JP2005501128A - ガンの治療における抗腫瘍剤の増強物質 - Google Patents

ガンの治療における抗腫瘍剤の増強物質 Download PDF

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Abstract

本発明は抗ガン剤の治療効果を増強せしめる増強用組成物に関連し、前記組成物は、テルペン又はその誘導体を医薬的に許容できる担体との組み合わせにおいて含んで成る。

Description

【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、テルペン及びその誘導体の、ガンの治療における抗腫瘍剤の増強剤としての使用に関連する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の説明
抗ガン剤によって誘導される毒性はガン治療中の主要な問題である。無毒性の増強物質又は共力効果化合物を抗ガン剤との組み合わせにおいて使用することは、それらの効果を非常に高め、しかも前記特性を回避することになりうる。現在まで、大部分の臨床的ガン治療のプロトコルは共力的に作用する複数の抗ガン剤の組み合わせを用いてきた。その例としては、メトトレキセート、ビンブラスチン、ドキソルビシン及びシスプラチンなど4つの薬物からなるMVACプロトコルである。しかし、通常はこれらの化合物の各カクテル並びに組み合わせは毒性がある。
【0003】
テルペンは自然界、多くは植物界に幅広く分布する天然の化合物の種類である。この種類の化合物は、病原体及び草食動物に対する化学的防御において重要な働きをしうる(Cates、R.G. Recent Advance in Phytochemistry.1996 vol.30:pp.179〜188)。あるテルペンは多くの生物学的及び薬学的活性をも有し、それはヒトの疾患を治療するのに有用である。例えば、モノテルペン及びセスキテルペンのような揮発性テルペンは、抗細菌、抗真菌、抗痙攣活性、鎮静及び鎮痛などいくつかの医薬作用を有することが知られている(G.Buchbauer、L.Jirovetz. Flavours and Fragrance Journal1994 vol.9:pp.217〜222;R.Teranishら、American Chemical Society.1993, vol.525;J.Bruneton、TecとDoc著 Pharmacognosie、第3版. Paris、1999)。更に、あるジテルペンは抗腫瘍、抗高血圧、抗炎症及び鎮痛作用を有する(J.Bruneton、TecとDoc著 Pharmacognosie、第3版. Paris、1999;J.L.Hanson Natural Products Repotrs 1998、vol.15:93〜106)。トリテルペンは以下の作用を有することが知られている。それは;抗ウィルス、抗細菌、抗腫瘍、抗炎症、軟体動物駆除、鎮痛、コレステロール低下及び殺虫剤作用である(J.Bruneton、TecとDoc著 Pharmacognosie、第3版. Paris、1999;J.L.Hanson Natural Products Repotrs 1998、vol.15:93〜106;S.B.MahatoらPhytochemistry1992、vol.31:2199〜2249;S.B.Mahato、S.Sen. Phytochemistry1997、vol.44:1185〜1236)。刊行物は、リモネン及びペリリルアルコールなどのモノテルペンが、抗エストロゲン及びレチノイドと共力的に作用することを報じている(Lackey、R.B.らMedical Hypothesis 2000、vol.54:832〜6)。しかしそれらのものは、単独で用いられた場合に作用し、そして細胞傷害性でもある。更に、Panax及びGlycyrrhizaから単離されたあるトリテルペン(Hasegawa.Hら、Planta Med. 1995、vol.61:409〜413)並びにヤブジラミ(Torillis Japonica)から単離されたセスキテルペン(Kim SEら、Planta Med. 1998、vol.64:332〜334)がガン細胞の多剤耐性を逆転させそしていくつかの抗ガン剤の細胞傷害性を増強せしめることが知られている。しかしこれらのテルペンは、感受性細胞系統においては抗ガン剤の細胞傷害性を増強しない。更に、Benetらは、様々な精油が、経口的に投与された疎水性医薬的化合物の生物学的利用能を、シトクロームP450を阻害すること及び/又はP−糖タンパク質薬物輸送を低下せしめることによって、高めることを示した(米国特許第5,916,566号)。
