以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るカメラの要部構成の一例を縦断面図で表したものである。本実施の形態のカメラは、カメラボディ10と、撮像光学系としての3つの撮像レンズ11A〜11Cおよびプリズム12と、撮像素子20と、ファインダ光学系としてのペンタプリズム13および接眼レンズ14とから構成される。なお、本実施の形態のカメラは一眼レフカメラに対応したものである。
カメラボディ10内には、撮像レンズ11の光軸上にプリズム12が配置されている。また、プリズム12の上部には、撮像光学系の焦点位置に撮像素子20配置され、さらに撮像素子20の光軸上の後方にペンタプリズム13および接眼レンズ14が配置されている
撮像レンズ11は、3つの撮像レンズ11A〜11Cから構成されている。なお、この撮像レンズ11の構成は、他の構成からなっていてもよい。
プリズム12は、撮像レンズ11により結像される光を反射して、撮像素子20の方向へ光路を向けると共に、撮像素子20に正立した被写体像を結像する機能を有する。なお、このプリズム12の代わりに固定されたミラーを配置するように構成してもよい。
撮像素子20は、例えば有機または無機のEL(ElectroLuminescence)素子などからなり、各画素がマトリクス状に配置された、アクティブマトリクス型構造となっている。この撮像素子20は、所定の図形や文字などの動画像を表示すると共に、光を受光する機能を有する。また、後述するように、本実施の形態の撮像素子20はさらに入射光の一部を透過する機能をも有し、これにより被写体像の撮影および観察を並行して行うことができるようになっている。つまり、この撮像素子20は、図17に示したような従来の一眼レフカメラにおける、撮像素子98とマットスクリーン99としての機能を兼ね備えるものである。なお、この撮像素子20において受光した被写体像は、その後例えば図示しない記録素子に記録され、一方、透過光はペンタプリズム13へ入射するようになっている。
ペンタプリズム13は、撮像素子20における透過光を入射し、90度の角度で反射して接眼レンズ14へ出射する機能を有する。また、接眼レンズ14は、ペンタプリズム13における反射光を入射し、撮影者の片方の目Eにおいて実際に観察するレンズである。よって、撮影者は撮像素子20において受光した被写体像と同じ画像を拡大して観察することができるようになっている。
図2は、図1における撮像素子20の概略構成の一例を縦断面図で表したものである。なお、ここでは撮像素子20が有機EL素子から構成されている例で説明するが、他の素子から構成されていてもよい。
この撮像素子20は、ガラス基板201およびカバーガラス217に挟まれた多層膜から構成される積層構造となっている。この多層膜は具体的には、ガラス基板201側から、絶縁膜203と、p−Si(ポリ−シリコン)膜204と、ゲート絶縁膜205と、ゲート電極206と、層間絶縁層207と、電極208と、平坦化層209と、コンタクト部210と、金属アノード電極211と、透明電極218と、発光受光層212と、透明カソード電極213と、隔壁214と、保護層215と、透明シール216とから構成される。なお、隔壁214は、マトリクス状に配置された各画素を分離し、表示撮像セルCWRを構成するためのものである。ただし、図2の縦断面図においては透明カソード電極213も分離されているが、実際にはつながっているものである。
発光受光層212は、正孔輸送層、発光層および電子輸送層を順次堆積させたものであり、陽極(金属アノード電極211)および陰極(透明カソード電極213)によって挟持された構造となっている。そして、陽極および陰極との間に順方向バイアス電圧を印加することにより、正孔は陽極から正孔輸送層を経て、電子は陰極から電子輸送層を経て、それぞれ発光層内に注入され、この注入された正負のキャリアの再結合によって発光層内の蛍光分子が励起状態となり、この励起分子の緩和過程で発光が得られるようになっている。よって、各表示撮像セルCWRにおいてR(赤)/G(緑)/B(青)の各色の発光に対応した発光受光層212を配置することにより、この撮像素子20においてカラー表示をすることが可能となる。
また、この撮像素子20は前述のように光を受光する機能も有する。具体的には後述するように、陽極と陰極との間に直流の逆方向バイアス電圧を印加することにより行う。このような状態にすると、発光受光層212は発光することなく、光量に応じた微小の逆方向電流を発生する。よって、この発生した電流を検出することにより、外部光を受光することが可能となる。
この撮像素子20は、いわゆるTAC(Top emission Adaptive Current drive)技術を用いたものであり、上面発光型(Top emission構造)となっている。したがって、この撮像素子20では、積層構造の下方側(ガラス基板201側)に配された陽極(金属アノード電極211)が、金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等といった仕事関数の大きい金属を用いて形成されており、金属アノードとして機能するようになっている。
