JP2005353702A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの半導体レーザ装置を用いて光ディスクに対するデータの再生および記録の各々に適したレーザ光を出力させる。
【解決手段】本発明の半導体レーザ装置は、基板11と、基板11に支持される化合物半導体の積層構造10とを備えている。積層構造10は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、第1および第2のクラッド層に挟まれた活性層15とを有している。また、活性層15の第1の領域15aに電流を狭窄する第1のストライプ状電流狭窄部と、活性層の第2の領域15bに電流を狭窄する第2のストライプ状電流狭窄部と、第1および第2のストライプ状電流狭窄部の少なくとも一方を介して、活性層15の第1の領域15aおよび第2の領域15bの少なくとも一方に電流を供給し、それによって第1の領域15aおよび第2の領域15bの少なくとも一方からレーザ光を放射させる電極構造とを備えている。
【選択図】図1



Description

本発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関しており、特に、光ディスク装置の光源に好適に用いられる半導体レーザ装置に関している。また、本発明は、このような半導体レーザ装置を備えた光ディスク装置などの電子機器に関している。
近年、記録媒体として光ディスクを用いる電子機器が急速に普及しつつある。光ディスクの記録容量をさらに拡大するためには、データの読み出し/書き込みに必要なレーザ光の波長を短くすることが求められる。現在普及しているDVDプレーヤやDVDレコーダでは、波長660nm帯の赤色半導体レーザが広く用いられており、この赤色半導体レーザは、例えばInGaAlP系化合物半導体をGaAs基板上にエピタキシャル成長させることによって製造される。
DVDよりも記録容量の大きな光ディスクとして、Blu−ray Disc(商標)などの次世代光ディスクの開発が活発に行なわれている。このような次世代光ディスク用の光源は、赤色の光よりも波長が更に短いレーザ光を安定に放射することが要求される。現在、波長400nm帯のGaN系半導体レーザの実用化が実現し、次世代光ディスクの記録再生用光源として最も期待されているが、以下に述べる課題が存在している。
まず、GaN系半導体レーザを次世代光ディスク装置の光源として利用する場合、現在実用化されているGaN系半導体レーザ装置の光出力を更に高めることが要求される。レーザの光出力を増大させるには、半導体レーザ装置のレーザ出射前端面の反射率は小さくし、かつ、レーザ出射後端面の反射率を高くする必要がある。しかし、このような反射率構造を付与された半導体レーザでは、レーザ発振に必要な閾値電流が高くなるため、データの読み出し(再生)に必要な低い光出力を得ようとすると、低い出力の光に含まれる自然放出光の割合が増加して、量子雑音(ノイズ)が増大するという問題がある。
特にBlu−ray Disc(商標)では、データの記録(書き込み)に必要なレーザ光の出力が例えば100mWのとき、データの再生に必要なレーザ光の出力を1.5〜2mW程度の極めて低い値に設定することが求められている。このように再生用レーザ光の出力が低く設定される理由は、光ディスクの再生光劣化を防止するためである。この再生光劣化とは、光ディスク上のデータが記録された記録膜に再生用レーザが照射されるとき、上記の設定範囲を超えて大きな出力のレーザ光が照射されると、記録膜の一部が加熱溶融し、データの記録状態が変化してしまうことを意味する。特に、再生用レーザ光に高周波信号を重畳した場合、一時的に再生用レーザ光の光出力が過度に上昇することがあるため、再生光劣化が生じやすくなることがある。
このような再生光劣化を防止するためには、再生用レーザ光の光出力を充分に低い値に設定しておく必要があるが、レーザ光の出力を低下させる、前述した理由により、自然放出光に起因した量子ノイズが増加してしまうという問題がある。
特許文献1は、GaN系レーザ装置のノイズを低減するため、間欠的にレーザ光を発する自励発振を用いることを開示し、非特許文献1は、特許文献1に開示されている自励発振型レーザを報告している。
特許第2877063号明細書 特許第2645871号明細書 特願平3−259656号 特開2003−264340号 IEEE J. Quantum Electron. 39(2003)1509 Japan Society Appl. Phys. International 3(2001)9 Phys. Stat. Sol. 192(2002)269
しかしながら、特許文献1に開示されている技術によれば、光ディスクのデータ再生時にレーザ光の出力を低下させた場合に、自励発振の有無に関わらず、自然放出光の影響による量子ノイズが顕著になるという問題は解決されない。その結果、データ再生時に読取りエラー発生などの支障が生じる。
特許文献2および非特許文献2は、ツインストライプ構造を有する半導体レーザ装置を開示しているが、このツインストライブ構造は、異なる2つの波長を有するレーザ光を放射するためのものである。
特許文献3は、レーザ光の双安定および光スイッチを実験するため、ツインストライプ構造を有する半導体レーザ装置を開示しているが、この半導体レーザ装置では光出力が低いときに生じる上述の問題は解決されていない。
特許文献4および非特許文献3は、光出力を高めるためにマルチストライプ化されたGaN系レーザを開示しているが、光出力が低いときに生じる上述の問題は解決されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、光ディスク装置の光源として使用した場合において、データ再生時におけるノイズの低減と、データ記録時の長寿命化とを同時に実現することができる半導体レーザ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の半導体レーザ装置を備える光ビックアップおよび光ディスク装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、上記の半導体レーザ装置の駆動方法および製造方法を提供することにある。
本発明の半導体レーザ装置は、基板と、前記基板に支持される化合物半導体の積層構造とを備えた半導体レーザであって、前記積層構造は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、前記第1および第2のクラッド層に挟まれた活性層とを有しており、更に、前記活性層の第1の領域に電流を狭窄する第1のストライプ状電流狭窄部と、前記活性層の第2の領域に電流を狭窄する第2のストライプ状電流狭窄部と、前記第1および第2のストライプ状電流狭窄部の少なくとも一方を介して、前記活性層の第1の領域および第2の領域の少なくとも一方に電流を供給し、それによって前記第1の領域および前記第2の領域の少なくとも一方からレーザ光を放射させる電極構造とを備えている。
好ましい実施形態において、前記電極構造は、前記第1のストライプ状電流狭窄部に接触した第1電極と、前記第2のストライプ状電流狭窄部に接触した第2電極と、前記基板の裏面に形成された第3電極とを有しており、前記第1電極と前記第2電極とは電気的に分離している。
好ましい実施形態において、相互に電気的に絶縁された第1電極パッドおよび第2電極パッドを有するサブマウントをさらに備え、前記第1および第2電極パッドは、それぞれ、前記第1および第2電極に接続されている。
