JP2005353299A - 流量調整フィルターの製造方法および流量調整フィルター - Google Patents

流量調整フィルターの製造方法および流量調整フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池用燃料容器の内容物の吐出流量を大がかりな液量調整機構のような構成を必要とせずに調整可能とする。
【解決手段】 燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に、前記液状内容物の吐出量を調整するように設けられる流量調整フィルターであって、この流量調整フィルター1を、液状内容物の流路となる開口3bを有する液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板3と、開口3bを塞ぐように円板3に溶着された、液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体2とからなり、弾性体2の開口3bに臨む部分以外の部分の厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮したものとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池用燃料容器に設置される流量調整フィルターの製造方法および流量調整フィルターに関するものである。
作動温度が低く、装置の小型化が期待できる燃料電池は、現在さまざまな用途に使用され、例えばノートパソコンや携帯電話の連続動作時間を長時間化させることができるモバイル機器用電源などの分野で開発が進められている。この燃料電池には各種の方式があり、また使用される燃料にもいくつかの種類がある。
例えば、メタノールを直接供給する直接メタノール型燃料電池(DMFC)ではメタノールと純水の混合溶液を燃料とする方式や、燃料電池の廃液である水を再利用して純メタノールを燃料とする方式が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
また、メタノール水溶液を噴霧するタイプでは、メタノール水溶液に噴射剤として窒素、もしくはジメチルエーテル(以下DME)を混入して燃料とするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、直接DME型燃料電池(DDFC)では、液化DMEと水とを混合したもの、あるいは液化DMEと水にメタノールを加えたものを燃料とするもの、さらには、DMEから作り出した水素を燃料電池に供給するDME改質方式も検討されている(例えば、特許文献3、非特許文献1参照)。
DMEは、硫黄分、重金属、芳香族類を含まないクリーンな液体燃料であることに加えて、着火性や燃焼性に優れているほか、輸送や貯蔵が比較的簡単にできるとして注目されており、小型固体酸化物型燃料電池(μSOFC)においても、液化DMEと水を混合したものを燃料とする方式が検討されている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、燃料電池に燃料電池燃料を供給するための燃料容器も検討されている。この燃料電池用燃料容器は小型軽量であって、内容物の残量確認の意味から樹脂であることが望ましい。また、液体燃料を利用する場合には、燃料電池を利用する機器本体の補機類、特に吸引ポンプを省略させることが望ましく、燃料を収容する燃料容器自体が自力で燃料を吐出供給する機構の検討がされている。さらに、耐DMEの樹脂容器も検討され、本出願人により出願されている(例えば、特許文献4参照、特願2003−270600号、特願2003−297049号など参照)。
特開2003−297401号公報 特開平6−310166号公報 特表2002−505511号公報 特開2003−176899号公報 「固体高分子形燃料電池の研究開発 ジメチルエーテル(DME)を燃料とする固 体高分子形燃料電池(PEFC)の研究」平成13年度成果報告書 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構発行、発行日平成14年3月、[平成16年 3月1日検索]、インターネット<URL;http//www.nedo.go.jp> 基盤技術研究促進事業「DME・LPGを燃料としたマイクロ固体酸化物型燃料電 池の研究」平成14年度成果報告書 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開 発機構発行、発行日平成15年3月、[平成16年3月1日検索]、インターネッ ト<URL; http//www.nedo.go.jp>
ところで、燃料電池用の液体燃料を小型燃料電池に対して供給する場合、燃料供給流量が微量であることが必要であるため、燃料を収容した燃料電池用燃料容器にも少量ずつ安定した燃料供給ができることが要求される。特に小型燃料電池の燃料消費量は数時間で数ml〜十数mlと小さく、容器本体側で内容物の噴出量を小さく押さえる吐出特性を有することが、燃料電池側の機構の簡素化を図る上で重要である。
一般的なエアゾール容器において内容物の噴出量を少なくしたい場合には、弁口径、噴出口径を小さくすることで対応しているが、弁口径、噴出口径は直径0.3mmが小さくすることができる限界であり、これでは数分で内容物が全て噴出されることになり、燃料電池用燃料容器としては不向きである。また、内容物の自重による自然噴出では時間当たりの流出量が極端に小さくなるため、使用できる機器が限られてしまうという問題がある。