また、積層構造の上方側(カバーガラス217側)に配された陰極(透明カソード電極213)が、アルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金やマグネシウム(Mg)と銀(Ag)との合金等といった仕事関数の小さい材料によって、発光受光層212で発せられた光を透過する程度の膜厚に形成されており、光透過性カソードとして機能するようになっている。これにより、発光受光層212で発せられた光を積層構造の上方側(カバーガラス217側)へ透過させ、また逆に積層構造の上方側からの入射光を発光受光層212へ透過させることが可能となる。なお、陰極(透明カソード電極213)の上面側はその陰極の保護等のため、前述の保護層215および透明シール216によって覆われている。
また、この陽極(金属アノード電極211)の一部には、各画素ごとに透明電極218が形成されるようになっている。この透明電極218は、陰極(透明カソード電極213)と同様、仕事関数の小さい材料によって発光受光層212で発せられた光を透過する程度の膜厚に形成されている。これにより、積層構造の上方側(カバーガラス217側)だけでなく、積層構造の下方側(ガラス基板201側)の一部(各画素ごと)において、発光受光層212で発せられた光を透過させるようにすることが可能となる。また逆に、積層構造の上方側から発光受光層212への入射光の一部を、積層構造の下方側へ透過させることも可能となる。なお、各画素において形成された透明電極218は、必ずしも画素の中央に配置されている必要はなく、任意の位置に形成することが可能である。
この撮像素子20は前述のようにアクティブマトリクス型の構造なので、発光受光層212は、その下層側に設けられたTFT(Thin Film Transistor)によって駆動されるようになっている。つまり、発光受光層212の下層側には、平坦化層209や層間絶縁層207などを介して複数のTFTが設けられている。そしてこれらのTFTは、パターン化されて形成された電極208および平坦化層209に形成されるコンタクト部210によって、発光受光層212と電気的に接続されている。これにより、これらのTFTは、後述するように各画素を選択して駆動するための駆動回路としての機能を果たすようになっている。
次に、このような構成の撮像素子20の各画素における発光動作および受光動作について説明する。
図3は、図2における表示撮像セルCWRの回路構成を表すものである。なお、表示撮像セルCWRにおけるこれらの駆動回路は、上記のようにTFTにより形成されている。
この表示撮像セルCWRには、発光駆動対象として発光受光層212を選択するための発光用ゲート線Gと、発光受光層212へ表示用のデータを供給するためのデータ供給線DWと、発光受光層212に対する発光駆動と受光駆動とを切り換える切換線Sと、発光受光層212から撮像信号を読み取るためのデータ読取線DRとが、それぞれ1本ずつ接続された構成となっている。つまり、通常の発光層のみを備える1画素分のセルと比べて、受光用の分だけゲート線およびデータ線が1本ずつ増加した構成となっている。また、表示撮像セルCWRは、発光受光層212と、キャパシタCと、抵抗Rと、発光用ゲート線Gから供給される選択信号に応じてデータ供給線DWとこのキャパシタCの一端との間を選択的に導通させる第1のスイッチSW1と、切換線Sから供給される切換信号に応じてこのキャパシタの他端と発光受光層212の一端との間を選択的に導通させる第2のスイッチSW2と、同様に切換線Sから供給される切換信号に応じて発光受光層212の一端とデータ読取線DRとの間を選択的に導通させる第3のスイッチSW3とを有し、発光受光層212の他端は接地されている。抵抗Rの一端はデータ読取線DRに接続されており、抵抗Rの他端は接地、または負バイアス点(図示せず)に接続されている。
ここで、具体的に発光動作時および受光動作時における表示撮像セルについて簡単に説明しておく。前述のように有機EL素子などから構成される撮像素子20は、順方向バイアス電圧を印加すると発光動作をするが、逆方向バイアス電圧を印加すると、受光して電流を発生するようになっている。よってこの発光受光層212は、発光動作および受光動作を同時に行うことはできず、両方の動作を行うには時分割で動作させる必要がある。
発光動作時には、上記のように発光用ゲート線Gから供給される選択信号および切換線Sから供給される切換信号に応じて第1のスイッチSW1および第2のスイッチSW2がオン状態かつ第3のスイッチSW3がオフ状態となると共に、発光受光層212には順方向バイアス電圧が印加される。ここで、表示信号に応じた輝度の発光となるよう、データ供給線DWからI1の経路にてキャパシタCが充電され、それに基づいてI2の経路にて発光受光層212に電流が流れ、発光動作を行うようになっている。
一方、受光動作時には、上記のように切換線Sから供給される切換信号に応じて第2のスイッチがオフ状態、第3のスイッチSW3がオン状態となると共にこの発光受光層212に逆方向バイアス電圧が印加され、発光受光層212において受光した光量に応じた電流がI3の経路にてデータ読取線DRへ供給され、受光動作を行うようになっている。なお、発光動作および受光動作のいずれの動作も行っていない時には、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2および第3のスイッチSW3のいずれのスイッチもオフ状態となっており、データ供給線DWおよびデータ読取線DRはそれぞれ、発光受光層212とは切断されるようになっている。なお、データ読取線DRに接続されている抵抗Rは、上記のようにI3の経路でデータ読取線DRに供給された電流に基づいて抵抗Rの両端に電位差を生じさせ、これを撮像信号として出力する機能を有する。
