JP2005348595A - 多相モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造効率を向上させ、高速駆動上の諸対策を効果的に実現すること。
【解決手段】この多相モータMのステータ1には、内周近傍に全閉形かつ深溝形のコイルスロットSa1〜Sc2が設けられる。スロット断面は内周側が先細形状で外周側の広い底部が長方形を呈し、ステータコイル3のバー状導体部3a2,3a4;3b2,3b4;3c2,3c4がスロット底部に組み込まれ(スロット底部を円形とし丸型バー状導体を組み込んでもよい)、各スロットでのコイル占有率を上げ、ステータ1の隣接スロット間隔を拡げる。ロータ2は、高透磁率で低抵抗の円柱状ソリッドロータであり、軸心Xに近い部分には高強度鋼を用い短絡リングの外周縁に面取りを施して高速回転による遠心力に対する強度を高める。ステータコイル3は、5相以上の相数増大により、高周波インバータでPWM制御無しの方形波で駆動しても磁束分布を正弦波に近づけることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、多相モータに関し、特に、低電圧・高周波数の駆動回路により高速運転する装置、例えば、ターボ機械のように高速駆動を行い高速でも回生制動を必要とする電気的な駆動装置に使用するのに適した高速多相モータに関する。
近年、内燃機関のターボチャージャー(過給機)における圧縮機を電気的な駆動装置でアシストする試みがなされている。このような駆動装置では、例えば、毎分5万回転以上というような高速度で回転させる必要があるため、高周波数インバータで駆動されるモータを圧縮機に直結する方法が考えられている。
このような高速駆動に適したモータとして、例えば、特許文献1には、外周を開放溝とし内周を全閉溝として環状巻線を両溝を交互に貫通させた固定子と塊状鉄の回転子鉄心を備えた高速誘導電動機が提案されている。
特開2004−96910号公報
この提案によると、大きな回転トルクを発生させ、高調波駆動による各種損失を低減させて高速回転が可能な誘導電動機を実現することができるが、環状巻線を固定子の全閉スロットを貫通して固定子に環状に巻き付けるなど製造上の効率が悪い上に、高周波数駆動に伴う損失や軸長に対する考慮、回転子振動に対する対策などが十分でない。
この発明は、このような事情に鑑み、製造効率を向上させることができると共に高速駆動上の諸対策を更に効果的に実現することができる高効率の多相モータを提供することを目的とする。
この発明の1つの特徴に従うと、内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロット(S)が形成された積層鉄心製のステータ(1)と、スロット(S)のそれぞれを貫通するバー状導体を有する各相ステータコイル(3)と、ステータ(1)の内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータ(2)とから成り、各相ステータコイル(3)には多相高周波電源(IV)の各相出力が供給される多相モータ〔請求項1〕が提供される。なお、括弧書きは、理解の便の為に付した実施例の参照記号乃至用語である。
この多相モータにおいて、スロット(S)は、回転軸(X−X)に直交する方向の断面が、外側方向にほぼ長方形の形状を呈すると共に、内側方向には先細るほぼ二等辺三角形の形状を呈し、各相ステータコイル(3)のバー状導体は、断面がほぼ長方形であり、スロット(S)の断面長方形の部分に嵌め込まれる〔請求項2〕ように構成することができる。
或いは、スロット(S)は、回転軸(X−X)に直交する方向の断面がほぼ円形の形状を呈する外側部分と、同方向の断面が内側方向に先細り外側部分の径より幅狭でほぼ長方形の形状を呈する内側部分とから成り、各相ステータコイル(3)のバー状導体は、断面がほぼ円形であり、スロット(S)の断面円形の外側部分に嵌め込まれる〔請求項3〕ように構成することができる。
また、この多相モータにおいて、各相ステータコイル(3)は、各相毎に、1つのスロット(S)を貫通する1本のバー状導体で構成され、各相バー状導体は、一端が各相電源に接続され他端が全相共通に接続される〔請求項4〕ように構成することができる。
或いは、各相ステータコイル(3)は、直列接続された2n本のバー状導体を有し、各バー状導体は、2n(nは正の整数)個のスロット(S)の夫々を貫通し、ステータ(1)の何れかの端面で他のバー状導体の端子間と接続され、コイル両端のバー状導体については、一端のバー状導体の端子がステータ(1)の一端面側で各相電源に接続され、他端のバー状導体の端子がステータ(1)の一端面側で全相共通に接続される〔請求項5〕ように構成することができる。
さらに、この多相モータにおいて、各相ステータコイル(3)の一端をなすバー状導体(3ai〜3ci)は、ステータ(1)の一端面から突出した端部を有し、当該端部には、電源供給用引出し線を接続するための引出し部が形成される〔請求項6〕ように構成することができる。
この発明の別の特徴に従うと、内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロット(S)が形成された積層鉄心製のステータ(1)と、スロット(S)のそれぞれを貫通するバー状導体を有し、多相高周波電源(IV)の各相出力が供給される各相ステータコイル(3)と、ステータ(1)の内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータ(2)とから成り、空隙に対して冷却用流体(FL)を回転軸(X−X)に沿う方向に強制的に通流する多相モータ〔請求項7〕が提供される。
この発明の更に別の特徴に従うと、内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロット(S)が形成された積層鉄心製のステータ(1)と、スロット(S)のそれぞれを貫通するバー状導体を有し、多相高周波電源(IV)の各相出力が供給される各相ステータコイル(3)と、ステータ(1)の内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータ(2)とから成り、ロータ(2)の主要素は、比抵抗が低く透磁率が高い外側部分(21)と回転軸に結合される高強度鋼製の内側部分(22)とを強固に接合したものである多相モータ〔請求項8〕、或いは、内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロット(S)が形成された積層鉄心製のステータ(1)と、スロット(S)のそれぞれを貫通するバー状導体を有し、多相高周波電源(IV)の各相出力が供給される各相ステータコイル(3)と、ステータ(1)の内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータ(2)とから成り、ロータ(2)の主要素は、外側ほど純鉄に近い炭素鋼成分となり、内側ほど高強度鋼成分となるように、外側から内側へと両成分が漸次変化して分布するもの(20)である多相モータ〔請求項10〕が提供される。
ここで、前者の多相モータにおいては、ロータ(2)の内側部分(22)と回転軸(X−X)とは一体化された構造(2A)である〔請求項9〕ように構成することができる。
この多相モータにおいて、ロータ(2)の外側の部分は、比抵抗が20μΩcm以下であり、比透磁率が1000以上である〔請求項11〕ように構成することができる。
さらに、この多相モータにおいて、ロータ(2)は、抵抗が低く線膨張率が炭素鋼に近い金属をロータ主要素の両端面に接合した短絡リング(23)を備え、この短絡リング(23)は、外周縁が面取り(BV)された構造である〔請求項12〕ように構成することができる。
この発明の他の特徴に従うと、内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロット(S)が形成された積層鉄心製のステータ(1)と、スロット(S)のそれぞれを貫通するバー状導体を有する各相ステータコイル(3)と、ステータ(1)の内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータ(2)とから成り、ステータコイル(3)は、相数が5以上であり、方形波の高周波電源出力(IV)が供給される多相モータ〔請求項13〕が提供される。
この発明による多相モータでは、ステータ(1)は、その内周面側に全閉形のスロット(S)が形成されており「クローズドスロットステータ」と呼ばれる構造になっているので、回転磁界の高調波成分を抑制することができると共に、各相ステータコイル(3)には、これらスロット(S)の夫々を貫通するバー状導体が用いられるので、クローズドスロットステータ(固定子)へのコイル導体の取付け作業を容易にして製造効率を向上することができる。また、コイルエンド(バー状導体のステータ両端面からの突出部)が短くなるので、軸系〔回転軸(X−X)の軸受け間の長さ=軸長〕が短くなって高速回転時の軸系の振動設計が容易になると共に、各コイルの電流容量を増大することができる。しかも、スロット(S)に成型コイルのステータコイル(3)を挿通することにより、スロット(S)におけるコイル占有率を上げてステータ鉄心の磁路を広くすることができるので、空隙の磁束密度を高めて高トルクを得ることができる。〔請求項1〕