安定した噴出量が厳密に要求される容器は通常、液量調整機構の設置が必要であるが、燃料電池用燃料容器は小型軽量であることが要求されるため、大がかりな液量調整機構を使用することはできない。
本発明者らは、ガスライターの炎調整用に用いられている流量調整フィルターのような流量を調整するためのフィルターを燃料電池用燃料容器本体に配置することを検討したが、ガスライターに使用されているウレタンフォーム系、ゴムスポンジ系、不織布系材料のフィルターは、収容液体がメタノールを含む場合にはこのメタノールによって浸食されるか、または膨潤して流量変化が発生し耐久性の点で問題がある。
また、収容液体がDMEを含む場合にはフィルターが腐食される上、フィルターに不織布を用いた場合には不織布の結合剤であるバインダーがDMEによって侵され、糸くずが発生してノズル詰まりの原因となる。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、内容物の吐出流量が簡易に調整可能であって、液体燃料であるDME、メタノール、エタノールに浸食されることなく、ゴミ、油分等の不純物を溶出することのない流量調整フィルター、および、この流量調整フィルターの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の流量調整フィルターの製造方法は、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に、前記液状内容物の吐出量を調整するように設けられる流量調整フィルターの製造方法であって、所定の厚さを有する、前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体を、前記液状内容物の流路となる該弾性体より小さい開口を有する前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板に、該弾性体が該開口を塞ぐように当接させ、該弾性体の前記開口に臨む部分以外の部分を、圧縮された前記弾性体の厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮して前記円板に溶着することを特徴とするものである。
本発明の流量調整フィルターは、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に、前記液状内容物の吐出量を調整するように設けられる流量調整フィルターであって、前記液状内容物の流路となる開口を有する前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板と、前記開口を塞ぐように該円板に溶着された、前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体とからなり、前記弾性体の前記開口に臨む部分以外の部分が、厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮されたものであることを特徴とするものである。
前記円板は、該円板の周縁に立設された円筒状の周壁を有するものであることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
前記弾性体は、前記熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶性高分子材料を混合した後、前記水溶性有機化合物及び前記水溶性高分子材料を水によって抽出し、除去することにより得られるものであることが好ましく、前記弾性体の空孔径は30μm以下であって、空孔率が60〜90%であることが好ましい。
本発明の流量調整フィルターは、液状内容物の流路となる開口を有する液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板と、開口を塞ぐようにこの円板に溶着された、液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体とからなるので、燃料電池用の液体燃料の液状内容物に浸食されることがないため、液状内容物によって腐食されたフィルターからの溶出物や腐食物によって燃料電池用燃料容器のノズルを詰まらせることがなく、また腐食されないため、耐久性を備えたものとすることができる。
また、弾性体の開口に臨む部分以外の部分は、その厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮されたものであって、弾性体の開口に臨む部分と開口に臨む部分以外の部分とは繋がっているために、液状内容物が流れる流路は円板の開口を塞ぐ弾性体部分のみとなり、これによってフィルターからの溶出物や腐食物が燃料電池用燃料容器のノズルへ入り込むことを効果的に抑制することができる。
さらに、本発明の流量調整フィルターは、連続気泡を有する弾性体によって液状内容物の吐出流量が簡易に調整可能であるため、燃料電池用燃料容器に使用した場合に、燃料電池用燃料容器を少量ずつ安定した燃料供給が可能なものとすることができる。特に、上記流量調整フィルターは、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に設けられるものであるため、大がかりな液量調整機構のような構成を必要とせず、燃料電池用燃料容器の小型軽量の要請に沿うものとすることが可能である。
