JP2005350955A - 水路の護岸構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 上下面が開口した多数の筒状セル6を、平面上に多数連続するよう並べて成る板体2を水路の底面及び/又は側面に敷設して、筒状セル6を区画する隔壁4を水路の底面及び/又は側面から立設すると共に、隔壁4の一部を水流Aに対して略直交するよう設置し、隔壁4の厚みtを3mm〜7mmとし、隔壁4の高さhを、水流Aに対して略直交する隔壁4間の間隔lの0.5倍〜2.0倍とする。
【選択図】 図3
Description
このように水路基礎地盤を硬質の護岸材で完全に被覆した水路は、通水断面の安定性を確保できる反面、土の面が護岸材で覆われてしまうため、生態系を狂わせて自然環境を損なう虞がある。
そこで、近年、自然環境を保全するための護岸構造が種々提案されている。
上記河川構造では、コンクリート板の孔に上方突出物を配置して固定し、さらに盛り土を施してあるので、施工が非常に面倒でコストが高く付き、孔間の厚みが非常に分厚いため、重くて敷設に多大な労力が必要である。しかも、コンクリート板自体は、空隙率が低いので、盛り土をせずに河川床に露出して敷設すると、通常の護岸構造と同様に生態系を崩す心配がある。
しかし、このものは、水面下に敷設して水路基礎地盤を保護するものではなく、水深に比較して非常に高い隔壁を水中に突出してあるので、一般的な河川や水路には適用することができず、また、水面から露出して乾燥した部分が両生類にとって好ましくなく、両生類の移動経路を分断する虞がある。
このような敷石ブロックは、構造が複雑で製造加工及び敷設作業が面倒であり、コンクリート素材であるため格子壁を薄くできず、重くて施工しにくく、コストが高く付くという欠点がある。
また、石を充填材として用いると共に、基礎ブロック上に固設してあるため、千葉県の沖積平野のように天然玉石を産出しない地域では、非常に高価であり、又、安価な割栗石等は鋭利な表面形状が魚類の生息に好ましくないとされる上、地域に存在しない材料で水路基礎地盤を覆ってしまうことは、自然環境の保全という視点から問題が多い。
以下の構成を採用することがある。
前記板体と水路の底面及び/又は側面との間に多孔質シートを介在した構成。
前記隔壁を前記水路の底面及び/又は側面に対して略直交するよう立設した構成。
水流に対して略直交する前記隔壁を前記水路の底面及び/又は側面から下流方向へ傾斜するよう立設した構成。
前記板体の素材を、合成樹脂、繊維補強合成樹脂、生分解性樹脂又は金属とした構成。
また、板体自体の構造が簡単であるばかりか、板体を水路の底面及び/又は側面に敷設するだけで構築できるため、コストが低廉で済む。
さらに、隔壁が薄いので空隙率が高く、このため、使用材料が少なくて済むと共に、軽くて施工しやすく、水路の底面及び/又は側面の変形に対応して簡単に補修することが可能であり、しかも、水路の底面及び/又は側面が広く露出して生態系を崩す虞がなく、筒状セルの内部が底生生物の住処となって自然環境の回復維持を促進する。
また、隔壁の高さを水流に対して略直交する隔壁間の距離の0.5倍〜2.0倍としたので、水流抑制効果と生態系保全効果とを両立させることができる。
請求項3に係る発明によれば、比較的簡単に板体を製造することができる。
請求項4に係る発明によれば、板体の製造が難しくなるが、乱流が発生しにくくて水理上有利である。
請求項5に係る発明によれば、隔壁が薄い板体を製造しやすく、強靱で軽く、コンクリートのように水生生物に悪影響を与える成分が溶出する心配がない。
図1乃至図5は、水平な底面の両側に傾斜した側面を設けたライニング水路の護岸構造である実施例1を示す。
図1及び図2に示すように、水路基礎地盤1である水路の底面及び両側面に、護岸材となる板体2を連続して敷設する。板体2は、異形鉄筋等を折り曲げて成るアンカー部材3で水路基礎地盤1に固定される。
また、板体2は、縦横辺の長さがそれぞれ約1mの矩形に形成され、図4及び図5に示すように、4枚の隔壁4で囲まれて上下面が開口した平面視四角形の多数の筒状セル6を、平面上に多数連続するよう並べて成る。隔壁4は、板体2が含まれる平面に対して直交しており、このため、板体2を水路基礎地盤1に敷設すると、隔壁4は水路基礎地盤1に対してほぼ直交するよう立設されることになる。
また、板体2は、図3に示すように、対向する一対の隔壁4が水流Aに対して略直交するよう配置される。
隔壁4の高さhは、水路断面の大きさに比例して、上記範囲内で変化させる。即ち、隔壁4の高さhが20mmの板体2は幅30cm程度の小水路に用い、隔壁4の高さhが200mmの板体2は比較的大きい河川に用いる。
水路断面の大きさに対して隔壁4の高さhが極端に高く、例えば、幅30cmの水路に対して隔壁4の高さhを10cmにもすると、使用材料が無駄に増えてコストが高く付き、重量が増して取り扱い難くなるばかりか、深い穴を好む泥鰌やざりがにばかりが生息するなどのように、生物相のバランスを壊す心配がある。
このため、隔壁4の高さhは、軽量化という観点からできるだけ低い方が望ましいが、隔壁4の高さhが20mmよりも低かったり、水路断面の大きさに比して極端に低いと、板体2を敷設した当初、或いは、洪水等によって板体2が露出した時に、十分な水流抑制効果が期待できない。
なお、隔壁4の高さhが一定であれば、水流Aに対して略直交する隔壁4間の距離lが小さいほど隔壁4の厚みtを薄くすることができる。
これは、隔壁4の高さを変えずに隔壁4間の距離lを狭くすると、板体2の空間当たりの材料密度が増すので、板体2の必要強度が一定ならば、隔壁4の厚みtを薄くすることが可能なためである。
P=h/l+k(kはtによる護岸効果)
しかし、本発明の護岸構造に用いる板体2は、隔壁4の厚みtが薄く、平面的に見て隔壁4の面積が占める割合は小さいので、次の式を適用することができる。
P=h/l
また、隔壁4の高さhが一定ならば、隔壁4間の距離lが小さくなるほど、単位面積或いは単位距離あたりの、水流抑制効果を担う隔壁4の密度が高まって、水流抑制効果が大きくなることを意味している。