以上のように制御することで、撮像素子20における各画素が発光動作および受光動作を行うことが可能となる。
次に、以上のように構成されたアクティブマトリクス型の撮像素子20の製造方法の一例について説明する。
まず、ガラス基板201上の全面に、絶縁膜203およびp−Si膜204を連続成膜する。絶縁膜203としては、例えば、窒化ケイ素(SiN)膜および二酸化ケイ素(SiO2)膜の積層膜を形成することが考えられる。さらに具体的には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により、窒化ケイ素膜を200nm厚で、二酸化ケイ素膜を150nm厚で、p−Si膜204を45nm厚で、それぞれ成膜することが考えられる。
その後、p−Siをパターニングし、エッチングした後に、ゲート絶縁膜205およびゲート電極206を成膜する。ゲート絶縁膜205は、例えばプラズマCVDによる二酸化ケイ素(SiO2)/窒化ケイ素(SiN)/二酸化ケイ素(SiO2)の積層構造とすることが考えられる。また、ゲート電極206はモリブデン(Mo)を用いることが考えられるが、高融点金属やアルミニウム(Al)等の単層または積層構造であってもよい。そしてゲートをパターニングし、エッチングした後に、通常のTFTの形成手順と同様に、pチャネルおよびnチャネルを作り分ける。
さらにその後は、通常のTFTの形成手順と同様にして、層間絶縁層207の成膜、その層間絶縁層207におけるコンタクト部210の形成、電極208となるアルミニウム(Al)層の成膜、その電極208をパターン化するためのアルミニウム層のエッチング等を順次行って、基板201上にTFTを形成する。
TFTを形成後は、図2に示すように、電極208がパターン化されて形成された上に平坦化層209を成膜する。そしてさらにその平坦化層209の上に、前述の発光受光層212が陽極(金属アノード電極211)および陰極(透明カソード電極213)に挟持された構造を形成する。
この際、前述のように、陽極(金属アノード電極211)の一部に、各画素ごとに透明電極218を形成するようにする。この透明電極218の形成には、通常の陽極のエッチング用マスクをそのようなパターンとなるように変更することにより行う。
その後は、陰極(透明カソード電極213)の上面側に前述の保護層215および透明シール216を成膜し、最後にカバーガラス217で覆う。以上のようにして、撮像素子20が製造される。
次に、以上のような構成の撮像素子20において、光を受光および透過する動作を説明する。
図4は、図2の構成の撮像素子20において入射光を受光および透過する処理の一例を表すものである。
カバーガラス217側から入射した入射光LI1,LI2は、透明カソード電極213を透過し、発光受光層212へ入射する。ここで、金属アノード電極211は不透明であり、入射光LI2は透過できないようになっている。よってこのとき、マトリクス状に配置された各画素を受光駆動することにより、入射光LI2は発光受光層212において受光され、光量に応じた電流が流れることにより、撮像信号を出力することができる。一方、各画素に配置された透明電極218の部分は透明なので、入射光LI1はこの透明電極部分を透過し、そのままガラス基板201までの各層をも透過するようになっている。このようにして、撮像素子20への入射光は、各画素に配置された透明電極218の部分においてのみ発光受光層20を透過し、その他の部分においては、発光受光層20において受光される。なおこのとき、マトリクス状に配置された各画素を発光駆動することにより、発光受光層212において発光動作を行うことも可能ではあるが、透明電極218を透過する入射光LI1が混入してしまい、表示画質が低下してしまうこととなる。したがって、後述するように遮光層を設けるのが好ましい。
なお、図5に示したように、撮像素子20の構造において、各画素におけるカバーガラス217側にカラーフィルタ219Aを、およびガラス基板201側にカラーフィルタ219Bを配置するように構成してもよい。このように、R(赤)/G(緑)/B(青)の各色に対応したカラーフィルタ219を配置することにより、発光受光層212において受光される光の色、および発光受光層212から発する表示光の色(例えば、白色発光受光層を使用する場合など、ガラス基板201側への表示にカラーフィルタが必要な場合)を補正することが可能となる。なお、これらカラーフィルタ219A,219Bは、目的および用途に応じて、どちらか一方のみを配置するようにしてもよい。また、カラーフィルタにおける対応する色についても、必ずしも3色とも使用する必要はなく、目的および用途に応じて配置するようにしてもよい。
次に、以上のような構成の撮像素子20を備えた図1のカメラにおいて、被写体像の撮影および観察を行う処理を説明する。
図6に示したように、撮影者は、撮像素子20における透過光を利用することにより、光路OP1によって被写体像を片方の目Eで観察することができる。また、撮像素子20における撮像信号を利用することにより、光路OP2によって被写体像を撮影することができる。このようにして撮影者は、被写体像の撮影および観察を並行して行うことが可能となる。
