JP2005351727A - 光画像計測方法及びそれを用いた光干渉断層イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光路長を変化させる手段を必要とせず、さらに高額な液晶シャッターや複数台の2次元アレイセンサを必要とせずに、1台の2次元アレイセンサを具備するのみで、画素合わせの必要もない光干渉断層イメージング装置を提供する。
【解決手段】
2光束1,2の空間干渉縞において空間干渉縞の空間周期λS の適宜な位相位置毎にアレイセンサ素子3を合せ配置し、各アレイセンサ素子3よりの各位相毎の信号を検出し、演算電子回路6〜10などを用いて相互の演算し、前記2光束1,2の干渉信号強度分布や位相差分布を描画して、光コヒーレンス断層画像化法と同様に被検査物体の表面乃至深層の断層画像をイメージングする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検査物体に光ビームを照射し、その被検査物体から反射した光を利用して、その被検査物体の表面もしくは内部の形態情報を画像化する光画像計測方法とそれを用いた光干渉断層イメージング装置に関するものである。
広帯域なスペクトルをもつ光源の短いコヒーレンス長を利用して、物体深層の形態を断層画像化して観測する装置が、革新的な診断装置として既に眼科学の分野で実用化されている。その基本原理は下記特許文献1に開示されており、その詳細な報告は下記非特許文献1において明らかである。これらの基本原理に基づき、従来、物体の奥行き情報を断層画像化する手段として、回帰反射ミラーを高速遅延して参照光路長を変え、被検査物体の光軸(例えばZ軸)方向の反射強度分布を得て、入射光束をX−Y面でスキャンして2次元あるいは3次元断層画像を観測する方法が開発されてきた。この基本原理の応用として、図7に示すような、2次元アレイセンサによるX−Y面断層画像すなわちen−face OCT(Optical Coherence Tomography)といわれる顔面断層画像を観測する2次元ヘテロダイン検出法を用いた光画像計測装置が考案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
図7は、従来の2次元ヘテロダイン検出法を用いた光画像計測装置の構成図であり、X−Y面で光ビームをスキャンする逐次法に対し、画像計測の高速化を図るために提案された。
図7において、101は広帯域光源、102はレンズ、103,107はビームスプリッター、104は反射鏡、105はピエゾ振動子、106は被検査物体、108,110は液晶シャッター、109,111はCCD2次元アレイセンサ、112はコンピュータ、113は位相シフターである。
図7では、物体光のビーム径を広げて被検査物体106に照射し、その反射光を周波数シフトさせた参照光と干渉させ、ヘテロダイン周波数の時間軸上の異なる位相を液晶シャッター108及び110の開閉で合わせ、2次元干渉像を各々CCD2次元アレイセンサ109及び111で撮像する。このように撮像された各位相の画像を相互に演算して、光強度信号分布を算出し、被検査物体106の深層の顔面反射断層画像をコンピュータ112で描画する。
ここで、従来の位相シフト法では、一般に90度位相を与える光路長変化による干渉縞の変化やヘテロダイン周波数の時間軸上の所定の位相成分を複数測定して、該測定値間で相互に演算して、位相差分布や信号強度分布を算出する。
検出される干渉信号の強度は、一般に次式で与えられる。
I=IDC+IACcos(kz+φ0 +θ) …(1)
ここで、IDC:直流成分、IAC:交流成分、k:波数、z:2光束の光学距離の差、φ0 :初期位相、θ:位相シフト量である。ピエゾ振動子などを用いて参照光のミラーを振動させて光路長を変化させたり、あるいはヘテロダイン周波数の位相を90度ごとに検出したりすれば、位相シフト量θを可変にできる。例えば、θ=90度ずつずらした光干渉信号の強度を検出すると、
0 = IDC+IACcos(kz+φ0 +0×θ) …(2)
1 =IDC+IACcos(kz+φ0 +1×θ) …(3)
2 =IDC+IACcos(kz+φ0 +2×θ) …(4)
3 =IDC+IACcos(kz+φ0 +3×θ) …(5)
が取得される。
これらの式より、3ステップ方式と4ステップ方式を用いて、交流成分IACと位相成分φ(=kz+φ0 )を算出すると、3ステップ方式では、
AC=(1/2)・[(I0 −I1 2 +(I1 −I2 2 1/2 …(6)
φ=tan-1[(I1 −I2 )/(I0 −I1 )] …(7)
4ステップ方式では、次式で求められる。
