JP2005500512A - アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンも含有している溶液中のグルコースの検出 - Google Patents

アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンも含有している溶液中のグルコースの検出 Download PDF

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Abstract

アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンも含んでいることができる試料中のグルコースの存在または濃度を決定するための組成物および方法。この方法は、少なくとも2つのグルコース認識要素を有する化合物であって、そのグルコース認識要素が、上記の化合物とグルコースとの相互作用がその化合物とアルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンとの相互作用よりも安定になるように配向されているそのような化合物を、アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンの存在が該決定を実質的に妨害しないように使用するものである。

Description

【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2001年1月5日に出願された米国特許出願第09/754,217号の一部継続出願であり、かつ2001年10月18日に出願された米国特許出願第60/329,746号および2001年2月21日に出願された米国特許出願第60/269,887号の利益を主張するものである。
【0002】
連邦承認の研究または開発に関する陳述
該当しない。
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、α−ヒドロキシ酸またはβ−ジケトンのような潜在妨害性の化合物も含んでいることがある試料中のグルコースの検出に関する。
2.関連技術の説明
グルコースを含めて炭水化物のフェニルボロン酸による錯化はずっと以前から知られており、その相互作用の可逆性は糖類のクロマトグラフ分離の基礎として役立ってきた。具体的にいうと、1959年にLorandおよびEdwardsはフェニルボロン酸と多数の飽和ポリオールとの水系会合の会合定数を報告した;結合相互作用は非常に弱(例えば、エチレングリコールのKd=360mM)から適度に強(例えば、グルコースのKd=9.1mM)までの範囲に及んだ。J. Yoon等のBioorganic and Medicinal Chemistry、1(4):267−71(1993)を参照されたい。結合機構は、ボロネート部分(boronate moiety)上のヒドロキシル基に対するグルコース上の隣接ヒドロキシル基の結合によって起こると考えられる。
【0003】
米国特許第5,503,770号明細書(James等)は、グルコースを含めて糖類に結合すると高強度の蛍光を発する蛍光性ボロン酸含有化合物について記載している。この蛍光性化合物は、発蛍光団(fluorophore)を含む分子構造、少なくとも1つのフェニルボロン酸部分、および窒素原子がフェニルボロン酸と分子内相互作用するように上記フェニルボロン酸部分の付近に配置されている少なくとも1個のアミン提供窒素原子を有する。このような相互作用は、それによってその化合物をして糖結合形成時に蛍光を発せしめる。T. James等のJ. Am. Chem. Soc.、117(35):8982−87(1995)も参照されたい。
【0004】
さらに、血中グルコースを検出するためにアントリルボロン酸含有化合物を使用する蛍光センサーがこの技術分野で知られている。例えば、J. Yoon等のJ. Am. Chem. Soc.、114:5874−5875(1992)は、アントリルボロン酸がグルコースおよびフルクトースの結合を含めて炭水化物結合の形成信号を発するための蛍光化学的センサーとして使用できることを述べている。
【0005】
残念ながら、グルコースと上記の様式で相互作用する化合物にはヒドロキシル基を有する他の化合物と相互作用する傾向があり、かくして、特に妨害量のラクテート、アセトアセテート等を含んでいることがある生理的試料を検定するときにグルコース検定の特異性を低下させる。例えば、糖尿病患者の中には、血中ラクテートレベルが5ミリモル/リットル超である乳酸アシドーシスになるものもいる。従って、ラクテートのような潜在妨害性のヒドロキシル化合物に対して比較的に不感受性であるグルコース検定の大きな必要が残されている。
【0006】
発明の簡潔な要約
1つの面において、本発明は、アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンも含んでいることがある試料中のグルコースの存在または濃度を検出する方法であって:
a)少なくとも2つのグルコース認識要素を有する化合物に試料を曝露する工程にして、そのグルコース認識要素が、上記化合物とグルコースとの相互作用がその化合物とα−ヒドロキシ酸またはβ−ジケトンとの相互作用よりも安定になるように配向されており、ここで該化合物は、この化合物が該試料中のグルコースに曝露されると濃度依存性様式で変化する検出可能な特質を有する検出可能部分も含んでいるそのような工程;および
b)該検出可能特質のいかなる変化も測定し、それによって該試料中のグルコースの存在または濃度を決定する工程にして、この場合α−ヒドロキシ酸またはβ−ジケトンの存在は該決定を実質的に妨害しないそのような工程
を含む上記の方法に関する。
【0007】
もう1つの面において、本発明は、次の構造:
【0008】
【化1】
Figure 2005500512
【0009】
を有する化合物であるが、但しこのインジケーター化合物はそれに関連付けられる少なくとも1個の検出可能部分を、直接的にか、または固体支持体または高分子マトリックスの一部としてのいずれかで含んでいるそのような化合物に関する:但し、上記の式において:
―R1およびR2は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)場合によって検出可能部分を含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
―R3は水素、または場合によって検出可能部分を含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
―R4およびR5は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
―各Zは独立に炭素または窒素であり;
―R6およびR7は同一または異なるものであって、i)ゼロ〜10個の隣接するまたは分枝した炭素および/またはヘテロ原子を有する結合基、またはii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
―Rは、次の:i)炭素、酸素、窒素、硫黄およびリンより成る群から選ばれる1〜10個の隣接する原子を含んでいる脂肪族および/または芳香族スペーサー、ii)検出可能部分、またはiii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
―各R8は同一または異なるものであって、保護されていないときにグルコース中に存在するビシナルジオール基と相互作用することが可能である、場合によって保護されている部分であり;そして
―R9およびR10は同一または異なるものであって、i)水素、ii)検出可能部分、iii)a)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であるか、および/またはb)前記化合物の物理的性質を変えることができる官能基を含む基である。
【0010】
もう1つの面において、本発明は上記化合物を含む検出系に関する。
発明の詳細な記述
1つの面において、本発明はα−ヒドロキシ酸またはβ−ジケトンのような妨害性化合物も含んでいることがある試料中のグルコースの存在または濃度を検出する方法を提供する。このような潜在妨害性の化合物に、ラクテート、アセトアセテート、β−ヒドロキシ酪酸等々がある。
【0011】
本発明は、試料中のグルコースを認識することはできるが、その試料中の妨害性化合物を認識する可能性は少ないインジケーター化合物を用いて行われる。インジケーター化合物は、そのインジケーター化合物とグルコースとの相互作用がそのインジケーター化合物と妨害性化合物との相互作用よりも安定になるように配向されている少なくとも2つのグルコース認識要素を有する。
【0012】
適した認識要素は、グルコースと、特にグルコース中に存在するジオール基と好ましくは可逆的な相互作用をすることが可能な部分を含む。幾つかのこのような認識要素は公知であり、それには、好ましくは、ボロン酸、ボロン酸イオン、亜ヒ酸、亜ヒ酸イオン、テルル酸、テルル酸イオン、ゲルマニウム酸、ゲルマニウム酸イオン等々がある。ホウ素を含んでいる認識要素が最も好ましい。認識要素は、使用するまで、保護基でキャップしておくことができることは分かるだろう。このような基は周知であって、ネオペンチルグリコール、ピナコール等々がある。ある特定の態様において、キャップ付き認識要素は、その化合物が使用されるべき媒体中でそのキャップが外される(例えば、実施例5を参照されたい)。
【0013】
認識要素は、それら認識要素の少なくとも2種をグルコース分子と相互作用させるように、互いに適切な距離があけられていることが好ましく、その結果として増加した特異性がもたらされる。一般に、認識要素はこれらの要素間に原子約30個までのスペーサーを有することができる。認識要素はそれらがグルコースと相互作用するときに約6Å離れていることができるように配向配置されているのが好ましい。
【0014】
本発明のインジケーター化合物は、この化合物がグルコースを含んでいる試料に曝露されるときに濃度依存性様式で変化する検出可能な特質を有する。多くのこのような特質は知られており、本発明においても利用することができる。例えば、インジケーター化合物は発光性(蛍光性若しくは燐光性)または化学発光性部分、吸光系部分等々を含んでいることができる。インジケーター化合物はエネルギー供与体部分およびエネルギー受容体部分を含んでいることができ、その各々はインジケーター化合物がグルコースと相互作用するときに検出可能な変化が現れるように互いに一定間隔をおいて配置されている。インジケーター化合物は、グルコースが存在しないときに発蛍光団が消光体によって消光されるように配列されているそのような発蛍光団および消光体を含んでいることができる。そのような状況において、グルコースが存在すると、そのインジケーターは、消光体を、蛍光が発せられるように発蛍光団から十分遠くに移動させる配置変化を受ける。逆に、発蛍光団および消光体を、グルコースの非存在下においてそれらが十分に隔てられ、発蛍光団が蛍光を発するように配置することができる;グルコースと相互作用すると発蛍光団と消光体は消光を引き起こすに足るほど近くに移動せしめられる。この配置変化の着想は、ここで参照することにより本明細書に含められる、「検体の検出(Detection of Analytes)」と題される、2001年1月5日に出願された、本出願人による出願中の米国特許出願第09/754,219号明細書中でさらに詳しく説明されている。
【0015】
あるいはまた、インジケーターは認識要素と相互作用することができる発蛍光団のような部分、またはグルコースの非存在下で発蛍光団が蛍光を発するように認識要素に対して空間的に配置されているもう1つの部分を含むことができる。グルコースを添加すると直ぐに、グルコースは、発蛍光団と認識要素との相互作用、または発蛍光団と認識要素に対して空間的に配置されている他の部分との相互作用と競争し、蛍光の低下を引き起こす。その着想の1例が実施例6で説明されている。インジケーターは、発蛍光団が認識要素またはグルコースの非存在下において認識要素に対して空間的に配置されているもう1つの部分と相互作用するときに発蛍光団が蛍光を発しないか、または比較的低レベルの蛍光を発するように選ぶことができることも認められるだろう。グルコースを添加すると直ぐに、グルコースは、発蛍光団と認識要素との相互作用、または発蛍光団と認識要素に対して空間的に配置されている他の部分との相互作用と競争し、蛍光の増加を引き起こす。
【0016】
他の検出可能な部分として、光誘発電子移動または誘導効果によるグルコースの相互作用で蛍光が影響を受けるものが挙げられる。これらには、ここで参照することにより本明細書に含められる、1999年3月11日に出願された(そして1999年9月16日にPCT国際出願WO第99/46600号として公開された)出願中の米国特許出願第09/265,979号明細書に開示されているランタニドキレート;ポリ芳香族炭化水素およびそれらの誘導体;クマリン類;BoDiPy;ダンシル;カテコール類等々がある。検出可能部分のもう1つの種類を挙げると、アリザリンレッド等々を含めてインジケーター化合物がグルコースと相互作用すると直ちに吸光スペクトルが変化するものがある。検出可能部分のもう1つの種類として、近接効果、例えばダンシル/ダブシル(dabsyl)等々のようなエネルギー供与体/受容体ペアによって蛍光が変調されるものが挙げられる。
【0017】
検出可能な特質は、好ましくは、吸収特性(例えば、吸収能および/またはスペクトルシフト)、蛍光減衰時間(時間領域(time domain)または周波数領域の測定により決定)、蛍光強度、蛍光の異方性または偏光における変化のような検出可能なスペクトル変化;発光スペクトルのスペクトルシフト;時間分解異方性減衰(時間領域または周波数領域の測定により決定)の変化等々である。
【0018】
