JP2005502678A - Lasikおよび他の手術後の角膜神経の損傷または外傷から生じる状態を処置するための化合物の使用 - Google Patents
Lasikおよび他の手術後の角膜神経の損傷または外傷から生じる状態を処置するための化合物の使用 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、LASIKおよび他の眼科手術または外傷後の角膜神経から生じる状態の処置方法を提供する。本発明の方法は、手術に起因する角膜神経の損傷から生じる状態の処置のために、ニューロンの再生または軸索の成長を促進する1種以上の化合物(例えば、神経栄養因子刺激因子)を、ヒト患者に投与する工程を包含する。本発明はさらに、角膜神経の損傷から生じる状態を処置するための組成物を提供する。この組成物は、薬学的に受容可能なビヒクル中に、ニューロンの再生または軸索の成長を促進する1種以上の化合物を含む。
Description
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、角膜神経が損傷するレーザーインサイチュ角膜曲率形成術(LASIK)または他の手術の後の角膜神経の損傷から生じる状態の処置のための、神経再生または神経成長を促進する化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連分野の説明)
患者はしばしば、LASIK手術の後に、角膜感度の減少をおよび軽度〜中程度のドライアイを経験する。ほとんどの患者において、これは、数日間しか続かない急性の問題である。しかし、かなりの数の患者において、この問題は、数ヶ月以上持続し得る(Yu 2000)。この医原性変化は、手術の間の角膜神経の切断から生じる可能性が最も高い(Wilson 2001;Ambrosio & Wilson 2001)。手術により引き起こされるドライアイの現在の処置方法は、人工涙液(例えば、Tears NaturaleまたはBion Tears(登録商標))または他の人工保湿剤の頻繁な局所適用のような、症状の軽減を含む。これらの処置は、不快感を軽減するが、根本的な病理を処置しない。角膜感度の減少の受容可能な治療は、現時点では本発明者らに知られていない。
【0003】
神経栄養因子は、神経組織の成長を刺激するか、またはそうでなければ神経組織の成長を維持するペプチド分子である。脳からニューロンの細胞体への神経栄養因子の移動は、ほとんどの視神経の生存に必須である。神経栄養因子の喪失は、ニューロンのアポトーシスを引き起こし得る(Raffら、1993)。
【0004】
ニューロトロフィン(NT)ファミリーのペプチドとしては、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、NT−3、NT−4/5およびNT−6が挙げられる。これらは、ニューロトロフィンレセプター(NT−レセプター)(例えば、TrkA、TrkB、TrkCおよびp75NTR)に結合することにより作用する。これらのTrkレセプターは、チロシンキナーゼである。TrkAは、NGFに対して選択的であり、TrkBは、BDNFとNT−4/5の両方に対して選択的であり、一方、TrkCは、NT−3に対して選択的である。結合後、NT−レセプター複合体は、内部移行して、軸索を介して細胞体まで輸送される。これらのレセプターは、リガンド誘導性のリン酸化および二量化を受け、そしてニューロンの複数の生命機能に影響を与えるRasタンパク質媒介性シグナル伝達事象のカスケードを活性化する(Lewinら、1997;Segalら、1996;Ebadiら、1997;Kaplanら、1997)。従って、これらのレセプターは、発生中のニューロンの生存の調節および分化において基本的な役割を果たし、生存中のニューロン機構の維持に寄与する。
【0005】
眼組織において、例えば、TrkAおよびTrkBの両方のmRNAが、網膜神経節細胞(RGC)、ドパミン作用性無軸索細胞および視神経において観察されている。これらの発現は、ニューロンの発生の間に高度に調節されることが示された(Jelsmaら、1993;Rickmanら、1995;Ugoliniら、1995;Cellerinoら、1997)。TrKBレセプター選択的リガンド、BDNFおよびNT−4/5は、RGCの保護に有効であることが示された。多数の研究により、これらのNTは、培養物中のRGCの生存および軸索成長を改善するだけでなく、視神経およびRGCの軸索切断術により引き起こされるインビトロの損傷を有意に軽減し、かつ再生中のRGCからの軸索の枝の成長を刺激することが示されている(Andersonら、1974;Quigleyら、1976;Mansour−Robaeyら、1994;Meyer−Frankeら、1995;およびCuiら、1994)。例えば、5μgのBDNFの単回の硝子体内注射は、損傷後の初めの5日間の間に投与した場合、軸索切断した視神経の死を防止した(Mansour Robaey 1994;Gaoら、1997)。