加えて、本発明の流量調整フィルターは、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を吐出する際の形状が液状であってもガス状であっても対応が可能であるため、従来より知られている圧力容器にこの流量調整フィルターを取り付けることによって、燃料電池用燃料容器を安定した燃料供給が可能なものとすることができる。
本発明の流量調整フィルターは、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に、前記液状内容物の吐出量を調整するように設けられる流量調整フィルターであって、液状内容物の流路となる開口を有する液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板と、この開口を塞ぐように円板に溶着された、液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体とからなり、前記弾性体の前記開口に臨む部分以外の部分が、厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮されたものであることを特徴とする。
本発明の流量調整フィルターの構造を、図1に基づいて説明する。図1はフィルターの平面図(a)、断面図(b)、作成前の分解断面図(c)である。このフィルター1は、連続気泡を有する弾性体2と、この弾性体2を固着保持してなる円板(ホルダー)3とで構成される。
弾性体2は、図1(c)に示すように、後述するような方法で製造された(または所定の空孔径と空孔率を有した市販品)連続気泡による微細孔を有し、円板状の所定形状に打ち抜かれてなり、ホルダー3に溶着される前の状態ではシート状である。ホルダー3は樹脂成形品であり、円板部3aと開口3bとからなり、円板部3aの底面における開口3bの周縁部に弾性体2が押圧状態で熱溶着されてなる。
上記フィルター1の溶着は、図1(c)のようにそれぞれ所定形状に成形した弾性体2とホルダー3を用意し、シート状の弾性体2をホルダー3に、弾性体2が開口3bを塞ぐように当接させ、弾性体2を圧縮した状態で、所定温度に加熱したシーラー(不図示)を押し当てて弾性体2を熱溶着してなる。溶着後のフィルター1は、図1(a)、(b)に示すように、ホルダー3の底面の開口3bより内部に盛り上がるように弾性体2がドーム状に形成される。
このようにすることによって、ホルダー3の底面の溶着部分の弾性体シートは樹脂化し、この部分における気密状態を作り出し、外周方向への液体燃料の流れを阻止するようになっている。弾性体2の開口3bに臨む部分以外の部分、すなわちホルダー3の円板部3aの底面における弾性体2の圧縮後の厚さは、圧縮前の厚さの2〜22%、より好ましくは5〜20%になるように圧縮されてなる。圧縮前の厚さが2%よりも小さくなると開口3bに臨む弾性体の通気が困難となり、圧縮前の厚さが22%よりも大きいと外周方向への液体燃料の流れの阻止が不充分となる。
なお、上記弾性体2とホルダー3の固着は、熱溶着、超音波溶着等で行うが、中央の弾性体2の通液特性を阻害しないように、熱溶着、超音波溶着等を行う場合には適宜、温度条件、溶着時間の調整をする。
図2は本発明の流量調整フィルターの別の態様を示し、図1と同様に、(a)はフィルターの平面図、(b)は断面図、(c)は作成前の分解断面図を示すものである。図2に示すフィルター1は、ホルダー3が中央に開口3bを有する円板部3aと、この円板部3aの周縁(外周)に立設された円筒状の周壁3cとを備え、円板部3aの底面における開口3bの周縁部に弾性体2が押圧状態で熱溶着されてなる。
このように周壁を備えることによって、フィルターの製造工程において、弾性体2を溶着の際の熱から保護することが可能となる。また、取り付ける燃料容器の構成によっては、周壁が突起となって燃料容器のノズル部底にフィルターを固定しやすくなる上、燃料容器に取り付ける際のシール部材(Oリング)が1点で足りるため量産性の向上を図ることが可能になる。その他の構成は図1に示すフィルターと同一の構造であり、図1と同一構成部分には図2において同一符号を付し、以下においてはその説明を省略する。
図3は本発明の流量調整フィルターのさらに別の態様を示し、図1および2と同様に、(a)はフィルターの平面図、(b)は断面図、(c)は作成前の分解断面図を示すものである。図3に示すフィルターは2つのホルダー3によって弾性体2を挟み込んだものであり、2つのホルダー3に挟まれた部分の弾性体シートは樹脂化し、この部分における気密状態を作り出し、外周方向への液体燃料の流れを阻止するようになっている。なお、2つのホルダー3に挟まれた部分の弾性体シートの樹脂化が不充分な場合には、2つのホルダー3を密着させるガイドをかませてもよいし、後述するように燃料容器に取り付ける際のシール部材によって、補強してもよい。その他の構成は図1および2に示すフィルターと同一の構造であり、図1および2と同一構成部分には図3において同一符号を付し、その説明を省略する。
なお、上記3つの態様においては、開口を1つ設けたものについて説明したが、開口を2つ有していてもよい。