AC=(1/2)・[(I0 −I2 2 +(I1 −I3 2 1/2 …(8)
φ=tan-1[(I1 −I3 )/(I0 −I2 )] …(9)
以上のような相互演算により、干渉光の交流成分分布と位相差分布を求める方法が位相シフト法として知られている。同様の方法で5ステップ方式でも求められる。
また、2θ=180度として、予め直流成分IDCを観測しておき、
AC=(1/2)・[(I0 −IDC2 +(I2 −IDC2 1/2 …(10)
φ=tan-1[(I2 −IDC)/(I0 −IDC)] …(11)
と演算しても求められる。
下記特許文献2および図7に示す従来の方法では、2台の高速液晶シャッター108,110を交互に開閉して180度位相シフト画像を取得して、上記式(10)に示す位相シフトを演算することにより、干渉交流成分画像を100Hzで観測している。このため高価な液晶シャッターが必要であり、また、2次元ヘテロダイン周波数の位相誤差の除去や画素合わせなどの精緻な制御を必要とするという問題点があった。また、光路長を変化させて位相シフトする方法では、電気的にステップ状にピエゾ振動子を駆動する必要があり、その制御や位相シフト量の厳密な制御を必要とするため、外部擾乱に弱く交流成分IACの抽出に直流成分IDCが残るため、信号強度の背景雑音の除去が困難であった。さらに、上記のいずれの方法でも時間軸上で画像を取得して行くため、動的被検査物体の場合には実時間の断層画像の観察に制限があった。
特許第2010042号 特開2001−330558号 光学、28巻3号、1999年 pp.116−125
以上述べた従来の位相シフト法では、具備すべき装置が多く、小型化できず、制御も手数が掛るなどの難題を抱えていた。また、それらの装置自体もが高額で部品点数が多く、簡便な装置とはならなかったので、高額な医療装置となっていた。
本発明は、このような従来の問題を解決しようとするものであり、光路長を変化させる手段を必要とせず、さらに高額である液晶シャッターや複数の2次元アレイセンサを必要とせずに、1台の2次元アレイセンサを具備するのみで、画素合わせの必要もない、被検査物体の表面もしくは内部の形態情報を画像化する光画像計測方法及び空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置を提供することを目的とするものである。
そして、本発明は上記目的を達成するために
〔1〕光画像計測方法において、被検査物体に光ビームを照射し、その被検査物体から反射した光を利用して、その被検体の表面もしくは内部の形態情報を画像化する光画像計測方法において、物体光、参照光の2光束による空間干渉縞の空間周期の適宜な位相位置毎にアレイセンサ素子を合わせて配置し、前記各アレイセンサ素子からの各位相毎の信号を検出し相互に演算する空間周波数位相シフト方法により、前記2光束の干渉信号光強度分布や位相差分布を描画することを特徴とする。
〔2〕空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置において、広帯域な波長域を有する光源と、この光源からの光束を参照光と被検査物体への物体光とに2分割し異なる光路とする手段と、前記参照光を、略光軸方向に順次移動して反射回帰させるミラーと、前記被検査物体の表面乃至深層から反射回帰する物体光と前記回帰する参照光を交差して合波する手段と、前記合波された2光束干渉光の空間干渉縞を検出するアレイセンサと、前記各アレイセンサ素子からの位相毎の信号を相互に演算する手段と、前記演算する手段からの信号強度分布や位相差分布を画像化するコンピュータおよび表示装置とを具備することを特徴とする。
〔3〕上記〔2〕記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置において、前記広帯域な波長域を有する光源のコヒーレント長が100μm以下であることを特徴とする。
〔4〕上記〔2〕記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置において、上記干渉光学系に、マイケルソン干渉系を用いることを特徴とする。
〔5〕上記〔2〕記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置において、上記干渉光学系に、マッハツェンダー干渉系を用いることを特徴とする。
〔6〕上記〔2〕記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置において、上記演算する手段に、演算電子回路を具備することを特徴とする。
〔7〕上記〔2〕記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置において、前記演算する手段に、演算プログラムを用いることを特徴とする。