好ましい実施形態において、前記活性層の第1の領域から放射される第1レーザ光に関する電流−光出力特性と、前記活性層の第2の領域から放射される第2レーザ光に関する電流−光出力特性との間には差異が存在する。
好ましい実施形態において、前記第1レーザ光の閾値電流は、前記第2レーザ光の閾値電流よりも低く設定されている。
好ましい実施形態において、前記第1レーザ光の閾値電流よりも低い電流が前記活性層の第1の領域に供給されているときに前記第1の領域から放射される自然放出光の強度は、前記第2レーザ光の閾値電流よりも低い電流が前記活性層の第2の領域に供給されているときに前記第2の領域から放射される自然放出光の強度よりも低い。
好ましい実施形態において、前記積層構造のレーザ光出射側端面において、前記活性層の第1の領域を被覆する第1反射膜の反射率は、前記活性層の第2の領域を被覆する第2反射膜の反射率よりも高い。
好ましい実施形態において、前記基板のレーザ光出射側端面は、前記第1反射膜によって被覆されている。
好ましい実施形態において、前記第1のストライプ状電流狭窄部が形成されているレーザ共振器は、前記第2のストライプ状電流狭窄部が形成されているレーザ共振器よりも長い。
好ましい実施形態において、前記第1のストライプ状電流狭窄部の幅は、前記第2のストライプ状電流狭窄部の幅よりも狭い。
好ましい実施形態において、前記活性層の第1の領域から放射されるレーザ光の波長と前記第2の領域から放射されるレーザ光の波長とは相互に等しい。
好ましい実施形態において、前記基板および前記化合物半導体の積層構造は、窒化物半導体から形成されている。
好ましい実施形態において、前記電極構造に接続された駆動回路をさらに備え、
前記駆動回路は、第1のモードにおいて、前記第1のストライプ状電流狭窄部を介して前記活性層の第1の領域に電流を供給し、それによって前記第1の領域からレーザ光を放射させ、第2のモードおいては、前記第2のストライプ状電流狭窄部を介して前記活性層の第2の領域に電流を供給し、それによって前記第2の領域からレーザ光を放射させる。
本発明の光ピックアップは、上記いずれかの半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光を光ディスクの記録面に集光する対物レンズと、制御信号に応じて前記対物レンズを前記光ディスクに対して相対的に移動させるアクチュエータと、前記光ディスクの記録面から反射されたレーザ光を受けて電気信号を生成する光検出器とを備えている。
本発明の光ディスク装置は、上記光ピックアップと、前記光ディスクを回転させるモータと、前記光ピックアップに前記制御信号を送出し、前記光ピックアップから前記電気信号を受け取る信号処理回路とを備えている。
本発明による光ディスク装置の駆動方法は、上記光ディスク装置を駆動する方法であって、前記光ディスクからデータを再生するとき、前記第1のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第1の領域に電流を供給し、それによって前記第1の領域からレーザ光を放射させる工程と、前記光ディスクにデータを記録するとき、前記第2のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第2の領域に電流を供給し、それによって前記第2の領域からレーザ光を放射させる工程とを実行する。
本発明による半導体レーザ装置の駆動方法は、上記いずれかの半導体レーザ装置を駆動する方法であって、前記第1のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第1の領域に電流を供給し、それによって前記第1の領域からレーザ光を放射させる工程と、前記第2のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第2の領域に電流を供給し、それによって前記第2の領域からレーザ光を放射させる工程とを選択的に実行する。
本発明による半導体レーザ装置の製造方法は、上記いずれかの半導体レーザ装置を製造する方法であって、前記基板上に化合物半導体の積層構造を形成する工程と、前記第1および第2のストライプ状電流狭窄部を前記積層構造に形成する工程と、前記レーザ光に対する反射率が異なる2以上の反射膜を前記積層構造のレーザ出射前端面に形成する工程とを含む。
本発明による半導体レーザ装置の製造方法は、上記半導体レーザ装置を製造する方法であって、前記基板上に化合物半導体の積層構造を形成する工程と、前記第1および第2のストライプ状電流狭窄部を前記積層構造に形成する工程と、前記第2のストライプ状電流狭窄部の一部から前記積層構造をエッチングすることにより、前記第2のストライプ状電流狭窄部が形成されているレーザ共振器の端面を規定する面を露出させる工程とを含む。
本発明の半導体レーザ装置によれば、第1および第2のストライプ状電流狭窄部の少なくとも一方を介して、活性層の第1の領域および第2の領域の少なくとも一方に電流を供給し、それによって第1の領域および前記第2の領域の少なくとも一方からレーザ光を放射させることができる。このため、電流−光出力特性の異なる2つのレーザを同一基板上に混載することができ、用途に応じてレーザ光を使い分けることが可能になる。その結果、光出力が比較的低いレーザ光を低い量子ノイズで放射させることも可能になるため、光ディスク装置の光源として用いた場合、優れた再生特性を実現することができる。
本発明者らは、光出力が相対的に低い状態で動作する再生専用レーザと光出力が相対的に高い状態で動作する記録専用レーザとを同一の半導体基板上に混載することにより、再生時の低ノイズ化を達成するとともに、記録時の長寿命化を実現できることを見出し、本発明を想到するに至った。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、本発明による半導体レーザ装置の第1の実施形態を説明する。本実施形態の半導体レーザ装置は、図1に示すように、基板11と、基板11に支持される化合物半導体の積層構造10とを備えており、この積層構造は、後に詳細に説明するように、2つのクラッド層に挟まれた活性層15を有している。
本実施形態の主要な特徴は、1個の半導体レーザ装置が、活性層15の第1の領域15aに電流を狭窄する第1のストライプ状電流狭窄部と、活性層15の第2の領域15bに電流を狭窄する第2のストライプ状電流狭窄部とを備えている点にある。第1および第2のストライプ状電流狭窄部の少なくとも一方を介して、活性層15の第1の領域15aおよび第2の領域15bの少なくとも一方に電流を供給し、それによって第1の領域15aおよび第2の領域15bの少なくとも一方からレーザ光を放射させることができる。
本実施形態では、2つのストライブ状電流狭窄部を「ツインストライプ」と称し、各ツインストライプが、相互に独立したレーザとして別個にレーザ発振し、レーザ光を放射するように動作することができる。
本実施形態の半導体レーザ装置は、光ディスク装置のレーザ光源として好適に用いられる。レーザ光源から出射されたレーザ光は、不図示の対物レンズを透過して光ディスクの記録面上に集光され、ビームスポットを形成する。データを光ディスクに書き込むとき(記録時)と、光ディスクに記録されているデータを読み出すとき(再生時)で、レーザ光のパワーは異なる値に制御されるが、いずれの場合であっても、従来の半導体レーザ装置では、活性層の同じ領域からレーザ光が出射されていた。これに対して、本発明では、記録時と再生時とで、活性層の異なる領域を発光させる点に大きな特徴点を有している。
