JP2005503760A - 乳癌の診断方法、組成物および乳癌のモジュレーターのスクリーニング方法 - Google Patents

乳癌の診断方法、組成物および乳癌のモジュレーターのスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

本明細書中に記載されているのは、乳癌においてアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションされる遺伝子である。乳癌の診断および治療のために用いられ得る関連方法および組成物が開示される。乳癌のモジュレーターを同定するために用いられ得る方法も本明細書中に記載される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、乳癌に関与する核酸およびタンパク質発現プロフィールならびに核酸、生成物およびそれに対する抗体に、そして乳癌の診断、予後および療法におけるこのような発現プロフィールおよび組成物の使用に関する。本発明はさらに、乳癌を抑制する作用物質および/または標的を同定し、使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳癌は、最も高頻度に診断される癌の1つであり、北米および北欧における女性の癌死の第二位の原因(肺癌が第一位である)である。米国における疾患の生涯発生率は8人に1人で、乳癌による死亡の生涯危険率は29人に1人である。マンモグラフィーを利用する乳癌の早期検出、臨床的乳検査および自己乳検査は疾患の治療を劇的に改善してきたが、しかしマンモグラフィー感度は60〜90%に過ぎないと概算されているので、感度は依然として大きな関心事である。乳癌の治療は主に、外科的ランペクトミーまたは乳房切除、放射線療法、抗ホルモン療法および/または化学療法から成る。多数の乳癌患者は有効に治療されているが、しかし一般的療法はすべて、クオリティーオブライフを低減する重篤な副作用を誘導し得る。治療の特定経過に関する決定は、典型的には種々の予後パラメーターおよびマーカー(Fitzgibbons et al., 2000, Arch. Pathol. Lab. Med. 124:966-978; Hamilton and Piccart, 2000, Ann. Oncol. 11: 647-663)、例えば遺伝的疾病素質マーカーBRCA−1およびBRCA−2(Robson, 2000, J. Clin. Oncol. 18: 113sup-118sup)に基づいている。
【0003】
診断のための乳癌のイメージングは、問題があり且つ制約されていた。さらに、処々の部位のリンパ節への腫瘍細胞の播種(転移)は重要な予後因子である。5年生存率は、リンパ節転移を伴わない患者における80%から、リンパ節転移を有する患者においては45〜50%に低下する。大多数の乳癌においては存在するが、正常組織中には存在しないことが従来示されている癌胎児性抗原に関するmRNAの存在に基づいた逆転写酵素−PCR法を用いて、リンパ節から微小転移巣が検出され得ることを近年の報告は示した(Liefers et al., New England J. of Med. 339(4): 223 (1998))。
【0004】
新規の治療標的および診断マーカーの同定は、乳癌患者の一般的治療を改善するためには不可欠である。分子医学における近年の進歩は、種々の免疫療法的または小分子戦略のための標的として役立ち得る腫瘍特異的細胞表面抗原に関する興味を増大してきた。免疫療法戦略に適した抗原は癌組織中で高度に発現されるべきであり、理想的には正常成人組織中では発現されない。しかしながら生命に必ずしも必要でない組織中での発現は、耐容され得る。このような抗原の例としては、Her2/neuおよびB細胞抗原CD20が挙げられる。Her2/neuに向けられるヒト化モノクローナル抗体(ヘルセプチンHerceptin(登録商標)/trastuzumab)は一般的に、転移性乳癌の治療のために使用されている(Ross and Fletcher, 1998, Stem Cells 16:413-428)。同様に、抗CD20モノクローナル抗体(リツキシンRituxin(登録商標)/rituximab)は、非ホジキンリンパ腫を有効に治療するために用いられる(Maloney et al., 1997, Blood 90: 2188-2195; Leget and Czuczman, 1998, Curr. Opin. Oncol. 10: 548-551)。
【0005】
その他の考え得る免疫療法的標識が、乳癌に関して同定されている。このような標識の1つは、多形性上皮ムチン(MUC1)である。MUC1は、腺上皮細胞の尖端表面に存在する膜貫通タンパク質である。それは乳癌中でしばしば過剰発現され、典型的にはグリコシル化パターン変更を示して、抗原的に別個の分子を生じ、そしてワクチン標的として初期臨床試験において存在する(Gilewski et al., 2000, Clin. Cancer Res. 6: 1693-1701; Scholl et al., 2000, J. Immunother. 23: 570-580)。腫瘍発現タンパク質はしばしば循環中で切断され、そこではそれは腫瘍マーカーCA15−3として検出可能である(Bon et al., 1997, Clin. Chem. 43: 585-593)。しかしながら多数の患者は、HER2またはMUC−1を発現しない腫瘍を有する。したがって、その他の標的が局在性および転移性疾患を管理するために同定される必要があるということは明らかである。多数のその他の遺伝子、例えば、EGFR(Sainsbury et al., 1987, Lancet 1(8547): 1398-1402)、c−erbB3(Naidu et al., 1988, Br. J. Cancer 78:1385-1390)、FGFR2(Penault-Llorca et al., 1991, Int. J. Cancer 61: 170-176)、PKW(Preiherr et al., 2000, Anticancer Res. 20: 2255-2264)、MTA1(Nawa et al., 2000, J. Cell Biochem. 79: 202-212)、乳癌関連遺伝子1(Kurt et al., 2000, Breast Cancer Res. Treat. 59: 41-48)が、乳癌において過剰発現されることが報告されている。これらの過剰発現遺伝子のうちのいくつかのタンパク質生成物に対するモノクローナル抗体が報告されている(再検討のためにはGreen et al., 2000, Cancer Treat. Rev. 26: 269-286参照)が、しかし米国において乳癌治療のために一般に認可されているものはない。
【0006】
乳癌において発現されると記載されたある種の遺伝子およびESTの開示は、国際特許出願WO-99/33869、WO-97/25426、WO-97/02280およびWO-00/55173、WO-98/45328およびWO-00/22130に見出される。同様に、乳癌において発現されると記載された遺伝子およびESTは、米国特許第5,759,776号および第5,693,522号に開示されている。このような遺伝子の有用性はこれらの出版物の各々に記載されており、それらの開示内容は本明細書中に含まれる。
【0007】
産業界および学会は新規の配列を同定してきたが、しかしこれらの新規の配列の機能を同定するために同じような努力がなされてはこなかった。治療標的および診断マーカーの同定のための疾患状態における新規のタンパク質および化合物に関する役割の解明は、乳癌患者の一般的治療を改善するために不可欠である。したがって、本明細書中で提供されるのは、乳癌およびその他の癌における治療的介入のための分子標的である。さらに、乳癌の診断および予後に用いられ得る方法が、本明細書中で提供される。さらに、乳癌を調整する能力に関して候補生物活性作用物質をスクリーニングするために用いられ得る方法が提供される。
【発明の開示】
【0008】
したがって本発明は、乳癌においてアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションされる遺伝子のヌクレオチド配列を提供する。このような遺伝子は診断目的のために有用であり、そしてホルモンまたは抗体のような乳癌を調整する治療用化合物に関してスクリーニングするための標的としても有用である。本発明のその他の局面は、本発明の以下の説明により当業者に明らかになる。
【0009】
一局面において、本発明は、患者からの細胞中の乳癌関連転写体の検出方法であって、表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドに患者からの生物学的試料を接触させることを包含する方法を提供する。
【0010】
一実施態様では、本発明は、患者からの細胞中の乳癌関連転写体のレベルの確定方法を提供する。
【0011】
一実施態様では、本発明は、患者からの細胞中の乳癌関連転写体の検出方法であって、表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドに患者からの生物学的試料を接触させることを包含する方法を提供する。
【0012】
一実施態様では、ポリヌクレオチドは、表1〜25に示されたような配列と少なくとも95%同一である配列と選択的にハイブリダイズする。
【0013】
一実施態様では、生物学的試料は組織試料である。別の実施態様では、生物学的試料は単離核酸、例えばmRNAを含む。
【0014】
一実施態様では、ポリペプチドは、例えば蛍光標識で標識される。
【0015】
一実施態様では、ポリヌクレオチドは固体表面に固定される。
【0016】
一実施態様では、患者は乳癌を治療するための治療レジメンを受けている。別の実施態様では、患者は転移性乳癌を有することが疑われる。
【0017】
一実施態様では、患者はヒトである。
【0018】
一実施態様では、乳癌関連転写体はmRNAである。
【0019】
一実施態様では、当該方法は、生物学的試料をポリヌクレオチドと接触させる過程前に核酸を増幅する過程をさらに包含する。
【0020】
別の局面において、本発明は、乳癌の治療的処置の効力のモニタリング方法であって、(i)治療的処置を受けている患者からの生物学的試料を提供し、そして(ii)表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドに生物学的試料を接触させることにより生物学的試料中の乳癌関連転写体のレベルを確定し、それにより治療の効力をモニタリングする過程を包含する方法を提供する。さらなる実施態様において、患者は転移性乳癌を有する。さらなる実施態様では、患者は薬剤耐性形態の乳癌を有する。
【0021】
一実施態様では、当該方法はさらに、(iii)治療的処置の前または治療的処置におけるより早期に乳癌関連転写体のレベルを患者からの生物学的試料中の乳癌関連転写体のレベルと比較する過程を包含する。
【0022】
さらに、候補乳癌薬の効果の評価方法であって、患者に薬剤を投与し、そして患者から細胞試料を取り出すことを包含する方法が、本明細書中で提供される。細胞の発現プロフィールが次に確定される。この方法は、発現プロフィールを健常個体の発現プロフィールと比較することをさらに包含し得る。好ましい実施態様では、前記の発現プロフィールは表1〜25の遺伝子を含む。
【0023】
一局面において、本発明は、表1〜25に示されたようなポリヌクレオチド配列からなる単離核酸分子を提供する。
【0024】
一実施態様では、発現ベクターまたは細胞は単離核酸を含む。
【0025】
一局面において、本発明は、表1〜25に示されたようなポリヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされる単離ポリペプチドを提供する。
【0026】
別の局面では、本発明は、表1〜25に示されたようなポリヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされる単離ポリペプチドと特異的に結合する抗体を提供する。
【0027】
一実施態様では、抗体は、エフェクター構成成分、例えば蛍光標識、放射性同位元素または細胞傷害性化学物質と接合される。
【0028】
一実施態様では、抗体は抗体断片である。別の実施態様では、抗体はヒト化される。
【0029】
一局面では、本発明は、患者からの生物学的試料中の乳癌細胞の検出方法であって、生物学的試料を本明細書中に記載されたような抗体と接触させることを包含する方法を提供する。
【0030】
別の局面では、本発明は、患者における乳癌に特異的な抗体の検出方法であって、表1〜25からの配列を含む核酸によりコードされるポリペプチドに患者からの生物学的試料を接触させることを包含する方法を提供する。
【0031】
別の局面では、本発明は、乳癌関連ポリペプチドを調整する化合物の同定方法であって、(i)表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである乳癌関連ポリペプチドに化合物を接触させ、そして(ii)ポリペプチドに及ぼす化合物の機能的作用を確定する過程を包含する方法を提供する。
【0032】
一実施態様では、機能的作用は物理的作用、酵素的作用または化学的作用である。
【0033】
一実施態様では、ポリペプチドは真核生物宿主細胞または細胞膜中で発現される。別の実施態様では、ポリペプチドは組換え体である。
【0034】
一実施態様では、機能的作用はポリペプチドに結合するリガンドを測定することにより確定される。
【0035】
別の局面において、本発明は、患者における乳癌を治療するための乳癌関連細胞の増殖の抑制方法であって、本明細書中に記載されたように同定された治療的有効量の化合物を被験者に投与する過程を包含する方法を提供する。
【0036】
一実施態様では、化合物は抗体である。
【0037】
別の局面において、本発明は、(i)乳癌を有する哺乳類またはそれから単離された細胞に試験化合物を投与し、(ii)処置細胞または哺乳類中の表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドの遺伝子発現のレベルを、対照細胞または哺乳類中のポリヌクレオチドの遺伝子発現のレベルと比較する過程を包含する薬剤スクリーニング検定であって、ポリヌクレオチドの発現のレベルを調整する試験化合物が乳癌の治療のための候補である検定を提供する。
【0038】
一実施態様では、対照は、試験化合物で処置されたことのない乳癌を有する哺乳類またはそれからの細胞試料である。別の実施態様では、対照は正常細胞または哺乳類である。
【0039】
一実施態様では、試験化合物は種々の量または濃度で投与される。別の実施態様では、試験化合物は種々の長さの時間で投与される。別の実施態様では、比較は薬剤候補の付加または除去後に生じ得る。
【0040】
一実施態様では、表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%同一である配列と選択的にハイブリダイズする複数のポリヌクレオチドのレベルは、対照細胞試料または哺乳類中のそれらのそれぞれのレベルと個別に比較される。好ましい実施態様では、複数のポリヌクレオチドとは3〜10個である。
【0041】
別の局面において、本発明は、乳癌を有する哺乳類の治療方法であって、本明細書中に記載された検定により同定された化合物を投与することを包含する方法を提供する。
【0042】
別の局面において、本発明は、乳癌を有する哺乳類を治療するための製剤組成物であって、本明細書中に記載された検定により同定された化合物および生理学的に許容可能な賦形剤を含む組成物を提供する。
【0043】
一局面において、本発明は、乳癌の場合と同様に上向きおよびダウンレギュレーションされる遺伝子を発現する細胞を提供することによる薬剤候補のスクリーニング方法を提供する。一実施態様では、遺伝子は表1〜25から選択される。当該方法はさらに、薬剤候補を細胞に付加し、そして発現プロフィール遺伝子の発現に及ぼす薬剤候補の作用を確定することを包含する。
【0044】
一実施態様では、薬剤候補のスクリーニング方法は、薬剤候補の非存在下での発現のレベルを薬剤候補の存在下での発現のレベルと比較することを包含するが、この場合、薬剤候補の濃度は存在する場合には変化し得るし、比較は薬剤候補の付加または除去後に生じ得る。好ましい実施態様では、細胞は、少なくとも2つの発現プロフィール遺伝子を発現する。プロフィール遺伝子は、増大または低減を示し得る。
【0045】
候補乳癌薬の作用の評価方法であって、乳癌調節タンパク質を発現するかまたは過剰発現するトランスジェニック動物に、あるいは遺伝子ノックアウトの結果として乳癌調節タンパク質を欠く動物に薬剤を投与することを包含する方法も提供される。
【0046】
さらに本明細書中で提供されるのは、表1〜25の1つまたはそれ以上の核酸セグメントを含むバイオチップであるが、この場合、バイオチップは1000より少ない核酸プローブを含む。好ましくは、少なくとも2つの核酸セグメントが含まれる。さらに好ましくは、少なくとも3つの核酸セグメントが含まれる。
【0047】
さらに、乳癌に関連した障害の診断方法が提供される。当該方法は、第一個体の第一組織型での表1〜25の一遺伝子、好ましくは表25の一遺伝子の発現を確定し、そしてその分布を、第一個体または第二非罹患個体からの第二正常組織型からの遺伝子の発現と比較することを包含する。発現の差異は、第一個体が乳癌に関連した障害を有することを示す。
【0048】
さらなる実施態様では、バイオチップは、乳癌中でアップおよびダウンレギュレーションされない遺伝子のポリヌクレオチド配列も含む。
【0049】
一実施態様では、乳癌調節タンパク質(乳癌転調タンパク質)またはその断片の結合を妨害し得る生物活性作用物質ならびに前記の乳癌転調タンパク質またはその断片と結合する抗体に関するスクリーニング方法が提供される。好ましい実施態様では、当該方法は、乳癌転調タンパク質またはその断片、候補生物活性作用物質、ならびに前記の乳癌転調タンパク質またはその断片と結合する抗体を組合せることを包含する。当該方法はさらに、前記の乳癌転調タンパク質またはその断片および前記の抗体の結合を確定することを包含する。結合に変化が認められる場合、作用物質は干渉剤として同定される。干渉剤は、アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。好ましくは作用物質は乳癌を抑制する。
【0050】
個体における免疫応答を引き出す方法も本明細書中で提供される。一実施態様では、本明細書中で提供される方法は、乳癌調節タンパク質またはその断片を含む組成物を個体に投与することを包含する。別の実施態様では、タンパク質は表1〜25のものから選択される核酸によりコードされる。
【0051】
個体における免疫応答を誘引し得る組成物が本明細書中でさらに提供される。一実施態様では、本明細書中で提供される組成物は、好ましくは表1〜25の、さらに好ましくは表25の核酸によりコードされる乳癌調節タンパク質またはその断片ならびに製薬上許容可能な担体を含む。別の実施態様では、前記の組成物は、好ましくは表1〜25の核酸から選択される乳癌調節タンパク質をコードする配列を包含する核酸ならびに製薬上許容可能な担体を含む。
【0052】
乳癌タンパク質またはその断片の作用の中和方法であって、前記タンパク質に特異的な作用物質を中和を、実行するのに十分な量で前記タンパク質と接触させることを包含する方法も提供される。別の実施態様では、タンパク質は表1〜25のものから選択される核酸によりコードされる。
【0053】
本発明の別の局面において、乳癌に関する個体の治療方法が提供される。一実施態様では、当該方法は、乳癌調節タンパク質の阻害剤を前記の個体に投与することを包含する。別の実施態様では、当該方法は、治療的成分に接合された乳癌調節タンパク質に対する抗体を乳癌を有する患者に投与することを包含する。このような治療的成分は、細胞傷害性作用物質または放射性同位元素であり得る。
【0054】
本発明の詳細な説明
前記の目的にしたがって、本発明は、乳癌(PC)、例えば転移性乳癌に関する診断および予後評価のための新規の方法を、ならびに乳癌を調節する組成物に関するスクリーニング方法を提供する。乳癌の治療方法も提供される。
【0055】
表1〜24Bは、乳癌試料中で発現増大または低減を示す遺伝子のヌクレオチド配列に関する単一遺伝子クラスター同定数を提供する。表4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、18、19、20、21および22は、乳癌細胞中でアップレギュレーションされる遺伝子を列挙する。表14は、乳癌細胞中で高度にアップレギュレーションされる遺伝子を列挙する。表1、2、3、15および23は乳癌細胞中でダウンレギュレーションされる遺伝子を列挙し、そして表16は乳癌遺伝子において高度にダウンレギュレーションされる遺伝子を列挙する。表は、単一遺伝子クラスターの一部であるヌクレオチド配列を提供する代表的な寄託番号も提供する。
【0056】
定義
「乳癌タンパク質」または「乳癌ポリヌクレオチド」または「乳癌関連転写体」という用語は、(1)表1〜25の遺伝子のまたはその遺伝子に関連したヌクレオチド配列と約60%超の大きいヌクレオチド配列同一性、65%、70%、75%、80%、85%、90%の、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%またはそれ以上のヌクレオチド配列同一性を、好ましくは少なくとも約25、50、100、200、500、1000またはそれ以上のヌクレオチドに亘って有するヌクレオチド配列を有し、(2)表1〜25の遺伝子のまたはその遺伝子に関連したヌクレオチド配列およびその保存的修飾化変異体によりコードされるアミノ酸配列を含む免疫原に対して生じた抗体、例えばポリクローナル抗体と結合し、(3)表1〜25の核酸配列またはその相補体およびその保存的修飾化変異体とストリンジェント条件下で特異的にハイブリダイズし、あるいは(4)表1〜25の遺伝子のまたは遺伝子に関連したヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と約60%超のアミノ酸配列同一性、65%、70%、75%、80%、85%、90%の、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を、好ましくは少なくとも約25、50、100、200、500、1000またはそれ以上のアミノ酸に亘って有するアミノ酸配列を有する、核酸ならびにポリペプチド多形性変異体、対立因子、突然変異体および種間相同を指す。ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列は、典型的には哺乳類、例えば霊長類、例えばヒト、齧歯類、例えばラット、マウス、ハムスター、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはその他の哺乳類からであるが、これらに限定されない。「乳癌ポリペプチド」および「乳癌ポリヌクレオチド」は、天然または組換え形態の両方を含む。
【0057】
「全長」乳癌タンパク質または核酸とは、1つまたはそれ以上の天然の野生型乳癌ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列中に普通に含入される素子すべてを含有する乳癌ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列あるいはその変異体を指す。「全長」は、翻訳後プロセシングまたはスプライシング、例えば選択的スプライシングの種々の段階の前または後であり得る。
【0058】
「生物学的試料」とは、本明細書中で用いる場合、例えば乳癌タンパク質、ポリヌクレオチドまたは転写体の核酸またはポリペプチドを含有する生物学的組織または流体の試料である。このような試料としては、霊長類、例えばヒトまたは齧歯類、例えばマウスおよびラットから単離された組織が挙げられるが、これらに限定されない。生物学的試料は、生検および剖検試料のような組織の切片、組織学的目的のために採取された凍結切片、血液、血漿、血清、痰、糞便、涙液、粘液、毛、皮膚等も含み得る。生物学的試料は、患者組織から得られる外植片ならびに一次および/または形質転換化細胞培養も含む。生物学的試料は、典型的には真核生物から、最も好ましくは哺乳類、例えば霊長類、例えばチンパンジーまたはヒト;ウシ;イヌ;ネコ;齧歯類、例えばモルモット、ラット、マウス;ウサギ;あるいは鳥類;爬虫類または魚類から得られる。
【0059】
「生物学的試料を用意する」とは、本発明に記載された方法に用いるために生物学的試料を得ることを意味する。最もしばしば、これは動物から細胞の試料を取り出すことによりなされるが、しかし予め単離された細胞(例えば別のヒトにより、別の時間に、および/または別の目的のために単離される)を用いることにより、あるいはin vivoで本発明の方法を実施することによっても成し遂げられ得る。治療または結果歴を有する保存用組織は特に有用である。
【0060】
2つまたはそれ以上の核酸またはポリペプチド配列との関係における「同一」または「同一性」パーセントという用語は、下記のデフォルトパラメーターを有するBLASTまたはBLAST2.0配列比較アルゴリズムを用いて、あるいは手動式アラインメントおよび視覚的検査により測定した場合に、同一であるか、あるいは同一とみなす特定のパーセンテージのアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する(即ち、比較ウインドウまたは意図された領域に亘って最大対応に関して比較し、一列に並べた場合に、特定領域に亘って約60%同一性、好ましくは70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の同一性)2つまたはそれ以上の配列または亜配列を指す(例えばNCBIウエブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/等を参照)。このような配列はその場合、「実質的に同一」であるといわれる。この定義は、試験配列の相補体も指すし、あるいはそれに適用され得る。当該定義は、欠失および/または付加を有する配列、ならびに置換を有するもの、ならびに天然の、例えば多形性または対立遺伝子変異体、および人工変異体も含む。下記のように、好ましいアルゴリズムはギャップ等を説明し得る。好ましくは同一性は、少なくとも約25アミノ酸またはヌクレオチド長である領域に亘って、さらに好ましくは50〜100アミノ酸またはヌクレオチド長である領域に亘って存在する。
【0061】
配列比較のために、典型的には一配列が参照配列を担い、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験および参照配列はコンピューターに入力され、必要な場合には亜配列座標が指示され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指示される。好ましくはデフォルトプログラムパラメーターが用いられ得るし、あるいは代替的パラメーターが指示され得る。配列比較アルゴリズムは次に、プログラムパラメーターに基づいて、参照配列と比較した試験配列に関する配列同一性パーセントを算定する。
【0062】
「比較ウインドウ」とは、本明細書中で用いる場合、典型的には20〜600、通常は約50〜約200、さらに通常は約100〜約150から成る群から選択される連続位置の数のうちの1つのセグメントに対する参照を含み、この場合、配列は、2つの配列が最適に一列に並べられた後に同数の連続位置の参照配列と比較され得る。比較のための配列のアラインメントの方法は、当業界で周知である。比較のための配列の最適アラインメントは、例えばSmith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482(1981)の局所的相同アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443(1970)の相同アラインメントアルゴリズムにより、Pearson & Lipman, Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444(1988)の類似性方法に関する探索により、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)のコンピューター化実装により、あるいは手動アラインメントおよび視覚的検査(Ausubel et al., eds. 1995 supplement)により実行され得る。
【0063】
配列同一性および配列類似性パーセントを確定するのに適したアルゴリズムの好ましい例としては、Altschul et al., Nuc. Acids Res. 25:3389-3402(1977)およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215: 403-410(1990)に記載されているBLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムが挙げられる。BLASTおよびBLAST2.0は、本明細書中に記載されたパラメーターとともに用いられて、本発明の核酸およびタンパク質に関する配列同一性パーセントを確定する。BLAST分析を実施するためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Information (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を介して公的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一長のワードを用いて一列に並べられた場合に、何らかの正に評価された閾値スコアTに適合するかまたはそれを満たす質問配列中の長さWの短いワードを同定することにより高スコアリング配列対(HSP)を先ず同定することを包含する。Tは、隣接ワードスコア閾値として言及される(Altschul et al.、上記)。これらの初期隣接ワードヒットは、探索を開始するためのシードとして作用して、それらを含有するより長いHSPを見つけ出す。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増大され得る限り、各配列に沿って両方向に延長される。累積スコアは、例えばヌクレオチド配列に関してはパラメーターM(一対の適正残基に関する報酬スコア;常に>0)およびN(不適正残基に関するペナルティースコア;常に<0)を用いて算定される。アミノ酸配列に関しては、スコアリングマトリクスは累積スコアを算定するために用いられる。各方向でのワードヒットの延長は、累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ減り;1つまたはそれ以上の負得点残基アラインメントの蓄積のために、累積スコアがゼロまたはそれ以下になり;またはいずれかの配列の末端が達成される場合に停止される。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を確定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列に関して)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4および両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列に関しては、BLASTPプログラムは、デフォルトとしてワード長3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリクス(Henikoff & Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915 (1989)参照)アラインメント(B)10、期待値(E)10、M=5、N=−4および両鎖の比較を用いる。
【0064】
BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計学的分析も実施する(例えばKarlin & Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787 (1993)参照)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の一測定値は最小加算確率(P(N))であり、これは確率の指標を提供し、これにより2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の適正が偶然起こる。例えば、参照核酸との試験核酸の比較における最小加算確率が約0.2未満、さらに好ましくは約0.01、最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は参照配列と類似すると考えられる。対数値は、大きな負の数、例えば5、10、20、30、40、40、70、90、110、150、170等であり得る。
【0065】
2つの核酸配列またはポリペプチドが実質的に同一であるという指標は、一次核酸によりコードされるポリペプチドが、下記のように二次核酸によりコードされるポリペプチドに対して生じる抗体と免疫学的に交差反応するということである。したがってポリペプチドは典型的には、二次ポリペプチドと実質的に同一であり、例えばこの場合、2つのペプチドは保存的置換によってのみ異なる。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、2つの分子またはそれらの相補体が、下記のようにストリンジェント条件下で互いにハイブリダイズするということである。2つの核酸配列が実質的に同一であるというさらに別の指標は、同一プライマーが配列を増幅するために用いられ得るということである。
【0066】
「宿主細胞」とは、発現ベクターを含有する天然細胞または形質転換化細胞であり、発現ベクターの複製または発現を支持する。宿主細胞は、培養細胞、外植片、in vivoでの細胞等であり得る。宿主細胞は、原核生物細胞、例えば大腸菌E. coli、あるいは真核生物細胞、例えば酵母、昆虫、両生類または哺乳類細胞、例えばCHO、HeLa等であり得る(例えばアメリカ培養細胞コレクションカタログまたはウエブサイトwww.atcc.org参照)。
【0067】
「単離された」、「精製された」または「生物学的に純粋な」という用語は、そのネイティブ状態で見出されるようなそれに通常一体化した構成成分を実質的にまたは本質的に含有しない物質を指す。純度および均質性は、典型的には、分析化学技法、例えばポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーを用いて確定される。プレパラート中に存在する優勢種であるタンパク質または核酸は、実質的に精製される。特に単離核酸は、天然には遺伝子の側面に位置し、遺伝子によりコードされるタンパク質以外のタンパク質をコードするいくつかのオープンリーディングフレームから分離される。「精製された」という用語は、いくつかの実施態様では、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲル中で本質的に1つの帯域を生じることを意味する。好ましくはそれは、核酸またはタンパク質が少なくとも85%純粋であり、さらに好ましくは少なくとも95%純粋であり、最も好ましくは少なくとも99%純粋であることを意味する。「精製する」または「精製」とは、他の実施態様では、精製される組成物から少なくとも1つの夾雑物を除去することを意味する。この意味において、精製は、精製化合物が均質である、例えば100%純粋であるということを必要としない。
【0068】
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書中では互換的に用いられて、アミノ酸残基のポリマーを指す。当該用語は、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工化学模倣物であるアミノ酸ポリマーに、ならびに修飾化残基を含有する天然アミノ酸ポリマー、そして非天然アミノ酸ポリマーに当てはまる。
【0069】
「アミノ酸」という用語は、天然および合成アミノ酸、ならびに天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣物を指す。天然アミノ酸は、遺伝暗号によりコードされたもの、ならびに後修飾されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメートおよびO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体は、天然アミノ酸と同一の基本化学構造、例えば水素に結合されるα炭素、カルボキシル基、アミノ基およびR基、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを有する化合物を指す。このような類似体は、修飾化R基(例えばノルロイシン)または修飾化ペプチド主鎖を有し得るが、しかし天然アミノ酸と同一の基本化学構造を保持する。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般的化学構造と異なる構造を有するが、しかし天然アミノ酸と同様に機能する化学化合物を指す。
【0070】
アミノ酸は、それらの一般的に既知の三文字記号により、またはIUPAC-IUB 生化学命名法委員会Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨された一文字記号により本明細書中で示され得る。ヌクレオチドは、同様に、それらの一般的に許容された単一文字暗号により示され得る。
【0071】
