JP2005503823A - 改善された疾患治療効果を有する組換えアデノウィルス及びそれを含む薬剤学的組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
〔技術分野〕
本発明は、治療効能が向上した組換えアデノウィルス(recombinant adenovirus)に関するものである。より詳しくは、本発明は、アデノウィルスに水疱性口内炎(vesicular stomatitis)ウィルスの感染リガンドを導入させることを特徴として、各種の疾病に対する治療効能を向上させた組換えアデノウィルス及びこれを含む薬剤学的組成物に関するものである。
【0002】
〔背景技術〕
現在、分子生物学の目覚しい発達によって遺伝子水準で癌及び難治性疾患の治療剤の開発に大きい進歩があり、1990年に遺伝子治療の臨床的な試みが始められて以来、治療用遺伝物質の伝達方法に関する研究が持続的に行われてきた。疾病治療を目的とする遺伝子治療の臨床試験中の約60%以上が癌を対象疾患としている。また、治療用遺伝子を対象細胞に伝達する媒介体としては、アデノウィルスの有する多くの長所のため、レトロウィルスに代えて使用されている。
【0003】
遺伝子治療が常用化されて実質的な治療法となるためには、何よりも、治療用遺伝子を所望の部位に安全かつ効果的に伝達する遺伝子伝達体の開発が先行されるべきである。組換えアデノウィルスを遺伝子伝達体として用いた遺伝子伝達の可能性は、1984年にGrahamによって最初に報告された(Graham, F. L., EMBO J., 1:2917-2922, 1984)。1990年にADA(adenosine deaminase)欠乏症を対象とした初遺伝子治療の臨床試験以後、1990年代中半まで複製不可能なアデノウィルスベクター内に特定の遺伝子を挿入させて標的細胞内で発現を誘導する遺伝子治療法に対する研究が活発に行われたが、これは、細胞の分裂状態の如何に関係なく様々な種類の細胞に対する遺伝子伝達能力に優れるうえ、高い力価のウィルスを容易に生産することができ、凍結乾燥ができるほど構造的に安定しており、薬剤化が相対的に容易であるといったアデノウィルスのいろいろの長所が浮き彫りになったためである(Yeh, P. et al., FASEB J., 11:615-622, 1997)。
【0004】
その後、アデノウィルスの有する問題点、例えば短期的な遺伝子発現と人体内導入時の強い免疫反応の誘導などを克服するために、アデノウィルスの構造を変更させる努力が続けられてきた。1996年にKochanek等はアデノウィルス遺伝子を全て除去したガットレス(gutless)ウィルスを開発した。このウィルスを用いたベクターは、遺伝子挿入能が最大30kbと改善され、ウィルスの残余蛋白質が全く生産できないため(Kochanek, S., Proc. Natl. Acad. Sci. 93:5731-5736, 1996)、人体内免疫反応が誘導されないという長所がある。また、韓国特許公開第1999−22941号は、パッケージングセルラインによるオーバーラップを有しないアデノウィルスベクターを開示しているが、これはアデノウィルスの自己複製能を除去してアデノウィルスがカプシドに包まれないようにすることにより、より効果的に免疫的な干渉を抑制することが可能な方法を提供する。
【0005】
組換えアデノウィルスが、優れた遺伝子伝達効率を示し、高い力価で生産可能であるうえ、容易に濃縮することができて生体内伝達が容易であるという点が報告され、最近5年の間に、癌を対象とする遺伝子治療に組換えアデノウィルスを用いる頻度数が急激に増加した。癌を遺伝子療法で治療する場合、長期的且つ持続的な治療遺伝子の発現を必要とせず、ウィルスによって誘導される宿主の免疫反応が大きく問題にならないか、却って長所になる可能性もあるため、アデノウィルスが癌治療用遺伝子伝達体として脚光を浴び始めた(Pallard, F. Hum. Gene Ther., 9:283-286, 1998)。
【0006】
癌治療用組換えアデノウィルスは殆ど第一世代ウィルスである。最近の研究動向をみると、特定の遺伝子を単独で用いた治療法よりは性質の異なる治療用遺伝子を同時に発現させるか、或いは既存の癌治療方法である抗癌剤投与又は放射線治療との併合治療による治療効果を極大化しようとする試みがある(Roth, J.A. et al., J. Nat. Cancer Ins., 89:21-39, 1997)。例えば、韓国特許第217463号には、抗癌効果を示すものと知られたp53遺伝子を含むアデノウィルスを用いて抗癌治療を行う方法を提供しているが、この際、使用されるアデノウィルスとしては上述した組換えアデノウィルスを用いて増殖性変異ウィルスを生産しないため、効果的に抗癌治療を行うことができることを特徴とする。
【0007】
ところが、前記研究結果は、殆どが増殖不可能なアデノウィルスを遺伝子伝達体として用いる場合であって、一次感染細胞又は極めて一部の周辺細胞にのみ抗癌効果を誘発することができる。よって、臨床に用いられる場合、多量のウィルスを一度に投与し或いは数回反復して投与すべきなので、これにより免疫反応が招かれるといった制約が伴ってしまう。これを克服する手段として、癌細胞で選択的に増殖して癌細胞を殺傷する腫瘍細胞、特異増殖及び細胞殺傷組換えアデノウィルスに対する研究がMcCormickグループによって最初報告された。以後、腫瘍細胞特異殺傷ウィルスの可能性が多角度から研究されている。McCormickによって開発されたONYX−015(dl1520)は、アデノウィルスのE1B55kD遺伝子が消失されており、大部分の癌細胞、特にp53遺伝子が不活性化された癌細胞でのみ選択的に活発にウィルスが増殖して細胞の死滅を誘導した(Heise, C. et al., Nature Med., 3:639-645, 1997)。実際、ONYX−015組換えアデノウィルスは、頭頸部癌患者を対象とした臨床試験においても優れた治療効果を示している一方、癌特異的遺伝子調節部位にE1遺伝子などを挿入してウィルスの増殖が癌組織でのみ特異的に可能であるよう組換えされたアデノウィルスも開発されている。また、ここに薬剤感受性遺伝子のHSV−TK又はCDを挿入させて抗癌効果を増幅させると共にウィルスの増殖を人為的に抑えることにより、安全性が改善できるということが確認され(Freytag et al., Nat. Biotech., 15:866-870, 1997)、アデノウィルスの臨床応用可能性が段々増大しつつある。特に、癌細胞特異殺傷効果を有するアデノウィルスは、脳癌におけるようにp53突然変異が全体頻度の40%を占めて既存の化学療法又は放射線治療に抵抗性を有する場合に、より効果的に利用できる(Shinoura, N. et al., Cancer Res. 59:3411-3416, 1999)。ところが、脳に多量のアデノウィルスを投与する場合には、ウィルスの毒性のため使用が制限的であるしかないという関係で、遺伝子伝達率を増加させて投与量を減少させる方法が先行されるべきである。
【0008】
アデノウィルスが細胞内に入るメカニズムは、目的細胞の受容体としてのCAR(Coxsackievirus and Adenovirus Receptor)を介して主に感染される(Tomko, R.P. et al., Proc. Natl. Sci. USA 94:3352-3356, 1997)。一般に、大部分の細胞では、CARの発現が十分行われているが、成熟した骨組織の筋細胞、リンプ細胞、繊維細胞、肺マクロファージ、その他一部腫瘍細胞などはCARの発現が行われないか或いは極めて微弱であると知られているので、これらの組織細胞に対するアデノウィルス遺伝子の伝達効率は低い。最近のアデノウィルスを用いた臨床試験において、いろいろの腫瘍細胞への低い遺伝子伝達効率の重要な原因がCAR発現の欠損であると明かされている。また、CAR受容体によるアデノウィルスの感染は、CAR発現の相対的に多い正常細胞にアデノウィルスを集中させ、CAR発現の低い対象細胞(腫瘍細胞)への感染率を低下させる結果をもたらすこともある。このような対象細胞への低い形質導入率を克服するために、臨床試験において高力価のアデノウィルスを用いなければならないが、これは、アデノウィルス伝達体自体に対する毒性と宿主の免疫反応を増加させ、安全且つ効果的な臨床治療を脅かす要因として作用する。
【0009】
このようなCAR受容体に依存したアデノウィルスの遺伝子伝達の制限点を克服するため、CAR受容体を介せずに細胞を感染させることが可能な方案が研究されている。実際、アデノウィルスタイプ2のファイバー(fiber)をアデノウィルスタイプ17のファイバーで置き換えて表皮細胞に対する遺伝子伝達効率を増加させ、アデノウィルスタイプ5のノブドメイン(knob domain)をアデノウィルスサブグループ(subgroup)Bのノブドメインで置き換えたキメラ(chimeric)アデノウィルスがアデノウィルスタイプ5によってよく感染されない造血細胞を効果的に感染させることができた。Wickhamは、アデノウィルスファイバーのカルボキシル基の末端部位にポリリシン(polylysine)基又はRGDモチーフを付けて、それぞれのアデノウィルスがヘパリン(heparin)を含む細胞膜受容体とインテグリン(integrin)を特異的に認識し接合して細胞内に成功的に挿入されることができることを報告した(Wickham, T. J. J. Virol., 71:8221-8229, 1997)。また、Kransnykh等は、目的細胞の特異的受容体を認知し結合することが可能な標的化基をアデノウィルスファイバーのカルボキシル基の末端部位の代りにファイバーのHIループ(loop)に導入してウィルスを効果的に再標的化することができることを報告した(Kransnykh, V. et al., J. Virol., 72:1884-1852, 1998; Yoshida, Y. et al., Hum. Gene. Ther. 9:2503-2515, 1998;及びShinoura, N. et al., Cancer Res. 59:3411-3416, 1999)。ところが、このような方法も、低い伝達効率を向上させるにはあまり効果を提供していないので、伝達効率を向上させることが可能な方法を開発しようとする努力が続けられている実情である。
【0010】
本明細書全体にわたって多数の特許文献及び論文が参照され、その引用が表示されている。引用された特許文献及び論文の開示内容がそっくりそのまま本明細書に参照として挿入され、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容をより明確にする。