以上のように、本実施の形態の撮像素子またはカメラによれば、撮像素子20が、光を透過する陽極としての透明カソード電極213と、この透明カソード電極213と対向して配置され、光を透過しない陰極としての金属アノード電極211と、これらの電極の間に設けられ、駆動信号に応じて自ら発光すると共に光を受光する発光受光層212とを有し、金属アノード電極211の一部(各画素ごと)に、光を透過する透明電極218を設けるようにしたので、撮像素子20への入射光を受光すると共に入射光の一部を後方へ透過させることができ、これにより被写体像の撮影と観察を並行して行うことが可能となる。また、被写体像の撮影と観察とを並行して行うことができるので、従来の一眼レフカメラ等とは異なり、被写体の撮影中においてもファインダにより被写体像を観察することが可能となる。
また、本実施の形態の撮像素子またはカメラによれば、撮像素子20が、被写体像の撮影および観察という、従来の一眼レフカメラにおける撮像素子およびマットスクリーンとしての機能を兼ね備えるようにしたので、従来の一眼レフカメラ等とは異なり、撮像素子20における撮影画像とファインダによる観察画像とを完全に一致させることができ、撮影者にとって利便性の良いカメラシステムを容易に構築することが可能となる。また、撮像素子およびマットスクリーンとしての機能を兼ね備えるようにしたので、部品点数の削減により構造を簡素化することができ、これによりカメラ全体としての低コスト化および小型化を実現することが可能となる。また、従来の一眼レフカメラにおけるクイックリターンミラーのようなはね上げ動作が不要となるので、さらに構造を簡素化し、カメラ全体としての低コスト化および小型化を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態の撮像素子20およびカメラによれば、以下の変形例1で述べるように、図1のカメラに着脱式の反射板をさらに配置することにより、被写体像の撮影および観察に加え、入射光の影響を受けずに画像を表示することも可能となる。
[変形例1]
図7は、本変形例に係るカメラの要部構成の一例を縦断面図で表すものである。
このようにプリズム12の代わりに、撮像素子20の下部に着脱可能な反射板15を配置し、駆動部16がその着脱を制御するようになっている。なお、図7において、駆動部16は模式的にカメラボディ10の外部に配置されているが、実際にはこの駆動部16はCPU(Central Processing Unit)などから構成され、カメラボディ10の内部に配置されるようになっている。以後の図においても同様である。
図8は、図7のカメラにおいて被写体像の撮影および観察ならびに画像の表示を行う処理の一例を縦断面図で表すものである。
まず、図8(A)に示したように、被写体の撮影および観察時には、反射板15が撮像素子20に対して光を遮らないような位置に配置され、プリズム12と同様に撮像レンズ11により結像される光を反射し、撮像素子20の方向へ光路を向けるようになっている。よって図6と同様に、撮影者は撮像素子20における透過光を利用することにより、光路OP1によって被写体像を片方の目Eで観察する共に、撮像素子20における撮像信号を利用することにより、光路OP2によって被写体像を撮影することができる。
一方、図8(B)に示したように、画像の表示時には、矢印Xのように反射板15が撮像素子20に対して光を遮るような位置に配置される。
ここで図9を参照して、図8(B)のように反射板15が撮像素子20に対して光を遮るような位置に配置された場合に、撮像素子20において画像の表示を行う処理の詳細を説明する。
まず、撮像レンズ11により結像される光は、図8(B)における光路OP3のように反射板15によって反射されず、撮像素子20へ入射することができない。また、その他の撮像素子20へ向かう入射光LI3も、図9のように反射板15により反射され、撮像素子20へは入射することができない。
一方、発光受光層212から出射された表示光LD1〜LD3については、以下のようになる。つまり、透明電極218が形成されている部分以外からの表示光LD1は、金属アノード電極211を透過できないので全てカバーガラス217側へ出射し、反射板15において反射するが、やはり金属アノード電極211に遮られ、ガラス基板201側へは透過できない。また、透明電極218が形成されている部分からの表示光のうち、ガラス基板201側への出射光LD2はそのまま透明電極218を透過し、撮像素子20自体を透過する。さらに、透明電極218が形成されている部分からの表示光のうち、カバーガラス217側への出射光LD3は、反射板15において反射することにより結果的に透明電極218を透過し、撮像素子20自体を透過する。
よって、撮像素子20への入射光LI3は反射板15によって反射されることにより遮られるので、撮影者は、撮像素子20における表示光のうち透明電極218が形成されている部分からの表示光LD2,LD3により、図8(B)における光路OP4のようにして、入射光LI3の影響を受けずに画像を片方の目Eで見ることが可能となる。