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
上述したように、従来はヘテロダイン周波数の時間軸上の位相に対して、あるいは光路差における位相に対して位相シフト法を適用していたが、本発明では2光束が形成する空間上の干渉縞の周期すなわち空間周波数の位相に対して位相シフト法を適用する新たな手法を実現するものである。
従来の方法では、時間軸上の位相シフトを検出するため高速な液晶シャッターなどを用い、誤差なく断続して位相毎の画像を検出する必要があり、また、他方光路差の位相シフトには可動鏡を必要とし、波長の数分の1精度で鏡面にぶれを起こすこと無く駆動しなければならない。
本発明では、このような機械的操作を一切必要としないため静的に位相シフトした画像を直ちに演算のみによってイメージングできる利点がある。
また、本発明では画像のイメージング速度は、用いる2次元アレイセンサの特性にのみ依存し、1000frames/sec以上の高速化が可能であるため、生体などの生きたままでの動的挙動を深層の組織や細胞レベルで観測可能とする効果がある。そのため、3次元断層画像化により生体の4次元のダイナミックな活動を非破壊、非侵襲、非接触で可視化できるという多大な効果をもたらす。
さらに、上記のような効果を挙げるために具備すべき装置は極めて単純な光学干渉系とアレイセンサと演算用のパソコンなどの構成で済むため、簡易な装置となり、小型化も可能となる上に安価に製造販売でき、医療の現場や産業や教育の現場で役に立つ効果がある。
広帯域な波長域を有する光源と、この光源からの光束を参照光と被検査物体への物体光とに2分割し異なる光路とする手段と、前記参照光を、略光軸方向に順次移動して反射回帰させるミラーと、前記被検査物体の表面乃至深層から反射回帰する物体光と前記回帰する参照光を交差して合波する手段と、前記合波された2光束干渉光の空間干渉縞を検出するアレイセンサと、前記各アレイセンサ素子からの位相毎の信号を相互に演算する手段と、前記演算する手段からの信号強度分布や位相差分布を画像化するコンピュータおよび表示装置とを備え、光路長を変化させる手段を必要とせず、さらに高額な液晶シャッターや複数台の2次元アレイセンサを必要とせずに、1台の2次元アレイセンサを具備するのみで、画素合わせの必要もない光干渉断層イメージング装置を提供する。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は本発明の空間周波数位相シフト方法の説明図である。
この図において、1は参照光Er、2は物体反射光Es、3はアレイセンサ素子、4は光干渉縞強度分布、5はアレイセンサ素子3の出力端、6,8は差動増幅演算回路、7,9は2乗増幅回路、10は足し算回路、11は演算回路出力端である。
図1は、参照光Er1と物体反射光Es2が2光束干渉する場合を図示している。2光束は、Z軸に並んだアレイセンサ素子3上で合波され光干渉縞強度分布In,m 4が観測される。干渉縞の周期λsが空間周波数の周期を与える。2光束の入射角をそれぞれαとすると、Z軸上の光干渉縞強度分布I n,m 4は次式のように表される。
I n,m =IDC+IACcos(kz+φ−2kzm sinα) …(12)
ここで、zm はアレイセンサ素子3のZ軸上の位置である。波数kは2π/λ(λ:光波長)であるから、空間周波数の周期λs=λ/2sinαおよび空間周波数の波数ks=2π/λsを用いると、
I n,m =IDC+IACcos(kz+φ−ks・zm ) …(13)
となる。これより、位相ks・zm が90度となるように、入射角αとアレイセンサ素子3の座標zm を選べば、前記の位相シフト方法を各アレイセンサ素子3の出力に適用して、例えば3ステップ方式を用いた場合には、図1に示すような演算回路6〜10を用いて、光干渉縞強度分布4を直流成分を除去して観測できる。その結果、3つのアレイセンサ素子の出力In,0 、In,1 、In,2 がそれぞれ上記式(2)、(3)、(4)の位相シフトした値に該当し、この演算回路6〜10によって出力端11には上記式(6)の2乗の出力In 2 が得られる。
本発明の構成では、In =IAC=ErEsであるから、この出力In 2 からEs2 が求められ、被検査物体の反射強度Es2 が観測される。このEs2 が図1に示すX−Z面で2次元反射強度分布をもつ画像の場合は、上記演算回路6〜10をZ軸のアレイセンサ素子3毎に切り替えて上記演算を行い、X軸方向にも暫時演算を進めることにより、2次元干渉信号強度分布が測定される。