「保存的修飾化変異体」は、アミノ酸および核酸配列の両方に当てはまる。特定の核酸配列に関しては、保存的修飾化変異体は、同一であるかまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を、あるいは核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は、本質的に同一のまたは関連した配列、例えば天然連続配列を指す。遺伝暗号の縮重のために、多数の機能的に同一の核酸が大多数のタンパク質をコードする。例えばコドンGCA、GCC、GCGおよびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコードする。したがってアラニンがコドンにより指定されるすべての位置で、コドンは、コード化ポリペプチドを変えることなく記載された対応するコドンのもうひとつのものに変更され得る。このような核酸変異は「サイレント変異」であり、これは保存的修飾化変異の一種である。ポリペプチドをコードする本明細書中のすべての核酸配列は、核酸のサイレント変異も説明する。ある種の状況では、核酸中の各コドン(普通はメチオニンに関する唯一のコドンであるAUGおよび普通はトリプトファンに関する唯一のコドンであるTGGを除く)は、機能的に同一の分子を生じるよう修飾され得る、ということを熟練者は認識する。したがってしばしば、ポリペプチドをコードする核酸のサイレント変異は、発現産物に関して記載された配列中に内在するが、しかし実際のプローブ配列に関しては内在しない。
【0072】
アミノ酸配列に関しては、コード化配列中の単一アミノ酸またはアミノ酸のごく一部を変更、付加または欠失する核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加が、「保存的修飾化変異体」であり、この場合、変更は化学的類似アミノ酸によるアミノ酸の置換を生じる、と熟練者は認識する。機能的類似アミノ酸を提示する保存的置換表は、当業界で周知である。このような保存的修飾化変異体は、本発明の多形性変異体、種間相同体、ならびに対立遺伝子に加わる。一方に対する典型的な保存的置換は以下の通りである:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リシン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、トレオニン(T)、および8)システイン(C)、メチオニン(M)である(例えばCreighton, Proteins (1984)参照)。
【0073】
高分子構造、例えばポリペプチド構造は、種々のレベルの構造の観点で記載され得る。この構造の一般的考察に関しては、例えばAlberts et al., Molecular Biology of the Cell (3rd ed., 1994) およびCantor & Schimmel, Biophysical Chemistry Part I: The Conformation of Biological Macromolecules (1980)を参照されたい。「一次構造」とは、特定ペプチドのアミノ酸配列を指す。「二次構造」とは、ポリペプチド内の局所的に秩序のとれた三次元構造を指す。これらの構造は、ドメインとして一般的に既知である。ドメインは、コンパクトな単位のポリペプチドをしばしば形成し、典型的には25〜約500アミノ酸長であるポリペプチドの部分である。典型的ドメインは、βシートおよびαらせんの鎖のようなより低次構造の区画から構成される。「三次構造」とは、ポリペプチドモノマーの完全三次元構造を指す。「四次構造」とは、通常はここの三次単位の非共有的会合により形成される三次元構造を指す。異方性用語は、エネルギー用語としても既知である。
【0074】
本明細書中で用いられる「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」あるいは文法的等価物は、一緒に共有結合される少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドは、典型的には5、6、7、8、9、10、12、15、25、30、40、50またはそれ以上のヌクレオチド長、約100までのヌクレオチド長である。核酸およびポリヌクレオチドは、任意の長さの、例えばより長い長さの、例えば200、300、500、1000、2000、3000、5000、7000、10,000等の長さのポリマーである。本発明の核酸は一般にホスホジエステル結合を含有するが、しかしいくつかの場合、例えばホスホルアミデート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートまたはO−メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press参照)を含む代替的主鎖、ならびにペプチド核酸主鎖および結合を有し得る核酸類似体が含まれる。その他の類似体核酸としては、正の主鎖、非イオン性主鎖および非リボース主鎖を有するもの、例えば米国特許第5,235,033号および第5,034,506号ならびにChapters 6 and 7, ASC Symposium Series 580, Carbohydrate Modifications in Antisense Research, Sanghui & Cook, eds.に記載されたものが挙げられる。1つまたはそれ以上の炭素環式糖を含有する核酸も、核酸の一定義内に含まれる。リボース−リン酸塩主鎖の修飾は、種々の理由のために、例えば生理学的環境中でのこのような分子の安定性および半減期を増大するために、またはバイオチップ上のプローブとして実行され得る。天然核酸および類似体の混合物が作製され得るし、あるいは異なる核酸類似体の混合物、ならびに天然核酸および類似体の混合物が作成され得る。
【0075】
種々の参考文献は、このような核酸類似体、例えばホスホルアミデート(Beaucage et al., Tetrahedron 49(10): 1925 (1993)およびその中の参考文献; Letsinger, J. Org. Chem. 35: 3800 (1970); Sprinzl et al., Eur. J. Biochem. 81: 579 (1977); Letsinger et al., Nucl. Acids Res. 14: 3487 (1986); Sawai et al., Chem. Lett. 805 (1984), Letsinger et al., J. Am. Chem. Soc. 110:4470 (1988);およびPauwels et al., Chemica Scripta 26: 141 (1986))、ホスホロチオエート(Mag et al., Nucleic Acids Res. 19: 1437 (1991)および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu et al., J. Am. Chem. Soc. 111: 2321 (1989))またはO−メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press参照)、ならびにペプチド核酸主鎖および結合(Egholm, J. Am. Chem. Soc. 114: 1895 (1992); Meier et al., Chem. Int. Ed. Engl. 31: 1008 (1992); Nielsen, Nature, 365: 566 (1993); Carlsson et al., Nature 380: 207 (1996)参照)(これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)を開示する。その他の類似体核酸としては、正の主鎖(Denpcy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 6097 (1995))、非イオン性主鎖(米国特許第5,386,023号、第5,637,684号、第5,602,240号、第5,216,141号および第4,469,863号;Kiedrowshi et al., Angew. Chem. Intl. Ed. English 30: 423 (1991); Letsinger et al., J. Am. Chem. Soc. 110: 4470 (1988); Letsinger et al., Nucleoside & Nucleotide 13: 1597 (1994); Chapters 2 and 3, ASC Symposium Series 580, “Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Ed. Y.S. Sanghui and P.Dan Cook; Mesmaeker et al., Bioorganic & Medicinal Chem. Lett. 4: 395 (1994); Jeffs et al., J. Biomolecular NMR 34: 17 (1994); Tetrahedron Lett. 37: 743 (1996))および非リボース主鎖を有するもの、例えば米国特許第5,235,033号および第5,034,506号ならびにChapters 6 and 7, ASC Symposium Series 580, “Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Ed. Y.S. Sanghui and P.Dan Cookに記載されたものが挙げられる。1つまたはそれ以上の炭素環式糖を含有する核酸も、核酸の一定義内に含まれる(Jenkins et al., Chem. Soc. Rev. (1995) pp169-176参照)。いくつかの核酸類似体は、Rawls, C & E News June 2, 1997 page35に記載されている(これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。
【0076】
特に好ましいのは、ペプチド核酸類似体を包含するペプチド核酸(PNA)である。これらの主鎖は、天然核酸の高荷電ホスホジエステル主鎖と対照して、中性条件下で実質的に非イオン性である。これは2つの利点を生じる。第一に、PNA主鎖は、ハイブリダイゼーション速度を向上させる。PNAは、ミスマッチ対完璧に正しい塩基対に関し融解温度(Tm)におけるより大きな変化を示す。DNAおよびRNAは、典型的には内部ミスマッチに関しTmの2〜4℃低下を示す。非イオン性PNA主鎖に関しては、低下は7〜9℃により近い。同様に、それらの非イオン性のために、これらの主鎖に結合された塩基のハイブリダイゼーションは、相対的に塩濃度に無感応性である。さらにPNAは細胞酵素により分解されず、したがってより安定であり得る。
【0077】
核酸は、明記されているように一本鎖または二本鎖であり得るし、あるいは二本鎖または一本鎖配列の一部を含有する。当業者に理解されるように、一本鎖についての記述は相補鎖の配列も規定し、したがって本明細書中に記載された配列は配列の相補体も提供する。核酸は、ゲノムおよびcDNAの両方のDNA、RNAまたはハイブリッドであり得るが、この場合、核酸はデオキシリボ−およびリボ−ヌクレオチドの組合せ、ならびに塩基、例えばウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、イソグアニン等の組合せを含有し得る。「転写体」とは、典型的には天然RNA、例えばプレmRNA、hnRNAまたはmRNAを指す。本明細書中で用いる場合、「ヌクレオシド」という用語は、ヌクレオチドおよびヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体、ならびに修飾化ヌクレオシド、例えばアミノ修飾化ヌクレオシドを包含する。さらに「ヌクレオシド」は、非天然類似体構造物を包含する。したがって、例えば各々塩基を含有するペプチド核酸の個々の単位は、本明細書中ではヌクレオシドと呼ばれる。
【0078】
「標識」または「検出可能部分」とは、分光測光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的またはその他の物理的手段により検出可能な組成物である。例えば有用な標識としては、32P、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えばELISAで一般的に用いられるような)、ビオチン、ジゴキシゲニンまたはハプテンおよびタンパク質あるいは例えばペプチド中に放射性標識を組み入れることにより検出可能にされ得るか、あるいはペプチドと特異的に反応する抗体を検出するために用いられ得るその他の存在物が挙げられる。標識は、任意の位置で乳癌核酸、タンパク質および抗体中に組み入れられ得る。抗体と標識との接合に関して当業界で既知の方法、例えばHunter et al., Nature, 144: 945 (1962); David et al., Biochemistry, 13: 1014 (1974); Paint et al., J. Immunol. Meth., 40: 219 (1981);およびNygren, J. Histochem. And Cytochem., 30: 407 (1982)に記載された方法が用いられ得る。
【0079】
「エフェクター」または「エフェクター部分」または「エフェクター構成成分」とは、リンカーまたは化学結合により共有的に、あるいはイオン、ファンデルワールス、静電または水素結合により非共有的に、抗体に結合(または連結または接合)される分子である。「エフェクター」は、種々の分子、例えば放射性化合物、蛍光化合物、酵素または基質、タグ、例えばエピトープタグ、毒素を含む検出部分;活性化可能部分、化学療法剤;リパーゼ;抗生物質;または「強力な」、例えばβ放射線を放射する放射性同位元素であり得る。
【0080】
「標識化核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」とは、プローブの存在がプローブに結合された標識の存在を検出することにより検出され得るよう、リンカーまたは化学結合により共有的に、あるいはイオン、ファンデルワールス、静電または水素結合により非共有的に、標識に結合されるものである。あるいは高親和性相互作用を用いる方法は同一結果を達成し得るが、この場合、一対の結合相手の一方が、他方に、例えばビオチン、ストレプタビジンに結合する。
【0081】
本明細書中で用いる場合、「核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド」とは、1つまたはそれ以上の種類の化学結合により、通常は相補的塩基対合により、通常は水素結合形成により、相補的配列の標的核酸に結合し得る核酸と定義される。本明細書中で用いる場合、プローブは、天然(即ちA、G、CまたはT)または修飾化塩基(7−デアザグアノシン、イノシン等)を包含し得る。さらにプローブ中の塩基は、それが機能的にハイブリダイゼーションを妨げない限り、ホスホジエステル結合以外の結合により連結され得る。したがって、例えばプローブは、構成要素塩基がホスホジエステル結合というよりむしろペプチド結合により連結されるペプチド核酸であり得る。プローブは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーによって、プローブ配列との完全相補性を欠く標的配列を結合し得る、と当業者に理解される。プローブは、好ましくは例えば同位元素、発色団、発光団、色原体を用いて直接的に標識され、あるいは例えばストレプタビジン複合体が後に結合し得るビオチンを用いて間接的に標識される。プローブの存在または非存在に関して検定することにより、選択配列または亜配列の存在または非存在を検出し得る。診断または予後は、ゲノムレベルで、あるいはRNAまたはタンパク質発現のレベルで築き上げられる。
【0082】
「組換え体」という用語は、例えば細胞または核酸、タンパク質またはベクターに関して用いられる場合、異種核酸またはタンパク質の導入あるいはネイティブ核酸またはタンパク質の変更により、細胞、核酸、タンパク質またはベクターが修飾されているということを、あるいは、細胞がそのように修飾された細胞に由来するということを示す。したがって例えば組換え体細胞は、ネイティブ(非組換え体)形態の細胞内には見出されない遺伝子を発現し、あるいはそうでなければ異常に発現されか、低発現されるかまたはまったく発現されないネイティブ遺伝子を発現する。「組換え核酸」という用語は、本明細書中では、天然に普通では見いだされない形態で、例えばポリメラーゼおよびエンドヌクレアーゼを用いて、一般に核酸の操作により最初はin vitroで生成された核酸を意味する。このようにして、異なる配列の操作可能的連結が達成される。したがって単離核酸(線状形態の)、あるいは普通は連結されないDNA分子を結繋することによりin vitroで生成される発現ベクターは、ともに本発明の目的のための組換え体と考えられる。一旦組換え核酸が作製され、宿主細胞または生物体中に再導入されれば、それは非組換え的に、即ちin vitro操作というよりむしろ宿主細胞のin vivo細胞機械を用いて複製する、と理解される。しかしながらこのような核酸は、組換え的に一旦生成され、しかしその後非組換え的に複製された場合、依然として本発明の目的のための組換え体であると考えられる。同様に、「組換えタンパク質」は、組換え技術を用いて、即ち前記のような組換え核酸の発現により作製されたタンパク質である。
【0083】
「異種の」という用語は、核酸の部分に関して用いられる場合、核酸が、現実には互いに対する同一の関係においては普通は見出されない2つまたはそれ以上の亜配列を含む、ということを示す。例えば核酸は、典型的には組換え的に産生され、例えば新規の機能的核酸、例えばある起源由来のプロモーターと別の起源由来からのコード領域を作製するよう整列された無関係な遺伝子からの2つまたはそれ以上の配列を有する。同様に異種タンパク質はしばしば、現実には互いに対する同一の関係においては見出されない2つまたはそれ以上の亜配列を指す(例えば融合タンパク質)。
【0084】
「プロモーター」とは、核酸の転写を指図する核酸制御配列のアレイと定義される。本明細書中で用いる場合、プロモーターは、転写の開始部位近くの必要な核酸配列、例えばポリメラーゼII型プロモーターの場合には、TATA素子を包含する。プロモーターは、任意に、転写の開始部位から数千塩基対という遠くに位置し得る遠位のエンハンサーまたはリプレッサー素子も包含する。「構成性」プロモーターは、ほとんどの環境および発育条件下で活性であるプロモーターである。「誘導可能」プロモーターは、環境または発達調節下で活性であるプロモーターである。「操作可能的に連結される」という用語は、核酸発現制御配列(例えばプロモーター、あるいは転写因子結合部位のアレイ)と二次核酸配列との間の機能的結合を指すが、この場合、発現制御配列は、二次配列に対応する核酸の転写を指図する。
【0085】
「発現ベクター」は、宿主細胞中の特定の核酸の転写を可能にする一連の特定の核酸素子を用いて、組換え的または合成的に生成される核酸構築物である。発現ベクターは、プラスミド、ウイルスまたは核酸断片の一部であり得る。典型的には、発現ベクターは、プロモーターと操作可能的に連結される転写去るべき核酸を包含する。
【0086】
「〜と選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする」という語句は、その配列が複合混合物(例えば全体的細胞またはライブラリーDNAまたはRNA)中に存在する場合、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で特定のヌクレオチド配列に対してのみある分子を結合し、二重にし、またはハイブリダイズすることを指す。
【0087】
「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」という語句は、典型的には核酸の複合混合物中で、プローブがその標的亜配列とハイブリダイズするが、しかし他の配列とはハイブリダイズしない条件を指す。ストリンジェント条件は配列依存性であり、環境毎に異なる。長い配列ほど、高温で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な指針は、Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Probes, “Overview of principles of hybridization and strategy of nucleic acid assays” (1993)に見出される。一般に、ストリンジェント条件は、規定のイオン強度pHで特定の配列の熱融点(Tm)より約5〜10℃低いように選択される。Tmは、標的と相補的なプローブの50%が平衡状態(標的配列が余分に存在する場合、Tmで、プローブの50%が平衡状態で占められる)で標的配列とハイブリダイズする温度(限定イオン強度、pHおよび核濃度下で)である。ストリンジェント条件は、塩濃度がpH7.0〜8.3で約1.0 M未満のナトリウムイオン、典型的には約0.01〜1.0 Mナトリウムイオン濃度(またはその他の塩)であり、温度は短いプローブ(例えば10〜50ヌクレオチド)に関しては少なくとも約30℃であり、長いプローブ(例えば50ヌクレオチドより大きい)に関しては少なくとも約60℃である。ストリンジェント条件は、脱安定化剤、例えばホルムアミドの付加を用いても達成され得る。選択的または特異的ハイブリダイゼーションに関しては、正のシグナルはバックグラウンドの少なくとも2倍、好ましくはバックグラウンドの10倍のハイブリダイゼーションである。典型的なストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、以下のとおりであり得る:50%ホルムアミド、5x SSCおよび1%SDS、42℃でインキュベート、または5x SSC、1%SDS、65℃でインキュベート、0.2xSSC中で洗浄および65℃で0.1%SDS。PCRに関しては、約36℃の温度が低ストリンジェント増幅のために典型的であるが、しかしアニーリング温度は、プライマー長によって約32℃〜48℃の間で変わり得る。高ストリンジェントPCR増幅に関しては、約62℃の温度が典型的であるが、しかし高ストリンジェントアニーリング温度は、プライマー長および特異性によって約50℃〜約65℃の範囲であり得る。高および低ストリンジェント増幅の両方に関する典型的周期条件としては、90℃〜95℃で30秒〜2分間の変性期、30秒〜2分間持続するアニーリング期および約72℃で1〜2分間の伸長期が挙げられる。低および高ストリンジェント増幅に関するプロトコールおよび指針は、例えばInnis et al. (1990) PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, Academic Press, Inc. N.Y.に提示されている。
【0088】
ストリンジェント条件下で互いにハイブリダイズしない核酸でも、それらがコードする核酸が実質的に同一である場合には、依然として実質的に同一である。これは、例えば核酸のコピーが、遺伝暗号により可能にされる最大コドン縮重を用いて作製される場合に起こる。このような場合、核酸は典型的には、中等度ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。例示的「中等度ストリンジェントハイブリダイズ条件」としては、37℃で40%ホルムアミド、1 MNaCl、1%SDSの緩衝液中でのハイブリダイゼーション、ならびに45℃で1X SSC中での洗浄が挙げられる。正のハイブリダイゼーションは、バックグラウンドの少なくとも2倍である。代替的ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、同様のストリンジェントの条件を提供するために利用され得る、ということを熟練者は容易に認識する。ハイブリダイゼーションパラメーターを確定するための付加的指針は、多数の参考文献中で、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, ed. Ausubel, et al.に提示されている。
【0089】
乳癌タンパク質の活性を調節する試験化合物に関する検定の情況における「機能的作用」という語句は、間接的または直接的に乳癌タンパク質または核酸の影響下にあるパラメーター、例えば機能的、物理的または化学的作用、例えば乳癌を低減する能力の確定を包含する。それは、リガンド結合活性;軟寒天上での細胞増殖;足場依存性;増殖の接触抑制および密度限定;細胞増殖;細胞形質転換;増殖因子または血清依存性;腫瘍特異的マーカーレベル;マトリゲル中への侵襲性;in vivoでの腫瘍増殖および転移;転移を受けている細胞中でのmRNAおよびタンパク質発現;ならびに乳癌細胞のその他の特徴を包含する。「機能的作用」としては、in vitro、in vivoおよびex vivo活性が挙げられる。
【0090】
「機能的作用を決定する」とは、間接的または直接的に乳癌タンパク質配列の影響下にあるパラメーター、例えば機能的、酵素的、物理的または化学的作用を増大または低減する化合物に関して検定することを意味する。このような機能的作用は、当業者に既知の任意の手段により、例えばタンパク質に関する分光測光的特徴(例えば蛍光、吸光、屈折率)、流体力学的(例えば形状)、クロマトグラフィー的または溶解特性の変化により測定されて、乳癌タンパク質の誘導可能マーカーまたは転写活性を測定し;結合活性または結合検定、例えば抗体またはその他のリガンドに対する結合を測定し;そして細胞増殖を測定し得る。乳癌に及ぼす化合物の機能的作用の確定は、当業者に既知の乳癌検定、例えばin vitro検定、例えば軟寒天上での細胞増殖;足場依存性;増殖の接触抑制および密度限定;細胞増殖;細胞形質転換;増殖因子または血清依存性;腫瘍特異的マーカーレベル;マトリゲル中への侵襲性;in vivoでの腫瘍増殖および転移;転移を受けている細胞中でのmRNAおよびタンパク質発現;ならびに乳癌細胞のその他の特徴を用いても実施され得る。機能的作用は当業者に既知の多数の手段により、例えば形態学的特徴における変化の定量的または定性的測定、乳癌関連配列に関するRNAまたはタンパク質レベルにおける変化の測定、RNA安定性の測定、例えば化学発光、蛍光、比色反応、抗体結合、誘導可能マーカーおよびリガンド結合検定による下流またはレポーター遺伝子発現(CAT、ルシフェラーゼ、β−gal、GFP等)の同定により評価され得る。
【0091】
乳癌ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の「阻害剤」、「活性剤」および「モジュレーター」とは、乳癌ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列のin vitroおよびin vivo検定を用いて同定される分子または化合物を活性化、抑制または調整することを指すために用いられる。阻害剤は、例えば結合して活性を部分的にまたは全体的に遮断し、活性化を低減し、阻止し、遅延し、不活性化し、脱感作し、あるいは乳癌タンパク質の活性または発現をダウンレギュレーションする化合物、例えばアンタゴニストである。アンチセンス核酸は、タンパク質の発現およびその後の機能を抑制すると思われる。「活性剤」とは、乳癌タンパク質活性を増大し、開放し、活性化し、促進し、活性化を強化し、感作し、作動しまたはアップレギュレーションする化合物である。阻害剤、活性剤またはモジュレーターは、遺伝子修飾化バージョンの乳癌タンパク質、例えば活性変更を有するバージョン、ならびに天然および合成リガンド、アンタゴニスト、アゴニスト、抗体、小化学分子等も包含する。阻害剤および活性剤に関するこのような検定としては、前記のように例えば細胞中または細胞膜においてin vitroで乳癌タンパク質を発現し、推定モジュレーター化合物を適用し、そして次に活性に及ぼす機能的作用を確定することを包含する。乳癌の活性剤および阻害剤は、乳癌細胞を試験化合物とともにインキュベートし、そして1つまたはそれ以上の乳癌タンパク質、例えば1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50またはそれ以上の乳癌タンパク質、例えば表1〜25に記述された配列によりコードされる乳癌タンパク質の発現における増大または低減を確定することによっても同定され得る。
【0092】
考え得る活性剤、阻害剤またはモジュレーターで処置される乳癌タンパク質を含む試料または検定は、抑制の程度を検査するために、阻害剤、活性剤またはモジュレーターを用いない対照試料と比較される。対照試料(阻害剤で非処置)には、100%の比タンパク質活性を割り当てる。ポリペプチドの抑制は、対照と比較した活性値が約80%、好ましくは50%、さらに好ましくは25〜0%である場合に達成される。乳癌ポリペプチドの活性化は、対照(活性剤で非処置)と比較した活性値が約110%、さらに好ましくは150%、さらに好ましくは200〜500%(即ち、対照に比して2〜5倍高い)、さらに好ましくは1000〜3000%以上である場合に達成される。
【0093】
「細胞増殖における変化」という語句は、in vitroまたはin vivoでの細胞成長および増殖特性における任意の変化、例えば病巣の形成、足場非依存性、半固体または軟寒天増殖、増殖の接触抑制および密度限定における変化、増殖因子または血清要件の損失、細胞形態の変化、固定化の獲得または損失、腫瘍特異的マーカーの獲得または損失、適切な動物宿主中に注入された場合に腫瘍を形成または抑制する能力、および/または細胞の固定化を指す(例えばFreshney, Culture of Animal Cells a Manual of Basic Technique pp.231-241(3rd ed. 1994)参照)。
【0094】
「腫瘍細胞」とは、腫瘍中の前癌、癌および正常細胞を指す。
【0095】
組織培養中の「癌細胞」、「形質転換化」細胞または「形質転換」とは、新規の遺伝物質の取り込みを必ずしも包含しない自発性または誘導化表現型変化を指す。形質転換は、形質転換ウイルスによる感染および新規ゲノムDNAの組入れ、または外因性DNAの取り込みから生じ得るが、しかしそれは自発的に、あるいは発癌物質への曝露後にも生じ、それにより内因性遺伝子を突然変異化する。形質転換は、表現型変化、例えば細胞の固定化、異所性増殖制御、非形態学的変化および/または悪性疾患に関連する(例えばFreshney, Culture of Animal Cells a Manual of Basic Technique pp.231-241(3rd ed. 1994)参照)。
【0096】
「抗体」とは、抗原を特異的に結合し、認識する免疫グロブリン遺伝子またはその断片からの枠組み構造領域を含むポリペプチドを指す。認識免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常部遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変部遺伝子が挙げられる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δまたはεと分類され、これは順次、免疫グロブリンのIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEクラスをそれぞれ限定する。典型的には、抗体またはその機能的等価物の抗原結合領域は、結合の特異性および親和性において最も重要である(Paul, Fundamental Immunology参照)。
【0097】
例示的免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、2つの同一対のポリペプチド鎖からなり、各対は1つの「軽」(約25 kD)および1つの「重」鎖(約50〜70 kD)を有する。各鎖のN末端は、主として抗原認識に関与する約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変部を規定する。可変性軽鎖(VL)および可変性重鎖(VH)という用語は、それぞれこれらの軽および重鎖を指す。
【0098】
抗体は、例えば無傷免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼを用いた消化により生成される多数の十分に特性決定された断片として存在する。したがって、例えばペプシンは、ヒンジ部中のジスルフィド結合以下で抗体を消化して、それ自体がジスルフィド結合によりVH−CH1に連結された軽鎖であるFabの二量体であるF(ab)‘2を生成する。F(ab)‘2は、低刺激性条件下で還元されて、ヒンジ部中のジスルフィド結合を破壊し、それによりF(ab)‘2二量体をFab’単量体に転換し得る。Fab’単量体は、本質的にはヒンジ部の一部を有するFabである(Fundamental Immunology (Paul edl., 3rd ed. 1993参照)。種々の抗体断片は無傷抗体の消化に関して規定されるが、しかし、このような断片は、化学的にまたは組換えDNA技術を用いることによりde novoで合成され得る、と当業者は理解する。したがって、抗体という用語は、本明細書中で用いる場合、抗体まるごとの修飾により生成される抗体断片、または組換えDNA法を用いてde novoで合成されるもの(例えば一本鎖Fv)、あるいはファージ表示ライブラリーを用いて同定されるものも包含する(例えばMcCafferty et al., Nature 348: 552-554 (1990)参照)。
【0099】
抗体、例えば組換え、モノクローナルまたはポリクローナル抗体の調製のために、当業界で既知の多数の技法が用いられ得る(例えばKohler & Milstein, Nature 256: 495-497 (1975); Kozbor et al., Immunology Today 4: 72 (1983); Cole et al., pp. 77-96 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy (1985); Coligan, Current Protocols in Immunology (1991); Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (1988);およびGoding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice (2d ed. 1986)参照)。一本鎖抗体の産生のための技法(米国特許第4,946,778号)は、本発明のポリペプチドに対する抗体を産生するために適合され得る。さらに、トランスジェニックマウスまたはその他の生物体、例えばその他の哺乳類を用いて、ヒト化抗体を発現し得る。あるいはファージ表示技法を用いて、選定抗原と特異的に結合する抗体および異なった化学構造を有するFab断片を同定し得る(例えばMcCafferty et al., Nature 348: 552-554 (1990);Marks et al., Biotechnology 10: 779-783 (1992)参照)。
【0100】
「キメラ抗体」とは、(a)抗原結合部位(可変部)が異なるまたは変更されたクラスのエフェクター機能および/または種の定常部、あるいはキメラ抗体に新規の特性を付与する全体的に異なる分子に連結されるよう、定常部またはその一部分が、変更され、置換されまたは交換されるか;あるいは(b)可変部またはその一部分が、異なるまたは変更された抗原特異性を有する可変部を用いて変更され、置換され、または交換される抗体分子である。
【0101】
乳癌関連配列の同定
一局面において、遺伝子の発現レベルは、発現プロフィールを提供するために、診断情報が所望される異なる患者試料において確定される。特定の試料の発現プロフィールは、本質的には試料の状態の「指紋(フィンガープリント)」である。2つの状態は同様に発現される任意の特定遺伝子を有し得るが、しかし同時的な多数の遺伝子の評価は、細胞の状態の特徴である遺伝子発現プロフィールの生成を可能にする。即ち、正常組織(例えば正常乳房組織またはその他の組織)は乳房の癌組織または転移性癌組織と区別され得るし、あるいは乳癌組織または転移性乳癌組織は、生存癌患者からの乳房およびその他の組織の組織試料と比較され得る。既知の異なる乳癌状態における組織の発現プロフィールを比較することにより、これらの状態の各々において重要である遺伝子に関する情報(例えば遺伝子の上向きおよびダウンレギュレーション)が得られる。
【0102】
乳癌対非乳癌組織中で示差的に発現される配列の同定は、多数の方法でのこの情報の使用を可能にする。例えば特定の治療レジメンが評価される:化学療法薬は特定の患者における乳癌を、したがって腫瘍増殖または再発をダウンレギュレーションするよう作用する。同様に、患者試料を既知の発現プロフィールと比較することにより、診断および治療結果が実行されまたは確証され得る。転移組織はさらに、組織中の乳癌の段階を確定するために分析され得る。さらにこれらの遺伝子発現プロフィール(または個々の遺伝子)は、特定の発現プロフィールを模倣するかまたは変更するために肉眼による薬剤候補のスクリーニングを可能にする。例えばスクリーニングは、乳癌発現プロフィールを抑制する薬剤に関して実行され得る。これは、重要な乳癌遺伝子組を含むバイオチップを作製し、これが次にこれらのスクリーン中に用いられ得ることにより、実行され得る。これらの方法は、タンパク質を基礎にしても実行され得る。即ち、乳癌タンパク質のタンパク質発現レベルが診断目的のために、または候補作用物質をスクリーニングするために評価され得る。さらに、アンチセンス核酸の投与を含めて、乳癌核酸配列が遺伝子療法目的のために投与され得るし、あるいは乳癌タンパク質(抗体およびそれらのその他のモジュレーターを含む)が治療薬として投与され得る。
【0103】
したがって本発明は、本明細書中で「乳癌配列」と呼ばれる乳癌中で示差的に発現される核酸およびタンパク質配列を提供する。以下で略記されるように、乳癌配列は、乳癌中でアップレギュレーションされる(即ち高レベルで発現される)もの、ならびにダウンレギュレーションされる(即ち低レベルで発現される)ものを包含する。好ましい実施態様では、乳癌配列はヒトからである。しかしながら当業者に理解されるように、その他の生物体からの乳癌配列は、疾患および薬剤評価の動物モデルに有用であり得る。したがってその他の乳癌配列が、脊椎動物、例えば哺乳類、例えば齧歯類(ラット、マウス、ハムスター、モルモット等)、霊長類、家畜動物(例えばヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ等)ならびにペット(例えばイヌ、ネコ等)から提供される。その他の生物体からの乳癌配列は、下記の技法を用いて得られる。