本実施形態の半導体レーザ装置では、図1に示すように、ツインストライプの一方が、「記録専用レーザ」として機能し、他方が「再生専用レーザ」として機能する。すなわち、データ記録時は、記録専用レーザを発振させ、記録専用レーザの活性層(第2領域15b)から出射されるレーザ光を光ディスクに照射して光ディスクに対するデータの書き込み動作を実行することになる。これに対し、データ再生時には、再生専用レーザを発振させ、再生専用レーザの活性層(第1領域15a)から出射されるレーザ光を光ディスクに照射してデータの再生動作を実行することになる。
本実施形態では、図1に示すように、レーザ出射前端面のうち、「再生専用レーザ」として機能する部分の端面は高反射膜31でコートされており、「記録専用レーザ」として機能する部分の端面は低反射膜29でコートされている。
図2は、絶縁性炭化珪素(SiC)からなるサブマウント32の上に図1の半導体レーザ装置を実装した状態を示す図面である。サブマウント32には、半田34を介して再生専用レーザのp側電極および記録専用レーザのp側電極と接続される一対の電極パッド33a、33bが設けられている。電極33aおよび電極33bは、それぞれ、Auワイヤー36およびAuワイヤー37を介して、外部駆動回路50と電気的に接続されている。また、基板11の裏面に形成されているn側電極は、Auワイヤー35を介して外部駆動回路50と電気的に接続されている。
本実施形態の半導体レーザ装置では、光ディスクの再生時において、外部駆動回路50によりAuワイヤー35およびAuワイヤー36との間に電流を供給することにより、再生専用レーザのみを駆動する。一方、光ディスクの記録時には、Auワイヤー35とAuワイヤー37との間に電流を供給することにより、記録専用レーザのみを駆動する。図2に示す例では、外部駆動回路50が電源および高周波重畳回路を有しており、光ディスクの再生時に半導体レーザ装置に供給する電流には高周波信号(例えば400MHz程度)が重畳される。このような高周波信号の重畳は、再生時における戻り光によるノイズを低減する。
図3は、本発明による半導体レーザ装置の具体的な実施例(レーザ素子1)について、再生専用レーザ(LD1)および記録専用レーザ(LD2)の各々に注入される電流と各レーザから放射される光の出力との関係(電流−光出力特性)を示すグラフである。図3に示されるように、本実施例によれば、再生専用レーザ(LD1)および記録専用レーザ(LD2)の電流−光出力特性は、相互に異なり、同じ大きさの電流を活性層の対応する領域に注入したとしても、異なる出力の光が放射される。なお、図3のデータを得るために用いた半導体レーザ装置の具体的な構造については、後に製造方法の詳細とともに詳しく説明する。
図3に示す結果からわかるように、再生専用レーザ(LD1)の閾値電流およびスロープ効率は、それぞれ、21mAおよび0.1W/Aであり、記録専用レーザ(LD2)の閾値電流およびスロープ効率は、それぞれ、35mAおよび1.2W/Aであった。再生専用レーザ(LD1)の閾値電流は、記録専用レーザ(LD2)の閾値電流よりも充分に低い。
図4は、再生専用レーザ(LD1)および記録専用レーザ(LD2)の閾値電流付近における光出力特性を拡大して示すグラフである。再生専用レーザ(LD1)の閾値電流およびスロープ効率が記録専用レーザ(LD2)の閾値電流およびスロープ効率に比べて小さい理由は、再生専用レーザ(LD1)におけるレーザ光前端面が高反射膜31によってコートされているためである。
図5は、再生専用レーザ(LD1)および記録専用レーザ(LD2)について、相対強度雑音(RIN)の評価結果を示すグラフである。図5に示すRINを測定するとき、レーザ光が光ディスクに照射した際に発生する戻り光による雑音を低減するため、各レーザに供給する電流に400MHz程度の高周波を重畳した。
図5からわかるように、光出力が小さい程、自然放出光の影響が大きくなるため、RINが増加し高ノイズとなる。Blu−ray Discの再生動作時には、レーザ光の出力は2.5mW程度の低い値を示すことが望まれており、その時のRINは、−130dB/Hz以下であることが要望されている。本実施形態のレーザ素子によれば、光出力が2.5mWにおける再生専用レーザ(LD1)のRINは、上記要望を充分に満たす−135dB/Hz程度であった。一方、記録専用レーザ(LD2)から2.5mWの光出力でレーザ光を放射させたとき、RINは−120dB/Hz程度であり、Blu−ray Discの「再生動作」に用いることはできない水準にあった。
次に、本実施形態のレーザ素子が再生時のノイズを低減できる理由を説明する。
まず、1個のレーザで再生動作および記録動作の両方を実行する場合にノイズが大きくなる理由を説明する。
1個のレーザで再生動作および記録動作の両方を行なうためには、記録動作を行なうために必要な高い光出力を達成できるようにレーザを構成する必要がある。そして、そのような高い出力動作に適した構成を有するレーザを用いて再生動作に必要な低出力光を得ようとするとき、ノイズが増大することになる。例えば、本実施形態による記録専用レーザ(LD2)を用いて、記録動作だけではなく再生動作をも実行する場合を考えると、ノイズ増大の理由がわかりやすい。記録動作を行なうために必要な高い光出力を達成できるように構成された記録専用レーザ(LD2)では、2.5mW程度の低い光出力を得るには、図4からわかるように動作電流(Iop1)を37mA程度に設定する必要がある。このような大きさの電流は、記録専用レーザ(LD2)の閾値電流(35mA)に非常に近い。このため、記録専用レーザ(LD2)が2.5mW程度の低光出力でレーザ光を放射しているとき、自然放出光の影響が顕著になり、自然放出光による量子ノイズが増加するという問題がある。
これに対して、本実施形態では、同一基板上に再生専用レーザ(LD1)と記録専用レーザ(LD2)とが混載されているため、1つの半導体レーザ装置において2つのレーザを選択的に駆動することが可能になる。
このため、再生動作時には、再生専用レーザ(LD1)からレーザ光を得ることができるが、再生専用レーザ(LD1)では、その両端面が高反射膜コートでコートされているため、レーザ出射前端面からの自然放出光の出射が大きく抑制される。その結果、自然放出光による量子ノイズの影響を大幅に低減できる。
また、再生専用レーザ(LD1)では、レーザ光の出射前端面に高反射膜コート31が施されているために、レーザ端面から出射されるレーザ光が減少し、スロープ効率が低下する。一方、レーザ出射前端面からレーザ内部に帰還するレーザ光は大幅に増加するために、注入キャリアとレーザ光の相互作用が増強され、閾値電流が低下する。これらの理由により、光出力が2.5mWとなるときの動作電流(Iop1)は、閾値電流(21mA)よりも十分に大きく、自然放出光の影響を受けにくくなる。
さらに、本実施形態では、再生専用レーザ(LD1)から光出力2.5mWのレーザ光を得るための動作電流(Iop1)は、記録専用レーザ(LD2)から光出力2.5mWのレーザ光を得るための動作電流(Iop1)に略等しい。このことは、1つのレーザで記録動作も再生動作も行う従来技術の場合における再生動作時の動作電流と略同じ大きさの動作電流により、再生専用レーザを駆動することができることを意味している。すなわち、従来技術の消費電力と同等の消費電力で、再生専用レーザを使用し、しかも、実用レベルの低いノイズを実現することができる。
