JP2005503824A - ヒストン脱アセチル化酵素9 - Google Patents

ヒストン脱アセチル化酵素9 Download PDF

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Abstract

ヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)の同定およびクローニングを開示し、特に、全長HDAC9ポリペプチド、および脱アセチル化酵素活性を有するHDAC9ポリペプチド、ならびにこれらのポリペプチドをコードする核酸分子を開示する。例えば、HDAC9生物活性を調節することができる化合物をスクリーニングするための、これらのポリペプチドおよび核酸分子の使用を開示する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素の同定および単離、ならびにこの酵素の使用に関する。特に、本発明は、クラスIIヒストン脱アセチル化酵素ファミリーのメンバーであるヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)に関する。
【背景技術】
【0002】
真核生物のDNAは、精密で高度に制御された様式でクロマチンにパッケージングされている。このレベルの組織は、クローニング、修復組換え、染色体分離および転写調節を含む細胞内の多くのプロセスの基本をなすものである。DNAは、核ヒストン八量体(H2A、H2B、H3およびH4)に巻きつき、クロマチンの基本的な反復単位であるヌクレオソームを形成する。ヌクレオソームの結晶構造が解明され、これによって多くの情報が提供されたが、クロマチンの特異な機能性ドメインを形成、維持するメカニズムについては知るべきことがまだ多く残されている。クロマチン構造の最も重要な変化は、ヌクレオソームから突出しているヒストンのN末端テールの翻訳後修飾の影響を受けると考えられている。N末端テールは、修飾されていないときには塩基性が強く、負に帯電したDNAのリン酸主鎖と相互作用する。これらのテール内の特異的なアミノ酸は、アセチル化、メチル化、リン酸化、ポリ(ADP-リボシル化)およびユビキタス化などの種々の修飾を生じうる多様な酵素の標的となる。アセチル化がこれまで最も広く研究されており、アセチル化はヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)で触媒され、特定のリシンのε-アミノ基の置換を含んでいる。
【0003】
これにより、残基の酸性度が強くなり、ヒストン八量体によるDNAに対する全体的な親和性が低下する。ヒストンテールはまた、ヌクレオソーム間の相互作用を媒介して、より高次のクロマチン構造を形成し、このクロマチン構造はアセチル化によって破壊されうると考えられる。DNAのヌクレオソームアレイへのパッケージングは、DNA鋳型にアクセスしようとするときに転写機構に対する大きな物理的障害となる。ヒストンテールのアセチル化によるヌクレオソームの巻戻しが、遺伝子転写の活性化に基本的な役割を果たしていることを示す強力な証拠がある。ヒストンのアセチル化が転写を活性化するのとは対照的に、これらの修飾を除去する酵素は、ダウンレギュレーションおよび遺伝子サイレンシングに重要な役割を果たすことが期待される。これは、事実であることが実際に示されており、最近の研究も、いくつかのヒトの癌でヒストン脱アセチル化酵素の機能の異常が関係していることを示している。
【0004】
これまでに、8種のヒストン脱アセチル化酵素が特性付けられており、これらの酵素は脱アセチル化酵素ドメインで、酵母ヒストン脱アセチル化酵素Rpd3およびHda1と相同性を有する関連した2つのクラスに大別できる。クラスIIのHDAC4、5および7は、コリプレッサー、すなわちMEF2相互作用転写レプレッサー(MITR/HDRP)として既に特性付けられているタンパク質と相同な別のN-末端非触媒領域を含んでいるため、クラスIのHDACと区別される。
【0005】
Zhou他(PNAS、98(19):10572-10577、2001)は、ヒストン脱アセチル化酵素HDAC9の配列を開示しようとしている。しかし、この論文に開示されているタンパク質は不完全で、この論文に報告されている脱アセチル化酵素活性のレベルは陰性対照のレベルを下回っている。
【非特許文献1】
Zhou他(PNAS、98(19):10572-10577、2001)
【非特許文献2】
Zhou他(2001)
【非特許文献3】
Ausubel他、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley Interscience Publishers (1995)
【非特許文献4】
Sambrook、Fritsch and Maniatis、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbour Laboratory Press、1989
【非特許文献5】
Ausubel他、Short Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons、1992
【特許文献1】
米国特許第4,683,195号
【非特許文献6】
Mullis他、Cold Spring Harbour Symp. Quant. Biol.、51:263 (1987), Enrlich (編)、PCR Technology、Stockton Press、NY、1989
【非特許文献7】
Enrich他、Science、252:1643-1650、(1991)、「PCR protocols; A Guide to Methods and Applications」、Innis他編、Academic Press、New York (1990)
【非特許文献8】
Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 第2版、Sambrook他、1989、Cold Spring Harbour Laboratory Press
【非特許文献9】
Current Protocols in Molecular Biology、Ausubel他編、John Wiley & Sons、1992
【非特許文献10】
Altschul他、Methods in Enzymology、266:460-480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html
【非特許文献11】
Armitage他、Nature、357:80-82、1992
【特許文献2】
WO92/01047
【特許文献3】
EP0184187A
【特許文献4】
GB2188638A
【特許文献5】
EP0239400A
【特許文献6】
EP0120694A
【特許文献7】
EP0125023A
【非特許文献12】
Nature Biotechnology、15:422-426、1997
【非特許文献13】
Remington's Pharmaceutical Science、第20版、2000、pub. Lippincott, Williams & Wilkins
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、広くは、ヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)、特に全長HDAC9ポリペプチド、および脱アセチル化酵素活性を有するHDAC9ポリペプチドの同定およびクローニングならびにこれらのポリペプチドをコードする核酸分子に関する。本発明はさらに、特にHDAC9の生物活性を調節することができる化合物をスクリーニングするための、これらのポリペプチドおよび核酸分子の使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、第1の態様において、本発明は、図2に示すアミノ酸配列を有する単離HDAC9ポリペプチドを提供する。この図は、1069個のアミノ酸を含むポリペプチドである野生型ヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)のcDNAおよび推定アミノ酸配列を示している。HDAC9配列は、エキソン11の末端のアミノ酸577までHDAC9ポリペプチドと共通のN末端アミノ酸配列を有するMITRの配列と重なっているが、異なるエキソン12を有している。MITR配列は、593アミノ酸長である。
【0008】
Zhou他(2001)に報告されているHDAC9配列は、アミノ酸Ser1008まで図2に示す配列と同じであるが、図2に示すエキソン24および25でコードされるC末端の61アミノ酸を含んでいない。重要なのは、Zhou他に報告されているポリペプチドは、ヒストン脱アセチル化酵素活性を実質的に欠いていることである。対照的に、本発明の好ましいポリペプチドは、HDAC9の生物活性、特にヒストン脱アセチル化酵素活性を有し、図2のアミノ酸1009と1069の間に示すアミノ酸配列のすべてまたは一部を含んでいる。他のヒストン脱アセチル化酵素と比較して、HDAC9は、HDAC4と55%の配列同一性を有し、HDAC5と56%の配列同一性を有し、HDAC7と38%の配列同一性を有する。
【0009】
別な態様において、本発明は、図2に示すアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離ポリペプチドを提供する。本発明の好ましい実施形態は、図2に示す配列と少なくとも95%の配列同一性を有する単離ポリペプチドを提供する。
【0010】
別な態様において、本発明は、図2に示す核酸配列またはその相補配列、特に図2に示すHDAC9ポリペプチドのアミノ酸1009から1069をコードする核酸とハイブリダイズすることができる配列を含む核酸配列またはその相補配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされる単離ポリペプチドを提供する。
【0011】
別の態様において、本発明は、前記ポリペプチドの断片、活性部分または配列変異体である物質を提供する。好ましい断片および活性部分は、図2に示すアミノ酸1009と1069の間に示すHDAC9配列のすべてまたは一部を含む。配列変異体は、以下に定義するものであって、エキソン7、エキソン12および/またはエキソン15が欠失した変異体など、図2に示すエキソンの1つまたは複数が欠失したHDAC9ポリペプチドを含む。
【0012】
別の態様において、本発明は、結合パートナーと結合した上述のHDAC9ポリペプチドを提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、前記ポリペプチドの1つをコードする単離核酸分子およびその相補核酸配列を提供する。全長HDAC9のcDNA配列を図2に示す。本発明は、前記核酸配列の1つと90%を超える配列同一性を有する核酸分子も含む。他の実施形態において、本発明は、図2に示すコード配列またはその相補配列とハイブリダイズする核酸配列、特に、図2に示すアミノ酸1009から1069をコードする核酸配列またはその相補配列とハイブリダイズする核酸配列に関する。
【0014】