【0004】
テルペン及びテルペン誘導体が抗腫瘍剤の毒性の無い増強物質として用いられるよう提供されることは、非常に望ましいことであるだろう。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は、テルペン及びその誘導体の、抗腫瘍剤の増強剤としての使用に関連する。本発明は、免疫療法及び遺伝子治療及び他の全てのガン治療のためにも用いることができうる。
【0006】
テルペンは、ガンを予防もしくは治療するために、医薬組成物、食料品又は栄養補助食品としてヒトもしくは他の動物における抗腫瘍剤と共に投与されて良い。
【0007】
本発明の好適な実施態様によれば、抗腫瘍剤の治療効果を増強せしめるための増強用組成物が提供されている。前記組成物は、テルペン又はその誘導体を医薬的に許容できる担体と共に含んで成る。
【0008】
本発明の好適な実施態様によれば、前記テルペンは、モノテルペン、ジテルペン、セクイテルペン(sequiterpene)及びトリテルペンからなる群から選択されている。
【0009】
本発明の好適な実施態様によれば、前記テルペンは、β−カリオフィレンである。
【0010】
本発明の好適な実施態様によれば、前記組成物は更に抗腫瘍剤を含んで成る。
【0011】
本発明の好適な実施態様によれば、前記抗腫瘍剤の組成物は、アルキル化剤、抗代謝剤、抗有糸分裂剤、抗生物質、免疫療法及びホルモンからなる群から選択された種類に由来する。
【0012】
本発明の好適な実施態様によれば、前記アルキル化剤の組成物は、メルファラン、シクロフォスファミド、ロムスチン、カルムスチン及びシスプラチンからなる群から選択されている。
【0013】
本発明の好適な実施態様によれば、前記抗代謝剤の組成物は、5−フルオロウラシル、シタラビン及びメトトレキサートからなる群から選択されている。
【0014】
本発明の好適な実施態様によれば、前記抗有糸分裂剤の組成物は、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン及びビンデシンからなる群から選択されている。
【0015】
本発明の好適な実施態様によれば、前記抗生物質の組成物は、ドキソルビシン、アクラルビシン、ダウノルビシン及びマイトマイシンCからなる群から選択されている。
【0016】
本発明の好適な実施態様によれば、前記免疫療法の組成物は、ワクチン、サイトカイン及びインターロイキンからなる群から選択されている。
【0017】
本発明の好適な実施態様によれば、前記ホルモンの組成物は、ステロイドホルモン及びグルココルチコイドホルモンからなる群から選択されている。
【0018】
本発明の好適な実施態様によれば、好適な抗腫瘍剤の組成物はパクリタキセルである。
【0019】
本発明の好適な実施態様によれば、患者における抗腫瘍剤の治療効果を増強せしめるための方法は、前記患者に対して、治療上有効な量の本発明の増強用組成物を抗腫瘍剤との組み合わせにおいて投与する段階を含んで成る。
【0020】
本発明の好適な実施態様によれば、前記組成物を投与する方法は、前記抗腫瘍剤投与と同時に、一緒に、分けて、続けて及び直前もしくは直後に投与する方法である。
【0021】
本発明の好適な実施態様によれば、患者における抗腫瘍剤の効果を増強せしめるための方法は、当該患者に対して治療上有効な量の本発明の組成物を投与する段階を含んで成る。
【0022】
本発明の好適な実施態様によれば、前記投与方法は、静脈内、経口的、腹腔内、局所的、皮下的、経皮的、筋内、鼻腔内、エアロゾル、直腸的及び舌下的に行われている。
【0023】
本発明の目的のために、次の用語を以下に規定する。
【0024】
用語「テルペン」とは、モノテルペン、ジテルペン、セスキテルペン、トリテルペン及び全ての類縁誘導体並びにこれら化合物の混合物を意味するがそれらに限定はされない。
【0025】
用語「増強物質」とは、同時に、一緒にもしくは分けて、続けて、連続してそして直前もしくは直後に投与された1つ以上の他の化合物(抗腫瘍剤)の治療効率を高めるかあるいは効果を増強せしめることによって、共同作用を、分かれた個々の作用の合計よりも高くせしめる化合物を意味する。
【0026】
用語「抗腫瘍剤」とは、ガンの治療もしくは予防又は腫瘍サイズの縮小、もしくは腫瘍増殖の減少における使用を目的とする、任意の物質(任意の抗腫瘍剤をも含む)として規定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
発明の詳細な説明