本発明では、並んだアレイセンサ素子3の内、例えば上記の場合では、3つのアレイセンサ素子の出力で一点の画素強度In 2 が算出される。その分、画像情報は縮退することになるが、予め充分なアレイセンサ素子3からなるセンサを用いたり、レンズで画像を拡大しておけば問題なく干渉強度画像情報を実体と1:1で検出できる。例えば、アレイセンサ1素子の周期長を10μmとするとき、空間周波数の周期λsを40μmにとれば、位相ks・zm を90度ごとの値とすることができる。また、例えば、入射波長λを0.8μmとすると2光束の入射角αを約0.57度にとることで位相ks・2mを90度ごとの値にすることができる。また、λS をさらに長く設定し、複数のアレイ素子をまとめて一つの位相出力としたり、逆にとびとびに位相出力としても同様の効果が得られることは明白である。さらに、一般に位相シフト法は、検出する中心の位相角で演算しているが、実際は検出域は有限な幅内の積分値である。したがって、IDC成分が零となるように位相の何度かにわたる積分値を設定することが望ましい。そのような演算法は、数理学的最適値を求める手法で容易に実現でき、同様の効果を奏することができる。
図1に示す実施構成例では、演算電子回路6〜10を用いる例を示したが、同様の機能は各アレイセンサ素子3からのアナログ出力をデジタル変換して、計算機に取り込んだ後にC−言語などを用いて演算プログラムを作りソフトで演算を行わせてもよく、また、このような機能を持たせた電子回路のデジタル演算プロセッサを構成して行わせてもよい。
図2は、本発明の2次元アレイセンサ素子上の画素間演算の具体例を示す模式図である。例えば、2次元アレイセンサ(CCD)27を用いると、2次元アレイセンサ素子の3配列の行にあたる番号n−1,s,2から番号n+1,s,0の行が、図1に示したZ軸にあたる。このうち、0,1,2の符号の素子からの出力間で上記の演算を行い、出力In,s をあらためて1画素信号として算出し強度信号とする。本実施例では、行の3素子毎にこのようにして、順番に1画素信号を得てゆく。さらに、X軸方向の異なる行においても同様に演算して、行列方向の全画素信号を算出し、X−Z面全体の干渉強度分布イメージングデータとして該強度分布のカラー表示などを行う。
本発明では、位相分布も同様に求めることができる。前記各アレイセンサ素子の出力から、上記式(7)の右辺の演算を簡単な演算電子回路あるいは演算プログラムを用いて実行し、まずtanφを算出して、これより位相分布を求め、位相分布画像の観測を実現することができる。
本発明における、マイケルソン干渉系を用いた被検査物体の断層イメージング装置の実施例を図3に示す。また、図4は図3における光束縞の形成図である。
図3において、21は広帯域光源(例えば、スーパールミネッセントダイオード:SLD)、22はレンズ、23は光束2分割・合波用ビームスプリッター、24は参照光路上に配置される光軸に対して仰角αをつけた反射鏡、25は対物レンズ、26は被検査物体、27は2次元アレイセンサ、28は高速プロセッサ、29はコンピュータである。
この図において、広帯域光源(例えば、スーパールミネッセントダイオード:SLD)21からの光は、レンズ22により略平行光束と成し、光束2分割・合波用ビームスプリッター23により参照光Erと物体光に2分割する。2光束の交差角を作るために参照光路に光軸に対して仰角αをつけた反射鏡24を配置して参照光Erを回帰反射させる。他方、物体光は、被検査物体26の表面乃至深層より反射回帰して物体反射光Esとなる。物体光路上に設けた対物レンズ25は、光束を集光して被検査物体26に照射するとともに、回帰反射光を2次元アレイセンサ27に結像させる。ビームスプリッター23で物体反射光Esと参照光Erを合波して、2次元アレイセンサ27上に干渉縞を形成する。干渉縞は、図4に示すように、物体反射光Esと参照光Erの2光束が角度αで交差して干渉することで形成される。この構成では、物体反射光Esは対物レンズ25により結像面となるので、参照光Erの、反射鏡24により微小角αだけ傾いた波面PQはZ軸上で物体反射光Esの波面と干渉し、所定の空間周期になるようにする。また、反射鏡24を傾斜する代わりに、ビームスプリッター23を、結像深度の範囲内で微小角αだけ傾け、物体反射光Esの波面を傾け交差して2光束干渉を行っても、所定の空間周期を実現できる。あるいは、参照光と物体光を両方とも傾けて交差させても良いことは明白である。