別の態様において、本発明は、機能できる形で制御配列に結合して、その発現を導く前記核酸の1つを含む発現ベクター、およびそのベクターで形質転換した宿主細胞を提供する。本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチド、またはその断片もしくは活性部分を生成する方法であって、宿主細胞を培養すること、および生成したポリペプチドを単離することを含む方法も含む。
【0015】
別の態様において、本発明は、1つまたは複数の本明細書で定義した前記ポリペプチドまたは核酸分子を含む組成物を提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、(a)ヒストン脱アセチル化酵素9の生物活性を有する、または(b)ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドに結合する、または(c)ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドの生物活性を阻害する候補化合物をスクリーニングするための、本明細書に定義したヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチド(断片、活性部分もしくは配列変異体を含む)または対応する核酸分子の使用を提供する。例として、スクリーニングを行って、医薬品研究においてリード化合物として開発するペプチジルまたは非ペプチジル擬似物質またはHDAC9ポリペプチドの阻害剤を見いだすことができる。
【0017】
したがって、一実施形態において、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドの活性を調節することができる化合物を同定する方法であって、
(a)少なくとも1つの候補化合物を、本明細書に定義のヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドと、候補化合物とHDAC9ポリペプチドが相互作用できる条件下で接触させること、
(b)HDAC9活性のアッセイで、候補化合物が活性を調節するかどうかを決定すること、および
(c)HDAC9ポリペプチドの活性を調節する候補化合物を選択することを含む方法を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドを阻害することができる化合物を同定する方法であって、
(a)少なくとも1つの候補化合物を、本明細書に定義のHDAC9ポリペプチドと、HDAC9の基質の存在下、候補化合物とHDAC9ポリペプチドとHDAC9基質とが相互作用できる条件下で接触させること、
(b)候補化合物が、基質との反応において、HDAC9ポリペプチドの活性を阻害するかどうかを決定すること、および
(c)基質に対するHDAC9ポリペプチドの活性を阻害する候補化合物を選択することを含む方法を提供する。
【0019】
一実施形態において、基質は、HDAC9の基質であるヒストンである。このアッセイにおいて、候補化合物の存在または不在下でのHDAC9の反応後に存在するアセチル化ヒストンおよび脱アセチル化ヒストンの量を決定することによって、HDAC9の活性を調節する候補化合物の効果を評価することができる。これは、例えばアセチル化基質または脱アセチル化基質に特異的に結合することができる抗体を使用するなど、当技術分野でよく知られている技術を用いて、容易に決定することができる。
【0020】
本発明のこの態様において、HDAC9ポリペプチドの活性は、基質からアセチル基を除去する活性であることが好ましい。好都合には、基質を検出可能な標識(例えば放射性標識)で標識し、例えばシンチレーション近接アッセイで、HDAC9ポリペプチドの作用により基質から放出された標識の量を測定することによって、この反応の進行を評価することができる。好ましくは、この方法は、癌の治療に有用でありうるHDAC9の調節物質のスクリーニングを目的とする。
【0021】
別の態様において、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドを阻害することができる化合物を同定する方法であって、
(a)少なくとも1つの候補化合物を、本明細書に定義のHDAC9ポリペプチドと、HDAC9の基質の存在下、候補化合物とHDAC9ポリペプチドとHDAC9基質とが相互作用できる条件下で接触させること、
(b)候補化合物が、基質との反応において、HDAC9ポリペプチドの活性を阻害するかどうかを決定すること、および
(c)基質に対するHDAC9ポリペプチドの活性を阻害する候補化合物を選択することを含む方法を提供する。
【0022】
一実施形態において、例えば適切な発現ベクターおよびレポーターベクターを用いて細胞をトランスフェクションすることによって、GAL4などの核酸結合ドメインに融合したHDAC9を生成する細胞を用いる細胞ベースのレポーターアッセイで、候補化合物をHDAC9の調節活性についてスクリーニングする。これらの細胞では、GAL4 DNA結合部位と相互作用することができるHDAC9-GAL4キメラタンパク質は、このような部位を含むプロモーターに結合することができ、このプロモーターはレポーター構築体に結合する。したがって、HDAC9活性は、DNAの周囲のGAL4結合部位に結合した核ヒストンを脱アセチル化して、プロモーター活性をダウンレギュレーションすることができる。HDAC9活性を阻害する化合物は、このダウンレギュレーションに対抗することになる。したがって、レポーター活性の変化を用いて、HDAC9活性を刺激または阻害する化合物をスクリーニングすることができる。
【0023】
別の態様において、本発明は、前記HDAC9ポリペプチド、またはその活性部分、ドメインもしくは断片に特異的に結合することができる抗体、および抗体を設計するためまたはHDAC9に結合することができる抗体を調製する方法に使用するためのHDAC9ポリペプチドまたはその配列に基づくペプチドの使用を提供する。これらの抗体は、HDAC9ポリペプチドの存在を検出および定量するためのアッセイおよびHDAC9ポリペプチドを精製する方法に使用でき、HDAC9ポリペプチドの阻害剤として使用することができる。
【0024】
別の態様において、本発明は、核酸試験試料を増幅する方法であって、前記定義のHDAC9ポリペプチドをコードする核酸をプライマーとして核酸ポリメラーゼ反応を行うことを含む方法を提供する。
【0025】
別の態様において、本発明は、癌の診断または予後診断のための方法であって、患者からの試料中のHDAC9ポリペプチドもしくはそのアイソフォームまたはHDAC9核酸の存在または量を決定することを含む方法を提供する。これについては、以下により詳述する。
【0026】
本発明のこれらの態様および他の態様を以下により詳細に説明する。次に、限定ではなく例示を目的として、添付図面を参照して本発明の実施形態を以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
ヒストン脱アセチル化酵素9核酸
「HDAC9核酸」は、図2に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド、または本発明の他のHDAC9ポリペプチドのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列を有する核酸分子を含む。HDAC9コード配列は、図2に示す全長核酸配列または相補核酸配列であってよく、あるいは示した配列の1つまたは複数のヌクレオチドの追加、挿入、欠失および置換の1つまたは複数により前記配列の1つと異なる配列変異体であってもよい。ヌクレオチド配列への変化は、遺伝子コードによって決定されるように、タンパク質レベルでのアミノ酸の変化を生じることもあり、生じないこともある。配列変異体であるポリペプチドをコードする核酸は、図2に示す核酸配列と、好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有し、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有し、より好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有し、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0028】
本発明は、本明細書に記載されているHDAC9核酸配列の断片も含み、この断片は、少なくとも60、120、180、240、480または960ヌクレオチド長を有するのが好ましい。好ましいHDAC9核酸断片は核酸配列の少なくとも一部を、図2に示すポリペプチドのアミノ酸1008から1069をコードするHDAC9核酸配列またはその相補配列と有する。
【0029】
一般に、本発明による核酸は、単離および/または精製された形態、あるいはそれが生来関連している物質を含まないまたは実質的に含まない単離体として提供される。核酸は、全面的または部分的に合成されたものでよく、ゲノムDNA、cDNAまたはRNAを含んでいてもよい。本発明による核酸がRNAを含む場合は、示した配列は、TをUに置き換えたRNA同等物にも言及するものと解釈すべきである。
【0030】
本発明は、本明細書に開示されているHDAC9配列の1つまたはその相補配列とハイブリダイズすることができる核酸分子も含む。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーは、当業者が容易に決定でき、一般に、プローブ長、洗浄温度および塩濃度に依存する経験的な計算値である。概して、プローブが長いほど適切なアニーリングを行うにはより高い温度を必要とし、短いプローブほどより低い温度を必要とする。一般には、相補鎖がその溶融温度より低い環境に存在するときには、ハイブリダイゼーションは変性したDNAの再アニール能に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列の間の所望の相同性が高くなるほど、使用できる相対温度は高くなる。その結果、相対温度が高くなれば、反応条件がよりストリンジェントになり、温度が低くなればストリンジェンシーは低くなる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーについてのさらなる詳細および説明は、Ausubel 他、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley Interscience Publishers、(1995)を参照されたい。
【0031】
