JP2005503185A - 血管に小孔を形成する方法及び装置 - Google Patents

血管に小孔を形成する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

血管管壁に進入するようになっている先端部を備えた進入シャフトと、前記管壁を保持するように形成された組織ホルダであって、前記ホルダは、前記進入シャフトが前記管壁を通って前記管壁に挿入されるのとは別個に、前記保持を実施可能となるものと、該管壁を切り抜くようになっている切断サーフィスと、を有する、血管にホールを形成するホール形成装置

Description

【関連出願】
【0001】
本出願は、2001年11月4日(04.11.01)に出願されたPCT/IL01/01019、2001年9月25日(25.09.01)に出願されたPCT/IL01/00903、2001年9月17日(17.09.01)に出願されたUSSN 09/936,806、2001年9月17日(17.09.01)に出願されたUSSN 09/936,805、2001年6月28日(28.06.01)に出願されたPCT/IL01/00600、2001年3月20日(20.03.01)に出願されたPCT/IL01/00267、2001年3月1日(01.03.01)に出願されたPCT/IL01/00266、2001年1月25日(25.01.01)に出願されたPCT/IL01/00074、2001年1月24日(24.01.01)に出願されたPCT/IL01/00069、2000年11月28日(28.11.00)に出願されたUSSN 09/701,531、2000年9月28日(28.09.00)に出願されたPCT/IL00/00609に関連し、またその一部の継続出願であり、また2000年12月11日(11.12.00)に出願されたUSSN 60/254,689に米国特許法119(e)条の権利に基づいて主張されている。これらの文書の開示は参照としてここに含まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、例えば血管やグラフト(graft)に開口を形成するなどの、血管を処理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ホールは様々な理由により血管に形成され、その主要なものは(a)チューブを血管に挿入する(また、後にホールをシールしているチューブを取り外す)および(b)グラフトと血管との間に吻合接合を形成する、ことである。
【0004】
その開示が参照としてここに含まれるPCT公開WO 00/74579には、アウターチューブが前進し且つ選択的には回転して、外側から血管に切り入り、その時ホールフォーマ(hole former)に連結している棘によって血管の切断部の動きが防止されている、ホールフォーマが記載されている。
【0005】
その開示が参照としてここに含まれる米国特許5,129,913には、回転しない、また先端の丸められた切断ヘッドがスリットに挿入されて、切断用縁部を備えたベースチューブが回転している間にこれが後退引き込みされるような、後退引き込み剪断穴開け器が記載されている。これは、切断ヘッドがベースチューブに向かってまたその中に後退引き込みされる時に、血管のある部分での剪断を起こすものである。
【発明の要旨】
【0006】
本発明の幾つかの実施形態の目的は、切断動作又は他のタイプの動作を用いて血管にホールを形成する方法に関する。他の実施形態は、代替または追加の長所を提供するものである。
【0007】
血管へのホールの形成は、選択的には、3つの機能を有し、それは、(1)血管管壁に進入又はそれを貫通し、(2)血管管壁を保持し、(3)管壁に穴を切開する、ものである。管壁の保持は、選択的に血管内の組織のプラグが脱落するのを防止する、及び/または選択的には切断に抗する参照面(reference plane)を与えるものである。幾つかのホールフォーマにおいては、これら3つ(又は4つ)の機能の内、2つ又はそれ以上のものが同一の要素(element)に対して実施され、それらの機能の1つは、他の機能の1つを実施することなく行われる。例えば、進入シャフトが管壁に進入するために使用されると、それは必然的に進入した管壁を保持する。たとえ棘(barb)が管壁とすぐに係合することなく管壁を通って血管に押し込まれることが出来るとしても、管壁への進入が始まった後は棘を管壁に係合させることなく進入シャフトを血管から引き戻すことはできない。すなわち、進入機能を開始すると保持機能が必然となる。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、血管管壁への進入が、少なくとも管壁及び/または組織プラグの保持とは関係なく行われる、ホールフォーマに関する。(管壁の切断は、他の2つの機能と別個に行われても行われなくてもよい。) 例えば、鋭利な先端を有する進入シャフトが最初に血管管壁に進入し 、次いで、剛体状又は柔軟な棘を両端に持つ保持シャフトが、進入シャフトによって形成された開口に入って棘によって管壁を保持する。この棘は、表面で管壁と係合するか、血管管壁内に埋め込まれ、例えば血管内部までは進入しない。選択的には、進入シャフトは中空であり、また保持シャフトを囲んでおり、選択的には進入シャフト内に棘が収納されるスロットを伴うか、シャフト同士が並んでいる。
【0009】
代替的には、保持シャフトと進入シャフトの分離の代わりに、拡大可能なディスクのような柔軟な棘か他の管壁を保持するための要素を進入シャフトの一側面に備え、これらは例えば進入シャフトを囲む中空のアウターシャフト(outer shaft)によって進入シャフトの側面に向かって圧迫する。例えばアウターシャフトを退去させることによって柔軟な刺(または他の保持要素)が解放されると、棘が外に出て血管管壁を保持する。
【0010】
本発明の実施形態では、進入ヘッドの側面又は組織ホルダに有るリリーサ(releaser)を後退引込みすることにより、組織保持機能が使用可能となる。リリーサは、例えば進入シャフト上の棘を圧迫してもよい。代替的には、棘は剛体状であり、リリーサが棘を隠し、例えばリリーサが弾性的であるかスロットつきであるか、或いは棘が進入シャフト(または組織ホルダ)内に後退する。
【0011】
管壁進入機能とは別個に管壁保持機能を有することの潜在的な長所は、外科医が何らかの進入に対する障害を発見した場合に、血管へ深刻なダメージを与えることなく、管壁が保持される前に管壁への進入を控えることが可能であることである。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態では、切断機能を進入機能と別個に行うことができない。例えば、切断用サーフィスと進入シャフトとが一緒に動くような方法で進入シャフトと接続された切断用サーフィスがあり、進入シャフトが所定距離血管内に進入すると切断用サーフィスが血管管壁にホールを切開する。本発明の他の実施形態では、切断機能は、保持機能と別個に行うことができない。例えば、切断用サーフィスが保持シャフトに接続される。本発明の更に別の実施形態では、切断は進入も保持とも別個に行われる。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態の側面は、血管管壁に進入する切断要素と、進入要素が管壁に進入した後にこの進入要素を覆うか進入要素が何らかのダメージを与えるのを防止する保護要素と、を有するホールフォーマに関する。本発明の例示的な実施形態では、移動するか使用可能となって進入要素を保護する保護要素である。例えば、鋭利な先端を備えた進入シャフトが血管を貫き、血管に入る。中空の保護シャフトが進入シャフトを囲んでおり、これが次いで、進入シャフトによって形成された開口を通って、進入シャフトにガイドされながら、進入シャフトの先端を覆うまで、血管に入り、鋭利な先端が他の側の血管管壁を傷つけるのを防止する。選択的には、保護シャフトはまた、上記の保持シャフトであり、この保持シャフトについて記載されたあらゆる特性を有する。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態では、進入先端部は、血管管壁を切断する切断用サーフィスに対して固定された位置に有る。この位置は、例えば完全に固定された状態であってもよく、或いは、例えばラチェット機構を用いるなどして進入先端部が前進したときに一時的に固定されてもよい。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態の側面は、後に切断されるホールの中心では血管管壁に進入しないが、血管のホールの一方の側に非対称に進入するような、ホールフォーマに関する。この構成の潜在的な長所は、管壁保持要素もまた非対称であり、進入要素によって形成された開口を通って血管に入った後に、管壁を保持する一方の側面に開いたスロットを有することができることである。選択的には、管壁保持要素は、ホールが切断された後であっても、また組織プラグが除去された後であっても、管壁を保持する。対称的なホールフォーマは対照的に、管壁保持要素は一般に組織プラグを保持するのみであり、ホールが切開されて組織プラグが除去されるときにホールフォーマは除去される。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、血管管壁を受けて保持する一方の側面にスロットを備えた中空のチューブ又は他の部材を有する、非対称の血管管壁ホルダに関する。選択的には、例えばチューブと同一面上等に、スロットは棘又は他の組織保持要素を備える。選択的には、完全なスロットを有する管壁ホルダの代わりに、例えば管壁ホルダとベースのような、スロットの両側部がホールフォーマの2つの部分によって形成されている。例えば血管管壁の厚さに適合させる等の理由によりスロットの幅を調整するために、或いは管壁ホルダが管壁を保持する力を調整するために、この2つの部分は選択的には相対的に移動する。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、血管管壁の厚さの計測に使用されるキャリパ(caliper)要素を備えたホールフォーマに関する。選択的には、その相対位置が計測中に調整されるキャリパの両側面には、調整可能な管壁保持要素があり、それは例えば調整可能なスロットを備えた管壁保持要素又はベースからの距離が調整可能な棘である。代替的又は追加的には、キャリパの一方の側面は血管の遠位側の内壁面に接触するまで前進し、その時キャリパの他の側面は血管の近位側の外壁面又は内壁面に接触し、血管の外径からキャリパの計測値を減ずることによって管壁の厚さは推定される。選択的には、管壁の厚さの計測に代わって又は追加して、キャリパの2面の間隔を変えるために必要な力が、管壁の圧縮性を計測するために使用される。管壁の厚さ及び/または圧縮性を求めることは、例えば実施される医療行為にとってこれらの値が推奨される範囲内に入っていることを証明するという目的において、有用である。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、その境界部が進入要素によって最初に形成された開口の一部分になるような、ホールフォーマに関する。選択的には、最初の開口は直線状のスリットか、ホールの境界の残りの部分よりも曲率の小さいスリットであり、選択的にはホールはD形状である。例えば、ホールフォーマの一方の側面上に非対称に配置された、鋭利な先端を備えた進入ヘッドが、最初に、そこを通って血管に入るための直線状のスリットを形成する。このスリットは、D形状のホールの境界の直線部分となり、その時選択的には切断時に前後に回転する切断用サーフィスが弧状の切断を行ってホールが完成する。D形状のホールは、特に大動脈では、円形状のホールよりも裂傷を起こしにくい。代替的には、最初の開口はホールの残りの部分と同じ曲率の弧状であるか、より大きい曲率のものであり、また、ホールが円形状であるか、レンズ形状であるか、或いは他の形状である。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、進入ヘッドの血管への進入が完了したときに進入ヘッドと連結する進入ヘッドキャッチ(catch)を備えたホールフォーマに関する。進入ヘッドキャッチは、選択的にホールフォーマのベースに取り付けられ、血管管壁への進入が終わると進入ヘッドをロック状態にする。これによって鋭利な先端を有しうる進入ヘッドが例えば血管の反対側の面の血管管壁を傷つけるのを防止する。代替的又は追加的には、進入ヘッドキャッチが進入ヘッドの鋭利な先端を覆い、進入ヘッドがベースにロックされなくとも、それが血管管壁を傷つけるのを防ぐ。選択的には、進入ヘッドキャッチは、ばね荷重式であり、進入ヘッドの後退引き込みが始まったときに自動的に進入ヘッドと連結する。代替的には、進入ヘッドキャッチは、外科医によって進入ヘッドと連結され、それは例えばホールフォーマのハンドル上に有るコントロールによって成される。選択的には、例えば進入ヘッドキャッチが誤って取り付けられた場合などに、進入ヘッドと連結した後の進入ヘッドキャッチの解放を外科医に許容する、コントロールがハンドル上にある。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、螺旋状の進入シャフトと切断用サーフィスを備えたホールフォーマに関する。進入シャフトは回転して血管管壁に進入し、管壁に螺旋状のチャンネルを生成する。進入シャフトは、後退引き込み時に反対方向な回転させることにより、必要に応じて何時でも血管に深刻な傷をつけることなく管壁から引き戻すことができる。進入シャフトが回転せずに後退引き込みされると、それは管壁を保持し、また選択的には、これは。進入シャフトが管壁に進入した後に切断用サーフィスによって切り出された組織のプラグを除去するために使用される。選択的には、螺旋の向きが異なる2つの螺旋状の進入シャフトがあり、それらは同時に管壁に進入し、血管にトルクが係るのを防止する。また、螺旋の向きが異なる2つの進入シャフトを持つことは、進入シャフトをねじらずに後退引き込みして、切断された組織のプラグがねじれによって進入シャフトから脱落するのを防止する。選択的には、2つの螺旋状の進入シャフトは並列して配置されている。代替的には、これらは互いに同軸であるか、ほとんど同軸であり、しかしながら互いに接触しないように径が少なくともわずかには異なっている。選択的には、2つの螺旋状の進入シャフトが並列に配置されているのであれば、これらの螺旋度は同じであり、これによって切断された組織のプラグがねじれによって進入シャフトから脱落することが防止されるだろう。
【0021】
各螺旋の径は、選択的には、螺旋がプラグの径に適合可能な程度に十分小さく、また互いに干渉しないのであれば、おおよそ可能な限りの大きさである。例えば、各螺旋はプラグの径の1/3から1/4の大きさである。各螺旋を形成するワイヤの径は、選択的には螺旋の径の少なくとも数分の1であるので、螺旋は直線状のワイヤからそれがクラックを生じて傷つくことなく形成されるが、螺旋が血管内に埋め込まれているときに、螺旋を血管管へ機から引き込む又は降伏ひずみを越えて伸ばされることなく、切断用サーフィスに対する抗力を提供できるような、充分な大きさとなっている。選択的には、ワイヤはまた、螺旋が血管管壁に進入するときそれが大きく変形しないように充分に厚くなっている。例えば、ワイヤの径は螺旋径の20%であるか、或いは螺旋径の10%か5%である。
【0022】
本発明の幾つかの例示的な実施形態の一側面によれば、ホールフォーマは、選択的には先端部が血管管壁を通って挿入された後に後退引き込みされるような進入先端部と、管壁を通過する進入ヘッドと、管壁を通過しないベースと、を有する。切断用縁部がベース上にあり、血管管壁を切断する。選択的には、切断動作はベースの回転に補佐され、これは例えば完全な回転及び/または振り子状の回転である。選択的には、一部または全ての切断が完了すると、進入ヘッドは血管に対して後退引き込みされ、従って血管から切り取られたプラグが除去される。選択的には、進入ヘッドは板厚部を備え、プラグがヘッドから滑り落ちるのを防止する。選択的には、進入ヘッドはベースに対して後退引き込みされ、例えば進入ヘッドはばね荷重式である。代替的または追加的には、後退引き込みは、ホールフォーマ全体の後退引き込みによってなされ、またオーバーチューブをベース上で前進させて血管に形成されたホールに係合させてリークを防止する。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態では、ホールフォーマはいかなるコントラ(contra)も用いない、という点を留意すべきである。むしろ、何らかのコントラが必要であるならば、それはターゲットとなる血管自身によって提供される。これらの実施形態においては、進入ヘッドは、切断用縁部が横に滑るのを防止する、及び/または切り取られたプラグが血管内に脱落するのを防止する為に使用される。
【0024】
選択的には、進入ヘッドは中空のルーメン(lumen)を備え、これは選択的には内部に組織と係合するためのネジ山、棘、或いは他の処理が施されている。本発明の例示的な実施形態では、ルーメンはホールフォーマの内側または外側の溶剤貯蔵器と一体となっている。代替的または追加的には、例えば進入をアシストするために、進入ヘッドの外側にはネジ山が形成されている。
【0025】