2次元アレイセンサ27からの出力は、演算回路や演算プログラミングを搭載した高速プロセッサ28により、位相シフトの演算を行い、画像情報を算出してコンピュータ29により信号強度分布をカラー表示するなどして反射強度画像を表示する。広帯域光源21のショートコヒーレンス性により、2次元アレイセンサ27面で干渉縞が生じるのは、ビームスプリッター23で2分割された後の、参照光路長と物体光路長差がコヒーレンス長以内の場合のみである。この原理を用いると、被検査物体26の表面のみならず深層の反射面からの回帰反射光により、干渉縞を形成できる。すなわち、参照光路長を反射鏡24の光軸方向への移動によって変化させ、任意の深層反射面までの光学距離と一致させ、干渉像を形成すれば、該深層面の断層画像化が実現される。該深層面以外からの反射光は、干渉縞を形成することはなく直流成分となるので、本発明の位相シフト法によれば、背景雑音となる直流成分を除去して、所望の断層のみをイメージングし観測できる。
本発明の実施例においては、図3に示した反射鏡24を例えば上記コヒーレンス長(例えば、数μm乃至数十μm)毎に移動しつつ断層画像を取得して、コンピュータ29に蓄積して3次元表示をすれば、被検査物体26の3次元立体断層画像をイメージングし観測できる。2次元アレイセンサ27の画素信号の取り込み速度が早ければ、例えば現在市販されている1000frames/secのセンサを用いて実施すると生体などの反応場のダイナミックな変化を非破壊で観測可能となる。
本実施例では、本発明の位相シフト方法において、3ステップ法を例示したが、4ステップ法や5ステップ法でもよく、画像情報の縮退が問題でない限り、ステップ数を増やした方が直流成分の除去とSN比の向上に繋がる。また、同一反射面の画素情報を何十フレームか蓄積して平均化をしたりノイズリミッターにかければ、同様に直流成分の除去とSN比の向上になる。
図5は本発明の実施例を示すマッハツェンダー干渉系を用いた被検査物体の断層イメージング装置の実施例を示す図である。
図5において、31は広帯域光源(例えば、スーパールミネッセントダイオード:SLD)、32はレンズ、33,34,37は2分割用ビームスプリッター、35は対物レンズ、36は被検査物体、38は参照光路上に配置される光軸に対して迎角αをつけた反射鏡、39は合波用ビームスプリッター、40は2次元アレイセンサである。
図5に示すように、広帯域光源31からの光束を、2分割用ビームスプリッター33で、物体光と参照光Erの2光束に分割し、物体光は対物レンズ35で集光し、反射回帰光をビームスプリッター34で反射して、2次元アレイセンサ40に導く。一方、参照光は、ビームスプリッター37を経て可動反射鏡38で反射して光路長の調整と光軸方向への走査を行い、合波用ビームスプリッター39で反射して、物体反射光Esと共に2次元アレイセンサ40面上で合波干渉させる。その結果、図3における実施例と同様に、反射断層画像をイメージングできる。詳細は、図3における演算法と全く同じであるので省略する。
図6は図5のマッハツェンダー干渉系を用いた被検査物体の断層イメージング装置の変形例を示す図である。
この図において、41は広帯域光源(例えば、スーパールミネッセントダイオード:SLD)、42はレンズ、43,44は2分割用ビームスプリッター、45は参照光路上に配置される光軸に対して仰角αをつけた反射鏡、46は反射ミラー、47は合波用ビームスプリッター、48は対物レンズ、49は被検査物体、50は2次元アレイセンサである。
図6に示すように、被検査物体49より2次元アレイセンサ50までの光路長を短くすることにより、図5におけるビームスプリッター34での反射損と途中の長光路での伝送損失を減じる実施例を示している。動作原理は、図5と同様であるので、省略する。
本発明の断層画像の検出方法は、上記の干渉系以外でも、画像を伝達して2光束干渉を生じさせることのできる干渉系であれば全て適用できることは明白である。また、干渉縞を形成するのに、参照光と物体光が平光光束であることを前提にして説明したが、一方かまたは両方がガウス型の光束で、同心円上に干渉縞を形成して、不等間隔にはなるが半径方向に本発明の位相シフト法を適用しても同様な結果が得られることは明白である。
本発明は、上記実施例で説明したように、被検査物体の表面乃至深層の反射断面像を、従来のヘテロダイン検波法や光学距離の変化による位相シフト法と異なり、2光束の干渉縞を形成して演算し表示することのみで画像情報を検出できる、簡便ながら極めて汎用性の高いものである。
したがって、現在市販されているOCTによる眼底断層診断装置に対して、同様の高分解能かつ非侵襲、非接触、非破壊の性能を有すると共に簡易安価な装置を提供できるものであり、また、高速での画像取得が可能であるため医師や患者等へ負担を軽減できるものである。さらに、本発明は深層観測可能な3次元断層顕微鏡や3次元カメラとして、多くの産業上の用途が期待できるものである。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の光画像計測方法及び空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置は、生体断層診断装置、更には、深層観測可能な3次元断層顕微鏡や3次元カメラとして、多くの産業上の用途が期待できる。