【0011】
〔発明の開示〕
本発明の目的は、腫瘍殺傷能効果を含んで各種疾病の治療効能が向上した組換えアデノウィルスを提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、前記組換えアデノウィルスを含む薬剤学的組成物を提供することにある。
【0013】
本発明者は、アデノウィルスにVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質を導入して製造された組換えアデノウィルスが、細胞内への形質導入率を大きく増加させて各種疾病の治療効能を向上させ、特に腫瘍細胞をより高い効率で殺傷するうえ、CAR受容体に依存せず腫瘍細胞を殺傷することができることを確認することにより、上記目的を達成した。
【0014】
本発明の一観点は、アデノウィルスに水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されていることを特徴とし、改善された疾病治療効果を有する組換えアデノウィルスを提供する。
【0015】
本発明の他の観点は、(a)アデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されている組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む薬剤学的組成物を提供する。
【0016】
〔発明を実施するための最良の形態〕
本発明は、アデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結された組換えアデノウィルスに関するものである。
【0017】
本発明の組換えアデノウィルスに用いられるアデノウィルスは、様々なタイプ、例えばタイプ1、タイプ2、タイプ3、タイプ4及びタイプ5などがあるが、最も好ましくはタイプ5である。本発明で用いられるアデノウィルスのいずれのタイプも、複製可能なものと複製不可能なものを両方とも含む。アデノウィルスはE1A遺伝子が複製に必須的な要素であると知られている。これにより、本発明で作製される複製可能な組換えアデノウィルスはE1A遺伝子を含むが、本発明で作製される複製不可能な組換えアデノウィルスは、E1A遺伝子が欠失されるか、或いは複製できないようにE1A遺伝子が変異されたものである。本発明によってVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結された複製可能な組換えアデノウィルスは、CAR受容体に依存せず、高度の形質導入率で腫瘍細胞内に流入された後複製することにより、腫瘍細胞を高効率で殺傷する。一方、本発明によってVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結された複製不可能な組換えアデノウィルスは、一般に治療遺伝子を含むことにより、CAR受容体に依存せず、高度の形質導入率で標的細胞内に流入された後その治療遺伝子を発現することにより、腫瘍を含んだ各種疾患を改善された効能で治療する。
【0018】
非小細胞肺癌、大腸癌、乳房癌、頭頸部癌及び卵巣癌を含んだヒト癌の約50%ではp53腫瘍抑制遺伝子が突然変異する(Brennan J.A. et al., N. Engl. J. Med., 332, 429-435, 1995; Bergh et al., Nature Med., 1, 1029-1034, 1995;及びPerkins, AS. and Steern, D.F., Lippincott-Raven, 5th edition, Philadelphia, p79-102, 1997)。しかも、野生型p53をコーディングする多くの他のヒト癌において、p53はmdm2の過多発現(Leach F.S. et al., Cancer Res., 53, 2231-2234, 1993;及びMarchetti A. et al., Dign. mol. Pathol., 4, 93-97, 1995)、ヒト乳頭腫ウィルス(human papilloma virus)感染(Scheffner M. et al., Cell., 63, 1129-1136, 1990; Joseph, R.N. and Vogt, P.K., Lippincott-Raven, 3rd edition, New York, p301-343, 1996)又は他の知られていないメカニズム(Chang, F., et al., J. Clin. Oncol., 13, 1009-1022, 1995)によって不活性化されている。p53の機能喪失は大部分のヒト癌の後期状態、例えば通常の癌療法に対する良くない予後及び耐性と相関関係がある(Harris, C.C. and Holstein, M., N. Engl. J. Med., 329, 1318-1327, 1993;及びKirsch, D.G. and Kastan, M.B., J. Clin. Oncol., 16, 3158-3168, 1998)。アデノウィルス初期遺伝子の一つであるE1遺伝子は、ウィルスの複製に必須的な要素であり、多数のオープンリーディングフレームをコーディングし、E1A、E1B19kDa及びE1B55kDaを含む(Graham F. L. et al., J. Gen. Virol., 36, 59-72, 1987;及びShenk, T. Lippincott-Raven, 3rd edition, p2111-2148, New York, 1996)。E1A遺伝子産物は転写因子であって、pRB、p300及びその他の蛋白質と結合し、感染細胞をS段階に転換させてウィルスゲノムを合成するようにする役割を主に担当している(前記Shenk, 1996; 及び Shenk, T. and Flint, S. J., Adv. Cancer Res., 57, 47-85, 1991)。E1A発現及び予期されてない外来DNAの合成は、腫瘍抑制遺伝子としてよく知られているp53の発現/活性化を誘導する(Lowe, S.W. and Ruley, H.E., Genes Develop., 7, 535-545, 1993;及びNakajima T. et al., JBC., 273, 20036-20045, 1998)。逆に、E1B55kDaは、p53と物理的に結合してp53を不活性化させる(Yew, P.R. and Berk, A.J., Nature, 357, 82-85, 1992;及びJoseph and Vogt, 1996)。このようなメカニズムを利用することにより、野生型アデノウィルスは宿主細胞を調節して効果的なウィルスの複製及び増殖に最適な条件を提供することができる。したがって、アデノウィルスE1B遺伝子のE1B55kDa蛋白質がp53と結合してその機能を抑制し、アデノウィルスの増殖による感染細胞の殺傷を誘導するので、本発明で用いられるアデノウィルスにはE1B55kDaが弱毒化或いは欠失されたものが含まれる。E1B55kDa−弱毒化された組換えアデノウィルスはBischoff等によって製造され、殆どのヒト癌細胞を含んでp53の機能が喪失された細胞で優先的に複製されてそれらの細胞を殺傷するものと報告されている(Bischoff J., et al., Science, 274, 373-376, 1996)。このようなE1B55kDa−弱毒化された組換えアデノウィルスは、試験管内及び生体内で効果的な抗腫瘍剤であると立証されたことがある(Heise C., et al., Nature Med., 3, 639-645, 1997)。しかも、再発性頭頸部癌患者の腫瘍に直接注入して得た鼓舞的な臨床データもある(Kirn D. et al., Nature Med., 4, 1341-1342, 1998)。本発明者 は、また、E1B55kDa遺伝子の突然変異されたアデノウィルスYKL−1を開発し、これらがp53遺伝子の変形が起こった癌細胞で増殖してそれらの癌細胞を選択的に殺傷すると報告した(Lee H. et al., Int J Cancer 2000;88:454-463;及びKim J. S. et al., J. Korean Cancer Assoc 2000;32(1):200-209)。
【0019】
アデノウィルスの初期発現遺伝子であるE1B遺伝子は、上述したように、E1B19kDaとE1B55kDaからなっている。その中でも、E1B19kDa蛋白質は、強力なアポトーシス(apoptosis)抑制剤であって、Bcl−2と塩基序列及びその機能が類似している(Chiou S. K. et al., J. Virol 1994;68(10):6553-6566)。E1B19kDa蛋白質は、アデノウィルスの初期発現遺伝子であるE1Aによって誘導されるアポトーシスを抑制する物質としてよく知られており、数人の腫瘍細胞でp53によって誘導されるアポトーシスも抑制させるという結果が報告された(Debbas M. et al., Genes Dev 1993;7:546-554;及びHan J. et al., Genes Dev 1996;10:461-477)。また、成長因子の除去又は放射線治療又は抗癌剤によって誘導されるアポトーシスを抑制するに際してE1B19kDaとBcl−2が機能的に同じ役割を果たせるということが報告された(Huang D. C., Oncogene 1997;14:405-414)。したがって、E1B19kDa蛋白質の機能が選択的に消失された複製可能なアデノウィルスも好ましい。また、本発明者は、このようにE1B19遺伝子が欠失された組換えアデノウィルスを製作し、この組換えアデノウィルスがウィルスの増殖によるアポトーシスだけでなく、感染した細胞内でアポトーシスを共に誘発して効率よく癌細胞を殺傷させ、周囲腫瘍細胞に拡散する効果も卓越していることを確認した(Kim J. S., et al., Cancer Gene Therapy 2002;9:725-736;及びKim J. S., et al., Cancer Research and Treatment 2001;33(6):500-511)。
【0020】
また、本発明で好ましく使用できるアデノウィルスには、E1B55kDa蛋白質とE1B19kDa蛋白質の機能が全て消失されたアデノウィルスが含まれる。
【0021】