本発明のインジケーター化合物は、それらが可溶性である場合は、望むならば溶解状態で直接使用することができる。他方、所望とされる用途が求めるならば、インジケーター化合物は、ガラス、プラスチック、高分子材料等々のような不溶性の表面またはマトリックス上またはその内部に(機械的閉じ込めまたは共有若しくはイオン結合のような手段によって)固定化することもできる。インジケーター化合物が、例えば他の重合体内に閉じ込められるとき、その閉じ込め材料は、好ましくは、グルコースとインジケーター化合物との間に適切な相互作用を可能にするために、グルコースが十分に透過できるものであるべきである。
【0019】
インジケーター化合物が水に貧溶解性または不溶性であり、しかもなお水性媒体中での検出が望まれるならば、そのインジケーター化合物を、ここで参照することにより内容が本明細書に含まれる、2000年8月4日に出願された、出願中の米国特許出願第09/632,624号明細書に記載される親水性高分子を形成させるために、親水性単量体と共重合させてもよい。
【0020】
好ましいインジケーター化合物は、次の構造:
【0021】
【化2】
Figure 2005500512
【0022】
を有する;但しこのインジケーター化合物はそれに関連付けられる少なくとも1個の検出可能部分を、直接的にか、または固体支持体若しくは高分子マトリックスの一部としてのいずれかで含んでいる:但し、上記の式において:
―R1およびR2は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
―R3は水素、または検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
―R4およびR5は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
―各Zは独立に炭素または窒素であり;
―R6およびR7は同一または異なるものであって、i)ゼロ〜10個の隣接するまたは分枝した炭素および/またはヘテロ原子を有する結合基、またはii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
―Rは、次の:i)炭素、酸素、窒素、硫黄およびリンより成る群から選ばれる1〜10個の隣接する原子を含んでいる脂肪族および/または芳香族スペーサー、ii)検出可能部分、またはiii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
―各R8は同一または異なるものであって、保護されていないときにグルコース中に存在するビシナルジオール基と相互作用することが可能である、場合によって保護されている部分であり;そして
―R9およびR10は同一または異なるものであって、i)水素、ii)検出可能部分、iii)a)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であるか、および/またはb)前記化合物の物理的性質を変えることができる官能基を含む基である。
【0023】
8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える適切な基は当業者には直ちに明らかになると思われるが、これにはハロゲン;ニトロ;アミノ;ハロゲン置換アルキル;場合によって置換されているカルボニル;アシル;ケト;ニトリル;アミド;エステル;アルコキシ等々のような基がある。
【0024】
どのような置換基にも適した結合基としては、さらに反応することができるか、または重合体若しくは支持体に結合することが可能な官能基の中で終わっている1個または2個以上のヘテロ原子を含むことができる、分枝していてもよいし、あるいは置換されていてもよい約1〜約20個の隣接原子を含む基を挙げることができる。適した結合基の例に、次の全てが場合によって置換されているアルキル、アリール、アシル、ポリアミド、ポリエーテルおよびそれらの組み合わせがある。
【0025】
9およびR10として、さらに、溶解性、pKa等々のような化合物の物理的性質を変えることができる官能基を挙げることができる。例えば、これら官能基に、場合によって置換されているカルボキシレート、アミノ基、四級アンモニウム基、スルホネート、PEG等々がある。
【0026】
置換基のどれかが検出可能部分であるとき、それは検出可能部分をインジケーター化合物の残部に結合させる適切な結合基を含んでいることもできることは理解されるだろう。適した結合基に上記で挙げたものがある。適した検出可能部分には前記で定義されたものがある。
【0027】
8は、好ましくは、ボロン酸、ボロン酸イオン、亜ヒ酸、亜ヒ酸イオン、テルル酸、テルル酸イオン、ゲルマニウム酸、ゲルマニウム酸イオンおよびそれらの組み合わせより成る群から選ばれる。
【0028】
また、前記の定義から、本発明の化合物および検出システムは高分子の形態をしていることができることも理解されるだろう。かくして、(認識要素および検出可能部分を含んでいる)ある1つの一体化合物(integral compound)は、これを現存重合体に結合させることもできるし、あるいは単量体の形をしたそのような一体化合物を重合させるか、または他の適切な単量体と共重合させて重合体を形成することもできる。あるいはまた、2つの別々の単量体成分(例えば、認識要素を含んでいるもの、および検出可能部分を含んでいるもの)を、結果として得られる重合体がシステムの必要な全ての要素を含むように共重合させることができる(実施例6を参照されたい)。
【0029】
本発明のインジケーター化合物には、エネルギー、医学および農業の分野におけるインジケーターとしての用途を含めて多数の用途が存在する。例えば、本発明のインジケーター化合物は、血液、血漿、血清、間質液、髄液、尿、唾液、眼内液、リンパ液、涙液または汗のような生理的緩衝液または同液体中のより低いレベルまたはより高いレベルのグルコースを検出するために用いることができ、かくして糖尿病および副腎機能不全症のような病気を診断またはモニターするのに価値のある情報を提供する。
【0030】
ヒト治療用のグルコースの医学的/製薬学的製造にはモニターと制御が必要である。
農業における本発明の用途に、大豆、その他の農産物中のグルコースレベルを検出する用途がある。グルコースは、ワイン用ブドウのような価値の高い産物に決定的に重要な収穫期決定の際に注意深くモニターされなければならない。グルコースは発酵プロセスにおいて最も高価な炭素源および装入原料であるので、動力用アルコールの製造では最適の反応器供給速度制御のためにグルコースをモニターすることが重要である。国際的に最大量のグルコースおよび発酵性(ビシナルジオール)の糖を消費するソフトドリンクおよび発酵飲料の製造中における品質管理には、グルコース濃度の反応器混合および制御が決定的に重要である。
【0031】
インジケーター化合物が蛍光性インジケーター置換基を含むとき、この技術分野では色々な検出技術も知られている。例えば、本発明の化合物は蛍光検知装置において使用することもできるし(例えば、米国特許第5,517,313号明細書)、あるいは目視検査用の試験紙のような高分子材料に結合させることもできる。この後者の技術は、例えば、グルコースの測定を、リトマス紙片を用いてpHを測定するのと類似した方法で可能にする。本明細書で説明される化合物は、また、Shimadzu、Hitachi、Jasco、Beckman、その他が製作する分光蛍光計または臨床分析装置のような標準のベンチトップ分析機器で単純試薬として使用することもできる。これらの分子は、また、Ocean Optics(Dunedin、Florida)またはOriel Opticsが製作する光ファイバーに基づくセンサーおよび分析蛍光計用の検体特異性化学的/光学的信号変換手段となる。
【0032】
ここで参照することにより開示が本明細書に含まれる米国特許第5,517,313号明細書は、本発明の化合物を用いて液体媒体中のグルコースの存在または濃度を決定することができる蛍光検知装置について記載している。この検知装置は、蛍光インジケーター分子含有マトリックス(以後「蛍光性マトリックス」)の層状アレイ、高域フィルターおよび光検出器を含む。この装置において、光源、好ましくは発光ダイオード(“LED”)は、インジケーター材料内に、またはインジケーターマトリックスが配置されている導波管中に、光源からの入射光がインジケーター分子をして蛍光を発せしめるように少なくとも部分的に配置されている。高域フィルターは発せられた光を光検出器に到達できるようになし、同時に光源からの散乱入射光を濾過して取り除く。米国特許第5,517,313号明細書に記載される装置で用いられるインジケーター分子の蛍光は、グルコースの局部的存在によって変調、例えば減衰または増強せしめられる。
【0033】
米国特許第5,517,313号明細書に記載されるセンサーにおいて、インジケーター分子を含んでいる材料は検体透過性である。従って、検体は周囲の試験媒体からその材料の中に拡散することができ、それによってインジケーター化合物によって発せられる蛍光に影響が及ぼされる。光源、インジケーター化合物含有材料、高域フィルターおよび光検出器は、インジケーター化合物によって発せられる蛍光の少なくとも一部分が光検出器に突き当たり、周囲の媒体中におけるグルコースの濃度を示す電気信号を発生させるように配置されている。
【0034】
本発明のインジケーター化合物を使用するための他の可能な態様に従い、検知装置もここで参照することにより全てが本明細書に含まれる米国特許第5,910,661号、同第5,917,605号および同第5,894,351号明細書に記載されている。
【0035】
本発明の化合物は、また、例えば生体内で血中グルコースレベルを連続的にモニターする移植可能装置で用いることもできる。適した装置は、例えば、ここで参照することにより全てが本明細書に含まれる1999年8月26日に出願された出願中の米国特許出願第09/383,148号明細書、並びに米国特許第5,833,603号、同第6,002,954号および同第6,011,984号明細書に記載されている。
【0036】
本発明の化合物は、この技術分野の当業者であれば、過度の実験をすることなく、例えば以下において説明される一般的手法と一致する反応機構を含めて公知の反応機構および試薬を容易に用いて製造することができる。
【0037】
実施例1
アントラセン誘導体とMAPTACとの水溶性共重合体
I.水溶性重合体中に共重合されたモノ−ボロネート−アントラセンインジケーターの合成
A.9−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン
N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩(11.82g、66.0ミリモル、3.0当量)およびDBMP(禁止剤として10mg)の250mLのCHCl3中における0℃の懸濁液に、DIEA(18.5g、25.0mL、144ミリモル、6.5当量)を20分の期間にわたって滴下した。この混合物を5℃まで加温し、次いで0℃まで再冷却した。この冷却された混合物に、9−クロロメチルアントラセン(5.0g、22ミリモル)のCHCl3(100mL)中溶液を1時間の期間にわたって滴下した。続いて、この混合物を25℃において1時間、50℃において12時間、次いで70℃において2時間攪拌した。この時点で、この混合物を4x60mLずつの水で洗浄し、そしてその合わされた水性層をCH2Cl2で抽出した。その合わされた有機抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、デカントし、そして真空中で濃縮した。その粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(フラッシュシリカゲル、2−5%CH3OH/CH2Cl2)で精製して2.44g(33%)の固体生成物をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:90/10のCH2Cl2/CH3OHで0.39、UV(254/366)、ニンヒドリン染色で確認。
【0038】
B.9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン
9−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン(2.44g、7.34ミリモル)およびDBMP(禁止剤として10mg)の200mLのCHCl3中における0℃の溶液に、DIEA(2.85g、3.84mL、22.0ミリモル、3.0当量)を一部ずつ10分の期間にわたって加え、続いて(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(2.49g、8.81ミリモル、1.2当量)を30分の期間にわたって滴下した。続いてこの混合物を25℃において20時間攪拌した。この時点で、この混合物を水で洗浄し、その合わされた水性層をCH2Cl2で抽出した。その合わされた有機抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、デカントし、そして真空中で濃縮した。その粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(フラッシュシリカゲル、2−5%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して2.50g(76%)の淡黄色の結晶性固体をもたらした。
Mp:72−73℃
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:90/10のCH2Cl2/CH3OHで0.36、UV(254/366)、ニンヒドリン染色で確認。
【0039】
C.9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセンとMAPTACとの水溶性共重合体(1:20モル比)