本発明の代替の実施形態では、進入ヘッド上で、代替的または追加的にはベース上で、切断用縁部が使用される。切断動作の代替または追加として、互いにスライドするベースとヘッドによる剪断動作が行われる。代替的または追加的には、アンビルと切断用エッジの間に組織を配置することによってなされるアンビル切断動作が行われる。本発明の幾つかの、ただし全てではない実施形態では、ヘッドとベースとの間の相対的な回転がある。本発明の例示的な実施形態では、ヘッドはベースに向かって後退引き込みされ、血管の内側から血管が切断される。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、複数の道具を備えた吻合移送システムの内部のリーフレットバルブを保護することに関する。本発明の例示的な実施形態では、同じ移送システムのスカフォルド(scaffold)が、ホールフォーマの移送と吻合接合器の移送(或いは他の道具の移送)のために使用される。この2つの道具を取り替えている間、スカフォルド内のバルブは、血管からの血液がスカフォルドを通ってリークするのを防止するために使用される。本発明の例示的な実施形態では、ホールフォーマの鋭い部分とバルブが接触するのを防止するために、ホールフォーマがカバー(例えばシリコンチューブ)で覆われている間に、ホールフォーマはバルブを越えて挿入される。選択的には、カバーは分断するようにデザインされており、例えばミシン目を有する及び/またはリップコード(rip code)を有する。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、鋭い切断用縁部を備えたチューブと、例えば棘及び/または内側のネジ山といった一方向係合等で組織と係合する手段を使用するルーメンと、を有する、ホールフォーマに関する。チューブが血管管壁または他の組織に対して前進する(及び/または回転する)と、組織は切断用縁部によって切断され、ルーメン内に強制的に入れられ、そこで係合する。選択的には、チューブは外側にネジ山を有し、これは例えば組織内での前進をアシストする。選択的には、例えば針といったセントラルガイドが、ターゲットとなる組織に対するチューブの位置を安定させるために設けられている。選択的には、セントラルガイドにはネジ山が形成されている。ガイドはチューブに対して後退引き込み可能であっても無くてもよい。他の例示的な実施形態では、ガイドは切断用縁部の前方に前進するか、切断用縁部によって定義される面とほぼ同じレベルになるか、この面から後退引き込みされる。
【0028】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、進入ヘッドが切断用縁部を備え、ベースに向かって後退引き込みされるようにヘッドが回転する、後退引き込みホールフォーマに関する。選択的には、ベースが回転する。本発明の例示的な実施形態では、切断用縁部はベースの内面とフィットする。代替的には、切断用縁部はベースに対してフィットする。
【0029】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、進入ヘッドの遠位端内に、血管管壁にホールを形成している間に血管管壁から除去された組織プラグを受けるための退避部を備えた、ホールフォーマに関する。選択的には、退避部は、前記進入ヘッドの切断用縁部によって形成されている。代替的または追加的には、切断用縁部が前記ホールフォーマのベース部に形成されている。切断用縁部(2つある場合はその一方または双方)は様々なデザインが可能であり、例えば平滑状、鋸歯状及び/または斜めになっている。本発明の例示的な実施形態では、退避部は、たとえプラグが崩れた場合であっても、1回、2回或いはそれ以上のホール形成動作によって生成された組織プラグが十分入るだけの深さを有する。
【0030】
本発明の例示的な実施形態では、退避部はプラグ引き抜き手段を備える。一例では、例えば柔軟なシリコンの塊や金属ばねのようなばね要素が退避部内に設けられ、ホール形成が完了してホールフォーマが血管から除去されると、ばね要素によってプラグはホールから少なくとも部分的に放出される。代替的または追加的には、軸方向に後退引き込み可能なキャッチが退避部内で使用され、これは、前記進入ヘッドが前記ベースから離れたときに、例えば手動またはばねによって前記退避部から後退引き込みされる、及び/または適所に残る。
【0031】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、アンビル切断と少なくとも1つのナイフ切断及び剪断を組み合わせて血管にホールを形成する、ホールフォーマに関する。本発明の例示的な実施形態では、アンビル切断は、血管の外膜を切断するために行われ、他の切断方法は血管の内膜を切断するために行われる。同一の切断用縁部または1つ以上の切断用サーフィスを使用して、異なる切断方法を実施してもよい。一例では、進入ヘッドの傾斜部がベースと接触し、アンビル切断動作が行われ、一方、進入ヘッドに形成された切断用縁部がベースを通過するようにスライドしてナイフ切断及び/または剪断動作が行われる。他の例では、切断用縁部は、ベースの傾斜部に当たるまでナイフ切断動作を行い、またアンビル切断動作も行う。
【0032】
本発明の幾つかの実施形態の一面は、回転アンビル切断型のホールフォーマに関する。選択的には、アンビルと切断ヘッドの少なくとも1つは、アンビルとヘッドが接触したときにこれらの一方が後退引き込みされるようにばねによって動作し、したがって切断部の損傷が防止される及び/または軽減される。本発明の例示的な実施形態では、進入ヘッドは切断部として機能し、またベースがアンビルでありまたばねによって動作する。選択的には、進入ヘッドは、ねじによって後退引き込みされまた回転する。選択的には、ヘッドがベースに届くと、ヘッドは無限回数回転可能となる。選択的には、ヘッドがベースに届くと、ネジ山を滑らせ、ベースがばねによって前進可能となる。
【0033】
本発明の幾つかの実施形態の一面は、例えばベース上または進入ヘッド上にある弾性材に対するアンビル穴開け器に関する。選択的には、ホールフォーマの切断部は、アンビル部に対して回転する。選択的には、進入ヘッドが強制的に後退引き込みされると、これが弾性材を側方に押してアンビル内にあらかじめある小孔に後退引き込みさせる。
【0034】
本発明の幾つかの実施形態の一面は、ホールフォーマのパラメータを設定することに関する。本発明の例示的な実施形態では、Dは切断用縁部の外径であり、dは進入ヘッドとベースとの間におけるホールフォーマの最小の径である。本発明の例示的な実施形態では、ホール除去器が、ホールの径が所望の値となるように設定されている。一般に、Dはdに近く、ホール形成操作によって除去される組織の量は、小さくなる傾向にあり、ホール形成操作中に組織プラグを受けるための空間は小さい。Dがdよりも十分に大きいのなら、より大きなホールが形成可能であり、その大きさはDに近づき、或いは越える。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態の一面は、進入先端部及び/または進入ヘッドの様々な設計に関する本発明の例示的な実施形態では、選択的にアンビルとして機能するか血管管壁を保持するプラグホルダとして機能する進入ヘッドは、例えば螺旋、変形可能なシリコンまたは複数の半径方向に伸びる(選択的には相互接続されている)アームのように、拡大可能である。代替的には、進入ヘッドは、例えば螺旋状の形態においてカッターとして機能する。選択的には、進入先端部の後退引き込みによって進入ヘッドの拡大が起こる。
【0036】
代替的または追加的には、アンビルが切断用縁部の外周の一部のみと向かい合うように提供される。
【0037】
本発明の例示的な実施形態では、進入先端部及びヘッドは、ネジ山付きのチューブを有し、ホール形成はねじ部をベースに対して後退引き込みすることによって行われる。
【0038】
本発明の代替の実施形態では、進入ヘッドは円盤を備え、これはその側部から挿入される及び/または進入ヘッドが血管内に入った後に血管管壁に入るような変形状態となっている。円盤は次いで、例えばアンビルとしてホール形成操作に使用される。
【0039】
ネジ山付きのヘッドと円盤状ヘッドの例では、切断動作は、例えばナイフ、剪断及び/またはアンビルであってもよく、選択的には進入ヘッドの切断用縁部を利用する。
【0040】
本発明の例示的な実施形態では、進入先端部は1つ、2つまたはそれ以上の側面ナイフ(sided knife)の形態を取る。代替的には、進入先端部は、ねじの形態を取る。代替的または追加的には、進入ヘッドは1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の側面が深い二枚貝貝殻状になっている。代替的には、進入ヘッドはその断面が、他の幾つかの実施形態のような円状ではなく、十字型または多角形状となっている。
【0041】
本発明の代替の実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上の切断スパイクが、進入ヘッドの切断用縁部として形成されている。スパイクは、ベース部が広く、先端が細くなっており、その外側のエッジに沿って切断用サーフィスがある。一例では、2つのスパイクが設けられ、ベースと共に進入ヘッドの全周に渡ってブリッジを形成している。
【0042】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、針状のホールフォーマに関する。本発明の例示的な実施形態では、ベースが小孔を有する針状となっており、選択的にはその先端部が斜めになっている。針自身は、例えば、対照的または非対称的な円錐状の先端部を備えていてもよい。小孔のエッジは鋭くなっている。組織進入先端部は、小孔を通過するように提供され、小孔とほぼ同一形状の交軸方向伸長部を備える。使用時は、交軸方向伸長部も血管管壁を越えるように、進入先端部が血管に挿入される。進入先端部は次いで後退引き込みされ、ベースに向かって血管を引き込み、この結果ベースの鋭い切断用縁部及び/または選択的には交軸方向伸長部の鋭い面が血管管壁を切断する。
【0043】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は穴開けの動きをマークすることに関する。本発明の例示的な実施形態では、ホールフォーマは、進入ヘッドとベースの間の及び/またはホールフォーマの他の部分に対するベースの相対的な動きを示す視認可能な表示部を備えている。一例では、ベース内またはベースの伸長部内に、スロットが形成されており、これを通して進入ヘッドの拡張部上のマーキングが視認可能である。選択的には、ホールフォーマは、移送システムを介して使用される。本発明の例示的な実施形態では、移送システムは、ホールフォーマ及び/または吻合コネクタ移送具といった、選択的には類似の進展度表示部を備えた、他の移送される道具の相対的な動きを見るための窓を有する。選択的には、進展により所望の点に達すると、代替的または追加的には大音量の機械的なクリック音が起きる。
【0044】
本発明の幾つかの実施形態の一側面は、血管用の側方カッターに関する。本発明の例示的な実施形態では、側方カッターは、鋭い先端部を備えたL字状の要素を有する。先端部は血管内に差し込まれ、L字状要素のアームは血管の軸方向と平行になる。L字状要素は、次いでベースに対して後退引き込みされ、L字状要素の選択的には鋭い内縁によって切断動作が成される及び/またはベースに対する剪断動作がなされる。ベースは選択的には鋭くなっている。ベースは、L字状要素の一面上にあってもよく、或いはL字状要素を挟んでいてもよい。選択的には、L字状要素の切断アームは、ベースに平行であり、代替的にはアームはベースに向かって傾いているか、ベースから離れるように傾いている。
【0045】
それ故に、本発明の例示的な実施形態によれば、
血管管壁に進入するようになっている先端部を備えた進入シャフトと、
前記管壁を保持するように形成された組織ホルダであって、前記ホルダは、前記進入シャフトが前記管壁を通って前記管壁に挿入されるのとは別個に、前記保持を実施可能となるものと、
該管壁を切り抜くようになっている切断サーフィスと、
を有する、血管にホールを形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記組織ホルダは、剛体状の棘を有する。代替的又は追加的には、前記組織ホルダは柔軟な棘を有する。代替的又は追加的には、前記組織は円盤を有する。
【0046】
本発明の例示的な実施形態によれば、前記組織ホルダは、前記進入シャフトを囲む中空のチューブを有する。選択的には、前記中空のチューブは、前記先端部が完全に前記中空のチューブ内に収められるように、前記進入シャフトに沿って前進するよう形成されている。選択的には、前記中空チューブは、少なくとも前記管壁が前記切断サーフィスによって切り取られるまで前記先端部を収めるだけの充分な長さを有する。
【0047】
本発明の例示的な実施形態では、進入シャフトは少なくとも部分的には前記組織ホルダを覆う。選択的には、前記組織ホルダは少なくとも1つの柔軟な組織保持要素を有し、前記進入シャフトはそこを通って前記柔軟な要素を受けるのに充分な幅を有する少なくとも1つのスロットを有し、前記組織保持要素と前記スロットとが揃うように前記組織ホルダ及び前記進入シャフトは選択的に前記組織ホルダに対する前記進入シャフトの位置決めを行うように形成されている。選択的には、前記組織ホルダ及び前記進入シャフトは、前記組織保持要素が前記スロットから軸方向に変位するように形成されている。代替的又は追加的には、前記組織ホルダ及び前記進入シャフトは、前記組織保持要素が前記スロットから傾いて変位するように形成されている。
【0048】
本発明の例示的な実施形態では、前記組織ホルダは前記進入シャフトと並んで配置されている。
【0049】
本発明の例示的な実施形態では、前記組織ホルダは、前記進入シャフト上に取り付けられ、また選択的に前記ホルダを解放して前記組織を保持させるよう形成されたホルダリリーサを有する。選択的には、前記ホルダリリーサは、少なくとも部分的に前記進入シャフトを覆う中空のシャフトを有する。代替的には、ホルダリリーサは、前記進入シャフトと並んで配置されている。
【0050】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入シャフトが前記管壁に挿入されている間に、前記ホルダリリーサは、前記組織ホルダを覆う。選択的には、前記ホルダリリーサは、前記進入シャフトが前記管壁に挿入されている間に、弾性的に前記組織ホルダを圧迫する。
【0051】
本発明の実施形態では、前記挿入の後に前記組織ホルダは前記進入シャフトに沿って前進する。代替的又は追加的には、前記組織ホルダは、前記進入シャフトに対して相対的に軸方向に移動し、それによって前記組織ホルダが使用可能となる。
【0052】
本発明の例示的な実施形態では、前記組織ホルダは前記進入シャフトに対して相対的に回転するよう形成され、それによって前記組織ホルダが使用可能となる。
【0053】
本発明の例示的な実施形態では、前記組織ホルダは、前記ホールを形成している間に、前記切断用サーフィスに対して相対的に後退引き込みするように形成されている。選択的には、前記組織ホルダはばねによって後退引き込みする。代替的又は追加的には、前記後退引き込みは、前記切断用サーフィスの回転運動と機械的に連結している。
【0054】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入シャフトは、少なくしも前記挿入が終了した後に、前記切断用サーフィスに対して軸方向に固定されて位置決めされる。
【0055】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入シャフトは、前記切断用サーフィスに対して軸方向に後退引き込み可能である。
【0056】
本発明の例示的な実施形態では、前記切断用サーフィスは、回転によって切断するよう形成されている。選択的には、前記切断用サーフィスは、前記組織ホルダに対して回転方向に固定されていない。
【0057】
本発明の例示的な実施形態では、前記切断用サーフィスは、前記進入先端部に対して反対の側に有る前記管壁を切断する。
【0058】
本発明の例示的な実施形態では、前記切断用サーフィスは、前記管壁の前記進入ヘッドのある側から切断されるよう形成されている。
【0059】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入先端部は、前記血管の外側から前記管壁に入るよう形成されている。
【0060】
本発明の例示的な実施形態では、前記組織ホルダは、前記血管の管壁と係合する。
【0061】
本発明の例示的な実施形態では、前記組織ホルダは、停止位置で前記血管の管壁に当接し、それによって前記停止位置の方向での前記管壁の相対移動が防止される。
【0062】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
血管の管壁を通って挿入されるようになっている先端部を備えた進入シャフトと、
該管壁を切断するようになっており、また前記進入シャフトの先端部に対して軸方向に固定されている切断用サーフィスと、
進入シャフトが前記血管の管壁を通って挿入された後に軸方向に移動して前記進入シャフトの先端部が血管を傷つけるのを防止可能な先端部プロテクタと、
を有する、血管に開口を形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記先端部プロテクタは、前記挿入後に前記管壁の少なくとも一部分を保持する、少なくとも1つの組織保持要素を有する。選択的には、前記組織ホルダの遠位の前記先端部プロテクタの長さは、前記先端部と前記切断用サーフィスとの間の距離よりも大きい。
【0063】
本発明の例示的な実施形態では、前記先端部プロテクタは、前記進入シャフトを囲む中空のチューブを有する。
【0064】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
その遠位端に先端部を有し、血管管壁に挿入されてスリットを形成する、スリット形成進入ヘッドと、
前記先端部と非接触であり、前記管壁を切断しまた前記切断部と前記スリットがつながって前記ホールを定義する前記管壁の切断部の境界が形成されるように形成されている、切断用サーフィスと、
を有する、血管にホールを形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記切断用サーフィスは、前記ヘッドの近位側に形成されている。代替的または追加的には、前記先端部は前記ヘッド上の前記装置の軸とは非対称な位置にある。
【0065】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入ヘッドが中実である。
【0066】
