JP2005352207A - 光学モジュール - Google Patents
光学モジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005352207A JP2005352207A JP2004173135A JP2004173135A JP2005352207A JP 2005352207 A JP2005352207 A JP 2005352207A JP 2004173135 A JP2004173135 A JP 2004173135A JP 2004173135 A JP2004173135 A JP 2004173135A JP 2005352207 A JP2005352207 A JP 2005352207A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- positioning hole
- positioning
- holding member
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Lens Barrels (AREA)
- Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
Abstract
【課題】 光学部材を保持部材に高い精度で位置決め固定でき、かつ接着剤の主剤と硬化剤との分離による光学性能の低下を起こすことのない光学モジュールを提供する。
【解決手段】 光学部材と該光学部材を保持する保持部材との一方に設けられた位置決め穴と、前記光学部材と前記保持部材との他方に設けられ、前記位置決め穴に嵌合する軸部とによって前記光学部材と前記保持部材とを位置決めし、前記位置決め穴と前記軸部とを主剤と硬化剤とからなる熱硬化型接着剤により接着してなる光学モジュールであって、前記軸部の外周面は、前記位置決め穴の内周面に接触する位置決め部と、前記位置決め穴の内周面との間で接着剤流入用の間隙を形成する接着面とを有し、前記間隙の寸法が前記熱硬化型接着剤の前記主剤と前記硬化剤とが分離することなく流入可能な寸法に設定されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 光学部材と該光学部材を保持する保持部材との一方に設けられた位置決め穴と、前記光学部材と前記保持部材との他方に設けられ、前記位置決め穴に嵌合する軸部とによって前記光学部材と前記保持部材とを位置決めし、前記位置決め穴と前記軸部とを主剤と硬化剤とからなる熱硬化型接着剤により接着してなる光学モジュールであって、前記軸部の外周面は、前記位置決め穴の内周面に接触する位置決め部と、前記位置決め穴の内周面との間で接着剤流入用の間隙を形成する接着面とを有し、前記間隙の寸法が前記熱硬化型接着剤の前記主剤と前記硬化剤とが分離することなく流入可能な寸法に設定されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はカメラ等に組み込まれる光学モジュールについて、該光学モジュールの光学部材と保持部材との取付構造に関する。
カメラ等に組み込まれる焦点検出装置では、二次結像レンズの位置ずれによって測距誤差が生じる。そのため、二次結像レンズを保持部材に高い精度で位置決め固定することが要求されている。
ここで、特許文献1には、位置決めピンと位置決め穴との係合によって二次結像レンズおよび保持部材の位置決めを行うレンズ取付構造において、位置決め穴の周囲に接着剤が流れ込む接着剤流れ溝を形成した構成が開示されている。
ここで、特許文献1には、位置決めピンと位置決め穴との係合によって二次結像レンズおよび保持部材の位置決めを行うレンズ取付構造において、位置決め穴の周囲に接着剤が流れ込む接着剤流れ溝を形成した構成が開示されている。
また、特許文献2には、二次結像レンズおよび保持部材の位置決めを行う位置決め固定構造において、角穴および長穴に形成した一対の孔部にそれぞれ円柱状の軸部を嵌合させて、該嵌合部の隙間に接着剤を流入して固定する構成が開示されている。
特開平5−11159号公報
特開平8−29652号公報
しかし、上記特許文献1では、焦点検出装置を小型化した場合にレンズの成形時や温度変動時の形状変化などによって薄肉部となる接着剤流れ溝の部分で割れが発生する可能性が高まる点で改善の余地があった。