なお、本実施形態のレーザ素子では、記録動作時に、記録専用レーザ(LD2)を駆動する。30mWの高出力でデータを光ディスクに記録する場合、図3に示すように、動作電流(Iop2)を71mA程度に設定すればよい。
記録専用レーザ(LD2)について、記録光出力に相当する光出力(30mW)における一定光出力(APC)寿命試験を60℃の雰囲気温度で実施し、再生専用レーザ(LD1)について、再生光出力に相当する光出力(2.5mW)におけるAPC寿命試験を実施したところ、各レーザとも3000時間以上の安定動作を示し、実用上支障がないことを確認できた。
以下、図面を参照しながら本実施形態による半導体レーザ装置の製造方法を説明する。
まず、図6Aに示すように、n型GaN基板11上に半導体積層構造を形成した構造物を用意する。この構造物は、作製方法は以下のとおりである。
まず、(0001)面を主面とするn型GaN基板11を用意し、酸溶液を用いて洗浄する。GaN基板11の主面は機械的な研磨処理を受けているため、主面にはスクラッチ等の研磨傷が存在している。
酸溶液による洗浄の後、GaN基板11を有機金属気相成長(MOVPE)装置(図示せず)の反応炉内のサセプタに保持し、反応炉を真空排気する。続いて、反応炉内に窒素ガスを供給し、その圧力を300Torrに維持しながら基板温度を約800℃にまで高める。このようにしてGaN基板11を窒素雰囲気ガス中で加熱することにより、基板表面に対するサーマルクリーニングを行なうことができる。このサーマルクリーニングにより、酸洗浄では除去できなかった基板表面の異物および酸化物を除去することが可能である。サーマルクリーニング工程では、窒素雰囲気ガス中に水素ガスを添加してもよいが、水素の分圧が大きくなりすぎると、GaN基板11の表面でエッチング反応が進行する。このようエッチングが過剰に振興すると、基板表面に存在するスクラッチ等に起因する凹凸が大きくなり、またGaドロップレットが発生するなどして結晶性が劣化する。このため、水素分圧は低めに設定することが好ましい。
次に、反応炉を約1000℃にまで昇温した後、GaN基板11の主面上に、供給量7sccmのトリメチルガリウム(TMG)、供給量が7.5slmのアンモニア(NH3)ガス、および窒素と水素の混合ガスを、キャリアガスとして供給する。このとき同時に、n型不純物ドーパントとしてシラン(SiH4)ガスを供給する。こうして、厚さが約0.5μmでSi不純物濃度が約5×1017cm-3のn型GaN層12を成長する。
次に、トリメチルアルミニウム(TMA)も供給することにより、厚さが約1.2μmでSi不純物濃度が約5×1017cm-3のn型Al0.07Ga0.93Nからなるn型クラッド層13を成長する。続いて、厚さが約120nmでSi不純物濃度が約5×1017cm-3のn型GaNよりなる第1の光ガイド層14を成長した後、温度を約800℃にまで降温し、キャリアガスを窒素のみに変更することにより、トリメチルインジウム(TMI)とTMGを供給して厚さが約3nmのIn0.10Ga0.90Nよりなる量子井戸(3層)と、厚さが約7nmのIn0.02Ga0.98Nよりなるバリア層(2層)からなる多重量子井戸活性層15を成長する。引き続いて、厚さが約100nmのIn0.01Ga0.99Nからなる中間層16を成長する。なお、この中間層16は、不純物を添加しないアンドープ層とする。その後、再び反応炉内の温度を約1000℃にまで昇温しキャリアガスに水素も混合して、Cp2MgガスとTMGガスを供給した後、TMAガスも供給して厚さが約10nmでMg不純物濃度が約1×1019cm-3のp型 Al0.18Ga0.82N よりなる電子ブロック層17を成長する。
本実施形態では、ビスシクロペンタジエニリマグネシウム(Cp2Mg)ガスを電子ブロック層17の成長前に供給する。p型AlGaN層は、電子ブロック層17のようにAl組成が増加する程、高抵抗化することが知られている。さらに、MOVPE装置の反応管が石英で構成されている場合、反応管に供給したMgが石英と反応・消費されることで、所望のMg濃度を含んだ半導体が得られないことがある(メモリー効果)。このため、本実施形態のように、Cp2Mgガスを電子ブロック層17の成長前に供給しておくことで、上記メモリー効果によるMgドーピング遅れを緩和して、電子ブロック層17の高抵抗化を抑制できる。さらに、電子ブロック層17の成長前に供給するCp2Mgガスを、成長時に供給するCp2Mgガスよりも多く設定することにより、上記メモリー効果をさらに緩和することができる。
電子ブロック層17は、引き続くp型クラッド層の成長中に活性層15および中間層16からInが蒸発することを防止する役割と、電流注入時にn型層から活性層へ注入された電子がp型層へオーバーフローすることを防止する役割を担っている。
本実施形態では、電子ブロック層17のAl組成を18%としたが、Al組成は10%程度まで低下させても電子オーバーフロー防止の効果は充分に得られる。
なお、In0.01Ga0.99Nからなるアンドープ中間層16は、活性層15内にp型ドーパントであるMgが拡散等で混入することを防止する役割と、レーザ動作時にMgによる光吸収損失を低減する役割を担っている。
次に、厚さが約100nmでMg不純物濃度が約1×1019cm-3のp型 GaNよりなる第2の光ガイド層18を成長する。続いて、厚さが約0.5μmでMg不純物濃度が約1×1019cm-3のp型Al0.07Ga0.93Nよりなるp型クラッド層19を成長する。最後に、厚さが約60nmでMg不純物濃度が約5×1019cm-3のp型GaNよりなるp型コンタクト層20を成長する。ここで、p型コンタクト層20の約10nm程度の最表面のMg濃度をさらに増加する(例えば約5×1020cm-3)ことで、p電極とのコンタクト抵抗をさらに低減することが可能となり、レーザ素子の動作電圧の低減、すなわち長寿命化に寄与することになる。
以上の工程により、図6Aに示す積層構造体を得た後、電極形成等の工程を実行する。
まず、図6Bに示すように、p型コンタクト層20上に二酸化珪素(SiO2)からなる絶縁膜21を堆積する。続いて、図6Cに示すように、絶縁膜21上にレジスト膜22を堆積した後、フォトリソグラフィー法により、p型コンタクト層20のリッジ形成位置のみにレジスト膜22が残るようにパターニングする。図6Dは、パターニングされたレジスト膜22を示している。本実施形態では、1つのレーザ素子についてリッジ形成位置は2箇所である。リッジ幅(W)は各々約2μmに設定し、リッジ間隔(S)は約5μmに設定している。
この後、SiO2膜21のうちレジスト膜22で覆われてない部分をフッ酸溶液で除去することにより、図6Eに示すようにp型コンタクト層20を露出させる。続いて、SiO2膜21上のレジスト膜22をアセトン溶液で除去した後、SiO2膜21をマスクとして、リッジ形成位置以外をドライエッチング装置でエッチングする。図6Fに示すように、このドライエッチングにより、活性層15上の残し膜厚を0.15μm程度に制御する。本実施形態では、塩素(Cl2)を用いて上記ドライエッチングを行なう。
その後、図6Gに示すように、フッ酸溶液でリッジ上のSiO2膜21を除去する。次に、図6Hに示すように、ツインストライプの各リッジ上におけるp電極形成領域以外の領域をSiO2膜23で覆った後、p電極24としてパラジウム(Pd)と白金(Pt)と金(Au)を、ツインストライプの各ストライプが電気的に絶縁されるように蒸着する。続いて、基板11の裏面を研磨し、基板11および積層構造の全体の厚さを100μm程度に薄くする。