【0006】
毛様体神経栄養因子(CNTF)および塩基性神経芽細胞成長因子(bFGF)は、ニューロンの生存を支持する他の神経栄養因子である。これらは、ニューロトロフィンとは構造的に無関係である。これらはまた、ニューロンおよび軸索の外傷により引き起こされる死を防止することが示されている(Meyら、1993;Weibelら、1995)。
【0007】
正常なヒトよびラットの角膜において、神経栄養因子(例えば、NGF)が存在することが見出された(Lambiaseら、2000)。ヒトおよびラットの角膜上皮細胞は、NGFを産生し、貯蔵し、そして放出し、そしてまたTrkAレセプターを発現する(Lambiaseら、1998,Lambiaseら、2000)これらの栄養因子は、角膜生物学において重要な役割を果たすようである。TrkAノックアウトマウスの角膜において、神経幹、枝および細い終神経の数が劇的に減少していた。機構的、熱的および化学的に有害な刺激に対するこれらのマウスのまばたき応答もまた、有意に減少した(De Castroら、1998)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、神経栄養因子は、角膜の健全かつ正常な機能に重要である。しかし、これらの神経因子は、ペプチド分子であり、従って、ペプチドの薬学的投与において一般的に存在するバイオアベイラビリティの問題に起因して、薬学的に利用するのが困難である。従って、必要なのは、天然のペプチドに付随するバイオアベイラビリティの問題なしで、損傷した網膜組織における神経栄養活性を刺激する非ペプチド分子である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、角膜神経の損傷から生じる状態を処置するための組成物および方法を提供することによって、従来技術のこれらおよび他の欠点を克服する。この組成物は、薬学的に受容可能なビヒクル中に、ニューロンの再生または軸索の成長を促進する1種以上の化合物を含む。
【0010】
本明細書中で使用される場合、「ニューロンの再生または軸索の成長を促進する化合物」とは、眼組織、特に、角膜における神経栄養因子のインサイチュの産生または活性を増大する化合物をいう。本明細書中で使用される場合、「神経栄養因子」とは、NGF、BDNF、NT−3、NT−4/5、NT−6、CNTF、bFGF、または角膜神経障害を予防、処置もしくは回復するか、または損傷した角膜ニューロンの再成長を促進する他の栄養因子をいう。神経栄養因子刺激因子の例としては、以下が挙げられる:AIT−082(ネオトロフィン)、イデベノン、CB−1093、NS521(1−(1−ブチル)−4−(2−オキソ−1−ベンズイミダゾロン)ピペリジン)、SS−701およびKT−711(全て以下で示される)、ONO−2506、ならびにクレノブテロール。本発明の最も好ましいニューロトロフィン分子は、AIT−082(ネオトロフィン)。これらの前述の分子は、市販であり得るか、または当業者に公知の方法によって合成され得る。
【0011】
本発明の方法は、手術に起因する角膜神経の損傷から生じる状態の処置のために、ニューロンの再生または軸索の成長を促進する1種以上の化合物(例えば、神経栄養因子刺激因子)を、ヒト患者に投与する工程を包含する。
【0012】
本発明の方法は、特に、ドライアイおよび角膜神経損傷から生じる他の状態(例えば、角膜感度の減少)の処置のための、ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物の使用に関する。
【0013】
本発明のニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物は、当業者に公知の処方技術に従って、種々のタイプの薬学的組成物中に含まれ得る。一般に、ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物は、局所的眼投与または眼内投与のための溶液もしくは懸濁液、または全身投与(例えば、経口または静脈内)のための錠剤、カプセル剤もしくは溶液として処方される。好ましくは、本発明の化合物は、局所的眼投与のための溶液または懸濁液として処方される。
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