他の本発明の様態は、アデノウィルスとして、E1/E3−欠失された複製不可能なアデノウィルスの使用を含む。このようなE1/E3−欠失された複製不可能なアデノウィルスは、他のベクターとは対照的に遺伝子伝達効率が相当高くて広いスペクトルの細胞類型でトランス遺伝子を発現するため、遺伝子療法に広く用いられてきた(Jolly, 1994;及びVerma and Somia, 1997)。治療遺伝子は一般にウィルスの複製に必須的なE1A遺伝子に代えて導入される(Graham et al., 1987;Yee and Perricaudet, 1997;及びHitt et al., 1994)。癌細胞の死滅を誘導し究極的に腫瘍を退化させる癌治療遺伝子としては、サイトカイン、免疫−補助刺激因子、自殺遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子を含んだいろいろの抗腫瘍遺伝子が適用できる(Paillard, 1998;Roth and Cristiano, 1997;及びRunnebaum, 1997)。自殺遺伝子は、細胞が外部因子によって殺傷され易くなるよう誘導する物質を発現し、或いは細胞に毒性条件を誘発する核酸序列である。このような自殺遺伝子としてよく知られているものは、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子である(米国特許第5,631,236号及び第5,601,818号)。TK遺伝子産物を発現する細胞は、ガンシクロビル(gancyclovir)の投与によって選択的な死滅に敏感である。腫瘍抑制遺伝子は腫瘍の形成を抑えるポリペプチドを暗号化する遺伝子を指す。腫瘍抑制遺伝子は哺乳動物で自然発生する遺伝子であり、この遺伝子の欠失または不活性化は腫瘍発生に必須的な前提であると信じられている。腫瘍抑制遺伝子の例としてはAPC、DPC4、NF−1、NF−2、MTS1、WT1、BRCA1、BRCA2、VHL、p53、p110Rb、p16及びp21を含んだ腫瘍抑制遺伝子のINK4系列の一員及びこの治療学的に有効な断片(例、p56Rb、p94Rbなど)が含まれる。当業者は、前記例示された遺伝子以外にも、その他に知られている抗腫瘍遺伝子がいずれも本発明で使用できることを理解するであろう。
【0022】
また、各種疾患の治療に有用に使用できる多くの治療遺伝子が知られている。例えば、これらに限定するものではないが、サイトカイン(例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−δ及びインターフェロン−γ)、インタールキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−7及びIL−10)及びコロニー刺激因子(例えば、GM−CSF及びG−CSF)を暗号化する遺伝子が含まれる。また、組織プラスミノゲン活性化剤(tPA)又はウロキナーゼを発現する遺伝子(Trends in Cardiovascular Medicine, Vol. 3, No. 2, 1993, p61)及び持続的な血栓効果を提供して高脂質血症を予防するLAL生成遺伝子(Proceeding the National Academy of Science, Vol. 90, April 1993, p.2812)が含まれる。また、嚢胞性繊維症、アデノシンデアミナーゼ欠乏症及びADISのようなウィルス、悪性及び炎症疾患と状態を治療するための多くのポリヌクレオチドが知られており、これらの様々な遺伝子はGenBank又はEMBLのようなDNA序列データバンクから手に入れることができる。
【0023】
水疱性口内炎ウィルスの膜蛋白質の一部分に相当するVSV−Gエピトープは、様々な宿主細胞への感染を可能にするという長所を提供するものと知られている(Ory, D. S. et al., Proc. Natl. Sci. USA, 93:11400-11406, 1996)。VSV−Gエピトープは、ヒト細胞の細胞膜に広く多量発現されて存在するホスファチジルセリンと結合する。したがって、本発明はヒト細胞の細胞膜に存在するホスファチジルセリンとの結合に直接的に関与するVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質をアデノウィルスに導入することを特徴とする。VSV−Gエピトープを含んだ蛋白質は、序列番号9に記載されたアミノ序列を有するオリゴペプチドを含み、このペプチドを含んだ糖蛋白質及びこれから由来された全ての誘導体を含む。
【0024】
本発明によってVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質は、アデノウィルスのファイバー、カプシド、ペントンベースを含んでいずれの部位にも連結されることができる。アデノウィルスに外来リガンドを挿入する位置としては、ファイバーノブ(fiber knob)のHIループ、ペントンベース及びファイバー末端などが多く用いられるものと知られている(Kirby, I. et al., J. Virol., 74:2804-2813, 2000)。ファイバー末端は、アデノウィルスボディから最も遠く離れた部分であって、アデノウィルスの細胞膜に存在するCAR受容体との結合に実質的に関与する部分である。すなわち、ファイバー末端部位はVSV−Gエピトープが特異的に認知し結合しうる細胞膜に存在するホスファチジルセリンとの結合が最も容易な部分である。したがって、本発明によれば、VSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されるアデノウィルスのファイバーはノプ部位であり、より好ましくはファイバー末端部位である。図1及び図2はVSV−Gエピトープをアデノウィルスのファイバー末端に結合させた本発明の一様態を示す。
【0025】
本発明の好ましい一様態として、アデノウィルスのファイバー末端に水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープが連結されることを特徴として、改善された腫瘍殺傷効果を有する組換えアデノウィルスが提供される。
【0026】
アデノウィルスにVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質を連結する方法は、本分野に公知になっている方法によって実施できる。アデノウィルス感染経路自体をCARを利用せず他の経路によって細胞内部へ流入させるためのいろいろの方案が提示されている。これは2つの方法に大別される。その一つは、複合体を用いた方法(conjugate-based strategy)であって、アデノウィルスを標的分子(targeting molecules)と結合させることであり、このためには多数の構成成分(multi-component system)が必要である。もう一つは、遺伝子水準で標的化をなす方法であって、ウィルスの構造を遺伝工学的な方法で変更させてウィルスの感染経路を変更させることであり、このためには単一構成成分(single-component system)のみが必要であるという利点がある。
【0027】
ウィルスの感染経路を異にするために複合体を用いる方法として、細胞特異的受容体に対するアデノウィルスベクターの表面を二重特異性標的結合体(bispecific retargeting conjugate)でコーティングさせる方法がある。この方法は、1996年にDouglas研究チームによって最初紹介されたが、中和抗ノブ(neutralizing anti-knob)単一抗体のFab切片に葉酸塩(folate)を連結させる方法である。これにより、アデノウィルス固有の感染指向性(tropism)ではなく、全く新しい指向性を有する組換えアデノウィルスの形を備え、よって、感染経路が変わる。化学作用によって結合した二重特異性標的結合体は、アデノウィルスを組織特異的に再標的化して腫瘍選択的に治療遺伝子を伝達することができる。
【0028】
遺伝的変形による標的化方法(Genetic targeting strategies)の場合、標的化アデノウィルスは、例えばアデノウィルスのファイバー、ペントンベース、及びヘキソンカプシド(hexon capsid)蛋白質を変形させて作ることができ、これらの中でも、ノブはアデノウィルスがCARと結合するのに必要な部位なので、ウィルス標的化は主にファイバーを変形する方法で試みられる。CARと結合するファイバー−ノブ部位を遺伝的に変形させてアデノウィルスを標的細胞に特異的に感染させるためには、ファイバーの三量体化(trimerization)構造が保たなければならず、標的リガンドがファイバーの表面によく発現され、標的リガンドに相応する他の特定の受容体との結合がしっかり行われなければならない。ファイバー蛋白質に標的リガンドを発現させるためには、ファイバー蛋白率の遺伝子終結コドンを除去させた後、標的リガンド遺伝子を添加して挿入することにより、ファイバー蛋白質と標的リガンドが融合された形のアデノウィルスを製造することができる。これは特定のリガンドでコーティングされた新しい形のアデノウィルスであって、標的指向性、感染効率性などを増加させることができる。図3及び図4は本発明者によって例示的に施された遺伝的変形による標的化方法の様態を示す。VSV−Gエピトープをアデノウィルス、好ましくはアデノウィルスファイバーの末端に挿入する際、適した空間的配置を行えるように、前記アデノウィルスのファイバーとVSV−Gエピトープとの間にリンカーが連結されていることが好ましい。前記リンカーは大抵アミノン約5個〜15個が好ましく、アミノ酸は天然アミノ酸及び化学的に合成されたアミノ酸のいずれも使用可能である。また、公知のアミノン酸類似体も使用可能である。一般に、R基の小さいアミノ酸、例えばグリシン及びアラニンなどが適する。また、R基が水溶性であるアミノ酸、例えばセリンなども適する。したがって、本発明のより好適な様態によれば、前記リンカーは約5個〜12個のグリシンから構成される。
【0029】
本発明の特定の好ましい一様態は、組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVG(KFCC−11215)を含む。この組換えアデノウィルスは、アデノウィルスのファイバー末端とVSV−Gのエピトープとの間に、8個のグリシン、アラニン又はセリンから構成されたリンカーを有する。
【0030】