また、上記特許文献の技術では、二次結像レンズを保持部材に固定するときに各種の制約から瞬間接着剤や溶剤が使用できない場合は熱硬化型接着剤が使用される。しかし、接着剤から分離した主剤がレンズ保持部材を経てレンズ面や位置決め部に付着すると焦点検出装置の光学性能が著しく低下する点で改善の余地があった。
また、上記特許文献の技術では、二次結像レンズを保持部材に固定するときに各種の制約から瞬間接着剤や溶剤が使用できない場合は熱硬化型接着剤が使用される。しかし、接着剤から分離した主剤がレンズ保持部材を経てレンズ面や位置決め部に付着すると焦点検出装置の光学性能が著しく低下する点で改善の余地があった。
すなわち、一般に熱硬化型接着剤は主剤と硬化剤とを混合して構成される。主剤は硬化時の加熱によって粘度が低下するため、接着剤硬化時に軸部と穴部との接触部分付近の隙間に毛細管現象によって主剤がしみ込んで、接着剤の主剤と硬化剤とが分離することがあった。
さらに、上記特許文献において、孔部と軸部の位置決め部分との間隙が大きい場合には二次結像レンズが揺らいでしまい、光学性能が劣化してしまう点でも改善の余地があった。
さらに、上記特許文献において、孔部と軸部の位置決め部分との間隙が大きい場合には二次結像レンズが揺らいでしまい、光学性能が劣化してしまう点でも改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の課題を解決するためのものであって、その目的は、光学部材を保持部材に高い精度で位置決め固定でき、かつ接着剤の主剤と硬化剤との分離による光学性能の低下を起こすことのない光学モジュールを提供することである。
請求項1の発明は、光学部材と該光学部材を保持する保持部材との一方に設けられた位置決め穴と、前記光学部材と前記保持部材との他方に設けられ、前記位置決め穴に嵌合する軸部とによって前記光学部材と前記保持部材とを位置決めし、前記位置決め穴と前記軸部とを主剤と硬化剤とからなる熱硬化型接着剤により接着してなる光学モジュールであって、前記軸部の外周面は、前記位置決め穴の内周面に接触する位置決め部と、前記位置決め穴の内周面との間で接着剤流入用の間隙を形成する接着面とを有し、前記間隙の寸法が前記熱硬化型接着剤の前記主剤と前記硬化剤とが分離することなく流入可能な寸法に設定されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記位置決め部と前記接着面とが軸周回方向に複数交互に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記熱硬化型接着剤は主剤とカプセル状の硬化剤とからなり、前記間隙の寸法が前記硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定されてなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記熱硬化型接着剤は主剤とカプセル状の硬化剤とからなり、前記間隙の寸法が前記硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定されてなることを特徴とする。
本発明では、軸部の位置決め部が位置決め穴の内周面と接触することで光学部材と保持部材とを高い精度で位置決めできる。一方、軸部の接着面と位置決め穴の内周面との間には熱硬化型接着剤の主剤と硬化剤とが分離することなく流入可能な寸法の間隙が形成されるので、該間隙に流入した接着剤が確実に硬化する。したがって、硬化剤と分離した主剤がレンズ面や位置決め部に付着することを阻止することができる。
図1から図7は、本発明の光学モジュールの1実施形態を示しており、この実施形態では本発明がカメラの焦点検出装置に適用される(請求項1から請求項3の光学モジュールに対応する)。
図1に示すように、焦点検出装置は、保持部材としてのレンズ保持部材1と、入射光の赤外線成分を除去する赤外カットフィルタ2と、絞りマスク3と、光学部材としてのセパレータレンズ4と、光学センサパッケージ5とを備えている。
図1に示すように、焦点検出装置は、保持部材としてのレンズ保持部材1と、入射光の赤外線成分を除去する赤外カットフィルタ2と、絞りマスク3と、光学部材としてのセパレータレンズ4と、光学センサパッケージ5とを備えている。