代替的には、前記進入ヘッドが中空である。選択的には、前記装置は、前記ヘッド内に位置決めされ、また前記血管の管壁の切り取り部が前記ヘッドを前記先端部方向に通過するように形成された、少なくとも1つのヘッド組織ホルダを備えている。選択的には、前記組織ホルダは、前記ヘッドに固定されている。代替的または追加的には、前記組織ホルダはフックを有する。
【0067】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入ヘッドの軸方向に沿った方向の断面は弓形である。
【0068】
本発明の例示的な実施形態では、前記装置は、進入ヘッドの近位端に鋭利な先端部が設けられている。選択的には、前記鋭利な先端部は、前記進入先端部及び前記進入ヘッドの軸と同一の面上にある。
【0069】
本発明の例示的な実施形態では、前記装置は、それによって交軸方向のスロットが決まるメンバを有するアンカーを備え、前記スロットは前記管壁の厚みを受けられるだけの充分な幅を有する。選択的には、前記メンバは、それによって前記進入ヘッドを覆うのに充分な径のルーメンが決まるチューブを有する。代替的には、前記メンバは前記進入ヘッドを部分的に囲むのみである。
【0070】
本発明の例示的な実施形態では、前記装置は、前記アンカーと一体となったアンカー組織ホルダを備え、アンカー組織ホルダは戦記血管の管壁の切り取り部が血管内に入るのを防止する。
【0071】
本発明の例示的な実施形態では、前記メンバは遠位端を備える。選択的には、前記遠位端は、アンカー切断用サーフィスである。代替的には、前記遠位端は前記切断用サーフィスである。
【0072】
本発明の例示的な実施形態では、前記遠位端及び前記進入ヘッドの近位端は共動して剪断動作を行う。代替的には、前記遠位端及び前記進入ヘッドの近位端は共動してアンビル切断動作を行う。
【0073】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
血管管壁に進入するようになっている進入ヘッドと、
前記管壁の厚みを受けられるだけの充分な幅を有する交軸方向のスロットがそれによって決まるようなスロット付きのアンカーと、
前記管壁が前記スロット付きアンカーに保持されている間に前記管壁を切断するよう形成されている切断用サーフィスと、
を有する、血管にホールを形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記アンカーは交軸方向のスロットを有するチューブである。代替的または追加的には、前記進入ヘッドは前記アンカーの遠位部にある。代替的または追加的には、前記装置は前記血管の管壁の切り取られた部分が前記血管の中に入るのを防止する、組織ホルダを備える。
【0074】
本発明の例示的な実施形態では、前記切断用サーフィスは、前記進入ヘッドの近位側に形成されている。
【0075】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
血管管壁に進入するようになっている先端部を備え、また軸方向にルーメンのある進入ヘッドと、
前記ルーメンを通過し、侵入後に前記先端部が前記血管を傷つけるのを防ぐ先端部プロテクタと、
を有する、血管にホールを形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記先端部プロテクタは、前記先端部をその中で受ける退避部のある折り畳み式のタブである。選択的には、前記タブは、前記ルーメンを通過している間は弾性的に変形している。
【0076】
本発明の例示的な実施形態では、前記進入ヘッドの後退引き込みによって前記先端部プロテクタが前記ルーメンを通過して前記先端部を保護するように、前記先端部プロテクタの前記装置に対する軸方向の位置は固定されている。代替的または追加的には、前記先端部プロテクタは、前記先端部プロテクタを手動で一義召して選択的に前記先端部を保護する為のコントロールを有する。
【0077】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
前記血管管壁を通って挿入されるよう形成されている組織ホルダと、
前記管壁の反対側の面に位置決めされるよう形成されているベースと、
前記組織ホルダ及び前記ベースと連結し、前記組織ホルダと前記ベースとの間の距離に基づく指標を表示するよう形成されているディスプレイと、
を有する、血管にホールを形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記組織ホルダは、前記組織ホルダのーが前記管壁を通って後退引き込みされるのを防ぐ、少なくとも1つの組織後退引き込み防止要素を備える。代替的または追加的には、前記ディスプレイは前記ホルダ及び前記ベースと機械的に連結している。代替的または追加的には、前記ベースは、前記管壁を前記血管管壁切断用サーフィスと当接させる。代替的または追加的には、前記装置は、前記ホルダを前記ベースに対して後退引き込みするばねを備える。代替的または追加的には、前記ディスプレイは、前記距離を前記管壁の圧縮性の計測値に変換する。代替的または追加的には、前記ディスプレイは、前記距離を前記管壁の厚さの計測値に変換する。
【0078】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
シャフトに取り付けられ、血管管壁に進入するようになっている進入ヘッドと、
前記侵入後に前記管壁を受けるよう形成されている組織退避部と、
を有し、
前記シャフトが前記組織退避部とは同軸ではないことを特徴とする、
血管にホールを形成するホール形成装置が提供される。選択的には、前記シャフトは前記組織退避部の外側にある。
【0079】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
血管管壁に進入して係合する複数の螺旋状のコイルと、
前記管壁を切断し、前記螺旋状のコイルに対して軸方向に移動するよう形成されている切断用サーフィスのあるベースと、
を有する、血管にホールを形成するホールフォーマが提供される。選択的には、前記コイルは、螺旋の向きが異なる少なくとも2つのコイルである。代替的または追加的には、前記コイルは、少なくとも2つの同軸のコイルである。代替的または追加的には、前記コイルは、同軸ではない少なくとも2つのコイルである。
【0080】
また、本発明の例示的な実施形態によれば、
その遠位端に進入先端部を備えたシャフトと、前記シャフトの周りに配置されて前記シャフトに対してスライド可能に形成されているアウターシャフトであって少なくとも1つの突出要素を備えているものと、前記アウターシャフトの周りに配置されまた切断用縁部を備えているベースであって前記アウターシャフトに対してスライド可能に形成されているものと、を有するホールフォーマを提供し、
開口が形成されるように進入先端部で管壁に進入し、
前記アウターシャフトと少なくとも1つの突出要素を開口に通過させ、
前記ベースの切断用縁部で前記血管管壁を切断して前記血管の管壁にホールを形成する、
ことを特徴とする、血管の管壁にホールを形成する方法が提供される。選択的には、前記方法は、前記切断の前に前記少なくとも1つの突出要素が血管管壁に当接させるように前記アウターシャフトを後退引き込みする。代替的または追加的には、前記シャフト及び前記ベースは互いに固定されている。代替的には、前記シャフトはベースとは別個に移動可能である。選択的には、前記アウターシャフトが開口を通過すると、前記進入先端部がアウターシャフトに後退引き込みされる。
【0081】
本発明の例示的な実施形態では、切断ステップ中に前記アウターシャフトが前記血管管壁の内面を進入先端部から保護する。
【0082】
本発明の例示的な実施形態では、ベースが回転して血管管壁内にホールが切断される。
【0083】
本発明の非限定の実施形態は、図面と共にある以下の例示的な実施形態の記載を参照して記述される。図面には概して縮尺は示されておらず、あらゆる計測値は例示的な意味を示すものに過ぎず、必ずしも限定するものではない。図面に於いては、1つまたはそれ以上の図面に現れる同一の構造、要素または部位には、これらが現れる全ての図面において同一または類似の符号が好適に割り当てられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0084】
端側吻合接合は、典型的にはターゲットとなる血管である「側部」血管に作られる開口を、典型的に必要とする。側部血管に切開部が作られると、典型的に吻合接合に必要とされる長円形または円形の開口にする為に切開部を広げることによって、ターゲットとなる血管の裂け及び/または変形が起こりうる。代替の方法としては、血管にホールを穴開けするまたは切り開けるものがある(例えば、発明の背景に記述されている方法を使用する)。しかしながら、本発明者らは、このような穴開けはホールの周りに1つまたはそれ以上の裂け目ができる可能性がある。例えば、大動脈に直径2.5mmのホールを穴開けすると、通常は裂けが発生し、吻合が行われると、そのホールは広がってリークを生じうる。幾つかのケースでは、裂けの発生に影響を与える大動脈のホールの大きさが示されているが、より大きな直径で吻合を行うときは、大動脈の変形を防止するために最小のホールの大きさが必要とされるだろう。
【0085】
血管は幾つかの層から成る。最も外の層は、外膜と呼ばれる強靭な繊維質の層である。最も内側の層は、内膜と呼ばれる。本発明者らは、外から内へ切断が進むと、外膜が切断部を捕まえて、内膜が切断される前にそれを変形させることを発見した。加えて、本発明者らは、決定された異なる切断方法を血管の異なる層に対して行ってもよい。
【0086】
一部分(プラグ部)が血管管壁上に切り取られるときは、プラグの血流への脱落を防止することが通常望まれる。加えて、ホール形成中または形成後にプラグが脱落しないことが望まれる。
【0087】
上記の問題の1つまたはそれ以上は、本発明の実施形態によって解決される。
【0088】
図1Aは、本発明の例示的な実施形態によるホールフォーマ100を図示したものであり、これは、ベースチューブ102と血管106の管壁に挿入される進入ヘッド104とを有する。示されているように、血管106は、内膜層108と外膜層110を有する。図2に例示的に示されているように、進入ヘッド104の先端は後退引き込み可能な進入先端部であってもよい。
【0089】
本発明の例示的な実施形態では、進入ヘッド104は、血管に向かって後退引き込みされ時に血管に切り入れられる切断用縁部114を有する。選択的には、切断用縁部114は、壁面112を備えたカップ116のリムとして形成されている。カップ116は、望ましくは、切断用縁部114によって血管106から切り取られた組織のプラグが置かれるように機能する。
【0090】
図1Aの実施形態では、ベースチューブ102には、進入ヘッド104が十分に後退引き込みされたときに切断用縁部114に当たるアンビル(anvil)面118がある。本発明の例示的な実施形態では、後退引き込みされると、切断用縁部114は、外膜110を切断するのに適したアンビル切断動作がそこで行われるアンビル118の近辺に来るまで、ナイフ切断動作を行う。
【0091】
図1Bは、代替のホールフォーマ130を示したものであり、これは、ナイフ切断動作とアンビル動作とが異なる面で実施されるものである。壁112の外径はベースチューブ102の内径よりも小さくなっているので、カップ116は、チューブ102のボア部138に後退引き込み可能となっている。切断用縁部114とボア138との間のクリアランスが十分に小さければ、剪断動作が進入ヘッド104とベースチューブ102の間で行なわれる。選択的には、切断用縁部114は、ナイフ切断動作の実行が十分可能なように鋭利となっている。
【0092】
本発明の例示的な実施形態では、アンビル切断はベースチューブ102の切断用縁部142と選択的には進入ヘッド134に対して傾いているアンビル部140との間で起こる。
【0093】
選択的には、進入ヘッド104及びベースチューブ102の一方または双方は、同一方向または反対方向に回転する。完全な回転の代わりに、振り子状の回転を行うようになっていてもよい。
【0094】
進入ヘッドをベースチューブ102に後退引き込みすると、ヘッド104及びチューブ102の一方または双方が、移動してもよい。選択的には、下記のように、この動きが中断されて、衝撃的なアンビル切断動作が可能となる。
【0095】
前進運動と回転運動の間の連結は選択的である。一例では、前進運動を回転運動にリンクするネジ山によって、この連結が達成される。後退引き込み中に回転動作を行う代わりに、後退引き込み後に回転が行われる(例えば、エッジが血管管壁を挟み始めた時に)。選択的には、回転及び後退引き込みは、別個に制御され、例えば、あるものを用いて回転を制御し、別のもので後退引き込みを制御する。
【0096】
図2A-2Eは、図1Bの実施形態と類似の、本発明の例示的な実施形態による、例示的なホールフォーマ200の断面図を示したものである。
【0097】
図2Aは、進入が終わった後に取り付けられるシャフト208を後退引き込みすることによって後退引き込みされる、選択的な後退引き込み進入先端部202を示したものであり、であって、その鋭利な先端部が血管の離れたところにある管壁を傷つけないようになっている。選択的には、先端部の後退引き込みによって、手動または自動(例えばばねまたはモータを用いて)で進入ヘッドをベースセクションに後退引き込みする後退引き込み機構のロックを解除する。また、進入ヘッド104を後退引き込みするために使用する、シャフト206が示されている。示されているフォーマ200は、選択的には分離型移送システムである移送システム210に取り付けられている。
【0098】
図2Bは、フォーマ200のハンドル部を示したものであり、これは例えば回転ハンドル212である。進入先端部202が血管に進入すると、先端部を後退引込みするためにスロット210が使用される。ネジ山214は、例えばホールフォーマ200を使用している間の進入ヘッド104の後退引き込みと回転を制御するために使用される。
【0099】
図2Cは、フォーマ200を位相システム210にロックする為のクリップ220を含む、フォーマ200の中央部を示すものである。
【0100】
図2Dは、その中でベースチューブ102がフォーマ200の残りの部分と連結するような、フォーマ200の部分を示すものである。下記のように、選択的なボリューム222が、ベースチューブ102とフォーマ200を連結する弾性的な要素(例えばシリコンまたはばね)を置くために設けられている。
【0101】
図2Eは、ヒトの大動脈に使用されるシステム200の例示的な寸法を示したものである。
【0102】
本発明の例示的な実施形態では、プラグが血管管壁から取り外されると、例えば血液のリークを防止するために、ベースチューブ102が形成されたホールに向かって前進する、という点に留意すべきである。
【0103】
図3は、本発明の例示的な実施形態において関連となりうる進入ヘッド304の様々な寸法を図示したものである。直径dは、ヘッド304を後退引き込みするために用いるシャフト308の外径である。直径Dは、切断用縁部314が描く円の外径である。深さWは、プラグが置かれる組織退避エリア316の深さである。本発明者らは、ターゲットとなる血管から取り外される組織プラグの大きさは、組織退避部の幾何学的形状に依存するものとしている。それ故に、Wが極めて小さい場合は、組織プラグの多くは制限を受けるだろう。同様に、Dがdに近い場合は、組織プラグの為の場所がより小さくなる。選択的には、丸められた末端よりもむしろ切断用縁部314を用いると、組織がスリップして通りすぎるということは少なくなり、それ故に切断用縁部314は組織内に切り入り、適切な位置にそれを保持する。選択的には、退避エリアの形状は、あるプラグの形状に影響を与えるようにデザインされている。例えば、切断が完了する前に退避部が一杯となってしまった場合は、プラグの径は減少する。プラグの厚さ方向における減少方向は、切断方向及び/または退避部の向きに依存しうる。例えば、組織退避部及び/または切断用縁部がチューブ102上に形成される場合は、血管に向かう方向に減少が起こる。加えて、ナイフ切断が、早期に切断された組織が既知の径となるようにする為に行われ、一方剪断は、後に切断される組織が退避エリアの許容体積に基づくものとなるようにするために行われる。血管の両側から中間部に向かうような切断を行うことによって、砂時計状の形状となり、2つの切断用サーフィス間で限られた体積の組織退避エリアが使用される。
【0104】
軸方向の移動に対する回転方向の移動の様々な比を使用してもよい。これば例えば1/1、すなわち1回転につき1mmの前進、である。一例では、ホールの形成中に少なくとも10または少なくとも30の回転が起こる。他の例では、1回転、またはそれ未満の回転が起こる。
【0105】
Wが十分に大きければ、体から除去された組織プラグは、退避部316に収まり、ホール形成システムを更に使用することが困難となる。特に、平滑状な切断動作を行う場合は、Wが大きくなり、組織プラグを外からアクセスすることはほとんどできなくなる。本発明の例示的な実施形態では、プラグの除去をアシストする機構が提供される。
【0106】
図4Aは、組織プラグを組織退避部416から引き出す組織引き抜き器420が設けられている、進入ヘッド400を示したものである。本発明の例示的な実施形態では、引き抜き器420は、退避部416の内側に広がる1つまたはそれ以上の半径方向の伸長部(または縁部)422を備える。進入ヘッド104が前進すると、組織プラグは伸長部422を捕まえて退避部416から引き抜かれる。例えばばねや軟質ゴムといった選択的な弾性要素424が用いられて、引き抜き器420はベース102に向かって押される。代替の実施形態では、引き抜き器は自由に動くことができる。
【0107】
図4Bは、代替の機構400を示したものであり、これはばねやシリコンプラグのような弾性要素442が組織退避エリア内に用いられるものである。ホール形成操作中に弾性要素はプラグによって圧縮され、操作終了時に反発してプラグを押し出す。
【0108】
