JP2005354843A - 電力ケーブルのy分岐接続部構造およびy分岐接続方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 絶縁筒22は一口側に楕円筒状のケーブル挿入口23、二口側に円形筒状のケーブル挿入口24、25を持つ中空の樹脂成形品である。各電力ケーブル31、32、33にスペーサ35、36、37を仮挿入する。各ケーブル導体31a、32a、33aに接続端子45、46、47を接続する。二口側の電力ケーブル31、32に絶縁筒22の二口側のケーブル挿入口24、25に仮挿入する。両側の接続端子45、46、47を接続する。絶縁筒22を一口側にスライドさせて戻し、各スペーサ35、36、37をそれぞれのケーブル挿入口23、24、25に嵌合させる。次いで防水処理を施す。
【選択図】 図1
Description
また、図16の構造の場合、分岐接続部構造全体としてコンパクトにならず、また、三相の配電線路の3本の幹線電力ケーブルの分岐接続部を収容する分岐枡(ハンドホール)等の分岐接続部収容設備において、並べて配置した場合に、広いスペースを占める。
(1)各電力ケーブルの皮剥ぎをしてケーブル導体を露出させる工程と、
(2)二口側の電力ケーブルにそれぞれ、絶縁体と半導電層との2層又は3層からなる断面外形が円形のスペーサを仮挿入し、かつ、一口側の電力ケーブルに、前記と同じ材料で断面外形が楕円状のスペーサを仮挿入する工程と、
(3)各電力ケーブルの導体に接続端子を取り付ける工程と、
(4)前記絶縁筒の二口側の2つのケーブル挿入口に二口側の2本の電力ケーブルをそれぞれ挿入し、絶縁筒を二口側の電力ケーブルの奥にスライドさせて仮挿入する工程と、
(5)一口側の電力ケーブルの接続端子と二口側の電力ケーブルの接続端子とを電気的に接続する工程と、
(6)前記絶縁筒を一口側にスライドさせて、一口側の電力ケーブルに被せたスペーサを絶縁筒の一口側のケーブル挿入口に嵌合させ、かつ二口側の電力ケーブルに被せたスペーサを絶縁筒の二口側のケーブル挿入口に嵌合させる工程と、
(7)絶縁筒の各ケーブル挿入口近傍について、絶縁筒とスペーサとの境界部分、スペーサから電力ケーブルのシース部分に渡る部分に防水処理を施す工程と、
からなることを特徴とする
また、絶縁筒の一口側のケーブル挿入口が楕円筒状をなしているので、幅方向寸法がコンパクトである。また、絶縁筒の両側のケーブル挿入口の近傍の断面外形が長方形をなすので、3つを並べて配置した時、幅方向に広いスペースを占めないので、分岐枡等の分岐接続部収容設備の省スペース化を実現できる。
絶縁筒は、従来のような分岐用導体を内部に埋め込んだ構造でなく、単なる樹脂中空体であるから、絶縁筒の樹脂成形のコストを安価にできる。また、金属で重量大の分岐接続本体を埋め込んでいないから、絶縁筒は軽量であり、分岐接続作業の作業性も向上する。
この電力ケーブルのY分岐接続部構造21は、図2に単独で示したごとき絶縁筒22を用いる。この絶縁筒22は、一端側に楕円筒状の1つのケーブル挿入口23、他端側に同一内径及び外径の円形筒状の2つのケーブル挿入口24、25を備え、一口側のケーブル挿入口23の近傍及び二口側のケーブル挿入口24、25の近傍の断面外形が長方形をなす中空筒状である。絶縁筒22は、外部半導電層26と絶縁体27と内部半導電層28との3層からなり、エチレンプロピレンゴムの一体成形品である。絶縁筒22の内部の長手方向中央近傍の側面は、図3、図4に示すように平坦面であり、機能上、内部半導電層28を充電部(後述する羽子板圧縮端子、ケーブル導体の部分)と物理的に接触させて同電位にする必要があるため、内部半導電層28の平坦な内側側面28aに、羽子板圧縮端子(45、46、47)の幅より狭く、かつ絶縁筒22の長手方向の移動を妨げない程度の接触用の突条28bを、絶縁筒長手方向に延在する態様で形成している。なお、29は検電端子である。
絶縁筒22の絶縁体27はエチレンプロピレンゴム、内外の半導電層26、28はエチレンプロピレンゴムにカーボンを添加したものである。
スペーサ35,36,37の材質も絶縁筒22と同様であり、絶縁体35a、36a、37aはエチレンプロピレンゴム、外部半導電層35b、36b、37bはエチレンプロピレンゴムにカーボンを添加したものである。
次いで、図5(ロ)に示すように、ACPテープ(粘着半導電性架橋ポリエチレンテープ)49を外部半導電層31c部分の近傍に巻き付ける。
次いで、図5(ニ)に示すように、各電力ケーブル31、32、33の遮蔽層31dの部分で錫メッキ軟銅線52による接地処理を行う。
また、図8(イ)、(ロ)に示すように、スペーサ35、36、37の薄肉円筒部35c、36c、37cから、電力ケーブル31、32についてはシース31e、32e際にかけて、また電力ケーブル33については防水用スペーサ43の際にかけて、半導電性融着テープ54、55を段差谷埋めして巻き付ける。電力ケーブル31については、さらにその上に防水テープ58を巻き付ける。