【0104】
乳癌配列は、核酸およびアミノ酸配列の両方を包含し得る。当業者により理解されるように、そして以下でさらに詳細に記載されるように、乳癌核酸配列は、種々の用途、例えば天然核酸を検出する診断的用途、ならびにスクリーニング用途、例えば核酸プローブを含むバイオチップまたは乳癌配列に対する選定プローブを有するPCRマイクロタイタープレートが生成され得る。
【0105】
乳癌配列は、本明細書中に記載された乳癌配列に対する実質的核酸および/またはアミノ酸配列相同により、最初に同定され得る。このような相同は、全体的核酸またはアミノ酸配列を基礎にし得るし、そして一般的に相同プログラムまたはハイブリダイゼーション条件を用いて、下記のように確定される。
【0106】
乳癌関連配列を同定するために、乳癌スクリーンは、典型的には異なる組織中で、例えば正常および癌組織中で、または転移性疾患対非転移性組織を有する患者からの腫瘍組織試料中で同定される遺伝子を比較することを包含する。その他の適切な組織比較は、乳癌試料を、他の癌、例えば肺癌、乳癌、胃腸癌、卵巣癌等からの転移性癌試料と比較することを包含する。乳癌の異なる段階の試料、例えば生存組織、薬剤耐性状態および転移を受けている組織が、核酸プローブを含むバイオチップに適用される。試料は、適用可能である場合には、先ず顕微解剖され、そしてmRNAの調製のために当業界で既知のように処理される。適切なバイオチップは、例えばAffymetrixから市販されている。本明細書中に記載されたような遺伝子発現プロフィールが生成され、データが分析される。
【0107】
一実施態様では、正常および疾患状態間のような発現における変化を示す遺伝子が、その他の正常組織、好ましくは正常乳房、例えば肺、心臓、脳、肝臓、乳房、腎臓、筋肉、結腸、小腸、大腸、脾臓、骨および胎盤(これらに限定されない)中で発現される遺伝子と比較される。好ましい実施態様では、その他の組織中で任意の有意量で発現される乳癌スクリーン中に同定される遺伝子はプロフィールから除去されるが、しかしいくつかの実施態様では、これは必要でない。即ち、薬剤に関してスクリーニングする場合、考え得る副作用を最小限にするために、標的は疾患特異的であるのが通常は好ましい。
【0108】
好ましい実施態様では、乳癌配列は、乳癌中でアップレギュレーションされるものである。即ち、これらの遺伝子の発現は、非癌組織と比較した場合、乳癌組織中でより高い。「アップレギュレーション」とは、本明細書中で用いる場合、少なくとも約2倍の変化、好ましくは少なくとも約3倍の変化をしばしば意味し、少なくとも約5倍またはそれ以上であるのが好ましい。本明細書中の単一遺伝子クラスター同定数および寄託番号はすべて、GenBank配列データベースに関するものであり、そして寄託番号の配列は、参照により本明細書中に含まれる。GenBankは当業界で既知である(例えばBenson, DA, et al., Nucleic Acids Research 26: 1-7 (1998)およびhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/参照)。配列は、他のデータベース、例えばEuropean Molecular Biology Laboratory (EMBL)およびDNA Database of Japan (DDBJ)でも利用可能である。米国特許出願第09/687,576号(本出願と同一譲渡人)はさらに、関連配列、組成物、ならびに乳癌の診断および治療の方法を開示する(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。
【0109】
別の好ましい実施態様では、乳癌配列は乳癌中でダウンレギュレーションされるものである。即ち、これらの遺伝子の発現は、非癌組織と比較した場合、乳癌組織中でより低い(例えば表1、2、3、15、16等参照)。「ダウンレギュレーション」とは、本明細書中で用いる場合、少なくとも約2倍の変化、好ましくは少なくとも約3倍の変化をしばしば意味し、少なくとも約5倍またはそれ以上であるのが好ましい。
【0110】
インフォマティック
乳癌中で過剰または低発現される遺伝子を同定する能力は、さらに、診断、療法、薬剤開発、薬理遺伝学、タンパク質構造、バイオセンサー開発の領域およびその他の関連領域において用いられ得る高分解能、高感度データセットを提供し得る。例えば発現プロフィールは、乳癌患者の診断または予後評価に用いられ得る。あるいは別の例として、細胞以下の毒物学的情報は、薬物構造および活性相互関係を良好に指図するために生成され得る(Anderson, Pharmaceutical Proteomics: Targets, Mechanism, and Function(IBC Proteomics conference, Coronado, CA (June 11-12, 1998)で示された論文)参照)。細胞以下の毒素学的情報は、化学的曝露のありそうな毒物学的作用およびありそうな耐容可能な曝露閾値を予測するために、生物学的センサー装置にも利用され得る(米国特許第5,811,231号参照)。同様の利点は、その他の生物分子および生物活性作用物質(例えば核酸、糖、脂質、薬剤等)に関連したデータセットから生じる。
【0111】
したがって別の実施態様では、本発明は、少なくとも1組の検定データを含むデータベースを提供する。データベース中に含入されるデータは、例えば単独でまたはライブラリーフォーマットでアレイ分析を用いて獲得される。データベースは、実質的には、データが保持され、伝達され得る任意の形態であり得るが、しかし好ましくは電子データベースである。本発明の電子データベースは任意の電子装置で保持されて、パーソナルコンピューターのようなデータベースの記憶およびアクセスを可能にするが、しかし好ましくはWorld Wide Webのような広域ネットワークで配分される。
【0112】
ペプチド配列データを含むデータベース上の本節の焦点は、説明を明快にするためだけである。同様のデータベースは本発明の検定を用いて獲得される任意の検定データに関して収集され得る、ということは当業者には明らかである。
【0113】
乳癌を蒙っている生物学的試料からの種々の分子および高分子種の相対および/または絶対量を同定しおよび/または定量するための組成物および方法、即ち本明細書中に記載された乳癌関連配列の同定は、病理学的状態、疾患に対する素因、薬剤試験、療法モニタリング、遺伝子−疾患因果関係、免疫および生理学的状態等の相関物の同定と相互に関連され得る多量の情報を提供する。本発明の検定から生成されるデータは手動検査および分析に適しているが、しかし好ましい実施態様では、高速コンピューターを用いた従来データ処理が利用される。
【0114】
生物分子情報に索引をつけ、検索するための一連の方法は、当業界で既知である。例えば米国特許第6,023,659号および第5,966,712号は、1つまたはそれ以上のタンパク質機能体系にしたがって配列が目録作成され、探索されるように生物分子配列情報を保存するための関係のあるデータベースシステムを開示する。米国特許第5,953,727号は、部分長配列のコレクションから全長配列を得るための1つまたはそれ以上のシーケンシングプロジェクトとの関連により部分長DNA配列のコレクションが目録作成され、検索されるフォーマットでの情報を含有する配列記録を有する関連データベースを開示する。米国特許第5,706,498号は、重要な配列と標的配列との間の類似性の程度に基づいた遺伝子データベース中の配列データ項目に類似する遺伝子配列の検索を行なうための遺伝子データベース検索システムを開示する。米国特許第5,539,897号は、適合近似closeness-of-fit測定を用いた予測質量スペクトルと実験的に得られた質量スペクトルとの比較により、コンピューターデータベース中のアミノ酸配列を同定するためにペプチドの質量分光学フラグメンテーションパターンを用いる方法を開示する。米国特許第5,926,818号は、1つより多い統合パスまたは次元による計画されたまたは実際のデータの統合を伴うオンライン分析処理(OLAP)として記載される多次元データ分析に関する相関性を含む多次元データベースを開示する。米国特許第5,295,261号は、各データベース記録のフィールドが2つのクラスに、即ちナビゲーターおよび情報データに分けられ、ナビゲーションフィールドは樹木構造としてまたは2つまたはそれ以上のこのような樹木構造の融合として考慮され得る階層的トポロジー地図中に保存されるハイブリッドデータベース構造を報告する。
【0115】
Mount et al., Bioinformatics (2001); Biological Sequence Analysis: Probabilistic Models of Proteins and Nucleic Acids (Durbin et al., eds., 1999); Bioinformatics: A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins (Baxevanis & Oeullette eds., (1998)); Rashidi & Buehler, Bioinformatics: Basic Applications in Biological Science and Medicine (1999); Introduction to Computational Molecular Biology (Setubal et al., 1997); Bioinformatics: Methods and Protocols (Misener & Krawetz, eds, 2000); Bioinformatics: Sequence, Structure, and Databanks: A Practical Approach (Higgins & Taylor, eds., 2000); Brown, Bioinformatics: A Biologist’s Guide to Biocomputing and the Internet (2001); Han & Kamber, Data Mining: Concepts and Techniques (2000);およびWaterman, Introduction to Computational Biology: Maps, Sequences, and Genomes (1995)も参照されたい。
【0116】
本発明は、例えば各配列特異性記録が得られる標的含有試料の供給源を特定するデータを用いて比較検討要約された検定データ記録をコンピューター検索可能形態で保存するためのコンピューターおよびソフトウエアを含むコンピューターデータベースを提供する。
【0117】
例示的実施態様では、標的含有試料の供給源の少なくとも1つは、病理学的障害を含有しないことが既知である対照組織試料からである。変異において、供給源の少なくとも1つは、既知の病理学的組織検体、例えば腫瘍性病変または乳癌に関して分析される別の組織検体である。別の変異においては、検定記録は、試料中の各標的種に関する1つまたはそれ以上の下記のパラメーターを比較検討要約する:(1)独自の同定コード。これは、例えば標的分子構造および/または特徴的分離座標(例えば電気泳動座標)を含み得る;(2)試料供給源;ならびに(3)試料中に存在する標的種の絶対および/または相対量。
【0118】
本発明は、磁気ディスク、光学ディスク、磁気−光学ディスク、DRAM、SRAM、SGRAM、SDRAM、RDRAM、DDR RAM、磁気バブルメモリデバイスならびにその他のデータ記憶デバイス、例えばCPUレジスターおよびオン−CPUデータ記憶アレイを包含し得るコンピューターデータ記憶装置中の標的データの収集物の記憶および検索も提供する。典型的には、標的データ記録は、磁気化可能媒体上の磁気ドメインのアレイ中のビットパターンとして、あるいは電荷状態またはトランジスターゲート状態のアレイ、例えばDRAMデバイス中の細胞(例えばトランジスターおよびトランジスター上に存在し得る電荷記憶領域からなる各細胞)のアレイとして保存される。一実施態様では、本発明は、このような記憶デバイス、ならびにそれを組み込まれたコンピューターシステムであって、標的供給源とクロスタビュレートされた少なくとも10の標的データ記録のための独自の同定物を含むタンパク質発現フィンガープリント記録をコードするビットパターンを包含する貯蔵デバイス及びそれにビルトされたコンピューターシステムを提供する。
【0119】
標的がペプチドまたは核酸である場合、本発明は好ましくは、関連ペプチドまたは核酸配列の同定方法であって、コンピューター記憶デバイスまたはデータベースに保存され、またはそれから検索されるペプチドまたは核酸配列検定記録と少なくとも1つの他の配列との間のコンピューター処理比較を実施することを包含する方法を提供する。比較は、配列分析または比較アルゴリズムまたはそのコンピュータープログラム実施態様(例えばFASTA、TFASTA、GAP、BESTFIT)を包含し、および/または比較は、検体のポリペプチドまたは核酸試料から確定される配列のプール中の相対量のペプチドまたは核酸配列のものであり得る。
【0120】
本発明は、好ましくは、コンピューター処理配列分析、比較または相対定量法における検索および処理に適したファイルフォーマットでの本発明の検定からのビットパターンコードデータを含む磁気ディスク、例えばIBM互換性(DOS、ウインドウズ、ウインドウズ95/98/2000、ウインドウズNT、OS/2)またはその他のフォーマット(例えばリナックス、サンOS、ソラリス、AIX、SCOユニックス、VMS、MV、マッキントッシュ等)フロッピーディスクまたはハード(固定、ウインチェスター)ディスクドライブを提供する。
【0121】
本発明は、データリンク、例えばイーサネットケーブル(coaxまたは10BaseT)、電話線、ISDN線、無線ネットワーク、光ファイバーまたはその他の適切な信号伝達媒体により連結され、それにより少なくとも1つのネットワークデバイス(例えばコンピューター、ディスクアレイ等)が、本発明の検定から得られるビットパターンコードデータから成るあるパターンの磁気ドメイン(例えば磁気ディスク)および/または電荷ドメイン(例えばDRAMセルのアレイ)を含む複数のコンピューターデバイスを含むネットワークも提供する。
【0122】
本発明は、電子通信デバイス、例えばモデム、ISDNターミナルアダプター、DSL、ケーブルモデム、ATMスイッチ等で電子信号を発生することを包含する検定データの伝達方法であって、信号が、本発明の方法により得られる複数の検定結果を含む検定またはデータベースからのビットパターンコードデータを(ネイティブまたは暗号化フォーマットで)包含する方法も提供する。
【0123】
好ましい実施態様では、本発明は、照会標的を、本発明の方法により得られる検定結果のようなデータ構造のアレイを含有するデータベースと比較し、標的データとの同一性およびギャップ重量の程度に基づいてデータ標的を等級分けするためのコンピューターシステムを提供する。中央処理装置は好ましくは、アラインメントおよび/または検定結果の比較のためにコンピュータープログラムをロードし、実行するために初期化される。照会標的に関するデータは、I/Oデバイスを介して中央処理装置に入力される。コンピュータープログラムの実行は、検定結果の二進記述を含むデータファイルからの検定データを検索する中央処理装置を生じる。
【0124】
標的データまたは記録およびコンピュータープログラムは、二次メモリに移送され得るが、これは典型的にはランダムアクセスメモリー(例えばDRAM、SRAM、SGRAMまたはSDRAM)である。標的は、選択された検定特徴(例えば選定親和性部分との結合)と照会標的の同一特徴との間の対応の程度にしたがって等級分けされ、そして結果がI/Oデバイスを介して出力される。例えば中央処理装置は、慣用的コンピューター(例えばインテルペンティアム、パワーPC、アルファ、PA−8000、SPARC、MIPS4400、MIPS10000、VAX等)であり得る。プログラムは、市販のまたは公開ドメイン分子生物学ソフトウエアパッケージ(例えばUWGCG配列分析ソフトウエア、Darwin)であり得る。データファイルは、光または磁気ディスク、データサーバー、記憶装置(例えばDRAM、SRAM、SGRAM、SDRAM、EPROM、バブルメモリー、フラッシュメモリー等)であり得る。I/Oデバイスは、ビデオディスプレイおよびキーボード、モデム、ISDNターミナルアダプター、イーサネットポート、穿孔カード読取装置、磁気ストリップ読取装置またはその他の適切なI/Oデバイスを含む端末装置であり得る。
【0125】
本発明は、好ましくは前記のようなコンピューターシステムの使用も提供するが、これらは、(1)コンピューター;(2)コンピューターに保存され得る本発明の方法により得られたペプチド配列特異性記録の収集物をコードする保存ビットパターン;(3)比較標的、例えば照会標的;ならびに(4)典型的にはコンピューター処理類似性値に基づいた比較結果の等級分けを用いるアラインメントおよび比較のためのプログラムを包含する。
【0126】
乳癌関連タンパク質の特徴
本発明の乳癌タンパク質は、分泌タンパク質、膜貫通タンパク質または細胞内タンパク質と分類され得る。一実施態様では、乳癌タンパク質は、細胞内タンパク質である。細胞内タンパク質は、細胞質内および/または核内に見出され得る。細胞内タンパク質は、細胞機能および複製(例えばシグナリング経路を含む)のすべての局面に関与する。このようなタンパク質の異所性発現はしばしば、非調節化または誤調節化細胞過程を生じる(例えばMolecular Biology of the Cell (Alberts, ed., 3rd ed., 1994参照)。例えば多数の細胞内タンパク質は、酵素活性、例えばプロテインキナーゼ活性、プロテインホスファターゼ活性、プロテアーゼ活性、ヌクレオチドシクラーゼ活性、ポリメラーゼ活性等を有する。細胞内タンパク質は、タンパク質の複合体の組織化に、または種々の細胞以下局在性にタンパク質をターゲッティングするのに関与し、そして細胞小器官の構造的完全性を保持するのに関与するドッキングタンパク質としても役立つ。
【0127】
タンパク質の特性化に際して漸増的に理解された概念は、限定機能が原因とされた1つまたはそれ以上のモチーフのタンパク質中の存在である。タンパク質の酵素ドメイン中に見出される高度保存配列のほかに、高度保存配列は、タンパク質−タンパク質相互作用に関与するタンパク質中で同定されている。例えばSrc−相同−2(SH2)ドメインは、配列依存様式でチロシン−リン酸化標的を結合する。SH2ドメインとは別個のPTBドメインも、チロシンリン酸化標的を結合する。SH3ドメインは、プロリンリッチな標的と結合する。さらに、2〜3名前を挙げると、PHドメイン、テトラトリコペプチド反復およびWDドメインは、タンパク質−タンパク質相互作用を媒介することが示されている。これらのいくつかは、リン脂質またはその他の二次メッセンジャーとの結合にも関与し得る。当業者に理解されるように、これらのモチーフは一次配列に基づいて同定され得る。したがってタンパク質の配列の分析は、タンパク質が会合し得る単数および/または複数の分子の酵素的能力への洞察を提供し得る。有用な一データベースは、Pfam(タンパク質ファミリー)であり、これは多配列アラインメントおよび多数の一般的タンパク質ドメインを網羅する隠されたマルコフ(Marcov)モデルの大型収集物である。バージョンは、Washington University in St. Louis, the Sanger Center in EnglandおよびKarolinska Institute in Swedenからインターネットを介して利用可能である(例えばBateman et al., Nuc. Acids Res. 28: 263-266 (2000); Sonnhammer et al., Proteins 28: 405-420 (1997); Bateman et al., Nuc. Acids Res. 27: 260-262 (1999);およびSonnhammer et al., Nuc. Acids Res. 26: 320-322 (1998)参照)。
【0128】
別の実施態様では、乳癌配列は膜貫通タンパク質である。膜貫通タンパク質は、細胞のリン脂質二重膜にまたがる分子である。それらは細胞内ドメイン、細胞外ドメインまたは両方を有し得る。このようなタンパク質の細胞内ドメインは、細胞内タンパク質に関して記述のものを含めて、多数の機能を有し得る。例えば細胞内ドメインは、酵素活性を有し得るし、および/または付加的タンパク質のための結合部位として役立ち得る。しばしば、膜貫通タンパク質の細胞内ドメインは両方の役割を供する。例えばある種の受容体チロシンキナーゼは、プロテインキナーゼ活性およびSH2ドメインの両方を有する。さらに受容体分子それ自体の上のチロシンの自己リン酸化は、付加的SH2ドメイン含有タンパク質のための結合部位を生じる。
【0129】
膜貫通タンパク質は、1〜多数の膜貫通ドメインを含有し得る。例えば受容体チロシンキナーゼ、ある種のサイトカイン受容体、受容体グアニリルシクラーゼおよび受容体セリン/トレオニンプロテインキナーゼは、単一膜貫通ドメインを含有する。しかしながら種々のその他のタンパク質、例えばチャンネルおよびアデニリルシクラーゼは、多数の膜貫通ドメインを含有する。多数の重要な細胞表面受容体、例えばGタンパク質共役型受容体(GPCR)は、それらが7つの膜スパニング領域を含有するので、「7膜貫通ドメイン」タンパク質として分類される。膜貫通ドメインの特徴としては、荷電アミノ酸が後に従い得る約20連続疎水性アミノ酸が挙げられる。したがって特定タンパク質のアミノ酸配列の分析時に、タンパク質内の膜貫通ドメインの局在性および数が予測され得る(例えばPSORTウエブサイトhttp://psort.nibb.ac.jp/参照)。重要な膜貫通タンパク質受容体としては、インスリン受容体、インスリン様増殖因子受容体、ヒト成長ホルモン受容体、グルコース輸送体、トランスフェリン受容体、上皮増殖因子受容体、低密度リポタンパク質受容体、上皮増殖因子受容体、レプチン受容体、インターロイキン受容体、例えばIL−1受容体、IL−2受容体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
膜貫通タンパク質の細胞外ドメインは、多様である。しかしながら保存モチーフが、種々の細胞外ドメインの間に反復的に見出される。保存構造および/または機能は、異なる細胞外モチーフに帰せられている。多数の細胞外ドメインが、他の分子との結合に関与する。一局面では、細胞外ドメインは受容体上に見出される。受容体ドメインに結合する因子としては循環リガンドが挙げられるが、これはペプチド、タンパク質または小分子、例えばアデノシン等であり得る。例えば増殖因子、例えばEGF、FGFおよびPDGFは、それらのコグネート受容体と結合して種々の細胞応答を開始する循環増殖因子である。その他の因子としては、サイトカイン、マイトジェン因子、神経栄養因子等が挙げられる。細胞外ドメインは、細胞関連分子とも結合する。この点で、それらは細胞−細胞相互作用を媒介する。細胞関連リガンドは、例えばグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを介して細胞につなぎとめられ得るし、あるいはそれ自体、膜貫通タンパク質であり得る。細胞外ドメインはさらに細胞外マトリクスと会合し、そして細胞構造の保持に寄与する。
【0131】
膜貫通性である乳癌タンパク質は、本明細書中に記載されているように、それらが免疫療法薬に関する容易に接近可能な標的であるので、本発明においては特に好ましい。さらに、以下に記載するように、膜貫通タンパク質はイメージング様式においても有用であり得る。抗体は、in situでのこのような容易に接近可能なタンパク質を標識するために用いられ得る。あるいは抗体は細胞内タンパク質も標識し得るが、この場合、症例試料は典型的には、細胞内タンパク質への接近を提供するために透過性にされる。
【0132】
膜貫通タンパク質は、例えば組換え法により、膜貫通配列を除去することにより可溶性にされ得る、ということも当業者に理解される。さらに、可溶性にされた膜貫通タンパク質は、適切なシグナル配列を付加することにより、組換え手段によって分泌させられ得る。
【0133】
別の実施態様では、乳癌タンパク質は分泌性タンパク質である。その分泌は、構成性または調節性であり得る。これらのタンパク質は、分子を分泌経路に標的化するシグナルペプチドまたはシグナル配列を有する。分泌性タンパク質は、多数の生理学的事象に関与する。それらの循環性によって、それらは種々のその他の種類の細胞に信号を伝達するのに役立つ。分泌性タンパク質は、自己分泌様式(因子を分泌した細胞に作用する)、傍分泌様式(因子を分泌した細胞に密接に近接する細胞に作用する)または内分泌様式(離れて細胞に作用する)で機能し得る。したがって分泌分子は、生理学の多数の局面を調整し、または変更する場合に用途を見出す。分泌性タンパク質である乳癌タンパク質は、それらが診断マーカーのための、例えば血液、血漿、血清または糞便試験のための良好な標的として役立つので、本発明において特に好ましい。
【0134】
乳癌核酸の使用
前記のように、乳癌配列は、本明細書中に記載された乳癌配列に対する実質的核酸および/またはアミノ酸配列相同または連鎖により最初に同定される。このような相同は、全体的核酸またはアミノ酸配列に基づき得るし、一般的に、相同プログラムまたはハイブリダイゼーション条件を用いて下記のように確定される。典型的には、mRNA上の連鎖配列は、同一分子上に見出される。
【0135】
本発明の乳癌核酸配列、例えば表1〜25における配列は、より大きい遺伝子の断片であり、即ちそれらは核酸セグメントである。この状況での「遺伝子」は、コード領域、非コード領域、ならびにコード領域と非コード領域の混合物を含む。したがって、当業者に理解されるように、本明細書中で提供される配列を用いて、乳癌遺伝子の、いずれかの方向の、伸長配列が、より長い配列または全長配列をクローニングするための当業界で周知の技法を用いて得られる(Ausubel, et al.、上記参照)。多くがインフォマティックスにより実行され得るし、多数の配列が一団にされて、単一遺伝子に対応する多配列、例えばUniGene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/UniGene/参照)のような系を含み得る。
【0136】
一旦乳癌核酸が同定されれば、それはクローン化され、そして必要な場合には、その構成要素部分が再結合して、完全乳癌核酸コード領域または完全mRNA配列を形成する。その天然供給源から一旦単離されれば、例えばプラスミドまたはその他のベクター内に含入されるか、あるいは線状核酸セグメントとしてそれらから切り取られると、組換え乳癌核酸はプローブとしてさらに使用されて、その他の乳癌核酸、例えば延長コード領域を同定し、単離し得る。それは「前駆体」核酸としても使用されて、修飾化または変異体乳癌核酸およびタンパク質を作製し得る。
【0137】
本発明の乳癌核酸は、いくつかの方法で用いられる。第一の実施態様では、乳癌核酸に対する核酸プローブが作製され、下記のようなスクリーニングおよび診断方法に、あるいは投与のために、例えば遺伝子療法、ワクチンおよび/またはアンチセンス適用のために用いられるバイオチップに結合される。あるいは、乳癌タンパク質のコード領域を含む乳癌核酸は、乳癌タンパク質の発現のために、さらにまたスクリーニング目的のためにまたは患者への投与のために発現ベクター中に入れられ得る。
【0138】
好ましい実施態様では、乳癌核酸(図に示された核酸配列および/またはその相補体の両方)に対する核酸プローブが作製される。バイオチップに結合される核酸プローブは、標的配列および本発明のプローブのハイブリダイゼーションが起こるよう、乳癌核酸、即ち標的配列(例えばサンドイッチ検定における試料のまたは他のプローブ配列に対する標的配列)と実質的に相補性であるよう設計される。下記のように、この相補性は完全である必要はない。標的配列と本発明の一本鎖核酸との間のハイブリダイゼーションを妨げる任意数の塩基対不適正が存在し得る。しかしながら突然変異の数が、最小ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でさえハイブリダイゼーションが起こり得ないほど多い場合には、その配列は相補的標的配列ではない。したがって「実質的に相補的」とは、本明細書中では、プローブが、正常反応条件かで、特に下記のような高ストリンジェント条件下でハイブリダイズするのに十分に標的配列と相補的である、ということを意味する。
【0139】
核酸プローブは一般に一本鎖であるが、しかし部分的一本鎖および部分的二本鎖であり得る。プローブの鎖性は、標的配列の構造、組成および特性により決定される。概して核酸プローブは、約8〜約100塩基長の範囲であり、約10〜約80塩基が好ましく、約30〜約50塩基が特に好ましい。即ち、一般的に全遺伝子は用いられない。いくつかの実施態様では、100塩基までのはるかに長い核酸が用いられ得る。
【0140】
好ましい実施態様では、配列当たり1つより多いプローブが用いられ、重複プローブまたは標的の異なる区分に対するプローブが用いられる。即ち、2、3、4またはそれ以上のプローブが特定標的に関して余分に作るために用いられ、3つが好ましい。プローブは、重複(即ち、いくつかの配列を共通して有する)または別個であり得る。いくつかの場合には、PCRプライマーを用いて、より高い感受性のためにシグナルを増幅し得る。
【0141】
当業者に理解されるように、核酸は、広範な種々の方法で固体支持体に結合または固定され得る。「固定化」および文法的等価物は、本明細書中では、核酸プローブおよび固体支持体間の会合または結合が、下記のような結合、洗浄、分析および除去の条件下で安定するのに十分であることを意味する。結合は、典型的には共有または非共有的であり得る。「非共有結合」および文法的等価物は、本明細書中では、静電性、親水性および疎水性相互作用のうちの1つまたはそれ以上を意味する。非共有結合に含まれるのは、分子、例えばストレプトアビジンの支持体への共有結合およびビオチニル化プローブのストレプトアビジンへの非共有結合である。「共有結合」および文法的等価物は、本明細書中では、2つの部分、即ち固体支持体およびプローブが少なくとも1つの結合、例えばσ結合、π結合および配位結合により結合されることを意味する。共有結合は、プローブおよび固体支持体間に直接的に形成され得るか、あるいは架橋剤により、もしくは固体支持体またはプローブまたは両分子上の特定反応基の含入により形成され得る。固定化は、共有および非共有的相互作用の組合せも包含し得る。
【0142】
概してプローブは、当業者に理解されるように、広範な種々の方法でバイオチップに結合される。本明細書中に記載されているように、核酸は、先ず合成され、その後バイオチップに結合されるか、あるいはバイオチップ上に直接合成され得る。
【0143】
バイオチップは、適切な固体基盤を含む。「基盤」または「固体支持体」またはその他の文法的等価物は、本明細書中では、核酸プローブの結合または会合に適した離散的個別部位を含有するか、あるいは少なくとも1つの検出方法に応じるよう修飾され得る物質を意味する。当業者に理解されるように、考え得る基盤の数は非常に多く、例としてはガラスおよび修飾化または機能化ガラス、プラスチック(例えばアクリル樹脂、ポリスチレン、ならびにスチレンおよびその他の物質のコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、テフロンJ等)、多糖、ナイロンまたはニトロセルロース、樹脂、シリカまたはシリカベースの物質、例えばケイ素および修飾化ケイ素、炭素、金属、無機ガラス、プラスチック等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい基盤は、Reusable Low Fluorescent Plastic Biochipという表題の公開出願、米国特許出願第09/270,214号(1999年3月15日提出)(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)に記載されている。
【0144】
一般に基盤は平坦であるが、しかし当業者に理解されるように、その他の形状の基盤が同様に用いられ得る。例えばプローブは、試料容積を最小限にするために、フロースルー試料分析に関して管の内表面に置かれ得る。同様に基盤は、特定のプラスチックから作製された独立気泡フォームを含めた柔軟性フォームのように柔軟性であり得る。
【0145】
好ましい実施態様では、バイオチップおよびプローブの表面は、両者のその後の結合のために化学的官能基を用いて誘導され得る。したがって例えばバイオチップは、化学官能基、例えばアミノ基、カルボキシ基、オキソ基およびチオール基(これらに限定されない)を用いて誘導され、アミノ基が特に好ましい。これらの官能基を用いる場合、プローブは、プローブ上の官能基を用いて結合され得る。例えばアミノ基を含有する核酸は、例えば当業界で既知であるようなリンカーを用いて、アミノ基を含む表面に結合され得る。例えばホモまたはヘテロ二官能基リンカーが周知である(1994 Pierce Chemical Company catalog, technical section on cross-linkers, pages 155-200参照)。さらに、いくつかの場合には、付加的リンカー、例えばアルキル基(例えば置換化およびへテロアルキル基)が用いられ得る。
【0146】
この実施態様では、当業界で既知であるようにオリゴヌクレオチドが合成され、次に固体支持体の表面に結合される。当業者に理解されるように、5‘または3’末端が固体支持体に結合され得るし、あるいは結合は内部ヌクレオシドを介してであり得る。
【0147】
別の実施態様では、固体支持体への固定化は、非常に強力で、なおまた非共有的であり得る。例えばビオチニル化オリゴヌクレオチドが作製され得るが、これはストレプトアビジンで共有的に被覆された表面に結合して、付着を生じる。
【0148】
あるいはオリゴヌクレオチドは、当業界で既知であるように、表面上で合成され得る。例えば光重合化合物および技法を利用する光活性化技法が用いられる。好ましい実施態様では、核酸は、周知のフォトリソグラフィー技法、例えば、WO 95/25116; WO 95/35505;米国特許第5,700,637号および第5,445,934号(これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)、に記載された技法を用いて、in situで合成され得る。結合のこれらの方法は、Affimetrix GeneChipTM技術の基礎を成す。
【0149】
乳癌関連配列の発現レベルを測定するために、しばしば増幅ベースの検定が実施される。これらの検定は、典型的には逆転写と一緒に実施される。このような検定においては、乳癌関連核酸配列は、増幅反応(例えばポリメラーゼ連鎖反応またはPCR)における鋳型として作用する。定量的増幅において、増幅産物の量は、元の試料中の鋳型の量に比例する。適切な対照との比較は、乳癌関連RNAの量の測定値を提供する。定量的増幅の方法は、当業者には周知である。定量的PCRに関する詳細なプロトコールは、例えばInnis et al., PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications (1990)に提示されている。
【0150】
いくつかの実施態様では、発現を測定するためにTaqManベース検定が用いられる。TaqManベース検定は、5‘蛍光色素および3’消光剤を含有する蛍光原性オリゴヌクレオチドを用いる。プローブはPCR産物とハイブリダイズするが、しかし3‘末端の遮断剤のために、それ自体、延長されない。PCR産物がその後の周期において増幅される場合、ポリメラーゼ、例えばAmpliTaqの5’ヌクレアーゼ活性は、TaqManプローブの切断を生じる。この切断は、5‘蛍光色素および3’消光剤を分離し、それにより、増幅の関数として蛍光の増大を生じる(例えばPerkin-Elmerにより提供される文献、例えばwww2.perkin-elmer.com参照)。
【0151】
その他の適切な増幅方法としては、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu & Wallace, Genomics 4: 560 (1989), Landegren et al., Science 241: 1077 (1988)およびBarringer et al., Gene 89: 117 (1990)参照)、転写増幅(Kwoh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173 (1989))、自己保持配列複製(Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1874 (1990))、ドットPCRおよびリンカーアダプターPCR等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0152】
核酸からの乳癌タンパク質の発現
好ましい実施態様では、下記のように、乳癌核酸、例えばコード乳癌タンパク質を用いて種々の発現ベクターを作製して、乳癌タンパク質を発現し、これは次にスクリーニング検定に用いられ得る。発現ベクターおよび組換えDNA技術は当業者に周知であり(例えばAusubel、上記、およびGene Expression Systems (Fernandez & Hoeffler, eds, 1999参照)、タンパク質を発現するために用いられる。発現ベクターは、自己複製染色体外ベクターまたは宿主ゲノム中に統合するベクターであり得る。一般にこれらの発現ベクターは、乳癌タンパク質をコードする核酸と操作可能的に連結される転写および翻訳調節核酸を含む。「制御配列」という用語は、特定宿主生物体中の操作可能的連結コード配列の発現のために用いられるDNA配列を指す。原核生物に適した制御配列としては、例えばプロモーター、任意にオペレーター配列、およびリボソーム結合部位が挙げられる。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを利用することが既知である。