遺伝的変形による標的化方法によって、本発明に係る組換えウィルスは、アデノウィルスの遺伝子切片とこれに連結されるVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質をコーディングするDNA切片を含むシャトルベクターを作製し、このベクターをアデノウィルスを含んだベクターと遺伝子相同組換えさせ、これにより収得された組換えアデノウィルスプラスミドを適切な細胞に形質転換又は形質感染させることにより生産される。本願明細書の実施例3は、本発明の一様態として、組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの製造によって遺伝的変形による標的化方法を例示する。VSV−Gのエピトープを含んだ蛋白質が結合するアデノウィルスの部位を含んだDNA切片を含有するシャトルベクターを製作する際に使用されるプラスミドは、原核性であれ真核性であれ、公知又は市販されているいずれも使用可能である。また、組換えアデノウィルスを生産する組換えプラスミドの宿主細胞も当業者によく知られており、その代表的な例としてはAd5のヌクレオチド1−4344によって形質転換されたヒト胚腎臓細胞株293(E1A/B+)及びAd5のヌクレオチド79−5789を含有したヒト胚網膜芽細胞腫細胞911が含まれる。
【0031】
本発明の組換えアデノウィルスは、様々な腫瘍細胞、例えば肝癌細胞、子宮癌細胞、乳房癌細胞、脳腫瘍細胞及び肺癌細胞などに対して優れた殺傷能を示すうえ、殺傷効率も他の従来の組換えアデノウィルスより一層優れる。
【0032】
他の観点として、本発明は、(a)アデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV-Gエピトープを含んだ蛋白質が連結された組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む薬剤学的組成物に関するものである。
【0033】
薬剤学的組成物に関連した本発明の一様態は、(a)E1A遺伝子を含んだアデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結された複製可能な組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む抗腫瘍薬剤組成物を含む。このような本発明の薬剤組成物は、これに含まれる複製可能な組換えアデノウィルスが上述したように様々な腫瘍細胞に対して殺傷効能を示すので、腫瘍に関連した様々な疾病又は疾患、例えば胃癌、肺癌、乳房癌、卵巣癌、肝癌、鼻咽頭癌、喉頭癌、膵臓癌、膀胱癌、結腸癌及び子宮頸部癌などの治療に利用できる。
【0034】
薬剤学的組成物に関連した本発明の他の様態は、(a)E1A遺伝子が欠失又は変異され治療遺伝子が導入されたアデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結された複製不可能な組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む薬剤学的組成物に関するものである。このような本発明の薬剤学的組成物は、これに含有された複製不可能な組換えアデノウィルスに導入された治療遺伝子が標的細胞内で発現されることにより、上述したように導入された治療遺伝子に応じて腫瘍の治療を含んだ各種疾患の治療に利用できる。例えば、本発明の薬剤学的組成物は、治療遺伝子がHLA−B7の場合には直腸癌又は黒色腫、IL−2の場合には乳房癌又は肺癌、IFNの場合には神経芽細胞腫、GM−CSFの場合には腎臓細胞腫、MDR−1の場合には末期乳房癌及び卵巣癌、HSVの場合には脳腫瘍、頭頸部腫瘍、卵巣癌及び中皮腫を治療するに使用できる。また、治療遺伝子が上述したようにウィルス、悪性及び炎症疾患と状態の治療に関連しているポリヌクレオチドの場合、それに該当する疾患、例えばこれに限定されるのではないが、前記嚢胞性繊維症、アデノシンデアミナーゼ欠乏症及びADISなどの治療に本発明の薬剤学的組成物を使用することができる。このような治療遺伝子は当業者によく知られており、当業者はこれらの遺伝子が本発明に適切に利用できることを十分理解するであろう。
【0035】
本発明の組換えアデノウィルスは、大部分の細胞で十分発現されるCAR受容体に依存せず標的細胞を感染させるので、CARが発現されないか或いは極めて微弱な細胞にも治療遺伝子を高度に伝達することができるという利点がある。このような細胞の例としては造血細胞(例えばT細胞、B細胞、好酸球、好中球などといった白血球、赤血球、血小板)、リンプ細胞、繊維細胞、肺マクロファージ、成熟した骨組織の筋細胞などが含まれる。したがって、本発明の組換えアデノウィルスを含んだ薬剤学的組成物は、前記細胞の損傷に関連した疾患の治療に有用に使用できる。例えば、EPO、G−CSF、GM−CSF、CSF−1、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IGF−1及びLIFのような多くの造血因子及びこれら遺伝子のDNA序列がよく知られており、これらの遺伝子の少なくとも一つを含んだ本発明の組換えアデノウィルスが含有された薬剤学的組成物は、造血障害の治療に有用に使用できる。
【0036】
本明細書において、用語「治療」は疾病又は疾患の完治、抑制及び軽減を意味する。したがって、本明細書において、用語「治療学的有効量」は前記薬理学的効果を達成するに十分な量を意味する。
【0037】
本発明の組成物に含まれる薬剤学的に許容される担体は、製剤時に通常用いられるものであって、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、ゼラチン、珪酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニールピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びミネラルオイルなどを含むが、これに限定されるのではない。本発明の薬剤学的組成物は、前記成分以外に潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤などをさらに含むことができる。
【0038】
本発明の薬剤学的組成物は、遺伝子療法で通常用いられる経路によって投与することができ、非経口投与が好ましく、例えば静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与、又は局部投与を用いて投与することができる。例えば、腹腔内に投与する卵巣癌の場合及び門脈内に投与する肝癌の場合には注入方法で投与することができ、乳房癌の場合には腫瘤に直接注射して投与することができ、結腸癌の場合には浣腸に直接注射して投与することができ、膀胱癌の場合にはカテーテル内に直接注射して投与することができる。
【0039】
本発明の薬剤学的組成物の適合な投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性、疾病症状の程度、飲食、投与時間、投与経路、排泄速度及び反応感応性のような要因によって異なり、普通熟練した医者は所望の治療に効果的な投与量を容易に決定及び処方することができる。一般に、本発明の薬剤学的組成物は、5×1010−5×1011pfu/mlの組換えアデノウィルスを含み、通常組換えアデノウィルスは1×1010pfuを2日に1回ずつ2週間注射する。
【0040】
本発明の組換えアデノウィルスを含有した薬剤学的組成物は、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能な方法によって、薬剤学的に許容される担体及び/又は賦形剤を用いて製剤化することにより、単位用量の形で製造するか或いは多用量の容器内に入れて製造することができる。この際、剤型はオイル又は水性媒質中の溶液、懸濁液又は乳化液の形であるか、或いはエキス剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤の形であり、分散剤又は安定化剤を更に含むことができる。
【0041】
本発明の組換えアデノウィルスを含有した薬剤学的組成物は、単独の療法で利用できるが、他の通常の化学療法又は放射療法と共に利用されることもでき、このような並行療法を実施する場合には、より効果的に癌治療を行うことができる。本発明の組成物と共に利用できる化学療法剤は、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、プロカルバジン(procarbazine)、メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イホスファミド(ifosfamide)、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil)、ビスルファン(bisulfan)、ニトロソウレア(nitrosourea)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、ブレオマイシン(bleomycin)、プリコマイシン(plicomycin)、マイトマイシン(mitomycin)、エトポシド(etoposide)、タモシキフェン(tamoxifen)、タクソール(taxol)、トランスプラチナム(transplatinum)、5−フルオロウラシル(5-fluorouracil)、ビンクリスチン(vincristin)、ビンブラスチン(vinblastin)及びメトトレキサート(methotrexate)などを含む。本発明の組成物と共に利用できる放射療法はX線照射及びγ線照射などである。
【0042】
本発明の組換えアデノウィルスを含有した薬剤学的組成物は、室温における安定性を増加させ、値高い低温保管の必要性を減らし、保管期限(shelf-life)を延長するために凍結乾燥させることができる。凍結乾燥工程は、凍結、1次乾燥及び2次乾燥の連続段階で行われることができる。組成物を凍結させた後の2次乾燥工程は、圧力を降下し、水蒸気の昇華のために加熱するものである。2次乾燥段階は乾燥物から吸収された残余水分を蒸発させるものである。
【0043】
一様態として、本発明に係るDNAワクチンの凍結乾燥方法は、次の手順で行われる。(1)凍結乾燥顕微鏡分析法を用いて製剤の崩壊温度(collapse temperature)を決定する(Pikal, M. J. et al., Int. J. Pharm. 62, 165-186, 1990)。(2)ガラス瓶(vial)を室温下の凍結−乾燥機の棚にのせた後、−1℃で約30分間平衡を保つ。(3)棚を−55℃に冷却させ、この温度を2時間保つ。(4)約−32℃の生成物温度又は崩壊温度より5℃低い温度で2次乾燥を行う。(5)35℃で2次乾燥を行う。チャンバーの圧力を55〜120umHgに調節した後、乾燥を完成する。(6)凍結−乾燥機の真空下でガラス瓶を栓で塞ぎ、凍結乾燥されたガラス瓶をクリンプシールして2℃〜8℃に保管する。
【0044】