レンズ保持部材1は焦点検出装置の本体部分を構成し、焦点検出装置の各部品が位置決めされて取り付けられる。図1においてレンズ保持部材1の上面側(入射側)および左下側(センサ取付側)には開口部が形成され、入射側の開口部には、測距光束を分離して不要な光束を除去するための視野マスク6が取り付けられている。視野マスク6には被写体からの光束を通過させる矩形状の開口6aが複数形成されている。
また、レンズ保持部材1の内部には、コンデンサレンズと、該コンデンサレンズを透過した光束をセンサ取付側の開口部1aに反射させる折り返しミラーとが配置されている(コンデンサレンズおよび折り返しミラーの図示は省略する)。
さらに、図2に示すようにセンサ取付側の開口部1aの周囲はセパレータレンズ4の外形に対応する凹陥部1bが形成され、該凹陥部に赤外カットフィルタ2、絞りマスク3およびセパレータレンズ4が取り付けられる。そして、セパレータレンズ4の外側に光学センサパッケージ5が固定される。
さらに、図2に示すようにセンサ取付側の開口部1aの周囲はセパレータレンズ4の外形に対応する凹陥部1bが形成され、該凹陥部に赤外カットフィルタ2、絞りマスク3およびセパレータレンズ4が取り付けられる。そして、セパレータレンズ4の外側に光学センサパッケージ5が固定される。
レンズ保持部材1の凹陥部1bには、赤外カットフィルタ2を嵌め込むための段付部1cと、一組の軸部7,8とが形成されている。一組の軸部7,8はセンサ取付側の開口部1aを挟んで左右の位置に形成され、図中左側に位置する一方の軸部7および図中右側に位置する他方の軸部8はそれぞれセパレータレンズ4の挿入方向に突出している。なお、この軸部7,8の詳細な構成については後述する。
絞りマスク3には、折り返しミラーからの光束を通過させる円形状の開口3aが中央部に複数形成されている。また、絞りマスク3の両側部には軸部7,8に対応する位置に挿通孔3bがそれぞれ形成され、焦点検出装置の組立時において各挿通孔3bに軸部7,8がそれぞれ挿入されるようになっている。
セパレータレンズ4は、図3、4に示すように1対のレンズを複数組配置して構成されたレンズ部4aと、光束が通過せず光学系に影響がない外周部4bとを有している。レンズ部4aはセパレータレンズ4の中央部に位置しており、絞りマスク3を通過した光束をセンサ上に結像させる役目を果たす。
セパレータレンズ4は、図3、4に示すように1対のレンズを複数組配置して構成されたレンズ部4aと、光束が通過せず光学系に影響がない外周部4bとを有している。レンズ部4aはセパレータレンズ4の中央部に位置しており、絞りマスク3を通過した光束をセンサ上に結像させる役目を果たす。
セパレータレンズ4の外周部4bには、軸部7,8に対応する位置にレンズ部4aを隔てて位置決め穴9,10がそれぞれ形成されている。各位置決め穴9,10はレンズ部4aの光軸方向に沿って開口されている。そして、図中左側に位置する一方の位置決め穴9は円形に形成され、図中右側に位置する他方の位置決め穴10はセパレータレンズ4の幅方向に延長する長穴に形成されている。この一方の位置決め穴9は一方の軸部7と嵌合し、レンズ部4aの光軸方向に垂直な面の並進方向移動を規制してセパレータレンズ4を位置決めする。また、他方の位置決め穴10は他方の軸部8と嵌合し、レンズ部4aの光軸方向に垂直な面の回転方向移動を規制してセパレータレンズ4を位置決めする。
光学センサパッケージ5には、セパレータレンズ4と相対する取付面側にラインセンサが複数組配置されている(ラインセンサの図示は省略する)。組立後の焦点検出装置では、光学センサパッケージ5のラインセンサがセパレータレンズ4で分割された2つの像を検出し、この2像間の間隔に基づいてデフォーカス量(合焦位置からのズレ量)の演算が可能となる。
ここで、本実施形態のレンズ保持部材1の軸部7,8の構成を、セパレータレンズ4の位置決め穴9,10の形状との関係において詳細に説明する。
図5(a)に示すように、一方の軸部7の外周には、3つの位置決め部11が突設されている。3つの位置決め部11は軸中心に対して回転対称をなし、軸周回方向にピッチをおいて形成されている。各位置決め部11は軸部7の基端側から軸方向に沿って延長しており、各位置決め部11の頂面は一方の位置決め穴9の内周面と合致する円弧面となっている。
図5(a)に示すように、一方の軸部7の外周には、3つの位置決め部11が突設されている。3つの位置決め部11は軸中心に対して回転対称をなし、軸周回方向にピッチをおいて形成されている。各位置決め部11は軸部7の基端側から軸方向に沿って延長しており、各位置決め部11の頂面は一方の位置決め穴9の内周面と合致する円弧面となっている。