図1Aに例として示されているような本発明の幾つかの実施形態では、切断用縁部は移動しない要素に接触し、それによって傷つくことは無い。図5は、本発明の実施形態による、ボース102が弾性的に後退引き込み可能となるような、ベース引き込み機構500を図示したものである。それ故に、例えば、切断用縁部が当たると、切断用縁部が押しつぶされる代わりにベース102が切断用縁部に押し戻される。このような弾性接触の潜在的な長所は、進入ヘッド104の軸方向の運動と回転運動を連結するネジ山を設計したときの製造時の公差を緩くすることができることである。
【0109】
本発明の例示的な実施形態では、機構500は、1塊のシリコンゴムまたはばねといった弾性要素502を有し(或いはベース102が弾性的になっており)、ベース102の軸方向の移動を可能としている。
【0110】
このような弾性体のさらなる潜在的な長所は、進入ヘッド104がベース102に接触した後も回転し続けることである。さらなる潜在的長所は、進入ヘッドがベース102に当たった後、ネジ山を飛び越えることであり、この結果、ベース102に対するヘッド104の急激な動作が起こり、これは外膜の切断をアシストする。
【0111】
図6は、本発明の実施の形態による、代替のホールフォーマ600を図示したものである。この実施形態では、フォーマ600は、選択的に引き込み進入先端部(図示せず)を伴う進入ヘッド604を有する。進入ヘッド604の上端エッジとベース602の内径部との間で、スライス動作が選択的に行われる。代替的または追加的には、ナイフ切断動作が進入ヘッドの内径部及び/またはベース602の前縁610によって、ナイフ切断動作が行われる。ヘッド604ベース602の一方または双方は回転する。選択的には、ヘッド604は、ハンドル606内で動作するねじ型ドライブを用いて後退引き込みされる。代替的には、ヘッド604(及びここで記述されている他の実施形態における類似のヘッド)は、ばね荷重式の機構を用いて後退引き込みされる。
【0112】
例えば図6に図示されているような、ホール形成の進展度を示すための様々なマーキングシステムもまた有用である。ある例示的なシステムは、ハンドル606内にある小孔(または透明部620)と、ベース602に形成された第2の小孔622と、を有する。進入ヘッド604と連結しているシャフト614上の1つまたはそれ以上の視覚的なマーキングは、小孔または透明セクションを通して視認可能であり、進入ヘッド604及びベース602の相対位置が示される。
【0113】
他の例示的な指示システム、そこを通してバー610の伸長(これは進入ヘッドが後退引き込みされると伸びるようになっている)を視認可能であるような透明なドーム612を有する。
【0114】
他の例示的なシステムにおいては、電池(図示せず)とLEDのようなパワーライト630とをつなげることができるリード線を短絡して、参照部624によってシャフト614上での接触状態が示される。これによって、機械的手段を用いる場合よりもより良く位置が指示されるようになる。代替的または追加的には、クリック音のような、機械的(または電気的)に生成された音が、ヘッド604の後退引き込みが完了したときに鳴る。後退引き込み中とヘッド604がベース602に接触した後とで異なる音が生成されてもよい。代替的または追加的には、可変抵抗を用いてメモリまたは他の適切なスケールディスプレイに進展度を示すようにしてもよい。
【0115】
図7A−7Iは、本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。進入先端部は選択的には示される図のそれぞれ内で後退引き込みされる。
【0116】
図7Aは、その1側面、2側面、3側面、或いはそれ以上の側面が二枚貝貝殻状凹面となっているヘッド本体704と、円錐状の進入先端部702とを備えた進入ヘッド700を示すものである。
【0117】
図7Bは、非対称かつその1つのエッジ716に沿って鋭くなっているヘッド本体714を有し、またそれに対応するナイフ状の進入先端部712を有する、進入ヘッド710を示すものである。
【0118】
図7Cは、円錐状のヘッド本体724と、二枚貝貝殻状に凹んだ進入先端部722と、を備えた進入ヘッド720を示すものである。
【0119】
図7Dは、円錐状のヘッド本体734と、側面がナイフ状になった進入先端部732と、を備えた進入ヘッド730を示したものである。
【0120】
図7Eは、ヘッド本体744の二枚貝状部と進入先端部742の二枚貝状部とが一致するような、進入ヘッド740を示したものである。
【0121】
図7Fは、ヘッド本体754が、例えばその長さが径の2または3倍であるような、より長く鋭利な先端部752を有する円錐台であるような、進入ヘッド750を示したものである。
【0122】
図7Gは、ヘッド本体764が先端の丸められた球根状であり、標準的な進入先端部762を伴うような、進入ヘッド760を示したものである。
【0123】
図7Hは、ヘッド本体774が、選択的にはその前進に伴って回転するようなネジ山付きの進入先端部762を伴う、進入ヘッド770を示したものである。
【0124】
図7Iは、ヘッド本体784及び付随する進入先端部782が十字断面状ナイフを形成するような、進入ヘッド780を示したものである。
【0125】
また他の変形例もまた同様に企図される。例えば、進入ヘッド上の切断用縁部の一方または双方が軸またはシステム(例えばその半径が一定ではないようなもの)の半径に対して傾いていてもよい。例えば内縁切断や外縁切断を行う実施形態に、このような傾いた要素が与えられる。傾き角の異なる他の部品を使用してもよい。
【0126】
選択的には、図7A-7Eおよび7Iに示されているもののような、非対称の進入ヘッドまたは先端部を伴う本発明のあらゆる実施形態に対して、どの様に進入ヘッドまたは先端部が配向されているかを外科医が容易に理解できるように、ホールフォーマのさらに背面にマーキングが形成されている。しばしば、血管の軸に対する非対称の進入ヘッドまたは先端部の配向には最適の角度があり、例えば裂傷を最小にする。
【0127】
図8Aおよび8Bは、本発明の例示的な実施形態による、拡張進入ヘッド800を図示したものである。ヘッド800は、シャフト810に取り付けられた進入端部802を有する。複数のアーム804が、シャフト810から半径方向に斜角をもって伸びている。選択的には、アームはシャフト810にあるスロット808内に入っている。本発明の例示的な実施形態では、シャフト810が拘束外側ベースチューブ812を出て血管106の壁面の界面を通過した後に、アームは飛び出る。本発明の例示的な実施形態では、アーム804の末端は丸められた先端部となっている。図8Bは、図8Aの上面図である。選択的には、アーム804は、シャフト810の本体から形成されるスライバー(sliver)である。
【0128】
使用時は、シャフト802がベース部812に対して後退引き込みされる。チューブ812の切断用エッジによって切断動作が行われる。代替的または追加的には、先端部806は、その一部が組織を切断用エッジ814に向かって付勢するアンビルとして機能する。選択的には、シャフト802及び/またはベース812は回転する。
【0129】
図9Aおよび9Bは、本発明の例示的な実施形態による、代替の拡張進入ヘッド904を図示したものである。ホール形成システム900は、切断用エッジ912を備えたベースチューブ902と、血管106に挿入されたときは小径(図9A)でホール形成時は大径となる(図9B)拡張ヘッドと、を有する。本発明の例示的な実施形態では、ヘッド904は、シリコンや他の流体や半流体といった、弾性的及び/または拡大可能な要素908を有し、これは変形して膨張し、伸長部(または円盤部)916が形成される。本発明の例示的な実施形態では、ヘッド904の進入先端部906(および選択的にはそれに付随するベース914)またはヘッド904の全体は、ヘッド904のベース部910に対して後退引き込みされ、この結果シリコン要素908は軸方向に圧縮されて半径方向に伸びる。代替的には。要素908は、チューブ902の方向から要素に送られるロッドの前進によって、要素908は、拡大または変形してもよい。
【0130】
本発明の例示的な実施形態では、伸長部916は、血管106の管壁をベース902に向かって付勢するよう機能する。代替的または追加的には、切断用縁部912に対するアンビルとして機能する。選択的には、シリコン要素908は、その表面に1つまたはそれ以上の硬質のパッチ(patch)を有する。本発明の例示的な実施形態では、このような硬質のパッチはアンビル切断動作用に使用可能であるが、必須ではない。代替的または追加的には、伸長部916は、ベースチューブ902の内面とフィットし、剪断動作が可能となる。代替的または追加的には、要素908が拡大することによって、1つまたはそれ以上の鋭いスパイクまたは切断用エッジ(図示せず)がベース102の方向に伸びる。選択的には、伸長部916は、切断用エッジ912のある点で傾斜しており、それは傾斜アンビル切断動作用に供される。選択的には、切断用エッジ912が伸長部916に当接/近接すると、伸長部によって伸長部に対するエッジ912のスライドが可能となるように、要素908の弾性力は形成されている。
【0131】
柔らかいアンビルやハサミ部であっても、自由切断動作に供することができる、という点を留意すべきである。加えて、シリコンが変形可能である最大の堅さを設定するために、シリコンの弾性は(製造段階で)調整可能である。
【0132】
図10A及び10Bは、本発明の例示的な実施形態による、拡大進入ヘッド1004のあるホールフォーマ1000を図示したものである。
【0133】
本発明の例示的な実施形態では、ヘッド1004は、断面図1006内に示されているように、軸周りに堅固に巻き付けられた薄いシート1008を有する。図10Bは、配置後のフォーマ1000を示したものであり、このときヘッド1004はリリースされた円錐形状となっている。この断面は参照1012として示されている。シャフト1010が、選択的にヘッド1004の側面または先端に溶接されている。代替的には、シート1008は、シャフト1010から削り出されている。
【0134】
ヘッド1004が拡大すると、ヘッド1004はベースチューブ1002に向かって後退引き込みされて、ここで記載されているような、とりわけヘッド1004とベース1002の相対的な幾何学的形状によって決まる、例えばナイフ、剪断及び/またはアンビル切断動作といった切断動作を行う。
【0135】
図11Aおよび11Bは、本発明の例示的な実施形態による、幾何学的形状が変化するアンビル1104を備えたホールフォーマを図示したものである。ホールフォーマ1100は、シャフト1110に取り付けられた進入先端部1114と、ベースチューブ1102とを具備する。選択的に小孔1106を備えた切断補助円盤1104が、シャフト1110に取り付けられている。本発明の例示的な実施形態では、オーバーチューブ1112(または他の類似の規制要素)が、円盤1104を、例えば円盤がチューブ1112の伸長部1108とシャフト1110との間で保持されるように、変形した状態にしておく。選択的には、第2の伸長部1116によって円盤1104の他の部分が進入先端部1114に対して保持される。
【0136】
図11Bでは、進入先端部1114及び円盤1104が血管管壁を越えて挿入され、チューブ1112が後退引き込みされ、その結果円盤1104が自由になってその面方向がシャフト1110と垂直になる。この時点で、とりわけ円盤1104とベース1102の相対的な幾何学的形状によるが、円盤1104は、アンビルまたは剪断用のベースとして使用可能となる。選択的には、円盤1104は、1つまたはそれ以上のスパイクまたは切断用エッジ1118を備えており、これは切断に使用可能である。選択的には、円盤1110の小孔1106の幾何学的形状はシャフト1110の断面と一致するようになっており、回転が防止される。
【0137】
本発明の例示的な実施形態では、円盤1104は、進入先端部1114によって形成された切断部の方向に配列されている。代替的または追加的には、円盤1104は切断部の形成をアシストする鋭いエッジを有する。
【0138】
選択的には、円盤1104は、変形により傾き、この交軸方向寸法は小さい。代替的または追加的には、円盤1104は常に傾いている。代替的または追加的には、円盤1104は、進入先端部1114によって保持されている一方の部分とオーバーチューブ1112によって引き留められている他方の部分との間に働く張力によって変形状態を維持する。
【0139】
代替的または追加的には、例えば円盤1104を平面上にするオーバーチューブ1112の前進によって、円盤1104は可塑的に変形する。代替的または追加的には、円盤1104は図11Aの状態と図11Bの状態という2つの状態で安定する。
【0140】
この実施形態及び他の実施形態では、例えば上記の形状変化機構や、弾性、超弾性及び形状記憶に基づく変形といった、様々な形状変化機構が使用されうる。
【0141】
図12は、本発明の例示的な実施形態による、弾性アンビルホールフォーマ1200を図示したものである。フォーマ1200は、例えば上記のもののような進入ヘッド1204を有し、これは切断用エッジ1208を具備した壁面1206を備える。ベース1202もまたあるが、上記の幾つかの実施形態とは異なり、ベース1202は、弾性的な前端部を有する。1つの実施形態では、切断用エッジ1208は前端部1210に進入可能である。他の実施形態では、切断用エッジ1208は端部1210を圧縮し、次いで選択的に変形したベース1202によって定義される中空軸1214内でスライドする。選択的には、弾力の程度は、外膜の切断をアシストできるように選択される。
【0142】
図13は、本発明の例示的な実施形態による、ねじ型の進入ヘッド104を備えたホールフォーマ1300を図示したものである。ヘッド1304は、その上にネジ山1308のあるシャフト1310を有する。選択的には、後退引き込み可能な進入先端部1306がある。使用時は、シャフト1310が血管管壁に挿入され、次いで回転してネジ山によってシャフトを前進させる。ネジ山の一部または全てが壁面を通過すると、進入ヘッド1304はベース1302に向かって後退引き込みされて組織を切断する。一例においては、ネジ山1308上に切断用エッジ1312がある。代替的または追加的には、剪断動作がネジ山の側面とベース1302との間で行われる。
【0143】
図14Aおよび14Bは、本発明の例示的な実施形態による、針型ホールフォーマ1400の互いに垂直な側面図である。鋭利な切断用縁部1410を備えた傾いた小孔1408を伴う、先端が中空の針1402が形成されている。使用時は、進入先端部1404が血管の壁面を越えて伸び、次いで針に向かって後退引き込みされる。本発明の例示的な実施形態では、先端部1404は、例えば進入先端部が針から組織を通過するときに伸長する、弾性的に伸びる伸長部のような、伸長部1406を備えている。選択的には、伸長部1406はナイフとして機能する。代替的または追加的には、伸長部1406の先端部は、例えば図15に例示されているもののように、ターゲットとなる血管に最初に挿入されて次いで回転する。
【0144】
図15A及び15Bは、本発明の実施の形態による、切開部フォーマの2つの変形例を図示したものである。図15Aに切開部フォーマ1500を示す。第1のハンドル1514と連結しているベース面1510と、第2のハンドル1512と連結するL字状のスパイク1504という、2つの可動部分がある。他のデザインのハンドルを使用してもよい。2つの部分は選択的にはばね1516を用いて連結される。使用時は、スパイク1504のアーム1509の先端部1506が血管、例えば冠状動脈に挿入される。切開部フォーマ1500は、次いでアームが血管内に入って血管の軸(この方向が所望の切断方向であることを想定したものであり、必要に応じて斜め方向の切断や光軸方向の切断も可能である)と平行になるように回転する。アーム1509は次いで面1510に向かって後退引き込みされ、血管管壁は剪断によって切断される。選択的には、アーム1509の内側の面が鋭くなっており、ナイフとして機能する。
【0145】
図15Bは、本発明の実施形態による切開部フォーマに対する代替の実施形態を示したものであり、これは、2つのベース面1560があり、それはスパイク1554の両サイド上に1つずつある(1つの面のみが図示されている)。アーム1559のスパイク先端部1556及び、選択的にはアーム1559の切断用エッジ1558が、前述の機能を果たす。
【0146】
選択的には、選択的には的にはほぼ平行な面1560及びアーム1559が平行ではなく、例えば(図示されているもののように)広がっているか、或いは互いに向かい合っている。
【0147】
図16A及び16Bは、本発明の代替の実施形態による、ホール形成システム1600を図示したものである。図16Aは、スカフォルド(scaffold)1616内のフォーマ1600を示したものであり、図16Bはフォーマ1600の先端部1618の拡大図を示したものである。最初に図16Bを参照するが、フォーマ先端部1618は、血管内に挿入されるようになっている鋭い進入ヘッド1604を有し、進入ヘッド1604のシャフト部1609は血管管壁に棘さる。選択的には、ヘッド1604は粗仕上げされた表面、棘、ネジ山、組織退避部(例えば図1の116)、或いは太径部1608を備えており、後に詳説するが、組織がヘッドのシャフト1609からの脱落を防止している。本発明の例示的な実施形態では、傾いた伸長部が、真っ直ぐなシャフトから、例えば後述の図18に示されているように、シャフトの複数の位置(例えば2または3)に切り込みを入れて切り込み部を半径方向に引くかカールさせることによって形成されている。
【0148】
ターゲットとなる血管の切断は、例えばチューブのようなベース部1602に形成された切断用サーフィス1610によってなされる。上記説明したように、切断用サーフィスは平滑状、やすり状、鋸状、及び/または波状であってもよく、面の異なる部分に異なる仕上げを与えることもできる。選択的には、切断用サーフィス1610は、シャフト1609に対して傾いた面であるか、一平面上になくてもよい。ベース1602は、選択的には、スカフォルド1616のスリーブ1615を血管に形成された小孔内で前進させることをアシストするために使用される傾斜部1612を介してフォーマ1600のシャフト1614と接続されている。
【0149】
