微鏡(倍率:×1000)を用いて分析した。図8に典型的な光学顕微鏡写真を示す。
【0083】
得られた結果から、溶液の噴霧乾燥によって製造されたロパミドールのミクロ粒子は、外見が主に球形であり且つ中空に見えることが確認された(図7参照)。
【0084】
一方、縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたロパミドールのミクロ粒子は、外見がいびつであり且つ結晶状に見えた。また、これらは、溶液から製造されたミクロ粒子よりも幾分小さく見えた(図8参照)。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】沈殿させたヒトアルブミンを噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図2】縣濁液の噴霧乾燥によって製造されたアルブミンのミクロ粒子のコールタ粒度分布を示す図である。
【図3】溶液の噴霧乾燥によって製造されたアルブミンのミクロ粒子のコールタ粒度分布を示す図である。
【図4】可溶ヒトアルブミンを噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図5】コレステロール溶液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図6】コレステロール懸濁液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図7】ロパミドール溶液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
【図8】ロパミドール懸濁液を噴霧乾燥して製造されたミクロ粒子の形態を示す光学顕微鏡写真(×1000)を示す図である。
Claims (22)
- a)粒子形成材料の縣濁液を形成する工程と、
b)該縣濁液を噴霧乾燥する工程と、
を含む、粒子形成材料のミクロ粒子を製造する方法。 - 粒子形成材料の縣濁液を形成する前記工程a)が、まず、前記粒子形成材料を溶媒中に溶解させ、次に、このように形成された溶液に、該粒子形成材料に対する非溶媒を添加して前記粒子形成材料の沈殿を生じることにより実行される、請求項1記載の方法。
- 前記溶媒に添加される前記非溶媒の体積が、前記溶媒中の前記粒子形成材料の溶液の体積よりも大きい、請求項2記載の方法。
- 前記工程b)で噴霧乾燥される前記溶媒/非溶媒混合液が、60%v/vを超える非溶媒を含む、請求項3記載の方法。
- 前記溶媒が水である、請求項2〜請求項4のいずれか一項記載の方法。
- 前記非溶媒がエタノールである、請求項2〜請求項5のいずれか一項記載の方法。
- 前記溶媒が有機溶媒である、請求項2〜請求項4のいずれか一項記載の方法。
- 前記工程a)で形成された縣濁液の噴霧乾燥が、高温ガスを含むチャンバに前記縣濁液を噴霧することによって実行される、請求項1〜請求項7のいずれか一項記載の方法。
- 前記工程a)と前記工程b)との間で前記縣濁液が均質化される、請求項1〜請求項8のいずれか一項記載の方法。
- 前記粒子形成材料がタンパク性である、請求項1〜請求項9のいずれか一項記載の方法。
- 前記タンパク性材料がアルブミンである、請求項10記載の方法。
- 前記アルブミンがヒト血清アルブミンである、請求項11記載の方法。
- 前記工程a)が、等電点から逸脱したpHにおいて、前記粒子形成材料の溶液に該粒子形成材料に対する非溶媒を添加することによって実行される、請求項10〜請求項12のいずれか一項記載の方法。
- 前記縣濁液が0.1〜50%w/vの前記粒子形成材料を含む、請求項1〜請求項13のいずれか一項記載の方法。
- 前記縣濁液が1〜20%w/vの前記粒子形成材料を含む、請求項1〜請求項14のいずれか一項記載の方法。
- 前記縣濁液が2〜10%w/vの前記粒子形成材料を含む、請求項1〜請求項15のいずれか一項記載の方法。
- 前記粒子形成材料が治療的に活性を有する薬剤である、請求項1〜請求項16のいずれか一項記載の方法。
- 前記粒子形成材料が製薬用の賦形剤である、請求項1〜請求項16のいずれか一項記載の方法。
- 前記製薬用の賦形剤がコレステロールである、請求項18記載の方法。
- 前記粒子形成材料が造影剤である、請求項1〜請求項16のいずれか一項記載の方法。
- 前記造影剤がX線造影剤である、請求項20記載の方法。
- 前記造影剤がロパミドールである、請求項21記載の方法。
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