好ましくは、核酸配列は、「ストリンジェントな条件」下で本発明のHDAC9配列またはその相補配列とハイブリダイズする。これらの条件は当業者によく知られており、(1)洗浄に低イオン強度および高温、例えば50℃で0.015M塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを使用する、(2)ハイブリダイゼーション中に、42℃で、ホルムアルデヒド、例えば、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%ポリビニルピロリドン/760mM塩化ナトリウムおよび75mMクエン酸ナトリウムを含むpH6.5の50mMリン酸ナトリウムバッファーと共に50%(v/v)ホルムアルデヒドなどの変性剤を使用する、または(3)42℃で、50%ホルムアルデヒド、5×SSC(0.75MNaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH68)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理サケ精液DNA(50μg/ml)、0.1%SDSおよび10%硫酸デキストランを用い、42℃で0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)で洗浄し、55℃で50%ホルムアミドで洗浄した後、55℃でEDTA含有0.1×SSCからなる高ストリンジェントな洗浄を行う条件が含まれる。
【0032】
当業者は、本明細書に含まれる情報および参考文献、ならびに当技術分野において知られている技術(例えば、Sambrook、Fritsch and Maniatis、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbour Laboratory Press、1989およびAusubel他、Short Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons、1992を参照のこと)を用いて、HDAC9遺伝子および/またはその制御エレメントのすべてまたは一部をコードする核酸配列を容易に調製することができる。これらの技術には、(i)例えばゲノム源由来のこのような核酸の試料を増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用、(ii)化学的合成、または(iii)大腸菌における増幅が含まれる。例えば部位特異的突然変異誘発を用いて、HDAC9配列を改変し、改変したHDAC9ポリペプチドを発現させ、または核酸の発現に使用する宿主のコドン選好性を考慮することができる。
【0033】
核酸を増幅するためのPCR技術は、米国特許第4,683,195号に記載されている。本発明で提供されるHDAC9核酸配列により、当業者はPCRプライマーを容易に設計することができる。PCR技術の一般的な使用法に関する参考文献には、Mullis他、Cold Spring Harbour Symp. Quant. Biol.、51:263 (1987), Enrlich (編)、PCR Technology、Stockton Press、NY、1989およびEnrich他、Science、252:1643-1650、(1991)、「PCR protocols; A Guide to Methods and Applications」、Innis他編、Academic Press、New York (1990)が挙げられる。
【0034】
HDAC9核酸配列の発現を得るために、HADC9核酸に機能できる形で結合して、その発現を制御する制御配列を有するベクターに配列を組み込むことができる。ベクターは、挿入された核酸の発現を促進するためのプロモーターまたはエンハンサー、HDAC9ポリペプチドが融合体として生成されるような核酸配列および/または宿主細胞で生成されたポリペプチドが細胞から分泌されるような分泌シグナルをコードする核酸などの他の配列を含むことができる。プロモーター配列、ターミネーター断片、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、および適宜他の配列を含めて、適切な制御配列を含む好適なベクターを選択または構築することができる。ベクターは、適宜、プラスミドまたはウィルス、例えばファージまたはファージミドであってもよい。より詳細については、例えばMolecular Cloning: a Laboratory Manual: 第2版、Sambrook他、1989、Cold Spring Harbour Laboratory Pressを参照されたい。例えば核酸構造体の調製、突然変異誘発、配列決定、細胞へのDNAの導入におよび遺伝子発現における核酸の操作、ならびにタンパク質の分析のための多くの既知の技術およびプロトコールはCurrent Protocols in Molecular Biology、Ausubel他編、John Wiley & Sons、1992に詳細に記載されている。
【0035】
ベクターが機能的となる宿主細胞にベクターを形質転換して、HDAC9ポリペプチドが生成されるように宿主細胞を培養し、宿主細胞または周囲の培地からHDAC9ポリペプチドを回収することによってHDAC9ポリペプチドを得ることができる。大腸菌の株、昆虫細胞(例えばバキュロウィルスにより転換されたもの)、酵母、およびCOSまたはCHO細胞などの真核細胞を含む原核および真核細胞が当技術分野でこの目的に使用される。宿主細胞の選択を用いて、それらの細胞で発現するHDAC9ポリペプチドの特性を制御して、例えば宿主細胞でポリペプチドが蓄積される場所を制御すること、またはそのグリコシル化およびリン酸化などの特性に影響を与えることができる。ポリペプチドは適切なシグナルリーダーペプチドに結合して発現すると、細胞から培地に分泌されることがある。発現によって生成した後、場合に応じて、ポリペプチドを宿主細胞および/または培地から単離および/または精製し、次いで、所望に応じて、例えば担体などの1つまたは複数の別の成分を含んでいてよい組成物の配合に使用することができる。網状赤血球ライセートなどのin vitroの系でポリペプチドを発現させることもできる。
【0036】
本発明で提供される核酸配列は、検査試料中のHDAC9核酸を同定するのに有用である。本発明は、目的とする核酸を得る方法であって、本発明で提供される配列またはその相補配列のすべてまたは一部を有するプローブを、目標とする核酸とハイブリダイズさせることを含む方法を提供する。一般に、ハイブリダイゼーション後には、ハイブリダーゼーションの成功の確認、およびプローブにハイブリダイズされた核酸の単離が行われ、これは1つまたは複数のPCRのステップを含むことができる。これらの方法は、HDAC9核酸が、試料中、例えば試料中に存在する特定の種類の細胞に存在するかどうかを決定する上で有用でありうる。
【0037】
本発明による核酸は、コドンの使用頻度または統計的解析に基づいて、本明細書に示す核酸配列の1つまたは複数の断片、特に比較的希な配列の断片とハイブリダイズするように設計した1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを使用して得ることができる。後述する図面に示す核酸配列の断片とハイブリダイズするように設計したプライマーを、目標とする核酸がクローニングされたクローニングベクター内の配列とハイブリダイズするように設計された1つまたは複数のオリゴヌクレオチドと併用すること、またはライブラリーのcDNAをオリゴヌクレオチドリンカーに連結し、本明細書に示す配列とハイブリダイズするプライマーとオリゴヌクレオチドリンカーとハイブリダイズするプライマーとを使用してPCRを実施するいわゆる「RACE」(cDNA末端の迅速増幅法)に使用することができる。
【0038】
アミノ酸配列情報に基づき、遺伝子コードの縮退および、適切な場合には、候補核酸の由来となる生物のコドン使用頻度を考慮して、オリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを設計することができる。核酸増幅に使用されるオリゴヌクレオチドは、約10個以下 (例えば6、7または8個)のコドンを有することができ、すなわち、約30個以下 (例えば18、21または24個)のヌクレオチドに相当する長さを有することができる。一般に、具体的なプライマーは、14個以上で18から20個以下のヌクレオチドに相当する長さを有する。当業者は、PCRなどのプロセスに使用するプライマーの設計に精通している。
【0039】
したがって、本発明の別の態様は、特に核酸を得るかつ/またはスクリーニングする方法に使用する、本明細書に開示したヌクレオチド配列の1つまたは相補配列のオリゴヌクレオチドまたはヌクレオチド断片を提供する。1つまたは複数のヌクレオチドの添加、置換、挿入または欠失によって前記の配列を改変することができるが、本明細書に示す配列を有する核酸と選択的にハイブリダイズする能力を消滅させないこと、すなわちオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの所与の配列の1つに対する配列同一性が十分に高いことが好ましい。
【0040】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明で提供される核酸配列またはその相補配列のいずれかの断片である本発明によるオリゴヌクレオチドは、少なくとも約10ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約15ヌクレオチド長、より好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド長である。断片そのものが、個々に本発明の態様を表す。前記のように、断片および他のオリゴヌクレオチドはプライマーまたはプローブとして使用することができるが、検査試料中のHDAC9核酸の存在の決定に関わる方法で(例えばPCRにより)生成することもできる。
【0041】
HDAC9ポリペプチド
本明細書に開示されているHDAC9ポリペプチド、またはその断片もしくは活性部分を、医薬品の開発において薬剤として使用し、in vivoでの特性および役割をさらに研究し、HDAC9阻害剤をスクリーニングすることができる。したがって、本発明の別の態様は、HDAC9以外のポリペプチドなど、それが生来関連している物質を含まないまたは実質的に含まない単離および/または精製された形態とすることができる、図2に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する。
【0042】
本発明は、本発明のHDAC9ポリペプチドの活性部分、ドメインおよび(ドメインを含む)断片も含む。
【0043】
HDAC9ポリペプチドの「活性部分」とは、前記全長HDAC9ポリペプチドより小さいが、例えば脱アセチル化酵素としての本質的な生物活性の少なくとも一部を保持するペプチドを意味する。活性部分は、100アミノ酸長より大きく、より好ましくは200アミノ酸長より大きく、より好ましくは300アミノ酸長より大きく、最も好ましくは400アミノ酸長より大きくてよい。好ましい活性部分は、図2に示す61個のC末端アミノ酸のすべてまたは一部を含む。
【0044】
HDAC9ポリペプチドの「断片」とは、図2に示す配列からの少なくとも5個の連続したアミノ酸、またはより好ましくは少なくとも7個の連続したアミノ酸、またはより好ましくは少なくとも10個の連続したアミノ酸、またはより好ましくは少なくとも20個の連続したアミノ酸、またはより好ましくは少なくとも40個の連続したアミノ酸の一連のアミノ酸残基を意味する。HDAC9ポリペプチド配列の断片は、やはり本発明の一部を形成するHDAC9アミノ酸配列の一部に対して抗体を生じさせるための抗原決定基またはエピトープとして有用でありうる。例えば、HDAC9の断片は、例えば、全長HDAC9配列に存在するタンパク質相互作用ドメインを有する場合、他のタンパク質と相互作用することにより、隔離剤(sequestrator)または競合的拮抗剤として作用することができる。