9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン(0.0490g、0.105ミリモル)と[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC 、50重量%水溶液、0.48g、0.90mL、2.1ミリモル、20当量)との1.5mLのエチレングリコール中溶液に、4,4’−アゾビス(シアノ吉草酸(0.008g、0.03ミリモル、総単量体の1.4モル%)を加えた。この溶液をアルゴンガスで5分間パージし、次いで暗所で60℃まで昇温して18時間加熱した。この時点で、この粘稠な溶液を25℃まで冷却し、5mLの水で希釈し、そして酢酸セルロース膜(MWCO3500)を通して3x4Lの水に対して透析した。この透析物質を乾燥状態まで濃縮して0.339g(68%)の黄色ガラス状固体をもたらした。
【0040】
II.グルコースおよびラクテートによる蛍光の変調
この実施例で製造された共重合体(単一の認識要素を含む)の蛍光のグルコースおよびラクテートによる変調を測定した。図1は、a)0−20mMのグルコース;b)0−20mMのラクテートを含んでいるPBS中における上記共重合体(1:20モル比)の0.5mg/mL溶液の正規化された蛍光発光(420nmにおけるI/I0)を示す。スペクトルは、Shimadzu RF-5301スペクトル蛍光計を使用し、365nmにおいて励起;励起スリット1.5nm;発光スリット5nm;周囲温度を用いて記録された。誤差バーは各データ点について二重値(duplicate values)による標準偏差である。この共重合体の蛍光はグルコースおよびラクテートの存在によって影響を受けた。
【0041】
実施例2
水溶性重合体に共有結合されているビス−ボロネートインジケーターのグルコースおよび潜在的生理的妨害による変調
I.ビス−ボロネート−アントラセンインジケーターの単一メタクリレート単量体の合成
【0042】
【化3】
Figure 2005500512
【0043】
A.9,10−ビス[[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン
2−(2−アミノエトキシ)エタノール(31.4g、30.0mL、299ミリモル、20.9当量)の40mLのCHCl3中における23℃の溶液に、9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン(3.94g、14.3ミリモル)を加えた。この溶液を暗所で67時間攪拌した。この時点で、100mLのCH2Cl2を加え、そして1x50mLずつおよび2x100mLずつのNaHCO3(飽和水溶液)で洗浄した。その有機抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して4.67g(79%)の黄色粉末をもたらした。生成物(RP-HPLCで〜85%純粋)をそのまま次に続けた。
HPLC条件:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間15.6分。
【0044】
【化4】
Figure 2005500512
【0045】
B.9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン
9,10−ビス[[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン(4.02g、9.75ミリモル)、DIEA(12.6g、17.0mL、97.5ミリモル、10.0当量)および(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(13.7g、48ミリモル、4.9当量)の125mLのCHCl3中における23℃の溶液を暗所で46時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を初めに回転蒸発により、次いで真空ポンプを用いて濃縮してDIEAを除去した。その残分をアルミナカラムクロマトグラフィー(150gの活性中性アルミナ、0−3%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して、放置すると凝固する5.67g(70%)の粘稠な油をもたらした。生成物(RP-HPLCで〜85%純粋)をそのまま次に続けた。
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.33、UV(254/366)で観察
HPLC条件:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間18.8分。
【0046】
【化5】
Figure 2005500512
【0047】
C.9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン(単一メタクリレート単量体)
9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン(0.298g、0.359ミリモル)、メタクリル酸(0.304g、0.300mL、3.53ミリモル、9.84当量)、DCC(0.965g、4.68ミリモル、13.0当量)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(0.020g、0.16ミリモル、0.46当量)の15mLのCH2Cl2中における23℃の溶液を暗所で4時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を濾過し、そして回転蒸発により濃縮した。その残分をアルミナカラムクロマトグラフィー(50gの活性中性アルミナ、0−4%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.150g(47%)の黄色の固体をもたらした。
FAB MS:C52H66B2N2O9の計算値・[M]+885;実測値・[M+1]+886
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.45、UV(254/366)で観察。
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間21分。
【0048】
D.9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセンとTMAMAとの水溶性共重合体(モル比1:50)
[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(TMAMA 、70重量%水溶液、単量体0.344g、1.66ミリモル、50当量)の0.600mLの水中溶液に、9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン(0.0024g、0.0033ミリモル)の3.00mLのMeOH中溶液を加えた。この混合物に4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(0.0075g、0.027ミリモル、総単量体の1.6モル%)を加えた。この溶液を0.4μの膜フィルターを通して濾過し、窒素ガスでパージし、次いで暗所で55℃において16時間加熱した。この時点で、その粘稠な溶液を25℃まで冷却し、そして真空中で濃縮した。その残分を20mLの水で希釈し、そして0.2μの膜フィルターを通して濾過した。この重合体溶液を酢酸セルロース膜(MWCO3500)を通して2x4Lの水に対して透析した。この透析から38.5mLの重合体溶液が得られた。この溶液の一部分を乾燥状態になるまで濃縮すると、溶液1.0mL当たり重合体0.0075gであることが示された。重合体の総収量0.289g(77%)。
【0049】
II.グルコース、ラクテートおよびアセトアセテートによる蛍光の変調
この実施例で製造された共重合体(2つの認識要素を含む)の蛍光のグルコース、ラクテートおよびアセトアセテートによる変調を測定した。図2は、a)0−20mMのグルコース;b)0−20mMのラクテート;c)0−20mLのリチウムアセトアセテートを含んでいるPBS中におけるアントラセン−ビス−ボロネート−TMAMA(1:50モル比)共重合体の1.5mg/mL溶液の正規化された蛍光発光(428nmにおけるI/I0)を示す。スペクトルはShimadzu RF-5301スペクトル蛍光計を使用し、365nmにおいて励起;励起スリット1.5nm;発光スリット1.5nm;周囲温度を用いて記録された。共重合体の蛍光はグルコースの存在によって影響されたが、ラクテートまたはアセトアセテートの存在によっては影響されなかった。
【0050】
実施例3
ビス−ボロネート−アントラセンインジケーターの蛍光に対するグルコースの用量応答効果に及ぼす溶解状態ラクテートの影響
【0051】
【化6】
Figure 2005500512
【0052】
A.9,10−ビス[[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアミノ]メチル]アントラセン
β−アラニン tert−ブチルエステル塩酸塩(3.06g、16.8ミリモル、5.09当量)、DIEA(4.27g、5.75mL、33.0ミリモル、10.00当量)および9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン(0.910g、3.31ミリモル)の75mLのCHCl3中における23℃の溶液を暗所で93時間攪拌した。この時点で、この溶液を濾過し、そして1x40mLずつおよび2x60mLずつのNaHCO3(飽和水溶液)で洗浄した。その有機抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗製の黄色固体をもたらした。その残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30gのグラビティー等級(gravity grade)ゲル、0−3%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して1.06g(65%)の粘稠な黄色−橙色生成物をもたらした。生成物をそのまま次に続けた。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.33、UV(254/366)で観察。
【0053】
【化7】
Figure 2005500512
【0054】
B.9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアミノ]メチル]アントラセン
9,10−ビス[[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアミノ]メチル]アントラセン(1.60g、3.25ミリモル)、DIEA(4.45g、6.00mL、34.4ミリモル、10.6当量)および(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(4.80g、17.0ミリモル、5.22当量)の30mLのCHCl3中における23℃の溶液を暗所で4.5日間攪拌した。この時点で、この混合物に45mLのCHCl3を加え、この混合物を2x25mLずつのNaHCO3(飽和水溶液)で洗浄した。その有機抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗製の赤味を帯びた油状物を得た。その残分をアルミナカラムクロマトグラフィー(100gの活性中性アルミナ、0−3%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して〜3.5gの橙色固体をもたらした。この生成物を溶解し、続いて白色沈殿(DIEA-HBr塩)を形成させた。この溶液を濾過し、その濾液を濃縮して2.72g(93%)の橙色固体をもたらした。生成物(RP-HPLCで>80%純粋)をそのまま次に続けた。
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.66、UV(254/366)で観察
HPLC条件:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間23.9分。
【0055】
【化8】
Figure 2005500512
【0056】
C.9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(プロパノイル)アミノ]メチル]アントラセン
9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアミノ]メチル]アントラセン(0.556g、0.620ミリモル)の5mLの、20%TFA/CH2Cl2中における23℃の溶液を暗所で25時間攪拌した。この時点で、その反応混合物をN2ガスの流れの下で濃縮した。その残分を3x10mLずつのエーテルを用いて摩砕して粉末化した。その残留固体を真空中で乾燥して0.351g(87%)のふわふわした黄色粉末をもたらした。
FAB MS:グリセロールマトリックス;C42H46B2N2O10(ビスグリセロール付加物)の計算値・[M]+760;実測値・[M]+760
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.025mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、360nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間16.7分。
【0057】
D.グルコースおよびラクテートによる蛍光の変調
この実施例で製造されたインジケーター化合物(2つの認識要素を含む)の蛍光のグルコースおよびラクテートによる変調を測定した。図3は、a)0−10mMのグルコース、0mMのラクテート;b)0−10mMのグルコース、2mMのラクテート;c)0−10mMのグルコース、5mMのラクテートを含んでいるPBS中におけるビス−カルボキシレート−ビス−ボロネートアントラセンインジケーターの75μM溶液の蛍光(於428nm)を示す。スペクトルはShimadzu RF-5301スペクトル蛍光計を使用し、365nmにおいて励起;励起スリット1.5nm;発光スリット1.5nm;周囲温度を用いて記録された。全ての点が三回測定され、この場合±1SD誤差バーが含まれていた。ラクテートの存在はグルコースによるインジケーターの蛍光変調に実質的に影響を及ぼさなかった。