本発明によれば、ガンを治療するための抗腫瘍剤の増強物質として使用するのに適切なテルペン及びテルペン誘導体が提供されている。
【0028】
本発明により、テルペン増強物質のスクリーニングは、いくつかのパラメーターを評価することによって行われている。そのパラメーターとは:i)細胞傷害性(最大耐量);及びiii)細胞内グルタチオン含量に対する効果;及びiv)抗腫瘍剤との共同における共力作用である。簡潔に、テルペンによって誘導される細胞傷害性もしくは細胞増殖阻害作用を様々な細胞系統上で、最大耐量(MTD)もしくは無毒量を決定するために評価した。MDTとは、細胞増殖阻害作用を誘導しないより高い濃度である。例えば、β−カリオフィレンに関するMTDは、約800μM超である。細胞の増殖は、レソルフィン(登録商標)中のレサズリン(登録商標)が代謝変換されることよって誘導された蛍光(生細胞に比例する)よって測定されている(材料と方法を参照のこと)。表1に示すように、β−カリオレフィンは、in vitroでは試験した正常な細胞系統及びガン細胞系統に対して細胞傷害性を誘導しない。更に、β−カリオレフィンはマウスにおいて500mg/kg超では毒性ではない。本明細書中では、β−カルボフィリンはパクリタキセルなどの抗腫瘍剤との組み合わせにおいて使用された場合、ガンの治療に対する共力作用を有することが示されている。β−カリオレフィンなどテルペンの共力作用を評価するために、ガン細胞は、テルペン(β−カリオフィレン)有無での増加濃度の抗腫瘍剤(パクリタキセル)で処理されている。
【0029】
共力作用の評価は実施例Iの材料と方法に記載されている。
【表1】
Figure 2005501128
【0030】
本明細書中で示された結果により、β−カリオフィレンは、ヒト胸部腺ガンMCF−7細胞系統の約40%において、パクリタキセルによって誘導される細胞増殖阻害作用を増加せしめる。
【0031】
本発明は、本発明の範囲を限定することなく説明するために与えられている以下の実施例を参照することによって更に容易に理解されるだろう。
【0032】
実施例I
MCF−7細胞系統のヒト胸部腺ガンに対する、共力作用物質として、パクリタキセル(タクソール(登録商標))との組み合わせにおけるβ−カリオフィレン
材料と方法
細胞の培養
ヒト細胞系統の、胸部ガン腺ガンMCF−7、前立腺ガンPC−3、肺ガンA−459及び結腸腺ガンDLD−1をマウス細胞系統L−929(繊維芽細胞)と一緒にEuropean Collection of Cell Culture(ECACC、Salisbury、United Kingdom)から入手した。正常なヒト繊維芽細胞をBiopredic International(Rennes France)から購入した。M4BEUヒト黒色腫細胞系統はDr.JF Dore(Instirute National de la Sante et de la Recherche Medicale−INSERM、Unit218、Lyon France)の好意によって供給していただいた。全ての細胞系統を、Earleの塩(Gibco−BRL、Paisley、Scotland)を伴う、10%ウシ胎児血清(Sigma−Aldrich)、1×ビタミン溶液(Gibco−BRL)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco−BRL)、1×非必須アミノ酸(Gibco−BRL)、及び2mgの塩基性ゲンタマイシン(Gibco−BRL)補った最小必須培地で増殖せしめた。細胞を湿気を帯びた雰囲気下37℃、5%CO中で培養した。
【0033】
in vitroでの最大耐量の評価
in vitroでの最大耐量(MTD)の測定値を、細胞増殖阻害作用を誘導しないより高い濃度として定義している。細胞を96ウェルミクロプレート(Nunclon(登録商標)、Nunc)において、100μlの培養培地中5×10細胞/ウェルの密度で播き、そして処理する前に16時間に渡り接着せしめた。β−カリオフィレンを含有する培養培地100μlを加えて37℃で48時間に渡りインキュベートした。全ての化合物をエタノール中に溶かし、そして培養は倍地中のエタノールの最終濃度を0.25%(v/v)に維持した。β−カリオフィレンの腫瘍細胞の増殖に対する効果を、以下に記載のレサズリン還元試験を用いて評価した。
【0034】
レサズリン還元試験