【0045】
本発明は、アミノ酸配列変異体であるポリペプチドも提供する。HDAC9ポリペプチドの「配列変異体」、またはその活性部分もしくは断片は、例えばタンパク質をコードする核酸を操作することにより、またはタンパク質そのものを変化させることにより、タンパク質のアミノ酸配列を変えることによって改変されたポリペプチドを意味する。天然アミノ酸配列のこのような配列変異体は、1、2、3、5、10、20個またはそれ以上のアミノ酸の挿入、添加、欠失または置換を含むことができる。
【0046】
好ましいポリペプチドは、HDAC9生物活性を有し、すなわちヒストン(例えばヒストンH3またはH4)などの基質からアセチル基を除去することができる。HDAC9およびそのタンパク質のアイソフォームは他の活性を有することができ、1つの潜在的な役割はΔエキソン7アイソフォームに関係している。HDACは、ヒストンを脱アセチル化すると共に、細胞内の分子リザーバーとして機能することができ、また転写因子として機能できることが示唆されている。本発明者らは、HDAC9が、その機能が血液悪性疾患の病因に関連づけられてきたTEL、PLZFおよびBCL-6などのいくつかの転写リプレッサーならびにコリプレッサーであるmSIN3A/BおよびNCoRと、in vitroでは相互作用し、in vivoでは共在することを認めた。HDAC9またはHDAC9Δエキソン7はCOS細胞にコトランスフェクションすると、BCL-6およびPLZFを非局在化する能力を有する。NCoRも非局在化される。これらの相互作用の興味深い側面は、HDAC9は核に位置するのに対して、HDAC9Δエキソン7は細胞質であるということである。また、HDAC9ΔCD/hMITRアイソフォームは、HDAC9と異なる核内の微小斑点分布を示す。
【0047】
好ましくは、図2に示すアミノ酸配列のアミノ酸配列変異体であるポリペプチドは、図2の配列に対して、少なくとも80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性、より好ましくは少なくとも97%の配列同一性、より好ましくは少なくとも98%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
【0048】
当業者は、当技術分野においてよく知られている技術、例えばGenetics Computer Group、Oxford Molecular Group(米国ウィスコンシン州Madison)から入手できるGCGプログラムバージョン9.1を用いて、容易に配列比較を行い、同一性を決定することができる。特定のアミノ酸配列変異体は、1、2、3、4、5から10、10から20、20から30、30から50、50から100、100から150個またはそれ以上のアミノ酸の挿入、添加、置換または欠失により、配列番号2または4に示されるものと異なっていてもよい。
【0049】
本明細書で特定したHDAC9ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性比率 (%)」とは、配列を整列させ、必要に応じて最大の配列同一性比率を達成するためにギャップを導入した後、HDAC9配列中のアミノ酸残基と同一になる候補配列中のアミノ酸残基の割合と定義するが、同類置換は配列同一性の一部として考慮しない。同一性比率の値は、Altschul他、Methods in Enzymology、266:460-480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.htmlから得られたWU-BLAST-2によって得ることができる。WU-BLAST-2は、いくつかの検索パラメータを使用し、そのほとんどがデフォルト値に設定されている。調整可能なパラメータは、次の値、すなわち重複スパン=1、重複分率(fraction)=0.125、ワード閾値(T)=11で設定する。HSPSおよびHSPS2パラメータは動的な値で、特定の配列の組成、および目的の配列を検索している特定のデータベースの組成に依存して、プログラム自体によって確立される。ただし、感度を上げるために値を調整することができる。アミノ酸配列同一性比率の値は、合致する同一残基の数を整列させた領域の「より長い」配列の残基の全数で除することによって求められる。「より長い」配列は、整列させた領域に最も多くの実残基を有する配列である(整列スコアを最大にするためにWU-Blast-2によって導入されたギャップは無視する)。
【0050】
同様に、本明細書で特定したHDAC9ポリペプチドのコード配列に対する「核酸配列同一性比率(%)」は、図2に示すHDAC9コード配列中のヌクレオチド残基と同一である候補配列中のヌクレオチド残基の比率と定義する。本明細書に用いられる同一性の値は、重複スパンおよび重複分率をそれぞれ1および0.125に設定した、デフォルトパラメータに設定したWU BLAST-2のBLASTNモジュールによって得た。
【0051】
例えばコード核酸からの発現によって生成した後に、本発明によるポリペプチドを(例えば抗体を使用して)単離および/または精製することができる。本発明によるポリペプチドを全面的または部分的に化学合成によって生成することもできる。単離および/または精製したポリペプチドを、少なくとも1つの別の成分を含むことができる組成物の配合に使用することができる。
【0052】
HDAC9ポリペプチドを、結合パートナー、例えばエフェクター、標識、薬剤、毒素および/または担体もしくは輸送分子に結合させることもできる。本発明のペプチドをペプチジルおよび非ペプチジル結合パートナーのいずれにも結合させる技術は、当技術分野でよく知られている。
【0053】
HDAC9ポリペプチドに結合できる抗体
HDAC9ポリペプチドの別の重要な使用は、HDAC9ポリペプチドまたはその断片に特異的に結合する特性を有する抗体を生じさせることにある。当技術分野では、HDAC9タンパク質に対するモノクローナル抗体を生成するための技術は十分に確立されている。好ましい抗体は、図2に示すアミノ酸のアミノ酸1009と1069の間に位置するまたは部分的に位置するHDAC9のエピトープに特異的に結合することできる。本発明の抗HDAC9抗体は、結合できるポリペプチドと、全くまたは実質的に結合親和性をもたない(例えば結合親和性が約1000分の1である)他のヒトポリペプチドとを区別することができるという点において、特異的でありうる。特異抗体は、他の分子上には存在しないか、またはアクセスできない分子上のエピトープに結合する。他の好ましい抗体としては、HDAC9の生物活性、特にヒストン脱アセチル化酵素としての生物活性を実質的に中和することができる抗体が挙げられる。
【0054】
当技術分野で標準的な技術を用いて抗体を得ることができる。抗体を生成する方法は、タンパク質またはその断片で哺乳動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジまたはサル)を免疫することを含む。当技術分野において知られている様々な技術のいずれかを用いて、免疫した動物から抗体を得、好ましくは、目的の抗原への抗体の結合を用いてスクリーニングすることができる。例えば、ウェスタンブロット技術または免疫沈降を用いることができる(Armitage他、Nature、357:80-82、1992)。動物からの抗原および/または抗体産生細胞の単離は、動物を屠殺するステップによって実施することができる。ペプチドで哺乳動物を免疫することの代替または補足として、タンパク質に対して特異的な抗体は、例えば、表面に機能的免疫グロブリン結合ドメインを提示するラムダバクテリオファージまたは線状バクテリオファージを使用して、発現された免疫グロブリン可変領域の組換えにより生成したライブラリーから得ることができる。例えばWO92/01047を参照されたい。ライブラリーは、タンパク質(または断片)のいずれかによって免疫されていない生物から得た配列から構築した未処置のライブラリーであってよく、あるいは目的の抗原に曝露した生物から得られた配列を使用して構築したライブラリーであってもよい。
【0055】
本発明による抗体は、当技術分野においてよく知られているいくつかの方法で改変することができる。実際、「抗体」という用語は、必要とされる特異性をもつ結合ドメインを有する任意の結合物質を含むものと解釈すべきである。したがって、本発明は、合成分子、およびその形状が、抗原またはエピトープへの結合を可能にする抗体の形状に似ている分子を含めて、抗体断片、抗体の誘導体、機能的同等物およびホモローグを含む。典型的にはフレームワークアミノ酸残基の一部を変えることにより、ヒト以外の起源のCDRをヒトフレームワーク領域にグラフトして、親の非ヒト抗体より免疫原性の低い抗体を提供するヒト化抗体も本発明の範囲内に含まれる。
【0056】
本発明によるモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマは、遺伝子突然変異または他の変化を受けることできる。さらに、モノクローナル抗体に組換えDNA技術の技術を適用して、元の抗体の特異性を保持する他の抗体またはキメラ分子を生成できることは、当業者なら理解するであろう。このような技術には、抗体の免疫グロブリン可変領域または相補性決定領域(CDR)をコードするDNAを異なる免疫グロブリンの定常領域または定常領域+フレームワーク領域に導入することが含まれる。例えば、EP0184187A、GB2188638AまたはEP0239400Aを参照されたい。キメラ抗体のクローニングおよび発現については、EP0120694AおよびEP0125023Aに記載されている。別の態様において、本発明は、抗体を作製する方法であって、免疫原としてHDAC9ポリペプチドまたはその断片を使用することを含む方法を提供する。本発明は、HDAC9ポリペプチドに特異的に結合できる抗体をスクリーニングする方法であって、HDAC9ポリペプチドを1つまたは複数の候補抗体と接触させること、および結合が生じるかどうかを検出することを含む方法も提供する。
【0057】
本発明による好ましい抗体は、他のポリペプチドに結合できる抗体などの汚染物質を含まず、かつ/または血清成分を含まないという点において単離されている。いくつかの目的に対してはモノクローナル抗体が好ましいが、ポリクローナル抗体も本発明の範囲内に含まれる。
【0058】
(抗体断片を含む)抗体をコードする核酸を含み、それを発現することができる真核生物または原核生物の宿主細胞と同様、所望の結合特性を備えた抗体を生成することができるハイブリドーマも本発明の範囲内に含まれる。本発明は、抗体が産生され、好ましくは分泌される条件下で、抗体を産生できる細胞を増殖することを含む、抗体を生成する方法も提供する。
【0059】