そして、各位置決め部11の軸中心から頂面までの寸法は、各位置決め部11の頂面を結んだ円と一方の位置決め穴9の内周面とが中間ばめまたはしまりばめの関係となるように設定されている。したがって、一方の軸部7と一方の位置決め穴9との嵌合時には、一方の位置決め穴9の内周面と各位置決め部11の頂面とが接触し、セパレータレンズ4が位置決めされるようになっている。
また、位置決め部11の相互間には軸方向に延長する接着剤流入溝12が3つ形成され、位置決め部11と接着剤流入溝12とが軸周回方向に交互に形成されている。接着剤流入溝12は位置決め部11の側面と、該側面に挟まれた円弧状底面とから構成されている。そして、一方の軸部7と一方の位置決め穴9との嵌合時には、一方の位置決め穴8の内周面と接着剤流入溝12とに囲まれた間隙が接着剤の流入路を構成する。すなわち、一方の軸部7では、接着剤流入溝12(位置決め部11の側面および円弧状底面)が接着面をなすこととなる。
図5(b)に示すように、他方の軸部8の外周には、軸周回方向に180度の角度をおいて上下に位置決め部13がそれぞれ突設されている。上下の位置決め部13はそれぞれ軸部8の基端側から軸方向に沿って延長している。上下の位置決め部13の頂面は、それぞれ軸部幅方向に沿った水平面となっている。
そして、上下の位置決め部13の頂面の相互間隔は、他方の位置決め穴10の幅の寸法に対して中間ばめまたはしまりばめとなるように設定されている。したがって、他方の軸部8と他方の位置決め穴10との嵌合時には、他方の位置決め穴10の内周面の上下に位置する水平面と位置決め部13の上下の頂面とがそれぞれ接触し、セパレータレンズ4が位置決めされるようになっている。
そして、上下の位置決め部13の頂面の相互間隔は、他方の位置決め穴10の幅の寸法に対して中間ばめまたはしまりばめとなるように設定されている。したがって、他方の軸部8と他方の位置決め穴10との嵌合時には、他方の位置決め穴10の内周面の上下に位置する水平面と位置決め部13の上下の頂面とがそれぞれ接触し、セパレータレンズ4が位置決めされるようになっている。
また、上記の嵌合時において他方の軸部8の左右には、他方の軸部8の上下頂面を除く外周面と位置決め穴の内周面に囲まれた間隙がそれぞれ形成され、該間隙が接着剤の流入路を構成する。すなわち、他方の軸部8では、上下の頂面以外の外周面が接着面をなすこととなる。
ここで、一方の位置決め穴9の内周面と円弧状底面との間隔W1(図5(a)参照)および他方の位置決め穴10の内周面と他方の軸部8の接着面との間隔W2(図5(b)参照)は、熱硬化型接着剤の主剤と硬化剤とが毛細管現象による分離を起こすことなく流入可能な寸法に設定されている。
ここで、一方の位置決め穴9の内周面と円弧状底面との間隔W1(図5(a)参照)および他方の位置決め穴10の内周面と他方の軸部8の接着面との間隔W2(図5(b)参照)は、熱硬化型接着剤の主剤と硬化剤とが毛細管現象による分離を起こすことなく流入可能な寸法に設定されている。
例えば、主剤とカプセル状の硬化剤とからなる1液型の熱硬化型接着剤を使用する場合には、接着剤流入路の間隙寸法W1およびW2は硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定することが好ましい。以下、その理由を詳述する。
1液型の熱硬化型接着剤は、エポキシ樹脂等からなる主剤と、一定温度以上で破壊されるカプセルに封入された硬化剤とを混合して形成されている。主剤は常温下では高粘度であるが、硬化のための加熱によってその粘度が低下して液状となる。一方、硬化剤のカプセルは例えば50℃から60℃の温度で破壊され、カプセルの破壊により主剤と硬化剤とが接触することで接着剤が硬化する。
1液型の熱硬化型接着剤は、エポキシ樹脂等からなる主剤と、一定温度以上で破壊されるカプセルに封入された硬化剤とを混合して形成されている。主剤は常温下では高粘度であるが、硬化のための加熱によってその粘度が低下して液状となる。一方、硬化剤のカプセルは例えば50℃から60℃の温度で破壊され、カプセルの破壊により主剤と硬化剤とが接触することで接着剤が硬化する。