弾性体の厚さは弾性体の材質の種類、フィルターの開口の大きさや取り付けられる容器の使用形態によって異なり、一概には言えないが、あまり厚いと圧縮の際に圧縮部分と中心部が離れて切れてしまったり、圧縮時の加熱により表面が溶けたりするため、3mm以下の厚みであることが好ましく、より好ましくは2mm以下、さらには1mm以下であることが好ましい。
液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂としては、弾性体にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブチレン等のポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリシクロヘキシレンジメトルテレフタレート等のポリエステル、またはポリアクリロニトリル等があげられ、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
円板の樹脂材料としては、弾性体と同様に液体燃料に対して耐性を有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはポリアクリロニトリルからなる群より選択される1種以上が使用され、弾性体の材料と溶着性を有する組み合わせとする。
なお、ポリエチレンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンの他、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとメタアクリル酸エステル共重合体、エチレンとメタアクリル酸のエステル共重合体およびその一部を金属塩に代えたアイオノマーなどのエチレン系共重合体であってもよく、ポリオキシメチレンはホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
上記弾性体は熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶性高分子材料を混合した後、水溶性有機化合物及び前記水溶性高分子材料を水によって抽出し、除去することにより得られるものであって、より詳細には熱可塑性樹脂と、水溶性有機化合物及び水溶性高分子材料を35〜95/65〜5の体積比で含む水溶性成分とを所定の体積比で混合し、熱可塑性樹脂によって構成される三次元連続網状骨格間に、水溶性成分が保持されてなる混合体を形成した後、この混合体を水と接触させ、混合体から水溶性成分を抽出し、除去することで得られる。
熱可塑性樹脂は上記混合時に融解し、他の成分と均一に分散させることができるものであって、液状内容物に腐食されないものを使用することができる。熱可塑性樹脂は通常1種のみを用いるが、融点又は軟化点が比較的近似しており、ある程度の相溶性があれば2種以上を併用することもできる。
熱可塑性樹脂と水溶性成分との量比は、熱可塑性樹脂に三次元連続網状骨格構造が形成されるように熱可塑性樹脂の種類によって適宜調整することが好ましい。また、熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶性高分子材料の混合は、ローター型ミキサー、ニーダー、混練ロール、バンバリーミキサー、二軸押出機等、通常の装置によって行うことができる。
混合時には、熱可塑性樹脂及び水溶性高分子材料は溶融しており、水溶性有機化合物は固体のままの状態であることが好ましい。従って、水溶性有機化合物は熱可塑性樹脂の融点又は軟化点よりも高い融点をもつものが選択され、水溶性高分子材料の融点よりも高い融点をもつものが選択される。また、上記混合時の温度は水溶性有機化合物の融点未満であり、熱可塑性樹脂の融点又は軟化点及び上記水溶性高分子材料の融点を越えるように調整される。
水溶性有機化合物としては上記条件を満たすものであって、結晶性であり融点を有する水又は温水に対し溶解性のある化合物を使用することができる。具体的には、尿素、チオ尿素、ジシアノジアミド、マンニット、フルクトース、グルコース等の糖類、マンニトール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、アクリノール、アコニット酸、アコン酸、アセチル安息香酸、アセチルチオ尿素、アセチレンカルボン酸、アセチアミドフェノール、アトロピン硫酸塩、アニス酸、アニリン塩酸塩、アミノアセトアニリド、アミノ安息香酸、アミノ吉草酸、アミノケイ皮酸、アミノ酪酸、アラニン、アルサニル酸、アルブチン、アレカイジン、アロキサン酸、安息香酸ナトリウム、アントラニル酸、イサチン、イサチン=オキシム、イソカンホロン酸、イソ糖酸、イソニコチン酸、イソニコチン酸ヒドラジド、イソバレルアミド、イソフタロニトリル、イソプロテレノール塩酸塩等を好ましくあげることができる。
水溶性高分子材料としては上記条件を満たすものであって、水溶性有機化合物とともに水や温水によって容易に抽出、除去することができるものを使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤、特にポリエチレングリコール或いはポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体等にアルコールを付加した非イオン系界面活性剤、ポリアミンサルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル及びポリアリルアミン等を好ましくあげることができる。