【0153】
核酸は、それが別の核酸配列と機能的関係に置かれると、「操作可能的に連結され」る。例えばプレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドのためのDNAに操作可能的に連結される。プロモーターまたはエンハンサーは、それが配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に操作可能的に連結される。あるいはリボソーム結合部位は、それが翻訳を促すよう配置される場合、コード配列に操作可能的に連結される。一般に、「操作可能的に連結される」とは、連結されているDNA配列が連続しており、そして分泌リーダーの場合には、連続で且つ読み取り相であることを意味する。しかしながらエンハンサーは、連続でなければならないというわけではない。連結は、典型的には慣用の制限部位での結繋により成し遂げられる。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが慣用的実施にしたがって用いられる。転写および翻訳調節核酸は一般に、乳癌タンパク質を発現するために用いられる宿主細胞に適している。多数の種類の適切な発現ベクターおよび適切な調節配列が、種々の宿主細胞に関して当業界で既知である。
【0154】
概して転写および翻訳調節配列としては、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始および停止配列、翻訳開始および停止配列、ならびにエンハンサーまたはアクティベーター配列が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、調節配列としてはプロモーターならびに転写開始および停止配列が挙げられる。
【0155】
プロモーター配列は、構成性または誘導可能プロモーターをコードする。プロモーターは、天然プロモーターまたはハイブリッドプロモーターであり得る。1つより多いプロモーターの素子を併合するハイブリッドプロモーターも当業界で既知であり、本発明に有用である。
【0156】
さらに発現ベクターは、付加的素子も含み得る。例えば発現ベクターは、2つの複製系を有し、したがって2つの生物体中で、例えば発現に関して哺乳類または昆虫細胞中で、そしてクローニングおよび増幅に関して原核生物宿主中でそれを保持させ得る。さらに、発現ベクターの組込みに関しては、発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに対して少なくとも1つの配列相同を、好ましくは発現構築物の側面に位置する2つの相同配列を含有する。組込みベクターは、ベクター中の含入のための適切な相同配列を選択することにより、宿主細胞中の特定遺伝子座に向けられ得る。組込みベクターに関する構築物は、当業界で周知である(例えばFernandez & Hoeffler、上記)。
【0157】
さらに、好ましい実施態様では、発現ベクターは選択可能マーカー遺伝子を含有して、形質転換化宿主細胞の選択を可能にする。選択遺伝子は当業界で周知であり、用いられる宿主に伴って変わる。
【0158】
本発明の乳癌タンパク質は、乳癌タンパク質の発現を誘導するかまたは引き起こすための適切な条件下で、乳癌タンパク質をコードする核酸を含有する発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養することにより産生される。乳癌タンパク質発現に適した条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選定に伴って変わり、ルーチン実験または最適化を通して当業者により容易に確かめられる。例えば発現ベクター中の構成性プロモーターの使用は宿主細胞の成長および増殖の最適化を要するが、一方、誘導可能プロモーターの使用は誘導のための適切な成長条件を要する。さらに、いくつかの実施態様では、収穫の時機が重要である。例えば昆虫細胞発現に用いられるバキュロウイルス系は溶菌ウイルスであり、したがって収穫時機選定は生成物収量に関して重要であり得る。
【0159】
適切な宿主細胞としては、酵母、細菌、古細菌、真菌および昆虫ならびに動物細胞、例えば哺乳類細胞が挙げられる。特に興味深いのは、ビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)およびその他の酵母、大腸菌(E. coli)、枯草菌(Bacillus subtilus)、Sf9細胞、C1290細胞、293細胞、アカパンカビ(Neurospora)、BHK、CHO、COS、HeLa細胞、HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)、THP1細胞(マクロファージ細胞株)、ならびに種々のその他のヒト細胞および細胞株である。
【0160】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質は哺乳類細胞中で発現される。哺乳類発現系も当業界で既知であり、例としてはレトロウイルスおよびアデノウイルス系が挙げられる。一発現ベクター系は、例えばPCT/US97/01019およびPCT/US97/01048(これらの記載内容はともに、参照により本明細書中に含まれる)に一般的に記載されているようなレトロウイルスベクター系である。哺乳類プロモーターとして特に用いられるのは、ウイルス遺伝子がしばしば高度に発現され、そして広範な宿主範囲を有するため、哺乳類ウイルス遺伝子からのプロモーターである。例としては、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーターおよびCMVプロモーターが挙げられる(例えばFernandez & Hoeffler、上記、参照)。典型的には、哺乳類細胞により認識される転写終結およびポリアデニル化配列は、翻訳停止コドンに対して3‘に位置する調節領域であり、したがってプロモーター素子と一緒に、コード配列の側面に位置する。転写ターミネーターおよびポリアデニル化シグナルの例としては、SV40由来のものが挙げられる。
【0161】
哺乳類宿主ならびにその他の宿主中への外因性核酸の導入方法は当業界で周知であり、用いられる宿主細胞に伴って変わる。技法としては、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈降、ポリブレン媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合法、電気穿孔、ウイルス感染、リポソーム中のポリヌクレオチド(単数または複数)封入、ならびに核中へのDNAの直接的マイクロインジェクションが挙げられる。
【0162】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質は、細菌系で発現される。細菌発現系は、当業界で周知である。バクテリオファージからのプロモーターも用いられ、当業界で既知である。さらに合成プロモーターおよびハイブリッドプロモーターの有用である。例えばtacプロモーターは、trpおよびlacプロモーター配列のハイブリッドである。さらに細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼを結合し、転写を開始する能力を有する非細菌起源の天然プロモーターを含み得る。機能性プロモーター配列のほかに、効率的リボソーム結合部位が望ましい。発現ベクターは、細菌中で乳癌タンパク質の分泌を提供するシグナルペプチド配列も含み得る。タンパク質は、成長培地(グラム陽性細菌)中にまたは細胞の内膜および外膜間に位置する細胞周辺腔(グラム陰性細菌)中に分泌される。細菌発現ベクターは、分泌可能マーカーも含有して、形質転換された細菌株の選択を可能にする。適切な選択遺伝子としては、薬剤、例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンに対して細菌を耐性にさせる遺伝子が挙げられる。選択可能マーカーは、生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生合成経路におけるものも包含する。これらの構成成分は、発現ベクター中に集められる。細菌に関する発現ベクターは当業界で周知であり、例としては、枯草菌(Bacillus subtilus)、大腸菌(E. coli)、連鎖球菌属のストレプトコッカスクレモリス(Streptococcus cremoris)およびストレプトコッカスリビダンス(Streptococcus lividans)が特に挙げられる(例えばFernandez & Hoeffler、上記)。細菌発現ベクターは、当業界で周知の技法、例えば塩化カルシウム処理、電気穿孔等を用いて、細菌宿主細胞中で形質転換させる。
【0163】
一実施態様では、乳癌タンパク質は昆虫細胞中で産生される。昆虫細胞の形質転換に関する発現ベクター、特にバキュロウイルスベースの発現ベクターは、当業界で周知である。
【0164】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質は酵母菌細胞中で産生される。酵母発現系は当業界で周知であり、例としては、ビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)、カンジダアルビカンス(Candida albicans)およびカンジダマルトーサ(C. maltosa)、ハンセヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロミセスフラギリス(Kluyveromyces fragilis)およびクロイベロミセスラクチス(K. lactis)、ピキアグイレリモンジイ(Pichia guillerimondii)およびピキアパストリス(P. pastoris)、シゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)およびヤロウイアリポリチカ(Yarrowia lipolytica)に関する発現ベクターが挙げられる。
【0165】
乳癌タンパク質は、当業界で周知の技法を用いて、融合タンパク質としても作製され得る。したがって例えばモノクローナル抗体の生成に関しては、所望のエピトープが小さい場合、乳癌タンパク質は担体タンパク質と融合されて、免疫原を形成する。あるいは乳癌タンパク質は、発現を増大するための、またはその他の理由のための融合タンパク質として作製され得る。例えば、乳癌タンパク質が乳癌ペプチドである場合、ペプチドをコードする核酸は、発現目的のために他の核酸と連結され得る。
【0166】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質は、発現後に精製または単離される。乳癌タンパク質は、どのような他の構成成分が試料中に存在するかによって、当業者に既知の種々の方法で単離または精製され得る。標準精製方法としては、電気泳動、分子、免疫学的およびクロマトグラフィー技法、例えばイオン交換、疎水性、アフィニティーおよび逆相HPLCクロマトグラフィー、ならびにクロマトフォーカシングが挙げられる。例えば乳癌タンパク質は、標準抗乳癌タンパク質抗体カラムを用いて精製され得る。限外濾過および透析濾過も、タンパク質濃縮とともに有用である。適切な精製技法における一般的指針に関しては、Scopes, Protein Purification (1982)を参照されたい。必要な精製程度は、乳癌タンパク質の用途によって変わる。いくつかの場合には、精製は必要でない。
【0167】
一旦発現され、必要な場合には精製されれば、乳癌タンパク質および核酸は、多数の用途において有用である。それらは免疫選択試薬として、ワクチン試薬として、スクリーニング剤等として用いられ得る。
【0168】
乳癌タンパク質の変異体
一実施態様では、乳癌タンパク質は、野生型配列と比較した場合、誘導体または変異体乳癌タンパク質である。即ち、以下でさらに詳細に記載されるように、誘導体乳癌タンパク質はしばしば、少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含有するが、アミノ酸置換が特に好ましい。アミノ酸置換、挿入または欠失は、乳癌ペプチド内の任意の残基で起こり得る。
【0169】
アミノ酸配列変異体も、本発明の乳癌タンパク質の一実施態様内に含まれる。これらの変異体は、典型的には3つのクラス、即ち置換、挿入または欠失変異体のうちの1つまたはそれ以上に属する。これらの変異体は普通は、カセットまたはPCR突然変異誘発または当業界で周知のその他の技法を用いて乳癌タンパク質をコードするDNA中の分子の部位特異的突然変異誘発により調製されて、変異体をコードするDNAを産生し、その後、前記のような組換え体細胞培養中でDNAを発現する。しかしながら約100〜150までの残基を有する変異体乳癌タンパク質断片は、確立された技法を用いてin vitro合成により調製され得る。アミノ酸配列変異体は、乳癌タンパク質アミノ酸配列の天然対立遺伝子または種間変異と異なってそれらを評価する特徴である変異のあらかじめ決定された性質により特性化される。変異体は、典型的には天然類似体と同一の定性的生物学的活性を示すが、しかし以下でさらに詳細に記載されるような修飾化特性を有する変異体も選択され得る。
【0170】
アミノ酸配列変異を導入するための部位または領域は予め決定されるが、しかし突然変異それ自体は、前もって決定される必要はない。例えば所定部位での突然変異の性能を最適化するために、標的コドンまたは領域でランダム突然変異誘発が実行され、発現化乳癌変異体が所望の活性の最適組合せに関してスクリーニングされ得る。既知の配列を有するDNA中の予定部位に置換突然変異を作製するための技法、例えばM13プライマー突然変異誘発およびPCR突然変異誘発が周知である。突然変異体のスクリーニングは、乳癌タンパク質活性の検定を用いて実行される。
【0171】
アミノ酸置換は、典型的には単一残基のものである。挿入は、通常は約1〜20アミノ酸のオーダーであるが、しかしかなり大きい挿入が許容され得る。欠失は約1〜約20残基の範囲であるが、しかしいくつかの場合には、欠失ははるかに大きいことがある。
【0172】
置換、欠失、挿入またはそれらの任意の組合せを用いて、最終誘導体に到達し得る。一般にこれらの変化は2〜3個のアミノ酸上で実行されて、分子の変化を最小限にする。しかしながら、ある種の環境においては、より大きい変化が許容され得る。乳癌タンパク質の特性中の小変化が望ましい場合、置換は一般に、定義の節で提示されたアミノ酸置換関係にしたがって作製される。
【0173】
変異体は、典型的には天然類似体と同一の定性的生物学的活性を示し、同一の免疫応答を発揮するが、しかし変異体は、必要な場合、乳癌タンパク質の特性を修飾するためにも選択される。あるいは変異体は、乳癌タンパク質の生物学的活性が変更されるよう設計され得る。例えばグリコシル化部位は、変更されまたは除去され得る。
【0174】
機能または免疫学的同一性における実質的変化は、前記のものより低保存性である置換を選択することにより作製される。例えば、より有意に影響を及ぼす置換:即ち変更の領域中のポリペプチド主鎖の構造、例えばαらせんまたはβシート構造;標的部位での分子の電荷または疎水性;あるいは側鎖の嵩に影響を及ぼす置換が作製され得る。概してポリペプチドの特性の最大変化を生じると予測される置換は、(a)親水性残基、例えばセリルまたはトレオニルが疎水性残基、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニルに代えて(またはにより)置換され;(b)システインまたはプロリンが任意のその他の残基に代えて(またはにより)置換され;(c)電気的陽性側鎖、例えばリシル、アルギニルまたはヒスチジルを有する残基が電気的陰性残基、例えばグルタミルまたはアスパルチルに代えて(またはにより)置換され;あるいは(d)大きい側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが側鎖を有さないもの、例えばグリシンに代えて(またはにより)置換されるものである。
【0175】
乳癌ポリペプチドの共有的修飾は、本発明の範囲内に含まれる。共有的修飾の一型は、乳癌ポリペプチドの標的化アミノ酸残基を、乳癌ポリペプチドの選定側鎖あるいはNまたはC末端残基と反応し得る有機誘導化剤と反応させることを包含する。官能性作用物質による誘導化は、例えば以下でさらに詳細に記載されるように、抗乳癌ポリペプチド抗体を精製しまたは検定をスクリーニングするための方法に用いるために、乳癌ポリペプチドを水不溶性支持体マトリクスまたは表面に架橋するために、有用である。一般に用いられる架橋剤としては、例えば1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4−アジドサリチル酸とのエステル、ホモ二官能基イミドエステル、例えばジスクシニミジルエステル、例えば3,3‘−ジチオビス(スクシニミジルプロピオネート)、二官能基マレイミド、例えばビス−N−マレイミド−1,8−オクタン、ならびにメチル−3−((p−アジドフェニル)ジチオ)プロピオイミデートのような作用物質が挙げられる。
【0176】
その他の修飾としては、グルタミニルおよびアスパラギニル残基の、それぞれ対応するグルタミルおよびアスパルチル残基への脱アミド化、プロリンおよびリシンのヒドロキシル化、セリル、トレオニルまたはチロシル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニンおよびヒスチジン側鎖のアミノ基のメチル化(Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, pp. 79-86 (1983))、N末端アミンのアセチル化ならびに任意のC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。
【0177】
本発明の範囲内に含まれる乳癌ポリペプチドの別の種類の共有的修飾は、ポリペプチドのネイティブグリコシル化パターンを変更することを包含する。「ネイティブグリコシル化パターンを変更する」とは、ネイティブ配列乳癌ポリペプチド中に見出される1つまたはそれ以上の炭水化物部分を欠失し、および/またはネイティブ配列乳癌ポリペプチド中に存在しない1つまたはそれ以上のグリコシル化部位を付加することを意味することを、本明細書中の目的のために意図される。グリコシル化パターンは、多数の方法で変更され得る。例えば乳癌関連配列を発現するための異なる細胞形の使用は、異なるグリコシル化パターンを生じ得る。
【0178】
乳癌ポリペプチドへのグリコシル化部位の付加も、そのアミノ酸配列を変更することにより成し遂げられ得る。変更は、例えばネイティブ配列乳癌ポリペプチドへの1つまたはそれ以上のセリンまたはトレオニン残基の付加により、またはそれらによる置換によって作製され得る(O連結グリコシル化部位に関して)。所望のアミノ酸に翻訳するコドンが生成されるよう、乳癌アミノ酸配列は、特に予備選定塩基で乳癌ポリペプチドをコードするDNAを突然変異化することにより、DNAレベルでの変化を通して任意に変更され得る。
【0179】
乳癌ポリペプチド上の炭水化物部分の数を増大する別の手段は、グリコシドのポリペプチドとの化学的または酵素的カップリングによる。このような方法は、当業界で、例えばWO 87/05330に、そしてAplin & Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp.259-306 (1981)に記載されている。
【0180】
乳癌ポリペプチド上に存在する炭水化物の除去は、化学的にまたは酵素的に、あるいはグリコシル化の標的として役立つアミノ酸残基をコードするコドンの突然変異性置換により成し遂げられ得る。化学的脱グリコシル化技法は当業界で既知であり、例えばHakimuddin, et al., Arch. Biochem. Biophys., 259: 52 (1987)およびEdge et al., Anal. Biochem., 118: 131 (1981)により記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura et al., Meth. Enzymol., 138: 350 (1987)により記載されたように種々のエンドおよびエキソグリコシダーゼの使用により達成され得る。
【0181】
乳癌の別の種類の共有的修飾は、米国特許第4,640,835号、第4,496,689号、第4,301,144号、第4,670,417号、第4,791,192号または第4,179,337号に記述された方法で、種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンのうちの1つに乳癌ポリペプチドを連結することを包含する。
【0182】
本発明の乳癌ポリペプチドは、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列と融合された乳癌ポリペプチドを含むキメラ分子を形成する方法でも修飾され得る。一実施態様では、このようなキメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合し得るエピトープを提供するタグポリペプチドとの乳癌ポリペプチドの融合物を含む。エピトープタグは一般に、乳癌ポリペプチドのアミノ−またはカルボキシ末端に置かれる。このようなエピトープタグ化形態の乳癌ポリペプチドの存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用いて検出され得る。さらにエピトープタグの供給は、抗タグ抗体またはエピトープタグと結合する別の種類のアフィニティーマトリクスを用いたアフィニティー精製により乳癌ポリペプチドを容易に精製させる。代替的実施態様では、キメラ分子は、免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定領域との乳癌ポリペプチドの融合物を含み得る。二価形態のキメラ分子に関しては、このような融合物はIgG分子のFc領域とのものである。
【0183】
種々のタグポリペプチドおよびそれらのそれぞれの抗体は、当業界で周知である。例としては、ポリ−ヒスチジン(ポリ−his)またはポリ−ヒスチジン−グリシン(ポリ−his−gly)タグ;HIS6および金属キレート化タグ、fluHAタグポリペプチドおよびその抗体12CA5(Field et al., Mol. Cell. Biol. 8: 2159-2165 (1988));c−mycタグならびにそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7および9E10抗体(Evan et al., Molecular and Cellular Biology 5: 3610-3616 (1985));ならびに単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体(Paborsky et al., Protein Engineering 3(6): 547-553 (1990))が挙げられる。その他のタグポリペプチドとしては、フラッグペプチド(Hopp et al., BioTechnology 6: 1204-1210 (1988));KT3エピトープペプチド(Martin et al., Science 255: 192-194 (1992));チューブリンエピトープペプチド(Skinner et al., J. Biol. Chem. 266: 15163-15166 (1991));ならびにT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ(Lutz-Freyermuth et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 6393-6397 (1990))が挙げられる。
【0184】
下記のようにクローン化され、発現される乳癌ファミリーのその他の乳癌タンパク質および他の生物体からの乳癌タンパク質も含まれる。したがってプローブまたは縮重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー配列を用いて、ヒトまたはその他の生物体からのその他の関連乳癌タンパク質を見出し得る。当業者に理解されるように、特に有用なプローブおよび/またはPCRプライマー配列としては、乳癌核酸配列の独特の領域が挙げられる。当業界で一般に既知であるように、好ましいPCRプライマーは約15〜約35ヌクレオチド長であり、約20〜約30が好ましく、そして必要な場合にはイノシンを含有し得る。PCR反応のための条件は、当業界で周知である(例えばInnis, PCR Protocols、上記)。
【0185】
乳癌タンパク質に対する抗体
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質が、例えば免疫療法または免疫診断のために抗体を生成するために用いられる場合、乳癌タンパク質は、全長タンパク質と少なくとも1つのエピトープまたは決定因子を共有すべきである。「エピトープ」または「決定因子」とは、本明細書中では、典型的にはMHCの情況で抗体またはT細胞受容体を生成および/または結合するタンパク質の一部を意味する。したがってほとんどの場合、より小さい乳癌タンパク質に対して作られる抗体は、全長タンパク質、特に線状エピトープと結合し得る。好ましい実施態様では、エピトープは独特である。即ち、独特のエピトープに対して産生される抗体は、交差反応性をほとんどまたはまったく示さない。
【0186】
ポリクローナル抗体の調製方法は、当業者には既知である(例えばColigan、上記;およびHarlow & Lane、上記)。ポリクローナル抗体は、例えば免疫感作剤の、ならびに所望によりアジュバントの1回またはそれ以上の注入により、哺乳類中に産生され得る。典型的には、免疫感作剤および/またはアジュバントは、多数回の皮下または腹腔内注射により哺乳類中に注入される。免疫感作剤は、図の核酸によりコードされるタンパク質またはその断片あるいはその融合タンパク質を包含し得る。免疫感作される哺乳類において免疫原性であることが基地のタンパク質に免疫感作剤を接合することは、有用であり得る。このような免疫原性タンパク質の例としては、カギアナカサガイヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリンおよびダイズトリプシン阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。用いられ得るアジュバントの例としては、フロイントの完全アジュバントおよびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコリノミコレート)が挙げられる。免疫感作プロトコールは、過剰な実験を伴わずに当業者により選択され得る。
【0187】
あるいは抗体は、モノクローナル抗体であり得る。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、例えばKohler & Milstein, Nature 256: 495 (1975)により記載された方法を用いて調製され得る。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスターまたはその他の適切な宿主動物は、典型的には免疫感作剤で免疫感作されて、免疫感作剤と特異的に結合する抗体を産生するかまたは産生し得るリンパ球を引き出す。あるいはリンパ球は、in vitroで免疫感作され得る。免疫感作剤は、典型的には表1〜25の核酸によりコードされるポリペプチドまたはその断片、あるいはその融合タンパク質を包含する。一般的に、ヒト起源の細胞が望ましい場合には末梢血リンパ球(「PBL」)が用いられ、あるいは非ヒト哺乳類供給源が望ましい場合には脾臓細胞またはリンパ節細胞が用いられる。リンパ球は次に、適切な融合剤、例えばポリエチレングリコールを用いて固定化細胞株と融合されて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp. 59-103 (1986))。固定化細胞株は、通常は形質転換化哺乳類細胞、特に齧歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常は、ラットまたはマウス骨髄腫細胞株が用いられる。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、非融合固定化細胞の増殖または生存を阻害する1つまたはそれ以上の物質を含有する適切な培地中で培養され得る。例えば親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマのための培地は、典型的にはヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含み(「HAT培地」)、これらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を阻止する。
【0188】
一実施態様では、抗体は二重特異性抗体である。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する、あるいは同一抗原上の2つのエピトープに対する結合特異性を有するモノクローナルの、好ましくはヒトまたはヒト化抗体である。一実施態様では、結合特異性のうちの1つは、表1〜25の核酸によりコードされるタンパク質またはその断片に対してであり、他の1つは任意のその他の抗原に対して、好ましくは細胞表面タンパク質または受容体または受容体サブユニット、好ましくは腫瘍特異性であるものに対してである。あるいは四量体型技術は、多価試薬を作製し得る。
【0189】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質に対する抗体は、以下に記載されるように、乳癌タンパク質の生物学的機能を低減または排除し得る。すなわち乳癌組織(または乳癌を含有する細胞)への抗乳癌タンパク質抗体(ポリクローナルまたは好ましくはモノクローナル)の付加は、乳癌を低減または排除し得る。一般に活性、増殖、サイズ等の少なくとも25%低減が好ましく、少なくとも約50%が特に好ましく、そして約95〜100%低減が特に好ましい。
【0190】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質に対する抗体は、ヒト化抗体である(例えばXenerex Biosciences, Mederex, Inc., Abgenix, Inc., Protein Design Labs, Inc.)。ヒト化形態の非ヒト(例えばネズミ)抗体は、免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖または非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含有するその断片(例えばFv、Fab、Fab‘、F(ab’)2または抗体のその他の抗原結合亜配列)のキメラ分子である。ヒト化抗体としては、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えばマウス、ラットまたはウサギのCDRからの残基により置換されるヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が挙げられる。いくつかの場合には、ヒト免疫グロブリンのFv枠組み残基は、対応する非ヒト残基により置換される。ヒト化抗体は、レシピエント抗体中にも移入CDRまたは枠組み配列中にも見出されない残基も含み得る。概してヒト化抗体は、少なくとも1つの、典型的には2つの可変部の実質的にすべてを含み、この場合、すべてのまたは実質的にすべてのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、そしてすべてのまたは実質的にすべての枠組み(FR)領域はヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体は最適には免疫グロブリン定常部(Fc)の、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常部の少なくとも一部も含む(Jones et al., Nature 321: 522-525 (1986); Riechmann et al., Nature 332: 323-329 (1988);およびPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2: 593-596 (1992))。ヒト化は、本質的にはWinterと共同研究者(Jones et al., Nature 321: 522-525 (1986); Riechmann et al., Nature 332: 323-329 (1988); Verhoeyen et al., Science 239: 1534-1536 (1988))の方法にしたがって、齧歯類の単数または複数のCDR配列をヒト抗体の対応する配列と置換することにより実施され得る。したがってこのようなヒト化抗体はキメラ抗体である(米国特許第4,816,567号)が、この場合、実質的に、無傷ヒト可変部が非ヒト種からの対応する配列により置換されたとはいえない。
【0191】
ヒト抗体は、当業界で既知の種々の技法、例えばファージ表示ライブラリー(Hoogenboom & Winter, J. Mol. Biol. 227: 381 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581 (1991))を用いても産生され得る。Cole等およびBoerner等の技法も、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用可能である(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, p. 77 (1985)およびBoerner et al., J. Immunol. 147 (1): 86-95 (1991))。同様にヒト抗体は、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的にまたは完全に不活性化されているトランスジェニック動物、例えばマウス中にヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入することにより作られ得る。チャレンジに際して、ヒト抗体産生が観察されるが、これは、すべての点において、例えば遺伝子再配列、アセンブリーおよび抗体レパートリーにおいてヒトで観察されるものに非常に似ている。このアプローチは、例えば米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,661,916号に、ならびに以下の科学出版物:Marks et al., Bio/Technology 10: 779-783 (1992); Lonberg et al., Nature 368: 856-859 (1994); Morrison, Nature 368: 812-13 (1994); Fishwild et al., Nature Biotechnology 14: 845-51 (1996); Neuberger, Nature Biotechnology 14: 826 (1996); Lonberg & Huszar, Intern. Rev. Immunol. 13: 65-93 (1995)に記載されている。
【0192】
免疫療法とは、乳癌タンパク質に対して産生された抗体による乳癌の治療を意味する。本明細書中で用いる場合、免疫療法は受動的または能動的であり得る。本明細書中で定義されるような受動的免疫療法は、レシピエント(患者)への抗体の受動的移入である。能動的免疫感作は、レシピエント(患者)における抗体および/またはT細胞応答の誘導である。免疫応答の誘導は、それに対して抗体が産生される抗原のレシピエントへの提供の結果である。当業者に理解されるように、抗原は、それに対する抗体がレシピエント中に産生されることが望ましいポリペプチドを注入することにより、あるいは抗原を発現し得る核酸にレシピエントを接触させ、そして抗原の発現のための条件下で、免疫応答をもたらすことにより提供され得る。
【0193】
好ましい実施態様では、それに対して抗体が産生される乳癌タンパク質は、前記のように分泌性タンパク質である。理論に縛られることなく、治療に用いられる抗体は、分泌性タンパク質がその受容体と結合するのを防止し、それにより分泌性乳癌タンパク質を不活性化する。
【0194】
別の好ましい実施態様では、抗体が産生される乳癌タンパク質は、膜貫通タンパク質である。理論に縛られることなく、治療に用いられる抗体は、乳癌タンパク質の細胞外ドメインに結合し、そしてそれが他のタンパク質、例えば循環リガンドまたは細胞関連分子と結合するのを阻止する。抗体は、膜貫通乳癌タンパク質のダウンレギュレーションを引き起こし得る。当業者に理解されるように、抗体は、乳癌タンパク質の細胞外ドメインとのタンパク質結合の競合的、非競合的または無競合的阻害剤であり得る。抗体は、乳癌タンパク質のアンタゴニストでもあり得る。さらに抗体は、膜貫通乳癌タンパク質の活性化を阻止する。一局面において、抗体が乳癌タンパク質との他の分子の結合を阻止する場合、抗体は細胞の増殖を阻止する。抗体は、細胞傷害作因(例としてはTNF−α、TNF−β、IL−1、INF−γおよびIL−2が挙げられるが、これらに限定されない)あるいは化学療法剤(例えば5FU、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、シスプラチン、メトトレキセート等)に対して細胞を標的にし、または感作するためにも用いられ得る。いくつかの場合には、抗体は、膜貫通タンパク質と複合体を形成されると血清補体を活性化し、それにより細胞傷害性または抗原依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介するサブタイプに属する。したがって乳癌は、膜貫通乳癌タンパク質に対して向けられる抗体を患者に投与することにより治療される。抗体標識は、補助毒素を活性化し、毒素ペイロードを局在化し、あるいは層でなければ細胞を局所的に除去する手段を提供し得る。