このようにして、被写体の撮影および観察時には、図8(A)のように反射板15が撮像素子20に対して光を遮らないような位置に、一方画像の表示時には、図8(B)のように反射板15が撮像素子20に対して光を遮るような位置に配置することにより、被写体像の撮影および観察に加え、入射光の影響を受けずに画像を表示することも可能となる。
このように、本変形例のカメラによれば、着脱式の反射板15を配置するようにしたので、被写体像の撮影および観察に加え、入射光の影響を受けずに容易に画像の表示を行うことが可能となる。
なお、本変形例のカメラでは、プリズム12の代わりに反射板15を配置した例で説明したが、例えばプリズム12や固定式のミラーと共に、それらの動作を妨げないような動作範囲で着脱式の反射板15を配置するようにしてもよい。
以下、第1の実施の形態についての変形例2について説明する。
[変形例2]
本変形例は、第1の実施の形態において、プリズム12およびペンタプリズム13の代わりにダハプリズム17を配置した構造であり、単眼鏡タイプの一眼レフカメラに対応したものである。
図10は、本変形例に係るカメラの要部構成の一例を縦断面図で表したものである。本変形例のカメラは、カメラボディ30と、撮像光学系としての3つの撮像レンズ11A〜11Cと、撮像素子20と、ファインダ光学系としてのダハプリズム17および接眼レンズ14とから構成される。なお、撮像レンズ11A〜11C、撮像素子20および接眼レンズ14に関しては、第1の実施の形態におけるものと同様であるので、説明を省略する。
ダハプリズム17は、例えば光路OP5のようにして、入射光をP1→P2→P3→P4→P1→P3という具合に反射し、結果的に撮像光学系と接眼レンズ14との光軸を一致させると共に、撮像光学系による像を正立させる役割を果たす。なお、このように光軸を一致させるプリズムであればダハプリズムに限られず、他の構成のプリズムを配置するようにしてもよい。
次に、引き続き図10を参照して、以上のような構成の本変形例のカメラにおいて、被写体像の撮影および観察を行う処理を説明する。
撮影者は、撮像素子20における透過光を利用することにより、第1の実施の形態と同様、光路OP5によって被写体像を片方の目Eで観察することができる。なお、この際のダハプリズム17における光路は、上記のようにP1→P2→P3→P4→P1→P3→接眼レンズ14となる。また、撮像素子20における撮像信号を利用することにより、光路OP6によって被写体像を撮影することができる。このようにして撮影者は、第1の実施の形態におけるカメラと同様に、被写体像の撮影および観察を並行して行うことが可能となる。
このようにして、本変形例のカメラによれば、プリズム12およびペンタプリズム13の代わりにダハプリズム17を配置する構成にしたので、第1の実施の形態における効果に加え、プリズム12が不要となり、また撮像光学系と接眼レンズ14との光軸が一致するようになるので、さらに構造を簡素化し、カメラ全体としての低コスト化および小型化を図ることが可能となる。また、このような構成を採用したことにより、単眼鏡タイプの一眼レフカメラという、これまでにない形態のカメラシステムを実現することも可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
上記第1の実施の形態においては一眼レフタイプのカメラについて説明したが、本実施の形態では、撮像レンズをカメラボディにおいて固定とし、ファインダ光学系の一部としてのプリズムを不要としたコンパクトタイプのカメラについて説明する。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るカメラの要部構成の一例を縦断面図で表したものである。本実施の形態のカメラは、カメラボディ40と、撮像光学系としての1つの撮像レンズ41と、撮像素子21と、ファインダ光学系としての接眼レンズ14と、撮像素子21における撮像信号を画像処理する機能を有する画像処理部17とから構成される。なお、この接眼レンズ14は、後述する撮像素子21において表示される画像を拡大する必要がない場合には、必ずしも配置しなくてもよい。また、接眼レンズ14に関しては、第1の実施の形態におけるものと同様であるので、説明を省略する。
撮像レンズ41は、1つのレンズから構成されている。よって、第1の実施の形態における撮像レンズ11A〜11は3つのレンズから構成されていたのに対し、本実施の形態の撮像レンズはこのような構成にしたことにより、カメラ全体の構造の簡素化に寄与している。なお、この撮像レンズ41の構成は、他の構成からなっていてもよい。
撮像素子21は、第1の実施の形態における撮像素子20と同様、例えば有機または無機のEL素子などからなり、各画素がマトリクス状に配置された、アクティブマトリクス型構造となっている。この撮像素子21は、所定の図形や文字などの動画像を表示すると共に、光を受光する機能を有する。また、後述するように、本実施の形態の撮像素子21はさらに入射光の一部を遮断する機能をも有し、これにより、被写体像の撮影および観察、または被写体像の撮影および画像の表示を並行して行うことができるようになっている。