【0058】
実施例4
インジケーターがヒドロゲル中に共有結合で固定化されているときの、グルコース対ラクテートおよびアセトアセテートに対するビス−ボロネートグルコースインジケーターの選択性
I.二元(dual)−メタクリルアミド単量体の製造
【0059】
【化9】
Figure 2005500512
【0060】
A.9,10−ビス[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン
9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン(1.5g、5.45ミリモル)、DIEA(28.17g、38.00mL、218ミリモル、40当量)、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩(9.76g、54.5ミリモル、10.0当量)および〜5mgのBHTの200mLのCHCl3中における23℃の懸濁液を暗所で40℃において4日間攪拌した。この時点で、その温度を45℃まで上げ、その混合物を3日間以上攪拌した。この時点で沈殿が形成された。この混合物を濾過し、その固体生成物を最低量のCH2Cl2に溶解した。一晩で所望生成物のビス塩酸塩である黄色結晶性固体が生成した(3.15g、定量的)。
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:90/10のCH2Cl2/CH3OHで0.31、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.100mL注入、0.75mL/分、360nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間15.0分。
【0061】
【化10】
Figure 2005500512
【0062】
B.9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン(二元メタクリルアミド単量体)
9,10−ビス[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン(0.0650g、遊離アミン1.34ミリモル)、DIEA(0.612g、0.825mL、4.74ミリモル、3.55当量)、(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(1.34g、4.74ミリモル、3.55当量)およびBHT(禁止剤として5mg)の20mLのCHCl3中における23℃の溶液を暗所で5日間攪拌した。この時点で、この反応混合物を真空中で濃縮し、その残分をアルミナクロマトグラフィー(200gの活性中性アルミナ、0−2%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.465g(39%)の非常に粘稠な黄色の油状物をもたらした。
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:90/10のCH2Cl2/CH3OHで0.59、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、360nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間16.9分。
【0063】
C.グルコースインジケーターを持つN,N−ジメチルアクリルアミドヒドロゲルの製造
N,N−ジメチルアクリルアミド(40重量%)およびN,N’−メチレンビスアクリルアミド(0.8重量%)のエチレングリコール中溶液を調製した。9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン(17.8mg、2x10−5モル)および40μLの過硫酸アンモニウム水溶液(5重量%)を、1mLのエチレングリコール単量体溶液と合わせた。得られた溶液を、窒素でパージされたグローブボックスの中に入れた。この単量体配合物に、重合を加速するためにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの水溶液(80μL、5重量%)を加えた。得られた配合物を、顕微鏡スライドおよび100ミクロンのステンレス鋼製スペーサーから組み立てられた型の中に注ぎ入れた。窒素雰囲気中に8時間保持しておいた後、その型をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(PBS10mM、pH=7.4)の中に入れ、それら顕微鏡スライドを分離し、そしてそのヒドロゲルを取り除いた。このヒドロゲルを、1mMのラウリル硫酸ナトリウム塩および1mMのEDTAナトリウム塩を含んでいる100mLのPBSで3日間洗浄した;この溶液は毎日替え、続いてDMF/PBS(容量で10/90、3x100mL)で、最後にPBS(pH=7.4、3x100mL)で洗浄した。得られたヒドロゲル重合体を、0.2重量%のナトリウムアジドおよび1mMのEDTAを含んでいるPBS(PBS10mM、pH=7.4)の中に貯蔵した。
【0064】
II.グルコース、ラクテートおよびアセトアセテートによる蛍光の変調
この実施例で製造されたインジケーター化合物(2つの認識要素を含む)の蛍光のグルコース、ラクテートおよびアセトアセテートによる変調を測定した。図4は、色々な量のナトリウム−L−ラクテート、リチウムアセトアセテートまたはα−D−グルコースを含んでいる、0.2%のNaN3および1mMのEDTAを有する10mMのPBS(pH=7.4)中におけるこの実施例のグルコース認識分子を含んでいるヒドロゲルの正規化蛍光発光(427nmにおけるI/I0)を示す。データは、Shimadzu RF-5301スペクトル蛍光計を使用し、温度制御試料ホルダーを用いて低感度、37℃において、365nmにおいて励起(スリット=3nm)および発光427nm(スリット=3nm)を用いて記録した。3mLの所望溶液が入っているキュベットを測定前に37℃において15分間平衡化させた。各ヒドロゲルは4つの独立した試料中で測定した。誤差バーは各データ点について四重値(quadruplicate values)による標準偏差である。グルコース認識分子を含むヒドロゲルは前に説明したように製造された。これらヒドロゲルをガラススライドの上に載せ、そしてPMMAキュベット中のポリエステルメッシュで入射光に対して45°の角度でカバーした。ナトリウム L−ラクテート[Aldrich]1、5、10および20mM、リチウムアセトアセテート[Aldrich]5、10および20mMおよびα−D−グルコース1、2、4、5、10および20mMの、0.2%のNaN3および1mMのEDTAを含んでいるpH7.4の10mMのPBS中における溶液を調製した。上記共重合体の蛍光はグルコース存在によって影響されたが、ラクテートまたはアセトアセテートの存在によっては影響されなかった。
【0065】
実施例5
ビス−ボロネート認識および近接消光信号発生を利用するラクテートに対するグルコースの選択性
A.N−(2,2−ジエトキシエチル)−4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド
4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物(10.0g、36.1ミリモル)およびアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(4.81g、5.26mL、36.1ミリモル、1当量)の45mLのEtOH中懸濁液を45℃において3日間攪拌した。この時点で、得られた懸濁液を濾過し、EtOHで洗浄し、その残分を乾燥して13.3g(94%)の淡褐色の固体生成物をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:98/2のCH2Cl2/CH3OHで0.17、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、360nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間24.2分。
【0066】
B.N−(2,2−ジエトキシエチル)−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド
N−(2,2−ジエトキシエチル)−4−ブロモ−1,8−ナフタルイミド(0.797g、2.03ミリモル)およびn−ブチルアミン(1.48g、2.00mL、20.2ミリモル、9.96当量)の8mLのNMP中溶液を45℃で66時間加熱した。この時点で、得られた懸濁液を25℃まで放冷し、続いて濾過した。その残分を50mLのエーテルを用いて溶解させ、そして3x50mLの水で抽出した。その有機抽出物を無水のNa2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗製黄色粉末をもたらした。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(25gのグラビティー等級ゲル、0−1%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.639g(82%)の黄色粉末をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.17、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、450nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間23.5分。
【0067】
C.N−(2−オキソエチル)−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド
N−(2,2−ジエトキシエチル)−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド(0.622g、1.62ミリモル)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.010g、0.053ミリモル、0.032当量)の25mLのアセトン中溶液を25℃で18時間攪拌した。この時点で、この溶液を濃縮し、その残分をシリカゲルクロマトグラフィー(25gのグラビティー等級ゲル、0−1%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.470g(94%)の橙色固体をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.61、UV(254/366)で観察
1H NMR(400MHZ、CDCl3);δ1.03(t,3H,J=7.3Hz)、1.53(m,2H)、1.78(m,2H)、3.38(t,2H,J=7.2Hz)、5.02(s,2H)、6.64(d,1H,J=8.6Hz)、7.52(dd,1H,J=7.4,8.3Hz)、8.08(dd,1H,J=1Hz,8.5Hz)、8.38(d,1H,J=8.3Hz)、8.64(dd,1H,J=1.0,7.3Hz)、9.75(s,1H)
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、450nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間19.6分。
【0068】
D.N−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,6−ジアミノヘキサン
4−ジメチルアミノベンズアルデヒド(1.00g、6.70ミリモル)、Na2SO4(6.70g、47.2ミリモル、7.04当量)および1,6−ジアミノヘキサン(3.89g、33.5ミリモル、5.00当量)の20mLの無水EtOH中懸濁液を、暗所において、窒素ガス雰囲気下で、25℃において18時間攪拌した。この時点で、この溶液を濾過し、その濾液にNaBH4(1.73g、45.8ミリモル、6.84当量)を加えた。この懸濁液を25℃において5時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を濃縮し、その残分を50mLの水に溶解し、そして3x50mLのエーテルで抽出した。その合わせた有機抽出物を2x50mLの水で洗浄した。その合わせた水性抽出物を2x50mLのエーテルで抽出した。その合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して1.35g(81%)の粘稠な油状物をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:80/15/5のCH2Cl2/CH3OH/iPrNH2で0.58、ニンヒドリン染色、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、280nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間13.3分。
【0069】
E.N−2−[5−(N−4−ジメチルアミノベンジル)アミノヘキシル]アミノエチル)−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド
N−(2−オキソエチル)−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド(0.346g、1.11ミリモル)の25mLの無水MeOH中懸濁液に、N−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,6−ジアミノヘキサン(0.554g、2.22ミリモル、2.00当量)および酢酸(0.067g、1.1ミリモル、1.0当量)の20mLの無水MeOH中溶液を加えた。この混合物にNaCNBH3(0.070g、1.1ミリモル、1.0当量)の5mLの無水MeOH中溶液を加えた。この反応混合物を25℃において15時間攪拌した。この時点で、そのMeOHを回転蒸発により除去し、その残分を30mLの水に溶解した。この溶液を1N HClでpH2に調整し、次いで25℃において1時間攪拌した。この時点で、この溶液を1N NaOHでpH12に調整し、続いて3x50mLのCH2Cl2で抽出した。その合わせた有機抽出物を3x50mLの水で洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗製の褐色の油状物をもたらした。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィー(35gのフラッシュ等級ゲル、0−50%のCH3OH/CH2Cl2、次いで45/50/5のCH3OH/CH2Cl2/iPrNH2)で精製して0.190g(32%)のジアミン生成物をもたらした。
FAB MS:C33H45N5O2の計算値・[M]+544;実測値・[M]+544
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:80/20のCH2Cl2/CH3OHで0.42、ニンヒドリン染色およびUV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、450nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間17.6分。
【0070】
F.N−2−[5−(N−4−ジメチルアミノベンジル)−5−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]アミノヘキシル]−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]アミノエチル−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド
N−2−[5−(N−4−ジメチルアミノベンジル)アミノヘキシル]アミノエチル)−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド(0.150g、0.276ミリモル)およびDIEA(0.355g、0.478mL、2.81ミリモル、10.0当量)の5mLのCHCl3中溶液に、(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(0.390g、1.38ミリモル、5.00当量)の2mLのCHCl3中溶液を加えた。この溶液を続いて25℃において27時間攪拌した。この時点で、この混合物を濃縮し、その残分をアルミナカラムクロマトグラフィー(100gの活性中性アルミナ、1−5%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.024g(19%)の粘稠な褐色の油状物をもたらした。
FAB MS(グリセロールマトリックス):C53H67B2N5O8の計算値・[M]+924(ボロン酸のビスネオペンチルエステルの代わりにビスグリセロール付加物);実測値・[M]+924
TLC:Merck中性アルミナプレート、Rf:80/20のCH2Cl2/CH3OHで0.62、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、1.5mL注入ループ、450nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間20.7分。
【0071】
G.N−2−[5−(N−4−ジメチルアミノベンジル)−5−[2−(ボロノ)ベンジル]アミノヘキシル]−[2−(ボロノ)ベンジル]アミノエチル−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミド(nBuF−ヘキサ−Q ビス−ボロネート)
グルコースの研究で使用される遊離のビスボロン酸生成物は、MeOH/PBS緩衝系中へのN−2−[5−(N−4−ジメチルアミノベンジル)−5−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]アミノヘキシル]−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]アミノエチル−4−ブチルアミノ−1,8−ナフタルイミドの溶解の結果として生ずる。
【0072】
H.グルコースおよびラクテートによる蛍光の変調
この実施例で製造されたインジケーター化合物(2つの認識要素を含む)の蛍光のグルコースおよびラクテートによる変調を測定した。図5は、a)0−20mMのグルコース;b)0−20mMのラクテートを含んでいる70/30のMeOH/PBS中におけるインジケーター化合物の0.015mM溶液の正規化蛍光発光(535nmにおけるI/I0)を示す。スペクトルはShimadzu RF-5301スペクトル蛍光計を使用し、450nmにおいて励起;励起スリット1.5nm;発光スリット1.5nm;周囲温度を用いて記録された。誤差バーは各データ点について三重値(triplicate values)による標準偏差である。インジケーターの蛍光はグルコースの存在によって影響されたが、ラクテートの存在によっては実質的に影響されなかった。
【0073】
実施例6
N−[3−(メタクリルアミド)プロピル]−3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホンアミド(アリザリンレッドS単量体)およびα,α’−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレン(ビスボロン酸単量体)を含むアクリルアミドゲルに及ぼすグルコースまたはラクテートの影響
A.3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホニルクロリド
3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(1.4g、3.9ミリモル)を30mLのクロロスルホン酸と合わせ、そして90℃に昇温して5時間加熱し、その後にその溶液を0℃まで冷却し、そして100gの氷の中に注ぎ入れた。氷が溶けた後、その溶液をCH2Cl2(3x100mL)で抽出し、塩化メチレン抽出物を合わせ、Na2SO4で乾燥し、そして蒸発させて0.87gの固体を生成させた(収率66%)。
【0074】
B.N−[3−(メタクリルアミド)プロピル]−3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホンアミド:
3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホニルクロリド(96mg、0.28ミリモル)およびN−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩(108mg、0.6ミリモル)を20mLのCH2Cl2と合わせた。この懸濁液にEt3N(303mg、3ミリモル)を加えた。この混合物を室温で24時間攪拌し、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。得られた固体を、溶離剤としてCH2Cl2/MeOH(90/10)を用いるSiO2(10g)上でのカラムクロマトグラフィーに付した。生成物は赤色固体(80mg、収率64%)として得られた。
FAB MS:C21H20N2O7Sの計算値・M+445;実測値・M+445
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPac HR C18カラム、0.100mL注入、0.75mL/分、2mL注入ループ、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間17.67分。
【0075】
C.α,α’−ビス[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレン
N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩(3.00g、16.8ミリモル、2.21当量)、DIEA(6.5g、8.8mL、50ミリモル、6.6当量)、テレフタルジカルボキサアルデヒド(1.02g、7.60ミリモル)およびNa2SO4(10.7g、75.3ミリモル、9.91当量)の75mLの無水MeOH中溶液を、暗所で25℃において18時間攪拌した。この時点で、さらなるNa2SO4(10.7g、75.3ミリモル、9.91当量)を加え、そして攪拌を6時間以上続けた。この時点で、この溶液を濾過し、その濾液にNaBH4(1.73g、45.7ミリモル、6.01当量)を一部ずつ分けて加え、続いて25℃において21時間攪拌した。この懸濁液をセライトを通して濾過し、その濾液を濃縮した。その残分を100mLのCH2Cl2に溶解し、そして1x25mLの飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。その有機抽出物を無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粘稠な油をもたらした。この生成物そのまま次に続けた。
【0076】
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2.00mL/分、260nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間15.8分。
【0077】
D.α,α’−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレン
α,α’−ビス[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレン(2.94g、7.61ミリモル)、DIEA(2.97g、4.00mL、23.0ミリモル、3.02当量)、(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(6.50g、23.0ミリモル、3.02当量)およびBHT(禁止剤として5mg)の75mLのCH2Cl2中における25℃の溶液を暗所で28時間攪拌した。この時点で、この混合物を1x25mLの飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。その有機抽出物を無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残分に200mLのエーテルを加え、その懸濁液を18時間攪拌した。この懸濁液を濾過し、その残分をCH2Cl2に溶解し、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。その固体残分に150mLのエーテルを加え、その懸濁液を18時間攪拌した。この時点で、この懸濁液を濾過して1.98g(33%)のふわふわしたピンク色の粉末をもたらした。
FAB MS:C46H64B2N4O6の計算値・[M]+790;実測値・[M;1]+791
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPak HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、280nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間13.4分。
【0078】
E.N−[3−(メタクリルアミド)プロピル]−3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホンアミド(アリザリンレッドS単量体)およびα,α’−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレンを含むアクリルアミドゲルの製造
30重量%のアクリルアミドおよび0.8重量%のN,N’−メチレンビスアクリルアミドを含むエチレングリコール溶液を調製した。N−[3−(メタクリルアミド)プロピル]−3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホンアミド(1.5mg、3.38x10-6モル)およびα,α’−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレン(28mg、3.54x10-5モル)を、800μLのエチレングリコール単量体溶液および40μLの過硫酸アンモニウム5重量%水溶液と合わせた。この配合物を、窒素でパージされたグローブボックスの中にガラス製顕微鏡スライドおよび100ミクロンのステンレス鋼製スペーサーから組み立てられた型と共に入れた。重合を加速するためにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの水溶液(40μL、5重量%)を加え、そして最終配合物をガラス製型の中に注ぎ入れた。その型を窒素雰囲気下で16時間放置し、その後その配合物をPBS(pH=7.4)の中に浸漬し、そしてそのガラススライドを分離してヒドロゲル重合体を薄膜の形で与えた。この得られたヒドロゲル薄膜を、1mMのラウリル硫酸ナトリウム塩を含んでいる100mLのリン酸緩衝生理食塩水で3日間洗浄した;この溶液は毎日替え、続いてMeOH/PBS(容量で20/80、3x100mL)で、最後にPBS(pH=7.4、3x100mL)で洗浄した。ヒドロゲル重合体を、0.2重量%のナトリウムアジドおよび1mMのEDTAナトリウム塩を含んでいるPBS(PBS10mM、pH=7.4)の中に貯蔵した。
【0079】
F.グルコースおよびラクテートによる吸光度の変調