【0195】
別の好ましい実施態様では、抗体はエフェクター部分に接合される。エフェクター部分は任意数の分子、例えば標識部分、例えば放射性標識または蛍光標識であり得るし、あるいは治療的成分であり得る。一局面において、治療的成分は、乳癌タンパク質の活性を調整する小分子である。別の局面では、治療的成分は、乳癌タンパク質に関連したまたは非常に近い分子の活性を調整する。治療的成分は、乳癌に関連した酵素活性、例えばプロテアーゼまたはコラゲナーゼまたはプロテインキナーゼ活性を抑制し得る。
【0196】
好ましい実施態様では、治療的成分は細胞傷害作因でもあり得る。この方法では、乳癌組織または細胞に対する細胞傷害作因の標的化は、罹患細胞の数の低減を生じ、それにより乳癌に関連した症状を低減する。細胞傷害作因は多数で且つ種々であって、その例としては細胞傷害薬または毒素またはこのような毒素の活性断片が挙げられるが、これらに限定されない。適切な毒素およびそれらの対応する断片としては、ジフテリアA鎖、外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、クルシン、クロチン、フェモマイシン、エノマイシン等が挙げられる。細胞傷害作因としては、乳癌タンパク質に対して産生される抗体に放射性同位元素を接合することにより、あるいは抗体に共有的に結合されているキレート化剤に放射性核種を結合することによって作られる放射性化学物質も挙げられる。膜貫通乳癌タンパク質に対する治療的部分のターゲッティングは、乳癌罹患領域における治療的部分の局所濃度を増大するのに役立つだけでなく、治療的部分に関連し得る有害副作用を低減するためにも役立つ。
【0197】
別の好ましい実施態様では、それに対して抗体が産生される乳癌タンパク質は、細胞内タンパク質である。この場合、抗体は、細胞中への進入を促すタンパク質に接合され得る。ある場合には、抗体はエンドサイトーシスにより細胞に進入する。別の実施態様では、抗体をコードする核酸が個体または細胞に投与される。さらに乳癌タンパク質が細胞内で即ち核内で標的化され得る場合には、それに対する抗体は、局在化を標的かするためのシグナル、即ち核局在化シグナルを含有する。
【0198】
本発明の乳癌抗体は、乳癌タンパク質と特異的に結合する。「特異的に結合する」とは、本明細書中では、抗体が、少なくとも約0.1 mM、さらに通常は少なくとも約1 μM、好ましくは少なくとも約0.1 μMまたはそれ以上、最も好ましくは0.01 μMまたはそれ以上のKdでタンパク質と結合することを意味する。結合の選択性も重要である。
【0199】
診断および治療用とのための乳癌配列の検出
一局面において、遺伝子のRNA発現レベルが、乳癌表現型における異なる細胞状態に関して確定される。正常組織(即ち乳癌に罹患していない)中のならびに乳癌組織(そしていくつかの場合には、下記のような予後に関連する種々の重症度の乳癌に関して)中の遺伝子の発現レベルが評価されて、発現プロフィールを提供する。特定細胞状態または発症時点の発現プロフィールは、本質的には状態の「フィンガープリント」である。2つの状態は同時に発現される任意の特定遺伝子を有し得るが、多数の遺伝子の評価は、同時的に、細胞の状態を反映する遺伝子発現プロフィールの生成を可能にする。異なる状態の細胞の発現プロフィールを比較することにより、遺伝子がこれらの状態の各々において重要である(例えば遺伝子の上向きおよびダウンレギュレーション)情報が得られる。次に、診断が実施されまたは確証されて、組織試料が正常組織の遺伝子発現プロフィールを有するかまたは癌組織の遺伝子発現プロフィールを有するかを確定し得る。これは、関連症状の分子診断を提供する。
【0200】
「示差的発現」または文法的等価物とは、本明細書中で用いる場合、細胞および組織内および間の一時的および/または細胞性遺伝子発現パターンの定性的または定量的差異を指す。したがって示差的発現遺伝子は定性的に、例えば正常対乳癌組織における活性化または不活性化を含めて、変更されたその発現を有する。遺伝子は、別の状態と比較して、特定状態において作動または停止され、したがって2つまたはそれ以上の状態の比較を可能にする。あるいは定性的調節遺伝子は、標準技法により検出可能な状態または細胞型内で発現パターンを示す。いくつかの遺伝子は、ある状態または細胞型で発現されるが、しかし両方ではない。あるいは発現の差異は定量的であり得るが、例えばその場合、発現は増大または低減される。即ち遺伝子発現は、アップレギュレーションされて転写物の量の増大を生じるか、またはダウンレギュレーションされて、転写物の量の低減を生じる。発現が異なる程度は、下記のような標準特性化技法により、例えばAffymetrix GeneChipTM発現アレイ(Lockhart, Nature Biotechnology 14: 1675-1680 (1996))(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)の使用により定量するのに十分大きいだけを要する。その他の技法としては、定量的逆転写酵素PCR、ノーザン分析およびRNアーゼ保護が挙げられるが、これらに限定されない。前記のように、好ましくは発現における変化(即ちアップレギュレーションまたはダウンレギュレーション)は、少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約100%、さらに好ましくは少なくとも約150%、さらに好ましくは少なくとも約200%であり、300〜少なくとも1000%が特に好ましい。
【0201】
評価は、遺伝子転写物、またはタンパク質レベルであり得る。遺伝子発現の量は、遺伝子転写物のDNAまたはRNA等価物に対する核酸プローブを用いてモニタリングされ、そして遺伝子発現の定量または代替的に最終遺伝子産物それ自体(タンパク質)が、例えば乳癌タンパク質に対する抗体、標準イムノアッセイ(ELISA等)またはその他の技法、例えば質量分光学検定、2Dゲル電気泳動検定等を用いてモニタリングされ得る。乳癌遺伝子に対応するタンパク質、即ち乳癌表現型において重要であると同定されるものが、乳癌診断試験で評価され得る。
【0202】
好ましい実施態様では、遺伝子発現モニタリングは、多数の遺伝子に関して同時に実施される。多重タンパク質発現モニタリングも同様に実施され得る。同様にこれらの検定は、個体ベースでも同様に実施され得る。
【0203】
この実施態様では、乳癌核酸プローブは、特定細胞中の乳癌配列の検出および定量に関して本明細書中に記載されたようにバイオチップに結合される。検定は、実施例においても以下でさらに記載される。PCR技術は、より大きい感受性を提供するために用いられ得る。
【0204】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質をコードする核酸が検出される。乳癌タンパク質をコードするDNAまたはRNAが検出され得るが、しかし特に興味深いのは、乳癌タンパク質をコードするmRNAが検出される方法である。mRNAを検出するためのプローブは、mRNAと相補的で、それとハイブリダイズするヌクレオチド/デオキシヌクレオチドプローブであり、例としてはオリゴヌクレオチド、cDNAまたはRNAが挙げられるが、これらに限定されない。プローブは、本明細書中に記載されているような検出可能標識を含有する必要がある。一方法において、mRNAは、ナイロン膜のような固体支持体上に検査される核酸を固定し、そしてプローブを試料とハイブリダイズした後に検出される。洗浄して非特異的結合プローブを除去後、標識が検出される。別の方法では、mRNAの検出は、in situで実施される。この方法においては、透過性化細胞または組織試料が、プローブを標的mRNAとハイブリダイズさせるのに十分な時間、検出可能的標識化核酸プローブと接触される。洗浄して、非特異的結合プローブを除去後、標識が検出される。例えば、乳癌タンパク質をコードするmRNAと相補的であるジゴキシゲニン標識化リボプローブ(RNAプローブ)が、抗ジゴキシゲニン第二抗体とジゴキシゲニンを結合し、そしてニトロブルーテトラゾリウムおよび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイルホスフェートを用いて現像することにより、検出される。
【0205】
好ましい実施態様では、本明細書中に記載されたような3つのクラスのタンパク質(分泌性、膜貫通または細胞内タンパク質)からの種々のタンパク質が、診断検定に用いられる。乳癌タンパク質、抗体、核酸、修飾化タンパク質および乳癌配列を含有する細胞が、診断検定に用いられる。これは、個々の遺伝子または対応するポリペプチドレベルに関して実施され得る。好ましい実施態様では、発現プロフィールは、好ましくはハイスループットスクリーニング技法と一緒に用いられて、発現プロフィール遺伝子および/または対応するポリペプチドに関するモニタリングを可能にする。
【0206】
本明細書中に記載され、定義されているように、乳癌タンパク質、例えば細胞内、膜貫通または分泌性タンパク質は、乳癌のマーカーとしての用途を見出す。推定乳癌組織中のこれらのタンパク質の検出は、乳癌の検出または診断を可能にする。一実施態様では、抗体は乳癌タンパク質を検出するために用いられる。好ましい方法は、ゲル(典型的には変性および還元タンパク質ゲル。しかし別の種類のゲル、例えば等電電気泳動ゲル等であり得る)上での電気泳動により、試料からタンパク質を分離する。タンパク質の分離後、乳癌タンパク質は、例えば乳癌タンパク質に対して産生される抗体を用いた免疫ブロッティングにより検出される。免疫ブロッティングの方法は、当業者に周知である。
【0207】
別の好ましい方法において、乳癌タンパク質に対する抗体は、例えば組織学において、in situイメージング技法に用途を見出す(例えばMethods in Cell Biology: Antibodies in Cell Biology, volume 37 (Asai, ed. 1993))。この方法では、細胞は、乳癌タンパク質(単数または複数)に対する1つ〜多数の抗体と接触される。洗浄して非特異的抗体結合を除去後、単数または複数の抗体の存在が検出される。一実施態様では、抗体は、検出可能標識を含有する第二抗体とともにインキュベートすることにより検出される。別の方法では、乳癌タンパク質(単数または複数)に対する第一抗体は、検出可能標識、例えば基質上で作用し得る酵素マーカーを含有する。別の好ましい実施態様では、多第一抗体のうちの各々が、別個のおよび検出可能な標識を含有する。この方法は、複数の乳癌タンパク質に関する同時スクリーニングに特別の用途を見出す。当業者に理解されるように、多数のその他の組織学的イメージング技法も本発明により提供される。
【0208】
好ましい実施態様では、標識は、異なる波長の発光を検出し、区別する能力を有する蛍光計で検出される。さらに蛍光標示式細胞分取器(FACS)は、当該方法で用いられ得る。
【0209】
別の好ましい実施態様では、抗体は、血液、血清、血漿、糞便およびその他の試料から乳癌を診断するのに用途を見出す。したがってこのような試料は、乳癌タンパク質の存在に関してプローブまたは試験される試料として有用である。抗体は、前に記載されたイムノアッセイ技法、例えばELISA、免疫ブロッティング(ウエスタンブロッティング)、免疫沈降、BIACORE技法等により、乳癌タンパク質を検出するために用いられ得る。逆に、抗体の存在は、内因性乳癌タンパク質に対する免疫応答を示し得る。
【0210】
好ましい実施態様では、組織アレイに対する標識化乳癌核酸プローブのin situハイブリダイゼーションが実行される。例えば組織試料、例えば乳癌組織および/または正常組織のアレイが作製される。in situハイブリダイゼーション(例えばAusubel、上記、参照)が次に実施される。個体および標準間のフィンガープリントを比較する場合、当業者は、当該知見に基づいた診断、予後または予測を為し得る。診断が細胞の状態の予後および分子プロファイリングを示すものとは異なり得ることを示す遺伝子が、応答性または難治性状態の間の区別を生じ得るか、あるいは結果を予測し得る、ということがさらに理解される。
【0211】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質、抗体、核酸、修飾化タンパク質および乳癌配列を含有する細胞が、予後検定に用いられる。前記のように、長期予後に関して乳癌と相関する遺伝子発現プロフィールが生成され得る。さらにこれは、タンパク質または遺伝子レベルで実行され得るが、遺伝子の使用が好ましい。前記のように、乳癌プローブは、組織または患者における乳癌配列の検出および定量のためにバイオチップに結合され得る。検定は、診断に関して前記されたのと同様に進行する。PCR法はより感受性でそして精確な定量を提供し得る。
【0212】
治療的化合物に関する検定
好ましい実施態様では、本明細書中に記載されたようなタンパク質、核酸および抗体の成員は、薬剤スクリーニング検定に用いられる。乳癌タンパク質、抗体、核酸、修飾化タンパク質および乳癌配列を含有する細胞は、薬剤スクリーニング検定に、あるいは「遺伝子発現プロフィール」またはポリペプチドの発現プロフィールに及ぼす薬剤候補の作用を評価することにより用いられる。好ましい実施態様では、発現プロフィールは、好ましくはハイスループットスクリーニング技法と一緒に用いられて、候補作用物質による処置後の発現プロフィール遺伝子に関するモニタリングを可能にする(例えばZlokarnik, et al., Science 279: 84-8 (1998); Heid, Genome Res 6: 986-94, 1996)。
【0213】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質、抗体、核酸、修飾化タンパク質およびネイティブまたは修飾化乳癌タンパク質を含有する細胞が、スクリーニング検定に用いられる。即ち本発明は、乳癌表現型または乳癌タンパク質の同定された生理学的機能を調整する組成物に関するスクリーニングのための新規の方法を提供する。前記のように、これは個々の遺伝子レベルで、または「遺伝子発現プロフィール」に及ぼす薬剤候補の作用を評価することにより実行され得る。好ましい実施態様では、発現プロフィールは、好ましくはハイスループットスクリーニング技法と一緒に用いられて、候補作用物質による処置後の発現プロフィール遺伝子に関するモニタリングを可能にする(Zlokarnik、上記、参照)。
【0214】
本明細書中の示差的発現遺伝子が同定された場合、種々の検定が遂行され得る。好ましい実施態様では、検定は個々の遺伝子またはタンパク質レベルで実行され得る。即ち、乳癌においてアップレギュレーションされるような特定遺伝子が同定された場合、試験化合物は、遺伝子発現を調整する能力に関して、または乳癌タンパク質との結合に関してスクリーニングされ得る。したがって「調整」は、遺伝子発現における増大および低減の両方を包含する。調整の好ましい量は、正常対乳癌罹患組織における遺伝子発現のオリジナル変化によっており、少なくとも10%、好ましくは50%、さらに好ましくは100〜300%、そしていくつかの実施態様では300〜1000%またはそれ以上の変化を有する。したがって遺伝子が正常組織と比較して乳癌組織の4倍増を示す場合、約4倍の低減がしばしば望ましく、同様に、正常組織と比較して乳癌組織の10分の1低減はしばしば、試験化合物により誘導される発現の10倍増という目標値を提供する。
【0215】
遺伝子発現の量は、核酸プローブおよび遺伝子発現レベルの定量を用いてモニタリングされ得るし、あるいは代替的には、遺伝子産物それ自体が、例えば乳癌タンパク質に対する抗体の使用および標準イムノアッセイによりモニタリングされ得る。プロテオミクスおよび分離技法も、発現の定量を可能にする。
【0216】
好ましい実施態様では、多数の存在物の遺伝子発現およびタンパク質モニタリング、即ち発現プロフィールは同時にモニタリングされる。このようなプロフィールは、典型的には本明細書中に記載された複数のそれらの存在物を包含する。
【0217】
この実施態様において、乳癌核酸プローブは、特定細胞中の乳癌配列の検出および定量のために本発明に記載されたようなバイオチップに結合される。あるいはPCRが用いられ得る。したがって一連の例えばマイクロタイタープレートは、所望のウエル中に分注されたプライマーとともに用いられ得る。次にPCR反応が実施され、各ウエルに関して分析される。
【0218】
発現モニタリングは、1つまたはそれ以上の乳癌関連配列、例えば表17に記述されたポリヌクレオチド配列の発現を修飾する化合物を同定するために実施され得る。一般に、好ましい実施態様では、試験モジュレーターは、分析前に細胞に付加される。さらにスクリーンは、乳癌を調節し、乳癌タンパク質を調節し、乳癌タンパク質と結合し、あるいは乳癌タンパク質および抗体またはその他の結合相手の結合を妨げる作用物質を同定するためにも提供される。
【0219】
「試験化合物」または「薬剤候補」または「モジュレーター」という用語または文法的等価物は、本明細書中で用いる場合、任意の分子、例えば乳癌表現型または乳癌配列、例えば核酸またはタンパク質配列の発現を直接または間接的に変更する能力に関して試験されるタンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、多糖、ポリヌクレオチド等を記述する。好ましい実施態様では、モジュレーターは、発現プロフィール、あるいは本明細書中で提供される発現プロフィール核酸またはタンパク質を変更する。一実施態様では、モジュレーターは、例えば正常組織フィンガープリントに対して乳癌表現型を抑制する。別の実施態様では、モジュレーターは乳癌表現型を誘導した。一般に、複数の検定混合物が異なる作用物質濃度で平行して実行されて、種々の濃度に対して異なる応答を得る。典型的には、これらの濃度の1つは負の対照として役立ち、即ちゼロ濃度または検出レベルより低い。
【0220】
薬剤候補は多数の化学物質クラスを包含するが、しかし典型的にはそれらは有機分子、好ましくは100より大きくそして約2,500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物である。好ましい小分子は、2000未満または1500未満または1000未満または500 D未満である。候補作用物質は、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基、特に水素結合を含み、そして典型的には、少なくとも1つのアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基を、好ましくは少なくとも2つの官能化学基を包含する。候補作用物質はしばしば、1つまたはそれ以上の前記官能基で置換される周期的炭素または複素環式構造および/または芳香族またはポリ芳香族構造を含む。候補作用物質は、生物分子、例えばペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的類似体またはそれらの組合せの間にも見出される。特に好ましいのはペプチドである。
【0221】
一局面において、モジュレーターは乳癌タンパク質の作用を中和する。「中和する」とは、タンパク質の活性が抑制されるかまたは遮断され、そして細胞に及ぼすその後の作用が抑制または遮断されることを意味する。
【0222】
ある種の実施態様では、考え得るモジュレーターの組合せライブラリーが、乳癌ポリペプチドと結合するまたは活性を調整する能力に関してスクリーニングされる。慣用的には、有用な特性を有する新規の化学的存在物は、いくつかの望ましい特性または活性、例えば阻害活性を有する化学化合物(「リード化合物」と呼ばれる)を同定し、リード化合物の変異体を作製し、そしてそれらの変異体化合物の特性および活性を評価することにより生成される。しばしばハイスループットスクリーニング(HTS)法が、このような分析のために用いられる。
【0223】
好ましい一実施態様では、ハイスループットスクリーニング法は、多数の考え得る治療的化合物(候補化合物)を含有するライブラリーを提供することを包含する。このような「コンビナトリアル化学ライブラリー」は次に、1つまたはそれ以上の検定においてスクリーニングされて、所望の特徴的活性を示すそれらのライブラリー成員(特定の化学種またはサブクラス)を同定する。このように同定された化合物は、慣用的「リード化合物」として役立ち得るし、あるいはそれら自体、考え得るまたは実際的療法薬として用いられ得る。
【0224】
組合せ化学ライブラリーは、多数の化学的「建造ブロック」、例えば試薬を組合せることにより、化学合成または生物学的合成によって生成される多様な化学化合物の収集物である。例えば洗浄組合せ化学ライブラリー、例えばポリペプチド(例えばムテイン)ライブラリーは、所定の化合物長(即ちポリペプチド化合物中のアミノ酸の数)に関してすべての考え得る方法でアミノ酸と呼ばれる一組の化学建造ブロックを組合せることにより生成される。数百万の化学化合物が、化学建造ブロックのこのような組合せ混合により合成され得る(Gallop et al., J. Med. Chem. 37(9): 1233-1251 (1994))。
【0225】
コンビナトリアル化学ライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業界で周知である。このようなコンビナトリアル化学ライブラリーとしては、ペプチドライブラリー(例えば米国特許第5,010,175号、Furka, Pept. Prot. Res. 37: 487-493 (1991)、Houghton et al., Nature, 354: 84-88 (1991)参照)、ペプチド(PCT公告WO 91/19735)、コードペプチド(PCT公告WO 93/20242)、ランダムバイオオリゴマー(PCT公告WO 92/00091)、ベンゾジアゼピン(米国特許第5,288,514号)、ダイバーソマーdiversomer、例えばヒダントイン、ベンゾジアゼピンおよびジペプチド(Hobbs et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6909-6913 (1993))、ビニル様ポリペプチド(Hagihara et al., J. Amer. Chem. Soc. 114: 6568 (1992))、β−D−グルコース足場を有する非ペプチド性ペプチド模倣物(Hirschmann et al., J. Amer. Chem. Soc. 114: 9217-9218 (1992))、小化合物ライブラリーの類似有機合成(Chen et al., J. Amer. Chem. Soc. 116: 2661 (1994))、オリゴカルバメート(Cho, et al., Science 261: 1303 (1993))および/またはペプチジルホスフェート(Campbell et al., J. Org. Chem. 59: 658 (1994))が挙げられるが、これらに限定されない。一般的には、Gordon et al., J. Med. Chem. 37: 1385 (1994)、核酸ライブラリー(例えばStrategene, Corp.参照)、ペプチド核酸ライブラリー(例えば米国特許第5,539,083号参照)、抗体ライブラリー(例えばVaughn et al., Nature Biotechnology 14(3): 309-314 (1996)およびPCT/US96/10287参照)、炭水化物ライブラリー(例えばLiang et al., Science 274: 1520-1522 (1996)および米国特許第5,593,853号参照)、ならびに小有機分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピンBaum, C&EN, Jan 18, page 33 (1993);イソプレノイド、米国特許第5,569,588号;チアゾリジノンおよびメタチアザノン、米国特許第5,549,974号;ピロリジン、米国特許第5,525,735号および第5,519,134号;モルホリノ化合物、米国特許第5,506,337号;ベンゾジアゼピン、米国特許第5,288,514号等を参照)を参照されたい。
【0226】
コンビナトリアルライブラリーの調製のための用具は、市販されている(例えば357 MPS、390 MPS、Advanced Chem Tech, Louisville KY、Symphony、Rainin, Woburn, MA、433A Applied Biosystems, Foster City, CA、9050 Plus, Millipore, Bedford, MA参照)。
【0227】
多数の周知のロボットシステムも、溶液相化学のために開発されてきた。これらのシステムは、自動ワークステーション、例えばTakeda Chemical Industries, LTD(Osaka, Japan)により開発された自動合成装置、ならびにロボットアーム(Zymate II、Zymark Corporation, Hopkinton, Mass.; Orca、Hewlett-Packard, Palo Alto, Calif.)を利用する多数のロボットシステムを包含し、これらは化学者が実施する手動合成操作を模倣する。前記の装置のいずれかは、本発明とともに用いるのに適している。これらの装置に対する修飾の性質および手段(もしあれば)は、それらが本明細書中に記載されているように作動し得るので、関連等業者には明らかである。さらに多数のコンビナトリアルライブラリーはそれ自体、市販されている(例えばComGenex, Princeton, N.J., Asinex, Moscow, Ru, Tripos, Inc., St. Louis, MO, ChemStar, Ltd, Moscow, RU, 3D Pharmaceuticals, Exton, PA, Martek Biosciences, Columbia, MD等参照)。
【0228】
モジュレーターを同定する検定は、ハイスループットスクリーニングに応じやすい。したがって好ましい検定は、乳癌遺伝子転写、ポリペプチド発現の抑制または強化、ならびにポリペプチド活性の抑制または強化を検出する。
【0229】
特定に核酸またはタンパク質産物の存在、非存在、量またはその他の特性に関するハイスループット検定は、当業者に周知である。同様に結合検定およびレポーター遺伝子検定は、同様に周知である。したがって例えば米国特許第5,559,410号はタンパク質に関するハイスループットスクリーニング法を開示し、米国特許第5,585,639号は核酸(即ちアレイ中の)に関するハイスループットスクリーニング法を開示するが、一方、米国特許第5,576,220号および第5,541,061号は、リガンド/抗体結合に関するハイスループット法を開示する。
【0230】
さらにハイスループットスクリーニング系は、市販されている(例えばZymark Corp., Hopkinton, MA; Air Technical Industries, Mentor, OH; Beckman Instruments, Inc. Fullerton, CA; Precision Systems, Inc., Natick, MA等)。これらの系は、典型的には全手法を、例えばすべての試料および試薬ピペット分取、液体計量分配、時間調節インキュベーション、ならびに検定に適した検出器(単数または複数)におけるマイクロプレートの最終読み取りを自動化する。これらの適合性のある系は、ハイスループットおよび迅速開始ならびに高度の柔軟性および特注生産を提供する。このような系の製造は、種々のハイスループット系に関する詳細なプロトコールを提供する。したがって、例えばZymark Corp.は、遺伝子転写、リガンド結合等の調整を検出するためのスクリーニング系を説明する技術公示を提供する。
【0231】
一実施態様では、モジュレーターは、タンパク質、しばしば天然タンパク質または天然タンパク質の断片である。したがって例えばタンパク質を含有する細胞抽出物、あるいはタンパク質様細胞抽出物のランダムまたは直接消化物が用いられ得る。このようにして、タンパク質のライブラリーが、本発明の方法におけるスクリーニングのために作製され得る。この実施態様において特に好ましいのは、細菌、真菌、ウイルスおよび哺乳類タンパク質のライブラリーであり、後者に行くほど好ましく、そしてヒトタンパク質が特に好ましい。特に有用な試験化合物は、標的が例えば酵素のための基質またはリガンドおよび受容体に属するタンパク質のクラスに向けられる。
【0232】
好ましい実施態様では、モジュレーターは、約5〜約30アミノ酸のペプチドであり、約5〜約20アミノ酸が好ましく、そして約7〜約15が特に好ましい。ペプチドは、前記のような天然タンパク質の消化物、ランダムペプチドまたは「偏向」ランダムペプチドであり得る。「ランダム化」または文法的等価物は、本明細書中では、各核酸およびペプチドが本質的にそれぞれランダムヌクレオチドおよびアミノ酸から成ることを意味する。一般にこれらのランダムペプチド(または核酸、下記)は化学合成されるため、それらは任意の位置に任意のヌクレオチドまたはアミノ酸を組み入れ得る。合成過程は、ランダム化タンパク質または核酸を生成して、配列長に亘ってすべてまたはほとんどの考え得る組合せの形成を可能にし、したがってランダム化候補生物活性タンパク質様作用物質のライブラリーを生成するよう意図され得る。
【0233】
一実施態様では、ライブラリーは完全にランダム化され、任意の位置での配列選択または一定不変はない。好ましい実施態様では、ライブラリーは偏向される。即ち、配列内のいくつかの位置は一定に保持されるか、あるいは限定数の可能性から選択される。例えば、好ましい実施態様では、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基は、核酸結合ドメインの作製、架橋に関してはシステインの作製、SH−3ドメインに関してはプロリンの作製、リン酸化部位に関してはセリン、トレオニン、チロシンまたはヒスチジンの作製等に向けて、あるいはプリン等に対して、限定クラスの、例えば疎水性アミノ酸、親水性残基、立体的偏向(大小)残基内でランダム化される。
【0234】
乳癌のモジュレーターは、前記のように核酸でもあり得る。
【0235】
タンパク質に関して一般的に前記されたように、核酸調節剤は、天然核酸、ランダム核酸、または「偏向」ランダム核酸であり得る。例えば原核生物または真核生物ゲノムの消化物は、タンパク質に関して前記されたのと同様に、用いられ得る。
【0236】
好ましい実施態様では、候補化合物は有機化学部分であり、広範な種々のそれらは、文献中で利用可能である。
【0237】
候補作用物質が付加され、そして細胞が何らかの時間、インキュベートさせられた後、分析される標的配列を含有する試料がバイオチップに付加される。必要な場合には、標的配列は、既知の技法を用いて調製される。例えば試料は、既知の溶解緩衝液、電気穿孔等を用いて細胞を溶解するよう処理され、精製および/または増幅、例えばPCRが、適切な場合には実施される。例えばヌクレオチドに共有結合された標識を用いたin vitro転写が実施される。一般に核酸は、ビオチン−FITCまたはPEを用いて、あるいはcy3またはcy5を用いて標識される。
【0238】
好ましい実施態様では、標的配列は、例えば蛍光、化学発光、化学的または放射性シグナルで標識されて、プローブとの標的配列の特異的結合を検出する手段を提供する。標識は、酵素、例えばアルカリ性ホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼでもあり、これらは、適切な基質とともに提供されると、検出され得る物質を生じる。あるいは標識は、結合するが酵素により触媒されたり変えられたりしない標識化化合物または小分子、例えば酵素阻害剤であり得る。標識は、例えばエピトープタグ、あるいはストレプタビジンと特異的に結合するビオチンのような部分または化合物でもあり得る。ビオチンの例に関しては、ストレプタビジンは前記のように標識され、それにより結合標的配列のための検出可能シグナルを提供する。非結合標識化ストレプタビジンは、典型的には分析前に除去される。
【0239】
当業者に理解されるように、これらの検定は直接ハイブリダイゼーション検定であり得るし、あるいは多プローブの使用を包含する「サンドイッチ検定」を含み得るが、これらは一般に、米国特許第5,681,702号、第5,597,909号、第5,545,730号、第5,594,117号、第5,591,584号、第5,571,670号、第5,580,731号、第5,571,670号、第5,591,584号、第5,624,802号、第5,635,352号、第5,594,118号、第5,259,110号、第5,124,246号および第5,681,697号(これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)に記載されている。この実施態様において、概して、標的核酸は前記のように調製され、次にハイブリダイゼーション複合体の形成を可能にする条件下で、複数の核酸プローブを含むバイオチップに付加される。
【0240】
種々のハイブリダイゼーション条件、例えば前記のような高、中等度および低ストリンジェント条件が本発明において用いられ得る。検定は一般に、標的の存在下でのみ、標識プローブハイブリダイゼーション複合体の生成を可能にするストリンジェント条件下で実行される。ストリンジェンシーは、熱力学的変数である段階パラメーターを変更することにより制御され得る。パラメーターの例としては、温度、ホルムアミド濃度、塩濃度、カオトロピック塩濃度pH、有機溶媒濃度等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0241】
これらのパラメーターは、米国特許第5,681,697号に一般的に記載されているように、非特異的結合を制御するためにも用いられ得る。したがって、非特異的結合を低減するためにより高いストリンジェント条件で一定の段階を実施するのが望ましい。
【0242】
本明細書中に記載された反応は、種々の方法で成し遂げられ得る。反応の構成成分は、下記の好ましい実施態様を用いて、同時に、または逐次、異なる順序で付加され得る。さらに反応は、種々のその他の試薬を包含し得る。これらは、塩、緩衝液、中性タンパク質、例えばアルブミン、洗剤等を含み、これらは、最適ハイブリダイゼーションおよび検出を促すために、および/または非特異的またはバックグラウンド相互作用を低減するために用いられ得る。別の状況では検定の効率を改良する試薬、例えばプロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗微生物剤等も、試料分離方法および標的の純度によって、適切な場合には用いられ得る。検定データは、個々の遺伝子の発現レベルならびに状態間の場合には発現レベルにおける変化を確定し、遺伝子発現プロフィールを生成するために分析される。
【0243】
スクリーンは、乳癌表現型のモジュレーターを同定するために実施される。一実施態様では、スクリーニングは、特定発現プロフィールを誘導または抑制し、したがって好ましくは関連表現型を生成し得るモジュレーターを同定するために実施される。特定状態で重要な同定された示差的発現遺伝子を有する、例えば診断用途のための別の実施態様では、スクリーンは、個々の遺伝子の発現を変更するモジュレーターを同定するために実施され得る。別の実施態様では、スクリーニングは、示差的発現遺伝子の発現産物の生物学的機能を変更するモジュレーターを同定するために実施される。さらに特定状態における遺伝子の重要性が同定された場合、スクリーンは、結合し、および/または遺伝子産物の生物学的活性を調整する作用物質を同定するために実施される。
【0244】
さらにスクリーンは、候補作用物質に応答して誘導される遺伝子に関して実行され得る。乳癌発現パターンを抑制して正常発現パターンをもたらす、または正常組織からの遺伝子の発現を模倣するために単一乳癌遺伝子発現プロフィールを調整するその能力に基づいたモジュレーターを同定後、前記のようなスクリーンが、作用物質に応答して特異的に調整される遺伝子を同定するために実施され得る。正常組織と作用物質処置乳癌組織との間の発現プロフィールの比較は、正常組織または乳癌組織中では発現されないが、しかし作用物質処置組織中で発現される遺伝子を明示する。これらの作用物質特異的配列は、乳癌遺伝子またはタンパク質に関して本明細書中に記載された方法により同定され、用いられ得る。特にこれらの配列およびそれらがコードするタンパク質は、作用物質処置細胞のマーキングまたは同定に用途を見出す。さらに抗体が、作用物質誘導タンパク質に対して産生され、処置乳癌組織試料を新規治療薬の標的にするために用いられ得る。
【0245】
したがって一実施態様では、試験化合物は、関連乳癌発現プロフィールを有する乳癌細胞の集団に投与される。「投与」または「接触」とは、本明細書中では、取り込み及び細胞内作用によるにせよ、あるいは細胞表面での作用によるにせよ、作用物質に細胞上で作用させるような方法で、候補作用物質が細胞に付加されることを意味する。いくつかの実施態様では、タンパク質様候補作用物質(即ちペプチド)をコードする核酸は、ウイルス構築物、例えばアデノウイルスまたはレトロウイルス構築物中に入れられて、ペプチド作用物質の発現が成し遂げられるよう、細胞に付加され得る(例えばPCT US97/01019)。調節可能遺伝子療法系も用いられ得る。
【0246】
一旦試験化合物が細胞に投与されると、細胞は所望により洗浄され、好ましくは生理学的条件下で何らかの時間の間インキュベートさせられる。次に細胞は収穫され、そして本明細書中に記載されるように、新規の遺伝子発現が生成される。
【0247】