各成分を混合した後、形成される上記混合体を水と接触させるが、この際に混合体をシート状にしておくことが好ましい。成形は、プレス成形、押出成形等、適宜の方法によって行うことができるが、押出成形であれば、混合体が均一に加熱され、均質であり、且つ機械的強度の大きいシート等が得られるため好ましい。
水との接触は水溶性成分を十分に抽出、除去することができる限り、どのような方法で行ってもよいが、シート成形された混合体を水中に浸漬する方法が好ましい。混合体から水溶性成分を抽出し、除去する際の水の温度は50〜90℃であることが好ましい。
このようにして得られた連続気泡を有する弾性体は、押出圧力に対し液体燃料の透過流量が所望の一定流量となるような通液特性が備わる。連続気泡を有する弾性体の空孔径は30μm以下、さらには20μm以下でありことが好ましく、空孔率は60〜90%、さらには60〜75%であることが好ましい。
ここで、空孔径は多孔体の断面を電子顕微鏡によって観察し、撮影した写真から読み取った平均値である。また、空孔率はシート状に成形した多孔体の重量を、この多孔体の厚さと底面積を測定して求められる体積で除した値を多孔体の見かけ密度とした場合に
(多孔体の見かけ密度/熱可塑性樹脂の真の密度)×100
で求めたものである。
なお、連続気泡を有する弾性体は上記方法によって製造することができるが、空孔径が30μm以下であって、空孔率が60〜90%である市販されている連続気泡を有する弾性体を用いてもよい。
続いて、本発明の流量調整フィルターを用いた燃料電池用燃料容器の第1の実施形態について説明する。図4は第1の実施の形態にかかる燃料電池用燃料容器の中央断面正面図、図5は図4のフィルターおよびバルブ部位の拡大断面図、図6はバルブ開作動時の同断面図である。
図4の実施形態の燃料容器10は、液状内容物として燃料電池用の液体燃料Fを収容し燃料電池に所定の低流量で液体燃料を噴出供給するものである。この燃料容器10は、例えば、メタノール、メタノールと純水、エタノール、エタノールと純水、DMEと純水、DMEと純水とメタノール、DMEと純水とエタノールからなる群より選ばれる1つの燃料電池用の液体燃料Fを収容し、直接メタノール型燃料電池(DMFC)、直接DME型燃料電池(DDFC)などに燃料を供給するためのものであり、不図示の燃料電池本体に装着使用される。
燃料容器10は、外面に開口し液体燃料Fを供給するための接続部24を有する容器本体20と、この容器本体20の内部に形成され、燃料電池(不図示)に供給する液体燃料Fを収容する貯蔵室30と、容器本体20の内部に形成され、端部において貯蔵室30と相互に連通し、この貯蔵室30の液体燃料Fを加圧して押し出すための応力を生じさせる押出手段としての圧縮ガスGを封入する気室4と、貯蔵室30に移動自在に配設され、液体燃料Fと圧縮ガスGとを区画するピストン状の隔壁部材(押出部材)5と、貯蔵室30と接続部24の間の通路6を連通遮断するバルブ7と、その通路6に介装された円板の周縁に立設された円筒状の周壁を有する流量調整フィルター1(図2に示す流量調整フィルター)とからなる。
上記容器本体20は樹脂成形されてなり、外形を構成する円筒状の外容器21と、この外容器21の上開口部を密閉する蓋体22と、この蓋体22と一体に成形され、外容器21の内部に二重構造に配設され下端が開放した円筒状の内容器23とで構成され、蓋体22の中央に接続部24が形成され、バルブ7およびフィルター1が設置されてなる。
そして、内容器23における隔壁部材5より上部の空間が貯蔵室30に構成され、外容器21と内容器23の間の空間および隔壁部材5より下方の内容器23内の空間が気室4に構成されてなる。
蓋体22は、中央の開口の下部周囲に筒部22aを備え、この筒部22aの下端周縁部が内容器23の上壁部に連接されてなる。そして、上記筒部22aの底部中央に透孔22bが開口され、貯蔵室30と接続部24を連通する通路6が形成され、この通路6にフィルター1およびバルブ7が設置され、フィルター1で流量調整され、および異物が除去された液体燃料F(液状内容物)が、バルブ7の連通遮断動作に応じて吐出供給されるようになっている。このバルブ7の詳細は図5、図6により後述する。
内容器23の下端部は外容器21の底面に接合することなく開放され、この内容器23に摺動可能に嵌挿されたピストン状の隔壁部材5は、外周の上下シール部5a,5bによって、シリンダ状の内容器23の内壁に気密に接触し、安定した姿勢で上下移動し、その上部空間の貯蔵室30に液体燃料Fが封入される。この隔壁部材5は、貯蔵室30に収容した液体燃料Fと気室4に収容した圧縮ガスGとを区画する移動隔壁として機能し、隔壁部材5の背面に作用する圧縮ガスGの圧力によって前面の液体燃料Fを加圧し、バルブ7が連通作動した際に、この液体燃料Fをフィルター1を通して接続部24より押し出すものである。
なお、貯蔵室30に残留する液体燃料Fの貯蔵容積に応じて隔壁部材5の位置が変化し、それに応じて圧縮ガスGの体積が変化するとともに圧力が変化するが、液体燃料Fの貯蔵量が無くなるまで押し出すことができるように隔壁部材5を移動させる圧力を確保する。