この実施例で製造されたインジケーターヒドロゲル(2つの認識要素を含む)の吸光度のグルコースおよびラクテートによる変調を測定した。上記アクリルアミドゲルを実施例4で説明したものと同じ方法でPMMAセルにはめ込んだ。所望の量のグルコースまたは乳酸ナトリウムを含んでいる、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を水浴中で37℃に加熱し、そしてゲルを含んでいる上記のPMMAセルの中に入れ、その後にそのPMMAセルを37℃で15分間平衡化させた。各グルコースまたはラクテート濃度の吸光度測定を3回行った。各測定で、ブランクとして650nmでの吸光度を用い、A(650nm)をA(450nm)およびA(530nm)の全ての値から差し引いた。
【0080】
図6は、4mMのアリザリンレッドS単量体および44mMのビスボロン酸単量体を含んでいる、グルコース有りおよびグルコース無しのアクリルアミドゲル(30%)の吸光スペクトルを示す。図7は、4mMのアリザリンレッドS単量体および44mMのビスボロン酸単量体を含んでいるアクリルアミドゲル(30%)の吸光度に及ぼすグルコースの影響を示す。図8は、4mMのアリザリンレッドS単量体および44mMのビスボロン酸単量体を含んでいるアクリルアミドゲル(30%)の吸光度に及ぼす乳酸ナトリウムの影響を示す。インジケーターの吸光度はグルコースの存在によって影響されたが、ラクテートの存在によっては実質的に影響されなかった。
【0081】
G.グルコースおよびラクテートによる蛍光の変調
この実施例6に実質的に従って合成した(但し、1.9mgのN−[3−(メタクリルアミド)プロピル]−3,4−ジヒドロキシ−9,10−ジオキソ−2−アントラセンスルホンアミドおよび35mgのα,α’−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]−1,4−キシレンが用いられた)アクリルアミドゲルの蛍光の変調を測定した。
【0082】
実験は、可変温度付属装置を備えたShimadzu RF-5301 PCスペクトル蛍光計(励起、於470nm;スリット3/10nm;高感度)で行われた。アクリルアミドゲルを、PMMA蛍光セル中に45°の角度で接着されている1枚のガラススライドに取り付けた。そのセルを2.5mLのPBS(pH=7.4)で満たし、そして37℃に加熱した。グルコース(100mMおよび500mM)のPBS(pH=7.4)中原液を調製し、そして水浴中で37℃に加熱した。加熱グルコース原液のアリコートをPMMAセルに周期的に加え、その間550nmにおける蛍光強度を時間の関数としてモニターした(2分毎に1回測定)。PMMAセル中のグルコース濃度は、YSIモデル2300STATと、さらにはグルコース分析器を用いて測定した。図9に示される結果は、グルコースの添加はインジケーターヒドロゲルの蛍光強度を低下させることを示している。同じ影響が図10でも見られ、それは同タイプのゲルの蛍光スペクトルに及ぼすグルコースの影響を示している。
【0083】
その影響は次の理由のために起こると考えられる。アリザリンレッドS(レポーター分子)のメタクリルアミド単量体はビシナルジオール官能基および単量体官能基を含んでいる(以下の構造を参照されたい)。水溶液中および有機溶媒中では、アリザリンレッドS単量体およびビス−ボロネート認識要素単量体(以下の構造を参照されたい)は、互いに可逆反応をしてボロネートエステルを形成することができる。この可逆反応において形成されるボロネートエステル分子は蛍光性であり、一方アリザリンレッドS単量体は、それ自身では、水溶液中およびMeOHのような有機溶媒中で蛍光発光を事実上示さない。かくして、アリザリンレッドSは、グルコース認識要素に結合すると、例えば吸光度および蛍光の量子収率のようなその光学的性質を変える。
【0084】
【化11】
Figure 2005500512
【0085】
単量体官能価を有するアリザリンレッドSおよび単量体官能価を有するグルコース認識要素の溶液は、ヒドロゲル単量体および架橋剤と共に製造することができる。この混合物の共重合は、色々な小サイズおよび中サイズの分子へと拡散できるヒドロゲル物質を生成させ;かくして検体の検出および定量をすることが可能である。例えばグルコースのような検体はヒドロゲルマトリックスの内部に拡散し、そして認識要素に予め結合されているレポーター分子を置換する。このことはヒドロゲル膜の光学的性質に変化を引き起こす;それが今や認識要素に結合していないより多くの数のレポーター分子を含んでいるからである。
【0086】
この実施例で製造されたインジケーター化合物(2つの認識要素を含む)の蛍光のグルコースおよびラクテートによる変調も測定した。この実験は、可変温度付属装置を備えるShimadzu RF-5301 PCスペクトル蛍光計(励起、於470nm;スリット5/10nm;低感度)で行われた。アクリルアミドゲルを、PMMA蛍光セル中に45°の角度で接着されている1枚のガラススライドに取り付けた。そのセルを2.5mLのPBS(pH=7.4)で満たし、そして水浴中で37℃に加熱した。PBS(pH=7.4)中のナトリウムラクテート(100mM)原液を調製し、そして水浴中で37℃に加熱した。PBS(pH=7.4)中のグルコース(100mMおよび500mM)の原液を調製し、そして水浴中で37℃に加熱した。加熱ラクテート原液のアリコートをPMMAセルに周期的に加え、その間550nmにおける蛍光強度をラクテート濃度が8mMに達するまで時間の関数としてモニターした(2分毎に1回測定)。次いで、加熱グルコース原液のアリコートをPMMAセルに周期的に加え、その間550nmにおける蛍光強度を時間の関数としてモニターした(2分毎に1回測定)。PMMAセル中のグルコース濃度は、YSIモデル2300STATと、さらにはグルコース分析器を用いて測定した。図11に示される結果は、ラクテートの添加はインジケーターヒドロゲルの蛍光強度に有意の影響を及ぼさず、そしてその後のグルコースの添加がインジケーターヒドロゲルの蛍光強度を低下させたことを示している。
【0087】
実施例7
ビス−ボロネート−アントラセンの単一メタクリルアミド単量体
【0088】
【化12】
Figure 2005500512
【0089】
A.9−クロロメチル−10−[[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン塩酸塩
9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン(5.18g、18.8ミリモル、3.99当量)の200mLのNMP中懸濁液に、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(0.495g、0.475mL、4.71ミリモル)を加えた。この混合物を暗所で17時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を真空下において50℃で〜50mLになるまで濃縮した。その残分をシリカゲルクロマトグラフィー(150gのグラビティー等級シリカゲル、0−10%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.425g(28%)の黄色/橙色の固体をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:70/30のCH2Cl2/CH3OHで0.72、UV(254/366)、ニンヒドリン染色で確認
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間16.1分。
【0090】
【化13】
Figure 2005500512
【0091】
B.9−[[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[[(3−メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]アントラセン
N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩(3.08g、17.2ミリモル、4.2当量)、DIEA(5.19g、7.00mL、40.1ミリモル、9.8当量)およびBHT(〜3mg)の125mLのCHCl3中における23℃の懸濁液に、9−クロロメチル−10−[[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン塩酸塩(1.56g、4.10ミリモル)の25mLのCHCl3中溶液を滴下した。この混合物を次に暗所で92時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を濾過し、そして2x40mLのNaHCO3(飽和水溶液)で洗浄した。その有機抽出物を無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して粘着性の橙色固体をもたらし、これをアルミナクロマトグラフィー(50gの活性中性アルミナ、0−5%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.364g(20%)の橙色の固体をもたらした。
TLC:Merckシリカゲル60プレート、Rf:70/30のCH2Cl2/CH3OHで0.16、UV(254/366)、ニンヒドリン染色で確認
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間16.85分。
【0092】
【化14】
Figure 2005500512
【0093】
C.9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン(単一メタクリルアミド単量体)
9−[[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[[(3−メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]アントラセン(0.343g、0.763ミリモル)、DIEA(0.965g、1.30mL、9.8当量)および(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(1.09g、3.85ミリモル、5.0当量)の20mLのCHCl3中における23℃の溶液を暗所で25時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を初めに回転蒸発により、次いで真空ポンプを用いて濃縮してDIEAを除去した。その残分をアルミナクロマトグラフィー(40gの活性中性アルミナ、0−10%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.299g(46%)の黄橙色固体をもたらした。この化合物は、これを前に述べた適切な単量体と共重合させ、脱保護して、グルコースを検出するために使用することができる。
FAB MS:C51H65B2N3O7の計算値・[M]+854;実測値・[M+1]+855
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.35、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Vydac 201TP・10x250mmカラム、0.100mL注入、2mL/分、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間19.7分。
【0094】
実施例8
ビス−ボロネート−アントラセンの二元メタクリレート単量体
【0095】
【化15】
Figure 2005500512
【0096】
A.9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン
9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン(0.100g、0.120ミリモル;実施例2を参照されたい)、メタクリル酸(0.112g、0.110mL、1.30ミリモル、10.8当量)、DCC(0.316g、1.53ミリモル、12.8当量)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(0.014g、0.11ミリモル、0.92当量)の5mLのCH2Cl2中溶液を0℃において1時間、次いで23℃において22時間攪拌した。この時点で、この反応混合物を濾過し、そして回転蒸発により濃縮した。その残分をアルミナカラムクロマトグラフィー(30gの活性中性アルミナ、0−2%のCH3OH/CH2Cl2)で精製して0.030g(26%)の黄色の固体をもたらした。この化合物は、これを前に説明した適切な単量体と共重合させ、脱保護して、グルコースを検出するために使用することができる。
FAB MS:C56H70B2N2O10の計算値・[M]+953;実測値・[M]+951
TLC:Merck塩基性アルミナプレート、Rf:95/5のCH2Cl2/CH3OHで0.67、UV(254/366)で観察
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPak HR C18カラム、0.100mL注入、0.75mL/分、2mL注入ループ、370nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間19.6分。
【0097】
実施例9
二元5−アミノペンチルビス−ボロネート−アントラセン
【0098】
【化16】
Figure 2005500512
【0099】
A.9,10−ビス[[5−(t−BOC)−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン
9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン(0.28g、1ミリモル)、DIEA(7.0mL、40ミリモル)、モノ−t−ブトキシカルボニル 1,5−ジアミノペンタン(3.75g、10ミリモル)および50mLのCHCl3の懸濁液を、暗所において45℃で2日間攪拌した。この溶液を飽和H2O/NaHCO3で洗浄し、その有機相を乾燥し(Na2SO4)、そしてその溶媒を蒸発させた。その残分をアルミナクロマトグラフィー(40gの活性中性アルミナ、95/5容量%のCH2Cl2/MeOH)で精製して0.55gの粘稠な油状物をもたらした。この物質をそのまま次の工程に用いた。