LASIKおよび他の視力矯正手術により、矯正レンズを装着している人はこの矯正レンズの使用をやめることが可能となった。これは、多くの理由で有利である。いくつかの専門職(例えば、芸術、科学および建築の職業)の人にとって、矯正レンズは、彼らが働かなければならない場所にあるほこり、塗料および化学物質に起因して、不快なものである。しかし、患者はしばしば、LASIK手術の後に、角膜感度の減少および軽度〜中程度のドライアイを経験する。ほとんどの患者において、これは、数日間しか続かない急性の問題である。しかし、かなりの数の患者において、この問題は、数ヶ月以上持続し得る(Yu 2000)。この問題は、手術の間の角膜神経の損傷の結果である可能性が最も高い(Wilson 2001;Ambrosio & Wilson 2001)。本発明者らは、手術後の損傷した角膜神経を、軸索の成長を促進するか、または切断または損傷した神経の再生を刺激する化合物で処置することにより、ドライアイの持続時間が短縮され得るか、またはドライアイの発症率が減少され得ることを発見した。このような処置はまた、LASIKまたは角膜神経が損傷する他の手術により生じる角膜感度の減少を軽減し得る。
【0015】
本発明は、ドライアイおよび角膜手術により引き起こされる角膜感度の減少を処置するために、切断された神経の再生および/または軸索の成長を促進する化合物を使用することに関する。切断されたニューロンの再生を促進するか、または軸索の成長を促進する化合物は、神経栄養因子の産生を刺激することによって、または神経栄養因子の活性を増加することによって、このようなニューロンの再生または軸索の成長を促進する。本発明で使用される化合物はまた、損傷した神経に対する直接的な作用により、切断された神経の再生および/または軸索の成長を促進し得る。
【0016】
いくつかの神経栄養因子刺激因子が、科学文献において報告されている(例えば、AIT(GraulおよびCastaner 1997)、イデベノン(Nabeshimaら 1994)、ONO−2506(Matsuiら 1998)、NS521(Gronborgら 1998)、CB−1093(Aimoneら 1998)、およびクレンブテロール(Culmseeら 1998))。しかし、Lasik手術または他の手術後のドライアイまたは他の医原性損傷を処置するために、神経栄養因子刺激因子を使用することは、先行技術において開示も示唆もされていない。
【0017】
ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物の局所眼用処方物は、投与の容易性から好ましい。局所眼用処方物は、溶液状態または懸濁物状態であり得る。一般的に、局所処方物は、活性なニューロトロフィン因子刺激因子および不活性な賦形剤を含む。
【0018】
本発明の組成物は、角膜神経の損傷(例えば、LASIK手術または他の手術)後に眼内投与され得る。眼内投与に有用な組成物は、一般的に、眼内注入組成物または手術潅漑溶液である。眼内注入組成物は、一般的に、水溶液(例えば、以下で議論される平衡塩潅漑溶液)で構成される。
【0019】
ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物が、手術手順後に投与される場合(例えば、眼球注入または眼周囲注入および眼内潅漑または注入を通して)、ビヒクルとして平衡塩潅漑溶液を使用することが、最も好ましい。BSS(登録商標)滅菌潅漑溶液およびBSS Plus(登録商標)滅菌眼内潅漑溶液(Alcon Laboratories,Inc.,Fort Worth,Texas,USA)が、生理学的に平衡化された眼内灌流溶液の例である。後者型の溶液は、その内容全体が本明細書中で参考として援用される米国特許第4,550,022号に記載されている。球後注入および眼周囲注射は、当業者に公知であり、そして、例えば、Ophthalmic Surgery:Principles of Practice(1990)を含む多くの刊行物に記載されている。好ましい投与経路は、眼内局所適用である。従って、薬学的有効量の上記化合物またはそれらの活性アナログを含む溶液または懸濁物は、当業者に公知の方法によって、局所眼内投与のために処方される。
【0020】
一般的に、上記の目的で用いられる用量は変化するが、ドライアイまたは手術に対する角膜感度の減少を予防、減少、または改善するのに有効な量である。本明細書中で使用する場合、「薬学的有効量」は、ドライアイまたは手術に対する角膜感度の減少を予防、減少、または改善する神経栄養因子刺激因子の量をいう。神経栄養因子刺激因子は、一般的に、本明細書中で意図される局所処方物または薬学的に受容可能なキャリア中に、約0.001〜約10.0%重量/容量(%w/v)の量で含まれる。好ましい濃度は、約0.1〜約5.0%w/vの範囲である。局所処方物は、一般的に、実施者の裁量で、1〜6回/日、眼に送達される。全身投与組成物は、一般的に、約1〜1000mgのニュートロフィン因子刺激因子を含み、そして実施者の裁量で、1〜4回/日摂取され得る。
【0021】
本明細書中で使用する場合、用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、安全であり、所望の投与経路での有効量の少なくとも1つの神経栄養因子刺激因子の適切な送達を提供する任意の処方物をいう。