その後、図6Iに示すように、基板11の裏面(研磨面)にモリブデン(Mo)と白金(Pt)と金(Au)を蒸着してn電極25を生成する。この際、n電極25を基板11の裏面全面に蒸着することなく、例えばリフトオフ法などの方法により、レーザ素子ごとに区分された領域に蒸着する。レーザ素子ごとに個別の電極を形成することにより、劈開によるレーザ素子の分離が容易になる。
続いて、ツインストライプの各レーザ共振器端面の劈開工程に移行する。共振器端面が基板11の主面およびツインストライプ方向の両方に垂直となるように、劈開装置(図示せず)を用いて基板11を劈開し、バー状態に分離する。ツインストライプの端面は、同時に劈開されるため、ツインストライプの共振器長は相互に等しい。本実施形態では、共振器長を600μmに設定する。
この状態では、ツインストライプの特性が等しく、記録専用レーザと再生専用レーザストライブに機能が分離されてはいない。この後、このような機能の分離を行うため、レーザの素子端面に対する誘電体膜のコーティング工程に移行する。
以下、図7Aから図7Dを参照して、このコーティング工程を説明する。
まず、スパッタ装置(図示せず)を用いて、図7Aに示すようにレーザ共振器のレーザ出射後端面の全面に、酸化アルミニウム(Al23)層26と二酸化チタン(TiO2)層27を交互に堆積する。こうして、4対のAl23層26およびTiO2層27から構成される誘電体多層膜からなる高反射膜コート28をレーザ出射後端面の全面に堆積する。本実施形態における高反射膜コート28の反射率は95%程度である。
次に、図7Bに示すように、レーザ共振器のレーザ出射前端面の全面に、Al23単層膜から構成される反射率が10%程度の低反射膜コート29を堆積する。続いて、図7Cに示すように、記録専用のレーザとなるストライプ側のレーザ出射前端面およびGaN基板11の端面をレジスト膜30で保護した後、3対のAl23層およびTiO2層から構成される誘電体多層膜を堆積し、図7Dに示すように、反射率が85%程度の高反射膜コート31を形成する。
その後、アセトン溶液によるリフトオフを行い、レジスト膜30の上に堆積した高反射膜コート31を除去する。この結果、図1に示すように、ツインストライプの一方のレーザ出射前端面は低反射膜29でコートされ、他方のレーザ出射前端面は高反射膜31でコートされる。レーザ出射前端面が低反射膜29でコートされた部分は、記録専用の高出力レーザとして機能し、レーザ出射前端面が高反射膜31でコートされた部分は、再生専用の低出力レーザとして機能する。
GaN系半導体レーザ装置から放出されるレーザ光の波長は405nm程度の青紫域であるため、一般のレジストに含まれるハイドロカーボン等の有機物との間で光化学反応を起こしやすい。このような光化学反応が生じると、反応生成物が半導体レーザ装置に異物として付着する傾向がある。このため、レジストを除去するプロセス工程、特にレーザ端面のレジストを除去する工程では、紫外線(UV)照射および酸素(O2)アッシング等のプロセスを導入することで、レジスト残渣を除去することが好ましい。
最後に、バー状態のレーザ素子の2次劈開を行なうことにより、ウェハを個々のレーザ素子チップに分離する。そして、個々のチップを図2に示す絶縁性炭化珪素(SiC)からなるサブマウント32を介して、不図示のレーザキャンに実装する。
本実施形態では、ツインストライプの構造が活性層よりも上のレベルに位置する半導体層をエッチングすることにより作製されているため、活性層15自体は、ツインストライプの中間領域においても分断されずに連続している。しかし、本発明は、このような構成を有する半導体レーザに限定されることはなく、他の構成を有していてもよい。すなわち、個々の半導体レーザ装置内において、活性層の第1の領域と第2の領域との間がエッチングされるなどして分離された状態にあってもよい。
本実施形態における半導体レーザ装置を駆動する好ましい方法によれば、第1のストライプ状電流狭窄部を介して活性層15の第1の領域15aに電流を供給し、それによって第1の領域15aからレーザ光を放射させる工程と、第2のストライプ状電流狭窄部を介して活性層15の第2の領域15bに電流を供給し、それによって第2の領域15bからレーザ光を放射させる工程とを選択的に実行する。このとき、第1の領域15aから放射させるレーザ光の光出力(平均値)は、第2の領域15bから同駆動電流で放射させるレーザ光の光出力(平均値)の例えば50%以下、好ましくは10%以下に設定され得る。
(第2の実施形態)
GaN基板を用いて作製された半導体レーザ装置では、活性層で生じたレーザ光がGaN基板へ漏出した後、レーザ出射前端面から迷光として放射されやすい。その結果、GaN基板の主面に対して垂直な方向の遠視野像(FFP)が単峰性を示さず、リップルなどの凹凸が生じやすい傾向がある。本実施形態では、このような迷光の発生を抑制するとともに、戻り光によるノイズを低減することが可能になる。
以下、図8から図10を参照しながら、本発明による半導体レーザ装置の第2の実施形態を説明する。本実施形態における半導体レーザ装置の構成が第1の実施形態における半導体レーザ装置の構成と異なる点は、レーザ出射前端面に形成するコート膜の構成にあるため、その点を以下に詳細に説明する。
本実施形態では、まず、第1の実施形態について説明した方法と同様の方法により、図6Iおよび図7Aに示す構造物を作製する。その後、図8に示すように、レーザ出射前端面の全面にAl23単層膜からなる反射率10%程度の低反射膜コート38を形成する。この後、第1の実施形態では、図7Cに示すように記録専用レーザのレーザ出射前端面およびGaN基板11の端面の両方をレジスト膜30で保護したが、本実施形態では、図8に示すように、記録専用レーザのレーザ出射前端面のみを選択的にレジスト膜39で保護する。そして、その後に、Al23とTiO2の3対で構成される誘電体多層膜を堆積することにより、反射率85%程度の高反射膜コート40でレーザ出射前端面の全面を覆う。
次に、高反射膜コート40のうち、レジスト膜39の上に位置する部分をアセトン溶液でリフトオフする。この結果、図9に示すように、記録専用レーザのレーザ出射前端面付近にのみ選択的に低反射膜38がコートされ、再生専用レーザのレーザ端面およびGaN基板の端面の全体には高反射膜40がコートされた状態となる。
本実施形態の半導体レーザ装置(レーザ素子2)でも、再生専用レーザおよび記録専用レーザが独立して室温で連続発振を達成した。再生専用レーザの閾値電流およびスロープ効率は、それぞれ、21mAおよび0.1W/Aであり、記録専用レーザの閾値電流およびスロープ効率は、それぞれ、35mAおよび1.2W/Aであった。
図10は、レーザ素子2における再生専用レーザおよび記録専用レーザのRINを示している。RIN測定時、レーザに印加するバイアス(電流)に400MHz程度の高周波重畳を印加した。
図10のグラフから明らかなように、光出力が2.5mWにおける再生専用レーザ(LD3)のRINは、実用レベルを充分に満たす−140dB/Hz程度であった。一方、光出力が2.5mWにおける記録専用レーザ(LD4)のRINは−125dB/Hz程度であり、実用困難な高ノイズであった。
本実施形態のレーザ素子2を第1の実施形態におけるレーザ素子1と比較すると、再生専用および記録専用レーザのいずれについても、ノイズが低下していることがわかる。この理由は、基板11がGaN結晶から形成されているため、レーザ光に対して透明であることに起因している。即ち、基板11がGaN結晶から形成されているとき、光ディスクからの戻り光はGaN基板11の内部に侵入しやすく、戻り光ノイズを形成しやすい。しかし、本実施形態のレーザ素子2では、GaN基板11におけるレーザ光出射前端面が高反射膜40で被覆されているため、戻り光がGaN基板11に侵入しにくい。