したがって、例えば乳癌組織は乳癌表現型を調整する、例えば誘導または抑制する作用物質に関してスクリーニングされ得る。発現プロフィールのうちの少なくとも1つの、好ましくは多数の遺伝子における変化は、乳癌活性に及ぼす作用を有する。乳癌表現型に関するこのような特性を定義することにより、表現型を変える新規の薬剤に関するスクリーンが考案され得る。このアプローチに関して、薬剤標的は既知である必要はなく、そして元の発現スクリーニングプラットホームで表示される必要も、あるいは標的タンパク質に関する転写物のレベルを変更する必要もない。
【0248】
好ましい実施態様では、前記のように、スクリーンは個々の遺伝子および遺伝子産物(タンパク質)に関して実行される。即ち、特定の状態で重要であると特定の示差的発現遺伝子が同定された場合、遺伝子または遺伝子産物それ自体の発現のモジュレーターのスクリーニングが実行され得る。示差的発現遺伝子の遺伝子産物は、時としては「乳癌タンパク質」または「乳癌調節タンパク質」として本明細書中で言及される。乳癌調節タンパク質は断片であり得るし、あるいは表の核酸によりコードされる断片に対して全長タンパク質であり得る。好ましくは乳癌調節タンパク質は断片である。好ましい実施態様では、配列同一性または類似性を確定するために用いられる乳癌アミノ酸配列は、表25の核酸によりコードされる。別の実施態様では、配列は、表25の核酸によりコードされるタンパク質の天然対立遺伝子変異体である。別の実施態様では、配列は、本明細書中にさらに記載されるような配列変異体である。
【0249】
好ましくは乳癌調節タンパク質は、約14〜24アミノ酸長の断片である。さらに好ましくは、断片は可溶性断片である。好ましくは断片は、非膜貫通領域を含む。好ましい実施態様では、断片は、可溶性を助成するためにN末端Cysを有する。一実施態様では、断片のC末端は遊離酸として保持され、そしてN末端は、即ちシステインとのカップリングを助成するために遊離アミンである。
【0250】
一実施態様では、乳癌タンパク質は、本明細書中で考察されるような免疫原性作用物質に接合される。一実施態様では、乳癌タンパク質はBSAに接合される。
【0251】
乳癌ポリペプチド活性の、あるいは乳癌または乳癌表現型の測定は、種々の検定を用いて実施され得る。例えば乳癌ポリペプチドの機能に及ぼす試験化合物の作用は、前記のパラメーターを調べることにより測定され得る。活性に影響する適切な生理学的変化を用いて、本発明のポリペプチドに及ぼす試験化合物の影響を査定し得る。無傷細胞または動物を用いて機能的結果が確定される場合、種々の作用、例えば腫瘍、腫瘍増殖、腫瘍転移、新血管形成、ホルモン放出、機知のおよび非特性化遺伝子マーカーの両方に対する転写的変化(例えばノーザンブロット)、細胞代謝、例えば細胞増殖またはpH変化における変化、ならびに細胞内二次メッセンジャー、例えばcGMPにおける変化も測定し得る。本発明の検定において、哺乳類の、例えばマウス、好ましくはヒトの乳癌ポリペプチドが典型的には用いられる。
【0252】
調節活性を有する化合物を同定するための検定は、in vitroで実施され得る。例えば乳癌ポリペプチドは、考え得るモジュレーターと先ず接触され、そして適切な時間の間、例えば0.5〜48時間、インキュベートされる。一実施態様では、乳癌ポリペプチドレベルは、タンパク質またはmRNAのレベルを測定することによりin vitroで確定される。タンパク質のレベルは、イムノアッセイ、例えばウエスタンブロッティング、ELISA等を、乳癌ポリペプチドまたはその断片と選択的に結合する抗体とともに用いて測定される。mRNAの測定に関しては、例えばPCR、LCRまたはハイブリダイゼーション検定、例えばノーザンハイブリダイゼーションを用いた増幅、RNAアーゼ保護、ドットブロッティングが好ましい。タンパク質またはmRNAのレベルは、直接または間接的に標識された検出作用物質、例えば本明細書中に記載されたような蛍光または放射能で標識された核酸、放射能または酵素で標識された抗体等を用いて検出される。
【0253】
あるいはレポーター遺伝子系が、ルシフェラーゼ、グリーン蛍光タンパク質、CATまたはβ−galのようなレポーター遺伝子と操作可能的に連結された乳癌タンパク質プロモーターを用いて案出され得る。レポーター構築物は、典型的には細胞中にトランスフェクトされる。考え得るモジュレーターで処置後、レポーター遺伝子の転写、翻訳または活性の量は、当業者に既知の標準技法にしたがって測定される。
【0254】
好ましい実施態様では、前記のように、スクリーンは個々の遺伝子および遺伝子産物(タンパク質)に関して実行され得る。即ち、特定の状態で重要であると特定の示差的発現遺伝子が同定された場合、遺伝子または遺伝子産物それ自体の発現のモジュレーターのスクリーニングが実行され得る。示差的発現遺伝子の遺伝子産物は、時としては「乳癌タンパク質」として本明細書中で言及される。乳癌タンパク質は断片であり得るし、あるいは本明細書中に示された断片に対して全長タンパク質であり得る。
【0255】
一実施態様では、特定遺伝子の発現のモジュレーターに関するスクリーニングが実施される。典型的には、1つだけのまたは2〜3の遺伝子の発現が評価される。別の実施態様では、スクリーンは、示差的発現タンパク質と結合する化合物を先ず見出すよう意図される。これらの化合物は次に、示差的発現活性を調整する能力に関して評価される。さらに一旦最初の候補化合物が同定されると、変異体がさらにスクリーニングされて、構造活性関係をより良好に評価し得る。
【0256】
好ましい実施態様では、結合検定が実行される。概して、精製または単離遺伝子産物が用いられる。即ち、1つまたはそれ以上の示差的発現核酸の遺伝子産物が作られる。例えば抗体はタンパク質遺伝子産物に対して産生され、そして標準イムノアッセイが実行されて、存在するタンパク質の量を確定する。あるいは、乳癌タンパク質を含む細胞が検定に用いられ得る。
【0257】
したがって、好ましい実施態様では、当該方法は乳癌タンパク質および候補化合物を組合せ、そして乳癌タンパク質への化合物の結合を確定することを包含する。好ましい実施態様はヒト乳癌タンパク質を利用するが、しかしその他の哺乳類タンパク質も、例えばヒト疾患の動物モデルの開発のために用いられ得る。いくつかの実施態様では、本明細書中に記載されているように、変異体または誘導体乳癌タンパク質が用いられ得る。
【0258】
一般に、本明細書中の方法の好ましい実施態様では、乳癌タンパク質または候補作用物質は、単離試料受容領域(例えばマイクロタイタープレート、アレイ等)を有する不溶性支持体に非拡散可能的に結合される。不溶性支持体は、組成物が結合され、可溶性物質から容易に分離され、そしてそうでない場合はスクリーニングの全体的方法と適合性であり得る任意の組成物から作製され得る。このような支持体の表面は、固体または多孔性であり、そして任意の便利な形状であり得る。適切な不溶性支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、膜およびビーズが挙げられる。これらは、典型的にはガラス、プラスチック(ポリスチレン)、多糖、ナイロンまたはニトロセルロース、テフロンTM等から作られる。マイクロタイタープレートおよびアレイは、少量の試薬および試料を用いて多数の検定が同時に実行され得るため、特に便利である。組成物の結合の特定の方法は、それが本発明の試薬および全体的方法と適合性であり、組成物の活性を保持し、そして非拡散性である限り、重大ではない。結合の好ましい方法としては、抗体の使用(これはタンパク質が支持体に結合される場合、リガンド結合部位または活性化配列を立体的に遮断しない)、「粘着性」またはイオン性支持体との直接結合、化学的架橋、表面上でのタンパク質または作用物質の合成等が挙げられる。タンパク質または作用物質の結合後、余分の非結合物質が洗浄により除去される。試料受容領域は次に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインまたはその他の無害タンパク質または他の部分とのインキュベーションにより遮断され得る。
【0259】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質は支持体に結合され、そして試験化合物が検定に付加される。あるいは候補作用物質は支持体に結合されて、乳癌タンパク質が付加される。新規の結合剤としては、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーンで同定された非天然結合剤、ペプチド類似体等が挙げられる。特に興味深いのは、ヒト細胞に対して低毒性を有する作用物質に関するスクリーニング検定である。広範な種々の検定、例えば標識化in vitroタンパク質−タンパク質結合検定、電気泳動移動度シフト検定、タンパク質結合に関するイムノアッセイ、機能性検定(リン酸化検定等)等が、この目的のために用いられ得る。
【0260】
乳癌タンパク質との試験調節化合物の結合の確定は、多数の方法で実行され得る。好ましい実施態様では、例えば乳癌タンパク質の全部または一部を固体支持体に付着させ、標識化候補作用物質(例えば蛍光標識)を付加し、余分の試薬を洗い落とし、そして標識が固体支持体上に存在するか否かを確定することにより、化合物が標識され、そして結合が直接的に確定される。種々の遮断および洗浄段階が、適切な場合には利用され得る。
【0261】
いくつかの実施態様では、構成成分のうちの1つだけが標識され、例えばタンパク質(またはタンパク質様候補化合物)が標識され得る。あるいは1つより多い構成成分が、異なる標識で、例えばタンパク質に関しては125Iおよび化合物に関してはフルオロフォアで標識され得る。近接試薬、例えば消光またはエネルギー転移試薬も有用である。
【0262】
一実施態様では、試験化合物の結合は競合的結合検定により確定される。競合体は、標的分子(即ち乳癌タンパク質)と結合することが既知の結合部分、例えば抗体、ペプチド、結合相手、リガンド等である。ある種の環境下では、化合物および結合部分間の競合的結合が存在し得る。結合部分は化合物に取って代わる。一実施態様では、試験化合物は標識される。化合物または競合体あるいは両方が、存在する場合には、結合を可能にするのに十分な時間の間、先ずタンパク質に付加される。最適活性を促す温度で、典型的には4〜40℃で、インキュベーションが実施され得る。インキュベーション時間は、典型的には、例えば迅速ハイスループットスクリーニングを促すために、最適化される。典型的には、0.1〜1時間で十分である。余分の試薬は一般的に、除去されるかまたは洗い流される。次に二次構成成分が付加され、そして標識化化合物の存在または非存在が、結合を示すために、追跡調査される。
【0263】
好ましい実施態様では、競合体が先ず付加され、その後試験化合物が付加される。競合体の置き換えは、試験化合物が乳癌タンパク質と結合しており、したがって乳癌タンパク質と結合し、おそらくはその活性を調節し得ることの指標である。この実施態様では、構成成分が標識され得る。したがって、例えば競合体が標識される場合、洗浄溶液中の標識の存在は作用物質による置換を示す。あるいは試験化合物が標識される場合、支持体上の標識の存在は置換を示す。
【0264】
代替的実施態様では、試験化合物が先ず付加され、インキュベートされ、洗浄されて、その後競合体が付加される。競合体による結合の非存在は、試験化合物がより高い親和性で乳癌タンパク質に結合されたことを示し得る。したがって試験化合物が標識された場合、結合する競合体の欠如と結び付けられる支持体上の標識の存在は、試験化合物が乳癌タンパク質と結合し得ることを示し得る。
【0265】
好ましい実施態様では、当該方法は、乳癌タンパク質の活性を調整し得る作用物質を同定するための示差的スクリーニングを包含する。この実施態様では、当該方法は、一次試料中で乳癌タンパク質および競合体を組合せることを包含する。二次試料は、試験化合物、乳癌タンパク質および競合体を含む。競合体の結合は両試料に関して確定され、そして2つの試料間の結合における変化または差異は、乳癌タンパク質と結合し、そしておそらくはその活性を調節し得る作用物質の存在を示す。即ち、競合体の結合が一次試料と比較して二次試料において異なる場合には、作用物質は乳癌タンパク質と結合し得る。
【0266】
あるいは示差的スクリーニングは、ネイティブ乳癌タンパク質と結合するが、しかし修飾化乳癌タンパク質と結合し得ない薬剤候補を同定するために用いられる。乳癌タンパク質の構造はモデル化され、合理的薬剤設計に用いられて、その部位と相互作用する作用物質を合成し得る。乳癌タンパク質の活性に影響を及ぼす薬剤候補は、タンパク質の活性を強化または低減する能力に関して薬剤をスクリーニングすることによっても同定される。
【0267】
正の対照および負の対照が検定に用いられ得る。好ましくは対照および試験試料は、少なくとも三重反復試験で実施されて、統計学的に有意の結果を得る。すべての試料のインキュベーションは、タンパク質との作用物質の結合のために十分な時間である。インキュベーション後、試料は洗浄されて非特異的結合物質を除去されて、そして結合され、一般に標識化された作用物質の量が確定される。例えば放射性標識が用いられる場合、試料はシンチレーション計数器で計数されて、結合化合物の量を確定する。
【0268】
種々のその他の試薬は、スクリーニング検定に含まれ得る。これらの例としては、塩、中性タンパク質、例えばアルブミン、洗剤等が挙げられるが、これらは最適タンパク質−タンパク質結合を促し、および/または非特異的またはバックグラウンド相互作用を低減するために用いられ得る。別の方法で検定の効率を改良する試薬、例えばプロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗微生物剤等も用いられ得る。構成成分の混合物は、必要な結合を提供する順序で付加され得る。
【0269】
好ましい実施態様では、本発明は、乳癌タンパク質の活性を調節し得る化合物に関するスクリーニング方法を提供する。当該方法は、前記のような試験化合物を、乳癌タンパク質を含む細胞に付加することを包含する。好ましい細胞型としては、ほとんどの任意の細胞が挙げられる。細胞は、乳癌タンパク質をコードする組換え核酸を含有する。好ましい実施態様では、候補作用物質のライブラリーが、複数の細胞に関して試験される。
【0270】
一局面において、検定は、生理学的シグナル、例えばホルモン、抗体、ペプチド、抗原、サイトカイン、増殖因子、作用能力、薬理学的作用物質、例えば化学療法薬、放射線、発癌物質またはその他の細胞(即ち細胞−細胞接触)の前のまたはその後の曝露の存在または非存在下で評価される。別の例では、確定は、細胞周期過程の異なる段階で確定される。
【0271】
このようにして、乳癌作用物質を調整する化合物が同定される。薬理学的活性を有する化合物は、乳癌タンパク質の活性を強化し、または妨害し得る。一旦同定されれば、同様の構造が評価されて、化合物の重要な構造的特徴を同定する。
【0272】
一実施態様では、乳癌細胞分裂の抑制方法が提供される。当該方法は、乳癌阻害剤の投与を包含する。別の実施態様では、乳癌の抑制方法が提供される。当該方法は、乳癌阻害剤の投与を包含する。さらなる実施態様では、乳癌を有する細胞または個体の治療方法が提供される。当該方法は、乳癌阻害剤の投与を包含する。
【0273】
一実施態様では、乳癌阻害剤は、前記のような抗体である。別の実施態様では、乳癌阻害剤はアンチセンス分子である。
【0274】
種々の細胞成長、増殖および転移検定は、下記のように当業者に既知である。
【0275】
軟寒天増殖または懸濁液中でのコロニー形成
正常細胞は、付着し、増殖するための固体基盤を要する。細胞が形質転換されると、それらはこの表現型を損失し、基盤から剥離されて増殖する。例えば形質転換細胞は、撹拌懸濁液培養中で増殖し、または半固体培地中、例えば半固体または軟寒天中に懸濁され得る。形質転換細胞は、腫瘍抑制遺伝子でトランスフェクトされると、正常表現型を再生し、そして付着し、増殖するための固体基盤を要する。軟寒天増殖または懸濁液検定でのコロニー形成は、宿主細胞中で発現されると異常細胞増殖および形質転換を抑制する乳癌配列のモジュレーターを同定するために用いられ得る。治療的化合物は、撹拌懸濁液中で増殖するか、または半固体培地、例えば半固体または軟寒天中に懸濁される宿主細胞の能力を低減または排除する。
【0276】
軟寒天増殖または懸濁液検定におけるコロニー形成に関する技法は、Freshney, Culture of Animal Cells a Manual of Basic Technique (3rd ed., 1994)に記載されている(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。Garkavtsev et al. (1996)(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)の方法の節も参照されたい。
【0277】
増殖の接触抑制および密度制限
正常細胞は典型的には、それらが他の細胞と触れ合うまで、ペトリ皿中で平坦且つ組織化パターンで増殖する。細胞が互いに触れ合うと、それらは接触抑制され、増殖を停止する。しかしながら細胞が形質転換されると、細胞は接触抑制されず、無組織化病巣で高密度に増殖し続ける。したがって形質転換化細胞は、正常細胞より高飽和密度に増殖する。これは、正常周囲細胞の調節パターン内での病巣中の細胞または円形化細胞の無配向単一層の形成により形態学的に検出され得る。あるいは飽和密度での(3H)−チミジンを用いた標識指数を用いて、増殖の密度制限を測定する(Freshney (1994)、上記、参照)。形質転換化細胞は、腫瘍抑制遺伝子でトランスフェクトされると、正常表現型を再生し、そして接触抑制されるようになり、低密度に増殖する。
【0278】
この検定において、飽和密度での(3H)−チミジンを用いた標識指数は、増殖の密度制限を測定する好ましい方法である。形質転換化宿主細胞は乳癌関連配列でトランスフェクトされ、そして非制限培地条件中で飽和密度で24時間増殖される。(3H)−チミジンを用いた細胞標識のパーセンテージは、オートラジオグラフィーにより確定される(Freshney (1994)、上記、参照)。
【0279】
増殖因子または血清依存性
形質転換化細胞は、それらの正常相対物より低い血清依存性を有する(例えばTemin, J. Natl. Cancer Insti. 37: 167-175 (1966); Eagle et al., J. Exp. Med. 131: 836-879 (1970);参照)(Freshney (1994)、上記、参照)。これは、一部は、形質転換化細胞による種々の増殖因子の放出のためである。形質転換化宿主細胞の増殖因子または血清依存性は、対照の場合と比較され得る。
【0280】
腫瘍特異的マーカーレベル
腫瘍細胞は、それらの正常相対物より増大された量のある種の因子(以後、「腫瘍特異的マーカー」)を放出する。例えばプラスミノーゲンアクチベーター(PA)は、正常脳細胞からより高レベルでヒト神経膠腫から放出される(例えばGullino, Angiogenesis, tumor vascularization, and potential interference with tumor growth. in Biological Responses in Cancer, pp. 178-184 (Mihich (ed.) 1985参照)。同様に、腫瘍血管形成因子(TAF)は、それらの正常相対物より腫瘍細胞中で高レベルで放出される(例えばFolkman, Angiogenesis and Cancer, Sem Cancer Biol. (1992)参照)。
【0281】
これらの因子を測定する種々の技法は、Freshney (1994)、上記、に記載されている(Unkless et al., J. Biol. Chem. 249: 4295-4305 (1974); Strickland & Beers, J. Biol. Chem. 251: 5694-5702 (1976); Whur et al., Br. J. Cancer 42: 305-312 (1980); Gullino, Angiogenesis, tumor vascularization, and potential interference with tumor growth. in Biological Responses in Cancer, pp. 178-184 (Mihich (ed.) 1985; Freshney Anticancer Res. 5: 111-130 (1985)も参照)。
【0282】
マトリゲル中への侵襲性
マトリゲルまたは何らかのその他の細胞外マトリクス構成物質中への侵襲性の程度は、乳癌関連配列を調整する化合物を同定するための検定として用いられ得る。腫瘍細胞は、悪性疾患とマトリゲルまたは何らかのその他の細胞外マトリクス構成物質中への細胞の侵襲性との間の良好な相関を示す。この検定において、腫瘍原細胞は典型的には宿主細胞として用いられる。これらの宿主細胞中での腫瘍抑制遺伝子の発現は、宿主細胞の侵襲性を低減する。Freshney (1994)、上記、に記載された技法が用いられ得る。要するに、宿主細胞の侵襲のレベルは、マトリゲルまたは何らかのその他の細胞外マトリクス構成物質で被覆されたフィルターを用いることにより測定され得る。ゲル中へのまたはフィルターの遠位側につながる浸透は、侵襲性として等級付けされ、そして移動された細胞の数および距離により、または125Iを用いて細胞を予備標識氏、そしてフィルターの遠位側または皿の底の放射能を計数することにより組織学的に等級付けされる(例えばFreshney (1994)、上記、参照)。
【0283】
in vivoでの腫瘍増殖
細胞増殖に及ぼす乳癌関連配列の作用は、トランスジェニックまたは免疫抑制マウスにおいて試験され得る。ノックアウトトランスジェニックマウスが作製され得るが、この場合、乳癌遺伝子は中断されるか、あるいは乳癌遺伝子が挿入される。ノックアウトトランスジェニックマウスは、相同組換えによるマウスゲノム中の内因性乳癌遺伝子部位へのマーカー遺伝子またはその他の異種遺伝子の挿入によって作製され得る。このようなマウスは、乳癌遺伝子の突然変異化バージョンを用いて内因性乳癌遺伝子を置換することにより、あるいは例えば発癌物質に曝露することにより内因性乳癌遺伝子を突然変異化することによっても作製され得る。
【0284】
DNA構築物は、胚幹細胞の核中に導入される。新規光学処理遺伝子損傷を含有する細胞は宿主マウス胚中に注入され、これがレシピエント雌中に再移植される。これらの胚のいくつかは、突然変異体細胞株に部分的に由来する生殖細胞を保有するキメラマウス中で発生する。したがってキメラマウスを繁殖させることにより、導入された遺伝子損傷を含有する新しい系統のマウスを得ることができる(例えばCapecchi et al., Science 244: 1288 (1989)参照)。キメラ標的化マウスは、Hogan et al., Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual, Cold Spring Habor Laboratory (1988)およびTeratocarcinoma and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, Robertson, ed., IRL IPL Press, Washington, D.C., (1987)にしたがって得られる。
【0285】
あるいは種々の免疫抑制または免疫不全宿主動物が用いられ得る。例えば遺伝的無胸腺「ヌード」マウス(例えばGiovanella et al., J. Natl. Cancer Inst. 52: 921 (1974)参照)、SCIDマウス、胸腺切除マウスまたは放射線照射マウス(例えばBradly et al., Br. J. Cancer 38: 263 (1978); Selby et al., Br. J. Cancer 41: 52(1980)参照)が、宿主として用いられ得る。同遺伝子系宿主中に注入される移植可能腫瘍細胞(典型的には約106細胞)は高比率の症例において侵襲性腫瘍を生じるが、一方、同様の起源の正常細胞はそうではない。侵襲性腫瘍を発症した宿主では、乳癌関連配列を発現する細胞は、皮下注射される。適切な長さの時間後、好ましくは4〜8週間後、腫瘍増殖が測定され(例えば容積によりまたはその2つの最大寸法により)、対照と比較される。統計学的有意の低減(例えばスチューデントT検定を用いる)を有する腫瘍は、増殖を抑制されたといわれる。
【0286】
乳癌のポリヌクレオチドモジュレーター
アンチセンスポリヌクレオチド
ある種の実施態様では、乳癌関連タンパク質の活性は、アンチセンスポリヌクレオチド、即ちコードmRNA核酸配列、例えば乳癌タンパク質mRNAまたはその亜配列と相補的な(そして好ましくは特異的にハイブリダイズする)核酸の使用により、ダウンレギュレーションされるかまたは完全に抑制される。mRNAとのアンチセンスポリヌクレオチドの結合は、mRNAの翻訳および/または安定性を低減する。
【0287】
本発明の情況では、アンチセンスポリヌクレオチドは、天然ヌクレオチドまたは天然サブユニットまたはそれらの密接な相同体から生成される合成種を含み得る。アンチセンスポリヌクレオチドは、変更された糖部分または糖間結合も有し得る。これらの例は、ホスホロチオエートおよび当業界で既知のその他の硫黄含有種である。類似体は、それらが有効に機能して乳癌タンパク質mRNAとハイブリダイズする限り、本発明に含まれる(例えばIsis Pharmaceuticals, Carlsbad, CA; Sequitor, Inc., Natik, MA参照)。
【0288】
このようなアンチセンスポリヌクレオチドは、組換え手段を用いて容易に合成され、あるいはin vitroで合成され得る。このような合成のための設備は、いくつかの売主、例えばApplied Biosystemsにより販売されている。その他のオリゴヌクレオチド、例えばホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体の調製も、当業者には周知である。
【0289】
本明細書中で用いられるようなアンチセンス分子は、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを含む。センスオリゴヌクレオチドは、例えばアンチセンス鎖との結合により転写を遮断するために用いられ得る。アンチセンスおよびセンスオリゴヌクレオチドは、乳癌分子に関する標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセンス)配列と結合し得る一本鎖核酸配列(RNAまたはDNA)を含む。好ましいアンチセンス分子は、表1〜25中の乳癌配列に関して、あるいはそのリガンドまたはアクチベーターに関してである。本発明のアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、一般的に少なくとも約14ヌクレオチド、好ましくは14〜30ヌクレオチドの断片を含む。所定のタンパク質をコードするcDNA配列に基づいたアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを得る能力は、例えばStein & Cohen (Cancer Res.48: 2659 (1988)およびder Krol et al., (Bio Techniques 6: 958 (1988)に記載されている。
【0290】
リボザイム
アンチセンスポリヌクレオチドのほかに、リボザイムが、乳癌関連ヌクレオチド配列の転写を標的化し、抑制するために用いられ得る。リボザイムは、他のRNA分子を触媒的に切断するRNA分子である。異なる種類のリボザイム、例えばI群リボザイム、ハンマーヘッドリボザイム、ヘアピンリボザイム、RNアーゼPおよび斧頭形リボザイムが記載されている(異なるリボザイムの特性の一般的再検討のためには、例えばCastanotto et al., Adv. In Pharmacology 25: 289-317 (1994)参照)。
【0291】
ヘアピンリボザイムの一般的特徴は、例えばHampel et al., Nucl. Acids Res. 18: 299-304 (1990)、欧州特許公告第0 360 257号、米国特許第5,254,678号に記載されている。製造方法は、当業者には周知である(例えばWO94/26877; Ojwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6340-6344 (1993); Yamada et al., Human Gene Therapy 1: 39-45 (1994); Leavitt et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 699-703 (1995); Leavitt et al., Human Gene Therapy 5: 1151-120 (1994);およびYamada et al., Virology 205: 121-126 (1994)参照)。
【0292】
乳癌のポリヌクレオチドモジュレーターは、WO 91/04753に記載されたようなリガンド結合分子との接合体の形成により、標的ヌクレオチド配列を含有する細胞中に導入され得る。適切なリガンド結合分子としては、細胞表面受容体、増殖因子、その他のサイトカインまたは細胞表面受容体と結合するその他のリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくはリガンド結合分子の接合は、その対応する分子または受容体と結合する、あるいは細胞中へのセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその接合化バージョンの進入を遮断するリガンド結合分子の能力を実質的に妨げない。あるいは乳癌のポリヌクレオチドモジュレーターは、例えばWO 90/10448に記載されたようなポリヌクレオチド−脂質複合体の形成により、標的核酸配列を含有する細胞中に導入され得る。アンチセンス分子またはノックアウトおよびノックインモデルの使用も、治療方法のほかに、前記のようなスクリーニング検定に用いられ得る、と理解される。
【0293】
したがって一実施態様では、細胞または生物体中での乳癌の調整方法が提供される。一実施態様では、当該方法は、内因性乳癌タンパク質の生物学的活性を低減または排除する抗乳癌抗体を細胞に投与することを包含する。あるいは当該方法は、乳癌タンパク質をコードする組換え核酸を細胞または生物体に投与することを包含する。これは、任意数の方法で成し遂げられ得る。好ましい実施態様では、例えば乳癌配列が乳癌中でダウンレギュレーションされる場合、このような状態は、細胞中の乳癌遺伝子産物の量を増大することにより逆転され得る。これは、例えば内因性乳癌遺伝子を過剰発現するか、または例えば既知の遺伝子療法技術を用いて乳癌配列をコードする遺伝子を投与することにより成し遂げられ得る。好ましい実施態様では、遺伝子療法技術としては、例えばPCT/US93/03868(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)に記載されたような相同組換え強化(EHR)を用いた外因性遺伝子の組入れが挙げられる。あるいは、例えば乳癌配列が乳癌中でアップレギュレーションされる場合、内因性乳癌遺伝子の活性は、例えば乳癌アンチセンス核酸の投与により低減される。
【0294】
一実施態様では、本発明の乳癌タンパク質は、乳癌タンパク質に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体を生成するために用いられ得る。同様に、乳癌タンパク質は、標準技法を用いて、アフィニティークロマトグラフィーカラムに結合され得る。これらのカラムは次に、製造、診断または治療目的に有用な乳癌抗体を精製するために用いられ得る。好ましい実施態様では、抗体は、乳癌タンパク質に独特のエピトープに対して生成される。即ち、抗体は、その他のタンパク質に対する交差反応をほとんどまたはまったく示さない。乳癌抗体は、標準アフィニティークロマトグラフィーカラムに結合されて、乳癌タンパク質を精製するために用いられ得る。抗体は、それらが乳癌タンパク質と特異的に結合するために、前記のようにポリペプチドを遮断する場合に用いられ得る。
【0295】
変異体乳癌関連配列の同定方法
理論に縛られることなく、種々の乳癌配列の発現は、乳癌と相関する。したがって突然変異体または変異体乳癌遺伝子に基づいた障害が確定され得る。一実施態様では、本発明は、変異体乳癌遺伝子を含有する細胞を同定するための、例えば細胞中の少なくとも1つの内因性乳癌遺伝子の全部または一部を確定するための方法を提供する。これは、任意数のシーケンシング技法を用いて成し遂げられ得る。好ましい実施態様では、本発明は、個体の乳癌遺伝子型を同定するための、例えば個体の少なくとも1つの乳癌遺伝子の配列の全部または一部を確定するための方法を提供する。これは一般に個体の少なくとも1つの組織において実行され、そして多数の組織の、または同一組織の異なる試料の評価を含み得る。当該方法は、シーケンシング化乳癌遺伝子の配列を既知の乳癌遺伝子、即ち野生型遺伝子と比較することを包含し得る。
【0296】
乳癌遺伝子の全部または一部の配列は次に、既知の乳癌遺伝子の配列と比較されて、任意の差異が存在するか否かを確定し得る。これは、任意数の既知の相同プログラム、例えばBestfit等を用いて実行され得る。好ましい実施態様では、患者の乳癌遺伝子と既知の乳癌遺伝子との間の配列の差異の存在は、本明細書中に記載されているように、疾患状態または疾患状態の性向と相関する。
【0297】
好ましい実施態様では、乳癌遺伝子はプローブとして用いられて、ゲノム中の乳癌遺伝子のコピーの数を確定する。
【0298】
別の好ましい実施態様では、乳癌遺伝子は、乳癌遺伝子の染色体局在化を確定するためのプローブとして用いられる。染色体局在化のような情報は、特に染色体異常、例えば転位等が乳癌遺伝子座中に同定された場合に、診断または予後を提供するのに用途を見出す。
【0299】
製剤およびワクチン組成物の投与
一実施態様では、治療的有効用量の乳癌タンパク質またはそのモジュレーターが、患者に投与される。「治療的有効用量」とは、本明細書中では、そのために投与される作用を生じる用量を意味する。的確な用量は治療の目的によっており、既知の技法を用いて当業者により確認可能である(例えばAnsel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery; Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols 1-3, 1992), Dekker, ISBN 0824770846, 082476918X, 0824712692, 0824716981; Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999);およびPickar, Dosage Calculations (1999))。当業界で既知のように、乳癌分解のための調整、全身対局所送達、および新規プロテアーゼ合成の速度、ならびに年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与時間、薬剤相互作用および症状の重症度が必要であり、当業者によりルーチン実験で確認可能である。米国特許出願第09/687,576号はさらに、乳癌における診断および治療のための組成物および方法の使用を開示する(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。
【0300】
本発明の目的のための「患者」としては、ヒトおよびその他の動物、特に哺乳類が挙げられる。したがって当該方法は、ヒト療法および獣医学的用途の両方に適用可能である。好ましい実施態様では、患者は哺乳類、好ましくは霊長類であり、そして最も好ましい実施態様では、患者はヒトである。
【0301】
本発明の乳癌タンパク質およびそのモジュレーターの投与は、前記のような種々の方法で実行され、その例としては、経口的、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣、直腸または眼内投与が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合には、例えば創傷および炎症の治療においては、乳癌タンパク質およびモジュレーターは、溶液またはスプレーとして直接適用され得る。
【0302】
本発明の製剤組成物は、患者への投与に適した形態で乳癌タンパク質を含む。好ましい実施態様では、製剤組成物は、水溶性形態であり、例えば製薬上許容可能な塩として存在し、これは、酸および塩基付加塩の両方を包含することを意味する。「製薬上許容可能な酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性を保持する、そして無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、ならびに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等を用いて生成される生物学的にまたは別の状況で望ましくないということはない塩を指す。「製薬上許容可能な塩基付加塩」としては、無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等から得られるものが挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。製薬上許容可能な有機非毒性塩基から得られる塩としては、第一、第二および第三アミン、置換アミン、例えば天然置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンの塩が挙げられる。
【0303】
製剤組成物は、1つまたはそれ以上の以下のものも包含し得る:担体タンパク質、例えば血清アルブミン;緩衝剤;充填剤、例えば微晶質セルロース、ラクトース、コーンスターチおよびその他のデンプン;結合剤;甘味剤およびその他の風味剤;着色剤;ならびにポリエチレングリコール。
【0304】