【0022】
本発明の組成物は、さらなる薬学的に活性な薬剤を含み得るかまたは、他の薬学的組成物と同時に投与され得る。特に、手術中の角膜神経の損傷から引き起こされる状態の予防、処置、または改善のために哺乳動物を処置する場合、本発明の組成物は、さらなる活性剤を含み得るかまたは他の薬剤または組成物と同時または連続して投与され得る。薬剤の例としては、人工涙液、人工湿潤溶液、または当業者に公知の他の適切な薬剤が挙げられる。
【0023】
以下の実施例は、眼内組織細胞侵襲に対する神経栄養因子刺激因子(プロペントフィリン)の保護効果を実証する。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
この化合物は、全身投与され得るかまたは眼に局部的に(例えば、局所的に、眼房内に(intracamerally)、または移植片を通じて)投与され得る。好ましくは、この化合物を、眼への送達のために、局所眼内処方物に組み込む。水性の滅菌眼用懸濁物または溶液を形成するために、この化合物を、眼科学的に受容可能な防腐剤、界面活性剤、粘度増強剤、浸透性増強剤、緩衝液、塩化ナトリウム、および水と組み合わせ得る。生理学的に受容可能な等張性水性緩衝液中に化合物を溶解することにより、眼用溶液処方物を調製し得る。さらに、この眼用溶液は、この化合物の溶解を補助するために、眼科学的に受容可能な界面活性剤を含み得る。さらに、この眼用溶液は、結膜嚢でのこの処方物の保持を改善するために、粘性を増加する薬剤(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)を含み得る。ゲル化剤(ゲランおよびキサンタンガムが挙げられるがこれらに限定されない)もまた、使用され得る。滅菌眼用軟膏処方物を調製するために、活性成分を、適切なビヒクル(例えば、鉱油、液体ラノリン、または白色ワセリン)中で防腐剤と組み合わせる。活性成分を、例えば、類似の眼用調製物について公開された処方に従い、カルボポール(carbopol)−940などの組み合わせから調製される親水性基剤に懸濁することによって、滅菌眼用ゲル処方物を調製し得る。防腐剤および等張剤を組み込み得る。
【0025】
好ましくは、この化合物を、pH約5〜8の、局所眼用懸濁物または溶液として処方物する。この化合物は、通常、これらの処方物中に、0.001重量%から5重量%の量で含まれるが、好ましくは、0.05重量%〜2重量%の量である。従って、局所的な適用のために、これらの処方物1〜2滴を、当業者の慣用的な裁量に従って、1〜4回/日、眼の表面に送達する。
【0026】
本開示に照らすと、本明細書中で開示され、そして特許請求の範囲に記載される全ての組成物および/または方法は、過度の実験を行うことなく調製および実施され得る。本発明の組成物および方法は、好ましい実施形態の観点で記載されているが、本発明の概念、意図、および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される組成物および/または方法ならびに方法の工程および工程の順番に、変更が適用され得ることが、当業者に明らかである。より詳細には、科学的にも構造的にも関連する特定の薬剤が、本明細書中に記載される薬剤と置換され、同様の結果が達成され得ることが明らかである。当業者に明らかな全てのこのような置換および改変は、添付の特許請求の範囲により規定される、本発明の意図、範囲、および概念の範囲内であるとみなされる。
【0027】
(参考文献)
以下の参考文献は、それらが、本明細書中の記載を補助する例示の手順または他の詳細を提供する程度に、本明細書中で詳細に参考として援用される。
【0028】
(米国特許)
第4,550,022号
(書籍)
Ophthalmic Surgery:Principles of Practice,G.L.Spaeth編,W.B.Sanders Co.,Philadelphia,PA,U.S.A.,85〜87頁(1990)
(他の刊行物)
【0029】
【表1】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、角膜神経が損傷するレーザーインサイチュ角膜曲率形成術(LASIK)または他の手術の後の角膜神経の損傷から生じる状態の処置のための、神経再生または神経成長を促進する化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連分野の説明)
患者はしばしば、LASIK手術の後に、角膜感度の減少をおよび軽度〜中程度のドライアイを経験する。ほとんどの患者において、これは、数日間しか続かない急性の問題である。しかし、かなりの数の患者において、この問題は、数ヶ月以上持続し得る(Yu 2000)。この医原性変化は、手術の間の角膜神経の切断から生じる可能性が最も高い(Wilson 2001;Ambrosio & Wilson 2001)。手術により引き起こされるドライアイの現在の処置方法は、人工涙液(例えば、Tears NaturaleまたはBion Tears(登録商標))または他の人工保湿剤の頻繁な局所適用のような、症状の軽減を含む。これらの処置は、不快感を軽減するが、根本的な病理を処置しない。角膜感度の減少の受容可能な治療は、現時点では本発明者らに知られていない。