凍結乾燥された製剤には賦形剤(excipients)及び凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)が含まれることができる。賦形剤はこれらに限定されるものではないが、0.9%のNaClと10mMのリン酸ナトリウム(pH7.0)又は10mMのクエン酸ナトリウム(pH7.0)の緩衝液が含まれる。凍結乾燥保護剤は凍結及び乾燥工程中に生物学的分子を保護し、最終産物に機械性(mechanical support)を与える役割を果たし、これらの例としてはPBS(pH7.0)、PBS/4%、12%又は15%トレハロースなどを挙げることができる。
【0045】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。これは本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者には自明なことである。
【0046】
〔実施例1〕E1B55kDが消失された組換えアデノウィルスの製造及びウィルス生産
アデノウィルスE1部位のうちE1B55kD遺伝子を欠失させるためにE1AとE1B19kDを含めさせることが可能なプライマーを製作してpXC1(Microbix, Ontario, Canada)をテンプレートDNAとし、重合酵素連鎖反応(PCR)を行ってウィルスの遺伝子塩基序列上343〜2270を含むPCR産物を獲得した(図10)。このため、末端にBamHI制限酵素認識部位を挿入させた5'−TTATTGGATCCTTTGTCTAGGGCCGCGGG−3'(序列番号1)をセンスプライマーとして、BamHIとBg1II認識部位及び2253(C::T)と2262(G::T)の置換で2つの終結コドンを挿入させた5'−TCTTGGATCCAGATCTATACAGTTAAGCCACCTATACAAC−3'(序列番号2)をアンチセンスプライマーとして用いた。PCRで得られた1.9kb生成物をBamIIで切断した後、E1が完全に消失されたpCA14(Microbix, Ontario, Canada)のBg1II部位に挿入させてシャトルベクターpCA14−E1A/E1B19kDを製作し、これをXmnIで切断した後、BstBIで処理したE1及びE3遺伝子消失アデノウィルスベクターvmdl324Bst(Dr. Verca, University of Fribourgh, Switzerland)と共に大腸菌BJ5183に挿入させて遺伝子相同組換えを誘導した(図10)。大腸菌からDNAを獲得してHindIIIで処理してE1B55kDが消失されたpYKL−1であることを確認し、獲得した。pYKL−1をPacIで切断して293細胞株に添加し、E1B55kDが消失された組換えアデノウィルスを生産した。生産された組換えアデノウィルスはYKL−1と命名され、ブタペスト協約の下にKCCM(Korean Culture Center of Microorganisms)に2002年9月19日付で寄託番号KCCM−10424で国際寄託した。
【0047】
〔実施例2〕E1B19kD又はE1B19kD/E1B55kDaが消失された組換えアデノウィルスの製造及びウィルス生産
アデノウィルスのE1B19kDaとE1B55kDa遺伝子が欠失された組換えアデノウィルスシャトルベクターpΔE1B19/55を製作するために、まずE1A遺伝子のみを含まさせることが可能なプライマーセットを製作してアデノウィルスE1シャトルベクターのpXC1(Microbix, Ontario, Canada)をテンプレートDNAとしてPCRを行い、センスプライマーとして5'−TTATTGGATCCTTTGTCTAGGGCCGCGGG−3'(序列番号3)、アンチセンスプライマーとして5'−CCAGGATCCAGATCTCCCCATTTAACACGCCATGC−3'(序列番号4)を用いた。生成されたPCR産物をBamHIで切断した後、pCA14BalII部位にクローニングさせてpΔE1B19/55プラスミドを製作した。E1B19kDa遺伝子の塩基序列のうち開始コドンが終了コドンで置き換えられたpΔE1B19kDaシャトルベクターを製作するためには、まずpXC1をXbaIとBamHI制限酵素で切断させて得られた1.3kbDNA切片をpSP72クローニングベクター(Promega, USA)に挿入させた後、センスプライマーとして5'−GTTACATCTGACCTCCTGTAGGCTAGCGAGTGTTTGGAAG−3'(序列番号5)、アンチセンスプライマーとして5'−CTTCCAAACACTCGCTAGCCTACAGGAGGTCAGATGTAAC−3'(序列番号6)を用いて部位指定突然変異誘発(site directed mutagenesis)(stratagene, La Jolla, CA, USA)を施行した。製造されたプライマー内にはE1B19kDa遺伝子開始コドンを終了コドンで取り換える突然変異が誘導され、新しく生成されたpSP72/pxC1/1.3kb/Δ19mtプラスミドは序列分析によって突然変異誘発有無を確認した。突然変異させたpSP72/pXC1/1.3kb/Δ19mtプラスミドをXbaIとBamHIで更に切断し、pXC1内のXbaIとBamHI部位に再挿入させてpΔE1B19kDaシャトルベクターを製作した。製作されたpΔE1B19/55、pΔE1B19kDaシャトルベクターは、前記実施例1で製作されたE1B55kDa遺伝子が欠失されたAd−ΔE1B55kDaシャトルベクターと同様の方法でXmnI制限酵素で切断された後、BstBI制限酵素で単一本になったアデノウィルスvmdl324Bst(Dr. Verca, University of Fribourgh, Switzerland)と共にそれぞれ大腸菌BJ5183において同時形質転換させて遺伝子相同組換えを誘導した(図11)。相同組換えされたプラスミドDNAを収得し、HIndIII制限酵素で処理してE1B19kDaとE1B55kDaの2つの遺伝子が両方とも欠失されたAd−pΔE1BとE1B19kDa遺伝子に開始コドンが終結コドンで置き換えられたAd−ΔE1B19生成物を確認した。それぞれの組換えアデノウィルスプラスミドをPacIで切断した後、293細胞株に形質転換してAd−ΔE1B19/55とAd−ΔE1B19組換えアデノウィルスを生産した。E1B19kDが消失されて生産された組換えアデノウィルスはYKC−1と命名され、ブタペスト協約の下にKCCM(Korean Culture Center of Microorganisms)に2002年9月19日付で寄託番号KCCM−10425で国際寄託された。
【0048】
〔実施例3〕組換えアデノウィルスの製造及び確認
A.組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの製造
実施例1で製造された、アデノウィルスAd5のE1領域のうちE1Bの55kDa蛋白質をコーディングする遺伝子が欠失されたYKL−1アデノウィルスに水疱性口内炎ウィルスの膜蛋白質をコーディングする遺伝子のうち19個のアミノ酸からなるVSV−G蛋白質のエピトープを挿入させた形の再標的化アデノウィルスを次のように製作した(図1、図2、図3及び図4)。
【0049】
まず、アデノウィルスのシャトルベクターを製作した。アデノウィルスタイプ5のファイバー部位を含むvmdl324BstのDNA切片5543bpをSacII及びKpnIで処理し、SacII及びKpnIで処理したpBluescriptSKプラスミド(Stratagene, Canada)にサブクローニングしてpSK[5543]組換えベクターを製造した(図12)。
【0050】
次に、ファイバーの3'末端部位のみを更にクローニングするためにpSK[5543]をテンプレートDNAとし、センスプライマー5'−GGCCTTTACTTGTTTACAGC−3'(序列番号7)及びアンチセンスプライマー5'−GGGGAGCTCGGATCCTCCTTCTTGGGCAATGTATG−3'(序列番号8)を用いてPCRを行った。前記アンチセンスプライマーは、ファイバーの終結コドン(TTA)を、グリシンをコーディングする塩基序列(TCC)と置き換えるように製作してファイバー末端の終結コドンを除去した後、連続して施されるクローニングに必要なBamHI及びSacIの認識部位を挿入させた。
【0051】
前記PCRは、テンプレートDNA100ng及びプライマー10ngを用いて94℃で2分間予熱段階を経た後、94℃1分、55℃1分及び72℃1分を1周期として総30回繰り返し行った後、72℃で10分間最終伸張反応を行って終結した。PCRで得られた約850bpのDNA生成物をHindIII及びSacIで切断し、これをHindIII及びSacIで切断したクローニングベクターpSP72(Promega, USA)に挿入させてpSP72[805]を製作した(図12)。
【0052】
一方、水疱性口内炎ウィルスが細胞内に入るのに関与するVSV−G膜蛋白質のエピトープとして知られたアミノ酸序列118番から136番までの19個のアミノ酸及びその塩基序列は次の通りである:
GTWLNPGFPPQSCGYATVT(序列番号9)、及び5'−GGA/ACT/TGG/CTG/AAT/CCA/GGC/TTC/CCT/CCT/CAA/AGT/TGT/GGA/TAT/GCA/ACT/GTG/ACG−3'(序列番号10)。
【0053】
前記エピトープをアデノウィルスファイバーの3'−末端に挿入する際、適当な空間的配置を行えるようにグリシンアミノ酸8個が連続的に発現される連結環を付着した。このような形のDNA断片を前記pSP72[805]内に挿入させるための前段階として、前記連結環を含んだVSV−Gエピトープの互いに相補的な5'側及び3'側のオリゴヌクレオチドを製作した。この際、5'側にはBamHI制限酵素認識部位を、3'側にはSacI認識部位を挿入して5'−GA/TCC/GGC/GGG/GGC/GGT/GGA/GGA/GGG/GGT/GGA/ACT/TGG/CTG/AAT/CCA/GGC/TTC/CCT/CCT/CAA/AGT/TGT/GGA/TAT/GCA/ACT/GTG/ACG/TGA/GCT−3'(序列番号11)の序列を持たせた。
【0054】
前記オリゴマーと相補的な塩基序列を有するオリゴマーをDNA合成機で合成した後、前記相補的なオリゴマーを37℃で5分間放置して互いに混成化されるようにした。また、長さ27量体に該当するセンスプライマー5'−GAA/GGG/GGA/TCC/GGC/GGG/GGC/GGT/GGA−3'(序列番号12)及びアンチセンスプライマー5'−CCC/GAG/CTC/ACG/TCA/CAG/TTG/CAT/ATC−3'(序列番号13)を製作した。
【0055】