【0100】
【化17】
Figure 2005500512
【0101】
B. 9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[5−(t−BOC)−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン
9,10−ビス[[5−(t−BOC)−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン(0.3g、0.49ミリモル)、DIEA(0.35mL、2ミリモル)および(2−ブロモメチルフェニル)ボロン酸ネオペンチルエステル(0.566g、2.0ミリモル)の20mLのCH2Cl2中溶液を暗所において25℃で2日間攪拌した。この時点で、この反応混合物を真空中で濃縮し、その残分をアルミナクロマトグラフィー(60gの活性中性アルミナ、98/2容量%のCH2Cl2/MeOH)で精製して0.401g(20%)の黄色の油状物をもたらした。この物質をそのまま次の工程に用いた。
【0102】
【化18】
Figure 2005500512
【0103】
C.9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[5−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン・トリフルオロ酢酸塩
9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[5−(t−BOC)−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン(0.4g、0.39ミリモル)を20mLのCH2Cl2/TFA(80/20容量%)に溶解した。この溶液を12時間攪拌し、その溶媒を蒸発させ、その残分を10mLのエーテルで洗浄した。合計373mgの固体が得られた(収率72%)。生成物はRP-HPLCで〜80%純度であった。この化合物は、これを前に説明した適切な単量体と共重合させ、脱保護して、グルコースを検出するために用いることができる。
【0104】
HPLC:HP 1100 HPLCクロマトグラフ、Waters・5x100mmのNovaPak HR C18カラム、0.050mL注入、0.75mL/分、360nm検出、A=水(0.1%HFBA)およびB=MeCN(0.1%HFBA)、勾配:10%B・2分、10−80%B・18分超、80−100%B・2分超、100%B・2分、保持時間16.0分。
【0105】
実施例10
【0106】
【化19】
Figure 2005500512
【0107】
A.N−2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエチル−4−ブロモナフタレン−1,8−ジカルボキシミド
N−t−Boc−エチレンジアミン(Fluka社、1.6g、10ミリモル)および4−ブロモ−1,8−ナフタル酸無水物(Aldrich社、2.77g、10ミリモル)を60mLの無水エタノールと合わせ、この懸濁液を60℃で20時間攪拌し、室温まで冷却し、そして濾過した。得られた固体を30mLの冷EtOHで洗浄し、そして真空下で乾燥した。収量3.84g(91%)。NMR(CDCl3):δ1.28(9H,s);3.52(2H,t);4.35(2H,t);4.92(1H,s);7.84(1H,t);8.04(1H,d);8.42(1H,d);8.58(1H,d);8.67(1H,d)。
【0108】
【化20】
Figure 2005500512
【0109】
B.N−2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエチル−4−(N’−メチルアミノエチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド
N−メチルエチレンジアミン(1.48g、20ミリモル)を2mLの1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)と合わせ、続いてN−2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエチル−4−ブロモナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(0.35g、0.845ミリモル)を添加した。この結果得られた溶液を45℃で40時間攪拌し、その後NMPおよびN−メチルエチレンジアミンを真空下で蒸発させた。得られた残分をカラムクロマトグラフィー(20gのシリカゲル、初めCH2Cl2/MeOH(90/10)、次いでCH2Cl2/MeOH/Et3N(75/20/5))に付した。黄色の固体が得られた(0.311g、収率89%)。純度をRP-HPLCでチェックした。
【0110】
【化21】
Figure 2005500512
【0111】
C.N−アミノエチル−4−(N’−アミノエチレン−N”−[2−(ボロノ)ベンジル]メチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド・トリフルオロ酢酸塩:
N−2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエチル−4−(N’−メチルアミノエチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(0.3g、0.73ミリモル)、2−ブロモメチルフェニルボロン酸ピナコールエステル(0.6g、2ミリモル)、N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン(1.3g、8ミリモル)および10mLのCH2Cl2を合わせた。この溶液を20時間攪拌し、続いて2gのPS-Trisamine樹脂(Argonaut Technologies社、3.38ミリモル/g)を加えた。この反応混合物および樹脂を10時間かき混ぜ、その後その樹脂を濾過によって取り出し、そしてCH2Cl2(2x20mL)で洗浄した。合わせたCH2Cl2溶液を蒸発させ、そして真空下で乾燥した。この結果得られた橙色の残分に、20容量%のTFAおよび5容量%のトリイソプロピルシランを含む塩化メチレン溶液を加えた。この結果得られた溶液を室温で10時間攪拌し、その後その溶媒を蒸発させ、その残分をエーテルと共に摩砕して黄色の固体をもたらした。この固体を濾過し、そして真空中で乾燥した(収量580mg)。この物質の純度をRP-HPLCでチェックした。この固体をそのまま次の工程で用いた。
【0112】
【化22】
Figure 2005500512
【0113】
D.N−(3−ボロノ−5−ニトロベンズアミド)エチル−4−(N’−アミノエチレン−N”−[2−(ボロノ)ベンジル]メチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド:
N−アミノエチル−4−(N’−アミノエチレン−N”−[2−(ボロノ)ベンジル]メチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド・トリフルオロ酢酸塩(0.225g、0.4ミリモル)、3−カルボキシ−5−ニトロフェニルボロン酸(0.085g、0.4ミリモル)、ジフェニルホスホリルアジド(0.13mL、0.6ミリモル)および2mLの無水DMFを合わせた。N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン(0.7mL、4ミリモル)を加え、その溶液を20時間攪拌した。その反応混合物にエーテル(10mL)を加え、その不溶性残分を分離し、そして5mLのCH2Cl2と共に音波処理して橙色の固体をもたらし、その固体を濾過し、そして真空下で乾燥した(38mg、収率15%)。この固体の純度はRP-HPLCでチェックした。NMR(dmso-d6/D20、90/10):δ2.32(3H,s);2.82(2H,t);3.58(2H,t);3.65(2H,t);3.70(2H,s);6.65(1H,d);7.0−7.3(4H,m);7.68(1H,t);8.18(1H,d);8.42(1H,d);8.47(1H,d);8.1−8.35(3H,m)。
【0114】
E.N−(3−ボロノ−5−ニトロベンズアミド)エチル−4−(N’−アミノエチレン−N”−[2−(ボロノ)ベンジル]メチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドのグルコースとの相互作用についての蛍光でモニターする試験
この実験は、MeOH/リン酸緩衝生理食塩水(PBS、10mL、pH=7.4)中で行われた。N−(3−ボロノ−5−ニトロベンズアミド)エチル−4−(N’−アミノエチレン−N”−[2−(ボロノ)ベンジル]メチルアミノ)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミドのMeOH/PBS(50/50容量%)中における濃度は15mMであった。グルコース濃度は0mMから50mMまで変えられ、またL−ナトリウムラクテート濃度を0mMから7mMまで変えた。実験はShimadzu RF-5301 PCスペクトル蛍光計で行った:励起波長は430nmに設定し、発光は480−650nmの範囲、スリット幅3/1.5nm、高感度PMTでモニターした。
【0115】
結果は図12および13に示されるが、それらは、この試料のインジケーターの蛍光はグルコースの存在によって影響されたが、ラクテートの存在によっては影響されなかったことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】実施例1に記載されるインジケーターの正規化された蛍光発光(420nmにおけるI/I0)を図示する。
【図2】実施例2に記載されるインジケーターの正規化された蛍光発光(428nmにおけるI/I0)を図示する。
【図3】実施例3に記載されるインジケーターの正規化された蛍光発光(428nmにおけるI/I0)を図示する。
【図4】実施例4に記載されるインジケーターの正規化された蛍光発光(427nmにおけるI/I0)を図示する。
【図5】実施例5に記載されるインジケーターの正規化された蛍光発光(540nmにおけるI/I0)を図示する。
【図6】実施例6に記載されるインジケーターの吸光スペクトルを図示する。
【図7】実施例6に記載されるインジケーターの吸光度の比(450nm/530nm)を図示する。
【図8】実施例6に記載されるインジケーターの吸光度の比(450nm/530nm)を図示する。
【図9】実施例6に記載されるインジケーターの正規化された蛍光発光(I/I0、於550nm)を図示する。
【図10】実施例6に記載されるインジケーターの、グルコースの非存在下および100mMのグルコースの存在下における吸光スペクトルを図示する。
【図11】実施例6に記載されるインジケーターのグルコースおよびラクテートの存在下における正規化された蛍光発光(I/I0、於550nm)を図示する。
【図12】実施例10に記載される、グルコースに曝露されたインジケーターの正規化された蛍光発光(I/I0、於525nm)を図示する。
【図12】実施例10に記載される、ラクテートに曝露されたインジケーターの正規化された蛍光発光(I/I0、於530nm)を図示する。

Claims (34)

  1. アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンも含んでいることができる試料中のグルコースの存在または濃度を検出する方法であって:
    a)少なくとも2種のグルコース認識要素を有する化合物に試料を曝露する工程にして、上記化合物とグルコースとの相互作用がその化合物とアルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンとの相互作用よりも安定になるように、該グルコース認識要素が配向されており、ここで該化合物は、この化合物が該試料中のグルコースに曝露されると濃度依存性様式で変化する検出可能な特質を有する検出可能部分も含んでいるそのような工程;および
    b)該検出可能特質のいずれかの変化も測定し、それによって該試料中のグルコースの存在または濃度を決定する工程にして、この場合アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンの存在は該決定を実質的に妨害しないそのような工程
    を含む上記の方法。
  2. 化合物が次の構造:
    Figure 2005500512
    を有する化合物であるが、但しこのインジケーター化合物はそれに関連付けられる少なくとも1種の検出可能部分を含む、請求項1に記載の方法:但し、上記の式において:
    ―R1およびR2は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―R3は水素、または場合によって検出可能部分を含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
    ―R4およびR5は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―各Zは独立に炭素または窒素であり;
    ―R6およびR7は同一または異なるものであって、i)ゼロ〜10個の隣接するまたは分枝した炭素および/またはヘテロ原子を有する結合基、またはii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