【0003】
神経栄養因子は、神経組織の成長を刺激するか、またはそうでなければ神経組織の成長を維持するペプチド分子である。脳からニューロンの細胞体への神経栄養因子の移動は、ほとんどの視神経の生存に必須である。神経栄養因子の喪失は、ニューロンのアポトーシスを引き起こし得る(Raffら、1993)。
【0004】
ニューロトロフィン(NT)ファミリーのペプチドとしては、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、NT−3、NT−4/5およびNT−6が挙げられる。これらは、ニューロトロフィンレセプター(NT−レセプター)(例えば、TrkA、TrkB、TrkCおよびp75NTR)に結合することにより作用する。これらのTrkレセプターは、チロシンキナーゼである。TrkAは、NGFに対して選択的であり、TrkBは、BDNFとNT−4/5の両方に対して選択的であり、一方、TrkCは、NT−3に対して選択的である。結合後、NT−レセプター複合体は、内部移行して、軸索を介して細胞体まで輸送される。これらのレセプターは、リガンド誘導性のリン酸化および二量化を受け、そしてニューロンの複数の生命機能に影響を与えるRasタンパク質媒介性シグナル伝達事象のカスケードを活性化する(Lewinら、1997;Segalら、1996;Ebadiら、1997;Kaplanら、1997)。従って、これらのレセプターは、発生中のニューロンの生存の調節および分化において基本的な役割を果たし、生存中のニューロン機構の維持に寄与する。
【0005】
眼組織において、例えば、TrkAおよびTrkBの両方のmRNAが、網膜神経節細胞(RGC)、ドパミン作用性無軸索細胞および視神経において観察されている。これらの発現は、ニューロンの発生の間に高度に調節されることが示された(Jelsmaら、1993;Rickmanら、1995;Ugoliniら、1995;Cellerinoら、1997)。TrKBレセプター選択的リガンド、BDNFおよびNT−4/5は、RGCの保護に有効であることが示された。多数の研究により、これらのNTは、培養物中のRGCの生存および軸索成長を改善するだけでなく、視神経およびRGCの軸索切断術により引き起こされるインビトロの損傷を有意に軽減し、かつ再生中のRGCからの軸索の枝の成長を刺激することが示されている(Andersonら、1974;Quigleyら、1976;Mansour−Robaeyら、1994;Meyer−Frankeら、1995;およびCuiら、1994)。例えば、5μgのBDNFの単回の硝子体内注射は、損傷後の初めの5日間の間に投与した場合、軸索切断した視神経の死を防止した(Mansour Robaey 1994;Gaoら、1997)。
【0006】
毛様体神経栄養因子(CNTF)および塩基性神経芽細胞成長因子(bFGF)は、ニューロンの生存を支持する他の神経栄養因子である。これらは、ニューロトロフィンとは構造的に無関係である。これらはまた、ニューロンおよび軸索の外傷により引き起こされる死を防止することが示されている(Meyら、1993;Weibelら、1995)。
【0007】
正常なヒトよびラットの角膜において、神経栄養因子(例えば、NGF)が存在することが見出された(Lambiaseら、2000)。ヒトおよびラットの角膜上皮細胞は、NGFを産生し、貯蔵し、そして放出し、そしてまたTrkAレセプターを発現する(Lambiaseら、1998,Lambiaseら、2000)これらの栄養因子は、角膜生物学において重要な役割を果たすようである。TrkAノックアウトマウスの角膜において、神経幹、枝および細い終神経の数が劇的に減少していた。機構的、熱的および化学的に有害な刺激に対するこれらのマウスのまばたき応答もまた、有意に減少した(De Castroら、1998)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、神経栄養因子は、角膜の健全かつ正常な機能に重要である。しかし、これらの神経因子は、ペプチド分子であり、従って、ペプチドの薬学的投与において一般的に存在するバイオアベイラビリティの問題に起因して、薬学的に利用するのが困難である。従って、必要なのは、天然のペプチドに付随するバイオアベイラビリティの問題なしで、損傷した網膜組織における神経栄養活性を刺激する非ペプチド分子である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、角膜神経の損傷から生じる状態を処置するための組成物および方法を提供することによって、従来技術のこれらおよび他の欠点を克服する。この組成物は、薬学的に受容可能なビヒクル中に、ニューロンの再生または軸索の成長を促進する1種以上の化合物を含む。