この多相モータにおいては、回転軸(X−X)方向からみた全閉スロット(S)の断面は、外側方向にほぼ長方形の形状であり、内側方向には、先細るほぼ二等辺三角形の形状を呈し2つの斜辺(等辺)によるテーパが与えられている。そして、この断面長方形の部分に、断面が長方形のバー状導体を嵌め込んで、所謂“深溝形”の構造になっているので、ステータコイル間の間隔を広げることができる。また、スロット(S)の内周側断面にはテーパが形成されるので、全閉スロット(S)近傍のステータ鉄心の磁路も拡げられる。従って、有効磁束を更に増大して高トルクを得ることができる。〔請求項2〕
この多相モータでは、また、全閉スロット(S)の断面は、外側部分がほぼ円形であり、内側部分は、内側方向に先細り外側部分の径より幅狭のほぼ長方形の形状を呈している。そして、この断面円形の部分に、断面が円形のバー状導体を嵌め込んで、所謂“深溝形”の構造にされるので、ステータコイル間の間隔を広げることができる。また、スロット(S)の内周側断面は先細且つ幅狭の細長い長方形になっているので、全閉スロット(S)近傍のステータ鉄心の磁路も拡げられる。従って、有効磁束を更に増大して高トルクを得ることができるだけでなく、バー状導体には、電線などに通常使用される丸型導体を用いて製造コストを低減することができる。〔請求項3〕
この多相モータでは、ステータコイル(3)は、各相毎に、1つのスロット(S)を貫通する1本のバー状導体で構成するハーフターン構造を採用することができる。そして、このようなハーフターン構造を採用することによって、スロット及びバー導体の数を減少することでステータ構造を非常に簡単にすることができると共に、スロットの導体収納部及びバー導体の断面積を増大することで電流容量を増大することができる。また、各相バー状導体の一端はそのまま各相電源に接続され、他端は全相共通に接続する構成を簡単に採ることができ、製造コストを下げ、モータ外からの電源取出しも容易になる。〔請求項4〕
この多相モータでは、また、各相ステータコイル(3)を2n本のバー状導体で構成し、これらのバー状導体をステータ(1)の何れかの端面で直列接続し、コイル両端のバー状導体については、各相ステータコイル(3)の一方の端部となるバー状導体の端子をステータ(1)の一端面側で各相電源に接続し、各相ステータコイル(3)の他方の端部となるバー状導体の端子を、やはり、ステータ(1)の一端面側で全相共通に接続する構造を採用すると、帯状の導体間接続部をステータ(1)の外周に回す方法を用いることなく、バー状導体端部のコイルエンドを接続する接続部をステータ(1)の両端面に装着することができるので、モータ外形を小さくすることができるだけでなく、板状の接続部を用いて、導体間接続部を含むコイルエンドを短くすることができ、また、ステータの一端面側に電源引出し部を設けることができ、製造も容易となる。〔請求項5〕
例えば、n=1の3相1ターン型モータ(図6参照)では、ステータ(1)の一端面側において、各相ステータコイル(3)の一方の端部バー状導体(3ai〜3ci)の一端子端子(コイルエンド)を電源引出し部として各相電源に接続すると共に、各相ステータコイル(3)の他方の端部バー状導体(3ak〜3ck)の一端子(コイルエンド)を板状の共通接続部(3n)で相互に接続し合って全相共通に接続する。これに対して、ステータ(1)の他端面側では、各相毎に、両端部バー状導体(3ai〜3ci,3ak〜3ck)の他端子(コイルエンド)を板状の導体接続部(3aj〜3cj)で相互に接続して当該バー状導体を直列接続する。
また、n≧2以上の場合は、各相当り4本以上のバー状導体が設けられ〔例えば、図8参照(n=4)〕、ステータ(1)の一端面側において、各相ステータコイルの一方の端部となる1本目バー状導体(a1〜c1)の端子(コイルエンド)を各相電源に接続し、各相毎に、残る3本のバー状導体を、順次、ステータ(1)の何れかの端面で交互に端子(コイルエンド)間を板状の導体間接続部で直列接続して行く。そして、ステータ(1)の一端面側において、各相ステータコイルの他方の端部となる4本目バー状導体(a15〜c15)の端子(コイルエンド)を板状の共通接続部(n)で全相で共通接続する。
この場合、極数(p)が「2」の2極多相モータでは、導体間接続部の長さを短くするために、帯状の導体間接続部をステータ(1)の外周に回す方法を採ることもできるが〔例えば、図3(2極2ターン:p=2,極当り各相ターン数t=n=2)参照〕、特に、4極以上でこの方法を採ると〔例えば、図8(4極2ターン:p=4,極当り各相ターン数t=n/2=2)参照〕、ステータ端面にて板状(弧状)の導体間接続部でバー状導体を接続する方が、ステータ(1)の外周に帯状の導体間接続部を回すよりも、導体間接続部の長さを短くすることができるので、各相コイルのインピーダンスを小さくすることができるという実用上の効果がある。
この多相モータでは、さらに、各相ステータコイル(3)の一端をなすバー状導体(3ai〜3ci)を、そのまま、ステータ(1)の一端面から突出させ、突出した各端部に各相ステータコイルへの電源が供給されるようにしているので、引出し部として機能する各突出部分の長さを等しくするなど、引出し長を簡単に合わせることができ、極く容易に、相間インピーダンス差を少なくし相間インピーダンスバランスを取ることができる。〔請求項6〕
この発明による多相モータは、ステータ(1)内周とロータ(2)外周との隙間(空隙)に、回転軸(X−X)方向に沿って、空気、潤滑油などの気体又は液体の冷媒から成る冷却用流体(FL)を強制的に通して、ステータ(1)及びロータ(2)を冷却すると共に、回転軸(X−X)の軸振動をダンピングさせることができる。すなわち、この多相モータでは、ステータ(1)の内面側に全閉形スロット(S)が設けられ、ロータ(2)の形状が円柱状を呈し、ステータ(1)内周及びロータ(2)外周には平滑な面が形成されるので、ロータ(2)の高速回転中に、平滑状の両面間に軸方向に冷却用流体(FL)を強制通流させると、高速回転によって回転軸(X−X)が変位して狭くなった空隙部では冷却用流体(FL)によりロータ(2)を押し返すダンピング力が働いて、軸振動が抑えられ円滑に高速運転を行うことができる。〔請求項7〕
この発明による多相モータは、ロータ(2)は所謂“ソリッドロータ”で構成することができ、ロータ(2)の主要素には、トルク発生に寄与する磁束及び電流をよく通す高透磁率で低抵抗の材料でできた円柱(筒)形状の塊状体が採用される〔請求項8,10〕。この場合、ステータ(1)の内周面に対向してトルク発生に寄与する外側部分(21)には、例えば、純鉄に近い低炭素鋼や低比抵抗・高透磁率の合金鋼など、比抵抗が低く透磁率が高い金属を用い、回転軸に結合される内側部分(22)に高強度鋼を用いて両部分(21,22)を拡散接合などにより強固に接合して二層構造にしたものをロータ(2)の主要素にする方法が好適である。このような二層のロータ構造にすることにより、ロータ高速回転による過大な遠心力に対するロータ内部(軸心Xに近い部分)の強度を大きく向上することができる。〔請求項8〕
また、ロータ(2)の内側部分(22)と回転軸(X−X)とを一体化された構造(2A)にすることによって、更に強度を向上し而も製造効率を高め製造コストを低減することができる。〔請求項9〕
別の方法として、外側ほど純鉄に近い炭素鋼成分となり、内側ほど炭素成分が増える等の高強度鋼成分となるように、外側から内側へと両成分が漸次変化して分布する分布構造のもの(20)をロータ(2)の主要素に採用してもよく、この方法によっても、ロータ高速回転による過大な遠心力に対するロータ内部の強度を大きく向上することができる。これらの方法により、誘導機の2次抵抗を下げて滑りを減少させ効率を向上させるというソリッドロータの一目標を現実化することができる。〔請求項10〕
この多相モータにおいて、ロータ(2)の外側の部分には、比抵抗が20μΩcm以下であり比透磁率が1000以上である磁性材料を用いることにより、純銅を用いたかご型誘導モータ並以上にスリップを少なくして高効率で運転することができ、さらに、高透磁率材料を使うことで励磁電流を抑制してモータの損失を抑えることができる。〔請求項11〕
さらに、高透磁率かつ低抵抗の円柱状ソリッドロータ(2)を採用する場合、抵抗が低く線膨張率が炭素鋼に近い金属を、拡散接合や摩擦圧接などの接合方法によってロータ主要素の両端面に接合した短絡リング(23)を設け、この短絡リング(23)の外周縁には面取り(BV)を施すことにより、短絡リング(23)についても、ロータ高速回転による過大な遠心力に対する強度を上げることができる。〔請求項12〕
この発明の多相モータは、さらに、ステータコイル(3)の相数を5以上とし、これら各相ステータコイル(3)に高周波電源(IV)からPWM(Pulse Width Modulation)無しの方形波で駆動することにより、高周波電源(IV)のスイッチングロスを低減しつつ回転磁界を正弦波に近づけて高効率で運転することができる。〔請求項13〕
〔要部全体及びステータの構成例〕