ここで、接着剤流入路の間隙寸法W1およびW2が小さい場合には、接着剤の加熱によって粘度の低下した主剤が、硬化剤のカプセルが破壊される前に毛細管現象によって間隙に流入し、主剤と硬化剤との分離が発生してしまう。このように硬化剤から分離した主剤がレンズ保持部材を経てセパレータレンズのレンズ部などに付着すると、焦点検出装置の光学性能が著しく低下することとなる。
本発明者は上記問題を解決するために鋭意研究した結果、接着剤流入路の間隙寸法W1およびW2を硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定することで、毛細管現象による主剤と硬化剤との分離を防止できることを見いだした。
図8に、この知見を得るために本発明者が行った実験方法および実験結果を示す。図8(a)に示すように、この実験では一対の板材14を間隔Wをおいて対向配置し、一対の板材14に跨って熱硬化型接着剤15を塗布することで行った。なお、カプセル状の硬化剤の平均粒径は0.015mmであった。
図8に、この知見を得るために本発明者が行った実験方法および実験結果を示す。図8(a)に示すように、この実験では一対の板材14を間隔Wをおいて対向配置し、一対の板材14に跨って熱硬化型接着剤15を塗布することで行った。なお、カプセル状の硬化剤の平均粒径は0.015mmであった。
図8(b)に示す実験1(W=0.02mm)では、熱硬化型接着剤15を塗布した後、加熱を待たずして一対の板材14の間に主剤が大量に分離することが確認された。実験2(W=0.05mm)では、熱硬化型接着剤15を塗布した後、硬化のための加熱中に一対の板材14の間に主剤が分離することが確認された。実験3(W=0.08mm)では、熱硬化型接着剤15を塗布した後、硬化のための加熱を行って24時間放置した後に一対の板材14の間に主剤が微量分離することが確認された。実験4(W=0.10mm)では、熱硬化型接着剤15を塗布した後、硬化のための加熱を行って24時間放置した後に一対の板材14の間に主剤が殆ど分離していないことが確認された。実験5(W=0.30mm)では、熱硬化型接着剤15を塗布した後、硬化のための加熱を行って24時間放置した後に一対の板材14の間に主剤が全く分離していないことが確認された。
これらの実験結果から、一対の板材14の間隔Wを硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定することで、毛細管現象によって一対の板材14の間隙に主剤のみが流れこむことが殆どなくなることが確認できた。
本実施形態の焦点検出装置は上記のように構成され、以下その効果を説明する。
本実施形態の焦点検出装置では、軸部7,8の位置決め部11,13と位置決め穴9,10とが中間ばめまたはしまりばめによって接触している。そのため、位置決め部11,13の頂面と位置決め穴9,10の内周面との間に接着剤が流入して接着層が形成されることはない。したがって、接着層によるセパレータレンズ4の温度変化に伴う不安定な挙動が抑制され、セパレータレンズ4がレンズ保持部材1に高い精度で位置決めされる。
本実施形態の焦点検出装置は上記のように構成され、以下その効果を説明する。
本実施形態の焦点検出装置では、軸部7,8の位置決め部11,13と位置決め穴9,10とが中間ばめまたはしまりばめによって接触している。そのため、位置決め部11,13の頂面と位置決め穴9,10の内周面との間に接着剤が流入して接着層が形成されることはない。したがって、接着層によるセパレータレンズ4の温度変化に伴う不安定な挙動が抑制され、セパレータレンズ4がレンズ保持部材1に高い精度で位置決めされる。
また、軸部7,8の接着面と位置決め穴9,10の内周面とによって接着剤流入用の間隙が形成され、該間隙に熱硬化性接着剤を流入してセパレータレンズ4をレンズ保持部材1に接着固定することができる。この接着剤流入用の間隙は、左右の嵌合部のいずれもが位置決め部11,13と軸周回方向に交互に形成されているので、セパレータレンズ4とレンズ保持部材1との高い接着強度を確保することができる。
さらに、接着剤流入用の間隙は熱硬化型接着剤の主剤と硬化剤とが毛細管現象による分離を起こすことなく流入可能な寸法に設定されているので、接着剤が間隙内で確実に硬化する。したがって、硬化剤から分離した主剤がレンズ保持部材1を経てセパレータレンズ4のレンズ部4aに付着することはなく、焦点検出装置の光学性能低下を防止できる。特に、1液型の熱硬化型接着剤を使用する場合には、接着剤流入用の間隙寸法を硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定することで、毛細管現象による主剤と硬化剤との分離を高い精度で抑制することが可能となる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズ保持部材に位置決め穴を形成し、セパレータレンズに軸部を形成するようにしてもよい。