本発明の実施例を示す空間周波数位相シフト方法の説明図である。 本発明の実施例を示す2次元アレイセンサ素子上の画素間演算の具体例を示す図である。 本発明の実施例を示すマイケルソン干渉系を用いた被検査物体の断層イメージング装置を示す図である。 図3における、2光束干渉縞の形成図である。 本発明の実施例を示すマッハツェンダー干渉系を用いた被検査物体の断層イメージング装置を示す図である。 図5に示す断層イメージング装置の変形例を示す図である。 従来の2次元ヘテロダイン検出法を用いた光画像計測装置の構成図である。
符号の説明
1 参照光
2 物体反射光
3 アレイセンサ素子
4 光干渉縞強度分布
5 アレイセンサ素子の出力端
6,8 差動増幅演算回路
7,9 2乗増幅回路
10 足し算回路
11 演算回路出力端
21,31,41 広帯域光源
22,32,42 レンズ
23 光束2分割・合波用ビームスプリッター
24,38,45 光軸に対して仰角αをつけた反射鏡
25,35,48 対物レンズ
26,36,49 被検査物体
27,40,50 2次元アレイセンサ
28 高速プロセッサ
29 表示装置付きコンピュータ
33,34,37,43,44 2分割用ビームスプリッター
39,47 合波用ビームスプリッター
46 反射ミラー

Claims (7)

  1. 被検査物体に光ビームを照射し、その被検査物体から反射した光を利用して、その被検体の表面もしくは内部の形態情報を画像化する光画像計測方法において、物体光、参照光の2光束による空間干渉縞の空間周期の適宜な位相位置毎にアレイセンサ素子を合わせて配置し、前記各アレイセンサ素子からの各位相毎の信号を検出し相互に演算する空間周波数位相シフト方法により、前記2光束の干渉信号光強度分布や位相差分布を描画することを特徴とする光画像計測方法。
  2. (a)広帯域な波長域を有する光源と、
    (b)該光源からの光束を参照光と被検査物体への物体光とに2分割し異なる光路とする手段と、
    (c)前記参照光を、略光軸方向に順次移動して反射回帰させるミラーと、
    (d)前記被検査物体の表面乃至深層から反射回帰する物体光と前記回帰する参照光を交差して合波する手段と、
    (e)前記合波された2光束干渉光の空間干渉縞を検出するアレイセンサと、
    (f)前記各アレイセンサ素子からの位相毎の信号を相互に演算する手段と、
    (g)前記演算する手段からの信号強度分布や位相差分布を画像化するコンピュータおよび表示装置とを具備することを特徴とする空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置。
  3. 前記広帯域な波長域を有する光源のコヒーレント長が100μm以下であることを特徴とする請求項2記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置。
  4. 前記干渉光学系に、マイケルソン干渉系を用いることを特徴とする請求項2記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置。
  5. 前記干渉光学系に、マッハツェンダー干渉系を用いることを特徴とする請求項2記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置。
  6. 前記演算する手段に、演算電子回路を具備することを特徴とする請求項2記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置。
  7. 前記演算する手段に、演算プログラムを用いることを特徴とする請求項2記載の空間周波数位相シフト法による光干渉断層イメージング装置。
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JP2021513641A (ja) * 2018-01-26 2021-05-27 ヴィゾテック・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングVisotec GmbH マイケルソン型フリービーム干渉計を用いる2次元インターフェログラムの作成方法

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