試料に対する抗体の反応性は任意の適切な手段によって決定することができる。個々のレポーター分子でタグ付けすることも1つの可能性である。レポーター分子は直接的または間接的に、検出可能で、好ましくは測定可能なシグナルを生じることができる。レポーター分子の結合は、直接的または間接的であっても、例えばペプチド結合による共有結合であっても、非共有結合であってもよい。ペプチド結合を介した結合は、抗体およびレポーター分子をコードする遺伝子融合体の組換え発現の結果としてもよい。1つの好ましい様式は、スペクトルの分離した吸収または放射特性を有する各蛍光色素、蛍光体、またはレーザ励起染料と各抗体の共有結合によるものである。好適な蛍光色素としては、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリンおよびテキサスレッドが挙げられる。好適な色素産生染料としてはジアミノベンジジンが挙げられる。
【0060】
他のレポーターには、巨大分子コロイド粒子、または着色、磁性または常磁性のラテックスビーズなどの微粒子物質、および可視的に観察、電子的に検出または記録される検出可能信号を直接的または間接的に生じさせることができる生物学的または化学的活性剤を含む。これらの分子は、例えば発色または変色させ、あるいは電気特性を変化させる反応を触媒する酵素であってもよい。これらの分子は、エネルギー状態間の電子移動により特徴的なスペクトル吸収または放射をもたらすように、分子的に励起可能であってもよい。バイオセンサーと併用される化学物質も含まれる。ビオチン/アビジンまたはビオチン/ストレプタビジンおよびアルカリホスファターゼ検出システムを使用することができる。
【0061】
本発明による抗体は、例えば、前記の細胞または細胞ライセートを含む検査試料中のポリペプチドの存在をスクリーニングするのに使用することができ、また例えばコード核酸からの発現によるポリペプチドの生成に続く、本発明によるポリペプチドの精製および/または単離に使用することができる。抗体は、抗体が結合するポリペプチドの活性を調節できるため、そのポリペプチドが個体に有害な影響を有する場合、(予防を含むことができる)治療の状況で有用でありうる。
【0062】
疑似物質のスクリーニング
本発明は、さらに、(a)ヒストン脱アセチル化酵素9生物活性を有する、または(b)ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドに結合する、または(c)ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドの生物活性を阻害する候補化合物をスクリーニングするための、ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドまたは核酸分子の使用に関する。
【0063】
新薬の同定に向けられる医薬品研究は、リード化合物が見いだされる前、さらに後にも、非常に多くの候補物質のスクリーニングを含むことがあることはよく知られている。これが、医薬品研究を非常に高コストで時間のかかるものにしている1つの要因である。スクリーニング過程を支援する手段は、かなりの商業的重要性と有用性をもつ可能性がある。
【0064】
例として、スクリーニングを実施して、医薬品研究におけるリード化合物として開発するHDAC9ポリペプチドのペプチジルもしくは非ペプチジル疑似体または阻害剤を見いだすことができる。
【0065】
本発明のこの態様において、HDAC9ポリペプチドの活性は、基質からアセチル基を除去する活性であるのが好ましい。好都合には、この反応の進行状況は、検出可能な標識(例えば放射活性標識)で基質を標識し、例えばシンチレーション近接アッセイで、HDAC9ポリペプチドの作用により基質から放出される標識の量を測定することによって評価することができる。この方法は、治療における使用、特に癌の治療についてさらに試験することができるHDAC9のモジュレーターのスクリーニングを対象とすることが好ましい。
【0066】
ポリペプチドの活性を調節する物質をスクリーニングする方法は、好適な反応媒体中で1つまたは複数の試験物質をHDAC9と接触させること、処理後のポリペプチドの活性を試験すること、その活性を、試験物質で処理していない同様な反応媒体中のポリペプチドの活性と比較することを含むことができる。処理ポリペプチドと未処理ポリペプチドとの活性の差は、該当する物質の調節作用を示す。
【0067】
コンビナトリアルライブラリー技術は、潜在的に非常に多数の異なる物質を、ポリペプチドの活性を調節する能力について試験する効率的な方法を提供する。このようなライブラリーおよびその使用は、当技術分野で知られている。ペプチドライブラリーを使用することが好ましい。
【0068】
活性の調節についてスクリーニングを行う前またはそれと同時に、(コード核酸からポリペプチドと試験物質の両方が酵母で発現できることを必要とする)酵母ツーハイブリッド系で、ポリペプチドと相互作用する能力について試験物質をスクリーニングすることができる。これは、ポリペプチドの活性を調節する実際の能力について物質を試験する前の粗いスクリーンとして使用することができる。あるいは、そのスクリーンを利用して、HDAC9の特定の結合パートナーへの結合について試験物質をスクリーニングして、例えば治療薬としての試験するHDAC9ポリペプチドの疑似体を見いだすことができる。
【0069】
一実施形態において、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドの活性を調節することができる化合物を同定する方法であって、
(a)少なくとも1つの候補化合物を、本明細書に定義したヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドと、候補化合物とHDAC9ポリペプチドとが相互作用できる条件下で接触させること、
(b)HDAC9活性のアッセイで、候補化合物が活性を調節するかどうかを決定すること、および
(c)HDAC9ポリペプチドの活性を調節する候補化合物を選択することを含む方法を提供する。
【0070】
好ましい実施形態において、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドを阻害することができる化合物を同定する方法であって、
(a)少なくとも1つの候補化合物を、本明細書に定義したHDAC9ポリペプチドと、HDAC9の基質の存在下、候補化合物とHDAC9ポリペプチドとHDAC9基質とが相互作用できる条件下で接触させること、
(b)候補化合物が、基質との反応において、HDAC9ポリペプチドの活性を阻害するかどうかを決定すること、および
(c)基質に対するHDAC9ポリペプチドの活性を阻害する候補化合物を選択することを含む方法を提供する。
【0071】
HDAC9活性を調節または阻害する候補化合物を同定した後、その物質をさらに調べることができる。また、その物質を製造し、かつ/または薬剤、薬剤組成物または医薬品などの組成物の調製、すなわち製造または配合に使用することができる。
【0072】
診断方法
最近の研究によって、いくつかのヒトの癌にヒストン脱アセチル化酵素機能の異常が関与することが示されている。したがって、本発明は、例えば、マーカーのレベルを対照中に存在するHDAC9ポリペプチド、そのアイソフォームまたはHDAC9核酸の量と相関させることによる、癌に対する診断マーカーとしてのHDAC9の使用も提供する。
【0073】
正常な状況下では、触媒ドメインを含むHDAC9アイソフォームの発現は緊密に制御されていると考えられ、このタンパク質は成人および胎児脳にのみ大量に認められ、骨格筋、睾丸、骨髄、胸腺、脾臓、CD14+ve細胞およびCD19+ve細胞ではそれより少量認められる。しかし、RT PCRデータの調査により、HDAC9は、TEL-AML1陽性および陰性の前B細胞型急性リンパ芽球性白血病およびB細胞リンパ腫の細胞系および患者試料で特異的に発現することが明らかになっている。HDAC9は、急性単球性白血病を除いた様々な急性骨髄性白血病細胞系で発現することはなく、おそらくB細胞および単球系統に共通の前駆細胞を反映している。HDAC9は、赤白血病細胞系HELでもより少量認められる。HDAC9を過剰発現する細胞系は、Δエキソン7およびΔエキソン12アイソフォームも高いレベルで発現し、SAC/IL2で刺激したCLL患者試料の1つでは、全長およびΔエキソン12アイソフォームの相対的発現が明らかに変化している。HDAC9阻害剤を添加すると、おそらくはタンパク質間相互作用に干渉することに加えて触媒部位をブロックすること、ヒストン脱アセチル化と同様に他のタンパク質の動員および改変を行うHDAC9のこの潜在力により、HDACの細胞分布を変化させうることが示されている。このことを考慮すると、Δエキソン7は、いくつかの白血病の病因に非常に重要であることが立証される。
【0074】
これに関して、当技術分野では、個体からの試料を分析して、HDAC9核酸またはポリペプチドの存在を決定するいくつかの方法が知られている。分析により、患者からの試料中のHDAC9核酸またはポリペプチドの存在または量、核酸またはポリペプチドが全長であるか、HDAC9の生物活性を有しているかを決定することができる。生物試料の例としては、血液、血漿、血清、組織試料、腫瘍試料、唾液および尿が挙げられる。この分析の目的を診断または予後診断に用いて、状態の重症度または起こりうる過程を決定する医師を支援し、かつ/またはその治療を最適化することができる。
【0075】
HDAC9核酸またはポリペプチドを検出するための例示的なアプローチは、
(a)結合アッセイでHDAC9ポリペプチドの活性またはその存在を測定することにより、患者からの試料中のHDAC9ポリペプチドの存在または量を決定すること、または
(b)HDAC9核酸とハイブリダイズすることができるプローブを使用して、HDAC9核酸の存在を決定すること、または
(c)HDAC9核酸配列に基づく1つまたは複数のプライマーを含むPCRを使用して、患者からの試料中にHDAC9転写産物が存在するかどうかを決定することを含む。
【0076】
一実施形態において、この方法は、
(a)患者から得られた試料を、HDAC9ポリペプチドまたはHDAC9核酸に対して特異的な結合部位を有する結合剤を固定した固体支持体と接触させるステップ、
(b)固体支持体を、非占領結合部位、結合HDAC9ポリペプチドもしくは核酸、または占領結合部位に結合することができる標識した展開剤と接触させるステップ、および
(c)ステップ(b)において特異的に結合した展開剤の標識を検出して、試料中のHDAC9ポリペプチドまたは核酸の存在または量を表す値を得るステップを含む。
【0077】
好ましくは、結合剤は特異的結合剤であり、他の分子より優先的にHDAC9または核酸に特異的に結合できる1つまたは複数の結合部位を有している。結合剤を固体支持体上の例えば所定の位置に固定して、分析時の操作を容易にすると好都合である。
【0078】
特異的結合対の例としては、抗原と抗体、分子とレポーターや相補ヌクレオチド配列がある。当業者なら他の多くの例を想定することが可能であり、それらをここに列記する必要はない。さらに、「特異的結合対」という用語は、特異的結合要素と結合パートナーのいずれかまたは両方がより大きい分子の一部を含む場合にも適用可能である。特異的結合対が核酸配列である実施形態において、それらは、アッセイ条件下で互いにハイブリダイズする長さであり、好ましくは10ヌクレオチド長より大きく、より好ましくは15または20ヌクレオチド長より大きい。