この発明の一実施例による高速多相モータでは、予め成形加工で作成された剛性をもつバー状の成形コイルをステータコイルに採用して、コイルの装着工程を簡単にするだけでなく、コイルエンドの短縮化などを図り、高速駆動に必要な有利な種々の特性を得ることができる。図1は、この発明の一実施例による高速多相モータの要部の分解斜視図である。また、図2は、同要部の両側面及び断面図であり、図2(1)及び図2(3)は、それぞれ、同要部を回転軸(X−X)方向の左側及び右側からみた左側面図及び右側面図を示し、図1(2)は、同要部を回転軸の中心線X−Xを垂直(Y−Y)に通る面(X−Y)で切ったときの断面図を示す。
ここで、図1を用いて、この発明の一実施例による多相モータMの要点を簡単に説明しておく。ステータ1は、「クローズドスロットステータ」と呼ばれる構造を呈しており、内周近傍に全閉形かつ深溝形のコイルスロットSa1〜Sc2が設けられ、各スロットの内周側断面が先細になっており、広い断面を有する外周側のスロット底部にステータコイル3のバー状導体部3a2,3a4;3b2,3b4;3c2,3c4が組み込まれる。ここで、スロット底部の断面は矩形でも円形でもよく、この形状に対応した断面形状を有する角型や丸型のバー状導体が組み込まれる。これによって、各スロットでのコイル占有率を上げ、電流容量を増大すると共に、ステータ1の隣接スロット間隔が拡げられるので、空隙の磁束密度を高くし高トルクを得ることができる。さらに、バー状導体部3a2〜3c4の端部(コイルエンド)は短小であるためモータ軸長が短くなって高速駆動に適したものとなり、端部を接続する導体間接続部3a3,3b3,3c3は、ステータ1の外周を回さず、ステータ1の端面に設けられるので、製造が容易になるだけでなく、導体間接続要素のインピーダンス低下に寄与することができる。また、ステータ1及びロータ2の対向面は平滑化されているので、ロータ2の高速回転中、両面間の空隙に冷却用流体を通流させることで、回転軸(X−X)の軸振動がダンピングされる。ロータ2は、高透磁率で低抵抗の円柱状ソリッドロータであり、軸心Xに近い部分に高強度鋼が用いられると共に短絡リングの外周縁に面取りが施されるので、高速回転による遠心力に対する強度が高められる。ステータコイル3は、相数を増大することにより(5相以上)、高周波インバータでPWM制御することなく方形波(矩形波)で駆動しても磁束分布を正弦波に近づけて、駆動波形の高調波成分による損失を小さくすることができる。
以下、図1及び図2の例に従って、より詳しく説明していく。図1及び図2の例では、モータMの相数は“3”であり、各相当りのステータコイル(固定子巻線)の巻回(ターン)数は“1”であり、「3相1ターンモータ」とも呼ばれる。また、以下の説明では、各相を“A”,“B”,“C”で表わし、参照記号中の添字“a”、“b”及び“c”は、それぞれ、A相、B相及びC相に対応していることを表わすものとする。なお、各図とも要部の構造を分かり易くするために、機械製図のように完全な断面図或いは側面図にはなっていない。また、同様の趣旨で、図1及び図2には回転軸が示されておらず、回転軸の中心(軸心)のみが記号“X”で示されている。
この3相モータMは、ステータ1、ロータ2及びステータコイル3(記号“3”は図示していないが、ステータコイルを総称的に表わす)を主要素とする低圧且つ大出力(大電流)の高速モータである〔例えば、駆動インバータ電源電圧12V、出力2kW程度、最大速度20万rpm〕。
ステータ1は、図1中央及び図2(2)に示すように、環状の磁性鉄板(電磁鋼板)を回転軸(X−X)方向に積層した鉄心であって〔例えば、厚さ(軸方向)20mm程度〕、中心には、微小な空隙〔例えば、径方向に0.3mm以下程度〕を介してロータ2が回転するための円柱状の空間が形成され〔例えば、径25mm程度〕、その内周近傍には、回転軸(X−X)方向に沿って複数のスロット孔が開けられている。
ロータ2は、円柱(筒)の形状をした塊状の所謂“ソリッドロータ”であって〔例えば、径24.5mm程度〕、中心に形成された軸孔には回転軸(図示せず)が挿通され、回転軸に機械的に結合され支持される。ロータ2は、例えば、誘導機の場合は、円柱状の鉄製塊状体を主要素とし、その両端に短絡リングを備えており、図1,2は誘導機の場合を示している。また、同期機の場合は円柱状の永久磁石で構成される(図示せず)。
一方、ステータ1には、軸孔内周面の近傍に、6つの全閉形のスロット(「全閉スロット」という)S(記号“S”は図示していないが、スロットSa1〜Sc2を総称的に表わす)が周方向に沿って60°の等間隔で設けられる。これらの全閉スロットSは、回転軸と直交する方向の断面が、軸心Xの方向に丸みをもった頂点が向かう二等辺三角形〔例えば、高さ8mm(底辺4mm)〕と、軸心から放射する方向に長い長方形〔例えば、平行辺(長辺)10mm、底部辺(短辺)4mm〕とを合わせた大略五角形の形状を呈している。これら全閉スロットSは、断面長方形の部分には成形コイル3が貫通され、所謂“深溝形”を形成する。また、各スロットにおいて断面が二等辺三角形の二等辺をなす部分は「テーパ部」と呼ばれる。
全閉スロットSは、3相A〜Cの夫々に対応して、回転軸に関して相対するように(即ち180°回転した位置に)2つのスロットSa1,Sa2;Sb1,Sb2;Sc1,Sc2が割り当てられ、A〜C各相の間では、周方向に沿って120°ずつずれた位置に配置される。なお、A相スロットSa1,Sa2を記号“Sa”で、B相スロットSb1,Sb2を記号“Sb”で、C相スロットSc1,Sc2を記号“Sc”で、それぞれ、総称的に表わすことがある。
ステータコイル(固定子巻線)3は、成形コイル(formed coil )と呼ばれ、予め各コイル部材が成形加工され剛性を備えた銅製の導体を主体にして構成され、A相乃至C相ステータコイル3a〜3c(記号“3a”〜“3c”は図示していないが、各相A〜Cのステータコイルを総称的に表わす)と共通接続部3nから成る。各相コイル3a〜3c及び共通接続部3nの相互間及びステータ1との間で絶縁が必要な箇所については、予め各部材のコイル導体の周面に絶縁被覆ISが施されており、図1では絶縁被覆ISが斜線塗りで示されている。
すなわち、各相ステータコイル3a,3b,3cは、それぞれ、板状の給電接続部3a1,3b1,3c1、直方体状の第1バー導体部3a2,3b2,3c2、板状の導体間接続部3a3,3b3,3c3及び第1バー導体部と同様の直方体状の第2バー導体部3a4,3b4,3c4という4つのコイル部材から構成され、共通接続部3nも上述の各接続部と同様に板状である。そして、これら各コイル部材は、銅製の導体が、予め、図1に示される形状に成形加工され、これに絶縁被覆IS(斜線部)が施されており、図2に示されるように組み立てられる。
なお、絶縁被覆ISについては、図1に示すように、給電端及び各相における隣接各コイル部材との接続箇所を除いて周面に施されるが、図2(1),(3)の両側面図では、波線のように一部の絶縁被覆だけが示されている。第1及び第2バー導体部3a2,3b2,3c2;3a4,3b4,3c4の主部導体は同一寸法である〔例えば、長さ34mm、幅10mm、厚さ4.2mm〕。また、各接続部3a1,3b1,3c1;3a3,3b3,3c3;3nは、主部の幅がほぼ同一とされ〔例えば、16mm程度〕、板厚も同一寸法であり、図2(2)の断面図に示すように、絶縁被覆ISを含めても同一の板厚D〔例えば、2mm〕になっている。
各相ステータコイル3a,3b,3c及び共通接続部3nの電気的な接続関係については、各相の給電接続部3a1,3b1,3c1の給電端に、“A相”〜“C相”で図示されるように、高周波電源(後述)の各相出力が供給され、各給電接続部3a1,3b1,3c1の他端にはそれぞれ第1バー導体部3a2,3b2,3c2の一端が接続される。各相の第1バー導体部3a2,3b2,3c2の他端はそれぞれ導体間接続部3a3,3b3,3c3の一端が接続され、各導体間接続部3a3,3b3,3c3の他端にはそれぞれ第2バー導体部3a4,3b4,3c4一端が接続される。そして、各相の第2バー導体部3a4,3b4,3c4の他端は共通接続部3nの3つの端部3na,3nb,3ncにそれぞれ接続される。
各相の給電接続部3a1,3b1,3c1は、回転軸(X−X)に直交する面を主面とした板体であり、ステータ1の一方の端面側にリング状の絶縁シート4を介して取り付けられる。ここで、絶縁シート4は、エポキシ樹脂などの適当な絶縁性合成樹脂製のものである。これら給電接続部3a1,3b1,3c1の給電端は、図示上側に示すように、給電線接続用ネジ孔(○印)が設けられ、各相電源を供給するための端子として用いられる。また、他端側は、軸心Xに向かって突き出した突出片(突出部)になっており、給電端及び突出片以外の部分には絶縁被覆ISが施される。そして、各突出片には、軸心に向かう開口が形成され、第1バー導体部3a2,3b2,3c2の端部が各開口に嵌め込まれて電気的且つ機械的に結合される。