レサズリン還元試験(RRT)をO’Breinらにより記載されたプロトコルに従って行った。簡潔に、プレートを200μlのPBS(37℃、Gibco)で37℃にて自動ミクロプレート洗浄器(Cell Wash(登録商標)、Labsystem、Helsinki、Finland)を用いてリンスし、そして吸着タオル上でひっくり返すことによって空にした。次いで、フェノールレッドを伴わないMEM中25μg/mlのレサズリン溶液150μlを自動ミクロ体積ディスペンサー(Multidrop 384(登録商標)Labsystem)を用いて各ウェルに添加した。プレートを37℃で1時間、5%CO2を伴う湿った雰囲気下にて、生きている細胞による蛍光展開のためにインキュベートした。次いで、蛍光を自動化96ウェルプレートリーダーFluoroskan Ascent FL(登録商標)(Labsystem)上で、530nmの励起波長及び590nmの放射波長を用いることで測定した。蛍光は、ウェル中の生きている細胞の数に比例してる。
【0035】
in vivoでの最大耐量の評価
in vivoでの最大耐量を患者(マウス又はヒト)に対して毒性ではないより高い濃度として規定している。
【0036】
in vivoでの最大耐量を決定するために、増加量のβ−カリオフィレンをB6D2F1 6週齢のオスのマウスに対して投与した。最小6匹のマウスを群ごとに試験した。毒性に関する主要な基準とは:i)体重低下;ii)毛並みの逆立ち;iii)背中の湾曲;iv)うつろな目つき;v)歩行不安定;vi)下痢;vii)痙攣又は身震い;及びviii)死亡であった。
【0037】
カルセイン−AMを用いての、膜輸送変化の分析
膜輸送の変化を、細胞の内部に蓄積するカルセイン蛍光色素を用いて評価した。簡潔に、L−929細胞を100μlの培養培地中1×10細胞/ウェルの密度で96ミクロウェルプレート(Nunclon(登録商標)、Nunc)において播き、そして37℃で一晩に渡りインキュンベートした。細胞を1×PBSで洗い、そしてフェノールレッドを伴いわない16μMのカルセイン−AMを含むMEM100μlで1時間に渡り、β−カリオフィレンの存在下又は不在下でインキュベートした。蛍光を自動化96ウェルプレートリーダーFluoroskan Ascent FL(登録商標)(Labsystem)により、485nmの励起波長及び530nmの放射波長を用いることで測定した。
【0038】
抗腫瘍剤との組み合わせにおけるテルペンの共力作用の評価
抗腫瘍剤との組み合わせにおけるテルペンの、共力物質としての効果。簡潔に、細胞を96ミクロウェルプレート(Nunclon(登録商標)、Nunc)において、100μlの培養培地中5×10細胞/ウェルの密度で播き、そして処理する前に16時間に渡り接着せしめた。次いで、増加濃度のパクリタキセルを含有する、12.5μMもしくは200μMのβ−カリオフィレンを伴うもしくは伴わない培養培地100μlを加えて37℃で48時間に渡りインキュベートした。化合物をエタノールもしくはDMSO中に溶かし、そして培養倍地中のエタノールもしくはDMSOの最終濃度を0.25%(v/v)に維持した。腫瘍細胞の増殖を先に記載のレサズリン還元試験を用いて評価した。β−カリオフィレンの共力作用を、パクリタキセルを単独で使用することによって誘導された細胞増殖阻害作用の%と、パクリタキセルとβ−カリオフィレンとの組み合わせによって誘導された細胞増殖阻害作用の%とを比較することによって特定した。
【0039】
結果と考察
in vitro及びin vivoでのβ−カリオフィレン毒性
β−カリオフィレンのin vitro毒性を5つの細胞系統から評価した。その系統とは;ヒト腺ガンMCF−7;ヒト前立腺ガンPC−3;ヒト肺ガンA−549及びヒト結腸腺ガンDLD−1並びにヒト及びマウスに由来する繊維芽細胞である。
【0040】
細胞の生存率を、増加量(6.25〜800μM)のβ−カリオフィレンを与えた後に評価した。β−カリオフィレンは800μM未満の量ではin vitroで無毒性であることを表1に示している。
【0041】
in vivo毒性をB6D2F1マウスで評価した。マウスに対して腹腔内に250〜7500mg/kgを投与した。得られた結果により、β−カリオフィレンは、マウス中500mg/kg超では毒性ではないことが裏付けられた。National Cancer Instituteによって行われた研究により、既に、β−カリオフィレンは変異原性では無いことが証明されている。
【0042】
β−カリオフィレンとパクリタキセルのin vitro共力作用
図1に示す結果で、β−カリオフィレンとパクリタキセルとの組み合わせは、MCF−7細胞を殺すのにパクリタキセル単独よりも一層有効であることを示す。類似する結果が結腸腺ガン細胞(DLD−1)(図2)及びマウス繊維芽細胞(L−929)(図3)に関して得られた。
【0043】