    ―Rは、次の:i)炭素、酸素、窒素、硫黄およびリンより成る群から選ばれる1〜10個の隣接する原子を含んでいる脂肪族および/または芳香族スペーサー、ii)検出可能部分、またはiii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―各R8は同一または異なるものであって、グルコース中に存在するビシナルジオール基と相互作用することが可能な部分であり;そして
    ―R9およびR10は同一または異なるものであって、i)水素、ii)検出可能部分、iii)a)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であるか、および/またはb)前記化合物の物理的性質を変えることができる官能基を含む基である。
  3. 8がボロン酸、ボロン酸イオン、亜ヒ酸、亜ヒ酸イオン、テルル酸、テルル酸イオン、ゲルマニウム酸、ゲルマニウム酸イオンおよびそれらの組み合わせより成る群から選ばれる、請求項2に記載の方法。
  4. 各R8がボロン酸基である、請求項3に記載の方法。
  5. 化合物が、一方から他方へとエネルギー輸送することが可能な少なくとも2つの検出可能部分を含み、そして該エネルギー輸送が試料中におけるグルコースの存在によって変調される、請求項2に記載の方法。
  6. R、R1、R2、R4、R5、R9またはR10の内の少なくとも1個が発蛍光団部分を含み、さらにそれら基の少なくとも1個が消光部分を含み、そして該発蛍光団は化合物が試料中のグルコースと相互作用するときに消光されるか、または消光解除されるかのいずれかである、請求項2に記載の方法。
  7. 化合物が発蛍光団を含み、そして該発蛍光団の蛍光が該化合物とグルコースとの相互作用によって変調される、請求項2に記載の方法。
  8. 試料が生理的液体である、請求項1に記載の方法。
  9. 生理的液体が、血液、血漿、血清、間質液、髄液、尿、唾液、眼内液、リンパ液、涙液、汗および生理的緩衝液より成る群から選ばれる、請求項8に記載の方法。
  10. 化合物が溶解状態の試料に曝露される、請求項1に記載の方法。
  11. 化合物が固体支持体の上または内部に固定化されている、請求項1に記載の方法。
  12. 固体支持体が高分子マトリックスである、請求項11に記載の方法。
  13. 化合物が移植可能ディバイスに関連するものであり、そして工程a)が生体内で行われる、請求項1に記載の方法。
  14. Rがアントラセン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8がボロン酸基であり;R9およびR10が脂肪族カルボン酸残基であり;そして各Zが炭素である、請求項2に記載の方法。
  15. 9およびR10がプロピオン酸残基である、請求項14に記載の方法。
  16. Rがヘキサメチレン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8がボロン酸基であり;R9がナフタルイミド残基であり;R10がジメチルアミノベンジル残基であり;そして各Zが炭素である、請求項2に記載の方法。
  17. Rがアントラセン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8がボロン酸基であり;R9およびR10が同一または異なるものであって、メタクリルアミドアルキル残基、メタクロイルオキシエトキシアルキル残基、ヒドロキシエトキシアルキル残基およびアミノアルキル残基より成る群から選ばれ;そして各Zが炭素である、請求項2に記載の方法。
  18. 化合物が:
    9−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(プロパノイル)アミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン;
    9−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]−10−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチルアントラセン;および
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[5−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン
    並びにそれらの塩より成る群から選ばれる、請求項2に記載の方法。
  19. 次の構造:
    Figure 2005500512
    を有する化合物であるが、但しこのインジケーター化合物はそれに関連付けられる少なくとも1つの検出可能部分を含んでいるそのような化合物:但し、上記の式において:
    ―R1およびR2は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―R3は水素、または検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
    ―R4およびR5は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―各Zは独立に炭素または窒素であり;
    ―R6およびR7は同一または異なるものであって、i)ゼロ〜10個の隣接するまたは分枝した炭素および/またはヘテロ原子を有する結合基、またはii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
    ―Rは、次の:i)炭素、酸素、窒素、硫黄およびリンより成る群から選ばれる1〜10個の隣接する原子を含んでいる脂肪族および/または芳香族スペーサー、ii)検出可能部分、またはiii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―各R8は同一または異なるものであって、保護されていないときにグルコース中に存在するビシナルジオール基と相互作用することが可能である、場合によって保護されている部分であり;そして
    ―R9およびR10は同一または異なるものであって、i)水素、ii)検出可能部分、iii)a)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であるか、および/またはb)前記化合物の物理的性質を変えることができる官能基を含む基である。
  20. 8が、次の全てが場合によって保護されているボロン酸、ボロン酸イオン、亜ヒ酸、亜ヒ酸イオン、テルル酸、テルル酸イオン、ゲルマニウム酸、ゲルマニウム酸イオンおよびそれらの組み合わせより成る群から選ばれる、請求項19に記載の化合物。
  21. 各R8が場合によって保護されているボロン酸基である、請求項20に記載の化合物。
  22. 化合物が発蛍光団を含み、そして該発蛍光団の蛍光が該化合物とグルコースとの相互作用によって変調される、請求項19に記載の化合物。
  23. Rがアントラセン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8が場合によって保護されているボロン酸基であり;R9およびR10が脂肪族カルボン酸残基であり;そして各Zが炭素である、請求項19に記載の化合物。
  24. 9およびR10がプロピオン酸残基である、請求項23に記載の化合物。
  25. Rがアントラセン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8が場合によって保護されているボロン酸基であり;R9およびR10が同一または異なるものであって、メタクリルアミドアルキル残基、メタクロイルオキシエトキシアルキル残基、ヒドロキシエトキシアルキル残基およびアミノアルキル残基より成る群から選ばれ;そして各Zが炭素である、請求項19に記載の化合物。
  26. 化合物が:
    9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(プロパノイル)アミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン;
    9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]−10−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチルアントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチルアントラセン;および
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[5−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン
    並びにそれらの塩より成る群から選ばれる、請求項19に記載の化合物。
  27. アルファ−ヒドロキシ酸またはベータ−ジケトンも含んでいることができる試料中のグルコースの存在または濃度を検出する検出システムであって、次の構造:
    Figure 2005500512
    を有する化合物であるが、但しこのインジケーター化合物はそれに関連付けられる少なくとも1つの検出可能部分を含んでいるそのような化合物を含む上記の検出システム:但し、上記の式において:
    ―R1およびR2は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―R3は水素、または検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
    ―R4およびR5は同一または異なるものであって、次の:i)水素、ii)R8部分のpKaおよび加水分解安定性を変える置換基、iii)検出可能部分、またはiv)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―各Zは独立に炭素または窒素であり;
    ―R6およびR7は同一または異なるものであって、i)ゼロ〜10個の隣接するまたは分枝した炭素および/またはヘテロ原子を有する結合基、またはii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であり;
    ―Rは、次の:i)炭素、酸素、窒素、硫黄およびリンより成る群から選ばれる1〜10個の隣接する原子を含んでいる脂肪族および/または芳香族スペーサー、ii)検出可能部分、またはiii)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基から選ばれ;
    ―各R8は同一または異なるものであって、保護されていないときにグルコース中に存在するビシナルジオール基と相互作用することが可能である、場合によって保護されている部分であり;そして
    ―R9およびR10は同一または異なるものであって、i)水素、ii)検出可能部分、iii)a)検出可能部分を場合によって含んでいる固体支持体または高分子マトリックスに結合することが可能な結合基であるか、および/またはb)前記化合物の物理的性質を変えることができる官能基を含む基である。
  28. 8が、次の全てが場合によって保護されているボロン酸、ボロン酸イオン、亜ヒ酸、亜ヒ酸イオン、テルル酸、テルル酸イオン、ゲルマニウム酸、ゲルマニウム酸イオンおよびそれらの組み合わせより成る群から選ばれる、請求項27に記載の検出システム。
  29. 各R8が場合によって保護されているボロン酸基である、請求項28に記載の検出システム。
  30. 化合物が発蛍光団を含み、そして該発蛍光団の蛍光が該化合物とグルコースとの相互作用によって変調される、請求項27に記載の検出システム。
  31. Rがアントラセン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8が場合によって保護されているボロン酸基であり;R9およびR10が脂肪族カルボン酸残基であり;そして各Zが炭素である、請求項27に記載の検出システム。
  32. 9およびR10がプロピオン酸残基である、請求項31に記載の検出システム。
  33. Rがアントラセン残基であり;R1、R2、R3、R4およびR5が水素であり;R6およびR7がジメチルアミン残基であり;各R8がボロン酸基であり;R9およびR10が同一または異なるものであって、メタクリルアミドアルキル残基、メタクロイルオキシエトキシアルキル残基、ヒドロキシエトキシアルキル残基およびアミノアルキル残基より成る群から選ばれ;そして各Zが炭素である、請求項27に記載の検出システム。
  34. 化合物が:
    9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]−10−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(プロパノイル)アミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチルアントラセン;
    9−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]−10−[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[3−(メタクリルアミド)プロピルアミノ]メチル]−10−[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]メチル]アントラセン;
    9,10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチルアントラセン;
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[2−(2−メタクロイルオキシエトキシ)エチルアミノ]メチルアントラセン;および
    9,10−ビス[N−(2−ボロノベンジル)−N−[5−アミノペンチルアミノ]メチル]アントラセン
    並びにそれらの塩より成る群から選ばれる、請求項27に記載の検出システム。
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