なお、一口側に絶縁栓が入る場合は、図11(ロ)のように、ケーブル導体に圧縮接続していない単独の羽子板圧縮端子45に羽子板圧縮端子46、47を固定する。
また、二口側の一方の例えばケーブル挿入口25に絶縁栓が入る場合は、図11(ハ)に示すように、絶縁栓挿入側の羽子板圧縮端子47を省いた状態で、羽子板圧縮端子45、46を固定する。
また、図12に示したスペーサ35’のように、挿入位置決めのための段差56を形成すると、スペーサが確実に所定の挿入位置まで挿入されるので、好ましい。また、挿入位置決め用として、段差に代えて周方向の突条を形成してもよい。
なお、空き回路がある場合は、そのケーブル挿入口に前述した絶縁栓を挿入する。絶縁栓にも挿入位置表示ないし位置決め部が設けられており、その挿入位置表示ないし位置決め部まで絶縁栓をケーブル挿入口23、24、25に挿入する。図12に一口側の絶縁栓38及び二口側の絶縁栓39の例を併せて示した。一口側の絶縁栓38には前記スペーサ35’と同様に位置決め用として段差56を形成し、二口側の絶縁栓39には位置決め用として突条57を設けている。38a、39aは絶縁体、38b、39bは半導電層である。
スペーサ35及び絶縁栓38は楕円形状のケーブル挿入口23に対応する楕円断面形状であるが、締まりバメにしているので、シリコン油等の潤滑剤を塗布して挿入するとよい。締まりバメなので、十分拘束力がありスペーサ35及び絶縁栓38がケーブル挿入口23から抜けることはない。
また、一口側のスペーサ35と絶縁筒22との間に防水テープを巻き付ける防水処理を施す。
以上により、電力ケーブルのY分岐接続が行なわれる。
図14は、分岐枡62内で3本の各ケーブル線心61について上述の分岐接続作業を行なって、3心ケーブル60の分岐接続を完了した状態を示す。ケーブル線心61は上述した実施例では電力ケーブル31、32、33に相当する。上述の分岐接続を済ませた3つの絶縁筒22を横並びにし中央部をステンレスバンド63で束ねる。また、各相ごとに接地線(図示略)をまとめてボルト型コネクタで接続する。
図示のように、幅の狭いスリムな絶縁筒22内に分岐状電気的接続部(図1の符号34)が収容された構造であるから、コンパクトであり、3つ横並びの配置で分岐枡62内に収容した状態も、幅方向に広いスペースを占めないので、分岐枡等の分岐接続部収容設備の省スペース化を実現できる。
22 絶縁筒
23 一口側のケーブル挿入口
24、25 二口側のケーブル挿入口
26 外部半導電層
27 絶縁体
28 内部半導電層
28a 内側側面
28b 接触用の突条
29 検電端子
31 一口側の電力ケーブル
32、33 二口側の電力ケーブル
31a、32a、33a ケーブル導体
31b、32b、33b 絶縁体
31c 半導電層(半導電層32c、33cは不図示)
31d 遮蔽層(遮蔽層32d、33dは不図示)
31e、32e、33e シース部
34 分岐状電気的接続部
35、35’ 一口側のスペーサ
36、37 二口側のスペーサ
35a、36a、37a 絶縁体
35b、36b、37b 半導電層
35c、36c、37c 薄肉円筒部
35d、36d、37d 位置決め表示
38 一口側の絶縁栓
39 二口側の絶縁栓
38a、39a 絶縁体
38b、39b 半導電層
41、42 防水チューブ
43 防水用スペーサ
45 一口側の羽子板圧縮端子
46、47 二口側の羽子板圧縮端子
48 ボルト・ナット
49 ACPテープ巻き
51 インナーコア
51a 端末部
52 錫メッキ軟銅線
54、55 半導電性融着テープ巻き
56 (挿入位置決め用の)段差
57 (挿入位置決め用の)突条
56 挿入位置表示
58 防水テープ
60 3心ケーブル
61 ケーブル線心(=電力ケーブル31、32)
62 分岐枡
63 ステンレスバンド
71 角形電柱
71a H形鋼の柱材
71b 蓋板
72 土台
72a 開口
Claims (7)
- 一端側に楕円筒状の1つのケーブル挿入口、他端側に円形筒状の2つのケーブル挿入口を持ち、外部半導電層と絶縁体と内部半導電層との3層からなり、前記両側のケーブル挿入口の近傍の断面外形が長方形をなす中空筒状の絶縁筒を備え、この絶縁筒の内部に、一口側のケーブル挿入口から挿入した電力ケーブルの導体と二口側の2つのケーブル挿入口からそれぞれ挿入した電力ケーブルの導体とを電気的に接続した分岐状電気的接続部を収容し、各電力ケーブルのケーブル挿入口部分にそれぞれ、絶縁体と外部半導電層との2層又は絶縁体と外部半導電層と内部半導電層との3層からなるスペーサを被せ、各スペーサをそれぞれのケーブル挿入口に嵌合させたことを特徴とする電力ケーブルのY分岐接続部構造。