図4に示す結果で、β−カリオフィレン−パクリタキセルの組み合わせは、β−カリオフィレン単独の場合に比較して増強されている効果を有さないことを示している。このことは、共力作用がガン細胞の方に向けられていることを示している。
【0044】
本発明はその特定の実施態様に関連して記載されているが、更なる変更を加えることができ、そしてこの用途は様々な変更、使用、又は以下のような本発明の適合を網羅する目的があることが理解されるであるだろう。その適合とは、一般に、本発明の原理並びに本発明に加わる当業者に公知もしくは慣例の方法から来るような本発明の開示及び本明細書中に開示されている本質的な特徴、及び添付の請求項の従属するように出発するのものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】β−カリオフィレンとパクリタキセルのヒト胸部腺ガンMCF−7細胞系統における共力作用を示している。
【図2】β−カリオフィレンとパクリタキセルのヒト胸部腺ガンDLD−1細胞系統における共力作用を示している。
【図3】β−カリオフィレンとパクリタキセルのヒト胸部腺ガンL−929マウス細胞系統における共力作用を示している。
【図4】β−カリオフィレンとパクリタキセルのヒト繊維芽細胞における共力作用を示している。

Claims (16)

  1. テルペン又はその誘導体を医薬的に許容できる担体と共に含んで成る、抗腫瘍剤の治療効果を増強せしめるための増強用組成物。
  2. 前記テルペンが、モノテルペン、ジテルペン、セクイテルペン(sequiterpene)及びトリテルペンからなる群から選択されている、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記テルペンがβ−カリオフィレンである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記抗腫瘍剤を更に含んで成る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記抗腫瘍剤が、アルキル化剤、抗代謝剤、抗有糸分裂剤、抗生物質、免疫療法及びホルモンからなる群から選択されている種類に由来する、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記アルキル化剤が、メルファラン、シクロフォスファミド、ロムスチン、カルムスチン及びシスプラチンからなる群から選択されている、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記抗代謝剤が、5−フルオロウラシル、シタラビン及びメトトレキサートからなる群から選択されている、請求項5に記載の組成物。
  8. 前記抗有糸分裂剤が、パクリタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン及びビンデシンからなる群から選択されている、請求項5に記載の組成物。
  9. 前記抗生物質が、ドキソルビシン、アクラルビシン、ダウノルビシン及びマイトマイシンCからなる群から選択されている、請求項5に記載の組成物。
  10. 前記免疫療法が、ワクチン、サイトカイン及びインターロイキンからなる群から選択されている、請求項5に記載の組成物。
  11. 前記ホルモンが、ステロイドホルモン及びグルココルチコイドホルモンからなる群から選択されている、請求項5に記載の組成物。
  12. 前記抗腫瘍剤がパクリタキセルである、請求項1に記載の組成物。
  13. 患者における抗腫瘍剤の治療効果を増強せしめるための方法であって、治療上有効な量の請求項1〜3のいずれか1項に記載の前記増強用組成物を前記抗腫瘍剤との組み合わせにおいて、前記患者に対して投与する段階を含んで成る方法。
  14. 前記組成物の投与が、前記抗腫瘍剤投与と、同時、一緒にもしくは分けて、続けてそして直前もしくは直後である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記患者に対し治療上有効な量の請求項4〜12のいずれか1項に記載の組成物を投与する段階を含んで成る、患者における抗腫瘍剤の効果を増強せしめるための方法。
  16. 前記投与が、静脈内、経口的、腹腔内、局所的、皮下的、経皮的、筋内、鼻腔内、エアロゾル、直腸的及び舌下的に行われている請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
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