選択的には、進入ヘッド1604は、切断中にベース部1602にロックされ、その軸方向運動及び選択的には回転運動が防止される。
【0150】
本発明の例示的な実施形態では、面1610によってホールが切断されると、進入ヘッド1604が後退引き込みされ、ルーメンが切り取られた組織のプラグをベース1602に引き込む。選択的には、手動で引き込み動作が行われる。代替的には、ばねによって引き込み動作が行われる。代替的には、例えば多くの病室に配備されている圧空などの空力といった、他の後退引き込みに他の動力源を使用してもよい。他の例では、電気モータやソレノイドが進入ヘッド1604の後退引き込みに使用される。後退引き込み動作は完全に軸方向であるか、或いは回転方向を含んでいてもよい。本発明の幾つかの実施形態では、進入ヘッド1604はベース1602に対して自由に回転可能であるが、他の実施形態では、回転方向に動かないように固定されている。ベース1602は、スカフォルド1616に対して回転してもしなくてもよい。
【0151】
本発明の例示的な実施形態では、ペグ(peg)1620が2つの退避スポットを備えたチャンネル1621内に設けられ、ペグ1620の位置は図16Aに示されているように、ヘッド1604が伸長する所と、ヘッド1604が後退引き込みされる位置1622である。選択的には、安全リリーススイッチ1626が、ヘッド1604をロックしてベース1602に対するヘッド1604の軸方向の動きを防止する及び/またはホールフォーマ1600を移送スカフォルド1661にロックするために設けられている。
【0152】
一般的なスカフォルド1616において異なるツールが共に移送されるような使用は、本発明の実行にとって重要なものではない。しかしながら、幾つかの種類のこのようなスカフォルドは、そこを通って道具が前進するような内部リーフレットバルブを備えている。幾つかのケースでは、ホールフォーマがスカフォルドを通って前進したときに面1610及び/またはヘッド1604がバルブを傷つける可能性がある。本発明の例示的な実施形態では、保護カバー1630が使用される。本発明の例示的な実施形態では、カバーは、例えばシリコンチューブまたは熱収縮チューブといったチューブであり、例えば面1610やヘッド1604の先端部と言ったフォーマ1600(または他の道具)の鋭いエッジからバルブを隔離する。挿入後、カバー1630は分断するか引き抜かれる(例えば一端がシールされている場合)。選択的には、カバー1630はミシン目1634、リップコード(rip code)及び/またはプルタブを備え、それがスカフォルド1616に挿入された後の除去をアシストする。
【0153】
図17Aから17Eは、本発明の例示的な実施形態による、ホールフォーマ1600の使用を図示したものである。
【0154】
図17Aでは、進入ヘッド1604が例えば大動脈1700のような血管に向かって前進する。
【0155】
図17Bでは、進入ヘッド1604が前進して血管1700に進入し、シャフト1609が血管1700を貫き、進入ヘッド1604はいかなる方法でも血管1700と係合していない。幾つかの実施形態では、しかしながら、進入ヘッド1604は、血管1700と係合する棘を備えるか、血管管壁の中に留まる。このような係合によって、血管の組織が切断前に延ばされるようになり、場合によってはベース1602の径よりも小さいまたは大きい及び/または円錐形状の小孔が設けられる。この大きさ及び形状は、切断の開始及び/または完了に先だってヘッド1604が後退引き込みされるかどうかによって決まりうる。選択的には、進入ヘッド1604は後退引き込みする鋭い先端部(例えば図4Aのもの)を備える。
【0156】
図17Cでは、例えばベース1602を血管1700に対して回転及び/または前進させることによって、切断が行われ、切断用サーフィス1610が血管1700に切り込まれる。フォーマ1600の使い方によって、移送システム全体が回転/前進してもよく、またベース1610及び/またはシステム1600の副構成要素のみが回転/前進してもよい。
【0157】
図17Dでは、切断が完了し、ベース1610が血管1700と係合しており、組織のプラグ1702はシャフト1609の所にある。プラグ1702の一部または全部がベース1602の中に入る構成としてもよい。選択的には、組織退避部(図示せず)が進入ヘッド1604にあってもよい。
【0158】
進入ヘッド1604は、プラグ1702を引き込みながら、後退引き込みされ、ベース1602内に形成されたルーメンとなる。進入ヘッド1604は選択的にはルーメンの内径に対して十分なクリアランスを有する。代替的には、クリアランスが小さく、ベース1602と進入ヘッド1604はその間で 剪断動作を起こす(例えば緩いストランド(strand)が切り取られる)。選択的には、切断の完了に先だって進入ヘッド1604が後退引き込みされるが、図示された実施形態では、そこまでは後退引き込みされていない。代替的には、例えば確実に血管の遠位側の側面を傷つけないようにするため、ベース1602が前進している間に進入ヘッド1604が後退引き込みされる。しかしながら、選択的には、進入ヘッド1604が確実に張力または過度の張力を血管1700に与えたり小孔切断形状に影響を与えたりしないようにする方法で、進入ヘッド1604が後退引き込みされる。一例では、進入ヘッド1604とベース1602の間隔がプラグ1702の厚さ或いは少なくともそのアンカット(uncut)厚さよりも大きくなるように、進入ヘッドが後退引き込みされる。
【0159】
血管1700がある圧力下で血液に満たされているのであれば、特にシャフト1609と進入ヘッド1604の長さが血管1700の径よりも十分に小さい場合は、進入ヘッド1604が血管1700の遠位側の側面を傷つけることはほとんどない、と言う点は留意されるべきである。代替的には、後退引き込み進入先端部が使用される。好ましくは、表面1610は、血管の変形を防止するために、例えばそれ自身の重量といった小さな圧力下で前進する。代替的には、血管1700が、進入方向に垂直な側面で、圧力(フィンガーまたは道具によって)によって形状を保つ。
【0160】
図17Eでは、ホールフォーマの全体が前進し、スリーブ1615が血管1700の壁面に入り、この時ホール形成機構が取り除かれてもよい。ここで吻合移送システムがスカフォルド1616及びそのバルブを通って提供されてもよい。
【0161】
本発明の例示的な実施形態では、シャフト1609の長さは血管1700の壁面の厚さよりも大きく、例えばその厚さの150%、200%または300%である。大動脈の場合、これは例えば長さ4-6mmに相当する。代替的には、シャフトは血管の直径よりも短い。選択的には、長さの異なるシャフトが、異なる患者及び/または血管の大きさに応じて使用される。代替的には、ねじまたは他の機構が、例えばペグ1620の退避位置を制御することによって、シャフト1606の長さを調整するために使用される。進入ヘッド1604の径は、この径がプラグ1702のスライドを防止するように選択されるが、ベース1602に対するクリアランスは確保される。シャフト1609の径と切断用サーフィス1610との関係は、選択的には図3で定義されている。
【0162】
図18は、本発明の代替の実施形態による、ホールフォーマ1800を図示したものである。フォーマ1800は、切断用縁部1810と面1828を具備する内側ルーメンを備えたベース部1802と、円錐部1812を介して連結している。進入ヘッド1804は、くぼみから切り出された1つまたはそれ以上の棘1820がボディから形成されている、針状シャフト1809を有する。このような棘を形成するまたは取り付ける他の方法を、同様に使用してもよい。選択的には、シャフト1809は針状先端部1824を有し、これは内面1826を備えた選択的な内側ルーメンを伴う。
【0163】
本発明の例示的な実施形態では、棘1820は弾性的であり、ヘッド1804が血管1700に挿入されると、棘1820はくぼみ1822に曲げ返されて挿入時の抵抗は小さくなる。挿入が終了すると、反発して元に戻る。
【0164】
選択的には、面1826及び/または面1828は、組織プラグとのよりよい係合のために、その内側にネジ山、棘または他の処理部材が備えられている。代替的には、ルーメンの内径は、例えば非単調、あるいは(血管から離れるような)単調増加で変化する。
【0165】
図18で使用されているような中空の先端部は、例えば連続的または適切な制御がなされたときに、例えば溶剤投与(例えば切断された組織の回復及び/または切断のアシストのための凝固防止)と言った他の用途にも使用される。代替的または追加的には、このようなルーメンによって真空が発生し、フォーマ1800と血管1700とがよりよく連結する。代替的または追加的には、進入ヘッド1804(あるならば)とベース1802との間、例えばベース1802内でルーメンを介したところ、に真空が発生する。代替的には、溶剤投与は、例えば進入ヘッド1804がスポンジ状である、ベース1802から、例えばそのルーメンや壁面から供給される、といった他の方法によって行われる。
【0166】
本発明の代替の実施形態では、進入ヘッドが提供されず、ベース1802の面1828の内側のネジ山によって、組織プラグ1702の脱落は選択的に防止される。しかしながら、選択的には、進入ヘッド1804やシャフト1809のような軸方向の安定器が利用される。一例では、ワイヤが利用される。代替的には軸方向の螺旋状のシャフト1809が利用される。この内側の安定器は、ベース1802に対する軸方向の位置が固定されていてもされていなくてもよい。固定されていない場合であっても、動きの範囲は、固定されている及び/または安定位置の数は制限されている。本発明の例示的な実施形態では、安定器は、十分に(例えば大動脈なら1-5mm)またはわずかに(例えば1mm)突出する、または同一平面である、または面1810によって決まる面に対して後退引き込みされる、選択的には、ように固定されている。選択的には、安定器は十分に強いわけではなく(或いは十分に血管1700と係合しない)、これは血管1700をベース1802に対して付勢する為に使用される。
【0167】
図19A及び19Bは、本発明の他の例示的な実施形態による、ホールフォーマ1900を示したものであり、図19C-19Gは、ホールフォーマの同素手順を5つのステップで示したものである。本発明のこの実施形態では、分割操作型の組織進入及び組織保持要素が使用され、血管管壁は保持されることなく進入され、例えば組織を保持する前に外科医が血管をほとんど傷つけることなく進入要素を引き込むことが可能となる。
【0168】
進入先端部1904は、インナー進入シャフト1908の末端にあり、図19Dにおける血管管壁1700に進入し、また、進入シャフト1904が管壁への進入を開始する前、或いは図19Fのように直後であっても、ベース1902が次いで血管の外側に導入され、その時外科医はすぐに管壁にホールを形成することができるようになる。インナーシャフト1908に密接しているアウター進入シャフト1986が、次いで(図19E)、インナーシャフト1908にガイドされて、進入先端部によって管壁に形成された小さな開口を通過する。アウターシャフトが血管に入るまでは、このプロセスは完全に可逆的であり、血管をほとんど傷つけない。例えば、よりよい位置を選択すべきであると外科医が決定した場合は、外科医は血管を引き込むことなくシャフト1908を引き出すことができ、また、管壁に最小限の損傷しか与えない。たとえ進入先端部1904が既に血管の内部に達していたとしても、それが形成するホールは、ホールフォーマが組織を保持して裂傷が発生した場合のものよりも充分に小さく、また、このように小さいホールは通常セルフシール(self sealing)である。
【0169】
満足な手順でシャフト1908が管壁に完全に進入した後は、アウターシャフト1986もまた、管壁を通過する。選択的には、アウターシャフト1986は管壁を通って前進するときに回転し、また、選択的にはその端部は鋭利な縁部となっており、前進すると管壁を切断し、インナーシャアトによって形成された開口を大きくする。代替的には、アウターシャフト1986は、パンチによって開口を大きくする。代替的には、アウターシャフト1986は、その先端が丸められており、管壁の組織を押し込むのみであるか、インナーシャフトによって形成された開口を通り抜けられるように組織を膨張させる。
【0170】
選択的には、アウターシャフトが管壁を通過すると、進入先端部1904及び進入シャフト1908は、アウターシャフト内に後退引き込みされ、誤って進入先端部が血管の他の側を傷つけるリスクを減少させる。選択的には、アウターシャフト1986は、小さなバルーン又は他の使用可能なブラント(blunt)要素をその末端か、ルーメンを通して具備しており、アウターシャフト1986の末端が誤って反対側の血管の管壁を傷つけないようにしている。代替的又は追加的には、インナーシャフト1908がその末端近辺又はその中に使用可能なブラント要素を具備している。選択的には、進入先端部1904はシャフト1908に後退引き込み可能となっており、シャフト1908の末端が管壁を通過した後は何時でも先端部1904は後退引き込み可能である。
【0171】
代替的には、進入先端部1904及び/またはシャフト1908の一箱呈されており、また、軸方向には後退引き込みできない。アウターシャフト1986は選択的には、切断処理中にたとえ可能な限りの後退引き込みを行ったときでも(例えば下記の組織保持要素がベースに又はベース内で使用された場合)、先端部1904が覆われるように、充分に長くなっている。
【0172】
本発明の例示的な実施形態では、アウターシャフト1986は、その側面に1つ又はそれ以上の組織保持要素1920を具備し、それは例えば棘のような突出要素であり、棘1920が管壁を通過する(、及びシャフト1986がやや引き戻されている)と、図19Fのように、棘はシャフト1986が管壁を通って引き戻されるのを防止する。選択的には、棘1920は柔軟であり、これらが管壁を通過するまで、組織によってシャフト1986の側面に向かって圧迫される。代替的には、棘1920は、剛体状である。挿入されると、棘は、開口を通過できるように開口の両サイドを押しやるか、又は組織を膨張させるか、或いは開口を通過できるように開口の両サイドを切り抜く。選択的には、棘の替わりに、円盤又は図11の円盤と類似の他の種類の突出要素が使用される。
【0173】
代替的には、アウターシャフト1986と一体となった棘を具備する代わりに、棘が柔軟であり、またシャフト1908と一体となっており、またこれらはシャフト1986に覆われており、これシャフト1908の棘が管壁を通過するまで(これらを覆っているシャフト1986と共に)シャフトの1908の両サイドに向かってこれらを圧迫する。次いで、シャフト1986は充分に引かれて、棘を露出させ、それは外側に突出し、また、シャフト1908が管壁を通って引き戻されるのが防止される。代替的には、棘がまだ壁面の中間部に有るときに、シャフト1986は引き込まれ、シャフト1908によって棘が管壁を通過するまで、開口部の両サイドは棘をシャフト1908に向かって保持する。選択的には、シャフト1986を軸方向に引き込んで棘を露出させる替わりに、シャフト1986がその中にスロットを有し、棘は、スロットと棘がそろうまでシャフト1986を軸周りに回転することによって露出する。代替的には、棘がスロットと並ぶようにシャフト1986が軸方向に移動した時、又はシャフト1986が軸方向と軸周り方向の双方に移動して棘とスロットを揃えた時に、棘は露出する。選択的には、3つのシャフトがあり、それは棘のない進入シャフト1908と、柔軟な刺がその上にあるシャフト1986と、引き込まれるまでこの柔軟な刺をシャフト1986に向かって圧迫するアウターシャフトである。
【0174】
代替的には、進入先端部1904をこの末端に伴うシャフト1908が中空であり、それと一体化した棘を伴うシャフト1986がシャフト1908の中にある。本発明のこの実施形態では、シャフト1908はその中にスロットを有し、棘1920がそこを通ってフィットする。選択的には、棘は柔軟であり、シャフト1908の内側によって、シャフト1986の両サイドに向かって圧迫される。スロットを備えたシャフト1908が血管管壁を通過すると、棘1920がスロットに到達するまでシャフト1986はシャフト1908の内側に沿って移動し、次いで、棘1920はスロットを通過して突出してシャフト1986をシャフト1908にロックし、両シャフトは容易には血管管壁から引き込めなくなる。選択的には、選択的には、棘は最初にスロットとは異なる軸周りの位置に位置決めされ、棘の軸方向の位置がスロットに達すると、棘がスロットを通過するまでシャフト1986を回転する。代替的には、シャフト1908内の短いスロットの替わりに、シャフト1908に沿って延びる長いスリットを使用する。その末端にスリットを備えたシャフト1908が血管管壁を通過すると、シャフト1986がシャフト1908を通って棘が血管の中に達するまで前進して、柔軟であっても剛体状であってもよい棘がスリットを通って突出する。(棘が剛体状であるならば、前述のシャフト1986がシャフト1908の外にあるという状況のように、次いで選択的に棘が開口の両サイドを押し広げて管壁を通過するか、組織を膨張させるか、管壁を通過するように切り込む。)
【0175】
代替的には、シャフト1986、シャフト1908共に、一方が他方の内側に来ることはなく、2つの軸が隣接している。例えば、各々の断面が半円形状である。
【0176】
シャフト1986はここに、シャフト1908に対して移動又は回転するものとして記述されており、選択的にはシャフト1986は移動又は回転しつつシャフト1908は静止し、或いはシャフト1908が移動又は回転しつつシャフト1986は静止し、或いはシャフト1986とシャフト1908の双方が移動又は回転するが速度は異なる。ホールフォーマのある部分が他の部分に対して移動するような、他のあらゆるケースにおいて、似たような選択がある。
【0177】