また、上記隔壁部材5のシール部5a,5bの表面または内容器23の内壁面に、さらには両方に、液体燃料Fに対して非溶出性のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コーティング、または、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングなどによる低摩擦係数コーティングを施して、隔壁部材5の移動抵抗を低減し、圧縮ガスGの圧力が低くても確実で良好な作動を確保するのが好ましい。
気室4に封入する圧縮ガスGは、燃料電池での反応に悪影響を及ぼす酸素が液体燃料Fへ混入する観点から、さらには液体燃料Fが酸化するのを防止する観点から、窒素、炭酸ガス、脱酸素空気などの酸素を含まないガスを用いることが好ましい。
バルブ7の機構例を説明する。図5に閉弁状態を、図6に開弁状態を拡大図示するように、バルブ7は、蓋体22への固定部材としてのガイドネジ71、燃料電池との接続動作に応じて移動する棒状のステム72、ステム72を閉方向に付勢するスプリング73、燃料の供給を開閉する弁体としての円板状のステムガスケット74、スプリング73の下端を保持すると共にフィルター1を押える筒状の固定スリーブ75などで構成されてなる。
そして、蓋体22の接続部24への通路6に対し、底部にフィルター1およびOリング83が挿入された上に、底部中心に連通穴75aを有する固定スリーブ75が挿入され、その内部にスプリング73が挿入され、その上にステム72が挿入され、このステム72の外周にガスケット74が嵌着され、ステム72の上方よりガイドネジ71のネジ部71aが蓋体22の接続部24のネジ孔に螺合されて組み付けられ、ステム72はスプリング73の付勢力によって上方のガイドネジ71へ付勢され、ガスケット74の外周部はガイドネジ71と固定スリーブ75の上端との挟持によって内周部が下方に変位可能に保持されている。フィルター1は、図5に示すように、バルブ7の前段位置に組み付けられる。フィルター1の組み付けは、外周にOリング83を設置することで、バルブ7の固定スリーブ75の外周部への液体燃料Fの流れをシールするようになっている。
なお、図3に示すような2つのホルダー3によって弾性体2を挟み込んだフィルターの場合には、図7に示すように、ホルダー3の上下にOリング83が配置するように組み付けることによって、燃料Fを漏らすことなく弾性体2を通過させることが可能になるとともに、上述したように、2つのホルダー3に挟まれた部分の弾性体シートの樹脂化を補強することが可能となる。
上記ステム72は、外周に周溝72aが形成され、この周溝72aの底部に細口72bが開口されて中心通路72cに連通され、中心通路72cは上端噴出口に開口している。なお、中心通路72cの底部は閉塞されている。そして、上記ステム72の周溝72aにはガスケット74の内周部が嵌着され、図5のように、ガスケット74の内周面の弾性密着によって上記細口72bが閉じられた状態では、燃料通路6が遮断され、燃料の供給が閉塞される。一方、図6のように、ステム72がスプリング73に抗して押し込まれると、その移動に伴ってガスケット74の内周部が変形して細口72bを開口して通路6を連通し、貯蔵室3からフィルター1を通過して流量調整された液体燃料Fが細口72bよりステム72の中心通路72cに入り、上開口端から吐出供給するようになっている。
なお、気室4への圧縮ガスGの封入は、貯蔵室30に液体燃料Fを注入する以前に行う。例えば、バルブ7を通して圧縮ガスGを貯蔵室30に注入するのに応じて隔壁部材5が下降し、下端位置で隔壁部材5を傾けるか、内容器23の内壁下端に溝を設けて、隔壁部材5の上下を連通状態とし、貯蔵室3より気室4へ圧縮ガスを注入する。そして、気室4内が所定圧力となった際に圧縮ガスの注入を停止した後、閉作動したバルブ7を開作動して貯蔵室30の圧縮ガスを排出する。
これに応じ、隔壁部材5は上昇して貯蔵室30のシール状態に戻り、さらなるガスの排出で隔壁部材5は、その背部に気室4の圧縮ガスの圧力が作用した状態で内容器23の上端にまで上昇移動し、貯蔵室30のガスを全て排出することで、気室4に圧縮ガスGが封入される。その後、燃料注入手段を接続してバルブ7を通して貯蔵室30へ液体燃料Fを、隔壁部材5を下降させつつ注入することによって、液体燃料Fを噴出可能に収容して燃料電池用燃料容器10が構成できるものである。
次に、本発明の流量調整フィルターを用いた燃料電池用燃料容器の第2の実施の形態について説明する。図8は第2の実施形態にかかる燃料電池用燃料容器の中央断面正面図、図9は図8のフィルターおよびバルブ部位の拡大断面図である。
燃料容器100は、燃料電池用のガス燃料としてDMEの液化ガスLGを収容するためのものである。本実施形態の内容物ではそのものが加圧状態であってガスの吐出が得られ、図4に示す第1の実施の形態の燃料電池用燃料容器における押出手段を構成する内容器23、隔壁部材5、気室4を不要としている。その他のバルブ7などは、同一の構造であり、図4および図5と同一構成部分には図8および図9において同一符号を付し、以下においてはその説明を省略する。
なお、第2の実施の形態に示す燃料容器100の場合、図に示すような設置方向状態ではDMEに水を加えると、DMEのみが吐出して内容物を液体として取り出すことはできないが、燃料容器100を倒立固定して使用する態様の場合には、液体として内容物を取り出すことが可能である。従って、燃料容器100の使用態様が倒立固定に限定されるような場合には、内容物としてはDMEの液化ガスに水を加えてもよい。水の混合比としては特に限定はなく、内容物に応じて適宜選択すればよい。