画像処理部17は、上記のように撮像素子21における撮像信号を画像処理する機能を有し、例えばCPUやフレームメモリなどから構成される。具体的には、撮像素子21において受光した倒立の撮影画像をフレームメモリなどに記録し、これを電子的に正立画像に変換する。よってこの電子的に変換した正立画像を撮像素子21に戻してやることにより、レンズやプリズムを通さずに撮像素子21において正立画像を表示することが可能となる。なお、図11において、画像処理部17は模式的にカメラボディ40の外部に配置されているが、実際にはカメラボディ40の内部に配置されるようになっている。以後の図においても同様である。
図12は、図11における撮像素子21の概略構成の一例を縦断面図で表したものである。この図において、図2に示した第1の実施の形態における撮像素子20の構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、ここでは撮像素子21が有機EL素子から構成されている例で説明するが、第1の実施の形態における撮像素子20と同様、他の素子から構成されていてもよい。
この撮像素子21は、ガラス基板201およびカバーガラス217に挟まれた多層膜から構成される積層構造となっている。この多層膜は、ガラス基板201側から、絶縁膜203と、p−Si膜204と、ゲート絶縁膜205と、ゲート電極206と、層間絶縁層207と、電極208と、平坦化層209と、コンタクト部210と、金属アノード電極211と、透明電極218と、発光受光層212と、金属反射膜220と、透明カソード電極213と、隔壁214と、保護層215と、透明シール216とから構成される。第1の実施の形態における撮像素子20との違いは、透明カソード電極213の一部に、金属反射膜220を形成するようにした点である。
金属反射膜220は、発光受光層21への入射光の一部を反射することにより遮断する機能を有する。また、この金属反射膜220は、透明カソード電極213内の各画素ごとに、第1の実施の形態で説明した金属アノード電極211内の透明電極218に対応した位置に形成されるようになっている。さらに、この金属反射膜220は文字通り光を反射する機能をも有する。具体的には、図12を参照にして説明すると以下の通りである。
まず、カバーガラス217側から入射した入射光LI4,LI5のうち、金属反射膜220が形成されていない領域における入射光LI5は、透明カソード電極213を透過し、発光受光層212へ入射する。ここで、第1の実施の形態と同様、金属アノード電極211は不透明であり入射光LI2は透過できなので、各画素を受光駆動することにより、入射光LI5は発光受光層212において受光される。よって、光量に応じた電流が流れることにより、撮像信号を出力することができる。
一方、金属反射膜220が形成されている領域における入射光LI4は、金属反射膜220によって反射されることにより遮断される。よって入射光LI4は、発光受光層212へは入射せず、受光されないことになる。また、各画素を発光駆動した場合、この金属反射膜220が形成されている領域においてはカバーガラス217側からは入射光が入射しないので、入射光の影響を受けずに表示光を出射することができる。さらに、この金属反射膜220は前述のように金属アノード電極211内の透明電極218に対応した位置に形成されるようになっているので、この領域において出射した表示光5は透明電極218を透過し、撮像素子21のガラス基板201側へ出射することができる。
なお、発光受光層212における表示光は、実際にはカバーガラス217側への表示光LD4と、ガラス基板201側への表示光LD5との両方向の光が存在する。この場合、金属反射膜220は光を反射するので、カバーガラス217側への表示光LD4は反射され、結果的にガラス基板201側へ出射することになる。よって、ガラス基板201側へは結果的に表示光LD4,LD5両者とも出射するので、効率よく表示光を出射させることが可能となる。なお、本実施の形態においては、入射光を遮断するための層として金属反射膜220を形成しているが、この遮断するための層としては入射光を遮断する機能を有すればよく、必ずしも反射層である必要はない。その場合、図12におけるカバーガラス217側への表示光LD4はこの層において反射せず、ガラス基板201側へ出射させることができないので、表示光を出射させる効率が多少落ちることとなる。
また、撮像素子21におけるこの金属反射膜220は、蒸着により成膜し、通常の陰極(透明カソード電極213)のエッチング用マスクをそのようなパターンとなるように変更することにより行う。なお、その他の部分の製造方法は、第1の実施の形態における撮像素子20の製造方法と同様であるので、説明を省略する。
なお、図13に示したように、撮像素子21の構造において、各画素におけるカバーガラス217側にカラーフィルタ219A、およびガラス基板201側にカラーフィルタ219Bをそれぞれ配置するように構成してもよい。このように、R(赤)/G(緑)/B(青)の各色に対応したカラーフィルタ219Aおよび218Bを配置することにより、発光受光層212において受光される光の色、および発光受光層212から発する表示光の色(例えば、白色発光受光層を使用する場合など、ガラス基板201側への表示にカラーフィルタが必要な場合)を補正することが可能となる。なお、これらカラーフィルタ219A,219Bは、目的および用途に応じて、どちらか一方のみを配置するようにしてもよい。また、カラーフィルタにおける対応する色についても、必ずしも3色とも使用する必要はなく、目的および用途に応じて配置するようにしてもよい。