本実施形態によれば、再生専用レーザ(LD3)のノイズを−140dB/Hz程度と極めて低いレベルに低下させることができるため、光ディスクからデータを再生する時の読取りエラーを効果的に防止することができる。
レーザ素子2のFFPを評価したところ、再生専用レーザおよび記録専用レーザのいずれについても、FFPは単峰性であり、顕著なリップルは確認されなかった。これは、活性層から基板11へ漏出した光がレーザ出射前端面から放出されることを高反射膜40が抑制するためである。
レーザ素子2の記録専用レーザ(LD4)において光出力が30mWにおけるAPC寿命試験を60℃の雰囲気温度で実施し、再生専用レーザ(LD3)において光出力が2.5mWにおけるAPC寿命試験を個別に実施した。その結果、各レーザの寿命試験結果は、第1の実施形態と同様、3000時間以上の安定動作を示し、実用上支障がないことを確認できた。
(第3の実施形態)
次に、本発明による半導体レーザ装置の第3の実施形態を説明する。
図11は、本実施形態の半導体レーザ装置(レーザ素子3)を示す斜視図である。本実施形態のレーザ素子3では、記録専用レーザの共振器長が再生専用レーザの共振器長よりも短い点に主たる特徴を有している。レーザ素子3における記録専用レーザおよび再生専用レーザも、それぞれ、室温で連続発振に到った。
図12は、本実施形態における再生専用レーザ(LD5)および記録専用レーザ(LD6)の各々注入される電流と各レーザストライプから放射される光の出力との関係(電流−光出力特性)を示すグラフである。本実施形態における記録専用レーザ(LD6)の閾値電流およびスロープ効率は、それぞれ、35mAおよび1.2W/Aであり、再生専用レーザ(LD5)の閾値電流およびスロープ効率は、それぞれ、45mAおよび0.6W/Aであった。再生専用レーザ(LD5)で閾値電流が低減し、スロープ効率が低下しているのは、記録専用レーザ(LD6)と比較して、レーザ共振器長が700μmと長いことに起因している。
次に、戻り光による雑音を低減するため、レーザに印加するバイアス(電流)に400MHz程度の高周波重畳を印加して、各レーザにおけるRINを評価した。その結果、光出力が2.5mWにおける再生専用レーザ(LD5)のRINは、実用レベルを満たす−135dB/Hz程度であった。一方、同じ光出力における記録専用レーザ(LD6)のRINは−120dB/Hz程度であり、実用困難な高ノイズであった。再生専用レーザ(LD5)のRINが低くなる理由は、以下のとおりである。
まず、再生専用レーザ(LD5)の共振器長は700μmであり、記録専用レーザ(LD6)の共振器長に比べて長いため、自然放出光の発生が抑制される。また、再生専用レーザ(LD5)では、図12に示されるように、低い光出力(例えば2.5mW)での動作電流(LD5ではIop4)が閾値電流よりも大きくなるため、自然放出光の影響を受けにくくなる。
次に、記録専用レーザ(LD6)において光出力が30mWにおけるAPC寿命試験を60℃の雰囲気温度で実施した後、再生専用レーザ(LD5)においても光出力が2.5mWにおけるAPC寿命試験を個別に実施した。結果として、各レーザとも3000時間以上の安定動作を示し、実用上支障がないことを確認できた。
以下、図13Aから図13Hを参照しながら本実施形態におけるGaN系レーザの製造方法を説明する。
まず、第1の実施形態について説明した工程を実行することにより、図6Gに示す構造体を用意する。
次に、図13Aに示すように、ツインストライプ構造が形成された結晶成長膜上の全面に、SiO2膜41を堆積する。その後、図13Bに示すように、SiO2膜41のうち、レーザ共振器長を短く設定する方のストライプの上方に位置する部分をフッ酸溶液で選択的に除去して、開口部42を形成する。各開口部42のストライプ方向に沿って計測したサイズは、200μmに設定する。
次に、SiO2膜41をマスクとするドライエッチングを行なうことにより、図13Cに示すように開口部42を介して露出する半導体層をエッチングし、短共振器長となるレーザの片端面を形成する。エッチングによって形成される面は、基板11の主面およびストライプ方向に対して垂直となるように、異方性の高いドライエッチングを実行することが好ましい。
次に、図13Dに示すように、SiO2膜41のうちツインストライプの各ストライプリッジ上に位置する部分をフッ酸溶液で選択的に除去する。この後、開口部42を介して露出しているレーザ端面にp電極が付着しないように、図13Eに示すように、開口部42をレジスト膜43で保護した後、図13Fに示すようにp電極44を形成する。p電極44は、例えばPdとPtとAuをリッジの上面および側面に蒸着することによって形成される。次に、アセトン溶液でレジスト膜43を除去することにより、図13Gに示すように、p電極44のうちレジスト膜43上に位置する部分をリフトオフする。
この後、基板11の裏面を研磨し、構造物全体の厚さを100μm程度に薄くした後、基板11の裏面(研磨面)に対して、n電極46を形成する。n電極46は、MoとPtとAuを蒸着することによって形成される。このとき、n電極46を基板全面に蒸着せずに、レーザ素子ごとに分離しておく。この電極分離により、劈開によるレーザ素子の分離が容易になる。
次に、ツインストライプの各レーザ共振器端面の劈開工程に移行する。共振器端面が基板11の主面およびツインストライプ方向に対して各々垂直となるように、劈開装置(図示せず)を用いて基板11を劈開し、バー状態に分離する。この際、図13Hに示すように、同一基板上に混載されるレーザの共振器長が、それぞれ、600μm(L1)および700μm(L2)となるように劈開を行なう。具体的には、SiO2膜41の除去幅(200μm)の片端を共振器長が相対的に長いレーザの片端面となるように劈開し、その端面から700μmの位置で劈開する。この劈開により、両端面が劈開で形成される長共振器レーザ(共振器長:700μm)と、片端面がドライエッチングで形成される短共振器レーザ(共振器長:600μm)とを同一基板上に混載することが可能になる。
次に、レーザ端面への誘電体膜のコーティング工程に移行する。レーザ共振器のレーザ出射後端面の全面にスパッタ装置(図示せず)を用いて、Al23とTiO2の4対から構成される誘電体多層膜を堆積させ、95%程度の反射率を有する高反射膜コート47を施す。このとき、共振器長が600μmの短共振器レーザにおけるドライエッチング端面がレーザ出射後端面となるように端面コートを施すことが好ましい。
次に、レーザ共振器のレーザ出射前端面の全面において、Al23単膜で構成される18%程度の反射率を有する保護膜コート48を施す。この後に行う2次劈開および実装は、第1の実施形態で行なった方法と同様にして実行される。
こうして作製される半導体レーザ装置によれば、第1および第2の実施形態とは異なり、レーザ出射前端面に異なる反射率を示す反射膜を形成することなく、光出力特性の異なる2種類のレーザを混載することができる。なお、本実施形態のように、共振器長の異なるレーザを1チップに混載する場合においても、第1および第2の実施形態と同様に、異なる反射率を示す反射膜をレーザ出射前端面に形成してもよい。
なお、同一基板上に混載する2種類のレーザの間では、図3などに示すように電流−光出力特性が相互に異なることが重要であるが、このような特性の違いは、共振器長を変化させる代わりに、ストライブ状電流狭窄部の幅を異なる大きさに設定することによっても付与することが可能である。