【0079】
図2に示す配列などの特定の核酸配列が検査試料中に存在するかどうかを決定するための様々な方法が存在する。
【0080】
例示的な試験としては、ヌクレオチド配列決定、チップに固定された核酸を使用するハイブリダイゼーション、分子表現型試験、短縮タンパク質アッセイ(PTT)、一本鎖高次構造多型(SSCP)試験、ミスマッチ切断検出法、および変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)が挙げられる。これらの技術、ならびにそれらの長所および短所は、Nature Biotechnology, 15:422-426, 1997に記載されている。
【0081】
薬剤組成物
本発明は、薬剤組成物、特に癌、特にTEL-AML1陽性および陰性前B細胞型急性リンパ芽球性白血病ならびにB細胞リンパ腫などの白血病の治療のための組成物の配合へのHDAC9またはその阻害剤の使用を開示する。これらの組成物は、前記物質の1つに加えて、薬剤として許容される賦形剤、担体、バッファー、安定剤、または当業者によく知られている他の物質を含むことができる。このような物質は無毒性で、活性成分の効果を干渉しないものとする。担体または他の物質の正確な性質は、投与経路、例えば経口、静脈内、皮膚または皮下、経鼻、筋肉内および腹腔内経路に依存しうる。
【0082】
経口投与用薬剤組成物は、錠剤、カプセル、粉末または液体の形態とすることができる。錠剤は、ゼラチンなどの固体担体またはアジュバンドを含むことができる。液体の薬剤組成物は、一般に、水、石油、動物油または植物油、鉱油または合成油などの液体担体を含むことができる。生理食塩水、ブドウ糖もしくは他の糖溶液、またはエチレングリコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールを含むこともできる。
【0083】
静脈内、皮膚または皮下注射、あるいは罹患部位への注射については、活性成分は、発熱物質を含まず、好適なpH、等張性および安定性を有する非経口的に許容しうる水溶液の形態をとる。当業者は、例えば、塩化ナトリウム液、リンガー液、乳酸化リンガー液などの等張性媒体を使用して好適な溶液を調製することができる。必要に応じて、防腐剤、安定剤、バッファー、抗酸化剤、および/または他の添加剤を含むことができる。
【0084】
個体に投与する本発明によるポリペプチド、抗体、ペプチド、核酸分子、小分子、または他の薬剤として有用な化合物のいずれについても、投与は、個人に対する有益性を示すのに十分な量である「予防有効量」または「治療有効量」(場合によって、予防を治療と見なすこともあるが)で行われるのが好ましい。実際に投与する量、ならびに投与の速度および投与の時間経過は、治療対象の性質および重症度に依存する。治療の処方、例えば投与量などに対する決定は、開業医および他の医師の責任の範囲内で行われ、典型的には、治療対象となる疾病、各患者の状態、送達部位、投与方法、および医師に知られている他の要因を考慮する。前記の技術およびプロトコールの例は、Remington's Pharmaceutical Science、第20版、2000、pub. Lippincott, Williams & Wilkinsに見いだすことができる。治療対象となる状態に応じて、組成物を単独または他の治療薬と組み合わせて、同時にまたは逐次に投与することができる。
【0085】
実験
HDAC9のクローニング
新規のヒストン脱アセチル化酵素遺伝子を同定するために、国立バイオテクノロジー情報センター(National Institute for Biotechnology Information、NCBI)ハイスループットゲノム配列データベース(htgs)を、HDAC5の脱アセチル化酵素領域に対応するアミノ酸配列について検索した。70個の順番に並んでいないコンティグを含み、18番染色体にマッピングされたヒトBACクローンRP11-8I15(受託番号AC016186)で、HDAC5に対して著しい相同性を有するペプチドをコードするいくつかのDNA配列が認められた。Genbankヌクレオチドデータベースを、HDAC5に対して相同性を示す新規の配列の複合体について検索すると、染色体7p15-p21にマッピングされたBACクローンCTB-13P7(受託番号AC002088)と整列させ(表1)、偽遺伝子の存在またはhtgsへの不正確な入力が示唆された。文献を検索したところ、7p15-p21は既に、潜在的なHDACオープンリーディングフレームを含むものとして同定されており、HDAC4および5のN末端と50%の同一性を有するHDRP/MITRと呼ばれるタンパク質をコードする遺伝子は、クローニングされ、ゲノム領域にマッピングされていることが明らかになった。発現配列タグデータベース(dbEST)を検索したところ、部分的なHDACドメインに対応するcDNAが杯中心B細胞(受託番号AA287983)から単離されていることが明らかになったため、HDACドメインおよびHDRP/MITRに対応するオリゴヌクレオチドによる逆転写(RT)-PCRでいくつかの造血細胞系統を分析した。HDACドメイン自体からのバンドばかりでなく、HDRP/MITRのcDNAからHDACドメインまでのバンドを増幅することができ、これにより約2700bpの配列が生成されたことが見いだされた。3'RACEでは残りの配列を得ることができなかったため、cDNA に沿って「移動(walk)」するために、重複するESTを見つけ、ゲノムクローンに対するミスマッチ配列を確認する試みがなされた。この研究の間に、HDAC9の最後の5個のエキソンに対応する配列(受託番号RP5-1194E15およびGS1-465N13)が、遺伝子の残りの部分に対してアンチセンス方向にあることが明らかになった(表1を参照)。これらのクローンは、(全遺伝子に対する総計500kbのうちの)ほぼ160kbのDNAに相当していたため、検索アルゴリズムでは、それまで、ESTとゲノム配列の間の相同性が同定されなかった。HDAC9遺伝子を包含するクローンを表2に列記する。データベース検索を、正しい方向の最後の2つのゲノムクローンに対して繰り返したところ、HDAC4および5に対する配列と高い相同性を示すアラインメントが得られた。この情報により、センスプライマー9F1 5'-ATGCACAGTATGATCAGCTCA-3'およびアンチセンスプライマー9R1 5'-GTCACACACAGGAAATATCAG-3'を使用して、Marathon-Readyヒト脳cDNA(Clonthech)からのHDAC9の全オープンリーディングフレームのクローニング(図2)が可能となった。センスプライマー9F1およびアンチセンスプライマー9ΔCDR1 5'-TCAGATAATGACTTTAATTACAAAT-3'を使用して、Marathon-Readyヒト脳cDNA(Clonthech)からHDAC9ΔCD/HDRP/MITRをクローニングした(cDNA配列および翻訳については図2を参照されたい)。センスプライマー9F1およびアンチセンスプライマー9R3 5'-TCTCTAATCCATCCATGCCAA-3'を使用して、急性単球性白血病細胞系MONO-MAC-6からHDAC9Δエキソン7およびHDAC9Δエキソン12をクローニングした。センスプライマー9F2 5'-AGGCTGCTTTTATGCAACAG-3'およびアンチセンスプライマー9R2 5'-CTGAATGCTTCAAGGTACTCA-3'を使用して、急性前B ALL細胞系REHからHDAC9Δエキソン15をクローニングした。前記プライマーの位置を詳細に示す概略図については図3を参照されたい。PCR産物をpCRII(Invitrogen)にクローニングし、BigDye(Perkin Elmer)を使用して配列決定した。
【0086】
HDAC9配列の分析
HDAC9遺伝子の全長産物は、図2に示すように1069個のアミノ酸を含み(概略については図3を参照されたい)、エキソン2から26(エキソン1は翻訳されない)によってコードされる。HDAC9 cDNAを形成する26個のエキソンは、染色体7p15-p21の500kbのゲノム配列にまたがっている。HDRP/MITRとも称するHDAC9ΔCDは、593アミノ酸長であり、HDAC9 ORFを生成するのに使用されるスプライスドナー部位に対して3'であるエキソン12の領域によってコードされる非反復配列の16残基を含む。HDAC9のオープンリーディングフレーム(表2)を保存して、いくつかのエキソン欠失が起こる場合があり、2つが識別、クローニングされている。HDAC9Δエキソン7は1025アミノ酸長であり、エキソン7の欠失の結果として位置222にAlaからGluの置換を含んでいる。このアイソフォームは2つのセリン(S223およびS253)を欠いており、リン酸化されたときに、核から細胞質へのHDAC4および5の14-3-3タンパク質依存性シャットリングおよび三連(tripartite)核局在化シグナルに関係づけられている。HDAC9Δエキソン12は981アミノ酸長であり、HDAC9と他のタンパク質との相互作用を仲介できるロイシンジッパモチーフをコードするエキソン12配列を欠いている。
【0087】
エキソン7もエキソン12も有していないアイソフォームもクローニングした。HDAC9Δエキソン15は1027アミノ酸長であり、活性部分位に隣接する触媒ドメイン内の領域を欠いている。このアイソフォームは、本来、HDAC9のORFを保存しておらず、以下に示すRNA編集を受けたように思われる。
Figure 2005503824
【0088】
さらに、インフレーム停止コドンを導入し、95アミノ酸の切断タンパク質をもたらすエキソン4を欠失することもできる。また、表2に示すように、エキソン4をいずれかの末端で結合させることができる。
【0089】
HDAC9はヒストン脱アセチル化酵素活性を有し、基礎転写を阻害する
HDAC9がヒストン脱アセチル化酵素活性を有するかどうかを決定するために、抗FLAG免疫沈降HDAC9を使用してin vitroアッセイを実施した。図5Aに示すように、HDAC9は、HDAC1の25%の活性と、HDAC4および5の50%の活性を有する。ヒストンH4から誘導されるペプチド基質よりヒストンH3から誘導されるペプチド基質に対して、より高いHDAC9の活性が検出された(図7Aおよび7B)。
【0090】
HDACは、Ga14融合タンパク質としてDNAに結合したときに、転写を抑制することが既に確率されている。この作用は、HDAC9、HDAC9ΔCDおよびHDAC9CD単独についても観察される(図5B)。GAL4uasx5-TK-ルシフェラーゼレポーター遺伝子を、示したGAL4融合タンパク質用の発現ベクターと共に293T細胞に一時的にトランスフェクトした。様々なGAL4DBD-HDAC9融合の抑制作用は、HDAC9ΔCDの阻害剤を含めたHDAC阻害剤トリコスタチンAを添加することにより、部分的に緩和された。HDAC9ΔCDはHDACドメインを欠いているが、他のHDACに直接およびコリプレッサーを介して結合することが示されており、これは、TSA感受性に抑制能に反映されうる。これらの結果は、HDAC9はヒストンH4を基質として使用することができ、少なくとも部分的に、細胞の抑制機構の一部として機能することを示している。