【0010】
本明細書中で使用される場合、「ニューロンの再生または軸索の成長を促進する化合物」とは、眼組織、特に、角膜における神経栄養因子のインサイチュの産生または活性を増大する化合物をいう。本明細書中で使用される場合、「神経栄養因子」とは、NGF、BDNF、NT−3、NT−4/5、NT−6、CNTF、bFGF、または角膜神経障害を予防、処置もしくは回復するか、または損傷した角膜ニューロンの再成長を促進する他の栄養因子をいう。神経栄養因子刺激因子の例としては、以下が挙げられる:AIT−082(ネオトロフィン)、イデベノン、CB−1093、NS521(1−(1−ブチル)−4−(2−オキソ−1−ベンズイミダゾロン)ピペリジン)、SS−701およびKT−711(全て以下で示される)、ONO−2506、ならびにクレノブテロール。本発明の最も好ましいニューロトロフィン分子は、AIT−082(ネオトロフィン)。これらの前述の分子は、市販であり得るか、または当業者に公知の方法によって合成され得る。
【0011】
本発明の方法は、手術に起因する角膜神経の損傷から生じる状態の処置のために、ニューロンの再生または軸索の成長を促進する1種以上の化合物(例えば、神経栄養因子刺激因子)を、ヒト患者に投与する工程を包含する。
【0012】
本発明の方法は、特に、ドライアイおよび角膜神経損傷から生じる他の状態(例えば、角膜感度の減少)の処置のための、ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物の使用に関する。
【0013】
本発明のニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物は、当業者に公知の処方技術に従って、種々のタイプの薬学的組成物中に含まれ得る。一般に、ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物は、局所的眼投与または眼内投与のための溶液もしくは懸濁液、または全身投与(例えば、経口または静脈内)のための錠剤、カプセル剤もしくは溶液として処方される。好ましくは、本発明の化合物は、局所的眼投与のための溶液または懸濁液として処方される。
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
LASIKおよび他の視力矯正手術により、矯正レンズを装着している人はこの矯正レンズの使用をやめることが可能となった。これは、多くの理由で有利である。いくつかの専門職(例えば、芸術、科学および建築の職業)の人にとって、矯正レンズは、彼らが働かなければならない場所にあるほこり、塗料および化学物質に起因して、不快なものである。しかし、患者はしばしば、LASIK手術の後に、角膜感度の減少および軽度〜中程度のドライアイを経験する。ほとんどの患者において、これは、数日間しか続かない急性の問題である。しかし、かなりの数の患者において、この問題は、数ヶ月以上持続し得る(Yu 2000)。この問題は、手術の間の角膜神経の損傷の結果である可能性が最も高い(Wilson 2001;Ambrosio & Wilson 2001)。本発明者らは、手術後の損傷した角膜神経を、軸索の成長を促進するか、または切断または損傷した神経の再生を刺激する化合物で処置することにより、ドライアイの持続時間が短縮され得るか、またはドライアイの発症率が減少され得ることを発見した。このような処置はまた、LASIKまたは角膜神経が損傷する他の手術により生じる角膜感度の減少を軽減し得る。
【0015】
本発明は、ドライアイおよび角膜手術により引き起こされる角膜感度の減少を処置するために、切断された神経の再生および/または軸索の成長を促進する化合物を使用することに関する。切断されたニューロンの再生を促進するか、または軸索の成長を促進する化合物は、神経栄養因子の産生を刺激することによって、または神経栄養因子の活性を増加することによって、このようなニューロンの再生または軸索の成長を促進する。本発明で使用される化合物はまた、損傷した神経に対する直接的な作用により、切断された神経の再生および/または軸索の成長を促進し得る。
【0016】
いくつかの神経栄養因子刺激因子が、科学文献において報告されている(例えば、AIT(GraulおよびCastaner 1997)、イデベノン(Nabeshimaら 1994)、ONO−2506(Matsuiら 1998)、NS521(Gronborgら 1998)、CB−1093(Aimoneら 1998)、およびクレンブテロール(Culmseeら 1998))。しかし、Lasik手術または他の手術後のドライアイまたは他の医原性損傷を処置するために、神経栄養因子刺激因子を使用することは、先行技術において開示も示唆もされていない。