また、本発明の光学モジュールは焦点検出装置のセパレータレンズとレンズ保持部材との位置決めに限定されることなく、一般的な光学部材の位置決め固定の場合に適用してもよい。
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、レンズ保持部材に位置決め穴を形成し、セパレータレンズに軸部を形成するようにしてもよい。
また、本発明の光学モジュールは焦点検出装置のセパレータレンズとレンズ保持部材との位置決めに限定されることなく、一般的な光学部材の位置決め固定の場合に適用してもよい。
さらに、一方の軸部の位置決め部は上記実施形態の例に限定されることなく、例えば2つあるいは4つ以上の位置決め部を回転対称に形成するようにしてもよい。
なお、本発明の光学モジュールは、紫外線硬化型接着剤や2液混合型の接着剤を使用する場合においても、熱硬化型接着剤を使用する場合とほぼ同様の効果を期待することができる。
なお、本発明の光学モジュールは、紫外線硬化型接着剤や2液混合型の接着剤を使用する場合においても、熱硬化型接着剤を使用する場合とほぼ同様の効果を期待することができる。
本発明は、例えばカメラに組み込まれる焦点検出装置について、セパレータレンズを保持部材に位置決め固定する場合等に利用することができる。
1 レンズ保持部材(保持部材)
1a センサ取付側の開口部
1b 凹陥部
1c 段付部
2 赤外カットフィルタ
3 絞りマスク
3a 円形状の開口
3b 挿通孔
4 セパレータレンズ(光学部材)
4a レンズ部
4b 外周部
5 光学センサパッケージ
6 視野マスク
6a 開口
7 一方の軸部
8 他方の軸部
9 一方の位置決め穴
10 他方の位置決め穴
11 位置決め部
12 接着剤流入溝
13 位置決め部
14 板材
15 熱硬化型接着剤
1a センサ取付側の開口部
1b 凹陥部
1c 段付部
2 赤外カットフィルタ
3 絞りマスク
3a 円形状の開口
3b 挿通孔
4 セパレータレンズ(光学部材)
4a レンズ部
4b 外周部
5 光学センサパッケージ
6 視野マスク
6a 開口
7 一方の軸部
8 他方の軸部
9 一方の位置決め穴
10 他方の位置決め穴
11 位置決め部
12 接着剤流入溝
13 位置決め部
14 板材
15 熱硬化型接着剤
Claims (3)
- 光学部材と該光学部材を保持する保持部材との一方に設けられた位置決め穴と、前記光学部材と前記保持部材との他方に設けられ、前記位置決め穴に嵌合する軸部とによって前記光学部材と前記保持部材とを位置決めし、前記位置決め穴と前記軸部とを主剤と硬化剤とからなる熱硬化型接着剤により接着してなる光学モジュールであって、
前記軸部の外周面は、前記位置決め穴の内周面に接触する位置決め部と、前記位置決め穴の内周面との間で接着剤流入用の間隙を形成する接着面とを有し、
前記間隙の寸法が前記熱硬化型接着剤の前記主剤と前記硬化剤とが分離することなく流入可能な寸法に設定されていることを特徴とする光学モジュール。 - 前記位置決め部と前記接着面とが軸周回方向に複数交互に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール。
- 前記熱硬化型接着剤は主剤とカプセル状の硬化剤とからなり、
前記間隙の寸法が前記硬化剤の平均粒径の6倍以上に設定されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173135A JP2005352207A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 光学モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004173135A JP2005352207A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 