【0091】
正常なヒト組織および癌細胞におけるHDAC9の発現パターン
正常な状況下では、触媒ドメインを含むHDAC9アイソフォームの発現は緊密に制御されていると考えられ、このタンパク質は成人および胎児脳にのみ大量に認められ、骨格筋、睾丸、骨髄、胸腺、脾臓、CD14+ve細胞およびCD19+ve細胞ではそれより少量認められる(図8)。しかし、RT-PCRデータの調査により、HDAC9は、TEL-AML1陽性および陰性前B細胞型急性リンパ芽球性白血病の試料、ならびにB細胞リンパ腫の細胞系および患者試料で特異的に発現することが明らかになっている(図8Aおよび8B)。HDAC9は、急性単球性白血病を除いた様々な急性骨髄性白血病細胞系で発現することはなく、おそらくB細胞および単球系統に共通の前駆細胞を反映している。HDAC9は、赤白血病細胞系HELでもより少量認められる。HDAC9を過剰発現する白血病細胞系は、正常なレベルに比べてエキソン7およびエキソン12を欠いたアイソフォームも過剰発現する(図8Bおよび8Cを参照)。SAC/IL2で刺激した1つのCLL患者試料では、全長およびΔエキソン12アイソフォームの相対的な発現が明らかに変化している(図8C)。HDAC阻害剤を添加すると、おそらくはタンパク質間相互作用を干渉することに加えてHDAC9に関して触媒部位をブロックすることによりHDACの細胞分布を変えることができ、この知見は、様々なアイソフォームおよびそれらの機能に関連して考慮するべきである。エキソン7または12によってコードされる機能領域を欠いたHDAC9アイソフォームは、いくつかの血液悪性疾患の病因の重要な因子であることが立証される。
【0092】
HDAC9のin vitroおよびin vivoでの相互作用
B細胞系統に由来する正常細胞および悪性細胞でのHDAC9の発現パターンから、その産物が、その機能がB細胞悪性腫瘍に関与することが示されているタンパク質のいずれかと相互作用することができるかどうかを調べた(図9)。期待したように、HDAC9は、それぞれ、びまん性大細胞リンパ腫および前B細胞型急性リンパ芽球性白血病に関連する転写リプレッサーBCL-6およびTELと相互作用することが明らかとなった。HDAC9は、PLZF、HDAC4とも相互作用し、より低レベルでクラスI HDAC1および3と相互作用した。さらに、HDAC9は、その活性がいくつかのヒトの癌の病因の基礎となる機構に関与することが示されている核受容体コリプレッサーmSin3AおよびBならびにN-CoRと相互作用することが見出された。
【0093】
図10は、抗FLAG抗体、およびHDAC9アイソフォームのすべてに存在するN末端エピトープに対する抗体で可視化したときの様々なHDAC9アイソフォームの細胞内局在を示す図である。HDAC9Δエキソン7は、核から完全に排除されていることに留意されたい。in vivoでのHDAC9アイソフォームの相互作用をさらに分析するために、同時免疫蛍光アッセイを実施した(図11〜13)。HDAC9をBCL-6、PLZFおよびN-CoRと同時発現させると、in vivoでそれらと共在し、所与のHDAC9に対して認められるパターンに対するそれらの野生型の局在化に影響することが示された。これらのデータは、HDAC9といくつかの他のタンパク質とのin vitroでの相互作用(前記および図9を参照のこと)がin vivoでも観察できることを示していた。例えば、HDAC9Δエキソン7を所与の相互作用パートナーと同時発現させると、細胞内局在が著しく変化し、HDAC9Δエキソン7はパートナーを細胞質に動員した (図10を参照のこと)。
【0094】
本明細書に引用されている参考文献は、すべて特別に参照により組み込まれている。
【0095】
【表1】
Figure 2005503824
【0096】
【表2】
Figure 2005503824

【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】3'末端HDAC9のクローニングの背後の原理の概略図である。左側にはEST受託番号を示し、右側には位置番号を示している。HDAC9の配列は太字で示し、グレーでハイライトしている。配列同一性は、縦線で示す。EST配列を、HDAC5に対する相同性を通じて見いだされるHDAC9 cDNAに対応させて、NCBIのESTデータベースをスクリーニングした。いくつかの重複クローンが得られ、これは特異的プライマーを設計することによりHDAC9のクローニングを可能にした。
【図2】HDAC9 cDNA配列を推定HDAC9アミノ酸配列と共に示す図である。HDAC9全長cDNAは、1069アミノ酸のタンパク質を生じる3207bpのオープンリーディングフレームを有している。HDAC9Δエキソン7アイソフォームは、位置222において、AからEの置換を生じる。HDAC9ΔCDエキソン12に特異的な配列をイタリックで示している。
【図3】HDAC9アイソフォームの概略図である。様々なHDAC9アイソフォームの長さを、クローニングおよびRT-PCR分析に使用するプライマーと共に示す。
【図4】HDAC9配列の解析
【図4A】HDAC9、HDAC4、HDAC5、HDAC7および細菌の脱アセチル化酵素HDLPのアミノ酸配列アラインメントを示す図である。示した配列は、Clustal Wを用いて整列させた。同一の残基はボックスで示し、ダークグレーでハイライトしている。類似の残基は、ライトグレーの網掛けで示している。
【図4B】HDAC9を他のヒストン脱アセチル化酵素と比較したアミノ酸同一性および類似性の評価を示す図である。値は、Blosum62マトリックスを使用するバイオエディットシーケンスアラインメントエディタ(BioEdit Sequence Alignment Editor)で、HDAC9の全タンパク質または脱アセチル化酵素ドメインと示したタンパク質配列とを比較することによって得た。
【図4C】HDAC1からHDAC9までの系統樹を示す図である。分子および生体分子インフォマティクスセンター(ナイメーヘン大学)のClustal Wサーバを使用して配列を整列させた。PHYLIP(括弧)符合出力を用いて無根系統樹を構築した。
【図5】HDAC9は、HDAC活性を有し、基礎転写を阻害することを示す図である。
【図5A】HDAC9は、ヒストンH4ペプチドを脱アセチル化することを示す図である。293T細胞にFLAGタグ付けしたHDACをトランスフェクトした。全細胞ライセートを調製し、抗FLAGアガロースでHDACを沈殿させた。ヒストンH4のN末端に対応する[3H]アセチル標識ペプチドを脱アセチル化する能力について、ビーズを分析した。遊離アセテートを抽出し、シンチレーション計数によって測定した。
【図5B】GAL4-HDAC9は、TSAに感応して、in vivoでプロモーター活性を阻害することを示す図である。GAL4-Tk-Lucを100ng GAL4DBD融合体と共に293T細胞に一時的にトランスフェクトした。すべての結果は、2回、誤差で実施したものである。
【図6】ヒト組織におけるHDAC9ポリペプチドの示差的発現を示すノーザンブロットを示す図である。HDAC9 mRNAの発現のレベルを評価するために、全長HDAC9 cDNAにのみ見いだされる配列に対応する32P標識プローブを用いて、複数のヒト組織のノーザンブロットを分析した。このブロットを正規化対照標準としてのβ-アクチンcDNAで再プロービングした。調べた組織を、各レーンの最上部に示す。RNAサイズマーカの位置は、ブロットの左側にキロベースで示す。
【図7A】HDAC9は、ヒストンH3ペプチドに対してより高い活性を示すことを示す図である。293T細胞をFLAG標識HDACでトランスフェクトした。全細胞ライセートを作製し、抗FLAGアガロースでHDACを沈殿させた。ヒストンH3のN末端に対応する[3H]アセチル標識ペプチドを脱アセチル化する能力について、ビーズを分析した。遊離アセテートを抽出し、シンチレーション計数によって測定した。
【図7B】HDAC9は、ヒストンH3ペプチドに対してより高い活性を示すことを示す図である。293T細胞をFLAG標識HDACでトランスフェクトした。全細胞ライセートを作製し、抗FLAGアガロースでHDACを沈殿させた。ヒストンH3のN末端に対応する[3H]アセチル標識ペプチドを脱アセチル化する能力について、ビーズを分析した。遊離アセテートを抽出し、シンチレーション計数によって測定した。
【図8A】正常細胞および癌細胞における様々なHDAC9アイソフォームの発現を示す図である。示した細胞系および組織から全RNAを単離し、遺伝子特異的なプライマーまたはランダムプライマーを使用して、M-MLV逆転写酵素によりcDNAを生成した。標準的なPCRを32サイクル実施した。
【図8B】正常細胞および癌細胞における様々なHDAC9アイソフォームの発現を示す図である。示した細胞系および組織から全RNAを単離し、遺伝子特異的なプライマーまたはランダムプライマーを使用して、M-MLV逆転写酵素によりcDNAを生成した。標準的なPCRを32サイクル実施した。
【図8C】正常細胞および癌細胞における様々なHDAC9アイソフォームの発現を示す図である。示した細胞系および組織から全RNAを単離し、遺伝子特異的なプライマーまたはランダムプライマーを使用して、M-MLV逆転写酵素によりcDNAを生成した。標準的なPCRを32サイクル実施した。
【図9】HDAC9と、様々な腫瘍タンパク質ならびにコリプレッサーGST-HDAC9、GST-HDAC9CDおよびGST-MITRとのin vitroでの相互作用を大腸菌DH5αから得た図である。ウサギ網状赤血球ライセート結合転写-翻訳系を使用して、in vitroで[35S]メチオニン標識タンパク質を合成した。NETNバッファー中でアッセイを実施し、Hバッファーで洗浄し、SDS-PAGEで分離し、オートラジオグラフィーで可視化した。
【図10】HDAC9の様々なアイソフォームの細胞内局在を示す図である。示したように、COS-1細胞にN末端フラッグでタグ付けしたHDAC9、HDAC9ΔCD/MITR、HDAC9Δエキソン7、HDAC9Δエキソン12またはHDAC9Δエキソン15を一時的にトランスフェクトした。メタノール固定後、細胞をdapi(青)およびHDAC9またはフラッグ(緑)に対する抗体で染色した。G-15は、すべてのアイソフォーム(HDAC9ΔCD/MITRを含む)を検出するHDAC9のN末端に対する抗体である。
【図11】BCL-6の細胞内局在に対するHDAC9の様々なアイソフォームの作用を示す図である。示したように、COS-1細胞にN末端フラッグでタグ付けしたHDAC9、HDAC9ΔCDまたはHDAC9Δエキソン7を一時的にトランスフェクトした。メタノール固定後、細胞をdapi(青)およびHDAC9 G-15(緑)またはBCL-6(赤)に対する抗体で染色した。
【図12】NCoRの細胞内局在に対するHDAC9の様々なアイソフォームの影響を示す図である。示したように、COS-1細胞にN末端フラッグでタグ付けしたHDAC9、HDAC9ΔCDまたはHDAC9Δエキソン7を一時的にトランスフェクトした。メタノール固定後、細胞をdapi(青)およびフラッグ(緑)G-15またはNCoR(赤)に対する抗体で染色した。