製剤組成物は、投与方法によって種々の単位投薬形態で投与され得る。例えば経口投与に適した単位投薬形態としては、粉末、錠剤、ピル、カプセルおよびロゼンジ錠が挙げられるが、これらに限定されない。乳癌タンパク質モジュレーター(例えば抗体、アンチセンス構築物、リボザイム、小有機分子等)は、経口投与される場合、消化から保護されるべきである、と認識される。これは典型的には、分子(単数または複数)を組成物と複合して、それを酸および酵素的加水分解に対して耐性にさせることにより、あるいは適切に耐性の担体、例えばリポソームまたはタンパク質バリア中に分子(単数または複数)を包装することにより、成し遂げられ得る。消化から作用物質を保護する手段は、当業界で周知である。
【0305】
投与のための組成物は一般に、製薬上許容可能な担体、好ましくは水性担体中に溶解される乳癌タンパク質を含む。種々の水性担体、例えば緩衝化生理食塩水等が用いられ得る。これらの溶液は滅菌性であり、一般的に望ましくない物質を含まない。これらの組成物は、慣用的な周知の滅菌技法により滅菌され得る。組成物は、適切な生理学的条件に必要な場合には製薬上許容可能な補助物質、例えばpH調整および緩衝剤、毒性調整剤等、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等を含有し得る。これらの処方物中の活性作用物質の濃度は広範に変化し、選択される投与の特定様式および患者の要求にしたがって、主として流体容積、粘度、体重等に基づいて選択される(例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences (15th ed., 1980)およびGoodman & Gillman, The Pharmacological Basis of Therapeutics (Hardman et al., eds., 1996)。
【0306】
したがって、静脈内投与のための典型的製剤組成物は、約0.1〜10 mg/患者/日である。特に薬剤が隔離部位に投与され、血流中には、例えば体腔中または器官の管腔中には投与されない場合、0.1〜約100 mg/患者/日までの投与量が用いられ得る。局所投与においては、実質的により高い投与量が可能である。非経口的投与可能組成物の実際の製造方法は、当業者には既知であるかまたは明らかであり、例えばRemington’s Pharmaceutical SciencesおよびGoodman & Gillman, The Pharmacological Basis of Therapeutics(上記)に記載されている。
【0307】
乳癌タンパク質のモジュレーターを含有する組成物は、治療的または予防的処置のために投与され得る。治療的用途においては、組成物は、疾患およびその合併症を治癒するかまたは少なくとも部分的に進行を止めるのに十分な量で、疾患(例えば癌)に罹患した患者に投与される。これを成し遂げるのに適した量は、「治療的有効量」と定義される。このようとのために有効な量は、疾患の重症度および患者の健康の全身状態によっている。組成物の1回または多数回投与は、患者に必要とされ且つ耐容される場合、投与量および頻度によって投与され得る。任意の事象で、組成物は、患者を効果的に治療するための十分量の本発明の作用物質を提供する必要がある。哺乳類における癌の発達を防止するかまたは遅くし得るモジュレーターの量は、「予防的有効量」として言及される。予防的処置のために必要とされる特定の用量は、哺乳類の医学的状態および病歴、防止される特定の癌、並びにその他の因子、例えば年齢、体重、性別、投与経路、効率等によっている。このような予防的処置は、例えば以前に癌を有していた哺乳類に用いて、癌の再発を防止し得るし、あるいは癌を発症する有意の見込みを有することが疑われる哺乳類に用いられ得る。
【0308】
本発明の乳癌タンパク質調整化合物は、単独で、あるいは付加的乳癌調節化合物と、またはその他の治療剤、例えばその他の抗癌剤または治療と組合せて投与され得る、と理解される。
【0309】
多数の実施態様において、1つまたはそれ以上の核酸、例えば表1〜25に記述された核酸配列を含むポリヌクレオチド、例えばアンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイムが、in vitroまたはin vivoで、細胞中に導入される。本発明は、in vitro(無細胞)、ex vivoまたはin vivo(細胞または生物体ベース)組換え発現系を用いて、乳癌関連ポリペプチドおよび核酸の発現のために有用な方法、試薬、ベクターおよび細胞を提供する。
【0310】
タンパク質または核酸の発現のために宿主細胞中に核酸を導入するために用いられる特定の手法は、用途特異的である。宿主細胞中に外来ヌクレオチド配列を導入するための多数の手法が用いられ得る。これらの例としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、スフェロプラスト、電気穿孔、リポソーム、マイクロインジェクション、血漿ベクター、ウイルスベクター、ならびにクローン化ゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたはその他の外来遺伝物質を宿主細胞中に導入するための任意のその他の周知の方法が挙げられる(例えばBerger & Kimmel, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology volume 152 (Berger), Ausubel et al., eds., Current Protocols (supplemented through 1999)およびSambrook et al., Molecular Cloning - A Laboratory Manual (2nd ed., Vol. 1-3, 1989参照)。
【0311】
好ましい実施態様では、乳癌タンパク質およびモジュレーターは治療剤として投与され、前記のように処方され得る。同様に、乳癌遺伝子(例えば乳癌コード領域の全長配列、部分配列または調節配列)は、遺伝子療法用途で投与され得る。これらの乳癌遺伝子は、当業者に理解されるように、遺伝子療法(即ち、ゲノム中への組入れのため)としての、またはアンチセンス組成物としてのアンチセンス用途を含み得る。
【0312】
乳癌ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、HTL、CTLおよび抗体応答を刺激するために、ワクチン組成物としても投与され得る。このようなワクチン組成物としては、例えば脂質化ペプチド(例えばVitiello, A. et al., J. Clin. Invest. 95: 341 (1995)参照)、ポリ(DLラクチドコグリコリド)(「PLG」)微小球中に封入されるペプチド組成物(例えばEldridge, et al., Molec. Immunol. 28: 287-294, (1991); Alonso et al., Vaccine 12: 299-306 (1994); Jones et al., Vaccine 13: 675-681 (1995)参照)、免疫刺激複合体(ISCOMS)中に含入されるペプチド組成物(例えばTakahashi et al., Nature 344: 873-875 (1990); Hu et al., Clin Exp Immunol. 113: 235-243 (1998)参照)、多抗原ペプチド系(MAP)(例えばTam, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85: 5409-5413 (1988); Tam, J. Immunol. Methods 196: 17-32 (1996)参照)、多価ペプチドとして処方されるペプチド;弾道的送達系に用いるためのペプチド、典型的には結晶化ペプチド、ウイルス送達ベクター(Perkus, et al., In: Concepts in vaccine development (Kaufmann, ed., p. 379, 1996); Chakrabarti, et al., Nature 320: 535 (1986); Hu et al., Nature 320: 537 (1986); Kieny, et al., AIDS Bio/Technology 4: 790 (1986); Top et al., J. Infect. Dis. 124: 148 (1971); Chanda et al., Virology 175: 535 (1990))、ウイルスまたは合成起源の粒子(例えばKofler et al., J. Immunol. Methods. 192: 25 (1996); Eldrige et al., Sem. Hematol. 30: 16 (1993); Falo et al., Nature Med. 7: 649 (1995)参照)、アジュバント(Warren et al., Annu. Rev. Immunol. 4: 369 (1986); Gupta et al., Vaccine 11: 293 (1993))、リポソーム(Reddy et al., J. Immunol. 148: 1585 (1992); Rock, Immunol. Today 17: 131 (1996))、あるいは裸または粒子吸収cDNA(Ulmer, et al., Science 259: 1745 (1993); Robinson et al., Vaccine 11: 957 (1993); Shiver et al., In: Concepts in vaccine development (Kaufmann, ed., p. 423, 1996); Cease & Berzofsky, Annu. Rev. Immunol. 12: 923 (1994)およびEldridge et al., Sem. Hematol. 30: 16 (1993))が挙げられる。受容体媒介性ターゲッティングとしても既知の毒素標的化送達技法、例えばAvant Immunotherapeutics, Inc. (Needham, Massachusetts)のものも用いられ得る。
【0313】
ワクチン組成物はしばしば、アジュバントを含む。多数のアジュバントは、迅速異化作用から抗原を保護するよう意図された物質、例えば水酸化アルミニウムまたは鉱油、ならびに免疫応答の刺激剤、例えばリピドA、百日咳菌(Bordetella pertussis)またはヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)由来タンパク質を含有する。ある種のアジュバントは、例えばフロイント不完全アジュバントおよび完全アジュバント(Difco Laboratories, Detroit, MI);メルクアジュバント65(Merck and Company, Inc., Rahway, NJ);AS−2(SmithKline Beecham, Philadelphia, PA);アルミニウム塩、例えば水酸化アルミニウムゲル(明礬)またはリン酸アルミニウム;カルシウム、鉄または亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶性懸濁液;アシル化糖;陽イオン的または陰イオン的誘導化多糖;ポリホスファゼン;生分解性微小球;モノホスホリルリピドAおよびクイルquilAとして市販されている。サイトカイン、例えばGM−CSF、インターロイキン−2、−7、−12およびその他の同様の増殖因子も、アジュバントとして用いられ得る。
【0314】
ワクチンは核酸組成物として投与され得るが、この場合、1つまたはそれ以上のポリペプチドをコードするDNAまたはRNAあるいはその断片が患者に投与される。このアプローチは、例えばWolff et al., Science 247: 1465 (1990)ならびに米国特許第5,580,859号、第5,589,466号、第5,804,566号、第5,739,118号、第5,736,524号、第5,679,647号、WO 98/04720に、そして下記に詳細に記載されている。DNAベース送達技法の例としては、「裸DNA」、促進(ブピビカイン、ポリマー、ペプチド媒介性)送達、陽イオン性脂質複合体、ならびに粒子媒介性(「遺伝子銃」)または圧力媒介性送達が挙げられる(例えば米国特許第5,922,687号参照)。
【0315】
治療的または予防的免疫感作目的のために、本発明のペプチドは、ウイルスまたは細菌ベクターにより発現され得る。発現ベクターの例としては、弱毒化ウイルス宿主、例えばワクシニアまたは鶏痘が挙げられる。このアプローチは、例えば乳癌ポリペプチドまたはポリペプチド断片をコードするヌクレオチド配列を発現するためのベクターとして、ワクシニアウイルスの使用を包含する。宿主中への導入時に、組換えワクシニアウイルスは免疫原性ペプチドを発現し、それにより免疫応答を発揮する。ワクシニアベクターおよび免疫感作プロトコールに有用な方法は、例えば米国特許第4,722,848号に記載されている。別のベクターは、BCG(Bacille Calmette Guerin)である。BCGベクターは、Stover et al., Nature 351: 456-460 (1991)に記載されている。治療的投与または免疫感作に有用な広範な種々のその他のベクター、例えばアデノおよびアデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、チフス菌ベクター、解毒化炭疽菌毒素ベクター等は、本明細書中の説明から当業者には明らかである(例えばShata et al., Mol Med Today 6: 66-71 (2000); Shedlock et al., J Leukoc Biol 68: 793-806 (2000); Hipp et al., In Vivo 14: 571-85 (2000)参照)。
【0316】
DNAワクチンとしての遺伝子の使用方法は周知であり、そして、乳癌患者中に、発現のために調節可能プロモーターまたは組織特異的プロモーターの制御下で乳癌遺伝子または乳癌遺伝子の一部を入れることを包含する。DNAワクチンのために用いられる乳癌遺伝子は、全長乳癌タンパク質をコードし得るが、しかしさらに好ましくは、乳癌タンパク質に由来するペプチドを含めた乳癌タンパク質の一部をコードする。一実施態様では、患者は、乳癌遺伝子由来の複数のヌクレオチド配列を含むDNAワクチンで免疫感作される。例えば乳癌関連遺伝子または乳癌タンパク質の亜断片をコードする配列は発現ベクター中に導入されて、クラスIのMHCの状況でのそれらの免疫原性ならびに細胞傷害性T細胞応答を生じる能力に関して試験される。この手法は、細胞内エピトープを含めた抗原を提示する細胞に対する細胞傷害性T細胞の産生を提供する。
【0317】
好ましい実施態様では、DNAワクチンは、DNAワクチンとともにアジュバント分子をコードする遺伝子を含む。このようなアジュバント分子としては、DNAワクチンによりコードされる乳癌ポリペプチドに対する免疫原性応答を増大するサイトカインを包含する。付加的または代替的アジュバントが利用可能である。
【0318】
別の好ましい実施態様では、乳癌遺伝子は、乳癌の動物モデルを生成する場合に用途を見出す。同定された乳癌遺伝子が癌組織中で抑制され、または縮小される場合、遺伝子療法技術、例えばこの場合、乳癌遺伝子に向けられるアンチセンスRNAも、遺伝子の発現を縮小または抑制する。乳癌の動物モデルは、乳癌関連配列のモジュレーターまたは乳癌のモジュレーターに関するスクリーニングに用途を見出す。同様に、適切な遺伝子ターゲッティングベクターを用いた相同組換えの結果としての、トランスジェニック動物技法、例えば遺伝子ノックアウト技法は、乳癌タンパク質の発現の非存在または増大を生じる。望ましい場合、乳癌タンパク質の組織特異的発現またはノックアウトが必要であり得る。
【0319】
乳癌タンパク質が乳癌中で過剰発現される、ということも可能である。このようなものとして、乳癌タンパク質を過剰発現するトランスジェニック動物が生成され得る。所望の発現レベルによって、種々の強度のプロモーターが用いられて、導入遺伝子を発現する。さらに組込まれた導入遺伝子のコピーの数が確定され、導入遺伝子の発現レベルの確定のために比較され得る。このような方法により生成される動物は乳癌の動物モデルとしての用途を見出し、さらに、乳癌を治療するためのモジュレーターに関するスクリーニングにおいて有用である。
【0320】
診断および/または予後用途に用いるためのキット
前記の診断、調査および治療用途に用いるために、キットも本発明により提供される。診断および調査用途において、このようなキットは、以下の任意のまたはすべてのものを含み得る:検定試薬、緩衝剤、乳癌特異的核酸または抗体、ハイブリダイゼーションプローブおよび/またはプライマー、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、優勢ネガティブ乳癌ポリペプチドまたはポリヌクレオチド、乳癌関連配列の小分子阻害剤等。治療産物としては、滅菌生理食塩水またはその他の製薬上許容可能なエマルションおよび懸濁液等が挙げられる。
【0321】
さらにキットは、本発明の方法の実施のための方向(即ちプロトコール)を含有する指示物質を含み得る。指示物質は典型的には手書きのまたは印刷された物質を包含するが、しかしそれらはこのようなものに限定されない。このような指示を保存し、それらを末端ユーザーに伝達し得る任意の媒体が、本発明により意図される。このような媒体としては、電気的保存媒体(例えば磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学的媒体(例えばCD ROM)等が挙げられるが、これらに限定されない。このような媒体は、このような指示物質を提供するインターネットサイトへのアドレスを含み得る。
【0322】
本発明は、乳癌関連配列のモジュレーターに関するスクリーニングのためのキットも提供する。このようなキットは、容易に利用可能な物質および試薬から調製され得る。例えばこのようなキットは、1つまたはそれ以上の以下の物質を含み得る:乳癌関連ポリペプチドまたはポリヌクレオチド、反応試験管および乳癌関連活性を試験するための使用説明書。任意に、キットは生物学的に活性な乳癌タンパク質を含有する。キットの意図されたユーザー、ならびにユーザーの特定の要求によって、広範な種々のキットおよび構成成分が本発明にしたがって調製され得る。診断は、典型的には複数の遺伝子または生成物の評価を包含する。遺伝子は、病歴または結果データにおいて同定され得る疾患における重要なパラメーターとの相関に基づいて選択される。
【0323】
実施例
実施例1:組織調製、チップ標識およびフィンガープリント
TRIzol試薬を用いた組織試料からの総RNAの精製
試料重量を先ず概算する。ホモジナイザー(例えばポリトロンPolytron 3100)を用いて、組織50 mg当たり1 mlのTRIzol中で組織試料をホモジナイズする。用いられる生成機/プローブのサイズは、試料量によっている。ホモジナイズされる組織の量に対して大きすぎる生成機は、試料の損失および低RNA収量を生じる。大型生成機(例えば20 mm)が、0.6 gより大きい重量の組織試料に適している。調合試験管には、過剰充填すべきでない。作業容積が2 mlより大きく10 ml以下である場合には、15 mlポリプロピレン試験管(Falcon 2059)が均質化には適切である。
【0324】
組織は均質処理を行うまで、凍結保持する必要がある。TRIzolは、均質化前に凍結組織に直接付加する。均質化後、Sorvall superspeed中で7500 xgで15分間、またはエッペンドルフ遠心管中で12,000 xgで10分間、4℃で不溶性物質をホモジネートから除去する。清澄化ホモジネートを次に、新しい試験管(単数または複数)に移す。試料を凍結し、−60〜−70℃で少なくとも1ヶ月間保存し、あるいはそうでない場合は、精製を継続する。
【0325】
次の過程は相分離である。均質化試料を室温で5分間インキュベートする。次に1 mlのTRIzol試薬当たり0.2 mlのクロロホルムを、均質化混合物に付加する。試験管にしっかり蓋をして、15秒間、手で(渦巻き撹拌せずに)激しく振盪する。次に試料を室温で2〜3分間インキュベートし、そして次にSorvall superspeed中で6500 xgで30分間、4℃で遠心分離する。
【0326】
次の過程はRNA沈降である。水性相を新しい試験管に移す。DNAまたはタンパク質の単離が望ましい場合には、有機相を保存し得る。次に、元の均質化に使用するトリアゾール試薬1 ml当たり0.5 mlのイソプロピルアルコールを付加する。次に試験管にしっかり蓋をして、逆さにして混合する。次に試料を、Sorvall superspeed中で6500 xgで20分間、4℃で遠心分離する。
【0327】
次にRNAを洗浄する。上清を注ぎだして、ペレットを75%エタノールで洗浄する。初期均質化に使用するトリアゾール試薬1 ml当たり1 mlの75%エタノールを用いる。試験管にしっかり蓋をして、渦巻き撹拌せずに数回逆さにして、ペレットを無くする。次にそれらを、<8000 rpm(<7500 xg)で5分間、4℃で遠心分離する。
【0328】
RNA洗浄液をデカントする。ペレットを注意深くエッペンドルフ管に移す(必要な場合にはピペット先端を試験管内に入れて、それを伝って新しい試験管中にすべり落とす)。RNAを沈降させるための試験管(単数または複数)サイズは、作業容積によっている。大型試験管は乾燥に時間がかかりすぎる。ペレットを乾燥させる。次にRNAを、適切な容積(例えば25 ug/ul)のDEPC H2O中に再懸濁する。次に吸光度を測定する。
【0329】
次に、他の方法、例えばQiagenのRNeasyキットにより、総RNAからポリA+mRNAを精製し得る。37℃に加熱されたオリゴテックス懸濁液を付加し、RNAへの付加前に混合することにより、総RNAからポリA+mRNAを精製する。溶離緩衝液を、70℃でインキュベートする。緩衝液中に沈殿が認められない場合には、65℃で2 x 結合緩衝液を暖める。オリゴテックスハンドブックOlgotex Handbookの16ページの表2にしたがって総RNAをDEPC処理水、2x結合緩衝液およびオリゴテックスと混合し、次に65℃で3分間、そして室温で10分間、インキュベートする。
【0330】
調製物を、14,000〜18,000 gで、好ましくは「ソフトセッティング」で、2分間、遠心分離する。オリゴテックスペレットを撹拌しないで、上清を除去する。オリゴテックスの損失を低減するために、少量の溶液を後に残し得る。ポリA+mRNAの満足すべき結合および溶離が見出されるまで、上清を保存する。
【0331】
次に調製物を静かに洗浄緩衝液OW2中に再懸濁して、スピンカラム上にピペット分取し、全速力で(できればソフトセッティング)1分間遠心分離する。
【0332】
次にスピンカラム内容物を新しい試験管に移して、20〜100 ulの予熱(70℃)溶離緩衝液で溶離する。ピペットで吸い上げ、吐き出すことにより、オリゴテックス樹脂を静かに再懸濁する。前記のように遠心分離を反復し、新鮮な溶離緩衝液を用いて溶離を反復するか、あるいは先ず溶離して、溶離容積を低く保持する。
【0333】
次に吸光度を読み取って、ブランクでの希釈溶離緩衝液を用いて、収量を確定する。
【0334】
cDNA合成を進行する前に、mRNAを沈殿させた後、オリゴテックス精製手法からの構成成分の残り物としてのまたは溶離緩衝液中のcDNA合成の進行は、mRNAの下流酵素反応を抑制する。0.4 vol.の7.5 MNH4OAc+2.5 vol.の冷100%エタノールを付加し、調製物を−20℃で1時間〜一夜(または20〜30分、−70℃)で沈殿させ、4℃で14,000〜16,000 xgで30分間遠心分離する。次に0.5 mlの80%エタノール(−20℃)を用いてペレットを洗浄し、次に室温で14,000〜16,000 xgで5分間遠心分離する。その後、80%エタノール洗浄を反復する。高速真空を使用せずにペレットからエタノールを残らず乾燥させ、次にペレットを1 ug/ul濃度でDEPC H2O中に再懸濁する。
【0335】
あるいはその他の方法 ( 例えば Qiagen RNeasy キット ) を用いてRNAを精製し得る。
【0336】
RNeasyカラムには、100 ugより多くを付加しない。RNアーゼ無含有水を用いて、試料容積を100 ulに調整する。350 ulの緩衝液RLTを、次に250 ulのエタノール(100%)を試料に付加する。次にピペッティングにより調製物を混合し、遠心分離(>10,000 rpmで15秒)のためにRNeasyミニスピンカラムに適用する。収量が低い場合には、フロースルーをカラムに再適用して、再び遠心分離する。
【0337】
次にカラム内容物を新しい2 ml収集管に移して、500 ulの緩衝液RPEを付加し、>10,000 rpmで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄する。500 ul緩衝液RPEを次に付加し、調製物を>10,000 rpmで15秒間遠心分離する。フロースルーを廃棄し、最高速度で2分間の遠心分離により、カラム膜を乾燥させる。カラム内容物を新しい1.5 ml収集管に移す。30〜50 ulのRNアーゼ無含有水をカラム膜上に直接適用する。次にカラムを>10,000 rpmで1分間遠心分離して、溶離仮定を反復する。
【0338】
次に吸光度を読み取って、収量を確定する。必要な場合には、酢酸アンモニウムおよび2.5x容積の100%エタノールを用いて、物質をエタノール沈降し得る。
【0339】
一次鎖cDNA合成
Gibcoの「cDNA合成用スーパースクリプトチョイスシステムSuperScript Choice System」キットを用いて、一次鎖を作製し得る。出発物質は、5 ugの総RNAまたは1 ugのポリA+mRNA1である。総RNAに関しては、2 ulのSuperScriptRTを用いる。ポリA+mRNAに関しては、1ulのSuperScriptRTを用いる。一次鎖合成ミックスの最終容積は、20 ulである。RNAは、10 ul以下の容積であるべきである。RNAを1 ulの100 pmolT7−T24オリゴとともに70℃で10分間インキュベート氏、その後、7 ul:即ち4ulの5x一次鎖緩衝液、2ulの0.1 MDTTおよび1 ulの10 mMdNTPミックスを氷上に付加する。次に調製物を37℃で2分間インキュベートした後、SuperScriptRTを付加し、その後、37℃で1時間インキュベートする。
【0340】
二次鎖合成
二次鎖合成のためには、氷上に一次鎖反応物を載せて、91 ulのDEPC H2O、30 ulの5x二次鎖緩衝液、3 ulの10 mMdNTPミックス、1 ulの10 U/ul大腸菌DNAリガーゼ、4 ulの10 U/ul大腸菌DNAポリメラーゼおよび1ulの2 U/ulRNアーゼHを付加する。混合し、16℃で2時間インキュベートする。2 ulのT4DNAポリメラーゼを付加する。16℃で5分間インキュベートする。10 ulの0.5 MEDTAを付加する。
【0341】
cDNAの清浄化
フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)およびPase-Lockゲル管を用いて、cDNAを精製する。PLG管を最大速度で30秒間遠心分離する。次にcDNAミックスをPLG管に移す。次に等容積のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールを付加し、調製物を激しく(渦巻き撹拌せずに)振盪し、最大速度で5分間遠心分離する。上部水性溶液を新しい試験管に移して、7.5x 5 MNH4OAcおよび2.5x容積の100%エタノールを付加することによりエタノール沈降させる。次にそれを直ちに室温で最大速度で20分間遠心分離する。上清を除去し、ペレットを冷80%エタノールで2回洗浄する。ペレットを風乾する前には、できるだけ多くのエタノールを除去する必要があり、そして3 ulのRNアーゼ無含有水中にそれを再懸濁する。
【0342】
in vitro転写(IVT)およびビオチンによる標識
以下のようにin vitro転写(IVT)およびビオチンによる標識を実施する:1.5 ulのcDNAを薄壁PCR管中にピペット分取する。2 ulのT7 10xATP(75 mM)(Ambion)、2 ulのT7 10xGTP(75 mM)(Ambion)、1.5 ulのT7 10xCTP(75 mM)(Ambion)、1.5 ulのT7 10xUTP(75 mM)(Ambion)、3.75 ulの10 mMBio−11−UTP(Boehringer-Mannheim/RocheまたはEnzo)、3.75 ulの10 mMBio−16−CTP(Enzo)、2 ulの10xT7転写緩衝液(Ambion)および2 ulの10xT7酵素ミックス(Ambion)。PCR機中で37℃で6時間インキュベートする。RNAの清浄化を促進し得る。清浄化は、RNeasyカラムに関する前の使用説明書またはQiagenのRNeasyプロトコールハンドブックに従う。cRNAはしばしば、断片化過程に適合性である容積中の再懸濁によりエタノール沈降される必要がある。
【0343】
断片化は、以下のように実施する。15 ugの標識化RNAを通常は断片化する。断片化反応容積を最小にするよう試みる。10 ulの容積が推奨されるが、しかし20 ulでよい。断片化緩衝液中のマグネシウムがハイブリダイゼーション緩衝液中での沈降に関与するため、20 ulより多くにはしない。94℃で35分間、1x断片化緩衝液(5x断片化緩衝液は、200 mMトリス−酢酸塩、pH8.1;500 mMKOAc;150 mMMgOAcである)中でのインキュベーションにより、RNAを断片化する。断片化の前後に、標識化RNA転写物を分析し得る。試料を65℃に15分間加熱して、1%アガロース/TBEゲル上で電気泳動処理して、転写体サイズ範囲のおよその見解を得る。
【0344】
ハイブリダイゼーションのために、200 ul(10 ugのcDNA)のハイブリダイゼーションミックスをチップに載せる。多重ハイブリダイゼーションを実行する(例えば5組のチップによる循環)場合には、300 ulまたはそれ以上の初期ハイブリダイゼーションミックスを作製することを推奨する。ハイブリダイゼーションミックスは、断片標識化RNA(最終濃度50 ng/ul)、50 pMの984−b対照オリゴ、1.5 pMのBioB、5 pMのBioC、25 pMのBioD、100 pMのCRE、0.1 mg/mlのニシン精子DNA、0.5 mg/mlのアセチル化BSAおよび300 ulの1xMESハイブリダイゼーション緩衝液である。
【0345】
非ビオチニル化IVT(RNeasyカラムにより精製)(組織からIVTへの過程に関しては、実施例1参照)を用いて、ハイブリダイゼーション反応を実行する。以下の混合物を調製する:
Figure 2005503760
前記の14 μl混合物を70℃で10分間インキュベートし、次に氷上に載せる。
【0346】
逆転写手法は、以下の混合物を用いる:
Figure 2005503760
前記の溶液をハイブリダイゼーション反応に付加し、42℃で30分間インキュベートする。次に1 μlのSSIIを付加し、さらに1時間インキュベート後、氷上に載せる。
【0347】
50x dNTPミックスは、25 mMの冷dATP、dCTPおよびdGTP、10 mMのdTTPを含有し、各々25 μlの100 mMdATP、dCTPおよびdGTP、10 μlの100 mMdTTPを15 μlのH2Oに付加することにより作製される。
【0348】
RNA分解を以下のように実施する:86 μlのH2O、1.5 μlの1 MNaOH/2 mMEDTAを付加し、65℃で10分間インキュベートする。U−Con30に関しては、500 μlのTE/試料を7000 gで10分間回転させて、精製のためにフロースルーを保存する。Qiagen精製のために、u−con回収物質を500 μl緩衝液PB中に懸濁し、Qiagenプロトコールを用いて進行する。DNアーゼ消化のために、DNアーゼ/30 ulRxの1/100希釈液1 ulを付加し、37℃で15分間インキュベートする。95℃で5分間インキュベートして、DNアーゼを変性する。
【0349】
試料調製
試料調製のために、Cot−1DNA、10 μl;50xdNTP、1 μl;20xSSC、2.3 μl;ピロリン酸ナトリウム、7.5 μl;10 mg/mlのニシン精子DNAを付加し、1/10希釈液1 μlを最終容積21.8にする。高速真空で乾燥する。15 μlのH2O中に再懸濁する。0.38 μlの10%SDSを付加する。95℃で2分間加熱し、20分で徐々に室温に冷却する。スライド上に載せて、64℃で一夜ハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション後、洗浄する:3x SSC/0.03%SDS:2分間、250 mlH2O中の37.5 mlの20xSSC+0.75 mlの10%SDS;1xSSC:5分、250 mlH2O中の12.5 mlの20xSSC;0.2xSSC:5分、250 mlH2O中の2.5 mlの20xSSC。スライドを乾燥して、適切なPMTおよびチャンネルで走査する。
【0350】
表1:BRCA001USからの図1
表1は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でダウンレギュレーションされる遺伝子(本明細書におよび当該出願を通してそれらはそっくりそのまま組入れられるが、この場合、プライムキーが提供される)を示す。
【0351】
【表1】
Figure 2005503760
【0352】
【表2】
Figure 2005503760
【0353】
【表3】
Figure 2005503760
【0354】
【表4】
Figure 2005503760
【0355】
【表5】
Figure 2005503760
【0356】
【表6】
Figure 2005503760
【0357】
表1A
表1Aは、表1に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0358】
【表7】
Figure 2005503760
【0359】
【表8】
Figure 2005503760
【0360】
表2:BRCA001USからの図2
【0361】
【表9】
Figure 2005503760
【0362】
【表10】
Figure 2005503760
【0363】
表2A
表2Aは、表2に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0364】
【表11】
Figure 2005503760
【0365】
【表12】
Figure 2005503760
【0366】
表3:BRCA001USからの図3
表3は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でダウンレギュレーションされる遺伝子を示す。
【0367】
【表13】
Figure 2005503760
【0368】
表3A
表3Aは、表3に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0369】
【表14】
Figure 2005503760
【0370】
表4:BRCA001USからの図4
表4は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子を示す。
【0371】
【表15】
Figure 2005503760
【0372】
【表16】
Figure 2005503760
【0373】
【表17】
Figure 2005503760
【0374】
【表18】
Figure 2005503760
【0375】
【表19】
Figure 2005503760
【0376】
【表20】
Figure 2005503760
【0377】
【表21】
Figure 2005503760
【0378】
【表22】
Figure 2005503760
【0379】
【表23】
Figure 2005503760
【0380】
【表24】
Figure 2005503760
【0381】
【表25】
Figure 2005503760
【0382】
【表26】
Figure 2005503760
【0383】
【表27】
Figure 2005503760
【0384】
【表28】
Figure 2005503760
【0385】
【表29】
Figure 2005503760
【0386】
【表30】
Figure 2005503760
【0387】
【表31】
Figure 2005503760
【0388】
【表32】
Figure 2005503760
【0389】
【表33】
Figure 2005503760
【0390】
【表34】
Figure 2005503760
【0391】
【表35】
Figure 2005503760
【0392】
【表36】
Figure 2005503760
【0393】
【表37】
Figure 2005503760
【0394】
【表38】
Figure 2005503760
【0395】
【表39】
Figure 2005503760
【0396】
表4A
表4Aは、表4に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0397】
【表40】
Figure 2005503760
【0398】
【表41】
Figure 2005503760
【0399】
表5:BRCA001USからの図5
表5は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子を示す。
【0400】
【表42】
Figure 2005503760
【0401】
【表43】
Figure 2005503760
【0402】
【表44】
Figure 2005503760
【0403】
【表45】
Figure 2005503760
【0404】
【表46】
Figure 2005503760
【0405】
【表47】
Figure 2005503760
【0406】
【表48】
Figure 2005503760
【0407】
表5A
表5Aは、表5に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0408】
【表49】
Figure 2005503760
【0409】
表6:BRCA001USからの図6
表6は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子を示す。