光学モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005352207A true JP2005352207A (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=35586737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004173135A Withdrawn JP2005352207A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 光学モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005352207A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010085697A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Fujinon Corp | 光学ユニットおよび撮影装置 |
-
2004
- 2004-06-10 JP JP2004173135A patent/JP2005352207A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010085697A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Fujinon Corp | 光学ユニットおよび撮影装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI627459B (zh) | 透鏡模組、其製造方法以及包含該模組方法的照相模組 | |
JP4679906B2 (ja) | レンズ固定構造 | |
JP5560316B2 (ja) | 画像読取装置及び画像形成装置 | |
KR102523058B1 (ko) | 다중 그룹 렌즈, 카메라 모듈과 그 조립 방법 및 전자 기기 | |
JP2006284991A (ja) | レンズユニット | |
US9784964B2 (en) | Image pickup unit for endoscope having multiple bonded frames | |
JPWO2018043172A1 (ja) | カメラモジュール、撮像装置、及び移動体 | |
WO2017022500A1 (ja) | 光学組立体の接着固定方法および光学組立体 | |
JP2010139566A (ja) | レンズユニット | |
JP2018160763A (ja) | 撮像モジュール、内視鏡、および、撮像モジュールの製造方法 | |
JP2005352207A (ja) | 光学モジュール | |
JP2006235262A (ja) | 光コリメータアレイ | |
JP2001290063A (ja) | レンズ接着方法及びレンズ保持方法 | |
JP2011070016A (ja) | レンズモジュール、撮影装置、レンズモジュールの製造方法 | |
JP5914784B2 (ja) | 内視鏡用撮像装置及び内視鏡用撮像装置の組立方法 | |
JP2005099116A (ja) | 投写光学系、投写光学系の製造方法、および投写光学系を備えたプロジェクタ | |
JP2006098497A (ja) | 光学モジュール | |
JP2005195942A (ja) | レンズモジュール及び固体撮像装置 | |
JP2018186234A (ja) | 半導体レーザ装置 | |
JP2005274895A (ja) | レンズユニット | |
JP2001235665A (ja) | 撮像装置 | |
JP5799135B2 (ja) | 画像読取装置及び画像形成装置 | |
JP2018093342A (ja) | プリズムユニット、固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法 | |
JP7046889B2 (ja) | レンズ駆動装置、カメラ装置及び電子機器 | |
JP2018093316A (ja) | センサ取付基板、固体撮像装置および固体撮像装置の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070904 |