【0017】
ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物の局所眼用処方物は、投与の容易性から好ましい。局所眼用処方物は、溶液状態または懸濁物状態であり得る。一般的に、局所処方物は、活性なニューロトロフィン因子刺激因子および不活性な賦形剤を含む。
【0018】
本発明の組成物は、角膜神経の損傷(例えば、LASIK手術または他の手術)後に眼内投与され得る。眼内投与に有用な組成物は、一般的に、眼内注入組成物または手術潅漑溶液である。眼内注入組成物は、一般的に、水溶液(例えば、以下で議論される平衡塩潅漑溶液)で構成される。
【0019】
ニューロン再生促進化合物または軸索成長促進化合物が、手術手順後に投与される場合(例えば、眼球注入または眼周囲注入および眼内潅漑または注入を通して)、ビヒクルとして平衡塩潅漑溶液を使用することが、最も好ましい。BSS(登録商標)滅菌潅漑溶液およびBSS Plus(登録商標)滅菌眼内潅漑溶液(Alcon Laboratories,Inc.,Fort Worth,Texas,USA)が、生理学的に平衡化された眼内灌流溶液の例である。後者型の溶液は、その内容全体が本明細書中で参考として援用される米国特許第4,550,022号に記載されている。球後注入および眼周囲注射は、当業者に公知であり、そして、例えば、Ophthalmic Surgery:Principles of Practice(1990)を含む多くの刊行物に記載されている。好ましい投与経路は、眼内局所適用である。従って、薬学的有効量の上記化合物またはそれらの活性アナログを含む溶液または懸濁物は、当業者に公知の方法によって、局所眼内投与のために処方される。
【0020】
一般的に、上記の目的で用いられる用量は変化するが、ドライアイまたは手術に対する角膜感度の減少を予防、減少、または改善するのに有効な量である。本明細書中で使用する場合、「薬学的有効量」は、ドライアイまたは手術に対する角膜感度の減少を予防、減少、または改善する神経栄養因子刺激因子の量をいう。神経栄養因子刺激因子は、一般的に、本明細書中で意図される局所処方物または薬学的に受容可能なキャリア中に、約0.001〜約10.0%重量/容量(%w/v)の量で含まれる。好ましい濃度は、約0.1〜約5.0%w/vの範囲である。局所処方物は、一般的に、実施者の裁量で、1〜6回/日、眼に送達される。全身投与組成物は、一般的に、約1〜1000mgのニュートロフィン因子刺激因子を含み、そして実施者の裁量で、1〜4回/日摂取され得る。
【0021】
本明細書中で使用する場合、用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、安全であり、所望の投与経路での有効量の少なくとも1つの神経栄養因子刺激因子の適切な送達を提供する任意の処方物をいう。
【0022】
本発明の組成物は、さらなる薬学的に活性な薬剤を含み得るかまたは、他の薬学的組成物と同時に投与され得る。特に、手術中の角膜神経の損傷から引き起こされる状態の予防、処置、または改善のために哺乳動物を処置する場合、本発明の組成物は、さらなる活性剤を含み得るかまたは他の薬剤または組成物と同時または連続して投与され得る。薬剤の例としては、人工涙液、人工湿潤溶液、または当業者に公知の他の適切な薬剤が挙げられる。
【0023】
以下の実施例は、眼内組織細胞侵襲に対する神経栄養因子刺激因子(プロペントフィリン)の保護効果を実証する。
【実施例】
【0024】
(実施例1)
この化合物は、全身投与され得るかまたは眼に局部的に(例えば、局所的に、眼房内に(intracamerally)、または移植片を通じて)投与され得る。好ましくは、この化合物を、眼への送達のために、局所眼内処方物に組み込む。水性の滅菌眼用懸濁物または溶液を形成するために、この化合物を、眼科学的に受容可能な防腐剤、界面活性剤、粘度増強剤、浸透性増強剤、緩衝液、塩化ナトリウム、および水と組み合わせ得る。生理学的に受容可能な等張性水性緩衝液中に化合物を溶解することにより、眼用溶液処方物を調製し得る。さらに、この眼用溶液は、この化合物の溶解を補助するために、眼科学的に受容可能な界面活性剤を含み得る。さらに、この眼用溶液は、結膜嚢でのこの処方物の保持を改善するために、粘性を増加する薬剤(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)を含み得る。ゲル化剤(ゲランおよびキサンタンガムが挙げられるがこれらに限定されない)もまた、使用され得る。滅菌眼用軟膏処方物を調製するために、活性成分を、適切なビヒクル(例えば、鉱油、液体ラノリン、または白色ワセリン)中で防腐剤と組み合わせる。活性成分を、例えば、類似の眼用調製物について公開された処方に従い、カルボポール(carbopol)−940などの組み合わせから調製される親水性基剤に懸濁することによって、滅菌眼用ゲル処方物を調製し得る。防腐剤および等張剤を組み込み得る。