次に、以上のような構成の撮像素子21を備えた図11のカメラにおいて、被写体像の撮影および観察ならびに画像の表示を行う処理を説明する。
図14に示したように、撮影者は、光路OP7によって撮像素子21において受光した倒立像(図中のF1)の撮像信号を、矢印171で示したように画像処理部17において正立像に変換することにより、被写体を正立像で撮影することができる。また、この画像処理部17において変換された正立の撮影画像(図中のF2)を矢印172のように撮像素子21へ戻し、撮像素子21において表示することにより、光路OP8によって正立被写体像を片方の目Eで観察することができ、結果的に並行して被写体像の撮影および観察を行うことが可能となる。またさらに、画像処理部17に記録されている画像をやはり矢印172のように撮像素子21へ戻して表示させることにより、被写体像の撮影および画像(例えば、以前撮影した画像)の表示を並行して行うことも可能となる。なお、前述のように撮像素子21における発光受光層212は、発光動作および受光動作を同時に行うことはできないので、被写体像の撮影および画像の表示は時分割で行う必要がある。
なおこの場合、実際には被写体像の撮影用としての解像度と、被写体像の観察用および画像の表示用としての解像度は、その目的および用途によって異なることが多いと考えられる。例えば、撮像素子21における撮影画像を、この撮像素子21における表示用途としてのみ使用する場合(例えば、撮影機能つき携帯電話として使用する場合など)には、撮影用と表示用は同一解像度でよいことになる。
一方、例えばこの撮像素子21における撮影画像を印刷用途として使用する場合(例えば、スキャナとして使用する場合など)には、撮影用の解像度を基準として同一解像度とすると、表示用の解像度としては高すぎることとなる場合が多い。よってこのような用途の場合には、意図的に表示用の画素(発光画素)回路を撮像用の画素(受光画素)回路よりも間引いて配置し、表示用の画素回路の密度を緩和するように構成することも可能である。以下、この点について詳細に説明する。
図15は、撮像素子21において表示用の画素回路を撮像用の画素回路よりも間引いて配置した場合の画素配列の一例を模式的に表したものである。この図には、撮像素子21の他に、表示用駆動回路の一例として表示用スキャナ22および表示用データドライバ23、受光用駆動回路の一例として受光用スキャナ24および撮像信号検出部25を示している。
また、撮像素子21においては、前述のように各発光画素グループ(CWr,CWg,CWb,など)および各受光画素(CRr,CRg,CRb,など)が一面にマトリクス状に配置されている。ここで、添字のr,g,bは、それぞれR(赤)/G(緑)/B(青)の各色に対応した画素であることを意味する。このように、各発光画素グループを各受光画素よりも間引いて(この図の例の場合、1/9に間引いている)配置するようにしたことにより、表示用の画素回路の密度が緩和され、表示用駆動回路および受光用駆動回路などの駆動回路や、記録素子などの周辺回路をも簡素化することが可能となる。
なお、この場合における各画素の配置構成や駆動回路の種類については、図15に示したものに限らず、他の配置や種類によって構成してもよい。
以上のように、本実施の形態の撮像素子またはカメラによれば、撮像素子21の透明カソード電極213において、各画素ごとに金属アノード電極211内の透明電極218に対応した位置に、撮像素子21への入射光を遮断するための金属反射膜220を配置するようにしたので、第1の実施の形態における効果に加え、入射光を受光すると共に撮像素子21における表示光の一部を後方へ出射させることができ、これにより被写体像の撮影および観察に加え、入射光の影響を受けずに被写体像の撮影および画像の表示を並行して行うことも可能となる。よって例えば、被写体像の撮影を行いながら、以前撮影した画像の確認や後追い再生を行うといったことなどもでき、撮影者にとって非常に利便性の良いカメラシステムを構築することが可能となる。
また、本実施の形態の撮像素子またはカメラによれば、撮像素子21への入射光を遮断するための層として光を反射する金属反射膜220を配置するようにしたので、単に入射光を遮断するだけでなく、撮像素子21における表示光を反射することにより結果的に表示光を全てガラス基板201側へ出射することができるので、表示光を無駄なく効率的に出射させることが可能となる。
また、本実施の形態のカメラによれば、倒立の撮影画像を画像処理部17において電子的に正立像に変換するようにしたので、プリズムが不要となり、第1の実施の形態における効果に加え、さらに部品点数の削減により構造を簡素化し、カメラ全体としての低コスト化および小型化を図ることが可能となる。
さらに、本実施の形態の撮像素子またはカメラによれば、各発光画素グループを各受光画素よりも間引いて配置するようにした場合、表示用の画素の画素回路密度が緩和され、表示用駆動回路や受光用駆動回路などの駆動回路や記録素子などの周辺回路を簡素化することことが可能となる。つまり、ユーザの目的および用途に応じて、発光画素および受光画素の配置を自由に設定することが可能である。
以下、第2の実施の形態についての変形例3について説明する。
[変形例3]
本変形例は、第2の実施の形態において、撮像光学系として撮像レンズ41の代わりに、撮像素子21の全面に対してマイクロレンズをマトリクス状に並べたマイクロレンズアレイ51を配置し、さらに小型化した超薄型カメラに対応したものである。