前記プライマー10ng及び前記混成化されたオリゴマー100ngをテンプレートDNAとして用いてPCRを前記条件通りに更に行った。PCR生成物をBamHIとSacIで切断した後、103bpに該当するDNA切片をBamHIとSacIで切断された前記pSP72[805]に挿入させてクローニングベクターpSP72[805+103bp]を製作した(図12)。
【0056】
前記pSP72[805+103bp]をHindIII及びEcoRIで切断して、VSV−Gエピトープが挿入されたアデノウィルスのファイバー部位[805+103b]を得た。一方、アデノウィルスのファイバー部位を含んでいるシャトルベクターの前記pSK[5543]をHindIII及びMfeIで切断して、約833bpに該当するDNA切片を除去した後、前記[805+103bp]を挿入させてアデノウィルスシャトルベクターpSK[5510+103bp]を収得した(図12)。
【0057】
実施例1で製造されたプラスミドpYKL−1をSpeI制限酵素で処理して単一本とした後、これをシャトルベクターの前記pSK[5510+103bp]と共に大腸菌BJ5183に形質転換させて遺伝子相同組換えを誘導した。形質転換された大腸菌を1日間培養して、これからDNAを収得し、前記27量体長さのプライマーを用いてPCRを行った後、前記103bpDNA切片が生成されるか否かを確認した(図6)。
【0058】
103bpDNA切片が挿入されたものと確認されたDNAは、DNA収得量に優れたDH5a(Gibco, USA)に更に形質転換させてDNAを増幅した後、PacIを処理した際、2kbバンドが現われるか否かとHindIII処理後のアガロースゲル電気泳動によって選択した。こうして得られた組換えアデノウィルスプラスミドをpYCI−Ad−VSVGと命名した。
【0059】
前記pYCI−Ad−VSVGをPacIで処理して単一本にした後、293細胞株(Microbix, Canada)に形質感染させてウィルスを生産し、生産されたウィルスで103bpのVSV−Gリガンドが作られるかを、ウィルスゲノムDNAを抽出してPCRを行って確認した(図6)。生産されたウィルスをYCI−Ad−VSVGと命名し、ブタペスト協約の下にKCCM(Korean Culture Center of Microorganisms)に2002年9月19日付で寄託番号KCCM−10423で国際寄託した。
【0060】
B.組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの製造
VSV−Gエピトープによる遺伝子形質導入率の増加有無を知ることが可能な標識ウィルスであって、LacZを発現する増殖不能アデノウィルスは次のように製作した。まず、pcDNAhygroLacZプラスミド(Invitrogen, USA)をSpeIとXbaIで切断してLacZ断片を得た後、これをXbaIで切断されたアデノウィルスシャトルベクターpCA14(Microbix, Canada)に挿入させてpCA14LacZプラスミドを製作した。アデノウィルスベクターとしてE1とE3が消失されたvmdl324Bst(Heider, H. et al., Biotechniques, 28(2):260-265, 268-270, 2000)をBstBIで切断した後、前記遺伝子相同組換え方法でdl323/pCA14LacZを得た。次に、dl324/pCA14/LacZウィルスにVSV−Gエピトープをファイバーの3'末端に挿入するために、VSV−Gエピトープが挿入されているシャトルベクターの前記pSK[5510+103bp]をSacIIとKpnIで切断した後、SpeIで切断したdl324/pCA14LacZと共に大腸菌BJ5183に形質転換させて遺伝子相同組換えを誘導してウィルスを製造し、dl324−LacZ−VSVGと命名した。それぞれの組換えアデノウィルスは293細胞株で増幅させた後、限界希釈方法又は光学密度分析方法を用いてウィルスの力価を決定した。
【0061】
C.組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGのE1部位遺伝子構成の分析
ヒト肝癌細胞株であるHep3B(HB-8044, ATCC, 米国)にAd−ΔE1(E1領域全体が欠損されたアデノウィルス)、YKL−1、YCI−Ad−VSVG及び野生型アデノウィルスAd−wtをMOI(Multiplicity of infection)10でそれぞれ感染させ、2日経過後にゲノム分離キット(Qiagen, 米国)でウィルスゲノムを回収した。前記対照群ウィルスである増殖不能アデノウィルスAd−ΔE1はpCA14(Microbix)をシャトルベクターとして用いて実施例2と同一の方法で製作した。
【0062】
次に、分離したウィルスゲノムをテンプレートとし、E1遺伝子を増幅するためにセンスプライマー5'−TTTGTGTTACTCATAGCGCGT−3'(序列番号14)及びアンチセンスプライマー5'−ATTCTTTCCCACCCTTAAGCC−3'(序列番号15)を用いてPCRを行った。それぞれのPCR生成物をアガロースゲルにローディングして電気泳動した(図5)。図5から確認できるように、本発明のYCI−Ad−VSVGウィルスは、YKL−1ウィルスと同一のE1遺伝子から構成されているので、E1B55kD遺伝子の選択的消失によって約2kbサイズのPCR産物を生成し、これに反して野生型アデノウィルスはE1部位のE1A、E1B19kD、及びE1B55kD遺伝子が全て内在するので、約3.2kbPCR産物を確認することができた。
【0063】
D.組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGのファイバー部位にVSV−Gエピトープが挿入されたか否かを確認
本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGのファイバー3'末端にVSV−Gエピトープが挿入されたか否かを確認するために、VSV−Gエピトープを増幅し得るようにセンスプライマー5'−GAA/GGG/GGA/TCC/GGC/GGG/GGC/GGT/GGA−3'(序列番号16)及びアンチセンスプライマー5'−CCC/GAG/CTC/ACG/TCA/CAG/TTG/CAT/ATC−3'(序列番号17)と前記Bで用いられたウィルスゲノム(Ad−ΔE1、YKL−1、及びYCI−Ad−VSVG)をテンプレートとしてPCRを前記条件通りに行った。VSV−GエピトープPCR産物を生成することが可能な陽性対群としては、VSV−Gエピトープが8個のグリシンリンカーで連結された103bpを含むクローニングベクターpSP72[805+103bp]を用いた。
【0064】
前記それぞれのPCR生成物をアガロースゲルにローディングして電気泳動した(図6)。図6から確認できるように、アデノウィルスのファイバー部位が正常的な場合のYKL−1とAd−ΔE1の場合は、PCR産物が全く生成されていない反面、アデノウィルスのファイバー3'末端にVSV−Gエピトープが挿入された本発明のYCI−Ad−VSVGの場合は、約103bpの産物が形成され、陽性対照群のpSP72[805+103bp]においても同一サイズのPCR産物が形成されることを確認することができた。
【0065】
〔実施例4〕dl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率の究明
アデノウィルスのファイバーにVSV−Gエピトープを挿入して誘導される対象細胞への増加した感染効率を究明するために、標識遺伝子としてLacZが発現されるdl324−LacZ−VSVGウィルスを用いていろいろの癌細胞への遺伝子伝達効率を評価した。ヒトの脳癌細胞株であるU343、U118MG(HTB-15, ATCC, 米国)、U251N及びU87MG(HTB−14, ATCC, 米国)、そしてCARの発現が低い細胞株CHO−K1(CCL-61, ATCC)、MCF−7(HTB-22, ATCC)、Pro5(CRL-1781, ATCC)及びLec2(CRL-1736, ATCC)を対象として、対照群アデノウィルスdl324−LacZ、及びVSV−Gエピトープ付きが付着されたアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGをそれぞれいろいろの異なるMOIで感染させた後、2日後にX−gal染色を行った(図7a、図7b、図7c、図7d、図7e、図7f、図7g及び図7h)。図7aは細胞株がU343の場合を示す写真であり、図7bは細胞株がU118MGの場合を示す写真であり、図7cは細胞株がU251Nの場合を示す写真、図7dは細胞株がU87MGの場合を示す写真、図7eは細胞株がCHO−K1の場合を示す写真、図7fは細胞株がLec2の場合を示す写真、図7gは細胞株がMCF−7の場合を示す写真、図7hは細胞株がPro5の場合を示す写真である。図7a〜図7hから確認できるように、上述した全ての細胞株において、dl324−LacZ−VSVGは増加した感染効率によるLacZ遺伝子発現効率が向上したことが分かる。特に、アデノウィルスの天然受容体であるCARの発現が低くて正常的なアデノウィルスによってよく感染されないCHO−K1、MCF−7、Pro5、及びLec2細胞株においてもCARとの結合に依存せず、細胞膜に広く発現されているホスファチジルセリンによる感染で遺伝子伝達効率が著しく増加したことが分かった。
【0066】
このようなVSV−Gエピトープの挿入による遺伝子伝達効率の増加を定量化するために、X−gal染色を行った後、これを溶出してグラフで図式化した(図8a、図8b、図8c、図8d、図8e、図8f、図8g及び図8h)。図8aは細胞株がU343の場合を示すグラフ、図8bは細胞株がU118MGの場合を示すグラフ、図8cは細胞株がU251Nの場合を示すグラフ、図8dは細胞株がU87MGの場合を示すグラフ、図8eは細胞株がCHO−K1の場合を示すグラフ、図8fは細胞株がLec2の場合を示すグラフ、図8gは細胞株がMCF−7の場合を示すグラフ、図8hは細胞株がPro5の場合を示すグラフである。図8a〜図8hから確認できるように、上述した全ての細胞株において、dl324−LacZ−VSVGは増加した感染効率によるLacZ遺伝子発現効率が大きく向上してU251N(MOI1)、U118MG(MOI50)、CHO−K1(MOI50)、及びPro5(MOI50)などの細胞株では、遺伝子伝達効率が前記ウィルス力価で約100%以上増加し、その他の細胞株においても遺伝子伝達効率が著しく増加した。特に、正常的なアデノウィルスの感染時に必要な受容体CARの発現が低い細胞株CHO−K1、Lec2、MCF−7及びPro5の場合のいずれにおいても、VSV−Gエピトープが挿入されてCARに依存せず対象細胞を感染させることが可能なdl324−LacZ−VSVGウィルスは、正常的なファイバーを有するdl324−LacZウィルスに比べて一層よく感染させることができ、感染時に加えた力価に比例してLacZ遺伝子の発現が著しく増加した。