生態系保全と水流抑制の両立を考えると、P=1とするのが望ましく、P=0.5〜2.0程度とするのが現実的である。
即ち、隔壁4の高さhは、水流Aに対して略直交する隔壁4間の距離lの0.5倍〜2.0倍とし、隔壁4の高さhが20mm〜200mmなので、隔壁4間の距離lは10mm〜400mmとする。
このようにすると、植物の繁茂による板体2の浮き上がり等の悪影響を回避しやすいだけでなく、水路の大きさによる生息生物の大きさの違いに柔軟に対応することができる。
また、隔壁4の厚みtは、水流Aに直交する隔壁4間の距離lに対応して上記範囲内で増減させ、距離lが広ければ大きく、距離lが狭ければ小さくする。
板体2は、平行な一対の隔壁5と、これに交差する隔壁5’とで囲まれた断面六角形の筒状セル6を平面上に連続して並べてハニカム状に形成される。
この板体2は、平行な一対の隔壁5が水流Aに対して略直交するよう、水路基礎地盤1上に配置される。隔壁5,5’の寸法及び隔壁5間の間隔は、実施例1の隔壁4と同じである。
その他の構成は、実施例1とほぼ同様である。
水路基礎地盤1である水路の側面には、土圧に対向するために、H型鋼や組立柵渠用のアームより成る柵杭7を立設する。柵杭7は、約150cm間隔で設置し、その間に板体2をはめ込んで、水路基礎地盤1に板体2を敷設する。
板体2は、背後から土圧が加わるので、強度の高い繊維補強合成樹脂や、アルミニウム、鋼等の金属を素材とするのが望ましい。なお、素材として錆の発生する金属を用いる場合には、長期使用に耐えるように、材厚に腐蝕代を見込んでおく。
なお、必要であれば、水路の底面にも板体2を敷設することができる。
板体2の構造及び設置方向は、実施例1又は実施例2とほぼ同様である。
板体2の背後において、柵杭7の間にヤシ繊維を用いた繊維マット等の多孔質シート8をはめ込み、水路基礎地盤1と板体2との間に多孔質シート8を介在してある。これにより、水流による土砂の吸い出しをいっそう確実に防ぐことができる。
また、多孔質シート8に水生植物の種子を含ませておき、植生を積極的に遷移したり、繁茂を促進することができる。
その他の構成は、実施例3とほぼ同様である。
このような板体2は加工が難しいが、水流Aに直交する隔壁4,5が下流方向へなびくよう傾斜しているので、乱流が発生しにくい。
勿論、ライニング水路であっても、実施例4と同様に、水路基礎地盤と板体との間に、多孔質シートを介在することができる。
さらに、板体を構成する筒状セルは、四角形、六角形以外の平面形状、例えば三角形としても良い。
また、板体の素材を生分解性樹脂とすれば、水草が繁茂して水路基礎地盤が強固に固定された後で消滅するので、浸食は防止され、自然環境に与える影響が最低限で済む。
2 板体
3 アンカー部材
4,5,5’ 隔壁
6 筒状セル
7 柵杭
8 多孔質シート
Claims (5)
- 上下面が開口した多数の筒状セルを、平面上に多数連続するよう並べて成る板体を水路の底面及び/又は側面に敷設して、前記筒状セルを区画する隔壁を水路の底面及び/又は側面から立設すると共に、該隔壁の一部を水流に対して略直交するよう設置し、前記隔壁の厚みを3mm〜7mmとし、隔壁の高さを、水流に対して略直交する前記隔壁間の距離の0.5倍〜2.0倍としたことを特徴とする水路の護岸構造。
- 前記板体と水路の底面及び/又は側面との間に多孔質シートを介在した請求項1に記載の水路の護岸構造。
- 前記隔壁が前記水路の底面及び/又は側面に対して略直交するよう立設された請求項1又は2に記載の水路の護岸構造。
- 水流に対して略直交する前記隔壁が前記水路の底面及び/又は側面から下流方向へ傾斜するよう立設された請求項1又は2に記載の水路の護岸構造。
- 前記板体は、合成樹脂、繊維補強合成樹脂、生分解性樹脂又は金属を素材とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水路の護岸構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004172415A JP2005350955A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 水路の護岸構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004172415A JP2005350955A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 水路の護岸構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005350955A true JP2005350955A (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=35585651
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004172415A Pending JP2005350955A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 水路の護岸構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005350955A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6020946B1 (ja) * | 2015-05-13 | 2016-11-02 | 国立研究開発法人土木研究所 | 河床侵食抑制部材および河床侵食抑制工法 |
-
2004
- 2004-06-10 JP JP2004172415A patent/JP2005350955A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6020946B1 (ja) * | 2015-05-13 | 2016-11-02 | 国立研究開発法人土木研究所 | 河床侵食抑制部材および河床侵食抑制工法 |
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