容器本体12は外容器21と蓋体22とで構成され、内部に形成された貯蔵室13にDMEを含む液化ガスLGを収容してなる。そして、蓋体22の底面に突設された筒部22aの内部に接続部24に至る通路16が形成され、バルブ7と流量調整フィルター1が同様に配置されている。フィルター1は、上記で説明した連続気泡を有する多孔通気性の弾性体2と、これと溶着されたホルダー3とからなる。この実施形態の燃料容器100では、内容物としてのDMEの液化ガスLGが、バルブ7の開作動時に流量調整フィルター1をガス状態で透過し流量調整されて吐出されるものである。
図10は、本発明の流量調整フィルターを用いた燃料電池用燃料容器の第三の実施の形態を示す断面図である。この第三の実施の形態に示す燃料電池用燃料容器150に収容される液体LSは、供給主剤としての原液と噴射剤としてのDMEによる液化ガスの混合流体である。
第三の実施形態においては、図8に示した燃料電池用燃料容器と同様に、内容器23、隔壁部材5、気室4は不要であるが、収容液体LSを吐出供給するために、吸上チューブ11が設置されている(その他は図7と同一の構造であり、図8と同一構成部分には図10において同一符号を付し、以下においてはその説明を省略する。)。そして、貯蔵室内の収容液体LSに含有される噴射剤としてのDMEが収容液体LSの液面に作用する圧力で、吸上チューブ11の先端より収容液体LSがバルブ7に押し上げられ、バルブ7の開作動時にフィルター1で流量調整された所定流量の液体を吐出するものである。
容器本体12は外容器21と蓋体22とで構成され、内部に形成された貯蔵室13にDME、またはDMEと純水、またはDMEと純水とメタノール、またはDMEと純水とエタノールからなぐ群より選ばれるいずれか1つの収容液体LSを収容してなる。
収容液体LSそして、蓋体22の底面に突設された筒部22aの透孔22bに吸上チューブ11の一端が接続され、他端が外容器21の底面に近接して開口されている。また筒部22aの内部に接続部24に至る通路16が形成され、バルブ7と流量調整フィルター1が同様に配置されている。フィルター1は、上記で説明した連続気泡を有する弾性体2と、これと溶着されたホルダー3とからなり、このフィルター1を通過することにより流量調整された収容液体LSが吐出される。
以下に本発明の流量調整フィルターを配置した燃料電池用燃料容器の実施例を示す。
(実施例1)
フィルター1の弾性体2として、加熱可塑化した低密度ポリエチレン樹脂に尿素とポリエチレングリコールを微粒化混合し、平均セル径が30μm、空孔率が70%となるように調整したエマルジョンを、厚み1mmでシート状に押出成形した。その後、この成形シートを水洗浄して尿素およびポリエチレングリコールを除去することにより、樹脂のみによる多孔質シートを作製し、所定形状に打ち抜いて弾性体2を得た。一方、ホルダー3は、ポリプロピレン樹脂で内径2.6mmの通気口3cの開いた形状に成形し、この成型品ホルダー3と弾性体2とを合わせて、185℃×1秒間の加熱加圧で溶着して流量調整フィルター1を得た。
このフィルター1を図1に示す燃料容器10のバルブ7の前段に配置し、貯蔵室30にはメタノールの10重量%水溶液(メタノール/水が10/90の水溶液)による液体燃料Fを5ml充填し、気室4には圧縮ガスとして窒素を300kPaの圧力となるように充填した。隔壁部材5が上端部に移動したときのガス圧は100kPaであった。バルブ7のステム72を没入移動させて液体燃料Fを吐出させたところ、15分で収容液量の全量の吐出が終了した。
(実施例2)
加熱可塑化した高密度ポリエチレン樹脂と尿素とポリエチレングリコールを微粒化混合し、平均セル径が10μm、空隙率80%となるように調整したエマルジョンを、厚み1mmでシート状に押出成形し、水洗浄にて水溶性ペーストを除去した多孔質シートを作製し、これより所定形状の弾性体2を得た。この弾性体2を、実施例1と同様のポリプロピレンによる成型品ホルダー3と、185℃×1秒間の加熱加圧で溶着して流量調整フィルター1を得た。
このフィルター1を、実施例1と同様に図1に示す燃料容器10のバルブ7の前段に配置し、貯蔵室30にはメタノールの10重量%水溶液による液体燃料Fを5ml充填し、気室4にはに圧縮ガスとして窒素を300kPaの圧力となるよう充填した。隔壁部材5が上端部に移動したときのガス圧は100kPaであった。バルブ7のステム72を没入移動させて液体燃料Fの吐出を行ったところ、500時間で収容液量の全量の吐出が終了した。
(実施例3)
加熱可塑化した高密度ポリエチレン樹脂と尿素とポリエチレングリコールを微粒化混合し、平均セル径が10μm、空隙率80%となるようにしたエマルジョンを、厚み1mmでシート状に押出成形し、水洗浄にて水溶性ペーストを除去した多孔質シートを作製し、これより所定形状の弾性体2を得た。この弾性体2を、実施例1と同様のポリプロピレンによる成型品ホルダー3と、185℃×1秒間の加熱加圧で溶着してフィルター1を得た。
このフィルター1を図5に示す燃料容器100のバルブ7の前段に配置し、貯蔵室13にはDMEの液化ガスLGを5ml充填し、バルブ7を開作動して貯蔵室13に収容したDMEの液化ガスLGの吐出を行ったところ、35ml/minの流量でガス流体が定常的に吐出した。