- 前記二口側の2つのケーブル挿入口の部分に、電力ケーブルのシース部外面から絶縁筒のケーブル挿入口部外面に渡って、常温収縮チューブ又は熱収縮チューブからなる防水チューブが被せられたことを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルのY分岐接続部構造。
- 前記二口側の2つのケーブル挿入口が同一径であって、二口側の2つのケーブル挿入口の一方に挿入される電力ケーブルが他方の電力ケーブルより小外径である場合に、前記一方の電力ケーブルの前記防水チューブが被せられる部分に、他方の電力ケーブルに合わせた外径の防水用スペーサを被せたことを特徴とする請求項2記載の電力ケーブルのY分岐接続部構造。
- 前記分岐状電気的接続部が、前記一口側のケーブル挿入口から挿入した電力ケーブルの導体に圧縮接続した羽子板圧縮端子の両面に、前記二口側の2つのケーブル挿入口からそれぞれ挿入した電力ケーブルの導体にそれぞれ圧縮接続した羽子板圧縮端子をそれぞれ接触させボルト・ナットで締め付けて構成したことを特徴とする請求項1〜3記載の電力ケーブルのY分岐接続部構造。
- 前記絶縁筒の内部半導電層部分である内面に、絶縁筒長手方向に延在する突条を前記分岐状電気的接続部に接触するように形成したことを特徴とする請求項1〜4記載の電力ケーブルのY分岐接続部構造。
- 一端側に楕円筒状の1つのケーブル挿入口、他端側に円形筒状の2つのケーブル挿入口を持ち、外部半導電層と絶縁体と内部半導電層との3層からなり、前記両側のケーブル挿入口の近傍の断面外形が長方形をなす中空筒状の絶縁筒を用いて、一口側の1本の電力ケーブルと二口側の2本の電力ケーブルとのY分岐接続を行なう電力ケーブルのY分岐接続方法であって、
(1)各電力ケーブルの皮剥ぎをしてケーブル導体を露出させる工程と、
(2)二口側の電力ケーブルにそれぞれ、絶縁体と半導電層との2層又は3層からなる断面外形が円形のスペーサを仮挿入し、かつ、一口側の電力ケーブルに、前記と同じ材料で断面外形が楕円状のスペーサを仮挿入する工程と、
(3)各電力ケーブルの導体に接続端子を取り付ける工程と、
(4)前記絶縁筒の二口側の2つのケーブル挿入口に二口側の2本の電力ケーブルをそれぞれ挿入し、絶縁筒を二口側の電力ケーブルの奥にスライドさせて仮挿入する工程と、
(5)一口側の電力ケーブルの接続端子と二口側の電力ケーブルの接続端子とを電気的に接続する工程と、
(6)前記絶縁筒を一口側にスライドさせて、一口側の電力ケーブルに被せたスペーサを絶縁筒の一口側のケーブル挿入口に嵌合させ、かつ二口側の電力ケーブルに被せたスペーサを絶縁筒の二口側のケーブル挿入口に嵌合させる工程と、
(7)絶縁筒の各ケーブル挿入口近傍について、絶縁筒とスペーサとの境界部分、スペーサから電力ケーブルのシース部分に渡る部分に防水処理を施す工程と、
からなることを特徴とする電力ケーブルのY分岐接続方法 - 請求項6記載の電力ケーブルのY分岐接続方法において、二口側についての絶縁筒とスペーサとの境界部分、及び、前記スペーサから電力ケーブルのシース部分に渡る部分に防水処理を施す方法として、
請求項6のY分岐接続方法における(1)に続く段階で、予め二口側の電力ケーブルに、インナーコアに被せられて拡径状態に保持された常温収縮チューブ又は加熱前の熱収縮チューブからなる防水チューブを仮挿入しておき、同じく(7)に続く段階で、前記インナーコアを除去して又は熱収縮チューブを加熱して常温収縮チューブ又は熱収縮チューブからなる防水チューブを収縮させて、この防水チューブを、絶縁筒のケーブル挿入口部分から電力ケーブルのシース部分に渡って被せることを特徴とする電力ケーブルのY分岐接続方法。
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JP2004174575A JP2005354843A (ja) | 2004-06-11 | 2004-06-11 | 電力ケーブルのy分岐接続部構造およびy分岐接続方法 |
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Cited By (1)
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JP2017200371A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ケーブルの分岐構造、及び被覆処理具 |
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2004
- 2004-06-11 JP JP2004174575A patent/JP2005354843A/ja active Pending
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