この例では、A相の給電接続部3a1は、ほぼ長方形の板体であり、B相及びC相の給電接続部3b1,3c1は、ほぼ鉤状の板体である。また、B,C相の給電接続部3b1,3c1は、給電端を含むほぼ長方形の部分と、長方形部分に続き60°を超える角度をもつ円弧状の部分と、円弧状部分の端部から軸心に向かう突出片の部分とから成り、B相とC相では、円弧状及び突出片の部分で形成される鉤形部分がA相を間にして線対象になっている。これらの給電接続部3a1,3b1,3c1は、回転軸(X−X)に直交する面に関して同一平面内に位置する。
共通接続部3nは、給電接続部3a1,3b1,3c1が取り付けられるステータ1の一方の端面に絶縁シート4を介して取り付けられる。共通接続部3nは、240°を超える角度を持ち絶縁被覆ISが施された円弧状導体板と、円弧状導体板の互いに120°ずつ隔てた中央及び両端には、軸心に向かって突き出した突出導体片3na;3nb,3ncが設けられる。これら突出片(突出部)3na;3nb,3ncには、軸心に向かう開口が形成され、第2バー導体部3a4,3b4,3c4の端部が各開口に嵌め込まれて電気的且つ機械的に結合される。なお、円弧状導体板に代えて円弧角360°の円環状導体を用いてもよい。
この例では、共通接続部3nの円弧状部分は、図1の斜視図又は図2(2)の断面図で左側からみた場合、B相及びC相の給電接続部3b1,3c1の円弧状部分の下に位置している。そして、共通接続部3nの円弧状部分と各突出片3na,3nb,3ncとの間に段差(図2右側では2本の平行線で示される)が設けられ、突出片3na,3nb,3ncは、回転軸(X−X)方向の外側〔図1及び図2(2)で右側〕に位置し、回転軸(X−X)に直交する面に関して、各相給電接続部3a1,3b1,3c1の突出片とほぼ同じ位置になっている。また、B相及びC相の給電接続部3b1,3c1の円弧状部分と絶縁シート4との間に共通接続部3nが介在し、一方、A相の給電接続部3a1と絶縁シート4との間は浮いている(但し、共通接続部3nに円環状導体板を用いた場合は共通接続部3nが介在する)。
なお、回転軸(X−X)に直交する面に関するB,C相の給電接続部3b1,3c1と共通接続部3nとの上下の位置関係は逆にしてもよく、この場合は、各相給電接続部3a1,3b1,3c1には段差をもって突出片を回転軸(X−X)方向の外側に位置するように設けると共に、共通接続部3nについては、段差を省略して、突出片3na,3nb,3ncが、回転軸(X−X)に直交する面に関して円弧状部分と同一平面上に位置させるのがよい。
各相の導体間接続部3a3,3b3,3c3は、回転軸(X−X)に直交する面を主面としたほぼ180°を超える角度をもち絶縁被覆ISが施された円弧状の部分を主体にした板体であって、3相とも同一の形状を呈しており、絶縁シート4を介してステータ1の他方の端面に、互いに120°ずつずれた位置に取り付けられる。円弧の両端は、軸心に向かって突き出した突出片(突出部)が形成されており、両突出片には、軸心に向かう開口が形成され、それぞれ、第1及び第2バー導体部3a2,3b2,3c2;3a4,3b4,3c4の端部が両開口に嵌め込まれて電気的且つ機械的に結合される。
この例では、各導体間接続部3a3,3b3,3c3は、第1バー導体部3a2,3b2,3c2に接続される突出片を含む一方の半部と、第2バー導体部3a4,3b4,3c4に接続される突出片を含む他方の半部との間に段差(図2左側では2本の平行線で示される)が設けられ、一方の半部が回転軸(X−X)方向の外側(図1及び図2断面図で左側)に位置する。従って、図1の斜視図又は図2中央の断面図で左側からみた場合、A,B,C相の導体間接続部3a3,3b3,3c3の一方の半部の下に、それぞれ、B,C,A相の導体間接続部3b3,3c3,3a3の他方の半部が位置する。
また、各導体間接続部3a3,3b3,3c3において、第2バー導体部3a4,3b4,3c4が接続される他方の突出片は、他方の半部に段差をもって設けられ、回転軸(X−X)方向の外側(図1及び図2断面図で左側)に位置し、回転軸(X−X)に直交する面に関して、第1バー導体部3a2,3b2,3c2が接続される一方の突出片と同一平面上に位置する。なお、回転軸(X−X)に直交する面に関する各相導体間接続部3a3,3b3,3c3の各半部上下位置関係(段差)は逆にしてもよい。
各相の第1及び第2バー導体部3a2,3a4;3b2,3b4;3c2,3c4は、何れも、同一の直方体形状を呈しており、“ステータ1の厚さ〔回転軸(X−X)方向の長さ〕+絶縁シートの厚さの2倍+導体間、接続部の板厚Dの2倍”を僅かに超える長さと、スロット4の断面長方形の長辺及び短辺にほぼ等しい幅及び厚さ(絶縁被覆ISを含む)とを有する。
一端が給電接続部3a1,3b1,3c1に接続される第1バー導体部3a2,3b2,3c2と、一端が共通接続部3nに接続される第2バー導体部3a4,3b4,3c4とは、他端が導体間接続部3a3,3b3,3c3で接続されて、電気的には直列接続となる。また、両導体部の絶縁被覆ISが施された部分は、それぞれ、ステータ1に設けられた全閉スロットSa1,Sb2,Sc2;Sa2,Sb2,Sc2の断面長方形の部分に収納され、この3相モータMにおけるステータコイル3の主機能要素として機能する。
すなわち、全閉形の各コイルスロットSには、これら導体部の端面を図2(1),(3)に黒塗りで示すように、スロットSの長方形断面に合わせて成形されたステータコイル3が、軸心Xから離れた位置にある断面長方形の部分にぴったりと納められ、軸心Xに近いステータ内周近傍位置にある断面二等辺三角形部分にはテーパ部が形成される。
この高速3相モータMでは、このように、ステータコイル3として成型コイルを採用することで、コイルスロットSへのステータコイル3の装着作業が極めて容易且つ簡単になると共にスロットSにおけるコイル導体の占有率を上げることができる。さらに、コイルスロットS自体の形状も、深溝形にして隣接するステータコイル3との間隔を拡げると共にステータ1の内周近傍にテーパ部を設けることで、隣接するステータコイル3乃至スロットとの間の磁路を広くしてステータ鉄心の磁気抵抗を極力低くし、ステータ1・ロータ2間の空隙の磁束密度を高くして、高トルクを発生することができる。
〔組立て手順例〕
次に、このような3相モータMのステータコイル3の装着手順の一列を説明する。まず、図1に示すように、ステータ1、ロータ2、成形コイル3の各部材及び2枚の絶縁シート4を用意する。ここで、成形コイル3の各部材には、必要部分をワニスクロステープで巻いたりポリイミドフィルムなどで被覆して絶縁被覆ISが施されている。最初に、ステータ1の両側面には絶縁シート4を適当な合成樹脂製の接着剤で貼り付け、回転軸(X−X)方向を水平にしてステータ作業台に載置しておく。
次いで、成形コイル3を構成する部材のうち、全相の導体間接続部3a3;3b3;3c3を、A,B,C相の一方の半部の上に、それぞれ、B,C,A相の導体間接続部の他方の半部が位置するような関係になるように、重ね合わせて仮固定し、コイル作業台に載置する。そして、これら導体間接続部3a3;3b3;3c3の両突出片に設けられた開口に、それぞれ、各相第1及び第2バー導体部3a2,3a4;3b2,3b4;3c2,3c4の一方の端部を嵌め込んで電気的且つ機械的に結合する。
この結合には、例えば、ロウ付け、圧接、超音波接合、レーザ溶接などの任意の導体接合方法が用いられるが、絶縁被覆ISなどの絶縁を破壊しないようになるべく温度を上げない接合方法を採ることが好ましい。そして、この結合作業によって、第1及び第2バー導体部が導体間接続部の両突出片に接続された中間組立体3a2−3a3−3a4;3b2−3b3−3b4;3c2−3c3−3c4が作成される。
続いて、この中間組立体3a2−3a3−3a4;3b2−3b3−3b4;3c2−3c3−3c4をコイル作業台から外して、ステータ作業台に載置されたステータ1に対して、図2(2)における左側面から、第1及び第2バー導体部3a2,3a4;3b2,3b4;3c2,3c4を各相スロットSa1,Sa2;Sb1,Sb2;Sc1,Sc2に挿入する作業に入る。導体間接続部3a3;3b3;3c3の仮固定を外して導体間接続部3a3;3b3;3c3の他方の半部をステータ1の左側面にある絶縁シートに密着させると、この挿入作業が終了し、ステータ1の右側面から第1及び第2バー導体部3a2,3a4;3b2,3b4;3c2,3c4の所望の先端部分が突出する。
次に、ステータ1の右側面から突出している各相第2バー導体部3a4;3b4;3c4の先端を、それぞれ、共通接続部3nの3突出片に設けられた開口に嵌め込んで、上述と同様の方法で電気的且つ機械的に結合する。さらに、ステータ1の右側面から突出している各相第1バー導体部3a2,3b2,3c2の先端を、それぞれ、各相給電接続部3a1,3b1,3c1の突出片に設けられた開口に嵌め込んで、上述と同様の導体接合方法を用いて、電気的且つ機械的に結合する。
なお、上述したコイル部材間の結合に当っては、各接続部3a1,3b1,3c1;3a3,3b3,3c3;3nの突出片は、ステータ1の左右の各端面から少なくとも距離Dだけ離れて位置するように、必要な段差が設けられて円弧部分に取り付けられているので、第1及び第2バー導体部3a2,3b2,3c2;3b2,3b4;3c2,3c4の端部と結合する際、これらバー導体の対ステータ用絶縁被覆ISに熱的な悪影響を及ぼさないという利点がある。