以上のように、本発明の流量調整フィルターは、連続気泡を有する弾性体によって液状内容物の吐出流量が簡易に調整可能であるため、燃料電池用燃料容器に使用した場合に、少量ずつ安定した燃料供給が可能な燃料電池用燃料容器とすることができる。特に、本発明の流量調整フィルターは、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に設けられるものであるため、大がかりな液量調整機構のような構成を必要とせず、燃料電池用燃料容器の小型軽量の要請に沿うものとすることが可能である。
また、弾性体およびホルダーを共に液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなるものとしたので、燃料電池用の液体燃料の液状内容物に浸食されることがないため、液状内容物によって腐食されたフィルターからの溶出物や腐食物によって燃料電池用燃料容器のノズルを詰まらせることがなく、また腐食されないため、耐久性を備えたものとすることができる。
さらに、本発明の流量調整フィルターは、燃料電池用の液体燃料の液状内容物を吐出する際の形状が液状であってもガス状であっても対応が可能であるため、従来より知られている圧力容器にこの流量調整フィルターを取り付けることによって、安定した燃料供給が可能な燃料電池用燃料容器とすることができる。
なお、本発明の流量調整フィルターは燃料電池用燃料容器としてだけでなく、一般的な設置用忌避剤(虫除け剤)や芳香剤等の少量噴出用エアゾール容器にも利用することが可能である。
フィルターの平面図、断面図および作成前の分解断面図 別の態様のフィルターの平面図、断面図および作成前の分解断面図 さらに別の態様のィルターの平面図、断面図および作成前の分解断面図 燃料電池用燃料容器の中央断面正面図 図4のフィルターおよび閉状態のバルブ部位の拡大断面図 バルブ開作動時の同断面図 フィルター取り付けの別の態様を示す拡大部分断面図 別の態様の燃料電池用燃料容器の断面図 図8のフィルターおよびバルブ部位の拡大断面図 さらに別の態様の燃料電池用燃料容器の断面図
符号の説明
1 流量調整フィルター
2 弾性体
3 円板(ホルダー)
3a 円板部
3b 開口
3c 周壁
10,100 燃料容器
12,20 容器本体
13,30 貯蔵室
4 気室
5 隔壁部材(押出手段)
6,16 通路
7 バルブ
21 外容器
22 蓋体
24 接続部
72 ステム

Claims (6)

  1. 燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に、前記液状内容物の吐出量を調整するように設けられる流量調整フィルターの製造方法であって、
    所定の厚さを有する、前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体を、前記液状内容物の流路となる該弾性体より小さい開口を有する前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板に、該弾性体が該開口を塞ぐように当接させ、
    該弾性体の前記開口に臨む部分以外の部分を、圧縮された前記弾性体の厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮して前記円板に溶着することを特徴とする流量調整フィルターの製造方法。
  2. 燃料電池用の液体燃料の液状内容物を液状もしくはガス状で吐出可能に収容する燃料電池用燃料容器の吐出流路に、前記液状内容物の吐出量を調整するように設けられる流量調整フィルターであって、
    前記液状内容物の流路となる開口を有する前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる円板と、
    前記開口を塞ぐように該円板に溶着された、前記液状内容物に腐食されない熱可塑性樹脂からなる連続気泡を有する弾性体とからなり、
    前記弾性体の前記開口に臨む部分以外の部分が、厚さが圧縮前の厚さの2〜22%になるように圧縮されたものであることを特徴とする流量調整フィルター。
  3. 前記円板が、該円板の周縁に立設された円筒状の周壁を有するものであることを特徴とする請求項2記載の流量調整フィルター。
  4. 前記熱可塑性樹脂がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはポリアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項2または3記載の流量調整フィルター。
  5. 前記弾性体が前記熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶性高分子材料を混合した後、前記水溶性有機化合物及び前記水溶性高分子材料を水によって抽出し、除去することにより得られるものであることを特徴とする請求項2、3または4記載の流量調整フィルター。
  6. 前記弾性体の空孔径が30μm以下であって、空孔率が60〜90%であることを特徴とする請求項2〜5いずれか1項記載の流量調整フィルター。
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