選択的には、棘1920が管壁を通過すると、シャフト1986(又は棘1920と一体となったあらゆるシャフト)が、血管の内側の管壁に接触するまで引き戻される。選択的には、シャフト1986の更なる引き戻しに抵抗がかかるので、この接触は外科医によって検出される。管壁の内側への棘1920の接触と同時にベース1902を血管管壁の外側に押しつけ、シャフト1986とベース1902の相対位置を計測することにより、外科医は選択的に管壁の厚さを求める。管壁が大きく圧迫可能である場合は、次いで、外科医がシャフト1986の引き戻しに対する抵抗を感じる前に、棘1920は管壁を明確に圧迫する可能性があり、これが厚み計測の制度に影響を与えるだろう。代替的には、2種類の制御された後退引き込み力で計測された厚さを利用して圧迫の程度を計測してもよく、それには例えば1つ又はそれ以上のばねを使用する。ディスプレイは、リニアエンコーダ等の、例えば電子計測を用いたものであってもよい。代替的には、ディスプレイは、例えば下記のもののような、機械的な計測を行うものであってもよい。
【0178】
代替的又は追加的には、シャフト1986は、血管の遠位側の管壁に接触するまで前進し、シャフト1986とベース1902の相対位置は、血管の内径と管壁の厚さの和を求めるために使用される。管壁の厚さは、血管の外径からこの距離を減ずることによって推定されうる。選択的には、シャフト1908又は少なくとも進入先端部1904がシャフト1986に覆われない限り、シャフト1986は血管の遠位側の壁まで前進せず、その結果、遠位側の管壁は傷つかない。進入先端部1904がシャフト1908に後退引き込みされると、次いで、遠位側管壁までの距離を計測するために、シャフト1908が選択的にシャフト1986の代わりに使用される。
【0179】
選択的には、シャフト1986が遠位側の管壁、または近位側の管壁内面に接触し、ベース1902に対するシャフト1986の相対移動を制御するノブ又はホールフォーマのハンドル上の他の機構にあるマーキングによって、シャフト1986とベース1902の相対位置が計測される。代替的又は追加的には、ハンドル内に有る窓及び相対位置を示すシャフト1986上またはハンドル上のマーキングによって、外科医はシャフト1986のハンドル内での伸長を視認可能となる。シャフト1986とベース1902の相対位置を計測する他の機構は、当業者にとって明白であろう。
【0180】
選択的には、管壁の厚さの計測に対する追加又は代替として、管壁の圧縮性を計測するためにシャフト1986が使用され、それはシャフト1986を更に引き戻したときの抵抗によって計測され、その時ベース1902は血管の外壁に対して静止状態を保つ。管壁の厚さ及び圧縮性を知ることは、管壁を切断する最良の手法を決める際、またはこの血管に対してホールを切断するかどうか自体を決める際に有用である。
【0181】
シャフト1986及び棘1920が管壁を通過すると、ベース1902上の切断用縁部1910が管壁に切り込まれ、ホールが形成される。選択的には、図19Gに示されているように、切断用縁部1910が管壁に切り込めるようにベース1902が回転する。選択的には、回転は片方向である。代替的には、回転は両方向である。選択的には、棘1920は、管壁の内面に移動し、ベース1902が押し込む面を提供するために、切断中はそこから移動せず、ベース1902が切断中に血管全体を押す又は伸ばすことは無い。棘1920はまた、プラグが血管内に脱落するのを防止し、また、これによってシャフト1986が、シャフト1986が後退引き込みされたときに、管壁からプラグを引き出すことができるようになる。代替的には、切断用縁部1910が外側から管壁のホールを切り出す代わりに、棘が管壁で内側からホールの切断又は打ち抜きを行う、或いは棘及び切断用縁部の各々が部分的に管壁に切り込まれ、管壁の中で各々が当接する。選択的には、シャフト1986及び/またはシャフト1908はベース1902に対して回転しない。
【0182】
選択的には、シャフト1908は剛体状にベース1902と一体となっており、シャフト1908はベース1902と共に移動し、図19Gに示されるように管壁に切断用縁部が切り込まれる。代替的には、シャフト1908がベース1902に対して軸方向に移動しないような形でシャフト1908がベース1902と一体となっているが、シャフト1908はベース1902に対して軸周りに回転自由である。いずれの場合も、シャフト1986は選択的に充分に長く形成され、切断用縁部1910が完全に管壁に切り込まれ棘1920が管壁に当接するようにシャフト1986が充分に後退引き込みされた場合であっても、鋭利かつ誤って血管の他の側の管壁を傷つけるような部分はシャフト1986の中にある。これを実行するためにシャフト1986が充分に長くなるような設計は、血管管壁の厚さを概算値に依存する。代替的には、シャフト1908はベース1902とは別個に移動可能であり、シャフト1908を動かすことなく切断用縁部1910は管壁に切り込まれる。この構成の潜在的な長所は、たとえ意図せずベース1902が移動した場合、例えば管壁が予想よりも厚かった場合であっても、ベース1902が管壁を越えて移動し一方棘1920が内側の管壁に向かっているときに、進入先端部1904がシャフト1986内に置かれた状態が維持されることである。選択的には、ホールフォーマのハンドル上の1つ又はそれ以上のシャフト1908をベース1902にロックすることができるか、シャフト1908をシャフト1986にロックすることができる。選択的には、ハンドル内のデバイスによって、シャフト1986が管壁を通過したときに、進入先端部1904をシャフト1986内に自動的に後退引き込みすることができる。選択的には、このデバイスは、外科医の判断によって使用可能となるか遮断される。
【0183】
血管管壁が完全に切断されると、インナーシャフト1908を伴ってもいなくても、切断された組織のプラグを持ってアウターシャフト1986は戻される。選択的には、アウターシャフト1986はばね荷重式であり、組織のプラグが管壁から完全に分離するとすぐに、自動的に戻る。選択的に、ベース1902は一時的にその場にとどまり、血管からのリークを防ぐ。
【0184】
図20Aは、本発明の他の実施形態によるホールフォーマ2000を示したものである。図20Aは、透視側面図である。同じホールフォーマの斜視図は図20Gに示される。本発明のこの実施形態では、軸に対して非対称な進入ヘッド2004が使用される。進入ヘッド2004の末端には進入先端部2005がある。多くのケースでは、図20Gに示されたような形状の進入先端部は、おおよそ直線状のスリットを管壁に形成し、スリットは、形成された後は制御不可能な方法で長くなる傾向はない。また、幾つかのケースでは、スリットに裂け目が生じる傾向はなく、これらの望ましい特性によって血管の軸に対するその方向を気にしなくてもよい。選択的には、進入先端部の形状が異なり、この異なる形状の先端部によって形成されたスリットの特性は、スリットの方向及び血管管壁の特性によって決まる。異なる形状の進入先端部は、異なるタイプの血管管壁に望ましい。他の可能な形状は、楕円、円錐、錐状の先端部では無く、先端部がV字状の鋭利なエッジを備えている。
【0185】
進入ヘッド全体は、進入先端部によって形成された開口を通って血管内に入り、(内側から管壁を切断するための)切断用エッジ及び/または管壁ホルダもまた、進入ヘッドの一部であるかそれに付随するものとして、血管内に入る。図20Aに示される本発明の実施の形態では、スリット状の開口を通って進入ヘッドが血管の管壁に入ると、それは引き戻され、進入ヘッドの後背部にある切断用縁部2010が弓形の切断部を内側から血管管壁のスリットの隣に形成する。代替的には、切断用縁部2010の代わりに、進入ヘッド2004の後背部から突出するブレードを使用して剪断が行われる。この弓形の切断部とスリットによってD型のホールが管壁に形成される。
【0186】
選択的には、進入ヘッド2004が中空であり、また、その内面と一体化したフック2006又は1つ以上のフックを使用し、これによって、進入ヘッドが血管から引き込まれたときに組織のプラグが進入ヘッドから血管に滑り落ちるのが防止される。代替的には、フックは進入ヘッド2004とは一体化しておらず、それのシャフトの末端と一体化しており、これは進入先端部2005によって形成された開口を通って血管に入り、それは進入ヘッドが血管内に入るのと同時かその後である。
【0187】
進入ヘッド2004を中空にすることによって、切断用縁部2010は、組織を圧迫することなく血管管壁に切り込まれる。切断用縁部の代わりに進入ヘッド2004の後背部から十分遠いところに有るブレードを使用する場合は、進入ヘッド2004は中実とすることが可能であり、またブレードが管壁に切り込まれたときに組織を圧迫しない。インナー進入シャフト2008は進入ヘッド2004の後背部と一方のサイドで一体化しており、これは進入先端部が有るのと同じサイドであり、切断用縁部2010はまた進入ヘッド2004の後背部にあるが、そこは進入ヘッド2004とインナーシャフトが一体化しているところではない。アウター進入シャフト2086はインナーシャフト2008の奥(図20Aではインナーシャフト2008の右側)にある。選択的には、アウターシャフト2086は、インナーシャフト2008の奥ではなくその1サイド(図20Aではインナーシャフト2008の手前又は背後)にある。アンカー2088は選択的にシャフト2086の末端と一体化する。これらの部位の全てはベース2002に取り付けられる。選択的には、アンカー2088及びシャフト2086はベース2002に対して相対的に移動する。代替的には、アンカー2088及びシャフト2086は、ベース2002に剛体状に一体化する。
【0188】
選択的には、アンカー2088及びシャフト2086がベース2002に対して相対的に移動する場合、ベース2002とシャフト2086の相対位置は、図19のベース1902とシャフト1986について前述されているもののように、血管管壁の厚さの計測に使用される。代替的又は追加的には、管壁の圧縮性もまた、図19に前述されたもののように、計測される。選択的には、組織のプラグが除去された後に、ベース2002とアンカー2088は血管管壁を保持し、また図示していないがベース2002内にバルブがあり、これは他の血管がホールと一体化するまでの間血管からの血液のリークを防ぐ。
【0189】
図20B-20Eは、ホールフォーマが血管にホールを形成する手順を4つのステップで示したものである。図20Hは、図20Bのステップの側断面図であり、図20Iは、図20Eのステップの即断面図である。図20Bでは、その下面2090とベース2002の上面との間の距離が血管管壁の予想厚さよりやや大きくなるような位置に、アンカー2088がセットされている。アンカー2088を超えて延びる進入ヘッド2004が次いで、鋭利な先端部2005を先頭として、血管の管壁に進入する。先端部はスリット2092(図20F参照)を血管に形成し、スリットは進入ヘッド2004全体とアンカー2088を血管に入れるのに充分なだけ開き、スリットの長さ及び裂けが起こりやすいかどうかは、図20Gに示された進入先端部の形状がその配向と独立してうまく働くようデザインされていたとしても、血管の軸に対する先端部の配向の角度によって決まる。選択的には、ホールフォーマ2000はその上、例えばベース上のさらに後ろ側に、スリットの配向が所望の方向となるように進入ヘッド2004を配向する際に外科医をアシストするためのマーキングを備えている。選択的には、類似のマーキングが、図7A-7E及び7Iに示されているもののような本発明の他の実施形態において、非対称の進入ヘッド又は非対称の進入先端部を配向する際のヘルプとして使用される。
【0190】
進入ヘッド2004及びアンカー2088が血管内に達すると、スリットは部分的に閉じ、シャフト2008及び2086のみによって開状態が保持される。ベース2002は、選択的に血管の外側に送られ、アンカー2088は選択的に血管の内面に接触するまで送りもどされる。ホールフォーマ2000が、管壁の厚さが同一の血管に常に使用されるのであれば、アンカー2088は選択的にベース2002の距離が固定されたところで一体化する。
【0191】
図20Cでは、進入ヘッド2004がベース2002に向かって送り戻され、選択的には円弧状の形状(円のうち、進入ヘッド2004がシャフト2008と一体化している部分が欠落している)である切断用縁部2010がC形状の切断部2094(図20F参照)を血管管壁に内側から形成し、Cの両端は、進入先端部2005が血管内に入ることによって形成されたスリットに到達する。それ故に、切断用縁部2010は血管管壁内でホールを切り抜く。図20Fは、切り取られたホールを軸方向から見たものであり、そりにはスリット2092とC形状の切断部2094が含まれる。代替的には、切断用縁部2010は異なる形状である。しかしながら、切断用縁部2010が円弧状であれば、切断時に左右に回転可能であり、一方切断部を細くかつ変形しないようにする。選択的には、図20Cに概略的に示される切断用縁部2010の中心部2090が、切断用縁部の他の部分から突出している。選択的には、中心部2090は鋭利なポイントを有し、代替的にはそれは丸められている。中心部2090によって、切断用縁部2010は裂けが最小であるか裂けが無い、きれいな当初切断部を形成可能となる。切断部は次いで、切断用縁部の残りの部分によって、スリットに到達するC形状に拡げられる。切断部の形成がスリットから離れた中心部から始まるので、切断用縁部2010は、切断時にスリットを引っ張ったり変形させたりしないか、或いは少なくともスリットを不均衡な形で変形させることは無い。
【0192】
選択的には、ホール形成時に取り除かれた組織のプラグの背面にフック2006が係合し、図20D及び20Eのステップで血管から進入ヘッド2004が引き込まれたときに血管にプラグが入らないようにする。選択的には、フック2006の末端に鋭利なスパイクがあり、これは組織のプラグに進入し、それが一方のサイドに滑るのを防止する。アンカー2008はホールの境界を無図かに越えて血管の内壁に向かって圧迫され、ベース2002が血管の外壁を圧迫する状態が保たれ、従って血液はリークしない。選択的には、進入ヘッド2004及び組織のプラグは、ベース2002とアンカー2088がその場にとどまっている間に、外科医が他の血管をホールと一体化させる準備が整うまで、引き込まれる。代替的には、進入ヘッド2004および組織のプラグは、ベース2002及びアンカー2088と共にその場にとどまり、外科医が他の血管を一体化させる準備が整うまで、組織のプラグによって血液のリークが更に抑えられる。
【0193】
代替的には、フック2006が無く、他の手段が組織のプラグの血管への脱落を防止するために使用される。例えば、柔軟な棘がアンカー2088の内側に配置される。これらの刺は、進入ヘッド2004が血管から引き込まれるまで、進入ヘッド2004によってアンカー2088の内側に押し込まれており、血管管壁から分離した組織のプラグをその場にとどめ、ホールの大半をふさぎ血液がリークするのを防ぐ。アンカー2088が血管から引き込まれると、棘はプラグに係合してそれを一緒に引き出す。
【0194】
代替的には、ベース2002または追加のアウター切断用チューブによって切断が行われる。代替的又は追加的には、剪断又はアンビル切断が、例えば縁部2010とベース2088の間で行われる。
【0195】
図20A-20Eおよび20Gでは、アンカー2088が進入ヘッド2004と同軸であり且つそれを囲んでいる。代替的には、アンカー2088は進入ヘッドを完全には囲わず、例えばアンカー2088に形成された溝に沿って又はアンカー2088の側面をヘッド2004が移動するなど、一部のみがそれを囲む。
【0196】
本発明の例示的な実施形態では、光軸方向にスロットのないアンカー2088のセクションに対応するヘッド2004の近位側には、切断用サーフィスが有る。これは、例えばアンカー2088の溝に沿って移動するヘッド2004及びヘッド2004から伸長しているウイングによって提供され、これは溝の外にあってスロットのない部分を覆い、その結果ヘッド2004は部分的にアンカー2088を覆いアンカー2088は部分的にヘッド2004を覆う。
【0197】
上記の実施形態の幾つかはアンカー2088の外にあるシャフト上に取り付けられたヘッド2004と共に記述されているが、幾つかの実施形態では、それがアンカー2088と同軸ではないとしても、少なくとも部分的にアンカー2088に囲まれているシャフト上にヘッド2004が取り付けられる。代替的又は追加的には、ヘッド2004はアンカー2088と対照的にデザインされ、また並べられる。
【0198】
図21A及び21Bは、本発明の他の例示的な実施形態によるホールフォーマを示したものである。図21A及び21Bに示されるホールカッターは、図20A-20Iに示されたものと類似であるが、進入ヘッドキャッチ2102を更に備えている。選択的には、図21Aおよび21Bに示されているように、進入ヘッドキャッチ2102はベース2002に固定されている。代替的には、進入ヘッドキャッチ2102はシャフト2086が有ればそれに固定され、或いは進入ヘッドキャッチ2102はホールフォーマの独立した部品である。進入ヘッド2004がベース2002からある程度の距離を置いているとき、例えば進入ヘッド2004の血管管壁への進入が終わったとき、図21Aのように進入ヘッドキャッチ2102は中空の進入ヘッドの中にある。ばね2104によって、進入ヘッドキャッチ2102は進入ヘッド2004の内面に向かって圧迫され続ける。図21Bのように進入ヘッド2004が後退引き込みされると、キャッチ2102は進入ヘッド2004の先端部を過ぎて伸び、ばね2104は先端部上のキャッチ2102を押す。キャッチ2102がベース2002に固定されているのであれば、これによって進入ヘッド2004がベース2002にロックされ、進入ヘッド2004が誤ってベース2002から離れて例えば血管の他の側の血管管壁を傷つけるのが防止される。同様に、キャッチ2102がホールフォーマの他の部分、例えば図20のシャフト2086と類似のシャフトに固定されていれば、進入ヘッド2004の移動が抑えられる。進入ヘッド2004の移動がキャッチ2102によって抑えられるかどうかに関わらず、キャッチ2102は選択的に進入ヘッド2004の鋭利な先端部を覆い、血管管壁の損傷を防止する。選択的には、キャッチ2102はベース2002にもホールフォーマの他のいかなる部分にも固定されず、また、進入ヘッド2004が後退引き込みされたときに自動的に進入ヘッド2004上を滑ることは無く、キャッチ2102は所望の時は何時でも外科医の手動操作によって進入ヘッド2004条を滑る。選択的には、ホールフォーマのハンドル内には外科医がキャッチ2102を手動操作するためのコントロールがある。代替的又は追加的には、ホールフォーマのハンドル内には、外科医がキャッチ2102を、例えばそれが誤ってセットされたときに、リリースするためのコントロールがある。