図16は、本変形例に係るカメラの要部構成の一例を縦断面図で表したものである。本変形例のカメラは、カメラボディ50と、撮像光学系としてのマイクロレンズアレイ51と、撮像素子21と、撮像素子21における撮像信号を画像処理する機能を有する画像処理部18とから構成される。なお、撮像素子21に関しては、第2の実施の形態におけるものと同様であるので、説明を省略する。また、接眼レンズに関しては、本変形例においては小型化のために配置されていないが、撮像素子21において表示される画像を拡大する必要がある場合には、配置するようにしてもよい。
マイクロレンズアレイ51は、上記のように複数のマイクロレンズがマトリクス状に配置された構成となっている。また、1つのマイクロレンズに対して、撮像素子21において複数の受光画素(例えば、100×100個の受光画素)が対応するようになっている。個々のマイクロレンズを介し、撮像素子21において受光した撮像信号は、画像処理部18へ出力される。なお、このマイクロレンズアレイ51は、上記のように複数のマイクロレンズがマトリクス状に配置されたものに限らず、他の構成で平面的に配置されたものでもよい。
画像処理部18は、上記のように撮像素子21における撮像信号を画像処理する機能を有し、画像処理部17と同様、例えばCPUやフレームメモリなどから構成される。具体的には、まず個々のマイクロレンズを介して受光した倒立画像を、第2の実施の形態と同様に電子的に正立画像に変換し、さらにこれら複数の正立画像を結合して全体として1つの正立の撮影画像を生成するようになっている。よって、このような複眼結像方式を採用することにより、全体としての解像度を上げる(例えば、3〜4倍)ことが可能となる。なお、図16において、画像処理部18は模式的にカメラボディ50の外部に配置されているが、実際にはカメラボディ50の内部に配置されるようになっている。
次に、以上のような構成の図16のカメラにおいて、被写体像の撮影および観察ならびに画像の表示を行う処理を説明する。
図16に示したように、光路OP9によってマイクロレンズアレイ51を介して撮像素子21において受光した信号を、矢印181で示したように画像処理部18において正立像に変換すると共に複数の正立画像を結合し、全体として1つの正立の撮影画像を生成することにより、撮影者は被写体像を正立像で撮影すると共に、全体としての解像度を上げることが可能となる。また、この画像処理部18において変換および結合された1つの正立の撮影画像を矢印182のように撮像素子21へ戻し、撮像素子21において表示することにより、撮影者は光路OP10によって被写体像を片方の目Eで観察することができ、結果的に被写体像の撮影および観察を並行して行うことが可能となる。またさらに、第2の実施の形態と同様、画像処理部18において記録されている画像を矢印182のように撮像素子21へ戻して表示させることにより、被写体像の撮影および画像の表示を並行して行うことが可能となる。
このようにして、本変形例のカメラによれば、撮像光学系としてマイクロレンズアレイ51を配置し、被写体像を撮像素子21へ複眼結像して複数の撮影画像を取得し、これらを画像処理部18において再構成し、単一の高解像度画像を得るようにしたので、基本的な部品としてはマイクロレンズアレイ51および撮像素子21のみとなり、第2の実施の形態における効果に加え、さらに薄型(数mm程度)のカメラシステムを構築することができ、さらに構造を簡素化し、カメラ全体としての低コスト化および小型化を図ることが可能となる。
以上、第1および第2の実施の形態ならびにそれらの変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えばこれらの実施の形態等では、撮像素子20,21が、表示および撮像機能を兼ね備える有機EL素子から構成されている例で説明してきたが、表示機能を有する発光素子と撮像機能を有する受光素子とを組み合わせて配置するように構成してもよい。その場合例えば、発光素子として液晶素子を、受光素子としてCCD素子を配置するようにすることが可能である。
また、第2の実施の形態における図12の素子構成は、図11,図16に示したカメラのみならず、図1,図7,図10に示したカメラに適用することも可能である。
10,30,40,50…カメラボディ、11,41…撮像レンズ、12…プリズム、13…ペンタプリズム、14…接眼レンズ、15…反射板、16…駆動部、17,18…画像処理部、20,21…撮像素子、201…ガラス基板、203…絶縁層、204…p−Si層、205…ゲート絶縁膜、206…ゲート電極、207…層間絶縁膜、208…電極、209…平坦化層、210…コンタクト部、211…金属アノード電極、212…発光受光層、213…透明カソード層、214…隔壁、215…保護層、216…透明シール、217…カバーガラス、218…透明電極、219…カラーフィルタ、220…金属反射膜、22…表示用スキャナ、23…表示用ドライバ、24…受光用スキャナ、25…撮像信号検出部、37…ダハプリズム、51…マイクロレンズアレイ、E…片方の目、LI1〜LI5…入射光、LD1〜LD5…表示光、OP1〜OP12…光路、CWR…表示撮像セル、CRr,CRg,CRb…受光画素、CWr,CWg,CWb…発光画素グループ。