【0025】
好ましくは、この化合物を、pH約5〜8の、局所眼用懸濁物または溶液として処方物する。この化合物は、通常、これらの処方物中に、0.001重量%から5重量%の量で含まれるが、好ましくは、0.05重量%〜2重量%の量である。従って、局所的な適用のために、これらの処方物1〜2滴を、当業者の慣用的な裁量に従って、1〜4回/日、眼の表面に送達する。
【0026】
本開示に照らすと、本明細書中で開示され、そして特許請求の範囲に記載される全ての組成物および/または方法は、過度の実験を行うことなく調製および実施され得る。本発明の組成物および方法は、好ましい実施形態の観点で記載されているが、本発明の概念、意図、および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される組成物および/または方法ならびに方法の工程および工程の順番に、変更が適用され得ることが、当業者に明らかである。より詳細には、科学的にも構造的にも関連する特定の薬剤が、本明細書中に記載される薬剤と置換され、同様の結果が達成され得ることが明らかである。当業者に明らかな全てのこのような置換および改変は、添付の特許請求の範囲により規定される、本発明の意図、範囲、および概念の範囲内であるとみなされる。
【0027】
(参考文献)
以下の参考文献は、それらが、本明細書中の記載を補助する例示の手順または他の詳細を提供する程度に、本明細書中で詳細に参考として援用される。
【0028】
(米国特許)
第4,550,022号
(書籍)
Ophthalmic Surgery:Principles of Practice,G.L.Spaeth編,W.B.Sanders Co.,Philadelphia,PA,U.S.A.,85〜87頁(1990)
(他の刊行物)
【0029】
【表1】
Claims (18)
- 角膜神経の損傷から生じるドライアイの処置方法であって、その必要のある患者に、ニューロン再生または軸索成長を促進する少なくとも1つの化合物を含む、治療有効量の組成物を投与する工程を包含する、方法。
- 前記角膜神経の損傷が、手術により生じる、請求項1に記載の方法。
- 前記手術が、LASIK手術である、請求項2に記載の方法。
- 前記化合物が、プロペントフィリン、AIT−082(ネオトロフィン)、イデベノン、ONO−2506、CB−1093、NS521(1−(1−ブチル)−4−(2−オキソ−1−ベンズイミダゾン)ピペリジン、エリプロジル、SR57746A(塩酸キサリプロデン)、またはそれらの薬学的に受容可能なアナログからなる群より選択され得る、請求項1に記載の方法。
- 前記化合物が、AIT−082である、請求項4に記載の方法。
- 前記化合物が、エリプロジルである、請求項4に記載の方法。
- 角膜神経の損傷から生じる角膜感受性の減少の処置方法であって、その必要のある患者に、ニューロン再生または軸索成長を促進する化合物を含む、治療有効量の少なくとも1つの組成物を投与する工程を包含する、方法。
- 前記角膜神経の損傷が、手術により生じる、請求項7に記載の方法。
- 前記手術が、LASIK手術である、請求項8に記載の方法。
- 前記化合物が、プロペントフィリン、AIT−082(ネオトロフィン)、イデベノン、ONO−2506、CB−1093、NS521(1−(1−ブチル)−4−(2−オキソ−1−ベンズイミダゾン)ピペリジン、エリプロジル、SR57746A(塩酸キサリプロデン)、またはそれらの薬学的に受容可能なアナログからなる群より選択され得る、請求項7に記載の方法。
- 前記化合物が、AIT−082である、請求項10に記載の方法。
- 前記化合物が、エリプロジルである、請求項10に記載の方法。
- 角膜神経の損傷の処置方法であって、その必要のある患者に、ニューロン再生または軸索成長を促進する化合物を含む、治療有効量の組成物を投与する工程を包含する、方法。
- 前記角膜神経の損傷が、手術により生じる、請求項13に記載の方法。
- 前記手術が、LASIK手術である、請求項14に記載の方法。
- 前記化合物が、プロペントフィリン、AIT−082(ネオトロフィン)、イデベノン、ONO−2506、CB−1093、NS521(1−(1−ブチル)−4−(2−オキソ−1−ベンズイミダゾン)ピペリジン、エリプロジル、SR57746A(塩酸キサリプロデン)、またはそれらの薬学的に受容可能なアナログからなる群より選択され得る、請求項13に記載の方法。
- 前記化合物が、AIT−082である、請求項16に記載の方法。
- 前記化合物が、エリプロジルである、請求項16に記載の方法。
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