〔冷却媒体の空隙への強制通流〕
この発明の一実施例による高速多相モータにおいては、図2に示されるとおり、全閉形スロットSが設けられたステータ1の内周並びに円柱状を呈するロータ2の外周は平滑な面が形成されるので、このような両面の特徴を利用し、図2(2)に示すように、両面で形成される隙間(空隙)に冷却媒体FLを強制通流することによって、ステータ1及びロータ2の冷却と合わせて、回転軸(X−X)の軸振動をダンピングさせて円滑に高速運転を行うことができる。
つまり、ステータ1の内周とロータ2の外周との隙間には、図2(2)に矢印で示すように、冷却用流体FLが、図示しないポンプから回転軸(X−X)方向に沿って強制的に通流される。ここで、冷却用流体FLには、例えば、空気、潤滑油などの気体又は液体の冷却媒体の中から適当なものが選ばれるが、高速回転に伴う回転損失をできるだけ少なくするために、粘性の小さなものが好ましい。また、ステータ1は、ロータ2との対向面の密閉性及び平滑性を高めるために、積層電磁鋼板部分について接着剤で積層したり、内周面を樹脂などでコーティングしておくことが好ましい。
例えば、ロータ2の高速回転によって回転軸(X−X)に変位が生じ、ステータ1の内周との間隔が狭くなった空隙部では、冷却用流体FLによりロータ2を押し返すダンピング力が働くので、軸振動が抑えられる。これにより、ステータ1及びロータ2間には最小限の間隔が維持され、円滑に高速運転を行うことができる。
〔ステータコイルのターン数増加〕
ロータの軸方向長を短くすると、固有振動周波数が上がり、機械的な臨界速度を上げて円滑な高速運転を行うことができる。また、高速回転に伴う遠心力に対する強度保持のためにはロータ径を必要以上に大きくすることができない。このために、ステータコイルに十分な誘起電圧が生じないことがある。このような場合には、ステータコイルは、各相のバー導体部を2対以上即ちターン数を2以上とし、別途“コ”字状に成形加工された「廻し導体間接続部」と呼ばれる導体板を追加し、その中間部をステータの外側に廻してその両端部をステータ両端面に位置させて2つのバー導体部を繋ぐ構造を採用することができる。
図3及び図4は、この発明の一実施例による別の高速多相モータの要部分解斜視図及び要部を側面からみた概略図を示す。この例では、モータMの相数は“3”、各相当りのコイルターン数は“2”であって、3相2ターンモータになっており、全閉スロットSの数は、図1及び図2で説明した3相1ターンモータの2倍である。なお、図3及び図4では、図1及び図2と共通する要素については同一の用語及び参照番号を用いており、絶縁被覆ISについては記載が省略されている。
この3相2ターンモータMは、3相1ターンモータと同様に、給電接続部3a1,3b1,3c1、第1バー導体部3a2,3b2,3c2、導体間接続部3a3,3b3,3c3及び第2バー導体部3a4,3b4,3c4から成る各相ステータコイル3a,3b,3cと、共通接続部3nとを備え、これらの部材に加えて、第1及び第2バー導体部3a2,3b2,3c2;3a4,3b4,3c4に対して、夫々30°の間隔をおいて隣接するスロットに第3及び第4バー導体部3a6,3b6,3c6;3a8,3b8,3c8が設けられ、それぞれ、帯状の廻し導体間接続部3a5,3b5,3c5;3a7,3b7,3c7を介して第3及び第4バー導体部が接続される。
ここで、第3及び第4バー導体部3a6〜3c8は第1及び第2バー導体部3a1〜3c4と同一形状に成形されている。また、廻し導体間接続部3a5〜3c7は、導体間接続部3a3〜3c3及び共通接続部3nと同一板厚D且つ同一幅を有する帯状導体が、図3に示すように、予め“コ”字状に成形加工されたものである。
同様にして、全閉スロット数を更に増大し、バー導体部及び廻し導体間接続部を増設することにより、1相当りターン数を“3”以上にすることができる。
〔他のステータ構成例〕
図2〜図4のモータでは、回転軸方向からみたスロットの断面を、回転軸側が先細る二等辺三角形部分とその外側の長方形部分とを合わせた形状とし、長方形部分に断面矩形のコイル導体を収納するようにしたが、回転軸側が先細る細長の長方形状を呈する長方形状部分の外側に円形部分を設け、円形部分に断面円形のコイル導体を収納するようにしてもよい。図5は、このような円形断面を有するスロット及び導体形状の他の例を示す。
図5の例では、ステータ1には、6個のスロットS1〜S6が設けられており、各スロットS1〜S6の断面は、回転軸X側の長方形部分と外側の円形部分から成る。長方形状部分は、長手方向が回転軸Xに向かい、長手方向に直交する方向の幅(短辺)が円形部分の径よりも小さい。この長方形状部分は、完全な長方形ではなく、回転軸X側が先細るように丸くテーパ付けされており、必要に応じて、回転軸X側の幅を狭くして細長の二等辺三角形とも言い得る形状にしてもよい。一方、長方形状部分の外側方向にある円形部分(底部)には、断面円形のステータコイル導体3ai〜3cj(3a〜3f)がしっかりと嵌め込まれ、例えば、3相1ターン型モータや6相ハーフターン型モータとして機能させることができる。
このようにスロットを長方形状及び円形から成る断面とすることにより、図2〜図4のモータと同様に、各スロットでのコイル占有率を上げ、電流容量を増大すると共に、ステータ1の隣接スロット間隔を拡げられるので、空隙の磁束密度を高くし高トルクを得ることができるだけでなく、さらに、電線などに用いられている断面円形の丸型導体をステータコイルのバー導体として使用することができ、製造コストを低減することができる。
さて、この発明のように低圧且つ高周波の電源で駆動される低圧高速モータにおいては、各相のインダクタンスは、nH(ナノヘンリ)オーダの低い値であるが、各相間に僅かでも差があると、各相間のインピーダンス差が顕著に表われて、駆動電流のアンバランスを生じてコッキングやトルク変動などの無視できない電磁機械的な悪影響が生じるという問題がある。特に、バー導体から給電端までの引出し線の相間のインピーダンスバランスについては、バー導体からの給電路の長さが僅かに異なっても、引出し線の相間のバランスが取り難くなる。例えば、図2〜図4のモータの引出し線構造では、形状の異なる給電接続部3a1;3b1,3c1を各相ステータコイル3a,3b,3cに設け、その給電端に高周波電源のA相〜C相出力を供給するようにしているので、相間インピーダンスバランスの点で十分ではない。従って、各相ステータコイルの各要素を対称的に配線したり、引出し線の長さを各相間で合わせることが必要となる。
図6は、この発明の一実施例による引出し線構造を工夫した3相1ターン型モータの構造例を示し、この例では、図5で説明した細長部分付き円形スロット及び丸型バー導体を用いている。ステータ1に設けられた6つの細長部分付き円形スロットS1〜S6には、A〜C相ステータコイル3a;3b;3cの第1及び第2バー導体3ai,3ak;3bi,3bk;3ci,3ckが貫通する。各相の第1バー導体3ai〜3ciのステータ1の一端面から突出した各端部は、高周波電源のA相〜C相出力を供給する引出し部として機能し、等しい長さ(引出し長)をもつ。また、第1バー導体3ai〜3ciは、ステータ1の他端面で、中間接続板(導体間接続部)3aj〜3cjにより各相の第2バー導体3ak〜3ckの一端と接続される。そして、これら第2バー導体3ak〜3ckの他端は、ステータ1の一端面で共通接続板3nによって全相共通に接続される。
このように、電源供給側のバー導体3ai〜3ciをそのままステータ1の一端面から突出する構造を採ると、引出し線として機能する突出部の長さを簡単に等しくすることができ、電源への引出し長を簡単に合わせることができるので、相間インピーダンス差を少なくし相間インピーダンスバランスを取るのが非常に容易になる。なお、共通接続板3nについても、図示のように扇形ではなく、円形の対称形状とすることにより、各相間のインピーダンス差を更に減少することができる。
また、この発明のように低圧且つ高周波の電源で駆動される低圧高速モータにおいては、ステータコイルの巻数が少なくても、高速回転により低い供給電圧に見合う速度誘起電圧がえられるので、ステータコイルの巻数を極端に減らすことができ、ハーフターン(「半ターン」又は「1/2ターン」ともいう)とすることができる。図7は、この発明の一実施例によるハーフターン構造の多相モータの例を示し、これらの例では、細長部分付き円形スロット及び丸型バー導体(図5参照)を用い、ステータ端面のバー導体に電源供給の引出し部を形成する構造(図6参照)を採用している。
ハーフターン型モータにおいては、ステータコイルは、各相当り1本のバー導体で構成される。例えば、図7(1)に示される6相ハーフターン型モータの例では、A〜F相ステータコイルのために、6つの細長部分付き円形スロットS1〜S6がステータ1に設けられ、これらのスロットS1〜S6には、A〜F相ステータコイルを構成する6本のバー導体3a〜3fが夫々貫通する。ステータ1の一端面から突出した各相のバー導体3a〜3fの一方の端部には、高周波電源のA相〜F相出力が供給され、他方の端部は、ステータ1の他端面で共通接続板3nによって全相共通に接続される。