【0410】
【表50】
Figure 2005503760
【0411】
表6A
表6Aは、表6に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0412】
【表51】
Figure 2005503760
【0413】
表7:BRCA001-1USからの図7
表7は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子を示す。配列中のオープンリーディングフレームは、シグナル配列(SS)、膜貫通ドメイン(TM)等を有するとして特性化された。
【0414】
【表52】
Figure 2005503760
【0415】
【表53】
Figure 2005503760
【0416】
【表54】
Figure 2005503760
【0417】
【表55】
Figure 2005503760
【0418】
【表56】
Figure 2005503760
【0419】
【表57】
Figure 2005503760
【0420】
【表58】
Figure 2005503760
【0421】
【表59】
Figure 2005503760
【0422】
【表60】
Figure 2005503760
【0423】
【表61】
Figure 2005503760
【0424】
【表62】
Figure 2005503760
【0425】
【表63】
Figure 2005503760
【0426】
【表64】
Figure 2005503760
【0427】
【表65】
Figure 2005503760
【0428】
【表66】
Figure 2005503760
【0429】
【表67】
Figure 2005503760
【0430】
【表68】
Figure 2005503760
【0431】
【表69】
Figure 2005503760
【0432】
【表70】
Figure 2005503760
【0433】
【表71】
Figure 2005503760
【0434】
【表72】
Figure 2005503760
【0435】
【表73】
Figure 2005503760
【0436】
【表74】
Figure 2005503760
【0437】
【表75】
Figure 2005503760
【0438】
【表76】
Figure 2005503760
【0439】
表7A
表7Aは、表7に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0440】
【表77】
Figure 2005503760
【0441】
表8:BRCA001-1USからの図8
表8は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子を示す。特に1つの欄は、その他の身体組織と比較した乳癌組織中の指示遺伝子の発現の比率を示し、別の欄は、正常乳房組織と比較した乳癌組織中の指示遺伝子の発現の比率を示す。
【0442】
【表78】
Figure 2005503760
【0443】
【表79】
Figure 2005503760
【0444】
【表80】
Figure 2005503760
【0445】
【表81】
Figure 2005503760
【0446】
【表82】
Figure 2005503760
【0447】
【表83】
Figure 2005503760
【0448】
【表84】
Figure 2005503760
【0449】
【表85】
Figure 2005503760
【0450】
【表86】
Figure 2005503760
【0451】
【表87】
Figure 2005503760
【0452】
【表88】
Figure 2005503760
【0453】
【表89】
Figure 2005503760
【0454】
【表90】
Figure 2005503760
【0455】
表8A
表8Aは、表8に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0456】
【表91】
Figure 2005503760
【0457】
【表92】
Figure 2005503760
【0458】
表9:BRCA001-2USからの図9
表9は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0459】
【表93】
Figure 2005503760
【0460】
表10:BRCA001-3PCTからの図10
表10は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0461】
【表94】
Figure 2005503760
【0462】
【表95】
Figure 2005503760
【0463】
【表96】
Figure 2005503760
【0464】
【表97】
Figure 2005503760
【0465】
【表98】
Figure 2005503760
【0466】
【表99】
Figure 2005503760
【0467】
【表100】
Figure 2005503760
【0468】
【表101】
Figure 2005503760
【0469】
【表102】
Figure 2005503760
【0470】
【表103】
Figure 2005503760
【0471】
【表104】
Figure 2005503760
【0472】
【表105】
Figure 2005503760
【0473】
【表106】
Figure 2005503760
【0474】
【表107】
Figure 2005503760
【0475】
【表108】
Figure 2005503760
【0476】
【表109】
Figure 2005503760
【0477】
表10A
表10Aは、表10に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0478】
【表110】
Figure 2005503760
【0479】
表11:BRCA001-3PCTからの図11
表11は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0480】
【表111】
Figure 2005503760
【0481】
【表112】
Figure 2005503760
【0482】
【表113】
Figure 2005503760
【0483】
表11A
表11Aは、表11に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0484】
【表114】
Figure 2005503760
【0485】
表12:BRCA001-3PCTからの図12
表12は、正常乳房組織と比較して腫瘍組織中でアップレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0486】
【表115】
Figure 2005503760
【0487】
表13:BRCA001-5USからの表1
表13は、乳癌細胞中でアップレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0488】
【表116】
Figure 2005503760
【0489】
【表117】
Figure 2005503760
【0490】
【表118】
Figure 2005503760
【0491】
【表119】
Figure 2005503760
【0492】
【表120】
Figure 2005503760
【0493】
【表121】
Figure 2005503760
【0494】
【表122】
Figure 2005503760
【0495】
【表123】
Figure 2005503760
【0496】
【表124】
Figure 2005503760
【0497】
【表125】
Figure 2005503760
【0498】
【表126】
Figure 2005503760
【0499】
【表127】
Figure 2005503760
【0500】
【表128】
Figure 2005503760
【0501】
【表129】
Figure 2005503760
【0502】
【表130】
Figure 2005503760
【0503】
【表131】
Figure 2005503760
【0504】
【表132】
Figure 2005503760
【0505】
【表133】
Figure 2005503760
【0506】
【表134】
Figure 2005503760
【0507】
【表135】
Figure 2005503760
【0508】
【表136】
Figure 2005503760
【0509】
【表137】
Figure 2005503760
【0510】
【表138】
Figure 2005503760
【0511】
【表139】
Figure 2005503760
【0512】
【表140】
Figure 2005503760
【0513】
【表141】
Figure 2005503760
【0514】
【表142】
Figure 2005503760
【0515】
【表143】
Figure 2005503760
【0516】
【表144】
Figure 2005503760
【0517】
【表145】
Figure 2005503760
【0518】
表13A
表13Aは、表13に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0519】
【表146】
Figure 2005503760
【0520】
【表147】
Figure 2005503760
【0521】
【表148】
Figure 2005503760
【0522】
【表149】
Figure 2005503760
【0523】
【表150】
Figure 2005503760
【0524】
表13B
表13Bは、表13B中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0525】
【表151】
Figure 2005503760
【0526】
【表152】
Figure 2005503760
【0527】
表14:BRCA001-5USからの表2
表13のサブセットである表14は、乳癌細胞中で高度にアップレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0528】
【表153】
Figure 2005503760
【0529】
【表154】
Figure 2005503760
【0530】
【表155】
Figure 2005503760
【0531】
表14A
表14Aは、表14に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0532】
【表156】
Figure 2005503760
【0533】
表14B
表14Bは、表14中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0534】
【表157】
Figure 2005503760
【0535】
表15:BRCA001-5USからの表3
表15は、乳癌細胞中でダウンレギュレーションされる遺伝子を示す。
【0536】
【表158】
Figure 2005503760
【0537】
【表159】
Figure 2005503760
【0538】
【表160】
Figure 2005503760
【0539】
表15A
表15Aは、表15に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0540】
【表161】
Figure 2005503760
【0541】
表15B
表15Bは、表15中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0542】
【表162】
Figure 2005503760
【0543】
表16:BRCA001-5USからの表4
表15のサブセットである表16は、乳癌細胞中で高度にダウンレギュレーションされる遺伝子の好ましい群を示す。
【0544】
【表163】
Figure 2005503760
【0545】
表16A
表16Aは、表16に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0546】
【表164】
Figure 2005503760
【0547】
表17:BRCA014Pからの表1
表17は、乳癌調節タンパク質をコードする乳癌遺伝子の759配列またはその断片を表す寄託番号を示す。
【0548】
【表165】
Figure 2005503760
【0549】
【表166】
Figure 2005503760
【0550】
【表167】
Figure 2005503760
【0551】
【表168】
Figure 2005503760
【0552】
【表169】
Figure 2005503760
【0553】
【表170】
Figure 2005503760
【0554】
【表171】
Figure 2005503760
【0555】
【表172】
Figure 2005503760
【0556】
【表173】
Figure 2005503760
【0557】
【表174】
Figure 2005503760
【0558】
【表175】
Figure 2005503760
【0559】
【表176】
Figure 2005503760
【0560】
表17A
表17Aは、表17に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0561】
【表177】
Figure 2005503760
【0562】
【表178】
Figure 2005503760
【0563】
表17B
表17Bは、表17中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0564】
【表179】
Figure 2005503760
【0565】
表18:BRCA014Pからの表2
表18は、正常身体組織中で発現される場合より乳癌組織中で少なくとも5倍の発現を生じる遺伝子を示す。
【0566】
【表180】
Figure 2005503760
【0567】
【表181】
Figure 2005503760
【0568】
表18A
表18Aは、表18に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0569】
【表182】
Figure 2005503760
【0570】
表18B
表18Bは、表18中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0571】
【表183】
Figure 2005503760
【0572】
表19:正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる1045遺伝子
表19は、正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる1045遺伝子を示す。これらを、「平均」乳癌対「平均」正常成人組織の比が2.5またはそれ以上であるよう、Affymetrix/Eos-Hu03 GeneChipアレイ上の59680プローブ組から選択した。「平均」乳癌レベルを90th百分位数値に設定した。「平均」正常成人組織レベルは、144非悪性組織の間で90th百分位数値に設定した。非特異的ハイブリダイゼーションの遺伝子特異的バックグラウンドレベルを除去するために、比率を評価する前に、144非悪性組織の間の15th百分位数値を分子および分母の両方から差し引いた。
【0573】
【表184】
Figure 2005503760
【0574】
【表185】
Figure 2005503760
【0575】
【表186】
Figure 2005503760
【0576】
【表187】
Figure 2005503760
【0577】
【表188】
Figure 2005503760
【0578】
【表189】
Figure 2005503760
【0579】
【表190】
Figure 2005503760
【0580】
【表191】
Figure 2005503760
【0581】
【表192】
Figure 2005503760
【0582】
【表193】
Figure 2005503760
【0583】
【表194】
Figure 2005503760
【0584】
【表195】
Figure 2005503760
【0585】
【表196】
Figure 2005503760
【0586】
【表197】
Figure 2005503760
【0587】
【表198】
Figure 2005503760
【0588】
【表199】
Figure 2005503760
【0589】
【表200】
Figure 2005503760
【0590】
表19A
表19Aは、表19に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0591】
【表201】
Figure 2005503760
【0592】
【表202】
Figure 2005503760
【0593】
表19B
表19Bは、表19における単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーのゲノム位置及びその寄託番号を示す。推定エキソン各々について、我々は推定のために用いたゲノム配列を挙げた。各推定エキソンのヌクレオチド位置も示す。
【0594】
【表203】
Figure 2005503760
【0595】
【表204】
Figure 2005503760
【0596】
表20:細胞外または細胞表面タンパク質をコードすると思われる正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる544遺伝子
表20は、細胞外または細胞表面タンパク質をコードすると思われる正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる544遺伝子を示す。これらを、表19に関する場合と同様に選択したが、但しその比率は3.0またはそれ以上であって、「平均」正常成人組織レベルを144非悪性組織の間で85th百分位数値に設定し、73乳癌検体の間の96th百分位数値は100単位またはそれ以上で、そして予測タンパク質は、細胞外位置を示す構造ドメインを含有した(例えばig、fn3、egf、7tmドメイン、シグナル配列、膜貫通ドメイン)。予測タンパク質ドメインを表記する。
【0597】
【表205】
Figure 2005503760
【0598】
【表206】
Figure 2005503760
【0599】
【表207】
Figure 2005503760
【0600】
【表208】
Figure 2005503760
【0601】
【表209】
Figure 2005503760
【0602】
【表210】
Figure 2005503760
【0603】
【表211】
Figure 2005503760
【0604】
【表212】
Figure 2005503760
【0605】
【表213】
Figure 2005503760
【0606】
表20A
表20Aは、表20に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0607】
【表214】
Figure 2005503760
【0608】
表20B
表20Bは、表20中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0609】
【表215】
Figure 2005503760
【0610】
表21:小分子による調整を受け易い酵素またはタンパク質をコードすると思われる正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる210遺伝子
表21は、小分子による調整を受け易い酵素またはタンパク質をコードすると思われる正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる210遺伝子を示す。これらを、表19に関する場合と同様に選択したが、但しその比率は3.0またはそれ以上であって、「平均」正常成人組織レベルを144非悪性組織の間で85th百分位数値に設定し、73乳癌検体の間の96th百分位数値は80単位またはそれ以上で、そして予測タンパク質は、酵素機能を有することを示すかまたは小分子により調整可能であることを示す構造ドメインを含有した(例えばpキナーゼ、ペプチダーゼ、ホスファターゼ、ATPアーゼまたはイオン輸送体ドメイン)。予測タンパク質ドメインを表記する。
【0611】
【表216】
Figure 2005503760
【0612】
【表217】
Figure 2005503760
【0613】
【表218】
Figure 2005503760
【0614】
【表219】
Figure 2005503760
【0615】
表21A
表21Aは、表21に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0616】
【表220】
Figure 2005503760
【0617】
表21B
表21Bは、表21中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0618】
【表221】
Figure 2005503760
【0619】
表22:正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる739遺伝子
表22は、正常成人組織と比較して乳癌中でアップレギュレーションされる739遺伝子を示す。これらを、表19に関する場合と同様に選択したが、但しその比率は3.0またはそれ以上であって、分母は12非悪性乳房検体に関して85th百分位数値であり、そして73乳癌検体の間の96th百分位数値は100単位またはそれ以上であった。
【0620】
【表222】
Figure 2005503760
【0621】
【表223】
Figure 2005503760
【0622】
【表224】
Figure 2005503760
【0623】
【表225】
Figure 2005503760
【0624】
【表226】
Figure 2005503760
【0625】
【表227】
Figure 2005503760
【0626】
【表228】
Figure 2005503760
【0627】
【表229】
Figure 2005503760
【0628】
【表230】
Figure 2005503760
【0629】
【表231】
Figure 2005503760
【0630】
【表232】
Figure 2005503760
【0631】
【表233】
Figure 2005503760
【0632】
表22A
表22Aは、表22に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0633】
【表234】
Figure 2005503760
【0634】
表22B
表22Bは、表22中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0635】
【表235】
Figure 2005503760
【0636】
表23:正常成人組織と比較して乳癌中でダウンレギュレーションされる320遺伝子
表23は、正常成人組織と比較して乳癌中でダウンレギュレーションされる320遺伝子を示す。これらを、表22に関する場合と同様に選択したが、但しその分子は12非悪性乳房検体に関して中央値に設定し、分母は12非悪性乳房検体の間の90th百分位数値が80単位またはそれ以上であり、そして比率は4.0またはそれ以上であった(即ち、正常乳房に対して腫瘍においては1/4にダウンレギュレーションされた)。
【0637】
【表236】
Figure 2005503760
【0638】
【表237】
Figure 2005503760
【0639】
【表238】
Figure 2005503760
【0640】
【表239】
Figure 2005503760
【0641】
【表240】
Figure 2005503760
【0642】
【表241】
Figure 2005503760
【0643】
表23A
表23Aは、表23に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0644】
【表242】
Figure 2005503760
【0645】
表23B
表23Bは、表23中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0646】
【表243】
Figure 2005503760
【0647】
表24:
表24は、表25中の配列すべてに関する配列番号、単一遺伝子ID、単一遺伝子見出し、pキー、予測細胞位置決定および寄託番号を示す。表24中の情報は、表25と配列番号が関連している。
【0648】
【表244】
Figure 2005503760
【0649】
【表245】
Figure 2005503760
【0650】
表24A
表24Aは、表24に関する単一遺伝子IDを欠くそれらのpキーに関する寄託番号を示す。各プローブ組に関して、それからオリゴヌクレオチドが設計される遺伝子クラスター番号を、列挙した。GenBankESTおよびmRNA由来の配列を用いて、遺伝子クラスターをコンパイルした。クラスター化およびアラインメントツール(DoubleTwist, Oakland California)を用いて、配列類似性を基礎にしてこれらの配列をクラスター化した。各クラスターを含む配列に関するGenBank寄託番号を、「受入Accession」の欄に列挙する。
【0651】
【表246】
Figure 2005503760
【0652】
表24B
表24Bは、表24中の単一遺伝子IDおよび寄託番号を欠くそれらのpキーに関するゲノム位置決定を示す。各予測エキソンに関して、予測のために用いたゲノム配列供給源を列挙した。各予測エキソンのヌクレオチド位置も列挙する。
【0653】
【表247】
Figure 2005503760
【0654】
表25
乳癌中で過剰発現されると同定された69遺伝子配列を用いて、公的DNAデータベース(GenBank中のnrおよびhtgs)からコード領域を同定し得る。当該配列を用いて、基地のタンパク質をコードする遺伝子を同定し得るし、あるいはそれらを用いて、FGENESH(Salamov and Solovyev, 2000, Genome Res. 10: 516-522)のようなエキソン予測アルゴリズムを用いてゲノムDNAからのコード配列を予測し得る。
【0655】
【表248】
Figure 2005503760
【0656】
【表249】
Figure 2005503760
【0657】
【表250】
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【0658】
【表251】
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【0659】
【表252】
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【0660】
【表253】
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【0661】
【表254】
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【0662】
【表255】
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【0663】
【表256】
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【0664】
【表257】
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【0665】
【表258】
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【0666】
【表259】
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【0667】
【表260】
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【0668】
【表261】
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【表262】
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【0670】
【表263】
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【0671】
【表264】
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【0672】
【表265】
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【表267】
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【0675】
【表268】
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【0676】
【表269】
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【0677】
【表270】
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【0678】
【表271】
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【0679】
【表272】
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【0680】
【表273】
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【表274】
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【0682】
【表275】
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【0683】
【表276】
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【表277】
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【表278】
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【表279】
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【0687】
【表280】
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【0688】
【表281】
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【表282】
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【表283】
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【表288】
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【表289】
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【0697】
【表290】
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【表291】
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【表292】
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【0700】
【表293】
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【0701】
【表294】
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【0702】
【表295】
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【0705】
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【0706】
【表299】
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【0707】
【表300】
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【0708】
【表301】
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【0709】
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【0711】
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【0712】
【表305】
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【0713】
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【0714】
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【0715】
【表308】
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【0716】
【表309】
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【0717】
【表310】
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Claims (24)

  1. 患者からの細胞中の乳癌関連転写体の検出方法であって、表1〜25に示されたような配列と少なくとも80%の同一性を有する配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドに患者からの生物学的試料を接触させることを包含する方法。
  2. 生物学的試料が単離核酸を含む請求項1記載の方法。
  3. 核酸がmRNAである請求項2記載の方法。
  4. 生物学的試料をポリヌクレオチドと接触させる過程の前に核酸を増幅する過程をさらに含む請求項2記載の方法。
  5. ポリヌクレオチドが表1〜25に示されたような配列を含む請求項1記載の方法。
  6. ポリヌクレオチドが固体表面に固定されている請求項1記載の方法。
  7. 患者が乳癌を治療するための治療レジメンを受けている請求項1記載の方法。
  8. 患者が乳癌を有することが疑われる請求項1記載の方法。
  9. 表1〜25に示されたようなポリヌクレオチド配列からなる単離核酸分子。
  10. 標識されている請求項9記載の核酸分子。
  11. 請求項9記載の核酸を含む発現ベクター。
  12. 請求項11記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  13. 表1〜25に示すポリヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされる単離ポリペプチド。
  14. 請求項13記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体。
  15. エフェクター構成成分にさらに接合されている請求項14記載の抗体。
  16. エフェクター構成成分が蛍光標識である請求項15記載の抗体。
  17. エフェクター構成成分が放射性同位元素または細胞傷害性化学物質である請求項15記載の抗体。
  18. 抗体断片である請求項15記載の抗体。
  19. ヒト化抗体である請求項15記載の抗体。
  20. 患者からの生物学的試料中の乳癌細胞の検出方法であって、生物学的試料を請求項14記載の抗体と接触させることを包含する方法。
  21. 抗体がさらにエフェクター構成成分に接合されている請求項20記載の方法。
  22. エフェクター構成成分が蛍光標識である請求項21記載の方法。
  23. 乳癌関連ポリペプチドを調節する化合物の同定方法であって、以下の:
    (i)表1〜25に示す配列と少なくとも80%の同一性を有する配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである乳癌関連ポリペプチドに化合物を接触させ、そして
    (ii)ポリペプチドに及ぼす化合物の機能的作用を決定する
    過程を包含する方法。
  24. 以下の:
    (i)乳癌を有する哺乳類またはそれから単離された細胞に試験化合物を投与し、
    (ii)処置された細胞または哺乳類中の表1〜25に示す配列と少なくとも80%の同一性を有する配列と選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドの遺伝子発現のレベルを、対照の細胞または哺乳類中のポリヌクレオチドの遺伝子発現のレベルと比較する、
    過程を包含する薬剤スクリーニング検定であって、ポリヌクレオチドの発現のレベルを調節する試験化合物が乳癌の治療のための候補である、検定。
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