【図13】PLZFの細胞内局在に対するHDAC9の様々なアイソフォームの影響を示す図である。示したように、COS-1細胞にN末端フラッグでタグ付けしたHDAC9またはHDAC9Δエキソン7を一時的にトランスフェクトした。メタノール固定後、細胞をdapi(青)およびHDAC9 G-15(緑)またはPLZF(赤)に対する抗体で染色した。

Claims (46)

  1. 図2のポリペプチドのアミノ酸配列を有する、ヒストン脱アセチル化酵素活性を有する単離ポリペプチド。
  2. 図2のポリペプチドと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する、ヒストン脱アセチル化酵素活性を有する単離ポリペプチド。
  3. 図2のポリペプチドと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有し、図2のポリペプチドのアミノ酸1009と1069の間に示すアミノ酸配列の部分のすべてを含む請求項2に記載の単離ポリペプチド。
  4. ヒストン脱アセチル化酵素活性を有する単離ポリペプチドであって、ポリペプチドが、ストリンジェントな条件下で図2のヌクレオチド配列またはその相補配列とハイブリダイズすることができる核酸配列によってコードされ、核酸配列が、ストリンジェントな条件下で図2のポリペプチドのアミノ酸1009から1069をコードする核酸配列またはその相補配列とハイブリダイズすることができる部分を含む単離ポリペプチド。
  5. 前記請求項のいずれか一項に記載のポリペプチドの変異体、断片または活性部分である単離ポリペプチドであって、前記変異体、断片または活性部分がヒストン脱アセチル化酵素活性を有する単離ポリペプチド。
  6. 図2のポリペプチド配列のアミノ酸1009と1069の間に示すアミノ酸配列の部分のすべてを含む請求項5に記載の単離ポリペプチド。
  7. 図2に示すエキソンのうちの1つまたは複数が欠失した変異体である請求項5に記載の単離ポリペプチド。
  8. エキソン7、エキソン12および/またはエキソン15が欠失した請求項7に記載の単離ポリペプチドの変異体。
  9. 結合パートナーに結合した前記請求項のいずれか一項に記載の単離ポリペプチド。
  10. 結合パートナーが、エフェクター分子、標識、薬剤、毒素、または担体もしくは輸送分子である請求項9に記載の単離ポリペプチド。
  11. 前記請求項のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離核酸分子。
  12. 図2に示す配列を有し、ヒストン脱アセチル化酵素活性を有するポリペプチドをコードする単離核酸分子。
  13. 機能できる形で制御配列に結合して、その発現を導く請求項11または12に記載の核酸を含む発現ベクター。
  14. 請求項13に記載の発現ベクターで形質転換した宿主細胞。
  15. 請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素ポリペプチドを生成する方法であって、請求項14に記載の宿主細胞を培養すること、および生成されたポリペプチドを単離することを含む方法。
  16. 請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドを含む組成物。
  17. 請求項11または12に記載の核酸分子を含む組成物。
  18. (a)ヒストン脱アセチル化酵素9生物活性を有する、または
    (b)ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドに結合する、または
    (c)ヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチドの生物活性を阻害する候補化合物をスクリーニングするための、請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドまたは前記ポリペプチドをコードする核酸分子の使用。
  19. HDAC9ポリペプチドの生物活性がヒストン脱アセチル化酵素としての活性である請求項18に記載の使用。
  20. 請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素9ポリペプチド(HDAC9)の活性を調節することができる化合物を同定する方法であって、
    (a)少なくとも1つの候補化合物を、HDAC9ポリペプチドと、候補化合物とHDAC9ポリペプチドとが相互作用できる条件下で接触させること、
    (b)HDAC9活性のアッセイにおいて、候補化合物が活性を調節するかどうかを決定すること、および
    (c)HDAC9ポリペプチドの活性を調節する候補化合物を選択することを含む方法。
  21. 調節することが、候補化合物がHDAC9ポリペプチドに結合することである請求項20に記載の方法。
  22. 調節することが、候補化合物がHDAC9ポリペプチドの活性を阻害することである請求項20に記載の方法。
  23. 活性がヒストン脱アセチル化酵素活性である請求項22に記載の方法。
  24. 候補化合物の存在下または不在下で、HDAC9ポリペプチドをヒストン基質と接触させること、およびHDAC9ポリペプチドとの反応後に存在するアセチル化ヒストン基質および脱アセチル化ヒストン基質の量を決定することを含む請求項23に記載の方法。
  25. ヒストン基質が、ヒストン3またはヒストン4である請求項24に記載の方法。
  26. アセチル化ヒストン基質および脱アセチル化ヒストン基質の量を、アセチル化ヒストン基質または脱アセチル化ヒストン基質に特異的に結合することができる抗体を使用して決定する請求項24または25に記載の方法。
  27. ヒストン基質がHDAC9によって基質から放出されうる標識を有しており、HDAC9ポリペプチドの作用により基質から放出される標識の量を測定することによって、アセチル化ヒストン基質および脱アセチル化ヒストン基質の量を決定する請求項24または25に記載の方法。
  28. 標識が、放射性標識または蛍光標識である請求項27に記載の方法。
  29. 請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドを阻害することができる化合物を同定する方法であって、
    (a)少なくとも1つの候補化合物を、HDAC9ポリペプチドと、HDAC9の基質の存在下、候補化合物とHDAC9ポリペプチドとHDAC9基質とが相互作用できる条件下で接触させること、
    (b)候補化合物が、基質との反応において、HDAC9ポリペプチドの活性を阻害するかどうかを決定すること、および
    (c)基質に対するHDAC9ポリペプチドの活性を阻害する候補化合物を選択することを含む方法。
  30. (a)核酸結合ドメインに融合したHDAC9ポリペプチドを生成することができる細胞、および
    (b)(i)核酸結合ドメインにより結合してプロモーターを活性化することができる核酸配列を有するプロモーターと
    (ii)プロモーターの転写制御下にあるレポーターとを含むレポーター構築体を含む細胞ベースのレポーターアッセイを使用する請求項29に記載の方法。
  31. 活性なHDAC9ポリペプチドが存在すると、レポーターの核酸結合ドメインに結合した核ヒストンの脱アセチル化およびプロモーター活性のダウンレギュレーションが引き起こされる請求項30に記載の方法。
  32. HDAC9活性を阻害し、プロモーターのダウンレギュレーションに対抗する候補化合物を同定するために使用される請求項30または31に記載の方法。
  33. 核酸結合ドメインがGAL4ドメインであり、HDAC9-GAL4タンパク質は、プロモーターのGAL4結合部位と相互作用して、HDAC9ポリペプチド活性によって、DNAの周囲のGAL4核酸結合部位と結合した核ヒストンの脱アセチル化が生じることにより、プロモーター活性のダウンレギュレーションを引き起こすことができる請求項30から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 請求項20から33のいずれか一項に記載の方法によって候補化合物を同定した後、化合物を製造および/または組成物に配合するステップを含む方法。
  35. 請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドに特異的に結合することができる抗体。
  36. HDAC9ポリペプチドまたはそのアイソフォームの存在を検出および定量するためのアッセイにおける請求項35に記載の抗体の使用。
  37. HDAC9ポリペプチドを精製するための請求項35に記載の抗体の使用。
  38. HDAC9ポリペプチド阻害剤としての請求項35に記載の抗体の使用。
  39. 癌の診断または予後診断の方法であって、患者からの試料中の、請求項1から10のいずれか一項に記載のヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)ポリペプチドもしくはそのアイソフォーム、またはHDAC9ポリペプチドをコードする核酸の存在または量を決定することを含む方法。
  40. 癌が白血病である請求項39に記載の方法。
  41. 白血病が、TEL-AML1陽性および陰性の前B細胞型急性リンパ芽球性白血病またはB細胞リンパ腫である請求項40に記載の方法。
  42. (a)結合アッセイでHDAC9ポリペプチドの活性または存在を測定することによって、患者からの試料中のHDAC9ポリペプチドの存在または量を決定すること、または
    (b)HDAC9核酸とハイブリダイズすることができるプローブを使用して、HDAC9核酸の存在を決定すること、
    (c)HDAC9核酸配列に基づく1つまたは複数のプライマーを含むPCRを使用して、患者からの試料中にHDAC9転写産物が存在するかどうかを決定することを含む請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。
  43. (a)患者から得られた試料を、HDAC9ポリペプチドまたはHDAC9核酸に特異的な結合部位を有する結合剤を固定した固体支持体と接触させるステップ、
    (b)固体支持体を、非占領結合部位、結合HDAC9ポリペプチドもしくは核酸または占領結合部位に結合することができる標識した展開剤と接触させるステップ、および
    (c)ステップ(b)において特異的に結合する展開剤の標識を検出して、試料中のHDAC9ポリペプチドまたは核酸の存在または量を表す値を得るステップを含む請求項39から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 癌の治療のための薬剤を調製するためのヒストン脱アセチル化酵素9(HDAC9)の阻害剤の使用。
  45. 癌が白血病である請求項44に記載の使用。
  46. 白血病が、TEL-AML1陽性および陰性の前B細胞型急性リンパ芽球性白血病またはB細胞リンパ腫である請求項45に記載の使用。
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