同様に、図7(2)の3相ハーフターン型モータの例では、ステータ1に設けられたA〜C相用の3つの細長部分付き円形スロットS1〜S3に、A〜C相ステータコイルを構成する3本のバー導体3a〜3cが夫々貫通し、ステータ1の一端面から突出した各相のバー導体3a〜3cの一方の端部には、高周波電源のA相〜C相出力が供給され、他方の端部は、ステータ1の他端面で共通接続板3nによって全相共通に接続される。
このように、ハーフターン構造にすると、スロット及びバー導体の数を減少することでステータ構造を非常に簡単にすることができると共に、スロットの導体収納部及びバー導体の断面積を増大することで電流容量を増大することができる。また、細長部分付き円形スロット及び丸型バー導体や、ステータ端面からの電源供給引出し構造を簡単に併用することができ、これによって、製造コストを更に下げ、モータ外からの電源取出しも容易になる。
これとは逆にターン数を2以上に増加させることについては、図3,4で既に説明した。図3,4の3相2ターン型モータは2極構造であり(極数p=2)、導体間接続部の長さを短くするために、帯状の導体間接続部をステータ(1)の外周に回す方法を採っている。すなわち、ステータ1の外側に、廻し接続部3a5,3a7;3b5,3b7;3c5,3c7が配置される。従って、廻し接続部を成形加工することで製造効率が悪く、また、モータの外径が大きくなってしまう。
従って、これを回避するためにも、ターン数の多いモータについて、図5〜図7で説明したステータ端面での直接引出しや導体間接続構造を採用することができる。この場合、極数を「p」とし極当り各相ターン数を「t」とすると、各相ステータコイルを構成するt×p本のバー導体を、順次、ステータの何れかの端面で交互に直列接続して行き、各相ステータコイルの両端のバー導体については、一方の端部となるバー導体の端子をステータの一端面側で各相電源に接続し、他方の端部となるバー導体の端子を同一端面側で全相共通に接続する。
特に、2ターン型で4極以上の構造(t=2,p≧4)のモータに対して、図6で説明したように、バー導体の端部(コイルエンド)をステータ端面にて板状(弧状)の導体間接続部で接続する方法を採用すると、実用上、ステータ外側に廻し接続部を設ける必要をなくするだけでなく、図3のように、ステータ外周に廻し接続部を回すよりも、導体間接続部の長さを短くすることができ、各相ステータコイルの導体間接続要素のインピーダンスを小さくすることができる。
図8は、この発明の一実施例による3相4極2ターン型モータ(t=2,p=4)の構造例を示す。このモータでは、ステータ1のロータ側内部に24個の全閉深溝形スロットが設けられ、これらスロット乃至ステータ両端面にA〜C相ステータコイル3a〜3c(これらの参照記号は図示されていない)及び共通接続板nが設けられる。各相ステータコイル3a〜3cは、8本のバー導体と7枚の中間接続板(導体間接続部)を備え、参照記号a1〜a15,b1〜b15,c1〜c15は、A〜C相ステータコイルの構成要素を表わしており、ステータコイルを示す筆頭参照数字「3」は、紙面の都合上、省略されている。
参照記号中の奇数で示されるバー導体は、図8(1)の展開図に示すように、所定のスロットを貫通する。また、偶数は、ステータ1の端面に装着される中間接続板を示し、これらの構成要素は、図8(2)の巻線構造図に示すように、順次、参照記号の数字順に接続される。そして、A〜C相ステータコイル3a〜3cの第1バー導体a1,b1,c1の先端にはA〜C相電源から電力が供給され、第8バー導体a15,b15,c15の末端は共通接続板nに接続される。従って、この3相モータは、4極の磁界を生成し各相各極当り2本のバー導体を備える4極2ターン型モータを構成する。
このモータでは、図8(1)におけるステータ1の左右に示されるように、各相当り3枚の中間接続板(参照数字4,12,8)及び1枚の共通接続板nがステータ1の一端面(図示左側)に設けられ、また、各相当り4枚の中間接続板(参照数字14,6;10,2)がステータ1の他端面(図示右側)に設けられる。つまり、バー導体端部のコイルエンドを接続するこれらの接続板は、図8(3)の断面図に示すように、2層構造に積層してステータ1の両端面に装着する構造となるので、バー導体両端のコイルエンドを接続するのに、図3のように、ステータ1の外側を回る中間接続体を用いる必要がない。従って、このモータのステータ構造によれば、モータ外形を小さくすることができるだけでなく、コイルエンドも短くすることができ、製造も容易となる。そして、コイルエンド接続要素(参照数字14,6;10,2の中間接続板)のインピーダンスを小さくすることができる。
〔ロータの構成例〕
ロータの軸方向長を短くするとモータの高速回転を円滑に行うことができる。さらに、高速回転するロータは、内側に大きな応力が発生するので、これに対する強化対策が必要となる。この発明の一実施例による誘導機タイプの高速多相モータにおいては、ロータの構造を工夫してこのような高速回転に耐え得る強度にすることができる。図9〜図11は、この発明の一実施例による高速多相モータのロータ構造の一例である。
例えば、図1〜図8に示されるように、スロットSを全閉形にすることで、回転磁界の高調波成分による損失を抑制することができる。前述したように、ロータ2には所謂“ソリッドロータ”が用いられ、誘導機の場合、両端に短絡環を備えた鉄製塊状体を用いることが好ましい。これは、鉄製ソリッドロータとすることで、二次抵抗を下げて鉄損を減少すると共に、トルクを生じさせる二次電流の通路だけでなく、ステータコイル3により生成される回転磁界に基づくステータ1からの十分な磁束に対して好ましい低い磁気抵抗の通路を提供するので、更に高いトルクを得ることができることによる。
しかしながら、ロータ2は、単に鉄製塊状体とするだけでは、高速回転による遠心力に対する耐性が十分ではない。そこで、図9〜図11に示すように、ロータの軸心側及びステータ側の炭素(カーボン)成分を異ならせると共に、短絡環のステータ側に面取りを施すことにより、ロータの遠心力強度を向上させることができる。
図9は、ロータの主要素を成分の異なる2つの層で構成する二層構造のロータの構成例を示す。この例では、ソリッドロータ2は、透磁率が高くしかも比抵抗が低い金属、例えば、純鉄に近い塊状炭素鋼或いはニッケル(Ni)系合金鋼などで構成された外側ロータ部21と、高強度鋼で構成される内側ロータ部22から成り、両ロータ部21,22は、例えば、高温高圧の下に異質金属を接合させる熱間等方圧接合法(HIP:Hot Isostatic Pressing)などで拡散接合することによって強固に結合される。なお、両ロータ部21,22の接合には電子ビーム接合法を用いてもよい。このような二層構造を採用することにより、内側ロータ部22の高強度鋼によって遠心力に対して内部強度を高めたソリッドロータ構造が得られる。
また、両ロータ部21,22の両端面には、比抵抗が低く、しかも、両部21,22に使われる極力鉄鋼に近い線膨張係数を有する銅合金材で構成された短絡リング23が設けられ、この短絡リング23の外周縁には面取りBVが施される。このような銅合金材には、例えば、Cu−Mo焼結合金などが用いられ、外側及び内側ロータ部21,22の接合と共に拡散接合などの接合方法により結合される。これにより、短絡リング23をロータ主要素21,22と少ない接触抵抗で強固に結合し、しかも、外周縁を面取りすることで、短絡リング23を含むロータ2全体の遠心力に対する強度が更に高められる。
このように二層構造でロータを構成する場合、内側ロータ部は、図10に示されるように、回転軸と一体化することができる。すなわち、高強度鋼で構成される内側ロータ部22及び回転軸X−Xについて、材料成分の工夫や熱処理により、図10に参照記号2Aで示されるように、両者を完全に一体化した構造とする。この一体化構造2Aによって、更に強度を向上し而も製造効率を高め製造コストを低減することができる。
図9の二層構造ロータに対して、図11は、ロータの主要素を外側と内側とで順次成分が異なるように分布させた分布構造のロータの構成例を示す。この例では、ソリッドロータ2は、外側(ステータ側)から内側(軸心X側)に向かうのに従って、透磁率が高くしかも比抵抗の低い、純鉄に近い炭素鋼成分から、炭素の割合いが増大した強度鋼成分へと、成分分布が変化するソリッドロータ部20により構成される。このようなソリッドロータ部20は、透磁率が高くしかも比抵抗が低く純鉄に近い円柱(中央は回転軸のために孔空き)状の炭素鋼を内側から浸炭し〔炭素(カーボン)を浸透させる〕焼入れすることにより得られる。なお、この代わりに、内側の強度を持たせるのに必要な炭素成分をもつ炭素鋼や合金鋼の外周を脱炭してもよい。そして、内側ほど炭素成分が多く強度鋼の性質を帯びることによって、遠心力に対して内部強度を高めたソリッドロータ構造が得られる。
また、ソリッドロータ部20の両端面には、図9と同様に、比抵抗が低くしかも線膨張係数が極力鉄鋼に近い銅合金材で構成され外周縁が面取りされた短絡リング23が拡散接合などにより結合される。このように線膨張係数を合わせることによって、ロータとの接合を容易にし、線膨張係数の違いに起因する軸の変形により高速回転時に軸回転が不安定になるのを防止することができる。従って、短絡リング23を含むロータ2全体の遠心力に対する強度が更に高められる。