【0067】
〔実施例5〕YCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍細胞殺傷能力の究明
YCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍細胞殺傷能力を究明するために腫瘍細胞株Hep3B、Hep1、HepG2、C33A、U343、U87MG、U251−N、及びMCF−7を用いた。前記細胞株を増殖不能アデノウィルスdl324/LacZ、YKL−1、及びYCI−Ad−VSVGにMOI10、1又は0.1となるように感染させた後、細胞の死滅程度を観察した。殺傷能力を可視化するために感染細胞を殆ど死滅させた視点に残っている細胞を1%クリスタルバイオレット(50%メタノール)で20分間固定し染色した後、写真を取った(図9a、図9b、図9c、図9d、図9e、図9f、図9g及び図9h)。図9aは細胞株Hep3Bに対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9bは細胞株C33Aに対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9cは細胞株U343に対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9dは細胞株U87MGに対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9eは細胞株Hep1に対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9fは細胞株U251−Nに対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9gは細胞株HepG2に対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真、図9hは細胞株MCF−7に対するYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である。図9a〜図9hにおいて、1番レインはアデノウィルスdl324/LacZの場合を示し、2番レインはアデノウィルスYKL−1の場合を示し、3番レインはアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの場合を示す。図9a〜図9hから分かるように、YCI−Ad−VSVGの殺傷能力はHep3BとU343でYKL−1に比べて約100倍程度増加し、他のいろいろの細胞株においても約10倍程度増加した殺傷能力を示した。
【0068】
したがって、本実施例で試験された全ての腫瘍細胞株に対し、本発明のYCI−Ad−VSVGは対照群YKL−1と比較して細胞殺傷効果がVSVGエピトープの添加によって著しく増加したことが分かる。
【0069】
〔実施例6〕YCI−Ad−VSVGの増加した細胞殺傷効果の確認
YCI−Ad−VSVGによる癌細胞殺傷効果の増加を定量化するために、いろいろの癌細胞を複製不可能なアデノウィルスdl324−LacZ、複製可能なアデノウィルスYKL−1、及びVSV−Gエピトープが付着された複製可能なアデノウィルスYCI−Ad−VSVGで感染させてから一定時間の経過後に細胞生存率(cell viability)を測定することが可能なMTT検定を行った。図13及び図14はヒト脳癌細胞株のU251とU343細胞株をそれぞれ5MOIのアデノウィルスで感染させた後、MTT検定を行ったものであり、図15はヒト子宮癌細胞株のHeLa細胞株を10MOIのアデノウィルスで感染させた後、MTT検定を行ったものであり、図16はヒト乳房癌細胞株のMCF−7を100MOIのアデノウィルスで感染させた後、MTT検定を行ったものである。
【0070】
図13〜図16から確認できるように、陰性対照群である複製不可能なアデノウィルスdl324−LacZによって感染された場合には、細胞殺傷が起こらない反面、ウィルスの増殖が可能なYKL−1及びYCI−Ad−VSVGによって感染された場合は、時間経過に伴ってウィルスの増殖による細胞殺傷効果が増加することが分かる。特に、YCI−Ad−VSVGの場合は、ウィルスのファイバー末端に付着されたVSVG−エピトープによって細胞感染率が増加してウィルスによる細胞殺傷脳がYKL−1より著しく優れることを確認することができた。
【0071】
〔実施例7〕ヌードマウスをモデルとしたYCI−Ad−VSVGの抗腫瘍効果の確認
本実施例はヌードマウスをモデルとして、本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGが生体内水準においても抗腫瘍効果に優れるかを確認するためのものである。まず、5〜6週齢のヌードマウス(Charles River Japan Inc., Japan)の腹部皮下にヒト肝癌細胞株Hep3B(HB-8044, ATCC, 米国)、ヒト脳癌細胞株U343、又はヒト脳癌細胞株U87MG(HTB-14, ATCC, 米国)を注射して腫瘍のサイズが5×5mm程度に到達したとき、本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVG(超遠心分離で回収してPBSで投石したウィルス)5×108pfu/50μlを腫瘍内に注射した後、2〜3日に1回ずつカリパスで腫瘍のサイズを測定した。その結果は図17、図18及び図19に示されている。
【0072】
図17、図18及び図19から分かるように、陰性対照群としてPBSを注射した場合には、腫瘍のサイズが時間経過に伴い成長しつつある反面、本発明のYCI−Ad−VSVGウィルスを注射した場合には、腫瘍の成長が著しく抑制された。また、YKL−1組換えアデノウィルスを注射した場合にも、YCI−Ad−VSVGウィルスを注射した場合の如く腫瘍の成長が抑制されたが、組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGに比べて抗腫瘍効能が落ちることを確認することができた。
【0073】
したがって、本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGは、インビボ(in vivo)水準においても優れた抗腫瘍効果を示すことが分かる。また、組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGのファイバー末端に付着されたVSV−Gエピトープを用いて細胞内に入ることが可能な特性により、CAR発現の低い癌組織へも感染が活発に起こうるため、これによる腫瘍特異的増殖可能アデノウィルスの抗腫瘍効果が増幅できるものと思われる。
【0074】
〔実施例8〕YCI−Ad−VSVGの増加したウィルス生産量の究明
293細胞株を増殖不可能なアデノウィルスdl324−LacZ及びVSV−Gエピトープが付着されたアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGをそれぞれ10MOIで感染させた後、24時間、48時間、72時間に上澄液と細胞ペレットを収穫し、これらの中にあるアデノウィルスの総生産量(viral titer)を測定した。その結果は表1に示す。また、その結果は図20のグラフで示される。
【0075】
【表1】
【0076】
表1及び図20から確認できるように、dl324−LacZ−VSVGは増加した感染効率によるウィルス生産量が増加した。
【0077】
また、YCI−Ad−VSVGの増加したウィルス生産量を究明するために、U251N脳癌細胞株を腫瘍特異的複製可能なアデノウィルスYKL−1及びYCI−Ad−VSVGをそれぞれ10MOIで感染させた後、24時間、48時間、72時間に上澄液と細胞ペレットを収穫し、アデノウィルスの総生産量を測定した。その結果は表2に示す。また、その結果は図21のグラフで示される。
【0078】
【表2】
【0079】
表2及び図21から確認できるように、VSV−Gエピトープがファイバー末端に付着されたYCI−Ad−VSVGのウィルス総生産量が、正常的なファイバーをもったYKL−1に比べて一層増加した。
【0080】
〔産業上の利用可能性〕
以上説明したように、本発明は、アデノウィルスに水疱性口内炎ウィルスの感染リガンドの一部のみを導入させて治療効能を向上させた組換えアデノウィルス及びこれを含む薬剤学的組成物に関するものである。本発明によれば、低調な感染効率を有するいろいろの細胞に対する感染効率を増加させることにより、これによる遺伝子形質導入の増加と細胞内ウィルスの複製量が増加して治療効果を向上させることができるうえ、既に治療効果のある細胞では増加した感染効率によって治療に必要なウィルスの投与量を減少させて人体組織における免役反応を最少化させることにより、放射線治療と薬物治療のような既存の治療法との並行療法によって治療効果を極大化するなど、新しい治療法の開発に活用できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は本発明の組換えアデノウィルスのファイバー蛋白質のC−末端にVSV−Gエピトープとグリシン連結環が付着された模式図である。
【図2】図2はVSV−Gエピトープが挿入された本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの再標的化感染経路を模式化した図である。
【図3】図3はYKL−1のファイバー末端にVSV−Gリガンドが挿入された本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの模式図とウィルスの製造方法を示す概略図である。
【図4】図4はdl324−LacZアデノウィルスのファイバー末端にVSV−Gリガンドが挿入された本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの模式図とウィルスの製造方法を示す概略図である。
【図5】図5は製作された本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGのE1遺伝子構成をPCRで確認する写真である。
【図6】図6は製作された本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGのファイバー部分にVSV−Gエピトープが挿入されたか否かをPCRで確認する写真である。