従来のツインストライプ構造またはマルチストライプ構造を有する半導体レーザは、異なる波長のレーザ光を放射させたり、高い光出力を得ることを目的として作製されていたが、本発明では、同じ活性層の異なる部位を利用し、それぞれ、異なる電流−光出力特性を示すレーザ発振を実現することに重要な特徴を有している。
以上において説明してきた各実施形態では、n型クラッド層13及びp型クラッド層19におけるAl組成を、それぞれ、7%に設定しているが、各Al組成を2〜5%の範囲に設定してもよい。クラッド層におけるAl組成を低減することにより、GaN結晶とInGaNと結晶との間における格子不整合を緩和することができるため、活性層16に生じる歪を低減できる。その結果、レーザ素子の信頼性をさらに改善することができる。
また、上記の各実施形態では、GaN基板を使用しているが、GaN基板に代えてサファイア基板、砒化ガリウム(GaAs)基板、珪素(Si)基板、およびSiC基板を用いてもよい。サファイア基板を用いる場合、サファイア基板上において選択的な横方向(ELO)成長を行なうことにより、転位密度の低いGaN膜を形成することが好ましい。
(第4の実施形態)
以下、図14を参照しながら、本発明による光ディスク装置の実施形態を説明する。
図14は、本実施形態にかかる光ディスク装置の概略構成を示す図である。
図示されている光ディスク装置は、光ディスク206を回転させるスピンドルモータ902と、光ディスク206の所望のトラックに光学的にアクセスする光ピックアップ904と、スピンドルモータ902の回転数およびピックアップ904の位置を制御するサーボシステム906とを備えている。また、この光ディスク装置は、光ピックアップ904から出力される信号を処理する信号処理部908と、信号処理部908から出力されるビデオ信号およびオーディオ信号をそれぞれデコードするビデオデコーダ910およびオーディオデコーダ912とを備えている。信号処理部908、ビデオデコーダ910、およびオーディオデコーダ912の具体的構成は、公知の構成と同一である。
図9では、光ディスク206に記録されているデータを読み出す再生動作に必要な構成要素を記載しているが、光ディスク206にデータを記録するため構成要素(不図示)をも備えている。
図15は、光ピックアップ904内の光学系の一構成例を示している。この光学系は、前述した本発明による半導体レーザ装置の実施形態のいずれかから構成されるレーザ光源201を備えている。このレーザ光源201から出射された光ビームは、ビームスプリッタ203、コリメートレンズ204、および対物レンズ205を介して光ディスク206上に光スポットを形成する。光ディスク206によって反射された光は、ビームスプリッタ203および検出レンズ207を介して、光検出器208が受け取る。
光検出器208は、光ディスク206によって反射された光ビームに基づき、再生信号、トラッキングエラー信号、およびフォーカスエラー信号を生成するための電気信号を出力する。
本実施形態によれば、データの再生時には、光ピックアップ904内のレーザ光源201のうちの再生専用レーザを駆動することにより、再生専用レーザから放射されたレーザ光を光ディスク206に集光する。一方、データの記録時には、レーザ光源201のうちの記録専用レーザを駆動することにより、記録専用レーザから放射されたレーザ光を光ディスク206に集光することができる。
こうして、1つの半導体レーザ装置を用いて再生および記録の各々に適したレーザ光を出力できるため、小型で高性能の光ピックアップが実現し、光ディスク装置の性能を向上させることが可能になる。
なお、発明の半導体レーザ装置は、光ディスク装置以外の電子機器の光源としても利用可能である。また、上記の例では、同一基板上に混載した電流−光出力特性の異なるレーザを択一的に発振させているが、時に、それらのレーザを同時に発振させてもよい。また、3つ以上のストライブ状電流狭窄部を1つの半導体レーザ装置に設けてもよい。
本発明は、記録容量の大きな次世代光ディスクに対してデータの記録および再生を低ノイズで実行できるレーザ光源を提供するため、産業上の利用性は極めて大きい。
本発明による半導体レーザ装置の第1の実施形態(レーザ素子1)を示す斜視図である。 サブマウント上に実装されたレーザ素子1および外部駆動回路との接続関係を示す図である。 レーザ素子1における電流−光出力特性を示すグラフである。 図3のグラフの一部を拡大したグラフでる。 レーザ素子1の光出力(1〜10mW)と相対強度雑音(RIN)との関係を示すグラフ図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す斜視図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す斜視図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す斜視図である。 図1の半導体レーザ装置の製造方法を示す斜視図である。 本発明による半導体レーザ装置の第2の実施形態(レーザ素子2)の製造段階を示す斜視図である。 本発明による半導体レーザ装置の第2の実施形態を示す斜視図である。 レーザ素子2の光出力(1〜10mW)とRINとの関係を示すグラフ図である。 本発明による半導体レーザ装置の第3の実施形態(レーザ素子3)を示す斜視図である。 レーザ素子3における電流−光出力特性を示すグラフである。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 図11の半導体レーザ装置の製造方法を示す上面図である。 本発明による光ディスク装置の実施形態の構成例を示す図である。 本発明による光ピックアップの実施形態の構成例を示す図である。
符号の説明
10 化合物半導体の積層構造
11 n型GaN基板
12 n型GaN層
13 n型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
14 n型GaN光ガイド層
15 多重量子井戸活性層
15a 活性層の第1の領域
15b 活性層の第2の領域
16 In0.01Ga0.99N中間層
17 p型Al0.18Ga0.82N電子ブロック層
18 p型GaN光ガイド層
19 p型Al0.07Ga0.93Nクラッド層
20 p型GaNコンタクト層
21 SiO2
22 レジスト膜
23 SiO2
24 p側電極
25 n側電極
26 Al23
27 TiO2
28 レジスト膜
29 低反射コート膜
30 レジスト膜
31 高反射コート膜
32 サブマウント
33 電極
34 半田
35 n電極用Auワイヤー
36 再生専用レーザのp電極用Auワイヤー
37 記録専用レーザのp電極用Auワイヤー
38 低反射コート膜
39 レジスト膜
40 高反射コート膜
41 SiO2
42 SiO2膜除去部
43 レジスト膜
44 p電極
45 1次劈開位置
46 n電極
47 高反射コート膜
48 保護膜
201 レーザ光源
203 ビームスプリッタ
204 コリメートレンズ
205 対物レンズ
206 光ディスク
207 検出レンズ
902 スピンドルモータ
904 光ピックアップ
906 サーボシステム
908 信号処理部
910 ビデオデコーダ
912 オーディオデコーダ


Claims (19)

  1. 基板と、前記基板に支持される化合物半導体の積層構造とを備えた半導体レーザであって、