図9〜図11で説明したソリッドロータにおいて、透磁率が高くしかも比抵抗が低い外側(ステータ側)の部分には、比抵抗が20μΩcm以下であり、比透磁率が1000以上である材料を用いることによって、実用的に十分な特性を得ることができる。
この発明は、ソリッドロータを備えたソリッド誘導モータ(以下、単に「ソリッドモータ」という)において、高トルクで高効率で運転することができるようにすることを1つの目標としている。図12は、このようなソリッドモータと通常のかご型誘導モータ(以下、かご型モータという)の速度・トルク特性を説明するための図である。一般のかご型モータ(例えば、アルミかご型誘導モータ)の速度・トルク特性が破線の曲線Tqで示されており、定格負荷TLに対する速度Nqは、比較的大きいスリップをもつ。これに対して、この発明の目標とするソリッドモータの速度・トルク特性は、太線Tsで示されるように、スリップの少ない定格速度Nsで運転し、効率を高めようとするものである。
ソリッドモータにおいて、ソリッドロータは、かご型モータのロータのように2次導体を間隔をおいて設けず、ロータの外側の領域全体が電流通路と磁気通路の機能を兼備している。今、通常の設計手法に従って、単純に、かご型ロータ及びソリッドロータについてロータの表面から距離2aまでのロータ外側部が磁気回路として機能しており、かご型ロータについては、2次導体をその導体幅分aだけ間隔をおいて配置している、と想定してみる。この場合、ソリッドロータは、ロータ外側部全体が電流通路として機能するので、電流通路についてはかご型ロータの約4倍の断面積を有する。また、磁気通路については、かご型ロータでは導体幅分aつまりロータ外側部の約半分は磁気通路として機能しないので、ロータ外側部全体が磁気通路として機能するソリッドロータは、かご型ロータの約2倍の磁気通路を備える。従って、ソリッドモータの2次抵抗はかご型モータの約1/8になり、一次側巻線数はかご型モータのおよそ半分になる。
これは、別の言い方をすれば、上述の場合には、ソリッドモータでは、かご型モータに対して、磁気通路の断面積が2倍になることで1次側に換算した2次巻線数は1/2倍となり、また、一次側に換算した2次巻線断面積は2倍となるので、結局、二次抵抗は1/8となり、一次側巻線数は半分になる。
このように、ソリッドモータでは、かご型モータのおよそ1/8にすることができるので、ソリッドロータ外側部の比抵抗を16μΩcmにすれば、その1/8の2μΩcmの比抵抗の2次導体(例えば、クロム銅)を用いた低2次抵抗かご型モータと等価な特性が得られ、例えば、一般に使われているアルミかご型モータ(高強度アルミの比抵抗=3.5μΩcm)に比べて約57%スリップの高効率モータを提供することができる。さらに、比抵抗を16μΩcm以下とすることによって、低2次抵抗かご型モータよりスリップを少なくし、純銅の2次導体を用いたかご型モータ並以上にスリップを少なくし、より高効率のモータを提供することができる。
さらに、透磁率については、図13に示すように、ソリッドロータ外側部の比透磁率が1000より小さくなるなると急激に励磁電流(無負荷電流)が増えるので、モータの損失が増大するだけでなく、モータに電力を供給する電力変換器のパワースイッチング素子に大きい容量のものを使う必要が生ずるなどの問題がある。従って、ソリッドロータ外側部には比透磁率を1000以上とした高透磁率材料を用いることにより、励磁電流を十分に抑制することができる。
以上のように、この発明による高速多相モータのソリッドロータ外側部分に使用する材料は、少なくとも20μΩcm以下好ましくは16μΩcm以下の比抵抗を持ち、比透磁率が1000以上とすることによって、低スリップで効率よく運転し、励磁電流を十分に抑制するという、実用的に十分な特性を得ることができる。また、このような比抵抗及び比透磁率を呈する材料は、純鉄に対して、比抵抗や透磁率、飽和磁束密度を悪化させる元素、例えば、P、S、Si、Al、Cなどを、強度や加工性を考慮しながら成分コントロールした材料に、適切な熱処理を行うことにより、比較的容易に実現することができる。
なお、現在のソリッド誘導モータで使われているロータ材料は、JIS規格でS35C又はS45Cと呼ばれる炭素鋼であり、比抵抗や透磁率については配慮されていない。また、これらの材料の比抵抗は、20μΩcm以上あり、透磁率も1000以下である。
〔PWM駆動と多相化〕
この発明の一実施例による高速多相モータは、直流電源から高周波数交流電力を出力するインバータのような電力変換器を用いた高周波電源で駆動される。3相モータについては、例えば、図14に示されるような3相インバータ駆動回路が用いられる。
すなわち、図1〜図8で説明した3相モータMのステータコイル3a〜3cには、自動車に搭載されるバッテリのような直流電源〔例えば、DC12V(ボルト)〕から3相インバータIVを通じて3kHz程度の高周波の電力が供給される。インバータIVは、電力用FETトランジスタのようなスイッチング素子T1〜T6を備え、CPUを含む制御回路CNは、図示しない各種制御入力に従ってこれらスイッチング素子T1〜T6のゲートに制御信号を送って、インバータIVから出力される電圧電流を制御し3相モータMを所望速度に制御する。
ここで、制御回路CNは、モータMが誘導機の場合は、インバータIVを所謂“ベクトル制御”方式で運転することが好ましく、同期機の場合には、インバータIVを所謂“無整流子電動機”方式で運転することが好ましい。また、何れの運転方式を用いた場合でも、モータMは、指令速度を超える回転速度になると、負荷側から駆動されて発電機として動作し、電力を直流電源に回生し回生制動されるように制御することができる。
また、モータ磁界の高調波損失を下げるために、ステータの内周に沿って空隙に生成される回転磁界を正弦波状にする必要がある。このため、インバータIVの出力電圧をPWM制御することによって正弦波電流をモータMのステータコイル3a〜3cに通流させることができる。
このように高周波インバータIVの出力をPWM制御すると、スイッチング素子T1〜T6のスイッチングロスが増大し、また、制御回路CNに用いられるCPUは、並行する他の機能が優先されるケースもあって、モータ制御のための演算が間に合わないという事態が生じることがある。そこで、ステータコイルの駆動波形をPWM波ではなく方形波にすることが考えられる。
例えば、各スイッチング素子を半サイクル当り1パルスで120°(=2π/3)期間オンした矩形波(方形波)が、順次、ステータコイルの2相に供給される場合は、ステータ・ロータ間空隙にはステータ1の内周方向に沿って、図14右上に示されるような階段状の回転磁界が生成される。
このような階段状の回転磁界は、ステータコイルの相数が“3”を超えるにつれて、順次、階段差が細かくなり、5相以上にすると、実用的には、ステータコイルによる回転磁界を正弦波に近似したものと言えるようになる。図15は、この発明の一実施例による9相モータを説明するための図であり、図16は9相モータの駆動回路例である。
図15(1)は、この発明の一実施例による9相1ターン型モータの構成例である。このモータMは、図1〜図4とほぼ同様の構造であるが、9相1ターンのステータコイル3a〜3iを有する。つまり、スロット数が18であり(Sa1〜Si2)、ここにステータコイル3a〜3iの第1及び第2バー導体部3a2,3a4;3b2,3b4;…;3i2,3i4が通っている。このように多くの相コイルをもつ構造にすると、同一出力を得るのに各相コイルの電流容量が小さくて済み、バー導体部及びスロットの断面寸法を小さくすることができ、場合によっては通常のコイルを使うことができる。
図16の9相モータ駆動回路例は、図14の駆動回路と同様の構成で、これと同様にインバータIVを制御する。ただし、インバータIVは、9相インバータであって、9対18個のスイッチング素子T1〜T18を備える。
図15(1)に示すような9相モータMについて、例えば、各スイッチング素子を半サイクル当り1パルスで160°(=8π/9)期間オンした矩形波(方形波)が、順次、ステータコイルの8相に供給され場合は、ステータ・ロータ間の空隙にはステータの内周方向に沿って、図15(2)に示されるように、階段差が少く正弦波に近似したと言い得る回転磁界が生成されるので、高調波磁界の損失を下げることができる。従って、各スイッチング素子T1〜T18は、PWM駆動に比べて時間当りのスイッチング回数が極端に減少するので、スイッチング損失を低下することができ、また、制御回路CNは時間的に余裕のある制御を行うことができる。
〔種々の実施態様〕
以上、図面を参照しつつこの発明の好適な実施例を詳述したが、この実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図9〜図11のロータ構造や、図15及び図16で説明した5相以上の多相化モータに対する方形波駆動は、図1〜図8及び図15(1)のようにバー状導体を使用するステータ構造のものに限らず、他のステータ構造をした多相モータに適用することができる。しかしながら、図1〜図8及び図15(1)のようなバー状導体コイル使用のクローズドスロットステータ構造のモータMに適用した場合には、これらを合わせた相乗効果を奏するので、特に高速多相モータの高効率化に極めて好適である。