【0199】
図22A-22Eは、切断用サーフィス2210と共にベース2202と一体化している、2つの螺旋状の進入シャフト2208及び2209を備えたホールフォーマを示したものである。この5つの図は、ホールフォーマが血管管壁1700にホールを形成する手順を示したものである。図22Aでは、螺旋の向きが互いに異なっている螺旋状のシャフト2208及び2209が、管壁1700のちょうど外側に位置している。図22Bでは、2つのシャフトが互いに反対方向に回転して管壁に進入し、シャフトの螺旋に適合する2つの螺旋状のチャンネルが生成される。図22Cでは、シャフトが管壁に進入し、また、切断用エッジ2210が管壁に円形のホールを切断し始め、選択的には切断時に回転する。代替的には、切断用エッジ2210は回転せず、パンチ動作で管壁を切断する。図22Dでは、シャフト2208と2209は切断用エッジ2210及びベース2202に対して回転せずに後退引き込みされ、一方切断用エッジ2202は管壁に切込み、このとき切断用エッジ2210には切断用の何らかの押圧力が加わる。図22Eでは、切断用エッジ2210は完全に管壁に切り込まれ、切り取られた組織のプラグ2212が離れる。選択的には、シャフト2208及び2209は次いで回転せずにベース2202に向かって更に後退引き込みされ、組織のプラグ2212を引き出す。代替的には、シャフト2208と2209は、管壁への進入の時と同一方向に回転し、またベース2202に対して後退引き込みされず、この場合もプラグ2212はベース2202に向かって引き出され、また或いはシャフト2208と2209は回転と後退引き込みとを同時に行う。
【0200】
選択的には、螺旋の向きが異なる2つのシャフト2208と2209の代わりに、1つのシャフトのみを用いる。螺旋の向きが異なる2つのシャフトを使用することの潜在的な長所は、2つのシャフトによって生じるトルクが相殺されうることであり、この結果、血管に加算されたトルクを働かせない。2つのシャフトが有る場合、それは図22A-22Eのように並列しているか、互いに重なり合っていてもよく、或いは同軸であってもよい。2つのシャフトが同軸であれば、夫々の径を僅かに変えることによってこれらが互いに接触するのを防止できる。2つのシャフトの螺旋の向きが異なっていることの、その軸が円状の組織プラグ2212の軸と一致している単一の螺旋状シャフトに対する、他の潜在的な長所は、シャフトの回転及び/または後退引き込みに伴って組織プラグ2212がねじれてシャフトから滑らない、ということである。この長所はまた、同軸でなければ螺旋の向きが同じ2つのシャフトにも、或いは円状の組織プラグとは同軸ではない単一の螺旋状シャフトにも当てはまる。このようなケースで組織プラグを単一又は複数のシャフトから滑らせるために、組織プラグは、単一の同軸の螺旋状シャフトの場合のように端に剛体状に捩じられずに、引き伸ばされる、圧縮される、及び/または切り落とされる。
【0201】
図22A-22Eに示されるホールフォーマは、管壁への進入時の回転方向と逆方向にシャフトを回転させながら後退引き込みすることによって、何時でも簡単に管壁への進入を逆転可能であるという、潜在的な長所を有している。これが実行されると、シャフトは管壁に小さな開口を残すのみであり、これは自己閉塞し、血液の損失は最小限である。これは、切断用サーフィスが血管への切込みを開始した後でさえも可能である。進入シャフトは血管管壁の厚さ及び/または圧縮性の、例えば前述の図19及び20に記載のものと類似の手法を用いた計測に使用される。管壁の厚さ及び/または圧縮性が予想された範囲外であった場合は、外科医は故にこの血管に上記の処理を行うのは不適切であると判断し、進入シャフトはほとんど損傷を与えずに取り除かれ、他の血管が選択される。
【0202】
上記のものは、血管の外側で使用される装置に着目したものである。しかしながら、これらは血管の内側で使用することも可能である。
【0203】
本発明の例示的な実施形態では、以下の要素のうち、1つまたはそれ以上に対応するように、デザインは選択的に変更される。
(a) 血管のどの層がより正確に切断されるか、
(b) どの様な種類の切断動作が血管の各層に施されるか、
(c) 組織プラグ(あるならば)の血管の外側または移送システム内部での処理、及び
(d) 所望の切断形状。
【0204】
本発明の内から外に向かう穴開けの例では、組織退避部がベース上に位置し、また切断用縁部が前方に伸びている。他の例では、組織退避部は、進入ヘッド上にあるがベースは退避部に向かって前進する。
【0205】
加えて、小孔形成システムが、複数種類のサイズ、例えば2、3、またはそれ以上の種類のサイズで使用される。
【0206】
チューブとして記述された要素が一概にチューブである必要は無い、という点は留意されるべきである。一例では、小孔付きのベースはスロット付きの中実のロッドに置き換え可能であり、スロットは進入ヘッドを後退引き込みする為のシャフトを支持する。シャフトが進入ヘッドの中心に取り付けられる必要は無い。
【0207】
ホールフォーマが、例えば資格または三角のフラップといった、完全には除去されないプラグを生成可能である、という点もまた留意されるべきである。
【0208】
本発明の例示的な実施形態では、上記の装置は、ここに参照として含まれるPCT出願および公開WO 99/62415、 WO 00/56226、 WO 00/56228、 WO 01/41623、 WO 01/41624、 PCT/IL01/00267、 PCT/IL01/00069、 PCT/IL01/00074、およびPCT/IL01/00266に記載の吻合に関する道具と組み合わせて使用される。しかしながら、これらは単独の装置または、他の用途に使用される外科用キット及び/または吻合コネクタの一部として使用されてもよい。
【0209】
ステップの順番の変更、装置に用いる厳密な物質、血管の端側吻合に於いてどの血管が「側方」側でどの血管(またはグラフト)が「末端」側か、装置が血管の内側と外側のいずれから使用されるか等、血管を処置する上記の方法及び装置は多くの形の変形がありうるという点を理解されたい。さらに、機械的な実施形態において、例えば相対的に運動する必要がある部分において可動要素の変わりに固定要素を使用するなど、様々な要素の位置は開示の内容を越えない範囲で交換可能である。加えて、方法と装置の両方で、様々な特徴における多様性が記載されている。異なる特徴が異なる形で組み合わされうるという点を理解されたい。特に、ある特定の形態内の上記の全ての特徴が、本発明の全ての類似の例示的な形態に必要であるとは限らない。さらに、異なる形態からの上記の特徴を組み合わせることもまた、本発明の幾つかの例示的な形態の範囲内であると考えられる。加えて、本発明の他の例示的な形態によれば、本発明のここに記載された特徴の一部は、先行出願の装置で使用されるようになっている。本発明を説明するために使用された特定の外形形状が、本発明の最も広い解釈がこれらの形状のみであると本発明を限定するべきではなく、例えば、円形のルーメンが示されていても他の形態では楕円形のルーメンが使用されうる。
【0210】
1つまたは少数の吻合結合を行なう及び/または1つまたは少数の小孔の形成に適した医療用装置のセットを含む外科用のキットもまた、本発明の範囲内である。上記の計測値は特定の場合における例示的な計測値に過ぎず、実際の計測値は適用によって異なる。請求項における「有する」「含む」「備える」「具備する」または類似の用語は、「含むかそれに制限されるものではない」という意味である。
【0211】
ここまでに記述されたものによって本発明が限定されるものではないということは、当業者によって理解されるだろう。むしろ、本発明の範囲は請求項のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1A】本発明の例示的な実施形態による、外側切断用縁部を備えたホールフォーマを図示したものである。
【図1B】本発明の例示的な実施形態による、内側切断用縁部を備えたホールフォーマを図示したものである。
【図2A】本発明の例示的な実施形態による、例示的なホールフォーマの断面図である。
【図2B】本発明の例示的な実施形態による、例示的なホールフォーマの断面図である。
【図2C】本発明の例示的な実施形態による、例示的なホールフォーマの断面図である。
【図2D】本発明の例示的な実施形態による、例示的なホールフォーマの断面図である。
【図2E】本発明の例示的な実施形態による、例示的なホールフォーマの断面図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態による、関連となりうる進入ヘッドの様々な寸法を図示したものである。
【図4A】本発明の例示的な実施形態による、プラグ除去機構を図示したものである。
【図4B】本発明の例示的な実施形態による、プラグ除去機構を図示したものである。
【図5】本発明の例示的な実施形態による、ベース引き込み機構を図示したものである。
【図6】本発明の例示的な実施の形態による、代替のホールフォーマを図示したものである。
【図7A】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7B】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7C】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7D】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7E】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7F】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7G】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7H】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図7I】本発明の例示的な実施形態による、様々な進入先端部および進入ヘッドのデザインを図示したものである。
【図8A】本発明の例示的な実施形態による、拡張進入ヘッドを図示したものである。
【図8B】本発明の例示的な実施形態による、拡張進入ヘッドを図示したものである。
【図9A】本発明の例示的な実施形態による、代替の拡張進入ヘッドを図示したものである。
【図9B】本発明の例示的な実施形態による、代替の拡張進入ヘッドを図示したものである。
【図10A】本発明の例示的な実施形態による、他の代替の拡大進入ヘッドを図示したものである。
【図10B】本発明の例示的な実施形態による、他の代替の拡大進入ヘッドを図示したものである。
【図11A】本発明の例示的な実施形態による、幾何学的形状が変化するアンビルを図示したものである。
【図11B】本発明の例示的な実施形態による、幾何学的形状が変化するアンビルを図示したものである。
【図12】本発明の例示的な実施形態による、弾性アンビルホールフォーマを図示したものである。
【図13】本発明の例示的な実施形態による、ねじ型の進入ヘッドを図示したものである。
【図14A】本発明の例示的な実施形態による、針型ホールフォーマを図示したものである。
【図14B】本発明の例示的な実施形態による、針型ホールフォーマを図示したものである。
【図15A】本発明の例示的な実施形態による、切開部フォーマの2つの変形例を図示したものである。
【図15B】本発明の例示的な実施形態による、切開部フォーマの2つの変形例を図示したものである。
【図16A】本発明の代替の実施形態による、ホールフォーマを図示したものである。
【図16B】本発明の代替の実施形態による、ホールフォーマを図示したものである。
【図17A】本発明の例示的な実施形態による、図16のホールフォーマの使用を図示したものである。
【図17B】本発明の例示的な実施形態による、図16のホールフォーマの使用を図示したものである。
【図17C】本発明の例示的な実施形態による、図16のホールフォーマの使用を図示したものである。
【図17D】本発明の例示的な実施形態による、図16のホールフォーマの使用を図示したものである。
【図17E】本発明の例示的な実施形態による、図16のホールフォーマの使用を図示したものである。
【図18】本発明の代替の実施形態による、ホールフォーマの先端部を図示したものである。
【図19A】本発明の他の例示的な実施形態によるホールフォーマの一部切り欠いた斜視図である。
【図19B】本発明の他の例示的な実施形態によるホールフォーマの側断面図である。
【図19C】図19Aおよび19Bの装置を用いた、ホールフォーマが血管にホールを形成する手順の異なるステージを示したものである。
【図19D】図19Aおよび19Bの装置を用いた、ホールフォーマが血管にホールを形成する手順の異なるステージを示したものである。
【図19E】図19Aおよび19Bの装置を用いた、ホールフォーマが血管にホールを形成する手順の異なるステージを示したものである。
【図19F】図19Aおよび19Bの装置を用いた、ホールフォーマが血管にホールを形成する手順の異なるステージを示したものである。
【図19G】図19Aおよび19Bの装置を用いた、ホールフォーマが血管にホールを形成する手順の異なるステージを示したものである。
【図20A】本発明の他の例示的な実施形態による、ホールフォーマの透視側面図である。
【図20B】進入先端部がホールフォーマの他の部分に対して移動する手順を示した、図20Aの装置の側面図である。
【図20C】進入先端部がホールフォーマの他の部分に対して移動する手順を示した、図20Aの装置の側面図である。
【図20D】進入先端部がホールフォーマの他の部分に対して移動する手順を示した、図20Aの装置の側面図である。
【図20E】進入先端部がホールフォーマの他の部分に対して移動する手順を示した、図20Aの装置の側面図である。
【図20F】図20Aの装置によって血管内に形成された切断部を軸方向に投影したものである。
【図20G】図20Aの装置の斜視図である。
【図20H】管壁にホールを切断形成する処理のステップを示す、図20Aの装置および血管管壁の側断面図である。
【図20I】管壁にホールを切断形成する処理のステップを示す、図20Aの装置および血管管壁の側断面図である。
【図21A】本発明の例示的な実施形態による、ホールフォーマの側断面図である。
【図21B】本発明の例示的な実施形態による、ホールフォーマの側断面図である。
【図22A】本発明の例示的な実施形態による、2つの螺旋状の進入シャフトを備えたホールフォーマを示したものである。
【図22B】本発明の例示的な実施形態による、2つの螺旋状の進入シャフトを備えたホールフォーマを示したものである。
【図22C】本発明の例示的な実施形態による、2つの螺旋状の進入シャフトを備えたホールフォーマを示したものである。
【図22D】本発明の例示的な実施形態による、2つの螺旋状の進入シャフトを備えたホールフォーマを示したものである。
【図22E】本発明の例示的な実施形態による、2つの螺旋状の進入シャフトを備えたホールフォーマを示したものである。
【符号の説明】
【0213】
100 ホールフォーマ
102 ベースチューブ
104 進入ヘッド
110 外膜
112 壁
114 切断用縁部
116 カップ
118 アンビル面
130 ホールフォーマ
134 進入ヘッド
138 ボア
140 アンビル部
200 ホールフォーマ
202 進入先端部
208 シャフト
210 移送システム
212 回転ハンドル
214 ネジ山
220 クリップ
304 進入ヘッド
314 切断用縁部
316 退避部
416 退避部
420 組織引き抜き器
424 弾性要素
500 ベース引き込み機構
502 弾性要素
600 ホールフォーマ
602 ベース
604 進入ヘッド
606 ハンドル
610 バー
612 ドーム
614 シャフト
624 参照部
700、710、720、730 進入ヘッド
750、760、770、780 進入ヘッド
800 拡張進入ヘッド
802 進入端部
804 アーム
806 先端部
808 スロット
810 シャフト
812 ベース部
814 切断用エッジ
900 ホール形成システム
902 ベースチューブ
908 シリコン要素
912 切断用エッジ
914 ベース
916 伸長部
1000 ホールフォーマ
1002 ベースチューブ
1004 拡大進入ヘッド
1008 シート
1010 シャフト
1100 ホールフォーマ
1102 ベースチューブ
1104 円盤
1106 小孔
1110 シャフト
1112 オーバーチューブ
1114 進入先端部
1200 ホールフォーマ
1202 ベース
1204 進入ヘッド
1300 ホールフォーマ
1304 進入ヘッド
1308 ネジ山
1310 シャフト
1400 針型ホールフォーマ
1402 針
1404 進入先端部
1406 伸長部
1500 切開部フォーマ
1504 スパイク
1509 アーム
1510 ベース面
1516 ばね
1554 スパイク
1558 切断用エッジ
1559 アーム
1560 ベース面
1600 ホール形成システム
1602 ベース部
1604 進入ヘッド
1609 シャフト
1610 切断用サーフィス
1612 傾斜部
1615 スリーブ
1616 スカフォルド
1618 進入先端部
1620 ペグ
1630 カバー
1634 ミシン目
1700 大動脈
1702 プラグ
1800 ホールフォーマ
1802 ベース部
1804 進入ヘッド
1810 切断用縁部
1812 円錐部
1820 棘
1824 針状先端部