【図7a】図7aは細胞株がU343の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7b】図7bは細胞株がU118MGの場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7c】図7cは細胞株がU251Nの場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7d】図7dは細胞株がU87MGの場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LcaZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7e】図7eは細胞株がCHO−K1の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7f】図7fは細胞株がLec2の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7g】図7gは細胞株がMCF−7の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図7h】図7hは細胞株がPro5の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を示す写真である。
【図8a】図8aは細胞株がU343の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8b】図8bは細胞株がU118MGの場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8c】図8cは細胞株がU251Nの場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8d】図8dは細胞株がU87MGの場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8e】図8eは細胞株がCHO−K1の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8f】図8fは細胞株がLec2の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8g】図8gは細胞株がMCF−7の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図8h】図8hは細胞株がPro5の場合に本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGの増加した遺伝子伝達効率を定量化したグラフである。
【図9a】図9aは細胞株Hep3Bに対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9b】図9bは細胞株C33Aに対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9c】図9cは細胞株U343に対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9d】図9dは細胞株U87MGに対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9e】図9eは細胞株Hep1に対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9f】図9fは細胞株U251−Nに対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9g】図9gは細胞株HepG2に対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図9h】図9hは細胞株MCF−7に対する本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGの増加した腫瘍特異殺傷能力を示す細胞病変分析写真である(ここで、1=△E1、2=YKL−1、3=YCl−Ad−VSVG)。
【図10】図10は組換えアデノウィルスYKL−1の特徴を図式化したものである。
【図11】図11はAd−ΔE1及びAd−WTと共に3つのE1B突然変異アデノウィルスAd−ΔE1B19、Ad−ΔE1B55及びAd−ΔE1B19/55を図示化したものである。
【図12】図12は本発明に係る組換えプラスミドpYCI−Ad−VSVGの作製過程を示す。
【図13】図13はヒト脳癌細胞株のU251細胞株を5MOIの本発明に係る組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGで感染させた後のMTT検定結果である。
【図14】図14はヒト脳癌細胞株のU343細胞株を5MOIの本発明に係る組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGで感染させた後のMTT検定結果である。
【図15】図15はヒト子宮癌細胞株のHeLa細胞株を10MOIの本発明に係る組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGで感染させた後のMTT検定結果である。
【図16】図16はヒト乳房癌細胞株のMCF−7を100MOIの本発明に係る組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGで感染させた後のMTT検定結果である。
【図17】図17は本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGが、ヌードマウスで形成されたHep3B腫瘍細胞の成長を抑制させることを示すグラフである。
【図18】図18は本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGが、ヌードマウスで形成されたU343瘍細胞の成長を抑制させることを示すグラフである。
【図19】図19は本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGが、ヌードマウスで形成されたU87MG腫瘍細胞の成長を抑制させることを示すグラフである。
【図20】図20は本発明の組換えアデノウィルスdl324−LacZ−VSVGを10MOIで293細胞株に感染させた後のアデノウィルスの総生産量結果を示すグラフである。
【図21】図21は本発明の組換えアデノウィルスYCI−Ad−VSVGを10MOIでU251N脳癌細胞株に感染させた後のアデノウィルスの総生産量結果を示すグラフである。
Claims (19)
- アデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されていることを特徴とする組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスが複製能を保有することを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスは複製不可能であり、治療遺伝子を含有することを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスはE1B55kDa、E1B19kDa又はE1B19kDa/E1B55kDaが消失されたものであることを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスのファイバーにVSV−Gエピトープが連結されていることを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスのファイバーがノブ(knob)部位であることを特徴とする請求項5記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスのファイバーノブ部位がHIループ、ペントンベース又はファイバー末端部位であることを特徴とする請求項6記載の組換えアデノウィルス。
- 前記VSV−Gエピトープが、序列番号3に記載されたアミノ酸序列を有することを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アデノウィルスのファイバーとVSV−Gエピトープとの間にリンカーが連結されていることを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- 前記リンカーが5個〜15個のアミノ酸から構成されることを特徴とする請求項9記載の組換えアデノウィルス。
- 前記アミノ酸がグリシン又はアラニンであることを特徴とする請求項10記載の組換えアデノウィルス。
- 前記組換えアデノウィルスがYCI−Ad−VSVGであることを特徴とする請求項1記載の組換えアデノウィルス。
- (a)前記アデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されている組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む薬剤学的組成物。
- (a)E1A遺伝子を含んだアデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されている複製可能な組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む請求項13記載の薬剤学的組成物。
- (a)E1A遺伝子が欠失もしくは変異され治療遺伝子を含んだアデノウィルスに、水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープを含んだ蛋白質が連結されている複製不可能な組換えアデノウィルスの治療学的有効量、及び(b)薬剤学的に許容される担体を含む請求項13記載の薬剤学的組成物。
- 前記組換えアデノウィルスがアデノウィルスのファイバーに水疱性口内炎ウィルス由来のVSV−Gエピトープが連結されている組換えアデノウィルスである請求項13記載の薬剤学的組成物。
- 前記組換えアデノウィルスがYCI−Ad−VSVGであることを特徴とする請求項13記載の薬剤学的組成物。
- 請求項1記載の組換えアデノウィルスを発現する組換えプラスミド。
- 請求項18記載の組換えプラスミドで形質転換又は形質感染された宿主細胞。
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