    前記積層構造は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、前記第1および第2のクラッド層に挟まれた活性層とを有しており、
    更に、
    前記活性層の第1の領域に電流を狭窄する第1のストライプ状電流狭窄部と、
    前記活性層の第2の領域に電流を狭窄する第2のストライプ状電流狭窄部と、
    前記第1および第2のストライプ状電流狭窄部の少なくとも一方を介して、前記活性層の第1の領域および第2の領域の少なくとも一方に電流を供給し、それによって前記第1の領域および前記第2の領域の少なくとも一方からレーザ光を放射させる電極構造と、
    を備えている半導体レーザ装置。
  2. 前記電極構造は、
    前記第1のストライプ状電流狭窄部に接触した第1電極と、
    前記第2のストライプ状電流狭窄部に接触した第2電極と、
    前記基板の裏面に形成された第3電極と、
    を有しており、
    前記第1電極と前記第2電極とは電気的に分離している、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 相互に電気的に絶縁された第1電極パッドおよび第2電極パッドを有するサブマウントをさらに備え、前記第1および第2電極パッドは、それぞれ、前記第1および第2電極に接続されている、請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記活性層の第1の領域から放射される第1レーザ光に関する電流−光出力特性と、前記活性層の第2の領域から放射される第2レーザ光に関する電流−光出力特性との間には差異が存在する請求項1から3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第1レーザ光の閾値電流は、前記第2レーザ光の閾値電流よりも低く設定されている、請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記第1レーザ光の閾値電流よりも低い電流が前記活性層の第1の領域に供給されているときに前記第1の領域から放射される自然放出光の強度は、前記第2レーザ光の閾値電流よりも低い電流が前記活性層の第2の領域に供給されているときに前記第2の領域から放射される自然放出光の強度よりも低い、請求項5に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記積層構造のレーザ光出射側端面において、前記活性層の第1の領域を被覆する第1反射膜の反射率は、前記活性層の第2の領域を被覆する第2反射膜の反射率よりも高い、請求項1から5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記基板のレーザ光出射側端面は、前記第1反射膜によって被覆されている請求項7に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記第1のストライプ状電流狭窄部が形成されているレーザ共振器は、前記第2のストライプ状電流狭窄部が形成されているレーザ共振器よりも長い、請求項1から8のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記第1のストライプ状電流狭窄部の幅は、前記第2のストライプ状電流狭窄部の幅よりも狭い請求項1から9のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  11. 前記活性層の第1の領域から放射されるレーザ光の波長と前記第2の領域から放射されるレーザ光の波長とは相互に等しい請求項1から10のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  12. 前記基板および前記化合物半導体の積層構造は、窒化物半導体から形成されている請求項1から11のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  13. 前記電極構造に接続された駆動回路をさらに備え、
    前記駆動回路は、第1のモードにおいて、前記第1のストライプ状電流狭窄部を介して前記活性層の第1の領域に電流を供給し、それによって前記第1の領域からレーザ光を放射させ、第2のモードおいては、前記第2のストライプ状電流狭窄部を介して前記活性層の第2の領域に電流を供給し、それによって前記第2の領域からレーザ光を放射させる、請求項1から12のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置から放射されるレーザ光を光ディスクの記録面に集光する対物レンズと、
    制御信号に応じて前記対物レンズを前記光ディスクに対して相対的に移動させるアクチュエータと、
    前記光ディスクの記録面から反射されたレーザ光を受けて電気信号を生成する光検出器と、
    を備えた光ピックアップ。
  15. 請求項14に記載の光ピックアップと、
    前記光ディスクを回転させるモータと、
    前記光ピックアップに前記制御信号を送出し、前記光ピックアップから前記電気信号を受け取る信号処理回路と、
    を備えた光ディスク装置。
  16. 請求項15に記載の光ディスク装置を駆動する方法であって、
    前記光ディスクからデータを再生するとき、前記第1のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第1の領域に電流を供給し、それによって前記第1の領域からレーザ光を放射させる工程と、
    前記光ディスクにデータを記録するとき、前記第2のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第2の領域に電流を供給し、それによって前記第2の領域からレーザ光を放射させる工程と、
    を実行する、光ディスク装置の駆動方法。
  17. 請求項1から13のいずれかに記載の半導体レーザ装置を駆動する方法であって、
    前記第1のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第1の領域に電流を供給し、それによって前記第1の領域からレーザ光を放射させる工程と、
    前記第2のストライプ状電流狭窄部を介して、前記活性層の第2の領域に電流を供給し、それによって前記第2の領域からレーザ光を放射させる工程と、
    を選択的に実行する、半導体レーザ装置の駆動方法。
  18. 請求項1から13のいずれかに記載の半導体レーザ装置を製造する方法であって、
    前記基板上に化合物半導体の積層構造を形成する工程と、
    前記第1および第2のストライプ状電流狭窄部を前記積層構造に形成する工程と、
    前記レーザ光に対する反射率が異なる2以上の反射膜を前記積層構造のレーザ出射前端面に形成する工程と、
    を含む半導体レーザ装置の製造方法。
  19. 請求項9に記載の半導体レーザ装置を製造する方法であって、
    前記基板上に化合物半導体の積層構造を形成する工程と、
    前記第1および第2のストライプ状電流狭窄部を前記積層構造に形成する工程と、
    前記第2のストライプ状電流狭窄部の一部から前記積層構造をエッチングすることにより、前記第2のストライプ状電流狭窄部が形成されているレーザ共振器の端面を規定する面を露出させる工程と、
    を含む半導体レーザ装置の製造方法。


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