1900 ホールフォーマ
1902 ベース
1904 進入先端部
1908 インナーシャフト
1920 棘
1986 アウターシャフト
2000 ホールフォーマ
2002 ベース
2004 進入ヘッド
2005 進入先端部
2006 フック
2008 インナーシャフト
2010 切断用縁部
2086 アウターシャフト
2088 アンカー
2090 中心部
2102 進入ヘッドキャッチ
2104 ばね
2202 ベース
2208 進入シャフト
2209 進入シャフト
2210 切断用サーフィス
2212 プラグ

Claims (86)

  1. 血管管壁に進入するようになっている先端部を備えた進入シャフトと、
    前記管壁を保持するように形成された組織ホルダであって、前記ホルダは、前記進入シャフトが前記管壁を通って前記管壁に挿入されるのとは別個に、前記保持を実施可能となるものと、
    該管壁を切り抜くようになっている切断サーフィスと、
    を有する、血管にホールを形成するホール形成装置。
  2. 前記組織ホルダが剛体状の棘を有することを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  3. 前記組織ホルダが柔軟な棘を有することを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  4. 前記組織が円盤を有することを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  5. 前記組織ホルダが、前記進入シャフトを囲む中空のチューブを有することを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  6. 前記中空のチューブは、前記先端部が完全に前記中空のチューブ内に収められるように、前記進入シャフトに沿って前進するよう形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
  7. 前記中空チューブは、少なくとも前記管壁が前記切断サーフィスによって切り取られるまで前記先端部を収めるだけの充分な長さを有することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
  8. 進入シャフトは少なくとも部分的には前記組織ホルダを覆うことを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  9. 前記組織ホルダは少なくとも1つの柔軟な組織保持要素を有し、前記進入シャフトはそこを通って前記柔軟な要素を受けるのに充分な幅を有する少なくとも1つのスロットを有し、前記組織保持要素と前記スロットとが揃うように前記組織ホルダ及び前記進入シャフトは選択的に前記組織ホルダに対する前記進入シャフトの位置決めを行うように形成されていることを特徴とする、請求項8に記載のホール形成装置。
  10. 前記組織ホルダ及び前記進入シャフトは、前記組織保持要素が前記スロットから軸方向に変位するように形成されていることを特徴とする、請求項9に記載のホール形成装置。
  11. 前記組織ホルダ及び前記進入シャフトは、前記組織保持要素が前記スロットから傾いて変位するように形成されていることを特徴とする、請求項9に記載のホール形成装置。
  12. 前記組織ホルダは前記進入シャフトと並んで配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  13. 前記組織ホルダは、前記進入シャフト上に取り付けられ、また選択的に前記ホルダを解放して前記組織を保持させるよう形成されたホルダリリーサ(releaser)を有することを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  14. 前記ホルダリリーサは、少なくとも部分的に前記進入シャフトを覆う中空のシャフトを有することを特徴とする、請求項13に記載のホール形成装置。
  15. 前記ホルダリリーサは、前記進入シャフトと並んで配置されていることを特徴とする、請求項13に記載のホール形成装置。
  16. 前記進入シャフトが前記管壁に挿入されている間に、前記ホルダリリーサは前記組織ホルダを覆うことを特徴とする、請求項13に記載のホール形成装置。
  17. 前記ホルダリリーサは、前記進入シャフトが前記管壁に挿入されている間に、弾性的に前記組織ホルダを圧迫することを特徴とする、請求項16に記載のホール形成装置。
  18. 前記挿入の後に前記組織ホルダは前記進入シャフトに沿って前進することを特徴とする、請求項1に記載のホール形成装置。
  19. 前記組織ホルダは、前記進入シャフトに対して相対的に軸方向に移動し、それによって前記組織ホルダが使用可能となることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  20. 前記組織ホルダは前記進入シャフトに対して相対的に回転するよう形成され、それによって前記組織ホルダが使用可能となることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  21. 前記組織ホルダは、前記ホールを形成している間に、前記切断用サーフィスに対して相対的に後退引き込みするように形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  22. 前記組織ホルダはばねによって後退引き込みすることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
  23. 前記後退引き込みは、前記切断用サーフィスの回転運動と機械的に連結していることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
  24. 前記進入シャフトは、少なくしも前記挿入が終了した後に、前記切断用サーフィスに対して軸方向に固定されて位置決めされることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  25. 前記進入シャフトは、前記切断用サーフィスに対して軸方向に後退引き込み可能であることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  26. 前記切断用サーフィスは、回転によって切断するよう形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  27. 前記切断用サーフィスは、前記組織ホルダに対して回転方向に固定されていないことを特徴とする、請求項26に記載の装置。
  28. 前記切断用サーフィスは、前記進入先端部に対して反対の側に有る前記管壁を切断することを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  29. 前記切断用サーフィスは、前記管壁の前記進入ヘッドのある側から切断されるよう形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  30. 前記進入先端部は、前記血管の外側から前記管壁に入るよう形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  31. 前記組織ホルダは前記血管の管壁と係合することを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  32. 前記組織ホルダは、停止位置で前記血管の管壁に当接し、それによって前記停止位置の方向の前記管壁の相対移動が防止されることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれかに記載の装置。
  33. 血管の管壁を通って挿入されるようになっている先端部を備えた進入シャフトと、
    該管壁を切断するようになっており、また前記進入シャフトの先端部に対して軸方向に固定されている切断用サーフィスと、
    進入シャフトが前記血管の管壁を通って挿入された後に軸方向に移動して前記進入シャフトの先端部が血管を傷つけるのを防止可能な先端部プロテクタと、
    を有する、血管に開口を形成するホール形成装置。
  34. 選択的には、前記先端部プロテクタは、前記挿入後に前記管壁の少なくとも一部分を保持する、少なくとも1つの組織保持要素を有することを特徴とする、請求項33に記載のホール形成装置。
  35. 前記組織ホルダの遠位の前記先端部プロテクタの長さは、前記先端部と前記切断用サーフィスとの間の距離よりも大きいことを特徴とする、請求項34に記載の装置。
  36. 前記先端部プロテクタは、前記進入シャフトを囲む中空のチューブを有することを特徴とする、請求項33から請求項35のいずれかに記載の装置。
  37. その遠位端に先端部を有し、血管管壁に挿入されてスリットを形成する、スリット形成進入ヘッドと、
    前記先端部と非接触であり、前記管壁を切断しまた前記切断部と前記スリットがつながって前記ホールを定義する前記管壁の切断部の境界が形成されるように形成されている、切断用サーフィスと、
    を有する、血管にホールを形成するホール形成装置。
  38. 前記切断用サーフィスは、前記ヘッドの近位側に形成されていることを特徴とする、請求項37に記載の装置。
  39. 前記先端部は前記ヘッド上の前記装置の軸とは非対称な位置にあることを特徴とする、請求項37に記載の装置。
  40. 前記進入ヘッドが中実であることを特徴とする、請求項37に記載のホール形成装置。
  41. 前記進入ヘッドが中空であることを特徴とする、請求項37に記載のホール形成装置。
  42. 前記装置が前記ヘッド内に位置決めされ、また前記血管の管壁の切り取り部が前記ヘッドを前記先端部方向に通過するように形成された、少なくとも1つのヘッド組織ホルダを前記装置が備えていることを特徴とする、請求項41に記載の装置。
  43. 前記組織ホルダは、前記ヘッドに固定されていることを特徴とする、請求項42に記載の装置。
  44. 前記組織ホルダはフックを有することを特徴とする、請求項42に記載の装置。
  45. 前記進入ヘッドの軸方向に沿った方向の断面は弓形であることを特徴とする、請求項42に記載の装置。
  46. 前記進入ヘッドの近位端に鋭利な先端部が設けられていることを特徴とする、請求項37に記載のホール形成装置。
  47. 前記鋭利な先端部は、前記進入先端部及び前記進入ヘッドの軸と同一の面上にあることを特徴とする、請求項46に記載のホール形成装置。
  48. それによって交軸方向のスロットが決まるメンバを有するアンカーを備え、前記スロットは前記管壁の厚みを受けられるだけの充分な幅を有することを特徴とする、請求項37に記載のホール形成装置。
  49. 前記メンバは、それによって前記進入ヘッドを覆うのに充分な径のルーメン(lumen)が決まるチューブを有することを特徴とする、請求項48に記載のホール形成装置。
  50. 前記メンバは前記進入ヘッドを部分的に囲むのみであることを特徴とする、請求項48に記載のホール形成装置。
  51. 前記アンカーと一体となったアンカー組織ホルダを備え、アンカー組織ホルダは戦記血管の管壁の切り取り部が血管内に入るのを防止することを特徴とする、請求項48から請求項50のいずれかに記載のホール形成装置。
  52. 前記メンバは遠位端を備えることを特徴とする、請求項48から請求項50のいずれかに記載のホール形成装置。
  53. 前記遠位端がアンカー切断用サーフィスであることを特徴とする、請求項52に記載の装置。
  54. 前記遠位端が前記切断用サーフィスであることを特徴とする、請求項52に記載の装置。
  55. 前記遠位端及び前記進入ヘッドの近位端は共動して剪断動作を行うことを特徴とする、請求項52に記載の装置。
  56. 前記遠位端及び前記進入ヘッドの近位端は共動してアンビル切断動作を行うことを特徴とする、請求項52に記載の装置。
  57. 血管管壁に進入するようになっている進入ヘッドと、
    前記管壁の厚みを受けられるだけの充分な幅を有する交軸方向のスロットがそれによって決まるようなスロット付きのアンカーと、
    前記管壁が前記スロット付きアンカーに保持されている間に前記管壁を切断するよう形成されている切断用サーフィスと、
    を有する、血管にホールを形成するホール形成装置。
  58. 前記アンカーは交軸方向のスロットを有するチューブであることを特徴とする、請求項57に記載の装置。
  59. 前記進入ヘッドは前記アンカーの遠位部にあることを特徴とする、請求項57に記載の装置。
  60. 前記血管の管壁の切り取られた部分が前記血管の中に入るのを防止する、組織ホルダを備えることを特徴とする、請求項57から請求項59のいずれかに記載の装置。
  61. 前記切断用サーフィスが前記進入ヘッドの近位側に形成されていることを特徴とする、請求項57に記載の装置。
  62. 血管管壁に進入するようになっている先端部を備え、また軸方向にルーメンのある進入ヘッドと、
    前記ルーメンを通過し、侵入後に前記先端部が前記血管を傷つけるのを防ぐ先端部プロテクタと、
    を有する、血管にホールを形成するホール形成装置。
  63. 前記先端部プロテクタは、前記先端部をその中で受ける退避部のある折り畳み式のタブであることを特徴とする、請求項62に記載の装置。
  64. 前記タブは、前記ルーメンを通過している間は弾性的に変形していることを特徴とする、請求項63に記載の装置。
  65. 前記進入ヘッドの後退引き込みによって前記先端部プロテクタが前記ルーメンを通過して前記先端部を保護するように、前記先端部プロテクタの前記装置に対する軸方向の位置が固定されていることを特徴とする、請求項62に記載の装置。
  66. 前記先端部プロテクタは、前記先端部プロテクタを手動で一義召して選択的に前記先端部を保護する為のコントロールを有することを特徴とする、請求項62に記載の装置。
  67. 前記血管管壁を通って挿入されるよう形成されている組織ホルダと、
    前記管壁の反対側の面に位置決めされるよう形成されているベースと、
    前記組織ホルダ及び前記ベースと連結し、前記組織ホルダと前記ベースとの間の距離に基づく指標を表示するよう形成されているディスプレイと、
    を有する、血管にホールを形成するホール形成装置。
  68. 前記組織ホルダは、前記組織ホルダのーが前記管壁を通って後退引き込みされるのを防ぐ、少なくとも1つの組織後退引き込み防止要素を備えることを特徴とする、請求項67に記載の装置。
  69. 前記ディスプレイは前記ホルダ及び前記ベースと機械的に連結していることを特徴とする、請求項67に記載の装置。
  70. 前記ベースは、前記管壁を前記血管管壁切断用サーフィスと当接させることを特徴とする、請求項67に記載の装置。
  71. 前記ホルダを前記ベースに対して後退引き込みするばねを備えることを特徴とする、請求項67に記載の装置。
  72. 前記ディスプレイは、前記距離を前記管壁の圧縮性の計測値に変換することを特徴とする、請求項67から請求項71のいずれかに記載の装置。
  73. 前記ディスプレイは、前記距離を前記管壁の厚さの計測値に変換することを特徴とする、請求項67から請求項71のいずれかに記載の装置。
  74. シャフトに取り付けられ、血管管壁に進入するようになっている進入ヘッドと、
    前記侵入後に前記管壁を受けるよう形成されている組織退避部と、
    を有し、
    前記シャフトが前記組織退避部とは同軸ではないことを特徴とする、
    血管にホールを形成するホール形成装置。
  75. 前記シャフトは前記組織退避部の外側にあることを特徴とする、請求項74に記載の装置。
  76. 血管管壁に進入して係合する複数の螺旋状のコイルと、
    前記管壁を切断し、前記螺旋状のコイルに対して軸方向に移動するよう形成されている切断用サーフィスのあるベースと、
    を有する、血管にホールを形成するホール形成装置。
  77. 前記コイルは、螺旋の向きが異なる少なくとも2つのコイルであることを特徴とする、請求項76に記載の装置。
  78. 前記コイルは、少なくとも2つの同軸のコイルであることを特徴とする、請求項76に記載の装置。
  79. 前記コイルは、同軸ではない少なくとも2つのコイルであることを特徴とする、請求項76に記載の装置。
  80. その遠位端に進入先端部を備えたシャフトと、前記シャフトの周りに配置されて前記シャフトに対してスライド可能に形成されているアウターシャフトであって少なくとも1つの突出要素を備えているものと、前記アウターシャフトの周りに配置されまた切断用縁部を備えているベースであって前記アウターシャフトに対してスライド可能に形成されているものと、を有するホールフォーマ(hole former)を提供し、
    開口が形成されるように進入先端部で管壁に進入し、
    前記アウターシャフトと少なくとも1つの突出要素を開口に通過させ、
    前記ベースの切断用縁部で前記血管管壁を切断して前記血管の管壁にホールを形成する、
    ことを特徴とする、血管の管壁にホールを形成する方法。
  81. 前記切断の前に、前記少なくとも1つの突出要素が血管管壁に当接させるように前記アウターシャフトを後退引き込みすることを特徴とする、請求項80に記載の方法。
  82. 前記シャフト及び前記ベースは互いに固定されていることを特徴とする、請求項80に記載の方法。
  83. 前記シャフトはベースとは別個に移動可能であることを特徴とする、請求項80に記載の方法。
  84. 前記アウターシャフトが開口を通過すると、前記進入先端部がアウターシャフトに後退引き込みされることを特徴とする、請求項83に記載の方法。
  85. 切断ステップ中に前記アウターシャフトが前記血管管壁の内面を進入先端部から保護することを特徴とする、請求項80または請求項84に記載の方法。
  86. ベースが回転して血管管壁内にホールが切断されることを特徴とする、請求項80に記載の方法。
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