なお、実施例では、低圧・大電流の高周波数電源で駆動するのに適した高速多相モータのステータ構造やロータ構造について説明したが、バー状導体を使用するクローズドスロットステータ構造自体は、例えば極数やターン数を増大することにより、高周波数電源で駆動しない多相モータに一般的に適用することができる。同様に、図9〜図11で説明したロータ構造についても、それ自体は、高周波数電源で駆動しない誘導モータに一般的に適用することができる。
この発明の一実施例による3相1ターン型モータの要部分解斜視図である。 この発明の一実施例による3相1ターン型モータの要部側面及び断面図である。 この発明の一実施例による3相2ターン型モータの要部分解斜視図である。 この発明の一実施例による3相2ターン型モータの要部を側面から見たときの結線図である。 この発明の一実施例による多相モータのスロット及び導体形状の他の例を示す図である。 この発明の一実施例による3相1ターン型モータの他の例を示す図である。 この発明の一実施例によるハーフターン型多相モータの例を示す図である。 この発明の一実施例による3相4極2ターン型モータの例を示す図である。 この発明の一実施例による高速多相モータのロータ構造の一例である。 この発明の一実施例による多相モータのロータ・回転軸一体化の例である。 この発明の一実施例による高速多相モータのロータ構造の他の例である。 目標とする多相誘導モータ及び通常の籠型誘導モータの速度・トルク特性を示す図である。 ソリッド誘導モータのロータ透磁率と励磁電流の関係を説明するための図である。 3相モータの駆動回路例である。 この発明の一実施例による9相モータを説明するための図である。 9相モータの駆動回路例である。
符号の説明
1 ステータ(固定子)、
2 ロータ(回転子)、
3 成形加工されたステータコイル(固定子巻線)、
3a;3a1〜3a4;3a1〜3a8 A相ステータコイル、
3b;3b1〜3b4;3b1〜3b8 B相ステータコイル、
3c;3c1〜3c4;3c1〜3c8 C相ステータコイル、
3a1,3b1,3c1 給電接続部、
3a2,3b2,3c2,…,3i2 第1バー導体部
3a3,3b3,3c3 導体間接続部、
3a4,3b4,3c4,…,3i4 第2バー導体部
3n 突出片3na,3nb,3ncを備える共通接続部、
D 給電接続部、導体間接続部及び共通接続部の厚さ(板厚)、
S;Sa,Sb,Sc;Sa1,Sa2;Sb1,Sb2;Sc1,Sc2;…;Si1,Si2 全閉スロット、
4 絶縁シート、
IS 絶縁被覆、
FL 冷却用流体(冷却媒体)、
3a5,3b5,3c5:3a7,3b7,3c7 廻し導体間接続部、
3a6,3b6,3c6;3a8,3b8,3c8 第3及び第4バー導体部、
21 透磁率が高く比抵抗が低い外側ロータ部、
22 高強度鋼で構成される内側ロータ部、
23 外周縁に面取りBVが施された短絡リング、
20 分布構造のソリッドロータ部、
IV スイッチング素子T1〜T6,T1〜T18を備える高周波インバータ。

Claims (13)

  1. 内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロットが形成された積層鉄心製のステータと、
    上記スロットのそれぞれを貫通するバー状導体を有する各相ステータコイルと、
    上記ステータの内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータと
    から成り、
    各相ステータコイルには多相高周波電源の各相出力が供給される
    ことを特徴とする多相モータ。
  2. 前記スロットは、回転軸に直交する方向の断面が、外側方向にほぼ長方形の形状を呈すると共に、内側方向には先細るほぼ二等辺三角形の形状を呈し、
    各相ステータコイルのバー状導体は、断面がほぼ長方形であり、前記スロットの断面長方形の部分に嵌め込まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の多相モータ。
  3. 前記スロットは、回転軸に直交する方向の断面がほぼ円形の形状を呈する外側部分と、同方向の断面が内側方向に先細り外側部分の径より幅狭でほぼ長方形の形状を呈する内側部分とから成り、
    各相ステータコイルのバー状導体は、断面がほぼ円形であり、前記スロットの断面円形の外側部分に嵌め込まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の多相モータ。
  4. ステータコイルは、各相毎に、1つのスロットを貫通する1本のバー状導体で構成され、各相バー状導体は、一端が各相電源に接続され他端が全相共通に接続されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多相モータ。
  5. 各相ステータコイルは、直列接続された2n本のバー状導体を有し、各バー状導体は、2n(nは正の整数)個のスロットの夫々を貫通し、ステータの何れかの端面で他のバー状導体の端子間と接続され、コイル両端のバー状導体については、一端のバー状導体の端子がステータの一端面側で各相電源に接続され、他端のバー状導体の端子がステータの一端面側で全相共通に接続されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多相モータ。
  6. 各相ステータコイルの一端をなすバー状導体は、ステータの一端面から突出した端部を有し、当該端部には、電源供給用引出し線を接続するための引出し部が形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の多相モータ。
  7. 内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロットが形成された積層鉄心製のステータと、
    上記スロットのそれぞれを貫通するバー状導体を有し、多相高周波電源の各相出力が供給される各相ステータコイルと、
    上記ステータの内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータと
    から成り、
    上記空隙に対して冷却用流体を回転軸に沿う方向に強制的に通流する
    ことを特徴とする多相モータ。
  8. 内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロットが形成された積層鉄心製のステータと、
    上記スロットのそれぞれを貫通するバー状導体を有し、多相高周波電源の各相出力が供給される各相ステータコイルと、
    上記ステータの内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータと
    から成り、
    上記ロータの主要素は、比抵抗が低く透磁率が高い外側部分と回転軸に結合される高強度鋼製の内側部分とを強固に接合したものである
    ことを特徴とする多相モータ。
  9. 前記ロータの内側部分と回転軸とは一体化された構造であることを特徴とする請求項8に記載の多相モータ。
  10. 内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロットが形成された積層鉄心製のステータと、
    上記スロットのそれぞれを貫通するバー状導体を有し、多相高周波電源の各相出力が供給される各相ステータコイルと、
    上記ステータの内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータと
    から成り、
    上記ロータの主要素は、外側ほど純鉄に近い炭素鋼成分となり、内側ほど高強度鋼成分となるように、外側から内側へと両成分が漸次変化して分布するものである
    ことを特徴とする多相モータ。
  11. 前記ロータの外側の部分は、比抵抗が20μΩcm以下であり、比透磁率が1000以上であることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の多相モータ。
  12. 前記ロータは、抵抗が低く線膨張率が炭素鋼に近い金属を前記ロータ主要素の両端面に接合した短絡リングを備え、該短絡リングは、外周縁が面取りされた構造であることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の多相モータ。
  13. 内周面側に回転軸に沿って全閉形のスロットが形成された積層鉄心製のステータと、
    上記スロットのそれぞれを貫通するバー状導体を有する各相ステータコイルと、
    上記ステータの内周面側に空隙を介して対向する円柱形状のロータと
    から成り、
    前記ステータコイルは、相数が5以上であり、方形波の高周波電源出力が供給される
    ことを特徴とする多相モータ。
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